地方創生及び消費者問題に関する特別委員会

2020-06-05 参議院 全218発言

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会議録情報#0
令和二年六月五日(金曜日)
   午後一時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月三日
    辞任         補欠選任
     加田 裕之君     宮崎 雅夫君
 六月四日
    辞任         補欠選任
     堀井  巌君     清水 真人君
 六月五日
    辞任         補欠選任
     清水 真人君     山田 太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 信秋君
    理 事
                徳茂 雅之君
                三木  亨君
                山田 俊男君
                伊藤 孝恵君
                山本 香苗君
    委 員
                尾辻 秀久君
                太田 房江君
                清水 真人君
                藤末 健三君
               三原じゅん子君
                宮崎 雅夫君
                山田 修路君
                山田 太郎君
                田村 まみ君
                野田 国義君
                羽田雄一郎君
                福島みずほ君
                宮沢 由佳君
                森本 真治君
                熊野 正士君
                安江 伸夫君
                松沢 成文君
                柳ヶ瀬裕文君
                大門実紀史君
                浜田  聡君
   衆議院議員
       修正案提出者   穴見 陽一君
       修正案提出者   青山 大人君
       修正案提出者   畑野 君枝君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全)
       )        衛藤 晟一君
   副大臣
       内閣府副大臣   大塚  拓君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        藤原  崇君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮崎 一徳君
       常任委員会専門
       員        佐藤 研資君
   政府参考人
       消費者庁次長   高田  潔君
       消費者庁審議官  坂田  進君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○公益通報者保護法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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佐藤信秋#1
○委員長(佐藤信秋君) ただいまから地方創生及び消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、加田裕之君及び堀井巌君が委員を辞任され、その補欠として宮崎雅夫君及び清水真人君が選任されました。
    ─────────────
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佐藤信秋#2
○委員長(佐藤信秋君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公益通報者保護法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、消費者庁次長高田潔君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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佐藤信秋#3
○委員長(佐藤信秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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佐藤信秋#4
○委員長(佐藤信秋君) 公益通報者保護法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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徳茂雅之#5
○徳茂雅之君 自由民主党の徳茂雅之でございます。
 緊急事態宣言は解除されましたが、今なお新たな感染者が発生しています。定額給付金の支給も始まってまいりましたけれども、メールや電話、SNS等による詐欺の手口も拡大していると聞いています。まずは、消費者庁におきましては、被害防止に向けたお取組に全力を尽くしていただきたい、このように思います。
 大臣には、五月八日のこの委員会の所信質疑におきまして、感染者対応に続いた消費者政策のトップバッターの項目として公益通報者保護法の改正を挙げられました。その思いについて、公益通報者保護制度の実効性を向上させることは極めて重要だと、消費者の利益につながるだけではなく企業の信頼確保につながるだろう、事業者、消費者の利益になるものだという強い思い、答弁を頂戴したところでございます。
 このように大臣の思いのこもった法案でありますけれども、現行法が施行、制定されてからこの提出まで十四年、長き時間が掛かっております。改めて大臣に、これまで検討の経緯と今般提出に至った契機についてお伺いしたいと思います。
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衛藤晟一#6
○国務大臣(衛藤晟一君) 公益通報者保護法の施行後、大企業や行政機関を中心として内部通報制度の整備が進むなど制度の普及が進んだ一方、その実効性に課題があり、公益通報制度が十分機能していれば早期の是正が期待し得た事業者の不祥事が後を絶たない状況にあります。
 消費者庁としては、現行法の施行後、法の施行状況調査、ガイドラインの策定、改正、制度の周知、広報など、制度の実効性向上に必要な対応を行ってきたところですが、こうした状況を踏まえ、消費者委員会も含め法改正に向けた検討を進めてまいりました。
 ただ、検討に際しては、積極的な立場と慎重な立場の意見の隔たりが大きい論点も多く、関係者の調整を丁寧に進める必要があったところでございます。こうした制度の実効性向上に向けた取組や調整の結果、今国会においてこの改正法案の御審議をお願いすることになったものです。
 なお、改正法案の成案を得るに当たっては、党のプロジェクトチームにおいても活発な議論や調整をいただいたところでありまして、徳茂先生にも多大な御貢献をいただきました。改めまして、この場を借りて感謝申し上げる次第でございます。
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徳茂雅之#7
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 お手元に資料を配付いたしております。資料の一ページ目、御覧いただきたいと思います。
 これは、法案の制定以降、今回の提出までの間の公益通報者保護法の見直しに関わるいろんなイベント等を記載したものでございます。これ御覧いただきますと、毎年のように検討を行い、いろんな提言、こういったものを公表したり、調査も行われてきたわけでございます。
 先日の参考人質疑におきまして、田中参考人、それから拝師参考人も、この中でいきますと、公益通報者保護制度の実効性向上検討委員会あるいはそのワーキング・グループで尽力をいただいたということでございます。多くの関係者の尽力の集大成が一昨年十月に出された消費者委員会におけます専門調査会の報告書、この答申ということだろうと思っております。
 資料を一枚めくって、二ページ目以降を御覧いただきたいと思います。
 これは、消費者委員会の公益通報者保護専門調査会の報告書の概要ということでございます。
 これ、御覧いただきますと、右下にページ数がありますが、一ページ目からが、ある意味、公益通報者保護の事前の措置が書かれております。通報者の範囲、通報対象事実の範囲、あるいは外部通報の保護要件等ということでございます。今回の法改正につきまして、とりわけこの事前の措置については、おおむね、おおむねでありますけれども、この報告書、提言をベースにして作られたというふうに承知しております。
 この三ページ以降、御覧いただきたいと思います。
 三ページの下の段から守秘義務というのがございますが、ある意味、実際に公益通報が出される、内部通報が出された、じゃ、その守秘といいますか秘密をどう守るのかといった、ある意味、事後の措置がここから書かれておりますが、この部分については、今回の提言と実際に出された法案の内容というのは若干前後があるということでございます。
 マーカーで、少し私の方もマークで色を付けさせていただきましたけれども、まずは、今回の報告書の提言とそれから今回の改正内容を比較して、提言にはなかった公益通報対応従事者等に対する罰則付きの守秘義務条項を今回盛り込んだということでございますが、まずはその理由についてお尋ねいたします。
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坂田進#8
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 誰が通報をしたのかという情報が漏えいされることにより不利益取扱いにつながる事案が見られるところ、不利益取扱いを抑止する観点からは、公益通報者に関する情報漏えいの防止が極めて重要でございます。
 消費者庁の調査によりますと、通報をためらう理由として、誰が通報したかが知られてしまうことへの懸念が多く挙げられております。公益通報者が安心して通報をする環境を整備する観点からも、情報漏えいの防止を十分図る必要がございます。
 このような実態を踏まえまして、公益通報対応業務従事者に刑事罰付きの守秘義務を課すことにより、公益通報者が不利益取扱いを受けることなく安心して通報できる環境を確保することとしたものでございます。
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徳茂雅之#9
○徳茂雅之君 御説明ありがとうございました。
 先ほど大臣からも自民党内のプロジェクトチームの御紹介もございましたけれども、私もそのメンバーでありましたし、今日委員でいらっしゃいます太田先生、それから提案者であります穴見先生も委員ということで、大変ありがとうございました。
 そのプロジェクトチーム、PTの中で最も大きく議論になった論点といいますのが、この守秘義務、この取扱いでございました。
 我々は、公益通報制度の実効性を高めるための最大のポイントというのは、やはり通報者が安心して通報できる環境を整える必要があるんじゃないか、そのためにはやはり通報者の秘密、通報の事実をしっかり守らなきゃいけない、こういう思いであったわけであります。
 守秘義務が守られないということであれば、仮に、その後、不利益取扱い、これに対してしっかり行政が措置をします、あるいは裁判を起こしたときに立証責任は転換されるからどうぞ裁判を起こしてくださいというふうに言ったところで、通報者が安心して通報を行うはずがないだろうということでございます。
 逆に、守秘義務がしっかりと守られる、履行されるのであれば、通報の事実が社内で共有されないわけでありますので不利益取扱いを行う端緒もないと、ましてや訴訟に至るはずもないだろうということで、まず、通報者を守るための最初で最大のとりでは、我々はやはり、守秘義務をしっかり守ること、通報した事実がしっかり守られること、そのためには最終的には罰則規定しかないんではないかと、こういう結論に至ったわけであります。この点が党内のプロジェクトチームで最もこだわった点ということでございます。
 今回の消費者委員会の最終報告では、この点につきましては今後必要に応じて検討という扱いがなされたわけであります。消費者庁も本当に、最初は少し及び腰だったかもしれませんけれども、最後はこの点についてしっかり御理解いただいて、大臣のリーダーシップの下、この点についてしっかり取り組んでいこうということをなされたということであります。そういう面では、消費者庁の今回の対応について私どもの方からも厚く御礼申し上げたいというふうに思いますし、とりわけ、これも本当にぎりぎりの時点でありましたので、今回法律成立した暁には、是非事務方の努力にも大臣の方からねぎらっていただきたい、このように思う次第でございます。
 その上で、今回、提言であった、先ほどの不利益取扱いに対する行政措置、これを盛り込まなかったというわけでありますけれども、この理由について改めてお尋ねいたします。
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坂田進#10
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 公益通報者に対する不利益取扱いは、通報をちゅうちょさせ、事業者が法令遵守を図る機会を失わせるものであり、あってはならないと考えております。
 改正法案においては、従業員等に対する守秘義務を課すとともに、事業者に、公益通報者に関する情報が漏えいしない体制、公益通報者に対する不利益取扱いを防止する体制の整備を求めることとしております。このように、公益通報者に対する不利益取扱いを事後的にではなく事前に抑止することがまずは重要と考えております。
 他方、公益通報をしたことを理由とする不利益取扱いに関する事実認定につきましては、当事者間で争われた場合、当事者双方の主張や証拠に照らして判断しなければならず、行政機関にとっては非常に困難であることなどから、今回は、不利益取扱いが生じた場合の事後的な行政措置ではなく、不利益取扱いの事前抑止に資する刑事罰付きの守秘義務を設けることといたしました。
 今般の改正によって不利益取扱いを抑止する効果がどの程度高まったかについては、施行後の実態も十分踏まえ検証していきたいと考えており、改正法案の附則第五条にもこの趣旨を規定しているところでございます。
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徳茂雅之#11
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 この点につきましても、実はPTで相当な議論をしたわけであります。厚労省にも毎回来ていただいて、何とか措置ができないかということでいろんな議論をしたわけでありますけれども、今政府参考人からの御答弁ということでありますが、この点につきましてもこれからしっかり取り組んでいただきたいと、このように思います。
 一昨日の参考人質疑で、私の方から各参考人に対して、本改正案の評価について率直にお伺いしたわけであります。
 田中参考人からは、内部通報体制の整備、守秘義務の明定、行政通報についての保護要件の大幅拡充、退職者、役員も保護範囲に含めるといった点で大きな前進だが、とりわけ不利益取扱いを行った事業者に対する適切なサンクションの検討が必要というふうな評価でございました。また、拝師参考人からは、不利益取扱いをなされた場合に対する行政措置が抜け落ちており、ぎりぎり合格点だが、大きいのは守秘義務について刑事罰付きで課していくという立て付けであるという評価を。また、濱田参考人からは、日本の会議の難しさとか調整の難しさを勘案すると九十八点、勘案しなければ六十点でまあ可だが、しかしポイントとして立証が企業か通報者側かが課題、立証責任をどうするのかというのが残っているというような評価をいただいたわけであります。
 今回、立証責任の転換などの訴訟負担の軽減について、規定化しなかった、盛り込まなかった理由についてお尋ねします。
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坂田進#12
○政府参考人(坂田進君) 立証責任の転換については、消費者委員会において、悪意ある労働者に制度が利用される、無用な争いを避けるために通報者に対する措置を一時的に凍結するなど、円滑な労務管理等を阻害するとの懸念が示され、消費者委員会の答申においても今後の検討課題とされております。
 また、我が国の労働法一般に係る裁判実務においては、解雇の正当な理由や、配置転換や降格などの不利益取扱いの必要性について事業者が明らかにすることが求められており、実態としては、通報を行った労働者も含めて、不利益取扱いを受けた労働者側の立証の負担が一定程度軽減されていると理解しております。こうした状況を踏まえて、立証責任の転換などの訴訟負担の軽減については法案には盛り込まなかったものでございます。
 他方で、訴訟負担の軽減は重要な課題と考えており、改正法案の附則第五条の規定も踏まえ、必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
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徳茂雅之#13
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 本日は、衆議院における修正に関しまして、提出者であります穴見先生にお越しいただきました。大変ありがとうございました。
 先生には、先ほどの党内のプロジェクトチームの検討に際しましては、御自身は経営者ということでありますけれども、常に消費者あるいは公益を考えた、本当にその立場に立った議論を展開いただき、特に先ほどの守秘義務の規定化につきましては本当に議論をリードいただいたということでございます。
 先ほど政府の方から立証責任の転換について御答弁いただきましたけれども、今回の附則第五条に、三年後の見直し条項として裁判手続における請求の取扱いを追加ということで修正されましたけれども、改めて、衆議院提出者に対してその理由についてお伺いしたいと思います。
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穴見陽一#14
○衆議院議員(穴見陽一君) ありがとうございます。答弁させていただきます。
 先生もるるこれまでの議論の中に明らかとされていらっしゃいましたように、専門調査会の報告書等でも指摘されていた事項も、報告書自体が両論併記のような形で示されていたということもあって、十分に今回法案提出までに調整が進まずに積み残した課題もございます。
 そういう意味では、この附則第五条というのは、三年後を目途としたそういった検討事項について幅広いテーマを包含した内容となっておりますが、我々衆議院としては、この裁判手続における請求の取扱いというのは、先ほど議論となっておりました立証責任の転換の問題でございますが、これはやはり公益通報者が通報し、またその保護を求めていく上で非常に重要な論点であり、ここも実際の公益通報がなされる若しくは保護されるということを担保する上でその数がなかなか伸びてこないということの大きな阻害要因になっているんではないかと、そういう認識でもって、各あるテーマの中でもこの立証責任の転換について改めて明記することによってしっかりと議論をしていただきたいと、そういう思いで記載をさせていただいたわけであります。
 通報者が解雇その他の不利益取扱いを受けた場合、これが裁判に至ることになれば、基本的にはその解雇や不利益取扱いが通報を理由とするものであることを通報者側で立証する必要がありますが、情報や証拠資料が事業者側に偏在している、そういうことなどからその立証が困難な場合もありまして通報者にとって大きな負担となっておりますが、先ほども答弁の中でもありましたけれども、立証責任の転換によって円滑な労務管理等が阻害されるという懸念などが示されており、消費者委員会の公益通報者保護専門調査会の報告書においても今後の検討課題とされておりますので、今回の改正案では直接規定することは見送られたものと承知をしておりますけれども、引き続き責任を持って議論をするようしっかりと規定をしておきたいという思いで追加をさせていただきました。
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徳茂雅之#15
○徳茂雅之君 ありがとうございます。
 附則とはいえ、条文化されるということの意味合いは極めて大きいというふうに思います。政府におかれましても、衆議院で修正されたということの重さを是非受け止めた運用をお願いしたい、このように思います。
 今回の改正につきましては、二号通報、外部通報についても手が入っております。二号通報の真実相当性の原則、これがかなり緩和されたということでございます。拝師参考人は、意見陳述の場におきまして、内部通報と行政通報の保護要件をかなりフラットな形にして、制度間競争、これ一号通報と二号通報以下、二号、三号との間の制度間の競争、これが起こる仕組みを導入したと大変評価されています。
 通報者が安心して内部通報ができるということがあればいいんですけれども、仮になかなかいろんな事情で内部通報はできないという場合に行政通報などの外部通報が行われることになります。事業者側におきましても、守秘義務などの内部通報体制、これをしっかりと整備するというインセンティブが逆に言えばこれによって働いてくるということであります。内部通報と外部通報の制度間競争ということでありますが、逆に、この両制度が一体となって運用されることによって公益通報者保護制度全体がその実効性が高まると、このように考えます。
 そこで、今回の改正での二号通報、三号通報、いわゆる外部通報の保護要件の緩和を行ったわけでありますけれども、一号通報との関係をどのように考えるのか、お尋ねします。
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坂田進#16
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 事業者内部への公益通報の場合と異なり、事業者外部への公益通報については、真実でない通報によって事業者の名誉、信用等の正当な利益が不当に害される可能性があることから、不利益な取扱いから保護されるための要件がより厳しいものとされているところでございます。
 他方で、組織ぐるみで不正行為を行っているなど事業者における通報制度が機能不全に陥っているような場合には、事業者内部ではなく事業者外部への公益通報が適切な場合もあることから、通報の優先順位については設けていないところでございます。
 今般の改正法案においては、事業者外部への公益通報を理由とする不利益取扱いから保護されるための要件を緩和することとしております。このように、事業者外部への公益通報についての要件を緩和することは、外部への通報をしやすくするのみならず、事業者においても、外部通報でなく事業者内部への通報が活発になされるよう、自ら内部通報制度を実効的なものとすることが期待できるものと考えます。
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徳茂雅之#17
○徳茂雅之君 ありがとうございます。
 今回、罰則付きの守秘義務、これを創設したわけでありますけれども、本来でいえば、罰則があるから秘密が守られるというのではなくて、やはり通報者の秘密は当然守らなければいけないんだという、これは事業者側あるいは経営者側の意識の醸成、あるいは組織、企業全体の文化、風土、これをつくること、定着させることが私は必要だというふうに思います。
 そのためには、いわゆる公益通報者保護制度、制度そのものの意義をしっかりと浸透させるとともに、今般この法律が成立した暁には、各事業者に対して、この制度の内容、制度改正の内容の趣旨等、これをしっかりと周知、浸透を図るべきではないか、努めるべきではないかと考えますが、大臣の御所見をお尋ねします。
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衛藤晟一#18
○国務大臣(衛藤晟一君) 委員御指摘のとおり、公益通報者保護制度の内容について、事業者は通報者になり得る従業員等に広く周知していくことは非常に重要であると考えております。
 消費者庁としては、これまで、民間事業者や行政機関、地方公共団体に向けたガイドラインを策定、改正し、広く周知活動を行うほか、公益通報者保護制度についてのハンドブックの作成、配布、相談ダイヤルの開設、運用、制度の概要を分かりやすく説明する動画の作成、配信など、従業員個人に対する周知も念頭に置いた取組を進めてきたところであります。
 引き続き、こうした取組を推進するとともに、法改正の成立後、今般の法改正の内容を説明会等において周知するほか、SNSの活用などにより中小企業を含めた事業者やその従業員に対する直接的な普及啓発を図り、改正法の内容を含め、制度の認知度向上につなげてまいりたいと考えております。
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徳茂雅之#19
○徳茂雅之君 ありがとうございます。
 今回の公益通報者保護法、制度改正は小さな一歩ではないかという御評価もあります。ちょうど五十年前、私は大阪におりましたが、当時はまだ小学生、千里で万博がありました。物すごい人が日本国内から集まりました。一番人気があったのが恐らくアメリカ館だろうと思います。月の石が展示されていました。一年前にアポロが月に着陸したときに、その当時の船長、アームストロング船長が、人にとっては、個人にとっては小さな一歩かもしれないけど、これ人類にとっては極めて大きな一歩だというようなことで話題になりました。
 今回の法律改正、積み残した点はたくさんあります。ただやはり、一歩でも前に前進した、ある意味、民に任せた社会にこれは公が関与をしっかりしていくんだという、私は、大きな大きな一歩を前に進めた、前進したんじゃないかなというふうに思っております。
 是非とも委員各位の皆様の御理解も頂戴したいと思いますし、何より今回の制度がしっかりと改正されることがあれば、これは消費者庁、政府を挙げて、公益通報者保護、消費者、国民の保護につながるようなお取組になるように期待を申し上げまして、少し時間は早いですけれども、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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福島みずほ#20
○福島みずほ君 立憲・国民.新緑風会・社民共同会派の福島みずほです。
 まず、本改正案の目的について大臣にお聞きをいたします。
 公益通報者保護法の目的は、通報者を保護することが国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資するということがあります。それと同時に、食品偽装や車やいろんな点は特にそうですが、消費者を守るということがその結果実現ができるということがあります。
 担当大臣としての見解を教えてください。
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衛藤晟一#21
○国務大臣(衛藤晟一君) 今委員御指摘のとおり、近年も消費者の安全、安心を損なう社会問題化する事業者の不祥事が明らかになってきております。
 そのため、事業者の自浄作用を十分に発揮させることなどにより、法令違反行為が早期に是正される環境を確保し、公益通報者保護制度の実効性を更に高める必要があると判断し、事業者に体制整備を義務付けるなどの改正法案を提出させていただきました。
 本改正法案により公益通報を安心して行うことのできる環境をつくることにより、消費者の安心、安全を脅かす事業者の行為が早期に抑止され、消費者の利益がしっかりと守れることになると考えています。
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福島みずほ#22
○福島みずほ君 現行法で国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法律に含まれないと解されている税法、補助金適正化法、公職選挙法等の追加をすべきではないでしょうか。
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高田潔#23
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 公文書の適切な管理を始め、行政の適正性の確保につきましては、国民の信頼を確保する観点から、政府全体として常に真摯に取り組むべき課題であると考えております。
 例えば、公文書の管理について申し上げれば、内閣府と各府省に通報の窓口が設置されており、職員からの公文書管理に関する通報を受け付けております。また、通報者の保護についても、行政機関向けガイドラインに基づいて各府省庁の内部において通報を理由とする不利益取扱いが禁止されており、通報により行政の適正性を確保するという観点では一定の措置が講じられております。
 このように、行政の適正性を確保するためには、公益通報者保護制度のみならず、他の法制度において通報者を保護する仕組みを組み合わせることで政府全体として適切な対応を図ることが重要であると考えております。
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福島みずほ#24
○福島みずほ君 通報先に応じて保護される公益通報の要件が異なります。一号、二号、三号で、とりわけ三号の点については要件が厳しくなっております。通報者にとって報道機関等への通報の方がやりやすいという面もあります。この差を設けている、要件が異なることについては変えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
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坂田進#25
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 公益通報者を保護することや、公益通報によって安全、安心が得られる消費者の利益を確保することは重要なことでございます。他方で、事業者の利益を全く考慮しないのでは、かえって消費者の利益を損なうことになりかねません。そのため、事業者の正当な利益に配慮することも消費者の利益の確保にとって必要と考えられます。
 このような観点から外部通報の保護要件は考えられており、報道機関に対する外部通報は、風評被害のおそれがあるため、行政機関に対する外部通報よりも加重された要件の下で保護することが適当と考えられております。
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福島みずほ#26
○福島みずほ君 一般的には、本当は会社の内部に言うのが一番ベストなんですが、なかなかやりにくい、やっぱり報道機関の方が自分を逆に守ってくれるんではないかということもあります。これは将来、是非この要件どうするかについては検討の必要があると考えます。
 内部通報体制整備義務についてお聞きをいたします。
 指針では、体制整備についてどのような内容を定める予定でしょうか。通報者保護の観点を最優先に位置付けることや、内部通報に関する具体的な記録の作成、保管などを通じて、各事業者における内部通報制度の利用状況や通報者保護の状況を事後的に検証できる仕組みが必要ではないでしょうか。
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坂田進#27
○政府参考人(坂田進君) 指針に定める体制整備の具体的な内容としては、通報の窓口整備のみならず、窓口に通報があった場合の調査や、情報漏えいなど通報に関する内規の違反者に対する懲戒などのほか、安心して通報できるよう通報者に対する不利益取扱いや通報者に関する情報漏えいの禁止を社内規程に定め、その規程に基づき適切に運用するよう求めることを想定しております。
 また、通報対応の仕組みの整備、運用状況や実績等について客観的な評価、点検を定期的に実施していくことは内部通報制度の実効性向上の観点から有用であると考えられ、民間事業者向けガイドラインにおいても、窓口の整備、運用の状況、実績について評価、点検することを推奨しているところでございます。
 現在、ガイドラインにおいて推奨されている事項については、各事業者の実態等を踏まえた対応が望ましいものもあることから、指針の内容とすべきかについては改めて検討する必要がありますが、今般の改正法案が成立した後には、委員御指摘の点も踏まえて、関係者の意見を聞きながら検討してまいりたいと考えております。
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福島みずほ#28
○福島みずほ君 この体制整備がどうなるかがとても重要なので、しっかり指針をきめ細やかに作ってくださるよう要請いたします。
 ESG投資とのことについてお聞きをいたします。
 環境、エンバイロンメント、それからソーシャル、ガバナンス、ESG投資などが今よく言われております。機関投資家などによる企業の格付評価の一指標となっております。内部通報制度は、このうちガバナンスに関係する要素と考えられると思います。
 指針において企業格付評価や投資家保護の観点も考慮すべきであると考えますが、いかがでしょうか。これが考慮されることになれば、各企業、とりわけ大企業などはこれきちっと整備をすると思いますが、いかがでしょうか。
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坂田進#29
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 事業者内部の問題に関する情報を事業者が従業員から早期に入手することによって、組織の自浄作用を高め、企業価値の維持向上を図ることを目的として多くの事業者が構築しているいわゆる内部通報制度は、コーポレートガバナンスの重要な構成要素としても位置付けられております。
 改正法案及びこれに基づき策定される指針に沿って事業者が公益通報に適切に対応する体制を整備することは、事業者のガバナンスを強化し、企業価値を増大させることにもつながることから、投資家保護にも資するものと考えられます。
 どのような事項を指針の内容とすべきかについては改めて検討をする必要がございますけれども、今般の改正法案が成立した後には、委員御指摘の点も踏まえて、関係者の御意見を聞きながら検討してまいりたいと考えております。
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