法務委員会
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会
会議録情報#0
平成二十八年五月十日(火曜日)
午前九時三十分開議
出席委員
委員長 葉梨 康弘君
理事 安藤 裕君 理事 井野 俊郎君
理事 城内 実君 理事 鈴木 馨祐君
理事 吉野 正芳君 理事 井出 庸生君
理事 逢坂 誠二君 理事 國重 徹君
あかま二郎君 大塚 拓君
奥野 信亮君 門 博文君
門山 宏哲君 上川 陽子君
今野 智博君 笹川 博義君
田所 嘉徳君 辻 清人君
冨樫 博之君 長尾 敬君
藤原 崇君 古田 圭一君
宮川 典子君 宮澤 博行君
宮路 拓馬君 若狭 勝君
階 猛君 柚木 道義君
大口 善徳君 吉田 宣弘君
清水 忠史君 畑野 君枝君
木下 智彦君 上西小百合君
鈴木 貴子君
…………………………………
法務大臣政務官 田所 嘉徳君
参考人
(特定非営利活動法人移住者と連帯する全国ネットワーク代表理事) 鳥井 一平君
参考人
(法政大学社会学部教授) 上林千恵子君
参考人
(愛知県労働組合総連合議長) 榑松 佐一君
法務委員会専門員 矢部 明宏君
—————————————
委員の異動
五月十日
辞任 補欠選任
若狭 勝君 門山 宏哲君
同日
辞任 補欠選任
門山 宏哲君 長尾 敬君
同日
辞任 補欠選任
長尾 敬君 若狭 勝君
—————————————
五月九日
国籍選択制度の廃止に関する請願(浅尾慶一郎君紹介)(第一六八四号)
同(西村智奈美君紹介)(第一六八五号)
同(佐々木隆博君紹介)(第一六九六号)
同(近藤昭一君紹介)(第一七六五号)
もともと日本国籍を持っている人が日本国籍を自動的に喪失しないよう求めることに関する請願(浅尾慶一郎君紹介)(第一六八六号)
同(西村智奈美君紹介)(第一六八七号)
同(佐々木隆博君紹介)(第一六九七号)
同(近藤昭一君紹介)(第一七六六号)
は本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した案件
外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案(内閣提出、第百八十九回国会閣法第三〇号)
出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案(内閣提出、第百八十九回国会閣法第三一号)
————◇—————
この発言だけを見る →午前九時三十分開議
出席委員
委員長 葉梨 康弘君
理事 安藤 裕君 理事 井野 俊郎君
理事 城内 実君 理事 鈴木 馨祐君
理事 吉野 正芳君 理事 井出 庸生君
理事 逢坂 誠二君 理事 國重 徹君
あかま二郎君 大塚 拓君
奥野 信亮君 門 博文君
門山 宏哲君 上川 陽子君
今野 智博君 笹川 博義君
田所 嘉徳君 辻 清人君
冨樫 博之君 長尾 敬君
藤原 崇君 古田 圭一君
宮川 典子君 宮澤 博行君
宮路 拓馬君 若狭 勝君
階 猛君 柚木 道義君
大口 善徳君 吉田 宣弘君
清水 忠史君 畑野 君枝君
木下 智彦君 上西小百合君
鈴木 貴子君
…………………………………
法務大臣政務官 田所 嘉徳君
参考人
(特定非営利活動法人移住者と連帯する全国ネットワーク代表理事) 鳥井 一平君
参考人
(法政大学社会学部教授) 上林千恵子君
参考人
(愛知県労働組合総連合議長) 榑松 佐一君
法務委員会専門員 矢部 明宏君
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委員の異動
五月十日
辞任 補欠選任
若狭 勝君 門山 宏哲君
同日
辞任 補欠選任
門山 宏哲君 長尾 敬君
同日
辞任 補欠選任
長尾 敬君 若狭 勝君
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五月九日
国籍選択制度の廃止に関する請願(浅尾慶一郎君紹介)(第一六八四号)
同(西村智奈美君紹介)(第一六八五号)
同(佐々木隆博君紹介)(第一六九六号)
同(近藤昭一君紹介)(第一七六五号)
もともと日本国籍を持っている人が日本国籍を自動的に喪失しないよう求めることに関する請願(浅尾慶一郎君紹介)(第一六八六号)
同(西村智奈美君紹介)(第一六八七号)
同(佐々木隆博君紹介)(第一六九七号)
同(近藤昭一君紹介)(第一七六六号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案(内閣提出、第百八十九回国会閣法第三〇号)
出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案(内閣提出、第百八十九回国会閣法第三一号)
————◇—————
葉
葉梨康弘#1
○葉梨委員長 これより会議を開きます。
第百八十九回国会、内閣提出、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案及び出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
本日は、両案審査のため、参考人として、特定非営利活動法人移住者と連帯する全国ネットワーク代表理事鳥井一平君、法政大学社会学部教授上林千恵子君及び愛知県労働組合総連合議長榑松佐一君、以上三名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に委員会を代表して一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多忙の中御出席を賜り、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜れれば幸いに存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、鳥井参考人、上林参考人、榑松参考人の順に、それぞれ十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
なお、御発言の際はその都度委員長の許可を得て発言していただくようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず鳥井参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →第百八十九回国会、内閣提出、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案及び出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
本日は、両案審査のため、参考人として、特定非営利活動法人移住者と連帯する全国ネットワーク代表理事鳥井一平君、法政大学社会学部教授上林千恵子君及び愛知県労働組合総連合議長榑松佐一君、以上三名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に委員会を代表して一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多忙の中御出席を賜り、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜れれば幸いに存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、鳥井参考人、上林参考人、榑松参考人の順に、それぞれ十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
なお、御発言の際はその都度委員長の許可を得て発言していただくようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず鳥井参考人にお願いいたします。
鳥
鳥井一平#2
○鳥井参考人 おはようございます。
移住連の代表理事を務めています鳥井一平と申します。特定非営利活動法人移住者と連帯する全国ネットワーク、略称移住連といいます。
本日は、このような場で発言をさせていただくことに、冒頭まず感謝申し上げます。加えて、私は少し悪声でございます。多少お聞き苦しい点もあるかと思いますが、どうか御辛抱いただきたいと思っております。
さて、私たちの移住連は、一九八〇年代からこの日本の労働市場の求めによって急増した移住労働者とその家族、ニューカマーの人々に対する差別、人権侵害や労働問題に取り組んできた全国各地のNGOや労働団体によって一九九七年につくられた全国ネットワークで、昨年、NPO法人として再スタートしています。
また、私自身は、個人加盟の労働組合、全統一労働組合の特別中央執行委員であり、バブル経済下のニューカマーの外国人労働者の労働問題に取り組んだのが一九九〇年からですので、もう二十五年を超えております。そして同時に、外国人技能実習生権利ネットワークの運営委員をスタート当初から務めています。
外国人技能実習制度、二〇一〇年までは外国人研修・技能実習制度と言っていましたが、この制度の問題、労働問題や人権問題に私自身が直接にかかわってまいりましたのが一九九八年からです。当時、千葉県銚子市で、研修生や技能実習生からの強制貯金を協同組合の理事長が使い込んだ上に、経営破綻する事件をきっかけに、パスポートの取り上げや低賃金、劣悪な労働環境、劣悪な住環境などが明るみとなりました。そして、KSD事件と絡まって、インドネシアからの研修生、技能実習生をめぐる利権構造も問題となったわけです。
当時、パスポートの取り上げ問題などは一定の改善を見たというふうに受けとめていたのですが、事態は深く巧妙に潜行しつつ、労働条件や人権問題は悪化していたのでした。
そのことが一挙に噴出したのが、二〇〇五年の岐阜事件、私たちの側からは岐阜行動と呼んでいますが、縫製業を中心に、時給三百円の実態、奴隷労働ともいうべき実態が明らかとなり、社会問題ともなっていったわけです。その後、岐阜県や福井県、茨城県の労働局が積極的に動かれ、法違反の実態も報告されてきました。
また、山梨県甲府市における強制帰国事件は、中国国内世論にも大きく反響し、中国政府外務部が二回にわたって声明を発信することもありました。
私がかかわった個別の事例を挙げると切りがありませんので、別の機会にいたしますが、外国人技能実習制度における労働問題、人権問題は、今日まで変わることなく、日々寄せられているのが事実であります。
なお、私たちが指摘している事例について、極端な悪質事例と受けとめられる方々もおられるようですが、これらは極端な事例ではなく、典型的な事例であると御認識いただきたいと考えます。そして、私たちが救済できているのは氷山の一角であり、泣き寝入りをせざるを得ない技能実習生たちが多くいることに心を寄せていただければと考えます。
国際社会も、外国人研修・技能実習制度における人権問題に強い関心と注意喚起を行ってきています。アメリカ国務省の人身売買年次報告書二〇〇七年版での指摘に始まって、二〇〇八年、自由権規約委員会、二〇〇九年、女性差別撤廃委員会、二〇一〇年、人身売買に関する特別報告者、二〇一一年、移住者の人権に関する特別報告者、二〇一四年、再び自由権規約委員会から。また、アメリカ国務省人身売買年次報告書では、二〇〇七年以降毎年、労働搾取や人身売買の観点から研修・技能実習制度に対する懸念が表明され続け、現代の奴隷制度と指摘されているのです。
なお、私は、二〇一三年六月、ワシントンにおいて、アメリカ政府、ケリー国務長官から、TIPヒーロー賞を授与されております。
さて、今回の技能実習法案は、今述べました国際社会からの批判にも対応するものだと言われています。しかしながら、実際には、批判を真摯に受けとめたものとは言えず、ただ批判をそらすためにではないかとの疑念さえ抱かずにはいられません。
次に、法案審議の中で研修と技能実習の用語の混乱があるように思われますので、まず、法務委員会の皆さんと事実認識についてしっかりと共有させていただきたいと思います。
それは、二〇一〇年以降、研修と技能実習は分離しているという事実です。当たり前のようで、意外といまだに混乱しているようです。まあ、用語の混乱は、この制度の問題の本質の一つでもあります。つまり、制度そのものが理屈の合わない矛盾だらけの虚構そのものであり、それゆえにわかりにくくしているとも言えます。
話を戻しましょう。
二〇〇九年の入管法改正の最大の成果の一つが、この研修と技能実習の分離です。ただ、同時にそれは、技能実習制度の矛盾がきわまったということでもあり、労働者受け入れ制度となっている実態に開き直ったとも言えることになったわけです。
ここでグラフをごらんください。二〇一〇年の制度改定で研修がどうなったのかということです。研修生の新規入国者が激減しました。JITCO関連でいうと、二〇〇七年ピーク時に七万人を超えていた新規入国者が六百五十五人に一挙に減っています。
私は、外国人研修・技能実習制度の問題を指摘する際に、本当の研修は五%ぐらいじゃないかと、現場での実感も含めてかねがね発言してきました。この数字を見ると、JITCO関連だと一%もいなかったことになります。
では、その大多数の研修生はどこへ行ったのかというと、技能実習一号へと移動していったというか、移動させたのでしょう。つまり、これが技能実習の実態です。
国籍分布を見ればこれもまた一目瞭然で、研修は、二〇一〇年以降、開発途上国を中心にさまざまな国に分布し、本来の形に戻ったと言えます。つまり、開発途上国などへの技術移転という本来の国際貢献制度に戻ったわけです。
しかしながら、技能実習制度の方は、特定の国籍に偏っているということに変わりありません。少し分布が変わったのは、中国が減り、ベトナムがふえているということだけでしょう。
この事実、技術移転、国際貢献には研修があるということをしっかりと認識共有させていただきたいわけです。
その上で、今回の法案審議における、技能実習制度のいい側面もあるとの答弁が何度か出ていることを検討します。
私なりに整理させていただくと、技能実習制度のいい側面とは、技能実習生、若い労働者が元気に働く、企業の活性化につながるということですね。労働者が帰国後に広い意味で経験を生かす、労働者がしっかり稼いで帰る、友好関係が深まることもある、こういったところでしょう。
しかしながら、このいい側面に惑わされてはいけないと考えるわけです。議論を幻惑するものです。
つまり、このいい側面は、技能実習制度固有のものではなく、労働者受け入れ制度として結果的にもたらされる効果というべきものです。歴史事実を見れば、出稼ぎ労働者の社会的価値、経済的価値、技術、科学の伝承の効果というべきものではないでしょうか。その効果を、あたかも外国人技能実習制度のいい側面と言うのは詭弁です。
制度としての開発途上国への技術移転という役割は、研修にこそあれ、技能実習制度では既に終わっています。外国人技能実習制度を廃止し、あえて言うならば、一日も早く、正面から受け入れる外国人労働者受け入れ制度へと衣がえするべきでしょう。
以上述べましたように、虚構の上での適正化であるとの批判を持つ立場ですが、次に、法案の具体的問題も指摘させていただきます。
お手元の資料も御参照ください。
技能実習法案は、従来の技能実習制度の基本構造を維持したまま、外部的な規制により改善を図るとともに、大幅な制度拡大を実現しようとするものです。したがって、制度の建前と実態との乖離を解消することは全く困難であると言わざるを得ません。
法案では、諸規制として、実習実施計画の認定制、監理団体の許可制、罰則の整備、外国人技能実習機構の設立、政府当局間取り決め等、従来にない手法を取り入れてはいます。しかし、根本的な改善は難しいと言えます。
低賃金労働についてです。
実習生の賃金が日本人が従事する場合の報酬と同等額以上であることの説明責任を課すとしていますが、客観的な基準をつくろうとしないため、結局は、最低賃金レベルである現状の改善につながりません。
強制帰国です。
見直しの議論の中で、強制帰国に関する検討の跡が見られません。そのため、罰則規定の対象ともされず、出国時の窓口対応程度しか答弁されていません。強制帰国は、奴隷労働構造の典型的な著しい人権侵害です。厳格な事前チェックを初め、罰則を含む本格的な規制が必要です。
送り出し機関及びその関係者は、罰則規定の対象外とされています。また、送り出し国との政府間取り決めには法的な拘束力はなく、また、取り決めがなくても技能実習生の受け入れを継続するというのでは、全く実効性を欠いています。
法案では、拡大策のほとんどが省令にほぼ白紙委任されています。
技能実習三号を設けて、二年間までの延長が可能とされています。ただ、優良な実習実施機関、監理団体であり、優良な技能実習生に限られています。そこで、優良の判断基準が重要となってきますが、実質的には省令にほぼ白紙委任されています。主要な判断基準は法律に明記すべきです。
受け入れ人数枠について「主務省令で定める数を超えないこと。」とされるのみで、これもまた省令に白紙委任されています。現行の三倍でも四倍でも、省令次第で可能となってしまいます。受け入れ人数枠の上限を法律で明記すべきです。
技能実習職種の拡大については、法令事項とされていません。少なくとも、厚生労働省に設置されている専門家会議の公開を定め、送り出し国のニーズについては、現地調査を含め客観的に確認する手続をとるべきです。
具体的な指摘の最後に、入管法二十二条の四についてですが、改正の理由については、専ら技能実習生の失踪を念頭に置いているようです。しかし、外国人技能実習制度の構造的問題、人権侵害に対する被害者救済の視点が欠落しています。強制帰国、失踪、逃亡、保護は相互に連関している事実を見落としてはいけません。奴隷労働への拘束性を高める改悪です。このような視点ではなく、被害者救済のためのシェルターの建設や賃金未払いに対する労働債権の担保や補償が制度として求められています。
また、全体を通じて、NGOからの意見採用や連携の視点が欠落しています。
最後に、まとめさせていただきます。
外国人技能実習制度が労働者の受け入れ制度として機能していることは、誰もが知っている事実です。この事実に対して、ありもしない建前を強弁することは、この社会をゆがめます。
時給三百円やセクハラ、人権侵害、暴行などの事例がなぜ繰り返されるのかということです。私が重ねて声を大にして訴えたいことは、制度を理解しない一部の不心得者など存在しないということです。この制度が人を変えてしまうという事実です。
善良な経営者を善良たらしめる制度とするべきです。優良な企業を優良たらしめる制度とするべきです。労働者を労働者として受け入れることこそが、多くの人々が求めていることであり、民主主義の深化にふさわしい方法です。
人手不足の事実から逃げて、移民政策と誤解されないために労働者と呼ばない外国人技能実習生をふやしていくという虚構は、民主主義の深まりから遠ざかるものです。
出稼ぎ労働そのものは歴史的価値があり、経済格差、科学進歩の格差など、地域差を背景にして存在します。しかし、その出稼ぎ労働を奴隷労働とするのか否かは、受け入れ国にとって重大な課題です。民主主義社会は、奴隷労働との対決、決別なくして深化しません。
外国人労働者の受け入れは、出入国管理の立場だけでは考えつかない、民主主義社会をどう形づくり、深めていくかという課題です。日系ビザ導入の安易さの教訓を私たちは想起するべきでしょう。
技能実習制度は、虚構に虚を重ねるゆがんだ移民政策と言えます。外国人労働者の受け入れと移民政策のあり方の検討が軌を一にすることは自明です。移民政策と誤解されないとする主張は、これもまた虚構であり、歴史の事実や、まさに今ある人手不足と移民の活躍という事実、現状への認識からの逃避であり、虚言、まやかしと言わざるを得ません。
技能実習制度下では目的と実態が乖離しているため、優良も善良も虚構、欺瞞でしかありません。
外国人技能実習制度が廃止されると、善良な、優良な監理団体、実習実施機関、社長さんたちが報われない、困るというのはデマであり、まやかしです。ほとんどの優良なあるいは普通の経営者は、労働者受け入れ制度でこそ経営者としての活躍、真価発揮が期待されます。そして、この社会にとって何より有益です。
重ねて言います。監理団体関係者そして実習実施機関、つまり企業や農家などの経営者、使用者を普通のあるいは善良な人々たらしめるには、技能実習制度の廃止しかありません。
技能実習法案の実質的審議冒頭の四月六日、与党議員からも、外国の方々に対してどういうふうな方向性で接していくか、受け入れていくかということが決められたということが後世言われるような重要な時期と発言されています。そのとおりです。
私たちは今、重大な岐路にいます。民主主義を深化させるのか否か。奴隷労働と対決、決別するのか否か。まやかしの外国人技能実習制度を続けるのか否か。労働者を名実ともに労働者としてこの社会に受け入れる、真っ当な移民政策こそが求められています。
戦争という大きな失敗を教訓化してきた七十年がある私たちにこそ、地球規模的共通課題である移民政策を正面から議論し、労使対等原則が担保された多民族・多文化共生社会、つまり民主主義社会の深化が実現できるはずです。
今、チャンスです。二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを契機に実現するべきことはこのことのはずです。
多民族・多文化共生社会は既に始まっています。移民は既にこの社会で活躍しています。違いを尊重し合う労使対等原則が担保された多民族・多文化共生社会は必ず実現できます。皆さんの決断で必ず実現できます。
御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →移住連の代表理事を務めています鳥井一平と申します。特定非営利活動法人移住者と連帯する全国ネットワーク、略称移住連といいます。
本日は、このような場で発言をさせていただくことに、冒頭まず感謝申し上げます。加えて、私は少し悪声でございます。多少お聞き苦しい点もあるかと思いますが、どうか御辛抱いただきたいと思っております。
さて、私たちの移住連は、一九八〇年代からこの日本の労働市場の求めによって急増した移住労働者とその家族、ニューカマーの人々に対する差別、人権侵害や労働問題に取り組んできた全国各地のNGOや労働団体によって一九九七年につくられた全国ネットワークで、昨年、NPO法人として再スタートしています。
また、私自身は、個人加盟の労働組合、全統一労働組合の特別中央執行委員であり、バブル経済下のニューカマーの外国人労働者の労働問題に取り組んだのが一九九〇年からですので、もう二十五年を超えております。そして同時に、外国人技能実習生権利ネットワークの運営委員をスタート当初から務めています。
外国人技能実習制度、二〇一〇年までは外国人研修・技能実習制度と言っていましたが、この制度の問題、労働問題や人権問題に私自身が直接にかかわってまいりましたのが一九九八年からです。当時、千葉県銚子市で、研修生や技能実習生からの強制貯金を協同組合の理事長が使い込んだ上に、経営破綻する事件をきっかけに、パスポートの取り上げや低賃金、劣悪な労働環境、劣悪な住環境などが明るみとなりました。そして、KSD事件と絡まって、インドネシアからの研修生、技能実習生をめぐる利権構造も問題となったわけです。
当時、パスポートの取り上げ問題などは一定の改善を見たというふうに受けとめていたのですが、事態は深く巧妙に潜行しつつ、労働条件や人権問題は悪化していたのでした。
そのことが一挙に噴出したのが、二〇〇五年の岐阜事件、私たちの側からは岐阜行動と呼んでいますが、縫製業を中心に、時給三百円の実態、奴隷労働ともいうべき実態が明らかとなり、社会問題ともなっていったわけです。その後、岐阜県や福井県、茨城県の労働局が積極的に動かれ、法違反の実態も報告されてきました。
また、山梨県甲府市における強制帰国事件は、中国国内世論にも大きく反響し、中国政府外務部が二回にわたって声明を発信することもありました。
私がかかわった個別の事例を挙げると切りがありませんので、別の機会にいたしますが、外国人技能実習制度における労働問題、人権問題は、今日まで変わることなく、日々寄せられているのが事実であります。
なお、私たちが指摘している事例について、極端な悪質事例と受けとめられる方々もおられるようですが、これらは極端な事例ではなく、典型的な事例であると御認識いただきたいと考えます。そして、私たちが救済できているのは氷山の一角であり、泣き寝入りをせざるを得ない技能実習生たちが多くいることに心を寄せていただければと考えます。
国際社会も、外国人研修・技能実習制度における人権問題に強い関心と注意喚起を行ってきています。アメリカ国務省の人身売買年次報告書二〇〇七年版での指摘に始まって、二〇〇八年、自由権規約委員会、二〇〇九年、女性差別撤廃委員会、二〇一〇年、人身売買に関する特別報告者、二〇一一年、移住者の人権に関する特別報告者、二〇一四年、再び自由権規約委員会から。また、アメリカ国務省人身売買年次報告書では、二〇〇七年以降毎年、労働搾取や人身売買の観点から研修・技能実習制度に対する懸念が表明され続け、現代の奴隷制度と指摘されているのです。
なお、私は、二〇一三年六月、ワシントンにおいて、アメリカ政府、ケリー国務長官から、TIPヒーロー賞を授与されております。
さて、今回の技能実習法案は、今述べました国際社会からの批判にも対応するものだと言われています。しかしながら、実際には、批判を真摯に受けとめたものとは言えず、ただ批判をそらすためにではないかとの疑念さえ抱かずにはいられません。
次に、法案審議の中で研修と技能実習の用語の混乱があるように思われますので、まず、法務委員会の皆さんと事実認識についてしっかりと共有させていただきたいと思います。
それは、二〇一〇年以降、研修と技能実習は分離しているという事実です。当たり前のようで、意外といまだに混乱しているようです。まあ、用語の混乱は、この制度の問題の本質の一つでもあります。つまり、制度そのものが理屈の合わない矛盾だらけの虚構そのものであり、それゆえにわかりにくくしているとも言えます。
話を戻しましょう。
二〇〇九年の入管法改正の最大の成果の一つが、この研修と技能実習の分離です。ただ、同時にそれは、技能実習制度の矛盾がきわまったということでもあり、労働者受け入れ制度となっている実態に開き直ったとも言えることになったわけです。
ここでグラフをごらんください。二〇一〇年の制度改定で研修がどうなったのかということです。研修生の新規入国者が激減しました。JITCO関連でいうと、二〇〇七年ピーク時に七万人を超えていた新規入国者が六百五十五人に一挙に減っています。
私は、外国人研修・技能実習制度の問題を指摘する際に、本当の研修は五%ぐらいじゃないかと、現場での実感も含めてかねがね発言してきました。この数字を見ると、JITCO関連だと一%もいなかったことになります。
では、その大多数の研修生はどこへ行ったのかというと、技能実習一号へと移動していったというか、移動させたのでしょう。つまり、これが技能実習の実態です。
国籍分布を見ればこれもまた一目瞭然で、研修は、二〇一〇年以降、開発途上国を中心にさまざまな国に分布し、本来の形に戻ったと言えます。つまり、開発途上国などへの技術移転という本来の国際貢献制度に戻ったわけです。
しかしながら、技能実習制度の方は、特定の国籍に偏っているということに変わりありません。少し分布が変わったのは、中国が減り、ベトナムがふえているということだけでしょう。
この事実、技術移転、国際貢献には研修があるということをしっかりと認識共有させていただきたいわけです。
その上で、今回の法案審議における、技能実習制度のいい側面もあるとの答弁が何度か出ていることを検討します。
私なりに整理させていただくと、技能実習制度のいい側面とは、技能実習生、若い労働者が元気に働く、企業の活性化につながるということですね。労働者が帰国後に広い意味で経験を生かす、労働者がしっかり稼いで帰る、友好関係が深まることもある、こういったところでしょう。
しかしながら、このいい側面に惑わされてはいけないと考えるわけです。議論を幻惑するものです。
つまり、このいい側面は、技能実習制度固有のものではなく、労働者受け入れ制度として結果的にもたらされる効果というべきものです。歴史事実を見れば、出稼ぎ労働者の社会的価値、経済的価値、技術、科学の伝承の効果というべきものではないでしょうか。その効果を、あたかも外国人技能実習制度のいい側面と言うのは詭弁です。
制度としての開発途上国への技術移転という役割は、研修にこそあれ、技能実習制度では既に終わっています。外国人技能実習制度を廃止し、あえて言うならば、一日も早く、正面から受け入れる外国人労働者受け入れ制度へと衣がえするべきでしょう。
以上述べましたように、虚構の上での適正化であるとの批判を持つ立場ですが、次に、法案の具体的問題も指摘させていただきます。
お手元の資料も御参照ください。
技能実習法案は、従来の技能実習制度の基本構造を維持したまま、外部的な規制により改善を図るとともに、大幅な制度拡大を実現しようとするものです。したがって、制度の建前と実態との乖離を解消することは全く困難であると言わざるを得ません。
法案では、諸規制として、実習実施計画の認定制、監理団体の許可制、罰則の整備、外国人技能実習機構の設立、政府当局間取り決め等、従来にない手法を取り入れてはいます。しかし、根本的な改善は難しいと言えます。
低賃金労働についてです。
実習生の賃金が日本人が従事する場合の報酬と同等額以上であることの説明責任を課すとしていますが、客観的な基準をつくろうとしないため、結局は、最低賃金レベルである現状の改善につながりません。
強制帰国です。
見直しの議論の中で、強制帰国に関する検討の跡が見られません。そのため、罰則規定の対象ともされず、出国時の窓口対応程度しか答弁されていません。強制帰国は、奴隷労働構造の典型的な著しい人権侵害です。厳格な事前チェックを初め、罰則を含む本格的な規制が必要です。
送り出し機関及びその関係者は、罰則規定の対象外とされています。また、送り出し国との政府間取り決めには法的な拘束力はなく、また、取り決めがなくても技能実習生の受け入れを継続するというのでは、全く実効性を欠いています。
法案では、拡大策のほとんどが省令にほぼ白紙委任されています。
技能実習三号を設けて、二年間までの延長が可能とされています。ただ、優良な実習実施機関、監理団体であり、優良な技能実習生に限られています。そこで、優良の判断基準が重要となってきますが、実質的には省令にほぼ白紙委任されています。主要な判断基準は法律に明記すべきです。
受け入れ人数枠について「主務省令で定める数を超えないこと。」とされるのみで、これもまた省令に白紙委任されています。現行の三倍でも四倍でも、省令次第で可能となってしまいます。受け入れ人数枠の上限を法律で明記すべきです。
技能実習職種の拡大については、法令事項とされていません。少なくとも、厚生労働省に設置されている専門家会議の公開を定め、送り出し国のニーズについては、現地調査を含め客観的に確認する手続をとるべきです。
具体的な指摘の最後に、入管法二十二条の四についてですが、改正の理由については、専ら技能実習生の失踪を念頭に置いているようです。しかし、外国人技能実習制度の構造的問題、人権侵害に対する被害者救済の視点が欠落しています。強制帰国、失踪、逃亡、保護は相互に連関している事実を見落としてはいけません。奴隷労働への拘束性を高める改悪です。このような視点ではなく、被害者救済のためのシェルターの建設や賃金未払いに対する労働債権の担保や補償が制度として求められています。
また、全体を通じて、NGOからの意見採用や連携の視点が欠落しています。
最後に、まとめさせていただきます。
外国人技能実習制度が労働者の受け入れ制度として機能していることは、誰もが知っている事実です。この事実に対して、ありもしない建前を強弁することは、この社会をゆがめます。
時給三百円やセクハラ、人権侵害、暴行などの事例がなぜ繰り返されるのかということです。私が重ねて声を大にして訴えたいことは、制度を理解しない一部の不心得者など存在しないということです。この制度が人を変えてしまうという事実です。
善良な経営者を善良たらしめる制度とするべきです。優良な企業を優良たらしめる制度とするべきです。労働者を労働者として受け入れることこそが、多くの人々が求めていることであり、民主主義の深化にふさわしい方法です。
人手不足の事実から逃げて、移民政策と誤解されないために労働者と呼ばない外国人技能実習生をふやしていくという虚構は、民主主義の深まりから遠ざかるものです。
出稼ぎ労働そのものは歴史的価値があり、経済格差、科学進歩の格差など、地域差を背景にして存在します。しかし、その出稼ぎ労働を奴隷労働とするのか否かは、受け入れ国にとって重大な課題です。民主主義社会は、奴隷労働との対決、決別なくして深化しません。
外国人労働者の受け入れは、出入国管理の立場だけでは考えつかない、民主主義社会をどう形づくり、深めていくかという課題です。日系ビザ導入の安易さの教訓を私たちは想起するべきでしょう。
技能実習制度は、虚構に虚を重ねるゆがんだ移民政策と言えます。外国人労働者の受け入れと移民政策のあり方の検討が軌を一にすることは自明です。移民政策と誤解されないとする主張は、これもまた虚構であり、歴史の事実や、まさに今ある人手不足と移民の活躍という事実、現状への認識からの逃避であり、虚言、まやかしと言わざるを得ません。
技能実習制度下では目的と実態が乖離しているため、優良も善良も虚構、欺瞞でしかありません。
外国人技能実習制度が廃止されると、善良な、優良な監理団体、実習実施機関、社長さんたちが報われない、困るというのはデマであり、まやかしです。ほとんどの優良なあるいは普通の経営者は、労働者受け入れ制度でこそ経営者としての活躍、真価発揮が期待されます。そして、この社会にとって何より有益です。
重ねて言います。監理団体関係者そして実習実施機関、つまり企業や農家などの経営者、使用者を普通のあるいは善良な人々たらしめるには、技能実習制度の廃止しかありません。
技能実習法案の実質的審議冒頭の四月六日、与党議員からも、外国の方々に対してどういうふうな方向性で接していくか、受け入れていくかということが決められたということが後世言われるような重要な時期と発言されています。そのとおりです。
私たちは今、重大な岐路にいます。民主主義を深化させるのか否か。奴隷労働と対決、決別するのか否か。まやかしの外国人技能実習制度を続けるのか否か。労働者を名実ともに労働者としてこの社会に受け入れる、真っ当な移民政策こそが求められています。
戦争という大きな失敗を教訓化してきた七十年がある私たちにこそ、地球規模的共通課題である移民政策を正面から議論し、労使対等原則が担保された多民族・多文化共生社会、つまり民主主義社会の深化が実現できるはずです。
今、チャンスです。二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを契機に実現するべきことはこのことのはずです。
多民族・多文化共生社会は既に始まっています。移民は既にこの社会で活躍しています。違いを尊重し合う労使対等原則が担保された多民族・多文化共生社会は必ず実現できます。皆さんの決断で必ず実現できます。
御清聴ありがとうございました。拍手
葉
上
上林千恵子#4
○上林参考人 上林でございます。現在、法政大学で産業社会学を教えております。
本日は、参考人としてこのような機会をいただき、まことにありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
私は、これまで、フィールドワークという方法を利用して、外国人労働者問題を研究してまいりました。二〇〇六年から二〇〇八年にかけては厚生労働省の技能実習制度研究会に参加し、その報告書は、在留資格「技能実習」の創設につながりました。
さて、本日は、技能実習生の送り出し団体に関する御報告をしてまいりたいと思います。
本来、技能実習制度は送り出し国と我が国との両者にかかわる制度ですが、送り出し国の事情についてはなかなかわかりづらいところがございました。そこで、二〇一五年三月に、中国山東省の二つの送り出し団体を訪問し、ヒアリングを実施してまいりました。ヒアリングの内容は、実習生の送り出しプロセス、技能実習生の出身家庭、渡日前のキャリア、帰国後の仕事、今回の法案に関する意見などです。
こうした調査を受け入れてくださいます企業は優良企業に限られておりますので、本日の御報告はあくまでも優良事例であることをあらかじめお断りしておきます。
それでは、配付した資料をごらんください。A4で二枚のホチキスどめになっております。
送り出し団体は中国の山東省にあります。山東省は人口が約一億人、日本に近く、日系企業や韓国企業が多く進出している地域で、海外への労働者送り出しの歴史も長く、日本には、大連のある遼寧省、上海近郊の江蘇省と並んで受け入れ実習生の多い地域です。
訪問企業を仮にA社、B社としますと、両社とも、二〇〇〇年代に入ってから設立された、比較的歴史の浅い企業です。
まず私が驚きましたのは、送り出し実習生の人数の多さで、A社が送り出している実習生の人数は二百六十人、B社では九百人となっています。日本側では中小企業が受け入れの中心であるため、その受け入れ人数は一社当たり多くても十数人であることが多いのですが、送り出し側から見ると、一社当たりの送り出し人数は非常に大きいことがわかります。
その意味では、A社もB社も、実習生に関する法令や日本のマーケットの動向について、アンテナを張って注意していました。国境を越えて人を送り出す業務は、相手先国の言語のみならず、法制度、商習慣、安全性などについて知る必要がありますので、A社、B社の主要メンバーはそれなりのノウハウを蓄積しているようでした。
第二に、今回の実習生適正化法案についてです。
この法律は昨年度に既に法案として発表されておりましたので、その法案のポイントを中国語に翻訳して先方に御説明しました。その結果ですが、A社、B社とも賛成でした。
賛成理由の一つは、この法案によって技能実習生の業界が適正化されれば、業界自体の評価が上げられるとのことでした。既に法律を遵守して業務を行っている団体にとっては、悪質な団体が排除されることは望ましいという判断でした。
賛成理由の二つ目は、技能実習制度の拡充は企業にとって業務拡大の大きなチャンスとみなせる、そういうことでございました。
第三に、帰国後の実習生の状況です。
今回の訪問先には縫製業の実習生は見られませんでしたが、二〇一二年当時に別の送り出し団体を訪問した際には、帰国後に自宅で縫製工場の下請仕事を開業している女性の元実習生もいました。
また、A社、B社に共通して見られますが、日本語能力が高かった場合には、送り出し団体で日本語教員や事務員として雇用されている人もいます。地元の日系企業に雇用先を見つけたという人もいました。
また、再度、シンガポールや韓国に出稼ぎに行く人もいます。故郷の農村に戻った場合は、送り出し企業の通信員というような形で、副業として実習生のリクルーターとして送り出し団体とのつながりを生かしている人もいました。また、日本で相当の額の貯金を得たので、しばらくはきつい仕事から離れて、次の仕事の機会を探そうとする人もいました。
第四に、技能実習生候補者の募集プロセスです。これは、B社でのみヒアリングが可能でした。
実習生として日本へ来たい人は、まずB社のような人材派遣会社に登録をします。今回調査では、農村に住んでいる実習生送り出し家庭を訪問しましたが、その際、村には市の海外労務輸出センターが印刷しました海外雄飛のためのポスターが張られており、市政府の後押しを感じました。人材募集のプロセスは、お渡ししました資料の二ページ下の段に書きました。人材募集には、学力検定のほか、体力測定、身体検査、歯科検査、身分確認、家庭訪問とさまざまなプロセスがあり、最近は中国現地での賃金が以前より高騰していることが伝えられておりますけれども、個別の事例を見ますと、まだまだ実習生の選考は狭き門であるという感想を持ちました。
今回の調査では、A社、B社ともビジネスとして技能実習制度にかかわっていました。ビジネスだから違法ということではなく、技能実習生送り出し事業がビジネスだからこそ、送り出し企業として世間からの信頼が必要であり、法も遵守するということです。
しかしながら、A社、B社という優良な個別事例を離れて技能実習制度のことを考えますと、一般論として、この制度をビジネスとしての側面だけから考えてはいけないと思います。ここには人間の受け入れと送り出しがかかわっておりますので、人権の問題が極めて重要になってまいります。歴史的に見ましても、また他国の例を見渡しましても、人間そのものがビジネスの対象となる場合には、常に人権の問題が発生しております。今回の法案の趣旨が技能実習生の人権保護に置かれておりますのも、極めて当然のことと思います。
これまで、技能実習制度に問題が生じたとき、その問題を適切に管理する機関がないことが問題となりました。JITCOさんには査察する権限はありません。また、受け入れの監理団体も、団体の維持費用と収益は実習生受け入れ企業からの費用に依存していますから、厳しく監査できる立場にはありません。
そうなると、技能実習制度が円滑に運営されるためには、利害の立場を超えた第三者機関がどうしても必要とされます。今回の法案で、新たに外国人技能実習機構が設立されるのは望ましいことと考えます。
さて、技能実習制度は、元来、近隣諸国への技能移転を目的としたものです。しかし、技能移転とはいっても、実際には、自分の生活が成り立たなければ技能の修得もままなりません。来日した技能実習生が来日生活の第一の目的はお金を稼ぐことと考えたとしても、それは当然のことと思われます。就労の目的の一つは誰にとってもお金を稼ぐことであり、実習生がそうした目的を持って来日しても、それを否定することは不都合と思われます。
その上で、三年間、日本に滞在している間、それぞれの職場での就労が各実習生のために役立つならば、単に出稼ぎで来日するよりも、本人の将来のためになることと思われます。ただ、母国の出身地域での雇用事情を考えますと、日本での経験が生かせるとは限りません。その場合、実習生はどのような職業能力を身につけたと言えるのでしょうか。
それは、時間を守る、作業中に持ち場を離れない、私語をしない、作業指示書どおりに作業をするなど、職業規律や生活規律にかかわる領域の訓練と能力ではないかと思います。農村に生きてきた人々を近代的な工業労働力に転換するという意味では、技能実習制度の中に広義の教育訓練課程が組み込まれているのではないかと考えます。
以上、簡単ではございますが、これで私の意見陳述とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、参考人としてこのような機会をいただき、まことにありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
私は、これまで、フィールドワークという方法を利用して、外国人労働者問題を研究してまいりました。二〇〇六年から二〇〇八年にかけては厚生労働省の技能実習制度研究会に参加し、その報告書は、在留資格「技能実習」の創設につながりました。
さて、本日は、技能実習生の送り出し団体に関する御報告をしてまいりたいと思います。
本来、技能実習制度は送り出し国と我が国との両者にかかわる制度ですが、送り出し国の事情についてはなかなかわかりづらいところがございました。そこで、二〇一五年三月に、中国山東省の二つの送り出し団体を訪問し、ヒアリングを実施してまいりました。ヒアリングの内容は、実習生の送り出しプロセス、技能実習生の出身家庭、渡日前のキャリア、帰国後の仕事、今回の法案に関する意見などです。
こうした調査を受け入れてくださいます企業は優良企業に限られておりますので、本日の御報告はあくまでも優良事例であることをあらかじめお断りしておきます。
それでは、配付した資料をごらんください。A4で二枚のホチキスどめになっております。
送り出し団体は中国の山東省にあります。山東省は人口が約一億人、日本に近く、日系企業や韓国企業が多く進出している地域で、海外への労働者送り出しの歴史も長く、日本には、大連のある遼寧省、上海近郊の江蘇省と並んで受け入れ実習生の多い地域です。
訪問企業を仮にA社、B社としますと、両社とも、二〇〇〇年代に入ってから設立された、比較的歴史の浅い企業です。
まず私が驚きましたのは、送り出し実習生の人数の多さで、A社が送り出している実習生の人数は二百六十人、B社では九百人となっています。日本側では中小企業が受け入れの中心であるため、その受け入れ人数は一社当たり多くても十数人であることが多いのですが、送り出し側から見ると、一社当たりの送り出し人数は非常に大きいことがわかります。
その意味では、A社もB社も、実習生に関する法令や日本のマーケットの動向について、アンテナを張って注意していました。国境を越えて人を送り出す業務は、相手先国の言語のみならず、法制度、商習慣、安全性などについて知る必要がありますので、A社、B社の主要メンバーはそれなりのノウハウを蓄積しているようでした。
第二に、今回の実習生適正化法案についてです。
この法律は昨年度に既に法案として発表されておりましたので、その法案のポイントを中国語に翻訳して先方に御説明しました。その結果ですが、A社、B社とも賛成でした。
賛成理由の一つは、この法案によって技能実習生の業界が適正化されれば、業界自体の評価が上げられるとのことでした。既に法律を遵守して業務を行っている団体にとっては、悪質な団体が排除されることは望ましいという判断でした。
賛成理由の二つ目は、技能実習制度の拡充は企業にとって業務拡大の大きなチャンスとみなせる、そういうことでございました。
第三に、帰国後の実習生の状況です。
今回の訪問先には縫製業の実習生は見られませんでしたが、二〇一二年当時に別の送り出し団体を訪問した際には、帰国後に自宅で縫製工場の下請仕事を開業している女性の元実習生もいました。
また、A社、B社に共通して見られますが、日本語能力が高かった場合には、送り出し団体で日本語教員や事務員として雇用されている人もいます。地元の日系企業に雇用先を見つけたという人もいました。
また、再度、シンガポールや韓国に出稼ぎに行く人もいます。故郷の農村に戻った場合は、送り出し企業の通信員というような形で、副業として実習生のリクルーターとして送り出し団体とのつながりを生かしている人もいました。また、日本で相当の額の貯金を得たので、しばらくはきつい仕事から離れて、次の仕事の機会を探そうとする人もいました。
第四に、技能実習生候補者の募集プロセスです。これは、B社でのみヒアリングが可能でした。
実習生として日本へ来たい人は、まずB社のような人材派遣会社に登録をします。今回調査では、農村に住んでいる実習生送り出し家庭を訪問しましたが、その際、村には市の海外労務輸出センターが印刷しました海外雄飛のためのポスターが張られており、市政府の後押しを感じました。人材募集のプロセスは、お渡ししました資料の二ページ下の段に書きました。人材募集には、学力検定のほか、体力測定、身体検査、歯科検査、身分確認、家庭訪問とさまざまなプロセスがあり、最近は中国現地での賃金が以前より高騰していることが伝えられておりますけれども、個別の事例を見ますと、まだまだ実習生の選考は狭き門であるという感想を持ちました。
今回の調査では、A社、B社ともビジネスとして技能実習制度にかかわっていました。ビジネスだから違法ということではなく、技能実習生送り出し事業がビジネスだからこそ、送り出し企業として世間からの信頼が必要であり、法も遵守するということです。
しかしながら、A社、B社という優良な個別事例を離れて技能実習制度のことを考えますと、一般論として、この制度をビジネスとしての側面だけから考えてはいけないと思います。ここには人間の受け入れと送り出しがかかわっておりますので、人権の問題が極めて重要になってまいります。歴史的に見ましても、また他国の例を見渡しましても、人間そのものがビジネスの対象となる場合には、常に人権の問題が発生しております。今回の法案の趣旨が技能実習生の人権保護に置かれておりますのも、極めて当然のことと思います。
これまで、技能実習制度に問題が生じたとき、その問題を適切に管理する機関がないことが問題となりました。JITCOさんには査察する権限はありません。また、受け入れの監理団体も、団体の維持費用と収益は実習生受け入れ企業からの費用に依存していますから、厳しく監査できる立場にはありません。
そうなると、技能実習制度が円滑に運営されるためには、利害の立場を超えた第三者機関がどうしても必要とされます。今回の法案で、新たに外国人技能実習機構が設立されるのは望ましいことと考えます。
さて、技能実習制度は、元来、近隣諸国への技能移転を目的としたものです。しかし、技能移転とはいっても、実際には、自分の生活が成り立たなければ技能の修得もままなりません。来日した技能実習生が来日生活の第一の目的はお金を稼ぐことと考えたとしても、それは当然のことと思われます。就労の目的の一つは誰にとってもお金を稼ぐことであり、実習生がそうした目的を持って来日しても、それを否定することは不都合と思われます。
その上で、三年間、日本に滞在している間、それぞれの職場での就労が各実習生のために役立つならば、単に出稼ぎで来日するよりも、本人の将来のためになることと思われます。ただ、母国の出身地域での雇用事情を考えますと、日本での経験が生かせるとは限りません。その場合、実習生はどのような職業能力を身につけたと言えるのでしょうか。
それは、時間を守る、作業中に持ち場を離れない、私語をしない、作業指示書どおりに作業をするなど、職業規律や生活規律にかかわる領域の訓練と能力ではないかと思います。農村に生きてきた人々を近代的な工業労働力に転換するという意味では、技能実習制度の中に広義の教育訓練課程が組み込まれているのではないかと考えます。
以上、簡単ではございますが、これで私の意見陳述とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。拍手
葉
榑
榑松佐一#6
○榑松参考人 おはようございます。愛知県労働組合総連合、愛労連という労働組合で議長をやっています。
私が外国人実習生問題にかかわるようになったのは、二〇〇七年の豊田技術交流事業協同組合、この不正で百人ものベトナム人実習生が、当時は帰国指導というふうに言っていましたが、帰国させられることになった。以来、ベトナム人を中心に二百件以上の相談を受けてきましたが、その多くは名古屋入管の協力で円満に解決をしてきました。
二〇一〇年の制度改正以後、愛知での相談は減っていますが、今は全国から労働相談が来るようになっています。近年の特徴は、建設業からの相談が多いことと失踪者の増加です。また、送り出し国が多様化し、昨年は初めてネパール、ミャンマー、カンボジアからの相談がありました。ブローカーが巧妙化し、受け入れ機関も不正に加担している場合は、実習生は強制帰国を恐れて逃げるしかありません。
今回の新法案で、受け入れ機関に対する監督が制度化され、実習生に申告権が与えられることはとても重要だと思います。しかし、既に申告権がある労働基準法での申告件数は、全国で最も実習生の多い愛知県でも年間十件程度にとどまっています。これは定期監督で違反があった事業所、約一割を定期監督していますが、その二百十六件に比べて、数%にしかなりません。
平日の日中に労基署に出頭したり、電話で相談することは、会社にばれるおそれがあります。私への相談も、大半が深夜か土日に、スマホにSNSで資料が送られてきます。これには当局からも前向きな回答がありました。
きょうは実習生の皆さんが傍聴に来ていただいています。この法案が本当に実際に役に立つのか、きょうは事例を挙げてお話をしたいと思います。
資料を用意させていただきました。この一年間の相談では、十二件のうち八件が建設業でした。建設の中でも土木だと、雨が降ると休みになったり、年末年始で工事が少なくなると収入が半分になることもあります。
東京から来たフィリピン人実習生の給与明細がついていますが、手取りは二万四千八百八円でした。東京から名古屋まで逃げてきました。余りに少ないので、作業服や道具代など、未回収になっています。会社のトラックに乗って工事現場まで行く時間や一斉休憩の時間が無給になっている場合もあります。土日に出勤することもありますが、建設労働者というのは大体が日給制ですので、割り増しというのがありません。休憩時間が百二十分になっているので、聞きましたら、ペンキが乾くまでの時間は無給、こういうことになっていました。
そんな中で、逃げてくる実習生もふえています。
愛知のベトナム人実習生は、解体・産廃業で勤務態度が悪いと殴られて、茨城県にある講習施設に送られました。二カ月間たった今も仕事を紹介してもらえません。後でも紹介しますが、実習計画書に就業場所を受託現場として入管に届ける、そうすると、全国で働かせることがあります。
先日深夜に、同じように、放射能が怖い、〇・七マイクロシーベルトあるのにと、どこにいるんだというふうに聞きましたら、彼は、千葉県の内装業者にもかかわらず、ネットで今、場所はチェックできますよね、福島県大熊町の電力会社の寮の建設現場、居住制限区域で仕事をさせられておりました。放射能が怖くて逃げたら、これは本当に正当な理由になるのか、問われていると思います。
法務省にはすぐに連絡をしました。その結果は、その訴えを取り下げる、ごめんなさい、会社に怒られましたと。入管に連絡したら、会社に怒られて、その訴えを取り下げると。しかし、居住制限区域に、拒否できない実習生をそこで働かせるということが、技能実習制度として、国際貢献として本当に適切なのか、問われていると思います。これで、逃げたやつが悪い、本当にいいんでしょうか。
ことしになって、対象職種に自動車座席シート縫製というのが追加されました。ここに入っています日本ソーイング技術研究協会が試験機関に認定をされました。協会の筆頭理事の名前を見て驚きました。私がこの事件にかかわるようになった、不正を起こした豊田技術交流事業協同組合の理事長Iさんが筆頭理事になっておりました。
そこの系列企業には、ソーイング研究会に加入するように通知がずっと出ています。下請企業に対して出ています。そこには、ホームページにありますが、この試験は技能実習の指導員資格の目安の一つともなっておりますと。こうして、下請に対して試験を受けるようにされています。厚生労働省に受検料は届け出されておりますが、一人六万円。これまでの試験に比べると三倍になっています。
私は愛労連で労働組合をやっていますが、トヨタ紡織の末端下請は、今、下請単価の引き下げが相次いでいて残業代の割り増しが払えない、単価は一・〇、一〇〇%しか来ませんから、割り増し分が払えない、労基署からたくさん指導を受けています。その上この六万円が払えなくて、大変困っています。
果たして、このように下請企業に対して影響力を持つところが試験機関として適切なのか、このことが問われていると思います。
さきのペンキ屋の実習生ですが、労基署に申告しました。組合にいたく叱られました。さらに、二号ロへの受検料は三万円、自己負担と言われて、結局、彼は帰国することになりました。
また、最近は、一部屋に九人入れて四万円の寮費を取る、現在二十七人いますから、百万円以上の寮費を荒稼ぎしている企業もあります。
このペンキ屋やこういう会社のように、さらに受検料を本人負担にさせた場合に、本当にこれは大丈夫なのかというふうに思います。
さて、今回、一つ事件を報告します。
昨年六月、宮城県気仙沼からベトナム人実習生のタンさんという方が逃げてきました。詳細は、この東京新聞が詳しく報道をしてくれております。東京でもこういうふうに報道されました。福山市内で一カ月間の講習を受けた後、鳥取県米子市の建設会社N工業に入って、ここで一週間ほど鉄筋を縛りました。その後は、島根県で清掃員として一カ月、その後、東北を回って土木作業員として働きました。
彼は、ベトナムでは短大を卒業して学歴があります。エアコンの工場で働いていました。日本に来るための試験は溶接でした。ところが、実際に働いているのは土木作業員でした。
彼は、担当と言われているTさんに電話をして、ベトナム大使館にもメールをしました。この行動が目をつけられて、強制帰国されそうになったので、一月に寮を出ました。彼は、友人をたどって、やっと六月にベトナム人を支援している愛労連にたどり着きました。ベトナム人の支援団体はそんなにたくさんありません。愛労連は直ちに名古屋入管に連れていって、調査をお願いしました。
資料の三ページをごらんください。
彼が受け取っている雇用契約書には、もちろんサインがありますが、その職歴欄には鉄筋施工と日本語のみで書かれていました。タンさんは、これを溶接というふうに聞いていました。履歴書の経歴欄は、エアコン工場ではなくて、日本語のみで、建設有限会社で鉄筋施工三年半と書かれています。
受け入れ機関は、面接をした際に、B協同組合と説明をしましたが、入管に来ましたら、いや、そこではない、Wという別の組合だというふうに言われました。私はタンさんに聞いたら、いや、その人とは日本に来てから一度だけ食事をしたことがある、後は会ったことがないというふうに言っていました。
その後、ベトナム政府が失踪通知書を発行しました。これはベトナム語で書いてありましたが、見ると、受け入れ機関はB協同組合と書いてありました。そして、職種は機械保全。彼はエアコンの溶接をしていたので、機械保全で、作業は溶接。彼の言うとおりでした。
彼は、日本に入って一カ月間、福山市内のKという会社で講習を受けました。その本社の三階、四階が寮になっています。この団体の代表は、初めての受け入れだったので、これは全てこのK社に任せてあったんだ、こういうふうに言っておりました。
K社の社内には幾つもの会社があります。この資料の最後の七ページくらいに図がついていますが、五つ、六つ、このK社の中に受け入れ企業が存在をしています。全て登記簿をとって、移転ぐあいをずっと見ました。K社の中をぐるぐる回っています。理由はわかりません。
そして、驚くことに、送り出し機関の広島支部というのもこのK学園の中にあったんです。しかも、そこには日本人が代表を務めている送り出し機関とちゃんとホームページに書いてあって、ホームページに全部出ているわけです。しかも、昨年の夏には、ホーチミンに新しい送り出し機関をつくりました。これも資料に入っております。求人票も入っております。そこの社長の名前を見せたところ、これはもとの、別の送り出し機関の人だと。よく字を見ると、そこのメールアドレスに前の会社の名前が残っているんですね。メールアドレスを変更する時間がなかったんですね。
つまり、このように、受け入れ機関と送り出し機関を一つの派遣会社の中に置くことによって、書類の偽造が可能になってくるんですね。これだけではないんです。送り出し管理費を水増し請求してもこれはわからない、こういうふうになるんだと思います。帰国後に保証金を返さない、こういうことも可能になると思います。
実際に、非営利団体であるはずのO協同組合というのがこの社内にありましたが、昨年九月に役員三人が逮捕されました。NHKのニュースで出ております。そして、ことし、二千万円の横領、不正で起訴をされています。ですから、間違いないと思います。
どうして、非営利団体である受け入れ機関が短期間のうちに二千万円の利益を上げられたのか、このことを私は調査する必要があると思うんです。少なくとも、今度の新法案で、送り出し国との取り決めをする際に、送り出し機関に対する規制をどういうふうにするのか、取り決めではなくて、送り出し機関をきちんと監督できる二国間協定は最低限必要だというふうに思います。
さて、前回の法改正、私はそれにもかかわりましたが、名目のみ監理団体は不適正というふうになりました。しかし、二〇一二年、参議院の方でこの委員会にかけてもらいましたが、当労働組合は派遣会社を告発しました。そのときには、派遣会社の社長が受け入れ機関の非常勤専務となっていました。私が専務だと電話がかかってきました。彼が、入国から日常管理、不払い賃金の清算、強制帰国の切符の手配、全てこの会社の名前で行っていましたが、不正になりませんでした。
法務省は、「外部の機関を指揮命令しながら業務の一部を分担させていた場合は必ずしも不正行為に該当するものではありません。」と国会で答弁をされています。つまり、派遣会社の社長が受け入れ機関の専務ですから、おい、指示しろと言えば、いつでも、常時指示ができることだと思います。
ところが、今回の事件では、タンさんはK社で講習を受けて、T氏がN社に連れていきました。困ったときはT氏に連絡するようにという携帯電話の番号をもらっているんです。ですから、私は、当然この方は組合の人だと思いました。ところが、広島入管から、榑松さん、このTさんというのは誰ですかというふうに聞かれました。このTさんというのは、Bの協同組合でもなければ、Wという協同組合でもない、またK社の社員でもない、果たして一体何者なんだということですね。
これは、彼は、実は別の組合でN社を担当していたんですが、そこが受け入れられなくなって、N社を持ってK社に来たという方です。業務委託という形で実際には監理をしているということなんです。ところが、実際には、監理をされていたWという協同組合、名目の組合も、そのTさんも気仙沼まで行っていないんですね。一度も行っていない。月に一回行かなければいけないところを一度も行っていないということで、不正認定を受けています。
問題は、監理を業務委託するということが、この仕組みによって、さまざまな営利団体が介入できるようになる。委託費用に不正な利益を上乗せしても、受け入れ団体の決算書を見ただけでは、委託企業になっているのでわからないと思います。
さて、一方で、この不正を告発したタンさん、去年の六月に告発をしました。ところが、いまだに失踪の正当な理由というのが明らかになっておりません。既に十カ月たっていますが、法務省は調査中と言っています。
三月に法務省はこの受け入れ機関を不正認定で措置した、このことによって、失踪の理由はもうこれでいいですというふうに私は聞きました。ところが、先日、五月二日に法務省から電話が入ってきました。いや、失踪の理由についてはまだ明らかでない、受け入れ機関を不正行為認定したからといって、失踪の正当な理由に至るとは一概に言えないというふうにお答えされました。私は録音するけれどもいいかと言いましたが、いいですと言うから、こういうふうに言われました。現在は失踪の正当な理由も含めてこの間の在留状況を調査しているということで、十カ月間たっています。
皆さん、技能実習制度について、技能職種が違っていたら技能実習になりません。給料がちょっと安いとかは、まだ是正すればいいんです。職種や経歴が違っていたら技能実習にならない。
四月六日の法務委員会で井上局長は、技能実習を行おうとする職種と同種の経験があることが必要となっております、こう答弁しました。さらに、これからどういう仕事で、どういうところで、どういう条件で働くんだというところは全く誤解がないように、今もしているんですが、二カ国語で併記した契約書とかそういうものを示すようになっていると。
この三ページにありますが、日本語でしか書いてありません。溶接と書いてありません。鉄筋施工と日本語で書いてあります。普通の契約書は、これはフィリピン人のものですが、塗装、建築塗装作業、コンストラクションペイントと書いてあります。これが普通の契約書です。今回職種を偽装したところでは日本語しか書いていないんですね。入管局長がこういうふうに言っている、この答弁と全く反する事態があると思います。
この問題を昨年の六月に名古屋入管に告発して、今渡した資料は全て法務省に届けてあります。どうして、いまだ、十カ月たっても、この職種違反が失踪の正当な理由にならないのでしょうか。
二月一日に新しい受け入れ機関の在留申請を提出しました。課長から、新しい受け入れ機関があれば特別に在留を認めることがあるというふうに聞きましたので、半年かかりましたが、新しい会社にお願いをして、うちで受け入れてもいいということで、二月一日に申請をしました。
そのときに、一週間か二週間でおりるはずですと言われたのに、二週間たっても許可がおりないので、法務省に確認をしました。メールには、通常どおり審査しており、遅くとも在留期限内には判断する、こういう返事が来ました。ところが、さらに一カ月過ぎて、三月十六日にもう一カ月延長するというふうに言われました。そしてまた一カ月たって、四月十四日にもう一度申請をしています。
三月十六日に延長した直後に法務省から言われました。三月二十二日に、いわゆるガサ入れですね、友人のところに名古屋の入管が入りました、そして、三月二十四日に法務省から、彼の退去理由が見つかりましたというふうに言われました。つまり、審査期間を延長していたのは、退去理由を見つけるために期間をずっと延長しているということだと思います。
四月十四日の申請から、またさらに一カ月がたちます。私たちの支援も限度があります。本当に苦しくなっています。タンさんが苦しくなってみずから出国するのを法務省は待っているのではないかというふうに思います。
結論です。一度逃げたら、どんなに正当な理由があっても、職種偽装という正当な理由があっても、もう、一度逃げた実習生の在留は認めない。受け入れ企業が見つかっても、許可も不許可もせずに、本人が帰るまで待たせる。この事件は、実習生が正当な理由を認めさせるのがいかに困難かを示しています。直ちに在留資格を取り消すことができるという今度の入管法改正案、不正をなくすのではなくて、逃がさないようにする、これが法務省の本音ではないでしょうか。
四月二十七日の法務委員会で階先生が、制度を運用する役所の側、法務省を含めてですけれども、そこがちゃんと制度を運用する人権感覚があるかどうか、こういうふうに指摘をされました。そのとおりだと思います。
在留審査の標準期間は一週間から長くて一カ月とされており、このような法務省の引き延ばしは行政の不作為であり、人権侵害のそしりを免れません。愛労連は、愛知県弁護士会の前会長そして元会長の賛同を得て、法務省の不作為を、日弁連に人権救済申し立てを行いました。
今、地方の入管担当者は、少ない体制の中で、実習制度の適正な運用に懸命に努力をされています。しかし、法務省に人権感覚がないようでは、新しい機構ができても、外国人実習制度はいつまでも奴隷労働のそしりを免れないと思っています。問われているのは法務省の人権感覚だと思います。
これで終わります。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →私が外国人実習生問題にかかわるようになったのは、二〇〇七年の豊田技術交流事業協同組合、この不正で百人ものベトナム人実習生が、当時は帰国指導というふうに言っていましたが、帰国させられることになった。以来、ベトナム人を中心に二百件以上の相談を受けてきましたが、その多くは名古屋入管の協力で円満に解決をしてきました。
二〇一〇年の制度改正以後、愛知での相談は減っていますが、今は全国から労働相談が来るようになっています。近年の特徴は、建設業からの相談が多いことと失踪者の増加です。また、送り出し国が多様化し、昨年は初めてネパール、ミャンマー、カンボジアからの相談がありました。ブローカーが巧妙化し、受け入れ機関も不正に加担している場合は、実習生は強制帰国を恐れて逃げるしかありません。
今回の新法案で、受け入れ機関に対する監督が制度化され、実習生に申告権が与えられることはとても重要だと思います。しかし、既に申告権がある労働基準法での申告件数は、全国で最も実習生の多い愛知県でも年間十件程度にとどまっています。これは定期監督で違反があった事業所、約一割を定期監督していますが、その二百十六件に比べて、数%にしかなりません。
平日の日中に労基署に出頭したり、電話で相談することは、会社にばれるおそれがあります。私への相談も、大半が深夜か土日に、スマホにSNSで資料が送られてきます。これには当局からも前向きな回答がありました。
きょうは実習生の皆さんが傍聴に来ていただいています。この法案が本当に実際に役に立つのか、きょうは事例を挙げてお話をしたいと思います。
資料を用意させていただきました。この一年間の相談では、十二件のうち八件が建設業でした。建設の中でも土木だと、雨が降ると休みになったり、年末年始で工事が少なくなると収入が半分になることもあります。
東京から来たフィリピン人実習生の給与明細がついていますが、手取りは二万四千八百八円でした。東京から名古屋まで逃げてきました。余りに少ないので、作業服や道具代など、未回収になっています。会社のトラックに乗って工事現場まで行く時間や一斉休憩の時間が無給になっている場合もあります。土日に出勤することもありますが、建設労働者というのは大体が日給制ですので、割り増しというのがありません。休憩時間が百二十分になっているので、聞きましたら、ペンキが乾くまでの時間は無給、こういうことになっていました。
そんな中で、逃げてくる実習生もふえています。
愛知のベトナム人実習生は、解体・産廃業で勤務態度が悪いと殴られて、茨城県にある講習施設に送られました。二カ月間たった今も仕事を紹介してもらえません。後でも紹介しますが、実習計画書に就業場所を受託現場として入管に届ける、そうすると、全国で働かせることがあります。
先日深夜に、同じように、放射能が怖い、〇・七マイクロシーベルトあるのにと、どこにいるんだというふうに聞きましたら、彼は、千葉県の内装業者にもかかわらず、ネットで今、場所はチェックできますよね、福島県大熊町の電力会社の寮の建設現場、居住制限区域で仕事をさせられておりました。放射能が怖くて逃げたら、これは本当に正当な理由になるのか、問われていると思います。
法務省にはすぐに連絡をしました。その結果は、その訴えを取り下げる、ごめんなさい、会社に怒られましたと。入管に連絡したら、会社に怒られて、その訴えを取り下げると。しかし、居住制限区域に、拒否できない実習生をそこで働かせるということが、技能実習制度として、国際貢献として本当に適切なのか、問われていると思います。これで、逃げたやつが悪い、本当にいいんでしょうか。
ことしになって、対象職種に自動車座席シート縫製というのが追加されました。ここに入っています日本ソーイング技術研究協会が試験機関に認定をされました。協会の筆頭理事の名前を見て驚きました。私がこの事件にかかわるようになった、不正を起こした豊田技術交流事業協同組合の理事長Iさんが筆頭理事になっておりました。
そこの系列企業には、ソーイング研究会に加入するように通知がずっと出ています。下請企業に対して出ています。そこには、ホームページにありますが、この試験は技能実習の指導員資格の目安の一つともなっておりますと。こうして、下請に対して試験を受けるようにされています。厚生労働省に受検料は届け出されておりますが、一人六万円。これまでの試験に比べると三倍になっています。
私は愛労連で労働組合をやっていますが、トヨタ紡織の末端下請は、今、下請単価の引き下げが相次いでいて残業代の割り増しが払えない、単価は一・〇、一〇〇%しか来ませんから、割り増し分が払えない、労基署からたくさん指導を受けています。その上この六万円が払えなくて、大変困っています。
果たして、このように下請企業に対して影響力を持つところが試験機関として適切なのか、このことが問われていると思います。
さきのペンキ屋の実習生ですが、労基署に申告しました。組合にいたく叱られました。さらに、二号ロへの受検料は三万円、自己負担と言われて、結局、彼は帰国することになりました。
また、最近は、一部屋に九人入れて四万円の寮費を取る、現在二十七人いますから、百万円以上の寮費を荒稼ぎしている企業もあります。
このペンキ屋やこういう会社のように、さらに受検料を本人負担にさせた場合に、本当にこれは大丈夫なのかというふうに思います。
さて、今回、一つ事件を報告します。
昨年六月、宮城県気仙沼からベトナム人実習生のタンさんという方が逃げてきました。詳細は、この東京新聞が詳しく報道をしてくれております。東京でもこういうふうに報道されました。福山市内で一カ月間の講習を受けた後、鳥取県米子市の建設会社N工業に入って、ここで一週間ほど鉄筋を縛りました。その後は、島根県で清掃員として一カ月、その後、東北を回って土木作業員として働きました。
彼は、ベトナムでは短大を卒業して学歴があります。エアコンの工場で働いていました。日本に来るための試験は溶接でした。ところが、実際に働いているのは土木作業員でした。
彼は、担当と言われているTさんに電話をして、ベトナム大使館にもメールをしました。この行動が目をつけられて、強制帰国されそうになったので、一月に寮を出ました。彼は、友人をたどって、やっと六月にベトナム人を支援している愛労連にたどり着きました。ベトナム人の支援団体はそんなにたくさんありません。愛労連は直ちに名古屋入管に連れていって、調査をお願いしました。
資料の三ページをごらんください。
彼が受け取っている雇用契約書には、もちろんサインがありますが、その職歴欄には鉄筋施工と日本語のみで書かれていました。タンさんは、これを溶接というふうに聞いていました。履歴書の経歴欄は、エアコン工場ではなくて、日本語のみで、建設有限会社で鉄筋施工三年半と書かれています。
受け入れ機関は、面接をした際に、B協同組合と説明をしましたが、入管に来ましたら、いや、そこではない、Wという別の組合だというふうに言われました。私はタンさんに聞いたら、いや、その人とは日本に来てから一度だけ食事をしたことがある、後は会ったことがないというふうに言っていました。
その後、ベトナム政府が失踪通知書を発行しました。これはベトナム語で書いてありましたが、見ると、受け入れ機関はB協同組合と書いてありました。そして、職種は機械保全。彼はエアコンの溶接をしていたので、機械保全で、作業は溶接。彼の言うとおりでした。
彼は、日本に入って一カ月間、福山市内のKという会社で講習を受けました。その本社の三階、四階が寮になっています。この団体の代表は、初めての受け入れだったので、これは全てこのK社に任せてあったんだ、こういうふうに言っておりました。
K社の社内には幾つもの会社があります。この資料の最後の七ページくらいに図がついていますが、五つ、六つ、このK社の中に受け入れ企業が存在をしています。全て登記簿をとって、移転ぐあいをずっと見ました。K社の中をぐるぐる回っています。理由はわかりません。
そして、驚くことに、送り出し機関の広島支部というのもこのK学園の中にあったんです。しかも、そこには日本人が代表を務めている送り出し機関とちゃんとホームページに書いてあって、ホームページに全部出ているわけです。しかも、昨年の夏には、ホーチミンに新しい送り出し機関をつくりました。これも資料に入っております。求人票も入っております。そこの社長の名前を見せたところ、これはもとの、別の送り出し機関の人だと。よく字を見ると、そこのメールアドレスに前の会社の名前が残っているんですね。メールアドレスを変更する時間がなかったんですね。
つまり、このように、受け入れ機関と送り出し機関を一つの派遣会社の中に置くことによって、書類の偽造が可能になってくるんですね。これだけではないんです。送り出し管理費を水増し請求してもこれはわからない、こういうふうになるんだと思います。帰国後に保証金を返さない、こういうことも可能になると思います。
実際に、非営利団体であるはずのO協同組合というのがこの社内にありましたが、昨年九月に役員三人が逮捕されました。NHKのニュースで出ております。そして、ことし、二千万円の横領、不正で起訴をされています。ですから、間違いないと思います。
どうして、非営利団体である受け入れ機関が短期間のうちに二千万円の利益を上げられたのか、このことを私は調査する必要があると思うんです。少なくとも、今度の新法案で、送り出し国との取り決めをする際に、送り出し機関に対する規制をどういうふうにするのか、取り決めではなくて、送り出し機関をきちんと監督できる二国間協定は最低限必要だというふうに思います。
さて、前回の法改正、私はそれにもかかわりましたが、名目のみ監理団体は不適正というふうになりました。しかし、二〇一二年、参議院の方でこの委員会にかけてもらいましたが、当労働組合は派遣会社を告発しました。そのときには、派遣会社の社長が受け入れ機関の非常勤専務となっていました。私が専務だと電話がかかってきました。彼が、入国から日常管理、不払い賃金の清算、強制帰国の切符の手配、全てこの会社の名前で行っていましたが、不正になりませんでした。
法務省は、「外部の機関を指揮命令しながら業務の一部を分担させていた場合は必ずしも不正行為に該当するものではありません。」と国会で答弁をされています。つまり、派遣会社の社長が受け入れ機関の専務ですから、おい、指示しろと言えば、いつでも、常時指示ができることだと思います。
ところが、今回の事件では、タンさんはK社で講習を受けて、T氏がN社に連れていきました。困ったときはT氏に連絡するようにという携帯電話の番号をもらっているんです。ですから、私は、当然この方は組合の人だと思いました。ところが、広島入管から、榑松さん、このTさんというのは誰ですかというふうに聞かれました。このTさんというのは、Bの協同組合でもなければ、Wという協同組合でもない、またK社の社員でもない、果たして一体何者なんだということですね。
これは、彼は、実は別の組合でN社を担当していたんですが、そこが受け入れられなくなって、N社を持ってK社に来たという方です。業務委託という形で実際には監理をしているということなんです。ところが、実際には、監理をされていたWという協同組合、名目の組合も、そのTさんも気仙沼まで行っていないんですね。一度も行っていない。月に一回行かなければいけないところを一度も行っていないということで、不正認定を受けています。
問題は、監理を業務委託するということが、この仕組みによって、さまざまな営利団体が介入できるようになる。委託費用に不正な利益を上乗せしても、受け入れ団体の決算書を見ただけでは、委託企業になっているのでわからないと思います。
さて、一方で、この不正を告発したタンさん、去年の六月に告発をしました。ところが、いまだに失踪の正当な理由というのが明らかになっておりません。既に十カ月たっていますが、法務省は調査中と言っています。
三月に法務省はこの受け入れ機関を不正認定で措置した、このことによって、失踪の理由はもうこれでいいですというふうに私は聞きました。ところが、先日、五月二日に法務省から電話が入ってきました。いや、失踪の理由についてはまだ明らかでない、受け入れ機関を不正行為認定したからといって、失踪の正当な理由に至るとは一概に言えないというふうにお答えされました。私は録音するけれどもいいかと言いましたが、いいですと言うから、こういうふうに言われました。現在は失踪の正当な理由も含めてこの間の在留状況を調査しているということで、十カ月間たっています。
皆さん、技能実習制度について、技能職種が違っていたら技能実習になりません。給料がちょっと安いとかは、まだ是正すればいいんです。職種や経歴が違っていたら技能実習にならない。
四月六日の法務委員会で井上局長は、技能実習を行おうとする職種と同種の経験があることが必要となっております、こう答弁しました。さらに、これからどういう仕事で、どういうところで、どういう条件で働くんだというところは全く誤解がないように、今もしているんですが、二カ国語で併記した契約書とかそういうものを示すようになっていると。
この三ページにありますが、日本語でしか書いてありません。溶接と書いてありません。鉄筋施工と日本語で書いてあります。普通の契約書は、これはフィリピン人のものですが、塗装、建築塗装作業、コンストラクションペイントと書いてあります。これが普通の契約書です。今回職種を偽装したところでは日本語しか書いていないんですね。入管局長がこういうふうに言っている、この答弁と全く反する事態があると思います。
この問題を昨年の六月に名古屋入管に告発して、今渡した資料は全て法務省に届けてあります。どうして、いまだ、十カ月たっても、この職種違反が失踪の正当な理由にならないのでしょうか。
二月一日に新しい受け入れ機関の在留申請を提出しました。課長から、新しい受け入れ機関があれば特別に在留を認めることがあるというふうに聞きましたので、半年かかりましたが、新しい会社にお願いをして、うちで受け入れてもいいということで、二月一日に申請をしました。
そのときに、一週間か二週間でおりるはずですと言われたのに、二週間たっても許可がおりないので、法務省に確認をしました。メールには、通常どおり審査しており、遅くとも在留期限内には判断する、こういう返事が来ました。ところが、さらに一カ月過ぎて、三月十六日にもう一カ月延長するというふうに言われました。そしてまた一カ月たって、四月十四日にもう一度申請をしています。
三月十六日に延長した直後に法務省から言われました。三月二十二日に、いわゆるガサ入れですね、友人のところに名古屋の入管が入りました、そして、三月二十四日に法務省から、彼の退去理由が見つかりましたというふうに言われました。つまり、審査期間を延長していたのは、退去理由を見つけるために期間をずっと延長しているということだと思います。
四月十四日の申請から、またさらに一カ月がたちます。私たちの支援も限度があります。本当に苦しくなっています。タンさんが苦しくなってみずから出国するのを法務省は待っているのではないかというふうに思います。
結論です。一度逃げたら、どんなに正当な理由があっても、職種偽装という正当な理由があっても、もう、一度逃げた実習生の在留は認めない。受け入れ企業が見つかっても、許可も不許可もせずに、本人が帰るまで待たせる。この事件は、実習生が正当な理由を認めさせるのがいかに困難かを示しています。直ちに在留資格を取り消すことができるという今度の入管法改正案、不正をなくすのではなくて、逃がさないようにする、これが法務省の本音ではないでしょうか。
四月二十七日の法務委員会で階先生が、制度を運用する役所の側、法務省を含めてですけれども、そこがちゃんと制度を運用する人権感覚があるかどうか、こういうふうに指摘をされました。そのとおりだと思います。
在留審査の標準期間は一週間から長くて一カ月とされており、このような法務省の引き延ばしは行政の不作為であり、人権侵害のそしりを免れません。愛労連は、愛知県弁護士会の前会長そして元会長の賛同を得て、法務省の不作為を、日弁連に人権救済申し立てを行いました。
今、地方の入管担当者は、少ない体制の中で、実習制度の適正な運用に懸命に努力をされています。しかし、法務省に人権感覚がないようでは、新しい機構ができても、外国人実習制度はいつまでも奴隷労働のそしりを免れないと思っています。問われているのは法務省の人権感覚だと思います。
これで終わります。ありがとうございました。拍手
葉
葉
井
井野俊郎#9
○井野委員 自由民主党の井野俊郎でございます。本日は、参考人の皆様、貴重な御意見をありがとうございました。
早速ですが、幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
るる例をとりまして、さまざまな問題点の実態等をお伺いしました。
まず一つ、こういった、不当労働といいましょうか、大変問題がある企業の相談件数といいましょうか、今まで皆さんは、いろいろある中で、何万人の方が実習生で来ている中で、年間で大体どれくらいの割合で不当労働みたいな問題が起きているのか、それぞれ三人の皆様の感覚といいましょうか、もしわかれば数字等も出していただきながら、割合を教えていただきたいと思います。
この発言だけを見る →早速ですが、幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
るる例をとりまして、さまざまな問題点の実態等をお伺いしました。
まず一つ、こういった、不当労働といいましょうか、大変問題がある企業の相談件数といいましょうか、今まで皆さんは、いろいろある中で、何万人の方が実習生で来ている中で、年間で大体どれくらいの割合で不当労働みたいな問題が起きているのか、それぞれ三人の皆様の感覚といいましょうか、もしわかれば数字等も出していただきながら、割合を教えていただきたいと思います。
鳥
鳥井一平#10
○鳥井参考人 参考人の鳥井です。御質問ありがとうございます。
一つは、私は、先ほど申し上げました移住連ですけれども、同時に技能実習生権利ネットワークという事務所をやっておりまして、全国的には、相談がとりあえずは電話で私どものところへ来るということがありまして、年間では二百件から三百件ぐらいは相談があります。
これは、比率からいいますと、私どもは、先ほど意見を述べさせていただきましたが、氷山の一角だというふうに考えております。労働局が調査を随時やっておりますが、この数字が明らかになっていると思います。これはまた、厚生労働省の方からもこの委員会の中でもたしか示されているのかと思いますけれども、七割から八割、立入調査が入った事業所は法違反がある。これは労働基準法違反ですから、それ以外のいわゆる不正行為となりますと、非常に多くあるんだろうというふうに実感しております。
この発言だけを見る →一つは、私は、先ほど申し上げました移住連ですけれども、同時に技能実習生権利ネットワークという事務所をやっておりまして、全国的には、相談がとりあえずは電話で私どものところへ来るということがありまして、年間では二百件から三百件ぐらいは相談があります。
これは、比率からいいますと、私どもは、先ほど意見を述べさせていただきましたが、氷山の一角だというふうに考えております。労働局が調査を随時やっておりますが、この数字が明らかになっていると思います。これはまた、厚生労働省の方からもこの委員会の中でもたしか示されているのかと思いますけれども、七割から八割、立入調査が入った事業所は法違反がある。これは労働基準法違反ですから、それ以外のいわゆる不正行為となりますと、非常に多くあるんだろうというふうに実感しております。
上
上林千恵子#11
○上林参考人 私は研究者ですので、不正の駆け込みを受け付けているわけではありません。ただ、技能実習生にインタビューをしたときに、どこに援助を求めるかという質問のアンケート調査をしたことがあります。
そのときに、幾つか考えられる機関を全部書いてみたんですが、割合中卒の方が多いですから、技能実習生にとって抽象的なところに対しての信頼をなかなか持っていない。一番持っているのが家族です。その次に、家族の次に送り出し団体に相談するということが多いんですね。それは、私が会った方は中国でしたから、同じ中国人で自分の故郷のことを知っている、家族のことを知っている、そういう形で相談しているようです。
ですから、公的な機関に来る相談というのは、いろいろな相談の中でも最も重いというか先鋭的な相談だし、そこへ駆け込む人は、それなりに法とかいうものを知っている人かなと思っています。
以上、印象で申しわけありませんが、そういう印象を持っております。
この発言だけを見る →そのときに、幾つか考えられる機関を全部書いてみたんですが、割合中卒の方が多いですから、技能実習生にとって抽象的なところに対しての信頼をなかなか持っていない。一番持っているのが家族です。その次に、家族の次に送り出し団体に相談するということが多いんですね。それは、私が会った方は中国でしたから、同じ中国人で自分の故郷のことを知っている、家族のことを知っている、そういう形で相談しているようです。
ですから、公的な機関に来る相談というのは、いろいろな相談の中でも最も重いというか先鋭的な相談だし、そこへ駆け込む人は、それなりに法とかいうものを知っている人かなと思っています。
以上、印象で申しわけありませんが、そういう印象を持っております。
榑
井
井野俊郎#13
○井野委員 氷山の一角という鳥井さんのお話もありましたけれども、実は私の地元にも、農業だったり、中小企業さん、板金業、もしくは、今ベトナムからホテルのスタッフとして来てもらっているんだという建設会社の社長さんもいたりして、そういう人たちに私が直接聞くと、大変優秀な方が来てくれているという話をしています。
では賃金はどうなんですかとお伺いしましたら、それは当然日本人と同じだけ出していますと。逆に、彼らが余りに真面目で一生懸命やってくれるものだから、かえって日本人に対して大変いい刺激になっているんですよというような話を聞くものですから、私の身近なそういう会社さんを見ていると、多分、鳥井さんのところとか榑松さんのところに行くような方とはまた違った方々が多いのかなという気はするんですけれども。
これは、業種によって、皆さんのところに駆け込む、ないしは、例えばこの地域が多いだとか、相談に来られる業種、例えばこういう会社が多い、そういうのはあるんでしょうか。そういう問題が起きやすい業種、職種、地域とかはあるんでしょうか。
この発言だけを見る →では賃金はどうなんですかとお伺いしましたら、それは当然日本人と同じだけ出していますと。逆に、彼らが余りに真面目で一生懸命やってくれるものだから、かえって日本人に対して大変いい刺激になっているんですよというような話を聞くものですから、私の身近なそういう会社さんを見ていると、多分、鳥井さんのところとか榑松さんのところに行くような方とはまた違った方々が多いのかなという気はするんですけれども。
これは、業種によって、皆さんのところに駆け込む、ないしは、例えばこの地域が多いだとか、相談に来られる業種、例えばこういう会社が多い、そういうのはあるんでしょうか。そういう問題が起きやすい業種、職種、地域とかはあるんでしょうか。
葉
井
葉
鳥
鳥井一平#17
○鳥井参考人 これをごらんいただきたいんですけれども、これは、技能実習生数の国籍別、二〇一五年六月です。例えば、これは、中国が五三%で、ベトナムが二四%になっております。ただ、新規入国者数で見ますと、これをごらんください、昨年の新規入国者数は、ついにベトナムが三三・七%、中国が三九%になっております。
何を言いたいかと申し上げますと、やはり国籍の比率で相談というのはふえるんです。最近はやはりベトナムの相談がすごく多いんですね。これは、総数がふえてくると当然ふえてくるということですね。ですから、そこの問題は構造的な問題ですので、そういうことが起きる。
それから、業種については、技能実習生の業種というのは、ここのところ少しふえましたのは、やはり建設が、この長い間の中で建設は一〇%からふえることは余りなかったんですね。しかしながら、ここのところ一〇%を超えてまいりました。これは、やはり建設需要が非常に大きいということですね。そうすると建設の相談はふえるんです。
職種的に、私の実感として、あるいは客観的に私が受けている数字から見ても、確かに縫製業、農業というのは多いんですけれども、ただこれも、全体数としても多かったということですね。縫製業はここのところ少し比率が落ちております。農業は、一九九八年に初めて技能実習として認められて、一番最初は十一人だったと思います。それ以降、今、どんどん伸びて一〇%を超えているわけですね。ですから、そこにおいていろいろな矛盾が起きて、相談がふえてくるということになっています。
私が先ほど申し上げましたように、このいい側面というのは、労働者で受け入れていることによって企業が活性化するといういい側面を持っておるわけですね。ただこれは、国際貢献という技能実習制度ということでのいい側面ではないということは改めて申し上げておきたいなというふうに思っております。
この発言だけを見る →何を言いたいかと申し上げますと、やはり国籍の比率で相談というのはふえるんです。最近はやはりベトナムの相談がすごく多いんですね。これは、総数がふえてくると当然ふえてくるということですね。ですから、そこの問題は構造的な問題ですので、そういうことが起きる。
それから、業種については、技能実習生の業種というのは、ここのところ少しふえましたのは、やはり建設が、この長い間の中で建設は一〇%からふえることは余りなかったんですね。しかしながら、ここのところ一〇%を超えてまいりました。これは、やはり建設需要が非常に大きいということですね。そうすると建設の相談はふえるんです。
職種的に、私の実感として、あるいは客観的に私が受けている数字から見ても、確かに縫製業、農業というのは多いんですけれども、ただこれも、全体数としても多かったということですね。縫製業はここのところ少し比率が落ちております。農業は、一九九八年に初めて技能実習として認められて、一番最初は十一人だったと思います。それ以降、今、どんどん伸びて一〇%を超えているわけですね。ですから、そこにおいていろいろな矛盾が起きて、相談がふえてくるということになっています。
私が先ほど申し上げましたように、このいい側面というのは、労働者で受け入れていることによって企業が活性化するといういい側面を持っておるわけですね。ただこれは、国際貢献という技能実習制度ということでのいい側面ではないということは改めて申し上げておきたいなというふうに思っております。
葉
鳥
鳥井一平#19
○鳥井参考人 ごめんなさい、地域も、やはり受け入れの多い県が多いですけれども、私どもがこれまでやってきたものとしては、例えば茨城県の農業、それから愛知県あるいは岐阜県における縫製業、広島県における養殖業、こういうところが、地域と業種とのいろいろな特色といいますか、それが非常に反映しているかなというふうに思っております。
この発言だけを見る →榑
榑松佐一#20
○榑松参考人 お尋ねの件ですが、入管が、この平成二十七年不正行為認定、これを毎年出されております。
それから、地域による違いですが、愛知の労働局が実習生のデータをずっと出しております。それから、岐阜の労働局も同じくこういうデータを出しています。
それで、愛知と岐阜では、愛知県が全国で一番多い一万九千人いるんですね。ところが、事件的には、きょうは岐阜の実習生が来ていますが、岐阜の違反事例が物すごく多くて、岐阜の労働局いわく、二〇一〇年の改正前とほとんど変わっていません。
それから、違反の内容が、愛知では最賃違反というのはほとんどないんです。最初から三百円というのは愛知ではありませんが、岐阜県では相変わらず、いまだに最初から三百円。もう一つは、割り増しの不足ですね。一二五%が払えていないという、三十二条、三十七条の違反が多いというのは岐阜県の特徴です。
これは、やはり職種で、子供服とか婦人服をつくっています。我々はつるしですね。岐阜県の場合は、子供服は女性が国内でつくっているので、そこで多い。それからもう一つは、先ほど言いましたが、自動車のシートは、今、子供服の業者が自動車シートに移ってきていて、そこで最低賃金違反が監督署でたくさん摘発されています。
以上です。
この発言だけを見る →それから、地域による違いですが、愛知の労働局が実習生のデータをずっと出しております。それから、岐阜の労働局も同じくこういうデータを出しています。
それで、愛知と岐阜では、愛知県が全国で一番多い一万九千人いるんですね。ところが、事件的には、きょうは岐阜の実習生が来ていますが、岐阜の違反事例が物すごく多くて、岐阜の労働局いわく、二〇一〇年の改正前とほとんど変わっていません。
それから、違反の内容が、愛知では最賃違反というのはほとんどないんです。最初から三百円というのは愛知ではありませんが、岐阜県では相変わらず、いまだに最初から三百円。もう一つは、割り増しの不足ですね。一二五%が払えていないという、三十二条、三十七条の違反が多いというのは岐阜県の特徴です。
これは、やはり職種で、子供服とか婦人服をつくっています。我々はつるしですね。岐阜県の場合は、子供服は女性が国内でつくっているので、そこで多い。それからもう一つは、先ほど言いましたが、自動車のシートは、今、子供服の業者が自動車シートに移ってきていて、そこで最低賃金違反が監督署でたくさん摘発されています。
以上です。
井
井野俊郎#21
○井野委員 では、上林さんにお伺いさせていただきます。
上林さんが、送り出し機関の方を視察というか、その点について大分詳しく御説明いただきました。鳥井さんと榑松さんの方から、送り出し機関の方も規制すべきじゃないかというお話がございましたけれども、上林さんのお話によると、送り出し機関は、この法案改正についても大分評価していますし、一生懸命というか適切にやっているようなお話を受けるんですけれども、まず、その送り出し機関の方の、不正の温床と言ったらおかしいんですけれども、昔で言ったらブローカー的な、そういう団体がやはりまだ多々あるのかどうなのか。はたまた、真っ当にと言っておかしいのかわからないですけれども、こういう視察されたようなところに対しての規制は必要なのかどうなのかというか、そういうところについてちょっと詳しくお聞かせいただけますか。
この発言だけを見る →上林さんが、送り出し機関の方を視察というか、その点について大分詳しく御説明いただきました。鳥井さんと榑松さんの方から、送り出し機関の方も規制すべきじゃないかというお話がございましたけれども、上林さんのお話によると、送り出し機関は、この法案改正についても大分評価していますし、一生懸命というか適切にやっているようなお話を受けるんですけれども、まず、その送り出し機関の方の、不正の温床と言ったらおかしいんですけれども、昔で言ったらブローカー的な、そういう団体がやはりまだ多々あるのかどうなのか。はたまた、真っ当にと言っておかしいのかわからないですけれども、こういう視察されたようなところに対しての規制は必要なのかどうなのかというか、そういうところについてちょっと詳しくお聞かせいただけますか。
上
上林千恵子#22
○上林参考人 送り出し機関に対する規制は、海外の機関ですので、日本国としてはできないと思います。
ただ、中国の政府も、また中国の省も市も、送り出し機関の信用を高めたいという努力をずっとしておりますので、B社というのは、中国対外労務合作AAA級信用企業というのがあって、もう随分かねてより、送り出し国は、国の単位でも、送り出し機関に対して、AAAかAAかA一つだけかという形の認定を行っていますし、これが、単に国だけではなくて、省政府もやっています、市もやっています。そういう形で、要するに、政府として送り出し機関の信用を高めてたくさん送り出したいという努力をやっていますので、そこに日本政府として何か言うことができるかというと、返事は、十分やっているという返事しか返ってこないのではないかと思います。
あと、それでは悪徳機関がないのかというと、そんなことは決してありませんで、日本国で厳しくなれば向こうの送り出し業界の悪い企業が淘汰されるので好ましいという言い方にあらわれていますように、悪質な送り出し機関は山ほどあります。
なぜかというと、送り出し事業というのは、まともにやっても結構利益を得ることができますので、マージンを小さくしてもうけを少なくすればそれなりにやっていけるということで、常に値引き競争が行われているというのが実情でして、それを日本側の受け入れ機関だって知っているわけですから、そこに常にダンピングの機会が出ている。人材派遣というのはそういうシステムだというふうに理解せざるを得ないと思います。
以上です。
この発言だけを見る →ただ、中国の政府も、また中国の省も市も、送り出し機関の信用を高めたいという努力をずっとしておりますので、B社というのは、中国対外労務合作AAA級信用企業というのがあって、もう随分かねてより、送り出し国は、国の単位でも、送り出し機関に対して、AAAかAAかA一つだけかという形の認定を行っていますし、これが、単に国だけではなくて、省政府もやっています、市もやっています。そういう形で、要するに、政府として送り出し機関の信用を高めてたくさん送り出したいという努力をやっていますので、そこに日本政府として何か言うことができるかというと、返事は、十分やっているという返事しか返ってこないのではないかと思います。
あと、それでは悪徳機関がないのかというと、そんなことは決してありませんで、日本国で厳しくなれば向こうの送り出し業界の悪い企業が淘汰されるので好ましいという言い方にあらわれていますように、悪質な送り出し機関は山ほどあります。
なぜかというと、送り出し事業というのは、まともにやっても結構利益を得ることができますので、マージンを小さくしてもうけを少なくすればそれなりにやっていけるということで、常に値引き競争が行われているというのが実情でして、それを日本側の受け入れ機関だって知っているわけですから、そこに常にダンピングの機会が出ている。人材派遣というのはそういうシステムだというふうに理解せざるを得ないと思います。
以上です。
井
井野俊郎#23
○井野委員 今回は、私の認識としては、確かに、これまでこの外国人技能実習生については、不当労働、賃金とかの問題がいろいろあったにしても、私的には、改善へ一歩でも二歩でも前に進むような内容なのかなと。もちろん、そういう不正をする人、不正な送り出し機関、先ほど上林さんがおっしゃったようなものはまだまだあるにしても、とりあえず前に進める第一歩ではないかなというふうに私自身は考えているところではあるんですけれども、さらに、鳥井さんにしても、いろいろな提案をいただいております、規制についてはもっとこうすべきじゃないかと。
こういった点については、今後の課題として私も考えていきたいとは思っておりますけれども、せっかくですのでぜひ三人の先生方にお伺いしたいのは、では、この評価すべき点と、もうちょっと、これ以外に、例えば、先ほども上林さんのお話があったとおり、送り出し機関への規制というのは、相手国もありますので、なかなかこれは厳しい問題があるかと思います。また、不当労働というのは、それぞれ個々の会社の問題にもなってくるものですから、国としてこの技能実習制度を真っ当にやっている会社と悪徳会社を選別できればいいですけれども、なかなか法律としてがさっとできるということはなくて、やはり個別的に、皆さんのような活動を通じて、裁判なりそういったものを通じながら改正というか是正していかざるを得ないと思うんです。
そういった意味で、全体的に見て、この点はぜひ今後の課題として検討してほしいということがありましたら、皆さんから一言ずつお伺いしたいと思っています。
この発言だけを見る →こういった点については、今後の課題として私も考えていきたいとは思っておりますけれども、せっかくですのでぜひ三人の先生方にお伺いしたいのは、では、この評価すべき点と、もうちょっと、これ以外に、例えば、先ほども上林さんのお話があったとおり、送り出し機関への規制というのは、相手国もありますので、なかなかこれは厳しい問題があるかと思います。また、不当労働というのは、それぞれ個々の会社の問題にもなってくるものですから、国としてこの技能実習制度を真っ当にやっている会社と悪徳会社を選別できればいいですけれども、なかなか法律としてがさっとできるということはなくて、やはり個別的に、皆さんのような活動を通じて、裁判なりそういったものを通じながら改正というか是正していかざるを得ないと思うんです。
そういった意味で、全体的に見て、この点はぜひ今後の課題として検討してほしいということがありましたら、皆さんから一言ずつお伺いしたいと思っています。
葉
鳥
鳥井一平#25
○鳥井参考人 鳥井です。
この図をごらんください。これは技能実習制度の構造を示している図なんですが、これは、研修・技能実習制度から全く変わらないわけですね。
本来ならば、農家や企業と労働契約を結びます。ここで労働条件が決定されるべきものであるにもかかわらず、さまざまな契約が実習生をめぐって周りに存在して、そのことで、全体的に実習生の劣悪な労働条件というのはつくり出されてしまう。
つまり、労働契約で、一カ月幾らだとかというふうに決まるんです、あるいは一時間幾らと決まるんですが、実際は、出てくるときに、三年間で三百万、四百万稼げるよという契約で来てみたら、それが、一カ月三百時間、四百時間働かないと結局稼げない、あるいは残業がなければ稼げないので、約束が違うというのでトラブルになる。この構造を何とかしなければならないということに尽きるかと思っておるわけです。
このことを考えますと、やはり、労働者が労働者として働くための制度として純化していくといいますか、そういうことが求められているんだろうというふうに思っておるわけです。
この発言だけを見る →この図をごらんください。これは技能実習制度の構造を示している図なんですが、これは、研修・技能実習制度から全く変わらないわけですね。
本来ならば、農家や企業と労働契約を結びます。ここで労働条件が決定されるべきものであるにもかかわらず、さまざまな契約が実習生をめぐって周りに存在して、そのことで、全体的に実習生の劣悪な労働条件というのはつくり出されてしまう。
つまり、労働契約で、一カ月幾らだとかというふうに決まるんです、あるいは一時間幾らと決まるんですが、実際は、出てくるときに、三年間で三百万、四百万稼げるよという契約で来てみたら、それが、一カ月三百時間、四百時間働かないと結局稼げない、あるいは残業がなければ稼げないので、約束が違うというのでトラブルになる。この構造を何とかしなければならないということに尽きるかと思っておるわけです。
このことを考えますと、やはり、労働者が労働者として働くための制度として純化していくといいますか、そういうことが求められているんだろうというふうに思っておるわけです。
上
上林千恵子#26
○上林参考人 一点だけ。
送り出し機関の意見では、これはビジネスチャンスが大きくなる法案だという発言がありました。どういう形でどういうふうに延長とか職種の拡大が許されるのか、その点について、ぜひ透明性と公平性と予見可能性を盛り込んでいただきたいと思っています。
以上です。
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以上です。
榑
榑松佐一#27
○榑松参考人 私は幾つかありますが、一つは、多国籍化していると思います。
今度、介護が始まりますが、この前おりたら、ベトナム人と中国人とインドネシア人と、四カ国、五カ国ぐらいが福祉専門学校の前を歩いていました。去年は、カンボジアは本当に困りました、何語をしゃべるんだと。徳島に行ったら、徳島大学にカンボジア人は一人しかいなかった。だから、受け入れるに当たって、どこの国から受け入れるかということはやはりきちんと考える必要があると思います。
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井
葉