内閣委員会

2016-12-12 参議院 全180発言

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会議録情報#0
平成二十八年十二月十二日(月曜日)
   午後一時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月九日
    辞任         補欠選任
     朝日健太郎君     足立 敏之君
     山東 昭子君     進藤金日子君
     徳茂 雅之君     青山 繁晴君
 十二月十二日
    辞任         補欠選任
     岡田 直樹君     小野田紀美君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         難波 奨二君
    理 事
                上月 良祐君
                高野光二郎君
                相原久美子君
                西田 実仁君
    委 員
                足立 敏之君
                青山 繁晴君
                有村 治子君
                江島  潔君
                小野田紀美君
                岡田 直樹君
                岡田  広君
                進藤金日子君
                豊田 俊郎君
                和田 政宗君
                神本美恵子君
                矢田わか子君
                里見 隆治君
                田村 智子君
                浅田  均君
                山本 太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   参考人
       大阪商業大学総
       合経営学部教授  美原  融君
       弁護士      渡邉 雅之君
       日本弁護士連合
       会多重債務問題
       検討ワーキング
       グループ座長
       弁護士      新里 宏二君
       静岡大学人文社
       会科学部教授   鳥畑 与一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法
 律案(衆議院提出)
    ─────────────
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難波奨二#1
○委員長(難波奨二君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、朝日健太郎君、徳茂雅之君及び山東昭子さんが委員を辞任され、その補欠として足立敏之君、青山繁晴君及び進藤金日子君が選任されました。
    ─────────────
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難波奨二#2
○委員長(難波奨二君) 特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
 本日御出席いただいております参考人の方々を御紹介いたします。
 大阪商業大学総合経営学部教授美原融君でございます。
 弁護士渡邉雅之君でございます。
 日本弁護士連合会多重債務問題検討ワーキンググループ座長・弁護士新里宏二君でございます。
 静岡大学人文社会科学部教授鳥畑与一君でございます。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様には忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 議事の進め方でございますが、美原参考人、渡邉参考人、新里参考人、鳥畑参考人の順にお一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手していただき、その都度委員長の許可を得ることになっておりますので、御承知おきください。
 なお、参考人及び質疑者共に御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず美原参考人にお願いいたします。美原参考人。
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美原融#3
○参考人(美原融君) 大阪商業大学の美原でございます。
 本日は、IR並びにIR法案に関しまして私の思うところを意見を述べさせていただく機会をいただきまして、ありがとうございます。
 まず、IR法案でございます。
 マスコミではカジノ法案と言っていますが、これはIR推進法案、IRとカジノ、カジノを含むIRというのは実は全く別の考え方でございます。これをちょっとまず最初に御説明しようかと思います。
 IRとは、既にこの審議の中において様々御議論されたことでございますが、会議場、展示場などMICE施設、あるいは宿泊施設、劇場などのレクリエーション施設、飲食施設、あるいはショッピングモール、カジノなどを一体として整備して運営する施設をいいます。一体として整備するということが極めて重要でございます。
 大都市の場合、数千億円あるいはそれ以上にわたる民間の投資を要求することになると思います。もちろんこれは、税を使わない地域振興あるいは地域再開発の一つの方法でもあるわけです。大都市の場合、巨額な投資を必要とするとともに、恐らく数十万平米以上の展示場、あるいは一万人以上を収容できる会議室、こういったものが恐らく自治体の意向によって必置施設になるのではないかというふうに想定されているわけでございます。これのみで直接雇用は数万人を下らないかもしれませんです。あるいは、我が国にはいまだに存在しない施設という形で注目を集めるアイコニックな施設整備になるのではないかというふうに考えられているわけでございます。
 ビジネス客、観光客あるいは地元客、こういった様々な機能を集約しながら多くの顧客を集約して消費のシナジーを獲得する、こういったものが一つの大きなポイントでもあるわけです。カジノはその一つの要素で、かつ収益のエンジンとなり得る施設でございますが、IRはカジノに来る顧客のみで成立しているわけではございません。考えてみてください。一万人の会議室あるいは数万人のコンベンション、こういったものを都度開催して、たくさんの内外の観光客あるいはビジネス客を招致しない限り、この施設そのものの採算が合わないわけでございます。そういった意味においては、ビジネス、観光、エンターテインメントという機能の集約化は内外の多様な来訪客を集めることを可能にするわけでございます。にぎわいの創出というものは消費のシナジーをもたらすことができる。
 この経済効果というのは、まず第一に巨額な民間資金による建設資金需要でございます。また、単一施設でも、間接雇用を含めますと数万人の雇用を確保することができるとともに、これがもたらす財・サービスの消費あるいは税収、こういったものが観光振興、地域振興、地域経済活性化に貢献する施設群になるということが想定できるわけです。また、施設がもたらす効果とは、それとともに、スピルオーバー効果と申しますが、その施設以外にも様々な効果をもたらすことが想定できるわけでございます。
 さて、一国で新しいカジノ施設、新しい賭博種であるカジノをその中に包含するIRを実現する場合、恐らく、従来充足されなかった需要を満たすことになりますので、カジノだけでも本来一定期間成功を収めることが想定できるわけでございます。ただし、カジノ単体施設ないしはカジノ単体若しくはホテルの組合せというのは、中長期的にはやはり魅力を失い顧客を喪失する、あるいは競争市場において劣後することが最近の事例で分かってきております。
 例えば、米国ニュージャージー州のアトランティックシティーなどは、競争の結果劣後してしまった。それは、不断の継続投資と顧客を魅力する様々な設備投資、こういったものに欠けていたためにサービスが不足して顧客を喪失したと、こういうことになるんではないかと思います。魅力ある施設群あるいは競争力の高い集客施設というのは、高い多様な顧客のニーズを満たすアメニティーとか施設群を兼ね備えた施設になり、継続的な設備投資を行って常に顧客に対するサービスを改善して初めてこういった施設が価値をもたらすことになるわけでございます。
 こういったカジノ施設でございますが、一九八〇年代に萌芽的に生まれて、その成功と実績に基づいて、様々な国の為政者がこの枠組みを税を使わずに観光振興、地域振興あるいは地域再開発を実現する効果的な手法として採用されてきたというのが実態でございます。現在に至るまで、米国の様々な州、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールなどで採用され、実践されているというのが実態ではないかと思います。
 カジノは既に斜陽産業ではないかと、こういう御見解が国会でも審議されました。資料に若干データを付けましたので、これを後ほど見ていただきたいと思いますが、現在に至るまで、米国を始め先進諸国においてカジノ自身が衰退している、あるいは斜陽産業であるという、こういう兆しはほとんどどこにも見られないわけでございます。
 また、このカジノの業としての特色でございますが、やはり金銭の所有権とも言えるチップを胴元と顧客との間で頻繁にやり取りすることから、ここから様々な問題が生じてくるのではないかというのが実は歴史的な過去の経緯でございます。一九六〇年代までは、カジノというのは組織悪と悪、不正との戦いでございました。一九七〇年代、八〇年代を通じて、米国を始めとして完璧かつ厳格な規制のシステムができ上がるによって初めて上場企業がこの産業に参入してくることになり、悪、組織悪は現在では完璧に根絶されているというのが実態ではないかと思います。
 カジノの業としての規制というのは、カジノの運営事業者及びその構成員全てにライセンスの申請、清廉潔癖性に関わる背面調査、ライセンス交付を義務付けることになるとともに、使用する機材、ツール、システムを全て認証の対象にして、かつ、ゲームが行われるカジノ施設の主要区域を制限区域といたしまして、その中における全ての行為を規制し監視する、かつ監視テレビで常時モニターする、こういう厳格なシステムの下において初めて公正さ、透明さが貫徹されるカジノ施設となってくるわけでございます。
 現代社会においては、カジノというのは、健全、安全かつ公平公正な空間として、いわゆる犯罪とかというのは無縁の世界になっているというのが現実ではないかと、こういうふうに思います。
 もちろん、これは社会規制でございますので、国の、一国の歴史、背景、風土、制度次第で様々な国がございます。この制度が不十分な国があります。それは、まずカジノありきで、精緻とした制度とか規制の仕組みをつくらなかった国でもございます。こういった国の事例もある。
 ですけれども、我が国においては、恐らく、期待いたしますのは、参議院、衆議院、国会におきまして十分なる審議を尽くしていただいて、精緻な規制と制度の枠組みをつくることによって初めてカジノというものは安全、健全な空間となる施設というふうにすることができるんではないかと思います。
 一般的に、カジノというのは様々な社会的な否定的なインパクトを与えるのではないかと、こういうことが喧伝されているわけでございます。
 賭博行為がもたらし得る否定的要素の認識というのは、実は一九六〇年代まではほとんどございませんでした。一九八〇年頃、やはり市民の意識、国民の意識、消費者の意識、こういったものが起こってくるにつれて、やはり肯定的な側面は否定できない、大きな経済効果、雇用効果、税収効果があるにもかかわらず、やはり一部の社会的否定的な側面に関しては国が責任を持って何らかの形で対処すべきであって、かつ、事業者も責任ある施行という形でその影響力の低減に貢献すべきである、こういう考え方が出てきたのが一九八〇年代から九〇年代でございます。
 現代先進諸国において賭博種を新たに制定する場合、こういう経済的好機を求めるとともに、同時並行的に社会的な否定的な要素を封じ込める政策を取ることが先進国での立法行為としての通例になりつつあるというのが現在の世界の在り方ではないかと思います。
 我が国においても、既にこの参議院、あるいは衆議院でも御議論になったところでございますが、やはり賭博依存症あるいは国民の懸念に思うところに関しましては、十分過ぎるほどの手当てと規制並びに制度の在り方が求められると、こういうことが実態ではないかと思います。
 社会的弱者、特に若年層、あるいは環境の悪化、そういったものは恐らく完璧に処理することができます。これらの施設は年齢付写真IDがなければ入れない施設となります。子供たちは一切入れません。この施設は単純な町中にできるカジノホールではございません。全国に数か所、しかも高規格の施設になりますから、ドレスコードを設定することにより、例えば変な人は入れない、変な環境は周りに起こらない、こういったことが想定できるわけでございます。経済的好機というものはそれに見合うバランスを取った社会政策というものが同時に施行されて初めて機能するということが様々な先進諸国において実践されている考え方でもあるわけです。
 カジノがもたらす社会的否定的な側面を何ならば定量的に測定して、定性的、定量的な評価でもって比較してその是非を論ずるべきではないか、こういう御議論もあることも承知しております。
 ですけれども、残念ながら、社会的に否定的な行為というものは定量化がかなり難しい。現代経済学において、しっかりとした精緻のある経済モデルとしてはまだなっていないというのが現状ではないでしょうか。もちろん、我が国においてどういうインパクトがあり得るのかに関しては、是非とも今後、実施法を検討する過程におきまして、国会におきましても十分なる御審議をお願いしたいと、こういうふうに思ってくるわけでございます。
 カジノを含むIRというものは変な話ではございません。地域社会に大きな経済効果をもたらし、雇用効果をもたらし、これを民間主体の力で実行するという考え方になります。
 この考え方は手挙げ方式でもございますので、地方公共団体と民間事業者が精緻な枠組みで取引を取り決めることになると思います。当然のことながら、投資のコミットメント並びに社会に対する治安対策の問題あるいは周辺インフラの問題、こういったものも地方公共団体と民間事業者が共同して問題を解決しながらこのIRを実現する、そういう枠組みを提供するものでもあるわけでございますね。
 このIR推進法案ができたところで、カジノはできません。あくまでも皆さんの御判断によって、今後IR実施法と呼ばれる違法性を阻却する制度的な枠組みができて初めてこの国にカジノを含むIRが実現できると、こういうふうに判断しております。
 是非とも、この推進法案、肯定的な面、否定的な面、両方ございますが、こういったものを今後の御審議、十分御審議を尽くされて、また実施法の過程でも十分御審議されて御判断を仰ぎたいと、こういうふうに思うわけでございます。
 ちょうど時間になりましたので、私の説明は以下で終わらせていただきます。
 どうも御清聴ありがとうございました。
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難波奨二#4
○委員長(難波奨二君) 美原参考人、ありがとうございました。
 次に、渡邉参考人にお願いいたします。渡邉参考人。
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渡邉雅之#5
○参考人(渡邉雅之君) 弁護士渡邉雅之から、法律家の立場、それからマネーローンダリング、反社会的勢力対策の専門家として、それからカジノに関するシステムに関しての研究者としての立場からお話を申し上げたいと思います。
 御説明、意見の陳述に当たりましては、お手元の資料を使わせていただきながらさせていただきたいと思います。パワーポイントの資料ともう一つ、A4縦書きのネバダ州において無制限免許のゲーミング従業員が申請時に開示すべき情報と書かれている資料を御覧ください。
 今回、私、衆参の内閣委員会における審議、インターネットを通じて配信をつぶさに見てまいりました。その中でかなり実質的な審議が行われたなというふうに実感しているところでございますが、その中でも、主に突っ込まれて御検討された点を中心に今からお話をしたいと思います。
 それは、まず最初に特定複合観光施設、IRについて、それから賭博罪と違法性阻却について、それからマネーローンダリング対策について、そして最後にギャンブル依存症対策についてでございます。
 まず、三ページ以降、IRについてでございますが、こちらは、美原先生の方から先ほど御説明がありまして重複するところがございますが、御説明したいと思います。
 四ページにありますとおり、まず、IRとは何かというと、カジノ施設だけではなく、会議場施設、レクリエーション施設、展示場施設、宿泊施設その他の観光の振興に寄与する施設が一体となっているということは皆さん御存じのとおりでございます。その中で、高規格で質の高い多様なサービスが提供されるIRの整備によって国際競争力のある魅力の高い滞在型観光が実現されて、地域経済の振興に寄与するとともに、健全なカジノ施設の収益が社会に還元されることが期待されるということになります。
 次に、五ページ、なぜ今IRが必要なのかということでございますけれども、シンガポールの例で見ますと、二か所のIRを設置することによって観光を飛躍的に伸ばしております。そのシンガポールのIRの施設の中には、ごく一部にカジノという非常に大きな収益力の高い施設が設けられています。それが加わることによって、他の施設、国際会議場や展示場、単体であれば不採算となるような施設も含めた施設全体での円滑な運営ができ、更に集客も伸ばしているところでございます。日本版のMICEの機能を強化していくためにも、こういった施設の一部にカジノ施設を含むIRというものを検討していく必要があると考えております。
 また、政府においては、平成二十五年に日本再興戦略において、二〇三〇年までに訪日外国人観光客三千万人を目標に、新たなツーリズムの創出や国際会議、MICEの誘致、投資の促進を掲げております。このIRの整備はまさに税負担のない経済政策、都市政策として、また、ここが重要でございます、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックがありますが、その後の経済政策をどうするか。そこで、これはまさに、アフターオリンピック・パラリンピックの国際観光戦略の一つとしてこのIRがあるわけでございます。
 さて、このIRについては、衆参の内閣委員会でも議論がありましたとおり、今更IR、アジア市場ではもう既に飽和しているんじゃないかという、そういった批判もあるところです。
 そのIRの導入に批判的な御意見といたしましては、米国のニュージャージー州アトランティックシティーやマカオにおいてカジノ収益が落ちていることがよく理由として挙げられておりますけれども、それから、アジア各国にカジノの設置が今進められているじゃないか、そういった中でアジアのカジノ市場、もう飽和じゃないのと、そういったことが言われるわけでございますが、まずもって、米国のニュージャージー州アトランティックシティーについては、このカジノ収益が落ちている一番の大きな理由というのは、米国北東部の各州でIR、カジノの導入ラッシュがあるということが一因でございます。ニューヨーク州、マサチューセッツ州などにより競争が激化しているということによるものです。米国北東部全体でのカジノ収益は伸びていますし、また、米国全体のカジノ収益も伸びています。ネバダ州のラスベガスでのカジノ収益も伸びている。
 他方、マカオでございます。マカオは、中国の本国の反腐敗政策や資金移動の制限、そういったところでVIP顧客の勘定が今現在かなり減少していますけれども、マカオ政府は、今、いわゆる一般観光客の方に相当政策をシフトしていらっしゃいまして、観光客は相当増えております。二年連続観光客三千万人を達成しているということです。すなわち、一般大衆の観光客は今増えているわけで、極めて健全なレベルに移行しつつあると。カジノ収益に関しても、これは、二〇一六年の八月以降は三か月間連続プラスというふうになってきております。そもそも、ラスベガスやマカオにおきましては、IR施設がないときに比べてはるかに地域経済が活況になっているということも留意しなければいけません。
 次に、IRの成功の鍵でございますが、これはいろいろあると思います。シンガポールの例を見ますと、リゾート・ワールド・セントーサというところには水族館やUSJ、ユニバーサル・スタジオのような観光施設、それから、皆さんよく御存じのマリーナ・ベイ・サンズ、ホテル棟が三つある上に巨大な船が乗っている、まあプールになっているわけでございますけれども、そういったファミリーでも楽しめる、そして巨大なアイコンのようなものがあることが非常に重要となってくると思います。
 それから、ニュージャージー州アトランティックシティーでの失敗を踏まえて、やはり過当競争は避けるべきであると。最初は数を限定した上でスタートしていき、慎重に段階的に増やすことを検討していく必要があると思います。
 また、我が国ならではの、日本ならではのクールジャパンの発信や日本の伝統文化の発信も重要です。皆さんよく御存じだと思いますが、昨年、二〇一五年の八月に、ラスベガスのベラージオの噴水、皆さん、オーシャンズ11という映画御存じですか、あの映画で出てくる噴水ですけれども、その前で歌舞伎役者の市川染五郎さんが演舞をなさった、これは非常に高い評価を得ているところでございます。ですので、我が国において導入する場合もこういったものを意識する必要があるんではないかと思います。
 次に、刑法の賭博罪とIR法制、非常に重要な問題でございます。九ページを御覧ください。
 なぜこのIR推進法案、そしてこれに引き続く実施法案において民設民営のカジノを目指すのかと。これは、カジノの運営者は賭博行為の直接の当事者となるとともに、当事者としてのリスクを負担することになり、公的主体が運営者となることは適切でないとまず考えられることによります。そして、ゲーミングのノウハウを有する事業者が運営することで質の高いサービスが提供され、IR全体の魅力が高まるとともに、収益の公益還元の最大化ができると、そういった点にあると思います。
 宝くじや競馬、競輪などでは総賭け金の一定率をまず主催者が取っていきますけれども、民営のカジノではそうではないと。主催者がリスクを負いながらやっていくところにこの民設民営のカジノを目指す理由というところがあるところです。
 十ページを御覧ください。
 では、刑法の賭博罪というのはどういうふうに規制されているか。これ、刑法百八十五条の賭博罪、刑法百八十六条の常習賭博及び賭博場開張等図利罪、賭博場開張罪と言った方が分かりやすいと思いますが、こういったものが定められているところでございます。
 賭博罪の保護法益につきましては、これは内閣委員会でも何度も御説明があったとおり、賭博行為は、国民をして怠惰浪費の弊風を生ぜしめ、健康で文化的な社会の基礎を成す勤労の美風を害するばかりでなく、甚だしきは暴行、脅迫、殺傷、強盗罪その他の副次的犯罪を誘発し、国民経済の機能に重大な障害を与えるからと、そういうふうに言われているところでございます。
 次の十一ページから少し重要なポイントでございます。
 今回、衆参の内閣委員会で、特に衆議院の中では緒方林太郎先生、民進の先生、それから参議院では大門実紀史先生、共産党の先生方から、この賭博罪の違法性阻却の論拠についてかなり詳しい質問、それに対する政府の回答がありました。ここを私つぶさに拝聴しまして、整理させていただきました。
 まず、公営競技に関しては、特別な法律により正当行為、刑法三十五条として違法性阻却がされている。違法性阻却する要件として考慮すべきという点では八つの点があると。この八つの項目を、各項目について具体的な案件において総合的な判断がなされるという政府、法務省の回答がありました。
 では、その八つの項目というのは何かというと、目的の公益性、そしてこの公益性に関しては、収益の使途の公益性はこれは一例であって、これに限定はされないということ。それから運営主体の性格、これも、官、これに準ずる団体であることはこれは一例にすぎないということ。それから、三として収益の扱い、四として射幸性の程度、そして運営主体の廉潔性、運営主体の公的管理監督、運営主体の財政的健全性、そして最後に副次的弊害の防止でございます。
 次のページを御覧ください。
 違法性阻却の各項目は、それではIR推進法には書かれているか。実際には、違法性阻却は次の実施法案で考えていくところですけれども、推進法案の中でもちゃんとこの各項目というのは書かれていますよということです。
 まず、目的の公益性でございますが、カジノ単体ではなく会議場施設、レクリエーション施設などの他の施設を加えて、IR全体としての公益性が認められること。そして、法案の一条では、観光、地域振興に寄与するということを財政の使途としております。そして納付金、それから入場料等を取ることによって、それを、附帯決議でも挙げられておりますが、依存症対策にも使う、そういったところで十分公益性が認められるんだと。
 それから、運営主体の公益性については、カジノ管理委員会によって公営競技以上の厳格な規制に服することになるということでございます。
 収益の扱いについては、納付金、入場料を徴収することができると法案に書かれております。法案提出者の意思としてはこれを必ず取るということで、それは尊重されることになると存じます。
 そして射幸性の程度ですが、こちらは、基本的にはパチンコとの対比で設けられた、パチンコ等風適法の遊技との関係で設けられた要件ではないかと考えております。必ずしも公営競技においてもこの射幸性をどう抑えるかということは検討されてはいないのではないかと。要は、公序良俗に反しない限りは認められていると存じます。
 運営主体の廉潔性、これもカジノ管理委員会による公営競技以上の厳格な規制に服していると。
 運営主体の公的管理監督についても、同じようにカジノ管理委員会により公営競技以上の厳格な規制に服する。
 運営主体の財政的健全性、これはカジノ管理委員会による厳格な背面調査により見られていく。実際にアメリカでは、この背面調査によって、要は財務的健全性がないということで申請が認められなかった事例も多数あります。
 副次的影響の防止でございますけれども、これは、法案の十条各号にカジノ施設の設置及び運営に関する規制ということで項目が挙げられておりまして、マネーローンダリング対策、ギャンブル依存症対策を始めとする対策が取られているところです。
 次のページの図は、ちょっと私が工夫して作った、IR、カジノを含む統合リゾートと公営競技、宝くじとの違法性阻却の比較をしております。それぞれどういう状況なのかなということで比較をしてみました。
 その検討の結果が次の十四ページに書かせていただいておりますが、結論から申し上げて、IR、カジノを含む統合型リゾートは十分違法性阻却の要件を満たし得るのではないかと。当然ながら、これは実施法案で検討していくところですけれども、まず、私が分析しているところによりますと、公営競技の違法性阻却というのは、かなり公的主体であること、すなわち目的の公益性、運営主体の性格、収益の扱い、運営主体の廉潔性によるものと考えられます。運営主体の公的管理監督、運営主体の財政的健全性、副次的弊害の防止については、十分であると言えるかは少し疑問が残る、とりわけ副次的影響の防止については疑問が残るわけです。
 要は、今、パチンコ、パチスロ、広義のそういうところでお話ししますが、公営競技においてもギャンブル依存症対策ということも問題となっておりますし、宝くじにおいてはかなり射幸心をあおるような広告がなされていると。そういったことで、今後、副次的弊害の防止については今以上の対策を講ずる必要があるんじゃないかと個人的には思っているところです。
 それから、IR、カジノを含む統合型リゾートについては、カジノ管理委員会の厳格な監督を通じて、運営主体の廉潔性、運営主体の公的管理監督、運営主体の財政的健全性は公営競技よりも優れたものになることが想定されております。また、副次的弊害の防止に関しましても、ギャンブル依存症や入場料規制等の公営競技で全く取り組まれていないことを新たに取り組もうとしている。
 以上を踏まえますと、IR、カジノを含む統合型リゾートは刑法の賭博罪の違法性阻却の要件を十分に満たすものではないかと私個人は現在思料している次第でございます。今回の国会の審議を聞きまして、こう確信した次第でございます。
 次に、マネーローンダリング対策について申し上げます。
 実は、マネーローンダリングでちょっと注意していただきたいのは、よくマネロン、マネーロンダリングと言いますけれども、政府における正式な用語はマネーローンダリングでございます。ちょっとそこを御注意していただきたいんですけれども。
 その意味合いというのは、十六ページに出ているように、犯罪で得た収益を、それを身元を分からなくするというのがこれマネーローンダリングというもの。
 十七ページを見ていただきますとおり、これについては、FATF、要は金融活動作業部会という政府間会合で厳重に規制をしておりまして、勧告を出しております。これが各国の法律のスタンダードになっております。カジノについても、このマネーローンダリングの防止のため、免許制、犯罪者、その関係者の所有、経営、運営の防止、マネロンテロ資金の供与対策の義務の遵守措置を設けることといったことを求めておりまして、そのために、一定の基準以上賭けをする顧客の本人確認義務、記録の作成保存義務などを課しております。
 我が国においては、犯罪による収益の移転の防止に関する法律、いわゆる犯罪収益移転防止法においてこれが規制されているところでございます。こちらについては、日本のマネロン規制、非常に弱いねということを言われておりますが、今日お配りしている、皆さんにお配りしたこちらの本、私が書いた本でございますが、日本の法律の規制もこの十月に国際基準に到達しました。ですので、カジノが日本にやってきたときも十分にこれに対応できるというふうに私は考えております。
 そして、カジノにおけるマネーローンダリングについてどう防止するかということもありますけれども、二十一ページを御覧ください。このカジノの導入に当たっては厳格な背面調査ということを導入することが考えられております。それは、民間主体の五%超以上の有効議決権を有する主要株主、経営者、主要な管理職、直接、間接にゲームの運営に関与する職員、それについては国際基準と同じ書式の手続によって背面調査をする。
 今日お配りをしているこちらのネバダ州の背面調査の、私、ちょっと申請書の一覧を日本語訳したものですけれども、非常に膨大なものです。これはまさに平成の黒船と呼ばれるようなものでございまして、今まで日本にはないような免許申請を求めていると。主体となるIR事業者には反社会的勢力やマネーローンダラーが関与することはまず考えられません。
 米国においては、ここについて、家族に関する情報、それから個人の全ての資産を五年以上のものを出したり家族の情報も出す。それから、離婚した相手についても、その離婚した配偶者のところに行って、どうして離婚したかとか、そういったことも聞くということで、非常に厳格なことをやっている。
 二十三ページを御覧ください。
 では……
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難波奨二#6
○委員長(難波奨二君) 渡邉参考人、時間が参っておりますので、申し訳ございませんが、おまとめください。
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渡邉雅之#7
○参考人(渡邉雅之君) はい。
 最後にまとめたいと思いますけれども、取引時確認については、これは日本の犯収法で行われていることをまた実施していくということとともに、高額取引については、アメリカやそれからシンガポールでも行われているように、報告義務を課すようなことも考えられます。それから、入場規制は厳格に、シンガポールでやっているように顔写真のあるものを提示して入場させるというようなことが必要だと思います。
 簡単に、あと二分、ギャンブル依存症についてお話をさせていただきたいと思いますけれども……
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難波奨二#8
○委員長(難波奨二君) 渡邉参考人、後ほども御発言の機会があるかと思いますので、そのときにまた参考の御意見をいただければと思いますので。
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渡邉雅之#9
○参考人(渡邉雅之君) そうですね。
 ありがとうございます。
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難波奨二#10
○委員長(難波奨二君) 渡邉参考人、ありがとうございました。
 それでは、続きまして新里参考人にお願いいたします。新里参考人。
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新里宏二#11
○参考人(新里宏二君) 弁護士の新里でございます。
 本日、参考人としてお呼びいただいて発言の機会をいただいて、本当に感謝申し上げるところでございます。
 私は、このいわゆるIR法案、又はカジノ解禁推進法案と言いますけれども、反対の立場から御意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、カジノの経済効果ということでございます。統合型リゾート、IRは、投資、雇用が期待でき、経済を活性化させる切り札になるだろうとも言われております。アメリカの投資銀行は、日本のカジノの経済効果を四兆円などとも試算しております。その中で、その狙いが日本人の金融資産であることも明らかにしております。
 日本ゲーミング学会の谷岡一郎氏は、カジノの推進について、海外からの投資が盛んになり、高齢者のたんす預金など世の中に出てきにくい金が回り始めると紙上で明言されております。
 平成二十六年五月、アメリカのカジノ運営会社であるサンズ社の会長は、日本のカジノに五千億ないし一兆円を投資するとも述べております。それだけ短期的に巨利を上げることができるということでしょうか。
 日本にはカジノ産業についての蓄積はなく、海外からの資金及びノウハウに頼らざるを得ません。日本人の金融資産がカジノを通じて海外に散逸することの危惧の念を抱くのは私だけでしょうか。
 カジノ賭博は業者がもうかり、事業者のもうけはカジノでの負けの総体でございます。私自身、多重債務問題に取り組み、ギャンブルで借金をつくり、仕事、家族を失い、自分の命まで失う悲劇をつぶさに見てまいりました。カジノ賭博は、多くの者が財産を失い、依存症へと追い込まれる。カジノは不幸をまき散らすビジネスではないのでしょうか。人の不幸を前提とした成長戦略に大きな疑問を感じざるを得ません。
 次に、日弁連の意見書についてでございます。
 平成二十六年五月九日、日弁連は、カジノ解禁推進法案に反対し、その廃案を求める意見書を採択しております。今日の資料一、二で付けておきました。カジノ解禁推進法案の問題点について、カジノ経済効果への疑問、暴力団対策上の問題、マネーロンダリング対策上の問題、ギャンブル依存症の拡大、多重債務問題再燃の危険性、青少年の健全育成への悪影響、民間企業の設置、運営によることの問題を指摘しております。
 本日は、その中でギャンブル依存症の問題及び民間企業の設置、運営によることの問題について触れたいと思っております。
 まず、ギャンブル依存症でございます。ギャンブル依存症の問題は極めて深刻です。ギャンブル依存症は、慢性、進行性、難治性で、放置すると自殺にも至ることもある極めて重篤な疾患でございます。
 我が国において、平成二十六年三月の厚生労働省研究班による調査結果、資料三で付けておりますけれども、成人男性八・七%、成人女性一・八%、全体四・八%で、推計数は五百三十六万人に達すると言われております。他方、アメリカでは、ルイジアナでは一・五八%、オーストラリア、男性二・四%、女性一・七%、フランス一・二四%などと比べると極めて高い数値となっております。
 日本には、公営ギャンブルがあるほかにパチンコが地方の隅々にも存在しています。世界のスロットなどの遊技機械の六割以上が日本にあることがギャンブル依存症問題を深刻化させております。
 カジノは、利益を上げるために多数の賭博客を得ようとするのは当然であり、カジノの設置によってギャンブル依存症の患者が増加することは明白でございます。カジノの売上げによってギャンブル依存症対策を推進するとの見解もありますが、ギャンブル依存症問題の深刻さからすれば、ギャンブル依存症対策はカジノ解禁の問題とは別個にその対策を強力に推進すべきものと考えます。
 本年九月、九州の弁護士と弁護士会の集まりであります九州弁護士会連合会で、ギャンブル依存症のない社会をめざしてと題するシンポジウムを開催しました。弁護士会側から、ギャンブル依存症問題の解決のために必要な基本法の制定を提案をしております。資料四でございます。
 次に、民間企業の設置、運営によるところの問題でございます。
 日本では、賭博は太古の昔から厳罰をもって禁止され、記録上確認できるのが持統天皇によるすごろく禁止令であることは、国会の議論でもなされているところでございます。現行刑法は、賭博及び富くじに関する規定、刑法百八十五条以下を設けております。他方、特別法、競馬法、自転車競技法等により賭博罪、富くじ罪に該当する行為を正当化する規定が置かれており、実際上は、これらの公認された賭博、富くじの枠外で行われ、違法行為を惹起し、暴力団等の資金源となるような賭博、富くじが処罰の対象とされております。
 カジノについて違法性阻却を求めるかどうかについては、本年十二月七日、法務省のペーパー、資料五を付けておりますけれども、八項目が示されております。
 それによりますと、「これまで刑法を所管する法務省の立場からは、例えば、目的の公益性(収益の使途を公益性のあるものに限ることも含む。)、運営主体等の性格(官又はそれに準じる団体に限るなど)、収益の扱い(業務委託を受けた民間団体が不当に利潤を得ないようにするなど)、射幸性の程度、運営主体の廉潔性(前科者の排除等)、運営主体への公的監督、運営主体の財政的健全性、副次的弊害(青少年への不当な影響等)の防止等に着目し、意見を申し述べてきたところであり、カジノ規制の在り方についても、同様である。」とされております。
 この括弧書きにつきましては、これまで明らかにされていないことが今般明らかになってきております。この八項目につきましては、日弁連の意見書でも指摘したところでございます。括弧内の指摘を前提といたしますと、民営カジノでは、従来の法務省の見解からすると合法の余地はないのではないかと考えているところでございます。
 次に、韓国の江原ランドの問題について指摘したいと思います。
 韓国では、二〇〇〇年、国内十七番目のカジノとして、自国民が入れる江原ランドがオープンします。ソウルから二百キロほど離れた旌善郡に位置します。かつては炭鉱でしたが、二〇〇〇年、カジノリゾートとして、江原ランドとしてオープンし、当初はカジノの単体でしたが、二〇〇三年に、四百七十七の客室を有するホテルカジノとして全面リニューアルし、周囲にはスキー場やゴルフ場も併設した複合型観光施設となっております。
 中毒管理センターも併設され、十三年間で利用者は五万人、ランド内で自殺した人は四十八人を数えているということでした。ランド側も、当初は二十四時間営業だったものを二十時間に短縮、客は入場記録が管理され、一か月の利用は十五回に制限されているとも言われています。
 私は、平成二十六年八月に江原ランドにも訪問しております。二〇一二年の入場者数は約三百万人、国へ納める税金は年間四百七十五億円、三千人いる従業員の六割は地元採用と聞いております。それでも、カジノが開業した年から人口が減少し、子育て世代が出てしまい、人口減少に歯止めが掛からないと言われています。
 実は、江原ランド最寄り駅であります舎北駅のバス停、電話ボックスには名刺大のおびただしいサチェ、日本の闇金の広告が出されております。これについては資料六を見ていただければと思います。昔の日本の風俗産業が電話機に名刺大の広告を出したものと同様でございます。明らかに闇金がばっこしていることが予想されます。
 駅へ上がる、駅に小型バスが止まっておりました。カジノホームレス宣教会の相談所のようでした。担当者は不在でしたけれども、バスの後ろには少女がポスターを掲げている写真が貼ってありました。これがその写真でございます。お父さん、お母さん、自殺しないでくださいと書かれています。江原ランドの自殺者が急増し、このポスターになったのではないかと思っているところでございます。江原ランド周辺の質屋街については、その異様な雰囲気がNHKのニュースでも取り上げられております。
 他方、韓国でも、依存症対策としてカジノへの入場規制がなされております。家族要請、本人要請、一般入場規制もなされていると言われております。韓国では、カジノに関わる賭博中毒などが大きな社会問題となっております。
 韓国では、ギャンブル産業の売上高が二〇〇九年に十六・五兆ウォンとなっております。他方、国家ゲーミング産業統合監視委員会のホームページの賭博問題の社会・経済的費用研究によると、経済と財政、雇用、犯罪及び法律、及び健康及び福祉、それぞれについての金額を推計し、賭博中毒者らの年間総社会・経済的費用として七十八兆ウォンと指摘しております。資料七で付けているところでございます。
 負の影響が経済効果を大きく上回ることは、日本においてカジノを解禁するかの議論をする上では極めて実証的なデータだと考えるところでございます。
 さらに、江原ランド依存症管理センターからいただいた資料の最後の記載が示唆に富むものでしたから御紹介させていただきます。資料八でございます。
 どれだけ徹底した依存症管理システムを備えても、ギャンブル産業の副作用、家産の蕩尽、自殺、地域共同体の崩壊などを根本的に防ぐことはできないので、地域再生戦略としてカジノなどのギャンブル産業を誘致することは非常に慎重を期すべきであり、誘致の前には徹底した準備が必要であると記載されておるところでございます。
 次に、日弁連の平成二十六年八月のシンガポール調査についても少し触れたいと思います。
 シンガポール調査の目的は、日本のカジノが観光目的で解禁したシンガポールを参考に企画されていること、シンガポールではカジノの利用は自国民に許されていますが、百シンガポール・ドル、約八千円でしょうかの入場料を課し、家族、本人、政府からの入場規制を掛ける仕組みがあること、これについても日本で参考にするとされていること、シンガポールはカジノの負の影響を抑えることができているのだろうかということを依存症支援の現場から確認しようとしたものでございます。
 シンガポールは、御承知のとおり、カジノを解禁したのは二〇一〇年であり、カジノは二か所、MICEを充実させたマリーナ・ベイ・サンズ、家族向けアミューズメントを充実させたワールド・リゾート・セントーサでございます。人口は約五百万人、都市国家でございます。
 依存症の支援組織であるワンホープセンターではギャンブル依存の相談が急増し、五年前には二百から三百件であったものが五百件台に急増しているということでございました。まさしくカジノが影響しているということでございます。自国民に入場料を取ることについては、入場料分を取り戻そうとすること、時間いっぱいゲームをすることから依存症対策として機能していないとのこと、さらに、入場制限についても、ここへの相談者は制限者であり、それも機能していないとの認識でございました。
 平成二十五年秋から新しいガイドライン、ビジット・リミット・ガイドラインによって、賭博依存国家評議会、NCPGから月六回以上の利用者には通知を出し、銀行口座などを自己申告させること、カウンセリングを受けることを通知するというような仕組みとなっていることでございました。協力的でない者に対しては、標準的な基準を基に個別ケースで調整をして、一か月のカジノへの入場回数の制限ができることになっているということも報告を受けました。
 調査結果からすると、自国民への入場料、入場制限は、依存症対策としては機能していないのではないかと言わざるを得ません。
 また、支援団体二か所での聞き取りで、ローンシャークがばっこしていることも確認されました。依存症と借金、ローンシャーク問題はほぼ重なっているとの認識でございました。
 最後になります。
 新聞各紙の世論調査では反対が賛成を大幅に上回り、各社説も拙速な審議に疑問を呈しております。特に、本日述べた賭博の違法性阻却が民間カジノで可能かどうか、十分御審議お願いし、意見陳述を終わります。
 御清聴ありがとうございました。
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難波奨二#12
○委員長(難波奨二君) 新里参考人、ありがとうございました。
 それでは、次に鳥畑参考人にお願いいたします。鳥畑参考人。
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鳥畑与一#13
○参考人(鳥畑与一君) 静岡大学の鳥畑です。よろしくお願いいたします。
 お手元の資料、全部で三枚ありますが、文書を読ませていただきます。中の資料等については一つ一つ説明をいたしませんので、御容赦をお願いいたします。
 この度は、参考人として本法案に対する意見発言の機会をいただき、ありがとうございます。
 衆議院内閣委員会等での質疑では、刑法百八十五条等で禁じられた賭博の違法性の阻却要件として八要件が議論されました。そこでは、国際観光や地域振興、そして財政に資することが統合型リゾート、IRの公共性を担保するものとして答弁されていました。
 私は、IRの収益エンジンとして組み込まれたカジノをIR型カジノと呼んでおりますが、このIR型カジノの経済的効果なるものが刑法の違法性を阻却するものであるかという観点から、甚だ浅学ではありますが意見を述べさせていただきます。
 現在、IR型カジノについて、投資額や収益からの経済効果のみが一面的に強調されています。しかし、米国議会国家ギャンブル影響度調査以降、ギャンブル収益は代替効果、共食いを伴うものであり、かつ、多くの社会的コストを発生させることが共通認識として確立されています。
 ギャンブルの経済的特質については、ノーベル経済学賞受賞者であるポール・サミュエルソンは「経済学」で、新しい価値を生み出さない所得の移転でしかなく、所得格差を拡大すると指摘しています。フィラデルフィア連銀のアラン・マラハは「カジノ・ギャンブル導入の経済的・社会的影響」で、カジノの経済的効果としては、地域外からギャンブル収益をもたらす目的地効果、それから州外に流れているギャンブル収益を取り戻す奪還効果、そして地域内での消費を奪う、単なる置き換えであるという代替効果、それから地域外の資本によることによって利益が地域外に流出する効果を指摘しつつ、純粋な経済的効果や財政に与える影響は、これらを総合的に評価するほか、社会的コストを加味する必要があるとしています。
   〔委員長退席、理事相原久美子君着席〕
 現在、米国各州では、新たにカジノを合法化する際にはカジノ設置に伴う経済的効果と社会的コストの総合的評価を行うことが一般化していますが、そこでは、カジノは経済的効果のみをもたらすものではないことが明らかになっています。
 例えば、カジノ推進派のダグラス・ウォーカーですら、「カジノ産業の本質」で、住民がギャンブルにより多く支出するようになれば他の財やサービスの支出が減る可能性もあるとして全米各州の調査を行ったところ、カジノが州の税収にプラスの影響を及ぼすことは確認できなかった、どうやらカジノは州の税収に対して何の影響も与えないか、ややマイナスの影響を与えるようだ、ギャンブル産業を合法化したり拡大したりすれば州政府収入にプラスの効果があるという言い分は成り立たないと述べています。
 カジノの純粋な経済効果はその立地や規模に左右されるため、一般論として結論できませんが、ニューハンプシャー州では、カジノ合法化するか否かの議論に当たって、超党派の調査委員会で地域別の経済効果と社会的コストの計量的評価を試みた結果、地域によっては経済的効果を社会的コストが上回ると結論しました。この結果、ニューハンプシャー州ではカジノ合法化の議会での否決が続いています。
 IR型カジノでは、一兆円規模の投資と巨大なIR施設運営を支える数千億規模の収益が実現するとされています。例えば、関西経済同友会の構想では、毎年約五千数百億円、約五十億ドルの収益が想定されています。かつてカジノ単体の構想が基本であったお台場カジノの収益予想は約三百億円、これと比較して、IR型カジノに衣替えすることで桁違いのカジノ収益が実現するとされるわけですが、それは現実的な推計なのでしょうか。
   〔理事相原久美子君退席、委員長着席〕
 IR型カジノのモデルでもあるラスベガス・ストリップ地区の大型二十三カジノのカジノ収益合計は約五十三億ドルで、平均二・三億ドルでしかありません。アメリカ大手カジノ企業MGMのラスベガスを中心とする米国内十二カジノの収益合計は約二十七億ドル、平均二・二億ドルです。
 ところが、マカオのMGMチャイナだけで最盛期三十三億ドルの収益となります。なぜ一桁多いカジノ収益が実現するのか。その秘密は、二十一億ドルを占める中国富裕層、VIPからの収益です。スロットマシンを中心にミドルクラスや高齢者をマーケットとする限り、数百億円のカジノ収益というのが米国の現実です。そして、ラスベガスですら赤字なのです。
 ところが、日本では中国富裕層を相手に荒稼ぎをしているマカオやシンガポールよりも高収益を上げることができるというその根拠は何なのでしょうか。普通の外国人観光客にちょっとカジノに寄ってもらうだけでマカオ、シンガポールよりも更に大きなカジノ収益を実現できると想定するのは極めて困難ではないでしょうか。
 提案者は、日本国内ではIR型カジノ数を制限するので過当競争にはならないとしますが、肝腎のアジアのVIP市場におけるIR型カジノ数を日本はコントロールできません。マカオのカジノ収益がVIP収益減少によって最盛期から四割減少したように、アジアのVIP市場が縮小局面に突入している中、韓国のリゾートワールド済州を始め複数のIR型カジノの参入が予定されています。そこに周回遅れの日本が日本にしかないIRの魅力を強調しても、肝腎のカジノは世界中どこでも同じカジノです。米国アトランティックシティーのカジノ産業は、周辺州のカジノ合法化によって最盛期の収益六十五億ドルから一五年には三十五億ドルにほぼ半減し、十二カジノ中五軒が経営破綻に追い込まれていますが、日本も同じ運命をたどる危険性が高いと考えます。
 提案者は、シンガポールにおけるギャンブル依存症対策の成功を大前提にして、日本でIR型カジノをオープンさせてもギャンブル依存症の発生を最小限に抑制できるとしています。カジノ収益を基にパチンコ等の既存ギャンブル依存症対策を講じることでギャンブル依存者の総数も減少できるとしています。
 確かに、シンガポールのNCPGの二〇一四年調査によれば、ギャンブル依存症率は、一一年調査時の二・六%から〇・七%に大きく低下しています。しかし、データを子細に見れば、カジノ参加率が七%から二%に大きく減少しています。住民数に置き換えると、二十六・五万人から七・七万人への減少となります。一方で、自己排除制度でカジノ入場禁止措置を講じた人数は三十二万人へと大きく増大しています。入場回数を基準にした規制を行っているとも仄聞しております。実際、カジノの入場料収入も大きく減少しています。
 NCPGは、ギャンブルは決して豊かにしてくれない、莫大な借金だけが残るだけだといった啓蒙ビデオの制作など、ギャンブルの危険性を徹底的に教育する活動も行っています。シンガポールのギャンブル依存症対策は市民にカジノをさせない政策であり、市民がカジノに行かなくなったから依存症率が低下しているのではないでしょうか。
 さらに、上記調査の回答率が大きく減少しており、隠す病気と言われるギャンブル依存者が回答していない可能性も考えられます。ギャンブル依存症は時間を掛けて顕在化してくるとされており、二〇一〇年オープンのカジノの負の影響を現時点で評価するのは早過ぎます。
 それでも、自己破産数が二〇一一年の五千二百三十二件から一四年には七千八百九十一件へ、そして犯罪件数も二〇一三年以降増加傾向に転じ、とりわけ詐欺、横領、コマーシャルクライムが二〇一二年の三千五百七件から一五年には八千三百二十九件に異常な増大を示しています。現に、NCPG自身が現時点で成功したと結論できないこと、カジノに通う十名のうち四名が依存症になる可能性があると言われていると、常習者における依存症の危険性を述べていることは重要です。
 米国の一九九九年と二〇一三年のギャンブル依存症率の比較を行ったウェルテ等による研究によれば、責任あるギャンブルに基づく様々な取組にもかかわらず依存症率は減少していません。カジノに通いやすい環境にある住民の依存症率が高いことも改めて確認されています。カジノのギャンブルが他の既存のギャンブルよりも依存症率を誘発する危険性が高いことが明らかにされており、カジノ収益でギャンブル依存症対策を取れば問題ないという姿勢は、日本のギャンブル依存症問題を一層深刻化させると考えます。
 提案者は、IRの中でカジノの占める面積はほんの一部でしかなく、あくまで家族みんなが楽しめる統合型リゾートであると言います。しかし、それは家族ぐるみでギャンブルに誘引する仕組みとも言えます。例えばラスベガスでは、ギャンブル目的の初訪問客は一%ですが、リピーターでは一二%に増大します。平均三泊四日の滞在中に七三%がギャンブルを経験することで、より多くの客がギャンブル常習者への道をたどることになります。IR型カジノは、家族ぐるみで来訪させ、お父さんもお母さんもギャンブルを経験させることで、ギャンブル依存症になる可能性を国民全体に広げる施設だと考えます。
 しかも、シンガポールのIRで収益の八割をカジノ収益が占めるように、巨額投資の回収と他部門の赤字の補填を行いつつ二〇%以上とも言われる高い投資収益率を実現するために、毎年数千億円のカジノ収益実現が求められる収益エンジンとしてのカジノなのです。シンガポール政府は市民のカジノ参加率を二%に減少させましたが、大阪の夢洲構想では八二%が国内客とされるように、国内収益中心のIR型カジノではシンガポール型規制は不可能であり、逆に国民全体をギャンブル漬けにしていく極めて強い経済的衝動を持つカジノというのがIR型カジノの本質だと考えます。
 外国観光客、とりわけ中国富裕層が獲得できず、国内客比率が高まるほど、国内における購買力の移転でしかなくなり、日本経済におけるマクロ的プラスは期待できません。ましてや、二〇一二年以来百四十八億ドルを株主に利益還元したと誇るラスベガス・サンズ等の外資がIR型カジノの運営を担った場合は、漏出効果、利益流出でマクロ経済的にもマイナスとなります。その上、ギャンブルで所得や貯蓄を失うことによる経済的困難者の増大等を通じた貧困格差を一層促進することになります。また、周辺地域のマネーがIRに吸い込まれることで、地域間の経済的格差や地域経済社会の破壊が進んでいくことになります。
 IR型カジノの本質は、ギャンブル収益による他部門の赤字補填に見るように、コンプと呼ばれる価格サービスを行う点にあります。ギャンブル収益のない既存の商店街やレストラン、ホテルなどは、不平等な競争を強いられ、淘汰されていく危険性が高まります。犯罪誘発などの社会的被害が地域社会に負わされていく危険性も高まっていきます。
 さらに、高齢者がギャンブルを通じて老後の生活資金を失う危険性が高まります。米国では、カジノ収益の六割前後がギャンブル依存症者によると言われるように、客を依存症状態に誘導することで高収益を上げるカジノビジネスにおいて、賭けに負けたあなたが悪いという自己責任論で片付けることは許されません。IR型カジノは、通常のカジノよりも地域経済を破壊する危険性の高い施設と考えます。
 かつてチュニカの奇跡と呼ばれたミシシッピ州のチュニカも、地元カジノの破綻でチュニカの奇跡は終わったとされています。アトランティックシティーも衰退が進んでいます。米国アトランティック誌、二〇一四年八月七日付けですが、地域経済を破綻させるいい方法、それはカジノを造ることと表現したような事例が顕在化しています。巨額投資のみが先行し、期待される収益が実現しないことで経営破綻に追い込まれたリゾート開発の繰り返しになる危険性が高いと考えます。国際観光数等も、IRなしでもシンガポール以上に増大しています。IR型カジノに刑法の賭博罪の罪を阻却する公益性があるとは思えません。
 本法案では、シンガポールのNCPGのようなギャンブル依存症対策の専門機関設置を義務付ける条文がありません。また、カジノ設置の経済的効果のみならず社会的コストの調査や、最終的には住民投票などで受入れ地域の意思を尊重させる条文もありません。基本法と実施法を分離することで重要な欠陥を先送りすることは、国会の国民の未来に対する責任放棄であると訴えて、私の意見を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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難波奨二#14
○委員長(難波奨二君) 鳥畑参考人、ありがとうございました。
 以上で参考人の方々からの意見の聴取は終了いたしました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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和田政宗#15
○和田政宗君 自由民主党の和田政宗です。
 まず、参考人のお四方、本当にお忙しい中お越しくださいましてありがとうございました。意見、大変勉強になりました。そして、勉強になったということでは、前回の委員会で野党の委員の方の方からビッグイシュー基金のギャンブル依存症問題の冊子、提出されましたけれども、こちらも非常に勉強になりました。
 「ビッグイシュー」といいますと、昼とか夕方に街頭演説などをやっておりますと、ホームレスの方が販売をされていて、東京でも近郊の駅を降りますと売っていらっしゃるというような形で、買わせていただくこともありますけれども、非常にホームレスの方々の自立支援というところではいい取組であろうというふうに思っております。
 そのビッグイシュー基金がギャンブル依存症問題の冊子を出しているということは実は知らなくて、今回つぶさに読ませていただきましたけれども、そこで感じましたのは、現在のパチンコ、パチスロというのは極めて依存度が高いというふうな点でした。
 これは、大当たりに至る過程での光の点滅ですとかフラッシュですとか音楽、ストーリー性、期待を高めた上で、外れたときというのは悔しさですとか、当たったときのうれしさ、こういったものを増長させる効果があるというわけですけれども、前回の委員会で、私、かなり昔、パチスロをやったということを告白をさせていただきましたけれども、私の場合は、三十過ぎですぱっとやめて以後十二年ぐらい全くやっていないわけですけれども、ギャンブル依存症の方々との違いといいますか、何で私がギャンブル依存症にならなかったのかというところをちょっと考えてみたときに、私、パチスロをかなり確率論的に捉えていたんだなというようなところがありました。
 パチスロ、当時は設定一から設定六というのがありまして、今もそうなっているかは、ちょっともうやっていないので分からないんですけれども、設定五とか設定六になりますと、出玉率といいますかリターン率が一〇〇%を超えるということで、こういった台を見付けて長く打つと勝つ確率が極めて、極めてではないですけれども高いというような確率論で捉えていたので、そういったところで、すぱっとやめる決断をしたときにやめられたのかなというふうに思うんですけれども。
 やはりパチンコ、パチスロ、現在のものを考えてみた場合には、私もやっていたときというのは、そういったフラッシュですとか点滅で期待感が高まって、当たるとうれしいというような要素もあったのは確かでありまして、こういったものの依存、これが多重債務の問題にもつながっていくということを考えた場合に、パチンコやパチスロを遊技とするならば、遊技としての在り方というものは私はもっとしっかり考えていかなくてはならないんじゃないかなというふうに思っています。
 一方、カジノのスロットマシン、これ、海外で私はスロットマシン実際にやっております。点滅とかそういったものはほとんどない状況でありまして、当たるとじゃらじゃらじゃらじゃらコインは出てくるわけでありますけれども、宝くじ的要素というものが高いものであります。
 ということを考えてみた場合に、私は、カジノにおけるこういったものと既存のパチンコやパチスロというものは分けて考える必要があるんじゃないかなというふうに思っています。だからこそ、カジノにつきましてはしっかりと依存症対策、予防策ですね、こういった枠組み、仕組みをつくっていけば、私はギャンブル依存の増加というものは抑えられるというふうに思っております。
 そこで、美原参考人にお聞きをしたいというふうに思います。
 日本でのカジノを含むIRの開業によりまして日本に更にギャンブル依存症を増やすのかという厳しい意見、これがあるわけですけれども、専門家として、このような意見についてはどのように考えますでしょうか。
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美原融#16
○参考人(美原融君) お答え申し上げます。
 確かに、今、我が国はギャンブル依存症大国だと、こういうふうに言われておるわけでございますが、その起因率の過半は、やはり現在ございますパチンコ、パチスロ、あるいは公営競技、あるいは公営賭博、こういったものではないかと、こういうふうに思うわけでございます。
 依存症対策で今必要なのは、衆議院の附帯決議にもございましたように、今現在ある問題としてこれを縮小し、その対策をいかに図るべきかということでもあります。もちろん、将来起こり得る制度としてのカジノに対しては、当然のことながら、その影響を抑止する手段が最初から取られていることが必要ではないかと思います。
 まず、総合対策としての賭博依存症をどういうふうに捉えるべきなのか。これは、やはり立法府の御意思にもよると思いますが、そういう総合対策の中において、教育から始まり、調査研究、抑止、そういったものを総合的に考えていく。また、新しくカジノ賭博を認める場合には、そのリスク等々を考慮した上で判断すべきではないかと思います。
 ちなみに、リスクの在り方は違います、賭博種によって違います。パチンコがなぜ問題なんでしょう。それは、アクセシビリティーが高いと、こういうふうに言われております。
 御参考までに、ニュージーランドでは賭博依存症賦課金というのを課してございますが、三年ごとに実際ある賭博依存症患者をチェックして、その絶対数から割り出して、三年ごとに賦課率を変えております。どこが一番リスクが高いでしょう。町じゅうにあるカジノホールみたいなところ、その次がいわゆるカジノでございます。いわゆる競馬等々は低いというのがニュージーランドの実態でもございました。
 我が国においても、何が問題の起因になっているのかを正確に精査した上で将来の対策を考えることが必要ではないかと、こういうふうに思っております。
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和田政宗#17
○和田政宗君 では、美原参考人に、ちょっと具体的に導入としてお聞きをいたしますけれども、日本でIRを開業する場合に、必要なギャンブル依存症対策としてどのような方策が有効と考えるか、教えてください。お願いいたします。
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美原融#18
○参考人(美原融君) やはり、通常の顧客というのはレクリエーションギャンブラーといいまして、周知、教育徹底、リスクに対する問題周知、こういったものが効果的であることが知られています。
 問題があり得る人たちの対処でございますが、三つございます。入れさせない、やらせない、資金を一切貸し出さない。カジノから明確に遮断することができ得れば進行をある程度抑止することができるというのが様々な国の検証で分かってきています。
 では、これをどうやって実現するのか。結構難しい問題がございまして、医師、家族、社会、あるいはそういう人たちの明確な進言によりまして、本人の同意を得た上で、顔写真等々の生体認証を入口でチェックして、入口で完璧に排除することは技術的に可能でございます。もちろん、これが個人情報等々に値するか否かというのは大きな問題でございますし、今後とも、是非とも立法府で御議論願いたいことでございます。
 問題を封じ込めるという施策が効果的。絶対に問題ある人はやらせないという態度をカジノ事業者、家庭、コミュニティー、地方自治体、政府が一緒になりながら、役割を分担してこの国の在り方を考えるべきではないか、こういうふうに思っております。
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和田政宗#19
○和田政宗君 その点でもう少しお聞きを美原参考人にしていきたいというふうに思いますけれども、前回の委員会で、私、過去に競馬もかなりやったというようなことを申し上げまして、これもすぱっと三十過ぎのときにやめられたわけでありますけれども、いろいろ、地方競馬ですとか帯広のばんえい競馬も行きました。
 何というんでしょう、鉄火場的というんでしょうか。少ないお金を握り締めて、勝つんじゃないかというふうな思いで、そこに期待を掛けて行くような方もいるわけでございまして、私は、カジノにおいてのギャンブル依存症を防ぐ場合には、そういったことを防止をしていくということが重要なのではないかなということを美原参考人を始めとする参考人の方々の意見を聞きまして思ったわけでございますけれども、入場料でありますとか、一定の金額を持ち込まないと入場できないですとか、そういったような抑止の考え方については、美原参考人、いかがでしょうか。
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美原融#20
○参考人(美原融君) 確かに、入場料を賦課するということは、消費を抑制する効果はあります。ですけれども、これが本当に賭博依存症対策になるかについては様々な議論がございます。欧米においても、結局その損を取り返すために何でもないと、こういうふうに思う人が増えた場合、全く意味のない政策になってしまうかもしれませんです。
 もう一つの施策は、やはり消費抑止政策と絡んでいきます。例えば、先ほど委員の方々への御説明もございましたように、入場時間を制限する、賭け金上限規制を設ける、あるいは一日上限賭け金総額規制を設ける、あるいは地元住民に対して回数制限という形で、コンピューターで管理しながら賭博に行く回数を減じせしめる、こういった方策があることは事実でございますが、果たしてこれが本来のIR、カジノを含むIRの政策目的にかなっているか否か、消費を抑制するということは果たして本当に適切か否かということに関しましては慎重な利害関係者との御議論が必要ではないかと、こういうふうに考えております。
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和田政宗#21
○和田政宗君 ありがとうございます。
 依存症対策については、この後、渡邉参考人にもお聞きをしていきたいというふうに思いますけれども、美原参考人に、ちょっと時間もあれなんですが、あと三問お聞きしたいというふうに思っております。
 アジアのカジノマーケットが既に飽和状態にあって、日本で後発的にIRを開始しても期待するような経済効果は得られないという論調もあります。先ほど一部御解説をいただきましたけれども、専門家としてこのような論調についてどのように考えるか、もう少し詳しく御教示ください。
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美原融#22
○参考人(美原融君) お答えいたします。
 アジア市場のパイが一定でこれを競い合っているという、こういう構図だと思いますが、現実には考慮しなきゃいけないのは、マカオというのは非常に特殊な国でございます。九五%が中国、台湾並びに香港の人たちだけでございます。全く中国国内の問題で、いわゆるVIP、富裕層が政策によって来なくなったという、こういうことがマカオの一部の収入の減少を招いている。ただ、私の資料に添付いたしましたが、マカオでは普通の観光客が増えています。それとともに、全体の企業収益における富裕層収入が落ちて、逆に一般顧客の賭博収入が増えているわけでございます。より健全化している、こういうことが言えるのではないかと思います。
 アジア全域に目を投じますと、いわゆるアジアの成長の要因というのは、中国のみならずアジアを含めた中間富裕層の発生にあります。新しい需要がアジアには起こってきている。だからこそ、これらの人たちは日本に観光に来る、エンターテインメントも楽しむ。そういう形で、実態面としてはアジアのマーケットというのは更に成長する要因があるのではないかと、こういうふうに思っております。
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和田政宗#23
○和田政宗君 次に、カジノの運営の仕組みについてお聞きをしていきたいというふうに思いますけれども、外国企業がカジノの運営企業となった場合に、収益がこれは海外に流れることになるわけですけれども、その場合に、これ納付金をどれだけ課すかなどの在り方についてはどのように、美原参考人、お考えでしょうか。
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美原融#24
○参考人(美原融君) 二つ問題があると思います。
 一つは、外資に収奪されるというのはいかがなものでございましょうか。投資家というのは、この市場に六千億円、一兆円投資した場合、当然その投資リターン、合理的な投資リターンを求めるのは、これは投資家が日本であろうが外国であろうが同じではないかと、こういうふうに考えます。やはり負担と受益というものがバランスされていること。
 当然のことながら、その負担には委員御指摘の納付金徴収というのがあるわけでございます。どのくらいの納付金を徴収すべきなのか。それは恐らく、今後、政府の中において詳細な制度設計、経済計算をした上で、キャッシュフロー中どのくらいの納付金が適切かを実施法策定の過程で慎重に御判断願うべき項目と、こういうふうに考えてございます。
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和田政宗#25
○和田政宗君 仕組みについてもう一問、美原参考人にお聞きをいたします。
 ディーラーの養成ですね。これは民間人を養成するというような形で、公営ギャンブルの場合は、競輪でありますとか競馬のジョッキーなども含めてプロが担うわけでありまして、ですので、様々ないわゆる不正防止策というものができるわけでありますけれども、ディーラーは、これ民間の方々を養成してというようになる可能性が高いのではないかというふうなことが言われておりますけれども、その養成ですとか資格、公的なものを付与するのか、そういったものを含めて、美原参考人のお考えはいかがでしょうか。
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美原融#26
○参考人(美原融君) 先ほど渡邉参考人が申し上げましたように、ディーラーは、厳格な背面調査の対象として、ライセンスが付与されない限りこの業に参加することはできません。そういった意味では、ディーラーは完璧な清廉潔癖性が要求されるという、こういう形になると思います。
 もちろんこれらは民間事業者でございますが、ディーラーの教育自体は、恐らく民間レベルで専門教育という形で、日本人の能力、手先の器用さから考えますと六か月から八か月あれば優秀なディーラーが教育できるんではないかと、こういうふうに考えております。
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和田政宗#27
○和田政宗君 ありがとうございます。
 では、次に渡邉参考人にお聞きをしていきます。
 依存症対策の部分で、先ほど渡邉参考人の御説明が途中になっていた部分もございました。この依存症対策について具体的にどのようにお考えか、お聞かせください。
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渡邉雅之#28
○参考人(渡邉雅之君) 資料の方に沿って御説明をしたいと思います。
 御存じのとおり、二十八ページで御説明しているとおり、シンガポール、このカジノ導入、二〇一〇年に導入されましたけれども、導入以降、依存症患者は大幅に減っている、二・六%から〇・七%に減っていると。その中でどういった対策が取られたかというのが二十九ページに、我が国に当てはめた場合の対策ということで書かせていただいております。
 まず、入場料規制、自国民及び永住者のカジノ入場に際して、一人一日当たり八千円の入場料を賦課する。それから、カジノ場内へのATMの設置の禁止。そして、任意の申告による損失上限の設定。カジノ事業者による自国民、永住者への与信の禁止、あるいは貸金業法をそのまま適用して総量規制をはめる、給与の三分の一という総量規制をはめる。そして、各先生方のお話にあったいわゆる排除システム、自己排除、家族排除、第三者排除による入場の禁止ということ。そして、青少年に対するカジノのリスク、ギャンブルのリスクの教育といったこともあると思いますが、特に排除システムについては、先ほど、排除システム導入している者が三十万人もいるというお話がありますが、ここはちょっと大幅に誤解されているところがあるなというところを付け加えたいと思います。
 排除システムはある程度、一定程度機能しているのではないかということで、この次の英語のページを見てください。こちらのNCPGが出している、統計に基づくものでございますけれども、実は、特に自己排除の申告者が二十六万七千四百二十六人おりますが、そのうち大半が、二十四万六千五百六十人、これが外国人なんですね、実は。要は、外国人労働者、これ、労働ビザを得るために、事実上この申請をすると得やすいというところで申請していると。
 それから、ここに英語でちょっと脚注で書いているんですけれども、シンガポール市民、それから永住者につきましても、この中にはいわゆる破産や生活保護を受けている者は自動的にこの排除システムに登録されるということになっておりますので、実際に自分の意思で排除システムへ登録しているという方はもっと少ないと。そこがちょっと誤解されて伝わっているのかなということをちょっと補足させていただきたいと思います。
 そのほかにも、カジノ事業者によるいわゆる責任あるゲーミングの概念の導入、それから依存症、もちろん今回、日本においては、パチンコ、パチスロにおける依存症や、それから公営競技における依存症についてもこれは総合的に検討すべきです。この点については、今回政府の方の、附帯決議の中でも、関係省庁が十分に連携して包括的な取組を構築するというお話が出ておりますので、そういった中で実現していただきたいと思います。
 最後に、依存症が講じられてからIRを導入すればいいじゃないかというお話もよくありますが、私はIRファーストだと思います。要は、依存症対策をするためにも、これを実現するためには多額な資金が要ります。幾ら一定の基本法だけを作っても、十分なこれに裏打ちする予算というのはなかなか取れない。そういった中で、今回、附帯決議の中でも納付金については依存症対策に充てるというようなことも言われておりますから、そういった中で、このIRを実現する中で依存症に取り組んでいくというのがやはり一番適切なのではないかと考えております。
 以上です。
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和田政宗#29
○和田政宗君 マネーロンダリングのことについて、渡邉参考人に引き続きお聞きをしていきたいというふうに思います。
 カジノはマネーロンダリングの温床であるといった指摘でありますとか、日本はマネーロンダリング対策が不十分であって、カジノを始めればますますマネーロンダリング犯罪が増えるというような指摘というものもございますけれども、これについてはどういったお考えでしょうか。
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