農林水産委員会

2009-11-17 衆議院 全134発言

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会議録情報#0
平成二十一年十一月十七日(火曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 筒井 信隆君
   理事 石川 知裕君 理事 梶原 康弘君
   理事 小平 忠正君 理事 森本 和義君
   理事 森本 哲生君 理事 北村 誠吾君
   理事 宮腰 光寛君 理事 石田 祝稔君
      石津 政雄君    石原洋三郎君
      石山 敬貴君    磯谷香代子君
      金子 健一君    河上みつえ君
      京野 公子君    小林 正枝君
      後藤 英友君    佐々木隆博君
      高橋 英行君    玉木 朝子君
      玉木雄一郎君    津川 祥吾君
      道休誠一郎君    中野渡詔子君
      仲野 博子君    野田 国義君
      福島 伸享君    柳田 和己君
      山岡 達丸君    山田 正彦君
      和嶋 未希君    赤澤 亮正君
      伊東 良孝君    江藤  拓君
      小里 泰弘君    金田 勝年君
      谷川 弥一君    鳩山 邦夫君
      保利 耕輔君    山本  拓君
      西  博義君    吉泉 秀男君
    …………………………………
   農林水産大臣       赤松 広隆君
   農林水産副大臣      山田 正彦君
   農林水産大臣政務官    佐々木隆博君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         針原 寿朗君
   農林水産委員会専門員   板垣 芳男君
    —————————————
委員の異動
十一月十七日
 辞任         補欠選任
  河上みつえ君     小林 正枝君
  津川 祥吾君     磯谷香代子君
  小里 泰弘君     赤澤 亮正君
同日
 辞任         補欠選任
  磯谷香代子君     津川 祥吾君
  小林 正枝君     河上みつえ君
  赤澤 亮正君     小里 泰弘君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 農林水産関係の基本施策に関する件
     ————◇—————
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筒井信隆#1
○筒井委員長 これより会議を開きます。
 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房総括審議官針原寿朗君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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筒井信隆#2
○筒井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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筒井信隆#3
○筒井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮腰光寛君。
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宮腰光寛#4
○宮腰委員 おはようございます。
 赤松大臣が就任をされて、大きな農政転換をしようという中での委員会のトップバッターで質問を行わせていただきたいと思います。
 まず、民主党農政の基本的な考え方について、大臣にお伺いをいたしたいと思います。
 平成十四年十二月、民主党は、「農林漁業の再生こそ日本と地球を救う!」という文書を公表いたしました。農林業の多面的機能の対価として、一定規模以上の経営体に所得補償、つまりは直接支払いを行うことを基本として、財源は農水省予算の補助金を整理することで確保するというのがその基本であります。
 続く平成十五年の食糧法改正案、十六年の民主党農林漁業再生プラン、十七年の農政等の改革に関する基本法案、十九年の農業者戸別所得補償法案という一連の流れの中でも、直接支払いという基本的な考え方は一貫をしてまいりました。
 一方、この間の農政転換に際し、例えば担い手への直接支払いを目指した品目横断的経営安定対策に対しましては、小農切り捨てと批判し、民主党としては、米、小麦、大豆、菜種等を計画的に生産するすべての販売農家に対して一兆円規模の直接支払いを導入すると主張してまいりました。民主党の筒井議員も、平成十八年四月五日の農水委員会におきまして、多面的機能は、学術会議の貨幣価値によれば、農業だけで年間七、八兆円ある。その多面的機能の対価のほんの一部として、こういう直接支払い制度を導入する、そのことを国民にきちんと説得し、納得してもらうと発言をしておいでになります。そうですよね。
 参議院選挙直前のこの時点では、民主党農政において、戸別所得補償という概念が明確に存在していなかったということをまずしっかりと指摘しておきたいと思います。
 二十二年度概算要求に盛り込まれている二つの事業、米戸別所得補償モデル事業と水田利活用自給力向上事業は、これまでの民主党農政の基本である多面的機能の対価としての直接支払いの具体案そのものであると理解していいのかどうか。大臣からお伺いをいたしたいと思います。
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赤松広隆#5
○赤松国務大臣 先生御指摘のように、また我が党がかねてから主張をしてまいりました、たまたま今委員長もやられておられるんですが、筒井議員を初めこの委員会の中でも、こうした課題について、それぞれ党の主張、それぞれの議員の主張もしてきたところだと思います。もちろん、それを否定するものではありません。私どもは、多面的機能、一般的に言われる水、緑、環境、そういうようなことも、農業の持つ、あるいは農村が持つ非常に大きな機能、役割だと思っております。
 しかし、今回私どもが提案をしております戸別所得補償制度というのは、それよりももう少し原点のところといいますか、農村そのものが、あるいは農業そのものが、もう本当に待ったなしの状況に来ている。例えば、農業者の人口もそうですし、所得も十五年前と比べて半分だとか、あるいは耕作放棄地についても、三十九万ヘクタール、埼玉県と同じだ、東京の一・八倍だとよく言います。そしてまた、担い手といいますか農業に従事する人たちも、高齢化がどんどん進み、後継者がいないという中で、農業の再生こそが日本の地域の再生、食と環境の再生につながっていく。
 この面で私どもは、とにかくこの戸別所得補償制度を導入することによって、旧来の政権の批判ではありませんけれども、一部一定程度の規模以上に比較的厚く支援をしてきた制度から、まさに多面的機能、水、緑、環境というようなことでいえば、採算上非常に不利な条件の皆さん、小規模の農家の皆さん方も含めて、そういう地域でも、こうした、しっかりと農業に従事をしていただける、希望があれば、あるいは取り組む意欲さえあれば、すべての農業従事者が頑張れる、そういう仕組みをぜひ考えていきたいという中で、今回、この戸別所得補償制度を提案させていただいておる。
 もちろん、本格実施は二十三年ですので、あくまでも二十二年度はモデル事業ということで、その一部の、まずモデル事業としてやらせていただく。そして、あわせて二十三年の本格実施に向けて、まだデータ等も不足をしているところもありますから、そういうデータや調査ということも含めて、今御提起をさせていただいているというところでございます。
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宮腰光寛#6
○宮腰委員 多面的機能の対価としての直接支払いという従来の主張とは若干違ってきている、具体的には、より幅広い概念であるという御答弁だったと思います。
 私は、この戸別所得補償制度というのは、これは農業所得が低下した場合のセーフティーネットであって、多面的機能の対価としての性格は本来持っていないというふうに思います。
 一方、条件不利補正のための中山間地域直接支払い、さらには多面的機能の維持のための農地、水、環境保全向上対策、この二つの仕組みは、まさに農業、農村の果たしている多面的機能の対価としての直接支払いでありまして、規模を問わない、あるいは条件不利地域に重点を置いているという意味で、社会政策として国民から広くあるいは十分な理解が得られているというふうに考えております。
 しかし、今回の戸別所得補償は、直接支払いとしての政策の根拠が全く明らかではありません。
 まず、産業政策としては、多面的機能に基づく所得補償という考え方自体に問題があります。それに加えて、全国で展開されている多様な農業を阻害するような全国一律の支援単価などは、どう考えてみても政策根拠を無視した乱暴な政策であるというふうに言わざるを得ません。
 産業政策と社会政策の組み合わせで多様な農業を支援するという基本的な考え方に立った場合、所得補償制度には産業政策としての明確な根拠と目標が欠かせないはずであります。そんなものは必要ないとおっしゃるのか。あるいは、所得補償は多面的機能の対価であるという理由だけで国民を説得し、あるいは納得してもらうということが本当に可能なのかどうか。大臣にもう一度お伺いをしたいと思います。
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赤松広隆#7
○赤松国務大臣 多少繰り返しになるかもしれませんが、私は多面的機能がすべてだとは申し上げておりません。水、緑、そして環境ということは非常に重要です。しかし、それよりももう一つ、本来の食料の生産あるいは農家の成り立ち、そういうところがもう今崩壊しつつあるということでありますから、そこを、規模が大きかろうが小さかろうが、あるいは先生御指摘の、今、中山間地の問題がありましたけれども、中山間地についての直接支払いも、制度としてはもちろん続けてまいります。
 そういう中で、農業、農村を再生していこう、再生させることが、ひいては結果的には、多面的機能、今言われるような、お金とか物とかそういうものではかれない、そういう機能についても、十分それを得ることができるという意味で私どもは申し上げているということで、御理解をいただきたいというふうに思います。
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宮腰光寛#8
○宮腰委員 政策目的がはっきりしない、産業政策であるのか社会政策であるのか。直接支払いというのは、やはり国民の皆さんの理解があって初めて打てる政策であります。でありますので、私は、今回の問題について、政策目的はどうなのかと。
 今大臣からおっしゃった話は、農業、農村の再生に資するということであれば必ず国民の理解が得られるはずだ、そんな簡単な問題ではありません。社会政策なのか産業政策なのか明確にしないと、結果として農村現場で大きな混乱が起きるということになるわけであります。
 今回の概算要求に盛り込まれた二つの事業、発表以来、農村現場で大きな議論とかつてない混乱を引き起こしているという状況にあります。この政策を打てば担い手農家が元気になって規模拡大が進むという見方がある一方で、担い手農家に貸していた農地を返せという貸しはがしが既に起きているという現実。さらに、農家の貸し手側からの地代引き上げ要求にどう対応するのか。八万円、地代要求があったら本当にどうするのか。さらに、需要が減っている米に生産が集中し、麦、大豆など自給率向上のための増産は雲散霧消するのではないか。借り手の集落営農、これは全国で一万三千経営体、五十万ヘクタールの農地集積がありますけれども、その集落営農や借地農家の側からは経営崩壊の懸念も伝えられているわけであります。
 農村現場ではこのような相反する事態が起きるということが想定されているわけでありますけれども、制度設計の責任者として、この相反する事態が起きる可能性についてどう見るか、大きな混乱を招いたときにだれがどう責任をとるのかということについて、大臣からお聞かせいただきたいと思います。
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赤松広隆#9
○赤松国務大臣 今御指摘がございましたけれども、まだ、モデル事業、本格実施ではなくて二十二年度のモデル事業について、できるだけ地域の皆さん方にこの制度の本当のところをちゃんと理解してもらおうということで、各地方の農政局を通じまして、それぞれの団体や地域の皆さん方にちょうど今御説明をしておるところでございます。
 そういう中で、先生御指摘、御心配のような、今まで担い手に農地を貸していた人で、では、それだったらおれたちがやってみようかということでの、多分そういう意味での貸しはがしということを言われているんだろうと思いますが、それがどんどん起きているということを、この時点ではですよ、この時点では私ども聞いておりませんし、この制度そのものが、しっかりと理解をしていただけば、むしろ、旧来は農地集積を皆さん、前政権も含めて努力をされてきたんですが、実際には農地の集積よりも農地がなくなっていく方が多い。毎年約二万ヘクタールが消滅している。二万ヘクタールというと、僕はよく例に例えて言うんですけれども、東京ドーム四千二百八十個分が毎年毎年消えていっている。これに何とか歯どめもかけていかないと、単に採算が合うとか合わないとかを初め、それ以前の問題として、もう農村あるいは地方がますます荒廃をしていくということになるわけでございます。
 そういう意味で、御批判も今一部、先生からは御指摘いただきましたけれども、今回は特に全国一律の単価ということで、全国一律の単価ということは、土地を集積して農地を集積して、そして生産性を上げてコストを下げていけばいくほど、それは全部自分の収入に、手取りが多くなっていくことにつながっていくわけですから、その意味でいえば、むしろ反対に、農地の集積、大規模化を進める、あるいは営農農家にとっては、協業化を進めることによってより多くの収益を得るように努力をしていこうと、規模拡大にもつながっていく、このようにも考えておるところでございます。
 一方、担い手が存在しない地域については、小規模農家や高齢農家が反対に、そういう小さな規模でも少なくとも最低限の岩盤部分は補償するわけですから、その意味でいえば、やっていくことができるという意味で、引き続いて、あるいは改めて農業に取り組める環境ができていくのではないか。そして、そういう方たちがやっていく中で、やはり個人でこういう小規模でやっているよりも、みんなで力を出し合って集落の形でやっていこう、あるいはもう少し大規模化を進めていこうというようなことにつながっていくように、これは私どもの努力もいろいろありますけれども、そういうことを期待しながらこの制度が考えられているということをぜひ御理解いただきたいというように思っております。
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宮腰光寛#10
○宮腰委員 一つの政策で二つの相反する政策目的を達成できるというお話でありました。それは不可能であります。
 今回の現場の混乱というのは、今回の政策転換の方向がどっちの方向を向いているのか明確でないということに起因をしている、私はそう思っております。
 さきの通常国会におきまして、集落営農を含む担い手農家に農地を集積していくという方向で、民主党さんの賛成も得て、五十七年ぶりに農地法の抜本改正が実現をいたしました。議院修正の場面でともに汗を流していただいた筒井委員長に改めて敬意を表したいというふうに存じます。
 農地法改正の趣旨からいたしまして、今後の農政は、集落営農を含む担い手に農地を集積していくという方向を基本として進むべきであるというふうに思います。今回の農政転換は本当にどっちの方向を向いているのか。すべての販売農家を支える方向なのか、それとも担い手農家を支えるのか。政策の目的が明らかでないからこそ現場の混乱が起きるということでありまして、もう一度大臣から、どっちを向いていこうとしているのか、お答えをいただきたいと思います。
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赤松広隆#11
○赤松国務大臣 これは宮腰委員も多分おわかりの上で御質問されていると思いますが、私どもは、改正農地法で土地の集約化を進めていくということは、我が党も修正には賛成したわけですから、決して否定しているものではありません。しかし一方、では小規模の農家はもう切り捨てていっていいのか、もうなくていいのかということは、先生自身も多分そう思っておられない、このように思います。
 農業全体を考えるときに、土地の集約、大規模化、あるいは営農する上での協業化、これが重要であることは当然でありますけれども、一方、先ほど言いましたように、水、緑、環境、そういう多面的な機能を考えるときに、今までのように一定規模以上のところに集中して応援をしていくというやり方から、そこもやるけれども、しかし、本当に地域の緑、環境を支えてくれている、そういう小規模の農家、高齢者の農家、あるいは兼業というところもあるかもしれません。そういうところについても、何とか農業がやっていけるような、そういう方策もとらなければ、これは単に、利益の上がる大規模のところだけ残しておけばいいんだ、小さいところはみんな切り捨てだ、あるいは土地、みんな出させてなんということにならないわけです。
 先生も御存じのとおり、先ほど私も言いましたが、今、耕作放棄地が三十九万ヘクタールある。しかし、三十九万ヘクタールすべてが農業に最適の地域ばかりではありません。約十万ヘクタールはそれに大変適していると言われていますけれども、それ以外はそれほど適していないところも正直言ってあるわけで、では、ほかのところはどうでもいいんだということにはならないのではないかというふうに私は思っております。
 今、特に日本の場合は食料自給率四一%なんという、他の国々と比べて極めて低い数字になっている。かつて、私がちょうど大学生のころ、一九六〇年終わりから七〇年代のころは、たしか日本の食料自給率も六〇ぐらい、あるいは七〇近いぐらいの数字が、今ちょっと手元に数字がありませんけれども、あったのではないかと思いますが、そこからあっという間に今の四一まで、あるいは四〇まで落ちてしまったわけでございます。
 そういう意味で、食料自給率を向上していく。中心となる、基幹となるようなそういう作物については、少なくとも自給率五〇%、半分以上はちゃんと国で賄うことができる。食料安保という意味ばかりではなくて、ぜひその目標に向かって私どもは、十年後に五〇%、二十年後に六〇%という一応の目標を今考えながら、正式には食料・農村のあの基本計画の中にそれをきちっと位置づけたいとは思っておりますけれども、そんな方向で農業振興に向けて頑張っていきたいというふうに思っております。
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宮腰光寛#12
○宮腰委員 当然のこととして、小規模農家の方々がそれにふさわしい地域を守っていただけるような仕組みをしっかり打っていくということは、これは当然であります。でありますから、中山間地域の直接支払い、農地、水、環境保全向上対策、それに加えて、これまで集落営農の推進にも全力で取り組んできたわけであります。
 しかし、今回のは、トータルパッケージで見たときに、例えば地域特産をどうするのか。単価ががたっと下がりました。後でこれは山田副大臣に御質問させていただきたいと思いますが、トータルパッケージで見ると、決して今大臣がおっしゃったような形にはなっていないということであります。
 そこで、問題は、この戸別所得補償の戸別というのは何ぞやということであります。
 これまで私どもが行ってまいりました、いわゆる品目横断的経営安定対策、これは個々の経営体に着目をし、経営所得が過去の平均を下回った場合に、個々の経営体の過去平均の所得の大部分を補てんするという基本的な考え方でやってまいりました。言うなれば個別方式であります。
 今回の米戸別所得補償モデル事業及び水田利活用自給力向上事業は、これは全国平均の生産費と販売価格の差額を全国一律の単価で支払う、米以外の転作作物についても基本的には全国一律単価で支援をするというものであります。北は北海道から南は九州、沖縄まで、全国で多様な農業が展開されているという実態、また、それぞれの地域においても多様な経営実態があることを全く考慮に入れておらず、果たしてこれが戸別と言えるのかという強い疑念があります。
 例えば、政治の世界で戸別訪問といったときに、一軒一軒とか家ごとに訪問するという意味であることは政治家ならだれでもおわかりだと思います。まさに今回の戸別ということについては、看板に偽りありであります。戸別補償ではなくて一律補償と言いかえるべきではないか。そもそも一律補償というのは、先ほど申し上げたとおり、産業政策ではなくて社会政策であります。戸別とは産業政策なのか社会政策なのか、果たして何ぞやということをお聞きしたいと思います。
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赤松広隆#13
○赤松国務大臣 これは非常にわかりやすく申し上げると、戸別所得補償ですから、戸別に直接お金を支払いますよ、交付金を払いますよと。もっと極端に言えば、国の機関であります農政局から、農業者の、これは農協に口座があるかもしれません、郵便局かもしれません、そこに直接支払いますよ、振り込みをしますよということなんです。
 今まではいろいろな団体を通じて払っていましたが、私どもの言っている戸別というのはそういう意味なんです。直接支払いますよ、そういうことなんです。ぜひそういうことで御理解いただきたい。
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宮腰光寛#14
○宮腰委員 それは手続上の問題であって、農家の受けとめ方は全く違うんです。一軒一軒の農家の赤字を一円に至るまでそれぞれ補てんをしてくれるというのが戸別所得補償だと思っているんです。今の大臣の言い方は、単純な手続上の問題ですよ。農家の口座に直接支払うというのが直接支払いでありますよと。今までは中に地域水田農業協議会があるとかいうことであって、今回は直接だと、単純に手続上の問題だけで直接支払いとおっしゃっているということであります。
 戸別とはどういうことか。一軒一軒あるいは一個一個の経営体に対して、それぞれの経営状態を見ながら補てんをしていくというのが戸別所得補償のあり方であります。今のは、単純に手続の問題だけをおっしゃっておいでになるにすぎない。
 でありますので、仮に来年の通常国会で法案が出てきた場合、戸別という文字が法案の名称に入っておれば、名称の変更を求めるか、あるいは制度の中身の抜本的な変更を求めていかざるを得ないということを申し上げておきたいと思います。
 次に、副大臣にお伺いをいたしたいと思います。
 生産調整はなぜ必要か。それは、米の需要が減少する一方で、基盤整備が進み、それにより機械化で生産力が向上し、単収が大幅にアップしたことで需給のバランスをとらざるを得なくなった、これが原因であります。もちろん、農家に我慢を強いるわけでありますから、一部に強い不満があることも事実であります。
 一方で、稲作農家の大部分は、米価を維持し、そして継続的な生産を確保するために、やむを得ずではあっても、みずからもしくは集落単位で生産調整のルールを守ることで農業、農村を維持し、さらに、麦、大豆などの生産によって日本の自給率向上にも貢献をしてきたという誇りを持っております。
 今回の政策転換で、主食用米については生産調整を維持し、水田利活用自給力向上対策では生産調整とのリンクを外すことになっております。つまり、所得補償と水田利活用とはリンクしていないという仕組みになります。これでは米の生産調整は成り立ちません。その上に、生産調整は廃止しますという民主党の参議院選挙公約によりまして、小規模な農家の中には生産調整に参加しなくてもよいというイメージが先行しているというのが実態であります。
 そこで、まず第一に、米の需要が減少する中で、生産調整のルールが守られなかった地域で、主食用米の生産調整に参加を希望する農家が急増した場合、都道府県や市町村への生産数量目標の配分をどう調整するのか。現場を預かる県や市町村は困惑をするのではないか。その際、これまでルールを守ってきた地域や農家について、配分で不利とならないような手品が可能なのかどうか、山田副大臣からお伺いをいたしたいと思います。
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山田正彦#15
○山田副大臣 宮腰委員がおっしゃっているように、年々主食米の需要は減ってきております。そんな中で、私ども、この米のいわゆる所得補償をするに当たって、やはり一番大事なことは、過剰な生産を避けなければいけないということを考えました。そんな中で、いわゆる米の生産数量目標、それに参加してくれる農家に対してのみ定額の所得補償をやろうと。
 もともと、この所得補償制度は、米はかつて六十キロ二万三千円もしたわけですが、実際に今は一万三千円ぐらいにしかならないし、生産費が販売価格を大きく上回っている、そういう中において、その生産費といわゆる販売価格との差額、これを、過去数年間の平均を出して、その定額部分を補てんします、所得補償しますと。
 それに参加する農家だけ補てんしますから、かなり需給は、需給はというか、生産数量目標を私どもが設定して、例えば全国で去年の消費、ことしの消費等々の傾向はわかりますから、それをもとにして、できるだけ早くと言いますが、十一月の末か十二月の初めには全国の生産数量目標を決めて、各都道府県におろして、ことしは水田協議会とかそういうところをもとにして生産数量目標参加の農家を決めていただく。そういう形できちんとおろしていけば、私は、過剰米が生じたり云々ということはあり得ないと思っております。
 もう一つおっしゃいました、リンクを外すと。今まで、いわゆる生産調整に参加した農家にだけ麦とか大豆についてはいろいろ助成がなされたわけですが、これから先、自給率の向上を考えますと、この食料自給率を達成するためには、リンクを外して、本当に水田を有効に、麦とか大豆、飼料米、そういった作物を大いにつくってもらわなきゃいけない、これが私どもの政策でありまして、食料の安定的な供給、たったわずか四一%しか食料自給率がない今の日本の農政は余りにもみすぼらしい。やはりそういう意味では、自給率向上事業は大変大きなものだと思っております。
 そのとき三つ目の、今、宮腰さんのお話ですが、いわゆる今まで生産調整に協力したところとそうでないところの不公平感はリンクを外すことによってどうかということですが、今まできちんと守ってきたところに対してもそれなりの定額分の所得補償があるわけですから、今回リンクを外すことによっていささか、確かに不公平感というのが出ないことはないかもしれませんが、それより、より農業の持つ自給率の向上、いわゆる麦、大豆、飼料作物、飼料米の生産はもっと大事だと思っていますし、より有効に耕作放棄田をなくす、そういう意味でもこの政策は大変大事だと我々は考えております。
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宮腰光寛#16
○宮腰委員 配分で不利にならないかということをお聞きしたのであって、実は、今の不公平云々ということについては、次の質問で聞こうと思っておったんです。
 これは答弁は要りませんが、水田利活用自給力向上対策、これは今おっしゃったように、米の生産調整を守る人も守らない人も同一単価になります。これが、これまで以上に不公平感を拡大することにならないかというのが実は二つ目の質問であったわけであります。なります。御答弁は要りません。
 自給力向上対策、これは、十アール当たり麦、大豆の三万五千円はもちろん、地域振興作物も、基本的には全国一律単価の一万円ということになっております。現在の産地確立交付金の実態と大きくかけ離れた単価であります。我が県の県花でありますチューリップ、この球根は十アール当たり四万八千円。一万円ではありません。ハト麦五万八千円。タマネギ三万円。一万円の単価では、これらの地域特産は生産不可能に追い込まれます。
 全国の地域特産の産地形成は、長年にわたってこの交付金によって支えられてきたし、地域の話し合いによって単価を決めるという農水省のこれまでの方針も、高く評価をされてまいりました。また、これまでの仕組みを前提に、秋まき麦やチューリップなど、来年度の営農計画が既に進んでいるという実態もあります。地域特産の産地形成を大きく損なう全国一律単価方式ではなく、地域の話し合いによって決めるというこれまでの方式に基本的に戻す考えがあるのかどうか、お聞きしたいと思います。
 山田副大臣、お願いいたします。
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山田正彦#17
○山田副大臣 私ども、戸別所得補償を考える際に、できるだけシンプルに、簡便に、複雑な申請手続をせずに、そして即受けられるようなという、簡便な方式を考えました。したがって、単価も、地域によって生産コストは違います。しかし、それながら全国一律という形でとらえさせていただきましたが、同時に、そうなったときに、それ以外の自給力向上対策と申しますか、いわゆる地域によってはタマネギとかチューリップとか、麦、大豆等々について、これまでの産地づくり交付金でそこに厚くやっていた部分が薄くなってしまう、そういう事態が生じるということも私ども承知はいたしております。
 しかしながら、麦、大豆、そういったものについては三万五千円、米については、飼料米については八万円、その他の作物について一万円と、そういった単価設定を私どもさせていただきましたが、いわゆる水田を利用して、米にそれだけの定額の所得補償はあるわけですから、麦が三万五千円あって、今までの産地づくり交付金でもっと、五万とか六万あったとしたって、麦と米の分の所得補償を合わせればある程度の補てんが十分できていくんじゃないか。大豆もしかり。ヤジ下がる部分が一部あることは私どもも承知しております。
 しかし、それ以上に、米含め、麦、大豆、飼料米、これについては八万円出すわけですから、水田を活用した農業政策においては、大きく農家全体から考えればメリットがある。地域によって、今まで産地づくりで厚くしたところについては少し下がる部分があることは、私どももそこは認識しておりますが、ぜひそういう意味での御理解をいただきたい、そう思っております。
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宮腰光寛#18
○宮腰委員 多面的な機能に対する直接支払いという考え方が、今の御答弁には全く生かされていないと思います。
 簡便な方式でと、これはイコール知恵がないということなんですよ。今の山田副大臣のお話は、これまでの単価との差額は地方単独で埋め合わせをしてほしいと言わんばかりの話であります。今回の農政転換は地方にとって改善と言えるのか。改悪な部分が、その懸念が極めて強いと思います。多様な農業の展開は国の仕事ではないとの仕分けとしか映りません。このことを申し上げておきたいと思います。
 次に、また大臣にお伺いをいたしたいと思います。
 富山県の砺波平野あるいは黒部平野に代表される見事な農村景観の代名詞が散居村であります。その散居村が江戸時代の初期になぜできたかという政治的な意味を大臣は御存じでしょうか。
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赤松広隆#19
○赤松国務大臣 先生から御通告をいただきまして、私もちょっと調べてみました。
 私の理解で言えば、当時、砺波平野は非常に川のはんらん等が多くて、そのはんらんから逃れるために農家の人が高台に家をつくった。そして、その高台の周りにずっと畑をつくるようになってきた。しかし、その後、江戸時代にかんがい等が進んで、その心配が、平地であっても用水路網が整備をされて、平野部の開拓も進んで、まさにその高台を中心とした一つの集落になって、見事な散居形態の集落が形成された。
 ちなみに、今、富山県の場合は、そういうものが、いわば今で言う集落営農の原型になるようなものだと言ってもいいと思いますけれども、そういう集落営農の数が七百四十一と、滋賀県に次いで全国二位、そういう形で非常にうまく集落営農が行われている、そういう地域だという理解をしております。
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宮腰光寛#20
○宮腰委員 今おっしゃったのは、確かに間違いありません。しかし、政治的な意味ということで申し上げれば、加賀藩が、真宗王国越中の国を支配するための集落分断政策として、江戸時代の初期にこの散居村というのが実は考えられたわけであります。集落分断政策の結果が散居村になっているということを富山県の人は今でも知っている方が多いわけであります。
 しかし、その富山県が、今、集落全体で協力をして地域農業あるいは農地を守っていこうという、今おっしゃったとおり滋賀県と並んで集落営農のメッカになっているということであります。集落こそが、例えば、お祭り、盆踊りを初めとする地域の伝統行事、あるいは地域の伝統的食文化、さらには日本社会の最も大切な助け合いの精神、相互扶助の精神をはぐくんでいる、そういう日本の原点であるということを決して私は忘れてはいけないのではないかというふうに思います。
 集落機能の崩壊、話し合いや助け合いによるきずなの崩壊、これは日本社会全体の崩壊につながると思いますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
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赤松広隆#21
○赤松国務大臣 委員御指摘のように、確かに、集落が持つ機能、役割、そして、単に農業にとどまらず、まさに地域の文化的な、伝統文化といいますか、そういうのを継承していく意味合いでも非常に大きな役割を果たしていると思いますし、また、地域のつながり、連帯、そういう意味でも極めて重要な形態だと理解をしております。
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宮腰光寛#22
○宮腰委員 なぜこのことを申し上げたかといえば、今度の仕組みは、結果として地域の話し合いが必要なくなる、不要になってくるという仕組みにつながっていく危険性があるからであります。集落の機能というのは、話し合い、助け合いの精神が支えているということでありまして、私は、今回の、例えば生産調整のルールを守っても守らなくても同じ単価であるとか、そういうことが結果として集落機能の崩壊につながっていく端緒になるということを最も実は懸念をしているわけでありまして、そういう意味で申し上げた次第であります。
 最後の問題として、制度設計の拙速さの問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 大臣は、所信で、大胆かつ有効な政策づくりに取り組むとお述べになりました。確かに大胆ではあります。今回の所得補償は、モデル事業といいつつ全国の米農家を対象にすることから、当然のこととしてしっかりとした制度設計がなければなりません。制度上の問題につきましては我が党の質問者が具体的に政務三役にただすこととしておりますけれども、これほど大胆な政策、農政転換が数多くの問題をはらみながら拙速に実施に移されることは、過去例がないと言わざるを得ません。あの朝日新聞でさえ、きのう、「拙速を避け、本格案に」という社説を掲げ、農水省案では日本農業の再生はおぼつかないとまで言い切っております。官僚としての矜持は一体どこに行ったのか。農村現場の大きな混乱を招いている農水省の政策担当者に、私から猛省を促したいというふうに思います。
 戸別所得補償制度推進本部で総括の副チーム長を務めている針原総括審議官から、拙速という批判にどう答えるのか、国家国民のための官僚として誇りある答弁を求めたいと思います。
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針原寿朗#23
○針原政府参考人 宮腰先生の御激励に感謝いたします。私は、いつも、大臣の意に従い、国家のため、農業、農村のために働きたいと思っております。
 今回の制度設計でございますが、農業従事者の減少や高齢化、担い手不足、農村の崩壊、所得の激減、このような危機的な状況にある中で、待ったなしの農業の手当てが必要だという観点に立って制度を設計しております。この点につきましては、前政権下の農政改革特別チームでも同じ認識を持っております。私ども、この状況につきましては、例えて言えば、深刻な病気にかかっている農業や農村をどうやって治癒させるか、そういう意味でいえば選択肢は余り広くないのではないかと私は個人的に思っております。
 そういう意味で、待ったなしの状況にあるこの農業、農村につきまして、まず、モデル事業を実施するように指示を受け、それを検討いたしました。その上で、二十三年度に本格的な制度に移行する、このような指示に基づいて制度設計を行ったわけでございます。
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宮腰光寛#24
○宮腰委員 待ったなしであるから拙速でいいということにはなりません。制度全体像がいまだに明らかになっていない、単価も明らかではない、こういう中でとにかくやるんだという姿勢は、私はもってのほかではないか。過去、農水省でこんなことをやったことはありません。
 拙速さの最大の原因、これは、冒頭申し上げましたように、民主党農政の基本である多面的機能の対価としての直接支払いという考え方から、二年前の参議院選挙を境に戸別所得補償へと転換したこと、つまり、選挙向けのばらまきを強く意識した政策へと変質したことにあります。
 現場の大きな混乱、今後の貿易交渉に与える大きな影響、食料自給率低下への懸念、そして将来ともに国民の理解が得られるかなど、極めて大きな問題を抱えながら拙速にこの仕組みをスタートさせていいものかどうか。私であれば、神仏の前で敬けんな気持ちでもう一度熟考することといたしますけれども、大臣にそのようなお考えはありませんか。
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赤松広隆#25
○赤松国務大臣 御指摘は御指摘として真摯に受けとめたいと思いますけれども、私どもは、農業、農村再生の中心の柱はまさにこの戸別所得補償制度だと確信をいたしておりまして、二十三年の本格実施に向けて、二十二年はぜひ本格実施に向けての下準備をきちっとやりたい。そのために、自給力の方も含めて約五千六百億円の巨額な予算を組みまして、この制度がスムーズに二十三年度本格実施できますように、モデル事業の取り組みを来年度やっていきたい。
 そして、このモデル事業の中で、もちろんいろいろな声が聞かれると思います、いろいろな結果が出ると思います。それをしっかり受けとめながら、そしてまた、よりよい方向で、二十三年度はそれがよりよい、さらにいい方向で進めるように、このモデル実施、そしてまた各種の調査等を来年度進めてまいりたいと思いますので、先生のよろしく御理解を賜りたい、このように思います。
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宮腰光寛#26
○宮腰委員 これで終わりますけれども、日本人は、神仏の前に座れば、本当に敬けんな気持ちで、今自分が置かれている立場で、国のことを思い、国民のことを思い、将来のことを思いつつ断を下すというのが日本人ではないか、そのことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
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筒井信隆#27
○筒井委員長 次に、江藤拓君。
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江藤拓#28
○江藤委員 自民党宮崎県選出の江藤拓でございます。
 宮腰筆頭の格調高い質問の後に私ということで、非常に緊張もしておりますけれども、先週、所信を大臣から伺いました。大臣は、農林水産政策に責任を持つ者だと高らかにおっしゃいまして、農林水産大臣としてその強い覚悟と決意を伺いました。非常に高く私は評価をいたしております。ぜひとも強いリーダーシップを発揮していただいて頑張っていただきたい。それは副大臣も政務官も同じでございます。
 決して私たちは足を引っ張ることを旨とするつもりはありません。いい政策には十分に協力をしてまいりますし。しかし、問題があれば厳しく追及もさせていただきたい、そして議員立法等でこの委員会に提出もさせていただきたい、そう考えておりますので、どうぞこれからよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、通告いたしましたとおり、まず初めに、今後の委員会の存在意義、委員会の運営等についても大きな影響をもたらすと考えておりますので、いわゆる今回行われております行政刷新会議について、質問の登録をした順番に沿って質問をしてまいりますので、大臣の率直な御意見、御感想をお聞かせいただきたいと思います。
 私も、この九月まで、農林水産政務官として農林水産省職員とともに日本の農政に真剣に取り組んできたつもりでございます。そして、たびたび官僚の皆さん方と対立もいたしました。中には私のことをすごく嫌っている人もいると思います。そして、たびたび、それであっても、日本の農政を憂う気持ちは全職員とともに共有しながら、職責を全うさせていただいたと思っております。
 また、事故米の発生、それからやみ専従、そういった問題が起こったときには、官僚の若手の諸君がみずから手を挙げて、ボランティアで、全くの無給で、ゴールデンウイークもすべて休みを返上して、みずからの手で農林水産省の改革を行うんだということでこのことに取り組んだことについては、非常に私は感銘を覚えました。
 そして、大臣に提出する前に私のところに報告書を持ってまいったわけでありますけれども、余りにも農水省に対して厳しい内容で、君、こんなものを出して出世の道が閉ざされるんじゃないか、大丈夫かと言いましたら、構いません、国家国民のため、農民のため、農水省がよくなるのであれば、私は、このままの形で、一文も添削をしていただくことなく提出していただいて結構ですと言われましたので、そのまま提出をさせていただきました。私はすばらしいことだと思います。
 私も、無駄な事業や重複している事業、そしてまた使い勝手の悪いものがあればどしどしと改善していただきたい。政権交代でそれが行われれば、私は国民のためにとてもいいことだと思います。
 私も、石破大臣の御指示で、近藤副大臣と、煩雑だというふうに批判が多かったいわゆる申請業務、これを六百五十七枚から半数以下に削減いたしました。ですから、現政権下の無駄をなくすという姿勢、その意気込みについては何ら異論を挟むものではございません。しかし、行政刷新会議のこのやり方については、余りにも乱暴で性急ではないかと思っておりますし、農林水産行政にとどまらず、国土交通関係など多くの省庁にわたって、納得いかない点が余りにも多過ぎます。
 農林水産関係では、行政刷新会議で昨日まで三十五の事業が仕分けの対象となっております。できれば本当はその一つ一つについて御感想を伺いたいんですが、戸別所得補償についても聞きたいことが山ほどありますので、今回は、農道整備事業の廃止の決定、これについての大臣の率直な思いをお聞かせいただくことを中心に議論を進めていきたいと思っております。
 およそ、あらゆる政策というものにつきましては常に見直しをしなければなりません。前政権下でも、その時々の時代の要請に応じて、重点化、縮小化は、実は行ってまいりました。農道整備についてもこれは例外ではございません。しかしながら、いまだ地方からは農道整備への要請が数多く寄せられているのは、委員の先生方も皆さん方、肌で感じていらっしゃると思います。
 大臣は所信の中で、農地集積を進めるということも触れられました。そういうことであれば、農道整備、それから基盤整備、こういったものは欠かせません。農地集積が進めば、当然、トラクターや農業機械のサイズはでかくなってきます。四十馬力でよかったものが八十馬力、北海道のように百馬力を超えるようなトラクターも必要になってくるでしょう。そうなれば、農道を整備しないと、結局農業機械が農地に入っていけないということになりますので、農道整備の重要性は言うまでもありません。しかし、マスコミや都会の経済学者、そういう人たちの中には、こういうものは要らないという御意見が多数あることも承知しております。それが今回の結果に反映されているのではないかということを危惧しております。
 平成二十二年度の概算要求を見せていただきました。これを見ますと、二十一年度二百三十四億円であったものが、約三割削減をされまして百六十九億円の要求額となっております。私としては、このような予算額では、大臣の思い、これを達成すること、それから地方の要請に十分にこたえることは非常に難しいのではないかということを実は危惧をいたしております。
 先週の水曜日から行政刷新会議の仕分けが行われました。第一ワーキンググループで農道整備の要否が議論され、これは必要ないという話でありますけれども、ここで大臣にお尋ねをしたいことがございます。
 民間有識者として十六名の方が仕分け人として参加をされました。どのような方々で構成されるのか、大臣は事前に報告を受けておられたんでしょうか。それとも、その人選にかかわっていらっしゃったんでしょうか。お答えをいただきたいと思います。
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赤松広隆#29
○赤松国務大臣 江藤委員には、農政に対する大変理解ある御発言を冒頭にいただきまして、心から感謝を申し上げたいというふうに思います。
 今、行政刷新会議の十六名のメンバーについての御指摘がありましたけれども、ここにメンバーがございますが、事前に、こういう人でやりますよという、決まってからの報告はありましたが、私が人選にかかわったとか、あるいは事前の相談を受けたとかいうことは、一切ございません。
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