法務委員会

2015-04-14 参議院 全120発言

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会議録情報#0
平成二十七年四月十四日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月七日
    辞任         補欠選任
     矢倉 克夫君     山口那津男君
 四月八日
    辞任         補欠選任
     山口那津男君     矢倉 克夫君
 四月九日
    辞任         補欠選任
     田中  茂君   アントニオ猪木君
 四月十日
    辞任         補欠選任
   アントニオ猪木君     田中  茂君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         魚住裕一郎君
    理 事
                熊谷  大君
                三宅 伸吾君
                有田 芳生君
                真山 勇一君
    委 員
                猪口 邦子君
                鶴保 庸介君
                牧野たかお君
                溝手 顕正君
                柳本 卓治君
                足立 信也君
                江田 五月君
                小川 敏夫君
                矢倉 克夫君
                仁比 聡平君
                田中  茂君
                谷  亮子君
   国務大臣
       法務大臣     上川 陽子君
   副大臣
       法務副大臣    葉梨 康弘君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  大塚  拓君
       外務大臣政務官  宇都 隆史君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局刑事局長   平木 正洋君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫟原 利明君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      久保田 治君
       警察庁長官官房
       審議官      塩川実喜夫君
       警察庁生活安全
       局長       辻  義之君
       警察庁刑事局長  三浦 正充君
       法務省民事局長  深山 卓也君
       法務省刑事局長  林  眞琴君
       法務省人権擁護
       局長       岡村 和美君
       法務省訟務局長  定塚  誠君
       法務省入国管理
       局長       井上  宏君
       外務大臣官房審
       議官       豊田 欣吾君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○法務及び司法行政等に関する調査
 (外国人に対する入居差別に関する件)
 (ヘイトスピーチに対する規制に関する件)
 (訟務局創設の意義に関する件)
 (難民認定率の低下の背景に関する件)
 (住民基本台帳事務におけるDV被害者の支援
 措置申出に関する件)
 (通信傍受法の対象犯罪の拡大及び被疑者と弁
 護人の接見の盗聴に関する件)
 (裁判員制度に関する意識調査と裁判員制度の
 今後に関する件)
 (開発協力大綱と特定秘密保護法の整合性に関
 する件)
○矯正医官の兼業及び勤務時間の特例等に関する
 法律案(内閣提出)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
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魚住裕一郎#1
○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官久保田治君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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魚住裕一郎#2
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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魚住裕一郎#3
○委員長(魚住裕一郎君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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有田芳生#4
○有田芳生君 おはようございます。民主党・新緑風会の有田芳生です。
 今日は、法務省の人権侵犯事案に対する対応が効果的なのかどうか、問題があるのではないかという視点から具体的にお尋ねをしたいというふうに思います。
 法務省の発行されております「人権の擁護」、これは法務省人権擁護局が出しているパンフレットですけれども、そこの七のところに外国人という項目があります。さらに、法務省のホームページを拝見いたしますと、外国人が理髪店、散髪屋さんに入ろうとしたところ拒否をされたと、それについて具体的な例が述べられておりますけれども、人権擁護局としてどういう対応を取られたのか、何があったのか、まずそこをお示しください。
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岡村和美#5
○政府参考人(岡村和美君) 外国人の人権につきまして救済措置を講じた具体的事例としては、理容店で外国人であることを理由に理容サービスの提供を拒否された事案について調査した結果、理容店の店長が、外国人に対しては一律に理容サービスの提供を拒否するとの方針の下、申告者に対しても理容サービスの提供を拒否したことが認められたことから、店長に対して理容サービス提供の在り方について改善に努めるよう説示した事例がございます。
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有田芳生#6
○有田芳生君 昨年でしたか、この法務委員会でも谷垣法務大臣のときに、サッカーの浦和レッズのファンが試合場にジャパニーズオンリーという垂れ幕を掲げたと、それに対して、大きな問題となって、そしてその掲げた人たちはもうサッカー、試合の観戦ができないというような厳しい対応などが取られておりました。
 一方、そういう民間では厳しい措置がなされているにもかかわらず、まだまだ法務省人権擁護局などの対応というのは問題を抱えているのではないかということで、具体的にお話をしたいというふうに思います。
 二〇一三年の一月二十二日に、京都の龍谷大学の学生で、これは北欧から来られた方です、私も話を伺いましたけれども、現在二十八歳です。二〇一三年に生協の雑誌に掲載されていた紹介物件を見て、ここに住みたいなということで相談センターに物件を見に行きたいという相談をいたしました。
 ところが、生協の担当者がこれは大家が外国人お断りの物件だということを伝えましたので、留学生がなぜかと聞いたところ、以前にトラブルがあったという説明があって、だけどもう一度確かめてほしいというふうに頼んだところ、生協担当者が、その管理会社に電話をしたんですけれども、やはり無理だということを伝えました。留学生は、これは露骨な人種差別じゃないかということを言ったところ、生協の担当者は、これは差別ではないということを語りました。しかし、それが問題となって、二〇一三年の六月七日、生協の理事長が対応に問題があったという謝罪文をサイトに掲載をいたしました。
 さらに、その六月七日からしばらくたった二〇一三年の六月二十一日、今度は留学生が京都地方法務局にこの件を相談をいたしまして、人権救済の申立てを行いました。そのとき担当者はこう語っております。法務局は人種差別と闘うための何らの法的な権限も手段も有していない、法務局はどのような手続を行ったのか一切詳細を明らかにすることはできない、ただ手続の結果を知らせるだけである、最も良い結果としては大家に対する警告があり得るけれども、この場合も何ら強制力はないというようなことを伝えられました、留学生は。
 その相談から一週間後に法務局の人権擁護課長から人権救済手続を開始するという連絡がメールで来ました。ところが、そこでも、調査内容等についての御質問には一切回答できませんと。それから何と一年半後、一年半後にこういう通知が来ました。まず名前が書いてあるんですけれども、平成二十五年六月二十一日に人権救済の申立てがありましたアパート仲介拒否の件につきましては、調査の結果、人権侵犯の事実があったとまでは判断することができませんでしたので、平成二十六年九月十九日に侵犯事実不明確の決定をし、あわせて、龍谷大学生活協同組合に対し賃貸物件の取扱いについて啓発を行いました。
 まず、この侵犯事実不明確の決定をするまでに何で一年半も掛かるんでしょうか。
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岡村和美#7
○政府参考人(岡村和美君) 現実に時間が掛かったということについては、複数の関係者もおりますし、個別の事案について様々な事情があると思いますが、時間が掛かったことについては大変残念に思います。ただ、個別の事案の内容についてこれ以上深く御説明することについては差し控えさせていただきます。
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有田芳生#8
○有田芳生君 この現在二十八歳の青年に私は詳しく話を聞きましたけれども、法務委員会で質問するに当たって、個別の事案だからお答えすることは差し控えるという回答が来るだろう、だけどどうですかと聞いたところ、いや、全然差し支えありませんよ、私のことは全て明らかにしてくださいと言っておりますけれども。
 今ここでお聞きをしても私が説明した以上のものはありませんから、どうですかというようなことは、やぼなことは聞きませんけれども、やはり個別の事案、個別の事案ということで何か逃げているような、いわゆる官僚答弁というのは、この問題だけではありませんけれども、どうして個別の事案、本人がいいと言っても明らかにすることができないんでしょうか。
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岡村和美#9
○政府参考人(岡村和美君) 関係者のプライバシーを保護するとともに、調査に関わる事実をみだりに公にすることにより今後の法務省の人権擁護機関の調査に関する支障を生じさせることがないようにするなどの観点から、個別の事案についてはお答えを差し控えさせていただいております。
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有田芳生#10
○有田芳生君 風呂屋さんに外国人が入ろうとして拒否をされたことは小樽でかつて裁判にもなって、訴えた方が勝訴をするということ、何件もありますけれども、風呂屋にも拒否される、理髪店にも拒否される、あるいは、今御紹介したように、入居しようとしても問題があるというふうに言われる。これは、全国各地の地方自治体の調査によっても、例えば三重県とか京都市の調査でも、やはり住居に関する差別というのは多くの外国人が経験をして、非常に嫌な思いをしているという証言も聞いております。
 今回御紹介した二十八歳の北欧から来た青年について言っても、子供の頃に日本のアニメ、具体的に言えば「ドラゴンボールZ」が非常に好きで、それをきっかけに日本語を学んで日本に留学をした。その彼が、こういう経験をしてどうですかということを聞きましたら、物すごくショックを受けたと言うんですよね。そういうことがあることは聞いていたけれども、自分がいざ体験してみると、本当につらい思いをしたと。この大学の生協だけではなくて、京都市内の不動産屋に行ってもそういうことを言われたこともあるんだと。じゃ今、そうはいっても、日本に暮らしていて日本に対する印象変わりましたかと聞きましたところ、完全には変わっていなくて、やはり日本は好きなんだと、だけど、こういう差別というものはなくしてもらいたいということを心から願うというふうに彼は語っておりました。
 そこで、もう少しお聞きをしたいんですけれども、例えば不動産屋で外国籍の人には貸さないという張り紙が貼ってある場合は、それは違法なんでしょうか、どうなんでしょうか。
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岡村和美#11
○政府参考人(岡村和美君) 御指摘のような張り紙を不動産業者が貼る行為が違法か否かは、それに基づいて賃借を拒否された者がいるかなど、個々の事案の具体的状況を踏まえて判断する必要がございます。ただ、そのような張り紙は、外国人に対する差別意識を助長することにもなりかねず、人権擁護上問題があり得るものと考えられ、必要に応じて啓発を行うことが考えられます。
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有田芳生#12
○有田芳生君 端的に伺いますけれども、そういう張り紙があった場合、法的な措置を現在はとることができるでしょうか。
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岡村和美#13
○政府参考人(岡村和美君) 御指摘のような張り紙があった場合ということだけでは具体的な被害事実、侵害事実が明確でありませんので、なかなかここで結論を出すことは難しいと思っております。
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有田芳生#14
○有田芳生君 そうした入居差別について、宅地宅建業者に対して是正を指導する担当省庁というのはどこになるんでしょうか。あるいは、さらに法務省とはこの問題でどのような連携を取っているんでしょうか。
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岡村和美#15
○政府参考人(岡村和美君) 法務省としてのお答えになりますが、国土交通省との関係では、宅地建物取引士用の法定講習のテキストに外国人に対する入居差別の問題に関する記載がある法務省作成の啓発冊子「人権の擁護」の抜粋などを掲載するなどの例がございます。
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有田芳生#16
○有田芳生君 分かりました。
 さらに、違った視点からお聞きをしたいんですけれども、前回の法務委員会でもお聞きをしましたけれども、法務省が最近力を入れて啓発をしてくださっている「ヘイトスピーチ、許さない。」という非常に目立つポスター、リーフレット、資料でもお示ししました。全国各地の駅頭にも貼られておりますけれども、本当にうれしいという人もいれば、快く思わない人も当然おりまして、例えば現在、大阪の心斎橋の地下鉄の構内にこのポスターが貼ってありますけれども、もうびりびりに破られました。それに対して駅員は、破られたものをセロテープで丁寧に貼って元どおりにしているんですけれども。
 枚数少ないんですよね。だから、そういうときにすぐに欲しいといったところには対応できるような、そういう迅速な対応をしていただきたいということをまず最初にお願いをしておきたいというふうに思います。
 前回もお聞きをしたんですけれども、このヘイトスピーチに対する電話相談について、前回お聞きしたところでは八十四件というお答えがありましたけれども、もう少し詳細に教えていただけますでしょうか。
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岡村和美#17
○政府参考人(岡村和美君) 前回の法務委員会においてヘイトスピーチに関する人権相談の件数について、平成二十六年五月からの合計件数が八十四件であった旨お答え申し上げましたが、この件数は正確には平成二十五年二月以降の相談件数でありましたので、その旨訂正させていただきます。
 また、先日もお答え申し上げましたとおり、このヘイトスピーチに関する人権相談は電話によるもののほか面接等によるものもあり、平成二十七年四月六日までに当局で把握している件数を八十四件とお答えしたものであります。
 さらに、相談の内容としましては、ヘイトスピーチに関する啓発や規制の在り方についての意見も多いが、相談者自身や知り合いがヘイトスピーチによって被害を受けたとする方からの相談もあります。
 その前提でお答えいたしますと、平成二十七年四月十三日時点で当局が把握している相談件数は、前回お答えした八十四件から九件増加して、合計九十三件でありました。そのうち、ヘイトスピーチに焦点を当てた啓発活動を実施するようになりました平成二十六年十一月下旬以降に寄せられた相談は七十六件でございます。
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有田芳生#18
○有田芳生君 今日、資料としてもう一枚お示しをしました、昨日の毎日新聞夕刊の社会面トップ記事です。「法務省のヘイトスピーチ対策 電話相談がっかり」、今の法律で対応できぬ、当事者の頑張りが重要と、これは人権擁護委員の方が電話で語っていらっしゃった内容です。
 時間あるときにお読みいただきたいというふうに思いますが、副大臣、ヘイトスピーチというのは何なんでしょうか。
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葉梨康弘#19
○副大臣(葉梨康弘君) お答えいたします。
 ヘイトスピーチとは何かということでございますけれども、まさに人種差別、偏見や差別を内容とする、それを殊更助長するような、そういうような表現といいますかスピーチだと考えています。
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有田芳生#20
○有田芳生君 法務委員会でも何度もお聞きをしておりますけれども、例えば、これまでも具体的な中身についてお尋ねをしたことがありますけれども、副大臣、具体的な問題として、こういう言葉、どう評価されますか、ごみはごみ箱へ、朝鮮人は朝鮮半島へ。これはヘイトスピーチですか、あるいはそうではないですか。
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葉梨康弘#21
○副大臣(葉梨康弘君) 個別のケースによってやはり判断をされなければならない部分も多いかと思いますけれども、多分、先生おっしゃられていますようなそういう言葉が非常に在日の方の多い地域で発せられるということであれば、やはりヘイトスピーチというふうに捉えられることが多いんじゃないかと思います。
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有田芳生#22
○有田芳生君 そういう対応を法務省人権擁護局の職員の方々あるいは人権擁護委員の方々にも徹底していただきたいんです。
 例えば、二〇〇九年から一〇年に起きた京都朝鮮学校襲撃事件、これはもう最高裁でも判決が確定している件ですけれども、あるいは徳島県教組襲撃事件、そして奈良の水平社、誹謗中傷、侮辱の街宣活動をやった人物がおりますけれども、現在、執行猶予中です。彼が市会議員選挙に出るために大阪の法務局を訪れました。そのとき、法務局の担当者とこういう会話を交わしております。本人が明確に、ネットで見ていただければ分かりますけれども、私は市議選ではごみはごみ箱へ、朝鮮人は朝鮮半島へと訴えますが、これってヘイトスピーチなんですかというふうに聞いているんですよね。それに対して、結論だけにしますけれども、大阪法務局の窓口で対応した方は、それがヘイトスピーチか否かをお答えする立場にはないと答えているんですよ。
 だけれども、皆さん率先してヘイトスピーチは許さないというこの啓発をやっていて、そこには、きちんと今副大臣が答弁なさったように、特定の民族や国籍の人々を排斥する差別的言動というものをヘイトスピーチと理解しているから、こういうものを法務省も作っているわけですよね。だけれども、現場ではそういう対応が取られていないんですよ。どう思われますか。もっと徹底すべきじゃないでしょうか。
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葉梨康弘#23
○副大臣(葉梨康弘君) このヘイトスピーチの問題ですけれども、私自身、法務省副大臣になりまして七か月たちました。この法務委員会でも非常にいろんな議論がされているわけですが、観光客の方もどんどん増えているし、それから、これから技能実習の法案についてもまた御審議いただくわけですけれども、外国人がどんどんどんどん日本の国内においても増えてきているという中で、この外国人の人権の問題というのは今以上に私ども重視していかなければいけない問題だと。これは別に法務省法務局だけではなくて、各省庁全て同じような問題意識を持っていかなきゃいけないし。
 ですから、今申し上げましたように、はなから、例えば不特定多数に向けられたものだからこれは人権侵害にならないと。一般論としてはそうなんですけれども、そうじゃなくて、先ほど申し上げましたように、個別のケースによってはやはり人権侵害になることもあり得るわけですから、そこら辺のところは、外国人の人権の問題に対してはより敏感に我々としても対処していくということが必要だということは、法務省だけではなくて、各省庁が全てやっぱり共有した問題として捉えていかなければいけないなというふうに感じております。
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有田芳生#24
○有田芳生君 人権擁護局長にお聞きをしたいんですけれども、個別の電話相談の問題点については今から具体的な例をお示ししますけれども、昨年の十一月以降、特にヘイトスピーチに特化した啓発活動を強化されているということは非常に好ましいことだというふうに思いました。しかし、先ほど副大臣が答弁されたような形で、例えば、先ほど言いましたように、ごみはごみ箱へ、朝鮮人は朝鮮半島へ帰れというようなことがヘイトスピーチだというようなことは現場の電話相談の中では分からないという、そういう対応をされている人が多いんですよ。
 お聞きをしたいのは、それだけ強い啓発活動を今なさっているときに、ヘイトスピーチの問題についてのガイドラインとか指針とか、あるいはパンフレットというようなものを作られましたでしょうか、つまり、電話相談を受ける人のために。
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岡村和美#25
○政府参考人(岡村和美君) 電話相談を受ける職員については研修はしておりますが、一般的な外国人の人権についての研修の中でヘイトスピーチについて触れるにとどまっております。しかしながら、最近では、この研修の中で、特にヘイトスピーチに関する相談についての対応方針も説明を始めております。今後も、各種研修の機会を捉えて同様の説明を実施する予定でおります。
 今後につきましては、ヘイトスピーチの相談はやや特殊性があると思われるところ、現場の相談対応者の個性は様々であろうことから、まずは各局に一人は精緻な対応ができる者を置き、困難な相談はその者に交代して対応するという体制にするよう努力を開始したいと思っております。
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有田芳生#26
○有田芳生君 副大臣が答弁してくださったように、ごみはごみ箱へ、朝鮮人は朝鮮半島へ帰れというのは、京都地裁の判決あるいは大阪高裁の判決でも確定したわけですけれども、人種差別撤廃条約第一条第一項に基づいて、これは人種差別なんだという認定がもう確定しているんですよね。だから、そういうことも含めて、やはり今後、電話相談の中ではしっかりとした対応をしていただきたいと強く思うんです。
 具体的なことで、これは新聞記事にもなりましたけれども、例えば、在日の男性が三月三十日に電話相談をいたしました。東京の事務所の近くで差別デモがしばしばある、見たくないし聞きたくない、恐怖を感じるんだということに対して、これは法務省の職員ですけれども、韓国人死ねとのデモが人権侵害に当たるかどうか、きちんとした調査をしないと分からない、韓国人は死ねというのは調査をしないと人権侵害とは言えないというような回答を行っているんですよね。こうも語っております。法務省としては、国の行政、中立的な立場なので、啓発活動を通じて人権意識を高める、それが国の対策として生ぬるいという御意見ならば、上に伝えていきたいと。
 しばしば電話相談した人たちに話を聞きますと、記録に残しますとか、参考にします、貴重な提言として受け止める、そういう言葉が余りにも多いんですよ。だから、私は、こういう事例、何人もの者を集めて話を伺って、これは、今お話しなさったように、担当している個別の法務省の職員あるいは人権擁護委員の認識ではなくて、ひょっとしたらそういうガイドラインなどを作っていらっしゃるのかなと思わざるを得ないような感じがしたものですから、今お聞きをしたという次第です。
 通告しておりませんが、最後に大臣にも感想はお聞きしたいと思いますので、お願いをしたいんですけれども。
 もう一つ、これはやはり在日の女性、四月三日に電話相談しました。この女性は朝鮮大学の卒業生で、在特会の前会長が朝鮮大学の前に来て、おまえら出てこいよ、殺してやるからというようなことを叫びました。ネットでも今でも出ております。そこに警察官はいたけれども、全く対応しませんでした。目の前に朝鮮人、在日朝鮮人の女性たちがいるところで、おまえたち出てこいよ、殺してやるから、怖くて出てこれないのかよというようなことをやっているのが今でもネットに出ていますから。それを止めてほしいということを言ったところ、先ほども紹介しましたけれども、これは人権擁護委員です、ネット上の動画は人権侵害じゃないのかということを問うたところに、記録に残します、参考にしますということを言っただけではなくて、これ新聞でも報道されていますけれども、人権を守るには当事者が頑張るのが重要だと。殴られてばかにされても、本人がいいと言うなら、やめろよって他人が言ったって、やめろよって言ったって、あいつがいいと言っているんだからいいだろうという話にもなる、どうにもならないということはあるんだというような、これは人権擁護委員が語っているんですよ。
 この女性は、本当に恐怖の体験をした上で電話相談、心を決して掛けて自分の思いを伝えた。だけど、そういう対応。繰り返します。当事者が頑張るのが重要だ、どうにもならないということもある、これを人権擁護委員が語られたことによって、今でも彼女は、相談しなければよかった、被害当事者として心底そう思いますと、そう語っているんですよ。だから、そこのところはもっと正確な対応ができるような体制を是非とも取っていただきたいというふうに思っております。
 さらに、もう一点だけ紹介をしておきます。これは別の方ですけれども、人権教室の話が前回も出ましたけれども、これも在日の方が、ヤフーの韓国、朝鮮関係のニュースに差別的書き込みが余りにもひどくて削除されていないと、こういうことに対して法務省として人権侵害事件として関与をできないんですかということを聞いたら、できませんという返事がありました。じゃ、啓発として、こういう差別デモを行っている人たちに対して個別的な啓発はできないんですかという質問をしたんですよね。そうしたら、何と答えていいか分からなくなって保留にした後で、こう答えました。法務省では人権教室という形で出向いて啓発活動を行っている、来て啓発活動をやってほしいという依頼があれば啓発に行くことはあると。ヘイトスピーチをやっている人たちから人権教室を開いてほしいとの依頼があれば、行って啓発活動を行うことはある、そう言われたので、じゃ、ヘイトスピーチで困っている、被害を受けている人が、あの人たちに啓発に行ってくださいということはお願いできないんですかということを問うたところ、無理だと、法律がないのでそのような対応になるという話で、さっきと一緒で、そのような意見があったことは記録に残しますというところで終わってしまっているんですよね。
 やはり人権教室などの啓発というのは相手が依頼してこないとできないものなんですか。
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岡村和美#27
○政府参考人(岡村和美君) 一般的にはそうでありますが、これから委員御指摘の点も踏まえて検討してまいる所存でございます。
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有田芳生#28
○有田芳生君 何度も何度も繰り返すんですけれども、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを迎える日本において、外国人がどんどん観光客として増えてきているときに、この間の日曜日でしたか、やはり、新橋から銀座にかけてヘイトスピーチ、先ほど御紹介をしたような言葉を吐き散らしているデモがありました。外国人はそれを見てもうびっくりしています。日本はこんな国だったのかという感想を語る人もおりました。何よりも東京オリンピック・パラリンピックを迎える日本がやはりそうした人種差別の扇動というものをなくしていかなければならないということは、これはオリンピック・パラリンピックの問題以前に、やはり人間の尊厳に対する侵害として、人権問題として克服していかなければならないことだと私は強く思っております。
 もう時間が来ましたので、今日の一連の質問について、上川大臣、御感想をお聞きしたいというふうに思います。
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上川陽子#29
○国務大臣(上川陽子君) ヘイトスピーチについての対策ということで、この十一月から精力的に取り組んでまいりました。まず、ポスターをしっかりと掲示をしていただく、そしてそれにSOSの一一〇番ということで御連絡をいただく、そうした被害を受けていらっしゃる、あるいは不快な思いをしていらっしゃる方からの勇気ある電話相談等につきましては、顔の見えない関係ではあるわけでありますけれども、その勇気ある相談に対してしっかりと向き合っていくということは大変大事な姿勢だというふうに思っております。
 研修等も十分に積み重ねながら、そうした御相談に対しても真摯に対応できるように万全を期してまいりたいというふうに思っております。
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