環境委員会
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会
会議録情報#0
平成二十九年四月二十五日(火曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 平 将明君
理事 石川 昭政君 理事 北川 知克君
理事 高橋ひなこ君 理事 冨岡 勉君
理事 福山 守君 理事 太田 和美君
理事 福田 昭夫君 理事 江田 康幸君
井上 貴博君 井林 辰憲君
伊藤信太郎君 大隈 和英君
木村 弥生君 小島 敏文君
助田 重義君 田中 和徳君
比嘉奈津美君 藤原 崇君
堀井 学君 前川 恵君
菅 直人君 田島 一成君
細野 豪志君 松田 直久君
斉藤 鉄夫君 塩川 鉄也君
小沢 鋭仁君 河野 正美君
玉城デニー君
…………………………………
環境大臣 山本 公一君
環境副大臣 関 芳弘君
環境大臣政務官 比嘉奈津美君
環境大臣政務官 井林 辰憲君
政府参考人
(林野庁林政部長) 三浦 正充君
政府参考人
(水産庁増殖推進部長) 保科 正樹君
政府参考人
(資源エネルギー庁資源・燃料部長) 山下 隆一君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 和田 信貴君
政府参考人
(環境省総合環境政策局長) 奥主 喜美君
政府参考人
(環境省自然環境局長) 亀澤 玲治君
参考人
(公立大学法人大阪府立大学理事・副学長) 石井 実君
参考人
(公益財団法人日本自然保護協会保護室室長) 辻村 千尋君
環境委員会専門員 関 武志君
―――――――――――――
委員の異動
四月二十五日
辞任 補欠選任
井上 貴博君 大隈 和英君
同日
辞任 補欠選任
大隈 和英君 井上 貴博君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三三号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 平 将明君
理事 石川 昭政君 理事 北川 知克君
理事 高橋ひなこ君 理事 冨岡 勉君
理事 福山 守君 理事 太田 和美君
理事 福田 昭夫君 理事 江田 康幸君
井上 貴博君 井林 辰憲君
伊藤信太郎君 大隈 和英君
木村 弥生君 小島 敏文君
助田 重義君 田中 和徳君
比嘉奈津美君 藤原 崇君
堀井 学君 前川 恵君
菅 直人君 田島 一成君
細野 豪志君 松田 直久君
斉藤 鉄夫君 塩川 鉄也君
小沢 鋭仁君 河野 正美君
玉城デニー君
…………………………………
環境大臣 山本 公一君
環境副大臣 関 芳弘君
環境大臣政務官 比嘉奈津美君
環境大臣政務官 井林 辰憲君
政府参考人
(林野庁林政部長) 三浦 正充君
政府参考人
(水産庁増殖推進部長) 保科 正樹君
政府参考人
(資源エネルギー庁資源・燃料部長) 山下 隆一君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 和田 信貴君
政府参考人
(環境省総合環境政策局長) 奥主 喜美君
政府参考人
(環境省自然環境局長) 亀澤 玲治君
参考人
(公立大学法人大阪府立大学理事・副学長) 石井 実君
参考人
(公益財団法人日本自然保護協会保護室室長) 辻村 千尋君
環境委員会専門員 関 武志君
―――――――――――――
委員の異動
四月二十五日
辞任 補欠選任
井上 貴博君 大隈 和英君
同日
辞任 補欠選任
大隈 和英君 井上 貴博君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三三号)
――――◇―――――
平
平将明#1
○平委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、公立大学法人大阪府立大学理事・副学長石井実君及び公益財団法人日本自然保護協会保護室室長辻村千尋君、以上二名の方々に御出席いただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、石井参考人、辻村参考人の順に、それぞれ十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず石井参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、公立大学法人大阪府立大学理事・副学長石井実君及び公益財団法人日本自然保護協会保護室室長辻村千尋君、以上二名の方々に御出席いただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、石井参考人、辻村参考人の順に、それぞれ十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず石井参考人にお願いいたします。
石
石井実#2
○石井参考人 大阪府立大学の石井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
私の資料は二種類用意しております。一番上に説明骨子がついていまして、その後ろにパワーポイントの打ち出し、カラー版でつけております。それから、私が最近書きました、これに関する「環境省第四次レッドリストからみた日本の昆虫の現状と危機要因」ということで資料をつけさせていただいております。
それでは、カラー版の方で説明させていただきますので、ごらんいただければと思います。
最初に自己紹介からいった方がいいかなと思います。
専門は動物生態学で、昆虫生態学をやっております。特にチョウで博士論文を書きました。学位論文名が、ギフチョウの生活史に関する研究というようなことです。
関連著書としましても、「里山の自然をまもる」あるいは「生態学からみた里やまの自然と保護」「日本の昆虫の衰亡と保護」ということで、専門以外にもこのような本を書かせていただいております。
中央環境審議会の委員でございまして、現在、野生生物小委員長を務めております。それから、大阪府の外郭団体であります公益財団法人大阪みどりのトラスト協会の会長を務めておりまして、大阪府域の里山の保全にかかわっております。それから、今般の話題にかかわります、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律のあり方の検討会は、座長を務めさせていただきました。
その横の写真ですけれども、里山のチョウの代表になってしまいました日本固有種のギフチョウの写真、それから、今私が保全にかかわっている大阪府能勢町の吉野の里山、ここはギフチョウがいるところです。
それでは、次の資料で、小さな字で下の方に数字が書いてありまして、シート番号で言いますけれども、二番のところをごらんください。
もう皆様方には釈迦に説法なんですけれども、環境省がレッドリストをつくったのが一九九一年ですけれども、このときに植物の方は実は環境省はつくっていなくて、日本自然保護協会、お隣におられますけれども、それからWWFJが委員会をつくってつくったものですけれども、緑のものが植物で、小豆色に見えているのが動物、そして、内数ですけれども、私が今座長を務めていますけれども、昆虫のレッド種が出ております。
黒い数字は、環境省が絶滅危惧種として出している数字より大きなものになっていますけれども、これは全掲載種の種数です。括弧つきの赤い字が絶滅種ということで、ごらんのように、改訂を重ねるたびに、レッド種と呼んでおりますけれども、ふえておるという状況でございます。
では、次の紙に行っていただきたいと思います。
では、なぜこのように日本の野生動植物が減少するのかということですけれども、これについて分析したのがシートナンバー三でございます。開発、捕獲・採集といった人間の活動ですね、それから、遷移の進行というのが目につくと思いますけれども、これは後で少し述べますけれども、植物は、草原が例えば森に移っていくような遷移という現象があるんですが、移ろっていく、これによるものです。これが今回の話題の核心になります里地里山の自然の特徴かなというふうに思います。それから、過剰利用とか水質の汚濁、それから外来生物の問題も大きいかなと思います。
四番目のシートに、環境省が作成しております生物多様性国家戦略の中から、日本の生物多様性の四つの危機を出しております。
四つありますけれども、人間活動による危機、それから二番目に、枠をつけましたように、里地里山の問題、ここはむしろ働きかけが縮小しているから野生生物が減少しているんだと。それから三番目は、農薬とか外来生物のように持ち込まれたものによる危機、それから四番目が、地球温暖化のような地球環境の変化による危機となっております。
では、次ですけれども、このような里地里山の自然というのは、人間がかかわっているので、原生的な自然と分けて二次的自然と申しておりますが、このようなものが、各絶滅危惧種がどのように分布しているかというのを示したものでございます。
ちょっと小さいですけれども、右の方に凡例がありまして、各グラフの中で赤い枠をつけたところが、いわゆる里地里山を含む二次的な自然の部分でございます。
ごらんになっていただくとわかるように、爬虫類というのは少しその部分が少ないですが、ほかのところでは、特に両生類、魚類、昆虫類、貝類といったところでは、二次的な自然のところに絶滅危惧種が分布しているということがおわかりかなというふうに思います。
六番のシートでございますけれども、里地里山とは何かということで、本当に釈迦に説法で申しわけなく思いますけれども、狭い意味では、里山と言うときには、炭やまきとかをとる、いわゆる薪炭林、それから、肥料をとる農用林というのは林の部分をいうんですけれども、ここに、絵にあるような全てのところ、これを含めて広義の里山というふうに私は呼んでいますけれども、これを四文字熟語で里地里山と呼んでおります。これは、古くから人為により維持されてきた二次的な自然の典型と言えるかもしれません。
次のシートへ行っていただきたいと思います。
次のシートナンバー七が、先ほど申しました遷移というものをあらわしたものでございます。左側が裸の土地、それから右に向かって森ができていきますけれども、草地を放置すると、やがて陽樹林という、明るい、あるいは乾燥した土地にも強い林ができていきます。関東や関西の低地におきましては、これを放置しますと陰樹林ということになりまして、これはいわゆる照葉樹林、シイやカシから成る林でございます。
陽樹林は、日本の特徴は、下にササが生えていることでして、だんだん下からササが生えてきたりします。そして、森が大きくなると、今度は逆に森が暗くなって、自分の林の中で自分の子供を育てることができない、ドングリが落ちても芽が生えないとか育たないということになってきまして、暗いところでもドングリが落ちてしっかり林ができるというカシやシイというのに変わっていくわけです。これを、最後の段階なので極相と言っています。
これで右向きに進むことを遷移といいますけれども、一番上に描いたように、左側に戻ることもあります。これは、自然災害であったり、農業なんかの働きによって草刈りをする、木を切るというようなことによって左に行くわけでございます。
こんなぐあいにして、里地里山にはさまざまな遷移段階の自然が含まれていて、これが多種多様な野生生物に生息環境を提供してきたという仕組みになっているわけです。
里山林の部分を見ていただくと、八番でございますけれども、こんなぐあいにして、一番下から見ていただくと、木が大きいうちは落ち葉がたくさん落ちるので、落ち葉をかいて肥料にします。大きくなり過ぎたところで伐採して、これをまきや炭、シイタケのほだ木などに使っていきます。そうすると、コナラとかクヌギの場合にはひこばえが生えてきますので、これを育てていきます。萌芽更新というんですけれども、そのときに光が林床に差し込むために、下草刈りといってササとかを刈らなきゃいけないんですね。ただし、昔は、この下草についても田畑に投入して肥料にしていました。
ですから、こういう循環の中で全てのものを利用してきたということです。持続的な利用ができてきたということです。木を切ったり、下刈りというんですけれども下草刈りをしたり、落ち葉かきをしながら、まきや炭、肥料を得てきた。こういう行為によって、上にある遷移の絵にあるようなさまざまな自然が存在し、そして、小さな里山の中に多くの生物を収容することができていたということでございます。
次のシートへ行ってください。
日本の里山林の特徴ですけれども、放置すると、先ほど言いましたように、ネザサが生えてきます。七夕のときのササですね。それから、戦をやっていたときの矢竹にするというようなものですけれども。そうすると、下の方に、十番にありますように、ササの下に隠れた丈の低い草花が枯れていくわけですね。これに依存している生物がいなくなっていくということになるわけでございます。これは遷移の一つということですね。荒廃と言ってもいいかもしれません。
次のシートをごらんください。
それぞれの里地里山の要素ごとに説明したものですけれども、里山林におきましては、ギフチョウ、オオムラサキとか、多くの生物が掲載されております。
危機要因としては、里山林というのは、化石燃料それから化学肥料が普及したことによって経済的価値が一九五〇年代から低下していきまして、開発されてしまう。それからもう一つは、先祖から引き継いだ里山ということで、そのまま放棄することになるんですが、そうすると今度は遷移が進行する。ササが生える、だんだんシイ、カシ林に変わっていくというようなことですね。最近では、竹林が拡大してのみ込んでいく、そしてニホンジカがふえていくなんということも危機要因になっております。
保全事例としては、そこにあるように、赤城山のヒメギフチョウなんというのがあります。愛好家が立ち上がって、さまざまなことをやるということです。ごらんいただければと思います。
それから、里地里山の草原の方はどうかと申しますと、たくさんのチョウやガが含まれております。十二番のシートでございます。
危機要因としては、草地というのは、放牧とか火入れとか、それから、昔は牛馬で田畑を耕していましたので、餌を上げなきゃいけないというので、農地にも、その近くには草を刈る場所、採草地というのがあったわけでございます。これがだんだんそれらの活動の低下によってなくなる。そうすると、草地は森になっていくということです。草地そのものもなくなっていきます。というようなことで、次第に草地も減っていった。それに伴って草地の生物たちがいなくなってきた。
広島県のヒョウモンモドキというのもそういうチョウでございまして、もう既に国内希少種に指定されておりますが、地元有志団によってヒョウモンモドキの保護の会が発足したりして、保全が行われております。
時間もありませんので、次に参りたいと思います。
十三番は、日本チョウ類保全協会から資料をお借りしたものでございますけれども、例えば草原性のチョウ、ヒョウモンモドキ、ウスイロヒョウモンモドキ、オオウラギンヒョウモン、オオルリシジミといったチョウは、市町村単位で数えた産地の減少率というのが八〇から九〇%、ほとんどいなくなっているという状態でございます。
それから、稲作水系と私が呼んでいるのは、水田とかため池のような稲作の装置というところですけれども、これもかなり危機的でございます。もう既にキイロネクイハムシとスジゲンゴロウというのは絶滅しておりまして、ゲンゴロウ、ミズスマシ、タガメ、トンボ、いろいろなものが減っているということです。
危機要因ですけれども、水田やため池そのものが減っている、それから生活排水や農薬が流入する、コンクリート護岸する、開発によって埋め立てる、圃場整備を行う、そんなようなことだったり、それから、パイプライン化してしまうんですね、水路が。だからメダカもすめなくなる。そして、稲が植わっているときだけ水が入るという意味で、乾田と呼ぶんですが、そういう状況になったり、農地周りに夜間照明がついて、そこに虫が集まって、コウモリ等に食べられてしまうなんということもあります。それから、ブラックバスやオオクチバスのような外来魚も入る、アメリカザリガニが入るというようなこともあります。
保全事例として、房総半島のシャープゲンゴロウモドキの例を挙げておきました。
次をごらんいただければと思います。
環境省の資料から持ってきましたのですが、十五番目のシートでございます。これが絶滅危惧種の保全対策の相互関係ということで、いわゆる保全戦略を絵にしたものでございます。
真ん中に赤い枠で囲ったように、種の保護というのは、当然ですけれども、生息域内で保全するのが必要であるということで、いろいろな要素から成り立っているということで、ごらんいただければと思います。モニタリング調査があったり、生息環境の維持があったりするわけです。
それから、下の方に青い枠で囲ったのが生息域外保全と言っているものでございまして、いよいよ危なくなってきたら、動植物園、昆虫館等を使って、そこで増殖させるというようなことが必要になってくるということです。それらを往復するような形で絵を描いています。
国内希少野生動植物種の指定の状況は、十六番をごらんいただければと思います。こんなように増加してきている。現在二百八まで来ているんですね。
次のシートをごらんください。
十七番目でございます。国内希少野生動植物種にしますとどんなことになるかというと、主に、下にありますように、捕獲それから流通に強い規制がかかるということでございます。
一番最後のシート、十八番目で私の主張が書いてありますけれども、とにかく、現在、二次的な自然の絶滅危惧種というのは、赤い字で書いたところですけれども、保全に熱心な地元の団体、専門家、地方自治体の多様な主体との連携で守ってきているということがあります。
それから二つ目に、捕獲のところですが、モニタリング調査、遺伝的多様性の解析、環境教育のためには、最小限の捕獲というのをキープしないとまずいのではないか。
それから、生息地等の指定ですけれども、行為規制の弱い監視地区のみの指定とか、密猟防止のための種名を伏せた保護区の指定というのをやらないと、すぐになくなってしまう可能性もあります。
保護増殖の実施ですけれども、昆虫類の場合は、実績のある昆虫館などと連携した生息域外保全も積極的に進める必要があるのではないかということです。
最後の紙は、一枚目に書いた骨子と同じで、今述べたことをまとめたものでございます。
私からは以上でございます。拍手
この発言だけを見る →私の資料は二種類用意しております。一番上に説明骨子がついていまして、その後ろにパワーポイントの打ち出し、カラー版でつけております。それから、私が最近書きました、これに関する「環境省第四次レッドリストからみた日本の昆虫の現状と危機要因」ということで資料をつけさせていただいております。
それでは、カラー版の方で説明させていただきますので、ごらんいただければと思います。
最初に自己紹介からいった方がいいかなと思います。
専門は動物生態学で、昆虫生態学をやっております。特にチョウで博士論文を書きました。学位論文名が、ギフチョウの生活史に関する研究というようなことです。
関連著書としましても、「里山の自然をまもる」あるいは「生態学からみた里やまの自然と保護」「日本の昆虫の衰亡と保護」ということで、専門以外にもこのような本を書かせていただいております。
中央環境審議会の委員でございまして、現在、野生生物小委員長を務めております。それから、大阪府の外郭団体であります公益財団法人大阪みどりのトラスト協会の会長を務めておりまして、大阪府域の里山の保全にかかわっております。それから、今般の話題にかかわります、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律のあり方の検討会は、座長を務めさせていただきました。
その横の写真ですけれども、里山のチョウの代表になってしまいました日本固有種のギフチョウの写真、それから、今私が保全にかかわっている大阪府能勢町の吉野の里山、ここはギフチョウがいるところです。
それでは、次の資料で、小さな字で下の方に数字が書いてありまして、シート番号で言いますけれども、二番のところをごらんください。
もう皆様方には釈迦に説法なんですけれども、環境省がレッドリストをつくったのが一九九一年ですけれども、このときに植物の方は実は環境省はつくっていなくて、日本自然保護協会、お隣におられますけれども、それからWWFJが委員会をつくってつくったものですけれども、緑のものが植物で、小豆色に見えているのが動物、そして、内数ですけれども、私が今座長を務めていますけれども、昆虫のレッド種が出ております。
黒い数字は、環境省が絶滅危惧種として出している数字より大きなものになっていますけれども、これは全掲載種の種数です。括弧つきの赤い字が絶滅種ということで、ごらんのように、改訂を重ねるたびに、レッド種と呼んでおりますけれども、ふえておるという状況でございます。
では、次の紙に行っていただきたいと思います。
では、なぜこのように日本の野生動植物が減少するのかということですけれども、これについて分析したのがシートナンバー三でございます。開発、捕獲・採集といった人間の活動ですね、それから、遷移の進行というのが目につくと思いますけれども、これは後で少し述べますけれども、植物は、草原が例えば森に移っていくような遷移という現象があるんですが、移ろっていく、これによるものです。これが今回の話題の核心になります里地里山の自然の特徴かなというふうに思います。それから、過剰利用とか水質の汚濁、それから外来生物の問題も大きいかなと思います。
四番目のシートに、環境省が作成しております生物多様性国家戦略の中から、日本の生物多様性の四つの危機を出しております。
四つありますけれども、人間活動による危機、それから二番目に、枠をつけましたように、里地里山の問題、ここはむしろ働きかけが縮小しているから野生生物が減少しているんだと。それから三番目は、農薬とか外来生物のように持ち込まれたものによる危機、それから四番目が、地球温暖化のような地球環境の変化による危機となっております。
では、次ですけれども、このような里地里山の自然というのは、人間がかかわっているので、原生的な自然と分けて二次的自然と申しておりますが、このようなものが、各絶滅危惧種がどのように分布しているかというのを示したものでございます。
ちょっと小さいですけれども、右の方に凡例がありまして、各グラフの中で赤い枠をつけたところが、いわゆる里地里山を含む二次的な自然の部分でございます。
ごらんになっていただくとわかるように、爬虫類というのは少しその部分が少ないですが、ほかのところでは、特に両生類、魚類、昆虫類、貝類といったところでは、二次的な自然のところに絶滅危惧種が分布しているということがおわかりかなというふうに思います。
六番のシートでございますけれども、里地里山とは何かということで、本当に釈迦に説法で申しわけなく思いますけれども、狭い意味では、里山と言うときには、炭やまきとかをとる、いわゆる薪炭林、それから、肥料をとる農用林というのは林の部分をいうんですけれども、ここに、絵にあるような全てのところ、これを含めて広義の里山というふうに私は呼んでいますけれども、これを四文字熟語で里地里山と呼んでおります。これは、古くから人為により維持されてきた二次的な自然の典型と言えるかもしれません。
次のシートへ行っていただきたいと思います。
次のシートナンバー七が、先ほど申しました遷移というものをあらわしたものでございます。左側が裸の土地、それから右に向かって森ができていきますけれども、草地を放置すると、やがて陽樹林という、明るい、あるいは乾燥した土地にも強い林ができていきます。関東や関西の低地におきましては、これを放置しますと陰樹林ということになりまして、これはいわゆる照葉樹林、シイやカシから成る林でございます。
陽樹林は、日本の特徴は、下にササが生えていることでして、だんだん下からササが生えてきたりします。そして、森が大きくなると、今度は逆に森が暗くなって、自分の林の中で自分の子供を育てることができない、ドングリが落ちても芽が生えないとか育たないということになってきまして、暗いところでもドングリが落ちてしっかり林ができるというカシやシイというのに変わっていくわけです。これを、最後の段階なので極相と言っています。
これで右向きに進むことを遷移といいますけれども、一番上に描いたように、左側に戻ることもあります。これは、自然災害であったり、農業なんかの働きによって草刈りをする、木を切るというようなことによって左に行くわけでございます。
こんなぐあいにして、里地里山にはさまざまな遷移段階の自然が含まれていて、これが多種多様な野生生物に生息環境を提供してきたという仕組みになっているわけです。
里山林の部分を見ていただくと、八番でございますけれども、こんなぐあいにして、一番下から見ていただくと、木が大きいうちは落ち葉がたくさん落ちるので、落ち葉をかいて肥料にします。大きくなり過ぎたところで伐採して、これをまきや炭、シイタケのほだ木などに使っていきます。そうすると、コナラとかクヌギの場合にはひこばえが生えてきますので、これを育てていきます。萌芽更新というんですけれども、そのときに光が林床に差し込むために、下草刈りといってササとかを刈らなきゃいけないんですね。ただし、昔は、この下草についても田畑に投入して肥料にしていました。
ですから、こういう循環の中で全てのものを利用してきたということです。持続的な利用ができてきたということです。木を切ったり、下刈りというんですけれども下草刈りをしたり、落ち葉かきをしながら、まきや炭、肥料を得てきた。こういう行為によって、上にある遷移の絵にあるようなさまざまな自然が存在し、そして、小さな里山の中に多くの生物を収容することができていたということでございます。
次のシートへ行ってください。
日本の里山林の特徴ですけれども、放置すると、先ほど言いましたように、ネザサが生えてきます。七夕のときのササですね。それから、戦をやっていたときの矢竹にするというようなものですけれども。そうすると、下の方に、十番にありますように、ササの下に隠れた丈の低い草花が枯れていくわけですね。これに依存している生物がいなくなっていくということになるわけでございます。これは遷移の一つということですね。荒廃と言ってもいいかもしれません。
次のシートをごらんください。
それぞれの里地里山の要素ごとに説明したものですけれども、里山林におきましては、ギフチョウ、オオムラサキとか、多くの生物が掲載されております。
危機要因としては、里山林というのは、化石燃料それから化学肥料が普及したことによって経済的価値が一九五〇年代から低下していきまして、開発されてしまう。それからもう一つは、先祖から引き継いだ里山ということで、そのまま放棄することになるんですが、そうすると今度は遷移が進行する。ササが生える、だんだんシイ、カシ林に変わっていくというようなことですね。最近では、竹林が拡大してのみ込んでいく、そしてニホンジカがふえていくなんということも危機要因になっております。
保全事例としては、そこにあるように、赤城山のヒメギフチョウなんというのがあります。愛好家が立ち上がって、さまざまなことをやるということです。ごらんいただければと思います。
それから、里地里山の草原の方はどうかと申しますと、たくさんのチョウやガが含まれております。十二番のシートでございます。
危機要因としては、草地というのは、放牧とか火入れとか、それから、昔は牛馬で田畑を耕していましたので、餌を上げなきゃいけないというので、農地にも、その近くには草を刈る場所、採草地というのがあったわけでございます。これがだんだんそれらの活動の低下によってなくなる。そうすると、草地は森になっていくということです。草地そのものもなくなっていきます。というようなことで、次第に草地も減っていった。それに伴って草地の生物たちがいなくなってきた。
広島県のヒョウモンモドキというのもそういうチョウでございまして、もう既に国内希少種に指定されておりますが、地元有志団によってヒョウモンモドキの保護の会が発足したりして、保全が行われております。
時間もありませんので、次に参りたいと思います。
十三番は、日本チョウ類保全協会から資料をお借りしたものでございますけれども、例えば草原性のチョウ、ヒョウモンモドキ、ウスイロヒョウモンモドキ、オオウラギンヒョウモン、オオルリシジミといったチョウは、市町村単位で数えた産地の減少率というのが八〇から九〇%、ほとんどいなくなっているという状態でございます。
それから、稲作水系と私が呼んでいるのは、水田とかため池のような稲作の装置というところですけれども、これもかなり危機的でございます。もう既にキイロネクイハムシとスジゲンゴロウというのは絶滅しておりまして、ゲンゴロウ、ミズスマシ、タガメ、トンボ、いろいろなものが減っているということです。
危機要因ですけれども、水田やため池そのものが減っている、それから生活排水や農薬が流入する、コンクリート護岸する、開発によって埋め立てる、圃場整備を行う、そんなようなことだったり、それから、パイプライン化してしまうんですね、水路が。だからメダカもすめなくなる。そして、稲が植わっているときだけ水が入るという意味で、乾田と呼ぶんですが、そういう状況になったり、農地周りに夜間照明がついて、そこに虫が集まって、コウモリ等に食べられてしまうなんということもあります。それから、ブラックバスやオオクチバスのような外来魚も入る、アメリカザリガニが入るというようなこともあります。
保全事例として、房総半島のシャープゲンゴロウモドキの例を挙げておきました。
次をごらんいただければと思います。
環境省の資料から持ってきましたのですが、十五番目のシートでございます。これが絶滅危惧種の保全対策の相互関係ということで、いわゆる保全戦略を絵にしたものでございます。
真ん中に赤い枠で囲ったように、種の保護というのは、当然ですけれども、生息域内で保全するのが必要であるということで、いろいろな要素から成り立っているということで、ごらんいただければと思います。モニタリング調査があったり、生息環境の維持があったりするわけです。
それから、下の方に青い枠で囲ったのが生息域外保全と言っているものでございまして、いよいよ危なくなってきたら、動植物園、昆虫館等を使って、そこで増殖させるというようなことが必要になってくるということです。それらを往復するような形で絵を描いています。
国内希少野生動植物種の指定の状況は、十六番をごらんいただければと思います。こんなように増加してきている。現在二百八まで来ているんですね。
次のシートをごらんください。
十七番目でございます。国内希少野生動植物種にしますとどんなことになるかというと、主に、下にありますように、捕獲それから流通に強い規制がかかるということでございます。
一番最後のシート、十八番目で私の主張が書いてありますけれども、とにかく、現在、二次的な自然の絶滅危惧種というのは、赤い字で書いたところですけれども、保全に熱心な地元の団体、専門家、地方自治体の多様な主体との連携で守ってきているということがあります。
それから二つ目に、捕獲のところですが、モニタリング調査、遺伝的多様性の解析、環境教育のためには、最小限の捕獲というのをキープしないとまずいのではないか。
それから、生息地等の指定ですけれども、行為規制の弱い監視地区のみの指定とか、密猟防止のための種名を伏せた保護区の指定というのをやらないと、すぐになくなってしまう可能性もあります。
保護増殖の実施ですけれども、昆虫類の場合は、実績のある昆虫館などと連携した生息域外保全も積極的に進める必要があるのではないかということです。
最後の紙は、一枚目に書いた骨子と同じで、今述べたことをまとめたものでございます。
私からは以上でございます。拍手
平
辻
辻村千尋#4
○辻村参考人 委員長、ありがとうございます。
本日は、貴重な機会を設けていただきまして、委員長を初め理事の皆様、委員会の皆様に感謝申し上げます。
私は、公益財団法人日本自然保護協会で保護室室長をしております辻村千尋と申します。
学生のころにギフチョウの食草であるカンアオイの調査をしたことがあり、きょうは石井先生の隣に立てるというのが、そういう意味では非常に喜びでございます。若干緊張しつつも、きょうは主張させていただきます。よろしくお願いいたします。
まず簡単に、私が所属しております日本自然保護協会は、尾瀬ケ原のダム建設反対に端を発して設立され、七十年弱の歴史を持つ自然保護NGOです。人々に寄り添い、日本の生物多様性を守り、持続可能な社会を未来に引き継ぎたいと考え、日々活動をしております。
本日は、同じような思いで活動されている自然保護NGOの公益財団法人世界自然保護基金ジャパンさん、公益財団法人日本野鳥の会さん、それからトラフィックさん、イルカ&クジラ・アクション・ネットワークさん、野生生物保全論研究会さんと当協会の六団体を代表して、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律改正案に対して意見を述べさせていただきたいと思います。
事前にお配りしていただいた、六団体共同で提出させていただいた意見書をもとにお話しさせていただきます。
まず、二〇一三年に、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律、以降は長うございますので種の保存法と略させていただきますが、制定後二十年たって、目的条項に生物の多様性の確保が明記され、罰則も強化され、罰金も大幅に引き上げられるなど、改正が行われました。一方で、当時、附則第七条で施行から三年後の見直しが規定され、十一項目にわたる附帯決議がつけられました。今回の改正は、これらを受けての改正と認識しています。
今回の種の保存法改正案で、種指定の優先度と個体数回復などの目標、必要な保護管理計画などを勧告する専門家による常設の科学委員会の法定を検討したことや、希少野生動植物種等の指定に関して国民による提案制度の法定を検討したことなど、非常に高く評価できるものもあると考えています。
しかしながら、二〇一三年の改正の際の附帯決議に対して全て対応できているのかという観点では、十分とは言えないと思います。そこで、六団体共同で、特に不十分と思われる点を意見書という形式で指摘させていただいたということになります。
本日は、十五分という時間の制約もありますので、絞ってお話をさせていただくとともに、意見書には書かなかった指摘事項も含めて意見陳述をさせていただきます。そのほかの点については、意見書をお読みいただきたいというふうに思います。
まず第一点目ですが、科学委員会及び提案制度、生息地等保護区についてです。
今回の改正案に種の保存法の指定種を国民から提案する制度が明記されたこと及びその選定を判定する科学委員会が法に位置づけられたことは、先ほども申し上げましたが、評価いたしております。ですが、生息地等保護区の設定や保護管理計画の制定はこれまでどおり中央環境審議会の答申を経るというこれまでの仕組みが残されています。種の指定が科学的な議論を踏まえ目標の七百種指定に至ったとしても、保全の実効性を持たせる生息地等保護区の指定や保護増殖計画の仕組みがこれまでと変わらなければ、指定だけされて実際の保全の取り組みが進まないのではないかという懸念が生じます。
これまでも環境省は最大限の御努力をなされてきたのだというふうに思います。しかし、残念ながら、環境省の予算や人員には限りがございます。環境省予算が天井なしにふやせるのであればよいのですが、私どもNGOはそれを求めていますが、そのようなことは現在の財政状況からは到底望めないわけです。種の保存に関する予算を確保したために、そのほかの環境保全関係の予算が削減されて、かえって環境保全が進みませんでしたというのは許されません。
必要不可欠な予算を十分に確保するか、もしくは、生息地等保護区の設定や保護管理計画の立案についても現場で実際に保全に取り組む自然保護団体等からの提案を受け入れる制度として、国と自然保護団体等や専門家が一体となって保全活動をしていくことが、こうした事態に陥らないようにするためには不可欠だと考えます。
事実、地域で地道に保全活動を実践されている自然保護団体は数多く存在しています。ですので、生息地等保護区の指定及び保護増殖計画の立案についても、国民からの提案制度を法定化し、その判定を科学委員会において行うようにするべきだと考えます。
生息地等保護区については、環境省が土地所有者との交渉を行った上で、環境大臣の諮問に基づき中央環境審議会が答申する形でしか地域指定ができないというふうに現在なっており、このことが、進まないことの一つの理由でもあります。現在九カ所しかございません。ですので、土地所有者や管理者の自発的な意思に基づき環境大臣が指定するような、例えば認定生息地等保護区のような制度を創設して保護地域の拡充を図る必要があります。
二点目は、国際希少動植物種の取引についてです。
意見書の中では幾つも指摘させていただいておりますが、時間の都合上、一点にします。
規制前取得の登録期限を設けるべきという点です。
今回の改正案では、個体登録の有効期限が設けられました。ですが、規制後も新たな登録が際限なく認められるのでは、偽装の防止には不十分です。そのため、個体、器官、加工品全てにおいて、ワシントン条約附属書1掲載により新たに国際希少動植物種に指定された場合、規制前取得を申請できる期間を、例えば一年程度のように期限を限定するべきです。種の保存法でも、国内の種の譲り受けの届け出は三十日の提出期限が設けられています。
また、他の法律においても、期間内に手続をしなければ権利が失われることは一般に行われています。例えば外来生物法では、特定外来生物として規制される前から愛玩、観賞目的で飼養等している場合は、規制されてから六カ月以内に申請を提出し、許可されれば飼養が継続できるという制度になっています。また、国税徴収権は消滅時効五年、窃盗罪は公訴時効七年です。
これらに比べ、象牙は、一九九〇年に、アジアゾウの場合は一九八〇年から輸入が禁止されているにもかかわらず、二十六年が過ぎても新たな登録を認めるというのはいかがなものかと思います。象牙の取引はコントロールされていると主張しても、諸外国からは大きな穴があいているように見られるのではないでしょうか。
三点目は、海洋生物と海のレッドリストについてです。
前回の改正で付された附帯決議十に、レッドリスト掲載を積極的に進めることと書かれましたが、対応が十分とは言えず、今回の改正に至ったと考えています。
環境省は、レッドリスト策定に向けて二〇一二年に検討会を開催しました。その中で、レッドリストの選定は、環境省と水産庁がそれぞれ行うことになりました。ことしの三月二十一日公表された水産庁のレッドリストでは、対象となる種の九十四魚類、鯨類のうち、九十三種がランク外、すなわち、絶滅のおそれが考えられない、あるいは評価するに足る情報がないこととされました。
しかし、例えば鯨類を例にとれば、IUCNでは十七種が情報不足とされ、スナメリのように絶滅危惧2類に分類されている種もあります。昨年に新種と科学誌に一部掲載され、北海道の漁民にカラスと呼ばれて認識されていた種については、何の言及もありません。
ちなみに、鯨類については、日本哺乳類学会の評価、一九九七年では、地域個体群を含めると十一種が希少とされ、スジイルカの地域個体群は危急、スナメリ地域個体群には絶滅危惧が懸念されています。日本海域のみ絶滅の危機がないとするのであれば、その根拠を水産庁は明確に示していただきたいと考えています。
さらに、国境を広い範囲で移動する大型魚類、大型鯨類については、二国間、多国間の条約等によって既に評価されているとしてリストの選定外になっておりますが、これは、同じように移動性の鳥類が、二国間条約、多国間条約等がありながら国内レッドリストに含まれることと矛盾しています。国内においてもレッドリストの評価を科学的に行うべきと考えています。
そもそも、今回のレッドリストについては、環境省のレッドリスト、IUCNのレッドリスト、水産庁のレッドリストで、例えるなら、警報を発する基準も感度も同じなのに、震度五の地震でこちらは警報が鳴るのに、こっちでは震度七でも警報が鳴りませんでしたという妙な状況になっています。これではレッドリストとしての信頼性にも大きく傷がつくことになります。国際的な評価基準、方法にのっとり評価をし直し、その結果を踏まえ、種の保存法での海域保全を進めていくべきだというふうに考えております。
四点目は、干潟、浅海域についてです。
レッドリストで絶滅のおそれがあるとされた種の中で、沿岸の浅海域の干潟や砂泥地に生息する種が複数挙げられています。これらはかつて広く分布していましたが、埋め立てや干拓、環境悪化で生息の場が失われてきた結果、数を減らしてしまったものです。
残された数少ない干潟や砂泥地を種の保存法の生息地等保護区で守ることができるのか、こうした懸念があります。こうした場所は、権利関係が複雑ですから、生息地等保護区で規制をかけることが難しいと考えられるからです。陸地の里地里山に規制をかけることが難しいのと同様です。本法律の改正や他の法令での対応、もしくは新たな法律での対応が必要なのか、早急な検討が必要と考えております。
最後に、種の保存法が一九九二年に制定されてから二十五年になります。この間で、希少種を取り巻く状況も大きく変化しています。また、自然環境そのものも、気候変動などの影響で大きく変化しています。残念ながら、絶滅の危険はなくなっていません。先ほどの石井先生の報告でも、絶滅危惧種はふえているというふうになっています。
我々の暮らしの利便性追求と希少種との関係は、変化していないと言わざるを得ません。希少種をしっかり守り、生物多様性を保全していくことは、我々の暮らしを守ることに直結します。こうした公益の利益と財産権の尊重との調整は喫緊の課題だと思います。種の保存法には財産権の尊重が規定されておりますが、生物多様性基本法や外来生物法には規定されていません。このことの議論が必要だと考えています。
また、絶滅危惧種の保全で最も費用対効果がよいと考えられるのは、本来、絶滅危惧種をつくらないことです。絶滅危惧種を守るという法の目的とともに、絶滅危惧種をつくらないという目的も本法律に加えるべきだと考えます。そのためには、やはり抜本的な改正が必要です。
今日の危機的状況を鑑み、できるだけ速やかに抜本的改正が行われるべきであると指摘させていただき、私の意見陳述を終わります。
御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、貴重な機会を設けていただきまして、委員長を初め理事の皆様、委員会の皆様に感謝申し上げます。
私は、公益財団法人日本自然保護協会で保護室室長をしております辻村千尋と申します。
学生のころにギフチョウの食草であるカンアオイの調査をしたことがあり、きょうは石井先生の隣に立てるというのが、そういう意味では非常に喜びでございます。若干緊張しつつも、きょうは主張させていただきます。よろしくお願いいたします。
まず簡単に、私が所属しております日本自然保護協会は、尾瀬ケ原のダム建設反対に端を発して設立され、七十年弱の歴史を持つ自然保護NGOです。人々に寄り添い、日本の生物多様性を守り、持続可能な社会を未来に引き継ぎたいと考え、日々活動をしております。
本日は、同じような思いで活動されている自然保護NGOの公益財団法人世界自然保護基金ジャパンさん、公益財団法人日本野鳥の会さん、それからトラフィックさん、イルカ&クジラ・アクション・ネットワークさん、野生生物保全論研究会さんと当協会の六団体を代表して、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律改正案に対して意見を述べさせていただきたいと思います。
事前にお配りしていただいた、六団体共同で提出させていただいた意見書をもとにお話しさせていただきます。
まず、二〇一三年に、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律、以降は長うございますので種の保存法と略させていただきますが、制定後二十年たって、目的条項に生物の多様性の確保が明記され、罰則も強化され、罰金も大幅に引き上げられるなど、改正が行われました。一方で、当時、附則第七条で施行から三年後の見直しが規定され、十一項目にわたる附帯決議がつけられました。今回の改正は、これらを受けての改正と認識しています。
今回の種の保存法改正案で、種指定の優先度と個体数回復などの目標、必要な保護管理計画などを勧告する専門家による常設の科学委員会の法定を検討したことや、希少野生動植物種等の指定に関して国民による提案制度の法定を検討したことなど、非常に高く評価できるものもあると考えています。
しかしながら、二〇一三年の改正の際の附帯決議に対して全て対応できているのかという観点では、十分とは言えないと思います。そこで、六団体共同で、特に不十分と思われる点を意見書という形式で指摘させていただいたということになります。
本日は、十五分という時間の制約もありますので、絞ってお話をさせていただくとともに、意見書には書かなかった指摘事項も含めて意見陳述をさせていただきます。そのほかの点については、意見書をお読みいただきたいというふうに思います。
まず第一点目ですが、科学委員会及び提案制度、生息地等保護区についてです。
今回の改正案に種の保存法の指定種を国民から提案する制度が明記されたこと及びその選定を判定する科学委員会が法に位置づけられたことは、先ほども申し上げましたが、評価いたしております。ですが、生息地等保護区の設定や保護管理計画の制定はこれまでどおり中央環境審議会の答申を経るというこれまでの仕組みが残されています。種の指定が科学的な議論を踏まえ目標の七百種指定に至ったとしても、保全の実効性を持たせる生息地等保護区の指定や保護増殖計画の仕組みがこれまでと変わらなければ、指定だけされて実際の保全の取り組みが進まないのではないかという懸念が生じます。
これまでも環境省は最大限の御努力をなされてきたのだというふうに思います。しかし、残念ながら、環境省の予算や人員には限りがございます。環境省予算が天井なしにふやせるのであればよいのですが、私どもNGOはそれを求めていますが、そのようなことは現在の財政状況からは到底望めないわけです。種の保存に関する予算を確保したために、そのほかの環境保全関係の予算が削減されて、かえって環境保全が進みませんでしたというのは許されません。
必要不可欠な予算を十分に確保するか、もしくは、生息地等保護区の設定や保護管理計画の立案についても現場で実際に保全に取り組む自然保護団体等からの提案を受け入れる制度として、国と自然保護団体等や専門家が一体となって保全活動をしていくことが、こうした事態に陥らないようにするためには不可欠だと考えます。
事実、地域で地道に保全活動を実践されている自然保護団体は数多く存在しています。ですので、生息地等保護区の指定及び保護増殖計画の立案についても、国民からの提案制度を法定化し、その判定を科学委員会において行うようにするべきだと考えます。
生息地等保護区については、環境省が土地所有者との交渉を行った上で、環境大臣の諮問に基づき中央環境審議会が答申する形でしか地域指定ができないというふうに現在なっており、このことが、進まないことの一つの理由でもあります。現在九カ所しかございません。ですので、土地所有者や管理者の自発的な意思に基づき環境大臣が指定するような、例えば認定生息地等保護区のような制度を創設して保護地域の拡充を図る必要があります。
二点目は、国際希少動植物種の取引についてです。
意見書の中では幾つも指摘させていただいておりますが、時間の都合上、一点にします。
規制前取得の登録期限を設けるべきという点です。
今回の改正案では、個体登録の有効期限が設けられました。ですが、規制後も新たな登録が際限なく認められるのでは、偽装の防止には不十分です。そのため、個体、器官、加工品全てにおいて、ワシントン条約附属書1掲載により新たに国際希少動植物種に指定された場合、規制前取得を申請できる期間を、例えば一年程度のように期限を限定するべきです。種の保存法でも、国内の種の譲り受けの届け出は三十日の提出期限が設けられています。
また、他の法律においても、期間内に手続をしなければ権利が失われることは一般に行われています。例えば外来生物法では、特定外来生物として規制される前から愛玩、観賞目的で飼養等している場合は、規制されてから六カ月以内に申請を提出し、許可されれば飼養が継続できるという制度になっています。また、国税徴収権は消滅時効五年、窃盗罪は公訴時効七年です。
これらに比べ、象牙は、一九九〇年に、アジアゾウの場合は一九八〇年から輸入が禁止されているにもかかわらず、二十六年が過ぎても新たな登録を認めるというのはいかがなものかと思います。象牙の取引はコントロールされていると主張しても、諸外国からは大きな穴があいているように見られるのではないでしょうか。
三点目は、海洋生物と海のレッドリストについてです。
前回の改正で付された附帯決議十に、レッドリスト掲載を積極的に進めることと書かれましたが、対応が十分とは言えず、今回の改正に至ったと考えています。
環境省は、レッドリスト策定に向けて二〇一二年に検討会を開催しました。その中で、レッドリストの選定は、環境省と水産庁がそれぞれ行うことになりました。ことしの三月二十一日公表された水産庁のレッドリストでは、対象となる種の九十四魚類、鯨類のうち、九十三種がランク外、すなわち、絶滅のおそれが考えられない、あるいは評価するに足る情報がないこととされました。
しかし、例えば鯨類を例にとれば、IUCNでは十七種が情報不足とされ、スナメリのように絶滅危惧2類に分類されている種もあります。昨年に新種と科学誌に一部掲載され、北海道の漁民にカラスと呼ばれて認識されていた種については、何の言及もありません。
ちなみに、鯨類については、日本哺乳類学会の評価、一九九七年では、地域個体群を含めると十一種が希少とされ、スジイルカの地域個体群は危急、スナメリ地域個体群には絶滅危惧が懸念されています。日本海域のみ絶滅の危機がないとするのであれば、その根拠を水産庁は明確に示していただきたいと考えています。
さらに、国境を広い範囲で移動する大型魚類、大型鯨類については、二国間、多国間の条約等によって既に評価されているとしてリストの選定外になっておりますが、これは、同じように移動性の鳥類が、二国間条約、多国間条約等がありながら国内レッドリストに含まれることと矛盾しています。国内においてもレッドリストの評価を科学的に行うべきと考えています。
そもそも、今回のレッドリストについては、環境省のレッドリスト、IUCNのレッドリスト、水産庁のレッドリストで、例えるなら、警報を発する基準も感度も同じなのに、震度五の地震でこちらは警報が鳴るのに、こっちでは震度七でも警報が鳴りませんでしたという妙な状況になっています。これではレッドリストとしての信頼性にも大きく傷がつくことになります。国際的な評価基準、方法にのっとり評価をし直し、その結果を踏まえ、種の保存法での海域保全を進めていくべきだというふうに考えております。
四点目は、干潟、浅海域についてです。
レッドリストで絶滅のおそれがあるとされた種の中で、沿岸の浅海域の干潟や砂泥地に生息する種が複数挙げられています。これらはかつて広く分布していましたが、埋め立てや干拓、環境悪化で生息の場が失われてきた結果、数を減らしてしまったものです。
残された数少ない干潟や砂泥地を種の保存法の生息地等保護区で守ることができるのか、こうした懸念があります。こうした場所は、権利関係が複雑ですから、生息地等保護区で規制をかけることが難しいと考えられるからです。陸地の里地里山に規制をかけることが難しいのと同様です。本法律の改正や他の法令での対応、もしくは新たな法律での対応が必要なのか、早急な検討が必要と考えております。
最後に、種の保存法が一九九二年に制定されてから二十五年になります。この間で、希少種を取り巻く状況も大きく変化しています。また、自然環境そのものも、気候変動などの影響で大きく変化しています。残念ながら、絶滅の危険はなくなっていません。先ほどの石井先生の報告でも、絶滅危惧種はふえているというふうになっています。
我々の暮らしの利便性追求と希少種との関係は、変化していないと言わざるを得ません。希少種をしっかり守り、生物多様性を保全していくことは、我々の暮らしを守ることに直結します。こうした公益の利益と財産権の尊重との調整は喫緊の課題だと思います。種の保存法には財産権の尊重が規定されておりますが、生物多様性基本法や外来生物法には規定されていません。このことの議論が必要だと考えています。
また、絶滅危惧種の保全で最も費用対効果がよいと考えられるのは、本来、絶滅危惧種をつくらないことです。絶滅危惧種を守るという法の目的とともに、絶滅危惧種をつくらないという目的も本法律に加えるべきだと考えます。そのためには、やはり抜本的な改正が必要です。
今日の危機的状況を鑑み、できるだけ速やかに抜本的改正が行われるべきであると指摘させていただき、私の意見陳述を終わります。
御清聴ありがとうございました。拍手
平
平
井
井上貴博#7
○井上(貴)委員 自由民主党・無所属の会の井上貴博です。
参考人の先生方には、このたびの種の保存法の改正案につきまして、今、貴重な御意見を頂戴したことを心から感謝申し上げたいと思います。
それでは、会派を代表いたしまして、参考人のお二人に質問をさせていただきたいというふうに思います。
本日の議題となっております、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律、いわゆる種の保存法は、野生動植物が生態系の重要な構成要素であり、また、我々の豊かな生活に欠かすことのできない存在であることを踏まえて、絶滅のおそれのある野生動植物の保存を図ることを目的とした法律であります。
この種の保存法は平成四年に制定され、その後、平成六年、平成十五年、平成二十五年に改正が行われました。この三回の改正は、象牙などを初めとした国際的に取引が規制されている国際希少野生動植物種の国内流通に関する制度を改変したものであったと理解しております。
それに対して、今回の種の保存法の改正案は、それだけではなく、我が国に分布している絶滅危惧種を対象とした国内希少野生動植物種に関する改正も盛り込まれています。里地里山などに生息する種に対して、捕獲等及び譲り渡しの規制が、保全活動、環境教育、調査研究等に支障を及ぼすというために、規制を緩和する必要があるということで、特定第二種国内希少野生動植物種制度の新設が提案されています。
そこで、先生方に御質問をさせていただきたいというふうに思います。
実際の保全活動、環境教育、調査研究等の現場で、捕獲等及び譲り渡しの規制が支障になっている具体的な事例についてお伺いをしたいというふうに思います。
また、それも踏まえた上で、今回政府から提案されているこの制度の新設に対する評価をお伺いしたいというふうに思います。よろしくお願いします。
この発言だけを見る →参考人の先生方には、このたびの種の保存法の改正案につきまして、今、貴重な御意見を頂戴したことを心から感謝申し上げたいと思います。
それでは、会派を代表いたしまして、参考人のお二人に質問をさせていただきたいというふうに思います。
本日の議題となっております、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律、いわゆる種の保存法は、野生動植物が生態系の重要な構成要素であり、また、我々の豊かな生活に欠かすことのできない存在であることを踏まえて、絶滅のおそれのある野生動植物の保存を図ることを目的とした法律であります。
この種の保存法は平成四年に制定され、その後、平成六年、平成十五年、平成二十五年に改正が行われました。この三回の改正は、象牙などを初めとした国際的に取引が規制されている国際希少野生動植物種の国内流通に関する制度を改変したものであったと理解しております。
それに対して、今回の種の保存法の改正案は、それだけではなく、我が国に分布している絶滅危惧種を対象とした国内希少野生動植物種に関する改正も盛り込まれています。里地里山などに生息する種に対して、捕獲等及び譲り渡しの規制が、保全活動、環境教育、調査研究等に支障を及ぼすというために、規制を緩和する必要があるということで、特定第二種国内希少野生動植物種制度の新設が提案されています。
そこで、先生方に御質問をさせていただきたいというふうに思います。
実際の保全活動、環境教育、調査研究等の現場で、捕獲等及び譲り渡しの規制が支障になっている具体的な事例についてお伺いをしたいというふうに思います。
また、それも踏まえた上で、今回政府から提案されているこの制度の新設に対する評価をお伺いしたいというふうに思います。よろしくお願いします。
石
石井実#8
○石井参考人 どうもありがとうございます。
では、お答えしたいと思います。
一番の問題は、里地里山の生物というのは、平たい言い方をすると身近な生物であるということです。そして、昆虫類、両生類、魚類ということでございまして、環境がよければ増殖力は非常に高いということなんですね。ということで、それが前提だということを御承知おきください。
それで、我々が実際に里地里山の生物を守るときに何をするかというと、まず、どこにどのくらいの数がいるんだというのを把握しなければならないんですね。魚もそうですし昆虫もそうですけれども、体が小さいということがございまして、とらないといけない。そして、正確な個体数把握のためには、マーキング法というのがありまして、一回捕まえた個体にマークをして放して、もう一度、しばらくしてから、一週間ぐらいしてからとって、そのとった個体のうち、マークしている個体が何個体かによって、比率によって、何個体いたんだという絶対数を把握するわけです。ここに捕獲という行為が入ってくる。
生物の保全には、いわゆる順応的管理というのがございまして、何かアクションをする、草を刈る、木を切る、その効果がどんなふうになったかというのを把握しなければならない。そのやり方というのは、守っている生物の個体数そのものということになりますので、個体数を把握できなければ順応的管理ができないということになってしまうんですね。これを一々、何個体とりますというのを環境大臣に許可申請して、戻ってきてということをやっていると、こういうアクションができないということがあります。
それからもう一つは、かなり分布が広かったのが、分布が縮小してきて、点在している個体群が多いという状況がありまして、保全するときに、こちらが危なくなってきたからこちらの個体をこっちに持ってきてもいいのではないかと、導入というんですけれども、そういう考え方をすることがあるんですね。
その場合に、これとこれをまぜていいんだろうかという議論が必要になってきます。その場合には、遺伝子解析をするんですね。こっちの遺伝的要素、こっちの遺伝的要素というのがどのくらい違うのか、同じなのか。同じであればまぜたっていいでしょうということになりますので、そのためには、捕獲して遺伝子解析をするということになるんですね。
このようなことで、里地里山の生物の保全のためには、捕獲という行為がどうしても必要であるということを御理解いただければと思います。
この発言だけを見る →では、お答えしたいと思います。
一番の問題は、里地里山の生物というのは、平たい言い方をすると身近な生物であるということです。そして、昆虫類、両生類、魚類ということでございまして、環境がよければ増殖力は非常に高いということなんですね。ということで、それが前提だということを御承知おきください。
それで、我々が実際に里地里山の生物を守るときに何をするかというと、まず、どこにどのくらいの数がいるんだというのを把握しなければならないんですね。魚もそうですし昆虫もそうですけれども、体が小さいということがございまして、とらないといけない。そして、正確な個体数把握のためには、マーキング法というのがありまして、一回捕まえた個体にマークをして放して、もう一度、しばらくしてから、一週間ぐらいしてからとって、そのとった個体のうち、マークしている個体が何個体かによって、比率によって、何個体いたんだという絶対数を把握するわけです。ここに捕獲という行為が入ってくる。
生物の保全には、いわゆる順応的管理というのがございまして、何かアクションをする、草を刈る、木を切る、その効果がどんなふうになったかというのを把握しなければならない。そのやり方というのは、守っている生物の個体数そのものということになりますので、個体数を把握できなければ順応的管理ができないということになってしまうんですね。これを一々、何個体とりますというのを環境大臣に許可申請して、戻ってきてということをやっていると、こういうアクションができないということがあります。
それからもう一つは、かなり分布が広かったのが、分布が縮小してきて、点在している個体群が多いという状況がありまして、保全するときに、こちらが危なくなってきたからこちらの個体をこっちに持ってきてもいいのではないかと、導入というんですけれども、そういう考え方をすることがあるんですね。
その場合に、これとこれをまぜていいんだろうかという議論が必要になってきます。その場合には、遺伝子解析をするんですね。こっちの遺伝的要素、こっちの遺伝的要素というのがどのくらい違うのか、同じなのか。同じであればまぜたっていいでしょうということになりますので、そのためには、捕獲して遺伝子解析をするということになるんですね。
このようなことで、里地里山の生物の保全のためには、捕獲という行為がどうしても必要であるということを御理解いただければと思います。
辻
辻村千尋#9
○辻村参考人 御質問ありがとうございます。
実際の現場で捕獲が進まないことで問題があったのかということなんですが、現在の法制度の中でも、許可申請をすれば調査研究のための捕獲はできるという部分がございます。ただ、例えば、放棄されたような森を管理していく場合のときに、いろいろな希少種が逆にバッティングをしてしまうということがあります。その調整をする際に、こういった特定第二種のようなものがあった方が保全活動が進みやすいということは、私どもそう考えているところではございます。
ただ、今回のこの第二種が、販売もしくは購入、頒布の目的をもって大量捕獲することのみを禁止しているということから、保全が本当に進むのかという懸念がございます。ですので、あわせて生息地等保護区に指定するようなことをしないと、第二種を指定しても絶滅の危機を減らすことはできないという状況が生まれてしまうのではないかという懸念がございます。
以上です。
この発言だけを見る →実際の現場で捕獲が進まないことで問題があったのかということなんですが、現在の法制度の中でも、許可申請をすれば調査研究のための捕獲はできるという部分がございます。ただ、例えば、放棄されたような森を管理していく場合のときに、いろいろな希少種が逆にバッティングをしてしまうということがあります。その調整をする際に、こういった特定第二種のようなものがあった方が保全活動が進みやすいということは、私どもそう考えているところではございます。
ただ、今回のこの第二種が、販売もしくは購入、頒布の目的をもって大量捕獲することのみを禁止しているということから、保全が本当に進むのかという懸念がございます。ですので、あわせて生息地等保護区に指定するようなことをしないと、第二種を指定しても絶滅の危機を減らすことはできないという状況が生まれてしまうのではないかという懸念がございます。
以上です。
井
井上貴博#10
○井上(貴)委員 ありがとうございます。
続いて、種の保存の他の公益との調整についてお伺いしたいというふうに思います。
種の保存法第三条には、財産権の尊重等が盛り込まれております。財産権の尊重については憲法にも明記されており、あらゆる施策の実施に当たり、当然留意が必要だと考えます。このことで、種の保存と財産権との関係については、財産権尊重条項の存在によって希少種の保全は進展しないのではないかという指摘も承知しております。
ですけれども、私は、保全活動の実施に当たっては、土地所有者を初めとした地元の方々との連携が極めて重要であり、地元の良好な協力体制を構築するためには、土地所有者の権利に十分配慮することが必要であると考えます。
種の保存は、当然、公益的な価値も高く、極めて重要でありますが、一方で、個人の財産権の尊重についても、むやみに踏み込んではいけない重要な価値があると考えています。個人の財産を侵害して強引に保全を進めるのではなく、個人の財産権を尊重しつつ絶滅危惧種の保全に理解と協力を求めるという方が望ましいのではないか。むしろ、このタイミングで、大きな理由もなく財産権の尊重条項を削除することで、従来の良好な協力関係を築いてきた土地所有者等の反発を招くことが懸念されています。
こうしたことを踏まえれば、種の保存法の財産権尊重条項の削除をすることは妥当ではないと考えますが、このことについての御意見を頂戴したいというふうに思います。
また、あわせて、実際の調査や保全活動の実施の際に、土地所有者を初め、地元とどのような連携、調整を図っているか、具体的な事例がありましたら、お答えいただければ幸いです。
時間が四十四分までなので、短くお答えいただければ幸いです。申しわけありません。
この発言だけを見る →続いて、種の保存の他の公益との調整についてお伺いしたいというふうに思います。
種の保存法第三条には、財産権の尊重等が盛り込まれております。財産権の尊重については憲法にも明記されており、あらゆる施策の実施に当たり、当然留意が必要だと考えます。このことで、種の保存と財産権との関係については、財産権尊重条項の存在によって希少種の保全は進展しないのではないかという指摘も承知しております。
ですけれども、私は、保全活動の実施に当たっては、土地所有者を初めとした地元の方々との連携が極めて重要であり、地元の良好な協力体制を構築するためには、土地所有者の権利に十分配慮することが必要であると考えます。
種の保存は、当然、公益的な価値も高く、極めて重要でありますが、一方で、個人の財産権の尊重についても、むやみに踏み込んではいけない重要な価値があると考えています。個人の財産を侵害して強引に保全を進めるのではなく、個人の財産権を尊重しつつ絶滅危惧種の保全に理解と協力を求めるという方が望ましいのではないか。むしろ、このタイミングで、大きな理由もなく財産権の尊重条項を削除することで、従来の良好な協力関係を築いてきた土地所有者等の反発を招くことが懸念されています。
こうしたことを踏まえれば、種の保存法の財産権尊重条項の削除をすることは妥当ではないと考えますが、このことについての御意見を頂戴したいというふうに思います。
また、あわせて、実際の調査や保全活動の実施の際に、土地所有者を初め、地元とどのような連携、調整を図っているか、具体的な事例がありましたら、お答えいただければ幸いです。
時間が四十四分までなので、短くお答えいただければ幸いです。申しわけありません。
石
石井実#11
○石井参考人 御質問ありがとうございます。
端的に申しますと、私は委員の御意見に賛成でございます。
地元の土地に対する熱い思いというのがあって、そこにいる生物を守ろうということがかなりきいている。例えば、コウノトリの場合は、農地でありまして、そこから、水田があるわけですけれども、その水田を守る、自分の水田を守ってそこにコウノトリが来るのが、その地元の人にとっても大変な喜びであるということがあります。かなり協力的ではないかなというふうに思っているところです。
そういう意味でいいますと、地元、地主の御理解や御協力がなければ、多分、里地里山の生物は守れないんじゃないかなというふうな思いを持っております。
この発言だけを見る →端的に申しますと、私は委員の御意見に賛成でございます。
地元の土地に対する熱い思いというのがあって、そこにいる生物を守ろうということがかなりきいている。例えば、コウノトリの場合は、農地でありまして、そこから、水田があるわけですけれども、その水田を守る、自分の水田を守ってそこにコウノトリが来るのが、その地元の人にとっても大変な喜びであるということがあります。かなり協力的ではないかなというふうに思っているところです。
そういう意味でいいますと、地元、地主の御理解や御協力がなければ、多分、里地里山の生物は守れないんじゃないかなというふうな思いを持っております。
辻
辻村千尋#12
○辻村参考人 ありがとうございます。
私は、少し逆の立場でお答えさせていただきますが、公益との調整という意味で、これまで里地里山というのは、どちらかというと開発の危機に常にさらされてきました。例えば、道路が通るとかそういったときには、公共性が優先されて、その土地の自然環境を守りたいという利益が侵害されてきたという歴史があります。
その観点でいうと、この財産権の尊重というのは逆に機能してきた部分があるのではないかというふうに考えますので、先ほども申し上げましたけれども、そういう観点、それから石井先生の述べていただいた観点をきちんともっと議論をするべきだというふうに考えております。
以上です。
この発言だけを見る →私は、少し逆の立場でお答えさせていただきますが、公益との調整という意味で、これまで里地里山というのは、どちらかというと開発の危機に常にさらされてきました。例えば、道路が通るとかそういったときには、公共性が優先されて、その土地の自然環境を守りたいという利益が侵害されてきたという歴史があります。
その観点でいうと、この財産権の尊重というのは逆に機能してきた部分があるのではないかというふうに考えますので、先ほども申し上げましたけれども、そういう観点、それから石井先生の述べていただいた観点をきちんともっと議論をするべきだというふうに考えております。
以上です。
井
井上貴博#13
○井上(貴)委員 ありがとうございます。
参考人のお二人も考え方が割れるという大事な案件だというふうに思います。またこの後も質問等があるかというふうに思いますので、そこの中で十分議論をしていきたいというふうに思います。
もう一つお聞きしたいことがございます。動植物園等の支援についてでございます。今回の改正案に含まれている動植物園等の認定制度についてお聞きしたいというふうに思います。
認定制度は、希少種保全の観点から、一定の基準を満たす動植物園等を認定する制度を導入し、認定を受けた動植物園等について、希少野生動植物種の譲り渡しの禁止を適用しないこととするものであります。
この制度により、希少種の保全に取り組む動植物園や水族館の公的な機能が明確になり、種の保存法の手続も緩和されるということで、今後はより一層動植物園等における生息域外保全が進展することが期待されます。
しかし、希少動植物種の生息域外保全の取り組みは、動植物園の義務として定められているものではありません。あくまでも動植物園の自主性に委ねられております。この取り組みは、国がまず責任を持って進めるべきものであるというふうに私は思います。そして、積極的な支援も必要だというふうに思っています。
したがって、動植物園の取り組みの支援については、制度的な措置に加えて、政治的、財政的な措置を盛り込むことが絶対不可欠ではないかと考えますが、それについての御意見を頂戴したいというふうに思います。
この発言だけを見る →参考人のお二人も考え方が割れるという大事な案件だというふうに思います。またこの後も質問等があるかというふうに思いますので、そこの中で十分議論をしていきたいというふうに思います。
もう一つお聞きしたいことがございます。動植物園等の支援についてでございます。今回の改正案に含まれている動植物園等の認定制度についてお聞きしたいというふうに思います。
認定制度は、希少種保全の観点から、一定の基準を満たす動植物園等を認定する制度を導入し、認定を受けた動植物園等について、希少野生動植物種の譲り渡しの禁止を適用しないこととするものであります。
この制度により、希少種の保全に取り組む動植物園や水族館の公的な機能が明確になり、種の保存法の手続も緩和されるということで、今後はより一層動植物園等における生息域外保全が進展することが期待されます。
しかし、希少動植物種の生息域外保全の取り組みは、動植物園の義務として定められているものではありません。あくまでも動植物園の自主性に委ねられております。この取り組みは、国がまず責任を持って進めるべきものであるというふうに私は思います。そして、積極的な支援も必要だというふうに思っています。
したがって、動植物園の取り組みの支援については、制度的な措置に加えて、政治的、財政的な措置を盛り込むことが絶対不可欠ではないかと考えますが、それについての御意見を頂戴したいというふうに思います。
石
石井実#14
○石井参考人 御質問ありがとうございます。
私も委員の意見に賛成でございます。
もともと動物園、植物園、水族館等というのは別の目的でつくられているわけですけれども、動物園におきましては、同じ園で飼っている動物同士を交配していると、やがて血が煮詰まってきてうまくいかなくなるということで、昔からいろいろな動物園間の動物のやりとりをしていたという経緯があるんですね。
それから、昆虫の場合は、昆虫館というのは、見せ物として昆虫を見せているところがありますけれども、別の機能だったわけです。ですけれども、生息域外保全の観点がどうしても危ない種類については必要になってきまして、増殖のために、動植物園、昆虫の場合には昆虫館も使っていったらどうかと思うんですね。
ただ、それにはやはり職員数が足りない、動植物園の方もそうですので、経費がかかる。どうしても国がリーダーシップをとって財政的な措置もしなければならないというふうに私も思っております。
この発言だけを見る →私も委員の意見に賛成でございます。
もともと動物園、植物園、水族館等というのは別の目的でつくられているわけですけれども、動物園におきましては、同じ園で飼っている動物同士を交配していると、やがて血が煮詰まってきてうまくいかなくなるということで、昔からいろいろな動物園間の動物のやりとりをしていたという経緯があるんですね。
それから、昆虫の場合は、昆虫館というのは、見せ物として昆虫を見せているところがありますけれども、別の機能だったわけです。ですけれども、生息域外保全の観点がどうしても危ない種類については必要になってきまして、増殖のために、動植物園、昆虫の場合には昆虫館も使っていったらどうかと思うんですね。
ただ、それにはやはり職員数が足りない、動植物園の方もそうですので、経費がかかる。どうしても国がリーダーシップをとって財政的な措置もしなければならないというふうに私も思っております。
辻
辻村千尋#15
○辻村参考人 ありがとうございます。
私も希少種のアカガシラカラスバトの保護増殖委員をしていますので、動物園の方々がこれまで多大な努力をされてきたことは十分認識しております。
その意味で、今回のこの法改正はとてもよいというふうに思うんですが、もう一つ、やはり、動物園法のような業法をつくって、しっかりと動物園、水族館を守っていくということも重要なのではないかというふうに思っております。
以上です。
この発言だけを見る →私も希少種のアカガシラカラスバトの保護増殖委員をしていますので、動物園の方々がこれまで多大な努力をされてきたことは十分認識しております。
その意味で、今回のこの法改正はとてもよいというふうに思うんですが、もう一つ、やはり、動物園法のような業法をつくって、しっかりと動物園、水族館を守っていくということも重要なのではないかというふうに思っております。
以上です。
井
平
太
太田和美#18
○太田(和)委員 民進党の太田和美でございます。
本日は、お二人の参考人におかれましては、御多忙の中、御出席を賜りまして、また貴重な御意見を頂戴し、心より感謝を申し上げたいと思います。
では、早速でございますけれども、私の方から質問をさせていただきたいと思います。
まず初めに、辻村参考人及び石井参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。
先日、新聞報道で、千葉県のレッドリストのことが掲載されていました。ヒメキンポウゲなど本県を南限とする二十一種が絶滅したとあります。ヒメキンポウゲは、環境省のレッドリストでも絶滅危惧2類に分類されています。このほかにも、県のレッドリストのAランクに新たに百十七種が加えられるなど、絶滅危惧種が置かれている現状は相変わらず厳しいものであると思われます。
今回の種の保存法の改正でこうした危機的状況は改善されるのか、そして、改善される部分と改善されない部分があるのであれば、御所見をお伺いさせていただきたいと思います。
この発言だけを見る →本日は、お二人の参考人におかれましては、御多忙の中、御出席を賜りまして、また貴重な御意見を頂戴し、心より感謝を申し上げたいと思います。
では、早速でございますけれども、私の方から質問をさせていただきたいと思います。
まず初めに、辻村参考人及び石井参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。
先日、新聞報道で、千葉県のレッドリストのことが掲載されていました。ヒメキンポウゲなど本県を南限とする二十一種が絶滅したとあります。ヒメキンポウゲは、環境省のレッドリストでも絶滅危惧2類に分類されています。このほかにも、県のレッドリストのAランクに新たに百十七種が加えられるなど、絶滅危惧種が置かれている現状は相変わらず厳しいものであると思われます。
今回の種の保存法の改正でこうした危機的状況は改善されるのか、そして、改善される部分と改善されない部分があるのであれば、御所見をお伺いさせていただきたいと思います。
辻
辻村千尋#19
○辻村参考人 御質問ありがとうございます。
環境省さんには厳しい意見かもしれませんが、改善される部分は少ないというふうに考えています。
というのは、現在、絶滅危惧種が減ってきているという状況ではなくて、常にふえてきているという状況ですので、やはり根本的に何かを変えていかない限りには、保全が進まない、危機的状況を脱することができないというふうに思っています。
その点では、生息地等保護区の設定をもう少し速やかに大規模にやっていく必要があるというふうに考えております。
この発言だけを見る →環境省さんには厳しい意見かもしれませんが、改善される部分は少ないというふうに考えています。
というのは、現在、絶滅危惧種が減ってきているという状況ではなくて、常にふえてきているという状況ですので、やはり根本的に何かを変えていかない限りには、保全が進まない、危機的状況を脱することができないというふうに思っています。
その点では、生息地等保護区の設定をもう少し速やかに大規模にやっていく必要があるというふうに考えております。
石
石井実#20
○石井参考人 特定第二種の国内希少種の設定によりまして、里地里山関係の種の保全はやりやすくなるというふうに私は思っております。
ただ、難しいところは、環境省の方の予算、人員の問題がございまして、ここを措置しない限りは、指定のしっ放しになってしまう。ただ、里地里山の場合は、民間がもう既に動いているケースが多いので、そこと環境省が一緒になってやっていくというケースでかなり改善される部分もあるのではないかというふうに思っております。
心配な部分というのは、やはり国の方がしっかりと予算の措置とか人員の手当て等をしていただくことではないかなというふうに考えております。
この発言だけを見る →ただ、難しいところは、環境省の方の予算、人員の問題がございまして、ここを措置しない限りは、指定のしっ放しになってしまう。ただ、里地里山の場合は、民間がもう既に動いているケースが多いので、そこと環境省が一緒になってやっていくというケースでかなり改善される部分もあるのではないかというふうに思っております。
心配な部分というのは、やはり国の方がしっかりと予算の措置とか人員の手当て等をしていただくことではないかなというふうに考えております。
太
太田和美#21
○太田(和)委員 次に、辻村参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。
きょうの御発言では詳細に触れられませんでしたが、配付資料の意見書では、特定第二種国内希少野生動植物種及び生息地等保護区についての意見が述べられております。
これまで余り進んでこなかった里地里山の希少種について取り組みが進むのではと期待できると思いますけれども、何が課題として残されているとお考えなのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
この発言だけを見る →きょうの御発言では詳細に触れられませんでしたが、配付資料の意見書では、特定第二種国内希少野生動植物種及び生息地等保護区についての意見が述べられております。
これまで余り進んでこなかった里地里山の希少種について取り組みが進むのではと期待できると思いますけれども、何が課題として残されているとお考えなのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
辻
辻村千尋#22
○辻村参考人 ありがとうございます。
まずは、今回の第二種、それが創設されたことは高く評価しますけれども、先ほども申し上げましたが、販売もしくは購入、頒布の目的以外、そこだけが禁止されているということになっています、ですので、第九条の捕獲等規制や第十二条の譲り渡し等の規制が適用されないというふうに考えられますので、やはり、あわせて第三十六条の生息地等保護区の指定を進めない限りには保全の実効性が上がらないというふうに考えています。
同時に、なかなかやはり生息地等保護区が進まない理由というのは、土地所有者との交渉を行った上でとか、さまざまな権利関係の調整というものが現在もありますので、そこは、先ほど申し上げた認定生息地等保護区のような制度をつくることというので代替していく必要性があるのではないかというふうに思っています。
さらには、例えば生息地等保護区の土地が民間地の場合、これが非常に多いんですけれども、土地の所有者の方がとても協力的であれば、例えば協力することに対してのインセンティブを与える、英国では環境スチュワードシップ制度のようなものがありますので、優先的に多面的機能支払いとか環境保全型直接支援等が得られるような制度をつくっていくべきではないかというふうに考えています。また、その土地を地方公共団体等に寄附する場合には租税措置をして、そういうようなものも必要ではないかなというふうに考えています。
あともう一点なんですが、環境影響評価法に基づいて、配慮書の早い段階で影響を回避するということが今行われているんですが、守った自然をさらに守っていく制度がないので、こっちの計画では守られましたが次の計画で開発されちゃいましたということが起きかねない状況になっています。そういった、他の開発によって破壊されることがないように、環境大臣が第三十六条に基づいて積極的に生息地等保護区に指定していって、環境影響評価法との横断条項を設けていくということも必要ではないかというふうに考えております。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →まずは、今回の第二種、それが創設されたことは高く評価しますけれども、先ほども申し上げましたが、販売もしくは購入、頒布の目的以外、そこだけが禁止されているということになっています、ですので、第九条の捕獲等規制や第十二条の譲り渡し等の規制が適用されないというふうに考えられますので、やはり、あわせて第三十六条の生息地等保護区の指定を進めない限りには保全の実効性が上がらないというふうに考えています。
同時に、なかなかやはり生息地等保護区が進まない理由というのは、土地所有者との交渉を行った上でとか、さまざまな権利関係の調整というものが現在もありますので、そこは、先ほど申し上げた認定生息地等保護区のような制度をつくることというので代替していく必要性があるのではないかというふうに思っています。
さらには、例えば生息地等保護区の土地が民間地の場合、これが非常に多いんですけれども、土地の所有者の方がとても協力的であれば、例えば協力することに対してのインセンティブを与える、英国では環境スチュワードシップ制度のようなものがありますので、優先的に多面的機能支払いとか環境保全型直接支援等が得られるような制度をつくっていくべきではないかというふうに考えています。また、その土地を地方公共団体等に寄附する場合には租税措置をして、そういうようなものも必要ではないかなというふうに考えています。
あともう一点なんですが、環境影響評価法に基づいて、配慮書の早い段階で影響を回避するということが今行われているんですが、守った自然をさらに守っていく制度がないので、こっちの計画では守られましたが次の計画で開発されちゃいましたということが起きかねない状況になっています。そういった、他の開発によって破壊されることがないように、環境大臣が第三十六条に基づいて積極的に生息地等保護区に指定していって、環境影響評価法との横断条項を設けていくということも必要ではないかというふうに考えております。
ありがとうございます。
太
太田和美#23
○太田(和)委員 ありがとうございます。
続きまして、石井参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。
里地里山の希少種の保全では、各地の自然保護団体などがその役割を担っていることが知られております。こうした活動があって保全されている種が少なくないという現状から、種の保全のために、保全活動する団体の協力が不可欠ではないかなというふうに思いますけれども、その御所見をお伺いできればと思います。
この発言だけを見る →続きまして、石井参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。
里地里山の希少種の保全では、各地の自然保護団体などがその役割を担っていることが知られております。こうした活動があって保全されている種が少なくないという現状から、種の保全のために、保全活動する団体の協力が不可欠ではないかなというふうに思いますけれども、その御所見をお伺いできればと思います。
石
石井実#24
○石井参考人 御質問ありがとうございます。
委員のおっしゃるとおりだと思います。
私も実は自然保護協会さんにかかわっておりまして、国の施策でモニタリングサイト一〇〇〇という事業がございます。里地部門では二百カ所ほど全国選んでおりまして、私が専門としているチョウもモニタリングの対象になっているわけですね。
そういうふうに見ますと、全国には、その予備軍も含めまして、たくさんの自然にかかわっている団体さんがおられて、その熱い思いで守られてきた種というのはかなり多いというふうに私は思っています。全くそのとおりではないかと思います。
この発言だけを見る →委員のおっしゃるとおりだと思います。
私も実は自然保護協会さんにかかわっておりまして、国の施策でモニタリングサイト一〇〇〇という事業がございます。里地部門では二百カ所ほど全国選んでおりまして、私が専門としているチョウもモニタリングの対象になっているわけですね。
そういうふうに見ますと、全国には、その予備軍も含めまして、たくさんの自然にかかわっている団体さんがおられて、その熱い思いで守られてきた種というのはかなり多いというふうに私は思っています。全くそのとおりではないかと思います。
太
太田和美#25
○太田(和)委員 続きまして、辻村参考人及び石井参考人お二人にお伺いをさせていただきたいと思います。
種の保存法では、財産権の尊重が第三条に規定されています。この規定が絶滅危惧種の保全にとって足かせになっているのではないか、絶滅危惧種の生息地が開発行為と重なったときに、財産権の尊重により開発が優先されてきたのではないかと思います。この規定の是非について、お二方の御所見をお伺いさせていただければと思います。
この発言だけを見る →種の保存法では、財産権の尊重が第三条に規定されています。この規定が絶滅危惧種の保全にとって足かせになっているのではないか、絶滅危惧種の生息地が開発行為と重なったときに、財産権の尊重により開発が優先されてきたのではないかと思います。この規定の是非について、お二方の御所見をお伺いさせていただければと思います。
辻
辻村千尋#26
○辻村参考人 ありがとうございます。
先ほども申し上げましたが、やはり開発ということで財産権が用いられてきてしまったということは否めない事実だと思います。
今般、絶滅危惧種のランクが下がったオオタカというのが、種の保存法の指定種に今はまだなっております。これを解除するという議論が進められておりますけれども、これまで、里地里山のような、権利関係、開発にさらされるようなところを守る象徴種としてオオタカが機能してきたという部分があります。これは、裏返して見ると、そういったところを守るための制度、仕組みがないということになります。例えば、里地里山保全法のようなものはございませんし、そういったところを有効に守っていく制度がないがために開発にさらされてきてしまった。その助長をするようなことがあるんだとしたら、財産権というのは邪魔になるだろう。
でも、先ほど石井先生おっしゃったように、その逆もまたありますので、私どもとしましては、財産権を尊重する部分と、いわゆる公の利益、生物多様性保全をすることによって得られる利益というのをどういうふうに今後考えて社会を構築していくべきかという議論を十分にこういう国会の場でしていただくことが一番重要なのではないかというふうに考えております。
この発言だけを見る →先ほども申し上げましたが、やはり開発ということで財産権が用いられてきてしまったということは否めない事実だと思います。
今般、絶滅危惧種のランクが下がったオオタカというのが、種の保存法の指定種に今はまだなっております。これを解除するという議論が進められておりますけれども、これまで、里地里山のような、権利関係、開発にさらされるようなところを守る象徴種としてオオタカが機能してきたという部分があります。これは、裏返して見ると、そういったところを守るための制度、仕組みがないということになります。例えば、里地里山保全法のようなものはございませんし、そういったところを有効に守っていく制度がないがために開発にさらされてきてしまった。その助長をするようなことがあるんだとしたら、財産権というのは邪魔になるだろう。
でも、先ほど石井先生おっしゃったように、その逆もまたありますので、私どもとしましては、財産権を尊重する部分と、いわゆる公の利益、生物多様性保全をすることによって得られる利益というのをどういうふうに今後考えて社会を構築していくべきかという議論を十分にこういう国会の場でしていただくことが一番重要なのではないかというふうに考えております。
石
石井実#27
○石井参考人 御質問どうもありがとうございます。
先ほどの繰り返しにもなってしまうので、ちょっと別の観点で述べますけれども、里地里山というのは、従来、人が使いながら守ってきたというのは私の説明で申し上げたとおりです。ですので、普通に、ある一定の区間を区切ってそれで終わりということをやってしまいますと、別の自然になってしまうことになる。それで、守りたい種というのは守れなくなってしまうというところがあるんですね。
ですので、そこに住まれて産業をしている、農業とかしている人たちの熱い思いというのはやはり重要ではないか。それがその土地を守ろうという、その人の土地ですので、そういう形で守っていくという仕組みが大切で、その自然のありようというのも、やってきたなりわいによって決まっているのではないかというふうに思うんですね。それが、里地里山の特殊性、そこにすんでいる種を守るときの特殊性ではないかなというふうに思っているんですね。
ということで、財産権を制限するということになってしまったり取り上げたりすることになると、そこに熱い思いを持っている人がいなくなってしまって、本当の意味での里地里山の生物の保全にはつながっていかないというのを危惧しているわけでございます。
この発言だけを見る →先ほどの繰り返しにもなってしまうので、ちょっと別の観点で述べますけれども、里地里山というのは、従来、人が使いながら守ってきたというのは私の説明で申し上げたとおりです。ですので、普通に、ある一定の区間を区切ってそれで終わりということをやってしまいますと、別の自然になってしまうことになる。それで、守りたい種というのは守れなくなってしまうというところがあるんですね。
ですので、そこに住まれて産業をしている、農業とかしている人たちの熱い思いというのはやはり重要ではないか。それがその土地を守ろうという、その人の土地ですので、そういう形で守っていくという仕組みが大切で、その自然のありようというのも、やってきたなりわいによって決まっているのではないかというふうに思うんですね。それが、里地里山の特殊性、そこにすんでいる種を守るときの特殊性ではないかなというふうに思っているんですね。
ということで、財産権を制限するということになってしまったり取り上げたりすることになると、そこに熱い思いを持っている人がいなくなってしまって、本当の意味での里地里山の生物の保全にはつながっていかないというのを危惧しているわけでございます。
太
太田和美#28
○太田(和)委員 続きまして、辻村参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。
象牙の取引についてお伺いをさせていただきたいと思います。象牙の違法取引を根絶すべきと考えますけれども、そのために最も効果的な方法としてどのような策がいいとお考えなのか、お考えをお聞かせいただければと思います。
この発言だけを見る →象牙の取引についてお伺いをさせていただきたいと思います。象牙の違法取引を根絶すべきと考えますけれども、そのために最も効果的な方法としてどのような策がいいとお考えなのか、お考えをお聞かせいただければと思います。
辻
辻村千尋#29
○辻村参考人 ありがとうございます。
非常にストレートに答えれば、市場を閉めるということが最も効果的だというふうに考えております。
もし仮に市場を閉めることができないのであれば、全ての、今この世の中に存在している象牙の器官から何から全て含めて、きちっと登録をする、要するに、登録のないものが既に違法であるという状態をつくるということが肝要かと思います。後から、例えば蔵から出てきましたというようなことはもう一切、この段階で全てなくすという状態をつくる。そうすることによって、その取引が違法であるということがすぐにわかります。警察も今捕まえることができないのは、違法かどうかの判断ができないというところがございますので、しっかりとそういう状況をつくるということが肝要ではないかなというふうに思っております。
この発言だけを見る →非常にストレートに答えれば、市場を閉めるということが最も効果的だというふうに考えております。
もし仮に市場を閉めることができないのであれば、全ての、今この世の中に存在している象牙の器官から何から全て含めて、きちっと登録をする、要するに、登録のないものが既に違法であるという状態をつくるということが肝要かと思います。後から、例えば蔵から出てきましたというようなことはもう一切、この段階で全てなくすという状態をつくる。そうすることによって、その取引が違法であるということがすぐにわかります。警察も今捕まえることができないのは、違法かどうかの判断ができないというところがございますので、しっかりとそういう状況をつくるということが肝要ではないかなというふうに思っております。