法務委員会

2014-10-24 衆議院 全296発言

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会議録情報#0
平成二十六年十月二十四日(金曜日)
    午前九時三十一分開議
 出席委員
   委員長 奥野 信亮君
   理事 伊藤 忠彦君 理事 柴山 昌彦君
   理事 土屋 正忠君 理事 ふくだ峰之君
   理事 盛山 正仁君 理事 柚木 道義君
   理事 井出 庸生君 理事 遠山 清彦君
      赤枝 恒雄君    安藤  裕君
      池田 道孝君    小田原 潔君
      大塚  拓君    大見  正君
      勝沼 栄明君    門  博文君
      神山 佐市君    菅家 一郎君
      黄川田仁志君    小島 敏文君
      古賀  篤君    今野 智博君
      桜井  宏君    末吉 光徳君
      鳩山 邦夫君    平沢 勝栄君
      藤井比早之君    三ッ林裕巳君
      宮澤 博行君    郡  和子君
      階   猛君    横路 孝弘君
      高橋 みほ君    丸山 穂高君
      大口 善徳君    西田  譲君
      鈴木 貴子君    西村 眞悟君
    …………………………………
   法務大臣         上川 陽子君
   法務副大臣        葉梨 康弘君
   法務大臣政務官      大塚  拓君
   政府参考人
   (内閣府地域活性化推進室室長代理)        富屋誠一郎君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 塩川実喜夫君
   政府参考人
   (総務省自治行政局選挙部長)           稲山 博司君
   政府参考人
   (法務省大臣官房訟務総括審議官)         都築 政則君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    深山 卓也君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    西田  博君
   政府参考人
   (法務省保護局長)    片岡  弘君
   政府参考人
   (法務省人権擁護局長)  岡村 和美君
   政府参考人
   (法務省入国管理局長)  井上  宏君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 河野  章君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           苧谷 秀信君
   法務委員会専門員     矢部 明宏君
    —————————————
委員の異動
十月二十四日
 辞任         補欠選任
  池田 道孝君     赤枝 恒雄君
  黄川田仁志君     桜井  宏君
  宮澤 博行君     藤井比早之君
同日
 辞任         補欠選任
  赤枝 恒雄君     池田 道孝君
  桜井  宏君     黄川田仁志君
  藤井比早之君     勝沼 栄明君
同日
 辞任         補欠選任
  勝沼 栄明君     宮澤 博行君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件
     ————◇—————
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奥野信亮#1
○奥野委員長 これより会議を開きます。
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りします。
 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣府地域活性化推進室室長代理富屋誠一郎君、警察庁長官官房審議官塩川実喜夫君、総務省自治行政局選挙部長稲山博司君、法務省大臣官房訟務総括審議官都築政則君、法務省民事局長深山卓也君、法務省矯正局長西田博君、法務省保護局長片岡弘君、法務省人権擁護局長岡村和美君、法務省入国管理局長井上宏君、外務省大臣官房審議官河野章君及び厚生労働省大臣官房審議官苧谷秀信君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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奥野信亮#2
○奥野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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奥野信亮#3
○奥野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安藤裕君。
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安藤裕#4
○安藤委員 おはようございます。自民党の安藤裕でございます。本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 早速質問に入らせていただきます。
 まず、大臣の就任の御挨拶の中で、法務行政は、現場の職員ばかりでなく、保護司、協力雇用主、篤志面接委員、人権擁護委員といった地域のボランティアの方々に支えられています、こうした地域の方々の活動を支援し、そのとうとさや重要性を世の中にお伝えすることも法務大臣の大切な仕事と考えておりますというお言葉がありました。
 私自身も、保護司の方々を初め、これらの皆さんの活動は、日本の治安を維持し、国民生活の安全を守る上でも本当に大切な仕事であると考えております。
 しかし、最近では、これらのボランティアを引き受けてくださる方が大変少なく、なかなか後任が見つからないので引き継げない、高齢になっても仕方なく続けているという事例もあるように思います。特に、再犯防止という観点からも、世の中の安心、安全を守っていくためにこのような活動があって、地域の篤志家がボランティアでその役割を担ってくれているということは、もっと広く知らしめるべきだと思いますし、大臣も御挨拶の中でそのようにおっしゃっておられるわけですが、現実には、このような仕事があること自体、余り知られているようには思えません。
 そこで、これらの仕事が存在することや、そのとうとさや重要性をどのように世の中に伝えていこうと考えておられるのか、できるだけ具体的にお答えいただきたいと思います。
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片岡弘#5
○片岡政府参考人 お答え申し上げます。
 保護司を初めとする民間のいわゆる更生保護ボランティアの方々ですが、各地域におきまして、保護観察対象者に対する指導助言等のいわゆる処遇活動や、地域の犯罪予防のためのいわゆる地域活動等の重要な活動を行っていただいております。
 更生保護の意義という一般的な事柄につきましては、社会を明るくする運動を通じるなどして、国民の理解を深めることに努めてきたところでございますが、今後におきましては、さらに、保護司の実際の活動内容を国民の皆様により具体的に知っていただくということが必要になりますし、保護観察対象者等を実際に雇用していただく協力雇用主を確保することなど、そういう具体的な取り組みが一層重要となるものと考えられます。
 そこで、各地域に保護司の活動拠点となる更生保護サポートセンターを設置してこれを活用すること、そのほか、社会貢献活動といった地域のボランティア活動と一体となってこれを実施するということなどを通じまして、より地域と連携した処遇活動というものを展開していくことによりまして、地域の方々に保護司等の更生保護ボランティアの活動をより身近に感じていただいて、そのとうとさや重要性をより具体的に伝えてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
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安藤裕#6
○安藤委員 ありがとうございます。
 ぜひ、このような仕事があるということをもっと国民の皆様に周知していただきたいと思いますし、担い手が出てくるようにしていただきたいと思います。そして、これらの仕事をしてくださっている皆さんがいるからこそ、地域の安心、安全が保たれて、安心できる住みやすい地域ができているということをもっと世の中に知らしめていただきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 次に、訟務体制の整備についてお尋ねをしたいと思います。
 これも大臣の就任の御挨拶の中で、国の制度のあり方や政策の根幹に重大な影響を与える訴訟に適切に対応していくことは国として喫緊の課題であるというお話がありました。
 法務省では、今回、訟務局というものを設置するということを検討しておられるようですけれども、その目的や必要性についてお答えいただきたいと思います。
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都築政則#7
○都築政府参考人 国の利害に関係する訴訟は、法律上、法務省が行うこととなっております。このうち、訴訟の結果いかんが国の政治、行政、経済等に重大な影響を及ぼす重要大型事件が、現在、約二千三百件に達しております。
 これらの訴訟に適切かつ迅速に対応していくためには、法務省の訟務組織が、関係する行政庁に対して法的な観点から指導的役割を果たしていく必要があります。また、訴訟に至る前であっても、行政の法適合性を確保し、紛争を未然に防止するため、訟務組織がいわば政府のコンプライアンス機関としての役割を果たしていく必要もあります。
 なお、国外の訴訟につきましては、法務省は関与していないというのが実情であります。しかし、国外訴訟につきましても、我が国の利害に重大な影響を及ぼすものの増加が懸念されております。これに対する訟務組織の関与につきましても、今後検討していく必要があるというふうに考えております。
 以上のような要請に的確に応えるため、訟務組織の充実強化を図る必要があり、平成二十七年度予算概算要求において訟務局の新設をお願いしているところであります。
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安藤裕#8
○安藤委員 ありがとうございます。
 まずは国内の事案に対応できる体制をつくり、同時に海外の訴訟に対しても対応していくということですけれども、やはり国際的な観点をこれからは忘れてはならないと思います。
 特に国際裁判においては、先般行われた捕鯨に関する裁判で敗訴するという事態が起きました。これは、日本が国としてこういった国際訴訟に対応できなかったことにより、大きく国益を損なう象徴的な事案だというふうに思っております。この事案に対して、本当に日本は政府を挙げて対応していたのか。今のお話だと、法務省は関与していなかったということですけれども、やはり法務省と外務省と連携をしてこういった事案にはかかわっていかなくてはならないと思います。
 そして、これからの国際社会においては、国際法をいかに国益に資するように運用することができるか、これも国力に直結をしていくと思います。日本がこれからも国際社会において尊敬される地位を占めるためには、国際紛争における日本の法的な立場をしっかりと主張して、関係国を納得させ、なおかつ、国際世論においても支持を得られる行動をとらなくてはならないと思います。ぜひお願いをしたいと思います。
 あわせて、大飯原発訴訟のように民間の事業会社が訴訟の対象となっているような事案であっても、国のエネルギー政策の根幹にかかわるような案件には、国が何らかの関与ができるようにしていくべきではないかというふうにも考えます。そのことについても、ぜひとも検討していただきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いをいたします。
 次の論点に移りますけれども、難民の認定申請者が増加をしているということが最近指摘をされております。そこで、最近の難民認定者の数の推移と、それから、これがふえた理由についてお答えをいただきたいと思います。
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井上宏#9
○井上政府参考人 難民認定の申請者数のお尋ねでございますけれども、難民認定法制に関しましては、前回、平成十七年に若干の大きな法改正をしてございます。その平成十七年の時点では申請者数は三百八十四件でございましたが、本年九月時点では、既に昨年を上回るほど増加しておるのですが、三千六百件となってございます。
 この難民認定申請の人の中には、正規の在留資格を持って申請している人と不正規の在留状態で申請する人がいるんですが、正規の在留者からの申請数を見ますと、これは、平成十七年の百九件から本年九月末時点での約三千件と、かなり急増しておるところでございます。
 その背景を考えますに、平成二十二年の三月に、正規在留者である申請者に対しては、申請から六カ月が経過すれば就労活動が可能となる在留資格を一律に与えるという取り扱いをした、そのことが原因の一つになっていると考えております。
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安藤裕#10
○安藤委員 ありがとうございます。
 今お答えをいただきましたとおり、難民申請者の数は相当にふえているということですけれども、しかし、実際に日本が難民として認定をした人数は、平成二十五年では六人と、極めて少数になっているということです。また、難民として認定しなかったものの、人道的な配慮が必要なものとして在留を認めた者は百五十一人、合わせて百五十七人が難民関係で在留資格を得たということです。
 今のお話を聞いても、申請は多く出ているけれども、日本で難民認定を受けるということは、この数字を見ると相当困難であるということが言えると思います。これは、特に日本の難民認定が厳しいということではなくて、難民として認定すべき国情ではない国からの申請者も多くて、恐らく、申請をする人たちも、日本で難民認定されることは自分は無理だろうなと思っているのではないかというふうにも思います。
 しかし、それでもなぜ日本でこれほど難民認定申請をしようとする人がふえてきたのか。それは、今の難民認定制度が、正規の在留資格を持って入国をして、その資格がある間に難民認定申請をすると、申請後六カ月たてば就労できる資格が与えられて、そのまま日本にい続けることができるというものになっています。さらに、難民認定されなくても、再申請をすることができて、これを繰り返すことによって事実上は無制限に日本に在留することができるという制度になっているように思います。
 そこで、申請の増加を受けて難民認定制度のあり方についての検討を行うということですけれども、これはどのように検討を行っているかをお答えいただきたいと思います。
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井上宏#11
○井上政府参考人 難民認定申請の件数の急増に伴いまして、その事件処理が滞り、本来難民として迅速、確実に庇護されるべき者の処理もおくれている、そのような問題の状況がございます。
 そのようなことから、難民認定制度のあり方全般につきまして、法務大臣の私的懇談会である第六次出入国管理政策懇談会という懇談会がございますが、その下に難民認定制度に関する専門部会という専門家による検討部会を設けまして、現在、専門的な観点から幅広く御議論いただいて、検討していただいているところでございます。本年末を目途に、専門部会から親会である政策懇談会に対して提言を行っていただけるよう議論を進めていただいておりますので、当局といたしましては、その提言、御議論を踏まえまして適切に対応してまいりたいと考えております。
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安藤裕#12
○安藤委員 ありがとうございます。
 難民認定、またその受け入れというのは、人道的な立場もありますので、結構対応は難しいところだろうと思いますけれども、それぞれの申請者の置かれた状況をしっかりと見きわめていただいて、そしてまた、この制度が今のままでいいのかということをも含めて適切に対応していっていただきたいと思います。
 次に、外国人の不法滞在者についてお尋ねをしたいと思います。
 法務省では、最近、不法滞在者の対策に力を入れており、かなり減少傾向にあるというように聞いておりますけれども、現在の不法滞在者の数の推移をまずお答えいただきたいと思います。
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井上宏#13
○井上政府参考人 お答えいたします。
 不法残留者が最も多かったのは平成五年五月でございまして、当時、約三十万人、二十九万八千六百四十六人でございました。
 その後、さまざまな対策を打ってまいりましたが、特に平成十六年からは、不法滞在者五年半減計画というものを遂行いたしました。その半減計画の開始時点で、約二十二万人、二十一万九千四百十八人いた不法残留者を、計画終了時点では、おおむねの半減、十一万三千七十二人まで減少させることができました。
 その後も不法残留者を減少させる取り組みを継続した結果、本年一月現在では、それでもまだ、約六万人、五万九千六十一人の不法残留者がいると考えておるところでございます。
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安藤裕#14
○安藤委員 ありがとうございます。
 不法滞在者対策を御努力いただいて、以前よりはかなり減少しているということですけれども、しかし、まだまだ多いということが言えると思います。ぜひとも今後とも努力を続けていただきたいと思います。
 そして、不法滞在者とともに、偽装滞在者という方々もおられると思います。この偽装滞在者の対策というものも大変重要だと思いますけれども、偽装滞在者とはどのようなもので、その摘発をするに当たってどのような困難があるのか、お答えをいただきたいと思います。
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井上宏#15
○井上政府参考人 偽装滞在者と申しますのは、典型的には偽装結婚などが当たりますけれども、実際には、不法に就労などをする目的で、例えば偽造文書でありますとか内容の虚偽の文書、そのような文書を使うなどして、身分や活動の目的を偽って不正に在留許可を受けて在留する者のことであります。したがいまして、表面上はあくまでも合法的に在留しているということになりますので、違反の調査の端緒を得ることが大変難しくて、その実態の把握にはさまざまな困難がございます。
 そのような中で、入管当局といたしましては、やはり一般の方々から寄せられる情報というものが大変重要でございまして、そのような情報でございますとか、あとは、入管当局が、入国や在留の審査の中でいろいろな情報を保有してございます。また、厚生労働省の方からは、外国人を雇用した場合の外国人雇用状況届出という法制度がありまして、その届け出に基づく情報の提供を受けてございます。
 このようなさまざまな情報をよく徹底して分析いたしまして、さらには、警察、関係機関との情報交換なども行いまして、偽装滞在者のあぶり出しを行い、その摘発に努めているところでございます。
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安藤裕#16
○安藤委員 ありがとうございます。
 この偽装滞在者というのは、なかなか実態が把握しにくいと思いますし、しかし、野放しにするわけにもいかないと思います。特に近年は、こういった方々も含めて、いろいろな方々の生活保護の実態もかなり問題になってきております。ぜひこれからも一層の御努力をお願いしたいと思います。
 そして、これらの不法滞在者また偽装滞在者に対して自発的に出頭を促すということも実施をしておられるということですが、具体的にどのようなことを実施しておられるのか、お答えいただきたいと思います。
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井上宏#17
○井上政府参考人 不法滞在者の対策といたしまして、積極的に摘発していくということがやはり大事でございまして、そこにもちろん力を入れているわけでございますけれども、潜在化しておりますのでどうしても摘発には限界がございまして、自主的に出頭していただくという制度も大きな効力を発揮するというふうに考えてございます。
 そこで、不法滞在者の自主的な出頭を促進するための方策といたしましては、出国命令という制度を平成十六年に設けてございます。その概要は、入国管理官署にみずから自主的に出頭申告したなどの一定の要件を満たす不法残留者につきましては、一般の不法滞在者は身柄を収容してきちんとした退去強制手続をとるのに対しまして、身柄を収容しないまま簡易な手続で出国させよう、そしてまた、一般の退去強制ですと、再び日本に来るまでの、上陸拒否期間といいますが、それが五年ございますが、みずから出頭してきた場合には一年間でまた入国を認めよう、そういうメリットを与えまして出頭を促す、そういう出国命令の制度を設けたところでございます。
 また、さらに、不法滞在者でありましても、個々の事案ごとに、家族の状況とか素行、人道的な配慮の必要性など諸般の事情を総合的に勘案した結果、在留を特に認めるべき場合というものがございます。これを在留特別許可と申しておりますけれども、その在留特別許可の透明性や公平性を向上させるために、ガイドラインを設けたり、在留特別許可が認められた事例あるいは認められなかった事例などの事例集をつくって公表するなどしてございます。そうすることによりまして、自分は在留特別許可が認められそうだ、まだ日本にい続けたいという、不法残留状態でありますけれども特段の問題のない不法滞在者が積極的に安心して出頭申告できるような、そのような取り組みも行っております。
 そのような自主的な出頭を促すさまざまな取り組みによって、不法滞在者の減少にさらに努めていきたいと考えております。
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安藤裕#18
○安藤委員 ありがとうございます。
 このような不法滞在者や偽装滞在者がいるおかげで、本来の正規の滞在者も不当な差別を受けるというようなことにもつながっていくと思います。今後とも、これから努力をしていただきたいというふうに思います。
 次の論点に移りますけれども、日本再興戦略の一つとして、日本経済の活性化に資する外国人の受け入れの促進という課題がございます。その一環として、現在、国家戦略特区法の改正が検討されていますけれども、その中で、外国人の家事支援人材の活用が一つの案として挙げられております。まだ検討している段階であるというふうに思いますけれども、いろいろな懸念が表明をされています。外国人に対する差別になってしまうのではないか、実質的な移民政策ではないのか、また、家事支援といっても育児までを含むのか、育児を外国人にさせることについては問題がないのか。
 そういった懸念について、今政府ではどのような検討をされているのか、まずその状況をお答えいただきたいと思います。
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富屋誠一郎#19
○富屋政府参考人 お答えを申し上げます。
 まず、外国人の家事支援人材についての全体の状況でございますけれども、本年の十月十日に国家戦略特区諮問会議で取りまとめがなされておりまして、その中で、「外国人家事支援人材については、現在、外交官や高度人材などの外国人に雇用される場合にのみ入国・在留が認められているが、女性の活躍推進等の観点から、地方自治体等による一定の管理体制の下、家事支援サービスを提供する企業に雇用される外国人家事支援人材の入国・在留を可能とする。」というような内容が取りまとめられておりまして、現在、この特例制度を含めまして、国家戦略特区法の改正法案の作業を進めているところでございます。
 また、この特例制度につきまして適正な運用を図っていくべく、具体的な制度設計について関係省庁と検討を行ってきているところでございます。
 まず、御質問の差別というような観点につきましては、外国人の家事支援人材への差別につながることがないように、当該外国人材の待遇について検討してきているところでございますが、引き続き、差別につながることがないようにという観点で検討してまいりたいと考えております。
 また、移民政策との関連でございますけれども、これは、「日本再興戦略」改訂二〇一四におきまして、「中長期的な外国人材の受入れの在り方については、移民政策と誤解されないように配慮」することとされておりますので、この方針に従いまして、当該外国人材の受け入れについては最長の滞在期間を限定するという方向で検討してまいりたいと考えております。
 また、家事支援サービスの提供の範囲でございますが、これについて政令で定めていく予定としておりますけれども、その際には、さまざまな御意見を既に頂戴しておりますけれども、それらを踏まえまして関係省庁で十分に検討してまいりたいと考えているところでございます。
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安藤裕#20
○安藤委員 ありがとうございます。
 まだまだ検討中ということですけれども、私から少し懸念を申し上げておきたいと思います。
 まず、外国人に対する差別になってしまうのではないかという点についてでございます。
 今の答弁では、待遇面をしっかりと考えて、恐らく、賃金面でも日本人とは差をつけないということをお考えだというふうに思います。しかし、今、この日本でこの業種で働いている日本人の人たちの年収は、日本人全体の中では決して高い方ではないというふうに思います。これは、高いサービスであったら需要が発生しないと思いますので、日本人全体の中では恐らく低所得というところに分類をされていくんだろうなと思います。
 そして、外国人に来てもらってこの仕事をしてもらおうという発想の中には、安い人件費で外国人を雇えばいい、その人たちは、母国でもらう給料に比べたら、日本人の水準で日本人並みの給料をもらうんだったら、母国に行ったら相当高い給料になるんだから、これは文句がないはずだということがあるように思います。
 そして、もともと、この家事支援人材に外国人をという発想は、香港やシンガポールのように外国人のメードさんがいて、とてもサービスがよくて便利である、だから日本にもこのようなサービスが欲しいというようなところから来ているようですけれども、しかし、香港やシンガポールという国は、もともと植民地支配をされた国であって、植民地においては、宗主国の人間が地元の人たちを便利に安い賃金で使っていたという歴史があるわけですね。これは、そのときの習慣が今もそのまま残っているのではないかということを思います。
 これらの植民地支配をされた歴史から来ているものをモデルとして日本に持ち込むことが果たして適当なのか、このことについては疑問を感じざるを得ないと私は思います。そのこと自体が外国の人たちに対する差別意識につながっているんじゃないかということを私は強く懸念しております。
 次に、移民になるのではないかということについてですけれども、移民にならないように、在留期間を区切って、期限が来たら必ず帰ってもらうようにするということを恐らくお考えなんだろうと思います。
 しかし、海外から来られた方が、もし日本で結婚をして、あるいは結婚をしなくても、例えば子供を産んだりしたら、では、どうするのか。そのようなときでも、期限が来たら帰ってもらうというようなことが本当に可能なのか。そういうときには、恐らく人権の問題が発生をして、帰ってもらうということは相当困難になるだろうというふうに思います。
 また、シンガポールなどでは、妊娠をした外国人には帰ってもらうということを相当厳しくやっているようですけれども、日本で果たしてそのような制度が導入できるのか。恐らく日本にはできないと思いますし、それこそ、このような制度をつくったら、人間の自由に生きる権利というものを侵害しているし、こういった制度は日本にはつくるべきではないと思います。そういった意味でも、この制度は移民につながっていくおそれが相当あるのではないかなということを心配しております。
 そして、最後に育児についての懸念を少し申し上げておきたいと思いますけれども、ゼロ歳児でも、言葉がわからないから外国人に育児を任せてもいいということにはならないと思います。言葉も宗教観も生活習慣も違う外国の方に自分の子供を預けてまで働かなくてはいけないのか、それが本当に子供たちや親たちの幸せにつながるのでしょうか。外国人のメードさんのもとで育った子供たちは、では、一体何人になるのかということを本当に心配するわけです。
 それともう一つ、親としての育ちの問題ということもあると思います。
 東京の共励保育園の長田園長という方がおられるんですけれども、この方の書いた「「便利な」保育園が奪う本当はもっと大切なもの」という本の中にこういった一節があります。
 子育てを外注化した結果、親子の関係性が薄くなり、子を思う「親心」が消えていきます。子供はゼロ歳や一歳頃は可愛いものですが、二歳を超えた頃から自我を出し、さまざまな主張を始めます。
  そうした子供の要求に手間暇をかけて対応することによって「親心」が育つのですが、その機会を他人に委ねてしまいます。発達の過程として三歳や四歳頃から出てくる嘘やずるい心、そうした気持ちを乗り越える術を、親は子供に伝えなくてはなりません。ところが、それらの一つ一つは手間がかかり、愛情も必要です。
  その手間を外部に委ねた結果、そうした手間に対する忍耐力や自分で立ち向かおうとする感覚が失われていきます。子供が大きくなれば、親にもたらされる問題はさらに大きくなっていきます。そして、その問題の深刻度が増すと、親はその問題に直接対応することを避けて通るようになります。つまり、子供の問題に真正面から対峙する親としての力が育っていかないのです。
 今、いろいろなところで問題が起きております。モンスターペアレントの問題とかも出てきておりますが、これはまさに、親としての力、親としての育ちが足りない大人が今ふえていっているということにつながっているのではないかと思うんですね。
 親というのは、子供を産んだだけでなれるものではありません。生物学的には子供を産めば親になることはできても、本当に親になるには、自分で子育てにしっかりと向き合う必要があると思います。そこには報酬もなければ見返りもなく、ただ自分の時間を犠牲にしていくということが求められていくわけです。しかし、自分の時間を犠牲にしても子供と向き合う時間をつくり、子供が安心してわがままが言えて、心の底から信頼できる人がいるという環境をつくることが、子供の将来の人格形成に大きな影響を与えるとともに、親自身の人格形成にも大きな影響を与えると思います。
 このように、子育てを外注化することによって本当に日本の将来に資することになるのか、外国人を雇ってまで子供を預けて働くことが本当に日本の将来の発展に資するのか、このことについては皆様にぜひともお考えをいただきたいと思います。
 質問を終わります。ありがとうございました。
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奥野信亮#21
○奥野委員長 安藤君の質疑はこれにて終了しました。
 次に、柚木道義君。
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柚木道義#22
○柚木委員 おはようございます。民主党の柚木道義でございます。
 よもや、前回質問に立たせていただいて、また新たな大臣のもとでこうして質疑をさせていただくとは思っておりませんでした。本当に異例の二閣僚同時辞任、こういう異常事態の中で今回就任されて、上川大臣におかれましては、就任会見も拝見しましたが、非常に通常以上に重い重い、そういうお立場で大臣に就任されておられるわけです。
 個人的には、これまで厚生労働委員会などでも一緒に、例えば法案修正などお互いさせていただいたり、あるいは、まさに女性活躍自体、私もしっかり進めるべきだと思っておりますので、大臣に御就任されたことに対しては御期待申し上げたいところでございます。
 ただ、御就任をいただいたからには、まさに資質の問題も、お隣の経済産業委員会でも大変な議論が既に起こっております。そこについては、大変恐縮ながら、まず冒頭、上川大臣御本人のことについて幾つか御確認をさせていただきたいと思います。
 少し前のことになりますが、パーティー券の購入、当然、我々一人一人の議員も御協力をいただくことが多いわけですが、これは報道ベースでのことでございますが、全国貸金業政治連盟、いわゆるサラ金業界がパーティー券を購入されておられる方々、これは前の報道でございまして、自民党さんで六十七人の方がそういった対象になっている。
 その中で、私もこれは初めて知ったことでありますが、上川大臣が、当時でございますが、自民党さんの並みいる、これは現職の大臣さんも入られていますが、その中でも一番多くのパーティー券の購入をいただいている。
 まず、これは事実かどうか、教えていただけますか。
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上川陽子#23
○上川国務大臣 おはようございます。
 御質問をいただきました。事実でございます。
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柚木道義#24
○柚木委員 御案内のとおり、このサラ金の問題というのは、もちろん、借りる、借りないということがだめということではなくて、例えば多重債務の方が大変残念なことにみずからの命を絶たれるとか、いろいろな金利の問題とかが社会問題にもなり、その後、この国会における対応にもつながってきたわけでございます。
 私が意外だったのは、まさに犯罪被害者の方の救済等に率先して取り組んでこられた上川大臣が、なぜこういった団体さんからずば抜けてトップのパーティー券の購入をいただけるようなことになっているのかというのが素朴にちょっと疑問に思ったものですから、この御購入いただいている金額が自民党さんの全議員の中でも一番多いというのは、何か理由がおありですか。
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上川陽子#25
○上川国務大臣 多い少ないということについては、具体的にその金額が多い少ない、そういう判断をすることができませんけれども、政治活動に対して御支援をいただくということで御献金をいただいたということでございまして、そのような形で理解しているところでございます。
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柚木道義#26
○柚木委員 今、法務大臣という立場になられておられますし、これまでも歴代の大臣が、過去のそういった献金なりパーティー券の購入なり、その後、お立場になられて、例えば不適切だという判断をされたときに、返金をされるなり、さまざまな対応をとってこられているということが過去にはあります。
 これは、上川大臣、今大臣になられて、改めてこういった部分について何らかの対応をとる必要性について何か感じておられるかどうか、もしありましたら御答弁ください。
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上川陽子#27
○上川国務大臣 政治活動に対する御支援の意図で献金していただいたというふうに理解しておりまして、その限りでございます。
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柚木道義#28
○柚木委員 では、重ねてもう一件伺います。
 大臣はもう既に一度閣僚を、少子化担当大臣をお務めになられておられます。その後のことでございますが、これは二〇〇九年の政権交代選挙があったときですが、そのときは大臣は残念ながら苦杯をなめられたということで、報道で私も承知しておりますが、その際に、後援会事務所の方が公職選挙法違反で、事務員の方が起訴をされる、女性の方が逮捕される、その後、起訴猶予ということになっておりますが、こういったことが起こっております。
 これは、実際に事実ということでよろしいでしょうか。
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上川陽子#29
○上川国務大臣 事実でございます。
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