環境委員会

2017-03-17 衆議院 全274発言

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会議録情報#0
平成二十九年三月十七日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 平  将明君
   理事 石川 昭政君 理事 北川 知克君
   理事 高橋ひなこ君 理事 冨岡  勉君
   理事 福山  守君 理事 太田 和美君
   理事 福田 昭夫君 理事 江田 康幸君
      青山 周平君    秋本 真利君
      井上 貴博君    井林 辰憲君
      伊藤信太郎君    大隈 和英君
      木村 弥生君    工藤 彰三君
      小島 敏文君    助田 重義君
      瀬戸 隆一君    田中 和徳君
      中山 展宏君    比嘉奈津美君
      藤原  崇君    堀井  学君
      前川  恵君    宮路 拓馬君
      阿部 知子君    菅  直人君
      木内 孝胤君    田島 一成君
      津村 啓介君    細野 豪志君
      松田 直久君    斉藤 鉄夫君
      真山 祐一君    塩川 鉄也君
      小沢 鋭仁君    河野 正美君
      玉城デニー君
    …………………………………
   環境大臣
   国務大臣
   (原子力防災担当)    山本 公一君
   環境副大臣        伊藤 忠彦君
   経済産業大臣政務官    井原  巧君
   環境大臣政務官      比嘉奈津美君
   環境大臣政務官      井林 辰憲君
   政府特別補佐人
   (原子力規制委員会委員長)            田中 俊一君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   平井 興宣君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           板倉周一郎君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      村瀬 佳史君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房審議官)           七尾 英弘君
   政府参考人
   (原子力規制庁次長)   荻野  徹君
   政府参考人
   (原子力規制庁長官官房緊急事態対策監)      大村 哲臣君
   政府参考人
   (原子力規制庁長官官房核物質・放射線総括審議官) 片山  啓君
   政府参考人
   (原子力規制庁長官官房審議官)          青木 昌浩君
   政府参考人
   (原子力規制庁原子力規制部長)          山田 知穂君
   参考人
   (東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻教授・総長特任補佐)      関村 直人君
   参考人
   (認定特定非営利活動法人原子力資料情報室共同代表)            伴  英幸君
   参考人
   (公益社団法人日本アイソトープ協会常務理事)   二ツ川章二君
   参考人
   (元原発技術者)     小倉 志郎君
   環境委員会専門員     関  武志君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十七日
 辞任         補欠選任
  木村 弥生君     宮路 拓馬君
  白石  徹君     瀬戸 隆一君
  田中 和徳君     秋本 真利君
  堀井  学君     青山 周平君
  田島 一成君     阿部 知子君
  細野 豪志君     津村 啓介君
  松田 直久君     木内 孝胤君
  斉藤 鉄夫君     真山 祐一君
同日
 辞任         補欠選任
  青山 周平君     堀井  学君
  秋本 真利君     中山 展宏君
  瀬戸 隆一君     工藤 彰三君
  宮路 拓馬君     大隈 和英君
  阿部 知子君     田島 一成君
  木内 孝胤君     松田 直久君
  津村 啓介君     細野 豪志君
  真山 祐一君     斉藤 鉄夫君
同日
 辞任         補欠選任
  大隈 和英君     木村 弥生君
  工藤 彰三君     白石  徹君
  中山 展宏君     田中 和徳君
同日
 委員白石徹君が死去された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第一七号)
     ――――◇―――――
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平将明#1
○平委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案審査のため、参考人として、東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻教授・総長特任補佐関村直人君、認定特定非営利活動法人原子力資料情報室共同代表伴英幸君、公益社団法人日本アイソトープ協会常務理事二ツ川章二君、元原発技術者小倉志郎君、以上四名の方々に御出席いただいております。
 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、関村参考人、伴参考人、二ツ川参考人、小倉参考人の順に、それぞれ十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
 それでは、まず関村参考人にお願いいたします。
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関村直人#2
○関村参考人 関村と申します。
 私は、東京大学大学院工学系研究科の原子力国際専攻で教授を務めさせていただいております。私は、原子力発電所のような複雑なシステムの安全性それから長期的な保守管理やマネジメント、これを研究課題とさせていただいております。
 まずは、このような場で参考人としての意見陳述の機会をいただきましたことに厚く御礼を申し上げたいと思います。
 私といたしましては、今般の改正法案による原子炉等規制法の見直し、この内容につきましては賛同させていただきたいというふうに考えているところでございますが、しかしながら、具体的な制度の運用を行う際には、あるいはその準備段階として考えられる期間の間に、これから幾つかの項目に関して述べさせていただきますような事項につきまして十分な注意をして、法改正の目的が達成されて効果的な制度の運用が行われていくように、これは、規制機関と、被規制者としての事業者、それからさまざまな専門を有する方々が努力を惜しまないということが極めて重要と考えている、こういう立場からお話をさせていただければと思います。
 まず第一に述べさせていただきたい点が、国際原子力機関、IAEAによるIRRS、総合規制評価サービス、この意義がどのようなものであるかという点について意見を述べさせていただければと思っております。
 私は、原子力規制委員会に設置されております原子炉安全専門審査会の会長を務めさせていただいている、こういう立場にございます。
 この審査会に対しましては、平成二十八年一月にレビューを受けたIRRS、これはIAEAの総合規制評価サービスでございますが、これにおいて指摘された事項に対して原子力規制委員会の取り組み状況の評価や助言を行うこと、こういう指示を原子力規制委員会より昨年三月にいただいているということでございます。これを受けて、学識経験者で構成をされております原子炉安全専門審査会及び核燃料専門審査会におきまして、取り組み状況の評価や助言を議論してきている、こういう状況にございます。
 この議論のベースでございますが、まずは、二〇〇七年の段階で原子力規制機関が受けたIAEAによるIRRS、これに対しましては、そのフォローアップができなかったということ。このフォローアップをする中で、本来であれば、東京電力福島第一原子力発電所の事故につながるような要因を規制機関として見出し、それを排除していくということにつながったのではないかというふうに考えているところですが、それができなかった。その反省に基づいて議論をしているという点が非常に重要な点だというふうに考えて、議論を進めさせていただいているということでございます。
 もう一点、IRRSの意義についてどのように考えるかということでございますが、IRRSで指摘された勧告、提言等は、IAEAの基準に基づいているというものでございます。しかし、さらに重要な点は、国際的な原子力安全の水準というものには、その背景に、基準としては明示されていないような国際的なすぐれたエクセレンスといいますか、こういうものがあるということでございます。
 したがって、IRRSというものは、そのエクセレンスと現状の規制の間のギャップ、これを勧告及び提言として具体的に示していただいた、こういうふうに考えているところでございます。
 次に、特に検査制度に関しまして、いかに安全水準の向上を図るかという観点でございます。これは、原子力事業者が行う安全確保、この責任をいかに浸透、定着していくかという点でもございます。
 原子力事業者が安全確保の最も重要な責任を負っているということは、IAEAの基本安全原則、この第一番目に、事業者が第一義的な責任を負っているというふうに明示をされておりますし、これは国際的ないわば常識というふうに考えていいものというふうに思っています。
 これに対しまして、規制機関によるチェックあるいは規制の仕組みというのは、事業者がこの責任を果たすことを促すものでなくてはならない。このために、事業者のあらゆる保安活動に対する監視と評価の仕組みを検査制度として確立する、これによって、規制機関それから事業者、これらがお互いに安全水準を高め合っていくんだということを進める、スパイラルアップというふうに私は呼んでいるところでございますが、安全水準の向上をお互いに目指していくんだということが検査制度に要請されるものであるというふうに考えております。
 事業者は、検査制度の中で罰則があるからということではなくて、みずからの主体的な取り組みによって期待をされている役割を果たすんだ。このために、実際に意識改革を進め、業務改善を進め、組織体制や実務を行うというこの領域において、安全を最も大切にするという取り組みが継続的に行われていく、このためのマネジメントシステムあるいは安全文化の構築をさらに進めていくということが要請されるというわけでございます。
 このために、安全確保に関する第一義的責任を浸透、定着していくということが必要なわけですので、これがなされることを強く希望すると同時に、国会や政治家の皆様の意識や情報発信、これも極めて重要でございますので、私は研究や教育という立場でこれを進めておるところでございますが、国民の各層が同様の認識を持てるように展開を考えていただければというふうに思っております。
 三番目に、品質マネジメントシステムに関する取り組みについてお話をさせていただければと思います。
 検査制度の中では、継続的な安全性の向上を図るためにマネジメントシステムが必要である、こういうことを申し上げました。品質マネジメントシステム、これを改善していくためには、例えばISOの9001の最新版、二〇一五年版でございます、これを取り込んでいくということが必要でございます。
 IAEAにおきましては、昨年、福島第一原子力発電所の事故を踏まえて、その教訓を取り込んだ形で改訂された全般的な安全要件、GSRパート2というふうに呼んでおりますが、これがリーダーシップと安全のためのマネジメントということでございますが、この国際標準を積極的に取り入れていくということが重要でございます。
 このようなマネジメントシステムの確立に基づいた安全対策の強化は、事業者に加えて、IRRSでも指摘されているところでございますが、規制機関にも求められるというものでございます。
 一方で、事業者の取り組みに関しては、より具体的な現場レベルでの取り組みに適用するためのガイドライン、具体的にはこのように技術者が進めるべきだというガイドラインを、事業者はもちろんでございますが、学協会とか関連の機関、あるいは国際的な機関の力もかりながら環境整備を進めていくということが必要であろうというふうに思っておりますし、もともとの設計の思想、これが運転段階になった段階で改善を進めていくわけですが、運転の段階で品質マネジメントシステムが動き、それをきちっと引き継いだ形で運転段階でも安全性の向上が図れるようにしていく、こういう考え方が重要であろうというふうに考えているところでございます。
 四番目に、原子力の安全を脅かすリスク、これに関する情報を活用していくということ、それから、安全水準の実績をどのようにはかって効果的な監視、評価のシステムを動かしていくか、安全水準というのを実績としてどのようにはかっていけばいいか、こういう問題について意見を述べさせていただければと思います。
 安全上の重要性を共通認識というふうにしていくためには、客観的な物差しが必要でございます。あるいはレベル感という言い方も言えるかと思います。
 リスクに関する情報の活用というのは、米国の前例を見ても、リスクに対処していく方策とその重要性、あるいは優先順位というものを議論するために最も重要な手法であるというふうに考えております。
 しかし、リスクという言葉はなかなか難しい概念でございまして、どのような影響があるのか、例えば、ある放射性物質が容器の中に入っているとすれば、この容器がもし壊れたとすればどのようなレベルの放射性物質が外に出るのか、深刻度というものをしっかりと評価する。それから、この事象がどのような確からしさで起こるのか、確率であれば定量的に言えるかもしれません。さらに、どのような順序でこのような事故、トラブルが起こっていくのか、シナリオでございますね。こういう三つの要素を検討していくということが必要でございます。
 その結果として、より高いリスクがあるものに対して対策をとって、それを継続的に進めていくということは、規制機関それから事業者、その双方にとって、限られたリソースを安全性の向上に有効に活用するためには必要な要素でありますし、このためにリスク情報に基づいた重みづけが必要になってくるというふうに考えております。
 しかし、そのリスクの情報を扱おうとしますと、不確実な情報が出てくる。その不確実な情報の幅をどのように考えていくかという大きな課題があることは確かでございます。例えば、計算機シミュレーションによってリスクを評価しましたというわけですが、これには適用性に限界があるという場合もあるということです。
 したがって、定量的な、あるいは確率論的なというふうに言ってもいいと思いますが、こういう手法を活用することに加えて、定性的な、比べるとどっちがリスクが高いんですかという定性的な重要度区分、それから、従来的な、基準はここですよという決定論的な手法の取り入れ、これらをうまく組み合わせていくということが必要だというふうに思っております。
 さらに、安全対策のレベルをその後の対応に反映させていくためには、リスク情報の活用を通じてその実績を評価していって、規制機関による監視と評価を効果的に進めるということも重要だというふうに考えております。
 さらに、評価された実績がわかりやすい形で、国民にもコミュニケーションという形で議論の輪が広がっていくということを切に希望するわけでございます。
 その意味で、五番目に、多様なステークホルダー間のコミュニケーションの強化、これが必要だというふうに考えております。
 安全規制や保守管理に関する規格や基準、さらに、よりブレークダウンしたガイドラインというものを整備していくというものは、規制機関の力だけでは不十分であるという可能性が十分あるというふうに思っておりますし、これに対して、学協会等の場あるいはもう少し広い国際的な場で一層議論が進み、実効性の高い規格や、よりブレークダウンした規格基準が学協会の規格としても提示をされていって、それをうまく使いこなしていただくということも必要だというふうに思っております。
 それから、新しい知見が出てきた場合、リスクを考えていく上で、このデータは警告を発しているんだということをしっかりと理解して、今まではわからなかったリスクが生じているのであれば、それをうまく取り込んでいくような仕組み、これも必要になるのではないかなというふうに考えているところでございます。これに関しましては、自由な議論が進められる場というものが非常に重要だというふうに思っているところでございます。
 以上で私からの意見陳述を終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。拍手
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平将明#3
○平委員長 ありがとうございました。
 次に、伴参考人にお願いいたします。
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伴英幸#4
○伴参考人 おはようございます。
 このような発言の機会を与えていただきまして、非常に光栄に思っています。
 私は、一九七九年のスリーマイル島原発事故のときから原子力の問題に関心を持ち、九〇年に今の原子力資料情報室に移籍しまして、そして二〇〇〇年から共同代表として今日に至っております。
 今回提案されている炉規法の一部改正案は非常に多岐にわたっています。炉規法そのものに関すること、それから放射線審議会関係に関すること、また、炉規法について言えば、使用届を出している事業者の問題、そして廃止措置、あるいは放射性廃棄物の処分問題、それから定期検査というふうに多岐にわたっています。
 そこで、きょうは二点について私の意見を述べさせていただきたいというふうに考えています。まず一点目は定期検査に関することであり、二点目は廃棄物の処理処分に関することであります。
    〔委員長退席、冨岡委員長代理着席〕
 そこで、一点目の定期検査に関することですが、提案されている法案は、これまでの事業者検査及び国、原子力規制庁による検査を変更し、事業者による定期検査、定期事業者検査に一本化し、規制庁はそれを監視、評価するというふうな制度変更になっています。しかし、こういう制度の導入はかえって原発の安全を損なうことになるというふうに私は考えますので、この部分については反対の意見を述べさせていただきます。
 以下に、その理由です。
 まず第一点目ですが、これは、事業者が、性善説といいますか、きちっと検査をするということを前提に書かれているもののように思いますが、これまでの過去の不正やトラブル隠しを繰り返してきた現状を見ると、今もこの状態は変わっていないのではないかというふうに考えています。次のページに一覧表を掲げておきましたが、これはほんの一部です。一九七六年から二〇一〇年まで、さまざまな不正やトラブル隠しがあったということです。
 なお、東京電力の福島原発事故に対する根本原因分析というのを東京電力はホームページで発表していますけれども、それを見ますと、稼働率優先の状態であったがために事故への備えは十分ではなかったということです。そして、定期検査関係について言うと、技術力というところで反省をしているのですが、過度にメーカー依存体質であって、自社の能力が不足していた、こういうふうなことが書かれています。
 そういうことから考えていきますと、今もなお、不正、トラブル隠しの温床、そういう状態は変わっていないというふうに思いますし、今後、二〇二〇年からは発送電が分離されて、そして電力の自由化がいよいよ完成するわけです。そうすると、結局、発電事業者は、やはり稼働率向上、コストパフォーマンスを追求せざるを得ない状況になっていくと思うんです。そんなふうになると、ますます、やはり不正やトラブル隠しということがベースとしてあるというふうに考えられるわけです。
 非常に急いでいる場合あるいはコストパフォーマンスを上げるためにちょっとしたことについては隠すとか、あるいは準備ができていない交換工事等については先送りするとか、そういったことが過去にも行われましたし、これからも行われる可能性が高い、そういうふうに思われます。そうすると、一層安全を強化すべきところ、それが損なわれる可能性が高いというふうに考えているわけです。
 他方、法案の中には、罰金として法人に対しては一億円という、非常にそれ自体は金額は高い罰金の制度の導入というのが掲げられていますけれども、この一億円というのは、例えば、原子力発電所百二十万キロワットが一日運転して、平均二十円で売れたとしますと、一日で五億七千六百万円の売り上げというふうになります。そのうち、例えば販売利益が一キロワットアワー当たり四円あったとすれば、もうこれで一日で一億円の利益を上げるという、そういうふうに、集約的に発電をするために利益等も大きいわけですね。そうすると、一億円のその罰金が、果たして不正の防止につながるようなインセンティブといいますか、そういうのになるかというと、やや疑問を持っているところであります。
 そこで、こうした状況を考えてくると、現行の原子力規制庁による定期検査、これは維持すべきであるというふうに考えています。さらに、そうすることによって、規制庁職員の、検査官の能力の向上とか、それから検査官の訓練、そういったものにつながり、人材の育成等にもつながってくるというふうに思います。もちろん、現場に行って見ることはできる状態ですが、やはりペーパー上の監視、評価では不十分ではないかというふうに考えます。
 そこで、改めてIRRSというレビューの結果を考えてみますと、このレビューの中には、簡素化という言葉は使われていますが、これは政府による定期検査を前提にした構造になっていて、事業者検査に一本化していいというふうには書いていないわけです。
 さらに、勧告の九番のところを見ますと、定期検査に関する勧告ですが、この中には、事前通告なしの検査が行えるように制度を整備すべきだというふうに勧告しているわけです。リコメンデーションという言葉が使われていますが、リコメンデーションというのは、権限を持った個人もしくは組織が使う言葉では非常に厳しい要請だというふうに考えられます。したがって、むしろここでは、事前通告なしの検査、そういったものを法の中にきちっと位置づけて対応していくべきではないかというふうに考えています。
 また、事業者が行う検査あるいは国が行う検査、これが二重になっていて非常に二度手間ではないかという意見がありますが、それに対しては、むしろ、事業者検査ではなく、第三者による検査もしくは国による検査、そういったことに一本化していくのが改革の方向ではないかというふうに考えている次第であります。
 以上で、最初の方の意見一については終わりにして、意見二について。
 廃棄物の埋設に関する改正法案、これは基本的に私は賛成なんですが、二つの懸念する事項があって、その懸念する事項について述べたいと思います。
 一点目は、掘削禁止区域。埋めた放射性廃棄物、その埋めた場所を掘削して、人為的に、これは意図的であるか偶然であるかは別として、人間が掘っていっていわば穴をあけてしまうというような事態になることを禁止するというものであって、これは、埋設廃棄物の将来の安全性を考えたときの大きな欠点になるわけです。
 したがって、これを禁止するということは非常に重要なことなんですが、提案されている法案は、地上施設及びその周辺施設の地下というふうになっています。しかし、おおむね地下施設の方が大きいわけですね。
 第二種放射性廃棄物の中深度処分というのが今計画されていますが、これについて、処分場のこの概念というのが明確に示されていないと私は記憶していますので、ちょっとそれについてはわかりませんが、例えば、これも適用されるはずの高レベル放射性廃棄物でいいますと、地上施設は一平方キロメートルですが、地下施設は十平方キロメートルというふうに概念設計上なっています。そうすると、三キロ強の正方形のエリアが処分される場所になるわけです。そこにアクセスしてしまったらいけないわけです。したがって、その範囲を掘削禁止区域にしないといけないというふうに思います。
 提案されている内容は地上施設から地下へということなんですが、むしろ、地下施設のエリアから地上部分の範囲を掘削禁止区域を決めないと、法が目的とする安全というのは担保できないのではないかというふうに考えています。
 二つ目は、第一種の廃棄物の処分事業者、これは具体的にはNUMOですが、NUMOが高レベル廃棄物の処分場に、第二種廃棄物、中深度処分と呼ばれて、百メートルぐらいのところに処分する廃炉の廃棄物、これを埋設するときには、第二種廃棄物としての事業許可は要らないというふうになっています。
 それ自体はあり得ることで、よいと思いますが、ここで問題は、ただ、高レベル廃棄物でも、社会的合意、場所を決めるのに非常に苦労しているのが現状です。その中に新たな廃棄物が次々とやってくるという事態になると、社会的合意というのが得られる、処分場を決めるということがますます困難になってくるのではないかというふうに考えられます。
 処分場が決まってから、後で、いや実はこういう廃棄物も捨てたいですということでは、これではせっかく合意に達しつつあっても御破算になってしまう可能性があります。後出しじゃんけんにならないように、きちっと初めから計画を提示して社会的合意を求めていかないといけないのではないかというふうに考えています。
 なお、最後に、賛成の部分で、埋め戻しについてのきちっとした規制をかけるということについては大いに賛成で、結局、その埋設した放射性廃棄物から、それが人間環境に出てきて将来の被曝につながるということが、安全評価で一定の範囲内におさめなさいということが、多分、将来その範囲は規制で決まってくるというふうに思いますが、先ほど言った人間侵入は一つの可能性であり、もう一つは、かたい岩盤に穴をあけて坑道を掘った、その埋め戻しが不十分ですと、そこが水の通り道になって、地表に放射性物質が想定よりも早く出てくる可能性がある。
 そういう意味から、埋め戻しするときにきちっと規制委員会の許可を得てやるということについては非常に重要なことだと思っています。
 簡単ですが、以上で発言を終わります。どうもありがとうございました。拍手
    〔冨岡委員長代理退席、委員長着席〕
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平将明#5
○平委員長 ありがとうございました。
 次に、二ツ川参考人にお願いいたします。
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二ツ川章二#6
○二ツ川参考人 アイソトープ協会の二ツ川と申します。このような機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。
 私は、放射線障害防止法等の改正について発言をさせていただきたいと思います。お配りいただきました資料に従い、説明をさせていただきます。
 資料のスライド番号二番をごらんください。
 最初に、アイソトープ協会について若干御説明をさせていただきます。
 日本のアイソトープ利用というのは、昭和二十四年に、日本現代物理学の父であり、アイソトープ協会の創始者である仁科芳雄先生の尽力により、アメリカから仁科先生へアイソトープが寄贈されたことから始まります。昭和二十五年には輸入が開始され、その段階では、当時の理研仁科研究室が配分等の業務を行っておりました。翌二十六年に、政府の指導のもと、アイソトープの一括輸入、配分の実務、安全取り扱いの教育等を行うために、当アイソトープ協会が設立されました。二十九年には社団法人となり、平成二十四年には公益法人としての認可を受けております。
 スライド番号三をごらんください。
 ここには、アイソトープ協会の役割を記載させていただきました。
 アイソトープ協会は、利用者、研究者、教育者等により成り立つ公益社団法人でありまして、アイソトープ、放射線技術の向上と普及啓発の推進を目的といたしております。放射性医薬品、アイソトープの供給から廃棄までの一貫した体制を支えており、実業といたしましては、アイソトープの輸入、線源の製造、供給、アイソトープ廃棄物の集荷、貯蔵、処理等を行ってございます。
 スライド番号四には、アイソトープ協会の利用普及活動を記載いたしております。
 放射線安全取扱部会は、放射線取扱主任者、放射線管理者等による部会でありまして、放射線安全に係る情報共有を行っております。また、理工学部会、ライフサイエンス部会、医学・薬学部会は、それぞれの分野におけるアイソトープ利用技術の普及啓発を行っており、そのほか、一般の方々へのアイソトープ、放射線に係る啓発活動等も、当協会の事業として行っております。
 スライド番号五番をごらんください。
 これは、アイソトープ、放射線が、今、医療、産業、工業、研究、教育等さまざまな分野で利用されているところを記載しております。
 医療分野であれば、非侵襲的な診断技術として、また、機能を温存し、治療後のクオリティー・オブ・ライフを高める治療として、がん治療にもアイソトープが使われております。産業、工業分野では、紙、鉄等の厚さ計、または溶接等の非破壊検査として、日本の高品質な工業製品の品質管理のために利用されております。ジャガイモの芽どめとしては食品の保持にも使われており、さらには、研究、教育分野では、基礎研究の発展のためにアイソトープが利用されております。
 スライド六には使用事業所数を記載いたしております。
 放射線取扱主任者を必要とする事業所は、今、全国で約三千事業所あります。その多くは、アイソトープをカプセルの中に封入して使用する密封線源という利用の仕方をしておりますが、その利用方法は、比較的、中小企業の民間企業で多く利用されてございます。
 スライド番号七には、当アイソトープ協会が現在稼働の準備を進めている川崎技術開発センターの写真を載せております。
 今まで、当協会は東京の駒込でアイソトープ取扱施設があったわけですが、それらが老朽化してきたため、川崎に移転するよう準備を進めております。アイソトープ線源の製造、品質検査とともに、新しい利用技術の研究開発をする施設でございます。
 スライド八に、川崎技術開発センターのセキュリティー対策を記載しております。
 セキュリティー対策としては、遅延、検知、対応というものがあるわけですが、遅延といたしましては、施錠でありますとか、防犯性の高い扉とかシャッターの使用、検知も兼ねておりますが、ID番号による、許可された人間だけが入室できるような仕組み、その他の検知システムとしては、監視カメラであるとか人感センサーを備えております。また、対応といたしましては、セキュリティーに対する防護計画の作成であるとか、関係団体を含めた緊急連絡体制の整備等が挙げられてございます。
 セキュリティーには、同時に、輸送についてのセキュリティーもございます。
 スライド九には、現在の輸送の個数を記載いたしております。
 若干古いデータではありますが、約三十万個の放射性輸送物が輸送されており、ごらんのように、かなりの部分は放射性医薬品として輸送が実施されてございます。
 スライド番号の十には、それらのうち、A型、L型と言われる輸送物の写真を掲載しております。
 L型というのは、少量のアイソトープを運搬する場合に使われる容器でございまして、ごらんのように、牢固な段ボール箱が使用されております。A型は、L型よりも若干多い数量のアイソトープの輸送の場合に使われまして、同じく、段ボールであるとかペール缶であるとか、そういう容器が使われております。上にありますように、放射性輸送物も同じ基準が使われております。
 次のスライド番号十一には、B型輸送物を掲載しております。
 鉛等で十分に遮蔽されている容器でございますので、大量のアイソトープを輸送することができます。B型輸送物の場合には、容器の承認であるとか、輸送の事前届け出等が必要になります。
 十二ページには、放射性輸送物を使用しようとする者、これは輸送の委託を受けた者を含みますが、それらの必要事項を記載しております。
 放射性輸送物を輸送する場合、輸送物実施体制等に関する輸送に係る放射線防護計画を作成し、さらには、輸送にかかわる人たちに放射性輸送物の取り扱いに係る教育訓練等を実施する必要があります。これらの教育訓練には当協会も協力をいたしております。
 スライド番号十三には、B型輸送物の運搬の基準を示しております。
 原子力規制委員会による輸送容器の承認、原子力規制委員会及び国土交通大臣による運搬の確認、運搬日時等の都道府県公安委員会への届け出等が必要になります。A型を含め、運搬時には、運搬物及び緊急時の措置について、運搬従事者に十分認知させることが必要になります。
 次に、アイソトープの廃棄物について御説明いたします。
 スライド番号十四には、アイソトープ廃棄物の発生事業所を記載しております。
 放射線障害防止法に基づく大学、研究機関等からの廃棄物、医療法に基づく病院、診療所等からアイソトープ廃棄物が発生し、これらを当協会が集荷をいたしております。集荷対象事業所としては約二千事業所が対象になります。
 スライド番号十五には、アイソトープ廃棄物のフローを示しております。
 各事業所から集荷したアイソトープ廃棄物は、当協会が貯蔵、処理、保管をいたしております。将来的な処分については、日本原子力研究開発機構が実施することとなってございます。
 スライド番号十六には、当協会の集荷実績を示しております。
 代替技術の進歩により、非密封アイソトープの使用数量の減少、また、各使用者による放射性廃棄物の発生を減少させるための努力等により、集荷本数は年々少量ながら減少いたしております。
 スライド番号十七には、当協会が集荷をして保管をしている状況の写真を示しております。
 スライド番号十八は、当協会の貯蔵数量の推移でございます。一昨年から減容処理施設が本格稼働を開始することができましたので、貯蔵数量がこの数年、少しずつ減少をしてきております。
 スライド番号十九には、放射性廃棄物を規制する法律を示しております。
 今回、放射線障害防止法に基づく放射性廃棄物が原子炉等規制法に基づく放射性廃棄物とともに取り扱いができることになりましたが、放射線障害防止法、医療法、獣医療法で利用された、そこから発生するアイソトープ廃棄物は、現在ではそれぞれの法律で規制されなければなりません。発生形態はどのようなものであろうと、発生された廃棄物の内容物、核種及び数量で取り扱うことができるようになれば、より合理的で有効的な取り扱いが可能になるのではないかと思っております。
 スライド番号二十では、放射線審議会の機能強化について記載をいたしております。
 現在、放射線審議会は、関係行政機関から諮問を受けた内容について、それを審議し、それに答申をするということになってございますが、今回の法令改正により、放射線審議会がみずから技術的基準の取り入れを調査し、提言を行う機能が強化されるというふうに聞いております。
 スライド番号二十一には、新しい放射線審議会への期待について記載をいたしてみました。
 いち早く国際基準にのっとった規制の検討を開始することができるのではないか、また、関係行政機関における検討事項でもありますが、より科学的で合理的な規制についての検討が進められることが期待できます。例えば、アルファ核種を含む短半減期核種の減衰を考慮した合理的な取り扱いであるとか、臨床研究用試薬に関する規制の一元化、また、短半減期核種を含む放射性廃棄物、また加速器等から発生する廃棄物のクリアランス制度の充実強化等が期待されるところでございます。
 最後に、スライド番号二十二でございますが、これらのまとめをしてみました。
 繰り返しになりますが、アイソトープは、医療、産業、工業、研究、教育等、幅広い分野で利用され、私たちの生活を支えております。今回の改正により、国際基準に対応した危険性の高い線源についてのセキュリティーの確保ということは非常に重要な項目だろうと考えております。また、放射性廃棄物については、内容物、核種と数量等により合理的な取り扱いができるようになることが期待されます。
 最後にですが、放射線審議会の機能を強化することにより、より科学的で合理性のある規制の基盤ができるのではないかというふうに大いに期待しているところでございます。
 以上で私の意見を終わらせていただきます。拍手
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平将明#7
○平委員長 ありがとうございました。
 次に、小倉参考人にお願いいたします。
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小倉志郎#8
○小倉参考人 おはようございます。小倉志郎と申します。
 私は、実は、ちょうど五十年前、一九六七年に大学を卒業しまして、そして、原子力産業の会社に就職しました。二〇〇二年、満六十歳で定年退職するわけですが、三十五年間、一貫して原子力発電所関係の仕事をしてまいりました。
 ですから、日本が原発を導入して、そして五十何基の原発ができ、その日本の原子力発電所の歴史と私の青年期、壮年期の人生がぴったり重なっておりまして、その体験からきょうは私の意見を述べさせていただきたいと思います。こういうチャンスを与えてくださったことに深く感謝いたします。
 まず、その前に、参考資料として「BWR概略フローシート」というA4一枚の図があると思いますが、これをちょっとごらんください。
 これは、福島第一原発の二号機、八十万キロワットクラスのBWRのシステムをあらわした図面です。そこに出典が書いてあると思います、上の方に。この図が出ているのは、一九七三年十月一日発行の「流体工学」という雑誌に私と私の上司が書きました論文に使った挿絵でございます。
 それで、この図で何もBWRのシステムを説明しようと思っているわけではなくて、実は、この図に描かれていない安全にかかわる重要なシステムがあるのです。なぜそれが描かれていないか。それは、当初はこういうシステムで建設が始まったんですけれども、その後、一九八〇年代の末あるいは九〇年代になってから、アメリカからいろいろな情報がありまして、重要なシステムが追設されることになりました。
 例えば、格納容器の中の水素の濃度を下げるためのフラマビリティー・コントロール・システム、FCSといいますけれども、これが追設になっております。とても重要なシステムです。それから、SGTS、これは非常用のガス処理系、これは原子炉建屋の中に放射性のガスが漏れ出したときに、それを大気に放出するのは危険だから、それを要するに処理して、そして排気筒から出すというような新しいシステムが追加になっています。
 それから、もっと大事なのは、この左側の半分のところに格納容器の図が描いてあります。電球のような形。ここには、この図では、ベントラインはついておりません。つまり、私がこの福島第一原発二号機を建設することに携わっていたころは、格納容器にはベントラインはありませんでした。普通の容器は必ず、その圧力容器の設計圧といいますか最高使用圧力を超えたときには、容器を守るために安全弁とかそういうのがついているはずなんですけれども、この格納容器にはそういうものがついていなかった。なぜか。それは、絶対に放射性の物質を格納容器の外に出さない、そういう設計思想から、普通の容器とは全く違う設計思想で、ベントラインがついていなかったんです。それが、九〇年代に入りまして、今までの設計では格納容器がもたない、だからベントラインを追加する、そういう設計変更が行われたわけです。
 私は、うかつだったんですけれども、実は、定年退職して三・一一福島事故が起きるまで、ベントラインが追設されていたということに気がつかなかったんですね。
 そういうことで、私が今言いたいのは、要するに、放射性物質を閉じ込めなきゃならない、そういう目的でつくった格納容器にベントラインを追設しなければならなくなったという時点で、設計が破綻したんだと思うんですね。それがなぜ許されたのか。
 実は、過酷事故、つまり、炉心が損傷し、被覆管が破れ、核燃料がメルトダウンして、そして放射性物質が格納容器にたまり、その結果、格納容器がもたなくなる可能性があるということでベントラインを追設するわけですけれども、それが、私が聞くところでは、どうも、要するに過酷事故対策として事業者の判断に任された。
 つまり、そういう設計を規制当局が、当時としては安全・保安院がチェックをする、その設計思想とか設計の内容についてチェックをして規制するということをしなかった、そういう経過があったんですね。このフローシートで示したかったのは、実は大事なことで書いていないことがある、それをちょっと知っていただきたかったんですね。
 与えられた時間が十五分。それで、今回の、私が話したいことはたくさんあるんですけれども、時間がないので、本当に限られた項目とその骨子だけになりますことをお許しください。
 それで、今一例を挙げましたけれども、規制のあり方についての私の認識をちょっと紹介しますと、一つは、二〇〇六年に耐震設計新指針というのができました。これも阪神・淡路の大地震を考慮して、非常に厳しい、要するに、基準地震動の決め方などがそれで決まったんですけれども、実は、二〇〇七年、その翌年に柏崎刈羽原発が中越沖地震に襲われます。これで、その七基ある原発の地震計の記録によると、設計加速度を全部超えてしまったんですね。
 そしてその後、二〇〇九年の二月二十四日に、安全・保安院と内閣府安全委員会とそれから文部科学省、三者の共同主催によって、東洋大学の白山キャンパスで大きなシンポジウムが行われました。そして、そこでパネル討論があって、日本の代表的な地震学者たちがパネル討論をしたんです。
 そのとき、私も、もう定年退職していましたけれども、自分のつくった原発にかかわるということで聞きに行きましたら、そのパネル討論で、結局、結論はこういうことだったんですね。今後起きる地震の大きさは基準地震動を超える可能性がある、そういう結論だった。
 では、そういう大きな地震はどのぐらいの確率で起きるだろうかということも議論された。だけれども、地震の回数が少なくて、確率が幾らだと決められるような、そういうことはできない。つまり、基準地震動を超えるような地震がどのぐらいの大きさで、かつ、どのぐらいの確率で起きるかということは、そこでわからないという結論が出た。二〇〇九年の二月です。そして、その二年後、わずか二年後に三・一一、福島の原発事故が起きたわけですね。
 非常に大きなシンポジウムでした、東洋大学の。約千人ぐらい入るところに七百人ぐらいの背広を着た方々が集まって聞いていました。多分、電力会社の方々もいっぱいいたと思うんですが、そういう結論が出たにもかかわらず、柏崎刈羽の原発は立ち上がり、そして福島の原発は運転を継続し、そしてあの事故になってしまいました。
 そのときのシンポジウムで、当時の安全委員会の鈴木篤之さんでしょうか、委員長でしたが、中越沖地震で得られた新知見に基づき、今後、原発の安全に万全を尽くしますという御挨拶がありました。私は、ああ、これで将来は安全が確保されるかなと思いましたけれども、それが二年後に裏切られたわけですね。私は、要するに、あの三・一一の事故の前後の規制のあり方についてそういう認識をしているわけです。
 もうあと四分ぐらいなので急ぎますけれども、今回の改正法律案についての意見なんですけれども、私は、ここで賛成とか反対とかちょっと申し上げにくい。なぜか。それは、安全確保とか安全向上という言葉がもう頻繁に出てくるんです、この参考資料の中に。しかし、安全という用語の内容ははっきりしないんです。というのは、要するに、二〇一三年の規制委員会がつくった新規制基準、この中の冒頭のところに用語の定義がありますけれども、そこに安全の定義は書いてありません。
 そのときに、規制庁の方に私は聞きました。そうしましたら、安全確保の第一義的責任は事業者にある、我々は規制基準を満たしているかどうかをチェックするだけだ、規制庁からはこういう回答でした。私は、第一義的責任があると言われた東京電力の方に聞きました。そうしましたら、東京電力の原子力センターの所長は、住民の安全を守る第一義的責任は自治体にある、我々はその自治体に協力するだけだ、こういう回答です。つまり、両者ともに私の質問した安全という言葉の中身については答えませんでした。規制庁の方も、それから東京電力の方もですね。
 今、私が懸念するのは、国民が期待している安全の中身と、規制庁が考えている安全の中身と、それから電力会社が考えている安全の中身が、私には違っているんじゃないかなと。これは私の想像ですけれども。これをもっと、客観的な共通認識をつくることがまず大事じゃないかと思うんですね。それなしにこういう施策がいいの悪いのと言っても、本当にそれがいい結果を生むかどうかというのはわからないと思うんですね。
 そういうことで、まだまだお話ししたいことは残っておりますが、時間が来ましたので一応ここで終わらせていただきます。後で御質問がありましたら、ぜひしてください。
 ありがとうございました。拍手
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平将明#9
○平委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の方々からの意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
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平将明#10
○平委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木村弥生君。
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木村弥生#11
○木村(弥)委員 自由民主党の木村弥生です。
 参考人の皆様、貴重な御意見をありがとうございました。
 さて、今回の改正に至った経緯を簡単に振り返らせていただきます。
 平成二十三年三月の東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて、まず、平成二十四年に、重大事故対策等を事業者へ求める新規制基準が原子炉等規制法の改正により整備された。翌二十五年七月から、新規制基準への適合性審査が行われてきました。しかし、その一方で、運転段階の検査制度については今後の検討課題とされてきました。
 このような中、平成二十八年四月に公表された国際原子力機関による日本への総合規制評価サービス、IRRSとも言いますが、この報告書の勧告の九番目を読み上げさせていただきます。
 「政府は、効率的で、パフォーマンスベースの、より規範的でない、リスク情報を活用した原子力安全と放射線安全の規制を行えるよう、原子力規制委員会がより柔軟に対応できるように、原子力規制委員会の検査官が、いつでもすべての施設と活動にフリーアクセスができる公式の権限を持てるように、可能な限り最も低いレベルで対応型検査に関する原子力規制委員会としての意思決定が行えるようにするために、検査制度を改善、簡素化すべきである。」と、検査制度の見直しの必要性が指摘されました。
 このIRRSの報告書の公表後、原子力規制委員会では検討チームが設けられまして、検査制度の見直しが進められました。この検討チームが昨年十一月に取りまとめた検査制度の見直しに関する中間取りまとめでは、1事業者の安全確保に関する一義的責任が果たされ、みずからの主体性により継続的に安全性の向上が図られること、2事業者及び規制機関の双方の努力により、より高い安全水準が実現されることが基本理念として示されました。
 この基本理念のもとで見直しが進められ、今回の改正法案の国会提出に至ったものと承知しております。
 そこで、まず、この検討チームのメンバーであり、検査制度の見直しに御尽力をいただきました関村参考人、そして伴参考人、二ツ川参考人、小倉参考人は、今回の法改正に期待するところを改めて伺いたいと思います。
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関村直人#12
○関村参考人 ありがとうございます。
 今お話がありましたように、新規制基準ができて、その後、私としては、次の段階に進む原子炉が、要するに運転を進める原子炉が当然出てくることを想定して、運転段階の規制、これは検査制度がその骨格になるものです、これを早急に整備すべきであるということを学会ベースでは議論をしてまいりました。その準備を進めてきたわけですが、そのスタートが規制委員会、規制庁で十分早かったかというと、必ずしもそうではなかったというふうに考えております。
 しかしながら、IRRSのところでも、二〇〇七年、従前の指摘とほぼオーバーラップする形でこのような指摘を重ねていただいたということを踏まえて、議論が加速してきたというふうに考えているところでございます。
 これにつきましては、米国でのすぐれた経験に基づいて、これを日本としてどのように活用していくかということが、検査制度に関する検討チームの非常に重要な議論のポイントでございました。
 検査をするということについては、ハードウエアが、原子炉の本体がどのようになっているか、それから、新規制基準で追加されたさまざまな設備がどのような役割を果たしていくか。しかし、これに加えて、これらの設備全体、それから組織、あるいはトップマネジメント、これがどのように機能するのかというところについても、個々のハードウエアだけではなくて横断的な評価をしていくという仕組みが入っている米国の制度、これをベースにしながら議論をしていきましょうということができたことについては、非常に重要な我々の成果であるというふうに考えております。
 その仕組みが、マネジメントシステムという話を先ほど使わせていただきましたが、そのようなことを含めて監視、評価をしていくんだ、これが検査制度の骨格になってきているということが非常に重要な論点だったというふうに私は考えているところでございます。
 以上でございます。
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伴英幸#13
○伴参考人 私の意見は、最初にも申し上げましたように、この勧告九番のところに書いてある、これをやはり忠実に守っていく、導入していくことが必要だというふうに思います。
 そして、この勧告九、あるいはこのIRRSの報告書全体を見まして、政府が行う定期検査を省いてよいというふうには書いてなくて、むしろ、その定期検査を前提にした上で、いかにそれを簡素化していくのかというようなことに言及されているというふうに考えています。
 その上で見ますと、パフォーマンスベースというのは、既に、例えば定期検査の間隔等において言えば、十三カ月、あるいは十八カ月、二十四カ月というふうに変化をしているのが導入されています。ある意味、そういう制度は導入されているというふうに考えています。
 他方、ちょっと省略しますが、この勧告九の最後のところにあります、読み上げますと、「原子力規制委員会は、等級別扱いに沿って、規制検査(予定された検査と事前通告なしの検査を含む)の種類と頻度を特定した、すべての施設及び活動に対する検査プログラムを開発、実施すべきである。」というふうになっていて、日本で今導入されていない部分について言うと、この事前通告なしの検査制度というのが導入されていないと思います。したがって、それを導入することが非常に重要であって、安全性向上のためにはこれは不可欠だというふうに考えています。
 以上です。
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二ツ川章二#14
○二ツ川参考人 アイソトープの利用というのは、先ほどもお話ししましたように、さまざまなレベルがあるわけです。例えば、非常に少ない例からいいますと、大学、研究所では、本当に、動物とか植物に使うようなトレーサーレベルのアイソトープの利用から、ある面、今度は大きな量からいいますと、がん治療であるとか医療器具の滅菌であるとか、非常に大量な放射線を使う場合もあります。それらのレベルに応じた規制がやはり必要ではないか。今回、IAEAも、線源の基準、レベル分けというのをやっておりますが、やはりそれに応じて規制をやっていく必要があるだろうというふうに思っております。
 また、もう一つ、レベルだけではなくて、利用形態が問題になるのではないか。例えば、病院で大量の線源、がん治療等に使う場合は患者様がいらっしゃるわけです。そういう患者様に対して、例えばセキュリティーの問題である場合にはどのように取り扱うのが適切なのか。通常の、民間企業で照射利用で使う場合とやはりちょっと異なってくるのではないか。
 ですから、まずは放射線源のレベル、また多様な利用形態に応じた柔軟な規制の方法が求められているのではないかというふうに考えております。
 以上でございます。
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小倉志郎#15
○小倉参考人 お答えします。
 要するに、原発の安全というのは、一つの要素だけではなくて、例えば検査の体制とか品質管理とか、そういう面と、もう一つは、やはり原発の設計そのもの、そういうものがそろわないと安全は確保できないわけですね。
 これは私が体験したんですけれども、どんなにいい検査を、本当にもうこれでもかというほど高級な検査を何度やっても、検査の対象のものはよくならないんです。対象がよいもので、かつ検査も合格して初めてよい性能が出たり安全が確保できるわけですね。
 今の状態は、検査制度以前に、原発の設計そのものが矛盾しているわけです、先ほどちょっと御紹介したように。ですから、検査だけでこれで安心というわけにはいかない。
 ただ、今回の改正についてちょっと意見を申し上げると、いつでもどこでも規制庁がアクセスできるというようなこと、運転中の原発に。これは非常な改善だと思うんですね。
 ただ一方で、一義的責任が事業者にあるということで、検査の実務は事業者が行い、その報告を受けて監視、監督するというようなことになっていますけれども、私としては、原発の中の複雑な、多様な設備の重要な部分については、やはり規制庁がみずから現場に赴いて自分で検査をするというのが残っていていいと思うんですね。それが、何か様子を見てそういうこともできるというような書き方になっていますけれども、やはり、こことここはというものをあらかじめ、規制庁がやるんだということをはっきりさせておいてもいいんじゃないかなと感じました。
 以上です。
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木村弥生#16
○木村(弥)委員 ありがとうございました。皆様方の貴重な御意見を今後の検査制度の詳細設計に反映させていただければと思います。
 続きまして、新たな検査を行うための人材育成についてお尋ねいたします。
 十四日の環境委員会では、我が党の石川議員が人材育成策について質問いたしまして、政府からは、アメリカの原子力規制委員会、NRCの検査官訓練制度を参考として研修体系を充実し、資格を認定するための新たな研修プログラムを整備すべく現在準備に着手していること、また、原子力規制庁の職員をアメリカのNRCに派遣し、派遣の成果を現在整備中の研修プログラムにも反映することとすること等々、答弁がございました。
 IRRS報告書では、「原子力規制委員会は、検査、関連する評価そして意思決定に関わる能力を向上させるため、検査官の訓練及び再訓練の改善について検討すべきである。」と提言されております。
 そこで、関村参考人、伴参考人、小倉参考人に、この検査制度に対応した人材育成のあり方についてちょっと簡単に教えていただければと思います。お考えをお聞かせください。
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関村直人#17
○関村参考人 ありがとうございます。
 大学に勤務する人間としては、まさに、人材をどのようにこのような領域に役立つ形で送り出していくか、あるいは、今いろいろな領域で活躍されている方が原子力安全のためにうまく活躍できる仕組みをつくっていけるかということが非常に重要なポイントだと思います。
 まずは、狭い意味で、規制庁における検査官、この力量をどのように考えていくかということについては、お話がありましたように、現在、米国の例を勉強するというミッションが継続的に行われている。これは、個々のプラントにいらっしゃる方々、あるいは、リージョナルオフィスといって、いろいろな地域で考えていらっしゃる方々、それからNRCの本省全体、いろいろなレベルでの議論があるだろう、これを踏まえたことが進んでいるというふうに考えております。
 私、人材育成という観点で少し意見があるんですが、いわゆる原子力の技術というものを、従前の原子力工学といいますか、理学、工学のものに狭く考えるべきではないというふうに考えているところでございます。やはりコミュニケーションが重要であり、あるいは心理学的な観点も必要でしょうし、社会学的な観点も必要だ。こういう人材をうまく、規制であれ、あるいは学術の場であれ、こういうことを進めていくということが必要であるというふうに思います。
 そのために、さまざまな知識というものをどのようにうまく生かしていくのか。従前の設計に関するデータがあり、それをどのように改善していって、新しい地震であったり津波であったり、新しい構造のあり方、こういう新しい知見が今研究開発の段階では生まれてきています。
 これをうまく取り込むという活動、知識ベースの活動、これらと、人材を確保していく、人材をさらに検査制度の中でも伸ばしていく、このような多様な人材のプログラムということが必要な状況になっておりますし、そのための、検査制度に関しては、規制庁が的確なプログラムを今つくっていただいている。それを我々、私は原子炉安全専門審査会という立場もございますので、第三者的な立場で監視をする、助言を与えるということを進めていきたいというふうに考えているところでございます。
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伴英幸#18
○伴参考人 人材の育成ということで大事なことは、やはり現場に出てきちっと実態を把握しているということだと思います。
 したがって、育成プログラムの中には、やはり施設の現場に行って、一つ一つ具体的にその目で見てチェックをする、検査をする能力を獲得していくということが重要な要素であるというふうに考えています。
 以上です。
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小倉志郎#19
○小倉参考人 お答えします。
 先ほど、私、自己紹介したときに、三十五年間実務に携わっていたものですから、経験というのが実力に本当に影響するなと実感しております。
 一つは、検査の理論ですね。科学的な理論、そういうものを勉強するということも必要ですけれども、実際の現場の製品というのは非常に多様で、検査の実務をすることによって、そういう多様なものに接することでいろいろな応用力がつくわけですね。ですから、ただ教科書を読んで理論を勉強しただけでは、やはり本当に役に立つ実力はつかないと思います。
 それではどうやって育成するのというと、規制庁のお役人さんが実務をするということは、なかなか機会がないわけですから、非常に難しいと思いますね。実務を一回やるだけでは、とてもそれで身につかないわけです。
 私がサラリーマン時代には、オン・ザ・ジョブ・トレーニング、OJT、OJTということで、若い人に実務経験を積ませるということが奨励されたわけです。それはやはり時間がかかるんですよ、いろいろなケースについて経験させるということですから。
 だから、人材育成というのは、言うのは簡単なんだけれども、時間がかかる。そして、原発の場合には、非常に高度な検査が多種類ありますから、これは、例えば一応一人前の検査官になるためには、何年かという年オーダーがかかると思います。
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木村弥生#20
○木村(弥)委員 ありがとうございました。
 本当は放射性廃棄物の現状について二ツ川参考人に伺いたかったのですが、持ち時間がオーバーしてしまいましたので、申しわけありません。
 私の質問はこれで終了させていただきます。ありがとうございました。
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平将明#21
○平委員長 次に、阿部知子君。
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阿部知子#22
○阿部委員 本日は、原子力規制のあり方について、おのおの深くそのことにかかわった人生をお過ごしの皆様の貴重な御発言をいただきまして、私は本来この委員会の所属ではございませんのですが、この機会を得て、きょうはラッキー、よかったなと思いました。そして、そういう観点から御質問をさせていただきます。
 三・一一、二〇一一年のあの原発事故の後、原子力と私どもはどう向き合っていくのかというのは、大きな国民的関心事でもございます。その関心事の中心はやはり安全性ということにあって、まず関村参考人に伺いますが、恐らく最も長く原子力規制のあり方にかかわってこられて、三・一一事故が起きた原因は、多様な、いろいろな組み合わせというか、複合的、あると思いますが、規制上、何が最も問題で三・一一に至ってしまったのか。多様ですけれども、一つと言われたら、一番肝の部分は何か、お答えをいただきたいと思います。
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関村直人#23
○関村参考人 ありがとうございます。
 一つということでは済まされないというのがまず第一、一つ目の重要な点になってしまうわけですが、規制という立場でということでございますので、やはり規制だけで安全性が向上するわけではなく、事業者がどのように物を見ているかということについてきちんと入り込んでいかなくちゃいけない、これは、検査制度という観点できょうはお話をしておりますので、そのような観点で申し上げさせていただかなくちゃいけないというふうに思います。
 もし安全性を向上するということが共通認識になっていかないのであれば、これは厳しく、どうしてあなたたちは安全性向上をできないのかということを指摘し、国民にもしっかりと提示をしていくという役割が規制側にあり、かつ、安全性を向上していくという意図があるのであれば、あなたたちはどうしてそういうことが気づかなかったのか、気づいたところはどうやって具体化しようかという問いかけ、それに対してちゃんと答えを出していくプロセス、このような、コミュニケーションという言葉で言うと非常に陳腐に聞こえるわけですが、このようなインタラクションをきちんと持っていくことによって安全性が向上するんだという考え方が決定的に不足をしていたという観点が極めて重要な一つのお答えになろうかなというふうに思っております。
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阿部知子#24
○阿部委員 ありがとうございます。
 一九五五年に原子力基本法が制定されて、自主、民主、公開でしたけれども、おっしゃったように、コミュニケーションの前提には公開、情報が公開されてコミュニケートしていくということがあると思いますので、その点でいろいろな隠蔽体質と呼ばれるようなものも大きく影響していたのかなと思います。
 引き続いて、伴参考人にお伺いいたします。
 伴参考人が今所属、代表を務めておられる原子力資料情報室は、高木仁三郎先生が、市民とのコミュニケーションというか、国民と原子力ということをずっと考えて、そのための資料情報を提供しながらあり方を考えていこうという長い歴史のあるものであると思います。お取り組みにも敬意を表します。
 その上で、伴参考人から見て、先ほど関村先生はコミュニケーションの問題が大きかったとおっしゃいました。一番、一つ挙げるとすると、三・一一が起こった原因、何と思われますでしょう。
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伴英幸#25
○伴参考人 規制との関係でいいますと、私は、規制委員会、以前は原子力安全・保安院になりますが、それがきちっと独立した活動をできていなかった、ちょうど国会事故調査委員会の報告書にもありますように、事業者の言いなり、規制のとりこになっていたということが規制の関係では一番大きな原因であろうかというふうに思います。
 その反省を踏まえて今の原子力規制委員会ができたわけですが、今般の改正案、定期検査の改正案は、むしろその流れに少し逆行しているのではないかというふうに受けとめています。
 というのは、やはり独立した規制としてそれをきちっと強めていかないといけない中にあって、事業者の善意あるいは自主性に任せてしまうというのはよろしくないというふうに受けとめていて、違うシステムをつくるべきだというふうに考えています。
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阿部知子#26
○阿部委員 引き続いて、小倉参考人に伺います。
 先ほど、長年原子炉の技術分野にかかわられて、設計自身が、ベントをつくらなくちゃいけなかったり、あるいは水素を逃すような、圧を下げるようなものを付加しなければいけないということの構造的問題がそもそもあったということの御指摘はありましたが、それを踏まえた上で、さて、三・一一について、お立場から、最も原因と考えられることは何であるとお思いでしょう。
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小倉志郎#27
○小倉参考人 お答えします。
 先ほど私、冒頭にお話ししましたけれども、二〇〇七年の中越沖地震で、要するに、基準地震動を超える地震が起きる可能性があって、その大きな地震が、どのぐらいの大きさでどのぐらいの確率で起きるかがわからない、そういうことをお話ししました。そういう、非常に危険がある程度見えていたわけですね。
 それと、二〇〇六年に耐震設計新指針を安全委員会が策定し、それを保安院が各電力会社の社長さん宛てに送った手紙に、万一基準地震動を超える地震が来て大量の放射能が環境に漏れたときのその影響を定量的に検討し、速やかに報告しなさい、こういう文章が入っているわけです。ところが、その保安院の問いかけに対して、ちゃんと回答した電力会社はないんですよ。
 例えば、当の柏崎刈羽原発で、三・一一と同じような、三月という、季節風が北から吹いているときに同じような事故が起きたら、関東平野はもう全滅ですね。あの福島の経験を見ればわかりますね。ところが、その恐ろしさ、怖さ、そういうものを理解する想像力、これが私は電力会社の経営者に足りなかったんだと思うんですね。それだけのデータあるいは情報があれば、想像力を働かせれば、このままで運転したらどういうことが起きるか、それがどれほど恐ろしいかということは理解できたはずなんです。
 もしそれがあれば、わずか二年後にあれが起きたんですから、三年ぐらい安全かどうかを確認する、つまり、原発の運転をちょっと待って、三年ぐらい待って、そしてそれが確認できてから再稼働すればよかったんですよ。そこに私は原因があったと思います。
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阿部知子#28
○阿部委員 御指摘ありがとうございます。
 ちょうど二ツ川参考人にお伺いしようと思っていたことなのですが、実は、三・一一の福島事故の後、私の後輩に当たる、東大のアイソトープ研究所の所長の児玉龍彦さんが、私も三月の下旬に福島に参りましたら、もう既に拡散してしまった放射能をどうやって人々の生活から取り去るか、特に子供さんの保育園とかそういうところで、既に一生懸命活動をしておられました。
 私も医者ですが、ここほどの、こんなに飛散する放射能の状態、特に霧のようになって飛んでいくというのはなかなか経験がなく、それまでアイソトープ管理というのは、厳重に閉じ込めて、逆に言うと隔離していくということを旨としてきたことから見ると、真っ逆さまの事態が起きてしまったと思うのです。
 先生の直接の御専門、医療分野で特に重要であったり、さまざまに今アイソトープは生かされますけれども、と同時に、これが事故により拡散する場合の問題も多々あると思いますが、先生は、この三・一一事故について、先生御自身のかかわりという意味ではなくて、どのような要因が問題であったと思っておられますでしょうか。
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二ツ川章二#29
○二ツ川参考人 私が直接的に原子炉等の設備に関係していないので、その原因等はわかりかねるんですが、やはりおっしゃられたとおり、放射線というのは、本来、私どもは、規制された管理区域の中で放射性物質を通常取り扱っております。ですから、このように大量に飛散されたものについて、それをどう取り扱っていいかということは、通常我々は、施設の中で廃棄物が飛散した場合には除染という形をやるわけですけれども、それはごく限定されたものでやっておりますので、今回のようなものに対してどのように除染に取り組めば本当に原状回復ができるかというところには、ちょっと知見を有してはおりません。
 ただ、やはり我々としては、放射性物質を有効に利用するには、きちんとした、限定された中で安全に取り扱う、それが基本であろうというふうには思ってございます。
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