財政金融委員会
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会
会議録情報#0
令和元年十一月十九日(火曜日)
午前十時開会
─────────────
委員の異動
十一月八日
辞任 補欠選任
三浦 靖君 藤川 政人君
十一月十八日
辞任 補欠選任
音喜多 駿君 浅田 均君
十一月十九日
辞任 補欠選任
浅田 均君 音喜多 駿君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 中西 祐介君
理 事
有村 治子君
中西 健治君
藤末 健三君
那谷屋正義君
熊野 正士君
委 員
大家 敏志君
長峯 誠君
西田 昌司君
林 芳正君
藤川 政人君
宮沢 洋一君
宮島 喜文君
大塚 耕平君
勝部 賢志君
川合 孝典君
熊谷 裕人君
古賀 之士君
杉 久武君
浅田 均君
音喜多 駿君
小池 晃君
大門実紀史君
浜田 聡君
渡辺 喜美君
国務大臣
財務大臣 麻生 太郎君
副大臣
財務副大臣 藤川 政人君
事務局側
常任委員会専門
員 前山 秀夫君
政府参考人
金融庁企画市場
局長 中島 淳一君
金融庁監督局長 栗田 照久君
参考人
日本銀行総裁 黒田 東彦君
日本銀行理事 衛藤 公洋君
日本銀行理事 吉岡 伸泰君
日本銀行理事 池田 唯一君
─────────────
本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
(日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく
通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件
)
○外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
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この発言だけを見る →午前十時開会
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委員の異動
十一月八日
辞任 補欠選任
三浦 靖君 藤川 政人君
十一月十八日
辞任 補欠選任
音喜多 駿君 浅田 均君
十一月十九日
辞任 補欠選任
浅田 均君 音喜多 駿君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 中西 祐介君
理 事
有村 治子君
中西 健治君
藤末 健三君
那谷屋正義君
熊野 正士君
委 員
大家 敏志君
長峯 誠君
西田 昌司君
林 芳正君
藤川 政人君
宮沢 洋一君
宮島 喜文君
大塚 耕平君
勝部 賢志君
川合 孝典君
熊谷 裕人君
古賀 之士君
杉 久武君
浅田 均君
音喜多 駿君
小池 晃君
大門実紀史君
浜田 聡君
渡辺 喜美君
国務大臣
財務大臣 麻生 太郎君
副大臣
財務副大臣 藤川 政人君
事務局側
常任委員会専門
員 前山 秀夫君
政府参考人
金融庁企画市場
局長 中島 淳一君
金融庁監督局長 栗田 照久君
参考人
日本銀行総裁 黒田 東彦君
日本銀行理事 衛藤 公洋君
日本銀行理事 吉岡 伸泰君
日本銀行理事 池田 唯一君
─────────────
本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
(日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく
通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件
)
○外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
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中
中西祐介#1
○委員長(中西祐介君) ただいまから財政金融委員会を開会をいたします。
委員の異動について御報告をいたします。
昨日までに、三浦靖君及び音喜多駿君が委員を辞任され、その補欠として藤川政人君及び浅田均君が選任をされました。
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この発言だけを見る →委員の異動について御報告をいたします。
昨日までに、三浦靖君及び音喜多駿君が委員を辞任され、その補欠として藤川政人君及び浅田均君が選任をされました。
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中
中西祐介#2
○委員長(中西祐介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁企画市場局長中島淳一君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中
中
中西祐介#4
○委員長(中西祐介君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁黒田東彦君、同理事衛藤公洋君、同理事吉岡伸泰君及び同理事池田唯一君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁黒田東彦君、同理事衛藤公洋君、同理事吉岡伸泰君及び同理事池田唯一君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中
中
中西祐介#6
○委員長(中西祐介君) 財政及び金融等に関する調査のうち、日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件を議題といたします。
日本銀行から説明を聴取いたします。黒田日本銀行総裁。
この発言だけを見る →日本銀行から説明を聴取いたします。黒田日本銀行総裁。
黒
黒田東彦#7
○参考人(黒田東彦君) 日本銀行は、毎年六月と十二月に通貨及び金融の調節に関する報告書を国会に提出しております。本日、我が国経済の動向と日本銀行の金融政策運営について詳しく御説明申し上げる機会をいただき、厚く御礼申し上げます。
まず、我が国の経済金融情勢について御説明いたします。
我が国の景気は、輸出、生産や企業マインド面に海外経済の減速の影響が引き続き見られるものの、所得から支出への前向きの循環メカニズムが働く下で、基調としては緩やかに拡大しています。やや詳しく見ますと、海外経済の減速の動きが続く下で、我が国の輸出は弱めの動きが続いています。一方で、国内需要は増加しています。すなわち、設備投資は、企業収益が総じて高水準を維持する中、増加傾向を続けているほか、個人消費も、消費税率引上げなどの影響による振れを伴いつつも、緩やかに増加しています。先行きも、当面、海外経済の減速の影響が続くものの、国内需要への波及は限定的となり、景気の拡大基調が続くと見られます。
物価面を見ると、消費者物価の前年比はプラスで推移していますが、景気の拡大や労働需給の引き締まりに比べると、弱めの動きが続いています。先行き、当面、原油価格の下落の影響などを受けつつも、マクロ的な需給ギャップがプラスの状態を続ける下で、中長期的な予想物価上昇率は高まっていくと見ています。このように、物価安定の目標に向けたモメンタムは維持されており、消費者物価の前年比は、二%に向けて徐々に上昇率を高めていくと考えています。
次に、金融政策運営について御説明します。
日本銀行は、長短金利操作付き量的・質的金融緩和の枠組みの下で、強力な金融緩和を推進しています。このうち、長短金利操作については、物価安定の目標の実現のために最も適切と考えられるイールドカーブの形成を促すよう、短期政策金利をマイナス〇・一%、十年物国債金利をゼロ%程度とする金融市場調節方針を掲げ、市場において国債の買入れを実施しています。
先行き、我が国経済は拡大基調を続け、物価も二%に向けて徐々に上昇率を高めていくと見ていますが、引き続き、海外経済の動向を中心に、下振れリスクに注意が必要な情勢にあると考えています。こうした情勢判断の下、日本銀行は、緩和方向を意識した金融政策運営が適当な状況にあると考えています。先月の金融政策決定会合では、政策金利についての新たなフォワードガイダンスを決定し、物価安定の目標に向けたモメンタムが損なわれるおそれに注意が必要な間、政策金利について現在の水準を維持する、あるいは、状況によっては、現在の水準よりも引き下げる方針を明確にしました。
日本銀行は、こうした政策運営スタンスの下で、今後も、物価安定の目標の実現に向けて、強力な金融緩和を推進していきます。その際、金融市場や金融仲介機能に及ぼす影響などを含め、政策の効果と副作用の両方を考慮することが重要だと考えています。
この点に関し、日本銀行は、低金利環境や金融機関間の厳しい競争環境が続く下で、金融機関収益の下押しが長期化すると、金融仲介が停滞方向に向かうリスクや金融システムが不安定化するリスクがあることも認識しています。現時点では、金融機関は充実した資本基盤を備えていることなどから、これらのリスクは大きくないと判断していますが、今後とも、こうした点を含め、金融政策運営の観点から重視すべきリスクの点検を行うとともに、経済、物価、金融情勢を踏まえながら、適切な政策運営に努めていく方針です。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →まず、我が国の経済金融情勢について御説明いたします。
我が国の景気は、輸出、生産や企業マインド面に海外経済の減速の影響が引き続き見られるものの、所得から支出への前向きの循環メカニズムが働く下で、基調としては緩やかに拡大しています。やや詳しく見ますと、海外経済の減速の動きが続く下で、我が国の輸出は弱めの動きが続いています。一方で、国内需要は増加しています。すなわち、設備投資は、企業収益が総じて高水準を維持する中、増加傾向を続けているほか、個人消費も、消費税率引上げなどの影響による振れを伴いつつも、緩やかに増加しています。先行きも、当面、海外経済の減速の影響が続くものの、国内需要への波及は限定的となり、景気の拡大基調が続くと見られます。
物価面を見ると、消費者物価の前年比はプラスで推移していますが、景気の拡大や労働需給の引き締まりに比べると、弱めの動きが続いています。先行き、当面、原油価格の下落の影響などを受けつつも、マクロ的な需給ギャップがプラスの状態を続ける下で、中長期的な予想物価上昇率は高まっていくと見ています。このように、物価安定の目標に向けたモメンタムは維持されており、消費者物価の前年比は、二%に向けて徐々に上昇率を高めていくと考えています。
次に、金融政策運営について御説明します。
日本銀行は、長短金利操作付き量的・質的金融緩和の枠組みの下で、強力な金融緩和を推進しています。このうち、長短金利操作については、物価安定の目標の実現のために最も適切と考えられるイールドカーブの形成を促すよう、短期政策金利をマイナス〇・一%、十年物国債金利をゼロ%程度とする金融市場調節方針を掲げ、市場において国債の買入れを実施しています。
先行き、我が国経済は拡大基調を続け、物価も二%に向けて徐々に上昇率を高めていくと見ていますが、引き続き、海外経済の動向を中心に、下振れリスクに注意が必要な情勢にあると考えています。こうした情勢判断の下、日本銀行は、緩和方向を意識した金融政策運営が適当な状況にあると考えています。先月の金融政策決定会合では、政策金利についての新たなフォワードガイダンスを決定し、物価安定の目標に向けたモメンタムが損なわれるおそれに注意が必要な間、政策金利について現在の水準を維持する、あるいは、状況によっては、現在の水準よりも引き下げる方針を明確にしました。
日本銀行は、こうした政策運営スタンスの下で、今後も、物価安定の目標の実現に向けて、強力な金融緩和を推進していきます。その際、金融市場や金融仲介機能に及ぼす影響などを含め、政策の効果と副作用の両方を考慮することが重要だと考えています。
この点に関し、日本銀行は、低金利環境や金融機関間の厳しい競争環境が続く下で、金融機関収益の下押しが長期化すると、金融仲介が停滞方向に向かうリスクや金融システムが不安定化するリスクがあることも認識しています。現時点では、金融機関は充実した資本基盤を備えていることなどから、これらのリスクは大きくないと判断していますが、今後とも、こうした点を含め、金融政策運営の観点から重視すべきリスクの点検を行うとともに、経済、物価、金融情勢を踏まえながら、適切な政策運営に努めていく方針です。
ありがとうございました。
中
長
長峯誠#9
○長峯誠君 おはようございます。質問の機会を与えていただきましたことに御礼を申し上げます。
去る十月十八日までワシントンで開催されましたG20財務大臣・中央銀行総裁会議におきまして、閉幕後のプレスリリースで以下のような表明がなされました。グローバルステーブルコインが政策及び規制上の一連の深刻なリスクを生じさせることになると。ここでいうステーブルコインは、主にフェイスブックが来年発行しようとしていたリブラを想定しています。アメリカでは、信託銀行やカストディーの使用、資金移動業のライセンスの取得などの要件をクリアするとステーブルコインとして成立するそうであります。
ステーブルコインは法定通貨に裏付けされているもので、その意味で暗号資産と違いステーブルである、つまり、安定していると言われています。ただ、ほかにも金や原油などの実物資産の価値に裏付けされたものや、仮想通貨やトークンなどを担保にしているものもあります。また、担保もなく貨幣数量説に基づいて需給に応じて発行量を調整するものまであります。ここまで来ると、果たして本当にステーブルなのかという疑問も湧きますが、ともかく、しっかりと法的に定義した上で規制する必要があると思われます。
まずもって、日銀としてステーブルコインの定義をどのように考えているか、お伺いいたします。
この発言だけを見る →去る十月十八日までワシントンで開催されましたG20財務大臣・中央銀行総裁会議におきまして、閉幕後のプレスリリースで以下のような表明がなされました。グローバルステーブルコインが政策及び規制上の一連の深刻なリスクを生じさせることになると。ここでいうステーブルコインは、主にフェイスブックが来年発行しようとしていたリブラを想定しています。アメリカでは、信託銀行やカストディーの使用、資金移動業のライセンスの取得などの要件をクリアするとステーブルコインとして成立するそうであります。
ステーブルコインは法定通貨に裏付けされているもので、その意味で暗号資産と違いステーブルである、つまり、安定していると言われています。ただ、ほかにも金や原油などの実物資産の価値に裏付けされたものや、仮想通貨やトークンなどを担保にしているものもあります。また、担保もなく貨幣数量説に基づいて需給に応じて発行量を調整するものまであります。ここまで来ると、果たして本当にステーブルなのかという疑問も湧きますが、ともかく、しっかりと法的に定義した上で規制する必要があると思われます。
まずもって、日銀としてステーブルコインの定義をどのように考えているか、お伺いいたします。
池
池田唯一#10
○参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。
日本銀行といたしましてステーブルコインを特に定義しているというわけではございませんけれども、FSB、金融安定理事会あるいはG7作業部会の報告書などによりますと、ステーブルコインとは、暗号資産のうち法定通貨建て資産、又はそのバスケットなどの裏付け資産を確保することによってその価値を安定させようとする仕組みを備えたものとされているというふうに承知をしているところでございます。
この発言だけを見る →日本銀行といたしましてステーブルコインを特に定義しているというわけではございませんけれども、FSB、金融安定理事会あるいはG7作業部会の報告書などによりますと、ステーブルコインとは、暗号資産のうち法定通貨建て資産、又はそのバスケットなどの裏付け資産を確保することによってその価値を安定させようとする仕組みを備えたものとされているというふうに承知をしているところでございます。
長
長峯誠#11
○長峯誠君 フェイスブックが発行を予定していたリブラの仕組みについては、まず、フェイスブックのユーザーが販売業者から法定通貨、例えばドルでリブラと交換をいたします。販売業者はドルをリブラ協会に入金し、リブラと交換をいたします。リブラ協会とは、大手の金融業者による運用コンソーシアムであり、リザーブ資産として法定通貨を銀行預金や短期国債などで安定的に運用します。このことでレートが安定し、投機的にならず、よって決済手段となり得るということになります。
このリブラに対し、冒頭述べましたとおり、G20は強い懸念を示したのであります。トランプ大統領も信頼性に欠けると批判をし、十月に行われたアメリカ議会の公聴会でマーク・ザッカーバーグ会長兼CEOも、規制上の懸念に完全に対応し、適切な承認を得るまで、リブラのサービスを開始しないという答弁に至ったところでございます。
そこで、黒田総裁にお伺いいたします。リブラの規制上の懸念とは具体的にどういうものでありましょうか。
この発言だけを見る →このリブラに対し、冒頭述べましたとおり、G20は強い懸念を示したのであります。トランプ大統領も信頼性に欠けると批判をし、十月に行われたアメリカ議会の公聴会でマーク・ザッカーバーグ会長兼CEOも、規制上の懸念に完全に対応し、適切な承認を得るまで、リブラのサービスを開始しないという答弁に至ったところでございます。
そこで、黒田総裁にお伺いいたします。リブラの規制上の懸念とは具体的にどういうものでありましょうか。
黒
黒田東彦#12
○参考人(黒田東彦君) リブラといったいわゆるステーブルコインには、コストや決済時間などの面で課題のある様々なグローバルなクロスボーダー決済を改善するという面もありますし、また、金融包摂、いわゆるフィナンシャルインクルージョンを促進するという可能性もございます。
ただ、そうした便益というものは、マネロン、あるいはテロファイナンス、さらにはサイバーセキュリティー、市場の健全性、データ保護、消費者、投資家保護、税制上のコンプライアンスなど、様々な課題あるいはリスクへの適切な対応がなされて初めて実現するものであります。
また、実はこのスキームに関する法的な明確性についていろいろな議論がありますし、また、その健全なガバナンスあるいは厳格なリスク管理体制の確保ということが大前提になるわけですが、これらの対応が不十分なままステーブルコインを発行するというのは適切でないということであって、その面はG7あるいはG20などでもそのように述べられているわけであります。
更に申し上げますと、巨大な顧客基盤を持つステーブルコインの普及がグローバルに仮に進んだとしますと、金融政策や金融システムの安定にも影響を及ぼす可能性があります。このほか、競争政策上の問題も引き起こし得る点にも留意が必要ではないかというふうに思われ、この点もG7あるいはG20でも指摘されているところでございます。
日本銀行は民間のイノベーションというものを重視しておりますけれども、ステーブルコインについては、やはり内外の当局者と協力しながら、引き続きリスクや課題に対する対応を行ってまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →ただ、そうした便益というものは、マネロン、あるいはテロファイナンス、さらにはサイバーセキュリティー、市場の健全性、データ保護、消費者、投資家保護、税制上のコンプライアンスなど、様々な課題あるいはリスクへの適切な対応がなされて初めて実現するものであります。
また、実はこのスキームに関する法的な明確性についていろいろな議論がありますし、また、その健全なガバナンスあるいは厳格なリスク管理体制の確保ということが大前提になるわけですが、これらの対応が不十分なままステーブルコインを発行するというのは適切でないということであって、その面はG7あるいはG20などでもそのように述べられているわけであります。
更に申し上げますと、巨大な顧客基盤を持つステーブルコインの普及がグローバルに仮に進んだとしますと、金融政策や金融システムの安定にも影響を及ぼす可能性があります。このほか、競争政策上の問題も引き起こし得る点にも留意が必要ではないかというふうに思われ、この点もG7あるいはG20でも指摘されているところでございます。
日本銀行は民間のイノベーションというものを重視しておりますけれども、ステーブルコインについては、やはり内外の当局者と協力しながら、引き続きリスクや課題に対する対応を行ってまいりたいと考えております。
長
長峯誠#13
○長峯誠君 関連して、金融庁にお伺いいたします。
日本は、世界に先駆けて仮想通貨を資金決済法で規制をしました。リブラはこの仮想通貨の定義には当てはまらないのでしょうか。リブラに対する様々な懸念は資金決済法の規制で解決できないものなんでしょうか。リブラ固有の課題など、具体的にお示しいただきたいと存じます。
この発言だけを見る →日本は、世界に先駆けて仮想通貨を資金決済法で規制をしました。リブラはこの仮想通貨の定義には当てはまらないのでしょうか。リブラに対する様々な懸念は資金決済法の規制で解決できないものなんでしょうか。リブラ固有の課題など、具体的にお示しいただきたいと存じます。
中
中島淳一#14
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。
リブラを始めとするいわゆるステーブルコインについては、異なる金融サービスの性質を兼ね備えているといった指摘がなされております。具体的には、例えば、ある利用者から別の利用者に送金を行うような機能、すなわち資金決済法上の資金移動業のような性質のほか、利用者から資金を預かり、それを送金に用いたり払い戻したりする預金のような機能、すなわち銀行法上の銀行業のような性質、さらには、利用者から預かった資金を運用し、収益を利用者に分配するような機能、すなわち投資信託法や金融商品取引法上の投資信託、MMFのような性質などを兼ね備えているという指摘もございます。
したがいまして、ステーブルコインの発行主体やその取扱主体に課される規制は、個々のステーブルコインやそれに関する枠組みの具体的な内容に応じて判断していく必要があり、リブラの詳細が明らかとなっていない現時点において、国内で課され得る規制について一概に申し上げることは困難と考えております。
なお、グローバル規模で用いられるステーブルコインについては、G7やG20などの国際的な場においても、マネーロンダリング対策、利用者、データ保護などに関連する多くの重大なリスクが生ずるという指摘がなされており、金融庁といたしましては、財務省や日本銀行とも連携しつつ、国際的な議論に積極的に参画し、必要な検討を進めてまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →リブラを始めとするいわゆるステーブルコインについては、異なる金融サービスの性質を兼ね備えているといった指摘がなされております。具体的には、例えば、ある利用者から別の利用者に送金を行うような機能、すなわち資金決済法上の資金移動業のような性質のほか、利用者から資金を預かり、それを送金に用いたり払い戻したりする預金のような機能、すなわち銀行法上の銀行業のような性質、さらには、利用者から預かった資金を運用し、収益を利用者に分配するような機能、すなわち投資信託法や金融商品取引法上の投資信託、MMFのような性質などを兼ね備えているという指摘もございます。
したがいまして、ステーブルコインの発行主体やその取扱主体に課される規制は、個々のステーブルコインやそれに関する枠組みの具体的な内容に応じて判断していく必要があり、リブラの詳細が明らかとなっていない現時点において、国内で課され得る規制について一概に申し上げることは困難と考えております。
なお、グローバル規模で用いられるステーブルコインについては、G7やG20などの国際的な場においても、マネーロンダリング対策、利用者、データ保護などに関連する多くの重大なリスクが生ずるという指摘がなされており、金融庁といたしましては、財務省や日本銀行とも連携しつつ、国際的な議論に積極的に参画し、必要な検討を進めてまいりたいと考えております。
長
長峯誠#15
○長峯誠君 ザッカーバーグ氏はアメリカ議会公聴会でリブラの延期を表明しましたが、同時にこうも言いました。中国がリブラと同じような構想を数か月で打ち上げるだろう。実際、中国人民銀行の幹部も、中国人民銀行はリブラを注視していると述べています。リブラはあくまでドル基軸体制の中で生まれることになり、リザーブ資産もドルを中心としたものになるでしょう。中国から見ると、リブラによってドルが更に力を持つと考えているのです。
G20はこぞってリブラを批判しましたが、その底意は同床異夢でした。アメリカはグローバル企業対国家の通貨主権の対立と捉えたのに対し、中国はアメリカのドル基軸体制が強化されると捉えたのであります。
さて、人民銀行は、ビットコインの誕生を受け、五年前からデジタル人民元を研究をしています。これにより、元の国際化を進めようと考えています。九月には、十一月十一日、独身の日でございますけれども、この日から深センで社会実装を始めると報道されていましたが、今のところその動きはございません。
デジタル人民元はどのようなもので、どの程度まで開発が進んでいるのか、お伺いをいたします。
この発言だけを見る →G20はこぞってリブラを批判しましたが、その底意は同床異夢でした。アメリカはグローバル企業対国家の通貨主権の対立と捉えたのに対し、中国はアメリカのドル基軸体制が強化されると捉えたのであります。
さて、人民銀行は、ビットコインの誕生を受け、五年前からデジタル人民元を研究をしています。これにより、元の国際化を進めようと考えています。九月には、十一月十一日、独身の日でございますけれども、この日から深センで社会実装を始めると報道されていましたが、今のところその動きはございません。
デジタル人民元はどのようなもので、どの程度まで開発が進んでいるのか、お伺いをいたします。
池
池田唯一#16
○参考人(池田唯一君) 中国におきましては、現金に代わるデジタル通貨の発行が検討されているものと認識をしております。その仕組みについて、現時点で必ずしも詳細が明らかになっているわけではございませんけれども、中央銀行が民間決済事業者向けにデジタル通貨を発行いたしまして、民間決済事業者がリテール向けのデジタル通貨の供給を担うといったことが想定されていると承知をしております。
現時点では、御指摘のとおり、なお検討、開発段階にございまして、その発行時期等は明らかでございませんけれども、日本銀行としては、今後ともその動向について注視してまいりたいというふうに考えているところでございます。
この発言だけを見る →現時点では、御指摘のとおり、なお検討、開発段階にございまして、その発行時期等は明らかでございませんけれども、日本銀行としては、今後ともその動向について注視してまいりたいというふうに考えているところでございます。
長
長峯誠#17
○長峯誠君 現時点では、国際金融・通貨体制の中で、中国の存在感というのはアメリカに大きく劣後していると言えると思います。しかし、ICTの世界ではその差は相当程度縮まっている、もう今、同レベルまで来ているのではないかという認識を持った方がいいんじゃないかなと思います。その意味では、デジタル人民元がゲームチェンジャーになる可能性というのはないか、大変危惧をいたしております。
リブラがなぜ市場から期待されているかというと、国際決済の時間とコストの問題でございます。個人間でも企業間でも、海外送金には長い時間と多額の手数料が掛かります。国際決済には、国際銀行間通信協会、通称SWIFTを通さねばなりません。送金は複数のコルレス銀行を経由して行われるため、それぞれの銀行で手数料が発生をいたします。この問題を解決するイノベーションは、多くの人に求められていると考えます。
中国からは、世界中に多くの華僑や労働者が渡航をいたしております。デジタル人民元が送金や決済の通貨として使えるのであれば、その便益はとてつもなく大きいでしょう。現在でも電子決済が末端まで普及している中国で国際決済もデジタル人民元で行えるとなれば、瞬く間に人民元経済圏を拡大していくのではないかと考えます。通貨版の一帯一路になるという指摘もございます。
デジタル人民元が中国の覇権を強化し得るものになる可能性はあるのか、黒田総裁に御見解をお伺いいたします。
この発言だけを見る →リブラがなぜ市場から期待されているかというと、国際決済の時間とコストの問題でございます。個人間でも企業間でも、海外送金には長い時間と多額の手数料が掛かります。国際決済には、国際銀行間通信協会、通称SWIFTを通さねばなりません。送金は複数のコルレス銀行を経由して行われるため、それぞれの銀行で手数料が発生をいたします。この問題を解決するイノベーションは、多くの人に求められていると考えます。
中国からは、世界中に多くの華僑や労働者が渡航をいたしております。デジタル人民元が送金や決済の通貨として使えるのであれば、その便益はとてつもなく大きいでしょう。現在でも電子決済が末端まで普及している中国で国際決済もデジタル人民元で行えるとなれば、瞬く間に人民元経済圏を拡大していくのではないかと考えます。通貨版の一帯一路になるという指摘もございます。
デジタル人民元が中国の覇権を強化し得るものになる可能性はあるのか、黒田総裁に御見解をお伺いいたします。
黒
黒田東彦#18
○参考人(黒田東彦君) 今御指摘になったような点について、様々な議論がいろいろなフォーラムで行われていることは事実でありますけれども、日本銀行として、他国の通貨政策あるいは通貨主権についてコメントするというのは必ずしも適切でありませんので、発言は控えたいと思います。
その上で申し上げますと、日本銀行としては、実は世界各国におけるデジタル通貨に関する取組あるいはその影響について今後とも注意深く見てまいりたいと思っておりますし、御承知のように、先進国の中ではスウェーデンの中央銀行がかなり前からデジタル通貨の発行を検討しておられます。その他、幾つかの国でそういう動きがあるということも事実でありまして、そういったことも含めてよく情報交換をし、その影響については注意深く見てまいりたいというふうに思っております。
なお、主権国家の発行するデジタル通貨は、リブラのような民間団体の発行するデジタル通貨と根本的に違っておりますので同じように扱うことはできないと思いますけれども、同じような問題も引き起こし得るという点は事実でありますので、この点も実はG20で議論になりまして、引き続きG20、さらにはG7も含めてでしょうけれども、議論が行われていくというふうに思います。
この発言だけを見る →その上で申し上げますと、日本銀行としては、実は世界各国におけるデジタル通貨に関する取組あるいはその影響について今後とも注意深く見てまいりたいと思っておりますし、御承知のように、先進国の中ではスウェーデンの中央銀行がかなり前からデジタル通貨の発行を検討しておられます。その他、幾つかの国でそういう動きがあるということも事実でありまして、そういったことも含めてよく情報交換をし、その影響については注意深く見てまいりたいというふうに思っております。
なお、主権国家の発行するデジタル通貨は、リブラのような民間団体の発行するデジタル通貨と根本的に違っておりますので同じように扱うことはできないと思いますけれども、同じような問題も引き起こし得るという点は事実でありますので、この点も実はG20で議論になりまして、引き続きG20、さらにはG7も含めてでしょうけれども、議論が行われていくというふうに思います。
長
長峯誠#19
○長峯誠君 今総裁おっしゃったとおり、スウェーデンの中央銀行リクスバンクは、二〇二一年ですから再来年ですね、にもデジタル通貨のeクローナを発行する予定というふうに伺っております。かつ、先ほど中国が今年の独身の日に深センで社会実装をやると言っていたということは、恐らく技術的にはもう相当なところまで来ているんではないかなというふうに考えております。
翻って日銀ですけれども、このデジタル法定通貨、デジタル円と言っていいんでしょうか、これについてどのような検討を行っていらっしゃるのか。かつてブロックチェーン技術が出てきたときに、日銀の中に何かそういう組織をつくって検討、四年か五年ぐらい前ですかね、始められたというふうに伺っておりますが、そのデジタル法定通貨についてどんな検討を行われているのか、お伺いいたします。
この発言だけを見る →翻って日銀ですけれども、このデジタル法定通貨、デジタル円と言っていいんでしょうか、これについてどのような検討を行っていらっしゃるのか。かつてブロックチェーン技術が出てきたときに、日銀の中に何かそういう組織をつくって検討、四年か五年ぐらい前ですかね、始められたというふうに伺っておりますが、そのデジタル法定通貨についてどんな検討を行われているのか、お伺いいたします。
黒
黒田東彦#20
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、我が国では現金流通高がなお増加しているような状況でありまして、現状、中銀、いわゆる中央銀行のデジタル通貨の発行を求めているというふうには考えられませんけれども、将来デジタル通貨発行の必要性が高まったときに的確に対応できるように、日本銀行としてもデジタル通貨については調査研究を進めております。
具体的に申し上げますと、技術面ではECBとの共同研究でプロジェクト・ステラというものをやっておりまして、いわゆる分散型台帳技術に関する調査研究を進めております。これまで三本の報告書を公表いたしまして、内外における様々なイベントあるいはコンファレンス等でその研究成果を説明しております。また、法律面では、情報技術が急速に発達する下で、仮に日本銀行がデジタル通貨を発行する場合にどのような法的な論点があって、それについてどのような解釈が成り立ち得るかということについても検討を進めてきたところでありまして、その検討結果は今年の九月に金融研究所から報告書として対外公表しております。
この間、いわゆるフィンテック企業あるいは銀行など民間部門が発行するデジタルマネーも多々ある中で、日本銀行としては中央銀行のデジタル通貨に関する調査研究を進めると同時に、こうした民間マネーの利用を促進していくことで、中銀デジタル通貨が目指す決済機能の向上の実現を達成していくことが重要であるというふうに考えております。
したがいまして、今の時点で円のデジタル通貨を出すという計画があるわけではありませんが、いつでもそういう必要が出たときに対応できるような調査研究は進めているということでございます。
この発言だけを見る →具体的に申し上げますと、技術面ではECBとの共同研究でプロジェクト・ステラというものをやっておりまして、いわゆる分散型台帳技術に関する調査研究を進めております。これまで三本の報告書を公表いたしまして、内外における様々なイベントあるいはコンファレンス等でその研究成果を説明しております。また、法律面では、情報技術が急速に発達する下で、仮に日本銀行がデジタル通貨を発行する場合にどのような法的な論点があって、それについてどのような解釈が成り立ち得るかということについても検討を進めてきたところでありまして、その検討結果は今年の九月に金融研究所から報告書として対外公表しております。
この間、いわゆるフィンテック企業あるいは銀行など民間部門が発行するデジタルマネーも多々ある中で、日本銀行としては中央銀行のデジタル通貨に関する調査研究を進めると同時に、こうした民間マネーの利用を促進していくことで、中銀デジタル通貨が目指す決済機能の向上の実現を達成していくことが重要であるというふうに考えております。
したがいまして、今の時点で円のデジタル通貨を出すという計画があるわけではありませんが、いつでもそういう必要が出たときに対応できるような調査研究は進めているということでございます。
長
長峯誠#21
○長峯誠君 イギリスの中央銀行であるイングランド銀行のカーニー総裁は、八月のジャクソンホールの講演で、名指しこそは避けたものの、トランプ大統領の保護主義を批判し、その力の源泉となっているドル基軸体制による支配の変革を訴えました。同時に、ドルから人民元へ覇権が入れ替わるぐらいならリブラを容認する方が好ましいという見方を示されました。これ、ほかではなくて、イギリスの中央銀行総裁からこういう発言が出たというのは大変な驚きだと思います。ただ、まあ、これG20に先立つ発言ですから、その後、G20でまたいろいろ議論はされたと思うんですけれども。
その上で、カーニー総裁は合成覇権通貨、シンセティック・ヘゲモニック・カレンシーという考え方を提唱しました。詳細は言及されていないんですけれども、ブロックチェーンなどの技術を活用して、中央銀行がデジタル通貨ネットワークを通じて公的セクターによってデジタル通貨が法定通貨として提供されるイメージのようでございます。
このカーニー総裁のアイデアを黒田総裁はどのように評価されるか、お伺いいたします。
この発言だけを見る →その上で、カーニー総裁は合成覇権通貨、シンセティック・ヘゲモニック・カレンシーという考え方を提唱しました。詳細は言及されていないんですけれども、ブロックチェーンなどの技術を活用して、中央銀行がデジタル通貨ネットワークを通じて公的セクターによってデジタル通貨が法定通貨として提供されるイメージのようでございます。
このカーニー総裁のアイデアを黒田総裁はどのように評価されるか、お伺いいたします。
黒
黒田東彦#22
○参考人(黒田東彦君) このカーニー総裁の構想というものは、複数の法定通貨を裏付けとしたデジタル通貨を中央銀行が協力して発行するという構想のようであります。
御案内のように、IMFにSDRという国際通貨がありまして、これはもう五十年ぐらい続いているわけですけれども、現在は、SDRの構成バスケットというのはドル、ユーロ、円、ポンド、そして人民元という五つの通貨の一定の割合でSDRというものをつくって、それを国際決済、各国間の国際決済に使えるようにしているわけでありますが、このSDRについて市場でも使えるようにしたらどうかという意見が昔からあったんですが、これは結実しておりません。
カーニー総裁の発想は、このSDRを実際に民間の人たちがデジタル化した形で使えるようにするという構想とよく似ていると思うんですけれども、そういう意味で全く何か変わったことを言われたというのではなくて、従来からあるドルだけに依存した国際通貨体制を、もう少しバランスよく幾つかの主要な通貨のバスケットのようなものを、SDRのようなものを国際的な取引に幅広く使うことによって、ドルに対する過度な依存が、一方で米国に恩恵も与えているんですけれども負担も与えていると、それが、国際通貨体制が米国の財政金融政策によって大きく影響を受けるということを是正しようという動きが従来からあるわけですが、カーニー総裁の話は、そういったことの流れの中で、リブラが出てきたということもあって、公的なところでそういうことをしてはどうかという話だと思うんです。
大変興味深い話ではあるんですが、先ほど来申し上げたように、SDR自体、もうずっとつくられて五十年ぐらいたっているんですけれども、各国間の決済には使われているんですけれども、ある程度、しかし、民間では使われていないし、残高も、リーマン・ショックの後に倍増したと思いますけれども、その後余り大きく伸びていないということですので、この構想が実際に何か実現するという可能性はなかなか難しいのかなと思います。思いますが、こういった技術革新の成果を中央銀行が活用して世界の安定につなげていくということ自体は大変結構なことだと思います。
そういった意味で、日本銀行としては、先ほど申し上げたECBとの共同研究、さらには、今、香港金融管理当局とクロスボーダーのDVPリンクの構築を進めております。こういったことも含めて、日本銀行としては、デジタル社会にふさわしい中央銀行間の協力を今後とも更に高めていきたいというふうに考えております。
この発言だけを見る →御案内のように、IMFにSDRという国際通貨がありまして、これはもう五十年ぐらい続いているわけですけれども、現在は、SDRの構成バスケットというのはドル、ユーロ、円、ポンド、そして人民元という五つの通貨の一定の割合でSDRというものをつくって、それを国際決済、各国間の国際決済に使えるようにしているわけでありますが、このSDRについて市場でも使えるようにしたらどうかという意見が昔からあったんですが、これは結実しておりません。
カーニー総裁の発想は、このSDRを実際に民間の人たちがデジタル化した形で使えるようにするという構想とよく似ていると思うんですけれども、そういう意味で全く何か変わったことを言われたというのではなくて、従来からあるドルだけに依存した国際通貨体制を、もう少しバランスよく幾つかの主要な通貨のバスケットのようなものを、SDRのようなものを国際的な取引に幅広く使うことによって、ドルに対する過度な依存が、一方で米国に恩恵も与えているんですけれども負担も与えていると、それが、国際通貨体制が米国の財政金融政策によって大きく影響を受けるということを是正しようという動きが従来からあるわけですが、カーニー総裁の話は、そういったことの流れの中で、リブラが出てきたということもあって、公的なところでそういうことをしてはどうかという話だと思うんです。
大変興味深い話ではあるんですが、先ほど来申し上げたように、SDR自体、もうずっとつくられて五十年ぐらいたっているんですけれども、各国間の決済には使われているんですけれども、ある程度、しかし、民間では使われていないし、残高も、リーマン・ショックの後に倍増したと思いますけれども、その後余り大きく伸びていないということですので、この構想が実際に何か実現するという可能性はなかなか難しいのかなと思います。思いますが、こういった技術革新の成果を中央銀行が活用して世界の安定につなげていくということ自体は大変結構なことだと思います。
そういった意味で、日本銀行としては、先ほど申し上げたECBとの共同研究、さらには、今、香港金融管理当局とクロスボーダーのDVPリンクの構築を進めております。こういったことも含めて、日本銀行としては、デジタル社会にふさわしい中央銀行間の協力を今後とも更に高めていきたいというふうに考えております。
長
熊
熊谷裕人#24
○熊谷裕人君 立憲・国民.新緑風会・社民の熊谷裕人でございます。
今日も質問の機会をいただきました。一生懸命質問させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
まず最初に、先ほど総裁から報告書に関する御発言をいただきました。私もこの報告書を読ませていただいて、経済・物価情勢の展望十月号というやつを見まして、その中でちょっと気になっていたのは、二〇二一年度の消費者物価指数の政策委員見通しの中央値が二一年度もプラス一・五という数値になっております。
この中央値が二%に満たなくなったのはいつからなのかなという素朴な疑問がございましたので、その辺をお聞かせをいただきたいのと、また、政策委員の大勢見通しについても二%に満たなくなったのは果たしていつ頃からなのでしょうか、まず御質問させていただきたいと思います。
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まず最初に、先ほど総裁から報告書に関する御発言をいただきました。私もこの報告書を読ませていただいて、経済・物価情勢の展望十月号というやつを見まして、その中でちょっと気になっていたのは、二〇二一年度の消費者物価指数の政策委員見通しの中央値が二一年度もプラス一・五という数値になっております。
この中央値が二%に満たなくなったのはいつからなのかなという素朴な疑問がございましたので、その辺をお聞かせをいただきたいのと、また、政策委員の大勢見通しについても二%に満たなくなったのは果たしていつ頃からなのでしょうか、まず御質問させていただきたいと思います。
黒
黒田東彦#25
○参考人(黒田東彦君) いわゆる政策委員会の委員の見通しの中央値が二%に達しない見通しになったというのは、特に二〇一五年七月以降になったわけですが、この見通し期間中にも、一番最後でも二%に達しないというふうになったのは二〇一八年の七月以降であります。
御案内のとおり、世界経済の中で特に大きな変動がありましたのは、原油価格が一時百二十ドルぐらいになっていたものが三十ドルを割るぐらいのレベルまで一年半ぐらい掛けて下がったことがございます。それが相当日本の消費者物価の上昇率を引き下げまして、実はその頃は欧米も非常に下がってゼロ%近くになっていたんですが、我が国の場合若干マイナスになりまして、その後、原油価格が半分ぐらい戻したわけですけれども、欧米の場合は比較的この消費者物価の上昇率もある程度戻ったのに対して、我が国の場合は足下、もう御承知のように生鮮食品を除いたところで〇・五%前後というところで、なかなか戻っていないわけであります。
そういったことを前提に、やはり需給ギャップがプラスの状況ではあるんですけれども、なかなかこの中長期的な予想物価上昇率が上昇してこないということもありまして、足下の物価上昇率がまだ二%にはかなり遠い段階にあると。その下で今後、今の緩和的な金融政策を続けていって、需給ギャップのプラスも持続し、物価上昇率が少しずつ上がっていって、予想物価上昇率もそれに合わせていくということで進んでいくと、御指摘のように二〇二一年度でプラス一・五%程度になるということであります。
月ごとの見通しというのはありませんので何とも申し上げられませんけれども、基本的には二〇二一年度でも二%に達しないというのが政策委員の見通しの中央値であろうというふうに思っております。
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そういったことを前提に、やはり需給ギャップがプラスの状況ではあるんですけれども、なかなかこの中長期的な予想物価上昇率が上昇してこないということもありまして、足下の物価上昇率がまだ二%にはかなり遠い段階にあると。その下で今後、今の緩和的な金融政策を続けていって、需給ギャップのプラスも持続し、物価上昇率が少しずつ上がっていって、予想物価上昇率もそれに合わせていくということで進んでいくと、御指摘のように二〇二一年度でプラス一・五%程度になるということであります。
月ごとの見通しというのはありませんので何とも申し上げられませんけれども、基本的には二〇二一年度でも二%に達しないというのが政策委員の見通しの中央値であろうというふうに思っております。
熊
熊谷裕人#26
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
先ほどの総裁の報告の中で、中長期的な予想物価上昇率は高まっていき、そして二%に向けて徐々に上昇率を高めていくというコメントがございました。
私がこの二%って本当に達成できるんだろうかと、国民の皆さんも思っているんだと思うんですけれど、私も率直にそんな感じをしておりまして、この十月の消費増税の影響が具現化をこれからしてくる。そして、先般の七―九月期のGDPの速報値でも伸びが鈍化をしているというような報告もございました。足下の経済状況が悪くなっている中で、本当にこの二%目標というのは現実的なものなのかどうかというふうな気がしておりまして、この二%にこだわっている理由というのをもう一度聞かせていただけないかなと思います。
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私がこの二%って本当に達成できるんだろうかと、国民の皆さんも思っているんだと思うんですけれど、私も率直にそんな感じをしておりまして、この十月の消費増税の影響が具現化をこれからしてくる。そして、先般の七―九月期のGDPの速報値でも伸びが鈍化をしているというような報告もございました。足下の経済状況が悪くなっている中で、本当にこの二%目標というのは現実的なものなのかどうかというふうな気がしておりまして、この二%にこだわっている理由というのをもう一度聞かせていただけないかなと思います。
黒
黒田東彦#27
○参考人(黒田東彦君) まず、二%の物価安定の目標の実現には時間が掛かっておりまして、そのこと自体は残念なことであると思っております。
もっとも、日本経済自体は、強力な金融緩和の効果もあって、物価が持続的に下落するという意味でのデフレではない状況となっております。先行き、極めて緩和的な金融環境による下支えなどを背景に景気の拡大基調が続く中で、消費者物価の前年比は二%に向けて徐々に上昇率を高めていくというふうに考えているわけでございます。
なぜこの二%かということにつきましては、従来から三つほどの点を挙げておりますけれども、一つは、消費者物価指数がやや実態よりも高めに出ると。これは御承知のように、五年ごとに中身、それからウエートを見直すわけですけれども、どうしても、そういうことから上昇率が実際よりも高めに出てしまうと。それからもう一つは、そうした上で若干の余地を残しておいた方が、そうでないと、すぐに実際の、実態の物価上昇率がマイナスに落ち込んでしまうということになりますので、一定のその過大評価部分に加えて一定のまた余地を加えると。そうすると二%程度というのが適切ではないかと。それが言わばグローバルスタンダードに現在なっておりますので、三つ目のポイントとしては、主要国の中央銀行が二%の物価安定目標を実現するということで金融政策を運営しているということが、ある意味で、中長期的に見れば、その主要国間の為替レートを安定する方向に機能しているということがあろうかと思います。
そういった意味で、諸外国でも二%の物価安定目標についていろんな議論が現状行われていることは事実なんですが、欧米における議論はむしろ二%よりも引き上げようという議論でありまして、私はそういった議論にはくみさないんですけれども、少なくとも引き下げようという議論は世界的に見てもほとんどないと思います。
この発言だけを見る →もっとも、日本経済自体は、強力な金融緩和の効果もあって、物価が持続的に下落するという意味でのデフレではない状況となっております。先行き、極めて緩和的な金融環境による下支えなどを背景に景気の拡大基調が続く中で、消費者物価の前年比は二%に向けて徐々に上昇率を高めていくというふうに考えているわけでございます。
なぜこの二%かということにつきましては、従来から三つほどの点を挙げておりますけれども、一つは、消費者物価指数がやや実態よりも高めに出ると。これは御承知のように、五年ごとに中身、それからウエートを見直すわけですけれども、どうしても、そういうことから上昇率が実際よりも高めに出てしまうと。それからもう一つは、そうした上で若干の余地を残しておいた方が、そうでないと、すぐに実際の、実態の物価上昇率がマイナスに落ち込んでしまうということになりますので、一定のその過大評価部分に加えて一定のまた余地を加えると。そうすると二%程度というのが適切ではないかと。それが言わばグローバルスタンダードに現在なっておりますので、三つ目のポイントとしては、主要国の中央銀行が二%の物価安定目標を実現するということで金融政策を運営しているということが、ある意味で、中長期的に見れば、その主要国間の為替レートを安定する方向に機能しているということがあろうかと思います。
そういった意味で、諸外国でも二%の物価安定目標についていろんな議論が現状行われていることは事実なんですが、欧米における議論はむしろ二%よりも引き上げようという議論でありまして、私はそういった議論にはくみさないんですけれども、少なくとも引き下げようという議論は世界的に見てもほとんどないと思います。
熊
熊谷裕人#28
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
そうしたら、次に行きたいと思うんですけれど、アメリカでは、トランプ大統領がFRBに引下げをずっと要求をして、現実的に引下げがなされてきました。しかし、十三日の新聞に出ていたんですけれど、アメリカの議会証言で、パウエル議長の方が今後の利下げには慎重な姿勢を証言をされています。
先ほどの報告書の中で、状況によっては現在の水準よりも引き下げる方針を明確にしているというふうな御発言ございましたが、これもまた先般の銀行、三メガ銀行グループの中間決算の速報なんですけれど、収益が軒並み三年ぶりに減収をしていて、低金利がやはり影響しているんじゃないかというようなお話があったり、生保が低金利過ぎてなかなか商品がつくれなくなっているというようなことがあって、様々なところに影響が出てきています。
先ほどの、状況によっては更なる利下げも考えるということでありましたが、どのような状況になったら利下げを考えなければいけないのかどうか、もしお聞かせいただければお聞かせいただければと思います。
この発言だけを見る →そうしたら、次に行きたいと思うんですけれど、アメリカでは、トランプ大統領がFRBに引下げをずっと要求をして、現実的に引下げがなされてきました。しかし、十三日の新聞に出ていたんですけれど、アメリカの議会証言で、パウエル議長の方が今後の利下げには慎重な姿勢を証言をされています。
先ほどの報告書の中で、状況によっては現在の水準よりも引き下げる方針を明確にしているというふうな御発言ございましたが、これもまた先般の銀行、三メガ銀行グループの中間決算の速報なんですけれど、収益が軒並み三年ぶりに減収をしていて、低金利がやはり影響しているんじゃないかというようなお話があったり、生保が低金利過ぎてなかなか商品がつくれなくなっているというようなことがあって、様々なところに影響が出てきています。
先ほどの、状況によっては更なる利下げも考えるということでありましたが、どのような状況になったら利下げを考えなければいけないのかどうか、もしお聞かせいただければお聞かせいただければと思います。
黒
黒田東彦#29
○参考人(黒田東彦君) 私ども、従来から物価の動向については二つの要素が非常に重要であると考えておりまして、需給ギャップがどのようになっていくかということと、中長期的な予想物価上昇率がどのように展開していくかということであります。そういった意味で、その両方の点を中心に、物価安定目標に向けたモメンタムが維持されているかどうかというのを毎回の決定会合で議論しているわけであります。
そういった観点からいいますと、前回の決定会合では、海外経済を中心として下振れリスクが大きいことは事実でありますけれども、その時点で、物価安定目標の実現に向けたモメンタムが失われたとか、あるいは、その損なわれるリスクが非常に高まったという状況ではないということで、政策については現状維持をした上で、金利のフォワードガイダンスについてより明確化をしたということでございます。
今後も、したがいまして、海外経済を中心としたリスクがどのように展開するのか、顕在化するのか、あるいは、それが日本の経済に影響を与えて、今申し上げた需給ギャップあるいは中長期的な予想物価上昇率にどういう影響が出てくるかと、で、そうしたものが大きな影響を受けて、物価安定目標に向けたモメンタムが損なわれるおそれが一段と高まるということになれば、やはり政策金利の引下げも含めて当然追加的な金融緩和をちゅうちょなく検討するということになると思いますが、現時点ではまだ何らかの予断を持っているということではございません。
この発言だけを見る →そういった観点からいいますと、前回の決定会合では、海外経済を中心として下振れリスクが大きいことは事実でありますけれども、その時点で、物価安定目標の実現に向けたモメンタムが失われたとか、あるいは、その損なわれるリスクが非常に高まったという状況ではないということで、政策については現状維持をした上で、金利のフォワードガイダンスについてより明確化をしたということでございます。
今後も、したがいまして、海外経済を中心としたリスクがどのように展開するのか、顕在化するのか、あるいは、それが日本の経済に影響を与えて、今申し上げた需給ギャップあるいは中長期的な予想物価上昇率にどういう影響が出てくるかと、で、そうしたものが大きな影響を受けて、物価安定目標に向けたモメンタムが損なわれるおそれが一段と高まるということになれば、やはり政策金利の引下げも含めて当然追加的な金融緩和をちゅうちょなく検討するということになると思いますが、現時点ではまだ何らかの予断を持っているということではございません。