文教科学委員会

2021-03-22 参議院 全202発言

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会議録情報#0
令和三年三月二十二日(月曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         太田 房江君
    理 事
                赤池 誠章君
                上野 通子君
                吉川ゆうみ君
                斎藤 嘉隆君
    委 員
                有村 治子君
                石井 浩郎君
                世耕 弘成君
                高階恵美子君
                水落 敏栄君
                石川 大我君
                横沢 高徳君
                蓮   舫君
               佐々木さやか君
                安江 伸夫君
                梅村みずほ君
                松沢 成文君
                伊藤 孝恵君
                吉良よし子君
                舩後 靖彦君
   国務大臣
       文部科学大臣   萩生田光一君
   副大臣
       内閣府副大臣   丹羽 秀樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       植松 浩二君
       内閣官房内閣参
       事官       川上恭一郎君
       内閣官房内閣参
       事官       安中  健君
       外務省大臣官房
       参事官      石月 英雄君
       外務省国際法局
       長        岡野 正敬君
       文部科学省大臣
       官房長      増子  宏君
       文部科学省大臣
       官房文教施設企
       画・防災部長   山崎 雅男君
       文部科学省総合
       教育政策局長   義本 博司君
       文部科学省初等
       中等教育局長   瀧本  寛君
       文部科学省初等
       中等教育局教育
       課程総括官    串田 俊巳君
       文部科学省高等
       教育局長     伯井 美徳君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局長       板倉 康洋君
       文部科学省研究
       振興局長     杉野  剛君
       スポーツ庁次長  藤江 陽子君
       文化庁次長    矢野 和彦君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    間 隆一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○令和三年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)、令和三年度特別会計予算(内閣提出、衆
 議院送付)、令和三年度政府関係機関予算(内
 閣提出、衆議院送付)について
 (文部科学省所管)
    ─────────────
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太田房江#1
○委員長(太田房江君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官植松浩二さん外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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太田房江#2
○委員長(太田房江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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太田房江#3
○委員長(太田房江君) 去る十八日、予算委員会から、三月二十二日の一日間、令和三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部科学省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 予算の説明につきましては既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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有村治子#4
○有村治子君 皆様、おはようございます。自由民主党の有村治子です。
 萩生田大臣始め、御答弁を御準備いただきました皆様に心から感謝申し上げます。三十分という限られた時間でございます。できるだけ多くの質問を展開したいと存じますので、御答弁は簡潔かつ明瞭に賜りますれば大変幸せに存じます。
 早速本題に入ります。
 慰安婦問題は、歴史的題材を取り扱いながらも、実態は歴史認識をめぐる今日的な政治課題としての情報戦、国際世論戦が続いており、むしろその主張はエスカレートしているという認識を強めております。
 今年一月、資料一にも記しましたが、韓国の元慰安婦らが損害賠償を求めた訴訟において、ソウル地裁は日本政府に対し、一人当たり約一千万の支払をするよう命じる判決を出しました。主権国家は他国の裁判に服しないという国際法に反したこの裁判は、戦後最悪と言われる日韓関係において深刻な火種となっており、異常事態が続いています。
 一方、国内に目を向ければ、中学社会科教科書において、一度は全ての教科書から消えた従軍慰安婦という記述が今回の教科書検定で通り、山川出版社の教科書に記載されました。この検定結果については、国会において既に衆参与野党の議員からも疑義が呈されています。
 そもそも、私は中学生に慰安婦問題などを教科書で教える必要性はないと考えておりますが、検定に合格してこの四月から教室で使われる教科書の記述について伺っていきたいと思います。
 この教科書には、資料二に記しておりますが、戦地に設けられた慰安施設には、朝鮮、中国、フィリピンなどから女性が集められた(いわゆる従軍慰安婦)と記述しています。この記述が戦中の実態を適切に表しているのかどうか、まず政府に伺います。当時慰安婦となった方々の出身地域、国別の構成について、政府が把握している実態をお答えください。
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川上恭一郎#5
○政府参考人(川上恭一郎君) お答えいたします。
 これまでの政府の調査で発見された資料には、慰安婦の総数を示すものや推認させるに足りるものはなく、その総数や出身別の人数を確定することは困難でございますが、数多くの内地人、日本出身者がおりましたことに加えて、朝鮮半島、中国、台湾、フィリピン、インドネシア、オランダの出身者がいたことが確認されているところでございます。
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有村治子#6
○有村治子君 資料二の河野談話、明示しておりますけれども、この河野談話にも、なお、戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば朝鮮半島が大きな比率を占めていたと明言されています。つまり、控えめに言っても相当数は日本人慰安婦だったというのが現実であります。
 慰安婦の多数が日本人であったという史実を鑑みると、朝鮮や中国、フィリピンなど外地のことしか論じていないこの記述は、教科書検定基準が定める、戒めるところの誤解するおそれのある記述なのではないでしょうか。大臣の御見解を伺います。
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串田俊巳#7
○政府参考人(串田俊巳君) 御指摘のございました山川出版社の記述、教科書記述についてでございますけれども、御指摘の注の部分につきましては、見出しといたしまして、戦時体制下の植民地、占領地の状況についての記述との関連で朝鮮、中国、フィリピンが取り上げられているというものでございますので、日本人の慰安婦の人数等については言及しているものではございません。
 このことにつきましては、教科書検定調査審議会では指摘がなかったものというふうに理解しております。
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有村治子#8
○有村治子君 今、串田さんがおっしゃったことはためにする議論だというふうに思っております、今うなずいておられますけれども。
 やはり、後世、東日本大震災のことを書くときに、関東で被災者が出た、死亡者が出たというのは、その項目だからそれを書いているんだというのが果たして通じるのかどうか、やはり東日本大震災の被災者の死亡数ということは、東北のことをまず書かずして違う地域だけ書いていいのかどうかというのは、いま一度冷静に御判断を今後していただきたいと思います。
 かねてから政府は、従軍慰安婦と言わねばならないときには、多くの場合、いわゆる、いわゆるという四文字を付けています。政府は、なぜ慰安婦のことを表現するとき従軍慰安婦ということが適切ではないと考えておられるのでしょうか。端的に伺えば、従軍慰安婦と慰安婦というのは何がどう違うのか、御説明いただきたいと思います。
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太田房江#9
○委員長(太田房江君) 少し大きな声でお願いいたします。
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川上恭一郎#10
○政府参考人(川上恭一郎君) お答えいたします。
 慰安婦問題が政治・外交問題化いたしました一九九〇年代初頭には、従軍慰安婦という用語が広く流布されており、政府としていわゆるという言葉を付して使用してきた経緯がございます。
 一方、これまでの政府の調査によれば、大戦当時の公文書などにおきまして従軍慰安婦という用語は使われておらず、慰安婦又は特殊慰安婦といった用語が用いられていたということでございます。
 また、こうした経緯やその後の慰安婦問題をめぐる状況の変化を踏まえまして、近年、政府におきましては、従軍慰安婦という言葉ではなく慰安婦という用語を通常用いることとしているところでございます。
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有村治子#11
○有村治子君 今御言及いただいたように、そもそも従軍慰安婦という言葉はいつ頃出始めたのか。(資料提示)一九七三年に出版されました作家千田夏光氏の著作にタイトルとして従軍慰安婦という言葉が使われるなど、一九七〇年代から出始めた造語でございます。慰安所が実際に使われていた戦中には存在せず、終戦時から四半世紀以上もたってから作られた新語であります。その後、多数の著述家、報道機関、活動家が日本軍の残虐さを強調する際に多用した言葉です。このような言葉で往事を表現することが果たして適切なのかどうかという率直な疑問が湧いてまいります。
 従軍慰安婦という造語は、この三十年間続いてきた慰安婦問題に関する論争の中核を成す肝の用語であるにもかかわらず、政府としてこの語句に向き合う定見がなかった、結果として、明確に否定してこなかったことが教科書に載り、事実に基づかない情報が世界各国にいまだに広がり続けている一因だと私は考えております。
 先月行われた衆議院の予算委員会において、加藤勝信官房長官が、最近、政府においては、慰安婦という語を用いており、従軍慰安婦という用語は用いていませんと政府を代表して明確に発言されています。その一方で、政府の一員である文部科学省を代表して萩生田文科大臣は、教科書検定が適切に行われた結果、従軍慰安婦の記載がある図書が検定に合格したものですと、その御認識を答弁されています。これは非常に分かりにくいジレンマでございます。一方は従軍慰安婦という言葉を使わない、しかし、一方では従軍慰安婦という言葉の教科書検定は適切だったと、非常に分かりにくいことでございます。
 大臣は、教科書検定は政治的、行政的意図が介入する余地のないものであって、文科大臣は審議会の審議結果に基づいて検定教科書を決定する仕組みとなっていますと過去御答弁をされています。文部科学大臣が預かられる職責と検定制度の趣旨に照らせば、確かにこれは妥当な御答弁になっていくものと理解をいたしております。
 しかし、同時に、今回のことが先例となり、従軍慰安婦と記述した教科書が検定に合格したことによって、一度は全ての教科書から記述が消えた従軍慰安婦という語句がまたぞろ検定のたびに増えていく可能性が拭えません。従軍慰安婦という言葉は、政府が事実に反すると繰り返し否定してきた強制連行、性奴隷、二十万人説などと連動して使われることが多いため、また教科書が従軍慰安婦のオンパレードとなり、国際社会に間違った情報が喧伝され、日本が不当におとしめられることにならないか、非常に心配をしております。
 そもそも、吉田清治なるうそにうそを重ねた詐欺師が、朝鮮半島で暴力の限りを働いて、幼子から母親を引っ剥がし、千人近い慰安婦の人狩りをしたなどという完全な作り話の数々を創作し、これらの情報が朝日新聞によって長年にわたり何度も喧伝されてきました。
 平成二十六年、二〇一四年に朝日新聞が十八本、少なくとも十八本の記事を取り消すまで、実に三十年以上もの間、日本を不当におとしめる虚偽情報を放置してきたのであります。吉田清治を担いだ北海道新聞も、裏付け取材ができていなかったことを認めて謝罪し、八本の記事を取り消しています。新聞赤旗も、記事三点を取り消し、謝罪をしています。これだけの謝罪して取り消された記事がございます。
 何年もの間虚偽を喧伝し、放置してきた報道の大失態によって、また、千田夏光氏が著書で示した根拠のない慰安婦の数が検証もされずに学者や研究者に引用をされ、孫引きをされ、韓国世論に火を付け、国連や国際社会にばらまかれるなど、史実に基づかない偽情報によって日本が不当に非難し続けられたこの国際政治の損失をもう一度再現させるようなことは許されないと考えます。
 今や慰安婦問題は完全に政治問題となっており、この三十年間、日韓関係を揺るがし続けた主要課題であります。事実上ここまで大きな社会的影響力を持ってしまっている慰安婦の教科書記述において、今回、従軍慰安婦という表記に対し調査官による審査で全く意見が付けられずに検定を通ったこと自体、大変驚いております。報告を聞かれた大臣も当初はびっくりされたのではないでしょうか。
 そもそも、教科書調査官は教科書に記載させるべき情報の的確性を審査する専門家ではあっても、これほどまでに国際的にも政治問題化してしまった慰安婦問題に向き合い、神経をすり減らしながら高度な政治判断を迫られてきた日本政府の往年の経過と重圧をあずかり知る立場にありません。自ら決断を下さねばならない政治的リスクやそれによる国家的代償を計り、日本の尊厳や外交政策に責任を負える方々でもありません。政治の決定権者ではないのに、事実上、中学社会科教科書の執筆者や検定調査官が慰安婦問題に向き合う国家の方向性を決めてしまう、その上で極めて大きな役割を制度上担ってしまっているところに深刻な構造上の問題があるのではないでしょうか。
 この構造的ジレンマと国家的リスクを最もよく把握していらっしゃるのが、ほかならぬ萩生田大臣だと私は思っています。萩生田大臣が大臣御就任前に政治家として大変大きな思いと信念と熱意を持ってこの慰安婦問題や河野談話に長年向き合ってこられたこと、その一端を存じ上げているつもりでございます。大臣がこれまで発信されたこの分野の論考も国会図書館で取り寄せ、文芸春秋も含めて全て拝読した上でこの場に立たせていただいております。
 責任感と正義感が強く、官邸と本質的な議論、さしの渡り合いができる大型の文科大臣でいらっしゃればこそ、この際、従軍慰安婦と慰安婦はどこが違うのか、日本政府としてしっかりと語句を整理し、政府としての統一見解を打ち立て、文部行政においても従軍慰安婦なる用語についてどのような定見を持つべきなのか、しっかりと揺るぎない原則を打ち立てていただくことを謹んで提案をいたします。
 大臣の御所見をお聞かせください。
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萩生田光一#12
○国務大臣(萩生田光一君) 教科書検定は、検定時点における客観的な学問的成果や適切な資料等に照らして記述の欠陥を指摘することを基本として実施しており、文部科学大臣の考えや意図が介入する余地のないものです。
 一方で、教科書検定基準には、閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解が存在する場合には、それに基づいた記述がされていることとの基準があります。したがって、御指摘のような問題については、慰安婦に関する用語の整理が政府部内でなされ、政府の統一的な見解としてまとめられれば、その結果について発行者に情報提供するとともに、その内容に基づいて適切に検定を行っていくこととなります。先ほど御質問者が御披露いただきましたけど、官房長官の委員会での答弁は私も承知しています。
 一方、河野談話を継承するという閣議決定も存在しているわけでありまして、御指摘のように、その整理が必要ではないかという御提案については真摯に受け止めてまいりたいと思います。
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有村治子#13
○有村治子君 大臣、ありがとうございます。後世いつの日か、あのとき大臣は苦慮しながらも頑張ってくださっていたんだということが必ず日の目を見ると確信をいたしております。
 その河野談話、御言及いただきました河野談話についてお伺いします。
 慰安婦問題については、平成四年、一九九二年、宮澤内閣として加藤紘一官房長官談話が出され、当時の加藤長官は強制連行を示す資料はなかったと明言をされています。しかし、なぜまた翌年、同じ内閣において再び河野談話を発表することになったのでしょうか。官房長官談話という、政府としては極めて高い談話が同じ内閣で立て続けに、しかも慰安婦問題という同じテーマで発出されること自体、大変異例なことでございます。
 平成四年の加藤談話から平成五年の河野談話の発表までの一年間、目新しい物的証拠の発見など歴史認識を揺るがすような事態はなかったにもかかわらず、なぜ後者は強制性を認めるように至ったのか、御説明ください。
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安中健#14
○政府参考人(安中健君) お答え申し上げます。
 平成二十六年六月二十日に公表されました河野談話作成過程等に関する検証チームの報告書におきましては、加藤官房長官発表の後も韓国の世論においては慰安婦問題に対し厳しい見方が消えなかった状況を受けまして、当時の内閣外政審議室と外務省の間で慰安婦問題に関する今後の措置について引き続き検討が行われておりました。各省庁におきましても、加藤官房長官発表以降も引き続き関連文書の調査を行っていることが確認されております。
 平成三年十二月から河野官房長官の談話が発表されました平成五年八月まで関係資料の調査及び関係者からの聞き取りを行い、これらを全体として判断した結果、平成五年八月四日の河野内閣官房長官談話のとおりとなったものでございます。
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有村治子#15
○有村治子君 やっぱり、韓国の世論がこれでは許さないからというのが大きな原動力なんですね。
 実は、河野談話が実際に発表される半年前、韓国側からの要求に応じて、この時点で既に日本政府は慰安婦の強制連行あるいは強制性に言及する方針でいることを当時の読売新聞、日経新聞、毎日新聞の各社が報じています。これは、ソウルで行うことになる元慰安婦の方々への聞き取り調査が行われるはるか前のことでございます。まさに、歴史的事実の検証というより、政治的決着を図ったことがこの事例からも伝わってまいります。
 河野談話が発表されてからなお二十八年がたちましたが、強制連行を示すような文書や物証はその後出てきているのでしょうか。
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安中健#16
○政府参考人(安中健君) これまで日本政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見付かっていないところでございます。
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有村治子#17
○有村治子君 いまだに見付かっていないということでございます。
 では、この間、強制性を裏付けるような公文書、証文等が韓国から提示されたことはあるのでしょうか。
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安中健#18
○政府参考人(安中健君) お答え申し上げます。
 韓国政府からの状況につきましては承知していないところでございます。
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有村治子#19
○有村治子君 承知していないというのは、韓国から今のところ一つも報告をされていないということでよろしいでしょうか、確認いたします。
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安中健#20
○政府参考人(安中健君) 日本政府がこれまで確認した資料の中にそのようないわゆる強制連行を直接示すような記述は見付かっておりませんので、そういうことでございます。
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有村治子#21
○有村治子君 終戦から七十五年が過ぎ、河野談話から二十八年以上たった今でも日韓両国において強制連行を示す物証は出てきていないということでございました。
 にもかかわらず、河野談話を作成する過程で強制性を認めることになったその論拠、根拠というのは一体何なんでしょうか。
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安中健#22
○政府参考人(安中健君) お答え申し上げます。
 河野談話の作成過程におきまして、先ほど申し上げましたが、平成三年十二月から平成五年八月まで、関係資料の調査のほか、元軍人など関係者からの聞き取りを行っております。これらの関係資料の調査、関係者からの聞き取りを全体として判断した結果、河野官房長官の談話のとおりとなったものでございます。
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有村治子#23
○有村治子君 苦しい答弁です。全体として判断した結果ということで、具体的な事例をお示しに、今、終戦から七十五年たった今もお示しにならない。これは、今御答弁いただいた方の能力の問題ではなく、やはりこの慰安婦問題の本質の一端を表しているというふうに理解をいたしております。
 強制連行を認識し、言及することを執拗なまでに日本政府に求めてきた韓国とのやり取りの経緯は、外務省のホームページ、河野談話作成過程検討報告、これ二〇一四年に作られた、学識者によって作られたものですが、そこで赤裸々に書かれています。二十二ページほどの資料でございますが、詳細に読んでみますと、なるほど、ここまでのことを日本政府は韓国から求められて、ここまでの譲歩を迫られたのかと驚愕するような内容でございます。そこには韓国の世論がこれでは許さないというラインがいっぱい出てくるんですが、そこに、いやいや、これでは日本の世論が許されないということがなかなかそこから見ることができないのはちょっと苦しい報告だなというふうに思っております。
 その一連の中で、昨年十二月にハーバード大学のマーク・ラムザイヤー教授が戦時中の慰安婦に関する学術論文、太平洋戦争における性サービスの契約を発表されました。学識者による査読も経たこの論文において、教授は、戦地の慰安施設という心身共に過酷でリスクの高い場所にあって、慰安所事業主や女性を取り巻く各利害関係者が、どのような契約を結ぶことが合理的で信頼できるとそれぞれのステークホルダーが考えて行動したのか、法経済学的なアプローチでの解明を図っておられます。
 この論文発表後、米国や日本、韓国においても様々な反応が出ています。どのようなことが起こっていますか。
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石月英雄#24
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 個別の研究者による論文の内容について政府としてコメントすることは差し控えたいと思いますが、ラムザイヤー・ハーバード大学教授の御指摘の学術論文は、査読を経て昨年十二月にオンライン上で公表されたものと承知しています。
 報道によれば、本年二月頃から、まず韓国、続いて米国において論文への批判や論文の撤回を求める動きが急速に広まったと承知しております。その一方で、査読を経て公表された学術論文の撤回を一方的に求める動きについては、韓国国内や米国、日本の有識者等より、学問の自由の観点からの懸念等も表明されていると承知しております。
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有村治子#25
○有村治子君 自然科学であれ人文科学であれ、またどのような立場を取るにせよ、学術的探求や学術的成果の発表方法、表現については、法律や公序良俗に反しない限り最大限尊重されるべきだと考えます。根拠のない係争や感情論ではなく、論拠を明示せねばならない学術論文に対する反論や批評は言論においてなされるべきだと考えます。様々な視点や意見を持つ人々がそれぞれフェアプレーの精神で論陣を張り、そして複眼的な検討を経て、より説得力のある真実を見出していくことこそ学問や研究の強さであり、強靱さであり、民主主義の発展につながる尊い対話だと考えます。
 日本の文部科学行政をつかさどるトップとしての文部科学大臣の御所見を伺います。
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萩生田光一#26
○国務大臣(萩生田光一君) 研究者が外部から干渉されることなく自発的かつ自由に研究活動を行い、その成果を自由に発表することは尊重されるべきと考えています。なぜなら、それぞれの研究者が自発的かつ自由に研究活動を行い、互いに競い合うことで真理に近づくことができるということを私たちは歴史から学んできたと思うからです。
 したがって、ある研究者の研究成果に対する批判は、他の研究者の別の研究成果によって行われてこそ意義があるものになると思っております。
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有村治子#27
○有村治子君 明快な御答弁ありがとうございます。
 それでは、また慰安婦のことを引き続き伺いますが、日本と韓国は一九六五年に日韓請求権・経済協力協定を締結し、国交を正常化させました。両国がお互いに努力し、歩み寄り、十四年の歳月を掛けてやっと合意したこの協定において、慰安婦のことはどのように論じられ、いかに対応されているのでしょうか。
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石月英雄#28
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 日韓請求権協定におきましては、慰安婦問題を含め、日韓間の財産請求権の問題は、この一九六五年の日韓請求権・経済協力協定で完全かつ最終的に解決済みでございます。
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有村治子#29
○有村治子君 その協定が結ばれる過程でどのように慰安婦問題が論じられたのかということを伺っております。
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