農林水産委員会

2015-05-21 衆議院 全125発言

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会議録情報#0
平成二十七年五月二十一日(木曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 江藤  拓君
   理事 加藤 寛治君 理事 齋藤  健君
   理事 宮腰 光寛君 理事 吉川 貴盛君
   理事 渡辺 孝一君 理事 玉木雄一郎君
   理事 松木けんこう君 理事 石田 祝稔君
      井野 俊郎君    伊東 良孝君
      伊藤信太郎君    池田 道孝君
      今枝宗一郎君    勝沼 栄明君
      工藤 彰三君    瀬戸 隆一君
      武井 俊輔君    武部  新君
      中川 郁子君    中谷 真一君
      西川 公也君    橋本 英教君
      古川  康君    前川  恵君
      宮路 拓馬君    森山  裕君
      簗  和生君    山本  拓君
      若狭  勝君    金子 恵美君
      岸本 周平君    小山 展弘君
      佐々木隆博君    福島 伸享君
      井出 庸生君    村岡 敏英君
      稲津  久君    佐藤 英道君
      斉藤 和子君    畠山 和也君
      仲里 利信君
    …………………………………
   議員           岸本 周平君
   議員           玉木雄一郎君
   農林水産大臣       林  芳正君
   農林水産副大臣      小泉 昭男君
   農林水産大臣政務官    佐藤 英道君
   農林水産大臣政務官    中川 郁子君
   政府参考人
   (内閣官房内閣参事官)  林  伴子君
   政府参考人
   (内閣官房内閣参事官)  秋山 公城君
   政府参考人
   (農林水産省生産局長)  松島 浩道君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  奥原 正明君
   農林水産委員会専門員   奥井 啓史君
    —————————————
委員の異動
五月二十一日
 辞任         補欠選任
  瀬戸 隆一君     工藤 彰三君
  古川  康君     若狭  勝君
同日
 辞任         補欠選任
  工藤 彰三君     瀬戸 隆一君
  若狭  勝君     古川  康君
    —————————————
五月二十日
 農業者戸別所得補償法案(岸本周平君外五名提出、衆法第一三号)
 農地・水等共同活動の促進に関する法律案(岸本周平君外五名提出、衆法第一四号)
 中山間地域その他の条件不利地域における農業生産活動の継続の促進に関する法律案(岸本周平君外五名提出、衆法第一五号)
 環境保全型農業の促進を図るための交付金の交付に関する法律案(岸本周平君外五名提出、衆法第一六号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 委員派遣承認申請に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 農業協同組合法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出第七一号)
 農業協同組合法の一部を改正する法律案(岸本周平君外三名提出、衆法第二一号)
     ————◇—————
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江藤拓#1
○江藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、農業協同組合法等の一部を改正する等の法律案及び岸本周平君外三名提出、農業協同組合法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として農林水産省生産局長松島浩道君、経営局長奥原正明君、内閣官房内閣参事官林伴子君及び内閣参事官秋山公城君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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江藤拓#2
○江藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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江藤拓#3
○江藤委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。齋藤健君。
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齋藤健#4
○齋藤(健)委員 自由民主党の齋藤健です。
 いよいよ農協法等の改正案の審議が始まるということで、大事な法案でありますので、濃密かつスピーディーに審議が進むことを念じながら、質問に入っていきたいと思います。
 農協法等の改正案の質問、先頭バッターですので、まずはその基本的なところを伺いながら、質疑を進めていきたいと思っております。
 今回の農協改革は、六十年ぶりの農協改革だというふうに言われております。まず初めに、この六十年間、戦後農協が果たしてきた役割、貢献について、まず議論の出発点として、政府としてどう認識をされているか。その点についてお伺いをしたいと思います。
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林芳正#5
○林国務大臣 昭和二十二年に農協法が制定されて以降、食料の需給状況が不足の基調にあったということでございますので、農協が、小規模で多数の農業者から集荷して市場などに出荷するといういわゆる共同販売を行うことによって、ピーク時には、これは昭和六十年でございますが、その取扱高が農業総産出額の約六割を占めるなど、農産物流通において大きな役割を果たしてきた、これがまず一つあると思います。
 それから、生産資材の共同購入についても、これも同じ昭和六十年でございますが、ピーク時、農薬では出荷金額の約八割を占めていたということでございまして、組合員に対する生産資材の供給でも大きな役割を果たしてきた、こういうふうに考えております。
 また、中央会制度についても、単位農協が経営的に困難な状況にあった昭和二十九年に、行政にかわって農協の経営を指導する、そのことによって農協組織を再建するということを目的として導入されたわけですが、中央会制度が導入された当時一万を超えていた地域農協が現在約七百に減少してきておりまして、合併の促進等によって地域農協の経営基盤の強化に成果を上げてきたということで、それぞれの農協が自立できる環境を整備することに貢献をしてきたもの、こういうふうに考えております。
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齋藤健#6
○齋藤(健)委員 戦後、農地解放がありまして小規模な農家がたくさん誕生した。当時、日本は食糧難にあって、どうやってそれを乗り越えていくか。農協も一万を超える数があって、経営も不安定な状況にあった。そういう中で、昭和二十九年に中央会制度をつくって、ここまで日本の農業を引っ張ってきた農協の役割というのは、私は大変大きな貢献をされてきたのではないかというふうに考えております。
 そして、それほど大きな貢献をしてきた農協制度でありますけれども、今、それをなぜ六十年ぶりに大きく変えていこうということであるのか、その基本的なところをまず質疑の冒頭にお伺いしたいと思います。
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林芳正#7
○林国務大臣 先ほど申し上げた農協法が制定された昭和二十二年当時と比べますと、現在は、まず食料が過剰基調である、こういうことで、消費者、実需者のニーズに対応した販売努力が不可欠になってくる。また、国内の食料マーケット、これは残念ながら人口が減少している中で、国内の食料マーケットは縮小に向かう、こういうことでございまして、六次産業化をやって川下の付加価値を取り込んだり、また、伸び行く海外のマーケットへの輸出ということを視野に入れなければままならなくなってきているということでございます。
 それからもう一つは、農業者も、大規模な担い手農業者と小規模な兼業農家に階層分化をしてきておりまして、そういった意味で組合員のニーズも多様化をしてきている、こういうことでございまして、こういう多様化してきたニーズに応えた農協の運営を行う、こういう必要が出てきているということでございます。
 こういう状況を受けて、農協の農産物販売、生産資材購入における取り扱いのシェアというのは低下傾向にございまして、農業者、特に担い手農業者のニーズに十分に応え切れていると言いがたい状況になってきております。
 中央会についても、先ほど申し上げましたように、単位農協が、中央会の制度発足時の一万を超えていたものから七百程度に減少するということと、それから一県一JAというのも増加してきております。それから、JAバンク法に基づいて、信用事業については農林中金に指導権限が与えられている、こういう状況も出てきているということで、制度発足時と状況が大きく変化をしてきた、こういうことでございます。
 こうした状況の変化を踏まえまして、今回の改革は、地域農協が、農産物販売など農業者の所得向上を図る上で重要な業務を刷新して、農業者、なかんずく担い手の皆さんと力を合わせて全力投球をできるような環境を整備する必要がある、こういうふうに考えておるわけでございますので、地方分権の発想に立って、まず地域農協が、それぞれの地域の特性を生かして、創意工夫をしながら、自由に経済活動を行いまして、農産物の有利販売などで農業者の所得向上に全力投球できるようにする。そして、連合会や中央会、これは今申し上げた地域農協の自由な経済活動を適切にサポートしていく、こういう基本的な考え方に立っております。
 こうした改革によりまして、農産物の販売力強化に全力を挙げていくような環境を整備することで、地域農協には、農業者のメリットを大きくするように、創意工夫して取り組んでいただくことを期待しているところでございます。
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齋藤健#8
○齋藤(健)委員 ありがとうございます。
 私も、この議論を党の中でやる中で、大変危機感を感じながら議論に参画をしてまいりました。一番大きな要因は、いろいろあるんでしょうけれども、私は、これから日本の人口が残念ながら減少を続けていかざるを得ないというところに、日本の農業がどう対応していくかというところが非常に大きな曲がり角に来ているんだろうと思います。
 今は、まだ人口減少は始まったばかりで、毎年二十数万人ペースで人口が減っているわけでありますけれども、やがて、これは毎年八十万人とか百万人というペースで人口が減っていくわけであります。百万人といいますと、岸本さんの和歌山県一県分の人口が毎年日本列島から消滅をしていくというような、そういうマグニチュードを持った人口減少をもうすぐ目前に控えているわけであります。
 残念ながら、日本の農業の生産というのは国内消費向けが中心でありますので、人口が減れば、それに応じて売上額が当然減っていくということであります。つまり、今までと同じようなやり方をしていたのでは間違いなくじり貧になっていくというのが、今、日本の農業の置かれた厳しい現状だろうというふうに思っております。
 こういう状況に対応していくには、細かく言えばいろいろありますけれども、大きく言えば二つの方向で対応していくしかない。一つは、国内のマーケットが縮小するのであれば、海外のマーケットをとりにいくということが大きな方向として一つであります。そして、もう一つは、生産中心であった日本の農業が、これから伸びていくと予想される流通ですとか加工ですとか、下流に進出をすることによって、そこで上がる付加価値を生産分野に取り込んでいくという方向。
 この二つの方向で日本の農業の生産サイドを何とかこの厳しい状況に対応していく、この大きな二つの方向なんだろうと私は思っております。そして、幸いなことに、この流通、加工分野の伸び代というものは、私は非常に大きな可能性があると思います。もちろん、輸出も大きな可能性があると思います。
 今やらなくてはいけないことは、この流通、加工という今までどちらかというと余りおつき合いのなかった分野にどうやって生産サイドが出ていって、そしてその付加価値を取り込んでいくかという努力、この努力をいかにうまく進めることができるかどうかの一点に日本の農業の将来がかかっているんじゃないかと思うほど、この分野の充実というのが大事だと思っております。
 ところが、一方で、誰もが同じことを考えるわけでありまして、流通、加工サイドの人たちも、この分野が伸びるということを認識しているものですから、逆に、この分野から生産分野にどんどん進出をしてくるということが現状起こっているわけであります。つまり、この伸び行く分野を誰がとっていくかということの競争が始まってきているということであります。
 したがいまして、私は、この農業の生産サイドからそういう付加価値をとるような大きな力強い動きをいかに起こしていくかというのが、今後の日本の農業を支えていく上で一番大きな論点なんだろうというふうに思っております。そういう意味では、伸び行く分野の競争が始まっている中で、その付加価値を生産サイドに取り込んでいくという競争を戦って勝ち残っていけるしたたかな農協というものをこれからつくっていけるかどうかが、これからの日本の農業を支えていくことができるかどうかは、この一点にかかっていると言っても過言ではないと私は思っております。
 そういう意味では、農協の販売力をいかにして強化していくか。それから、今まで余りおつき合いがなかった流通、加工の分野の人たちと連携をしながら、しかし、とるものはとっていくという強い農協になっていく、その連携力。それから、最後は経済事業に、今赤字だからということではありますけれども、経済事業にもっと集中をしていって、そして付加価値を高めていくということで、販売力とか、連携力とか、それから経済事業への集中力、こういったものがこれからの農協が果たすべき重要な役割になっていくんだろうと思っております。
 そういう意味では、こういった三つのポイントに今回の法改正がどう応えているのかという点について、お伺いしたいと思います。
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奥原正明#9
○奥原政府参考人 ただいま先生の方から、農協を発展させていくための三つのポイントが指摘されたかと思います。
 まず、一点目の地域農協の販売力の強化でございます。
 この販売力の強化に向けて積極的な経済活動ができるように、今回の農協改正法案の中におきましては、一つは、農協の経営目的を明確化するということで、農協は農業者の所得の増大に最大限配慮をするということ、それから、農産物の販売などを的確に行うことによって、利益を上げて、事業の成長発展のための投資ですとか農業者に利用分量配当で還元していく、こういった規定を一つ置いております。
 もう一つは、責任ある経営体制を確立するということも必要でございますので、理事の過半数を、原則として、認定農業者や農産物販売のプロ等とする、こういう規定も置いております。
 それから、中央会につきましては、地域農協の創意工夫による自由な販売活動を促すという観点におきまして、自律的な新たな制度に移行するということにしているところでございます。
 それから、二つ目のポイント、経済界との連携でございます。
 これは地域農協のレベルでも当然必要でございますが、特に全農ですとか経済連、ここにつきましては、農業、食品産業の発展に資する経済活動を経済界と連携をして積極的に行っていただく、これを促していきますとともに、経済界との連携を迅速かつ自由に展開する上で必要な場合には、農協出資の株式会社に転換することができる、こういった規定も置いているところでございます。
 さらに、経済事業のところに集中するという観点でございますけれども、地域農協の経営における金融事業の負担ですとかリスクをできるだけ減らして、人的な資源を経済事業にシフトできるようにするという観点で、既にJAバンク法の中で代理店方式というのが書いてございますけれども、これを積極的に活用するということで、今回の改正案におきましても所要の規定の整備を行っているところでございます。
 こういった改革によりまして、販売力の強化、経済界との連携、それから経済事業に軸足を置いた事業運営、こういったものに努めていきたいと考えております。
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齋藤健#10
○齋藤(健)委員 日本の農業が生産サイドの所得を維持向上させていくために、農協が、販売力、連携力、経済事業への集中力、こういうものを高めていかなくちゃいけないという点について、今法案でどう対応しているかお伺いをいたしました。
 本件につきましては、自民党の中でも大議論してきたテーマであります。ただ、党内以外のところからいろいろな指摘をいただいて、厳しい状況の中で、それへの対応も我々はやってきたわけでありまして、その一つに、農協の信用事業を切り離せという議論がありました。
 先ほど申し上げましたように、日本の農業はこれから厳しい状況になる中で、農協は経済事業に集中すべきである、そうしないとなかなかこれは乗り越えていけない。そのために、切り離せという議論が随分ありました。
 我々は、経済事業自身がもう信用事業なくしてはやっていけない現状で、それを今切り離せと言われるのは非現実的であり、むしろ経済事業をシュリンクさせるものであるという観点から、一貫して反対をしてきておりました。
 ただ、議論の中で一考を要する点も確かにあったように思います。
 それはどういう点かと申しますと、そもそも信用事業でもうけたお金を、経済事業が赤字だということで恒常的につぎ込む、今の農協は、全体として見れば、そういう構造にあるわけであります。やはりこの構造は、信用事業で上がった利益を、普通はほかの分野で使ってはいけないというのが、ファイアウオールを設けてなんというのが金融の世界の常識なんですが、そうなっていない。これはおかしいのではないかという議論があったわけであります。
 そして一方で、准組合員の人たちがふえている。御案内のように、准組合員の人は農業者以外の方であります。つまり、突き詰めて言えば、農業者以外の方との信用事業で上がった利益を農業者の人に恒常的につぎ込む、こういう構図になっているのはいかがなものかという議論がありました。
 そしてその過程で、こういう議論がありました。
 つまり、今の農協監査士による監査を、農業以外の人たちがふえてきている現状の中で、そこで上がった利益を農家に、農業につぎ込むのであれば、監査はしっかり、第三者の誰が見ても、ああ、ちゃんとやっているなという監査にしなければいけないんじゃないか。公認会計士による監査にすべきじゃないか。もし准組合員の利益を恒常的に経済事業につぎ込むのであれば、きちんとやれという議論がありました。
 そして、今のまま農協監査士の中でやるのであれば、やはり農業以外の人たちで上がった利益を恒常的につぎ込むというところに手を入れなければいけない。つまり、准組合員問題を直していかなくちゃいけないんじゃないか、そういうリンケージがあるという議論がありました。
 私は、現実を考えれば、この議論に最終的にくみするものではありませんが、ただ、一考を要する指摘であったなというふうには思っております。
 准組合員問題と監査が連携しているのではないかという指摘をずっとされてきた点について、この法案ではどのように対応されているのか、お伺いしたいと思います。
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奥原正明#11
○奥原政府参考人 まず、監査の問題でございますけれども、今回の農協改革の中では、全中の監査の義務づけを廃止いたしまして、公認会計士の会計監査を義務づけるということにしております。
 これは、准組合員が農業者である正組合員を上回る状況になっているということが一つございますし、それから、農協の数も現在七百農協となっておりまして、一農協の貯金量の規模も非常に大きくなっております。中には、一農協で一兆円を超えるような貯金量のところもあるということでございます。
 こういったことに鑑みまして、農協が信用事業を今後とも安定的に継続できるようにするためにはどうするかという観点で、他の金融機関と同様に公認会計士による会計監査を受ける、こういう形にすることが適当ではないかという判断をしたところでございます。
 それからもう一つ、これと関連をいたしますが、准組合員の問題でございます。
 農業者の協同組織である地域の農協は、正組合員であります農業者のメリットを拡大する、これが最優先でございますけれども、過疎化それから高齢化が進行しております農村社会において、実際上、農協が地域のインフラとしての側面を持っている、このことも事実でございます。
 そういったことを踏まえて、准組合員についてどういうことにするかという議論がなされてきたわけでございますけれども、准組合員の利用規制につきましては、これまで規制がなかったということもございまして、正組合員と准組合員の利用実態が必ずしも把握できておりません。
 それから、今回の農協改革によって、農業者の所得向上に向けた成果がどの程度出るか、これを見きわめる必要もあるということもございまして、今回の法案の中では、五年間の調査を行った上で決定をするということにしているところでございます。
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齋藤健#12
○齋藤(健)委員 今回の法案では、公認会計士への監査に農協の監査が移行するということでありますが、これは相当大変な作業だろうと思います。したがって、移行に当たって混乱が生じるようであれば、かえって日本の農業の発展を阻害することにもなりかねないと思っております。
 この移行について、どういう手当てを打って混乱を防止しようとしているのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
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奥原正明#13
○奥原政府参考人 今回の公認会計士監査への移行につきましては、円滑に行われるようにすることが極めて重要であるというふうに考えております。
 このため、今回の法案の中では、改正法の施行後三年六カ月の間をその準備のための移行期間ということでまず設定をしておりますし、それに加えまして、政府は、全中の監査に従事していた公認会計士の方々が新たに外に出して設立をする新たな監査法人、ここが円滑に業務を行えるようにすること、それから農協の方から見て公認会計士等を確実に選任できるようにすること、それからこれによって農協サイドの実質的な負担が増加しないようにすること、こういったことについて適切な配慮をするという規定を附則でもって書いているところでございます。
 さらに、公認会計士監査に移行した場合におきましても、これまで全中監査に従事をしてこられました農協監査士の方々が持っておられる農協の監査に関するノウハウ、これを活用することが有効でございますので、政府は、農協の監査士の方々につきまして、今後とも農協に関する監査の業務に従事することができるようにすること、それからこの方々が公認会計士の試験に合格した場合には、その実務の経験等を考慮して円滑に公認会計士になることができるようにすること、こういったことについても適切な配慮をするという規定を置いております。
 さらに、これに加えまして、こういった配慮が自主的にうまくできるようにという観点で、農林水産省それから金融庁といった関係行政機関と、それから日本公認会計士協会と、さらに全中によります協議の場を設けるということも法律の中に盛り込んでいるところでございます。
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齋藤健#14
○齋藤(健)委員 法文上の文言についてはよく理解しましたけれども、現実に大変な制度であることは間違いないと思いますので、ぜひ、現場の声をよく聞きながら、混乱なく円滑に移行できるように、我々の方からも強くお願いをしておきたいと思います。
 また、時間がなくなってきたのでまとめて聞いてしまいますが、農業委員会制度の改革も非常に大きな改革となっておりまして、とりわけ農業委員の公選制から任命制への移行につきましては多くの不安を抱える、そういう声を聞いております。
 この移行に当たりましては、確かに地域の代表者をきちんと選んでいくということも大事、それと同時に、それだけでなく、任命でもできるという、この極めて微妙なバランスの運用が本当にきちんとなされなければならない制度だと思いますので、この微妙な制度設計についてどのように考えておられるか、それが第一点。
 それから、農業生産法人改革についても、何が問題だというふうに認識をされて今回の改正に及んだのか。時間もないので、手短にお答えいただければと思います。
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奥原正明#15
○奥原政府参考人 まず、農業委員会の関係でございます。
 農業委員会は、農地に関する市町村の独立行政委員会でございますが、ここがきちんとした活動をしていただくことが、農地の集積、集約化におきましても重要な要素になっております。
 今回の法案では、適切な方が確実に農業委員に就任をしていただくという観点におきまして、農業委員、従来は公選制でございましたけれども、これを市町村議会の同意を要件とする市町村長の選任制に改めるということにしているところでございます。
 ただ、その際、恣意的な運用になってはいけませんので、農業委員の選出につきまして、市町村議会の同意を得るということに加えまして、あらかじめ地域からの推薦を求めたり募集を行うということ、それから推薦を受けた方あるいは募集に応募した方についての情報を整理、公表するということ、さらに、市町村長は推薦や募集の結果を尊重しなければいけないということまで規定をしているところでございます。
 こういった規定を踏まえまして、恣意的な運用にならないように、きちんとした対策を講じていきたいと考えてございます。
 それからもう一点、農業生産法人の関係でございますが、何が問題かということでございます。
 農業生産法人は、これは農地の所有ができる法人の要件を満たしたところをこういうふうに呼んでいるわけでございますけれども、農業を継続的に真剣に取り組んでいただくということを担保する上で、役員ですとか議決権につきまして一定の要件を設けております。ですが、この要件が、法人の六次産業化等の経営展開を進めていく上でネックになる場合がございます。
 法人が六次産業化に取り組む際の障害を取り除いて、法人の経営発展を推進していく、こういう観点から、役員の農作業の従事要件ですとか、議決権の要件を見直すということにしているところでございます。
 具体的には、現行では、役員の約四分の一程度の方が農作業に従事をするという要件になっておりますけれども、六次産業化を進めていきますと、当然、役員の方の中でも農作業のウエートは下がっていくことになりますので、役員等の一人以上が農作業に従事をすればいいという形に改めております。
 それからもう一つ、現行では、総議決権の四分の一以下に制限されている農業者以外の方の議決権でございますけれども、六次産業化を進めていきますと、外部からの資本調達が必要というケースも当然出てまいりますので、これにつきまして二分の一未満まで保有可能とする、こういった見直しを入れているところでございます。
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齋藤健#16
○齋藤(健)委員 本件につきましても、現場は大変心配をしておりますので、よく現場の声を聞きながら、制度の移行を丁寧にしていただきたい、これも強くお願いをしておきたいと思います。
 私も、この農協改革については、大変個人的に思い入れが強くございます。たまたま経済産業省で奉職を二十三年間しておりまして、いろいろな産業を担当してまいりました。その中で、やはり農業のとりわけ輸出に関しては、これほど伸び代を感じる産業も、なかなかほかの産業界ではないんじゃないかというぐらい、私は可能性を感じております。
 日本の自動車がなぜアメリカで売れるようになったか。こんなぼろ車は売れないよと言われる中で、これだけ輸出をふやしてきたのはなぜか。それは、特定の会社の名前は言いませんが、自動車会社がアメリカに行って、足を棒にして歩いて、必死で売り歩いたから売れるようになったわけであります。
 また、私の地元のしょうゆ会社のしょうゆは全米のスーパーで売られております。なぜ日本のしょうゆが売られるようになったか。これはしょうゆメーカーの社員が、足を棒にしてスーパーを歩き、そしてアメリカのスーパーの店頭でアメリカの肉を焼き、日本のしょうゆをかけて食べてもらって、それで売れるようになったわけであります。
 しょうゆメーカーや自動車メーカーは大企業ですから、そういうことを社員にやらせることはできますが、日本の農家にそれをやれと言っても無理です。では、かわりに誰がやるんでしょうか。私は、それこそ農協がその役割を担っていくべきだと思います。日本の果物や野菜を売り歩く姿をアメリカその他のスーパーで見るようになる、見られるようになるということが、これから一つの農協改革のシンボルになっていくんだろうと私は思います。
 そのためには、意識も変え、組織も変え、そして政策もそれに応じて変えていくというこの三つがそろっていって、みんなで意識をそろえて努力をしていくということが大事であり、そのための一助となるのが今回の農協改革であると私は確信をしております。
 最後に、民主党からも法案が提出されておりますので、これについて伺いたいなと思っております。
 岸本周平さんは、私が前の職場にいるときから御指導いただいて、財務省の中でも改革派の先輩として大変尊敬をしてまいりましたし、玉木雄一郎さんも、一緒に行政改革をやり、抵抗勢力と戦いながら改革を一緒にやってきた仲間でありますし、福島さんも、私の後輩で、当時は、経済産業省というのは改革派の人が多いんですけれども、その中でも先鋭な改革派でありまして、日本で初めて特区制度を導入するときに彼が一生懸命汗をかいていた姿が、今私の脳裏に焼きついているわけであります。揚げ足をとるようなことをしない、正論できちんと議論する、そして意見の対立はあっても最後は決めるという腹のある方であると常々敬意を表していたところでございます。
 そういう目で今回の民主党の法案をちょっと見てみますと、例えば、さっき申し上げた、農業にどうやって所得というか付加価値を取り込んでいくかという観点が非常に大事になっているにもかかわらず、今回の民主党さんの案では、そこがはっきりと記されていなくて、いや、むしろ、それは地域のために頑張るという条文を加えるだけになってきている。本当にそれでいいんだろうか。
 それからもう一つは、組合の運営については最大限尊重するということで、行政は余り口を出すなというような条文が入っていたり、本当にこれで、この厳しい大きな曲がり角を曲がれるような法案になっているんだろうか。
 私は、あの改革派の人たちがつくった法案にしては、本当にこれは本音でこれでいいと思っているんだろうかという疑問がどうしても頭から去らないわけであります。
 ですから、私がお伺いしたいのは、この改革案で、本当に農協がこの厳しい時代に対応できるような意識改革、組織改革ができると思っておられるのか。私は、この方々は絶対に思っていないと確信をしているんですが、本当に思っていますかということをお伺いしたい。
 それから、最後にもう一つだけ。済みません。手短に申し上げますが、政治的中立性について、皆さん方の法案に入っております。
 ただ、私がお伺いしたいのは、実は平成二十年にも、皆さんが野党のときに同じ条文を出しておりまして、当時も農協法の一部改正案を皆さんは提案されて、そこにも政治的中立性についての記述が全く同じ表現で書いてありました。野党時代に出されました。それは、ねじれておりましたので、参議院を通過いたして、衆議院では通らずに、解散・総選挙となったわけであります。
 そして、その後、皆さん方が与党になりましたが、そのときには、農協の政治的中立性、法案を出してきませんでした。そして、また野党になられたら政治的中立性を、また条文を出してこられるという経緯があるわけでありますが、なぜ政権をとっていたときにこれを出してこなかったのかという点についてお伺いをしたいと思います。
 以上です。
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岸本周平#17
○岸本議員 時間も来ましたので、手短にお答えをさせていただきます。
 齋藤委員、私も、最も敬愛する同僚議員の一人から御質問いただいて、大変名誉なことであると存じます。
 本当にそう思っています、答えは。
 二つだけ申し上げます。
 一つは、政府の案も、危機感を共有するという意味では、私は危機感を共有しています。ただし、少し上から目線のパターナリスティックな部分が多いのではないか。
 例えば、株式会社。これは、今の日本の制度では誰でも株式会社をつくれます。実際、私のJAわかやま、これはもう平成二十二年に株式会社をつくりまして、農地を借りて事業をしたり、農産物の販売をしたり、やれる農協は、販売もいろいろなことをやっています、株式会社をつくっています。わざわざ法律で慫慂する必要はないと思います。
 もう一つ。我々は、協同組合という点に物すごく着目しています。
 これは、ICAという組織があります。ICAの取り決めの中で、協同組合のアイデンティティーに関する宣言があります。詳細は言いませんけれども、その中に、組合の自主性を政府の間でも保つべきであるとか、地域社会の持続可能な発展に努めなければならないというようなものがあって、我々は、この国際的な協同組合をどう考えていくのかという観点から案をつくっているところであります。
 そして、最後の御質問ですけれども、与党の時代は、私どもは本当に経験不足で、今、ざんきの思いにたえないところでありますけれども、経験不足で政権担当能力が非常に少なかったということを申し上げて、お答えにかえたいと思います。
 以上です。
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齋藤健#18
○齋藤(健)委員 終わります。ありがとうございました。
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江藤拓#19
○江藤委員長 次に、稲津久君。
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稲津久#20
○稲津委員 おはようございます。
 きょうは、さきの本会議での質問に続いて、委員会による法案の審議ということで、一つは、本会議のときにもう少し具体的にお聞きしなければいけなかった点、これを委員会でお聞きしたいということと、あわせて、少し、法改正に基づく個別な案件についても、時間は短いですけれども、この中で審議を深めていきたいというふうに思っています。
 最初は、今回の農協法等の改正によって、農業の成長産業化、農家所得の向上をどう図っていくのかということについての具体性についてお伺いしたいと思うんです。
 これは本会議で質問いたしまして、そのとき、総理からの御答弁というのは、意欲のある担い手それから地域農協が力を合わせて、自由な経済活動をすることによって農家所得が向上することにつながっていくんだ、こういう答弁でした。私も全くそこはそうだなと思っています。
 では、そこを具体的にどうするのかということについて、これは今回の農協法の改正によるということも非常に大事ですけれども、やはりもう一方では、これはどこの組織でもそうですけれども、たゆまぬ改革が多分必要なんだろう。その時代、その地域、そのさまざまな環境の中において、やはり、どう生き残っていくというよりは、むしろ先に進んでいくのか、そういうことだと思うんですけれども、そこは、実は私は、大臣がこの委員会における所信表明のときに触れたことが、一つその具体性につながっていくことだろうと思っているんです。
 それは、攻めの農林水産業の実行、その取り組みとして、需要フロンティアの拡大、需要と供給をつなぐバリューチェーンの構築、生産現場の強化、ここになってくると思うんですけれども、では、さらにそこをもう少し今回のこの農協法の改正等と結び合わせて、より具体的にこのことについて触れていただきたい、お考えを示していただきたい、このように思っています。
 まず、大臣の所見を伺いたいと思います。
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林芳正#21
○林国務大臣 まさに、農林水産業・地域の活力創造プランをつくらせていただいたわけですが、当初の作成作業においては、稲津先生も政務官として御参画をいただいていたわけでございます。
 需要フロンティアの拡大、それから生産現場の強化、そして、需要と供給をつなぐバリューチェーン、この三本柱をつくったわけですが、まさに、こういう政策を成果を上げていくために、こういう政策をしますという農政の改革そのものも大事ですが、それを受けとめて実行していくという主体にやはり政策の方向性を共有していただいて、政策を活用しながらやっていく、こういう環境が必要になってくるというのがこの農協改革の一つの大きな目的である、こういうふうに思っております。
 それぞれ少し具体的に申し上げますと、需要フロンティアを拡大するということであれば、やはり高機能食品、それから例えば漢方薬の原料の薬用作物、こういった新たな国内ニーズ、また介護食品等もございますが、そして、先ほどの齋藤委員の御議論の中にもあった、もう一つの海外のマーケット、輸出を拡大するということがありますので、こういうことを、それぞれの地域に合わせて、各経済主体である農協さんが経営を展開していく、こういうことになってくると思います。
 バリューチェーンも、まさに販売、加工へ進出する、いわゆる六次産業化を進めていく必要があるわけでございますので、個々の農家がやられる場合もあるかもしれませんけれども、やはり農協としてまとまってこういう作業をやっていく。
 そして、生産現場を強化する、まさに担い手の育成、確保、担い手を軸とした地域農業を確立していく、また、今やっていただいておりますけれども、農地バンクを利用して集積を図っていく。これも、やはり個々の農家でということもありましょうけれども、地域の農協が中心となってやっていくということが大きいわけでございます。
 まさにそういうことをやっていくために、農業者、組合員、それから農協の役職員、徹底した話し合いを常に行っていただいて、どういう役員体制にするのか、どういう販売方式で売っていくのか、六次産業化にどうやって取り組んでいくのか、輸出をどこにどうやって拡大していくのか、こういうことをしっかりと検討していただくことによって方向がしっかりと出てくるということで、政策と主体が連動をするということで農業の成長産業化への道筋がつく、こういうふうに考えておるところでございます。
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稲津久#22
○稲津委員 ありがとうございました。
 具体的にお答えいただいて、少し流れが見えてきたなと思うんです。
 そこで、今大臣にお話で触れていただいた、地域農協の組織の中、特にどういう人たちがこの議論を深めて、そして道筋をつくっていくのか、まずそこに触れていただきました。これが、実は今回の農協法の改正の一つの肝だと思っているんですけれども、ここで一番大事になってくるのが、まさに農協の役員、理事の構成の話になってくると思うんです。
 今回、改正案の中では、過半を認定農業者や販売、法人経営のプロとする、こういうふうになっています。
 これは、私もそうだなと思うんですけれども、もう一方で、地域はそれぞれさまざまな事情、環境が違う。例えば、生産している品目も違ってくれば、認定農業者そのものが非常に少ない地域もあろうかと思います。ですから、そういった地域の実情に合わせた対応が必要なんだろうということで、例えば認定農業者の少ない地域はどうするのか。
 それから、販売や経営のプロという話が出ているんですけれども、その販売や経営のプロというのはどういう視点で見るのか。例えば、どんな資格、能力、資質が求められるのか。これもなかなか難しいところで、しかしながら、この法案の審議の中では、ここはひとつ明確にしていかなきゃいけない。
 本会議でも、他党、他会派の方々からも御議論があったところですけれども、もう少し詰めてここをお示しいただきたいと思います。
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林芳正#23
○林国務大臣 まさに今おっしゃっていただいたように、今回の農協改革では、地域農協が、担い手農業者の意向も踏まえて、農業所得の増大に配慮した経済活動を積極的に行えるようにするというために、理事の過半数を、原則として、認定農業者や、農産物の販売や経営に関し実践的な能力を有する者とすることを求める規定を置くことにしております。
 ここが販売のプロということになるわけですが、ゴルフと違って、別にプロのテストがあるわけではございませんので、この実践的な能力を有する者については、基本的には、各農協において御判断をいただく、こういうことになりますが、当然、先ほど言ったように、地方分権という発想でやっていきますから、その農協がどういう販売事業をしていこうとしているのか、どういう経営をやっていこうとするのか、この方向性を踏まえながら、それぞれ適任者を選任いただくということになると考えております。
 地域によっては、今まさに御指摘いただきましたように、認定農業者の数が少ないところもあるわけでございますから、原則どおりの役員構成とすることが困難な事情もあるわけでございますので、原則としてというのはまさにそういうことでございまして、適切な例外を設ける、こういうふうにしております。
 制度の運用に当たっては、実態調査を行うことなどによって、制度の趣旨を踏まえながら、現場の実態を踏まえた適切なルールになるように、しっかりとそれぞれの地域事情にも留意をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
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稲津久#24
○稲津委員 ありがとうございました。
 そうすると、そこで一番大事になってくるのは、やはり地域の実態に合わせることが非常に大事なことになってくるんだろう。法人経営のプロといっても、特に資格があるわけでもないし、例えば、Aという地域では、こうした新たな農協の理事の資質というのが大事だったかもしれないけれども、しかし、こっちの方ではまたちょっと違うよねと。
 そういうことを考えていくと、今大臣が御答弁いただいたことを踏まえていくと、まさに、農協改革というのは、地域農協の自己改革がやはり一番大きなウエートになってくるんだろう、こう思うんです。
 ですから、そこのところを、これは本会議でもいろいろ触れていただきましたけれども、やはり地域の農協の自己改革がベースだということを、もう一度、改めて確認の意味で質問させていただきたいと思います。
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林芳正#25
○林国務大臣 まさにおっしゃっていただいたとおりでございまして、そもそも農協は、農業者によって自主的に設立された民間の組織でございますので、その改革は自己改革が基本でなければならないと考えておるところでございます。
 今回の農協改革においては、こうした農協の自己改革を促進する、そういう観点で、地域農協については、責任ある経営体制を確立するための、今申し上げた理事構成や経営の目的などを規定していただいて、自己改革の枠組みを明確にするということと、それから、中央会についても、地域農協の自己改革を適切にサポートできるような組織体制に移行する、こういうふうにしておるところでございます。
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稲津久#26
○稲津委員 ありがとうございました。
 非常に大事な視点について明快にお答えいただいて、論点というか課題がきちんと見えて、課題解決の方向性も明らかにしていただいたんじゃないだろうかなというふうに思っております。
 それで、次に移りますけれども、今回の法改正案による農業委員会のことについて質問させていただきたいと思うんです。
 先ほども議論がありましたが、今回の農業委員会改革の取り組みについてということで、一つは、公選制から、市町村議会の同意を要件とする市町村長の選任制に改めるということ、それから、これも今回新しいことで非常に注目しなくてはいけないんですけれども、農地利用最適化推進委員を創設する、それから、都道府県農業会議、全国農業会議所の役割を見直していく、指定法人制度に移行していく、こういうことがありました。
 それで、ここも一つのポイントになってくると思うんですけれども、農業委員会の過半を認定農業者とする、こういうふうになっています。これも先ほどの農協の理事と同じで、なかなか地域によっては認定農業者が少ない地域もありまして、ここもやはり地域の実態に即した中身にしていかなきゃならないだろう、このように思っていますが、この点について御答弁いただきたいと思います。
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小泉昭男#27
○小泉副大臣 先生御指摘の部分なんですが、今回、お話しのとおり、農業委員会改革におきましては、適切な人物が確実に農業委員に就任すること、これは極めて大事でございますので、一つ目には、農業委員の選出方法につきましては、公選制から、市町村議会の同意を要件とする市町村長の選任制に改める、この方向でございまして、二つ目には、委員の過半を、お話にございましたとおり、原則として認定農業者とすることとしているわけであります。
 先生御指摘の部分でございますが、この場合、地域によりましては認定農業者の数が少ない、こういう地域も聞くところでございますので、原則どおりの委員構成とすることが困難な事情も考えられるわけであります。あくまでも原則としておりまして、適切な例外を設けることとしていきたい、こういうふうに考えております。
 制度の運用に当たりましては、実態調査を行うことなどによりまして、制度の趣旨を踏まえつつ、現場の実態を踏まえた適切なルールとなるように十分留意をしてまいりたい。
 なお、例外を定める農林水産省令の内容につきましては、今後検討していくことになるわけでございますが、実態調査をした上で、必要がある場合には、認定農業者のOB、それと、集落営農の役員などの認定農業者に準ずる者をカウントできるようにすることを想定してまいりたい、こういうふうに思っております。
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稲津久#28
○稲津委員 これから調査をして、その上で省令等にしっかり書き込んでいくということですので、ぜひ速やかにやっていただきたいと思うんですね。
 そのことと同時に、今回の農業委員会の制度の見直しのところでやはり一番大事になってくるのは農地利用最適化推進委員なんですね。これがよくわからないという声をたくさんいただいています。
 今回、農業委員会は農地利用最適化推進委員を委嘱することができる、こういうことなんですね。では、その推進委員は何をするのかということなんですけれども、これは名称のとおり、農地の利用を最適化するんだということになると思うんですが、もっと具体的に言うと、今の一番の課題である担い手への農地の集積をどういうふうに図っていくのか、そこが大事な仕事だと思うんですが、やはりこれがなかなか大変なことで、今の中間管理機構の初年度の集積率の報告もありましたけれども、初年度ですからまだここで全部判断するわけにいきませんけれども、やはりいろいろと難しい問題はあるんだろう、このようなことはわかってきていると思います。
 その上で、では、今度は、最適化推進委員はどういう人が選ばれていくのかということなんですね。そこで、先ほどの理事のプロの話になってくるんですけれども、その委員にどんな資質、資格が求められるか。それともう一つ、では、そういう資質や資格を求めていったときに、そういう人材は本当に確保できるのか、このことは非常に大事な話ですので、この質疑の中で明確にしていただきたいと思います。
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中川郁子#29
○中川大臣政務官 今回の法案で新設することとしています農地利用最適化推進委員は、担当区域におきまして、担い手への農地利用の集積、集約化や耕作放棄地の発生防止、解消のための活動を行うものでございます。
 現場においてこうした農地の利用最適化推進活動を行っていくためには、地域の農地所有者や農業者の信頼を得て、農業者などへの働きかけを円滑に実施していく能力が必要であり、このような方が推進委員となることが望ましいと考えてございます。
 このため、推進委員につきましては、農業委員会が委嘱するに当たり、地域の農業者などから候補者の推薦を求めまして、または募集を行わせていただき、その推薦などを尊重して委嘱することとしており、これらの手続を通じて必要な人材を確保していくこととしています。
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