国土交通委員会

2019-05-15 衆議院 全197発言

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会議録情報#0
令和元年五月十五日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 谷  公一君
   理事 伊藤 忠彦君 理事 岩田 和親君
   理事 金子 恭之君 理事 根本 幸典君
   理事 松本 文明君 理事 矢上 雅義君
   理事 津村 啓介君 理事 中野 洋昌君
      秋本 真利君    小田原 潔君
      大岡 敏孝君    大西 宏幸君
      鬼木  誠君    門  博文君
      神谷  昇君    工藤 彰三君
      小島 敏文君    古賀  篤君
      高村 正大君    田中 英之君
      高木  毅君    谷川 とむ君
      土屋 品子君    鳩山 二郎君
      福田 達夫君    藤井比早之君
      藤丸  敏君    三浦  靖君
      三谷 英弘君    宮内 秀樹君
      宮崎 政久君    宮路 拓馬君
      宗清 皇一君    盛山 正仁君
      簗  和生君    荒井  聰君
      福田 昭夫君    道下 大樹君
      森山 浩行君    小宮山泰子君
      下条 みつ君    日吉 雄太君
      伊藤  渉君    北側 一雄君
      清水 忠史君    井上 英孝君
      重徳 和彦君    広田  一君
    …………………………………
   国土交通大臣       石井 啓一君
   国土交通副大臣      牧野たかお君
   国土交通大臣政務官    工藤 彰三君
   国土交通大臣政務官    田中 英之君
   国土交通大臣政務官    阿達 雅志君
   政府参考人
   (内閣官房内閣参事官)  米山  茂君
   政府参考人
   (水産庁漁政部長)    森   健君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房長) 藤井 直樹君
   政府参考人
   (国土交通省水管理・国土保全局長)        塚原 浩一君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  池田 豊人君
   政府参考人
   (国土交通省自動車局長) 奥田 哲也君
   政府参考人
   (国土交通省海事局長)  水嶋  智君
   政府参考人
   (国土交通省航空局長)  蝦名 邦晴君
   政府参考人
   (運輸安全委員会事務局長)            篠部 武嗣君
   政府参考人
   (海上保安庁長官)    岩並 秀一君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房政策立案総括審議官)       辰己 昌良君
   国土交通委員会専門員   宮岡 宏信君
    —————————————
委員の異動
五月十五日
 辞任         補欠選任
  加藤 鮎子君     大西 宏幸君
  高木  毅君     宗清 皇一君
  土屋 品子君     大岡 敏孝君
  中谷 真一君     小田原 潔君
  望月 義夫君     藤丸  敏君
  盛山 正仁君     高村 正大君
同日
 辞任         補欠選任
  小田原 潔君     三浦  靖君
  大岡 敏孝君     土屋 品子君
  大西 宏幸君     宮路 拓馬君
  高村 正大君     盛山 正仁君
  藤丸  敏君     望月 義夫君
  宗清 皇一君     高木  毅君
同日
 辞任         補欠選任
  三浦  靖君     中谷 真一君
  宮路 拓馬君     加藤 鮎子君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 船舶油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案(内閣提出第四〇号)
     ————◇—————
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谷公一#1
○谷委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、船舶油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房長藤井直樹君、水管理・国土保全局長塚原浩一君、道路局長池田豊人君、自動車局長奥田哲也君、海事局長水嶋智君、航空局長蝦名邦晴君、運輸安全委員会事務局長篠部武嗣君、海上保安庁長官岩並秀一君、内閣官房内閣参事官米山茂君、水産庁漁政部長森健君、防衛省大臣官房政策立案総括審議官辰己昌良君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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谷公一#2
○谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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谷公一#3
○谷委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。藤井比早之君。
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藤井比早之#4
○藤井委員 藤井比早之です。
 船舶油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案についてお伺いさせていただきます。
 まず、青森県深浦沖における座礁及び燃料油汚染事故、カンボジア籍貨物船アンファン八号事故、兵庫県淡路島における座礁事故、タイ籍台船ネプチューン号事故の具体的な事実関係についてお伺いいたします。
 保険金が支払われなかった理由、撤去にかかった経費、青森県そして兵庫県の費用負担を伺います。
 ネプチューン号事故につきましては、撤去に係る時系列的な経緯につきましてもお伺いさせていただきます。
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水嶋智#5
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、二〇一三年三月に青森県深浦町で発生いたしましたアンファン八号の座礁及び燃料油汚染事故につきましては、保険会社が船舶所有者の保険契約違反による免責を主張いたしましたことから、保険金が支払われなかったという事案でございます。
 青森県が座礁船撤去や油防除に要した費用は、約三億六千万円と承知をしております。
 また、二〇一六年五月に兵庫県南あわじ市で発生いたしましたネプチューン号の座礁事故につきましても、保険会社が保険契約違反による免責を主張いたしましたため、保険金が支払われなかった事案でございます。
 このネプチューン号の撤去に至る経緯でございますけれども、二〇一六年五月にこの船が座礁した後に、兵庫県から船舶所有者に対し、数次にわたり撤去命令を行ったところでございますが、船舶所有者が命令に応じず、放置されたままとなっておりました。その後、二〇一八年九月には台風二十一号が発生をいたしましたが、その直後の十月から十一月にかけて、県による座礁船撤去の行政代執行が行われたものでございます。
 なお、兵庫県が座礁船撤去に要した費用は、約一億七千万円と承知をしております。
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藤井比早之#6
○藤井委員 ありがとうございます。
 保険契約を行っていても、保険契約違反だからということで保険金が支払われなかったということです。
 アンファン八号事故では、青森県の費用負担は約三億六千万円、ネプチューン号事故では、兵庫県の費用負担は約一億七千万円にも及ぶということなんですね。
 ネプチューン号は、事故が起こったのは平成二十八年五月三日です。船主に対して撤去勧告を五回して、保険会社に撤去要請して、兵庫県は弁護士をタイ王国まで派遣して、それで交渉して、それでもだめで、結局、行政代執行によって撤去したのは、昨年の台風二十一号被害が起きた後、平成三十年十月十八日から十一月二十七日にかけてです。事故から二年半もたってからなんですよ。
 放置された座礁台船から油が漏れてきて漁業被害が生じないか、海岸保全施設が損傷されないか、海岸が汚損されないか、道路に倒れてこないか、台風も来てしまった、どうしようということで、地元の漁業者の皆様や地元の住民の皆様には大きな不安の日々が続いたのです。
 この二例のような事例につきまして、今回の法改正により、被害者への賠償が確実に行われる、そのようなことになるのかどうか、お伺いいたします。
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水嶋智#7
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の法改正によりまして、燃料油による汚染損害や難破物除去等の費用による損害について、被害者は保険会社に対して直接に損害賠償額の支払いを請求することが可能となり、請求を受けた保険会社は船舶所有者の契約違反を理由に支払いを拒むことができないということになります。これによりまして、被害者は賠償を迅速に受ける可能性が高まるものと考えられます。
 さらに、燃料油による汚染損害につきましては、今般締結する条約の規定により、締約国間での判決の相互承認が得られるということでございまして、我が国の被害者は、国内で裁判を起こし、勝訴すれば、その結果が他の締約国でも受け入れられることから、被害者に対し、より確実に賠償が実施されることになると考えております。
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藤井比早之#8
○藤井委員 ネプチューン号事故では、船主はみずから撤去する意思を全く示さず、また、船主がタイの法人であったために、兵庫県は撤去要請等の交渉に非常に難渋されていたというところです。
 今回の法改正によりまして、被害者が保険会社に損害賠償額の支払いを直接請求できる、保険会社は船舶所有者の保険契約違反を理由に被害者からの請求を拒めない、ネプチューン号事故のような場合でも、保険会社に座礁船等の撤去費用を直接請求し、支払いを受けることが可能になる。また、条約締結によりまして、条約締約国の裁判所が下す判決の締約国間の相互承認を規定していることから、日本の国内の判決が他の締約国で有効となり、財産の差押えが可能になる、被害者は外国で裁判をすることなく賠償の確保が図られる。被害者救済の観点から、すばらしい改正ではないかというふうに理解いたします。
 ただ、しかしながら、心配なのは、保険会社への直接請求権の付与によって、保険会社のコスト、負担増は生じないんだろうか、また、保険料がもし引上げになったら、船舶所有者のコスト、負担増は生じないんだろうか、保険契約の義務化によって、船舶所有者のコスト、負担増は生じないのか、この点についてお伺いいたします。
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水嶋智#9
○水嶋政府参考人 お答えを申し上げます。
 委員御指摘のとおり、今般の改正によりまして、燃料油による汚染損害や難破物除去等の費用による損害につきましては、被害者が保険会社に保険金の支払いを直接請求できることとなります。
 この場合、保険会社が直接請求に応じた場合であっても、保険会社と船舶所有者との間では保険契約違反などによる支払い免責は引き続き有効でございまして、保険会社は船舶所有者に対し、被害者に支払った保険金と同額を事後的に求償するといった対応をとることが可能であると考えられます。
 さらに、両条約の国内法化について保険業界にも聴取をいたしましたところ、条約に基づく直接請求に対応して保険金の支払いをした場合の影響は限定的であって、現時点において、当該措置に伴う保険料の引上げも想定していないということでございました。
 また、船舶所有者の負担でございますけれども、両条約の締結の検討に際しましては、新たな保険契約締結の義務づけ対象といたしまして、特に内航海運業界に大きな影響をもたらす可能性があったことから、その影響について改めて確認をしたところでございます。
 その結果、現在では、総トン数三百トン以上の内航船舶の保険加入率は九割以上まで高まっているということを確認いたしました。
 このため、現時点で条約の国内実施を行ったといたしましても、保険への加入義務づけによる船舶所有者への負担増は限定的と考えられる次第でございます。
 なお、関係業界を構成員とする検討会などを通じまして、条約の国内実施について議論を行ってきたところでございますけれども、その結果、保険業界や内航業界からも法改正についての理解を得ているところでございます。
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藤井比早之#10
○藤井委員 ありがとうございます。
 保険会社は事後的に求償する、また、影響は限定的であって、保険料の引上げは想定していないという御回答でございました。
 また、船舶所有者につきましても、内航船舶の加入率は約九割になっておるということで、内航海運業界もこの改正については大丈夫だろう、負担増は限定的だというような御回答でございました。
 保険業界、内航海運、こういったところは大丈夫だということなんですけれども、次に、漁業者の立場からお伺いさせていただきます。
 燃料油による汚染損害や、難破物、これは船体も含むんですけれども、この除去等の損害から漁業者を守る今回の法改正、これは非常に望ましいものだと考えておるところでございますけれども、漁業者など被害者は保険会社に直接請求できることで、泣き寝入りしないで済む、早く賠償されると理解してよいのか、お伺いいたします。
 また一方で、船舶の中でも、漁船の保険料、漁船船主責任保険の保険料が上がることはないのかどうか、この点についてお伺いさせていただきます。
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水嶋智#11
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の法改正により、燃料油による汚染損害などにより、仮に養殖などに被害を受けた漁業者が生じた場合には、保険会社に対して直接に損害賠償額の支払いを請求することが可能となり、請求を受けた保険会社は船舶所有者の契約違反を理由に支払いを拒むことができないこととなります。これによりまして、漁業者を含む被害者は賠償を受ける可能性が高まるものというふうに考えております。
 また、先ほどもお答え申し上げましたとおり、燃料油による汚染損害につきましては、今般締結する条約の規定によりまして、締約国間で判決の相互承認が得られることとされておりますので、漁業者を含む我が国の被害者は、国内で裁判を起こし、勝訴すれば、その結果が他の締約国でも受け入れられることから、漁業者を含む被害者に対し、より円滑かつ速やかな賠償が実施されるものと考えております。
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森健#12
○森政府参考人 お答え申し上げます。
 漁船保険料につきまして御質問をいただきました。
 漁船につきましては、漁船損害等補償法に基づく漁船保険制度がございます。燃料油によります汚染損害等につきましては、漁船所有者等に責任が発生した際に漁船船主責任保険で対応することになっております。
 漁船保険制度の保険料率につきましては、過去二十年間の事故の状況を踏まえて、おおむね三年ごとに定めるものというふうになっておりますが、過去、漁船船主責任保険の実績において、免責の事例は非常に、極めて限られております。今回の改正に伴って現行の保険料が上がるようなことはないというふうに考えているところでございます。
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藤井比早之#13
○藤井委員 一刻も早く燃料油による汚染損害や難破物の除去等を行う、これは非常に漁業者にとって大切なことだと思います。
 先ほどの答弁では、直接請求を保険会社にできることによって賠償を受けることができる、また、条約は相互承認であるということで、日本国内の判決が適用されるということでございます。そういう点で、漁業者が泣き寝入りしなくて済むという形での改正だというふうに理解をしております。
 漁業者は資金力に乏しく、解決するまでの間の経営を維持することが大変でございます。そのためには、早期に賠償される必要があります。その点でも、保険会社に直接請求できることは、被害者救済の観点から非常に大きな改正であると評価させていただくところでございます。
 また、漁船船主責任保険につきましても、漁船の保険料は上がらないということでございます。ありがたいことでございます。
 ただ、被害者にとりましては、交渉相手が船舶所有者と保険会社と、二者になってくるということですから、これは交渉手続が煩雑にならないでしょうか。また、国土交通大臣による保険契約の締結証明に当たりまして申請をしなきゃいけない、また一方で、行政の方は交付しなきゃいけないということで、事務処理の面で負担が増大することにならないのか。スムーズな手続を確保するための方策についてお伺いいたします。
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水嶋智#14
○水嶋政府参考人 お答えを申し上げます。
 今般の法改正によりまして、被害者は船舶所有者だけではなく保険会社に対しても賠償を直接請求できることとなりますが、これは、被害者保護の観点から損害賠償額の支払いの請求ができる相手先の選択肢をふやしているものにすぎず、被害者が交渉しなければならない相手をふやそうとするものではございません。
 したがいまして、この改正によりまして手続が煩雑になるということはないものと考えておる次第でございます。
 また、今般の法改正により、法施行日以降、難破物除去ナイロビ条約又は燃料油汚染損害の民事責任条約の対象である内航船舶について、国土交通大臣が交付する保険契約証明書の備置きが義務づけられるということになります。
 これに対応して、事業者の皆さんによる準備が円滑に行われることとするため、この法案におきましては、法の施行日前から、国土交通大臣は、事業者の申請に応じ、各保障契約が締結されていることを証する書面を交付することができるよう措置をしているところでございます。
 また、円滑な証明書交付事務を行うため、国土交通省においても必要な増員の手当てなどを行ってきたところでございます。
 いずれにいたしましても、本法案の円滑な施行に取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
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藤井比早之#15
○藤井委員 ありがとうございます。
 選択肢をふやすだけだから煩雑にはならないだろうと。また、備置きが必要になるということで、その点については、事業者にとって事務処理については負担になるけれども、施行日前からこれはPRさせていただいておるということでございます。
 ただ、しかしながら、特に漁業者とかは零細な方々が多いですから、その点については丁寧に対応していただいて、そして円滑な手続が可能になるように、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 また、行政といたしましても、これは立入検査とかさらなる体制整備が必要になってきますので、定員増も含めまして、体制の充実強化をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 保険契約締結が義務化されるのは、燃料油による汚染損害は、総トン数千トン超の船舶になるという形です。しかしながら、実態としては、瀬戸内海では四百九十九トンの船舶が多いというのが実態です。これは国内総トン数ということなので国際総トン数とは違うということなんですけれども、さすがに国際総トン数でカウントしても一千トンにはならないでしょう。
 平成二十年三月五日に神戸市垂水沖で発生した、三隻の船舶衝突による貨物船ゴールドリーダー号の沈没事故では、漁業者が泣き寝入りをするということになりました。このような場合の救済策はどうなっているのか、お伺いいたします。
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水嶋智#16
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。
 燃料油汚染損害の民事責任条約は、国際総トン数一千トンを超える船舶に対して適用されるものでございますが、これは、船舶の大型化に伴い、積載する燃料油の量も増加し、万一事故が発生した際に深刻な被害が生ずるおそれがあることから、一定の大きさ以上の船舶に対して保険加入の義務づけなどを行うこととしたということだと考えております。
 委員御指摘の二〇〇八年三月に明石海峡で発生いたしましたゴールドリーダー号事件でございますが、これは、同船から流出した燃料油により、付近の養殖ノリでございますとかイカナゴ漁に対して大きな影響を与えてしまいまして、漁業者の皆さんが主張されておりました被害額は、船主責任制限制度における責任限度額を大きく上回るものになっていたと承知をしております。
 このゴールドリーダー号の事案を踏まえまして、国土交通省では、国際海事機関、IMOにおける海事債権責任制限条約に定める責任限度額の引上げに関する議論に積極的に参加するなどの対応を図ってまいりました。
 その結果、二〇一五年には同条約における責任限度額が一・五一倍に引き上げられたところでございまして、また、この条約改正を受け、同年、法務省所管の船主責任制限法の改正により、同条約の国内実施についても措置されたということでございまして、そのような対応を行ってきたところでございます。
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森健#17
○森政府参考人 お答えいたします。
 ゴールドリーダー号の沈没事故を踏まえまして、水産庁といたしましても、平成二十一年度から、漁業者によります油の防除、清掃費用が責任制限額を超える場合には、国と都道府県の資金拠出によりまして造成しました基金から一定の補填を行う仕組みを設けているところでございます。
 今後とも、こうした制度の活用により、漁業者への影響軽減にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
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藤井比早之#18
○藤井委員 ゴールドリーダー号事故では、神戸から明石にかけて、ノリ養殖、ひき網漁業者が四十数億円の被害をこうむったというふうに伺っております。
 平成二十七年改正前の船主責任制限法ですが、これによって六億円程度の補償しかなされず、責任がない漁業者の方々が一人当たり八百万円もの借金をして、数年かけて返済されたというふうに伺っております。
 先ほどの答弁では、これを受けまして、条約も変えていただいて、船主責任法も改正していただいて、限度額を一・五一倍にしていただいたと。また、水産庁の方でも、海と渚環境美化・油濁対策機構による支援ということで、漁場油濁一件につき一都道府県当たり五千万ということで、新たに制度を設けていただいたということでございます。
 しかしながら、こういった事実があるということを重く受けとめていただいて、今回の法改正は漁業者保護、被害者保護の観点から非常にすばらしい改正であると評価いたしますが、この機会に、十分な被害者救済の観点から、ゴールドリーダー号事故があったということを念頭に置いていただきたいと思います。
 時間になりましたので、あと一言。
 去る五月十一日に関西三空港懇談会が開催され、神戸空港につきましては、運用時間を夜十時から十一時まで一時間延長、発着枠を一日六十便から八十便へと二十便拡大、プライベートジェットの受入れ推進、中期的に国際化の検討と、運用時間と発着枠の規制緩和、拡大という悲願が合意されたところでございます。
 神戸空港の運用時間と発着枠の規制緩和、拡大の早期実現、確実な実施に向けて、ぜひとも国土交通省を挙げてよろしくお願い申し上げたい。
 さらには、国際化や二十四時間化といった運用時間の拡大、大阪・関西万博を見据えて神戸空港を強化することは、大阪にとっても関西全体にとってもメリットがありますから、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 以上で終了いたします。ありがとうございました。
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谷公一#19
○谷委員長 次に、伊藤渉君。
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伊藤渉#20
○伊藤(渉)委員 公明党の伊藤渉でございます。
 早速質問に入らせていただきたいと思います。
 言うまでもなく、四面を海に囲まれた我が国において、海上輸送の重要性は極めて高いものがございます。
 そこで、全般的な質問をまずさせていただきたいと思います。
 最初は、外航海運における日本籍船及び日本人船員の確保についてお伺いをいたします。
 日本の輸出入の輸送量、これは九九・六%を海上輸送が担っております。その海上輸送を支える日本商船隊が約二千五百隻、そして、日本籍船は減少の一途をたどってきましたけれども、これまでの諸施策の実施、トン税の導入などによりまして、ここ十年、日本籍船の隻数は増加傾向になりつつございます。また、あわせて、日本人船員数も減少傾向から横ばいといった程度に変化をしてきている、こう理解をしております。
 経済の安全保障という観点から、日本籍船及び外航海運における日本人船員数の確保について、その基本的な考え方について、まず国交省にお伺いいたします。
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水嶋智#21
○水嶋政府参考人 お答えを申し上げます。
 委員御指摘のとおり、四面を海に囲まれた我が国にとりまして、貿易量の九九・六%を担う外航海運は、我が国経済、国民生活を支える基盤として極めて重要であり、我が国における安定的な国際海上輸送の確保を図る上で、日本船舶、日本人船員は、その中核となるべき存在であります。
 日本船舶、日本人船員は、我が国の管轄権が排他的に及ぶため、経済安全保障の観点から、通常時より一定規模を確保することが必要であるほか、海上輸送の安全性の確保、操船技術などの海技の世代間の安定的伝承などの観点からも重要な意義を有していると考えております。
 このため、日本船舶、日本人船員の確保に向けて、日本船舶・船員確保計画の着実な実施、トン数標準税制の活用、外航日本人船員確保・育成スキームによる中小船社への若年者の就業支援などの取組を進めているところでございまして、日本船舶の数は、最も減少していた平成十九年の九十二隻から、平成二十九年には二百三十七隻まで増加をし、日本人船員も、平成二十四年以降は二千二百人前後で推移し、減少傾向に歯どめがかかっている状況にございます。
 今後とも、このような施策の着実な実施を通じまして日本船舶、日本人船員を確保し、もって日本商船隊による安定的な国際海上輸送の確保を図ってまいります。
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伊藤渉#22
○伊藤(渉)委員 ありがとうございました。
 外航海運は、御存じのとおり、世界のマーケットで戦っております。その外航海運を担う各社が日本籍船と日本人船員を確保するためには、どうしても国のサポートが必要になってきますので、引き続きの取組をよろしくお願いをしたいと思います。
 続きまして、内航海運における船員養成について、これは御担当である牧野副大臣にお伺いをしたいと思います。
 国内貨物の輸送活動量という数字があります。これは輸送のトンとキロを掛けた数字でありますけれども、全体の輸送活動量の約四割、これを内航海運が担っております。
 そこにおける船員養成、これも極めて重要な課題であります。現在は海技教育機構や商船系大学、専門学校で養成をされている、こう承知をしております。
 ここ数年、これもやはり取組の結果、三十歳未満の船員も増加傾向にあるものの、やはり継続した取組が大変に重要であります。必要十分な海技教育機構の予算の確保を始め、今後も船員養成にしっかり取り組んでいただきたいと思いますけれども、牧野副大臣の御答弁をお願いいたします。
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牧野たかお#23
○牧野副大臣 お答えいたします。
 委員の御指摘のとおり、内航海運は、国内の貨物輸送のおよそ四割、特に石油製品やセメントなど産業基礎物資の輸送においてはおよそ八割を担う、我が国の経済活動や国民生活に必要不可欠な輸送インフラでありまして、それを支える船員を育成し、確保することは極めて重要な課題であると認識しております。
 一方で、内航海運を担う船員のうち、五十歳以上が占める割合は近年でおよそ五割となっており、高齢化が深刻な問題となっております。
 これらの中で、船員の教育については、独立行政法人の海技教育機構などが連携して実施しております。
 また、国土交通省におきましては、若年船員の雇用を促進するための施策も講じているところでありまして、今の御指摘にあったとおり、最近では、若年船員は若干の増加傾向になっております。
 この海技教育機構でありますが、今年度の予算における運営費の交付金は、前年度に比べて一・〇一倍のおよそ七十二億三千万円となっておりまして、この予算を有効に活用しながら、最新の機器に関する業界のニーズに対応した訓練の実施など、教育の質の維持向上を図っております。
 国土交通省といたしましては、今後とも、海技教育機構の事業の充実を図るほか、民間における船員養成への支援を含め、総合的な施策を講じることによって、海洋立国日本を支える若年船員の確保、育成を着実に推進し、安定的かつ安全な海上輸送の確保を図ってまいります。
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伊藤渉#24
○伊藤(渉)委員 ありがとうございました。
 繰り返しになりますが、やはり我が国は海に囲まれた国であります。海に囲まれた国の割には、海についての関心がまだまだ低いというふうに私は感じてなりません。この船員の養成、極めて重要でありまして、必要な予算の確保、重ね重ねお願いを申し上げておきたいと思います。
 続きまして、SOx規制対応についてお伺いをいたします。
 これは、国際海事機関、IMOにおける二〇〇八年の海洋汚染防止条約の改正によりまして、二〇二〇年、令和二年より、舶用燃料油の中の硫黄分の濃度規制が三・五%以下から〇・五%以下へ全世界的に強化をされます。船舶からのSOxの排出による人の健康や環境への悪影響の低減に取り組むもので、我が国は、環境先進国として適切な対応が必要だと考えております。
 一方で、その対応のためには新たな設備投資などが必要と考えられて、海運業界、特に中小企業や小規模事業者の多い内航海運業界等から、心配の声を昨年末ぐらいから私はよく耳にするようになりまして、国土交通省とも御相談をさせていただいてまいりました。
 その後、多分、こうした声も受けまして、国交省の指導助言のもと、船舶への影響調査、燃料油の動粘度低下によるエンジンへの影響調査など、調査、検討が進められていると承知をしております。
 お伺いをいたしますが、このSOx規制対応の現状と課題について、局長、お伺いいたします。
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水嶋智#25
○水嶋政府参考人 お答えを申し上げます。
 委員御指摘のとおり、二〇〇八年の海洋汚染防止条約の改正によりまして、来年一月より、全世界的に船舶用燃料油中の硫黄分濃度を三・五%以下から〇・五%以下へと規制強化する、いわゆるSOx規制が開始をされるところでございます。
 このSOx規制に適合するためには、長期的にはLNG燃料船を建造するという選択肢がございますが、当面は、排ガス洗浄装置、スクラバーと申しますけれども、この排ガス洗浄装置の搭載や規制適合油の使用による対応が中心として想定されておりまして、特に規制適合油に関する課題の解決が極めて重要な課題であるというふうに認識をしております。
 規制適合油は、動粘度や流動点といった油の性状が従来の燃料と大きく異なることが想定されておりますことから、国土交通省では、船舶の安全運航が可能な性状の規制適合油が安定的に供給されるよう、船舶のエンジン、燃料ポンプ、燃料タンクの加熱設備などに関する詳細な調査を実施してきたところでございます。
 その調査結果を受けまして、船舶の安全や運航への影響を最小化しつつ、石油業界が安定的に供給できる油の性状に関し、二月に、海運、石油双方の業界の共通認識が得られたところでございます。
 また、海運事業者が規制適合油を使用する際に必要となる対策や留意点につきまして、国土交通省の方で手引書を取りまとめまして、その手引書を四月三日に公表するとともに、業界にも周知をしたところでございます。
 今後、国内で供給予定の規制適合油を用いた実船トライアルを早急に実施し、海運事業者が準備に万全を期すことができるよう、現在準備を進めているところでございます。
 また、今回のSOx規制は、全世界において大気環境を改善し健康被害を低減するためのものでございまして、社会全体に貢献するための環境規制でございますので、そのコストは社会全体で負担していただくことが重要であると考えております。
 海運事業者におきましては、燃料費がコストの中に占める割合が極めて大きい構造になっておりますので、仮に規制適合油の価格が現在の燃料よりも大きく上昇した場合、海運事業者だけでそのコストを負担することは困難であると考えております。
 そのため、国土交通省では、今回の規制対策に伴って生じる環境コストの適切な分担のため、内航海運事業における燃料サーチャージ等ガイドラインを策定し、四月四日に公表いたしました。
 加えて、SOx規制強化とそれに伴う影響について、荷主の皆さんも含め広く社会の御理解を得る必要がございますので、四月二十三日に経団連、関係業界との共催でシンポジウムを開催するなど、情報の発信にも努めておるところでございます。
 技術的な検証に加えまして、こうした荷主企業の皆さんを始めとする国民の皆さんへの環境規制の理解の醸成などを通じまして、二〇二〇年からのSOx規制に円滑に対応できるよう、しっかりと取り組んでまいります。
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伊藤渉#26
○伊藤(渉)委員 ありがとうございました。
 まさに最後に答弁いただいたように、コストを社会全体で負担をしていく、これは大変重要なことでございまして、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 最後の質問になります。
 難破物の除去損害についてですけれども、今回の規定で、除去の措置については港湾法その他法令の規定による決定が前提となっておりまして、港湾法や海岸法等の各法が船舶の除去命令を発することができる範囲、これは、港湾区域や海岸保全区域等、それぞれの法が適用される範囲に限定をされております。そして、それらの範囲は我が国の海岸や海域を全てカバーできていない、こう理解をしているので、続けて二つ質問します。
 なぜ、我が国の領海内における座礁船に対して、範囲の切れ目なく撤去を命ぜられるような仕組みにしなかったのか、また、港湾区域や海岸保全区域等の法の適用される区域以外で難破物が生じた場合に、この難破物に対し除去命令が出せないことによって、船舶所有者の撤去義務が生じないことにならないのか、また、このことは、我が国で数多く生じている座礁船の対策に問題ではないのか、これをお伺いします。
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水嶋智#27
○水嶋政府参考人 お答えを申し上げます。
 座礁船の撤去に関しましては、港湾法や海洋汚染防止法などの法律に基づきまして、各法律の保護法益に鑑みて撤去が必要な座礁船に対しては、それぞれの法律の規定に基づきまして港湾管理者や国などが撤去命令を発出することができるようになっております。
 このため、本法案におきましては、改めて領海全域にわたっての座礁船に対する撤去命令に係る規定を設けなかったということでございます。
 もう少し具体的に申し上げますと、港湾法や海岸法などの海域の管理に関する法体系では、各法律の保護法益に応じて区域を定め、当該区域における座礁船に対して必要な撤去命令を発出することができることとなっております。
 さらに、海洋汚染防止法では、海洋汚染が海洋環境の保全に著しい障害を及ぼすおそれがある場合には、座礁船が領海内のいずれの区域に所在するかにかかわらず、当該座礁船に対して必要な撤去命令を発出することができることとなっております。
 このように、座礁船に対して、各法律に基づき必要な撤去を命ずることができることとなっておりますので、問題は生じないものと考えております。
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伊藤渉#28
○伊藤(渉)委員 ありがとうございました。
 以上で終わります。
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谷公一#29
○谷委員長 次に、矢上雅義君。
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