法務委員会

2004-05-12 衆議院 全222発言

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会議録情報#0
平成十六年五月十二日(水曜日)
    午前九時三十四分開議
 出席委員
   委員長 柳本 卓治君
   理事 塩崎 恭久君 理事 下村 博文君
   理事 森岡 正宏君 理事 与謝野 馨君
   理事 佐々木秀典君 理事 永田 寿康君
   理事 山内おさむ君 理事 漆原 良夫君
      小野寺五典君    左藤  章君
      桜井 郁三君    柴山 昌彦君
      中野  清君    早川 忠孝君
      平沢 勝栄君    松島みどり君
      水野 賢一君    森山 眞弓君
      保岡 興治君    山際大志郎君
      荒井  聰君    泉  房穂君
      鎌田さゆり君    小林千代美君
      小宮山洋子君    辻   惠君
      中井  洽君    松野 信夫君
      吉田  治君    上田  勇君
      富田 茂之君    川上 義博君
    …………………………………
   法務大臣         野沢 太三君
   法務副大臣        実川 幸夫君
   法務大臣政務官      中野  清君
   最高裁判所事務総局人事局長   山崎 敏充君
   最高裁判所事務総局民事局長
   兼最高裁判所事務総局行政局長   園尾 隆司君
   政府参考人
   (司法制度改革推進本部事務局長)   山崎  潮君
   政府参考人
   (知的財産戦略本部事務局長)   荒井 寿光君
   政府参考人
   (法務省大臣官房司法法制部長)   寺田 逸郎君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    房村 精一君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    樋渡 利秋君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)   清水  潔君
   法務委員会専門員     横田 猛雄君
    —————————————
委員の異動
五月十二日
 辞任         補欠選任
  柳澤 伯夫君     小野寺五典君
  枝野 幸男君     吉田  治君
  加藤 公一君     荒井  聰君
同日
 辞任         補欠選任
  小野寺五典君     柳澤 伯夫君
  荒井  聰君     加藤 公一君
  吉田  治君     枝野 幸男君
    —————————————
五月十二日
 国籍選択制度と国籍留保届の廃止に関する請願(古屋範子君紹介)(第二一七八号)
 同(丸谷佳織君紹介)(第二一七九号)
 国籍法の改正に関する請願(古屋範子君紹介)(第二一八〇号)
 同(丸谷佳織君紹介)(第二一八一号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 行政事件訴訟法の一部を改正する法律案(内閣提出第六六号)
 不動産登記法案(内閣提出第七五号)
 不動産登記法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第七六号)
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件
     ————◇—————
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柳本卓治#1
○柳本委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、行政事件訴訟法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として司法制度改革推進本部事務局長山崎潮君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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柳本卓治#2
○柳本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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柳本卓治#3
○柳本委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局園尾行政局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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柳本卓治#4
○柳本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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柳本卓治#5
○柳本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。辻惠君。
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辻惠#6
○辻委員 民主党・無所属クラブの辻惠でございます。
 前回、行政事件訴訟法の持つ意義、本当にこれが行政をチェックするために実効性ある法案として定立されるのか、また、そのような運用がなされるのか、これが極めてかぎであるということで、それを法の支配という理念のもとに運用していかなければならない、法の解釈についても、法の支配という理念のもとに解釈していかなければならないという観点から、前回総論的に御説明を求めました。
 きょうは、具体論にわたりまして説明を求めていきたいというふうに思います。
 本法案につきましては、救済範囲の拡大、審理の充実、促進、利用しやすく、わかりやすくするための仕組みの整備、そして仮の救済の制度の整備という四点にわたって改善となっているんだ、このように立法者の方は、提案者の方はおっしゃっておられます。本当に、具体的な条文を見たときに、そのような前進になっているのかどうなのかということについて逐次具体的に伺ってまいりたい、このように思います。
 まず、改正法の第三条で、抗告訴訟ということで新たに六項、七項が加わっております。六項で義務づけの訴え、七項で差しとめの訴えが認められるということになっております。
 義務づけの訴訟ということに関して、例えば六項の一号では、「行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされないとき」というふうに、ある意味では限定が加えられている。これは不作為を争うわけでありますから、作為義務があれば、当然それは義務づけの訴えは認められるわけであって、処分性を前提にするというのは非常にこれは限定的な考え方、つまり、取り消し訴訟中心主義を脱却していないのではないかというふうに考えられるように思いますが、この点はいかがでしょうか。
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山崎潮#7
○山崎政府参考人 従来取り消し訴訟を中心に行政訴訟が行われてきたというその点はそのとおりかと思います。
 私ども、義務づけ訴訟ですね、これを今回認めるという方向でお願いしているわけでございますけれども、現在はある行政処分を取り消すかどうかという限度におさまっているわけでございますけれども、これについて、取り消すだけではなくてこういう処分をすべきであるということを義務づけるということですね。これは確かに取り消し訴訟の対象についてもっと深く処分を求める、こういうものでございますので、それは取り消し訴訟の範囲に入っているということは間違いありませんけれども、それについていろいろな対応を認めていく、こういうことですので、バリエーションとしては広がっているということですね。
 それともう一つは、申請したものが拒否をされて、それに対して取り消し訴訟と、それからあるいは義務づけ訴訟を起こす、こういうパターンのものももちろんございますけれども、それ以外に、申請権者じゃない人が規制権限の発動を求めて第三者として義務づけを求めるというものも新たに設けているわけでございますので、これは従来の申請者とその相手方と、あるいはごく限られた方について取り消しを求めるというようなものから、さらにその義務づけですね、こういう規制権限を発動しなければならないという、そこまで求める、そういう点を明らかにしたという点では広がっているだろうというふうに思いますし、これをいろいろな形で利用していただいて、国民の権利救済を図っていただくということになるわけでございますので、取り消し訴訟中心主義からさらに広がっていろいろなメニューを用意した、こういう位置づけになろうかと思います。
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辻惠#8
○辻委員 今のおっしゃっている一歩広がっているという趣旨はそれとして理解できると思いますが、これは処分性を前提にした規定になっていると思いますが、その点は、それは不可欠なものではないと思いますが、いかがでしょうか。
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山崎潮#9
○山崎政府参考人 どういう解釈をするかは別として、取り消し訴訟の対象になるのは一応処分性があるものと今まで言われておりますけれども、それについてのものをいうことになると思います、ここの義務づけ訴訟は。ただ、処分性がないものについてどういうふうに扱っていくかということにつきましては、これは、後の方の条文で出てまいりますけれども、当事者訴訟の中の確認訴訟、これを利用していただいて、その権利義務関係の存否を争っていただく、こういう形になろうかというふうに理解をしております。
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辻惠#10
○辻委員 順次伺ってまいりますが、この義務づけ訴訟については、六項一号の場合に、対世的効力がない、準用されていないというふうに考えられますが、このような、法令に基づかない場合に第三者に義務づけが及ばないというのは、具体的な争訟において二重手間になるようなことも懸念されると思いますが、その点はいかがですか。
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山崎潮#11
○山崎政府参考人 第三者に対する関係は、参加の制度もございますし、あるいは訴訟告知ですか、こういうものを利用していただいて、そこに効力を生じさせる。それで一回で解決するというんですか、そういう方法もあるということでございます。
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辻惠#12
○辻委員 ちょっと、質問の事項が多くなっていると思いますので、次に進みます。
 差しとめ訴訟が、これは新たに法定されたということでありますが、これもまた処分性というものを前提にしているわけでありまして、二○〇三年の十月二十四日付の「今後の検討のためのたたき台」の中で見ましたときに、「本案の要件として、行政庁がその処分をすべきでないことが一義的に明らかであることが必要ではないか。」ということが欄外で述べられていて、これを前提に、この処分性を持ち込んだ七項の規定になっているように思いますが、これではやはり非常に限定的であって、この差しとめの訴えが発動される場面というのは非常に限られてくるのではないかというふうな懸念を持ちますが、いかがでしょうか。
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山崎潮#13
○山崎政府参考人 これにつきましては、法案の要件としてこれを書いているわけでございまして、通常の場合は、処分性がある、そういう行為、これが前提になるということだろうというふうに思います。
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辻惠#14
○辻委員 そうすると、結局、逆に言うと、取り消し訴訟の場合に処分性を前提にして、したがって、行政訴訟が本案で争う余地が非常に狭くなっている、問題であるということが言われていて、その処分性についてやはりもっと緩和して考えるべきではないかという、取り消し訴訟の場面を広くする意味でも議論があると思いますが、結局、従来の処分性を前提とした狭い取り消し訴訟の範囲内で、この義務づけ訴訟にしても差しとめの訴訟にしても措定されているというふうにしか理解できなくなるんですが、そういう趣旨でありましょうか。
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山崎潮#15
○山崎政府参考人 確かに今回、処分性の範囲をどうするかという点については議論はいたしましたけれども、最終的にはそこについての改正は加えないと。これは、実体法の解釈の問題、あるいは実体法でどう規定をするかという問題にも絡むわけでございますので、そこのところは何も改正は加えておりません。したがいまして、処分性があるかないかという問題につきましては、それは実体法の問題であるということでございます。
 ただ、では、処分性がないものについてどうするかということでございますけれども、これにつきましては、例えば、先ほども申し上げましたように、処分性がないといたしましても、そのことによってみずからの権利義務関係に影響があるということになれば、これは、当事者訴訟としての確認訴訟、これを利用していただいて、自分がそういう義務がないということの確認、こういう形で争ってもらいたいということで、そちらの方向は、ある程度そこを明確にすることによって、そういう手段がありますよということを明確にしている。
 片方、処分性のあるものについては、処分性がありますけれども、その処分が行われる前にもそれをストップする方法とか、それから、単に取り消すだけではなくて、そういうことまで義務づけてしまうようなもの、こういうようなものを、メニューをもう少し広げていこう、こういう考えによるわけでございます。
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辻惠#16
○辻委員 今御説明をいただきましたが、処分性の概念というところにまだとらわれている面が残っているという点については、やはり今後検討していくべきではないかというふうに指摘しておきたいというふうに思います。
 それで、今御指摘になられた四条の当事者訴訟の後段で、「公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟をいう。」というくだりでありますが、これは、今御説明になられたように、処分性に拘束されないということだと思いますが、そうすると、これは、行政処分に限らず、行政指導とか行政計画とかそういうものも広く対象になる、こういう理解でよろしいんでしょうか。
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山崎潮#17
○山崎政府参考人 基本的考え方はそのとおりでございます。
 ただ、例えば通達とか行政立法があって、それがおかしいというならだれでも起こせるかということではないということでございまして、そのことによって、みずからが申請をしたときにこういうような形の決定が下るという場合に、それであれば自分の権利が侵される、こういうような関係、あるいは自分の権利義務関係に影響がある場合、こういうものについては、公法上の確認訴訟、これを提起して、その是正を図っていくということができる、こういう形になるわけでございます。
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辻惠#18
○辻委員 この四条の後段につきましては、処分性に拘束されないし、行政指導等も対象となるという意味で、つまりこれは、行政側がどういう手段をとったのかということにかかわらず、いわば国民の側で、法律上の利害関係があれば、これは確認訴訟を起こせるという、そういう、国民の側の視点に立って考えられているというふうにも理解できますが、それはそういう理解でよろしいんでしょうか。
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山崎潮#19
○山崎政府参考人 そのとおりでございまして、従来これは、解釈あるいは判例で、一部この類型を使って訴訟をやっていったものもありますけれども、一般に余り知られていないわけでございまして、これを明確にすることによって、やはり、国民サイドの方からこれを利用するならできますよという合図をしているわけでございますので、国民サイドに立った考え方ということになろうかと思います。
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辻惠#20
○辻委員 だから、国民のサイドに立った考え方として行政指導等も対象にするという考え方は、例えば同時に取り消し訴訟にも、国民のサイドに立った考え方で考えたときに、行政処分に限定するのではなくて、行政指導とか行政計画等も取り消し訴訟の対象にするのがやはり国民の側に立った考え方であり、その辺の考え方は統一して、取り消し訴訟にも及ぼすべきだというふうに思いますが、これが食い違いになっているというのはどうしてなんですか。
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山崎潮#21
○山崎政府参考人 食い違いというふうに理解するのかどうか、ちょっとわかりませんけれども、要はこの処分性を、では、行政指導とか、それから通達でも結構ですけれども、そういうものを認めるということになりますと、やはり処分性があるということだと取り消し訴訟の対象になりますので、そうすると、出訴期間とかそういう問題にもみんな影響してくるわけでございます。
 例えば、都市計画について処分性がどうだこうだという問題、議論ありますね。これについても、処分性をもし認めるということになれば、出訴期間も当然に伴ってくるわけでございますので、ある期間を過ぎたらもう争えなくなるという問題にもなってまいるわけでございまして、そういう点も総合的に考えて決めていかなければならない。あるいは、それは実体法の、どういう政策をとるか、ここで処分性を認めて争わせるのかどうかというところにも絡んでくるわけでございまして、これを統一的に現段階で整理をするというのはなかなか難しいということから、この点についても、将来の問題であるという形でその整理をしたということでございます。
    〔委員長退席、下村委員長代理着席〕
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辻惠#22
○辻委員 そうすると、取り消し訴訟で行政処分に限定しているという考え方については、やはり今後の見直しの課題ではあるという認識はお持ちである、こういう理解でいいんですか。
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山崎潮#23
○山崎政府参考人 ただいまの点につきましては、本当に実体法の問題に絡んでくるわけでございますけれども、そういう問題についてどうしていくべきかということは課題として残っているということで、私ども、これからこの法案の方、御承認をある程度いただける段階になりましたら、検討会がございますので、そちらの方でまた検討を、再度議論を開始するということになります。それで、残った問題について、今御指摘のもの以外にもございますので、こういうものについて検討を加えていきたいというふうに考えているところでございます。
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辻惠#24
○辻委員 では、次に進みます。
 原告適格の問題については、多くの方から既に御質問があります。やはり一項の「法律上の利益を有する者」という、いわばある意味ではシンボル的な言葉に固執し続けるということ自体が、やはり今回の行政事件訴訟法の改正がまだまだ不十分であるということの一つのあらわれではないかというふうに私は思わざるを得ないわけであります。その点は指摘しておきたい。
 それで、二項について、いろいろ加重な要件が原告適格に課されております。これは同僚委員からも質問があったと思いますが、「当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たつては、当該法令と目的を共通にする関係法令があるとき」というような、これはやはり昨日の参考人質問で、塩野参考人は、むしろ裁判所の手足を縛ってはいけないんだ、これがむしろ手がかりになるんだという御説明をされたように思いますが、しかし、素直に読めば、限定的に要件を狭めているというふうに理解されますし、また、その次に、「当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合」、「その根拠となる法令に違反して」ということになりますと、その根拠法令が想定している利益が害されたということがやはり前提になってくる。この点は、当該根拠法令が想定している利益というよりも、単にその処分で害されたんだということで、端的に足りるのではないかというふうに思います。
 この最後の点についてはいかがですか。
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山崎潮#25
○山崎政府参考人 これについては、行政処分が誤りがある、それによるから損害とか被害が出てくるわけでございますので、それを端的に申し上げているだけでございまして、そういうことがあったと仮定した場合に、どんな被害が生ずるのか、これは現実にどういうものが生ずるのか、その程度とか性質は何かということでございまして、別にこれを書いたから何か足かせになるというものでもない。要するに、間違ったことの行為が行われたときにどんな被害が生ずるのですかということを言っているわけでございますので、特段に、私どもこれが足かせになるという理解はございません。
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辻惠#26
○辻委員 特に限定するために付したものではない、そういう趣旨ではないんだということを御回答いただいたというふうに理解いたします。
 その上で先に進みますが、十一条の被告適格に関連して、その被告適格については、処分の取り消しの訴えについては、当該処分をした行政庁の所属する国または公共団体を相手にすればいいというふうになっていながら、四項では、当該処分した行政庁を記載するものとするという規定になっておりますが、この四項の趣旨というのはどういうものでしょうか。御説明いただけますでしょうか。
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山崎潮#27
○山崎政府参考人 確かに、被告適格を原則として国ということでいいということにしているわけでございますが、この四項につきましては、これを置いた理由でございますけれども、国といっても業務は大変広いわけでございますので、起こされたときに、では、現実にどこの所管になるのかということ、これを早目に知って、その訴訟の対応を早くできるように、そういう便宜に資するということと、それから、釈明処分制度の円滑な運用にも資するわけでございまして、どこかということが早くわかれば、場合によっては行政庁がなかなか定まらないというものもありますし、従来行政庁があったけれども、もう消滅してしまっているというものもあるわけでございますので、そこのところはなるべく早目に手ががりをいただいて、早目に用意をする、こういう便宜のためだと。
 それから、あと、判決が下った場合、その判決の拘束力とか、こういうことが及ぶ行政庁はどこなのかということ、こういうことの手ががりにするために、明確化するためにこれを置いたわけでございます。
 ただ、では、これについて、行政庁の記載がない場合とか、あるいは誤った場合、これで原告が不利益を受けるのかということでございますが、これは、わからないときには書かなくても結構でございますし、仮に誤ったからといって、これによって何かの効果が生ずるということはない、こういう理解でつくっているものでございます。便宜のためということでございます。
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辻惠#28
○辻委員 四項は訓示規定であり、不利益を原告にこうむらしめるものではないんだ、こういう趣旨であるという御回答でありました。
 では、次に、十二条の管轄でありますが、「取消訴訟は、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所」云々というふうにありますが、この裁判所というのは、これは地方裁判所の本庁に限定する趣旨なんですか、そうではないんですか。いかがですか。
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山崎潮#29
○山崎政府参考人 行政事件訴訟の関係は、裁判所の設置規則で、支部では行わないということになっておりますので、本庁を意味しているわけでございます。
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