厚生労働委員会

2017-06-13 参議院 全298発言

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会議録情報#0
平成二十九年六月十三日(火曜日)
   午前十時十二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月九日
    辞任         補欠選任
     羽田雄一郎君     石橋 通宏君
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     片山 大介君     石井 苗子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         羽生田 俊君
    理 事
                島村  大君
                そのだ修光君
                高階恵美子君
                足立 信也君
                山本 香苗君
    委 員
                石井みどり君
                小川 克巳君
                太田 房江君
                木村 義雄君
                自見はなこ君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
               三原じゅん子君
                宮島 喜文君
                石橋 通宏君
                川合 孝典君
                川田 龍平君
                牧山ひろえ君
                熊野 正士君
                三浦 信祐君
                倉林 明子君
                石井 苗子君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   衆議院議員
       厚生労働委員長  丹羽 秀樹君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  古屋 範子君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       堀内 詔子君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局家庭局長   村田 斉志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      大塚 幸寛君
       内閣府子ども・
       子育て本部審議
       官        中島  誠君
       警察庁長官官房
       審議官      小田部耕治君
       警察庁刑事局長  吉田 尚正君
       文部科学大臣官
       房審議官     瀧本  寛君
       厚生労働省健康
       局長       福島 靖正君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       吉田  学君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    定塚由美子君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    堀江  裕君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法
 の一部を改正する法律案(衆議院提出)
    ─────────────
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羽生田俊#1
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る九日、羽田雄一郎君が委員を辞任され、その補欠として石橋通宏君が選任されました。
 また、本日、片山大介君が委員を辞任され、その補欠として石井苗子君が選任されました。
    ─────────────
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羽生田俊#2
○委員長(羽生田俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長吉田学君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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羽生田俊#3
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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羽生田俊#4
○委員長(羽生田俊君) 児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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自見はなこ#5
○自見はなこ君 おはようございます。自民党の自見はなこです。今日もどうぞよろしくお願いいたします。
 今日は児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
 昨年、平成二十八年五月に児童福祉法等の一部を改正する法律が成立いたしました。児童虐待の発生予防、児童虐待発生時の迅速、的確な対応、被虐待児童への自立支援など、具体的な項目立てをし、児童に対する福祉の充実をうたってくださいました。
 その中でも、前回の改正での大きなポイントは、私は、昭和二十二年から見直しがされていなかった第一条の児童福祉法の理念の明確化にあると思っております。そして、それまで保護の対象だった子供に関して、子供を主体として捉えていただき、子供目線でその権利を明文化してくださったことと、その上で国民、保護者、国、地方公共団体の責務を明確にしてくださったことにあると思っております。
 私はこの第一条が大好きでありますので、ちょっと読ませていただきます。第一条、「全て児童は、児童の権利に関する条約の精神にのつとり、適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく保障される権利を有する。」とあります。小児科医にとっては、この子供の目線に立った子供の権利の法的根拠というものは長年の悲願でありまして、これはコペルニクス的な転回であると私自身は受け止めております。前回の法改正の審議の前の時期でございましたけれども、今の参議院議員という立場をいただく前に、日本医師会館で開催されました母子保健講習会で塩崎大臣がこのことをお話しされたのを覚えておりますが、余りの大きなことに大変衝撃を覚え、にわかに信じられなかったことを覚えております。
 また、今回の法改正では、前回の法改正に示された事項についての改正案であると理解しておりますが、大切なことは、法改正を通じて、子供を取り巻く問題を社会科学的に、あるいは公衆衛生学的に見て包括的に問題解決をしていく、考えていくという姿勢であると思っておりますので、是非よろしくお願いをいたします。
 さて、最初の質問に移ります。
 まず、虐待に関してでございます。今回の法改正と連動し母子保健法も改正され、母子保健施策が児童虐待の発生予防や早期発見に資するものであることが明確化されました。御承知のとおり、児童虐待は年間十万件の通報と五十名近い児童が死亡していると言われております。小児科医の私の感覚からいいますと、私自身の経験した死亡例だけでも三件ございますので、この数字はもしかしたら全容を捉えていない可能性もあるのではないかと感じたりしております。
 さて、一問目でございます。
 児童虐待等により児童の命が最も多く失われているのは生後どれぐらいの児童か、また、死亡事例について障害の有無や親の年収などを調べるべきではないかと思いますが、お考えをお聞かせください。
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吉田学#6
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 厚生労働省では、心中事案を含めまして児童虐待による死亡事例について、自治体からの御報告を受けて、国の専門委員会で毎年度その養育環境や関係機関の関与の状況等について分析、検証を行って、虐待死の防止のための取組につなげていくということにしております。
 直近、第十二次報告というものを平成二十八年の九月に出しておりますが、これによりますと、七十一人を対象に分析や検証をしております。このうち、心中以外の虐待死四十四人について見ますと、死亡時点における子供の年齢につきましてはゼロ歳児が二十七人と最も多くて、心中以外の虐待死全体の約六割がゼロ歳児という実態でございます。
 また、今御質問いただきましたように、障害の有無、年収につきましては、子供の障害につきましては、心中以外の虐待死四十四人について、身体障害又は知的障害があるという人数がお一人、二・三%、ないというのが二十八人、六三・六%、よく分からない、不明というのが十五人、三四・一%となってございます。
 また、世帯の年収につきましては、虐待死したお子さん、心中をこれ含めてのデータでありますが、家庭の経済状況について判明している限りでの事例で見ますと、生活保護世帯などを含む年収五百万円未満の家庭が約八割ということになってございます。この数字は、心中以外の虐待死に限りますと九割に上るというのが私ども把握している実態でございます。
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自見はなこ#7
○自見はなこ君 ありがとうございます。
 ゼロ歳児の死亡が二十七名、六割と大変多いということでございますけれども、生後間もない乳幼児の命が虐待により奪われているのは本当につらい事実でございまして、一刻も早く日本から虐待死がなくなることを願っております。また、その際にも、先ほどお答えをいただきました両親の年収であるとか、あるいは、今回は含まれておりませんでしたけれども、教育歴であるとか、そういったものがどのような影響あるかということもしっかり丁寧に調べていく必要があると思っておりますし、社会全体の施策としてそれらにどうやって手当てをしていくのか考えていく必要があると思います。
 また、ちょうどこの週末でありますけれども、富山県で日本小児科医会総会フォーラム・イン富山というものが開催され、そこに参加をしてまいりました。その特別講演の中でフィンランド大使館の方のお話を聞きました。
 フィンランドは人口六百万人弱の国で、合計特殊出生率は一・七五人の国であります。一時景気が低迷し、出生率は低くなったものの、最近では再度増加傾向であるということでしたが、私が何よりも驚きましたのは、児童虐待はあるものの、児童虐待による死亡はゼロだということでありました。
 そして、最近よく耳にすることのありますネウボラというのを聞いたことがあると思います。ネウボラというのは相談するところという意味だということでございますけれども、フィンランドでは、妊娠期からその生まれたお子さんが小学校に上がるところまで一つのネウボラに通うことがあります。ここでは包括的な家族に対する支援を目的としておりまして、この存在の意義が大変大きいということでありました。
 ネウボラは、一九一七年、フィンランドがロシアから独立し、経済的に貧しく、周産期の妊産婦死亡率や乳幼児の死亡率が高かったことから、小児科医、看護師、助産師、保健師とともに一九二〇年代から始まりました。そして、一九四四年に法制化、一九四九年には国内どこでもサービスが受けられるようになり、六百万人弱の国で八百五十近くのネウボラが整備されていて、そして、フィンランドにおける母子の死亡率の低下など大きな成果をもたらしているというお話を聞きました。
 フィンランド大使館のホームページを見ますと、そこにビデオがあるんですけれども、それは日本からの訪問の見学が多いということで、日本語用にビデオを作成しているということで、大変まとまったビデオがございましたけれども、妊娠に気付いた女性はまず近くにあるネウボラを訪れるところから始まって、そして、医師や保健師、専門職が配置されているところで妊娠中に最低でも八回から九回の健診、出産後も二回の健診が行われまして、子供に対しては十五回ほどの健診が予定をされているということで、必要に応じて家庭訪問も組まれているということでした。また、保健師や医師だけでなく、ネウボラを通じて、管理栄養士、リハビリセラピー、ソーシャルワーカーなどともつながることが可能で、利用者にとってはワンストップサービスとなっております。
 また、日本でもそうでございますけれども、虐待では望まない妊娠があった場合に増えると言われておりますが、ネウボラでは妊娠時には夫婦で受診する機会も多く設けられており、また、子供の十五回の健診のうち幾つかは両親そろっての受診ということが努力義務として課せられております。妊娠を肯定的に夫婦で受け止める、時にメールでも相談ができ、保健師さんの下でチームが組まれて包括的に支援していくということで、大変すばらしい発表を聞くことができました。
 日本でも、昨年の法改正により、切れ目のない支援ということで、平成三十二年度までを目途に子育て世代包括支援センターの全国展開を行うと定め、目下その展開に取り組んでいるところだというふうに理解をしております。
 二つ目の質問でございます。
 虐待の防止の観点からも妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援が大変重要であると考えておりますが、子育て世代包括支援センターの平成三十二年度の全国展開に向けて今後どのように取り組んでいくのかを教えてください。
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吉田学#8
○政府参考人(吉田学君) 今委員御指摘いただきましたように、私ども、子育て世代包括支援センター、ニッポン一億総活躍プランなどにも基づきながら、現在、平成三十二年度末までに全国展開するということで取り組ませていただいております。
 この仕組みは、今御紹介いただきましたようなフィンランドにおけるネウボラなどの例ですとか、あるいは我が国における地域において先駆的に取り組んでおられた方々の取組なども参考にさせていただいて、切れ目のない支援、そして地域において関係者が集うということをコンセプトなどなど取り組ませていただいておりますが、現在、本格的に実施しております平成二十七年度から直近におきまして平成二十八年四月一日時点のデータが手元にございますが、二百九十六市町村、七百二十か所となっておりまして、先ほど来御指摘いただいておりますように、平成三十二年度末に向けての全国展開に向けて取り組んでおります。
 二十九年度の予算におきましては、このセンターの立ち上げに必要な職員の雇い上げなどに要する経費を新たに計上させていただいておりますし、また、この運営に当たってのガイドラインの作成を今現在作業中でございます。
 センターの全国展開に向けて、私どもとしてもしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
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自見はなこ#9
○自見はなこ君 大変熱心な取組をありがとうございます。ただ、まだ、お話を伺いますと二百九十六市町村ということですので、まだまだこれからやるぞという自治体の方が多いと思いますので、せっかくですから、多少道のりは遠いかもしれませんが、目指すところはやはりネウボラだということで気概を持って頑張っていただきたいと思っております。
 また、私、去年の七月十日に当選させていただきまして、九月二十六日から国会が始まりまして、初めて議員になって厚生労働省から受けたレクチャーが実はこの子育て世代包括支援センターでございました。そのときに、先人たちの努力によってこういったセンターが日本でできるのは本当にすばらしいなと大変感動したのを覚えていますけれども、同時に、そのときに受けた印象は、ひょっとしたら行政の側からだけ見たワンストップサービスになっちゃうかもしれないなということでありました。大人の目線からだけ見た支援ではなく、やはり子供の視点というのが非常に大事であるというふうに思っております。
 窓口は一本化するんだけど、その後はまた細分化されていたり、また、そこには保健師さんが中心で働かれていると思いますけれども、当初、今随分と変えてくださいましたけれども、当初伺ったときにはその発想の中に小児科医が関わるということが余り明確化されていなかったり、あるいは、虐待は、虫歯、齲歯からも発見されることが大変多いわけですけれども、小児歯科の先生方も当初はガイドライン作りに入っていなかったりと、行政の皆様本当に良くしてくださっているんですけれども、どうしても自分の範疇のことからの発想になってしまっているのではないかなと思いました。
 一番のステークホルダーは子供たち自身でありますので、子供たちを取り巻く環境を本当によく観察していただきまして、関係者には漏れることなく十分に声を掛けていただいて、丁寧に積み重ねて制度設計をしていってほしいと思います。よろしくお願いいたします。
 さて、次の質問に移ります。
 その子育て世代包括支援センターでございますけれども、特に医療的ケア児や障害者の保護者の方、高齢出産に伴うダブルケアといった方に対してもしっかりと窓口としての機能を果たす必要があるのではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。
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吉田学#10
○政府参考人(吉田学君) 御指摘いただきましたように、医療的ケア児あるいは障害児の保護者の方、それから育児と介護のダブルケアをされている方なども含めて、全ての子育て中の方々に対してワンストップで相談対応をするということが重要だというふうに私ども思っておりまして、子育て世代包括支援センターは、御指摘のような手厚い支援が必要なケースについて通常の情報提供あるいは助言に加えて支援プランを作成するなど、より関係機関と密に連携をして専門的な支援につなげる意味での拠点という機能も望まれるというふうに思っております。
 こういう観点、基本的な考え方に立って、先ほども少し申しましたが、現在作成作業をしておりますガイドラインの中で、御指摘いただきましたように、この間いろんな形で外からも御意見をいただき、多くの方に御参画いただいてこのガイドライン、作業を進めておりますけれども、その中で明示させていただきたいというふうに思っておりまして、今後、その趣旨を実施する市区町村に伝わるように、このガイドラインの策定をしっかりと周知をさせていただきたいというふうに思っております。
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自見はなこ#11
○自見はなこ君 ありがとうございます。支援プランの作成をしてくださるということで、大変大きな期待をしております。
 皆様御存じかとは思いますけれども、医療的ケア児に対しましての休暇というのは、子の看護に関する休暇ではなく介護保険による介護休暇に当たります。加えて、高齢出産に伴った親の介護と子育てが一緒に起こるのが今の時代でありますので、介護保険のパンフレットや簡単な説明も同じ窓口で、妊娠、出産というライフイベントの初めにしてあげるようにすると大変役に立つと思います。子育て世代を一生懸命に応援しようという温かい気持ちで是非やっていただきたいと思います。
 また、実は医療的ケア児に関してでございます。
 医療的ケア児でございますけれども、実は二十歳までは親が子の世話をするべきだという考えがございまして、成人で利用可能な長時間の見守りを想定をした重度訪問介護サービスが利用することができないのが今の現状であります。このため、障害児の兄弟の授業参観は、親として参加し、その役割を果たしたいなと思ってもできないケースなどもそうですが、このサービスが利用できないことが引き起こしているそれぞれの事情、家庭の事情というのは実に切実なものがありますが、私はこれはいかがなものかと思っております。
 制度の説明を詳しく伺いますと、重度障害者包括支援というサービスが法律上あるということではありましたけれども、これの要件が大変厳しく、実施してくれる事業主が少ないことや、診療報酬上の評価が少ない、あるいは介護保険上の評価が少ないということもあり、利用ができていない現状があるということでありました。想像に難くないと思いますが、様々なところでやはり行政の壁というものにぶち当たってしまいます。
 是非、我が事・丸ごとが今の厚労省のモットーであるというふうに思っておりますので、このような壁はすぐにでも撤廃してくださいますように強くお願いを申し上げます。
 さて、次の質問に移ります。
 児童虐待を事前に防止するためには特に母親のメンタルヘルスが重要だと認識しておりますが、妊産婦への精神的なケアについて国としてどのような取組を行っているか、教えてください。
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吉田学#12
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 我が国では、いわゆる褥婦の五%から一〇%に産後うつ病が認められるという知見もあるというふうに承知しておりまして、御指摘のとおり、妊産婦のメンタルヘルスケアのための取組というのは非常に重要だと思っております。
 このため、子育て世代包括支援センターに加えまして、特に集中的な支援が必要な産前産後期の支援を充実させるために、これは歴史的には平成二十六年度から始めてはおりますけれども、子育て経験者が相談支援を行う産前・産後のサポート事業でありますとか、あるいは、助産師などの方々、専門職が母子への心身のケアを行う産後ケアという事業をこれまで実施してきております。
 さらに、こういう実績を踏まえながら、現下における課題を踏まえて、今年度から産後うつの予防などを図る観点から産後期の初期段階における母子に対する支援というものを強化をさせていただいております。具体的には、地域における全ての産婦の方々を対象に産婦健康診査という形で二回分の費用について助成を行わせていただいております。
 こういう取組を通じまして、妊娠・出産期から子育て期の女性のメンタルヘルスケアについてもしっかりと取り組ませていただきたいと思っております。
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自見はなこ#13
○自見はなこ君 ありがとうございます。
 産後うつは非常に大きな問題であります。是非、小児科、産婦人科、保健センターなど、よく皆様で連携を取って、包括的に親子を支える、お母様を支えるという支援を是非推進していっていただきたいというふうに思っております。
 さて、御存じの方もおられるかと思いますけれども、我々小児科の領域では、母子愛着形成という言葉を大変大事にしております。生後、生まれてから三歳まで、特に一歳までの間ですけれども、赤ちゃんとして生まれて、お母さんあるいはお父さんと非常にスキンシップを取る、目と目を見る、あるいは母乳のときも、お母さんが赤ちゃんの目を見ることでお互いの体内ホルモンのバランスも整って非常に情緒が安定する。もちろん、母乳だけじゃなく粉ミルクをあげているときでも、それは目と目を合わせる、スマホをしないとか、私たち小児科医はそういったことを呼びかけています。
 そして、この時期、この人格形成の基盤となる時期に、愛着形成期と申しましたけれども、この時期は人格形成において極めて重要な時期でありまして、言わば私たちの人格のプラットホームの時期であります。実は、この愛着形成がしっかりできるので人見知りが始まるというふうに言われておりまして、赤ちゃんが泣くと、人見知りが始まると、みんなあやすのが大変でもありますけれども、実はそれは心の中の人格のプラットホームができつつあって人見知りが始まっているということでありますので、人見知りが始まったということは、実は健やかな成長、発達の姿の一つでありますので、喜ばしいことであると私たちは受け止めています。
 そして、今の日本では、安倍政権の下、待機児童の解消というものがうたわれております。皆様の精力的な取組のおかげで、過去に類を見ないスピードで保育園の整備等が行われている現状がございます。それ自体は女性の就業率の上昇から見ても極めて重要な政策課題であるということは十分に承知をしていますが、その際に、子供の心、子供の目線は本当に考えられているのでしょうか。前回の法改正第一条でうたわれた、「適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく保障される権利」とは、一体何なんでしょうか。
 北欧では、両親が一歳になるまでの間にお互いに交代をして育児休暇を取ることができますので、ゼロ歳児を基本的に集団で預けるという保育の概念はないというふうに言われております。この時期でファミリーというものを形成する時期だからでございます。ただし、自宅で見るだけですと、やはり煮詰まってしまうこともありますし、子供の社会性という問題もありますので、ゼロ歳から六歳までが通う児童館のようなものも整備もされておりますし、また、その後でございますけれども、国によっては、一歳から三歳ぐらいから入れる、国によって違いますけれども、保育園と学校が一緒になったような設備や保育園と言われるものが子供の権利として保障をされております。
 今現在、我々の日本が進もうとしている道は果たして本当に子供を中心にしているのかということは、私は大変疑問を感じるときがあります。造った保育園の数で私たちは評価をしていないでしょうか。あるいは、待機児童の解消の数だけで評価をしていないでしょうか。まずは数で解消をすることは、本当に喫緊の課題としては大変重要で必要なことでもちろんありますけれども、本質、何か見失っているような気がしております。多くの女性の特に出産間もない間は、働きたいから預けるというよりも、若年世代の所得が低所得化している中、働かなければならないと思われる状態が存在するので預けているということも実際のところ大変多いと思います。女性には、もちろん男性にもでございますけれども、女性には母性がありますし、母子分離あるいは愛着形成期の引き剥がしに起こるこの悲しさというものは決して子供だけのことではなく、母親も同じように感じております。
 是非、働き方改革とセットで我々の生き方改革、是非していってほしいと思っております。次世代の健全な育成に対して政治が責任を持つならば、いま一度立ち止まって考える必要があると私は思っております。
 それから、まだ議員になって間もないですけれども、この間、厚生労働省の皆様がいかに多忙かということもよく分かりました。是非、一日だけ夜の八時に電気を消すというような取組ではなく、抜本的に厚労省丸ごとで業務改善の見直しをしていってほしいと切に願っておりますし、たとえ厚労省で働いていてもというのは語弊があるかもしれませんけれども、たとえ厚労省で働いていても六時半には帰路に就いて七時には家族と御飯を食べてという生活ができるような日本の社会に是非していきたいと思っております。
 大きな課題かとは思いますけれども、我々全体が社会でシフトしなければいけないことだと思いますので、皆様の御指導いただけると大変有り難いというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 さて、次の質問でございます。産後ケア施設についての質問に移ります。
 富山を実は前回訪問しましたときに富山市が新しい取組をしております施設を拝見いたしまして、すばらしいなと思いました。これは富山市内のレガートスクエアに設置されたばかりのセンターでございますけれども、ホテルのような産後ケア施設で、五床ございました。本当にかわいらしい、女性が好きそうな、そしてお母さんが本当にゆっくりできるような敷地の設計がされておりました。そして、その同じ建物でございますけれども、発達支援センターと在宅診療所と、それから病児保育がございました。地元医師会ともよく連携が取れていて、まだ始まったばかりの施設でありましたが、有機的に機能してくれると大変有り難いなというふうに考えております。
 さて、質問でございますが、実はその富山のまちなか総合ケアセンターというものを拝見した後でございますが、様々なことを市役所の方からお伺いをいたしました。その後、いろんな課題についてもお話を聞く機会がございましたけれども、この産後ケア事業というものを実施しております施設の中には、実は法的な位置付けが現在ないということでございました。そして、その中では、簡易宿泊所として実施しているものもあるというふうにお話も伺いました。
 このような産後ケア施設について、私は、せっかく国で進めていただきますので、多くの自治体が迷子にならないように法的な位置付けを付与するなど、今後の方向性について是非大臣のお考えを教えていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
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塩崎恭久#14
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、産後ケア事業についてお尋ねをいただきましたが、退院直後のお母さんと子供さんに対しまして心身のケア、そしてまた育児サポートなどを行って、産後も安心して子育てができるようにということで支援体制を構築する、その目的のために平成二十六年度にモデル事業として一部開始をして、二十七年度から予算事業として継続的に本格実施をしているのがこの産後ケア事業でございます。
 この事業の中で、一部の自治体では、産後ケアセンターなどの名称を用いまして休養のための宿泊もできるという、そういう機会を提供をしている独立した施設もありまして、そこについて今法的な位置付けが不明確であるがゆえにいろいろ問題があるということを御指摘をいただいたわけでありますけれども、特に旅館業法など他の法律との関係について、この事業のガイドラインを作成をいたしまして可能な限り整理をするということとしております。現在、事業を実施している市町村を含めた関係者と話合いを進めておりまして、ここで不都合がないように調整をしてまいりたいというふうに思っております。
 また、法律的に新たな枠組みを設けるということにつきましては、この事業の将来的な課題の一つではないかというふうに思っておりますので、今後の事業の実施状況などを見て、また関係者の御意見をしっかり踏まえて対応をしてまいりたいと思っております。
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自見はなこ#15
○自見はなこ君 ありがとうございます。将来的な課題の一つというふうな御発言、大変心強く思っております。
 いろいろな様々な自治体で開設しようとする方はやはり同じところで悩んでいるようでして、助産院として開設しようとするのか、あるいは簡易宿泊所として開設するのかというところで皆様壁に当たるようでございます。そして、やはり簡易宿泊所ですと、宿泊所としてのカウンターですとか帳簿、台帳ですとか、そういったものも整備しなければいけないということですとか、あるいは泊まりたいといった人を拒否することができないですとか、いろいろな不都合があるようでございますので、是非、産後ケアセンターのケア施設、すばらしい取組でありますので、法的な位置付けを将来の課題として取り組んでいっていただけたら大変有り難いと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、次の質問に移ります。
 乳幼児健診の未受診の中に虐待が多いとの指摘がございますが、乳幼児健診の受診率は現在どのようになっているでしょうか。
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吉田学#16
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 母子保健法では、一歳六か月の健診それから三歳児健診というのを市区町村に義務付けております。私ども、地域保健・健康増進事業報告によりますと、平成二十七年度の受診率は、一歳六か月児健診が九五・七%、三歳児健診が受診率は九四・三%でございます。
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自見はなこ#17
○自見はなこ君 九五・七%という数字でございましたけれども、児童虐待防止のためにもこの未受診の者に対してのフォローが是非とも必要であるというふうに考えておりますが、どのようにフォローしているのか、教えてください。
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吉田学#18
○政府参考人(吉田学君) 乳幼児健診をお子さんに受けさせていない家庭というのは、受けさせておられる家庭よりも虐待リスクが高いという指摘もございます。未受診家庭の把握を通じまして、私どもまさに虐待予防の支援につなげるということが重要だと思っております。
 未受診家庭に対しましては、家庭訪問等により受診勧奨に努めるということ、あるいは、それでも受診いただけない場合には児童福祉担当部局等に母子保健担当から情報をつなぎまして、連携して子供の安全確認を徹底するということをこれまで市区町村、いろんな機会を通じて求めております。
 いずれにしましても、乳幼児健診を始めとした母子保健施策と児童虐待防止対策というのが連携を深めなきゃいけないという認識でございますので、虐待の発生予防、早期発見に全力を挙げて、関係者の御協力もいただきながら取り組みたいと思っております。
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自見はなこ#19
○自見はなこ君 ありがとうございます。
 市区町村の取組を深めてくださっているということで本当にすばらしいと思うんですけれども、介護保険のときにも議論になりましたけれども、やはり最近は自治体への負担というものを私は大変心配も同時にしております。こうあればいいというものを、完璧なものを求めれば求めるほどそのしわ寄せは自治体に行きます。今朝のニュースでもやっておりましたし、最近のニュースでもやっておりましたけれども、やはり自治体がそろそろ、高齢化が進展していることに伴い、自らの議会をどう運営していくか等々についての話が出てまいりました。
 私も全国行脚をする中で、実は日本を本当に五周近く回らせていただいたんですけれども、初めの一周目だけは都会を回ったんですけど、あとは全部地方を中心にあえて回らせていただきました。そのときに感じましたのは、地方はもう限界なんだということであります。シャッター通りも本当に日常的にありますし、それから医師会のことでいえば、医師会の先生方が、大体七十歳の先生方が休日夜間診療所を当番で支えてくださっておりますけれども、あと三年後、五年後、十年後、これがどういう形になるかということの答えは、やはり明確であります。
 その中で私たちは打ち出したい社会というものがあるわけでありますけれども、市区町村のこの働き、機能というものを本当に包括的に見直してあげなければ、とてもではないんですけれども職員になりたいと思う人もいないでしょうし、それから本来私たちがしたいと思っている仕事が完遂するところまで行く手前で多くの方が疲労してしまうんではないかなと思います。
 児童虐待にしましても、私が経験しました例で、特に都会でございましたけれども、院内に入院しておりました方、通報してから一か月半も児童相談所の方来なかったのでどうしたんだろうと思いましたら、六十何番目の待ち順であるということでありまして、ここにたどり着くまで大変だったんですという話を伺ったことがあります。
 都会にもそういった問題がございますし、地方はまた別の問題がありますので、是非そういったことを、日本の国の実情をよく踏まえた上での施策を是非柔軟に執り行っていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それから、次の質問に移ります。
 特定妊婦やハイリスク妊婦というものをどのように現在把握していますでしょうか。また、これらの者の把握のための対応を私はより一層充実すべきだと思っております。特に産婦人科医と小児科医の連携が必要ではないかと思いますが、そのお考えをお聞かせください。
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吉田学#20
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 特定妊婦あるいはハイリスク妊婦と言われる方々の把握につきましては、まず、先ほど来御指摘もいただいております子育て世代包括支援センターというのが期待できるということで、ここでは、妊娠の届出等の機会に得た情報を基に、妊娠、出産、育児に関する相談を行っております。また、必要に応じて、例えば御指摘のようなハイリスクの方につきましては個別に支援プランを立てるということ、先ほども御答弁申し上げました。さらに、児童相談所、学校、医療機関等の地域の関係機関もつながって、切れ目のない支援を関係者でやるという形で行うべく今運営をしていただいているというふうに思っております。
 この中には小児科あるいは産科のお医者さん方も含めた地域の関係機関の方々がお集まりをいただけるという形になっておりますし、そのための定期的な連絡会議を行って密な連携を図っていくこともお願いしております。モデル的に先行していたセンターを含めまして、こういう考え方に立った運営が今後できるセンターにおいても実現していただけるようにこれからも取り組んでまいりたいと思います。
 また、加えて、昨年の児童福祉法の改正によりまして、病院、診療所などが特定妊婦あるいは要支援児童と思われる方を把握した場合につきましては、その情報を市町村に、地元の市区町村に提供するよう努めるという規定を設けさせていただきました。これを受けて、妊産婦の方々からの相談を待つだけじゃなくて、積極的にアプローチをして支援につなげるということ、その際には市区町村に設けております要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協と言っておりますが、要対協を活用した関係機関との連携ということが必要になるというふうに思っておりまして、この間、我々も、日本医師会あるいは日本小児科医会、日本産婦人科医会等の方々にも御協力をいただきながら、こういう形で行ってはどうかという周知をさせていただいております。
 さらに、二十九年度予算におきましては、新たに産前・産後の母子支援事業という形で創設をさせていただいて、産科医療機関等に配置したコーディネーターの方が特定妊婦の方々を支援するというモデル事業も実施しております。これ現在事業者の募集中でございますけれども、こういう取組を通じまして、今おっしゃっていただきました特定妊婦あるいはハイリスク妊婦と言われる方々に対する必要な支援がきちっと届くように取り組ませていただきたいと思っております。
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自見はなこ#21
○自見はなこ君 ありがとうございます。ハイリスクの方に対してコーディネーターを設置してくださるということは大変有意義であると思っております。
 といいますのが、やはり産婦人科、小児科の医療の現場では、本当に忙しい外来を、あるいは入院患者様への処置をしております。冬場になりますと、一日二十四時間当直しますと百人の患者さんをインフルエンザ等がはやったときには診ることもありますし、また、平日の外来でも午前だけで五十人以上、あるいは先生によっては八十人、百人というのを分担しながら診るということもある中で、そういった中で、実はこの子ハイリスクかなという方が来られるのが現状なんですけれども、電子カルテでは見えませんけど紙カルテですと、こんなに積もり積もったカルテがある中で、この子に対して何をしてあげられるんだろうと思うんですけれども、このカルテもさばかなければいけないという中で、かなり現場では、実は、誰かにそれを引き継いでもらいたい、あるいはコーディネーターになってもらいたい、一緒に関わりたいんだけど自分だけではもう時間が足りないというのが現状でありますので、こういったコーディネーターの方が有機的に機能するような仕組みづくりについても是非考えていっていただければ有り難いと思っております。
 また、もう一問質問でございますが、児童虐待について、お答えいただいたかもしれませんけれども、児童相談所のみならず、住民に身近な市町村における体制の整備も進めていく必要があるのではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。
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吉田学#22
○政府参考人(吉田学君) お答えをいたします。
 まさに、児童相談所も非常に通報が多くて繁忙を極めております。担当者の方々も非常にお忙しい思いをされておりますし、やっぱり地域でいろいろと向き合うためには、児童相談所の体制強化も片一方で進めますが、在宅ケースと言われるものを中心に市区町村の相談体制の強化というのも重要であると思っております。
 昨年の法改正によりまして、その体制強化についての、例えば拠点を設けるための設置努力義務でありますとか、先ほど申しました要対協の調整機関への専門職の配置義務化、あるいは専門職の方に関する研修受講の義務化という仕組みをつくらせていただきましたし、予算におきましては、その拠点の運営費用の補助あるいは既存のハードで必要ならば改修の費用、そして要対協の調整機関の専門職の方々に対する研修を開催するための費用なども確保させていただいております。
 非常に現場は大変だと思いますけれども、その方々の支援をしっかりさせていただいて、市区町村、そして関係機関が連携した形で取り組むように、我々も支援してまいりたいと思っております。
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自見はなこ#23
○自見はなこ君 誠にありがとうございます。是非しっかりとした取組をお願いいたします。
 今日は様々質問させていただきましたけれども、児童福祉法の精神であるこの子供の福祉ということでございますが、私はやはりもう一つ大変大事なことがあると思っております。繰り返し同じ視点からお話をさせていただいておりますけれども、それは、子供を取り巻く環境は社会の課題そのものであるという認識が必要であるということであります。そのような認識の下で、公衆衛生学的な視点を入れて、子供を取り巻く環境を包括的に、科学的に、客観的な知見に基づいて、このPDCAサイクル、何が問題でどうやって対応したらいいのかというこのサイクルを政策として回していくことが何より求められていると思っております。
 そして、現在の法律の立て付けでは、国が地方における専門性ばらつきを解消し、均てん化を図り、児童が適切に養育される体制確保や助言や情報の提供を図るとなっております。ただ、子供の心身が健やかであるということに対しては、御承知のとおり、厚労省の中でも担当部署が実に多岐にわたっております。病児保育一つを取っても幾つの課にまたがりますし、それがまた医療的ケア児やあるいは保育中に発見された児童虐待となってもその担当課は更に多くなってまいります。そこに本来は保護者の利用できる制度が、また介護保険、先ほど申しました、等々が入り込みますと、今度は労働の分野にまで及ぶということで、実に様々な課がまたがっているのが現状であります。これがやはり現状ではございますけれども、これを何とか私は解消してほしいと思っております。
 その中で、先ほどから申し上げております情報提供の部分に関しましては、小児科医を是非積極的に参画させていただきたいというふうに考えております。小児科医会が二十年間にわたり小児保健法を、今は成育基本法というものの議員立法を目指しておりますけれども、現在、私は、これは閣法であるべきだというふうにすら感じております。ネウボラの創立もそうですが、是非是非もっともっと考えを深めていっていただきまして、この施策を進めていっていただきたいと思います。
 国家にとって最も大切なものは私は子供であると思っておりますし、是非これからも精力的な取組をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
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三原じゅん子#24
○三原じゅん子君 自由民主党の三原じゅん子でございます。
 時間が押していることと、あと、自見先生と今重複する質問があるかと思いますので、幾つか質問を飛ばさせていただきながら御質問をさせていただきたいと思います。
 虐待かもと思ったらいちはやく一八九番、皆さんも御存じのことと思います。これは平成二十七年の七月一日に開始されました児童相談所の全国共通ダイヤルでございます。
 自民党本部には女性局という部署がございます。この子供の児童虐待についてずっと研究をしてまいりました。この委員会でも、歴代の女性局長、石井みどり先輩、そして私、そして今現在は高階恵美子委員が女性局長を務めておられますけれども、この女性局では、自民党が野党時代でありましたが、当時の谷垣総裁から児童虐待について研究をしてほしいという指示がございまして、党の女性局、そして自民党本部の中にプロジェクトチームを立ち上げまして、この二つがタッグを組んで、全国の地方議員の皆様方を巻き込んでこの児童虐待問題というのを研究してまいりました。
 理由は、皆様御承知のとおり、谷垣当時総裁は法律の専門家でいらっしゃいました。そして、過去の数々の凶悪事件を事細かに調べておられたそうです。そのときに、加害者であられた方たちの人生の生い立ちから家庭環境、家族関係、そうしたものを調べていくうちに、凶悪犯ほど幼児期に複雑な家庭環境、家族との関わりがあることに気付いたということだったそうです。それならば、そうした凶悪な事件が起こる前に、幼児期の家庭環境を整えて、虐待のない社会を築くべき取組を女性局で是非行えというものであったと私は記憶しております。
 全国の自由民主党の女性議員、地方議員の方に、児童虐待防止の法律に基づいてうちの自治体は児童虐待の対策きちんとできていますかとか、そうしたことを議会で質問していただくというキャンペーンを行ったり、また、広報活動の一環といたしまして、みんなで考える児童虐待ゼロ標語、こうしたものもホームページで募集して、全国から千五百件以上の応募作品を集めたこともございました。また、月と日の数字が重なる日、例えば二月二日、三月三日、そうした日を子供たちを児童虐待から守る日と定めまして、全国の女性局で街頭演説会を行ったり勉強会を行う、こうしたこともしてまいりました。また、多くの事例がありますアメリカへの視察の勉強会、これも行ってまいりました。全国の多くの女性局の皆様と一緒に、アメリカの児童虐待への厳しさ、こうしたことも学んできたところでございます。
 さて、虐待といっても大きく四つに分かれております。一つ目が身体的虐待、これはもう殴る、蹴るという暴力であります。二つ目は性的虐待、これは、密室性が高く、思春期を過ぎて成人になられてからも複雑な影響があるという場合もございます。三つ目がネグレクト、いわゆる食事を与えないとか、病気なのに病院に連れていかない、不衛生な環境に置いておくという、言葉の直訳どおりに、無視、放置状態に置かれている状態であります。そして、四つ目が心理的虐待、これは言葉の暴力、そしてあるいは、最近では子供たちの目の前で両親がDVを行う、これもこの心理的虐待に入るということとなりました。地域の目というのがこの児童虐待には大変必要だと思っております。
 ということで、全国の自民党の女性議員、女性党員の皆様、また専門家の方たちといろいろと議論をいたしまして、様々な論点が出てきて、また事例報告なども集約されてまいりました。しつけと暴力は異なるということ。虐待を受けている子供たちは自分が間違っていたり能力が足りないから親から怒られるんだと錯覚をして、自分自身を責め、自己評価を著しく下げてしまうケースもあるということ。虐待には、当該御家庭の地域や社会からの孤立や貧困、そして育児のストレス等々も背景にあるということ。
 そして、全国の皆様と議論をさせていただいたことを思い出してみますと、平成十二年に児童虐待防止等に関する法律が施行され、平成十六年改正のときに立入調査の強化ということで警察官の同行ができるようになり、そして、平成十九年、家庭裁判所の令状を取っての臨検制度が行えるようになり、平成二十三年には親権の一時停止をさせ、子供の監護権などを一時的に停止をして、児童相談所の所長が見ることができるようになりました。そして、平成二十七年七月一日より、冒頭申し上げました、全国共通ダイヤル一八九、虐待かなと思ったらいちはやくというサービスを始めました。虐待かもと思ったらいちはやく一八九番へ、かわいい赤ちゃんの横顔が写されたオレンジ色のポスターであります。もちろん、今も私の議員会館の事務所にもこのポスターをずっと貼らさせていただいております。
 これまでの厚生労働委員会や厚生労働省の皆様の議論を基に、虐待から児童を守るためにこんなふうに順を追って法整備をされてまいりました。このような経過をいろいろと思い出し、考えながら今回の法改正の質問をさせていただきたいと思います。
 近年、児童虐待相談対応件数が大きく増加しています。平成二十七年度の対応件数は、児童相談所では初めて十万件を超え、市町村でも九万件強と過去最多となりました。児童相談所における対応件数は、児童虐待防止法が施行される前の平成十一年度と比べて、この十六年で八・九倍に増えております。これは必ずしも児童虐待事例そのものが急激に増えているということではなく、これは児童虐待が発見されて通報される件数が増えたという見方もあるのかと思われます。
 児童虐待の通告、相談手段として、先ほどから申し上げております児童相談所全国共通ダイヤル「いちはやく」、これが導入されておりますが、これは、虐待を受けたと思われる子供を見付けたとき、あるいは子育てに悩んだとき、こうしたときにためらわずにすぐに児童相談所に通告、相談ができるようにという趣旨で導入されたものでありました。それまでの十桁の番号から覚えやすい三桁へと変更されたということは、これは全ての児童相談所で運用され、虐待通告と緊急相談等について二十四時間三百六十五日の対応がなされている、児童虐待の早期発見に資することから、三桁化には一定の評価をするところではあります。
 しかしながら、子供の権利擁護運動をされている神奈川県の伊勢原市の女性医師と私対談させていただいたときに指摘をされたことがございます。このダイヤル、児童相談所につながるまで郵便番号を入力したり幾度も幾度も待たされたりと、物すごく時間が掛かり過ぎて途中で切れてしまう、こんな問題もあったということでありました。
 厚生労働省は、昨年の四月から音声ガイダンスの所要時間を短縮するなどの改善を行ったということは承知しておりますが、これまでの取組も踏まえながら、今後の「いちはやく」の改善のために、一八九番の改善のためにどのような取組を行っていくのか、改めてお伺いしたいと思います。
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吉田学#25
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 今御指摘いただいております児童相談所全国共通ダイヤル、いわゆる「いちはやく」につきましては、委員もお触れいただきましたように、それ以前の音声ガイダンスが長いとか郵便番号等の入力操作が非常に必要だという御指摘を踏まえまして、昨年、二十八年の四月から音声ガイダンスの短縮等の改善を図ったところでございますが、いまだいろいろと課題も抱えているということでございまして、私ども、この二十九年度予算におきましては、発信者の利便性向上、あるいは児童相談所につながるまでの時間を短縮するということを目指して、これは本年の秋を目途と今しておりますけれども、郵便番号等の入力が必要な携帯電話などからの入電につきましてはコールセンター方式という形を導入させていただいて、音声ガイダンスに代わったオペレーターで対応するという仕組みを構築させていただこうと思っております。
 いずれにいたしましても、こういう形で発信者の利便性を高めて、「いちはやく」の有用性、そしてそういう形での虐待の早期発見につながるように我々も不断の努力をさせていただきたいと思っております。
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三原じゅん子#26
○三原じゅん子君 「いちはやく」ですから、スピード感を持ってお願いしたいと思います。
 今回の法改正は、児童福祉法第二十八条の施設入所等の措置の申立てがあった場合に、家庭裁判所が都道府県に対して保護者に対する指導措置をとるよう勧告することができる内容となっております。
 これまで行政が中心となって実施されてきた保護者指導に対し、司法が関与することによりどのように指導の実効性を上げることができるのでしょうか。あわせて、どのような事案にこの制度の活用が期待されるのでしょうか。お願いします。
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吉田学#27
○政府参考人(吉田学君) 今回の改正法案では、里親委託あるいは施設入所などの措置の承認の申立てがあった場合に、家庭裁判所が都道府県等に対して保護者指導を勧告することができるという仕組みにし、家庭裁判所はその結果を踏まえて審判するという仕組みにさせていただいております。
 保護者の方々が家庭裁判所の勧告の下での指導に従ったかどうかということが、里親委託あるいは施設入所等の措置、これは結果的に親子を分離するという形になりますので、それに係る審判においての重要な判断要素ということになる、判断要素の一つとして考慮されるということでございますから、この旨もお伝え申し上げれば、保護者の方々に対して一定のその効果が見込まれるのではないかというふうに思っております。
 加えまして、私ども、今回の改正法案では、家庭裁判所が勧告をした場合には保護者の方々に対して勧告した旨を通知するということにしておりまして、裁判所が勧告した事実が保護者に裁判所から直接伝わる、それ以前に児童相談所とはやり取りをしていると思いますが、そこに裁判所から話が来るということで、重ねて指導の実効性が高まるのではないかと思っております。
 また、こういう今回導入いたします勧告の仕組みの活用される事案についてお尋ねをいただいておりますけれども、いろいろあろうかと思いますが、例えばで申し上げれば、保護者によるネグレクトが長期化していて、必ずしも緊急性は高くないかもしれないけれどもお子さんにとっては不適切な養育が続いているという事案につきましては、家庭裁判所の関与の下での実効性ある保護者指導が行われれば引き続き家庭養育が可能であるというケースもあろうかと思いますので、このような場合などを想定しているところでございます。
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三原じゅん子#28
○三原じゅん子君 重複するかもしれませんが、今回の法改正では、施設入所等の措置の申立てに対して却下の審判をする場合、すなわち在宅での養育となる場合においても、家庭裁判所は都道府県に対して保護者に対する指導措置をとるよう勧告することができることとなっております。
 これまでも、申立てを承認した場合には、家庭裁判所が都道府県に対して保護者指導を勧告できる制度はありました。この度、新たに申立てを却下した場合にも勧告できる制度を導入したこの趣旨は何ですか。そして、あわせて、この指導に保護者が従わなかった場合には児童相談所はどのような措置をとることができるんですか。
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吉田学#29
○政府参考人(吉田学君) 今御指摘いただきましたように、家庭裁判所の勧告に基づく指導が功を奏して、結果的には親子分離までは不要という申立てが却下された場合も今後あろうかと思いますが、このような場合についても、指導を行う前の状態に、家に帰したら単純に逆戻りしちゃうということにならないように、引き続き養育環境の改善が図られることが重要だというふうに思っておりまして、そういう意味からいうと、却下の審判をするというだけではなくて、審判後も引き続き家庭裁判所の勧告の下での実効性ある保護者指導を行うことができるという意味では、却下した事案においても勧告の仕組みを設けるという形にさせていただいたところでございます。
 また、却下の際の勧告の下での指導に保護者が従わなかった場合という御質問をいただいております。児童相談所としましては、再度、児童福祉法第二十八条の措置の承認の審判の申立てを行うかどうかということを現場では検討することになろうと思います。その上で、実際に家庭裁判所に対して再度の申立てが行われた場合には、勧告の下での指導に保護者が従わなかった点も踏まえて、今度は家庭裁判所において審判が行われることになるだろうというふうに想定しております。
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