北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会
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会
会議録情報#0
平成二十年四月十日(木曜日)
午前十時開議
出席委員
委員長 山本 拓君
理事 小杉 隆君 理事 近藤 基彦君
理事 高木 毅君 理事 葉梨 康弘君
理事 古屋 圭司君 理事 内山 晃君
理事 末松 義規君 理事 江田 康幸君
赤城 徳彦君 今津 寛君
遠藤 武彦君 鍵田忠兵衛君
木原 誠二君 薗浦健太郎君
冨岡 勉君 西本 勝子君
萩原 誠司君 安井潤一郎君
山内 康一君 山本ともひろ君
若宮 健嗣君 北神 圭朗君
園田 康博君 高山 智司君
鷲尾英一郎君 漆原 良夫君
笠井 亮君
…………………………………
外務大臣 高村 正彦君
国務大臣
(内閣官房長官)
(拉致問題担当) 町村 信孝君
内閣府副大臣 山本 明彦君
総務副大臣 谷口 隆義君
法務副大臣 河井 克行君
外務副大臣 小野寺五典君
政府参考人
(内閣官房拉致問題対策本部事務局総合調整室長)
(内閣府大臣官房拉致被害者等支援担当室長) 河内 隆君
政府参考人
(内閣官房拉致問題対策本部事務局政策企画室長) 山元 毅君
政府参考人
(警察庁警備局長) 池田 克彦君
政府参考人
(金融庁総務企画局審議官) 河野 正道君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 高橋 正樹君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 三浦 守君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 二階 尚人君
政府参考人
(法務省民事局長) 倉吉 敬君
政府参考人
(公安調査庁次長) 北田 幹直君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 水上 正史君
政府参考人
(外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長) 中根 猛君
政府参考人
(外務省アジア大洋州局長) 齋木 昭隆君
政府参考人
(財務省大臣官房審議官) 永長 正士君
政府参考人
(海上保安庁警備救難部長) 城野 功君
参考人
(静岡県立大学国際関係学部教授) 伊豆見 元君
参考人
(読売新聞東京本社編集委員) 宇惠 一郎君
参考人
(早稲田大学国際教養学部教授) 重村 智計君
衆議院調査局北朝鮮による拉致問題等に関する特別調査室長 堤 貞雄君
—————————————
委員の異動
四月十日
辞任 補欠選任
岡下 信子君 冨岡 勉君
木原 誠二君 安井潤一郎君
萩原 誠司君 山内 康一君
渡部 篤君 若宮 健嗣君
同日
辞任 補欠選任
冨岡 勉君 岡下 信子君
安井潤一郎君 木原 誠二君
山内 康一君 萩原 誠司君
若宮 健嗣君 西本 勝子君
同日
辞任 補欠選任
西本 勝子君 渡部 篤君
—————————————
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
北朝鮮による拉致問題等に関する件
————◇—————
この発言だけを見る →午前十時開議
出席委員
委員長 山本 拓君
理事 小杉 隆君 理事 近藤 基彦君
理事 高木 毅君 理事 葉梨 康弘君
理事 古屋 圭司君 理事 内山 晃君
理事 末松 義規君 理事 江田 康幸君
赤城 徳彦君 今津 寛君
遠藤 武彦君 鍵田忠兵衛君
木原 誠二君 薗浦健太郎君
冨岡 勉君 西本 勝子君
萩原 誠司君 安井潤一郎君
山内 康一君 山本ともひろ君
若宮 健嗣君 北神 圭朗君
園田 康博君 高山 智司君
鷲尾英一郎君 漆原 良夫君
笠井 亮君
…………………………………
外務大臣 高村 正彦君
国務大臣
(内閣官房長官)
(拉致問題担当) 町村 信孝君
内閣府副大臣 山本 明彦君
総務副大臣 谷口 隆義君
法務副大臣 河井 克行君
外務副大臣 小野寺五典君
政府参考人
(内閣官房拉致問題対策本部事務局総合調整室長)
(内閣府大臣官房拉致被害者等支援担当室長) 河内 隆君
政府参考人
(内閣官房拉致問題対策本部事務局政策企画室長) 山元 毅君
政府参考人
(警察庁警備局長) 池田 克彦君
政府参考人
(金融庁総務企画局審議官) 河野 正道君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 高橋 正樹君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 三浦 守君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 二階 尚人君
政府参考人
(法務省民事局長) 倉吉 敬君
政府参考人
(公安調査庁次長) 北田 幹直君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 水上 正史君
政府参考人
(外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長) 中根 猛君
政府参考人
(外務省アジア大洋州局長) 齋木 昭隆君
政府参考人
(財務省大臣官房審議官) 永長 正士君
政府参考人
(海上保安庁警備救難部長) 城野 功君
参考人
(静岡県立大学国際関係学部教授) 伊豆見 元君
参考人
(読売新聞東京本社編集委員) 宇惠 一郎君
参考人
(早稲田大学国際教養学部教授) 重村 智計君
衆議院調査局北朝鮮による拉致問題等に関する特別調査室長 堤 貞雄君
—————————————
委員の異動
四月十日
辞任 補欠選任
岡下 信子君 冨岡 勉君
木原 誠二君 安井潤一郎君
萩原 誠司君 山内 康一君
渡部 篤君 若宮 健嗣君
同日
辞任 補欠選任
冨岡 勉君 岡下 信子君
安井潤一郎君 木原 誠二君
山内 康一君 萩原 誠司君
若宮 健嗣君 西本 勝子君
同日
辞任 補欠選任
西本 勝子君 渡部 篤君
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
北朝鮮による拉致問題等に関する件
————◇—————
山
山本拓#1
○山本委員長 これより会議を開きます。
北朝鮮による拉致問題等に関する件について調査を進めます。
本日は、参考人として、静岡県立大学国際関係学部教授伊豆見元君、読売新聞東京本社編集委員宇惠一郎君及び早稲田大学国際教養学部教授重村智計君、以上三名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順について申し上げます。
まず、伊豆見参考人、宇惠参考人、重村参考人の順に、お一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際は委員長の許可を得ることとなっております。また、参考人は委員に対し質疑をすることはできないこととなっておりますので、あらかじめ御了承をいただきたいと存じます。
そして、きょうのお一人、重村参考人は、交通の関係で若干おくれますので、御了承いただきたいと思います。持ち時間には間に合うそうでございます。
それでは、伊豆見参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →北朝鮮による拉致問題等に関する件について調査を進めます。
本日は、参考人として、静岡県立大学国際関係学部教授伊豆見元君、読売新聞東京本社編集委員宇惠一郎君及び早稲田大学国際教養学部教授重村智計君、以上三名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順について申し上げます。
まず、伊豆見参考人、宇惠参考人、重村参考人の順に、お一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際は委員長の許可を得ることとなっております。また、参考人は委員に対し質疑をすることはできないこととなっておりますので、あらかじめ御了承をいただきたいと存じます。
そして、きょうのお一人、重村参考人は、交通の関係で若干おくれますので、御了承いただきたいと思います。持ち時間には間に合うそうでございます。
それでは、伊豆見参考人にお願いいたします。
伊
伊豆見元#2
○伊豆見参考人 静岡県立大学の伊豆見でございます。本日は、貴重な機会を与えていただきまして、感謝申し上げております。
お時間も限られておりますので、今後の動きの中で注目される点といいますか、少し先のお話で、二点ほど申し上げたいというふうに思っております。
最初は、いわゆる北朝鮮の非核化を目指すための六者会合のプロセスが、進んでいるといいますか、今停滞している状況でございますが、第二段階の措置という中での、とりわけ北朝鮮の核計画の申告という問題をめぐって、もう既に三カ月以上、最初に決定された十月四日の合意からしますと三カ月ほどおくれが出ておりますが、そろそろ、この第二段階をめぐる、すなわち北朝鮮の核計画の申告をめぐる問題が決着をし、第三段階に移るという可能性が今見えてきたかと思います。
御案内のように、四月八日にシンガポールで、米朝のそれぞれの六者会合首席代表による協議が開催されました。アメリカはクリストファー・ヒル国務次官補、北朝鮮は金桂冠外務次官がそれぞれ首席代表を務めておりますが、二人が協議をいたしまして、今回の協議はそれなりの進展があったかということが伝えられております。
実は、今回の四月八日の米朝協議というのは、二月十九日の北京、そして三月十三日のジュネーブにおける米朝協議に続く、ことしに入りまして三回目に当たる協議でございますが、ようやく北朝鮮がいわゆる妥協モードに入ってきたかということがうかがわれるかというふうに思います。
二月十九日の北京における米朝協議では、双方全く立場を変えず、何ら進展がないというような状況でございました。その後、三月十三日のジュネーブにおける協議では、アメリカが最大限の柔軟性というものを北朝鮮に対して提示をいたしましたので、それを受けて、今回、四月八日に協議が持たれたわけでありますが、アメリカの方からの最大限の柔軟性、言いかえれば譲歩という、その幅がもう既に提示された後でもありますので、いよいよ北朝鮮側も、自分も譲歩をするということを考えつつ、妥協できる点というものを探って動き始めたということだろうと思います。
したがいまして、この申告の問題は、かなり技術的に複雑なことがたくさんございますけれども、いずれ近いうちに妥協が米朝間で成立し、その後六者会合が開かれて、第二段階を終え、第三段階の、北朝鮮のいわば非核化のための措置という段階に進む可能性というものが今見えてきたと思います。早ければ、四月十五日だったと思いますが、韓国の李明博大統領が訪米いたします、訪米の後、日本にも立ち寄られるわけでありますが、その李明博訪米の前に、米朝間の申告問題についての妥協というものが成立するという可能性も排除できない状況になってきたと考えております。
問題は、申告の問題が一応、妥協するといいますか、一たん片がつくということになりますと、アメリカはそれに対する見返りの措置をとるということでありますが、これはテロ国家指定、そこから、指定から除外することがありますし、もう一つは、敵性国貿易法、TWEAといいますけれども、その適用を終了させるという措置をアメリカはとる約束をいたしておりますけれども、それが、今回の北朝鮮側の申告の問題が片づくとほぼ時を同じくして実施されるんであろうというふうに考えられるということでございます。
テロ国家指定に関しましては、以前、かつてアメリカは相当強く北朝鮮に対して、少なくともよど号の関係者あるいは犯人を日本側に引き渡すこと及び拉致問題に関する再調査というものを要求いたしておりましたが、この二つが実現しないままに恐らくアメリカはテロ国家指定というものを解除するという方向に動くものと現在では予想されます。
しかし、この点で我々いま一度確認をしておかなければいけないと思いますのは、この拉致問題について大きな進展等がないままにアメリカがテロ国家指定から北朝鮮を除外することが拉致問題に相当大きなマイナスになるということは、私は基本的にはないというふうに考えております。
まず第一に、アメリカが、このテロ国家指定の一つの理由として、日本の拉致問題の進展がないということを明確にいたしましたのはたしか二〇〇三年以降であったかと思いますが、そのように、アメリカがテロ指定国家の問題と拉致問題をきちっとリンクさせるということをやった後、そのことによって拉致問題が進展したということは基本的には何も認められない。逆に言いますと、したがって、今回アメリカがテロ国家指定から北朝鮮を除外するとしても、それによって拉致問題にマイナスということにはならないであろうと考えられることが第一点であります。
それと第二点に、アメリカが常に、これは、ヒルが金桂冠と会うときには必ず提起しておりますのは、日本の拉致問題を必ず提起し、日本側の立場に立って、日本側の関心、要求にこたえるように北朝鮮に対して常々訴えかける、主張するということをアメリカはこれまでもしてまいりましたし、今後もそれを続けるということが考えられるということでございます。
これは、報道が継続されているわけではありませんので余り知られていないことなんだろうと思いますけれども、しかし、アメリカ側はこの問題を常に提起し、常に日本の立場を北朝鮮側に対して主張している。このようなことをやっている国は世界じゅうにアメリカ以外どこもございませんので、アメリカのそういう形の協力は今後も引き続き我々は受けていくといいますか、その協力を得られるということがございますので、テロ国家指定から北朝鮮が除外されても、それによって特に拉致問題が後退するということにはならないのであろうと思います。
いま一つの話は、日本のいわば独自の経済制裁でございますが、もうこれは、恐らく明日閣議決定があり、四月十三日からのまた六カ月間の延長ということが決められるのであろうかと思いますが、これは当然ということになろうかと思います。
この経済制裁は、二〇〇六年七月の北朝鮮のミサイル発射を受けてまず第一次の制裁が始まり、そして、十月の核実験を受けて第二次の全面的な制裁ということが発動されて現在に至っておりますが、そこでは、我が国政府は、諸般の情勢を勘案して経済制裁を北朝鮮に発動するということをうたっております。
この諸般の情勢の中にはもちろん、ミサイル、核そして拉致という主要な問題、三つ、大きな問題がございます。この三つの問題について特に目に見える進展がないという現状下では、これは延長ということになるのは当然だと思いますが、しかし、この制裁の目的ということを考えてみますと、やはり、日本側が問題にしている点について明確な進展、あるいは明確な北朝鮮の姿勢の変化というものを求める必要があるというのも当然だと思います。
核問題につきましては、六者会合のプロセスの中で日本側の立場も明らかにしておりますし、進展ということが何であるかということも我々は理解できるわけであります。
ただ、問題は、一つはミサイルでありまして、北朝鮮は確かに二〇〇六年の七月五日以降ミサイル発射をいたしておりませんが、しかし、ミサイル発射をしないというモラトリアムを再び宣言したわけではありません。二〇〇二年九月の日朝平壌宣言の中にも、北朝鮮はミサイル発射のモラトリアムというものを約束しておりましたので、これを、きちっと北朝鮮からモラトリアムという約束を取りつけるということが一つ、経済制裁を解除といいますか、経済制裁の一つの目的を達成するという意味で必要であろうか。しかし、この点が今等閑視されているということは私は非常に遺憾だと思います。
さらにもう一つ、拉致問題につきましても、どのような進展が必要とされるのかということも明確にすることがやはりこれからは重要になってくるのであろうというふうに考えられます。
もちろん、制裁は延長いたしますと六カ月間の期間でありますが、その制裁の目的というものが達成されればそれを解除することはいつでもできることでありますので、やはり制裁の目的というものをより明確にし、その目的が達成されたときに解除をするという方向に動くべきであろうかと思います。
そして、この点につきましてもう一点だけ申し上げさせていただきたいと思いますが、制裁はそのまま維持しつつも、私は、その中の一部の項目でありますが、渡航自粛というものは解除すべきではないかというふうに考えております。これは、やはり日本から人が行き、日本の立場、日本の考え方というのを北朝鮮に正確に伝えるということが必要でありますし、また、北朝鮮側の考え方というものを聴取して戻ってくるということも必要であろう。
現在、御案内のように、アメリカではそういう動きが相当たくさん頻繁にございますし、アメリカのモートン・アブラモウィッツという大使経験者を団長とする訪朝団が、本日から十二日までまた平壌を訪れるということもございます。こういうものを通じて、アメリカ側は、アメリカの立場、主張というものを北朝鮮に伝え、そして北朝鮮の考え方を聴取するということをやっておりまして、それがやはり北朝鮮との交渉には不可欠、あるいは非常に有効なものだと私は考えておりますので、日本にもそういうことが求められるのではないか。
そういう点では、経済制裁を維持しつつも、その中の一部、国民の渡航自粛というものだけを解除しまして、我々の主張をきちっと北朝鮮に伝え、北朝鮮の考え方もきちっと踏まえるというような方向に持っていくことが必要ではないかと考えております。
お時間になりましたので以上とさせていただきます。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →お時間も限られておりますので、今後の動きの中で注目される点といいますか、少し先のお話で、二点ほど申し上げたいというふうに思っております。
最初は、いわゆる北朝鮮の非核化を目指すための六者会合のプロセスが、進んでいるといいますか、今停滞している状況でございますが、第二段階の措置という中での、とりわけ北朝鮮の核計画の申告という問題をめぐって、もう既に三カ月以上、最初に決定された十月四日の合意からしますと三カ月ほどおくれが出ておりますが、そろそろ、この第二段階をめぐる、すなわち北朝鮮の核計画の申告をめぐる問題が決着をし、第三段階に移るという可能性が今見えてきたかと思います。
御案内のように、四月八日にシンガポールで、米朝のそれぞれの六者会合首席代表による協議が開催されました。アメリカはクリストファー・ヒル国務次官補、北朝鮮は金桂冠外務次官がそれぞれ首席代表を務めておりますが、二人が協議をいたしまして、今回の協議はそれなりの進展があったかということが伝えられております。
実は、今回の四月八日の米朝協議というのは、二月十九日の北京、そして三月十三日のジュネーブにおける米朝協議に続く、ことしに入りまして三回目に当たる協議でございますが、ようやく北朝鮮がいわゆる妥協モードに入ってきたかということがうかがわれるかというふうに思います。
二月十九日の北京における米朝協議では、双方全く立場を変えず、何ら進展がないというような状況でございました。その後、三月十三日のジュネーブにおける協議では、アメリカが最大限の柔軟性というものを北朝鮮に対して提示をいたしましたので、それを受けて、今回、四月八日に協議が持たれたわけでありますが、アメリカの方からの最大限の柔軟性、言いかえれば譲歩という、その幅がもう既に提示された後でもありますので、いよいよ北朝鮮側も、自分も譲歩をするということを考えつつ、妥協できる点というものを探って動き始めたということだろうと思います。
したがいまして、この申告の問題は、かなり技術的に複雑なことがたくさんございますけれども、いずれ近いうちに妥協が米朝間で成立し、その後六者会合が開かれて、第二段階を終え、第三段階の、北朝鮮のいわば非核化のための措置という段階に進む可能性というものが今見えてきたと思います。早ければ、四月十五日だったと思いますが、韓国の李明博大統領が訪米いたします、訪米の後、日本にも立ち寄られるわけでありますが、その李明博訪米の前に、米朝間の申告問題についての妥協というものが成立するという可能性も排除できない状況になってきたと考えております。
問題は、申告の問題が一応、妥協するといいますか、一たん片がつくということになりますと、アメリカはそれに対する見返りの措置をとるということでありますが、これはテロ国家指定、そこから、指定から除外することがありますし、もう一つは、敵性国貿易法、TWEAといいますけれども、その適用を終了させるという措置をアメリカはとる約束をいたしておりますけれども、それが、今回の北朝鮮側の申告の問題が片づくとほぼ時を同じくして実施されるんであろうというふうに考えられるということでございます。
テロ国家指定に関しましては、以前、かつてアメリカは相当強く北朝鮮に対して、少なくともよど号の関係者あるいは犯人を日本側に引き渡すこと及び拉致問題に関する再調査というものを要求いたしておりましたが、この二つが実現しないままに恐らくアメリカはテロ国家指定というものを解除するという方向に動くものと現在では予想されます。
しかし、この点で我々いま一度確認をしておかなければいけないと思いますのは、この拉致問題について大きな進展等がないままにアメリカがテロ国家指定から北朝鮮を除外することが拉致問題に相当大きなマイナスになるということは、私は基本的にはないというふうに考えております。
まず第一に、アメリカが、このテロ国家指定の一つの理由として、日本の拉致問題の進展がないということを明確にいたしましたのはたしか二〇〇三年以降であったかと思いますが、そのように、アメリカがテロ指定国家の問題と拉致問題をきちっとリンクさせるということをやった後、そのことによって拉致問題が進展したということは基本的には何も認められない。逆に言いますと、したがって、今回アメリカがテロ国家指定から北朝鮮を除外するとしても、それによって拉致問題にマイナスということにはならないであろうと考えられることが第一点であります。
それと第二点に、アメリカが常に、これは、ヒルが金桂冠と会うときには必ず提起しておりますのは、日本の拉致問題を必ず提起し、日本側の立場に立って、日本側の関心、要求にこたえるように北朝鮮に対して常々訴えかける、主張するということをアメリカはこれまでもしてまいりましたし、今後もそれを続けるということが考えられるということでございます。
これは、報道が継続されているわけではありませんので余り知られていないことなんだろうと思いますけれども、しかし、アメリカ側はこの問題を常に提起し、常に日本の立場を北朝鮮側に対して主張している。このようなことをやっている国は世界じゅうにアメリカ以外どこもございませんので、アメリカのそういう形の協力は今後も引き続き我々は受けていくといいますか、その協力を得られるということがございますので、テロ国家指定から北朝鮮が除外されても、それによって特に拉致問題が後退するということにはならないのであろうと思います。
いま一つの話は、日本のいわば独自の経済制裁でございますが、もうこれは、恐らく明日閣議決定があり、四月十三日からのまた六カ月間の延長ということが決められるのであろうかと思いますが、これは当然ということになろうかと思います。
この経済制裁は、二〇〇六年七月の北朝鮮のミサイル発射を受けてまず第一次の制裁が始まり、そして、十月の核実験を受けて第二次の全面的な制裁ということが発動されて現在に至っておりますが、そこでは、我が国政府は、諸般の情勢を勘案して経済制裁を北朝鮮に発動するということをうたっております。
この諸般の情勢の中にはもちろん、ミサイル、核そして拉致という主要な問題、三つ、大きな問題がございます。この三つの問題について特に目に見える進展がないという現状下では、これは延長ということになるのは当然だと思いますが、しかし、この制裁の目的ということを考えてみますと、やはり、日本側が問題にしている点について明確な進展、あるいは明確な北朝鮮の姿勢の変化というものを求める必要があるというのも当然だと思います。
核問題につきましては、六者会合のプロセスの中で日本側の立場も明らかにしておりますし、進展ということが何であるかということも我々は理解できるわけであります。
ただ、問題は、一つはミサイルでありまして、北朝鮮は確かに二〇〇六年の七月五日以降ミサイル発射をいたしておりませんが、しかし、ミサイル発射をしないというモラトリアムを再び宣言したわけではありません。二〇〇二年九月の日朝平壌宣言の中にも、北朝鮮はミサイル発射のモラトリアムというものを約束しておりましたので、これを、きちっと北朝鮮からモラトリアムという約束を取りつけるということが一つ、経済制裁を解除といいますか、経済制裁の一つの目的を達成するという意味で必要であろうか。しかし、この点が今等閑視されているということは私は非常に遺憾だと思います。
さらにもう一つ、拉致問題につきましても、どのような進展が必要とされるのかということも明確にすることがやはりこれからは重要になってくるのであろうというふうに考えられます。
もちろん、制裁は延長いたしますと六カ月間の期間でありますが、その制裁の目的というものが達成されればそれを解除することはいつでもできることでありますので、やはり制裁の目的というものをより明確にし、その目的が達成されたときに解除をするという方向に動くべきであろうかと思います。
そして、この点につきましてもう一点だけ申し上げさせていただきたいと思いますが、制裁はそのまま維持しつつも、私は、その中の一部の項目でありますが、渡航自粛というものは解除すべきではないかというふうに考えております。これは、やはり日本から人が行き、日本の立場、日本の考え方というのを北朝鮮に正確に伝えるということが必要でありますし、また、北朝鮮側の考え方というものを聴取して戻ってくるということも必要であろう。
現在、御案内のように、アメリカではそういう動きが相当たくさん頻繁にございますし、アメリカのモートン・アブラモウィッツという大使経験者を団長とする訪朝団が、本日から十二日までまた平壌を訪れるということもございます。こういうものを通じて、アメリカ側は、アメリカの立場、主張というものを北朝鮮に伝え、そして北朝鮮の考え方を聴取するということをやっておりまして、それがやはり北朝鮮との交渉には不可欠、あるいは非常に有効なものだと私は考えておりますので、日本にもそういうことが求められるのではないか。
そういう点では、経済制裁を維持しつつも、その中の一部、国民の渡航自粛というものだけを解除しまして、我々の主張をきちっと北朝鮮に伝え、北朝鮮の考え方もきちっと踏まえるというような方向に持っていくことが必要ではないかと考えております。
お時間になりましたので以上とさせていただきます。ありがとうございました。拍手
山
宇
宇惠一郎#4
○宇惠参考人 貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。私、記者なりのこの問題に関する見解を述べさせていただきたいと思います。
全般の情勢については、ただいま伊豆見教授の方からるる説明がありましたけれども、若干敷衍して説明させていただきますと、まず、米朝協議の進展については、結果的には妥協の方向へ大きく動いているという見解については伊豆見先生と意見を異にするものではありません。
結局、細かな内容についてはまだ表には出ていませんけれども、昨日、北京においてヒル米国務次官補が記者団に対して語ったところによると、進展はあった、ただし、まだ、第二段階を終えるのにやるべきことは残っているという見解。そして、昨日夜になりまして、北朝鮮の外務省が出している、外務省のスポークスマンの見解でありますけれども、それは、今回の協議において、政治的補償措置と申告の問題について米国との間で見解の一致を見たということをうたっております。それで、こうした米朝協議、二国間の協議のあり方が非常に効果的であるということを示したものだと勝ち誇ったような言い方をしているわけですけれども。
両者の意見を総合しますと、やはり、妥協に向けてアメリカが譲った部分について北朝鮮は受け入れる、すなわち、具体的に言いますと、問題になっているウランの濃縮の問題と、シリアとの核協力、すなわち核拡散の問題に関しては別文書の形で切り離して、いわゆるプルトニウム型の核開発の申告の問題と一定程度の切り離しを行うということについては合意を見たと見て間違いないんだろうと思います。
あと、問題は、ヒル次官補も、要するに時間、タイムのことをきのうのブリーフィングでもしつこく言っているわけですけれども、アメリカにとっても、十一月の大統領選挙を踏まえると、もう残された時間というのは余りない。片や、北朝鮮にとってみれば、米国内では、もうブッシュ政権を相手にしないという態度に出ているんじゃないかという見解もこの間流されたわけですけれども、結果的には、九月九日に建国六十周年という記念日を迎える、正月の共同社説でも強くその重要性を訴えておりますので、そこでやはり外交的な成果というのを彼らなりに国内外的に示したい。そういう意味では、およそ、逆算していくとそろそろ今月、妥協するなら妥協の時期に入ったと見るのが妥当だろうと思います。
そして、朝鮮半島をめぐります情勢でもう一点重要な動きというのは、昨日の韓国の総選挙において、ことし二月に政権が発足しました李明博大統領、与党のハンナラ党が辛うじて過半数を確保した。これまで第二党の位置にありましたので、これはやはり新政権の安定に向けては大きな要素になると思うんですね。
それで、これまでの盧武鉉の政権は、ともすれば米韓及び日韓の間で摩擦を、特に対北朝鮮政策についてあったわけですけれども、およそ、なべて言いますと、日本と余り大差のない物の考え方で対北政策を展開してくるだろうということで、今後、近くあります大統領の訪米、そしてその帰途、日韓の首脳会談もあります。その際にどういうすり合わせをして、それが六カ国協議での日米韓の連携にどうつながってくるかということで、非常に重要な動きだろうと思われます。
さて、それで、日本が北朝鮮にとっています制裁措置の問題についてでありますけれども、これはやはり原点に戻って、制裁のまず目的、そしてその制裁の効果について冷静な判断というのが必要になってくるんだろうと思います。
恐らくあすの閣議でその三度目の延長ということは、これは拉致問題の進展及び国民感情ということを政府は言っていますけれども、それを考えると、やはり大きな進展がない中ではその延長というのは当然のことだろうと思いますが、ここで注意すべきは、制裁のための制裁ではなくて、少なくとも、拉致問題の進展、さらに、初回、二〇〇六年の十月の核実験を北朝鮮が実施したことに対する制裁の措置としてとられている、その前にはミサイルへの措置で一次措置はあるんですけれども、ミサイル、核の問題でとられているという原点からすると、やはりこれは、六カ国協議で一定の進展を見た場合にこのままでいいのかという議論が、当然、国内だけではなくて、六カ国協議の場も含めて問われてくる事態が近々に生じるだろうということを念頭に置く必要があると思います。
そうすると、制裁措置が、まさに北朝鮮の国際協議の場への復帰及び核問題での真摯な態度というものを引き出す一つの目的があったとすると、それとこれをどう連携させるのか。そして、日本人としては看過することのできない拉致問題との関係で、この問題を、どの時点でどういう形で北が対応をとれば、どこまで段階的に解除していくことができるのかという道筋を北側にきちっと示す必要があるんだろうと思います。
いわゆる核、ミサイル、拉致の包括的解決を目指している日本としては、そのすべてが片づかないとだめということになると、これは恐らく、要するに、彼らを対話の場に引き出すという目的よりも、まさに制裁のための制裁になってしまう。まさに拉致問題の進展をさせるためにも、道筋というのをきちっと示す必要があるんだろうと思います。
さて、それで、北朝鮮が日本に対してこの間非常にかたくなな態度を崩していないわけですけれども、今後どう動くかということを考えてみますと、一つは、米朝協議を受けて、六カ国協議で第二段階の終了に向けて、恐らく、数日ということはないでしょうけれども、数週間の間には大きな動きがあるんだろうと思われます。
その際に、では、北がそれに連動して、今強めています対日批判及び対韓国批判を控えて全面的対話の道に出るのかというと、どうもそうは思われない。逆に言うと、六カ国協議でのそごを来している原因というのは一つは日本にあるんだという物言いをしてくるんだろう。もう一つは、南が、二〇〇〇年の六月の南北共同宣言及び昨年十月の共同宣言に盛り込まれている、南北の和解及び具体的には経済協力の問題について前向きな態度をとるべきだということで、今回の総選挙の結果も踏まえて揺さぶりをかけてくるんだろうと思われます。
さて、それでは、そうした北朝鮮の態度が日本にとって不利なのかというと、そうではなくて、彼らは、米朝を動かすだけではなくて、やはり日朝の問題を動かさない限り最終的な解決には至らないという認識は持っているんだろう。ちょうど二〇〇六年の七月のミサイル発射の際に私はたまたま別件で平壌におったんですけれども、そのときに、日朝交渉大使の宋日昊氏は、一定程度、あの時点でのミサイル発射ということについては日朝にそごを来すという若干の混乱を見せていた感じがします。彼らにしても、やはり日朝は動かしたいけれども、動かす理屈が今のところないということなんだろうと思います。
それで、それを考えるに、お手元にお配りしてあります各種の文書、表裏ありますけれども、六カ国協議に関する二〇〇五年の九月以降の三つの文書の中で、日朝問題については、いずれも日朝平壌宣言に基づきという表現で盛り込まれていて、やはり日朝を動かすには平壌宣言の重要性ということをもう一度認識する必要があるんだろう。
裏側にその平壌宣言の全文を書いておりますけれども、その中でもやはり、拉致の問題について、微妙な言い方ではありますけれども、「今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した。」まあ、「今後」についてはそうですけれども、過去に現実に拉致された人間、及びそれを一部死んだと言って死んだ確認がなされていないという現状について、やはり日本側は強く北朝鮮側の対応を促す必要があるんだろうと思います。
その具体的な方法については、では、進展がないから一切の交渉ができないという立場ではやはり何も動かないわけでして、やはり日朝平壌宣言に基づいて日朝が協議を再開するという方向に北朝鮮を追い込んでいく必要があるんだろうと思います。
当然のことながら、彼らにしてみれば、経済的な利得を得るためにも、日朝平壌宣言の前段に書いてあることというのは彼らは無視するわけにいかないわけで、恐らくそこのところにこだわっても日朝の再開ということを彼らは期待してくるんだろうと思われます。
それで、先ほど伊豆見先生から指摘がありましたように、私も、この日朝平壌宣言を再度見直してみますと、その最終段にありますミサイル発射のモラトリアムのくだりというのがやはり一つ重要な問題だろうと思います。
これは、ミサイル発射を二〇〇六年七月に行って以降、日本の制裁措置というのは強化されてくるわけですけれども、現実に、彼らは平壌宣言に違背する行為をあの段階で行ったことは間違いないわけで、そのことについて、彼らの説明は、宋日昊大使の説明によりますと、日本側が敵対行為をするからだという。これは理屈にもなっていないわけで、やはり入り口のところで日本が要求する行為としては、まず、ここに盛り込まれているミサイル発射のモラトリアムについて再度確認させ、現実にしないと約束をもう一度させる。
それから、もう一つ重要な点は、拉致の再発防止の確認もいいんですけれども、現実に、死んだと彼らが言っている、あるいはそのほかにも隠されている部分があるんだろうと思われる部分について、これは、出せと言っても彼らはないと言う。これだけではしようがないので、やはり、ひとつ再調査を日本側で行うということについて北朝鮮に強く訴えかけながら、現実に日朝で動きが出れば、その後には、彼らが期待する、彼らが補償措置と言っている戦後の清算の問題について日本側は話し合う余地があるということをインセンティブとして強く訴える必要があるんだろうと思います。
以上、私の見解を述べさせていただきました。拍手
この発言だけを見る →全般の情勢については、ただいま伊豆見教授の方からるる説明がありましたけれども、若干敷衍して説明させていただきますと、まず、米朝協議の進展については、結果的には妥協の方向へ大きく動いているという見解については伊豆見先生と意見を異にするものではありません。
結局、細かな内容についてはまだ表には出ていませんけれども、昨日、北京においてヒル米国務次官補が記者団に対して語ったところによると、進展はあった、ただし、まだ、第二段階を終えるのにやるべきことは残っているという見解。そして、昨日夜になりまして、北朝鮮の外務省が出している、外務省のスポークスマンの見解でありますけれども、それは、今回の協議において、政治的補償措置と申告の問題について米国との間で見解の一致を見たということをうたっております。それで、こうした米朝協議、二国間の協議のあり方が非常に効果的であるということを示したものだと勝ち誇ったような言い方をしているわけですけれども。
両者の意見を総合しますと、やはり、妥協に向けてアメリカが譲った部分について北朝鮮は受け入れる、すなわち、具体的に言いますと、問題になっているウランの濃縮の問題と、シリアとの核協力、すなわち核拡散の問題に関しては別文書の形で切り離して、いわゆるプルトニウム型の核開発の申告の問題と一定程度の切り離しを行うということについては合意を見たと見て間違いないんだろうと思います。
あと、問題は、ヒル次官補も、要するに時間、タイムのことをきのうのブリーフィングでもしつこく言っているわけですけれども、アメリカにとっても、十一月の大統領選挙を踏まえると、もう残された時間というのは余りない。片や、北朝鮮にとってみれば、米国内では、もうブッシュ政権を相手にしないという態度に出ているんじゃないかという見解もこの間流されたわけですけれども、結果的には、九月九日に建国六十周年という記念日を迎える、正月の共同社説でも強くその重要性を訴えておりますので、そこでやはり外交的な成果というのを彼らなりに国内外的に示したい。そういう意味では、およそ、逆算していくとそろそろ今月、妥協するなら妥協の時期に入ったと見るのが妥当だろうと思います。
そして、朝鮮半島をめぐります情勢でもう一点重要な動きというのは、昨日の韓国の総選挙において、ことし二月に政権が発足しました李明博大統領、与党のハンナラ党が辛うじて過半数を確保した。これまで第二党の位置にありましたので、これはやはり新政権の安定に向けては大きな要素になると思うんですね。
それで、これまでの盧武鉉の政権は、ともすれば米韓及び日韓の間で摩擦を、特に対北朝鮮政策についてあったわけですけれども、およそ、なべて言いますと、日本と余り大差のない物の考え方で対北政策を展開してくるだろうということで、今後、近くあります大統領の訪米、そしてその帰途、日韓の首脳会談もあります。その際にどういうすり合わせをして、それが六カ国協議での日米韓の連携にどうつながってくるかということで、非常に重要な動きだろうと思われます。
さて、それで、日本が北朝鮮にとっています制裁措置の問題についてでありますけれども、これはやはり原点に戻って、制裁のまず目的、そしてその制裁の効果について冷静な判断というのが必要になってくるんだろうと思います。
恐らくあすの閣議でその三度目の延長ということは、これは拉致問題の進展及び国民感情ということを政府は言っていますけれども、それを考えると、やはり大きな進展がない中ではその延長というのは当然のことだろうと思いますが、ここで注意すべきは、制裁のための制裁ではなくて、少なくとも、拉致問題の進展、さらに、初回、二〇〇六年の十月の核実験を北朝鮮が実施したことに対する制裁の措置としてとられている、その前にはミサイルへの措置で一次措置はあるんですけれども、ミサイル、核の問題でとられているという原点からすると、やはりこれは、六カ国協議で一定の進展を見た場合にこのままでいいのかという議論が、当然、国内だけではなくて、六カ国協議の場も含めて問われてくる事態が近々に生じるだろうということを念頭に置く必要があると思います。
そうすると、制裁措置が、まさに北朝鮮の国際協議の場への復帰及び核問題での真摯な態度というものを引き出す一つの目的があったとすると、それとこれをどう連携させるのか。そして、日本人としては看過することのできない拉致問題との関係で、この問題を、どの時点でどういう形で北が対応をとれば、どこまで段階的に解除していくことができるのかという道筋を北側にきちっと示す必要があるんだろうと思います。
いわゆる核、ミサイル、拉致の包括的解決を目指している日本としては、そのすべてが片づかないとだめということになると、これは恐らく、要するに、彼らを対話の場に引き出すという目的よりも、まさに制裁のための制裁になってしまう。まさに拉致問題の進展をさせるためにも、道筋というのをきちっと示す必要があるんだろうと思います。
さて、それで、北朝鮮が日本に対してこの間非常にかたくなな態度を崩していないわけですけれども、今後どう動くかということを考えてみますと、一つは、米朝協議を受けて、六カ国協議で第二段階の終了に向けて、恐らく、数日ということはないでしょうけれども、数週間の間には大きな動きがあるんだろうと思われます。
その際に、では、北がそれに連動して、今強めています対日批判及び対韓国批判を控えて全面的対話の道に出るのかというと、どうもそうは思われない。逆に言うと、六カ国協議でのそごを来している原因というのは一つは日本にあるんだという物言いをしてくるんだろう。もう一つは、南が、二〇〇〇年の六月の南北共同宣言及び昨年十月の共同宣言に盛り込まれている、南北の和解及び具体的には経済協力の問題について前向きな態度をとるべきだということで、今回の総選挙の結果も踏まえて揺さぶりをかけてくるんだろうと思われます。
さて、それでは、そうした北朝鮮の態度が日本にとって不利なのかというと、そうではなくて、彼らは、米朝を動かすだけではなくて、やはり日朝の問題を動かさない限り最終的な解決には至らないという認識は持っているんだろう。ちょうど二〇〇六年の七月のミサイル発射の際に私はたまたま別件で平壌におったんですけれども、そのときに、日朝交渉大使の宋日昊氏は、一定程度、あの時点でのミサイル発射ということについては日朝にそごを来すという若干の混乱を見せていた感じがします。彼らにしても、やはり日朝は動かしたいけれども、動かす理屈が今のところないということなんだろうと思います。
それで、それを考えるに、お手元にお配りしてあります各種の文書、表裏ありますけれども、六カ国協議に関する二〇〇五年の九月以降の三つの文書の中で、日朝問題については、いずれも日朝平壌宣言に基づきという表現で盛り込まれていて、やはり日朝を動かすには平壌宣言の重要性ということをもう一度認識する必要があるんだろう。
裏側にその平壌宣言の全文を書いておりますけれども、その中でもやはり、拉致の問題について、微妙な言い方ではありますけれども、「今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した。」まあ、「今後」についてはそうですけれども、過去に現実に拉致された人間、及びそれを一部死んだと言って死んだ確認がなされていないという現状について、やはり日本側は強く北朝鮮側の対応を促す必要があるんだろうと思います。
その具体的な方法については、では、進展がないから一切の交渉ができないという立場ではやはり何も動かないわけでして、やはり日朝平壌宣言に基づいて日朝が協議を再開するという方向に北朝鮮を追い込んでいく必要があるんだろうと思います。
当然のことながら、彼らにしてみれば、経済的な利得を得るためにも、日朝平壌宣言の前段に書いてあることというのは彼らは無視するわけにいかないわけで、恐らくそこのところにこだわっても日朝の再開ということを彼らは期待してくるんだろうと思われます。
それで、先ほど伊豆見先生から指摘がありましたように、私も、この日朝平壌宣言を再度見直してみますと、その最終段にありますミサイル発射のモラトリアムのくだりというのがやはり一つ重要な問題だろうと思います。
これは、ミサイル発射を二〇〇六年七月に行って以降、日本の制裁措置というのは強化されてくるわけですけれども、現実に、彼らは平壌宣言に違背する行為をあの段階で行ったことは間違いないわけで、そのことについて、彼らの説明は、宋日昊大使の説明によりますと、日本側が敵対行為をするからだという。これは理屈にもなっていないわけで、やはり入り口のところで日本が要求する行為としては、まず、ここに盛り込まれているミサイル発射のモラトリアムについて再度確認させ、現実にしないと約束をもう一度させる。
それから、もう一つ重要な点は、拉致の再発防止の確認もいいんですけれども、現実に、死んだと彼らが言っている、あるいはそのほかにも隠されている部分があるんだろうと思われる部分について、これは、出せと言っても彼らはないと言う。これだけではしようがないので、やはり、ひとつ再調査を日本側で行うということについて北朝鮮に強く訴えかけながら、現実に日朝で動きが出れば、その後には、彼らが期待する、彼らが補償措置と言っている戦後の清算の問題について日本側は話し合う余地があるということをインセンティブとして強く訴える必要があるんだろうと思います。
以上、私の見解を述べさせていただきました。拍手
山
重
重村智計#6
○重村参考人 委員長並びに委員の皆様、本日は、北朝鮮に関する拉致特別委員会で意見を述べる機会を与えられましたことを感謝しております。短い時間でありますけれども、拉致問題解決のために、委員の皆様の参考になるお話ができればと考えております。
さて、最近の北朝鮮をめぐる情勢は大きく変化しました。その変化をもたらしたのは、韓国での李明博大統領の当選です。それに、北朝鮮の国内事情の悪化です。
李明博政権の誕生で、韓国と北朝鮮の関係は緊張しています。新政権になっても南北関係に変化はない、南北交流は拡大するとの見通しも語られましたが、事実上これは間違いでした。シンガポールで行われた米朝の話し合いはなお成果を生み出していません。また、昨日の韓国の国会議員選挙では、与党ハンナラ党が過半数を獲得しました。来週には米韓首脳会談が行われます。二十日と二十一日には日韓首脳会談も行われます。朝鮮半島をめぐる国際関係は激変しようとしているというのが現実です。
結論を先に言いますと、北朝鮮は、内外ともに厳しい状況に直面しています。
北朝鮮については、北朝鮮の内部情報や平壌の内部事情を確認せずに、根拠を示さない論議がしばしば行われてきました。また、北朝鮮を取り巻く内外の情勢を理解せずに、根拠のない主張がよく見られます。例えば、新聞報道や政治家の発言に、しばしば、日本外交行き詰まりという表現が見られますが、これは、大きな間違いか、北朝鮮の工作に乗せられていると指摘せざるを得ません。外交的に行き詰まっているのは北朝鮮であって日本ではないという事実がわかっていない。
また、北朝鮮と話し合えとの主張があります。これはもっともな主張のようですが、話し合いを拒否しているのは北朝鮮であるという事実を忘れてはならないのです。日本は、問題は話し合いで解決するとの立場を明らかにしていますし、拉致問題について話し合うのならいつでも応じるとの立場を示しています。経済制裁は、北朝鮮との対話を拒否するために行っているのではなく、対話を引き出すための外交カードとして使っているわけです。
ただし、経済制裁は、経済制裁する、すると言っておどして譲歩をとるのが一番の目的なんですが、それができない場合に、経済制裁をした以上は、途中で成果もないのに経済制裁を解除すれば、結局は北朝鮮側の理に乗せられるということになる。経済制裁をした以上、一定の成果が出ない限りは続けるしかないというのが、これは経済制裁の基本的な戦略でありまして、理由もなしに解除するのは、結局は日本外交の敗北だということになるだろうと思います。
さて、まず平壌の内部状況について御説明してみようと思います。
北朝鮮は、ことしの新年共同社説で、一昨年の核実験について全く言及しませんでした。これは異例なことです。昨年は大々的に核実験の成功と抑止力に言及しました。核実験の成功は金正日総書記と軍の偉大な成果であるはずですが、それに全く言及しなかった。これは、核実験をめぐる軍の立場が後退したか、内部での評価に変化があった事実を示していると言わざるを得ません。北朝鮮は二度と核実験ができない状況を理解していると見るべきではないでしょうか。
これはまた、軍の発言力が以前よりもやや低下している事情を示唆していると思われます。
平壌の内部は、現在、四人の実力者とその勢力が勢力争いを展開しており、不安定な状況にあります。その実力者は、中国の全面的な後押しで復帰した張成沢行政部長と、金永南最高人民会議常任委員長、呉克烈党作戦部長、李済剛組織指導部第一副部長の四人です。この勢力争いは今もなお続いています。このため、中間幹部の人事の入れかえがしばしば起きています。中国は張成沢部長の指導力を拡大させようとしていますが、他の勢力の反発や妨害もあり、期待どおりにはいっていません。
北朝鮮は、今最大の危機に直面しようとしています。まず食糧が足りません。さらに外貨が極端に不足しています。エネルギーもありません。石油が足りません。
石油は、昨年のレベルでいきますと、軍事用に使える石油は三十万トンしかありません。全体で、中国からの原油の輸入合わせて百六十五万トンしか昨年は輸入できていません。日本の自衛隊が一年間に使う油の量は百五十万トンですから、北朝鮮全部で、国軍から産業から全部合わせて、自衛隊が使っている程度の油しかないというのが現実なんですね。
食糧に関しては、昨年の収穫は決してよくありませんでした。最低でも五百万トンが必要なんですが、四百万トンにも達しなかったと言われています。この結果、ことしの米の値段は昨年の倍に値上がりしている。これはやみ市場ですね。この価格の上昇が食糧不足を雄弁に物語っている。
最大の問題は、韓国の政権がかわり、支援が来なくなったこと。李明博大統領は、核開発を放棄しない限り経済支援はしないと明言しています。人道支援は行うと言っていますが、数量は調整されます。
韓国では、過去十年間に、政府、民間合わせて約一兆円の北朝鮮支援が行われたと言われています。これまで北朝鮮が日朝交渉に応じなかった理由は、日本側が制裁をしたからではなく、韓国からの多額の援助があったためなんです。日本の経済協力に期待する必要がなかったからなんです。特に昨年は、盧武鉉大統領が任期の末期ということで、政府資金だけで一千億円を超える支援を北朝鮮に行っています。北朝鮮の国家予算は約四千億円しかありません。韓国からの無条件の支援が北朝鮮を支えたと言っても過言ではないのです。それがことしから激減します。北朝鮮は相当な危機に直面します。
李明博大統領は、北朝鮮が核兵器を放棄すれば、十年後には、北朝鮮の一人当たりGDP、国内総生産を三千ドルにするという復興計画を発表しました。しかし、北朝鮮はこれに反発し、軍事的行動を辞さないと発言しています。しかし、北朝鮮は軍事行動とは言っていない、北朝鮮が言っているのは軍事的行動であるというところにトリックがあるんです。南北関係はしばらく緊張するでしょう。北朝鮮はいつもの瀬戸際外交やおどし外交を展開しようとしていますが、実際には効果がないだろうと思いますし、日本もこうしたおどしに乗せられるべきではないだろうと思います。
李明博大統領は、韓国の拉致問題や人権問題についても、北朝鮮にはっきり立場を表明しました。また、日本の拉致問題解決にも積極的に協力する意向です。これは、これまでの左翼政権とは全く異なる立場で、日韓の協力が推進されると言っていいでしょう。金大中、盧武鉉政権の十年は、米韓関係は最悪でした。また日韓関係も悪化しました。李明博大統領の登場で、日米韓三国は、同盟と協力関係を十年ぶりに回復することになります。日米韓三国は、北朝鮮に対し、協力した外交を展開することができます。これまで、韓国が北朝鮮と協力して、日本とアメリカに対抗する姿勢を見せたために、日本の拉致外交も、あるいはアメリカの対北朝鮮外交も困難に直面してきました。
日本は、李明博政権の登場という絶好の機会を生かし、日米韓三国の連携を強化し、拉致問題の解決に取り組むべきです。ブッシュ大統領はもとより、新しいアメリカの大統領に対しても、日本の拉致問題が解決しない限りアメリカも国交正常化しないという方針を要請すべきです。
さて、最近の北朝鮮の情勢をめぐる情報の中で、金正日総書記の健康状態、あるいは健在なのかというのが常に問題にされますが、関係各国や各国の情報機関は非常に関心を持って情報を集めているわけですけれども、その中で、健康悪化説や影武者説の可能性も指摘されている。金正日総書記に影武者が存在する事実は、十年以上も前に既に確認されています。数人の影武者が存在します。実際に、数人の日本人が影武者と面会し、確認もしています。また、最近の金正日総書記と八〇年代の金正日総書記の声紋が異なる事実も何回か確認されています。影武者の存在とその活動はにわかには信じられないかもしれませんが、多くの疑問が提示されているのは事実です。
さらに、金正日総書記が八〇年代に何度か東京の赤坂にひそかに姿を見せていた事実も、関係者の証言で明らかになっています。赤坂にあったレストランシアター、コルドンブルーというのがあったんですが、このコルドンブルーに、一九八二年から八九年まで毎年ひそかに出入りしていた事実が、当時の関係者の証言で確認されました。これは本になって出版もされています。これは明らかに不法入国でありました。
信じられないかもしれませんが、北朝鮮は、拉致を初め予想外のことを行ってきました。北朝鮮に関しては、予想外のことが何でも起こり得るというのが現実なわけです。
さて、北朝鮮は、南北関係が悪化すると米朝関係改善に乗り出し、米朝関係が好転しないと日朝対話を始めるという振り子外交をこれまでも展開してきました。シンガポールでの米朝会談も、南北関係の緊張を米朝関係進展で乗り切ろうとする作戦の一環と言わざるを得ません。うまくいくかどうかはわかりませんが、ヒルさんはうまくいきそうだと言っているんですが、大体ヒル国務次官補が言ってきたことはこれまで当たったためしがない。我々はうそつきおじさんと言っているんですけれども、国務省の外交官の中であんなに能力のなかった外交官は、私は取材した中で見たことがないと言わざるを得ません。ともかく、北朝鮮は、次はいずれにしろ日朝対話に動き出さざるを得ないという国際環境にあるということです。
現在、北朝鮮には日本担当の党書記や党高官は任命されていません。日本と話し合う準備ができていません。日朝交渉を担当している宋日昊大使は高官ではありません。北朝鮮では、金正日総書記に直接面会できない人物は高官とは言わないのです。
ともかく、日本は焦って手を出すべきではないというのが現実です。問題を対話で解決するとの立場を明確にし、原則を譲らないこと。政治家の中には、パフォーマンスで平壌に行ったり、北朝鮮の当局者と会談するような方がおられますが、これは日本外交を最も危うくする行為だと言わざるを得ません。北朝鮮による日本の国論や外交分断に利用されるだけなんです。政治家の皆さんには、過去に北朝鮮とかかわった政治家の中で、国民に尊敬され、政治生命を全うした政治家はいないという教訓を十分に学んでいただきたい。
時間が来ましたので、終わります。拍手
この発言だけを見る →さて、最近の北朝鮮をめぐる情勢は大きく変化しました。その変化をもたらしたのは、韓国での李明博大統領の当選です。それに、北朝鮮の国内事情の悪化です。
李明博政権の誕生で、韓国と北朝鮮の関係は緊張しています。新政権になっても南北関係に変化はない、南北交流は拡大するとの見通しも語られましたが、事実上これは間違いでした。シンガポールで行われた米朝の話し合いはなお成果を生み出していません。また、昨日の韓国の国会議員選挙では、与党ハンナラ党が過半数を獲得しました。来週には米韓首脳会談が行われます。二十日と二十一日には日韓首脳会談も行われます。朝鮮半島をめぐる国際関係は激変しようとしているというのが現実です。
結論を先に言いますと、北朝鮮は、内外ともに厳しい状況に直面しています。
北朝鮮については、北朝鮮の内部情報や平壌の内部事情を確認せずに、根拠を示さない論議がしばしば行われてきました。また、北朝鮮を取り巻く内外の情勢を理解せずに、根拠のない主張がよく見られます。例えば、新聞報道や政治家の発言に、しばしば、日本外交行き詰まりという表現が見られますが、これは、大きな間違いか、北朝鮮の工作に乗せられていると指摘せざるを得ません。外交的に行き詰まっているのは北朝鮮であって日本ではないという事実がわかっていない。
また、北朝鮮と話し合えとの主張があります。これはもっともな主張のようですが、話し合いを拒否しているのは北朝鮮であるという事実を忘れてはならないのです。日本は、問題は話し合いで解決するとの立場を明らかにしていますし、拉致問題について話し合うのならいつでも応じるとの立場を示しています。経済制裁は、北朝鮮との対話を拒否するために行っているのではなく、対話を引き出すための外交カードとして使っているわけです。
ただし、経済制裁は、経済制裁する、すると言っておどして譲歩をとるのが一番の目的なんですが、それができない場合に、経済制裁をした以上は、途中で成果もないのに経済制裁を解除すれば、結局は北朝鮮側の理に乗せられるということになる。経済制裁をした以上、一定の成果が出ない限りは続けるしかないというのが、これは経済制裁の基本的な戦略でありまして、理由もなしに解除するのは、結局は日本外交の敗北だということになるだろうと思います。
さて、まず平壌の内部状況について御説明してみようと思います。
北朝鮮は、ことしの新年共同社説で、一昨年の核実験について全く言及しませんでした。これは異例なことです。昨年は大々的に核実験の成功と抑止力に言及しました。核実験の成功は金正日総書記と軍の偉大な成果であるはずですが、それに全く言及しなかった。これは、核実験をめぐる軍の立場が後退したか、内部での評価に変化があった事実を示していると言わざるを得ません。北朝鮮は二度と核実験ができない状況を理解していると見るべきではないでしょうか。
これはまた、軍の発言力が以前よりもやや低下している事情を示唆していると思われます。
平壌の内部は、現在、四人の実力者とその勢力が勢力争いを展開しており、不安定な状況にあります。その実力者は、中国の全面的な後押しで復帰した張成沢行政部長と、金永南最高人民会議常任委員長、呉克烈党作戦部長、李済剛組織指導部第一副部長の四人です。この勢力争いは今もなお続いています。このため、中間幹部の人事の入れかえがしばしば起きています。中国は張成沢部長の指導力を拡大させようとしていますが、他の勢力の反発や妨害もあり、期待どおりにはいっていません。
北朝鮮は、今最大の危機に直面しようとしています。まず食糧が足りません。さらに外貨が極端に不足しています。エネルギーもありません。石油が足りません。
石油は、昨年のレベルでいきますと、軍事用に使える石油は三十万トンしかありません。全体で、中国からの原油の輸入合わせて百六十五万トンしか昨年は輸入できていません。日本の自衛隊が一年間に使う油の量は百五十万トンですから、北朝鮮全部で、国軍から産業から全部合わせて、自衛隊が使っている程度の油しかないというのが現実なんですね。
食糧に関しては、昨年の収穫は決してよくありませんでした。最低でも五百万トンが必要なんですが、四百万トンにも達しなかったと言われています。この結果、ことしの米の値段は昨年の倍に値上がりしている。これはやみ市場ですね。この価格の上昇が食糧不足を雄弁に物語っている。
最大の問題は、韓国の政権がかわり、支援が来なくなったこと。李明博大統領は、核開発を放棄しない限り経済支援はしないと明言しています。人道支援は行うと言っていますが、数量は調整されます。
韓国では、過去十年間に、政府、民間合わせて約一兆円の北朝鮮支援が行われたと言われています。これまで北朝鮮が日朝交渉に応じなかった理由は、日本側が制裁をしたからではなく、韓国からの多額の援助があったためなんです。日本の経済協力に期待する必要がなかったからなんです。特に昨年は、盧武鉉大統領が任期の末期ということで、政府資金だけで一千億円を超える支援を北朝鮮に行っています。北朝鮮の国家予算は約四千億円しかありません。韓国からの無条件の支援が北朝鮮を支えたと言っても過言ではないのです。それがことしから激減します。北朝鮮は相当な危機に直面します。
李明博大統領は、北朝鮮が核兵器を放棄すれば、十年後には、北朝鮮の一人当たりGDP、国内総生産を三千ドルにするという復興計画を発表しました。しかし、北朝鮮はこれに反発し、軍事的行動を辞さないと発言しています。しかし、北朝鮮は軍事行動とは言っていない、北朝鮮が言っているのは軍事的行動であるというところにトリックがあるんです。南北関係はしばらく緊張するでしょう。北朝鮮はいつもの瀬戸際外交やおどし外交を展開しようとしていますが、実際には効果がないだろうと思いますし、日本もこうしたおどしに乗せられるべきではないだろうと思います。
李明博大統領は、韓国の拉致問題や人権問題についても、北朝鮮にはっきり立場を表明しました。また、日本の拉致問題解決にも積極的に協力する意向です。これは、これまでの左翼政権とは全く異なる立場で、日韓の協力が推進されると言っていいでしょう。金大中、盧武鉉政権の十年は、米韓関係は最悪でした。また日韓関係も悪化しました。李明博大統領の登場で、日米韓三国は、同盟と協力関係を十年ぶりに回復することになります。日米韓三国は、北朝鮮に対し、協力した外交を展開することができます。これまで、韓国が北朝鮮と協力して、日本とアメリカに対抗する姿勢を見せたために、日本の拉致外交も、あるいはアメリカの対北朝鮮外交も困難に直面してきました。
日本は、李明博政権の登場という絶好の機会を生かし、日米韓三国の連携を強化し、拉致問題の解決に取り組むべきです。ブッシュ大統領はもとより、新しいアメリカの大統領に対しても、日本の拉致問題が解決しない限りアメリカも国交正常化しないという方針を要請すべきです。
さて、最近の北朝鮮の情勢をめぐる情報の中で、金正日総書記の健康状態、あるいは健在なのかというのが常に問題にされますが、関係各国や各国の情報機関は非常に関心を持って情報を集めているわけですけれども、その中で、健康悪化説や影武者説の可能性も指摘されている。金正日総書記に影武者が存在する事実は、十年以上も前に既に確認されています。数人の影武者が存在します。実際に、数人の日本人が影武者と面会し、確認もしています。また、最近の金正日総書記と八〇年代の金正日総書記の声紋が異なる事実も何回か確認されています。影武者の存在とその活動はにわかには信じられないかもしれませんが、多くの疑問が提示されているのは事実です。
さらに、金正日総書記が八〇年代に何度か東京の赤坂にひそかに姿を見せていた事実も、関係者の証言で明らかになっています。赤坂にあったレストランシアター、コルドンブルーというのがあったんですが、このコルドンブルーに、一九八二年から八九年まで毎年ひそかに出入りしていた事実が、当時の関係者の証言で確認されました。これは本になって出版もされています。これは明らかに不法入国でありました。
信じられないかもしれませんが、北朝鮮は、拉致を初め予想外のことを行ってきました。北朝鮮に関しては、予想外のことが何でも起こり得るというのが現実なわけです。
さて、北朝鮮は、南北関係が悪化すると米朝関係改善に乗り出し、米朝関係が好転しないと日朝対話を始めるという振り子外交をこれまでも展開してきました。シンガポールでの米朝会談も、南北関係の緊張を米朝関係進展で乗り切ろうとする作戦の一環と言わざるを得ません。うまくいくかどうかはわかりませんが、ヒルさんはうまくいきそうだと言っているんですが、大体ヒル国務次官補が言ってきたことはこれまで当たったためしがない。我々はうそつきおじさんと言っているんですけれども、国務省の外交官の中であんなに能力のなかった外交官は、私は取材した中で見たことがないと言わざるを得ません。ともかく、北朝鮮は、次はいずれにしろ日朝対話に動き出さざるを得ないという国際環境にあるということです。
現在、北朝鮮には日本担当の党書記や党高官は任命されていません。日本と話し合う準備ができていません。日朝交渉を担当している宋日昊大使は高官ではありません。北朝鮮では、金正日総書記に直接面会できない人物は高官とは言わないのです。
ともかく、日本は焦って手を出すべきではないというのが現実です。問題を対話で解決するとの立場を明確にし、原則を譲らないこと。政治家の中には、パフォーマンスで平壌に行ったり、北朝鮮の当局者と会談するような方がおられますが、これは日本外交を最も危うくする行為だと言わざるを得ません。北朝鮮による日本の国論や外交分断に利用されるだけなんです。政治家の皆さんには、過去に北朝鮮とかかわった政治家の中で、国民に尊敬され、政治生命を全うした政治家はいないという教訓を十分に学んでいただきたい。
時間が来ましたので、終わります。拍手
山
山
木
木原誠二#9
○木原(誠)委員 自由民主党の木原誠二でございます。
本日は、三人の参考人の皆様には、お忙しい中、貴重な御意見を賜りまして、まことにありがとうございました。
二十分という非常に限られた時間でありますので、端的にお伺いをしていきたい、このように思います。
今、お三人の御意見を拝聴しておりまして、基本的に、今非常に大きな転換点にあると。伊豆見先生、また宇惠参考人からは、妥協の段階に来ているという表現がございました。重村参考人からは、そういう言葉ではありませんでしたけれども、少なくとも、変換点にある、転換点にあるという共通の認識が示された、このように承知をいたしますし、また、日本の独自の経済制裁については、現段階においては延長していくことが適切であるということについても共通の理解があったのかな、こんなふうに思うところであります。
今政府は、対話と圧力、こういう方針をとっているわけでありますけれども、やはり圧力があって初めて対話に引きずり出すことができるわけでありまして、私自身もまた、今の段階でこの圧力を緩めるという状況にはないのかなというふうに思っております。
その中で、圧力を相手が感じるかどうかというのは、相手が困っているかどうか、どちらがより困っているかということに尽きるのだろう、このように思いますが、重村参考人からは、今北朝鮮は、本当に、内外ともに、壁にぶつかっているというよりも大変厳しい状況であるという認識が示された、このように思います。
まず初めに、伊豆見、そして宇惠両参考人から、今の北朝鮮の状況、重村先生は、大変困っているという認識を示していただいたわけですけれども、簡潔に、簡単に御認識をいただければ、このように思います。
この発言だけを見る →本日は、三人の参考人の皆様には、お忙しい中、貴重な御意見を賜りまして、まことにありがとうございました。
二十分という非常に限られた時間でありますので、端的にお伺いをしていきたい、このように思います。
今、お三人の御意見を拝聴しておりまして、基本的に、今非常に大きな転換点にあると。伊豆見先生、また宇惠参考人からは、妥協の段階に来ているという表現がございました。重村参考人からは、そういう言葉ではありませんでしたけれども、少なくとも、変換点にある、転換点にあるという共通の認識が示された、このように承知をいたしますし、また、日本の独自の経済制裁については、現段階においては延長していくことが適切であるということについても共通の理解があったのかな、こんなふうに思うところであります。
今政府は、対話と圧力、こういう方針をとっているわけでありますけれども、やはり圧力があって初めて対話に引きずり出すことができるわけでありまして、私自身もまた、今の段階でこの圧力を緩めるという状況にはないのかなというふうに思っております。
その中で、圧力を相手が感じるかどうかというのは、相手が困っているかどうか、どちらがより困っているかということに尽きるのだろう、このように思いますが、重村参考人からは、今北朝鮮は、本当に、内外ともに、壁にぶつかっているというよりも大変厳しい状況であるという認識が示された、このように思います。
まず初めに、伊豆見、そして宇惠両参考人から、今の北朝鮮の状況、重村先生は、大変困っているという認識を示していただいたわけですけれども、簡潔に、簡単に御認識をいただければ、このように思います。
伊
伊豆見元#10
○伊豆見参考人 北朝鮮が困っているというのは、これはもう間違いないところでありまして、それはずっと続いていることだろうと思うんですが、ことしでいえばとりわけ食糧が、昨年の自然災害の影響で百五十万トンぐらいは足らないんだろうということになりますと、そこが、これから秋の収穫までの間が相当厳しくなるということは考えられると思います。
ただ、御案内のように、北朝鮮は、それを外からの援助でずっとしのいでくるといいますか、頼ってきたという状況がございます。これがことしどうなるかということであります。
一つは中国、もちろん食糧の価格が上がっておりますので、中国からも減っているというようなうわさがありますが、これは単にうわさでありますのでわからない。中国からの援助というのが一つある。さらに、基本的には六月末までに金正日総書記が中国を訪問する可能性というのは極めて高く今考えられております、中国側はその準備を始めていますので。ということは、金正日訪中がありますと、中国は、また別途に、従来のレギュラーベースで出しておるのに加えた食糧援助をお土産で持たせますから、それが幾らか考えられるであろう。
そして、もう一つは、東南アジアからかなり食糧の調達をしているという話がありますが、それがどうなるのか。とりわけベトナムから金正日総書記は招待を受けておりますが、またベトナムに行くということになれば、ベトナムから例えば米のお土産がもらえるということも考えられる。
そして、最大の問題はもちろん韓国であります。李明博政権がどうするかでありますが、これは、人道援助は続けるという点については李明博政権は発言が全然ぶれておりませんので、私は必ず出すだろうと思います。ただ、昨年のレベルでいいますと、四十万トンの食糧、そして三十万トンの肥料をやったんですね。その水準が維持できるかどうかはわからない。韓国の国内でも、多く出すことについての不満というのはございますので、そこがわからない。
あとは、アメリカが人道援助ということで準備しています。今、北朝鮮は欲しいと言っていないので出していませんけれども、アメリカからも十万トンぐらいの食糧支援が行く可能性もあるということで、これからいろいろなところから北朝鮮はかき集めてくるという時期になると思うのでありますが、それでどのくらいしのげるかということだと思います。
いずれにせよ、ことしは相当厳しいということは間違いないと考えております。
この発言だけを見る →ただ、御案内のように、北朝鮮は、それを外からの援助でずっとしのいでくるといいますか、頼ってきたという状況がございます。これがことしどうなるかということであります。
一つは中国、もちろん食糧の価格が上がっておりますので、中国からも減っているというようなうわさがありますが、これは単にうわさでありますのでわからない。中国からの援助というのが一つある。さらに、基本的には六月末までに金正日総書記が中国を訪問する可能性というのは極めて高く今考えられております、中国側はその準備を始めていますので。ということは、金正日訪中がありますと、中国は、また別途に、従来のレギュラーベースで出しておるのに加えた食糧援助をお土産で持たせますから、それが幾らか考えられるであろう。
そして、もう一つは、東南アジアからかなり食糧の調達をしているという話がありますが、それがどうなるのか。とりわけベトナムから金正日総書記は招待を受けておりますが、またベトナムに行くということになれば、ベトナムから例えば米のお土産がもらえるということも考えられる。
そして、最大の問題はもちろん韓国であります。李明博政権がどうするかでありますが、これは、人道援助は続けるという点については李明博政権は発言が全然ぶれておりませんので、私は必ず出すだろうと思います。ただ、昨年のレベルでいいますと、四十万トンの食糧、そして三十万トンの肥料をやったんですね。その水準が維持できるかどうかはわからない。韓国の国内でも、多く出すことについての不満というのはございますので、そこがわからない。
あとは、アメリカが人道援助ということで準備しています。今、北朝鮮は欲しいと言っていないので出していませんけれども、アメリカからも十万トンぐらいの食糧支援が行く可能性もあるということで、これからいろいろなところから北朝鮮はかき集めてくるという時期になると思うのでありますが、それでどのくらいしのげるかということだと思います。
いずれにせよ、ことしは相当厳しいということは間違いないと考えております。
宇
宇惠一郎#11
○宇惠参考人 どのぐらい厳しいかということですけれども、数字でいえば、まさに、ことし百五十万トン足りない。外から、どこかから持ってくるので大体帳じりが合っているわけですけれども。ここ数年の間は南からの援助というのが非常に大きいわけです。
ただ、振り返ってみますと、九〇年代に、いわゆる飢餓線上にあったと言われる、彼らの表現で言うと苦難の行軍と言われた時期に比べると、当時は食糧生産も二百万トン台まで落ちていたわけですから、それからすると、国家全体として、食えないけれども死ぬほどじゃない。地域的には東北部あたりはかなり食糧が足りなくて、今も栄養失調及び餓死者が相次いでおるという報道等もありますが、かつてに比べれば楽だということが一点。
それからあと、逆に言うと、日本からの援助がどのぐらいの意味を持つのかということからすると、九〇年代までの状況とは違って、南北がいい、及び中朝の交易が非常にふえているということからすると、日本の存在感というのがその点においてもなくなってくる。
もう一点言いますと、六カ国協議の枠の中で、北朝鮮が核放棄に向けて行動する、まず、いわゆる第二段階で百万トンのエネルギー及び食糧支援ということがうたわれているわけですけれども、日本は拉致問題があるので拒否している。しかしながら、そのほかの四カ国持ち回りでの援助が続いている限りは、例えば一巡して、その後、日本の番になるところは今度はアメリカに回ってしまうということになると、結果的にはしのいでしまうということになるので、そこのところを、日本が効果的に、これまで大量のものを出していてとまるということであれば影響はあるでしょうけれども、そういう事態にはなっていないという認識が必要なんだろうと思います。
この発言だけを見る →ただ、振り返ってみますと、九〇年代に、いわゆる飢餓線上にあったと言われる、彼らの表現で言うと苦難の行軍と言われた時期に比べると、当時は食糧生産も二百万トン台まで落ちていたわけですから、それからすると、国家全体として、食えないけれども死ぬほどじゃない。地域的には東北部あたりはかなり食糧が足りなくて、今も栄養失調及び餓死者が相次いでおるという報道等もありますが、かつてに比べれば楽だということが一点。
それからあと、逆に言うと、日本からの援助がどのぐらいの意味を持つのかということからすると、九〇年代までの状況とは違って、南北がいい、及び中朝の交易が非常にふえているということからすると、日本の存在感というのがその点においてもなくなってくる。
もう一点言いますと、六カ国協議の枠の中で、北朝鮮が核放棄に向けて行動する、まず、いわゆる第二段階で百万トンのエネルギー及び食糧支援ということがうたわれているわけですけれども、日本は拉致問題があるので拒否している。しかしながら、そのほかの四カ国持ち回りでの援助が続いている限りは、例えば一巡して、その後、日本の番になるところは今度はアメリカに回ってしまうということになると、結果的にはしのいでしまうということになるので、そこのところを、日本が効果的に、これまで大量のものを出していてとまるということであれば影響はあるでしょうけれども、そういう事態にはなっていないという認識が必要なんだろうと思います。
木
木原誠二#12
○木原(誠)委員 ありがとうございました。
困っていることは確かであるけれども、しかし救いの手はいろいろなところにあるよ、こういう御認識かな、このように拝聴いたしました。しかし、いずれにしても、何らかの形で、困っている中で北朝鮮が妥協に向けて動き出してきた、こういうことであろうというように思います。
私がいつも懸念いたしますことは、困ってきたときにそのまま放置ができればいろいろな意味で圧力が加わっていくわけですけれども、瀬戸際外交と言えるのかもしれませんけれども、困った段階で、一番弱いところをついて生き延びていく、今回は恐らく米朝会談というところにその活路を見出しているんであろう、このように思います。
伊豆見先生からは、最終的にはテロ支援国家指定解除までいくのではないか、恐らくいくであろう、こういうことであったというように思いますけれども、私自身は、完全かつ正確な申告ということを考えると、査察ということも含めて、相当程度の期間がないと指定解除というところにはいかないんではないかな、これは楽観的にこう思うわけでありますけれども、重村参考人、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →困っていることは確かであるけれども、しかし救いの手はいろいろなところにあるよ、こういう御認識かな、このように拝聴いたしました。しかし、いずれにしても、何らかの形で、困っている中で北朝鮮が妥協に向けて動き出してきた、こういうことであろうというように思います。
私がいつも懸念いたしますことは、困ってきたときにそのまま放置ができればいろいろな意味で圧力が加わっていくわけですけれども、瀬戸際外交と言えるのかもしれませんけれども、困った段階で、一番弱いところをついて生き延びていく、今回は恐らく米朝会談というところにその活路を見出しているんであろう、このように思います。
伊豆見先生からは、最終的にはテロ支援国家指定解除までいくのではないか、恐らくいくであろう、こういうことであったというように思いますけれども、私自身は、完全かつ正確な申告ということを考えると、査察ということも含めて、相当程度の期間がないと指定解除というところにはいかないんではないかな、これは楽観的にこう思うわけでありますけれども、重村参考人、いかがでしょうか。
重
重村智計#13
○重村参考人 テロ支援国家指定解除についてはかなり難しいと言った方がいいだろうと思いますね。
その理由は、ヒル国務次官補はかなり早い段階で解除したいというふうに思っていた、ライス国務長官も思っていたんですが、ブッシュ大統領が、安倍総理、福田総理との会見で、自分が最終的に決める、これは自分が日本と協議して決めるというふうに言っているものですから、決して簡単ではない。仰せのとおりだろうと思います。
それからもう一つ、なぜ北朝鮮はテロ支援国家指定を解除してほしいと言っているのか、その理由をよく理解しておいていただきたいんですが、その理由は、現金収入が入ってくるからということなんです。
実は、北朝鮮は中国との間で、海底油田の掘削協定を中国のペトロ中国、ペトロチャイナが結んでいるんですが、この際に、三十五億ドルの掘削料を支払うという約束なんです。実施直前まで行ったんですが、中国政府が、テロ支援国家指定が解除されない限り認めないと言った。つまり、テロ支援国家指定解除がないと三十五億ドルが入ってこない。それから、中国のいろいろな企業が開発しようとしている地下資源の開発ができない。
逆に言うと、テロ支援国家指定を解除すると、北朝鮮は数十億ドルの資金が一遍に入ってくる。ということは、日朝正常化問題あるいは拉致問題を解決しない、拉致問題を棚上げにしてしばらくは生き残るということになるので、テロ支援国家指定解除の問題は拉致問題と極めて密接に関連した問題だ、これは解除すべきでないとやはりアメリカに言うべきだろうというふうに私は思います。
この発言だけを見る →その理由は、ヒル国務次官補はかなり早い段階で解除したいというふうに思っていた、ライス国務長官も思っていたんですが、ブッシュ大統領が、安倍総理、福田総理との会見で、自分が最終的に決める、これは自分が日本と協議して決めるというふうに言っているものですから、決して簡単ではない。仰せのとおりだろうと思います。
それからもう一つ、なぜ北朝鮮はテロ支援国家指定を解除してほしいと言っているのか、その理由をよく理解しておいていただきたいんですが、その理由は、現金収入が入ってくるからということなんです。
実は、北朝鮮は中国との間で、海底油田の掘削協定を中国のペトロ中国、ペトロチャイナが結んでいるんですが、この際に、三十五億ドルの掘削料を支払うという約束なんです。実施直前まで行ったんですが、中国政府が、テロ支援国家指定が解除されない限り認めないと言った。つまり、テロ支援国家指定解除がないと三十五億ドルが入ってこない。それから、中国のいろいろな企業が開発しようとしている地下資源の開発ができない。
逆に言うと、テロ支援国家指定を解除すると、北朝鮮は数十億ドルの資金が一遍に入ってくる。ということは、日朝正常化問題あるいは拉致問題を解決しない、拉致問題を棚上げにしてしばらくは生き残るということになるので、テロ支援国家指定解除の問題は拉致問題と極めて密接に関連した問題だ、これは解除すべきでないとやはりアメリカに言うべきだろうというふうに私は思います。
木
木原誠二#14
○木原(誠)委員 ありがとうございました。
重村参考人おっしゃったとおり、私自身も、この拉致事件、拉致の問題というのは深刻な主権侵害でありますし、日米同盟のよって立つ、人権という共通の意識に立っているんだろうと思いますから、我々として、今後ともやはり、アメリカには、解除しないように、あるいは少なくとも慎重にやっていただくように言っていくべきであろう、このように思っております。
ただ、他方で、伊豆見先生がおっしゃったように、それはあくまでもアメリカが決することであろうというふうに思います。仮にテロ支援国家指定解除という方向に行った場合に、伊豆見先生からは、その場合であっても拉致の問題が置き去りになることはないんだということが示されたわけであります。そうであれば大変望ましいな、このように思いますけれども、そのことについて、残りの宇惠参考人、そしてまた重村参考人から、もし御意見があればちょうだいをいたしたいと思います。
この発言だけを見る →重村参考人おっしゃったとおり、私自身も、この拉致事件、拉致の問題というのは深刻な主権侵害でありますし、日米同盟のよって立つ、人権という共通の意識に立っているんだろうと思いますから、我々として、今後ともやはり、アメリカには、解除しないように、あるいは少なくとも慎重にやっていただくように言っていくべきであろう、このように思っております。
ただ、他方で、伊豆見先生がおっしゃったように、それはあくまでもアメリカが決することであろうというふうに思います。仮にテロ支援国家指定解除という方向に行った場合に、伊豆見先生からは、その場合であっても拉致の問題が置き去りになることはないんだということが示されたわけであります。そうであれば大変望ましいな、このように思いますけれども、そのことについて、残りの宇惠参考人、そしてまた重村参考人から、もし御意見があればちょうだいをいたしたいと思います。
宇
宇惠一郎#15
○宇惠参考人 拉致の問題とテロ支援国家指定解除の問題とどう連関するのかという御質問ですけれども、これは直接的には全く連携しないんだろうと思うんです。
特に、アメリカの国務省の考え方の中では、それはあくまでも彼らの最大の目的である核拡散の防止、すなわち北朝鮮の核武装解除、核の開発の停止という問題との連携を考えているわけでして、六カ国の枠組みの中で、日朝の問題が動かない限りその問題も最終的な決着点に行かないという認識をアメリカは持っているんだろうと思うんです。
手短に申し上げますと、お配りしてある資料の中で、六カ国の問題とそれから日朝の問題の連関というのは、実は日朝平壌宣言の中で先取りしているような部分があります。これは実は、日朝の二国間の文書ではあります、まだ六カ国協議が始まる前に結ばれていますけれども、始まる前に既に、後段、下から二段目あたりにありますけれども、この「地域の信頼醸成を図るための枠組みを整備していくことが重要である」、さらにその後、数行進みますと、「双方は、核問題及びミサイル問題を含む安全保障上の諸問題に関し、関係諸国間の対話を促進し、」という表現で、逆に言うと、これが六カ国協議の枠の方に進んでいっている。
ただ、この文書を結んだときには、拉致問題はこれで解決だという今の北朝鮮の主張に基づいた構成になっているわけでして、現実にそれが積み残されているという問題が出てきているわけですから、そういう意味で、遠い形で拉致問題とテロ支援国家の指定解除の問題というのは連携するけれども、直接には関係していない、こう見た方がいいんじゃないでしょうか。
この発言だけを見る →特に、アメリカの国務省の考え方の中では、それはあくまでも彼らの最大の目的である核拡散の防止、すなわち北朝鮮の核武装解除、核の開発の停止という問題との連携を考えているわけでして、六カ国の枠組みの中で、日朝の問題が動かない限りその問題も最終的な決着点に行かないという認識をアメリカは持っているんだろうと思うんです。
手短に申し上げますと、お配りしてある資料の中で、六カ国の問題とそれから日朝の問題の連関というのは、実は日朝平壌宣言の中で先取りしているような部分があります。これは実は、日朝の二国間の文書ではあります、まだ六カ国協議が始まる前に結ばれていますけれども、始まる前に既に、後段、下から二段目あたりにありますけれども、この「地域の信頼醸成を図るための枠組みを整備していくことが重要である」、さらにその後、数行進みますと、「双方は、核問題及びミサイル問題を含む安全保障上の諸問題に関し、関係諸国間の対話を促進し、」という表現で、逆に言うと、これが六カ国協議の枠の方に進んでいっている。
ただ、この文書を結んだときには、拉致問題はこれで解決だという今の北朝鮮の主張に基づいた構成になっているわけでして、現実にそれが積み残されているという問題が出てきているわけですから、そういう意味で、遠い形で拉致問題とテロ支援国家の指定解除の問題というのは連携するけれども、直接には関係していない、こう見た方がいいんじゃないでしょうか。
重
重村智計#16
○重村参考人 テロ支援国家指定解除の問題は拉致問題と密接に関連していると言うべきだろうと思いますね。
これは、ブッシュ大統領は、テロ支援国家指定解除と拉致の問題は非常に密接だということはよく理解している。なぜ理解しているかというと、テロ支援国家指定を解除すると日米同盟が非常に危機に瀕しかねないという現実を理解しているからですね。なぜ日米同盟が危機に瀕するかというと、同盟というのは二つの要素がないと成り立たない。一つは共通の敵と、共通の価値観。
拉致問題の解決というのは日米にとって共通の価値観であるわけで、もしアメリカが拉致問題の解決なくしてテロ支援国家指定を解除すれば、日本国民のアメリカに対する信頼の意識が極めて薄くなる、なくなる。アメリカは日本の拉致問題、人権問題に全く関心がないのではないかと思われる。日米の人権問題に関する共通の価値観というのがある、ですからテロ支援国家指定解除は日米同盟の危機に瀕する可能性があるということをブッシュ大統領もシーファー大使も理解しているために、非常に今慎重になっているというのが現実であることを理解いただきたい。
この発言だけを見る →これは、ブッシュ大統領は、テロ支援国家指定解除と拉致の問題は非常に密接だということはよく理解している。なぜ理解しているかというと、テロ支援国家指定を解除すると日米同盟が非常に危機に瀕しかねないという現実を理解しているからですね。なぜ日米同盟が危機に瀕するかというと、同盟というのは二つの要素がないと成り立たない。一つは共通の敵と、共通の価値観。
拉致問題の解決というのは日米にとって共通の価値観であるわけで、もしアメリカが拉致問題の解決なくしてテロ支援国家指定を解除すれば、日本国民のアメリカに対する信頼の意識が極めて薄くなる、なくなる。アメリカは日本の拉致問題、人権問題に全く関心がないのではないかと思われる。日米の人権問題に関する共通の価値観というのがある、ですからテロ支援国家指定解除は日米同盟の危機に瀕する可能性があるということをブッシュ大統領もシーファー大使も理解しているために、非常に今慎重になっているというのが現実であることを理解いただきたい。
木
木原誠二#17
○木原(誠)委員 ありがとうございました。
今お示しいただいた御認識は、相反するようでもあり、他方でやはり密接に関係しているということについては共通の認識かなと思います。
他方で、アメリカがまかり間違ってこのテロ支援国家指定解除という方に進んでいった、その場合でもアメリカはちゃんと拉致の問題をやってくれる、それはそうであろう、こう期待をしますけれども、我々として、また何らかのバッファーを持っておかなければいけないのかなというふうに思います。
そういう中で、李明博政権が今、対北ということでは大分政策を転換してきている、こういうところにあるのかなというふうに思います。拉致ということに関して言えば、同じ土俵に上がれるのは日韓かなと思いますけれども、韓国をどのように、活用するという言葉が適切かどうかわかりませんけれども、活用することができるかということについて、伊豆見参考人の御意見があれば拝聴したい、このように思います。
この発言だけを見る →今お示しいただいた御認識は、相反するようでもあり、他方でやはり密接に関係しているということについては共通の認識かなと思います。
他方で、アメリカがまかり間違ってこのテロ支援国家指定解除という方に進んでいった、その場合でもアメリカはちゃんと拉致の問題をやってくれる、それはそうであろう、こう期待をしますけれども、我々として、また何らかのバッファーを持っておかなければいけないのかなというふうに思います。
そういう中で、李明博政権が今、対北ということでは大分政策を転換してきている、こういうところにあるのかなというふうに思います。拉致ということに関して言えば、同じ土俵に上がれるのは日韓かなと思いますけれども、韓国をどのように、活用するという言葉が適切かどうかわかりませんけれども、活用することができるかということについて、伊豆見参考人の御意見があれば拝聴したい、このように思います。
伊
伊豆見元#18
○伊豆見参考人 李明博政権が誕生したことで、拉致問題についても日韓の協力というものが、前の政権と比べればはるかにできる部分が生じたというのは事実だと思いますけれども、しかし、韓国が我々に対して、我々の拉致問題の解決のために協力してくれる範囲というのは、私は、アメリカが現在日本に対してとっている姿勢、態度を超えるものはないと思います。すなわち、韓国がこれから南北対話を進める中で、常に日本の拉致問題を提起し、日本の拉致問題の解決のために北朝鮮が努力をするように訴えかけるということは期待できるであろう。しかし、それ以上のことが韓国側から得られると考えることは私はできないというふうに思います。
それともう一点、韓国が抱えておりますのは、国軍捕虜と拉致、拉北者という言い方をしていますけれども、これを合わせますと千名を超える。実は安否確認も終わっていないところでありますので、まず第一が安否確認であり、第二が家族の再会、第三段階で希望者の帰国、こういう三段階でやろうとしているというのは、これは李明博政権も同じであります。
解決するために李明博政権はこれを積極的に行おうとしていますが、どういう形でやるかといえば、恐らく取引の形になる。第一段階の、すなわち安否確認に北朝鮮がこたえてきた場合に何らかの見返りを韓国は出す、家族再会が実現すればまた何らかの見返りを出すというような形に恐らくなるのであろうと思います。あるいは、人道支援をここにリンクさせるかもしれない。人道支援として援助するのであれば、最初に北朝鮮が拉致あるいは国軍捕虜問題で譲歩すべきであるという姿勢をとるかもしれません。
いずれにせよ、李明博政権下で、彼らの自国の拉致問題の解決のためにとり得る方法は取引になるということでありまして、これは今我が国がやろうとしていないことでありますから、この点で協力ができるのかどうかというのは全く別の問題だろうと思います。
この発言だけを見る →それともう一点、韓国が抱えておりますのは、国軍捕虜と拉致、拉北者という言い方をしていますけれども、これを合わせますと千名を超える。実は安否確認も終わっていないところでありますので、まず第一が安否確認であり、第二が家族の再会、第三段階で希望者の帰国、こういう三段階でやろうとしているというのは、これは李明博政権も同じであります。
解決するために李明博政権はこれを積極的に行おうとしていますが、どういう形でやるかといえば、恐らく取引の形になる。第一段階の、すなわち安否確認に北朝鮮がこたえてきた場合に何らかの見返りを韓国は出す、家族再会が実現すればまた何らかの見返りを出すというような形に恐らくなるのであろうと思います。あるいは、人道支援をここにリンクさせるかもしれない。人道支援として援助するのであれば、最初に北朝鮮が拉致あるいは国軍捕虜問題で譲歩すべきであるという姿勢をとるかもしれません。
いずれにせよ、李明博政権下で、彼らの自国の拉致問題の解決のためにとり得る方法は取引になるということでありまして、これは今我が国がやろうとしていないことでありますから、この点で協力ができるのかどうかというのは全く別の問題だろうと思います。
木
木原誠二#19
○木原(誠)委員 ありがとうございました。
時間が大分なくなってきましたので、最後の質問にしたい、こう思います。
宇惠参考人と重村参考人にそれぞれお伺いしたいと思いますけれども、今、伊豆見先生のお話を伺っておりますと、拉致の問題を考えるに当たって、やはり我々日本自身がかなりの決意を持って臨むということが基本であろう、このように思います。
そういう中で、重村参考人には、今回、独自の経済制裁措置を継続するということになった場合、今後、これをより強化するということがあり得るのかどうか、強化するところがどこかあるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
宇惠参考人には、先ほど、むしろ拉致問題の解決のためには、この経済制裁についてもう一度効果と目的をはっきりすべきである、どのような状態になったら緩めるのかあるいは強めるのかということをはっきりする、こういうことであったと思いますけれども、なかなか、この拉致ということについて、フェーズを分けて効果と目的をはっきりさせるというのは難しいと思うんですけれども、具体的に何かお考えがあればお聞かせいただければというふうに思います。
この発言だけを見る →時間が大分なくなってきましたので、最後の質問にしたい、こう思います。
宇惠参考人と重村参考人にそれぞれお伺いしたいと思いますけれども、今、伊豆見先生のお話を伺っておりますと、拉致の問題を考えるに当たって、やはり我々日本自身がかなりの決意を持って臨むということが基本であろう、このように思います。
そういう中で、重村参考人には、今回、独自の経済制裁措置を継続するということになった場合、今後、これをより強化するということがあり得るのかどうか、強化するところがどこかあるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
宇惠参考人には、先ほど、むしろ拉致問題の解決のためには、この経済制裁についてもう一度効果と目的をはっきりすべきである、どのような状態になったら緩めるのかあるいは強めるのかということをはっきりする、こういうことであったと思いますけれども、なかなか、この拉致ということについて、フェーズを分けて効果と目的をはっきりさせるというのは難しいと思うんですけれども、具体的に何かお考えがあればお聞かせいただければというふうに思います。
重
重村智計#20
○重村参考人 拉致問題の解決にまず一番重要なのは、金正日総書記に直接話をしないとこれは解決しないという問題。金正日総書記に直接話をできる人はだれかといえば、各国の首脳ですね。韓国の大統領、中国の胡錦濤主席あるいはプーチン、ロシアの大統領、さらにはアメリカの大統領。そういう首脳に直接、金正日総書記に手紙を出すなり、あるいは会ったときに直接きちんと話してくれと。中国は、もともと日本の拉致問題には協力するつもりだったんですが、靖国の問題が出たために頓挫してしまった。ですから、中国としては積極的にやる意向があるということですね。
それから、経済制裁の問題に関しては、最初にお話ししたように、経済制裁は、別に制裁の目的のためにやるのではなくて、相手が対話に乗ればいつでも段階的に解除する。ですから、目的は対話である、対話で問題を解決するということを常に言っていくことが重要で、さらに、経済制裁の話が出るたびに、北朝鮮が対話に応ずれば段階的に解除する準備があるという方針をはっきり言うこと、それを、相手にメッセージを伝える。
ただ、それに応じない場合には、いろいろな、技術的には日本からの特に先端部品、先端技術の製品が、北朝鮮にとってはミサイルあるいは核開発にとって最も重要なもので、それの取り締まり、輸出させない、第三国経由で輸出させないという国際的な協力をつくっていくことが一番重要。
よく経済制裁は効果がないと言う人がいる。これは真っ赤なうそでして、経済制裁が効果があるから制裁を解除してくれと言っているわけでして、細かい数字とかを挙げるとまた面倒くさいんですが、効果が上がっているから北朝鮮は困っている、だから解除してくれと言ってきているんだという現実を認識いただきたいと思います。
この発言だけを見る →それから、経済制裁の問題に関しては、最初にお話ししたように、経済制裁は、別に制裁の目的のためにやるのではなくて、相手が対話に乗ればいつでも段階的に解除する。ですから、目的は対話である、対話で問題を解決するということを常に言っていくことが重要で、さらに、経済制裁の話が出るたびに、北朝鮮が対話に応ずれば段階的に解除する準備があるという方針をはっきり言うこと、それを、相手にメッセージを伝える。
ただ、それに応じない場合には、いろいろな、技術的には日本からの特に先端部品、先端技術の製品が、北朝鮮にとってはミサイルあるいは核開発にとって最も重要なもので、それの取り締まり、輸出させない、第三国経由で輸出させないという国際的な協力をつくっていくことが一番重要。
よく経済制裁は効果がないと言う人がいる。これは真っ赤なうそでして、経済制裁が効果があるから制裁を解除してくれと言っているわけでして、細かい数字とかを挙げるとまた面倒くさいんですが、効果が上がっているから北朝鮮は困っている、だから解除してくれと言ってきているんだという現実を認識いただきたいと思います。
宇
宇惠一郎#21
○宇惠参考人 似たようなお話になるかと思うんですけれども、結局、制裁によって北朝鮮を対話の場に引き出すということが目的であったわけですけれども、現実には彼らは出てこない。しかも、拉致の問題について、生存者全員の帰国だといっても、彼らは、その事柄自体が存在しない、もう亡くなった方は亡くなったと言っておるんだという話であれば、これは幾ら制裁をしているから彼らは認めるだろうということにはならないわけですね。
そうすると、やはり制裁によって、それを解除する条件として、北はきちっと誠実に拉致の問題も含めて対話に乗るということを約束させるということがやはり必要になってくるんだろうと思うんです。
そうした対話がもう一度再開された中で、やはり日本側が要求すべき事柄は、拉致の問題について、いわゆる不明点に関しての再調査を、日本側はきちんと警察の組織人も入れた形の調査団を送り込むという形を要求すべきだろうと思われます。
この発言だけを見る →そうすると、やはり制裁によって、それを解除する条件として、北はきちっと誠実に拉致の問題も含めて対話に乗るということを約束させるということがやはり必要になってくるんだろうと思うんです。
そうした対話がもう一度再開された中で、やはり日本側が要求すべき事柄は、拉致の問題について、いわゆる不明点に関しての再調査を、日本側はきちんと警察の組織人も入れた形の調査団を送り込むという形を要求すべきだろうと思われます。
木
山
江
江田康幸#24
○江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。
本日は、大変お忙しい中、三名の先生方には、この参考人質疑においでいただきまして、ありがとうございます。
私の方からも二十分で質問をさせていただきたいと思います。
先ほど来からの先生方のお話で、今の北朝鮮の置かれている状況、また六者協議の方向、さらには対外的な、韓国等の状況等について、大変よく、わかりやすく御説明をしていただきましたので、頭の整理もできたところでございますけれども、それに関して多少質問をさせていただきます。
最初に、伊豆見先生も、また宇惠先生も、それから重村先生も、同様に、この米朝協議が妥協に向かって大きく進むだろうという点では一致した見解でございました。
六者会合をめぐっては、昨年の九月以来開かれていない状況が続いていたわけですけれども、そしてまた、先月においてもヒル国務次官補との協議は相調わなかった、しかし今回に至って、四月八日から米朝協議が再開されて、最終的な詰めに入ったところで大きく動き出したということでございます。
その方向については、これまでの具体的な北朝鮮に対する対応が三点あったかと思うんです。そういうようなところで、具体的にこの協議が進んでいく、妥協に向かって進んでいくというその状況について、再度、これまで要求してきたアメリカの三点の問題についても、どのような方向でいくのか、それがどうして妥協に向かって進むと言えるのか、それを再確認させていただきたいと思います。
伊豆見先生、そして宇惠先生にお願いしたいと思います。
この発言だけを見る →本日は、大変お忙しい中、三名の先生方には、この参考人質疑においでいただきまして、ありがとうございます。
私の方からも二十分で質問をさせていただきたいと思います。
先ほど来からの先生方のお話で、今の北朝鮮の置かれている状況、また六者協議の方向、さらには対外的な、韓国等の状況等について、大変よく、わかりやすく御説明をしていただきましたので、頭の整理もできたところでございますけれども、それに関して多少質問をさせていただきます。
最初に、伊豆見先生も、また宇惠先生も、それから重村先生も、同様に、この米朝協議が妥協に向かって大きく進むだろうという点では一致した見解でございました。
六者会合をめぐっては、昨年の九月以来開かれていない状況が続いていたわけですけれども、そしてまた、先月においてもヒル国務次官補との協議は相調わなかった、しかし今回に至って、四月八日から米朝協議が再開されて、最終的な詰めに入ったところで大きく動き出したということでございます。
その方向については、これまでの具体的な北朝鮮に対する対応が三点あったかと思うんです。そういうようなところで、具体的にこの協議が進んでいく、妥協に向かって進んでいくというその状況について、再度、これまで要求してきたアメリカの三点の問題についても、どのような方向でいくのか、それがどうして妥協に向かって進むと言えるのか、それを再確認させていただきたいと思います。
伊豆見先生、そして宇惠先生にお願いしたいと思います。
伊
伊豆見元#25
○伊豆見参考人 実はアメリカが要求していることはだんだんだんだん変わってきているというふうに思った方がいいと思うのでありますが、最初は一番きついことを言って、だんだんその部分が、のり代の部分がとれてくるという話だと思います。
現在では、今回の申告の問題に関しては、大きく三つの分野について、北朝鮮がいわゆる完全で正確な申告をすべきだと要求をしております。第一が核物質、第二が施設、第三が核計画、そういう三つの分野に分けてアメリカは要求をいたしております。
核物質の部分は、主たるものはプルトニウムの量でありまして、これもちょっとあいまいになりますのは、九二年以前に北朝鮮が抽出したプルトニウム、さらに二〇〇三年以降に抽出したプルトニウム、本当はもっと峻別して考えた方がいいのかもしれませんが、一応それを認めた形で、一体どれだけこれまで北朝鮮がプルトニウムを生産したのかということを明らかにさせるということが一点です。
それと、二番目の施設というのは、そのプルトニウムをつくってきた施設ということになりますし、あるいは核実験の施設、あるいは核実験を行うためのデザインを行った施設等もそこに入ってくるか。しかし、ここにはウラン濃縮に関する施設は恐らく入っていないんだろうと思います。
そして、三番目の核計画というのが一番面倒くさいといいますか大変なところでありまして、この核計画は、一つは、もちろんプルトニウムによる核兵器計画を彼らはやってきたわけですから、それが第一。第二がウラン濃縮による核計画。そして第三に外国との核協力。言ってみればシリアの話が今一番もめておりますので、その話であるということです。
この三つの分野について北朝鮮がきちっとした申告をするようにという求め方をいたしております。
が、そもそもは、完全かつ正確な申告というのを、技術的に考えて、文字どおりそれをやらせようと思ったら、これはほとんど不可能ですし、現実には数年から五年ぐらいかかってもおかしくない話であります。というのは、完全かつ正確であることのためには我々がその過程を検証するということが必要になる、そのやりとりが、往復が相当なきゃいけないわけです。
しかし、今回の話は、六カ国の合意はそういうものではないと我々は考えるべきであって、まずは申告がなされ、それについて検証はその次の段階で、進めながらやるという話になるだろうと思います。
一番大きな問題はもちろんプルトニウムでありまして、プルトニウムに関しては、技術的に考えた場合に、上限で六十キログラム、下限で三十キログラム、北朝鮮が抽出して持っていると考えられます。したがって、このレンジ、六十キロから三十キロの中に入っている範囲で北朝鮮が申告をしてくるのであれば、一応それは受け入れられる。しかし、その北朝鮮の申告した内容を今後は第三段階で、ベリフィケーションですから、調べてどのくらいあるかとベリファイをして、その上でそれを吐き出させる、国外に搬出する、すなわちアメリカに引き渡すという意味ですけれども、そういう方に持っていこうとしているということでありまして、これが一番問題になる。
あとはウランとシリアの問題ですが、これは、過去確実にやっていたことを我々は知っておるわけであります。ウラン濃縮を北朝鮮が計画として持っていた、それを進めていた。あるいは、シリアとの間に何らかの核協力があったということもわかっている。ということは、それを最低北朝鮮は認めることが今回の申告で必要でありますし、それがどういうものであったのか、そしていつ彼らはそれをやめたのか、あるいは今もやっているならばそれは現在どうなっているのかということを検証していく過程は第三段階になってから始まるということになろうかと思います。
今はそういう形で米朝で話が進んでおりまして、問題になったのは、ウランとシリアの問題が一番ひっかかっておりましたが、どうやらそこがある程度まとまるということであれば、プルトニウムに関しては、先ほど申し上げましたように、ともかく六十キログラムから三十キログラムの間のレンジに入った形が出てくれば、次はそれを第三段階で検証する、検証して吐き出させる、そういう順番になっていくと思います。
この発言だけを見る →現在では、今回の申告の問題に関しては、大きく三つの分野について、北朝鮮がいわゆる完全で正確な申告をすべきだと要求をしております。第一が核物質、第二が施設、第三が核計画、そういう三つの分野に分けてアメリカは要求をいたしております。
核物質の部分は、主たるものはプルトニウムの量でありまして、これもちょっとあいまいになりますのは、九二年以前に北朝鮮が抽出したプルトニウム、さらに二〇〇三年以降に抽出したプルトニウム、本当はもっと峻別して考えた方がいいのかもしれませんが、一応それを認めた形で、一体どれだけこれまで北朝鮮がプルトニウムを生産したのかということを明らかにさせるということが一点です。
それと、二番目の施設というのは、そのプルトニウムをつくってきた施設ということになりますし、あるいは核実験の施設、あるいは核実験を行うためのデザインを行った施設等もそこに入ってくるか。しかし、ここにはウラン濃縮に関する施設は恐らく入っていないんだろうと思います。
そして、三番目の核計画というのが一番面倒くさいといいますか大変なところでありまして、この核計画は、一つは、もちろんプルトニウムによる核兵器計画を彼らはやってきたわけですから、それが第一。第二がウラン濃縮による核計画。そして第三に外国との核協力。言ってみればシリアの話が今一番もめておりますので、その話であるということです。
この三つの分野について北朝鮮がきちっとした申告をするようにという求め方をいたしております。
が、そもそもは、完全かつ正確な申告というのを、技術的に考えて、文字どおりそれをやらせようと思ったら、これはほとんど不可能ですし、現実には数年から五年ぐらいかかってもおかしくない話であります。というのは、完全かつ正確であることのためには我々がその過程を検証するということが必要になる、そのやりとりが、往復が相当なきゃいけないわけです。
しかし、今回の話は、六カ国の合意はそういうものではないと我々は考えるべきであって、まずは申告がなされ、それについて検証はその次の段階で、進めながらやるという話になるだろうと思います。
一番大きな問題はもちろんプルトニウムでありまして、プルトニウムに関しては、技術的に考えた場合に、上限で六十キログラム、下限で三十キログラム、北朝鮮が抽出して持っていると考えられます。したがって、このレンジ、六十キロから三十キロの中に入っている範囲で北朝鮮が申告をしてくるのであれば、一応それは受け入れられる。しかし、その北朝鮮の申告した内容を今後は第三段階で、ベリフィケーションですから、調べてどのくらいあるかとベリファイをして、その上でそれを吐き出させる、国外に搬出する、すなわちアメリカに引き渡すという意味ですけれども、そういう方に持っていこうとしているということでありまして、これが一番問題になる。
あとはウランとシリアの問題ですが、これは、過去確実にやっていたことを我々は知っておるわけであります。ウラン濃縮を北朝鮮が計画として持っていた、それを進めていた。あるいは、シリアとの間に何らかの核協力があったということもわかっている。ということは、それを最低北朝鮮は認めることが今回の申告で必要でありますし、それがどういうものであったのか、そしていつ彼らはそれをやめたのか、あるいは今もやっているならばそれは現在どうなっているのかということを検証していく過程は第三段階になってから始まるということになろうかと思います。
今はそういう形で米朝で話が進んでおりまして、問題になったのは、ウランとシリアの問題が一番ひっかかっておりましたが、どうやらそこがある程度まとまるということであれば、プルトニウムに関しては、先ほど申し上げましたように、ともかく六十キログラムから三十キログラムの間のレンジに入った形が出てくれば、次はそれを第三段階で検証する、検証して吐き出させる、そういう順番になっていくと思います。
宇
宇惠一郎#26
○宇惠参考人 北朝鮮の核問題、特に現在問題になっている第二段階、次の段階の問題というのは二点あって、一つは既存の施設の無能力化の問題、それからもう一つは完全かつ正確な計画の申告、計画及び施設、核物質の申告の問題であります。
これは、切り口を変えると、こういう切り口ではなくて、アメリカが問題にしているのは、現在及び未来の問題、これが一つ、それからもう一つは過去の問題、そういう仕分けが逆に可能なんだろうと思うんです。
まずは、将来の問題、現在の問題。すなわち、現在持っている施設について無能力化して、将来的にもそこから新たな核物質を生み出さない、それがある意味では一義的、最大の目的になっているんだろう。
ただし、伊豆見先生もおっしゃったように、もう一つは、それぞれの問題についての過去の問題。これは、プルトニウムの抽出についても、現在、将来とめるにしても、過去どれだけあったのか、どれだけ出したのか。特に九四年の第一次危機のときにもごまかしてしまった、それ以前の抜き出したものから、あるいは途中で稼働停止したと言われている中でどのぐらい抽出したのかという過去の問題、これを積み上げないと一体幾ら持っているのかわからない。
もう一つは、ウランの問題については、もう今持っていないよと言っている、あるいはもともとないと言っているんだけれども、過去にどこまでやろうとしたのか、それはどこの協力でやろうとしたのかということが、これは将来的な、先ほど言った現在、将来の問題とはかかわらないけれども、核の拡散の問題とも非常に重要なかかわりを持ってくる。
もう一つは、まさに核の拡散の問題も、シリアに対して、あるいはシリアのみならずパキスタンとの協力の問題、あるいはイランとどうなっているのかという問題等について、アメリカとの間では、現在はないよ、それは御存じでしょう、将来的にもないよと、恐らくその辺でごまかそうとしている。では、過去、いわゆるパキスタンのカーン博士との協力問題も含めて、どういう形で彼らが計画全体を持っていたのか。
過去の問題について、アメリカは、こだわりつつも、現在、将来の問題が先に進めば、それは二義的な問題として処理する、それが妥協の本質だろうと思われます。
この発言だけを見る →これは、切り口を変えると、こういう切り口ではなくて、アメリカが問題にしているのは、現在及び未来の問題、これが一つ、それからもう一つは過去の問題、そういう仕分けが逆に可能なんだろうと思うんです。
まずは、将来の問題、現在の問題。すなわち、現在持っている施設について無能力化して、将来的にもそこから新たな核物質を生み出さない、それがある意味では一義的、最大の目的になっているんだろう。
ただし、伊豆見先生もおっしゃったように、もう一つは、それぞれの問題についての過去の問題。これは、プルトニウムの抽出についても、現在、将来とめるにしても、過去どれだけあったのか、どれだけ出したのか。特に九四年の第一次危機のときにもごまかしてしまった、それ以前の抜き出したものから、あるいは途中で稼働停止したと言われている中でどのぐらい抽出したのかという過去の問題、これを積み上げないと一体幾ら持っているのかわからない。
もう一つは、ウランの問題については、もう今持っていないよと言っている、あるいはもともとないと言っているんだけれども、過去にどこまでやろうとしたのか、それはどこの協力でやろうとしたのかということが、これは将来的な、先ほど言った現在、将来の問題とはかかわらないけれども、核の拡散の問題とも非常に重要なかかわりを持ってくる。
もう一つは、まさに核の拡散の問題も、シリアに対して、あるいはシリアのみならずパキスタンとの協力の問題、あるいはイランとどうなっているのかという問題等について、アメリカとの間では、現在はないよ、それは御存じでしょう、将来的にもないよと、恐らくその辺でごまかそうとしている。では、過去、いわゆるパキスタンのカーン博士との協力問題も含めて、どういう形で彼らが計画全体を持っていたのか。
過去の問題について、アメリカは、こだわりつつも、現在、将来の問題が先に進めば、それは二義的な問題として処理する、それが妥協の本質だろうと思われます。
江
江田康幸#27
○江田(康)委員 ありがとうございました。
より正確に申していただきましたので、今後の六者協議が妥協へ進むということが理解できるんですが、おっしゃられるように、第二段階でできるところまでのことを妥協して第三段階へ向かうというような点で進むんだろうと思われます。
次の質問でございますけれども、先ほど伊豆見先生がおっしゃいましたが、米朝協議が妥協へ向かって大きく進む、そういう中において、アメリカは、拉致問題の解決なしにテロ指定国家の解除をしていく可能性があるだろう、それは、我が国にとっては、この拉致問題の解決にとってはマイナスではないのではないかということを先ほど述べられました。その点について、そう思われる、確信を再度お聞きしたいと思うんですが。
〔委員長退席、高木(毅)委員長代理着席〕
この発言だけを見る →より正確に申していただきましたので、今後の六者協議が妥協へ進むということが理解できるんですが、おっしゃられるように、第二段階でできるところまでのことを妥協して第三段階へ向かうというような点で進むんだろうと思われます。
次の質問でございますけれども、先ほど伊豆見先生がおっしゃいましたが、米朝協議が妥協へ向かって大きく進む、そういう中において、アメリカは、拉致問題の解決なしにテロ指定国家の解除をしていく可能性があるだろう、それは、我が国にとっては、この拉致問題の解決にとってはマイナスではないのではないかということを先ほど述べられました。その点について、そう思われる、確信を再度お聞きしたいと思うんですが。
〔委員長退席、高木(毅)委員長代理着席〕
伊
伊豆見元#28
○伊豆見参考人 ありがとうございました。
繰り返しになりますので恐縮でございますが、そもそも、アメリカがテロ国家指定を北朝鮮に対してかけましたのは一九八七年の大韓航空機事件がきっかけでありまして、そこから、テロ・スポンサリング・ステートということですから、テロを支援するだけじゃなくて、自分で主宰するというか主管するので、自分がテロを発動する国でもあるわけですね、そういうことでやってまいりましたが、日本政府の強い要請を受け入れて、拉致問題の進展、解決というものに対しても背を向けているということは問題だ、それもテロ国家の一つの理由であるということで、加えたのは二〇〇三年以降だったと思います。
三、四、五、六、七と四年間きたわけでありますが、途中から加わったことによって拉致問題が何か前進したか、進展したか、アメリカのその強い姿勢が何か功を奏したかということになりますと、残念ながらなかった。
今回に関しても、例えばよど号の関係者が日本に引き渡されるということになりますと、よど号のハイジャック犯そしてその家族の中で、三名、拉致問題の容疑者がいるわけでありますが、その容疑者が引き渡される、そういうことにもなるわけですが、それも実は、アメリカがその指定をかけていることで実現はしなかったということでもあります。
そういうことを考えますと、今回解除されたからといって特にマイナスになるということは私はないんであろうと思うのは、今まで、指定の中にその拉致問題という条件を入れておいたことで実は拉致問題にとって大きなプラスだったという、目に見える形での進展があったということを我々は認めることができないからであります。
それともう一つ、先ほど強調させていただきましたのは、アメリカは実は本当に、ブッシュ大統領自身が、決してこの問題は忘れない、この問題を日本人が非常に重視していることを自分はよく理解しているということに何回か言及したように、この問題を必ず首席代表会議では提起しています。こういうことをやってくれている国はほかにどこにもないわけでありまして、もちろん、韓国は、去年南北首脳会談の際に、盧武鉉大統領が日本人拉致問題のことを提起されましたけれども、アメリカの場合はともかくその数が多いといいますか、しつこいわけでありまして、ともかく何回でもそれを言うということであります。
しかも、六カ国協議、六者会合のプロセスが今後進展していくのであれば、必ず正常化という問題が出てくる。それは二〇〇五年九月の合意にそういう項目が含まれているわけでありまして、これは宇惠参考人がお配りした紙で見ていただければわかるわけでありますが、その正常化というのは、アメリカと北朝鮮及び日本と北朝鮮の正常化なんですね。ですから、六者会合の合意というのが実現されて非核化が実現されるためには日朝の正常化も必要ということをアメリカは強く言っていますし、その日朝の正常化が実現するためには拉致問題の解決が必ず必要だということももちろん言っている。
そういうアメリカの強い主張あるいはこれまでとってきた姿勢に今後も変化があるとは全く考えられませんので、それも、私は、アメリカの姿勢としては結構なことではないかと考えている次第であります。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →繰り返しになりますので恐縮でございますが、そもそも、アメリカがテロ国家指定を北朝鮮に対してかけましたのは一九八七年の大韓航空機事件がきっかけでありまして、そこから、テロ・スポンサリング・ステートということですから、テロを支援するだけじゃなくて、自分で主宰するというか主管するので、自分がテロを発動する国でもあるわけですね、そういうことでやってまいりましたが、日本政府の強い要請を受け入れて、拉致問題の進展、解決というものに対しても背を向けているということは問題だ、それもテロ国家の一つの理由であるということで、加えたのは二〇〇三年以降だったと思います。
三、四、五、六、七と四年間きたわけでありますが、途中から加わったことによって拉致問題が何か前進したか、進展したか、アメリカのその強い姿勢が何か功を奏したかということになりますと、残念ながらなかった。
今回に関しても、例えばよど号の関係者が日本に引き渡されるということになりますと、よど号のハイジャック犯そしてその家族の中で、三名、拉致問題の容疑者がいるわけでありますが、その容疑者が引き渡される、そういうことにもなるわけですが、それも実は、アメリカがその指定をかけていることで実現はしなかったということでもあります。
そういうことを考えますと、今回解除されたからといって特にマイナスになるということは私はないんであろうと思うのは、今まで、指定の中にその拉致問題という条件を入れておいたことで実は拉致問題にとって大きなプラスだったという、目に見える形での進展があったということを我々は認めることができないからであります。
それともう一つ、先ほど強調させていただきましたのは、アメリカは実は本当に、ブッシュ大統領自身が、決してこの問題は忘れない、この問題を日本人が非常に重視していることを自分はよく理解しているということに何回か言及したように、この問題を必ず首席代表会議では提起しています。こういうことをやってくれている国はほかにどこにもないわけでありまして、もちろん、韓国は、去年南北首脳会談の際に、盧武鉉大統領が日本人拉致問題のことを提起されましたけれども、アメリカの場合はともかくその数が多いといいますか、しつこいわけでありまして、ともかく何回でもそれを言うということであります。
しかも、六カ国協議、六者会合のプロセスが今後進展していくのであれば、必ず正常化という問題が出てくる。それは二〇〇五年九月の合意にそういう項目が含まれているわけでありまして、これは宇惠参考人がお配りした紙で見ていただければわかるわけでありますが、その正常化というのは、アメリカと北朝鮮及び日本と北朝鮮の正常化なんですね。ですから、六者会合の合意というのが実現されて非核化が実現されるためには日朝の正常化も必要ということをアメリカは強く言っていますし、その日朝の正常化が実現するためには拉致問題の解決が必ず必要だということももちろん言っている。
そういうアメリカの強い主張あるいはこれまでとってきた姿勢に今後も変化があるとは全く考えられませんので、それも、私は、アメリカの姿勢としては結構なことではないかと考えている次第であります。
ありがとうございます。
江
江田康幸#29
○江田(康)委員 あっという間に時間がたってしまいましたので、最後に重村参考人にお聞きをしたいんですが、特に重要な日本側の対応についてということなんです。
福田総理、福田政権にかわってどうだったかということでございますけれども、施政方針演説の中では、総理は、この六者協議の場を通じて関係各国と連携して核の放棄を求めていく、また、すべての拉致被害者の一刻も早い帰国を実現して、不幸な過去を清算して日朝国交正常化を図るべく、引き続き最大限の努力を行っていくと述べてスタートをしたわけですけれども、対北朝鮮政策、具体的なアクションとしては私は非常に消極的ではないのかと思うわけでございます。
やはり、今、大変日本の姿勢とリーダーシップが問われていると強く思うわけでございますけれども、きょう参考人の先生方に説明をしていただきました、今回六者協議が大いに妥協へ向けて進むその背景には、それこそ北朝鮮の行き詰まった現状、それとやはり韓国の対北朝鮮政策の大きな方向転換というような外的な要因等も大変大きい。そういう中で、福田政権、我が国の政府がこの拉致問題の解決に向けて、これは日朝と六カ国協議、これを同時に進めていくことが大変重要であるわけでございますけれども、先ほど来もございましたけれども、どう明確に行動をとっていくべきか。
重村先生も、はっきりと、拉致問題を解決すれば経済支援は可能であるとか、明確に伝えながら、一方で、核問題が解決しない限り国交正常化は難しい、こういうふうに明言して進むべきだというようなこともこれまでにもおっしゃっておられますが、現状の段階で我が国のとるべき強い姿勢としてどのようにあるべきか、それを最後にお聞かせいただきたいと思います。
この発言だけを見る →福田総理、福田政権にかわってどうだったかということでございますけれども、施政方針演説の中では、総理は、この六者協議の場を通じて関係各国と連携して核の放棄を求めていく、また、すべての拉致被害者の一刻も早い帰国を実現して、不幸な過去を清算して日朝国交正常化を図るべく、引き続き最大限の努力を行っていくと述べてスタートをしたわけですけれども、対北朝鮮政策、具体的なアクションとしては私は非常に消極的ではないのかと思うわけでございます。
やはり、今、大変日本の姿勢とリーダーシップが問われていると強く思うわけでございますけれども、きょう参考人の先生方に説明をしていただきました、今回六者協議が大いに妥協へ向けて進むその背景には、それこそ北朝鮮の行き詰まった現状、それとやはり韓国の対北朝鮮政策の大きな方向転換というような外的な要因等も大変大きい。そういう中で、福田政権、我が国の政府がこの拉致問題の解決に向けて、これは日朝と六カ国協議、これを同時に進めていくことが大変重要であるわけでございますけれども、先ほど来もございましたけれども、どう明確に行動をとっていくべきか。
重村先生も、はっきりと、拉致問題を解決すれば経済支援は可能であるとか、明確に伝えながら、一方で、核問題が解決しない限り国交正常化は難しい、こういうふうに明言して進むべきだというようなこともこれまでにもおっしゃっておられますが、現状の段階で我が国のとるべき強い姿勢としてどのようにあるべきか、それを最後にお聞かせいただきたいと思います。