行政監視委員会

2012-03-19 参議院 全72発言

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会議録情報#0
平成二十四年三月十九日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月五日
    辞任         補欠選任   
     田城  郁君     小見山幸治君
 三月六日
    辞任         補欠選任   
     江崎  孝君     徳永 エリ君
 三月八日
    辞任         補欠選任   
     義家 弘介君     青木 一彦君
 三月九日
    辞任         補欠選任   
    はた ともこ君     大久保 勉君
     青木 一彦君     義家 弘介君
     宮沢 洋一君     赤石 清美君
 三月十二日
    辞任         補欠選任   
     那谷屋正義君    はた ともこ君
     赤石 清美君     宮沢 洋一君
     山下 芳生君     大門実紀史君
 三月十三日
    辞任         補欠選任   
     大久保 勉君     那谷屋正義君
    はた ともこ君     林 久美子君
     大門実紀史君     山下 芳生君
 三月十四日
    辞任         補欠選任   
     林 久美子君    はた ともこ君
     岩井 茂樹君    三原じゅん子君
 三月十五日
    辞任         補欠選任   
    はた ともこ君     林 久美子君
    三原じゅん子君     岩井 茂樹君
     秋野 公造君     草川 昭三君
     田村 智子君     大門実紀史君
 三月十六日
    辞任         補欠選任   
     風間 直樹君     藤末 健三君
     林 久美子君     外山  斎君
     高階恵美子君     山崎  力君
     草川 昭三君     秋野 公造君
     大門実紀史君     田村 智子君
 三月十九日
    辞任         補欠選任   
     外山  斎君    はた ともこ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         福岡 資麿君
    理 事
                行田 邦子君
            ツルネン マルテイ君
                難波 奨二君
                白  眞勲君
                松村 龍二君
                寺田 典城君
    委 員
                足立 信也君
                小見山幸治君
                徳永 エリ君
                轟木 利治君
                那谷屋正義君
                西村まさみ君
               はた ともこ君
                藤末 健三君
                岩井 茂樹君
                宇都 隆史君
               北川イッセイ君
                中西 祐介君
                中山 恭子君
                長谷川 岳君
                宮沢 洋一君
                義家 弘介君
                秋野 公造君
                谷合 正明君
                田村 智子君
                山下 芳生君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青森 昭継君
   参考人
       元内閣官房副長
       官        古川貞二郎君
       東京大学大学院
       法学政治学研究
       科教授      森田  朗君
       大東文化大学法
       学部政治学科教
       授        東田 親司君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関
 する調査
 (行政改革と行政の役割分担に関する件)
    ─────────────
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福岡資麿#1
○委員長(福岡資麿君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、田城郁君、江崎孝君、高階恵美子君及び風間直樹君が委員を辞任され、その補欠として小見山幸治君、徳永エリ君、山崎力君及び藤末健三君が選任されました。
    ─────────────
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福岡資麿#2
○委員長(福岡資麿君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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福岡資麿#3
○委員長(福岡資麿君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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福岡資麿#4
○委員長(福岡資麿君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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福岡資麿#5
○委員長(福岡資麿君) 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。
 本日は、行政改革と行政の役割分担に関する件のうち、行政の組織・制度改革について参考人の方々から意見を聴取した後、質疑を行います。
 御出席いただいております参考人は、元内閣官房副長官古川貞二郎君、東京大学大学院法学政治学研究科教授森田朗君及び大東文化大学法学部政治学科教授東田親司君の三名でございます。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多忙のところ当委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 議事の進め方でございますが、古川参考人、森田参考人、東田参考人の順にお一人二十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず古川参考人にお願いいたします。古川参考人。
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古川貞二郎#6
○参考人(古川貞二郎君) 御紹介をいただきました古川貞二郎でございます。大変失礼でございますが、着席のまま御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、このような機会を賜りまして深く感謝いたします。
 私どもに与えられたテーマは行政改革と制度改正、制度の問題、行政制度の問題ということでございますが、必ずしも御趣旨に沿うかどうか分かりませんけれども、私が感じているものを率直に申し上げたいと思います。時間は二十分以内ということでございますので、一応レジュメを用意いたしましたので、レジュメに沿って申し上げたいと思います。
 御案内のとおり、中央省庁再編から十年以上が経過しております。改革の意義、目的につきましてはもう御案内のとおりでございますが、内閣機能の強化、それから大くくり再編による縦割り行政の弊害打破、それから透明性、効率性、簡素化というようなことが目的であったと思いますが、今日なおいろいろ課題が多いというふうに思っております。
 私は、合算しまして約十五年にわたりまして、内閣参事官、それから首席内閣参事官、内閣官房副長官といたしまして総理官邸に勤務いたしております。特に、副長官といたしまして五代の内閣の下で八年七か月勤務いたしておりまして、その間に特に感じたものというものについて申し上げたいと思うんですが、それは行政組織ないしはシステム自体と人材、運用の三位一体の重要性でございます。
 望ましい行政を展開するためには、行政組織自体が優れているということは当然といたしましても、それを担う人材そして運用いかんによっては相当程度この成果が左右される、まあ生きもすれば死にもするというふうな、そういう実態があろうかと思います。どんなに優れた組織であっても、それを担う人材に人を得ず、運用がよろしくないと、国民のために良い政というものは実現しないのではないかなということを実感しておるわけでございます。
 まず、そういったことを前提といたしまして、行政組織についてでございますけれども、先般の再編は内閣官房の強化ということが一つであったわけでございます。一言で申し上げれば、国政の重責を担う総理大臣がいかにリーダーシップを発揮できるか、そのための体制づくりというものがこの内閣官房に関しては重要であろうと思うわけでございます。つまり、内閣官房は、総理の文字どおりの手足といたしまして、国政の総合戦略の拠点であるわけでございます。
 先般の改革では企画立案権の明確化などが図られたわけでございますが、戦略性を持って機動的に動くということが望ましいことでございますので、内閣官房の在り方は、総理や官房長官のお考えとか、あるいは運営次第というような側面もあるということを申し上げたいと思います。
 具体的な内閣官房の強化といたしましては、官房副長官補の政治任用化、それから総理補佐官の増員、これは三人から五人、それと、再編よりちょっと前でございましたが、少し早めに内閣危機管理監が設置されたわけでございます。
 なお、官房副長官は、橋本内閣までは政治家、国会議員の方と行政出身の二人体制、それが小渕内閣から政治家の国会議員の方がお二人と行政出身一人という三人体制に変わっております。
 さらに、重要なことでございますけれども、総合戦略の拠点としての内閣官房でございますが、これを補佐する知恵の場といたしまして内閣府が設置されたことでございます。具体的には、経済財政諮問会議とか総合科学技術会議というそういった、その他にもございますが、そういったものがいわゆる知恵の場として戦略拠点としての内閣官房を補佐すると、こういう仕組みであったというふうに思います。
 課題といたしましては、主として運営の問題であろうかと思うわけでございますが、指揮命令と責任体制の明確化ということが一つあろうかと思います。東日本大震災などの対応、これは中におりませんのでひょっとして誤解があるかも分かりませんが、外で見ておりますと、この指揮命令と責任体制が不明確であるということが見受けられたわけでございます。何々本部とか参与とかの方がたくさん総理官邸に入られたやに承っておるわけでございますけれども、私の経験その他で考えますと、総理官邸、内閣官房というのは、総理、官房長官を中心に少数精鋭の体制、そして指揮命令系統と責任の関係がより明確であるというのが望ましいのではないかと思うわけでございます。
 二番目は、危機管理体制の強化ということでございますけれども、一つは、危機管理体制の強化のために設置された危機管理監の姿が、東日本大震災の対応に当たりましてはほとんどその姿が見えなかったような感じがするわけでございます。私は、政治主導ということでございますが、危機管理監という専門のそういう職種につきましては、これを使いこなしたら、もっと使いこなしたらいいんではないかというふうに思うわけでございます。
 なお、もう一つ問題は、危機管理体制に関しての問題は、国家の危機というのは、大きく、国防上の危機とそれから自然災害あるいは大事故、そういったものがあるわけでございますが、国防上の危機につきましては、現在の仕組みでは、内閣官房副長官補、安全保障担当が担当をしている、総理、官房長官の指揮下で担当しているわけでございます。
 ただ、初期におきましては、不審船等々で見られますように、国防上の問題につながるものなのか、重大な事件、事故、重大な事故ということで終わるのかというようなことが不分明でございまして、国防かどうか、そういった不分明な点がございますので、内閣危機管理監と安全保障担当の副長官補の役割といいますか、その点については更に整理する必要があるものというふうに感じております。
 次は、内閣情報体制でございますが、情報というものは、御案内のとおり、多元的に集めて一元的に管理することが鉄則でございます。的確、迅速性と、それからもう一つは、重大な情報問題でございますから守秘が必要でございます。私は、そういった点で、この内閣の情報体制というものは更に検討して工夫を凝らしていく必要があるのではないかというふうに考えております。
 それから四番目は、内閣総理大臣補佐官と内閣補佐官ということでございますけれども、現在の仕組みは、内閣補佐官ではなくて内閣総理大臣補佐官ということでございます。これは非常に大きな違いがあるわけでございまして、内閣補佐官ということになりますと、各省大臣や内閣府の各大臣との権限を整理する必要があるということでございます。
 そういうことで、行政改革におきましては、内閣総理大臣の補佐官、つまり総理大臣の目であり耳であり鼻であると、そういうようなことで、専門職、経済だとか外交とか防衛とか、そういった専門家ということを総理の言わば耳目として置くということが趣旨であったと思います。もちろん、政治家の方が、国会議員の方が補佐官になられることは一向に差し支えないわけでございますが、本来の趣旨は内閣補佐官ではなく内閣総理大臣補佐官としたところが一つの特色であったというふうに思います。
 次は、内閣府の関係でございますが、内閣府につきましては、内閣官房を助けて内閣の重要政策に関して各省の施策の統一を図るための企画、調整を行う知恵の場としての位置付けでございます。それからもう一つは、賞勲行政、国民生活行政などの実施事務というのが内閣府の役割でございますけれども、率直に申し上げまして、内閣府の仕事が多様過ぎまして、府としての一体性に欠ける状態になっているということでございます。
 それから、特命担当大臣が今現在八人、八つ特命担当があるというふうに伺っておりますが、大変安易と言ったら語弊がありますけれども、たくさん簡単に任命されている嫌いがありまして、内閣官房の特命担当と合わせると相当の数に上っているということでございますが、特命担当大臣を置く場合には、各省との関係など組織運営上の原則を明確にする必要があるのではないかと思っております。そうしませんと、特命ということで、対外的には、国民的には非常に重要政策が進んでいるかのように見えるわけですけれども、各省庁の権限との関係で、逆に責任の所在が不明確になってくるというような嫌いもございますので、そういった点が指摘されようかと思います。
 それからもう一つは、再編の目玉であった経済財政諮問会議等の重要政策会議が活用されていない状況でございます。もちろん、経済財政諮問会議に代わって国家戦略会議が代替機能を果たすということであろうかと思いますけれども、十分果たしていないのではないかと。また、総合科学技術会議は、例えば今回の原発事故に活用されているかどうかいささか疑問ではなかろうかというふうに思います。
 次、総務省でございますけれども、総務省は政府全体の組織定員の管理、人事行政、行政評価等々、ここに書いているような巨大官庁でございます。
 内閣府との関係につきましては、内閣府に調整事務の全てを担当させ、また実施事務を担当する外局の多くを内閣府に設置するということとなりますと、内閣府の組織が膨大なものになって、総合調整機能に支障を来すおそれがある、こういうことから人事、組織管理、それから行政監察事務等については総務省に担わせるというふうなこととされたわけでございます。
 ただ、課題といたしましては、これも率直に申し上げますと、自治省、それから郵政省、総務庁と、行政内容が異質過ぎる三省庁を統合したことは論理必然性に乏しいのではないかと。分野が違い過ぎて組織体としての統一が大変難しい状況になっておりますので、特に自治関係と郵政関係は非常に異質でありますので、こういった点については、時間が掛かるかも分かりませんが、しかるべき時期に見直すということも必要ではなかろうかというふうに考えております。
 それから、行政の役割でございますけれども、政と官の役割分担で、これも本当、原理原則的なことを申し上げまして恐縮でございますけれども、右肩上がり経済の時代は、いわゆる毎年増える所得、果実をいかに適正に配分するかということが行政の中心的な役割であったと思うわけでございます。右肩上がり経済というものが終わってまいりまして、もう新たな国民のニーズということは出てまいるわけでございますから、それにこたえるためには法律の改正をする、あるいは制度改正するという、こういった力仕事が必要になってくるわけでございます。まさにこの力仕事というのは政治の仕事でございまして、政治主導というのはある意味でいうと今日当然であろうというふうに思います。
 それでは、行政、公務員はどうなのかということでございますけれども、これは、行政は専門知識を活用して政治に対しまして選択肢を提示するということとともに、政治がある政策について方向を決めた、政治が決断した場合にはその政策を忠実に執行する、そういった役割が公務員にある、行政官にあろうというふうに思うわけでございまして、政と官は相互信頼に基づく役割分担に応じて両輪相まって行政を遂行していく、国家国民のために遂行すると、こういう役割ではなかろうかというふうに思います。
 それから、次は四辺回路と、まああえてこういう新しい言葉を使っておりますけれども、私は、やはりいい政が行われていくためには、総理と各閣僚、それから官邸における総理、官房長官と事務担当の副長官等、それから各省における大臣等政務三役と次官、官房長、局長等事務方、それから官邸における事務担当副長官と各省次官、この四つの回路というものが相互信頼に基づきまして情報とそれから対処方針を共有するということは、いい政を行っていくためには絶対に必要なものだというふうに感じているわけでございます。それが必ずしも十分ではないというところは一つの問題かと思います。
 それから、事務次官会議のことでございますけれども、これはもうつとに言われていることですが、改めて申し上げますと、事務次官会議の役割というのは大きくは三つございまして、一つは、法案が総理等の方針に違わないかどうかの確認行為でございます。例えば年金法の改正とか有事法制とかというような重要な法案が閣議で総理が初めて見るということはないわけでございまして、中身については十分総理が了解し決断されたものを法制局で法案の形にして、それが違わないかどうかを確認していたと。それは閣議という政府としては最終、最高の決定機関の前にそういったことが事務的にチェックをしていたということで、それが官僚が主導しているというふうな誤解がなされたかと思うんですが、その法案等の確認行為が一つ。
 それからもう一つは、総理、官房長官の指示伝達のシステムであったわけでございます。伝言ゲームに見られるように、一人一人にものを話しますといろいろ違ったニュアンスでものが取られるわけでございますけれども、一堂に各省の事務方のトップが集まったところで、総理、官房長官の指示を官房副長官が伝達する、守らなければどうして守らないかということを釈明させるというような、そういう指示伝達のシステムであったわけでございます。
 それからもう一つは、情報や対処方針の共有システム。といいますのは、次官会議が終わりますと、各省に戻りまして、次官は幹部を集めまして、そして次官会議では自分はこういうことを案件話したよと、それから各省では主な案件こういうのがあったよということを幹部に伝える。それから、幹部は、局長等は今度は翌日なりに各課長を、局内の課長を集めて次官からこういう話があったよというようなことで、そういうことを通じて各省庁の幹部が、自らの省務はもちろんのことでございますが、各省庁の動きを承知する仕掛けになっていたわけでございますが、これがなくなったことによって、情報や対処方針が新聞、テレビその他で見るような形になって、共有のシステムというものが壊れたということがございます。
 それから、事務次官会議は、明治十九年以降、法律に根拠がない組織にもかかわらず、百二十三年も有効に機能してきたわけでございまして、これを民主党政権は、発足に当たりまして、事務次官会議が恐らくは官僚主導の象徴だとみなされたかと思うんですが、議論もされることなく、つまり法律の根拠がないわけでございますから、これを廃止しようと言えばすぐ廃止できる、そういう意味で廃止されてしまったと思います。
 私は、事務次官会議は政と官をつなぐ役割を担うものでございまして、最も有効な政治主導の手段になり得るというふうに思います。名称は問わないけれども、是非何らかの形で復活、今も連絡会議は行われているようでございますが、復活する必要があるのではないか。その場合、今までは、本来官房長官が主宰者でございましたけれども、大変多忙ということで、その指示を受けて行政出身の副長官が司会進行役を務めていたわけでございますが、四、五十分でございますので、官房長官自らが名実共に主宰すると。そして、各省庁を政治主導という、がっちりとそれを、各省庁を掌握して政治を行うという、極めて有効な手段であろうと思います。
 最後でございますけれども、昨今、公務員を取り巻く環境は大変厳しいものがございます。これは時代の要請であり、例えば給与を下げるとかそういったことはある意味で当然としても、厳しい中にあっても公務員が誇りと使命感というものを持って公務に専念できる環境づくりということを御配慮お願い申し上げたいと思います。
 以上、簡単でございますけれども、御説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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福岡資麿#7
○委員長(福岡資麿君) ありがとうございました。
 次に、森田参考人にお願いいたします。森田参考人。
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森田朗#8
○参考人(森田朗君) 東京大学の森田でございます。本日は、このような意見を述べる機会を与えていただきまして大変光栄に思っているところでございます。
 私は三十年余り研究者を続けてまいりましたが、私の専門は行政学、広い意味での政治学の一部に当たる学問でございまして、これまで行政組織あるいは公共政策あるいは地方制度などについて研究をしてまいりました。また、研究者の立場からではございますけれども、一九九五年から始まりました地方分権改革、その後の橋本内閣のときの行政改革、さらには、その後の国立大学の法人化等の実際の改革にもかかわってまいりました。
 本日、資料としてお手元にあると思いますけれども、私の論文を資料とさせていただきましたけれども、それらの論文は橋本内閣の行政改革の後でそれについて執筆したものでございます。本日は、その論文で取り上げたようなテーマではなくて、これからお話しいたしますのは、その後の社会環境の変化をも踏まえて、我が国において九〇年代以降展開されてまいりました地方分権改革を含む行政改革全般について意見を述べさせていただきたいと思っております。どういうことを述べるかということにつきましてはお手元に簡単なメモがあるかと思いますけれども、初めに、これからお話しいたします行政改革というのはどのようにとらえているかということについてお話をさせていただきたいと思っております。
 行政改革という場合、広い意味では地方分権改革であるとか内閣制度を含む統治構造の変更、改革を意味している場合もございます。また、狭い意味になりますと、政策を所与として、それの手続であるとかその合理化のための方策、これを行政改革と呼んでいる場合もございます。ただ、世界の多くの国で言われております行政改革、そして我が国もそうだと思いますけれども、そのとらえ方といいますのは、財政状況がだんだん厳しくなってくる中で、行政活動の効率化あるいは財政的な効率化をいかに図っていくのか、政府のスリム化をどうやって達成していくのかと、それが大きな課題ではないかと思っておりますので、以下では、そのような財政的な効率化、政府のスリム化、そういう方面から焦点を当ててお話をさせていただきたいというふうに思っております。
 これから申し上げますのは、これまでの我が国における行政改革がそういう観点から見た場合どのような特色を持っていて、そしてさらにどのような課題を持っているかということでございます。
 初めに、極めて初歩的なことを申し上げて恐縮でございますけれども、行政サービス、政府の活動に必要な財源が不足してきたときに取り得る方法というのは基本的に三つしかないと思います。
 一つは、増税等の方法によりまして財源を増やすこと、二番目は、逆に供給するサービスの量、質を下げていくこと、そして三番目は、そのサービスを産出する過程をできるだけ効率化していくというこの三つでございます。
 今日申し上げることの結論を先取りして申しますと、我が国の場合、この三番目の効率化による改革をこれまで目指してきたというふうに思います。しかしながら、この方法には当然限界があるわけでございまして、これまで行政改革と称されている改革の多くは、むしろその行政活動の形態を変えたり、あるいはそれを外部化する、アウトソーシングにするとか、要するに、ちょっと言葉は悪いかもしれませんけれども、付け替え、外出しのやり方、そうしたやり方が中心であって、それが実質的な意味での財政的な観点からの効率化、減量化が進んでいるかというと必ずしもそうではないのではないかと、そのように感じているところでございます。
 まず、物事を考える出発点として、レジュメの図のⅠを御覧になっていただきたいと思いますけれども、これは極めて一般的な話ですけれども、行政活動といいますのは、一定の行政組織がそれを担い、そしてそれは一定数の公務員がそれを、仕組みを動かしていくと、これが一般的な姿になるわけですし、それに対して必要な財源を予算で手当てしていくということになるわけです。当然のことながら、その財源とサービスとの間にギャップが生じた場合には、サービス水準を維持するために予算を増やすという方法を取るか、あるいは、そうでなければこの活動そのものを縮小していく、それに伴って組織も改廃といいましょうか行いますし、公務員の数を削減していくと、これがある意味でいいますと一番原型になるわけでございます。
 しかしながら、我が国の場合には、どちらかといいますと、その図Ⅱに書きましたけれども、こうしたサービスの在り方というものと組織の形態というものと公務員制度ですけれども、これが必ずしも連動していないように思われます。全くとは申しませんけれども、余り連動しておらず、別々に改革が行われているという気がしているわけでございます。
 それぞれ自律的な形で改革が行われているわけでございまして、更に申し上げますと、サービスの本体はなるべく変えないまま、組織の形態を変更したりあるいは公務員数の削減、それが行われてきたというふうに思います。もちろん、サービスの質、量を変えずにその産出過程を効率化する余地はまだあるということは間違いないと思いますけれども、現在の財政状況等を勘案した場合に、これまでのやり方でいいますと、これ以上の効率化というのはなかなか難しいかもしれませんし、また、それをあえてやりますと、国民生活にとって実質的なサービスの質の低下を招くような可能性というものも否定できないのではないかというふうに思っております。
 そこで、行政組織の改革、また公務員制度、そして地方分権の改革についてそれぞれお話をさせていただきたいと思います。
 行政組織に関連して申し上げますと、かつて国鉄であるとか電電公社に見られたような民営化が実施されました。これは大変大きな改革の効果をもたらしたというふうに思いますけれども、こうした形での公的部門の民営化が効果を示しますのは民営化してもそれが事業として成り立つ場合でありまして、今日ではそのような可能性のあるケースというものは非常に限られているのではないかと思います。
 また、橋本内閣の行政改革のとき以来進められてまいりましたのが、省庁の統合再編と独立行政法人化等の外部化でございます。省庁の統合再編は、統合によって仕事量全体の縮減を行うということを期待されたものというふうに思われますけれども、実際に何が生じたかと申しますと、総務部門につきましては一元化されることによって縮小が進むかもしれませんけれども、それまでの部分の仕事につきましては余り変わっていないのではないかという気がしております。例えて言いますと、多数の部屋のあるマンションの幾つかの壁を抜いて大部屋を造ったわけですけれども、住んでいらっしゃる住民の数も、その床の面積もそれほど変わっていないというのが現実ではないかと思います。
 独立行政法人化につきましては、国の現業部門をまさに外部化したというふうに言えるわけでございますけれども、独立行政法人がモデルといたしましたイギリスのエグゼクティブエージェンシーという仕組みは、主として行政内部におけるルーチンワークを行っているような部門、それの効率化を目指す仕組みであったわけですが、我が国の独立行政法人の場合には、そうではなくて、むしろそうした組織を国という法人の外に出して、新たな独立した法人とするということに重点が置かれたというふうに思っております。
 更に申しますと、その対象になりましたのが、計測がしやすい、また効率化がしやすいルーチンワークを行っているような組織ではなくて、研究機関等の非常に効率化のメカニズムが働きにくいような組織が対象になったと思われます。したがいまして、結果として、見かけの上はともかくといたしまして、実質的には、それほどのサービスとか組織の縮小がもたらされたかといいますと、これは少し疑問に思っているところでございます。
 次に、公務員の定員管理についてですが、個別的な領域はともかくといたしまして、総数としては行政サービスの総量とは必ずしも連動することなく削減が行われてきたのではないかと思います。確かに我が国の場合、終身雇用、年功序列制度が強固であるため、弾力的な増減を行うことができないということは間違いないと思います。また、行政の縦割り構造が非常に強固であるために、定員を流動化するということも困難であると、このことも否定できないと思います。
 しかしながら、行政サービス、活動の量に応じてその定員の増減というものが必ずしも認められなかったために、いろいろと不都合な事態も生じてきていると思います。
 例えば規制緩和によって許可制を届出制に変更したような場合、それによって競争が促進され、プラスの効果が期待されるわけでございますけれども、他方におきましては悪質な業者が市場に参入するという可能性も否定できないわけでございまして、それを防いで規制緩和のメリットを出すためには、やはりかなり強固な、強力なモニタリングの仕組みが必要であると。そのためには、まずそれに必要な人員というものを充てることが必要になるわけでございますけれども、我が国の場合にはそうした増員というものもしてこなかったということ、その結果、幾つかの国民が被害を被るようなケースも出ているような気がいたします。
 国家公務員法の対象となる公務員の数といいますのは以前からかなり削減されてきているわけでございまして、人事院の資料によりますと、平成十二年、二〇〇〇年ですが、この年、百十三万人だった公務員が、平成二十三年、昨年ですが、これは六十四万人にほぼ半減しているようです。特に一般職の公務員は八十二万人から三十四万人に、四十八万人も数字の上では減っております。
 しかしながら、これら削減された公務員の多くは、独立行政法人であるとか、私もそうでございましたけれども、国立大学法人の職員に身分が変わったものでありまして、実質的に削減はそれほど多くないというふうに思われます。
 そのほか、行政改革の方法についてもう一言触れさせていただきますと、十年ほど前に政策評価の制度が導入されました。これは、政策の実施する事前あるいは事後的にその効果を評価し、あるいは予測して無駄な政策を排除しようという仕組みでございますけれども、現実にはなかなかその評価を行うということの技術的な困難もございまして、膨大なペーパーワークがなされている割には大きな効率化の効果というのは現れていないように感じております。そのため、事業仕分のような別の作業というものが行われたとも考えられるわけです。したがいまして、政策評価の在り方そのものも、これ自体を評価の対象として見直していく必要があると思っております。
 また、次に、レジュメにも書きましたけれども、行政におけるIT化、eガバメントとかいろんな言い方をされておりますけれども、これについても一言触れさせていただきたいと思います。
 こちらの方は、私自身は、大規模に導入されますと非常に行政の効率化あるいは行政改革に資するところが大きいと思われます。それゆえに、先進諸国の多くでは積極的な導入というものを今検討しているところでございます。我が国の場合には、そのIT化による効率性の向上を図る場合の前提となります国民ID制度、マイナンバー制度というふうに名前が付いたようでございますが、これがようやく実現が検討される段階に入ったところでありまして、先端を行く先進諸国と比べますと一周ないし二周遅れの感があると思っております。
 私自身は、こうしたものにつきましては、個人情報の保護に十分な手当てをした上ででございますけれども、より積極的に推進する必要があると思っておりますし、その場合には、もう一つ大きな壁、すなわち各省の縦割りの構造というものを克服する必要もあると思っております。
 さて、次に、行政改革と密接に関連しております地方分権改革について述べさせていただきます。
 地方分権改革は、憲法で定められております地方自治の本旨の実現を目指して、国、すなわち中央政府が持っている事務権限を地方自治体に移譲すると、そういうものとして考えられております。
 しばしば、行政改革と地方分権は車の両輪というふうな言い方もされてきましたように、両者を一体としてとらえ、地方分権によって国もスリム化すると、そのようなことも言われてまいりました。これは、行政改革といいますのは、要するに国、中央政府をスリム化することであるという発想に基づいているわけでございまして、それは、官から民へという形での行政改革と、中央から地方へという地方分権改革がセットで考えられると。要するに、行き着くところは、小さな中央政府というものを目指すということかと思います。
 しかしながら、その場合には、地方、国、合わせたパブリックセクター全体としてどのような形での行政改革が行われているかということは必ずしも明らかではございません。もちろん、両者で重複する事務につきましては簡略化が進むというふうに考えられるわけですけれども、事務本体はどうなのかということについては必ずしもはっきりしないわけです。
 そもそも、一九九五年に地方分権改革が始まった当初には、既に我が国の地方自治体は先進国の中でもかなりの多くの事務を担っていることから、そこでの改革の目的は、国の事務を地方へ移管する、移譲することではなく、当時存在していた機関委任事務制度であるとか補助金の要綱による国の地方に対する規制をできるだけ減らしていく、地方自治体の自由度を高めていく、自由に政策をつくる自己決定権を拡充すること、これが目的というふうに考えられていたと思っております。
 しかしながら、その後、地方分権改革が進むにつれまして、次第に国から地方へ事務そのものを移譲したり、あるいは国のブロック機関の地方への移管というようなことも言われるようになってまいりました。その結果、現状は地方分権という名目の下に地方への事務の移管が行われ、それが国の事務のスリム化、効率化として位置付けられているのではないかと、そういう感じもするわけでございます。
 当然、その場合問題になりますのは、地方においてその事務を担うために必要な財源の問題ですが、これにつきましては、二〇〇一年に始まりました地方分権改革推進会議において三位一体改革に取り組んだわけですけど、これも成功せず、一時自主財源として税源移譲ということも主張されましたけれども、これも結果は自治体間での税収の格差の拡大に結び付く、そのため、それ以後は余り進められていないようでございますし、また財政調整の制度であります地方交付税制度の抜本的な改革というものも進んでいないように聞いております。
 したがいまして、最も重要と思われるこうした地方財政制度改革が先送りされたままの状態になっているわけでございまして、結果は多くの地方自治体、特に農村部の地方自治体が高齢化、人口減少に加えて非常に厳しい財政状況に置かれているわけでございます。そうした自治体が確実な財源保障のないまま多くの事務負担を担うということになる、そうした可能性に今直面しているのではないかと思います。
 ところで、こうした地方分権の考え方ですが、世界の多くの国では中央集権的な形態によって、第二次大戦後、二十世紀の後半におきましては国が成長してきたわけでございますけれども、こうした中央集権的な体質そのものが問題があるということから、地方への権限移譲、分権が望ましいと考えられ、補完性の原理その他の考え方に基づいて分権が進められてまいりました。我が国でも、今日までできるだけ多くの事務権限を地方自治体に移し、地方の決定に委ねることが望ましいと主張されてきているように思います。
 そして、地方分権の議論においてしばしば言われますのが、中央政府の役割というのは外交とか国際関係、あるいは通貨であるとか国全体の基盤的な制度の整備、そして国全体の産業政策その他の政策、計画に限定して、それ以外の事務はできるだけ地方に委ねるべきであるという見解、これもしばしば耳にするところであります。
 しかしながら、現代の社会は十九世紀の社会とは格段に違っているわけでございまして、何が大きく違っているかといいますと、地域間の交流というものが非常に拡大しております。また、地域の自立性というのは相対的に減少し、地域間の相互依存関係も増大しております。これは、むしろ国境を越えて、国際化によって国境を越えた地域間の依存関係の拡大にもつながっているのが現状だと思います。したがいまして、都市部と農村部というように、現代の社会におきましては地域がそれぞれ異なる役割を分担し、相互に依存し合って全体としてのシステムというものを形成していると考えられるわけです。
 そして、そこにおける中央政府の役割というのは何かといいますと、まさに豊かな地域の富をそうでない地域に配分して全体としてバランスの取れた発展を図るというごとく、システム全体の観点から地域間、セクター間の調整、再配分の機能を果たしているというふうに考えられます。もちろん、過剰な集権的システムには問題があることは否定できませんけれども、こうした調整機能を無視した分権の議論といいますのは、むしろ格差の拡大、地方の疲弊に結び付くのではないかと危惧するところでございます。
 したがいまして、分権化もこうした現代社会の特質を踏まえて進めていくことが必要であると思われますし、行政改革も国、地方を合わせた行政サービスの総量を財源との関係でどのようにコントロールしていくのか、そういう方向で議論を進めていくべきであると思っております。したがいまして、今や財政の現状と正面から向き合って行政サービスの在り方を持続可能性という観点に立って見直していくことが必要ではないかと思います。
 申し上げるまでもなく、我が国は超高齢化、人口減少の時代に入りました。これからは、これまで我が国の富をつくり上げ、税収を上げてきました都市部が急速に、しかも大規模に高齢化してまいります。そのような時代には思い切った発想の転換が必要ではないかと思っておりまして、右肩上がりの発想を捨て、必要な部分に重点投資をすることはもちろん重要ですけれども、国や地方自治体の将来の状態をしっかりと見据えてサービスの規模を適正化する、いわゆるダウンサイジングという、そうした発想を取り入れることも必要ではないかというふうに思っております。
 御依頼のありました趣旨の項目の中には今の意見陳述でお答えしていないところもございますけれども、これは後の質疑のときに御質問があればお答えしたいというふうに思っております。
 私の意見は以上でございます。どうもありがとうございました。
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福岡資麿#9
○委員長(福岡資麿君) ありがとうございました。
 次に、東田参考人にお願いいたします。東田参考人。
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東田親司#10
○参考人(東田親司君) まず最初に、このような機会を与えていただきまして心から感謝申し上げたいと思います。
 私自身は、総務庁という役所に長く公務員として勤務しておりまして、その後、現在の大学に移って研究活動に入っておりますので、二つの経験に基づきまして僣越ですが申し上げさせていただきます。
 お二人のお話を伺っていますと一部重なる面があろうかと思いますが、お許しいただきたいと思います。
 最初に、私のレジュメ、項目だけで恐縮ですけれども、最初に中央省庁について申し上げたいと思います。
 まず、そのうちの大規模省、これは具体的には国交省と厚労省についてでございます。
 今世紀初頭に行われました中央省庁等改革における省編成の基本方針をここでまた振り返ってみますと、目的別の省編成、それから大ぐくり編成、利益相反性への考慮、それから省間バランス、省間の相互調整などの原則があります。しかし、現在、十年以上が経過した時点でその実態を見てみますと、大ぐくり編成に重点が置かれて、目的別の編成や省間バランスの観点がやや弱かったのではないか。分かりやすく言えば、中央省庁の数を減らすことを重視し過ぎた結果、大臣のコントロールの範囲を超えた大規模省ができているのではないかというふうに考えます。
 例えば、再編後の省庁の内部部局の数で見てみますと、平均しますと一省平均約七局でありますが、その倍近くの局数の大規模省があります。
 最多の十三局となっている国交省について見てみますと、国土の総合的な開発利用とそのための社会資本の整備が主たる任務になって発足しておりますけれども、社会資本を利用する陸海空の運輸事業者等への指導監督まで所管しておりますため、一人の大臣の統括範囲としては無理があるのではないか、もう少し省間バランスに配慮して、二人の大臣の所管に戻してもよいのではないかというふうに考えます。
 二番目に局数が多い十一局の厚労省につきましては、雇用の確保、労働条件の整備と社会保障の向上とが主たる任務とされ、政策の在り方として少子高齢社会などに対応した労働政策と社会保障政策との統合、連携強化などが求められて発足しております。今日では年金と雇用との連携の問題など再編の目的を大いに発揮すべき状況になっているという見方は当然できますけれども、今後、年金行政、少子高齢化対策、雇用行政がそれぞれ国民生活の上で更に重要性を増し、国民の関心も一層高まることを考慮すれば、むしろ社会保障と労働行政とに分割して、それぞれ責任を持つ大臣を置き、両行政の調整の過程を外部に出すことで国民的議論の俎上にのせる方が適当なのではないかというふうに考えます。
 次に、内閣官房、内閣府について申し上げます。
 内閣官房、内閣府につきましては、先ほど古川元副長官からお話がありましたように、何々本部とか何々会議と呼ばれる全政府的な組織が置かれたり、内閣府特命担当大臣が多数任命されておりまして、それに伴って事務局や担当室も置かれて、組織、人員が肥大化しております。
 例えば組織について見てみますと、内閣官房のホームページでは現在活動中の各種本部や会議が九十以上ありまして、本来の約八百人の定員のほかに七百人以上が併任で常駐しているというふうに聞いております。また、内閣府本府には二十以上の担当室が置かれ、本来の約二千三百人の定員のほかに併任が四百人以上いると聞いております。それから、特命担当大臣が現在八人おられまして、その下に副大臣や大臣政務官が多数おられますので、指揮命令系統は極めて入り組んだ複雑な状態になっておりまして、国会でも肥大化が問題視されております。
 このような組織の肥大化と指揮命令系統の複雑化を解決するために、政府内の調整にかかわる元々の役割分担がどうなっていたかというのを振り返ってみたいと思います。
 基となった行政改革会議の報告書では、政府内の調整に関して、内閣官房、内閣府、各省の三類型の調整を組み合わせて機能強化を図るべきことを提起しております。三類型の調整を簡単に申し上げますと、まず各省の行政目的達成のための調整権が各省にありまして、その上に、担当する主たる省を特定することが困難な課題について内閣府が必要な場合には特命担当大臣を置いて総合調整を行うこととされ、そして最後に、内閣官房が総理の活動を直接補佐する立場から最高、最終の総合調整を行うこととなっております。
 こうした三つの分担基準で現状を見たときに、まず各省の調整に委ねてよいと考えられるものまで内閣官房や内閣府に集約されていると思われますので、次の二つの原則で内閣官房、内閣府の調整の在り方を見直してはどうかと思います。
 第一の原則は、内閣府特命担当大臣の在り方についてですが、特命事項の内容から見て、主たる省を特定することが困難な課題は引き続き内閣府が担当しますが、それ以外の、本来、主に所管する大臣がいる場合にはその大臣を調整の主役にするということであります。例えば、少子化対策は厚生労働大臣に、宇宙開発は文部科学大臣に、郵政改革は総務大臣が調整の主役になるべきだと思います。その際、必要があれば、これら主に担当する大臣を特命担当に発令してもよいと思います。こうした措置によって、現状では内閣府特命担当大臣と主に所管する大臣の二人が関係大臣になっていて、その間の役割分担が明確でなく、指揮命令系統が複雑化している状態が是正され、簡素化が期待できます。
 第二の原則は、内閣官房、内閣府に置かれる事務局や担当室についても、内閣全体の総合的、戦略的な方針の企画立案機能を担う役割にかかわる場合や主たる所管省を特定できない場合だけに限りまして、その他のものは最も関係する省の担当部局が全政府的な事務局の役割を担うことです。例えば、地域主権戦略会議の事務局は内閣府ではなく総務省に、障がい者制度改革推進本部の事務局は内閣府ではなく厚生労働省にという具合にすることです。そうした視点で内閣官房、内閣府の事務局や担当室を点検いたしますと、組織の簡素化と併任者の整理が相当できるのではないかと考えます。
 現状が肥大化、複雑化している背景には、私の推測ですが、主たる担当省が政府全体の調整の主役となることに対して他の府省が納得しない場合があること、あるいは特定省が調整の主役になるよりも政府中枢での取組姿勢を見せた方が政治的な効用があるなどの判断からきていると考えますけれども、今申し上げた二つの原則で見直しを行いまして、可能な限り内閣官房、内閣府のスリム化を進めることで政府内の役割分担を明確化し、政権中枢の簡素で迅速な指揮命令系統を確立すべきではないかと考えます。
 三番目に、総務省についてでございますが、総務省は、中央省庁等改革基本法で、「内閣及び内閣総理大臣を補佐し、支援する体制を強化する役割を担うものとして設置」というふうに書かれております。主に管理的業務の調整を担う役所として設置された経緯があると考えます。しかし、発足後、本来所管すべき郵政改革、公務員制度改革、行政改革などの調整課題が内閣官房や内閣府の所管となりまして、設置後の性格が曖昧になった面があると思います。先ほど述べました内閣官房、内閣府のスリム化を図る原則からすれば、郵政改革、公務員制度改革、行政改革などは総務省の所管に戻すことが考えられます。
 しかし、この場合、考えないとならないのは、国家公務員制度改革基本法が既に成立しておりまして、それに基づき内閣官房に内閣人事局が設置され、それに伴って総務省の担っている人事行政に関する機能、これは人事管理とか組織・定員管理だと思いますが、これも必要な範囲で内閣官房に移管することが法律で規定されております。そのことを考慮いたしますと、今後の総務省の在り方は、人事行政に関係する機能は内閣官房に移管し、総務省はそれ以外の機能を所管することが原則になろうかと思います。その際、内閣府にも必ずしも内閣府でなければならない業務以外のものも所管されていると思われますので、内閣官房、内閣府、総務省の三者の役割分担は一体的に検討しなければならない課題だと考えます。
 次に、大きな二番目で、公務員制度改革でございます。
 そのうちの(1)公務員の給与と労働基本権について申し上げます。
 現在、一般行政事務を遂行する公務員に労働協約締結権を認めて、給与等の勤務条件を労使の話合いで決定しようとする政策が提案されておりますが、公務員の給与は労働基本権の制約の下での代償措置により民間給与の平均水準を確保するというこれまでの仕組みを根本から変えるものでありまして、慎重な対応が必要と考えます。
 一般に、公務は業務の成果を計量的に測定し難いものが多いなどの特殊性があることや、公務員を希望する者は、経済的な対価よりも公的、社会的な貢献に生きがいを感じて職業選択してきた者が多いと思いますので、これらの者の労働の対価である給与等の勤務条件は、当事者が交渉により決定するよりも、社会一般が認容する水準に収まるようにする仕組みが望ましいと考えます。その点で、現在の労働基本権の制約とその代償措置である人事院勧告制度は特に問題はないと考えられ、あえて労働協約締結権を付与してまでして当事者の交渉に委ねることのメリットが何であるのかが不明であります。
 国家公務員制度改革基本法第十二条では、「政府は、協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を国民に提示し、その理解のもとに、国民に開かれた自律的労使関係制度を措置するものとする。」と規定しておりますが、協約締結権の付与に伴う便益及び費用等の全体像がこれまでに国民に分かりやすく提示されたとは思えません。便益については、公務員への労働協約締結権の付与が国民にとってどういう便益があるのか不明ですし、費用については、労働協約締結権の付与に伴う副作用がどの程度国民生活に影響を与えるのか提示しなければならないと思います。
 その点で、平成二十二年版の公務員白書におきまして、人事院が、主要諸外国においては、協約締結権は認めるが、争議権は制約し、その代償措置として仲裁裁定制度を設けるという例は諸外国にはないとしていること、それから、かつて我が国に存在した三公社五現業においてそのような制度がありましたけれども、法律や予算の統制等により当局側が当事者能力を失い仲裁裁定による決着が続いた結果、労使交渉が形骸化して労使関係は安定せず、大規模な労使紛争が繰り返されたことなどの警鐘を鳴らしております。
 公務員の労働基本権は公務員制度の根幹であり、その変更は公務の能率や公務の受け手である国民生活に大きな影響を与えますので、公務員一般や国民一般に理解されるよう慎重に対応すべきと考えます。
 また、関連しまして、東日本大震災の復興財源の確保のために国家公務員給与の臨時的な削減措置が行われることになりましたが、これを恒久的な措置にすべきというような意見も一部にあるようですが、公務員の給与を制度的に民間平均値よりも低いものとすることは不合理であり、あくまで短期間の臨時的な措置にすべきと考えます。
 さらに、公務部門が率先して歳出を抑制すべきことは分かりますが、なぜ人件費削減率が二割なのかは不明でありまして、こうした公務員の基本的な処遇にかかわる重要な制度が合理的な説明がないまま政治的な判断で変革されていくことは、公務員制度の安定性を損ない、現職公務員の士気に影響し、公務員志望者数の減少や質の低下を招来するおそれが強いと考えます。
 次に(2)として、幹部職員の人事について申し上げます。
 国家公務員制度改革基本法の規定による内閣人事局の設置が具体化して現在提案されている国家公務員法の一部改正案が成立いたしますと、各府省の幹部職員人事に対して、総理又は官房長官から、内閣の重要政策を実現するために内閣全体の視点から適切な人材を登用する必要があると判断するときは、任命権者に対し、幹部職員の任免について協議を求めることができることとなっておりまして、一言で言うと、内閣からの府省幹部人事への関与が強化されることになります。
 これによって、幹部職員の所属府省への帰属意識が薄らぎまして、縦割り行政の是正に寄与することが期待されておりますが、他方では、一般職公務員である府省の事務次官以下の幹部の人事が恣意的な任用に陥るおそれが出てくると考えます。例えば、政権交代があった際などに、前政権時代の府省幹部は原則交代してもらうといった安直な考えで政権中枢からの関与が行われる可能性があります。
 特に国家公務員法の一部改正法案では、審議官クラスから事務次官までの幹部クラスが一グループとみなされて、極端な場合には、事務次官から審議官に異動させられても、現在は降任となりますが、新しい仕組みの下では降任にならず転任になりますので、事実上の降任が行われやすい状況になりますので、十分な注意を払う必要があります。
 恣意的な任用を防止するためには、中立的な機関が人事任用を監視しつつ必要な是正勧告を行うことや本人へ転任理由を開示すること、それから、事実上の降任である転任も不服申立ての対象として中立的な機関が是正勧告できるようにすることなどが必要ではないかと考えます。
 (3)として、再就職について申し上げます。
 現在の政権では公務員の再就職のための役所側によるあっせんが一切禁止されておりますため、多くの公務員は定年まで在職しております。このため、在任期間の長期化により組織の新陳代謝に問題が出たり、独立行政法人の役員ポストの公募が現職公務員の出向により有名無実化したり、処遇のための専門スタッフ職等のポストの増設などにより人件費が増嵩したりなどの弊害が出るとともに、新規採用を大幅に抑制しなければならない状態になり、公務員としての人生設計を描いている学生等に大きな衝撃を与えております。
 確かに、再就職を野放しにすれば、民間企業等との癒着、出身府省への帰属意識に伴う縦割り行政の弊害の発生、それからOBのいる企業や団体との随意契約や助成などによる非効率な公費支出などが発生するおそれがありますが、他方で、全面的な再就職のあっせんの禁止は、人件費の膨脹、組織の新陳代謝機能の低下、公務員であった者の能力の未活用などの弊害を招き、さらには、先ほど申したように、若者の公務への貢献の夢の実現を狭めていることは重大な問題があると考えます。
 完全無欠な解決策は見当たりませんし、また高級官僚の天下りが行政への信頼を損なう大きな要因になっていることは否定できませんが、他方で、全面的な再就職のためのあっせんの禁止が、良い面だけでなく副作用として無駄の発生や組織の活力をそいでいる面もあること、そして若年者の雇用にまで影響を与えている事実も国民に知ってもらい、その上で総合判断をしてもらう必要があると思います。
 私個人は、再就職の抑制に伴う長所短所を比較すれば現状は大きな問題点を内包しておりますので、例えば、官民の癒着を引き起こしそうな営利企業への再就職は原則禁止としつつ、独立行政法人や公益法人などの現在現職公務員が出向している準公務部門への再就職については、個々の再就職者の能力の活用が公益に合致しているという採用理由を開示して認めることとし、その代わり、OBから役所側への働きかけや役所側から特定の法人への優遇措置などを禁止したり、またその監視を徹底することが一つの解決策ではないかと考えます。
 なお、再就職に関連して、現在、行政機関の特定ポストや独立行政法人等の役員の公募を行う場合がありますが、公募は言うまでもなく応募者の能力や適性を公平に判断すべきでありますのに、過去の経歴に公務員経歴があるというだけでマイナスに評価される場合があるという声も聞きますので、一層公平に運用いただくよう要請したいと思います。
 最後に、早急に是正すべきと考える当面の改革課題について二点申し上げます。
 (1)国・地方間の人事交流についてであります。
 国家公務員と地方公務員間の人事交流は、相互の仕事を理解し今後の地方分権を進める上でも有用な仕組みと考えます。
 総務省の資料によりますと、平成二十三年八月時点で、国から地方へ千七百十二人、地方から国へ二千九十三人が出向しており、大きくとらえますと同程度の数の交流が毎年なされております。しかし、国から地方への出向者の約半数が課長級以上のポストに就任しているのに比べて、地方から国への出向者のうち僅か二人しか室長以上のポストに就いておらず、交流のレベルは大幅な不均衡になっております。
 特に、地方自治を所管する総務省は三百八人の出向者の七一%、公共事業を所管する国交省は四百八十五人の出向者の六二%が都道府県や市町村の課長以上の要職に就いております。逆に、地方から国への出向者のうち室長以上の者は二〇〇五年ころには十五人前後で一%ありましたが、最近では二人で〇・一%と減少しております。
 国、地方間の人事交流を対等なものとすべきことは、地方分権推進委員会の勧告を受けて政府が平成十年に閣議決定した地方分権推進計画に盛られている事項であり、直近では平成二十一年三月三日の採用昇任等基本方針の閣議決定で、相互・対等交流の促進を原則として、交流ポストの長期固定化により生ずる弊害の排除に配慮しつつ、地方公共団体との人事交流を進めるとうたっておりますが、実態は程遠くむしろ悪化している状況も見られ、早急な是正が必要であります。
 この問題は、国だけでなく受入れ側の地方にも責任がありますが、特に地方分権や地方財政に大きな影響力を持つ総務省や公共事業予算を持つ国交省を始めとする中央省庁が地方公共団体を出先機関や指定席のように見る姿勢を改めることから始めなければならないと考えます。
 閣議決定が有名無実化し、非対等で長期固定化し、ひいては地方公務員の方々の士気にも影響を与えている現状を見ますと、国と地方の人事交流を適正化する法制的な措置も必要ではないかと考えます。例えば、国と地方公共団体との間の人事交流に関する法律を作ったり、あるいは、提案中の国家公務員法の一部改正法案では官民人材交流の活発化の措置が規定されておりますので、これと並べて国、地方間の交流についてのルールを追加規定するなどして、各省任せにしない方法を考えていただきたいと思います。
 最後に、時間がなくなりましたので、統合省庁でのスタッフ職について簡単に申し上げます。
 中央省庁再編の際には省庁数を減らすことが重視されたため、統合省庁では幹部ポストが減少することへの代償措置として主に大臣官房にスタッフ職が多く設けられております。事務次官級、官房長級、それから官房課長級などに複数のポストが用意されておりまして、統合した数の省庁の分だけあるように見られます。これについては、既に十数年経過しておりますので、もう整理合理化してよろしいのではないかというふうに考えます。
 ちょっとオーバーいたしまして、申し訳ありませんでした。
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福岡資麿#11
○委員長(福岡資麿君) ありがとうございました。
 以上で参考人の方々からの意見の聴取は終了いたしました。
 これより質疑を行います。
 本日は、まず各会派一巡で十分ずつ質疑を行います。その後、午後四時ごろまでを目途に自由質疑を行いたいと存じますが、質疑の時間が限られておりますので、委員の一回の発言は三分程度となるよう御協力をお願いいたします。
 参考人の方々にお願い申し上げます。御答弁の際は、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願い申し上げます。
 また、質疑の時間が限られておりますので、簡潔な御答弁をお願いいたします。
 なお、質疑及び御答弁は着席のままで結構です。
 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
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ツルネンマルテイ#12
○ツルネンマルテイ君 民主党のツルネンマルテイです。
 三名の参考人の発言は、私にとって非常に参考になりました。勉強にもなりました。本当に感謝しています。
 私からの質問は、まず森田参考人に一つ、そして東田参考人に一つ、時間がありましたら、それと似ているような質問を、同じ質問を古川参考人にもしたいと思います。
 地方分権について、それに関連して一つの提案というか意見を聞きたいんです。瓦れきの処理の問題、これは、東日本大震災でできた瓦れきの処理を地方自治体に法律によって義務付けるべきという声も最近マスコミではよく出てきます。これを森田参考人がどう思っているか。
 その背景をちょっと説明させていただきます。マスコミでも、私たちもよく分かっていることは、最近、政府が地方自治体に瓦れき処理を受け入れるように要請していますが、これは強制的ではない、あくまでもお願いですね。そうすると、なかなかそれにこたえてくれる行政が余り多くないということは事実です。もしこれを法律で定めることできるかということ。しかし、これは地方分権の理念に相反するかどうかということは一つの問題であります。
 さっきも話が参考人の方からありましたけれども、この中央政府、小さな政府の中で、かといって国が果たすべき役割は相変わらず非常に大きいんです。例えば外交とか防衛とか通貨とか司法の問題、あるいは、全国的に一致して定めることが望ましい問題は、これは公正取引の確保とか生活保護基準とか労働基準などなどがあります。
 そして、次は、私はこれは今の質問にはかかわっているんじゃないかなと思いますけれども、全国的な規模で、若しくは全国的視点に立って行わなければならない施策及び事業の実施が、例えば公的年金とかエネルギーの問題とか宇宙開発とか、などなどがありますから、このようなこと、今の瓦れきの問題はどっちかというと全国的な問題でありますから、これを国の方では法律を定めることを参考人がどう思っているかということ。
 続けて、次の質問も出します。
 東田参考人には、いわゆる天下りのことに、今もさっきは再就職のところで触れましたけれども、私たちにあらかじめ配付されたこの参考の中では、六十三ページ、六十四ページでは天下り問題には結構細かく書いてあります。その中では、デメリットというのはもちろん今触れませんからこれは皆さんよく分かっているんですけれども、メリットもあるというふうな言い方がしていますね。
 例えば、天下りを一定程度認めることの必要性は、そして先生が次のようなことを言っています。第一に憲法で保障された職業選択の自由の確保というのがあった。あるいは、公務員であった者の能力が活用できるという問題もあります。そして、こうした問題は、天下りは全てが悪とか駄目というふうにとらえるべきではないと先生が言っていますね。
 私は、さっきも少し答えはありましたけれども、一定程度認めるとしたらどのような条件で認めるべきでしょうかというのが私の質問。
 それで、これに対して古川参考人も、やはりこの本の中で、一つのインタビューの中ではこういうふうに書いてあります。これは三ページの下の方にはありますけれども、天下りは根絶してもいいんですが、職員が安心して職に専念できる体制をいかにつくるかという問題が残りますというふうな発言があります。その後は、例えば先進国ではこういう問題は、その退職の問題は余りないということでありますけれども、もしこれを先生は今もそう考えているんなら、どのような体制をつくる必要があるでしょうかということです。
 この三つのその順番でお願いします。
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森田朗#13
○参考人(森田朗君) お答えいたします。
 瓦れきの処理に関連してですけれども、最終的には法律によってその処理を自治体に義務付けるということが可かどうかという御質問だったと思いますけれども、私は、基本的にはまず要請をすべきだと思いますけれども、やはりそれで問題が解決しない場合には、法律的な処理といいましょうか、法律によってそれを義務付けるということもあり得ると思っております。
 理由を申し上げますけれども、地方自治は大変重要な権利でございまして、憲法上も認められておりますけれども、あくまでもあれは日本の国の言わば主権国家としての国の枠内で認められている権限、権利であるというふうに思っておりまして、それをどう解釈するかは法律の解釈の問題になりますけれども、それが全てに優先するという原理ではないということです。当然のことながら、我が国の政府としては、我が国全体がどこに住んでいる方にとっても健康で文化的な生活を保障するような形でその国の形をつくっていくということについての責任もあると思います。
 したがって、その両者をどうバランスを取るかということですけれども、やはり今回の場合でいいますと、国がそれだけの役割を果たすということは、そこの被害を受けた被災地の事情を考えた場合にはやむを得ないかなというふうに思っております。
 もう一つの理由といいますのは、平時の場合に同じことが言えるかどうかということは必ずしもそうは思いませんけれども、少なくともその災害の後であって、これは国を挙げてそれに対応しなければならない事態であるというふうに思っておりますので、そのときには平時と違う形での対応というものが許されるのではないかと。そのために、国全体を見渡している、国土全体を見渡している国の責任というものもあるのではないかなと思っております。これは、地方自治の考え方、基本的にはある地域についてはその自治を尊重するという地方自治の考え方とは必ずしも抵触するものではないというふうに思っております。
 更に一言申し上げますと、今後そういう問題が更に深刻になってくるという可能性もあるわけでございまして、それはやはり福島第一原子力発電所の事故の以前からそうですけれども、例えば最終的な高レベル核廃棄物の処理の問題であるとか、そうしたことについては、これはなかなか自治体間の調整だけでは処理できないというふうな気がしております。
 ただ、もう一点申し上げますと、国がある意味でいいますとその辺は法律できちっとやることはやむを得ないと申し上げましたけれども、地方との間での様々な調整の仕組みというのについては、これは一段と配慮をし、その仕組みを考えていく必要があると思っております。
 以上でございます。
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東田親司#14
○参考人(東田親司君) 私に対するお尋ねは、いわゆる天下りに関して一定の認められる場合というのはどういう場合があるのだろうかという趣旨のお尋ねだったと思います。
 現在、あっせんが止められておりますので公務員はほとんどの方が定年までおられるわけですけれども、その結果どういうことになっているかといいますと、例えば私が公務員をやっておりました十数年前まででしたら、上に行くほど徐々に辞めて再就職していきますので、年齢別、階層別の人員構成がピラミッド型になっているわけでございますね。それが、辞めていく人が少なくなりましたので、膨らんだネギ坊主型といいますか、あるいはもっと極端に言えばずんどう型、日本語で言えばそういう形になりまして、言わばスリムな指揮命令系統ができていない。もっとはっきり言えば、専門スタッフ職などをつくることで人件費が逆に多く掛かっている面があるというふうに思います。
 私、天下りは全く禁止すべきでないということを言うつもりはありませんで、それはやはり天下りによる弊害というのはありますから、これは禁止するということは分かるんですけれども、今のように全面的に認めないというのは行き過ぎなんではないだろうかと。認めることによって、スリムな指揮命令系統というのが一つ、それから人件費もそんなに掛からないと。
 それから、もう一つやはり強調したいのは、公務員の経験を長くやった人間というのは、やはり民間企業に勤務していた人に比べますと、公平性とかあるいは利害対立するものを調整する能力とか、そういう仕事が割と多かったものですから、そういう公平性とか調整能力のようなものを生かすことが国のためにいいことになるんではないか。その証拠に、現在、現職公務員が在職中独立行政法人や公益法人の役員になっていくというのは、これは認められておりますので、その認められている理由は、恐らく公務員のそうした能力が生かせる分野だというふうに考えて独法や公益法人はいいよというふうにしたんだと思うんです。
 それから、私のような理論を言っている学者先生は余りいないんですけれども、ちょっと特異な意見かもしれませんが、民間企業に対する再就職は私は原則禁止すると。その代わり、独法や公益法人については原則認めるといいましょうか、先ほどちょっと幾つか条件を言いましたけれども、この人はこういう理由でこの法人に行った方がいいんだということを世の中に明らかにして行ってもらうというようなやり方をしてはどうだろうかという提案をした次第でございます。
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古川貞二郎#15
○参考人(古川貞二郎君) 天下りといいますか、再就職の問題だと思いますので。
 一つは、公務員は志を持って公の仕事をしたいということで入っておるわけでございまして、就職するときに将来天下りをしようとか、そんなことを思って入った公務員は一人もいないと思います。ただ、現実に、最近は結婚とかが遅くなっておりますので、五十代、四十代、あるいは四十代の終わり、五十代になってきまして子供がまだ大学に行っている、学校に行っているとか、それから妻子に対する生活の責任もあるというようなときに、年金に結び付くまでまだ時間があるというようなときに一体どうすればいいかと。それは、安心して働ける体制をつくるべきだと。
 そのときに私が思うのは、直接営利に関係するようなところはもう全面禁止してもいいんですけれども、そうでないものについては基本的には認めると。その代わり、事後の基準として、事後の基準といいますか、事後にもしも弊害のあるような、一定の基準を設けて、弊害のあるような動きをする人については、これは厳正に処分すると、こういう基本的には信頼するということが必要ではないかと。そうすることによって、公務員は公の仕事をしようと思って入ってきている、志を持っておるわけでございますから、私は、信頼されれば信頼に大きくこたえるんではないか。そうでないと、安心して今仕事ができない、それから公務員になる人もだんだん減ってくる、こういう非常に私は不安な気持ちでおりますので、是非、再就職の問題はきちっとしていただきたい、信頼していただきたい、かように思います。
 以上でございます。
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ツルネンマルテイ#16
○ツルネンマルテイ君 ありがとうございました。
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北川イッセイ#17
○北川イッセイ君 自由民主党の北川イッセイでございます。
 今日は三人の先生方、大変有意義なすばらしいお話聞かせていただきました。もう本当にありがとうございます。それぞれに大変微妙な難しい問題で、一生懸命先生方のお話聞かせていただいたんですけれども、なかなか分かりにくい点もあると、こういうことでございます。
 特に、縦割り行政の弊害、それから省庁の壁をなくすというようなことは、もう随分以前から言われておるわけです。私は、特に省庁に縦の線と横の線があるとすれば、縦の線というのは、これは守りのいろんな行政、仕事、これは十分にできると思うんですが、攻めの仕事というか、そういう前向きの仕事というのはなかなか進展しない。
 例えば、一つの例を申し上げますと、経済産業省という役所があります。ここは、前向きの仕事をやっていこうとすれば、今現在非常に経済がグローバルになっていますから、当然外務省との関係も出てきます。そして、新しい仕事ということになれば、これは厚生労働省のそういう管轄の福祉の関係の仕事、こういうものも出てまいります。また、新しい仕事、新しい産業という意味では環境省の仕事も当然関係してくるというようなことで、これは経済産業省の仕事というのはもう経済産業省だけでけりの付くものじゃないと。
 ただ、守りの話はできますよね。でも、その攻めの商売をどういうふうに進めていくのか、日本の経済どう進めていくのかという話になってくると、これはやはり省庁の壁を外してやっていかないとこれはできないと、こういうふうに思っているんですね。
 そういう意味で、省庁の壁をなくしてやっていかなければいけない。これはもう今までから言われているわけで、それの調整を内閣官房、内閣府でやれと、こういうことに今なっておるようなんですが、果たしてそれで十分できているのか、私はもう大変疑問に感じるんですね。これは、そういう内閣府、内閣官房でやれというよりも、むしろ国家戦略として国家戦略スタッフというものがしっかりおって、そこでいろんなそういう戦略を進めていくということが大事じゃないのか。
 そういう意味で、今の内閣府ですとか内閣官房ですとか、そういう形で果たして本当にやっていけるのかどうか、そこらの点をちょっと再度お話しいただけたらなというような思いがしております。
 それからもう一つは、公務員制度の話なんですが、先ほどもちょっとお話出ていましたが、幹部の一括人事というような話も出ていました。
 私はむしろ、前に行政改革推進法が成立したとき、あるいは行政改革推進本部ができたとき、私はもうそのときも思っておったんですが、これは幹部の一括人事というよりも、むしろ公務員の一括採用という方が有効じゃないのか、これは将来、省庁の壁をなくしていく一番の根本になるんじゃないかというような思いがしておりました。
 当然、それぞれの公務員を志望される方は、自分は財務関係の仕事をしたい、自分は経済産業の仕事をしたい、そういう志を持って入ってこられる、これは当然のことです。ですから、その思いは当然生かしていかなければいけない、こういうふうに思うんですが、しかし、省庁の壁を外して、そして国家のために、国のために尽くすんだと、こういうような基本がやはり必要だというように思いますね。そういう将来のことを考えた場合には、省庁の個別採用よりも、むしろ国家として一括採用でやって、そして将来に備えるということが非常に大事じゃないかなというような、そういう思いがいたしています。
 今どなたに質問するかということは申し上げていませんが、それぞれ皆さんお話しいただいていますから、それぞれにまた御答弁いただけたらというように思います。
 それから、森田先生、独立行政法人についてお話ありました。これについて、大学、特に大学研究所ですね、こういうところの独立行政法人で、今現在はどういう状況か分かりませんけれども、逆に利益がすごく上がるということが考えられるわけです。これから新しい研究、新しい技術、新しい商品、そういうものがその研究所の中でどんどん生まれていく場合があるわけですよね。これの場合に一体どう処理したらいいのかという、そこの問題ですね。これ、海外の事例があればまたちょっと教えていただけたらなというように思います。
 いろんな問題ありますけど、時間がありませんから、それだけひとつそれぞれに御答弁いただけたらと思いますので、よろしくお願いします。
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福岡資麿#18
○委員長(福岡資麿君) 北川委員、まず内閣官房、内閣府の役割、そして公務員の一括採用についてはそれぞれの方にお答えいただいて、最後の独法については森田参考人にお答えいただくということでよろしいですか。
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北川イッセイ#19
○北川イッセイ君 はい。
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福岡資麿#20
○委員長(福岡資麿君) じゃ、それではそういうことで御答弁をいただきたいと思います。
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古川貞二郎#21
○参考人(古川貞二郎君) まず一点目の縦割りの議論でございますけれども、世上よく縦割りの弊害と言われるものには少し誤解もあると思います。各省庁それぞれの設置目的が違うわけですので、それぞれ、例えば社会保障でいえば、厚生省は社会保障を充実させると、しかし財務省はそれはお金が足らないからどうだというふうな、そういうそれぞれの役所の立場での議論があることは私は当然だと思っておりますが、それが幾らか過ぎて弊害だと言われている面もあります。
 それからもう一つは、現実に先生おっしゃるような弊害の事態もございます。これに対してどういう対応をするかということの一つでございますが、それは一つは内閣官房のやっぱり調整機能を強化していくというやり方が一つ。それから、私自身、八年七か月の副長官のときにやってまいりましたのは意識の改革ということで、各省庁のこれはという人材をできるだけ内閣官房ないしは内閣府の方に勤務させる。そのことによってオールジャパン的な意識が芽生えるということがあり得るんです。それで、また役所に帰っていく、それぞれの元の役所に帰りますと、やはり少し違った意識になっていく。非常に地道でございますけれども、これはもう縦割りで、それぞれの役職の目的もありますし、志が違う人たちもございますので、私は一挙に解決は難しいと思いますが、調整機能を強めることと、できるだけ人事交流、特に内閣官房、内閣府に持ってきて、オールジャパンの意識を、これはという人材を、できるだけそういう人の層を厚くすると、これが一つでございます。
 それから、公務員の一括採用ということでございますが、これはどこまで本当に、私は基本的には賛成ではございません。なぜかというと、やっぱり志を持って入ってきている。私は、一言で言いますと、長崎県庁に最初は入って、そして厚生省にもう一回再度挑戦してきたわけでございますが、多分、厚生省でなければ長崎県庁にいたかと思うんでございます。やはりどうしても社会保障行政やりたいということで厚生省に入ってきた。
 したがって、そこの辺の思いを、公務員の思いを、一括で採用して、そうすると、本当はどこどこの省に行きたいという人の優秀な人材があるいは公務員に来ないかも分からないという問題もありますので、一括ということは、縦割り云々ということであれば、そういう見地から言われることが多いんですけれども、私は現実には非常にいかがかなという感じをいたします。これは感想でございます。
 以上でございます。
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福岡資麿#22
○委員長(福岡資麿君) 森田参考人、三点まとめてお答えください。
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森田朗#23
○参考人(森田朗君) 御質問の内容が多いので、なるべく簡潔にお答えしたいと思います。
 まず最初に、縦割り行政の仕組みでございますけれども、縦割り、お役所の縄張争いその他の縦割りというのは、各国でお役所があるところは全てあると思います。ただし、我が国のような強固な形での縦割りというのはちょっと世界で類を見ないような気がしております。
 その一つの理由は、今もお話ありましたけれども、やはり人事システムが各省で完結しているということでございまして、なぜそうなっているかということのもう一つの原因といいますのは、日本の場合には、やはり各省が法律によって設置をされているということだと思います。多くの諸外国の場合には、内閣が替わって政策が変わるごとに、言うならば一番その政策の実施に適した形での省庁の再編ということがかなり行われているような気がいたします、まあ全部とは申しませんけど。
 そういう意味でいいますと、例えば幼児教育に関して幼保一元化で今大変な問題になっておりますけれども、そうした問題については新しいお役所をつくって対応するとか、国際化とか高齢化、ITとか、いろいろと各省間で領域をめぐって争ったケースがございますけど、そうした問題についての対応というのは日本ほど先鋭な形で見られるところはないように思います。その意味でいいますと、お役所のつくり方から少し考える必要があるのかなと思います。
 それから、人事システムにつきましては、確かに国全体で一括採用、最終的には私は一括採用が望ましいのではないかと思っておりますけれども、現実の問題としては、それがいきなりできるかというと難しいところもあろうかと思います。ただ、現在の仕組みといいますのは、言うなれば入省から墓場までと言うとちょっと言い過ぎかもしれませんけど、そうした形での人事システムというものが組み立てられている、最近少し変わってきましたけど、そのことが非常に意識、アイデンティティーも含めてお役所の縦割りの構造というものを強化しているのではないかと思います。
 したがって、今、古川さんがおっしゃいましたように、それぞれやりたい目的があって入ってきていると。私の教え子でもやはりこれは社会保障行政に一生をささげたいという学生がおります。そういう学生は是非それを所管しているお役所で生涯頑張ってもらいたいと思いますけれども、例えば一括採用をして、数年間各省を回って、その後自分の道を選ぶという方法もあるのではないかと。それがまた新たなお役所の編成の在り方に適した形でそこのエキスパートを育てていくというやり方もあるのではないかなというふうに思っております。
 そして、縦割りをどうするかということについては、少し長くなるかと思いますので、ここでは省略させていただきます。
 三点目の独立行政法人、特に国立大学法人とか独立行政法人の中でも研究機関の場合、利益を生んだ場合どうなるかということですけれども、これは現在の場合ですと、利益を生んだ場合にはたしか剰余金という形でいいますと国庫に入るということになっていたかと思います。
 独立行政法人の仕組みについて申し上げますと、これは、ある意味でいいますと、民間では成り立たないような形、しかし国でやるには適していないものを担当するというお役所ですけれども、少なくともそこで効率化を図り、そこで働いている特に研究者の人たちが、利益といいましょうか、自分たちの収益を上げるような形でのインセンティブを持つような、そうした仕組みというのができますと、もっと研究とかそうした意味でのモラールが高くなるのではないかなというふうに思っております。
 以上でございます。
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東田親司#24
○参考人(東田親司君) 私自身、公務員の経験が長かったものですから、その経験に基づいて主に申し上げたいと思いますけれども、まず縦割り縦割りということでマスコミで批判をされるわけですが、実際は、確かにけんかはしょっちゅうするわけですけれども、それは必ずしも自分たちの縄張意識を守りたいというレベルの低い意識で争っているのではなくて、やはり自分は、国家公務員ですけど必ず所属している組織があるわけですので、その組織に忠実ならんとして、その組織に害のあるようなことが起きたらそれは当然困るから文句を言っていく、調整を進めるということでありまして、マスコミでは役人の縄張意識はけしからぬというふうに大体すぐ書かれるわけですけど、決してそういうレベルではないんじゃないかと。ちょっときれい過ぎるかもしれませんが、ある意味で日本人の勤勉性からきている面というのがあるのではないかなというふうに思っております。
 それで、そのような、仮に日本人の勤勉性というのがどうして発生するかといいますと、確かに、御指摘のとおり、人事権が各府省にある、内閣とか総理大臣とかにあるわけではなくて個々の大臣が人事権を握っているところに原因があるんだというのは、それはそのとおりでありまして、人間でありますから、自分の人事権を握っている人に評価されたいと思って、自分を採用してくれた省庁のために一生懸命尽力するわけですね。したがって、そこをなくして一括採用にする、あるいは内閣採用にするというようなやり方が考えられるじゃないかというのは、論理的にはそのとおりだと思います。
 その際考えないとならないのは、個々の法律、特に、実定法で主務大臣というのが大体決まっているわけですね。業務を遂行する過程で、主務大臣が法律上の権限を握っておりますので、人事権を仮に内閣が持つということはその大臣の人事権が薄まる、あるいはなくなるということを意味しますから、業務の指揮監督権と人事権とがずれた状態が発生するというところが大きな問題になるんだろうと思います。
 ですから、今回提案されている公務員制度改革でも、各府省の大臣の人事権が全部吸い上げられるというふうにはなっておりませんで、原則は各府省大臣が人事権を引き続き持つ、しかし内閣全体の立場から適当でないと思われる人に対しては総理や官房長官が意見を言うことができるというふうにしているわけですが、そのような調整的な措置に現在した理由は、やはり業務の指揮監督権と人事権を分離することはできないというところを配慮した結果なのではないかなというふうに私は思っております。
 以上です。
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福岡資麿#25
○委員長(福岡資麿君) 森田参考人、先ほど三点目の質問で海外の事例はという御質問があっておりましたので、簡潔に御答弁いただければと思います。
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森田朗#26
○参考人(森田朗君) 大変失礼いたしました。
 海外の事例と申しましても、日本の独立行政法人と同じような形の仕組みがどの程度あるかちょっと私存じておりませんので、申し訳ございませんけれども、適切にお答えしかねます。
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秋野公造#27
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。
 今日は古川先生、そして森田先生、東田先生、お忙しいところ本当にありがとうございました。各先生方に一問ずつ御質問を申し上げたいと思います。
 まず古川先生には、危機管理監のお話ありました。東日本の大震災におきまして、せっかく内閣官房に準備をされたこの仕組みが生きてこなかったというのは非常に残念な話だったと私も思います。そう考えると、危機管理監も内閣広報官も、そして情報官も内閣総務官も本当に表に出てきていたのかといったような問題もあるんじゃないかと私自身は思っておりますが、こんなことが二度とあってはいけないと思います。その意味では、何かやっぱりきっちりとした仕組みをつくっておかなくてはいけないと思います。その意味では、まずどうしてこのような形で危機管理監が動かないような仕組みが起きてしまったのかということ、それを防止するために何らかの仕組みを担保することというのは可能であるか、お考えをまずお聞きしたいと思います。
 それから森田先生には、先生の行政サービスを落としてはいけないというお考えに非常に賛成の立場から、独立行政法人、先ほど御質問ありましたけれども、私も非常に国民生活に対しては物すごく重要な役回りを果たしている存在だと思います。大学だけではなくて、例えば医療でありますとか、あるいは住居でありますとか、国民のセーフティーネットを維持している独立行政法人などが効率化を求めるということは当然のことではありますが、そうはいっても、もうけを上げなくてはいけない存在なのか。もうけを上げて、それを目標まで持たされて、そしてサービスを下げるということを私は心配をしますけれども、先生のお考え、独立行政法人はもうけをどんどん上げていくような立場で、それもセーフティーネット、医療や住居といった国民の弱い立場からももうけを上げていくような仕組みで働いていくべきなのかということ、御見解をいただきたいと思います。
 それから東田先生には、公務員制度の労働基本権につきましてのお話、もう非常に興味深く伺いました。私は、この東日本の震災もそうですし、あるいは新型インフルエンザなど、国難のときに先頭に表に出てくるというのはやはり公務員の方々だと思います。自衛隊の方々の働きなど、そういったことを考えたりしたときに、こんな労働基本権みたいなこういう論議をすることが公務員の文化というもの、そういったものを変えやしないかということをちょっと危惧をしています。先生の長い公務員の経験を生かして、こういったものが公務員の文化というものを変えることについて、御感想でも結構でございます、教えていただけたらと思います。
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古川貞二郎#28
○参考人(古川貞二郎君) 危機管理に関しての管理監についてのお話でございました。
 平成八年に危機管理監が設置されたと思うんですが、その危機管理監の役割は二つございました。一つは危機の予防ということで、世界でいろんな重大事故、事件が発生する、それを情報を収集して、それを蓄積し、マニュアル化して日本のいざといったときに役立てるような、そういう役割が一つと、それから現実に大きな災害が発生したときの言わば現場指揮と、そういうふうな二つの役割があったわけでございます。
 第一の役割については、私は、東日本大震災の今回の経験を十分に情報を掌握してこれから生かさないかぬと。マニュアルはあったと思うんですが、十分機能していなかったんじゃないかと思いますので、これはそれを期待する。
 それから、現場指揮に関しましては、これは仕組みというよりも、恐らくこれは総理とか官房長官がいかにこの危機管理監を使いこなすかと。また、危機管理監は、全てのノウハウ、自分を中心とする危機管理監の配下がいますから、あるいは各省庁の連携体制が取れていますから、それを挙げて総理、官房長官の補佐をする、徹すると、これが必要だったと。私はその後者についてどこまでどうなったかが分からないんですけれども、少なくとも私が思う危機管理監の動きではなかったと。その点は残念だったと。そういうことでございますので、是非今回の経験を生かしていただきたいと、予防と現場処理に生かしていただきたいと、こう思います。
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森田朗#29
○参考人(森田朗君) お答えいたします。
 初めに少しお断りしておきますけれども、先ほどの私の意見陳述がやや誤解を招いたのかもしれませんけれども、私自身は何をしてもサービスを維持すべきだと言うつもりではなくて、サービスを維持するためにはそれだけの資源投入が必要ですし、それが難しい場合にはやはりサービスの方を見直さざるを得ないのではないかと。これまでのやり方の行政改革ではなかなかやっていくことが難しいのではないかというのがメッセージでございます。
 独立行政法人がもうけてはいけないのかというお話だったと思いますけれども、基本的にこの独立行政法人という仕組みの場合には、もうかるところならば民営化すべきだし、元々成り立たないところであれば国が直接やるべきものという考え方だったと思います。ただ、現実に独立行政法人になっているものにはいろんなものが入っておりますので、そこは必ずしも一律に語ることはできないかなというふうに思っております。
 御質問に対してお答えしますと、もうけを出してはいかぬのかと言いますと……
   〔秋野公造君「先生、ちょっといいですか。もうけを要求されなくてはいけないのかという意味です」と述ぶ〕
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