外務委員会

2018-11-21 衆議院 全130発言

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会議録情報#0
平成三十年十一月二十一日(水曜日)
    午前九時四分開議
 出席委員
   委員長 若宮 健嗣君
   理事 小野寺五典君 理事 木原 誠二君
   理事 新藤 義孝君 理事 武井 俊輔君
   理事 堀井  学君 理事 寺田  学君
   理事 小熊 慎司君 理事 遠山 清彦君
      小田原 潔君    小渕 優子君
      黄川田仁志君    古賀  篤君
      高村 正大君    佐々木 紀君
      杉田 水脈君    鈴木 憲和君
      鈴木 隼人君    辻  清人君
      中曽根康隆君    中山 泰秀君
      穂坂  泰君    山田 賢司君
      櫻井  周君    山川百合子君
      青山 大人君    高木 陽介君
      岡田 克也君    玄葉光一郎君
      穀田 恵二君    杉本 和巳君
      井上 一徳君    中山 成彬君
    …………………………………
   外務大臣         河野 太郎君
   法務副大臣        平口  洋君
   厚生労働副大臣      大口 善徳君
   外務大臣政務官      鈴木 憲和君
   外務大臣政務官      辻  清人君
   外務大臣政務官      山田 賢司君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  清水 茂夫君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 山内 由光君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 飯田 圭哉君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 桑原  進君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 岡野 正敬君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 齊藤  純君
   政府参考人
   (外務省アジア大洋州局長)            金杉 憲治君
   政府参考人
   (外務省領事局長)    垂  秀夫君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           田畑 一雄君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           度山  徹君
   政府参考人
   (海上保安庁次長)    一見 勝之君
   外務委員会専門員     小林 扶次君
    —————————————
委員の異動
十一月二十一日
 辞任         補欠選任
  高村 正大君     穂坂  泰君
  鈴木 隼人君     古賀  篤君
  井上 一徳君     中山 成彬君
同日
 辞任         補欠選任
  古賀  篤君     鈴木 隼人君
  穂坂  泰君     高村 正大君
  中山 成彬君     井上 一徳君
    —————————————
十一月二十日
 経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第一号)
 日本国と欧州連合及び欧州連合構成国との間の戦略的パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件(条約第二号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 社会保障に関する日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第三号)
 経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第一号)
 日本国と欧州連合及び欧州連合構成国との間の戦略的パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件(条約第二号)
     ————◇—————
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若宮健嗣#1
○若宮委員長 これより会議を開きます。
 社会保障に関する日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本件審査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房審議官飯田圭哉君、大臣官房審議官桑原進君、大臣官房審議官岡野正敬君、大臣官房参事官齊藤純君、アジア大洋州局長金杉憲治君、領事局長垂秀夫君、内閣官房内閣審議官清水茂夫君、法務省大臣官房審議官山内由光君、厚生労働省大臣官房審議官田畑一雄君、大臣官房審議官度山徹君、海上保安庁次長一見勝之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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若宮健嗣#2
○若宮委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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若宮健嗣#3
○若宮委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。黄川田仁志君。
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黄川田仁志#4
○黄川田委員 自由民主党の黄川田仁志でございます。
 本日は、日中社会保障協定の審議ということでございますが、あわせて日中関係全般についても質問させていただきたいと思います。
 まず、日中社会保障協定から入らせていただきます。
 我が国は、中国に最も多く海外進出しているということがございまして、年金の掛金の二重払いについては日本企業の負担も大きく、業界から、この二重払いの解消のために社会保障協定を結んでいただきたいという強い要望が来ていることから、本協定を結ぶことは大変意義があるというふうに考えております。
 そこで、中国が外国人に対して年金制度への加入を義務づけられたのが二〇一一年十月でございまして、かなり時間がたっております。本国会に上がってくるまでにこれだけの時間を要しましたことに対して、これまでの経緯について教えていただきたいと思います。
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金杉憲治#5
○金杉政府参考人 お答えさせていただきます。
 委員御指摘のとおり、平成二十三年十月以降、外国人が中国国内で就労する場合に、中国社会保険法などに基づき、社会保険に加入することとされました。
 我が国としましては、こうした状況を受けて、駐在員の方の負担の軽減を図るという観点から、平成二十三年五月の日中外相会談において、社会保障協定の締結交渉の早期開催を中国側に働きかけ、二十三年十月に、第一回の政府間交渉が開始をされました。その後、日中間の種々のやりとりが停滞したことはもう御承知のとおりでございますけれども、その間、社会保障協定も三年以上にわたり交渉が行われなかった時期がございます。
 その後、計八回の政府間交渉を経まして、平成三十年一月の日中外相会談において実質合意に至ったことから、平成三十年五月九日、東京におきまして、両国首脳の立会いのもと、本協定の署名を行ったという経緯がございます。
 以上でございます。
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黄川田仁志#6
○黄川田委員 ありがとうございます。
 三年間なかなか交渉が進まなかったということでございましたが、ようやくこうして日の目を見るに当たり、この社会保障協定、しっかりと前に進めていただきたいと思っておりますが、ただ、この社会保障協定におきまして、中国の年金制度では、我が国と同様に、保険料について、企業が負担する分と個人が負担する分とで成り立っております。
 本協定にはいわゆる通算規定がないことから、中国において、年金加入が五年以上経過して、また、最低加入期間の十五年を下回った場合には、企業負担は掛け捨てになってしまうということになっております。個人負担分の保険料については中国国内法で戻ってくる可能性があるということでございますが、企業負担分の保険料については戻ってこないということでございますが、このあたりは何か調整するとか、これはこのままでいかなければならないか、そのあたりをお聞かせいただきたいと思います。
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金杉憲治#7
○金杉政府参考人 お答えさせていただきます。
 御指摘のとおり、中国の年金制度には、保険料の個人負担分につきましては、申請により被保険者本人に対して払い戻す制度がございます。他方で、企業負担分については、この点も御指摘のとおりでございますけれども、このような制度は存在しておりません。
 こうした中で、今回の協定には通算規定というものが盛り込まれておりませんが、通算規定が存在すれば、企業負担分も含めて保険料の掛け捨ての問題は解消されるという状況がございます。
 通算規定につきましては、交渉の過程で、中国側から、将来的に保険期間の通算規定も設ける可能性を排除しないという説明がございましたので、この点については引き続き政府としても検討してまいりたいというふうに思います。
 なお、中国に我が国から派遣される方々の約九〇%は派遣期間が五年以下というふうに推計されておりますので、こうした方々につきましては、協定発効後は日本の年金制度のみに加入しますので、掛け捨てという問題は生じないということがございます。
 いずれにしましても、通算については引き続き政府として鋭意取り組んでまいりたいと思っております。
 以上でございます。
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黄川田仁志#8
○黄川田委員 ありがとうございます。
 本協定におきましては、日本の企業人の方の九割がカバーできるということでございます。ただ、あとの一割の方、また企業の負担についても、やはり一〇〇%カバーできるように、今後とも、今のお答えのとおり、通算規定を盛り込むということで引き続き締結後も外務省として努力していただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 そして、この中国と社会保障協定を結ぶということは、日中両国の経済的なつながりを更に発展させることになりますので、大変重要でございます。
 ただ、中国と日本の関係、御案内のとおり、いいことばかりではございません。経済的な結びつきを深める一方で、安全保障の問題、また、中国の国内、特に人権問題等がございます。ですので、後半は、この中国に対するちょっと懸案について気がかりなことがあるので、お答えいただきたいと思います。
 まず、新疆ウイグル自治区で懸念されている人権問題について質問させていただきたいと思います。
 昨今、さまざまな情報によりますと、中国北西部の新疆ウイグル自治区で、ウイグル族などの最大で百万人ものイスラム教徒が再教育収容施設と言われるところに拘束されているという情報がございます。訴追や裁判などの手続もなく、一方的に多数の人たちが拉致され拘束されたと言われております。このことが真実であるならば、近年まれに見る規模の人権侵害が行われている可能性がございます。
 現時点で外務省がこの問題について得ている情報がありましたら、教えていただきたいと思います。
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金杉憲治#9
○金杉政府参考人 お答えさせていただきます。
 委員御指摘のようなさまざまな人権侵害については、国際社会の報道もございますし、あるいは、国際機関の中で、ことしの八月の人種差別撤廃委員会による対中審査、さらには、十一月六日に行われました国連人権理事会で開催された普遍的・定期的レビュー、いわゆるUPRレビューというものがございますけれども、この対中審査におきまして、イスラム教徒が再教育キャンプに収容されていること、あるいは、その数が数万から百万とも見込まれているといったようなことが指摘をされております。
 日本政府としましては、国際社会において普遍的な価値であります自由、基本的人権の尊重、法の支配が中国においても保障されることが重要だというふうに考えておりますので、新疆ウイグル自治区における人権状況につきましても、強い関心を持って注視しているところでございます。
 以上でございます。
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黄川田仁志#10
○黄川田委員 日本としては引き続き注視していくということでございますが、具体的に動き出している国もございまして、報道によると、米国では、連邦議会の超党派グループが、百万人のイスラム教徒が強権体制によって不当に拘束され労働施設に収容されている状況に目をつむるべきではないとして、中国当局に対する責任を追及する法案を提出したということでございます。また、国務省に対して、新疆ウイグル自治区共産党幹部らへの制裁を検討するよう要請し、また、国務省内に新疆問題を取り扱う特別調整官のポストも新設するよう勧告したということでございます。ほかにも、国際社会でこの問題に対してさまざまな動きが見え始めております。
 我が国も国際社会と足並みをそろえる形で何らかの具体的な対応が必要ではないかと考えますが、どのように考えているのか、外務省、よろしくお願いいたします。
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金杉憲治#11
○金杉政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のとおり、十一月の十四日、これはアメリカ時間でございますけれども、アメリカの連邦議会におきまして、超党派議員がウイグルの人権状況をめぐり制裁検討などを促す法案を提出したというふうに承知をしております。
 日本政府としての立場は先ほど御答弁申し上げたとおりでございますけれども、こうした日本の立場につきましては、さまざまな機会を捉えて中国側に直接伝達してきております。
 例えば、先月北京で行われました日中首脳会談におきましても、安倍総理から李克強国務院総理に対しまして、ウイグルの情勢を念頭に置きながら、中国国内の人権状況について注視をしており、日中間でも意思疎通を強化したいということを伝達したところでございます。
 また、先ほども御答弁させていただきました、今月六日に行われましたジュネーブでの国連人権理事会の普遍的・定期的レビュー、対中審査におきましても、日本政府からウイグルの人権状況などに言及しながら、中国の人権状況について勧告を行っております。
 日本政府としては、状況を注視しつつも、国際社会と連携しながらしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。
 以上でございます。
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黄川田仁志#12
○黄川田委員 ありがとうございます。
 中国におきましてもう一つ気がかりなことは、日中間で起きている海洋問題でございます。
 もう御案内のとおり、尖閣諸島に頻繁的に中国海警局の船がたびたび侵入していること、また、日中中間線の日本側の海域で中国が新たに海上ブイを設置したこと、さらには、以前から懸念事項であります海上ガス田の海域で、ことし六月に新たに移動式掘削船が設置され、十七基目の海洋プラットホームの建設が懸念されるなど、中国の傍若無人な海洋進出がとまることはございません。
 中国との間にこのような海洋問題が生じるたびに日本政府もたびたび抗議をしておりますが、一向に改善される兆しがないことに国民の皆様も大変な憤りと不安を感じていると思います。
 また、先月行われた日中首脳会談においても、東シナ海を平和、協力、友好の海にすることを確認し、東シナ海資源開発に関する二〇〇八年合意の完全な堅持を改めて確認したと聞いております。にもかかわらず、この首脳会談後に尖閣諸島接続水域への中国公船の侵入が更に活発したということについては大変な怒りを覚えているわけでございます。我々のやり方に限界が来ているのではないかというふうにも感じております。
 このような状況において、外務省として、この日中間の海洋問題に対してどのように今後厳しい態度をとっていくか、見解を教えてください。
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金杉憲治#13
○金杉政府参考人 お答えさせていただきます。
 御指摘のとおり、日本からのたび重なる抗議にもかかわらず、東シナ海において御指摘のような問題が継続していることは極めて遺憾でございます。
 中国に対してはその都度厳正に抗議を行っておりますし、その際、尖閣諸島周辺海域への公船派遣の中止、東シナ海資源開発に関する日中間の協力についての二〇〇八年合意に基づく協議の早期再開、日中中間線の日本側海域における海上ブイの撤去などを強く求めてきております。先月の安倍総理の訪中では、御指摘のとおり、東シナ海を平和、協力、友好の海とするということを決意として総理からも直接示していただきました。
 外務省といたしましても、二〇〇八年合意に基づく交渉の早期再開等々について、しっかりとフォローアップをしていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
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黄川田仁志#14
○黄川田委員 では、最後に大臣に御質問したいと思います。
 これら、中国にしっかりと日本の態度を示すためにも、自由で開かれたインド太平洋戦略のもと、航行の自由、また海上の安全を確保するよう努めなければならないと思います。
 そこで、日本のプレゼンスを強化するために、外務省では、太平洋ではバヌアツ大使館、そして南シナ海に面しているところではベトナム・ダナン領事事務所の新設を要求していると聞いております。これらの新設は大変この戦略上重要と考えておりますが、大臣の見解を教えていただきたいと思います。
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河野太郎#15
○河野国務大臣 在外公館の数をなるべくふやそうという話があって、私が行革担当大臣のときに、公館の数をふやすけれども人数を絞るといって、ミニマムマイナス公館というのをつくりました。実際、そういう公館に行きましたら、とても回らないんですね。館員が休みがとれないという現実を目の当たりにして、ちょっとこれは方針を変えなきゃいかぬと。むしろ、公館の数をふやすよりは、その公館の人をきちんと手当てをして、ちゃんと仕事ができるようにしなきゃいかぬということで、少し、公館の数をふやすのはなるべく抑えぎみにして、館員の数をきちんと手当てするという方向にかじを切ろうと思っているところでございます。
 ただ、その中にあっても、このバヌアツ、ダナンというのは南シナ海あるいは太平洋の重要なシーレーンに接しているところでございますので、自由で開かれた海洋秩序ということを考えたときに、あるいは自由で開かれたインド太平洋ビジョンというのを考えたときに、やはりこういう公館はなるべく早目に設置をして、しっかりと日本の戦略の実現に向けて努力をしていきたいというふうに思っておりますので、そういう感じでこれからの予算折衝をしっかりやっていきたいと思っております。
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黄川田仁志#16
○黄川田委員 以上で質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
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若宮健嗣#17
○若宮委員長 次に、杉本和巳君。
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杉本和巳#18
○杉本委員 維新の杉本和巳です。
 まずもって、きょう、質問の時間を、委員長そして両筆頭を始め理事、委員の各位の御了解をいただいて、順番を先にさせていただいているということに感謝を申し上げます。ありがとうございます。
 さて、質問に入らせていただきますが、まず、ちょっと私の勝手な意見を開陳させていただきます。
 INF全廃から米国が離脱したということがあって、いろいろな表面上の御意見というのは、お立場のある方はいろいろしなきゃいけなかったりとかということなんですけれども、実はその心は何だろうかと私なりの解釈をすると、やはり、アメリカは中国の軍事力を念頭に、ロシアだけを考えているわけではなくて、それこそ地球を俯瞰して考えた場合にその条約を生かしていていいかどうかというような深いところから動きがあったのではないかなというふうに私はちょっと感じているということの意見を開陳させていただきます。
 それで、私は、中国という国、何度かお邪魔させていただいて、その力の勢いが増していく状況であったり、逆に最近は高齢化とか、そういった我が国が先進的に抱えている問題にまた直面されつつある国であって、非常に我が国にとってマーケットとして、あるいは高齢化の、例えばスマートシティーみたいなところで中国に非常に大きなビジネスチャンス、まず我が国の中でスマートシティーを成功させなきゃいけないんですけれども、その上で、中国の各そういった地方公共団体でのスマートシティー化なんかで非常にビジネスチャンスがあるというふうに私は考えています。
 そんな意味から、ちょっと昔の話をして恐縮ですけれども、たしか民主党政権が誕生する前に、鳩山由紀夫元総理が中国に行かれたときに、一緒に随行された方のお話がありました。おい、杉本、何か阿倍仲麻呂だったらしいぞという言葉があって、どんな意味かなというふうに思ったんですけれども、要は、やはり中国、大臣はそういう経験は何度もされているかと思うんですけれども、遣隋使があって、遣唐使があって、唐の時代に遣唐使として行かれたのが阿倍仲麻呂であって、その阿倍仲麻呂から歴史をひもといて中国は話をしてきた、こんなようなお話であったやに聞いています。
 そんな意味で、やはり隣国であって、古い、長い歴史を我が国は中国と持っているわけであります。
 そして、一帯一路といって、アメリカは、国力と借財のバランスなんかを考えましょうみたいなことをペンス副大統領が言われたりということで、我が国は、当然日米関係が基軸であって、パクス・アメリカーナの今の世の中で、アメリカとはきちっと、当然、大事に大事に、一番大事につき合っていかなきゃいけませんけれども、やはり世界全体を見れば中国との関係も、改善方向にあって望ましいと思いますけれども、常に両にらみで我々は我が国の立ち位置を考えていかなきゃいけないということも私は感じております。
 そんな意味で、今次、社会保障協定ということもあるんですけれども、その前に、日中平和友好条約締結四十周年という年に当たり、また、今申し上げたとおり日中関係というのは千年以上の歴史、二千年と言った方がいいかもしれませんが、歴史があり、有史以前はもっとかもしれないということの中で、今後十年、五十年、百年、あるいはもっと長く、我々はどういう展望を持っていったらいいのか、今お立場にある河野大臣の御所見を伺えればと思っております。
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河野太郎#19
○河野国務大臣 ここのところ、何か毎日杉本さんの質問に答えているような気がいたしまして、まことにありがとうございます。
 ことし、四十周年という節目の年でございますが、阿倍仲麻呂から考えれば、四十年というのは本当に短い時間なんだろうな。これから先の十年、五十年、百年ということを考えますと、この改革・開放からの四十年、日本は、ODAやら日本企業の投資やらで随分中国の改革・開放を助け、経済発展にも随分寄与してきたという気がしております。
 ここで、ODAをやめて、イコールパートナーとしてこれからやっていこうと。今のところ世界第二、第三の経済国ですから、その二つの国がやはり北朝鮮を始めとしてアジアでさまざまな責任を負っておりますし、地球全体から見れば、気候変動を始めとする地球規模課題にやはり日中がともに責任を持って、肩を並べていろいろなことをやっていくというのが非常に大事なんだろうと思います。
 今までの四十年は、どっちかというと、日中向かい合って、お互いどうなんだという話をしてきたわけですが、だんだん、このお互いどうなんだというところから、肩を並べて、この地球規模の課題に日中が協力しながらいろいろなことをやっていくというのがやはりこれから大事になってくるのではないかな。
 幾らプレートテクトニクスでプレートが動いているといっても、日本と中国の場所はそうそう、ここから先、何万年の単位で変わらないわけですから、これは日中戦略的互恵関係という中で、この考えのもと、肩を並べていろいろなことを一緒にやれる、そういう関係をしっかり構築してまいりたいと思っております。
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杉本和巳#20
○杉本委員 長い歴史、対話は大事だと思いますので、引き続き、業務に精励というか、御無礼ながら、頑張っていただきたいと思います。
 今お話ありましたけれども、ちょっと思い出しましたが、数年前に私も今の時期に中国を訪問させていただいて、スコールが降ったんですけれども、そのスコールが降った後、テントみたいなところに雨がたまっていたんですけれども、これが真っ黒だったですね。今少しはよくなっているし、環境ビジネスで日本は貢献しているという分野の方も存じ上げているんですけれども、今おっしゃっていただいた気候変動、環境問題を含めて、多く対話を重ねていただきたいと重ねてお願い申し上げます。
 そこで、その環境だとか、あるいは普遍的価値とか、国連で決議されて、そして我が国が主体的に、旗手としてやっていこうじゃないかというふうに承っていますSDGsについてお伺いしたいんですけれども、今回の日中の社会保障に関する協定をどう解釈したらいいか。
 ちょっと難しい解釈かもしれませんが、SDGsの観点からいかに評価したらいいかという点を伺い、このSDGs、大いに我が国はリーダーとして世界各国に進んでいく必要があると思っているんですけれども、この点について担当の政務官から御答弁いただければありがたいと思います。
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山田賢司#21
○山田(賢)大臣政務官 杉本委員にお答え申し上げます。
 まず、今回の日中社保協定は、両国における年金制度の適用を調整することによりまして、年金保険料の二重負担の問題を解消することを主たる目的としております。したがいまして、本協定の締結は、我が国にとって次の意義を有していると思います。
 まず、中国に滞在する日本企業の駐在員が抱える両国年金制度の二重加入の問題が解消され、中国に進出する日本企業とその駐在員の経済的負担が軽減されることが期待されております。次に、経済的負担の軽減を通じまして、日中両国間の人的交流及び経済交流の促進に資するものと考えます。そして、さらに、日中平和友好条約締結四十周年に当たる本年に国会の承認を得ることによりまして、日中双方の経済界に前向きなメッセージを発信できるという意義を有しております。
 続きまして、御指摘いただきました持続可能な開発目標、いわゆるSDGsにおきましては、ゴールの一つとして社会保障政策等を導入しております。平等の拡大を漸進的に達成することがうたわれておりまして、年金制度の二重加入を解決し、経済的負担を軽減する本協定の締結は、広い意味でこうしたSDGsの趣旨に沿ったものであると考えております。
 先般の安倍総理訪中の際にも、日中両国の首脳は、SDGsに関する協力を深めていくことで一致しております。
 我が国といたしましては、人間の安全保障の理念に基づき、誰一人残さない社会を実現すべく、SDGsの力強い担い手として国際社会の取組をリードし、SDGsの達成に向け貢献してまいります。
 以上でございます。
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杉本和巳#22
○杉本委員 ありがとうございます。
 総理も行かれてSDGsの確認をしたということですし、広い意味でも社保協定の意義があるという確認をさせていただきました。ありがとうございます。
 次の質問に移りますけれども、今次締結は、経済界から強い要望があったというふうに承っています。この経済界からの要望は、具体的にはどんな要望であったか、あるいは個別の企業から具体的な要望があったのかどうか等も含めて、念のため、社名は結構なんですけれども、こんな業種からあったとかというような点を確認させていただければと思います。
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金杉憲治#23
○金杉政府参考人 お答えさせていただきます。
 先ほども御答弁いたしましたとおり、平成二十三年十月以降に、中国の社会保険法などに基づいて、日本から中国に派遣される駐在員の方々は日中双方に年金保険料を支払うこととなりまして、駐在員及び日本の企業にとって大きな負担となってきたということでございます。
 こうした状況を受けまして、経団連、日本在外企業協会、日本貿易会といった海外に進出している日本企業を代表する複数の経済団体、さらには個別の企業から、日中の社会保障協定を早期に締結をしてほしい、そしてこうした負担の軽減を図ってほしいという提言、要望が累次にわたり提出された次第でございます。
 これを受けまして、政府として鋭意交渉を進めまして、今回締結、国会御提出に至ったという状況でございます。
 以上でございます。
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杉本和巳#24
○杉本委員 御答弁ありがとうございます。
 昔、炎熱商人という言葉があって、商社マンが本当に活躍して、今も各商社は資源投資並びにほかの部分の投資でかなり収益を上げて、今、史上最高の収益の各社という状況かと思いますが、一方で、若い方々は余り海外に行きたがらないというようなことですので、こういった働く環境の整備といったものは本当に大切だと思いますので、こういったことを、中国と今回は結ぶわけですけれども、まだ結べていない国々とも我々は締結をしていく必要が、職場環境としてもあるのではないかと思っております。
 最後に、ちょっと参考までになんですが、オーストラリアなんかは年金支給開始年齢を七十歳からにして、これを大分先の十年以上先から実行するみたいな、このこともきのう実は財務金融委員会で麻生大臣始め財務省の方々に御提言申し上げたんですが、選択可能な支給開始年齢で、いろいろな選択肢を多くして、そして我慢すれば我慢するほど年をとってたくさんもらえるということによって社会保障費の膨らみを小さくできるのではないかみたいな、ちょっとお話をさせていただきました。
 今次協定の発効済みの各国あるいはそれ以外の国において年金制度で特徴的なものはないのかなということで、あれば教えていただきたいし、年金の加入必要年数だとか、年金支給額であるとか、支給開始年齢などで特徴的な国があれば、ぜひこの機会に私も学ばせていただきたいし、委員各位にも教えていただければと思いますが、いかがでしょうか。
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垂秀夫#25
○垂政府参考人 お答えさせていただきます。
 我が国としてはさまざまな国と社会保障協定を結んでおりますが、委員御指摘のように、年金加入必要年数、年金支給額、年金支給開始年齢について各国の年金制度ごとに差異が見られております。
 例えば、年金加入必要年数につきましては、フランスのように設定されていない国がある一方、チェコでは二〇一九年までにこれを三十五年へ引き上げることとしているなど、各国で異なっております。また、年金支給額については、就労していた時期の報酬に基づいて算出する制度もあれば、居住年数に基づいて算出する制度もございます。さらに、年金支給開始年齢についても、アメリカのように六十六歳からとする国もあれば、中国のように、男性は六十歳、女性は五十五歳又は五十歳からとする国もあり、各国間で幅があると承知しております。
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杉本和巳#26
○杉本委員 終わりますけれども、年金というのは死なないための保険という言い方をされた学者がいらっしゃいますが、プーチン大統領は、平均寿命が六十歳のロシアで六十歳から支給みたいなので不評を買っておられますけれども、やはり国の財政といったものも皆さん考えていかなきゃいけないということを共有いただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございます。
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若宮健嗣#27
○若宮委員長 次に、山川百合子君。
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山川百合子#28
○山川委員 立憲民主党の山川百合子でございます。
 私からも、まず、日中社会保障協定についてお伺いをしたいというふうに思います。
 まず、基本的なことなんですけれども、中国の社会保険制度は、養老保険、医療保険、工傷保険、失業保険そして生育保険といったいわゆる五険で構成されており、日本の制度では、年金、健康保険、労災保険、雇用保険そして出産育児手当がそれぞれに対応しているというふうに思います。しかし、本協定の適用対象となるのは、我が国の国民年金及び厚生年金保険と、中国の養老保険のうち、被用者を対象とした都市従業員基本保険に関する法令のみとなったようでございます。まずは、この年金制度のみが適用対象となった理由を伺いたいと思います。
 あわせて、我が国がこれまで締結した他国との社会保障協定を見ると、医療保険制度の加入免除まで視野に入れたケースもたくさん見られるわけでありますが、中国との本協定では対象に含まれていません。
 今後、本協定でも適用範囲を拡大していく方針で臨まれるのか、この二点についてまずお伺いをしたいというふうに思います。
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金杉憲治#29
○金杉政府参考人 お答えさせていただきます。
 御指摘のとおり、社会保障制度では、年金制度以外にも、医療保険制度、雇用保険制度及び労災保険制度の適用調整を行う場合もございます。
 中国の場合でございますが、中国の医療保険制度につきましては、就労していない者を対象としておらず、また、国外での医療行為を給付の対象としておりません。したがいまして、日本からの派遣被用者に同行する配偶者及びその子が無保険となったり、あるいは中国からの派遣被用者が実質上無保険の状態に置かれることのないよう、今回の協定では医療保険制度を対象としておりません。
 また、それ以外の、雇用保険につきましては、協定の対象とするべく交渉を行ってまいりましたけれども、双方の考え方が一致せず、結果として、協定を早期に発効させる必要性を優先いたしまして、現時点ではこの協定には含めないということになりました。
 さらに、労災保険制度につきましては、日中の制度とも、それぞれ自国内の事業者を適用対象とするということになっておりますので、この点については二重加入の問題がそもそも生じないということで、本協定の対象としてはおりません。
 今後の適用範囲の拡大でございますけれども、先ほどお話ししましたとおり、現時点で中国の社会保障制度を前提とすれば、雇用保険については社会保障協定の適用対象を拡大し得るというふうに考えております。実際、交渉の過程で、中国側から、将来的に再検討する可能性、雇用保険については排除しないという説明もなされておりますので、協定発効後も、雇用保険料の二重負担の問題の解消の可能性について、引き続き検討していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
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