予算委員会公聴会
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会
会議録情報#0
平成十三年三月十五日(木曜日)
午前十時一分開会
─────────────
委員の異動
三月十二日
辞任 補欠選任
金田 勝年君 常田 享詳君
月原 茂皓君 入澤 肇君
依田 智治君 南野知惠子君
菅川 健二君 柳田 稔君
竹村 泰子君 峰崎 直樹君
角田 義一君 堀 利和君
魚住裕一郎君 益田 洋介君
高野 博師君 浜田卓二郎君
清水 澄子君 照屋 寛徳君
田村 秀昭君 高橋 令則君
三月十三日
辞任 補欠選任
山下 芳生君 西山登紀子君
三重野栄子君 清水 澄子君
西川きよし君 石井 一二君
三月十四日
辞任 補欠選任
江田 五月君 福山 哲郎君
大森 礼子君 山下 栄一君
大沢 辰美君 阿部 幸代君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 岡野 裕君
理 事
岩城 光英君
木村 仁君
須藤良太郎君
吉村剛太郎君
高嶋 良充君
円 より子君
弘友 和夫君
小池 晃君
委 員
有馬 朗人君
石渡 清元君
入澤 肇君
鎌田 要人君
岸 宏一君
佐々木知子君
佐藤 昭郎君
斉藤 滋宣君
陣内 孝雄君
野沢 太三君
南野知惠子君
保坂 三蔵君
松谷蒼一郎君
松村 龍二君
小川 敏夫君
木俣 佳丈君
櫻井 充君
内藤 正光君
福山 哲郎君
堀 利和君
峰崎 直樹君
簗瀬 進君
柳田 稔君
浜田卓二郎君
益田 洋介君
山下 栄一君
阿部 幸代君
西山登紀子君
宮本 岳志君
清水 澄子君
照屋 寛徳君
松岡滿壽男君
高橋 令則君
石井 一二君
大臣政務官
財務大臣政務官 大野 松茂君
事務局側
常任委員会専門
員 吉田 成宣君
公述人
文京女子大学経
営学部教授 菊池 英博君
日本労働組合総
連合会事務局長 笹森 清君
沖縄大学教授 新崎 盛暉君
東京大学社会科
学研究所教授 大沢 真理君
帝京大学理事長
・総長 冲永 荘一君
多摩大学学長 グレゴリー・
クラーク君
─────────────
本日の会議に付した案件
○平成十三年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
送付)
○平成十三年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
送付)
○平成十三年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
議院送付)
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この発言だけを見る →午前十時一分開会
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委員の異動
三月十二日
辞任 補欠選任
金田 勝年君 常田 享詳君
月原 茂皓君 入澤 肇君
依田 智治君 南野知惠子君
菅川 健二君 柳田 稔君
竹村 泰子君 峰崎 直樹君
角田 義一君 堀 利和君
魚住裕一郎君 益田 洋介君
高野 博師君 浜田卓二郎君
清水 澄子君 照屋 寛徳君
田村 秀昭君 高橋 令則君
三月十三日
辞任 補欠選任
山下 芳生君 西山登紀子君
三重野栄子君 清水 澄子君
西川きよし君 石井 一二君
三月十四日
辞任 補欠選任
江田 五月君 福山 哲郎君
大森 礼子君 山下 栄一君
大沢 辰美君 阿部 幸代君
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出席者は左のとおり。
委員長 岡野 裕君
理 事
岩城 光英君
木村 仁君
須藤良太郎君
吉村剛太郎君
高嶋 良充君
円 より子君
弘友 和夫君
小池 晃君
委 員
有馬 朗人君
石渡 清元君
入澤 肇君
鎌田 要人君
岸 宏一君
佐々木知子君
佐藤 昭郎君
斉藤 滋宣君
陣内 孝雄君
野沢 太三君
南野知惠子君
保坂 三蔵君
松谷蒼一郎君
松村 龍二君
小川 敏夫君
木俣 佳丈君
櫻井 充君
内藤 正光君
福山 哲郎君
堀 利和君
峰崎 直樹君
簗瀬 進君
柳田 稔君
浜田卓二郎君
益田 洋介君
山下 栄一君
阿部 幸代君
西山登紀子君
宮本 岳志君
清水 澄子君
照屋 寛徳君
松岡滿壽男君
高橋 令則君
石井 一二君
大臣政務官
財務大臣政務官 大野 松茂君
事務局側
常任委員会専門
員 吉田 成宣君
公述人
文京女子大学経
営学部教授 菊池 英博君
日本労働組合総
連合会事務局長 笹森 清君
沖縄大学教授 新崎 盛暉君
東京大学社会科
学研究所教授 大沢 真理君
帝京大学理事長
・総長 冲永 荘一君
多摩大学学長 グレゴリー・
クラーク君
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本日の会議に付した案件
○平成十三年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
送付)
○平成十三年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
送付)
○平成十三年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
議院送付)
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岡
岡野裕#1
○委員長(岡野裕君) ただいまから予算委員会公聴会を開会いたします。
本日は、平成十三年度一般会計予算、平成十三年度特別会計予算及び平成十三年度政府関係機関予算につきまして、六人の公述人の方々から順次項目別に御意見をお伺いすることといたします。
初めに、公述人の両先生にごあいさつを申し上げます。
両先生には、さぞや御多忙でありましょうところを本委員会に御出席を賜りまして、本当にありがとうございました。委員会を代表してごあいさつを申し上げた次第でございます。
きょうは、平成十三年度総予算三案につきまして皆様から忌憚のない御意見を聴取し、今後の審査の参考にいたしたいと、かように存じておりますので、よろしく何分お願い申し上げます。
次に、会議の進め方について申し上げます。
まず、お一方二十分程度で御意見をお述べいただいたその後、委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。
それではまず、財政・税制についてであります。公述人文京女子大学経営学部教授菊池英博さんの御意見を伺います。菊池公述人、どうぞ。
この発言だけを見る →本日は、平成十三年度一般会計予算、平成十三年度特別会計予算及び平成十三年度政府関係機関予算につきまして、六人の公述人の方々から順次項目別に御意見をお伺いすることといたします。
初めに、公述人の両先生にごあいさつを申し上げます。
両先生には、さぞや御多忙でありましょうところを本委員会に御出席を賜りまして、本当にありがとうございました。委員会を代表してごあいさつを申し上げた次第でございます。
きょうは、平成十三年度総予算三案につきまして皆様から忌憚のない御意見を聴取し、今後の審査の参考にいたしたいと、かように存じておりますので、よろしく何分お願い申し上げます。
次に、会議の進め方について申し上げます。
まず、お一方二十分程度で御意見をお述べいただいたその後、委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。
それではまず、財政・税制についてであります。公述人文京女子大学経営学部教授菊池英博さんの御意見を伺います。菊池公述人、どうぞ。
菊
菊池英博#2
○公述人(菊池英博君) 皆さんおはようございます。御紹介いただきました菊池でございます。本日は、こういう大変貴重な席にお招きをいただきまして、私の意見を申させていただくことを大変光栄に思っております。
私は、大学の教員でございますので、政治的には中立の立場で現在の財政・金融、そういった問題につきまして所見を述べさせていただきたいと思います。
それから、途中で数字を使いますものですから、パネルを使わせていただきます。
それから、お手元に大変やや欲張りまして資料を多く配付させていただいたかと思います。それで、横長の私の説明のレジュメがございます。それに基づきまして御説明申し上げ、あとの資料は関連で御質問等があればそれにお答えさせていただくというふうに考えております。
それでは、まず第一に私の主な公述内容を申させていただきます。
本日、私が申し上げたいことは次の三点でございます。まず第一に平成十三年度予算についての所見、二番目が日本の債務問題について、純債務で見れば日本の財政は決して危機的ではない、これが実は私きょう申し上げたい一つのポイントで、かねがね私の考え方でございます。純債務で見た日本の財政状況と特徴というのをお話しさせていただきます。それから三番目には、現下の金融システム安定化と株価対策といたしまして、銀行の株式所有の禁止を法制化し、早急に政府に銀行保有株式買い上げ機構の設置が必要ではないかというふうに考えておりますので、その私の意見を申させていただきます。
また、金融再生法と早期健全化法の五年間の延長、それからBIS規制、これは後ほど御説明申し上げますが、国際決済銀行で申し合わされました銀行の自己資本比率に関する規制でございます、このBIS規制を地域金融機関には適用すべきではないという考えを持っております。この点につきましても後ほど申し上げたいと思います。
それではまず第一に、平成十三年度予算についての所見でございます。
基本的には、私は現在御審議中の予算案に賛成であり、早く成立させていただきたいと思います。しかし、現在、日本国民の多くは日本経済の将来に対して不安感を抱いており、この根底には長期にわたる経済の低迷とデフレ現象、及び過度の悲観論があると考えます。
九八年七月に就任されました小渕前総理は、財政再建策を凍結し、九九年三月に銀行に公的資金、これは政府保証資金で資本を注入いたしました。それによりまして金融危機を乗り切り、積極財政をとって恐慌的不況の克服に尽力されました。特に、九九年秋の補正予算では真水で九兆円の支出を決め、これでようやく日本経済はマイナス成長からはい上がったのです。平成十二年度予算も積極型で、日本経済は成長路線に乗ることが期待されました。
ところが、昨年四月十二日に日銀総裁がゼロ金利の解除、これは金利の引き上げでございます、〇・二五%の金利の引き上げを示唆したことから、この日から株価が下落し始め、八月十一日にはゼロ金利の解除が決定され、その後、マネーサプライ、通貨供給量の前年度比伸び率が低下いたしまして、金融は実質的に引き締め政策をとっていると考えざるを得ません。もちろん公には緩和策をとっているということでございますが、金利の引き上げがまだ残っておりますし、それからマネーサプライは前年同期に比べますとまだまだ二%前後でございます。かつてバブルのころは一〇%以上でございましたし、私はこれは一〇%ぐらいのマネーサプライの増加は必要だと考えております。
また、昨年の夏ごろから、一部の識者が政府の総債務だけ、借り入れだけで日本の財政をとらえ、日本の財政は危機的で今にも破綻寸前であるかのように誇張し、マスコミもこの論調に乗って危機感をあおってきました。
こうした中で、昨年秋の補正予算は真水で四兆円の増加にとどまったために、前年の九兆円に比べまして五兆円の減額となり、また、現在御審議中の平成十三年度予算は六年ぶりの緊縮予算、前年度に比べて二・七%減、二・三兆円の減となっているために、平成十三年の予算支出は前年に比べまして八兆円の減額ということになると思います。これが市場にデフレ懸念を強め、加えて、銀行が収益対策、時価会計対策のために持ち株を市場で売却しているために株価が急落してきたわけでございます。
現在の日本では、昨年から現在までのところを考えますと、金融もデフレ的な政策をとっている、それから財政もデフレぎみに緊縮財政をとっている、こういうデフレ懸念が市場に非常に強まっており、これが株価の一番の低下の原因ではないかと思います。平成十三年度は、このまま放置いたしますと日本経済はマイナス成長に陥るのではないかと懸念いたしております。四月以降の景気動向を注視し、景気が失速しそうになれば早目に補正予算を御検討いただくのがよいかと考えます。真水で十兆円支出いたしましても、平成十三年の純支出はわずか二、三兆円にすぎません。
現在、日本のとるべき経済政策は、あらゆる手段を総合してデフレ経済からの脱却を図ることと考えます。金融の一段の量的緩和、財政支出の増加、セーフガードの発動や円安誘導、徹底した景気回復優先策によって物価の下落を防止し、名目GDP、国内総生産を引き上げることであろうと私は考えております。
二番目に、日本の債務問題についてです。
現在の日本では、私の考えといたしまして、この問題ほど誤解され、あるいは誇張されているという問題はないのではないかというふうに考えています。総債務から金融資産を控除いたしました純債務で見ますと、日本の財政は決して危機的というほどではございません。現在は、財政支出を継続して景気振興策を最優先すべきではないかと考えております。
そこで、この席上をかりまして、純債務で見た日本の財政事情はどんな状況かということを説明させていただきたいと思います。
それでは、そのペーパーの二ページ目をごらんください。二ページ目に左と右に図表がございます。それをちょっと御説明いたします。(図表掲示)
まず、日本の財政でございますけれども、日本の財政は決して債務超過ではございません。これは九九年末の資金循環を中心にして図表化してみたものです。資料は昨年十二月に出ました経済企画庁の国民経済計算からとっております。
家計と企業と政府、海外、この四つの部門に分けて考えてみますと、まず家計では金融資産が千四百八兆円ございます。括弧内は一年前、九八年度でございます、九八年、暦年でございます。それで千四百八兆ございます。それで、それがそのほか金融機関の余剰というのがございまして、一方、家計で負債として使っている、つまり金融資産を持ちながら一方では住宅ローンを借りている、消費者ローンを使っているというのは家計の負債になります。これを引きますと、家計として部門では千二十四兆、つまり千兆円の余剰があるわけです。これがあとのほかの部門に回っているわけです。それは企業部門にどうかといいますと、七百四十九兆円回っております。それから、政府部門では負債が六百十八兆円と、こう言われておりますけれども、実は金融資産を三百九十兆円持っております。したがって、純債務としては二百二十八兆にすぎません。そこに回っております。それから、海外部門で八十五兆円回っていまして、そういう意味では対外的には債権国ということが言えるわけでございます。
それでは次に、右側の表でございます。図表二でございます。日本政府の貸借対照表というところでございます。
昨年十月に大蔵省が日本政府の貸借対照表を発表いたしました。そのときの新聞の見出しは政府も大幅な債務超過ということでございましたが、しかし実際、国民経済統計、経済計算から見ますと、決して債務超過ではございません。正味資産がはっきりと計上されております。その内訳は、八百七十七兆円の総資産がございます。そのうち金融資産は三百九十兆円、四五%、固定資産は三百三十二兆円で三八%、土地は一七%に相当する百五十五兆円ということで、土地には若干含みがございます。一方、負債は六百十八兆、これが国債とか地方債の総負債に当たります。残り正味資産は二百五十九兆円ございます。したがって、日本国は資産超過でございます。
しかし、昨年大蔵省が発表いたしましたのは、その右に書きました負債をここに計上したわけですね。この負債の内容は、公的年金、それから公務員の賞与、退職給与の引当金、これは現在おられます公務員の方がずっと今後勤められる、退職するまでの賞与とか退職給与の引当金、それから一方、公的年金は、既に公的年金に加盟して支払いを開始している人が年金受給期に来てその年金をもらう、そこまで、ずっと先へ行ってもらう年金、それを全部負債に計上しています。
しかし、ここで果たしてこの負債というのはここに入れるべきなのか。私はこれは考え方としてもおかしいのではないかと思います。といいますのは、公務員の方に対しましては、その原資は財政資金でございまして、それは税金で賄われております。それで、政府には徴税権がございますから、将来にわたって政府がつぶれない限りは徴税権は存在します。そうであれば、これに対するはっきりとした債権が、資産があるはずですね。それから一方、年金につきましても、今加盟している以上は、年金というのは賦課方式をとっておりますから、政府には徴収権がございます。ですから、それははっきりとした資産、権利ではないかと思います。ですから、ここに大蔵省が計上いたしました負債部分というのは私はちょっとかなり疑問を持っております。
こういったいかにも国も破産しそうだというようなことを国民に示すのはいかがなものか。昨年あたり新聞を見ますと、新聞の見出しには国も債務超過と出ますね。そうすると、皆さん細かいことを余り読みませんから、へえ大変だな、国もそうなのか。当時私はタクシーに乗りましたら、タクシーの運転手さんが、日本の国も債務超過なんですね、この国はどうなるんですか、年金も何ももらえないんですかというようなことを言います。しかし、実際には決してそうではないわけですね。ですから、こういう面についても国のプレゼンテーションも十分考えて、国民に必要以上の不安感を醸し出させないような対策が必要ではないかと考えます。
それでは次に、右上の三ページに行ってください。日本の債務問題を考えまして、総債務と純債務。純債務といいますのは総債務から金融資産を引いたもの、こういうふうに考えております。そういたしますと、はっきり申しまして、純債務は意外に少ないということになります。
九九年度、平成十一年度をとってみたいと思います。これは暦年でございますから、九九年暦年の、九九年末の数字をとってみたいと思います。
国のGDPは五百十四兆円、総債務が六百十八兆。ですから、総債務のGDP比率を見ますと一二〇・三%。実はこれがひとり歩きしているんですね、大変だ大変だと。
しかし、金融資産というのがその下にあります。実に三百九十兆、四百兆の金融資産があります。それを総債務から引いた純債務は、その下の五番目の二百二十八兆。これが実は政府が実際に市場で調達している、国民からあるいは海外の投資家から調達しておる資金、債務でございます。
それを今度はGDP比率で見ますと四四・三%。ですから、これはこの後申しますけれども、大体欧米の平均並みです。一番悪い、最悪では決してございません。最悪は実はドイツなんです。
そこで、その下の金融資産、これは一体どういうものがあるのかといいますと、実は二つ大きく分けられまして、一つは社会保障基金と、もう一つは外貨準備、貸付金、出資金等、こういうふうに二つに分けられます。
そうすると、まず社会保障基金の中身は、国民健康保険とそれから年金基金でございます。それを見ていきますと、現在かなりプラスでございます。しかも年々、九五年から見ていきますと十兆円ずつぐらいこの基金の残高はふえております。ですから、九九年を見ますと、三百九十兆全体で資産があるうち、社会保障基金は二百三十五兆ございます。前年に比べて九兆ふえている。今の予想では大体今後十兆ぐらいふえていくのじゃないか。
確かに、今社会保障基金の中身というものは非常に問題になっております。政府の方でも、あるいは議会の方でもいろいろ御検討いただいていると思います。それは、このままほっておくと、人員構成とか、あるいは高齢者の負担がふえるということによってこの残高がどんどん減っていってしまう。この残高をこのまま放置しますと、二〇二〇年から二五年でゼロになるだろう、こう言われています。
これは困りますから、給付の見直しとか、それから徴収率の引き上げということをこれから検討していこうということでございます。それはもう大変結構なことです。しかし、マクロ的に考えたときには、これだけの金融資産があるということを我々は十分念頭に置いて債務問題を考えるべきではないかと思います。
それから、その左側、外貨準備、貸付金。これは、日本は債権国でございますし、いろいろ対外的に貸し付けもございます。これを見ていきますと、九九年の末では百五十六兆円ございます。それで、現在外貨準備も三千六百億ドルを超した、史上最高、世界最高と言われていますが、外貨準備だけで四十三兆円ぐらいのものがあるわけで、これは純然たる資産でございます。
それから、その次にこれを海外とちょっと比べてみたいと思います。
まず、主要国の経済・財政事情と特徴ということで、アメリカ、ドイツ、イギリス、日本、この四カ国をちょっと比較してみました。これによりまして、日本の財政事情はどうなっているのかという特徴を見てみたいということでございます。
まず、その下をごらんください。図表の六は総債務残高の対GDP比率でございますね。これを見ていきますと、一番右側、九九年末では日本は確かに一二〇・四%で一番悪い。それからドイツ、アメリカ、イギリスという形になっております。これがですから新聞なんかではひとり歩きしています。
しかし、本当に金融資産等を含めた日本の実力で見ますと、その下でございます。純債務残高のGDP比率は九九年度で日本は四四・三%です。一番この比率が高いのは四七・一%、ドイツの方が比率は悪いわけですね。ドイツは、西ドイツ、東ドイツの統合後もかなり財政支出も出ておりまして、現在も経済的にもかなりずっと赤字が続いているというような状況がこういうところに出ております。それから、日本はといいますと四四・三%、このあとアメリカ、イギリスの平均が大体四四・五%ぐらいになりますから、大体日本は欧米並みの平均であると。
これは、先日、昨年の十二月でございましたか、就任されました麻生太郎先生が、国会ですか、どちらかでお話しになって、新聞で、純債務で見れば日本は平均並みだと、日本の純債務で見ますと債務というのはGDP比率で平均並みなんだ、だから決して、今に政府が破綻しそうだ、国が破綻しそうだということはありませんということをおっしゃいましたが、まさにそのとおりでございます。
そこで、ちょっとその下を見てください、九六年度。九六年度に日本は財政再建を決意いたしまして、九七年度から増税政策をとりました。じゃ、その決意したときに、純債務残高、GDPに占める純債務残高というのはどのぐらいであったかといいますと、二一・三%なんですね。これはほかに比べて半分以下の、半分ぐらいの数字ですね。これははっきり言って健全財政です。
ですから、九九年三月だったと思いますけれども、アメリカのゴア副大統領が来日されまして、日本は財政再建をやるには時期尚早じゃないか、随分金融資産もあるじゃないかということをおっしゃったということは新聞に出ておりました。これではっきり裏づけられます。ですから、この時点で、純債務で国の債務状況を見るんだという考え方がもっと強くあれば、決してあの時期に財政再建をとるということはなかったのではないかと。これは私の推測でございますが、こういう数字からそう考えられます。
それで、その上の数字を見てください。上の数字を見ていただきますと、経常収支、それから国内の投資と貯蓄、財政支出、それからその下が対外的に債務国か債権国か、それから総債務のGDP比率と純債務のGDP比率と、こう数字がございます。
一番右を見ていただきます。日本を見てみますと、これは経常収支は全部黒字、輸出の方が超過しています。ほかの国はといいますと、アメリカは全部赤字で、ドイツは黒字ですけれども、イギリスは黒だったり赤だったり。
それから、一方、二番目の国内の投資と貯蓄を見てみますと、これは全部貯蓄の方がずっと多い。投資よりも多いわけですね。ですから、いわゆるここには投資ギャップといいますか、民間部門での大きな投資不足があります。実はそれを政府の公共投資で賄っているわけです。これをほかの国も見てみますと、アメリカは貯蓄率がマイナスの国ですからずっと投資の方が多い。ドイツも投資の方が多い。イギリスはというと、九八年までは貯蓄の方が多かったんですね。そこで財政赤字をやっていたんです。そうしたら今度は民需が拡大いたしまして、九九年度には投資の方がふえたという結果が見られます。
それから、財政支出を見ますと、日本は全部赤字でございますが、アメリカの場合は九八年から黒字になりました。しかし、アメリカの場合は、その前にずっと赤字財政をとりまして、景気対策として景気を刺激する、いつも景気刺激策をとってきたんですね。ですから、景気抑制的な財政政策をとったことはほとんどないと思います。ここら辺が非常に大きなポイントです。
それから、あとの数字はその下に書いたとおりで、日本は対外的には債権国でございます。これが特徴でございます。
そこで、日本の財政特徴というのはどういうものかということをちょっと右の下に書いておきましたのでごらんください。
日本は今申し上げましたような特徴がございますから、日本の債務問題というのは純債務で見ないと実態がわからないわけですね。つまり、先ほど左の数字で見ていただきましたとおり、問題は、この純債務比率、純債務のGDP比率と総債務のGDP比率の差額を見ていただきますと、大体ほかの三国は一五%ポイントぐらいなんですね。それで、日本の場合は七六とか、八〇%近くもある。ですから、ここに特徴がありますから、日本の場合には全般に見まして他国にない非常に特徴的なモデルを示しております。常に輸出が超過しておりますから、当然国内では貯蓄が投資を上回る状況です。ですから、ほかの国以上に政府が公共投資を支出していかなきゃいけないということになります。それから、国民負担率はその左の表の下にございますが、日本は一番最低でございます。
そこで、私はちょっと一つの希望として申し上げたいことは、財務省が今後、総債務と純債務を国民に出していただきたいと思います。
それでは、もう時間が参りましたので、最後に一言申し上げたいと思いますが、最後のページをごらんください。六ページでございます。これは、現在の証券問題、株価問題でございます。
現在、私は証券恐慌的な状態に来ているのではないか。かつて一九六五年、証券恐慌が日本にございましたけれども、ある意味ではそれよりももっと非常に規模が大きい。といいますのは、あのときは証券、しかも投資信託だけが中心だったわけですから。現在は銀行が株式を持っておるために、金融システムそのものに大きく影響しております。決算が全部赤字になるのじゃないかというぐらい言われております。それから、生保とか損保、株の機関投資家もかなり大きな損失をこうむるのではないかと言われております。
そこで、こういった問題に対しましては、現在の金融不安と資本市場の機能を回復するための決め手として、民間任せではなく、市場任せ、民間任せではもはや機能いたしません。つまり、構造的な面でもう非常にゆがみが生じてしまう、いわゆる市場の失敗というような形になっている。そこで、政府自身が株式買い取り機構というようなものをつくりまして、金融システムの安定化と資本市場の機能の回復ということに努力をしていただきたいと思います。
これは、資金枠を四十兆つくりまして、全額政府保証債で発行して、全部これは民間に発行いたしますから、資金は民間です。ですから、税金は一切使いません。保証をしていただくわけです。今、国債は市場では飛ぶように売れておりますから、消化能力は十分あり得ると思います。それから、あとは銀行が保有しております株式を全額時価で強制的に買い上げる、株は機構が所有いたしまして、買い上げた株は原則五年間凍結する、こういう考え方をとっていただきたい。凍結後の株式は、原則として市場での売却は禁止します。売却は、企業の自社株買い、金庫株買い、投資信託の買い取りとか安定株主への売却、こういうことに限定する。銀行法を改正いたしまして、銀行本体での株式保有というのはこれはもう永遠に禁止していただく。無制限に認められているのは日本だけでございます。その右の方にちょっと書いてございますから、これを後ほど御参考にしください。
それで、機構の採算としても現在十分順ざやで回ると思いますし、機構のリスクとしては、保有株を五年間売却せずに維持いたしますから、そのリスクはございます。しかし、株価にいろいろな銘柄がございますから、利益が出るものが多ければ当然収益的にはプラスでございます。
それで、最後に申し上げたいことは、こういった機構に対しましては、御存じと思いますが、既に九八年の十月に民主党の岩國哲人代議士先生が提案もされておられます。これは株式転換国債という形で出ております。ですから、超党派的にぜひ進めていただきたい。
私は、現在の証券・株価問題、これに対しては大変危機感を持っております。本当に何か金融システムが陥没しそうな印象が非常に強いと思いますので、これは政治の先生方の御指導でぜひ救済策を早急にお願いしたいと思います。
以上でございます。
この発言だけを見る →私は、大学の教員でございますので、政治的には中立の立場で現在の財政・金融、そういった問題につきまして所見を述べさせていただきたいと思います。
それから、途中で数字を使いますものですから、パネルを使わせていただきます。
それから、お手元に大変やや欲張りまして資料を多く配付させていただいたかと思います。それで、横長の私の説明のレジュメがございます。それに基づきまして御説明申し上げ、あとの資料は関連で御質問等があればそれにお答えさせていただくというふうに考えております。
それでは、まず第一に私の主な公述内容を申させていただきます。
本日、私が申し上げたいことは次の三点でございます。まず第一に平成十三年度予算についての所見、二番目が日本の債務問題について、純債務で見れば日本の財政は決して危機的ではない、これが実は私きょう申し上げたい一つのポイントで、かねがね私の考え方でございます。純債務で見た日本の財政状況と特徴というのをお話しさせていただきます。それから三番目には、現下の金融システム安定化と株価対策といたしまして、銀行の株式所有の禁止を法制化し、早急に政府に銀行保有株式買い上げ機構の設置が必要ではないかというふうに考えておりますので、その私の意見を申させていただきます。
また、金融再生法と早期健全化法の五年間の延長、それからBIS規制、これは後ほど御説明申し上げますが、国際決済銀行で申し合わされました銀行の自己資本比率に関する規制でございます、このBIS規制を地域金融機関には適用すべきではないという考えを持っております。この点につきましても後ほど申し上げたいと思います。
それではまず第一に、平成十三年度予算についての所見でございます。
基本的には、私は現在御審議中の予算案に賛成であり、早く成立させていただきたいと思います。しかし、現在、日本国民の多くは日本経済の将来に対して不安感を抱いており、この根底には長期にわたる経済の低迷とデフレ現象、及び過度の悲観論があると考えます。
九八年七月に就任されました小渕前総理は、財政再建策を凍結し、九九年三月に銀行に公的資金、これは政府保証資金で資本を注入いたしました。それによりまして金融危機を乗り切り、積極財政をとって恐慌的不況の克服に尽力されました。特に、九九年秋の補正予算では真水で九兆円の支出を決め、これでようやく日本経済はマイナス成長からはい上がったのです。平成十二年度予算も積極型で、日本経済は成長路線に乗ることが期待されました。
ところが、昨年四月十二日に日銀総裁がゼロ金利の解除、これは金利の引き上げでございます、〇・二五%の金利の引き上げを示唆したことから、この日から株価が下落し始め、八月十一日にはゼロ金利の解除が決定され、その後、マネーサプライ、通貨供給量の前年度比伸び率が低下いたしまして、金融は実質的に引き締め政策をとっていると考えざるを得ません。もちろん公には緩和策をとっているということでございますが、金利の引き上げがまだ残っておりますし、それからマネーサプライは前年同期に比べますとまだまだ二%前後でございます。かつてバブルのころは一〇%以上でございましたし、私はこれは一〇%ぐらいのマネーサプライの増加は必要だと考えております。
また、昨年の夏ごろから、一部の識者が政府の総債務だけ、借り入れだけで日本の財政をとらえ、日本の財政は危機的で今にも破綻寸前であるかのように誇張し、マスコミもこの論調に乗って危機感をあおってきました。
こうした中で、昨年秋の補正予算は真水で四兆円の増加にとどまったために、前年の九兆円に比べまして五兆円の減額となり、また、現在御審議中の平成十三年度予算は六年ぶりの緊縮予算、前年度に比べて二・七%減、二・三兆円の減となっているために、平成十三年の予算支出は前年に比べまして八兆円の減額ということになると思います。これが市場にデフレ懸念を強め、加えて、銀行が収益対策、時価会計対策のために持ち株を市場で売却しているために株価が急落してきたわけでございます。
現在の日本では、昨年から現在までのところを考えますと、金融もデフレ的な政策をとっている、それから財政もデフレぎみに緊縮財政をとっている、こういうデフレ懸念が市場に非常に強まっており、これが株価の一番の低下の原因ではないかと思います。平成十三年度は、このまま放置いたしますと日本経済はマイナス成長に陥るのではないかと懸念いたしております。四月以降の景気動向を注視し、景気が失速しそうになれば早目に補正予算を御検討いただくのがよいかと考えます。真水で十兆円支出いたしましても、平成十三年の純支出はわずか二、三兆円にすぎません。
現在、日本のとるべき経済政策は、あらゆる手段を総合してデフレ経済からの脱却を図ることと考えます。金融の一段の量的緩和、財政支出の増加、セーフガードの発動や円安誘導、徹底した景気回復優先策によって物価の下落を防止し、名目GDP、国内総生産を引き上げることであろうと私は考えております。
二番目に、日本の債務問題についてです。
現在の日本では、私の考えといたしまして、この問題ほど誤解され、あるいは誇張されているという問題はないのではないかというふうに考えています。総債務から金融資産を控除いたしました純債務で見ますと、日本の財政は決して危機的というほどではございません。現在は、財政支出を継続して景気振興策を最優先すべきではないかと考えております。
そこで、この席上をかりまして、純債務で見た日本の財政事情はどんな状況かということを説明させていただきたいと思います。
それでは、そのペーパーの二ページ目をごらんください。二ページ目に左と右に図表がございます。それをちょっと御説明いたします。(図表掲示)
まず、日本の財政でございますけれども、日本の財政は決して債務超過ではございません。これは九九年末の資金循環を中心にして図表化してみたものです。資料は昨年十二月に出ました経済企画庁の国民経済計算からとっております。
家計と企業と政府、海外、この四つの部門に分けて考えてみますと、まず家計では金融資産が千四百八兆円ございます。括弧内は一年前、九八年度でございます、九八年、暦年でございます。それで千四百八兆ございます。それで、それがそのほか金融機関の余剰というのがございまして、一方、家計で負債として使っている、つまり金融資産を持ちながら一方では住宅ローンを借りている、消費者ローンを使っているというのは家計の負債になります。これを引きますと、家計として部門では千二十四兆、つまり千兆円の余剰があるわけです。これがあとのほかの部門に回っているわけです。それは企業部門にどうかといいますと、七百四十九兆円回っております。それから、政府部門では負債が六百十八兆円と、こう言われておりますけれども、実は金融資産を三百九十兆円持っております。したがって、純債務としては二百二十八兆にすぎません。そこに回っております。それから、海外部門で八十五兆円回っていまして、そういう意味では対外的には債権国ということが言えるわけでございます。
それでは次に、右側の表でございます。図表二でございます。日本政府の貸借対照表というところでございます。
昨年十月に大蔵省が日本政府の貸借対照表を発表いたしました。そのときの新聞の見出しは政府も大幅な債務超過ということでございましたが、しかし実際、国民経済統計、経済計算から見ますと、決して債務超過ではございません。正味資産がはっきりと計上されております。その内訳は、八百七十七兆円の総資産がございます。そのうち金融資産は三百九十兆円、四五%、固定資産は三百三十二兆円で三八%、土地は一七%に相当する百五十五兆円ということで、土地には若干含みがございます。一方、負債は六百十八兆、これが国債とか地方債の総負債に当たります。残り正味資産は二百五十九兆円ございます。したがって、日本国は資産超過でございます。
しかし、昨年大蔵省が発表いたしましたのは、その右に書きました負債をここに計上したわけですね。この負債の内容は、公的年金、それから公務員の賞与、退職給与の引当金、これは現在おられます公務員の方がずっと今後勤められる、退職するまでの賞与とか退職給与の引当金、それから一方、公的年金は、既に公的年金に加盟して支払いを開始している人が年金受給期に来てその年金をもらう、そこまで、ずっと先へ行ってもらう年金、それを全部負債に計上しています。
しかし、ここで果たしてこの負債というのはここに入れるべきなのか。私はこれは考え方としてもおかしいのではないかと思います。といいますのは、公務員の方に対しましては、その原資は財政資金でございまして、それは税金で賄われております。それで、政府には徴税権がございますから、将来にわたって政府がつぶれない限りは徴税権は存在します。そうであれば、これに対するはっきりとした債権が、資産があるはずですね。それから一方、年金につきましても、今加盟している以上は、年金というのは賦課方式をとっておりますから、政府には徴収権がございます。ですから、それははっきりとした資産、権利ではないかと思います。ですから、ここに大蔵省が計上いたしました負債部分というのは私はちょっとかなり疑問を持っております。
こういったいかにも国も破産しそうだというようなことを国民に示すのはいかがなものか。昨年あたり新聞を見ますと、新聞の見出しには国も債務超過と出ますね。そうすると、皆さん細かいことを余り読みませんから、へえ大変だな、国もそうなのか。当時私はタクシーに乗りましたら、タクシーの運転手さんが、日本の国も債務超過なんですね、この国はどうなるんですか、年金も何ももらえないんですかというようなことを言います。しかし、実際には決してそうではないわけですね。ですから、こういう面についても国のプレゼンテーションも十分考えて、国民に必要以上の不安感を醸し出させないような対策が必要ではないかと考えます。
それでは次に、右上の三ページに行ってください。日本の債務問題を考えまして、総債務と純債務。純債務といいますのは総債務から金融資産を引いたもの、こういうふうに考えております。そういたしますと、はっきり申しまして、純債務は意外に少ないということになります。
九九年度、平成十一年度をとってみたいと思います。これは暦年でございますから、九九年暦年の、九九年末の数字をとってみたいと思います。
国のGDPは五百十四兆円、総債務が六百十八兆。ですから、総債務のGDP比率を見ますと一二〇・三%。実はこれがひとり歩きしているんですね、大変だ大変だと。
しかし、金融資産というのがその下にあります。実に三百九十兆、四百兆の金融資産があります。それを総債務から引いた純債務は、その下の五番目の二百二十八兆。これが実は政府が実際に市場で調達している、国民からあるいは海外の投資家から調達しておる資金、債務でございます。
それを今度はGDP比率で見ますと四四・三%。ですから、これはこの後申しますけれども、大体欧米の平均並みです。一番悪い、最悪では決してございません。最悪は実はドイツなんです。
そこで、その下の金融資産、これは一体どういうものがあるのかといいますと、実は二つ大きく分けられまして、一つは社会保障基金と、もう一つは外貨準備、貸付金、出資金等、こういうふうに二つに分けられます。
そうすると、まず社会保障基金の中身は、国民健康保険とそれから年金基金でございます。それを見ていきますと、現在かなりプラスでございます。しかも年々、九五年から見ていきますと十兆円ずつぐらいこの基金の残高はふえております。ですから、九九年を見ますと、三百九十兆全体で資産があるうち、社会保障基金は二百三十五兆ございます。前年に比べて九兆ふえている。今の予想では大体今後十兆ぐらいふえていくのじゃないか。
確かに、今社会保障基金の中身というものは非常に問題になっております。政府の方でも、あるいは議会の方でもいろいろ御検討いただいていると思います。それは、このままほっておくと、人員構成とか、あるいは高齢者の負担がふえるということによってこの残高がどんどん減っていってしまう。この残高をこのまま放置しますと、二〇二〇年から二五年でゼロになるだろう、こう言われています。
これは困りますから、給付の見直しとか、それから徴収率の引き上げということをこれから検討していこうということでございます。それはもう大変結構なことです。しかし、マクロ的に考えたときには、これだけの金融資産があるということを我々は十分念頭に置いて債務問題を考えるべきではないかと思います。
それから、その左側、外貨準備、貸付金。これは、日本は債権国でございますし、いろいろ対外的に貸し付けもございます。これを見ていきますと、九九年の末では百五十六兆円ございます。それで、現在外貨準備も三千六百億ドルを超した、史上最高、世界最高と言われていますが、外貨準備だけで四十三兆円ぐらいのものがあるわけで、これは純然たる資産でございます。
それから、その次にこれを海外とちょっと比べてみたいと思います。
まず、主要国の経済・財政事情と特徴ということで、アメリカ、ドイツ、イギリス、日本、この四カ国をちょっと比較してみました。これによりまして、日本の財政事情はどうなっているのかという特徴を見てみたいということでございます。
まず、その下をごらんください。図表の六は総債務残高の対GDP比率でございますね。これを見ていきますと、一番右側、九九年末では日本は確かに一二〇・四%で一番悪い。それからドイツ、アメリカ、イギリスという形になっております。これがですから新聞なんかではひとり歩きしています。
しかし、本当に金融資産等を含めた日本の実力で見ますと、その下でございます。純債務残高のGDP比率は九九年度で日本は四四・三%です。一番この比率が高いのは四七・一%、ドイツの方が比率は悪いわけですね。ドイツは、西ドイツ、東ドイツの統合後もかなり財政支出も出ておりまして、現在も経済的にもかなりずっと赤字が続いているというような状況がこういうところに出ております。それから、日本はといいますと四四・三%、このあとアメリカ、イギリスの平均が大体四四・五%ぐらいになりますから、大体日本は欧米並みの平均であると。
これは、先日、昨年の十二月でございましたか、就任されました麻生太郎先生が、国会ですか、どちらかでお話しになって、新聞で、純債務で見れば日本は平均並みだと、日本の純債務で見ますと債務というのはGDP比率で平均並みなんだ、だから決して、今に政府が破綻しそうだ、国が破綻しそうだということはありませんということをおっしゃいましたが、まさにそのとおりでございます。
そこで、ちょっとその下を見てください、九六年度。九六年度に日本は財政再建を決意いたしまして、九七年度から増税政策をとりました。じゃ、その決意したときに、純債務残高、GDPに占める純債務残高というのはどのぐらいであったかといいますと、二一・三%なんですね。これはほかに比べて半分以下の、半分ぐらいの数字ですね。これははっきり言って健全財政です。
ですから、九九年三月だったと思いますけれども、アメリカのゴア副大統領が来日されまして、日本は財政再建をやるには時期尚早じゃないか、随分金融資産もあるじゃないかということをおっしゃったということは新聞に出ておりました。これではっきり裏づけられます。ですから、この時点で、純債務で国の債務状況を見るんだという考え方がもっと強くあれば、決してあの時期に財政再建をとるということはなかったのではないかと。これは私の推測でございますが、こういう数字からそう考えられます。
それで、その上の数字を見てください。上の数字を見ていただきますと、経常収支、それから国内の投資と貯蓄、財政支出、それからその下が対外的に債務国か債権国か、それから総債務のGDP比率と純債務のGDP比率と、こう数字がございます。
一番右を見ていただきます。日本を見てみますと、これは経常収支は全部黒字、輸出の方が超過しています。ほかの国はといいますと、アメリカは全部赤字で、ドイツは黒字ですけれども、イギリスは黒だったり赤だったり。
それから、一方、二番目の国内の投資と貯蓄を見てみますと、これは全部貯蓄の方がずっと多い。投資よりも多いわけですね。ですから、いわゆるここには投資ギャップといいますか、民間部門での大きな投資不足があります。実はそれを政府の公共投資で賄っているわけです。これをほかの国も見てみますと、アメリカは貯蓄率がマイナスの国ですからずっと投資の方が多い。ドイツも投資の方が多い。イギリスはというと、九八年までは貯蓄の方が多かったんですね。そこで財政赤字をやっていたんです。そうしたら今度は民需が拡大いたしまして、九九年度には投資の方がふえたという結果が見られます。
それから、財政支出を見ますと、日本は全部赤字でございますが、アメリカの場合は九八年から黒字になりました。しかし、アメリカの場合は、その前にずっと赤字財政をとりまして、景気対策として景気を刺激する、いつも景気刺激策をとってきたんですね。ですから、景気抑制的な財政政策をとったことはほとんどないと思います。ここら辺が非常に大きなポイントです。
それから、あとの数字はその下に書いたとおりで、日本は対外的には債権国でございます。これが特徴でございます。
そこで、日本の財政特徴というのはどういうものかということをちょっと右の下に書いておきましたのでごらんください。
日本は今申し上げましたような特徴がございますから、日本の債務問題というのは純債務で見ないと実態がわからないわけですね。つまり、先ほど左の数字で見ていただきましたとおり、問題は、この純債務比率、純債務のGDP比率と総債務のGDP比率の差額を見ていただきますと、大体ほかの三国は一五%ポイントぐらいなんですね。それで、日本の場合は七六とか、八〇%近くもある。ですから、ここに特徴がありますから、日本の場合には全般に見まして他国にない非常に特徴的なモデルを示しております。常に輸出が超過しておりますから、当然国内では貯蓄が投資を上回る状況です。ですから、ほかの国以上に政府が公共投資を支出していかなきゃいけないということになります。それから、国民負担率はその左の表の下にございますが、日本は一番最低でございます。
そこで、私はちょっと一つの希望として申し上げたいことは、財務省が今後、総債務と純債務を国民に出していただきたいと思います。
それでは、もう時間が参りましたので、最後に一言申し上げたいと思いますが、最後のページをごらんください。六ページでございます。これは、現在の証券問題、株価問題でございます。
現在、私は証券恐慌的な状態に来ているのではないか。かつて一九六五年、証券恐慌が日本にございましたけれども、ある意味ではそれよりももっと非常に規模が大きい。といいますのは、あのときは証券、しかも投資信託だけが中心だったわけですから。現在は銀行が株式を持っておるために、金融システムそのものに大きく影響しております。決算が全部赤字になるのじゃないかというぐらい言われております。それから、生保とか損保、株の機関投資家もかなり大きな損失をこうむるのではないかと言われております。
そこで、こういった問題に対しましては、現在の金融不安と資本市場の機能を回復するための決め手として、民間任せではなく、市場任せ、民間任せではもはや機能いたしません。つまり、構造的な面でもう非常にゆがみが生じてしまう、いわゆる市場の失敗というような形になっている。そこで、政府自身が株式買い取り機構というようなものをつくりまして、金融システムの安定化と資本市場の機能の回復ということに努力をしていただきたいと思います。
これは、資金枠を四十兆つくりまして、全額政府保証債で発行して、全部これは民間に発行いたしますから、資金は民間です。ですから、税金は一切使いません。保証をしていただくわけです。今、国債は市場では飛ぶように売れておりますから、消化能力は十分あり得ると思います。それから、あとは銀行が保有しております株式を全額時価で強制的に買い上げる、株は機構が所有いたしまして、買い上げた株は原則五年間凍結する、こういう考え方をとっていただきたい。凍結後の株式は、原則として市場での売却は禁止します。売却は、企業の自社株買い、金庫株買い、投資信託の買い取りとか安定株主への売却、こういうことに限定する。銀行法を改正いたしまして、銀行本体での株式保有というのはこれはもう永遠に禁止していただく。無制限に認められているのは日本だけでございます。その右の方にちょっと書いてございますから、これを後ほど御参考にしください。
それで、機構の採算としても現在十分順ざやで回ると思いますし、機構のリスクとしては、保有株を五年間売却せずに維持いたしますから、そのリスクはございます。しかし、株価にいろいろな銘柄がございますから、利益が出るものが多ければ当然収益的にはプラスでございます。
それで、最後に申し上げたいことは、こういった機構に対しましては、御存じと思いますが、既に九八年の十月に民主党の岩國哲人代議士先生が提案もされておられます。これは株式転換国債という形で出ております。ですから、超党派的にぜひ進めていただきたい。
私は、現在の証券・株価問題、これに対しては大変危機感を持っております。本当に何か金融システムが陥没しそうな印象が非常に強いと思いますので、これは政治の先生方の御指導でぜひ救済策を早急にお願いしたいと思います。
以上でございます。
岡
岡野裕#3
○委員長(岡野裕君) 菊池先生、どうもありがとうございました。
それでは次に、景気・経済について、公述人日本労働組合総連合会事務局長笹森清さん、御意見をお伺いいたします。笹森公述人、どうぞ。
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笹
笹森清#4
○公述人(笹森清君) 今、御指名いただきました連合事務局長の笹森でございます。
院が違いますので、片方の院でちょっと物議を醸しておりますが、参議院の方でお呼びをいただきまして発言の機会を与えていただきましたことを感謝申し上げたいと思います。
時間が押しておりますが、これから二十分の陳述でよろしゅうございますか。
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時間が押しておりますが、これから二十分の陳述でよろしゅうございますか。
岡
笹
笹森清#6
○公述人(笹森清君) はい。ありがとうございます。
まず冒頭、私の方からは、二〇〇一年度の政府予算案に対する基本的な考え方、評価について明らかにさせていただきたいと思うんですが、連合の立場できょうは発言をさせてもらうというのは、一億二千五百万人の日本国民の中で給与生計世帯、言いかえればサラリーマン世帯、全体の八二・七%おります。したがって、この八割を超すサラリーマン層のもう一つの側面は、給料が一〇〇%捕捉をされていて源泉徴収で完全に納税をしている団体ということになるわけで、その働く人たち全体をまだカバーはしておりませんが、約八百万人を組織している世界で三番目のナショナルセンター、言ってみればタックスペイヤーの立場からの部分も含めて御意見を申し上げさせていただきたいというふうに思っております。
そういう内容から申し上げますと、今、八割を超す勤労国民、これが直面をしております生活の不安、これをどう打開しようとするのかというものにこたえる内容になっていないのではないかというのが率直な評価でございます。したがって、これからの勤労国民の生活の安定を図って政策を抜本的に強化するためには二〇〇一年度の政府予算案を修正していただきたいというのが私の基本的な考え方でございます。
まず、国民が今一番求めている課題について申し上げたいと思いますが、私は一昨年来、日本は言葉の一番最初にイニシアル、アルファベットの頭文字がKで始まる課題、これが七つ取りつかれておって、この七つのKの課題をいかに除去するかということが極めて重要だということをずっと訴えさせていただきました。国会の中でも幾つか申し上げたことがございますが、この七つのKを解決することが経済を好転させ、雇用状況を改善させ、ひいてはそれにリーダーシップを発揮する政治がいかに重要かということを国民全体が認識するということにつながるのではないかというふうに思っておりましたが、この七つの不安は一年を超えても解決をされておらず、言ってみれば七が十四にふえ、そして今や三倍の二十一にもなるというような極めて深刻な状況になっています。
まず冒頭申し上げた七つのKの課題というのは何かということを申し上げると、一つは、きょうの主題のテーマになりますが、景気の回復のK、二つ目が雇用の改善のK。そして、次の三つが社会保障に関係をする三点セットになりますけれども、国民年金、健康保険、介護保険システム。そして、国民のだれもが何とかしなければいけないけれどもどうにも何にもできないというもどかしさを今感じている教育のK、さらには地球的規模の環境の改善。
一年間、これを直さなければ日本も世界もよくならない、こう申し上げてきたし、どんなアンケート調査をとっても、国民の最大の関心事は冒頭申し上げた景気と雇用、この二つに尽きていたわけですが、残念ながらこれが全く改善をされず、したがって国民はこの恐怖におびえ、そして先行き不安を極めて深刻に受けとめて消費を手控え、したがって社会活力が落ちる、そしてそのことによって景気の低迷がずっと続いているという悪循環をつなげているわけです。
そこに二倍、三倍のKがふえた。一つは、直接経済には関係をいたしませんが、警察不祥事の続発のK。そして、金融不安が再発をもうしているのではないかという金融不安のK。さらに、六百六十六兆円という極めて巨額な国債、地方債を抱えるという国債の増発問題。加えて、今年度の予算の中の、これは後ほど指摘をさせていただきますが、公共事業のあり方という公共事業のK。そして、経済問題には直接関係をいたしませんが、KSD事件、機密費の問題あるいは原子力潜水艦のえひめ丸の事故に象徴されるような危機管理の問題等々で、これまでで十四のKになるわけです。
ここに加えて、きわめつけに景気や雇用に影響し始めましたのが株価のK、そして金利のK。加えて、少年法の改正等に伴う刑法、これからの日本の進路を決める憲法、そういった問題をいかに国会の中でビジョンを出してもらうかという国策、国のビジョンに対するK。加えて、国会がこういう問題についてしっかりと政策論議をし、国民の方を向いた政策を立案していただいているのかということに対する国会機能のKというようなものを加えていきますと二十を超えてしまうというような今の状況になっているわけです。
この問題を特に国会の中で早急に解決していただきたい。そのために本年度の予算はどうなっているのかという問題二点について次に指摘をさせていただきたいと思います。
御承知のように、二〇〇一年度の政府予算案は一般会計が約八十三兆円、当初に比べまして二・七%の減額になっております。そして、この中の一般歳出は約四十九兆円、この部分については前年比で一・二%増加をしております。言ってみれば、三年連続の大型予算を組んだということにはなっておりますが、しかしその内容は、今Kの課題の方でも触れましたように、史上最悪の雇用、失業の状況について、あるいは生活の先行き不安を解消するという積極対策が入っているかということについては、これは欠けているというふうに言わざるを得ないというふうに思っております。
働く側の立場からすると、雇用の改善は、これが実際に解決をされれば景気回復に必ずつながる、だから経済と景気の回復は雇用の対策が最大の決め手である、こういうふうに思っておりますけれども、先月末発表されました数字からいいますと、四・九%、三百十七万人という失業者の数になっております。毎年の統計の実態から申し上げれば、三月末、通常の数値に〇・二%失業の状況は悪い数字が足されます。そうなると、日本では今まで経験したことのない五%という失業率を初めて目の当たりにするという状況に直面しかねない。気持ちとしてはそうなってほしくはないと思っておりますが、今の状況からいうと、そのことが必ずなりそうだという状況になっておりまして、これは四%台高どまり、三百万人という失業者の数にこの一年間我々自身も含めて麻痺をしてしまっておりましたけれども、五%という数字をのぞいた途端に極めてムードは一変するんではないかというふうに思っております。
特に、このことがサラリーマンの人たちに与えるプレッシャーははかり知れなくなるだろうというふうに感じておりまして、そういう意味では、けさ八時から厚生労働大臣の呼びかけで厚生労働大臣と労使の代表が緊急的な雇用改善の連絡会議を持ちました。ここの中では具体的な話が解決するというような状況にはなっておりませんが、共通的に一致した認識は、今申し上げた五%を超えるような失業率の状況になったときに今のような手だてでとても間に合わないということは共通認識になっておりまして、そういう意味では、今年度の政府予算がこの中で失業対策予算として入れてありますが、全体の金額の中から見ればわずか四千二百九十八億円にしかすぎないという部分について、最悪の雇用状況を打開しようとする意欲が全く感じられないということを指摘しておきたいと思います。
そして二つ目は、景気対策として公共事業費が前年度並みに九兆四千億円計上されておりますけれども、新たな特別枠の施策が七千億円にすぎませんで、言ってみれば、従来型の事業の継続が中心となっております。この五年間に六十兆円を上回る公共事業が行われたにもかかわらず、景気回復が進まないで雇用がさらに悪化をしているということを反省するならば、このような従来のやり方を継続する公共事業は国債発行のみを増大させかねないものだというふうに批判をせざるを得ないというふうに思っております。
国債を含めて六百六十六兆円の赤字、日本人が借金を負っているという部分について、これは額が大き過ぎてどの程度の金額か全くイメージがわきません。しかし、単純に計算をしてみますと、これを一日百万円ずつ返済したとして一体一兆円返すのに何年かかるのかと。一日百万円、一年三百六十五日、三億六千五百万円、一日百万円返せば年間で出ます。千年かかって三千六百五十億円であります。一兆円返すのに約二千七百年かかるんです。
これの六百六十六倍という極めて想像もつかない気の遠くなるような借財を今抱えている部分について、これが国民生活や景気回復のために使われたならまだしも、先ほどのKの課題で申し上げたように、全然逆な方向に機能させているという部分について、予算の中でいかにこのことを改善させるかということを真剣に受けとめていただきたいというふうに思っております。
それから、もう一つの要因は、国民の先行き不安感をどう除去できるかということでありますが、社会保障の三点セットのKでも申し上げたように、年金、医療の部分について、政府の施策がどちらかといえば収支悪化で財源問題を重点的に宣伝するということになっていきますので、その宣伝は必要なのかもしれませんが、じゃ、しからば改善策をどうするのかということについては全く触れていかないという部分について不安感がますます増大をする、その中で自己負担増や給付の切り下げというものが強行されてくるということが大きく響いておりまして、これが国民が消費マインドを喚起しないという最大の理由になっているのではないか。
私自身は、六百六十六兆円という借財に対して国民の預貯金が千三百五十兆円、約倍もあるわけですので、経済のファンダメンタルズはそんなに悪いというふうには思っておりませんし、潜在的な能力が高いとは思うんですが、しかしこれが動かないという部分が、そこに最大の欠点があるということをぜひ考えた予算運営をさせていただかなければいけないのではないかというふうに思っております。
そして、今雇用の問題、五%の危機感を申し上げました。これは私自身は、労働団体の事務局長という立場から申し上げれば、危機感どころか恐怖感すら覚えております。
ならないように祈ってはおりますけれども、このことに対して、連合は昨年、組合員二万五千人に対するアンケート調査を行いました。この中では、回答者のうちの二一%が自分の家計の消費支出を減らしたというふうに回答を寄せております。その主な理由としては、収入が減ったからというのが最大の原因でありまして、これが五割。それから、ローンなどの返済がふえたり、失業したら収入が減るという不安があるからリストラに備えるんだというようなことの回答が三割で、かなり働く人たちは家計の緊縮財政を余儀なくされているということでありまして、これが今申し上げた千三百五十兆円が全く動かないということにつながっているわけで、消費抑制の大きな原因になっております。
このことについては、悪化がとまらないで五%台に乗っていく、特に新卒の就職率が極めてまだまだ悪い、状況が改善をしないということに対していかに予算を張りつけるかということが今、緊急対策として求められているのではないかというふうに思っておりまして、今の申し上げた中からいえば、二十万人に達する大学、高卒の未就職者、この人たちに対する改善と、今一番雇用のミスマッチが発生をしている部分の中では、職業訓練に対する対策費、これは政府の予算の中では十一万人弱しか予算が計上されておりませんけれども、三百万人を上回る自発的な失業者と非自発的な失業者、やむを得ずというふうに失業させられた人たちがこのうちの三分の一、百万人を超すというような数から見れば、職業訓練等も含めた予算の充実を早急に手だてとして行わなければいけないのではないか。言ってみれば、先ほど申し上げたように、雇用対策の強化は最大の景気対策の強化になるということをぜひ御理解いただいておきたいと思います。
それからその次に、九日の日に発表されました与党三党の緊急経済対策の部分について、これは予算との関係もありますので評価について触れたいと思いますが、緊急対策の内容は、金庫株の解禁とかあるいは新しい金融緩和や物価安定目標などの的確な金融政策あるいは新市場の開拓による雇用創出につながるんだと、こういうことを打ち出してはおります。
しかし、現在の経済状態が危機的になったという現状認識については、この部分では共有ができるにいたしましても、そうであるならば、なぜこの緊急経済対策を二〇〇一年度の経済予算の中に、本年度の予算の中に組み込まないのかということを御指摘しておきたいと思います。
その上で、金庫株の解禁だとかあるいは株式の買い上げ機構の創設などの新たなる制度の改革は、我が国の企業制度のあり方を踏まえて、本来的であれば労使のいろいろな協議も含めながら中期的な視点に立った対策が講じられるべきではないかと思っておりますが、今言われていることは、目先の株式市場対策として何か安易にそのことに対するだけの導入を図りたい、こういうような感じが私どもとしては受けとめられております。この部分については、安易に導入すべき課題ではないということを指摘しておきたいと思います。
加えて、ITだとか医療、福祉、環境、こういった分野での開発事業、これについては、内容的なものからいえば、私どももきょうお配りをしてある資料の中でもいろいろと触れさせていただいておりますので、早急に実現をするという手だてをこの中では講ずるべきではないかというふうに思っております。
今申し上げたような視点に立ちまして、政府予算を抜本修正すべきであるという項目について幾つか申し上げたいと思いますが、まず修正をしていただきたい項目の第一は、雇用創出対策の抜本強化の問題です。
雇用対策の問題につきましては、ヨーロッパ諸国と比較をしますと、日本の場合には規模がかなり小さい。OECDの雇用レポート、九三年あるいは二〇〇〇年の数字から見ましても、これは極めて小さいということが指摘をされます。具体的な数字については羅列をいたしませんが、日本は〇・六一%にすぎないということだけ申し上げておきたいと思います。
それから、二〇〇一年度の予算案の雇用対策費、先ほども申し上げましたけれども、雇用保険の特別会計を含めても四兆円弱なんですね。これはGDP比で〇・八%程度にしかなりません。失業率は四・九、先ほど申し上げたように、五%という危機的なラインもさらに超えそうだという状況の中の戦後最悪の失業状況を打開するためには、この雇用対策費の大幅増に組み替えていただく必要が、これはもう何が何でも必要だということを申し上げておきたいと思います。
さらに、若者向けの雇用創出、あるいは先ほども申し上げましたが、職業訓練、能力開発、これについても諸外国に比べて極めて小さいという特色があるということで抜本強化をしていただきたいというふうに思います。
今、お手元にお配りをしております連合の政策の重点課題の中では、ここの部分については雇用対策として百四十万人の雇用創出をしていただきたいという対策を出しました。ここについては追加費用として二兆円で実施していただきたいということを私どもとしては求めておりますが、費用の部分からいえば、公共事業の定義を拡充すれば、現行の公共事業の予算を組み替えることで実現ができるのではないかというふうに考えております。
そして二つ目は、社会保障基盤の改善策の問題でありまして、これについては、まず何よりも第一の優先課題としては、基礎年金の国庫負担の部分を現行の三分の一から二分の一へ引き上げていただくことを二〇〇一年度の予算に計上していただきたい。これが国民が将来の先行き不安を解消する一番のネックになっている部分の手だてになるのではないかというふうに考えております。
それから、老人保健や診療保険体制、こういったものについても、あるいは高齢者医療制度の創設なども含めて、二〇〇一年度から実施する予算に修正をしていただきたいということであります。
そして、介護の部分あるいは保育の部分、これについては、でき得れば男女がともに家庭と仕事が安心して営めるという仕事と家庭の両立支援につながるような法改正、そのことを含めて育児・介護休業制度、あるいはパート労働者、派遣労働者を含めたすべての労働者に対して安心して家庭と仕事が営めるという施策についての予算を重点的に組み替えていただきたいということを二つ目に申し上げたいと思います。
それから三つ目は、公共事業の問題でありまして、これについてはすべての公共事業が悪いというふうには申し上げませんけれども、何回もいろいろなところで、もう既にマスコミ等でも明らかにされておりますように、いい公共事業と悪い公共事業、これを完全に峻別をした中での予算の配分の見直し、これは徹底的に行っていただかねばいけないのではないかというふうに思っております。
それから、機密費の問題につきましては、予算項目からは減額修正をされて当然だというふうに申し上げておきたいと思います。
それから、財政構造改革の問題でありますけれども、先ほどから申し上げているように、六百六十六兆円に達する見込みとなっている部分について、現在の予算の歳出構造を生活重視型に改めて、その上で財政の質を改革するということをまず第一段階としては明確にしていただきたいと、このことをきょうは申し上げておきたいと思います。
以上、五つの観点からの予算修正項目ということで、時間の関係もありますので、あとは御質問等があればお答えをする中で補足をさせていただきたいと思いますが、いずれにしても、繰り返しますけれども、雇用の改善が最大の景気・経済対策であるということをぜひ御理解いただいた予算の中身にしていただきたいことを申し上げて、陳述を終わらせていただきます。
この発言だけを見る →まず冒頭、私の方からは、二〇〇一年度の政府予算案に対する基本的な考え方、評価について明らかにさせていただきたいと思うんですが、連合の立場できょうは発言をさせてもらうというのは、一億二千五百万人の日本国民の中で給与生計世帯、言いかえればサラリーマン世帯、全体の八二・七%おります。したがって、この八割を超すサラリーマン層のもう一つの側面は、給料が一〇〇%捕捉をされていて源泉徴収で完全に納税をしている団体ということになるわけで、その働く人たち全体をまだカバーはしておりませんが、約八百万人を組織している世界で三番目のナショナルセンター、言ってみればタックスペイヤーの立場からの部分も含めて御意見を申し上げさせていただきたいというふうに思っております。
そういう内容から申し上げますと、今、八割を超す勤労国民、これが直面をしております生活の不安、これをどう打開しようとするのかというものにこたえる内容になっていないのではないかというのが率直な評価でございます。したがって、これからの勤労国民の生活の安定を図って政策を抜本的に強化するためには二〇〇一年度の政府予算案を修正していただきたいというのが私の基本的な考え方でございます。
まず、国民が今一番求めている課題について申し上げたいと思いますが、私は一昨年来、日本は言葉の一番最初にイニシアル、アルファベットの頭文字がKで始まる課題、これが七つ取りつかれておって、この七つのKの課題をいかに除去するかということが極めて重要だということをずっと訴えさせていただきました。国会の中でも幾つか申し上げたことがございますが、この七つのKを解決することが経済を好転させ、雇用状況を改善させ、ひいてはそれにリーダーシップを発揮する政治がいかに重要かということを国民全体が認識するということにつながるのではないかというふうに思っておりましたが、この七つの不安は一年を超えても解決をされておらず、言ってみれば七が十四にふえ、そして今や三倍の二十一にもなるというような極めて深刻な状況になっています。
まず冒頭申し上げた七つのKの課題というのは何かということを申し上げると、一つは、きょうの主題のテーマになりますが、景気の回復のK、二つ目が雇用の改善のK。そして、次の三つが社会保障に関係をする三点セットになりますけれども、国民年金、健康保険、介護保険システム。そして、国民のだれもが何とかしなければいけないけれどもどうにも何にもできないというもどかしさを今感じている教育のK、さらには地球的規模の環境の改善。
一年間、これを直さなければ日本も世界もよくならない、こう申し上げてきたし、どんなアンケート調査をとっても、国民の最大の関心事は冒頭申し上げた景気と雇用、この二つに尽きていたわけですが、残念ながらこれが全く改善をされず、したがって国民はこの恐怖におびえ、そして先行き不安を極めて深刻に受けとめて消費を手控え、したがって社会活力が落ちる、そしてそのことによって景気の低迷がずっと続いているという悪循環をつなげているわけです。
そこに二倍、三倍のKがふえた。一つは、直接経済には関係をいたしませんが、警察不祥事の続発のK。そして、金融不安が再発をもうしているのではないかという金融不安のK。さらに、六百六十六兆円という極めて巨額な国債、地方債を抱えるという国債の増発問題。加えて、今年度の予算の中の、これは後ほど指摘をさせていただきますが、公共事業のあり方という公共事業のK。そして、経済問題には直接関係をいたしませんが、KSD事件、機密費の問題あるいは原子力潜水艦のえひめ丸の事故に象徴されるような危機管理の問題等々で、これまでで十四のKになるわけです。
ここに加えて、きわめつけに景気や雇用に影響し始めましたのが株価のK、そして金利のK。加えて、少年法の改正等に伴う刑法、これからの日本の進路を決める憲法、そういった問題をいかに国会の中でビジョンを出してもらうかという国策、国のビジョンに対するK。加えて、国会がこういう問題についてしっかりと政策論議をし、国民の方を向いた政策を立案していただいているのかということに対する国会機能のKというようなものを加えていきますと二十を超えてしまうというような今の状況になっているわけです。
この問題を特に国会の中で早急に解決していただきたい。そのために本年度の予算はどうなっているのかという問題二点について次に指摘をさせていただきたいと思います。
御承知のように、二〇〇一年度の政府予算案は一般会計が約八十三兆円、当初に比べまして二・七%の減額になっております。そして、この中の一般歳出は約四十九兆円、この部分については前年比で一・二%増加をしております。言ってみれば、三年連続の大型予算を組んだということにはなっておりますが、しかしその内容は、今Kの課題の方でも触れましたように、史上最悪の雇用、失業の状況について、あるいは生活の先行き不安を解消するという積極対策が入っているかということについては、これは欠けているというふうに言わざるを得ないというふうに思っております。
働く側の立場からすると、雇用の改善は、これが実際に解決をされれば景気回復に必ずつながる、だから経済と景気の回復は雇用の対策が最大の決め手である、こういうふうに思っておりますけれども、先月末発表されました数字からいいますと、四・九%、三百十七万人という失業者の数になっております。毎年の統計の実態から申し上げれば、三月末、通常の数値に〇・二%失業の状況は悪い数字が足されます。そうなると、日本では今まで経験したことのない五%という失業率を初めて目の当たりにするという状況に直面しかねない。気持ちとしてはそうなってほしくはないと思っておりますが、今の状況からいうと、そのことが必ずなりそうだという状況になっておりまして、これは四%台高どまり、三百万人という失業者の数にこの一年間我々自身も含めて麻痺をしてしまっておりましたけれども、五%という数字をのぞいた途端に極めてムードは一変するんではないかというふうに思っております。
特に、このことがサラリーマンの人たちに与えるプレッシャーははかり知れなくなるだろうというふうに感じておりまして、そういう意味では、けさ八時から厚生労働大臣の呼びかけで厚生労働大臣と労使の代表が緊急的な雇用改善の連絡会議を持ちました。ここの中では具体的な話が解決するというような状況にはなっておりませんが、共通的に一致した認識は、今申し上げた五%を超えるような失業率の状況になったときに今のような手だてでとても間に合わないということは共通認識になっておりまして、そういう意味では、今年度の政府予算がこの中で失業対策予算として入れてありますが、全体の金額の中から見ればわずか四千二百九十八億円にしかすぎないという部分について、最悪の雇用状況を打開しようとする意欲が全く感じられないということを指摘しておきたいと思います。
そして二つ目は、景気対策として公共事業費が前年度並みに九兆四千億円計上されておりますけれども、新たな特別枠の施策が七千億円にすぎませんで、言ってみれば、従来型の事業の継続が中心となっております。この五年間に六十兆円を上回る公共事業が行われたにもかかわらず、景気回復が進まないで雇用がさらに悪化をしているということを反省するならば、このような従来のやり方を継続する公共事業は国債発行のみを増大させかねないものだというふうに批判をせざるを得ないというふうに思っております。
国債を含めて六百六十六兆円の赤字、日本人が借金を負っているという部分について、これは額が大き過ぎてどの程度の金額か全くイメージがわきません。しかし、単純に計算をしてみますと、これを一日百万円ずつ返済したとして一体一兆円返すのに何年かかるのかと。一日百万円、一年三百六十五日、三億六千五百万円、一日百万円返せば年間で出ます。千年かかって三千六百五十億円であります。一兆円返すのに約二千七百年かかるんです。
これの六百六十六倍という極めて想像もつかない気の遠くなるような借財を今抱えている部分について、これが国民生活や景気回復のために使われたならまだしも、先ほどのKの課題で申し上げたように、全然逆な方向に機能させているという部分について、予算の中でいかにこのことを改善させるかということを真剣に受けとめていただきたいというふうに思っております。
それから、もう一つの要因は、国民の先行き不安感をどう除去できるかということでありますが、社会保障の三点セットのKでも申し上げたように、年金、医療の部分について、政府の施策がどちらかといえば収支悪化で財源問題を重点的に宣伝するということになっていきますので、その宣伝は必要なのかもしれませんが、じゃ、しからば改善策をどうするのかということについては全く触れていかないという部分について不安感がますます増大をする、その中で自己負担増や給付の切り下げというものが強行されてくるということが大きく響いておりまして、これが国民が消費マインドを喚起しないという最大の理由になっているのではないか。
私自身は、六百六十六兆円という借財に対して国民の預貯金が千三百五十兆円、約倍もあるわけですので、経済のファンダメンタルズはそんなに悪いというふうには思っておりませんし、潜在的な能力が高いとは思うんですが、しかしこれが動かないという部分が、そこに最大の欠点があるということをぜひ考えた予算運営をさせていただかなければいけないのではないかというふうに思っております。
そして、今雇用の問題、五%の危機感を申し上げました。これは私自身は、労働団体の事務局長という立場から申し上げれば、危機感どころか恐怖感すら覚えております。
ならないように祈ってはおりますけれども、このことに対して、連合は昨年、組合員二万五千人に対するアンケート調査を行いました。この中では、回答者のうちの二一%が自分の家計の消費支出を減らしたというふうに回答を寄せております。その主な理由としては、収入が減ったからというのが最大の原因でありまして、これが五割。それから、ローンなどの返済がふえたり、失業したら収入が減るという不安があるからリストラに備えるんだというようなことの回答が三割で、かなり働く人たちは家計の緊縮財政を余儀なくされているということでありまして、これが今申し上げた千三百五十兆円が全く動かないということにつながっているわけで、消費抑制の大きな原因になっております。
このことについては、悪化がとまらないで五%台に乗っていく、特に新卒の就職率が極めてまだまだ悪い、状況が改善をしないということに対していかに予算を張りつけるかということが今、緊急対策として求められているのではないかというふうに思っておりまして、今の申し上げた中からいえば、二十万人に達する大学、高卒の未就職者、この人たちに対する改善と、今一番雇用のミスマッチが発生をしている部分の中では、職業訓練に対する対策費、これは政府の予算の中では十一万人弱しか予算が計上されておりませんけれども、三百万人を上回る自発的な失業者と非自発的な失業者、やむを得ずというふうに失業させられた人たちがこのうちの三分の一、百万人を超すというような数から見れば、職業訓練等も含めた予算の充実を早急に手だてとして行わなければいけないのではないか。言ってみれば、先ほど申し上げたように、雇用対策の強化は最大の景気対策の強化になるということをぜひ御理解いただいておきたいと思います。
それからその次に、九日の日に発表されました与党三党の緊急経済対策の部分について、これは予算との関係もありますので評価について触れたいと思いますが、緊急対策の内容は、金庫株の解禁とかあるいは新しい金融緩和や物価安定目標などの的確な金融政策あるいは新市場の開拓による雇用創出につながるんだと、こういうことを打ち出してはおります。
しかし、現在の経済状態が危機的になったという現状認識については、この部分では共有ができるにいたしましても、そうであるならば、なぜこの緊急経済対策を二〇〇一年度の経済予算の中に、本年度の予算の中に組み込まないのかということを御指摘しておきたいと思います。
その上で、金庫株の解禁だとかあるいは株式の買い上げ機構の創設などの新たなる制度の改革は、我が国の企業制度のあり方を踏まえて、本来的であれば労使のいろいろな協議も含めながら中期的な視点に立った対策が講じられるべきではないかと思っておりますが、今言われていることは、目先の株式市場対策として何か安易にそのことに対するだけの導入を図りたい、こういうような感じが私どもとしては受けとめられております。この部分については、安易に導入すべき課題ではないということを指摘しておきたいと思います。
加えて、ITだとか医療、福祉、環境、こういった分野での開発事業、これについては、内容的なものからいえば、私どももきょうお配りをしてある資料の中でもいろいろと触れさせていただいておりますので、早急に実現をするという手だてをこの中では講ずるべきではないかというふうに思っております。
今申し上げたような視点に立ちまして、政府予算を抜本修正すべきであるという項目について幾つか申し上げたいと思いますが、まず修正をしていただきたい項目の第一は、雇用創出対策の抜本強化の問題です。
雇用対策の問題につきましては、ヨーロッパ諸国と比較をしますと、日本の場合には規模がかなり小さい。OECDの雇用レポート、九三年あるいは二〇〇〇年の数字から見ましても、これは極めて小さいということが指摘をされます。具体的な数字については羅列をいたしませんが、日本は〇・六一%にすぎないということだけ申し上げておきたいと思います。
それから、二〇〇一年度の予算案の雇用対策費、先ほども申し上げましたけれども、雇用保険の特別会計を含めても四兆円弱なんですね。これはGDP比で〇・八%程度にしかなりません。失業率は四・九、先ほど申し上げたように、五%という危機的なラインもさらに超えそうだという状況の中の戦後最悪の失業状況を打開するためには、この雇用対策費の大幅増に組み替えていただく必要が、これはもう何が何でも必要だということを申し上げておきたいと思います。
さらに、若者向けの雇用創出、あるいは先ほども申し上げましたが、職業訓練、能力開発、これについても諸外国に比べて極めて小さいという特色があるということで抜本強化をしていただきたいというふうに思います。
今、お手元にお配りをしております連合の政策の重点課題の中では、ここの部分については雇用対策として百四十万人の雇用創出をしていただきたいという対策を出しました。ここについては追加費用として二兆円で実施していただきたいということを私どもとしては求めておりますが、費用の部分からいえば、公共事業の定義を拡充すれば、現行の公共事業の予算を組み替えることで実現ができるのではないかというふうに考えております。
そして二つ目は、社会保障基盤の改善策の問題でありまして、これについては、まず何よりも第一の優先課題としては、基礎年金の国庫負担の部分を現行の三分の一から二分の一へ引き上げていただくことを二〇〇一年度の予算に計上していただきたい。これが国民が将来の先行き不安を解消する一番のネックになっている部分の手だてになるのではないかというふうに考えております。
それから、老人保健や診療保険体制、こういったものについても、あるいは高齢者医療制度の創設なども含めて、二〇〇一年度から実施する予算に修正をしていただきたいということであります。
そして、介護の部分あるいは保育の部分、これについては、でき得れば男女がともに家庭と仕事が安心して営めるという仕事と家庭の両立支援につながるような法改正、そのことを含めて育児・介護休業制度、あるいはパート労働者、派遣労働者を含めたすべての労働者に対して安心して家庭と仕事が営めるという施策についての予算を重点的に組み替えていただきたいということを二つ目に申し上げたいと思います。
それから三つ目は、公共事業の問題でありまして、これについてはすべての公共事業が悪いというふうには申し上げませんけれども、何回もいろいろなところで、もう既にマスコミ等でも明らかにされておりますように、いい公共事業と悪い公共事業、これを完全に峻別をした中での予算の配分の見直し、これは徹底的に行っていただかねばいけないのではないかというふうに思っております。
それから、機密費の問題につきましては、予算項目からは減額修正をされて当然だというふうに申し上げておきたいと思います。
それから、財政構造改革の問題でありますけれども、先ほどから申し上げているように、六百六十六兆円に達する見込みとなっている部分について、現在の予算の歳出構造を生活重視型に改めて、その上で財政の質を改革するということをまず第一段階としては明確にしていただきたいと、このことをきょうは申し上げておきたいと思います。
以上、五つの観点からの予算修正項目ということで、時間の関係もありますので、あとは御質問等があればお答えをする中で補足をさせていただきたいと思いますが、いずれにしても、繰り返しますけれども、雇用の改善が最大の景気・経済対策であるということをぜひ御理解いただいた予算の中身にしていただきたいことを申し上げて、陳述を終わらせていただきます。
岡
岡野裕#7
○委員長(岡野裕君) 笹森先生、どうもありがとうございました。
以上で公述人両先生の御意見の陳述、これは終わりました。
それでは、これから公述人両先生に対する質疑に入ります。
質疑のある向きは順次御発言を願います。
この発言だけを見る →以上で公述人両先生の御意見の陳述、これは終わりました。
それでは、これから公述人両先生に対する質疑に入ります。
質疑のある向きは順次御発言を願います。
木
木村仁#8
○木村仁君 自由民主党の木村仁でございます。
菊池公述人、笹森公述人におかれましては、極めて示唆に富む公述をいただきまして、まことにありがとうございます。
時間に限りがございますので、要点について若干お尋ねをいたしたいと思います。
まず、菊池公述人に幾つかの御質問をいたしたいと思います。
六百六十六兆円、十三年度の終わりに借入金残高が残るということが国民にとって非常に大きなインパクトを与える。地元に帰りましても、だれからも六百六十六兆円どうしてくれるんだということが言われます。そういう面からすれば、本日、先生が六百六十六兆円恐るるに足らず、それは形式的な債務を言うからそうなのであって、純債務で見れば英米あるいはヨーロッパ諸国と比べて何ら悪いところはない、そういう分析をしていただきますことは、非常に勇気づけられる思いでございます。
そういう議論をいたしますときに恐らく出てまいります一般の人々の議論は、政府に三百九十兆円の金融資産があるといっても、その大きな部分が社会保障基金であろうと。そうすると、これはどうせそれをつぶして借金を返すわけにはいかないんだから、理屈ではそういうことは言えても、実際にはやっぱり厳しいんじゃないだろうか。
そして、政府自身が、日本国としては外国からお金は借りていない、六百六十六兆円を後で返すときには、こっちから税金を取ってこっちの日本人に返すんだから、後代にツケを残したという心配もする必要はないんではないかという議論もありますが、とはいえ六百六十六兆円という借金を現に政府が負っており、その重要な部分は返していかなければいけないとすれば、やっぱりもう既に政府には新しい財政投資をする余力は残っていないのではないか、そういう議論があり得ると思いますが、この点について、先生はどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。
この発言だけを見る →菊池公述人、笹森公述人におかれましては、極めて示唆に富む公述をいただきまして、まことにありがとうございます。
時間に限りがございますので、要点について若干お尋ねをいたしたいと思います。
まず、菊池公述人に幾つかの御質問をいたしたいと思います。
六百六十六兆円、十三年度の終わりに借入金残高が残るということが国民にとって非常に大きなインパクトを与える。地元に帰りましても、だれからも六百六十六兆円どうしてくれるんだということが言われます。そういう面からすれば、本日、先生が六百六十六兆円恐るるに足らず、それは形式的な債務を言うからそうなのであって、純債務で見れば英米あるいはヨーロッパ諸国と比べて何ら悪いところはない、そういう分析をしていただきますことは、非常に勇気づけられる思いでございます。
そういう議論をいたしますときに恐らく出てまいります一般の人々の議論は、政府に三百九十兆円の金融資産があるといっても、その大きな部分が社会保障基金であろうと。そうすると、これはどうせそれをつぶして借金を返すわけにはいかないんだから、理屈ではそういうことは言えても、実際にはやっぱり厳しいんじゃないだろうか。
そして、政府自身が、日本国としては外国からお金は借りていない、六百六十六兆円を後で返すときには、こっちから税金を取ってこっちの日本人に返すんだから、後代にツケを残したという心配もする必要はないんではないかという議論もありますが、とはいえ六百六十六兆円という借金を現に政府が負っており、その重要な部分は返していかなければいけないとすれば、やっぱりもう既に政府には新しい財政投資をする余力は残っていないのではないか、そういう議論があり得ると思いますが、この点について、先生はどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。
菊
菊池英博#9
○公述人(菊池英博君) それでは、ただいまの木村先生の御質問に対して答えさせていただきます。(図表掲示)
現在、債務というものが六百六十六兆円になるんじゃないかということで、この債務は確かにひとり歩きしていることはあります。しかし、先ほど申し上げましたとおり、その内訳といたしましては十分こういう金融資産があるわけでございます。今、先生御指摘のとおり、その六割に占めるものは社会保障基金じゃないか、これで借金を返せないんじゃないかということは、おっしゃるとおりです。確かに借金の原資にはこれはならないわけです。
しかし問題は、じゃ、六百六十六兆円借金があるじゃないかといっても、片や金融資産としてあることは事実ですね。マクロ的に回っておることは先ほどちょっと御説明申したとおりでございます。ですから、これをそういうマクロ的な視点から無視すると、今まで全然これは別物だよというふうな考え方が一部に強かったように聞いておりますけれども、その考え方は私はいかがなものかと思います。これはマクロ的に見た場合には、私に言わせていただければ、むしろ財政学とか金融の資金の流れからいきますと、ちょっと間違いじゃないのかなと、こういうふうに考えます。ですから、確かにその中身がこういうふうな形で、社会保障基金というものが国民のいずれ負担になって、同時に国民に戻るものだから、借金の原資にならないことは事実でございます。
しかし、日本の財政構造というものがこういう形になっている。先ほど申し上げましたとおり、純債務と総債務で見ますと、その八〇%ポイントぐらいあるわけでございますね。ということは、五百兆として四百兆ですね、ざっとそういう資産があるわけです。これはほかの国にない特徴でございます。ほかの国はこれが一五%しかございません。ですから、その差額である六五%というのは、実は日本はこういう金融資産を持っておる。これは債権国であるということも言えるんですけれども。ですから、これははっきりと国民に示して、それで現在の純債務はそんなに多くないんだということをはっきり国民に示して、むしろ過度の不安感に陥れることを回避すべきじゃないか。私は本当にそう思います。
これは、マスコミの方なんかに強く言いたいんですが、出てくる数字は六百六十六兆ばっかりです。私に言わせますと、これははっきり言いまして間違いです。このことをはっきりこの場で、マスコミの方々にも、そちらにいらっしゃるかもしれません、これははっきり申し上げておきます。はっきり申し上げておきます。論調をはっきり訂正してください。理論的には、私は書きましたこのとおりでございますし、資料にも配ってございますから。
ですから、そういう面でもう一度見直す必要がある。ただし、社会保障基金の中身は、先ほど御案内のとおり、これからいろいろ考えていかなきゃいけないということでございます。
この発言だけを見る →現在、債務というものが六百六十六兆円になるんじゃないかということで、この債務は確かにひとり歩きしていることはあります。しかし、先ほど申し上げましたとおり、その内訳といたしましては十分こういう金融資産があるわけでございます。今、先生御指摘のとおり、その六割に占めるものは社会保障基金じゃないか、これで借金を返せないんじゃないかということは、おっしゃるとおりです。確かに借金の原資にはこれはならないわけです。
しかし問題は、じゃ、六百六十六兆円借金があるじゃないかといっても、片や金融資産としてあることは事実ですね。マクロ的に回っておることは先ほどちょっと御説明申したとおりでございます。ですから、これをそういうマクロ的な視点から無視すると、今まで全然これは別物だよというふうな考え方が一部に強かったように聞いておりますけれども、その考え方は私はいかがなものかと思います。これはマクロ的に見た場合には、私に言わせていただければ、むしろ財政学とか金融の資金の流れからいきますと、ちょっと間違いじゃないのかなと、こういうふうに考えます。ですから、確かにその中身がこういうふうな形で、社会保障基金というものが国民のいずれ負担になって、同時に国民に戻るものだから、借金の原資にならないことは事実でございます。
しかし、日本の財政構造というものがこういう形になっている。先ほど申し上げましたとおり、純債務と総債務で見ますと、その八〇%ポイントぐらいあるわけでございますね。ということは、五百兆として四百兆ですね、ざっとそういう資産があるわけです。これはほかの国にない特徴でございます。ほかの国はこれが一五%しかございません。ですから、その差額である六五%というのは、実は日本はこういう金融資産を持っておる。これは債権国であるということも言えるんですけれども。ですから、これははっきりと国民に示して、それで現在の純債務はそんなに多くないんだということをはっきり国民に示して、むしろ過度の不安感に陥れることを回避すべきじゃないか。私は本当にそう思います。
これは、マスコミの方なんかに強く言いたいんですが、出てくる数字は六百六十六兆ばっかりです。私に言わせますと、これははっきり言いまして間違いです。このことをはっきりこの場で、マスコミの方々にも、そちらにいらっしゃるかもしれません、これははっきり申し上げておきます。はっきり申し上げておきます。論調をはっきり訂正してください。理論的には、私は書きましたこのとおりでございますし、資料にも配ってございますから。
ですから、そういう面でもう一度見直す必要がある。ただし、社会保障基金の中身は、先ほど御案内のとおり、これからいろいろ考えていかなきゃいけないということでございます。
木
木村仁#10
○木村仁君 よくわかりました。
そういうことで、また、実は麻生経済担当大臣も、日本の表面的な借金は多いけれども、日本には国有財産がたっぷりあるんだから大丈夫だということを記者会見で、議論の中で言っておられます。国有財産というのはこの国会議事堂も国有財産でありますが、まさかこれをたたき売って金を返すわけにはいきませんから、金融資産という言葉が正確なんだろうと思いますけれども、割合に閣僚の皆様も、今、菊池先生が御指摘になったこの視点を答弁等の中でおっしゃらないんですね。ですから、きょうの記録は非常に貴重なものではないかと私は考えております。
そこで、平成十三年度予算について一つだけお伺いしておきたいと思いますが、平成十三年度予算において政府は、一方では民需不足の部分を積極的な財政出動で補うんだ、そういう中で民需主導の景気回復へことしは移っていけると、事情が今大変変わってまいりましたけれども、同時に、この財政構造をよくするために効率的な予算編成に努めたというようなことを言っております。そうすると、政府は、いわゆる小渕総理が言っておられました二兎を追ってはいけない、一兎を追うべきだということから、少し財政構造改革の指針をにじませながら二兎を追うような姿になったのかなという気もいたしますが、ただ、よくよく考えてみますと、それは財政の構造を改善しようということであって、財政再建を今しなければいけないということではないのではないかなという感じを私は持ったのでございますが、先生の御認識はいかがでございましょうか。
この発言だけを見る →そういうことで、また、実は麻生経済担当大臣も、日本の表面的な借金は多いけれども、日本には国有財産がたっぷりあるんだから大丈夫だということを記者会見で、議論の中で言っておられます。国有財産というのはこの国会議事堂も国有財産でありますが、まさかこれをたたき売って金を返すわけにはいきませんから、金融資産という言葉が正確なんだろうと思いますけれども、割合に閣僚の皆様も、今、菊池先生が御指摘になったこの視点を答弁等の中でおっしゃらないんですね。ですから、きょうの記録は非常に貴重なものではないかと私は考えております。
そこで、平成十三年度予算について一つだけお伺いしておきたいと思いますが、平成十三年度予算において政府は、一方では民需不足の部分を積極的な財政出動で補うんだ、そういう中で民需主導の景気回復へことしは移っていけると、事情が今大変変わってまいりましたけれども、同時に、この財政構造をよくするために効率的な予算編成に努めたというようなことを言っております。そうすると、政府は、いわゆる小渕総理が言っておられました二兎を追ってはいけない、一兎を追うべきだということから、少し財政構造改革の指針をにじませながら二兎を追うような姿になったのかなという気もいたしますが、ただ、よくよく考えてみますと、それは財政の構造を改善しようということであって、財政再建を今しなければいけないということではないのではないかなという感じを私は持ったのでございますが、先生の御認識はいかがでございましょうか。
菊
菊池英博#11
○公述人(菊池英博君) それでは、今の木村先生の御質問に対して答えさせていただきます。
確かに、本年度予算でやはり財政の構造改革ということを一つの題目にされておられまして、総債務が多いじゃないか、これも段階的に落とす方向も視野に入れながらやっていかなきゃいけないというニュアンスが出ていることは事実だと思います。このニュアンスがやはり政府の方から出されましたのは、恐らく昨年の夏ぐらいからではないか。端的に言いますと、そういう財政を、それが本年度の、本年度は緊縮財政、つまり六年ぶりの緊縮財政であることは事実でございます、その伏線を去年の六月ぐらいから始められたんじゃないかと思います。それから、一部のマスコミとか学者先生方からもそういう意見が出ておりました。
しかしながら、私は、現在、まだ財政の再建といいますか、それをする時期ではないと思います。今、確かに先生がおっしゃられましたとおり、この財政構造改革というものは二つにはっきり分けて考えるべきだ。一つは財政の構造改革、それからもう一つは財政の再建でございますね、債務問題とか財政赤字の問題。
前者の財政構造改革というものにつきましては、支出をできるだけ効率的にやる、あるいはある程度不用なものは削減する、これはもう既にやっておられると思いますし、これは一段と強めていく必要がある。それからもう一つは、徴収でございますね。取れるところから取るといいますか、ある意味では税収の改善ということも視野に入れながら、増税ではないにしても、そういうことも必要だと思います。これは徐々にやっていく、これはもう不断の努力で、毎年やっていくべきことだと思います。
それから、二番目の財政再建につきましては、私は、現在取りかかるべきは、時期尚早だと思います。それは、先ほど申し上げましたような純債務で見た場合には、まだまだ十分余裕があるということです。それからもう一つは、過去の財政再建をしてきた国の実例をとりましても、不況期にこれをやろうと思って成功した例はどこにもございません。アメリカが一番いい例ですね。何とか好況にしよう、好況にしよう、借金をしてもやろうと思いながら、ついに好況期で、好況になって九八年から黒字になってきた。それから、そのほかの国でも、カナダでもニュージーランドでも、実は共通点はそこでございます。
したがって、日本もまず景気回復に最優先の力を入れて、そして回復してきて、私の考え方としましては、やはり三%成長というのを念頭に置いて、これはできると思います。かつて、九六年度には三%行ったわけですから、これはできると思います。これをやりまして、そして三%成長が二、三年続いてから、そこでやはり徐々に債務を落としていく。
それから、経済成長率というものと債務のコスト、これはドーマーの定理とこのメモにも書きまして、国債等のコストよりも経済成長率が高いと債務残高は自然に落ちていく、こういう経験則がございまして、これはドーマーの定理なんて難しいような言い方をしていますが、決して難しいことじゃございません。したがって、景気がよくなって税収が上がってくれば当然、自然と債務は落ちてきます。それから、先ほど笹森先生もおっしゃったような、雇用も当然回復してくると思います。ですから、そこに現在は注力すべきだと私は考えます。
それから、日本の財政構造からいいまして、先ほど申し上げましたとおり、四百兆ぐらいは常に借りっ放してもいいと思います。これはよい財政赤字であって、子孫にその赤字を繰り延べてもいい。日本の場合には、社会資本がまだ充実しておりませんから、まだまだやることがたくさんあるわけですね。それから、職業訓練所なんかもそうです。そちらに支出してもいい。ですから、将来にわたって圧縮すべき、しなければならない金額はせいぜい二百五、六十兆だと、そういうふうに私は考えております。
以上でございます。
この発言だけを見る →確かに、本年度予算でやはり財政の構造改革ということを一つの題目にされておられまして、総債務が多いじゃないか、これも段階的に落とす方向も視野に入れながらやっていかなきゃいけないというニュアンスが出ていることは事実だと思います。このニュアンスがやはり政府の方から出されましたのは、恐らく昨年の夏ぐらいからではないか。端的に言いますと、そういう財政を、それが本年度の、本年度は緊縮財政、つまり六年ぶりの緊縮財政であることは事実でございます、その伏線を去年の六月ぐらいから始められたんじゃないかと思います。それから、一部のマスコミとか学者先生方からもそういう意見が出ておりました。
しかしながら、私は、現在、まだ財政の再建といいますか、それをする時期ではないと思います。今、確かに先生がおっしゃられましたとおり、この財政構造改革というものは二つにはっきり分けて考えるべきだ。一つは財政の構造改革、それからもう一つは財政の再建でございますね、債務問題とか財政赤字の問題。
前者の財政構造改革というものにつきましては、支出をできるだけ効率的にやる、あるいはある程度不用なものは削減する、これはもう既にやっておられると思いますし、これは一段と強めていく必要がある。それからもう一つは、徴収でございますね。取れるところから取るといいますか、ある意味では税収の改善ということも視野に入れながら、増税ではないにしても、そういうことも必要だと思います。これは徐々にやっていく、これはもう不断の努力で、毎年やっていくべきことだと思います。
それから、二番目の財政再建につきましては、私は、現在取りかかるべきは、時期尚早だと思います。それは、先ほど申し上げましたような純債務で見た場合には、まだまだ十分余裕があるということです。それからもう一つは、過去の財政再建をしてきた国の実例をとりましても、不況期にこれをやろうと思って成功した例はどこにもございません。アメリカが一番いい例ですね。何とか好況にしよう、好況にしよう、借金をしてもやろうと思いながら、ついに好況期で、好況になって九八年から黒字になってきた。それから、そのほかの国でも、カナダでもニュージーランドでも、実は共通点はそこでございます。
したがって、日本もまず景気回復に最優先の力を入れて、そして回復してきて、私の考え方としましては、やはり三%成長というのを念頭に置いて、これはできると思います。かつて、九六年度には三%行ったわけですから、これはできると思います。これをやりまして、そして三%成長が二、三年続いてから、そこでやはり徐々に債務を落としていく。
それから、経済成長率というものと債務のコスト、これはドーマーの定理とこのメモにも書きまして、国債等のコストよりも経済成長率が高いと債務残高は自然に落ちていく、こういう経験則がございまして、これはドーマーの定理なんて難しいような言い方をしていますが、決して難しいことじゃございません。したがって、景気がよくなって税収が上がってくれば当然、自然と債務は落ちてきます。それから、先ほど笹森先生もおっしゃったような、雇用も当然回復してくると思います。ですから、そこに現在は注力すべきだと私は考えます。
それから、日本の財政構造からいいまして、先ほど申し上げましたとおり、四百兆ぐらいは常に借りっ放してもいいと思います。これはよい財政赤字であって、子孫にその赤字を繰り延べてもいい。日本の場合には、社会資本がまだ充実しておりませんから、まだまだやることがたくさんあるわけですね。それから、職業訓練所なんかもそうです。そちらに支出してもいい。ですから、将来にわたって圧縮すべき、しなければならない金額はせいぜい二百五、六十兆だと、そういうふうに私は考えております。
以上でございます。
木
木村仁#12
○木村仁君 そこで、先生の御公述の中で、一昨年の補正予算と十二年度予算、昨年の補正予算と十三年度予算案、これを比べると真水にして七兆円ばかりの歳出不足だ、したがってこれは補正予算を組むべきではないかということがあったと思います。
実は財務大臣は、昨年は大蔵大臣でございますが、昨年の春ごろ、もう財政出動はこれで終わりだ、民需主導の景気回復が始まるからことしは補正予算は要りませんと宣言されたと思うんです。これは、経済でありますから、どんどん動いていきますから、結局秋に組んだ。ことしも財務大臣は補正予算を組むとはもちろん言っておられません。しかし、今先生の御指摘のように、まだ投資余力、政府にあるぞということであれば、この七兆円の真水分になるのか、それよりも多いのか少ないのか知りませんが、やがて補正予算を組むようになるのかなと。
というのは、とはいいながら、金融政策等は、もう何分にも〇・二五%の公定歩合の中で利子が高いの安いの言ったって余り景気にきいてこないんではないかという心配がありますので、財政出動をもう一遍思い切ってやるのかやらないのか、そこあたりについてひとつ先生のお考えをお示ししていただきたいと思います。
この発言だけを見る →実は財務大臣は、昨年は大蔵大臣でございますが、昨年の春ごろ、もう財政出動はこれで終わりだ、民需主導の景気回復が始まるからことしは補正予算は要りませんと宣言されたと思うんです。これは、経済でありますから、どんどん動いていきますから、結局秋に組んだ。ことしも財務大臣は補正予算を組むとはもちろん言っておられません。しかし、今先生の御指摘のように、まだ投資余力、政府にあるぞということであれば、この七兆円の真水分になるのか、それよりも多いのか少ないのか知りませんが、やがて補正予算を組むようになるのかなと。
というのは、とはいいながら、金融政策等は、もう何分にも〇・二五%の公定歩合の中で利子が高いの安いの言ったって余り景気にきいてこないんではないかという心配がありますので、財政出動をもう一遍思い切ってやるのかやらないのか、そこあたりについてひとつ先生のお考えをお示ししていただきたいと思います。
菊
菊池英博#13
○公述人(菊池英博君) 木村先生の御質問に対しまして私の考え方を申させていただきます。
〔委員長退席、理事吉村剛太郎君着席〕
確かに、昨年度の予算を組みまして、四月以降順調に来れば景気が回復し成長軌道に乗るのかなということはあったと思います。ということは、昨年度の予算は積極型でございましたし、支出も増加しておりました。それから、その一昨年の真水の九兆円というのがございましたから、これがかなりきいてマイナス成長からプラス成長になってきたと思います。
しかしながら、残念なことに、やっぱり、四月十二日に日銀総裁がゼロ金利解除というようなことを示唆された、あの日からまさに株価が下がり始めました。ということは、市場ではまだ経済体質がそんなに、成長路線に乗るぐらい体力がついていない、まだよたよた歩きだと。微熱か何かでよたよた歩いているのに、そういう着ていたオーバーか何か脱がされちゃうんじゃこれはたまらないということで株がどんどん下がり始めた。
それから、実際には金融政策が、その後金利は実際に上がりました。しかし、物価が下がってまいりましたから実質的な金利は二%以上、もう三%近く上がっているということも言えるかと思います。ですから、そういうような状況になりますと、やっぱり財政支出というのは当然必要だと。
ですから、はっきり申して、金融政策をもっと成長型といいますか緩和型に持っていくべきで、ゼロ金利に早く戻すこと、それから量的にももっとふやすこと、年率一〇%のマネーサプライができるようにしていかなきゃいけませんと私は考えます。
そのためには、今銀行貸し出しというのは減っていますから、実際には日銀が供給いたしますベースマネーというのは一二、三%出さなきゃいけないんですね。これは過去の、一九三〇年代の後半のアメリカだとか日本の昭和恐慌後の、一九三二年以降の高橋是清さんの財政政策、積極財政というのはそういうふうにやってきたわけです。ですから、こういう過去の経験も踏まえて、まず金融をもっともっと緩和しなきゃいけない。
それで、しかしながら、現在いろんな角度から、やはりアメリカの影響等もありまして景気も悪うございますので、私の意見としては、やはり本年度、早い時期に真水で十兆円ぐらいの補正を組んでいただかざるを得ないんじゃないかな。といいますのは、先へ延びれば景気が悪くなりますから、せっかくここまで上がってきている、これが失速しない前にぜひともそういうエネルギーを供給していただければいいんじゃないかなと私は思います。
この発言だけを見る →〔委員長退席、理事吉村剛太郎君着席〕
確かに、昨年度の予算を組みまして、四月以降順調に来れば景気が回復し成長軌道に乗るのかなということはあったと思います。ということは、昨年度の予算は積極型でございましたし、支出も増加しておりました。それから、その一昨年の真水の九兆円というのがございましたから、これがかなりきいてマイナス成長からプラス成長になってきたと思います。
しかしながら、残念なことに、やっぱり、四月十二日に日銀総裁がゼロ金利解除というようなことを示唆された、あの日からまさに株価が下がり始めました。ということは、市場ではまだ経済体質がそんなに、成長路線に乗るぐらい体力がついていない、まだよたよた歩きだと。微熱か何かでよたよた歩いているのに、そういう着ていたオーバーか何か脱がされちゃうんじゃこれはたまらないということで株がどんどん下がり始めた。
それから、実際には金融政策が、その後金利は実際に上がりました。しかし、物価が下がってまいりましたから実質的な金利は二%以上、もう三%近く上がっているということも言えるかと思います。ですから、そういうような状況になりますと、やっぱり財政支出というのは当然必要だと。
ですから、はっきり申して、金融政策をもっと成長型といいますか緩和型に持っていくべきで、ゼロ金利に早く戻すこと、それから量的にももっとふやすこと、年率一〇%のマネーサプライができるようにしていかなきゃいけませんと私は考えます。
そのためには、今銀行貸し出しというのは減っていますから、実際には日銀が供給いたしますベースマネーというのは一二、三%出さなきゃいけないんですね。これは過去の、一九三〇年代の後半のアメリカだとか日本の昭和恐慌後の、一九三二年以降の高橋是清さんの財政政策、積極財政というのはそういうふうにやってきたわけです。ですから、こういう過去の経験も踏まえて、まず金融をもっともっと緩和しなきゃいけない。
それで、しかしながら、現在いろんな角度から、やはりアメリカの影響等もありまして景気も悪うございますので、私の意見としては、やはり本年度、早い時期に真水で十兆円ぐらいの補正を組んでいただかざるを得ないんじゃないかな。といいますのは、先へ延びれば景気が悪くなりますから、せっかくここまで上がってきている、これが失速しない前にぜひともそういうエネルギーを供給していただければいいんじゃないかなと私は思います。
木
木村仁#14
○木村仁君 私どもは現在、現在の予算案の通過に全力を挙げておりますので、補正予算のことを発言するのは不謹慎かと思いましたけれども、お尋ねをいたしました。
実は時間がございませんので、もう一つ、政府・与党三党が出しました緊急経済対策の中で、日本銀行に対する要望として、一層政府の経済政策との整合性を確保してほしいという前提で、金融緩和をさらに進めるとともに、日銀は物価安定の目標を明らかにすべきであると、こういう表現がございます。この部分について、必ずしもまだ三党が明確に説明をしていないように思いますが、これはインフレターゲティングを求めているのでございましょうか。先生の御解釈をお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →実は時間がございませんので、もう一つ、政府・与党三党が出しました緊急経済対策の中で、日本銀行に対する要望として、一層政府の経済政策との整合性を確保してほしいという前提で、金融緩和をさらに進めるとともに、日銀は物価安定の目標を明らかにすべきであると、こういう表現がございます。この部分について、必ずしもまだ三党が明確に説明をしていないように思いますが、これはインフレターゲティングを求めているのでございましょうか。先生の御解釈をお聞きしたいと思います。
菊
菊池英博#15
○公述人(菊池英博君) まず、政府との整合性をとっていただきたいということを出されました。これはまさにそのとおりだと思います。
海外から見ましても、昨年のようなゼロ金利解除のときに、政府は反対しているけれども中央銀行だけが強行をした、その結果ははっきりしてきたというようなことになりますと、いかにも両方の政策、つまり財政、金融の一元的な政策がとられていないんじゃないかという疑念を持ちます。これは国家の政策に対する不信感にもなりますので、その点は一段と関係先生方あるいは日銀さんにも御協力をいただきたいと思います。
それから、まさにインフレターゲティングと言いますが、これはインフレターゲット、インフレという言葉を使うからいけないのであって、まず我々は過去の常識から見まして、経済成長をするときには必ず物価は二、三%上がっています。過去の高度成長がそうですね。五%成長、六%成長、物価は一、二%上がっていました。それから、アメリカのつい最近までの状況を見ましても、実質成長率が例えば五パー行った、七パー行ったといっても、実際には物価は二%とか二・五%上がっております。
それから、私が聞いておりますところでは、アメリカのグリーンスパン連邦準備銀行総裁といいますか理事長は、大体市場の物価が一%を、上昇率が一%を割ってくるとむしろ金を緩めるんですね、それで物価を上げていくと。それによって三パー以上になるとこれはまず抑える。このぐらい操作をしていまして、結局、物価というのはやはり正常な経済成長の中で一、二%、まあ二%前後というのは正常な物価の上昇で、これがないと結局は投資を呼ばないと思います。
そういう意味でのターゲットをつくっていただいて、これははっきりつくった方がいいと思います。つくって、先ほど申したようなマネーサプライをしっかりやる。それから同時に、日本銀行では通貨の徴収手段をもっと多様化していただきたいなと思います。
以上でございます。
この発言だけを見る →海外から見ましても、昨年のようなゼロ金利解除のときに、政府は反対しているけれども中央銀行だけが強行をした、その結果ははっきりしてきたというようなことになりますと、いかにも両方の政策、つまり財政、金融の一元的な政策がとられていないんじゃないかという疑念を持ちます。これは国家の政策に対する不信感にもなりますので、その点は一段と関係先生方あるいは日銀さんにも御協力をいただきたいと思います。
それから、まさにインフレターゲティングと言いますが、これはインフレターゲット、インフレという言葉を使うからいけないのであって、まず我々は過去の常識から見まして、経済成長をするときには必ず物価は二、三%上がっています。過去の高度成長がそうですね。五%成長、六%成長、物価は一、二%上がっていました。それから、アメリカのつい最近までの状況を見ましても、実質成長率が例えば五パー行った、七パー行ったといっても、実際には物価は二%とか二・五%上がっております。
それから、私が聞いておりますところでは、アメリカのグリーンスパン連邦準備銀行総裁といいますか理事長は、大体市場の物価が一%を、上昇率が一%を割ってくるとむしろ金を緩めるんですね、それで物価を上げていくと。それによって三パー以上になるとこれはまず抑える。このぐらい操作をしていまして、結局、物価というのはやはり正常な経済成長の中で一、二%、まあ二%前後というのは正常な物価の上昇で、これがないと結局は投資を呼ばないと思います。
そういう意味でのターゲットをつくっていただいて、これははっきりつくった方がいいと思います。つくって、先ほど申したようなマネーサプライをしっかりやる。それから同時に、日本銀行では通貨の徴収手段をもっと多様化していただきたいなと思います。
以上でございます。
木
木村仁#16
○木村仁君 笹森公述人には時間がございませんで大変失礼をいたしましたが、一つだけお尋ねしておきたいと思います。
よく景気回復、企業先行、家計遅行と申しますか、企業の収益が上がっているのにそれがいわゆる勤労者に対しての給与アップという形ではね返ってこない、それだから家計の支出がおくれているのではないかということを常々私ども考えております。ことしの春闘でIMF—JCが最初に、新聞の見出しは昨年よりも上回ったということでございましたが、ここしばらく見るとまた、しかしもう消費拡大には影響しないと。
政府の政策の問題を労働組合に押しつけるのは大変いけないのでございますけれども、長年の低成長の過程で、労働組合は時短とか周辺の政策理論は大変よくやっておられると思いますけれども、肝心かなめの賃金獲得能力が衰えてきたのではないかなと、ここをひとつがんと頑張っていただいて、企業が少しその配分を変えるようなことを考えていくのがいいのではないかなという気がするのでございますが、組合の立場からいかがでございましょうか。
この発言だけを見る →よく景気回復、企業先行、家計遅行と申しますか、企業の収益が上がっているのにそれがいわゆる勤労者に対しての給与アップという形ではね返ってこない、それだから家計の支出がおくれているのではないかということを常々私ども考えております。ことしの春闘でIMF—JCが最初に、新聞の見出しは昨年よりも上回ったということでございましたが、ここしばらく見るとまた、しかしもう消費拡大には影響しないと。
政府の政策の問題を労働組合に押しつけるのは大変いけないのでございますけれども、長年の低成長の過程で、労働組合は時短とか周辺の政策理論は大変よくやっておられると思いますけれども、肝心かなめの賃金獲得能力が衰えてきたのではないかなと、ここをひとつがんと頑張っていただいて、企業が少しその配分を変えるようなことを考えていくのがいいのではないかなという気がするのでございますが、組合の立場からいかがでございましょうか。
笹
笹森清#17
○公述人(笹森清君) 労働組合の運動能力あるいは交渉能力に対する御激励、心から感謝を申し上げたいと思いますが、ここ数年、経済界と労働界の、特に総人件費の問題については、今、先生御指摘のとおり対立をしておりますね。
私どもが今経営側に求めておりますのは、やっぱり経済と雇用、そして景気の関係についてデフレスパイラルを極力解除させなきゃいけないんじゃないか。そのために何が必要なんだということになると、もう働く人たちが安心して財布のひもを緩めてもいいよという気持ちにさせるかさせないか。その中では、極めて賃金抑制をしてきた経営側のその姿勢に対して、打ち破れなかった労働側の力不足もあることは事実なんだけれども、そのことによって日本経済と企業業績が本当にどうなったのかというのを経営側が検証してみた場合、我々の検証では景気や雇用に極めて悪い影響を与えたという検証になっているんです。ところが、経営側はそういう反省をしておらない。これをどう打ち破るかということなんです。
その中では、私どもは三つありまして、一つは賃金の格差が、今新聞に出ているような第一段階で春闘相場に影響のあるところについては、平均ベースは極めて高い位置取りにあります。ところが、これから後続部隊で続いていく地場産業を含めると、賃金格差が二十万円以上開いているんです。だから、経営側が言っているように、一律すべて外国に比べて日本の賃金は高いという部分については間違いだということをまず否定をしたい。その低いところについてどう上げるかというのはこれからは労働運動の力だろうと、そういうふうに思った。
それから二つ目。従業員重視から株主重視にシフトがえをして、経営側は本当に日本経済が立ち直ると思っているのか、これは全く違うんですね。日本が一番資産のない、何にも資産のない、資本もない国で、最大の資産は何だったのか、資源は何だったのか。これは戦前も戦後もそうですが、極めて勤勉な国民性だった。これを大事にするかしないかということを労働側は猛烈に打ち出したい。
そういう意味では、今までちょっと押し込まれている部分については大反転をする年にしたいなと、こう思っております。
この発言だけを見る →私どもが今経営側に求めておりますのは、やっぱり経済と雇用、そして景気の関係についてデフレスパイラルを極力解除させなきゃいけないんじゃないか。そのために何が必要なんだということになると、もう働く人たちが安心して財布のひもを緩めてもいいよという気持ちにさせるかさせないか。その中では、極めて賃金抑制をしてきた経営側のその姿勢に対して、打ち破れなかった労働側の力不足もあることは事実なんだけれども、そのことによって日本経済と企業業績が本当にどうなったのかというのを経営側が検証してみた場合、我々の検証では景気や雇用に極めて悪い影響を与えたという検証になっているんです。ところが、経営側はそういう反省をしておらない。これをどう打ち破るかということなんです。
その中では、私どもは三つありまして、一つは賃金の格差が、今新聞に出ているような第一段階で春闘相場に影響のあるところについては、平均ベースは極めて高い位置取りにあります。ところが、これから後続部隊で続いていく地場産業を含めると、賃金格差が二十万円以上開いているんです。だから、経営側が言っているように、一律すべて外国に比べて日本の賃金は高いという部分については間違いだということをまず否定をしたい。その低いところについてどう上げるかというのはこれからは労働運動の力だろうと、そういうふうに思った。
それから二つ目。従業員重視から株主重視にシフトがえをして、経営側は本当に日本経済が立ち直ると思っているのか、これは全く違うんですね。日本が一番資産のない、何にも資産のない、資本もない国で、最大の資産は何だったのか、資源は何だったのか。これは戦前も戦後もそうですが、極めて勤勉な国民性だった。これを大事にするかしないかということを労働側は猛烈に打ち出したい。
そういう意味では、今までちょっと押し込まれている部分については大反転をする年にしたいなと、こう思っております。
木
高
高嶋良充#19
○高嶋良充君 民主党・新緑風会の高嶋良充でございます。
両公述人には、先ほど大変貴重な御提言と御意見を拝聴いたしました。この参議院の予算の公聴会というのは衆議院と若干異なっておりまして、衆議院の公聴会というのはもう予算を上げるための出口のように考えられておりますけれども、参議院の場合は公述人の皆さん方の意見を参考にさせていただいて、さらに十分な審議をしてよりよい予算をつくり上げるというのが趣旨でございますから、ぜひお二人の御提言等を参考にさせていただいて、これからも十分な審議に反映をさせていきたいというふうに思っております。
そこで、まず株価の問題について、先ほどは菊池公述人の方から、まさに証券恐慌、その改善策というか対策は保有株の買い上げ機構を設立すべきだということでお話を伺いましたので、お二人にお聞きをしようと思ったんですが、菊池公述人については既にもう意見表明をされておりますので、笹森公述人にお伺いいたしますけれども、いずれにしても株価の下落が一向にとまらないという状況のもとで、最近の株価動向についてどのように考えておられるのか。さらに、その原因と見通し、そして株価対策等についてもおわかりをいただければお伺いをしたいというように思いますので、ひとつよろしくお願いします。
この発言だけを見る →両公述人には、先ほど大変貴重な御提言と御意見を拝聴いたしました。この参議院の予算の公聴会というのは衆議院と若干異なっておりまして、衆議院の公聴会というのはもう予算を上げるための出口のように考えられておりますけれども、参議院の場合は公述人の皆さん方の意見を参考にさせていただいて、さらに十分な審議をしてよりよい予算をつくり上げるというのが趣旨でございますから、ぜひお二人の御提言等を参考にさせていただいて、これからも十分な審議に反映をさせていきたいというふうに思っております。
そこで、まず株価の問題について、先ほどは菊池公述人の方から、まさに証券恐慌、その改善策というか対策は保有株の買い上げ機構を設立すべきだということでお話を伺いましたので、お二人にお聞きをしようと思ったんですが、菊池公述人については既にもう意見表明をされておりますので、笹森公述人にお伺いいたしますけれども、いずれにしても株価の下落が一向にとまらないという状況のもとで、最近の株価動向についてどのように考えておられるのか。さらに、その原因と見通し、そして株価対策等についてもおわかりをいただければお伺いをしたいというように思いますので、ひとつよろしくお願いします。
笹
笹森清#20
○公述人(笹森清君) ただいまの先生の御質問にお答えしたいと思いますが、御承知のように、私は経済の専門家でもありませんし、どちらかといえば現場の皮膚感覚、現場の実感、体験の方でこういう問題について発言をしたり政策をまとめておりますので、的確なお答えになるかどうかはちょっとありますが、今の質問について所見を申し上げたいと思います。
まず一つは、急速な株価の落ち込み、極めて憂慮せざるを得ないという状態、これはみんな同じだと思うんですが、株価欄の各銘柄を全部見てみますと、これだけ急落しているにもかかわらず、安定的な部分についてはほとんど値が動いていないんです。一体どこでこんなに急降下しているのか、全体的には一万二千円を切ってしまうような数字になったのかということなんですね。部分的なところなんです。特に、IT関連だとか、それからベンチャービジネスとして出てきた部分の中で一部上場、二部上場になったところが乱高下している部分、ここが非常に大きい。
〔理事吉村剛太郎君退席、理事須藤良太郎君着席〕
例えば、基幹産業の電力の銘柄だとか鉄鋼の銘柄だとか、ここについてはほとんど上下幅がないという奇妙な株価の操作がある。ここのところについては、そうはいっても日経平均が、バブル崩壊後、いろんな言い方からすれば今の一万一千円台はプラス三千円から三千八百円ぐらいまであって、銘柄変更しなけりゃもうちょっと実力は上じゃないかとか言われているけれども、現実的な問題として下がったことは間違いないし、下落を続けていることについては間違いない。
じゃ、この要因は一体何かというと、私は三つあるんじゃないかというふうに思っておりまして、一つはアメリカの経済。アメリカのバブルの破裂というのか破綻というのか、そういう中で株価下落をしていると。このアメリカの影響をまともに受けているということがまず一番目ではないか。
それから二つ目が、ここが一番変えていただかなきゃならないことなんでしょうが、日本政府の経済運営が不適切だと。言ってみれば、策がないということに対する株評価、市場の評価ですね、これが一番大きいというふうに二つ目には思っています。
それから三つ目が、先ほどいろいろ陳述させていただいた中でも触れましたけれども、日本経済、それから、これからのいろんな生活に対する先行きの問題として極めて不安であり、その運営に対する不透明感が強まっているということに対して市場の反応がどうしても好転をしていかないという、この三つの絡まり合いではないかというふうに思っておりまして、したがって、そういうことから申し上げると、今の株価を立て直すためには小手先の株価対策ではどうにもなりませんよということでありまして、基本対策を本気で打ち出せるかどうかということにつながると思うんです。
今の政府三党がおやりになっている今度の政府予算も含めて私は修正を求めましたし、衆議院段階では鷲尾会長が意見陳述でお話しいただいたときに組み替えも求めたという経過から申し上げると、今の政府案を出している体制ではもうだめだから、国民が一番株価に反応するという、好転させるためにはもう政府そのものをどう取りかえるかということにつなげていった方が一番手っ取り早いかなと、そんなような気もしております。
この発言だけを見る →まず一つは、急速な株価の落ち込み、極めて憂慮せざるを得ないという状態、これはみんな同じだと思うんですが、株価欄の各銘柄を全部見てみますと、これだけ急落しているにもかかわらず、安定的な部分についてはほとんど値が動いていないんです。一体どこでこんなに急降下しているのか、全体的には一万二千円を切ってしまうような数字になったのかということなんですね。部分的なところなんです。特に、IT関連だとか、それからベンチャービジネスとして出てきた部分の中で一部上場、二部上場になったところが乱高下している部分、ここが非常に大きい。
〔理事吉村剛太郎君退席、理事須藤良太郎君着席〕
例えば、基幹産業の電力の銘柄だとか鉄鋼の銘柄だとか、ここについてはほとんど上下幅がないという奇妙な株価の操作がある。ここのところについては、そうはいっても日経平均が、バブル崩壊後、いろんな言い方からすれば今の一万一千円台はプラス三千円から三千八百円ぐらいまであって、銘柄変更しなけりゃもうちょっと実力は上じゃないかとか言われているけれども、現実的な問題として下がったことは間違いないし、下落を続けていることについては間違いない。
じゃ、この要因は一体何かというと、私は三つあるんじゃないかというふうに思っておりまして、一つはアメリカの経済。アメリカのバブルの破裂というのか破綻というのか、そういう中で株価下落をしていると。このアメリカの影響をまともに受けているということがまず一番目ではないか。
それから二つ目が、ここが一番変えていただかなきゃならないことなんでしょうが、日本政府の経済運営が不適切だと。言ってみれば、策がないということに対する株評価、市場の評価ですね、これが一番大きいというふうに二つ目には思っています。
それから三つ目が、先ほどいろいろ陳述させていただいた中でも触れましたけれども、日本経済、それから、これからのいろんな生活に対する先行きの問題として極めて不安であり、その運営に対する不透明感が強まっているということに対して市場の反応がどうしても好転をしていかないという、この三つの絡まり合いではないかというふうに思っておりまして、したがって、そういうことから申し上げると、今の株価を立て直すためには小手先の株価対策ではどうにもなりませんよということでありまして、基本対策を本気で打ち出せるかどうかということにつながると思うんです。
今の政府三党がおやりになっている今度の政府予算も含めて私は修正を求めましたし、衆議院段階では鷲尾会長が意見陳述でお話しいただいたときに組み替えも求めたという経過から申し上げると、今の政府案を出している体制ではもうだめだから、国民が一番株価に反応するという、好転させるためにはもう政府そのものをどう取りかえるかということにつなげていった方が一番手っ取り早いかなと、そんなような気もしております。
高
高嶋良充#21
○高嶋良充君 ありがとうございました。
先ほども木村委員の方からも質問がございましたけれども、与党の緊急経済対策で日銀にさらなる金融緩和を求めると、こういうことで先ほど菊池公述人の方からは若干御回答がございました。
私は、日銀が今とっている低金利政策ですね、二月の九日には公定歩合を〇・五%から〇・三五%に引き下げましたし、さらにこの一日には〇・一%引き下げて現在〇・二五%と、こういうことになっているわけですけれども、この低金利政策について両公述人にそれぞれ御意見をいただきたいと思います。
菊池公述人からどうぞ。
この発言だけを見る →先ほども木村委員の方からも質問がございましたけれども、与党の緊急経済対策で日銀にさらなる金融緩和を求めると、こういうことで先ほど菊池公述人の方からは若干御回答がございました。
私は、日銀が今とっている低金利政策ですね、二月の九日には公定歩合を〇・五%から〇・三五%に引き下げましたし、さらにこの一日には〇・一%引き下げて現在〇・二五%と、こういうことになっているわけですけれども、この低金利政策について両公述人にそれぞれ御意見をいただきたいと思います。
菊池公述人からどうぞ。
菊
菊池英博#22
○公述人(菊池英博君) 確かに、ここのところ、日銀さんもかなり意識をされまして、公定歩合を下げたり、それから市場金利を下げたりしておられると思います。ただ、この種のものは余り小出しにちょこちょこやるよりは、やはりゼロ金利に早く戻すと。
それから、先ほど申し上げましたとおり、通貨供給量をもう少しマクロ的に把握していただくことと、それから、やや口幅ったいですけれども、過去の歴史的な経験というものをもっと徴していただいて、そういったものを考えた上で金融政策をとっていただけないものかと、こういうふうに思います。これは、アメリカの学者とか何かが来ますと、なぜ緩めないんだとかなんとかよく言いますけれども、これはまさに一九三〇年代のアメリカの大恐慌のときにとった政策というようなものが頭にあって、アメリカの金融政策なんかですと、一度失敗したことは二度と失敗しないようにしようという考えが強いと思いますね。
ですから、やはりそういうものをもっと参考にして早くゼロ金利にしていただくことと、それからもう一つはやはり通貨供給量を多様化していただく、それからふやしていただくと。それと、先ほど申し上げたとおり、いろいろなデフレ解消の総合策というものをあわせてやっていく必要はあると思います。
この発言だけを見る →それから、先ほど申し上げましたとおり、通貨供給量をもう少しマクロ的に把握していただくことと、それから、やや口幅ったいですけれども、過去の歴史的な経験というものをもっと徴していただいて、そういったものを考えた上で金融政策をとっていただけないものかと、こういうふうに思います。これは、アメリカの学者とか何かが来ますと、なぜ緩めないんだとかなんとかよく言いますけれども、これはまさに一九三〇年代のアメリカの大恐慌のときにとった政策というようなものが頭にあって、アメリカの金融政策なんかですと、一度失敗したことは二度と失敗しないようにしようという考えが強いと思いますね。
ですから、やはりそういうものをもっと参考にして早くゼロ金利にしていただくことと、それからもう一つはやはり通貨供給量を多様化していただく、それからふやしていただくと。それと、先ほど申し上げたとおり、いろいろなデフレ解消の総合策というものをあわせてやっていく必要はあると思います。
笹
笹森清#23
○公述人(笹森清君) 高嶋先生御指摘のように、金利の問題、極めて重要視をしておりまして、二月、三月、たった一カ月の間で日銀が引き下げを二回やりましたね。私は、二回目のときに、日銀のメッセージが明確に伝わらないということを連合事務局長の立場でコメントを出させてもらいました。これはどういうことかというと、今、菊池先生もちょっと触れられておりましたが、あの二回目のときにはゼロ金利にするならすると明確なメッセージを発表するべきだったんじゃないか。言ってみれば、もう毎回のことなんだけれども、常にツーリトルでありツーレートであるというところが最大の問題だろうというふうに思っております。
ただし、連合の働く側の立場からすると二面あるんですね。一つは、この低金利がもう五年半続いているんですよ、ほとんどゼロに近いという状況で。これは家計部門に極めて大きな影響を与えるということになりますし、特に高齢者の年金生活者の方々に直撃をしている部分なんというのは、これはもう非常に悲惨な状況になりかかっている。だから、本来的には適正金利に戻してほしいというのが我々の基本的な考え方なんです。
ただし、今の状況の中でこれをやると、あれだけ公的資金を注入し、貸し渋りを直そうとしているにもかかわらず、貸し渋りがとまらずに、逆にはがしまで始まっているような中小企業に対しての金利が影響するということになりますので、このどちらにウエートを置くかということになると極めて痛いなという部分があるんですが、できれば公的資金をこの中小企業に対する貸出金利の方に政策的に持っていけば、金利の適正な水準に戻すということはできるんじゃないか。そうなると千三百兆円を超す預貯金が動き出すと。この金利のところで一%変われば、もう十三兆円ぱっと出てくるわけで、減税するよりはるかな効果ということになるわけだから、そういう政策を低金利の場合にはやると。それから、メッセージを明確に送るということだと思います。
それから二つ目は、これは菊池先生と全く同じなんですが、デフレ的な傾向を解決するためには金利の問題だけではだめだということで、金利依存によるデフレ解決政策というのは私は難しいと思っています。したがって、ここの部分については総合的な施策、これをいかに早くまとめていただくかということに尽きるんではないかというふうに思っております。
この発言だけを見る →ただし、連合の働く側の立場からすると二面あるんですね。一つは、この低金利がもう五年半続いているんですよ、ほとんどゼロに近いという状況で。これは家計部門に極めて大きな影響を与えるということになりますし、特に高齢者の年金生活者の方々に直撃をしている部分なんというのは、これはもう非常に悲惨な状況になりかかっている。だから、本来的には適正金利に戻してほしいというのが我々の基本的な考え方なんです。
ただし、今の状況の中でこれをやると、あれだけ公的資金を注入し、貸し渋りを直そうとしているにもかかわらず、貸し渋りがとまらずに、逆にはがしまで始まっているような中小企業に対しての金利が影響するということになりますので、このどちらにウエートを置くかということになると極めて痛いなという部分があるんですが、できれば公的資金をこの中小企業に対する貸出金利の方に政策的に持っていけば、金利の適正な水準に戻すということはできるんじゃないか。そうなると千三百兆円を超す預貯金が動き出すと。この金利のところで一%変われば、もう十三兆円ぱっと出てくるわけで、減税するよりはるかな効果ということになるわけだから、そういう政策を低金利の場合にはやると。それから、メッセージを明確に送るということだと思います。
それから二つ目は、これは菊池先生と全く同じなんですが、デフレ的な傾向を解決するためには金利の問題だけではだめだということで、金利依存によるデフレ解決政策というのは私は難しいと思っています。したがって、ここの部分については総合的な施策、これをいかに早くまとめていただくかということに尽きるんではないかというふうに思っております。
高
高嶋良充#24
○高嶋良充君 先ほど笹森公述人は、雇用の改善が最大の景気対策だというふうに述べられました。
そこで、現在の失業率四・九%、失業者は三百二十万人という戦後最悪の数字になっているわけですけれども、今日のこの雇用状況を働く者の立場でどう見ておられるのかということと、雇用を改善するための方策で何が一番重要なのかということについてお尋ねをしたいと思います。
この発言だけを見る →そこで、現在の失業率四・九%、失業者は三百二十万人という戦後最悪の数字になっているわけですけれども、今日のこの雇用状況を働く者の立場でどう見ておられるのかということと、雇用を改善するための方策で何が一番重要なのかということについてお尋ねをしたいと思います。
笹
笹森清#25
○公述人(笹森清君) 先ほど数字で申し上げましたし、今、高嶋先生の方からも数字がありました。四・九%、約三百二十万人の失業者、これはちょっと時間で割り戻しをさせていただきますと、一年三百六十五日、二十四時間で割り戻すと、六十七秒に一人失業しているという計算なんです。約一分間に一人です。
これともう一つの数字をちょっと合わせていただきますと、その中でじゃどんな社会現象が起きているかというと、十年ぐらい前は年間自殺者が一万七千人でした。今は約倍の三万四千近くが自殺をするという数になっていて、ここがリストラをされた中堅サラリーマンと貸し渋りに遭って資金ショートした中小企業の経営者が非常にふえているという数になるんですね。この三万四千人の自殺者の数も、時間で割り戻しをさせてもらいますと、約十六分に一人自殺をしているという計算になるんですよ。
だから、六百六十六兆円大変だと、菊池先生、確かにそれほどでもないという部分と、それからもっと明るさも出さなきゃいけない、これもわかります。だから、悪い悪いばかり言っていてもしようがないんだけれども、一九九七年からの三年間で約百五十兆円ふえたんです。にもかかわらず、数字的にはそういうところに行っているというのは何なのかということになれば、これはもう雇用をいかに改善をして国民に安心感を与えさせることができるかどうかというところにもう尽きちゃうだろうと。
その中で、今までの、先ほども申し上げた予算からいいますと、旧労働省がやってきたそういう部分と、そのほかの旧通産省がやってきた政策の部分なんかを申し上げると、雇用維持と雇用保障について、給付保障についての予算は組まれている、しかし新たにつくり出す雇用創出の部分についての予算が極めて薄い。だから、ここにどういうふうに配分をし直すかというのが雇用対策の最大のポイントになるのではないかというふうに思っております。
この発言だけを見る →これともう一つの数字をちょっと合わせていただきますと、その中でじゃどんな社会現象が起きているかというと、十年ぐらい前は年間自殺者が一万七千人でした。今は約倍の三万四千近くが自殺をするという数になっていて、ここがリストラをされた中堅サラリーマンと貸し渋りに遭って資金ショートした中小企業の経営者が非常にふえているという数になるんですね。この三万四千人の自殺者の数も、時間で割り戻しをさせてもらいますと、約十六分に一人自殺をしているという計算になるんですよ。
だから、六百六十六兆円大変だと、菊池先生、確かにそれほどでもないという部分と、それからもっと明るさも出さなきゃいけない、これもわかります。だから、悪い悪いばかり言っていてもしようがないんだけれども、一九九七年からの三年間で約百五十兆円ふえたんです。にもかかわらず、数字的にはそういうところに行っているというのは何なのかということになれば、これはもう雇用をいかに改善をして国民に安心感を与えさせることができるかどうかというところにもう尽きちゃうだろうと。
その中で、今までの、先ほども申し上げた予算からいいますと、旧労働省がやってきたそういう部分と、そのほかの旧通産省がやってきた政策の部分なんかを申し上げると、雇用維持と雇用保障について、給付保障についての予算は組まれている、しかし新たにつくり出す雇用創出の部分についての予算が極めて薄い。だから、ここにどういうふうに配分をし直すかというのが雇用対策の最大のポイントになるのではないかというふうに思っております。
高
高嶋良充#26
○高嶋良充君 そういう意味では、雇用創出という観点からいくと、先ほどの笹森公述人のところで公共事業の見直しという部分が言われました。
私ども民主党のいろんな調査でも、この十年間で土木事業に毎年三十兆円から四十兆円を投資して、雇用はわずか四十六万人しか創出をされていない。しかし、社会保障の関係では投資が六分の一程度で約三十万人の雇用の創出ができるという、こういう調査結果も出ておるわけですけれども、先ほど、この連合が出されている重点政策要求の一ページ目に百四十万人の雇用創出と、こう出されました。これをずっと見せていただくと、新しい産業分野というか生活関連の分野で雇用創出を図るということが必要だという、そういうメッセージとして受け取れるんですけれども、その辺の公共事業と雇用創出の関係についてどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
この発言だけを見る →私ども民主党のいろんな調査でも、この十年間で土木事業に毎年三十兆円から四十兆円を投資して、雇用はわずか四十六万人しか創出をされていない。しかし、社会保障の関係では投資が六分の一程度で約三十万人の雇用の創出ができるという、こういう調査結果も出ておるわけですけれども、先ほど、この連合が出されている重点政策要求の一ページ目に百四十万人の雇用創出と、こう出されました。これをずっと見せていただくと、新しい産業分野というか生活関連の分野で雇用創出を図るということが必要だという、そういうメッセージとして受け取れるんですけれども、その辺の公共事業と雇用創出の関係についてどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
笹
笹森清#27
○公述人(笹森清君) 全体的には、今の予算を大幅にふやすことによって社会保障だとか雇用創出をつくるということはしてはいけないと思っています。だから、総予算の中では今のまま。
〔理事須藤良太郎君退席、委員長着席〕
そこで、だったら財源をどういうふうに寄せるかということになると、公共事業の部分の中で不要不急の部分についてどう削減をするか、それから残す公共事業の中でも優先順位を明確にさせてほしい、これで相当な幅寄せができます。これは数字的には、資料はもし提出する必要があれば後ほど提出をさせていただきたいと思います。
その上で、生活関連部分ということになりますと、私どもが今一番重要視をしていますのは、省庁再編が行われた中で、厚生労働省が今まで特に労働の部分の中では雇用問題をやっていたわけですね。ここが厚生労働省という一省の管轄になりますと、生まれる前から亡くなった後まで全部面倒を見るという、もう生涯を通り越した部分の政策ができるわけですよ。そこに生活関連と雇用問題がすべて予算的には含まれているということになって、その中でも特にやらなきゃならないのが、新しい、これからの少子高齢社会に到達をした場合の介護とか福祉の部分とか、あるいは保育の部分とか、そういう部分について抜本的に予算を入れてくださいと。これが、金額的には雇用創出策の抜本強化で八千億円弱投入をすれば、十分なそこの生活関連の雇用創出が生まれるという数字を私どもは算出しております。
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そこで、だったら財源をどういうふうに寄せるかということになると、公共事業の部分の中で不要不急の部分についてどう削減をするか、それから残す公共事業の中でも優先順位を明確にさせてほしい、これで相当な幅寄せができます。これは数字的には、資料はもし提出する必要があれば後ほど提出をさせていただきたいと思います。
その上で、生活関連部分ということになりますと、私どもが今一番重要視をしていますのは、省庁再編が行われた中で、厚生労働省が今まで特に労働の部分の中では雇用問題をやっていたわけですね。ここが厚生労働省という一省の管轄になりますと、生まれる前から亡くなった後まで全部面倒を見るという、もう生涯を通り越した部分の政策ができるわけですよ。そこに生活関連と雇用問題がすべて予算的には含まれているということになって、その中でも特にやらなきゃならないのが、新しい、これからの少子高齢社会に到達をした場合の介護とか福祉の部分とか、あるいは保育の部分とか、そういう部分について抜本的に予算を入れてくださいと。これが、金額的には雇用創出策の抜本強化で八千億円弱投入をすれば、十分なそこの生活関連の雇用創出が生まれるという数字を私どもは算出しております。
高
高嶋良充#28
○高嶋良充君 先ほども申し上げましたけれども、与党三党の緊急経済対策の中でも、この不良債権処理を急ぐと、こういうことで言われています。不良債権の直接償却という問題も含めて、やっぱりかなりの痛みを伴うということに当然なってくるのではないかというふうに思うんですが、とりわけ不良債権処理によって貸出先企業を当然選別する、こういうことになりますし、不採算部門についてはこれは切り捨てるという、そういうことになっていくのではないかというふうに思うんです。
そうなると、企業倒産や失業というのは当然痛みの部分としてかなり顕著になってくるのではないかというふうに思っているんですが、笹森公述人、この不良債権処理策と雇用の安定化策というか雇用のセーフティーネットをどうつくり上げるかという、そこの部分が非常に重要だと思うんですが、どのようにお考えでしょうか。
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笹
笹森清#29
○公述人(笹森清君) 時間との闘いだと思うんですけどね。
今度の与党三党案でいうと、「迅速な処理」という表現を使われていますよね。これは極めて痛みが大き過ぎます。
だから、出血大サービスをするという部分はある程度覚悟しなきゃいけないけど、出血大サービスしてもうそこでもって命絶えるというような状況はつくり出しちゃいけないということなので、少なくとも、これから倒産の増大をどうカバーするか、あるいは失業をどのくらい抑制ができるかということをきっちりとシミュレーションした上で直接償却について踏み込むかどうかということになっていくわけで、私どもとしてはある部分、政府と経営側と労働側の三者が痛みの分かち合いをしなきゃならないという部分については理解をするけれども、今の状況からいうと働く側に対する痛みの分かち合いの押しつけが極めて大きいから、そういう中では社会不安を発生させないように、失業に対する部分については再雇用をまずどう促進させるかという施策と生活の安定策に対するカバーをどういうふうにするか、このことをあわせてやってもらわないと、直接の償却だけで押しつけられるということについては、短期的な拙速は避けていただきたいというふうに思っています。
この発言だけを見る →今度の与党三党案でいうと、「迅速な処理」という表現を使われていますよね。これは極めて痛みが大き過ぎます。
だから、出血大サービスをするという部分はある程度覚悟しなきゃいけないけど、出血大サービスしてもうそこでもって命絶えるというような状況はつくり出しちゃいけないということなので、少なくとも、これから倒産の増大をどうカバーするか、あるいは失業をどのくらい抑制ができるかということをきっちりとシミュレーションした上で直接償却について踏み込むかどうかということになっていくわけで、私どもとしてはある部分、政府と経営側と労働側の三者が痛みの分かち合いをしなきゃならないという部分については理解をするけれども、今の状況からいうと働く側に対する痛みの分かち合いの押しつけが極めて大きいから、そういう中では社会不安を発生させないように、失業に対する部分については再雇用をまずどう促進させるかという施策と生活の安定策に対するカバーをどういうふうにするか、このことをあわせてやってもらわないと、直接の償却だけで押しつけられるということについては、短期的な拙速は避けていただきたいというふうに思っています。