内閣委員会
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会
会議録情報#0
令和五年三月十七日(金曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 大西 英男君
理事 井上 信治君 理事 神田 憲次君
理事 藤井比早之君 理事 宮路 拓馬君
理事 青柳陽一郎君 理事 稲富 修二君
理事 阿部 司君 理事 國重 徹君
赤澤 亮正君 池田 佳隆君
石原 宏高君 尾崎 正直君
大野敬太郎君 工藤 彰三君
小寺 裕雄君 杉田 水脈君
鈴木 英敬君 瀬戸 隆一君
田野瀬太道君 平 将明君
中野 英幸君 中山 展宏君
平井 卓也君 平沼正二郎君
牧島かれん君 松本 尚君
中谷 一馬君 太 栄志君
本庄 知史君 馬淵 澄夫君
山岸 一生君 岩谷 良平君
浦野 靖人君 金城 泰邦君
福重 隆浩君 浅野 哲君
塩川 鉄也君 仁木 博文君
大石あきこ君
…………………………………
内閣府大臣政務官 鈴木 英敬君
内閣府大臣政務官 中野 英幸君
内閣府大臣政務官 尾崎 正直君
参考人
(国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院国際感染症センターセンター長) 大曲 貴夫君
参考人
(川崎市健康安全研究所所長) 岡部 信彦君
参考人
(一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会理事長)
(医療法人北海道家庭医療学センター理事長) 草場 鉄周君
参考人
(一般社団法人日本医療法人協会副会長) 太田 圭洋君
内閣委員会専門員 近藤 博人君
―――――――――――――
委員の異動
三月十六日
辞任 補欠選任
池田 佳隆君 中川 郁子君
大野敬太郎君 中曽根康隆君
緒方林太郎君 福島 伸享君
同日
辞任 補欠選任
中川 郁子君 小田原 潔君
中曽根康隆君 細田 健一君
福島 伸享君 緒方林太郎君
同日
辞任 補欠選任
小田原 潔君 池田 佳隆君
細田 健一君 大野敬太郎君
同月十七日
辞任 補欠選任
池田 佳隆君 瀬戸 隆一君
河西 宏一君 金城 泰邦君
緒方林太郎君 仁木 博文君
同日
辞任 補欠選任
瀬戸 隆一君 池田 佳隆君
金城 泰邦君 河西 宏一君
仁木 博文君 緒方林太郎君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
新型インフルエンザ等対策特別措置法及び内閣法の一部を改正する法律案(内閣提出第六号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 大西 英男君
理事 井上 信治君 理事 神田 憲次君
理事 藤井比早之君 理事 宮路 拓馬君
理事 青柳陽一郎君 理事 稲富 修二君
理事 阿部 司君 理事 國重 徹君
赤澤 亮正君 池田 佳隆君
石原 宏高君 尾崎 正直君
大野敬太郎君 工藤 彰三君
小寺 裕雄君 杉田 水脈君
鈴木 英敬君 瀬戸 隆一君
田野瀬太道君 平 将明君
中野 英幸君 中山 展宏君
平井 卓也君 平沼正二郎君
牧島かれん君 松本 尚君
中谷 一馬君 太 栄志君
本庄 知史君 馬淵 澄夫君
山岸 一生君 岩谷 良平君
浦野 靖人君 金城 泰邦君
福重 隆浩君 浅野 哲君
塩川 鉄也君 仁木 博文君
大石あきこ君
…………………………………
内閣府大臣政務官 鈴木 英敬君
内閣府大臣政務官 中野 英幸君
内閣府大臣政務官 尾崎 正直君
参考人
(国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院国際感染症センターセンター長) 大曲 貴夫君
参考人
(川崎市健康安全研究所所長) 岡部 信彦君
参考人
(一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会理事長)
(医療法人北海道家庭医療学センター理事長) 草場 鉄周君
参考人
(一般社団法人日本医療法人協会副会長) 太田 圭洋君
内閣委員会専門員 近藤 博人君
―――――――――――――
委員の異動
三月十六日
辞任 補欠選任
池田 佳隆君 中川 郁子君
大野敬太郎君 中曽根康隆君
緒方林太郎君 福島 伸享君
同日
辞任 補欠選任
中川 郁子君 小田原 潔君
中曽根康隆君 細田 健一君
福島 伸享君 緒方林太郎君
同日
辞任 補欠選任
小田原 潔君 池田 佳隆君
細田 健一君 大野敬太郎君
同月十七日
辞任 補欠選任
池田 佳隆君 瀬戸 隆一君
河西 宏一君 金城 泰邦君
緒方林太郎君 仁木 博文君
同日
辞任 補欠選任
瀬戸 隆一君 池田 佳隆君
金城 泰邦君 河西 宏一君
仁木 博文君 緒方林太郎君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
新型インフルエンザ等対策特別措置法及び内閣法の一部を改正する法律案(内閣提出第六号)
――――◇―――――
大
大西英男#1
○大西委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、新型インフルエンザ等対策特別措置法及び内閣法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院国際感染症センターセンター長大曲貴夫君、川崎市健康安全研究所所長岡部信彦君、一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会理事長、医療法人北海道家庭医療学センター理事長草場鉄周君、一般社団法人日本医療法人協会副会長太田圭洋君、以上四名の方々から御意見を承ることにいたしております。
この際、参考人各位に御挨拶申し上げます。
本日は、御多用中のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。本案について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、大曲参考人、岡部参考人、草場参考人、太田参考人の順に、お一人十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えいただきたいと存じます。
なお、参考人各位に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
それでは、大曲参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、新型インフルエンザ等対策特別措置法及び内閣法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院国際感染症センターセンター長大曲貴夫君、川崎市健康安全研究所所長岡部信彦君、一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会理事長、医療法人北海道家庭医療学センター理事長草場鉄周君、一般社団法人日本医療法人協会副会長太田圭洋君、以上四名の方々から御意見を承ることにいたしております。
この際、参考人各位に御挨拶申し上げます。
本日は、御多用中のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。本案について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、大曲参考人、岡部参考人、草場参考人、太田参考人の順に、お一人十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えいただきたいと存じます。
なお、参考人各位に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
それでは、大曲参考人にお願いいたします。
大
大曲貴夫#2
○大曲参考人 国立国際医療研究センターの大曲貴夫と申します。
本日は、このような場を与えていただきまして、誠にありがとうございます。
私は、現場で実際に患者さんを拝見する医師という立場におりますが、その立場から見えるところということで、今回の法案に関して意見を申し述べたいと思います。よろしくお願いいたします。
私ですけれども、二〇二〇年の一月、それ以降、病院の現場でCOVID―19の対応に当たってまいりました。その中で思い返しますと、二〇二〇年の一月の終わりには、武漢からの帰国邦人の受入れということを行いました。端的には、帰国された方々全員の検査を行って、必要な方には隔離等々を行うといったことを行ったわけであります。その次に起こったのは、二月のいわゆるダイヤモンド・プリンセス号の対応でありました。これは本当に大変なミッションだったと思っております。
その後、日本ではこれまでのところ第八波までの流行を経験してきておりますし、私たちも対応してまいりました。そこで強く感じましたのは、この感染症の対応、これは本当に災害と同じく有事対応そのものであるというものであります。
当初は、一か所に大量の資源、人、物、それを投与すべき状況でありました。それは武漢のミッションもそうですし、まさにダイヤモンド・プリンセスの対応がそうだったわけなんですが、その後、感染が本当に日本中に広がっていきました。そして、日本中の方々が医療の現場でも、それ以外の場でも大変な思いをされました。
それだけではなくて、非常に厳しいのは、対応が長期化しているというところでもあります。コロナ対応も、もう四年目に入っております。これを見ますと、災害、特に自然災害などとの対応とはやはり様子が違うと言わざるを得ないと思います。何よりも違いますのは、相手が新しい感染症であるというところです。
私たちも、日本の最初の事例からほぼ見ておりますが、本当に、最初は全く何が起こっているか分からない、どういう病気なのか分からない、どういう広がり方をするのか分からない、重症になった場合にどうなるのか分からない、そもそも重症化するのかどうかも分からないという状況で対応したわけでありますが、時間とともに状態は明らかとなっていきます。
ただ、問題は、病気そのものが時間とともにどんどん変わっていくというところがあります。それを受け止める医療の現場なり、あるいは社会の現場なりというところもどんどん変わっていきます。こうやって変わっていく中で、新しいものを対応しながら、これは遅滞なく対応する必要があります。
じゃ、どうすればいいのかというところでありますが、これに対応するには、本当に、絶え間なく迅速に感染症に関する知見を広く得て、そして、その知見を基にして対処法を考えて対応していく、国として対応していく必要があります。
これらの経験を踏まえて、私自身は、感染症も災害等と全く同じく、国の危機管理の対象として明確に位置づけることが必要と考えています。
じゃ、そこをきちんと行うにはどうすればいいかといいますと、これはやはり危機管理ですので、明確な指揮命令系統が確実に必要であります。更に必要なことは、そこに対応するために必要な専門的な知見を的確に迅速に打ち込んでいく、そのような必要があることを痛感しております。
よって、私は、今回の法改正が極めて重要であると考えております。
今申し述べましたように、感染症というものは時間とともに、病気そのものもそうですし、取り巻く状況というものも著しく変化していきます。その感染症が新興感染症であれば、そもそも全く知見がないところから、それこそ迅速に、いわゆる感染症の状況を示す疫学情報、患者さんの情報を示す臨床情報、そして患者さんの中にいる病原体の情報を得るための検体、これらを得て、それらを解析をして、知見を得て、その知見を基に対策を検討していく必要があります。
最も大事なのは、これを迅速に行うということであります。そこを迅速に回転させていくことによって、結果的に、ワクチンあるいは治療薬、診断薬といったものが出てきます。このような流れがうまく機能することによって、最終的に、必要とされる患者さんのいらっしゃる医療の現場にこうしたものが迅速に送り出されていきます。
今回、国立健康危機管理研究機構を設置するための法案が提出されております。私は、その母体となる国立国際医療研究センターの一職員であります。この新組織に与えられた責務に応えるべく、現場でしっかりと準備を進めてまいる所存であります。
何よりも大事な、専門家の組織と、そして行政組織の間の迅速かつ緊密、密接な連絡、そして検討、これが行われることによって必要な対応が迅速に行われるようになる、そのように考えております。
最後に申し上げたいのは、仕組み、行政的な仕組みをつくる、専門家組織をつくるということの重要性は、これはもう言うまでもないわけですが、これらを支えるための人材がこの国には多数必要である、今は足りていないということを申し上げておきたいと思います。特に、感染症の危機管理に対応できる感染症の人材は全国的に不足しています。実はこれは、二〇〇九年、新型インフルエンザがありましたけれども、その頃からもう反省として出ていることなのですが、現状、二〇二三年の今でもなかなか足りていないという状況があります。
これは、例えば中央ですとか都道府県といった行政の場でも不足があります。例えば、新型コロナの感染症で各地の保健所が人材不足で大変苦慮されましたし、都道府県レベルでも、専門知識を持つリーダー人材の不足というもので大変苦慮されたということを伺っております。
また、臨床の場を見ていきますと、感染症の専門家の不足、これは以前から大きな問題でありましたし、これは、実際に対応する中で、十分なキャパシティーが確保できないということで、顕在化したと思っております。
今回の法改正で指揮命令系統は明確化されます。ただ、この命令系統と、そして組織、これらがうまく機能するように、その中で働く専門人材の育成、これは中央の機能、中央の組織だけではなく都道府県、そして現場の保健所、病院も含めてなのですが、そうした専門人材の育成と、そして、そうやって育った人材を中央そして地域で確実に受け入れていただくための枠組み、ポジションがやはりなかなかないという問題がありまして、この受け入れていただくための枠組みづくりを、是非、先生方にはお願いをしたいと思っております。
私からは以上でございます。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、このような場を与えていただきまして、誠にありがとうございます。
私は、現場で実際に患者さんを拝見する医師という立場におりますが、その立場から見えるところということで、今回の法案に関して意見を申し述べたいと思います。よろしくお願いいたします。
私ですけれども、二〇二〇年の一月、それ以降、病院の現場でCOVID―19の対応に当たってまいりました。その中で思い返しますと、二〇二〇年の一月の終わりには、武漢からの帰国邦人の受入れということを行いました。端的には、帰国された方々全員の検査を行って、必要な方には隔離等々を行うといったことを行ったわけであります。その次に起こったのは、二月のいわゆるダイヤモンド・プリンセス号の対応でありました。これは本当に大変なミッションだったと思っております。
その後、日本ではこれまでのところ第八波までの流行を経験してきておりますし、私たちも対応してまいりました。そこで強く感じましたのは、この感染症の対応、これは本当に災害と同じく有事対応そのものであるというものであります。
当初は、一か所に大量の資源、人、物、それを投与すべき状況でありました。それは武漢のミッションもそうですし、まさにダイヤモンド・プリンセスの対応がそうだったわけなんですが、その後、感染が本当に日本中に広がっていきました。そして、日本中の方々が医療の現場でも、それ以外の場でも大変な思いをされました。
それだけではなくて、非常に厳しいのは、対応が長期化しているというところでもあります。コロナ対応も、もう四年目に入っております。これを見ますと、災害、特に自然災害などとの対応とはやはり様子が違うと言わざるを得ないと思います。何よりも違いますのは、相手が新しい感染症であるというところです。
私たちも、日本の最初の事例からほぼ見ておりますが、本当に、最初は全く何が起こっているか分からない、どういう病気なのか分からない、どういう広がり方をするのか分からない、重症になった場合にどうなるのか分からない、そもそも重症化するのかどうかも分からないという状況で対応したわけでありますが、時間とともに状態は明らかとなっていきます。
ただ、問題は、病気そのものが時間とともにどんどん変わっていくというところがあります。それを受け止める医療の現場なり、あるいは社会の現場なりというところもどんどん変わっていきます。こうやって変わっていく中で、新しいものを対応しながら、これは遅滞なく対応する必要があります。
じゃ、どうすればいいのかというところでありますが、これに対応するには、本当に、絶え間なく迅速に感染症に関する知見を広く得て、そして、その知見を基にして対処法を考えて対応していく、国として対応していく必要があります。
これらの経験を踏まえて、私自身は、感染症も災害等と全く同じく、国の危機管理の対象として明確に位置づけることが必要と考えています。
じゃ、そこをきちんと行うにはどうすればいいかといいますと、これはやはり危機管理ですので、明確な指揮命令系統が確実に必要であります。更に必要なことは、そこに対応するために必要な専門的な知見を的確に迅速に打ち込んでいく、そのような必要があることを痛感しております。
よって、私は、今回の法改正が極めて重要であると考えております。
今申し述べましたように、感染症というものは時間とともに、病気そのものもそうですし、取り巻く状況というものも著しく変化していきます。その感染症が新興感染症であれば、そもそも全く知見がないところから、それこそ迅速に、いわゆる感染症の状況を示す疫学情報、患者さんの情報を示す臨床情報、そして患者さんの中にいる病原体の情報を得るための検体、これらを得て、それらを解析をして、知見を得て、その知見を基に対策を検討していく必要があります。
最も大事なのは、これを迅速に行うということであります。そこを迅速に回転させていくことによって、結果的に、ワクチンあるいは治療薬、診断薬といったものが出てきます。このような流れがうまく機能することによって、最終的に、必要とされる患者さんのいらっしゃる医療の現場にこうしたものが迅速に送り出されていきます。
今回、国立健康危機管理研究機構を設置するための法案が提出されております。私は、その母体となる国立国際医療研究センターの一職員であります。この新組織に与えられた責務に応えるべく、現場でしっかりと準備を進めてまいる所存であります。
何よりも大事な、専門家の組織と、そして行政組織の間の迅速かつ緊密、密接な連絡、そして検討、これが行われることによって必要な対応が迅速に行われるようになる、そのように考えております。
最後に申し上げたいのは、仕組み、行政的な仕組みをつくる、専門家組織をつくるということの重要性は、これはもう言うまでもないわけですが、これらを支えるための人材がこの国には多数必要である、今は足りていないということを申し上げておきたいと思います。特に、感染症の危機管理に対応できる感染症の人材は全国的に不足しています。実はこれは、二〇〇九年、新型インフルエンザがありましたけれども、その頃からもう反省として出ていることなのですが、現状、二〇二三年の今でもなかなか足りていないという状況があります。
これは、例えば中央ですとか都道府県といった行政の場でも不足があります。例えば、新型コロナの感染症で各地の保健所が人材不足で大変苦慮されましたし、都道府県レベルでも、専門知識を持つリーダー人材の不足というもので大変苦慮されたということを伺っております。
また、臨床の場を見ていきますと、感染症の専門家の不足、これは以前から大きな問題でありましたし、これは、実際に対応する中で、十分なキャパシティーが確保できないということで、顕在化したと思っております。
今回の法改正で指揮命令系統は明確化されます。ただ、この命令系統と、そして組織、これらがうまく機能するように、その中で働く専門人材の育成、これは中央の機能、中央の組織だけではなく都道府県、そして現場の保健所、病院も含めてなのですが、そうした専門人材の育成と、そして、そうやって育った人材を中央そして地域で確実に受け入れていただくための枠組み、ポジションがやはりなかなかないという問題がありまして、この受け入れていただくための枠組みづくりを、是非、先生方にはお願いをしたいと思っております。
私からは以上でございます。ありがとうございました。拍手
大
岡
岡部信彦#4
○岡部参考人 川崎市の健康安全研究所の岡部と申します。
今日は、こういうような機会を与えていただきまして、ありがとうございました。
私は、元々、小児科の臨床を長くやっていたんですけれども、国立感染症研究所が予研というところから組織が変わったときに感染症情報センターが設立され、そこに異動して、長い間、感染研にいて、今、現在の川崎市の健康安全研究所におります。
私が国立感染症研究所にいる間に、まさに、二〇〇三年のSARSであるとかエボラであるとか、あるいは二〇〇九年の新型インフルエンザ対策、実際にそのときは対応に当たって、まさに特措法の作成というようなところに当たっていたものですから、そのときのことを含めて、感染症対策についてちょっとお話をしたいと思います。
お手元にカラー刷りをしていただいた資料がありますけれども、最初、めくっていただくと、当時の二〇〇九年の日本の新型インフルエンザ発生のとき、パンデミックというふうに言って社会は騒然としたわけですけれども、しかし、蓋を閉じてみれば、死亡率は世界でも最低の方でありました。それは、恐らくは多くの方が、一般の方を含めてよく注意をして、今、マスク、手洗い、うがい、ソーシャルディスタンスなんて言われますけれども、個人衛生のレベルがふだんから高い国である、そして、医療機関へのアクセスが容易で、医療費も安い、大変だったんですけれども、多くの方が結局真面目に取り組んだという結果だと思うんですが、下に赤字で書いてあるように、当時は通常の医療体制で何とかやることができた、しかし、それを超えたときにどうしようという話が、その当時の大きい反省点でもありました。
めくっていただきますと、これはいろいろなところで資料になっていますけれども、当時の金澤一郎教授が新型インフルエンザに対する対策の総括会議というのを行いまして、私とか尾身さんなんかがその中のメンバーに入っていたんですけれども、提言ということを、ここに書いてあるようなことを出しました。
病原性等に応じた柔軟な対応であるとか、迅速、合理的な意思決定システム、地方との関係、それから感染症危機管理に関わる体制の強化、先ほど大曲先生がおっしゃった人材の育成が必要であるというようなことも、このときから申し上げていました。そして、法整備ということが、これが特措法につながったわけでありますけれども。
ここは、いろいろないい提言をやったつもりなんですけれども、しかし、残念ながら、全部が生きているわけではありません。それが今回の発生のときに、非常に痛恨の思いをしたんですけれども。ただ、我々も反省をするわけですけれども、これを見直す機会というのがなかった。提言をしたものについて、どういうふうに行われた、あるいは、行われなかったのであればどういう理由があったのか、やはりそういうことを見直す機会が是非必要ではないかというふうに思います。
したがいまして、今回も、永井先生たちの有識者会議から提言ができて、今回の法改正その他に恐らくは結びついていったと思うんですけれども、それについてどこかでちゃんと検証する、一定の期間に検証するということをしていかないと、この次のパンデミックに備えることができないのではないか、そう思う次第です。
もう一つめくっていただきますと、これもいろいろなところで資料が出ているので御存じだと思いますけれども、そのときの、法整備をするということで新型インフルエンザ等対策特別措置法というものができたわけですけれども、その下の方に、緊急事態が起きたときにいろいろなことができるというような規定ができたわけです。しかし、これは多くは要請であって、命令とかそういうことではなく、それから、いろいろな要請をしながらも、もし何かあったときの救済であるとか補償であるとか、あるいは守られなかったときのペナルティーであるとか、そういうことが一切なかったわけです。
しかし、当時、そのときは、そういったような強権的なことをやることについていかがなものかという疑問があちこちから呈されて、いろいろな議論の結果、こういうことになったわけですけれども、今回、これが動き出すときも、しかし、それは一体どういう権限があるのか、何か起きたときに、それに対する補償、救済はいかがなものかというような議論があって、小さい改正を繰り返してきたというような経緯があります。
次のページを開けていただきますけれども、これは今、私たちが使っている感染症法が一九九八年に施行されたときの、それの前書きであります。これは今でもその法文の前に書いてあるんですけれども、赤字で書いてあるように、新しい感染症に対する対応をやらなくちゃいけない。
しかし、三つ目のポツにありますけれども、一方、過去にハンセン病あるいは後天性免疫不全症候群、HIV、エイズですね、こういうようなところで、これが発生したときに、いろいろな差別、偏見、誹謗中傷といったようなものが出ました。したがって、こういったようなものに対して、そういう事実をしっかり受け止めて、今後に、そういうことがないように。そのために、四つ目のポツにありますように、感染症の患者等の人権を尊重しつつ、これらの者に対する良質かつ適切な医療の提供を確保し、感染症に迅速に、適確に対応することが求められる。
これはずっと私は生きていくべきことだと思いますけれども、往々にして、大変な状況だというようなところに社会がなったときに、うっかりするとここが無視されるということがあります。もちろん、迅速にやらなくちゃいけない、あるいは、適切な対応をするということと同時に、やはりこういったようなことのバランスがいつも取れるような、そういったようなことにこれからもしていただきたいなというふうに思っております。
その次のページにありますのは、これが発生したときの経緯がるる書いてございます。一番右側の方には、緊急事態宣言発令というものが出たんですけれども、世の中が騒然とする間、しかし、一番左の方に赤い字で書いてありますのが、原因不明の肺炎として分かったけれども、二週間、三週間ぐらいで新しいウイルスが出てきた、これが公表されました。また、それのウイルスの遺伝子というものは、それまでは何か月もかからないと分からなかったのが、一週間で配列が公開された。私たちはそれを使ってPCRという検査がすぐにできるようになり、また、ワクチンの研究者たちは、これを見て、今使われているメッセンジャーRNAワクチンの開発に取り組み、一か月後には動物実験まで入ったというようなものがあります。
我が国でもPCRの技術はもう普通に使えるものでありますけれども、しかし、たくさんの患者さんが出たときにこれをどこでやるのか、その費用はどうなるのかといったようなことの規定がなく、また準備もなかったというのがあります。
ワクチンの研究も、私はワクチンを長い間やっているんですけれども、ワクチンの研究は十分できていましたけれども、それを実際の製品にできるかどうか、そういったようなことが乏しかったことが我が国がワクチンの開発に遅れたというところでありますけれども、やはり、こういうような基礎研究を常に行えて、何かのときにはそれが通常どおりに動かすことができるということが重要であります。
その次のページのところに、緊急事態宣言の意味と書いてありますけれども、世の中はロックダウンというようなことがこのときに聞こえて、非常に生活が脅かされるのではないか、もちろんそれはそうであるので、できるだけこういうことはやらない方がいいわけでありますけれども、医療の中では、やはり重症な方に対する適切な医療ができて、その医療というのは尊厳ある医療でないといけないと思います。みとりも当然ありますけれども、尊厳あるみとりをやって、なおかつ通常の医療の維持ができている。
そのためには、感染を広げない工夫が必要なんですけれども、これができていれば緊急事態宣言なんというのは要らないわけですけれども、これらができているかどうか、これが一番、私は、当時も緊急事態宣言をやるときのポイントであって、単に数あるいは状況だけで判断するのではなくて、本当に医療が逼迫するような状態では、これは多くの方に迷惑がかかるので、そういうときがきっかけではないかというようなことを考えておりました。
次をめくっていただきますと、そこにはハンマー・アンド・ダンスという言葉があります。海外でよく使うんですけれども、都市封鎖、ロックダウンというようなことが、いわば大きいハンマーでがあんとたたくわけですけれども、ちょっとよくなるとダンスのステージになるというようなことの繰り返しが感染症では起きることがあるということですけれども、日本はこれを、都市封鎖のような形は取れませんので、また取りませんので、緊急事態宣言といいながらも、海外に比べると緩いと言われました。しかし、その結果としては、何とか抑えることができているところもあるわけですけれども、感染症の広がりはそれを上回ったわけであります。
次のページには、ノンファーマスーティカル・インターべンションという言葉が書いてありますけれども、三密を避ける、マスク、手指衛生、ソーシャルディスタンス、これは非常に古典的なやり方でありますけれども、一定の感染症を抑える効果はあります。つまり、医薬品によらない介入でありますけれども、しかし、医薬品はやはり必要でありまして、それが出てくることによって、医薬品による介入。しかし、これはやはりいつでも両方要るものであって、今の少し落ち着いた状態であっても、感染症を基本的に避けるという方法は、これは忘れてはいけないことになります。
加えて、次のページになりますけれども、いわゆるファーマスーティカル・インターべンション、医薬品が出てきた、つまりワクチンが出てきたというのは、大変大きいツールでありました、大きい武器でありました。そのために、次第に緊急事態宣言というのは、あるいは蔓延防止も、やるかやらないかというような議論がありましたけれども、そうなってくると、感染症対策というだけではなくて、私権制限をどの程度にするのか、あるいは教育機会が奪われてしまう可能性がある、社会経済をどういうふうに動かすか、こういうようなところのバランスが重要になりました。
どうなるとウィズコロナかというのは、二〇二一年の三月に、私がここに書いたところなんですけれども、次のページにありまして、ここにるる書いてありますけれども、真ん中の辺りに、やはり、できるだけ広げない工夫、人々の注意、それから、重症者に対する適切な医療、軽症者は外来治療ができる、そして通常の医療の維持ができれば、これがウィズコロナではないかと思うわけです。今、このフェーズには入りつつあるときであるというふうに思うわけですけれども、しかし、それは注意をしなくてもいいということではなくて、やはり注意をしながら普通の生活をするということではないかと思います。
次のページを開けていただきますと、パンデミックの対応戦略ということが書いてあります。Aとしては、封じ込める、例えば中国のようなやり方。それから、Cの方は、被害抑制と書いてありますけれども、感染者数よりも重症者に目を向けるんだということが、例えばスウェーデンのやり方。日本はちょうどその中間のところでありますけれども、感染者数をできるだけ抑制して、死亡者数を一定数以下にとどめる。でも、この右側の矢印が上下にありますように、常にそれは医療負荷と、それから社会経済活動との取引といいますか、両方のトレードオフをやるということになります。
しかし、こういうポリシー、基本的な考え方というのは非常に大切で、それによっていろいろな戦略が出てくると思うんですが、私が思うには、残念ながら、そのポリシーの決定と表明、実行を行うような、司令塔と言われるようなところがどうも明瞭ではなかったような気がします。やはりそういうところを、常日頃からこういうところの訓練をやるところが必要ではないかと思う次第です。
次をめくっていただきますと、感染症対策の基本的なことは、これはいつでも同じですけれども、右側の下にあるような、早く見つける、サーベイランス体制といいますけれども、これをしっかりやっておくということ。そして、それを見た場合に、リスク分析を行うということ。それに対する適切な対応をして、その結果として日常の予防策につなげるわけですけれども、ここにはリスクコミュニケーションという言葉が出てまいります。ただし、私はリスクのところに括弧をつけたんですけれども、コミュニケーションというのは、片っ方から説明するだけではなくて、両方の話をしながら進めていくということであり、これが日常から行っていかなくちゃいけないことであるということになります。
次のページですけれども、したがいまして、医薬品によらない介入、医薬品による介入、加えて社会経済への介入が必要になってくるわけです。つまり、病気ではありますけれども、医療的な処方箋だけではなくて、社会の病としての社会への処方箋が必要になってくる。これが、医療、個々の医療、それから公衆衛生、行政、そして社会にとって必要な法律の整備であろうというふうに考える次第です。
一番最後ですけれども、これはいろいろな経緯のことではないんですけれども、私の感染症の大先輩である相楽先生という方が亡くなられたんですけれども、十年ぐらい前にこんな話をしていました。みんな忘れているけれども、感染症は本当は怖いものだ、でも、その怖さというのは知っていれば抑えることができるということもみんな忘れているというようなことを私に教えていただきました。
私は、この言葉をもって、これから先の感染症対策も続けていきたいと思います。
以上です。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →今日は、こういうような機会を与えていただきまして、ありがとうございました。
私は、元々、小児科の臨床を長くやっていたんですけれども、国立感染症研究所が予研というところから組織が変わったときに感染症情報センターが設立され、そこに異動して、長い間、感染研にいて、今、現在の川崎市の健康安全研究所におります。
私が国立感染症研究所にいる間に、まさに、二〇〇三年のSARSであるとかエボラであるとか、あるいは二〇〇九年の新型インフルエンザ対策、実際にそのときは対応に当たって、まさに特措法の作成というようなところに当たっていたものですから、そのときのことを含めて、感染症対策についてちょっとお話をしたいと思います。
お手元にカラー刷りをしていただいた資料がありますけれども、最初、めくっていただくと、当時の二〇〇九年の日本の新型インフルエンザ発生のとき、パンデミックというふうに言って社会は騒然としたわけですけれども、しかし、蓋を閉じてみれば、死亡率は世界でも最低の方でありました。それは、恐らくは多くの方が、一般の方を含めてよく注意をして、今、マスク、手洗い、うがい、ソーシャルディスタンスなんて言われますけれども、個人衛生のレベルがふだんから高い国である、そして、医療機関へのアクセスが容易で、医療費も安い、大変だったんですけれども、多くの方が結局真面目に取り組んだという結果だと思うんですが、下に赤字で書いてあるように、当時は通常の医療体制で何とかやることができた、しかし、それを超えたときにどうしようという話が、その当時の大きい反省点でもありました。
めくっていただきますと、これはいろいろなところで資料になっていますけれども、当時の金澤一郎教授が新型インフルエンザに対する対策の総括会議というのを行いまして、私とか尾身さんなんかがその中のメンバーに入っていたんですけれども、提言ということを、ここに書いてあるようなことを出しました。
病原性等に応じた柔軟な対応であるとか、迅速、合理的な意思決定システム、地方との関係、それから感染症危機管理に関わる体制の強化、先ほど大曲先生がおっしゃった人材の育成が必要であるというようなことも、このときから申し上げていました。そして、法整備ということが、これが特措法につながったわけでありますけれども。
ここは、いろいろないい提言をやったつもりなんですけれども、しかし、残念ながら、全部が生きているわけではありません。それが今回の発生のときに、非常に痛恨の思いをしたんですけれども。ただ、我々も反省をするわけですけれども、これを見直す機会というのがなかった。提言をしたものについて、どういうふうに行われた、あるいは、行われなかったのであればどういう理由があったのか、やはりそういうことを見直す機会が是非必要ではないかというふうに思います。
したがいまして、今回も、永井先生たちの有識者会議から提言ができて、今回の法改正その他に恐らくは結びついていったと思うんですけれども、それについてどこかでちゃんと検証する、一定の期間に検証するということをしていかないと、この次のパンデミックに備えることができないのではないか、そう思う次第です。
もう一つめくっていただきますと、これもいろいろなところで資料が出ているので御存じだと思いますけれども、そのときの、法整備をするということで新型インフルエンザ等対策特別措置法というものができたわけですけれども、その下の方に、緊急事態が起きたときにいろいろなことができるというような規定ができたわけです。しかし、これは多くは要請であって、命令とかそういうことではなく、それから、いろいろな要請をしながらも、もし何かあったときの救済であるとか補償であるとか、あるいは守られなかったときのペナルティーであるとか、そういうことが一切なかったわけです。
しかし、当時、そのときは、そういったような強権的なことをやることについていかがなものかという疑問があちこちから呈されて、いろいろな議論の結果、こういうことになったわけですけれども、今回、これが動き出すときも、しかし、それは一体どういう権限があるのか、何か起きたときに、それに対する補償、救済はいかがなものかというような議論があって、小さい改正を繰り返してきたというような経緯があります。
次のページを開けていただきますけれども、これは今、私たちが使っている感染症法が一九九八年に施行されたときの、それの前書きであります。これは今でもその法文の前に書いてあるんですけれども、赤字で書いてあるように、新しい感染症に対する対応をやらなくちゃいけない。
しかし、三つ目のポツにありますけれども、一方、過去にハンセン病あるいは後天性免疫不全症候群、HIV、エイズですね、こういうようなところで、これが発生したときに、いろいろな差別、偏見、誹謗中傷といったようなものが出ました。したがって、こういったようなものに対して、そういう事実をしっかり受け止めて、今後に、そういうことがないように。そのために、四つ目のポツにありますように、感染症の患者等の人権を尊重しつつ、これらの者に対する良質かつ適切な医療の提供を確保し、感染症に迅速に、適確に対応することが求められる。
これはずっと私は生きていくべきことだと思いますけれども、往々にして、大変な状況だというようなところに社会がなったときに、うっかりするとここが無視されるということがあります。もちろん、迅速にやらなくちゃいけない、あるいは、適切な対応をするということと同時に、やはりこういったようなことのバランスがいつも取れるような、そういったようなことにこれからもしていただきたいなというふうに思っております。
その次のページにありますのは、これが発生したときの経緯がるる書いてございます。一番右側の方には、緊急事態宣言発令というものが出たんですけれども、世の中が騒然とする間、しかし、一番左の方に赤い字で書いてありますのが、原因不明の肺炎として分かったけれども、二週間、三週間ぐらいで新しいウイルスが出てきた、これが公表されました。また、それのウイルスの遺伝子というものは、それまでは何か月もかからないと分からなかったのが、一週間で配列が公開された。私たちはそれを使ってPCRという検査がすぐにできるようになり、また、ワクチンの研究者たちは、これを見て、今使われているメッセンジャーRNAワクチンの開発に取り組み、一か月後には動物実験まで入ったというようなものがあります。
我が国でもPCRの技術はもう普通に使えるものでありますけれども、しかし、たくさんの患者さんが出たときにこれをどこでやるのか、その費用はどうなるのかといったようなことの規定がなく、また準備もなかったというのがあります。
ワクチンの研究も、私はワクチンを長い間やっているんですけれども、ワクチンの研究は十分できていましたけれども、それを実際の製品にできるかどうか、そういったようなことが乏しかったことが我が国がワクチンの開発に遅れたというところでありますけれども、やはり、こういうような基礎研究を常に行えて、何かのときにはそれが通常どおりに動かすことができるということが重要であります。
その次のページのところに、緊急事態宣言の意味と書いてありますけれども、世の中はロックダウンというようなことがこのときに聞こえて、非常に生活が脅かされるのではないか、もちろんそれはそうであるので、できるだけこういうことはやらない方がいいわけでありますけれども、医療の中では、やはり重症な方に対する適切な医療ができて、その医療というのは尊厳ある医療でないといけないと思います。みとりも当然ありますけれども、尊厳あるみとりをやって、なおかつ通常の医療の維持ができている。
そのためには、感染を広げない工夫が必要なんですけれども、これができていれば緊急事態宣言なんというのは要らないわけですけれども、これらができているかどうか、これが一番、私は、当時も緊急事態宣言をやるときのポイントであって、単に数あるいは状況だけで判断するのではなくて、本当に医療が逼迫するような状態では、これは多くの方に迷惑がかかるので、そういうときがきっかけではないかというようなことを考えておりました。
次をめくっていただきますと、そこにはハンマー・アンド・ダンスという言葉があります。海外でよく使うんですけれども、都市封鎖、ロックダウンというようなことが、いわば大きいハンマーでがあんとたたくわけですけれども、ちょっとよくなるとダンスのステージになるというようなことの繰り返しが感染症では起きることがあるということですけれども、日本はこれを、都市封鎖のような形は取れませんので、また取りませんので、緊急事態宣言といいながらも、海外に比べると緩いと言われました。しかし、その結果としては、何とか抑えることができているところもあるわけですけれども、感染症の広がりはそれを上回ったわけであります。
次のページには、ノンファーマスーティカル・インターべンションという言葉が書いてありますけれども、三密を避ける、マスク、手指衛生、ソーシャルディスタンス、これは非常に古典的なやり方でありますけれども、一定の感染症を抑える効果はあります。つまり、医薬品によらない介入でありますけれども、しかし、医薬品はやはり必要でありまして、それが出てくることによって、医薬品による介入。しかし、これはやはりいつでも両方要るものであって、今の少し落ち着いた状態であっても、感染症を基本的に避けるという方法は、これは忘れてはいけないことになります。
加えて、次のページになりますけれども、いわゆるファーマスーティカル・インターべンション、医薬品が出てきた、つまりワクチンが出てきたというのは、大変大きいツールでありました、大きい武器でありました。そのために、次第に緊急事態宣言というのは、あるいは蔓延防止も、やるかやらないかというような議論がありましたけれども、そうなってくると、感染症対策というだけではなくて、私権制限をどの程度にするのか、あるいは教育機会が奪われてしまう可能性がある、社会経済をどういうふうに動かすか、こういうようなところのバランスが重要になりました。
どうなるとウィズコロナかというのは、二〇二一年の三月に、私がここに書いたところなんですけれども、次のページにありまして、ここにるる書いてありますけれども、真ん中の辺りに、やはり、できるだけ広げない工夫、人々の注意、それから、重症者に対する適切な医療、軽症者は外来治療ができる、そして通常の医療の維持ができれば、これがウィズコロナではないかと思うわけです。今、このフェーズには入りつつあるときであるというふうに思うわけですけれども、しかし、それは注意をしなくてもいいということではなくて、やはり注意をしながら普通の生活をするということではないかと思います。
次のページを開けていただきますと、パンデミックの対応戦略ということが書いてあります。Aとしては、封じ込める、例えば中国のようなやり方。それから、Cの方は、被害抑制と書いてありますけれども、感染者数よりも重症者に目を向けるんだということが、例えばスウェーデンのやり方。日本はちょうどその中間のところでありますけれども、感染者数をできるだけ抑制して、死亡者数を一定数以下にとどめる。でも、この右側の矢印が上下にありますように、常にそれは医療負荷と、それから社会経済活動との取引といいますか、両方のトレードオフをやるということになります。
しかし、こういうポリシー、基本的な考え方というのは非常に大切で、それによっていろいろな戦略が出てくると思うんですが、私が思うには、残念ながら、そのポリシーの決定と表明、実行を行うような、司令塔と言われるようなところがどうも明瞭ではなかったような気がします。やはりそういうところを、常日頃からこういうところの訓練をやるところが必要ではないかと思う次第です。
次をめくっていただきますと、感染症対策の基本的なことは、これはいつでも同じですけれども、右側の下にあるような、早く見つける、サーベイランス体制といいますけれども、これをしっかりやっておくということ。そして、それを見た場合に、リスク分析を行うということ。それに対する適切な対応をして、その結果として日常の予防策につなげるわけですけれども、ここにはリスクコミュニケーションという言葉が出てまいります。ただし、私はリスクのところに括弧をつけたんですけれども、コミュニケーションというのは、片っ方から説明するだけではなくて、両方の話をしながら進めていくということであり、これが日常から行っていかなくちゃいけないことであるということになります。
次のページですけれども、したがいまして、医薬品によらない介入、医薬品による介入、加えて社会経済への介入が必要になってくるわけです。つまり、病気ではありますけれども、医療的な処方箋だけではなくて、社会の病としての社会への処方箋が必要になってくる。これが、医療、個々の医療、それから公衆衛生、行政、そして社会にとって必要な法律の整備であろうというふうに考える次第です。
一番最後ですけれども、これはいろいろな経緯のことではないんですけれども、私の感染症の大先輩である相楽先生という方が亡くなられたんですけれども、十年ぐらい前にこんな話をしていました。みんな忘れているけれども、感染症は本当は怖いものだ、でも、その怖さというのは知っていれば抑えることができるということもみんな忘れているというようなことを私に教えていただきました。
私は、この言葉をもって、これから先の感染症対策も続けていきたいと思います。
以上です。ありがとうございました。拍手
大
草
草場鉄周#6
○草場参考人 一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会理事長の草場と申します。
私は、プライマリーケア、つまり一次医療、分かりやすい言葉で言いますと、かかりつけ医機能という言葉もございますけれども、そういった立場で働いている医療者として発言をさせていただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
資料の方を使いながらお話をさせていただきます。
一枚めくっていただいて、今回の特措法の改正に関する基本的な見解でございます。
私は、昨年の五月、六月に開催された新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議に一委員として参加をさせていただきました。主に、診療所等で発熱外来や有症状者に対する訪問診療を提供してきたプライマリーケア医療者の立場から意見を述べさせていただきました。
今回の改正は、この提言に基づいて政府の新型コロナウイルス感染症対策本部が発出した、方向性の方針に沿った法律改正というふうに理解をしております。
令和四年、昨年の十二月にこの指針にのっとって感染症法等の改正がなされたというふうに理解しておりますけれども、そちらの改正でかなりいろいろなものが反映されておりますが、それと表裏一体の内容であるというふうに理解をしております。
今回、昨年の議論を直接させていただいた立場から、今回の改正案に対して評価できる箇所と、より今後更なる検討が必要な箇所について、意見をさせていただきたい。それと併せて、これはこの法案だけではないんですけれども、政府全体で取り組んでいただきたいプライマリーケアの課題について最後に意見をさせていただいて、十分間のお話をさせていただきたいと思ってございます。よろしくお願いいたします。
まず、今回の法案の中の政府対策本部長からの指示権ということに関してでございますけれども、これは有識者会議の中でもパンデミック発生時の初動に非常に手間取ったということで、この経緯を踏まえて、設置時から指定行政機関や都道府県知事に対して早期に指示を出すことが可能になったという点については、大変評価できるかなと私個人も考えてございます。
とはいえ、これは事前の十分な準備が、体制整備がないと、幾ら早期に指示が出せるといっても、笛吹けど踊らずといった状況になる可能性が高いということをちょっと危惧しているところでございます。
具体的には、政府、自治体の一体感のある初動ということが非常に重要だと思います。私が今診療しております北海道でも、当初、知事の方から先に緊急事態宣言というものが出まして、その後、国が追認するみたいな形で動いたということで、非常に道民としては混乱した部分がございましたけれども、そのためには、一体感のある初動というものを実現するために、平時から両者の協力体制というものを是非構築していただいて、危機を想定したようなシミュレーション演習みたいなものを是非定期的に実施していただきたいなというふうに考えております。
また、医療界だけではなく、産業界とかあるいは学術研究機関、感染症の専門的な機関が今後できますけれども、そういったところとも平時からしっかり連携を取っていただいて、次の予兆がある場合にはいち早く戦略を立案し実行できる体制というものも必要ではないかというふうに考えております。特に、地震等で、地震災害への対応というものは非常に練られているものがございますけれども、感染症についても是非そういった対応というものを事前に構築していただきたいなと感じております。
次のページでございます。
感染を防止するための協力要請という点に関して、事業者に対する命令とか措置ということに関する議論があったと思います。実効性を高めるために今回一定の基準を策定するということ自体は非常にいいことかなと。今まで都道府県によってかなり発動条件にばらつきが正直あったかなと思っていましたので、これは有効かなというふうに感じて拝見いたしました。
ただ、これについては有識者会議でもいろいろな議論がございまして、協力要請を行うに当たって、エビデンスに基づいた、病原体の特性に応じた科学的あるいは合理的な対策というものをしっかり議論していただきたい。また、意思決定のプロセスについて、一層の明確化、体系化を図るということ。そして、私、大事だなと思いますのは、根拠のない過剰な不安、こういったものについて、意思決定が余り影響されないように、科学的な議論ということを是非やっていただきたいというふうに感じています。
また、要請の名の下に私権制限というものが行われたという不安がやはりございましたので、是非、人々の多様な利益、意識に配慮していただくように、専門家の意見ももちろん大事なんですけれども、それに加えて、実際その制限を受ける当事者の声を幅広く聞いていただくようなことを是非意識いただきたいと思っています。特に、なかなかメディアとかでも声が出てこない若者とかいわゆる子育て世代、こういった方とのコミュニケーションというものは非常に重要だなというふうに感じているわけでございます。
次のページをお願いいたします。
今回構築される内閣感染症危機管理統括庁についてでございますけれども、今回のパンデミックでは、私自身も、現場で働く中で、いろいろな会議体から指令とか指示みたいなものが発出されて、なかなかそれに混乱するような状況がございました。ですので、この見えにくい問題に関して、各種政策の統一性を担保する仕組みが構築されたということ自体は非常に評価していいかなと私自身は思ってございます。
ただ、具体的な業務の詳細というものは余り明示されていないところがございますけれども、私、現場の立場からは、こういった点を是非配慮いただきたいなというふうに考えてございます。
まず、行政からの通知、事務連絡というのが、今回かなり五月雨式に、ほぼ毎週二回とか、月に三、四回、どんどんどんどん通知が来ました。現場ではなかなかそれに対応ができない。ですから、これが指示なのか、単なる情報提供なのか、あるいは技術的なアドバイスみたいなものなのか、こういった性質が通知に余り明確でないので、これを是非明確にしていただきたいというふうに考えています。
実際、指示が行われたということで、どちらかというといわゆる省庁の方はもう指示を出しましたということで終わりになるんですけれども、ただ、現場で実際にそれが行われているかどうかというモニタリングは、実は余りなされていない。ですから、実際どうなんでしょうかとお聞きすると、分かりませんという話がよく聞かれました。ですので、こういったモニタリングを併せて実施するということを是非お願いしたいなというふうに思っています。
また、次のページでございますけれども、これはメディアのお話でございます。
新興感染症に対する正確な理解というものがなかなか難しかった。ですので、政府、自治体、医療界からの発信というものはもちろん不断にやっているわけでございますけれども、是非、メディアから正確な発信を行っていただきたい。特に、若者のメディアについては、SNSなどいろいろな発信方法というものを工夫していただいて、リスクコミュニケーションというものを平時から準備していただきたいというふうに思っています。
最後に、都道府県の役割でございますけれども、昨年の感染症の改正で、緊急時の入院勧告措置については知事の指示権限を創設するという方向が示されるなど、自主性を高める動きというものが出てきたことは私は評価をさせていただきます。
ただ、統括庁が今回できるということで、統括庁と都道府県の関係、その際に、都道府県によって状況が相当違うということが、今回、三年間の中でもよく分かったと思います。ですので、自治体ごとの創意工夫というものを発揮いただけるように、戦略の策定、財政支援、医療資源の確保等、こういったものについて、是非、自治体の自由度というものをある程度しっかり拡大していただきたい。そして、地域の実情に応じた対応というものを認められる状況をつくっていただきたいなというふうに考えてございます。
次のページをお願いいたします。
そうした統括庁の管理体制については、今回、危機管理監、また危機管理監補、そして医務技監が担う危機管理官という形で、内閣から出る情報と厚労省の情報というものが結構一元化されていなくて、非常に現場は混乱していたんですけれども、それが統一された形で出るということは、非常に次のパンデミックではメリットがあるなというふうに感じています。
ただ、パンデミックでは、厚労省行政だけではなくて非常に幅広く、休業などの経済的な影響、また、児童など学校教育への影響など、非常に多方面に影響があります。ですので、厚労行政だけではなく幅広い対応というものを、是非統括庁の中でも考えていただきたい。具体的には、平時から様々な省庁のメンバーというものをしっかり配置をいただくことが必要だと思います。そして、密接に連携を取っていただきたい。
そして、最後に、行政官、医療専門職だけじゃなくて、マスコミュニケーション、そして行動科学、実際に国民がメディアから発信されたときにどういう反応をするか、そういったことに対する専門家というものが今回はなかったという点が、非常に議論の中で難しかったことだと思います。
ですので、有識者の皆さんからの発言があったり、政府からの発言があったり、これは食い違っているじゃないか、いろいろな議論があったと思うんですけれども、やはり、プロフェッショナルの力を是非生かしていただいて、幅広い専門家を統括庁の中に事前に採用いただくということを検討いただけないかなというふうに、私、考えてございます。
次のページをお願いいたします。
これは今回の法案だけではないんですけれども、私の立場、プライマリーケアの立場からの意見でございます。
今回の危機管理の中で、危機時だけの議論というのがあるんですけれども、やはり、平時からこういった準備を備えながら、危機時にさっと動く、そのための連続性というものは非常に私は重要だと思っています。
特に、プライマリーケア、診療所とか小病院の立場ですと、突然、危機時にいろいろなことを、重いことをやれと言われても、非常に困るわけですね。ですから、平時からの対応が重要だということをお話しさせていただきます。
実際、今回、発熱や上気道症状を持ってコロナ感染の可能性がある患者さんに対して診療を提供できた医療機関というものは、外来の検査、診察は四〇%から五〇%程度ということで、半分弱でございます。これは、私が勤務する札幌、北海道の室蘭という町でも、大体これとほぼ変わらない数字。また、往診、訪問診療は実際一〇%から二〇%、非常に少ない医療機関が対応をしたということでございます。これは第六波までのデータでございます。
ですので、ワクチン接種も含めて、かかりつけ医と思って受診を相談しても、いや、あなたはかかりつけ患者じゃないよという形で断られるような事態というものは、これはあらゆる地域で本当に日常的に今回は起きたということでございます。ですから、かかりつけ医というのは何だろうか、ふだんからかかっているつもりだったけれども診てもらえない、非常に国民にとってはショッキングな出来事が今回は起きたと理解をしています。結果的に、診てくれるところに患者さんが殺到するという形になりました。
これは、ただ、医師、医療機関のエゴの問題ではない、あくまでもこれは医療の構造的な問題だというふうに私は考えております。
結果的に、先ほどお話ししたように、一部の医療機関に感染症外来、往診、地域包括ケアの負担みたいなものが集中して、多くの医療機関が疲弊し、対応に限界ができたということが現状であります。
私の医療法人の中でも、多くの看護師が、これ以上やるのであればもう退職したい、先生、いいかげんにしてほしい、どこまでこの患者さんを診るんですかという声が切実に聞かれました。いろいろな形で慰留をして何とか踏みとどまってもらったんですが、辞めた方も結構いらっしゃったということでございます。
ですから、こういった状況が今度のパンデミックで起きてほしくないということを切に感じるわけでございます。
ですので、先ほど冒頭にお話ししたように、危機時に要請という形でお話をしても、対応できる基盤がない医療機関というのは動けません。ですので、平時と危機時を分離した議論というものはよく行われるんですけれども、やはりこれは、私、現場の中では机上の空論だなというふうに感じるわけでございます。
ですので、今回、この法案とはちょっと違いますけれども、次のページでございますが、政府が提案するかかりつけ医機能が発揮される制度整備というものが、全世代型社会保障会議の中で今後展開されるというふうに理解してございますけれども、ただ、この中に多くの問題がございます。
今回のこのかかりつけ医に関しては、継続的な医療が必要な方だけ、限定になっています。ですので、継続的な医療は必要ないけれども、何かあれば風邪などで受診する、あるいは健康相談とか予防医療、こういった対応で受診したいという国民はかかりつけ医を持てないという形に今回はなっています。
ですから、比較的若年の多くの国民にとっては、パンデミック時に受診、ワクチン接種ということに関しては、今回のこの法案では機能が動かない、十分安心できない形になっていますので、これはやはり改善をいただきたいというふうに強く思っています。
また、今回の法案の中は、かかりつけ医機能というもの、まだ細かいことは決まっていないと思うんですけれども、書かれているものは、慢性疾患、日常的な疾患に対する診療機能、時間外の対応機能、在宅医療、こういったものが含まれてございますけれども、今回、パンデミック時の診療対応というものをやるかどうかということは全く入っていません。ですので、ここは非常にやはり不安な状況。
また、これが含まれたとしても、かかりつけ医機能というものは全て満たす必要はありません、このうち一部でもいいんです、地域で面として対応しますという議論になっているんですけれども、ただ、面としてというのは、実際、患者さんの立場からいうと、定期的に毎月行っている方がパンデミックに対応しないとなると、では、どうしたらいいんだという大きな問題が起きてくるわけでございます。
ですから、かかりつけ医がパンデミック時に外来受診可能なのか、ワクチン接種できるのか、あるいは往診ができるのか。こういったものができない場合、どういう形で診るか。受診難民ということで、今後また問題が起きてくる可能性が高いというふうに感じています。
最後に書いてございますけれども、パンデミック時に診療対応する医療機関、今回、都道府県と協定締結をするという形で決まってございますけれども、この医療機関と今回議論されるかかりつけ医機能を発揮する医療機関というものが、今回は完全に分離された状態で議論されています。
私は、これはやはり統合して、両方が一致する形じゃないと、安心してパンデミック時に受診ができない、そして、締結医療機関だけに重い負担がかかる。私自身がつらい経験をしたようなことが、多分また次回起きるわけでございます。ですので、継続性を持った安定した医療提供体制というものを実現するために、両者を合致させるような政策を、是非、先生方にはまた検討いただきたいということを、プライマリーケアの立場から考えているわけでございます。
以上、ちょっと長くなりましたけれども、私からの意見でございます。
ありがとうございました。拍手
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資料の方を使いながらお話をさせていただきます。
一枚めくっていただいて、今回の特措法の改正に関する基本的な見解でございます。
私は、昨年の五月、六月に開催された新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議に一委員として参加をさせていただきました。主に、診療所等で発熱外来や有症状者に対する訪問診療を提供してきたプライマリーケア医療者の立場から意見を述べさせていただきました。
今回の改正は、この提言に基づいて政府の新型コロナウイルス感染症対策本部が発出した、方向性の方針に沿った法律改正というふうに理解をしております。
令和四年、昨年の十二月にこの指針にのっとって感染症法等の改正がなされたというふうに理解しておりますけれども、そちらの改正でかなりいろいろなものが反映されておりますが、それと表裏一体の内容であるというふうに理解をしております。
今回、昨年の議論を直接させていただいた立場から、今回の改正案に対して評価できる箇所と、より今後更なる検討が必要な箇所について、意見をさせていただきたい。それと併せて、これはこの法案だけではないんですけれども、政府全体で取り組んでいただきたいプライマリーケアの課題について最後に意見をさせていただいて、十分間のお話をさせていただきたいと思ってございます。よろしくお願いいたします。
まず、今回の法案の中の政府対策本部長からの指示権ということに関してでございますけれども、これは有識者会議の中でもパンデミック発生時の初動に非常に手間取ったということで、この経緯を踏まえて、設置時から指定行政機関や都道府県知事に対して早期に指示を出すことが可能になったという点については、大変評価できるかなと私個人も考えてございます。
とはいえ、これは事前の十分な準備が、体制整備がないと、幾ら早期に指示が出せるといっても、笛吹けど踊らずといった状況になる可能性が高いということをちょっと危惧しているところでございます。
具体的には、政府、自治体の一体感のある初動ということが非常に重要だと思います。私が今診療しております北海道でも、当初、知事の方から先に緊急事態宣言というものが出まして、その後、国が追認するみたいな形で動いたということで、非常に道民としては混乱した部分がございましたけれども、そのためには、一体感のある初動というものを実現するために、平時から両者の協力体制というものを是非構築していただいて、危機を想定したようなシミュレーション演習みたいなものを是非定期的に実施していただきたいなというふうに考えております。
また、医療界だけではなく、産業界とかあるいは学術研究機関、感染症の専門的な機関が今後できますけれども、そういったところとも平時からしっかり連携を取っていただいて、次の予兆がある場合にはいち早く戦略を立案し実行できる体制というものも必要ではないかというふうに考えております。特に、地震等で、地震災害への対応というものは非常に練られているものがございますけれども、感染症についても是非そういった対応というものを事前に構築していただきたいなと感じております。
次のページでございます。
感染を防止するための協力要請という点に関して、事業者に対する命令とか措置ということに関する議論があったと思います。実効性を高めるために今回一定の基準を策定するということ自体は非常にいいことかなと。今まで都道府県によってかなり発動条件にばらつきが正直あったかなと思っていましたので、これは有効かなというふうに感じて拝見いたしました。
ただ、これについては有識者会議でもいろいろな議論がございまして、協力要請を行うに当たって、エビデンスに基づいた、病原体の特性に応じた科学的あるいは合理的な対策というものをしっかり議論していただきたい。また、意思決定のプロセスについて、一層の明確化、体系化を図るということ。そして、私、大事だなと思いますのは、根拠のない過剰な不安、こういったものについて、意思決定が余り影響されないように、科学的な議論ということを是非やっていただきたいというふうに感じています。
また、要請の名の下に私権制限というものが行われたという不安がやはりございましたので、是非、人々の多様な利益、意識に配慮していただくように、専門家の意見ももちろん大事なんですけれども、それに加えて、実際その制限を受ける当事者の声を幅広く聞いていただくようなことを是非意識いただきたいと思っています。特に、なかなかメディアとかでも声が出てこない若者とかいわゆる子育て世代、こういった方とのコミュニケーションというものは非常に重要だなというふうに感じているわけでございます。
次のページをお願いいたします。
今回構築される内閣感染症危機管理統括庁についてでございますけれども、今回のパンデミックでは、私自身も、現場で働く中で、いろいろな会議体から指令とか指示みたいなものが発出されて、なかなかそれに混乱するような状況がございました。ですので、この見えにくい問題に関して、各種政策の統一性を担保する仕組みが構築されたということ自体は非常に評価していいかなと私自身は思ってございます。
ただ、具体的な業務の詳細というものは余り明示されていないところがございますけれども、私、現場の立場からは、こういった点を是非配慮いただきたいなというふうに考えてございます。
まず、行政からの通知、事務連絡というのが、今回かなり五月雨式に、ほぼ毎週二回とか、月に三、四回、どんどんどんどん通知が来ました。現場ではなかなかそれに対応ができない。ですから、これが指示なのか、単なる情報提供なのか、あるいは技術的なアドバイスみたいなものなのか、こういった性質が通知に余り明確でないので、これを是非明確にしていただきたいというふうに考えています。
実際、指示が行われたということで、どちらかというといわゆる省庁の方はもう指示を出しましたということで終わりになるんですけれども、ただ、現場で実際にそれが行われているかどうかというモニタリングは、実は余りなされていない。ですから、実際どうなんでしょうかとお聞きすると、分かりませんという話がよく聞かれました。ですので、こういったモニタリングを併せて実施するということを是非お願いしたいなというふうに思っています。
また、次のページでございますけれども、これはメディアのお話でございます。
新興感染症に対する正確な理解というものがなかなか難しかった。ですので、政府、自治体、医療界からの発信というものはもちろん不断にやっているわけでございますけれども、是非、メディアから正確な発信を行っていただきたい。特に、若者のメディアについては、SNSなどいろいろな発信方法というものを工夫していただいて、リスクコミュニケーションというものを平時から準備していただきたいというふうに思っています。
最後に、都道府県の役割でございますけれども、昨年の感染症の改正で、緊急時の入院勧告措置については知事の指示権限を創設するという方向が示されるなど、自主性を高める動きというものが出てきたことは私は評価をさせていただきます。
ただ、統括庁が今回できるということで、統括庁と都道府県の関係、その際に、都道府県によって状況が相当違うということが、今回、三年間の中でもよく分かったと思います。ですので、自治体ごとの創意工夫というものを発揮いただけるように、戦略の策定、財政支援、医療資源の確保等、こういったものについて、是非、自治体の自由度というものをある程度しっかり拡大していただきたい。そして、地域の実情に応じた対応というものを認められる状況をつくっていただきたいなというふうに考えてございます。
次のページをお願いいたします。
そうした統括庁の管理体制については、今回、危機管理監、また危機管理監補、そして医務技監が担う危機管理官という形で、内閣から出る情報と厚労省の情報というものが結構一元化されていなくて、非常に現場は混乱していたんですけれども、それが統一された形で出るということは、非常に次のパンデミックではメリットがあるなというふうに感じています。
ただ、パンデミックでは、厚労省行政だけではなくて非常に幅広く、休業などの経済的な影響、また、児童など学校教育への影響など、非常に多方面に影響があります。ですので、厚労行政だけではなく幅広い対応というものを、是非統括庁の中でも考えていただきたい。具体的には、平時から様々な省庁のメンバーというものをしっかり配置をいただくことが必要だと思います。そして、密接に連携を取っていただきたい。
そして、最後に、行政官、医療専門職だけじゃなくて、マスコミュニケーション、そして行動科学、実際に国民がメディアから発信されたときにどういう反応をするか、そういったことに対する専門家というものが今回はなかったという点が、非常に議論の中で難しかったことだと思います。
ですので、有識者の皆さんからの発言があったり、政府からの発言があったり、これは食い違っているじゃないか、いろいろな議論があったと思うんですけれども、やはり、プロフェッショナルの力を是非生かしていただいて、幅広い専門家を統括庁の中に事前に採用いただくということを検討いただけないかなというふうに、私、考えてございます。
次のページをお願いいたします。
これは今回の法案だけではないんですけれども、私の立場、プライマリーケアの立場からの意見でございます。
今回の危機管理の中で、危機時だけの議論というのがあるんですけれども、やはり、平時からこういった準備を備えながら、危機時にさっと動く、そのための連続性というものは非常に私は重要だと思っています。
特に、プライマリーケア、診療所とか小病院の立場ですと、突然、危機時にいろいろなことを、重いことをやれと言われても、非常に困るわけですね。ですから、平時からの対応が重要だということをお話しさせていただきます。
実際、今回、発熱や上気道症状を持ってコロナ感染の可能性がある患者さんに対して診療を提供できた医療機関というものは、外来の検査、診察は四〇%から五〇%程度ということで、半分弱でございます。これは、私が勤務する札幌、北海道の室蘭という町でも、大体これとほぼ変わらない数字。また、往診、訪問診療は実際一〇%から二〇%、非常に少ない医療機関が対応をしたということでございます。これは第六波までのデータでございます。
ですので、ワクチン接種も含めて、かかりつけ医と思って受診を相談しても、いや、あなたはかかりつけ患者じゃないよという形で断られるような事態というものは、これはあらゆる地域で本当に日常的に今回は起きたということでございます。ですから、かかりつけ医というのは何だろうか、ふだんからかかっているつもりだったけれども診てもらえない、非常に国民にとってはショッキングな出来事が今回は起きたと理解をしています。結果的に、診てくれるところに患者さんが殺到するという形になりました。
これは、ただ、医師、医療機関のエゴの問題ではない、あくまでもこれは医療の構造的な問題だというふうに私は考えております。
結果的に、先ほどお話ししたように、一部の医療機関に感染症外来、往診、地域包括ケアの負担みたいなものが集中して、多くの医療機関が疲弊し、対応に限界ができたということが現状であります。
私の医療法人の中でも、多くの看護師が、これ以上やるのであればもう退職したい、先生、いいかげんにしてほしい、どこまでこの患者さんを診るんですかという声が切実に聞かれました。いろいろな形で慰留をして何とか踏みとどまってもらったんですが、辞めた方も結構いらっしゃったということでございます。
ですから、こういった状況が今度のパンデミックで起きてほしくないということを切に感じるわけでございます。
ですので、先ほど冒頭にお話ししたように、危機時に要請という形でお話をしても、対応できる基盤がない医療機関というのは動けません。ですので、平時と危機時を分離した議論というものはよく行われるんですけれども、やはりこれは、私、現場の中では机上の空論だなというふうに感じるわけでございます。
ですので、今回、この法案とはちょっと違いますけれども、次のページでございますが、政府が提案するかかりつけ医機能が発揮される制度整備というものが、全世代型社会保障会議の中で今後展開されるというふうに理解してございますけれども、ただ、この中に多くの問題がございます。
今回のこのかかりつけ医に関しては、継続的な医療が必要な方だけ、限定になっています。ですので、継続的な医療は必要ないけれども、何かあれば風邪などで受診する、あるいは健康相談とか予防医療、こういった対応で受診したいという国民はかかりつけ医を持てないという形に今回はなっています。
ですから、比較的若年の多くの国民にとっては、パンデミック時に受診、ワクチン接種ということに関しては、今回のこの法案では機能が動かない、十分安心できない形になっていますので、これはやはり改善をいただきたいというふうに強く思っています。
また、今回の法案の中は、かかりつけ医機能というもの、まだ細かいことは決まっていないと思うんですけれども、書かれているものは、慢性疾患、日常的な疾患に対する診療機能、時間外の対応機能、在宅医療、こういったものが含まれてございますけれども、今回、パンデミック時の診療対応というものをやるかどうかということは全く入っていません。ですので、ここは非常にやはり不安な状況。
また、これが含まれたとしても、かかりつけ医機能というものは全て満たす必要はありません、このうち一部でもいいんです、地域で面として対応しますという議論になっているんですけれども、ただ、面としてというのは、実際、患者さんの立場からいうと、定期的に毎月行っている方がパンデミックに対応しないとなると、では、どうしたらいいんだという大きな問題が起きてくるわけでございます。
ですから、かかりつけ医がパンデミック時に外来受診可能なのか、ワクチン接種できるのか、あるいは往診ができるのか。こういったものができない場合、どういう形で診るか。受診難民ということで、今後また問題が起きてくる可能性が高いというふうに感じています。
最後に書いてございますけれども、パンデミック時に診療対応する医療機関、今回、都道府県と協定締結をするという形で決まってございますけれども、この医療機関と今回議論されるかかりつけ医機能を発揮する医療機関というものが、今回は完全に分離された状態で議論されています。
私は、これはやはり統合して、両方が一致する形じゃないと、安心してパンデミック時に受診ができない、そして、締結医療機関だけに重い負担がかかる。私自身がつらい経験をしたようなことが、多分また次回起きるわけでございます。ですので、継続性を持った安定した医療提供体制というものを実現するために、両者を合致させるような政策を、是非、先生方にはまた検討いただきたいということを、プライマリーケアの立場から考えているわけでございます。
以上、ちょっと長くなりましたけれども、私からの意見でございます。
ありがとうございました。拍手
大
太
太田圭洋#8
○太田参考人 日本医療法人協会の太田でございます。
この度は、このような貴重な機会をいただき、感謝申し上げます。
私からは、今回のコロナ禍における医療現場の状況をお話しさせていただくとともに、今後の五類への感染症法上の類型見直しに際して注意が必要な点に関して、意見させていただければと思います。
二ページです。私の管理する名古屋記念病院です。名古屋市南東部にある四百床規模の急性期病院で、地域の二次救急を支える病院です。当院は、コロナパンデミックの初期、二〇二〇年の二月から帰国者・接触者外来を開始、三月初めからは入院患者の受入れを行い、現在までに千人を超えるコロナ患者に入院医療を提供してきました。
三ページです。既に、新型コロナウイルス感染症は、ワクチンや治療薬の普及により、多くの国民が恐怖を感じる感染症ではなくなってきています。しかし、新型インフル特措法が適用される新興感染症の感染初期は、現在とは全く状況が異なると思われます。新型コロナも、当初は致死率も高い非常に怖いウイルスでした。
四ページです。私は、二〇二〇年のゴールデンウィーク、第一波、最初の緊急事態宣言下で設営された宿泊療養施設に一週間泊まり込み、患者のPCR検体を取っておりました。県から医師の派遣を要請され、自院の医師に頼むことも難しく、自分が出務したのですが、本当に怖かったことを覚えています。自分が死んだら家族はどうなってしまうのか、病院はどうなってしまうのか、まさに戦場に赴く兵士の心境だったと思います。治療法も確立していない、ワクチンもない時期の新興感染症の初期対応は、医療従事者にとって精神的に非常に大きな負担であることは御理解いただきたいと思います。
当初、コロナ病床がなかなか増えないと言われました。しかし、全ての医療スタッフが対応できるわけではありません。皆、家族がいます。子供もいれば、年老いた両親もいるのです。業務命令で働かせようとしても、嫌な人は病院を辞めてしまいます。説得を繰り返し、仲間を集め、徐々に病床を拡大していったのが現場の実情です。
今回の感染症法の改正で、事前に都道府県と医療機関が協定を締結することが求められることになりました。これは効果的ではあると思います。当院がコロナ初期からコロナ診療に参画した主な理由は、新型インフルエンザ感染症に対する協力医療機関として指定されていたからです。もちろん、地域医療において自院に求められる役割を果たすという医療者としての矜持もありますが、事前の役割の設定は、病院スタッフを導いていく上で重要だと思います。
五ページです。しかし、二〇二一年に入ると、民間病院のコロナ診療への参画が少ないとマスコミで批判されることがありました。いまだに誤解している人もおられます。しかし、全国で、コロナ初期からコロナ診療に参画できる機能のある民間病院は、当院と同じくコロナ診療に参画しておりました。
六ページです。これが誤解の元となった資料です。左上ですが、民間病院のコロナ患者の受入れが、公立病院七一%、公的病院八三%と比較して、二一%であるとされています。これがマスコミで取り上げられ、大きな誤解を呼びました。しかし、この資料は、二〇二〇年の十月に厚労省が発表したもので、第二波までの状況です。民間病院は小規模な病院も多く、適切な感染防御着も行政から支給されておりません。病院支援策が現場に行き届き始めたのは、二〇二〇年の冬、第三波からになります。
右下に、公立、公的、民間の病院数の割合、ICUを持つ病院数の割合が書かれています。オレンジが民間病院です。百万人以上の都市部において、ICUを備えるレベルの民間病院は四二%ですが、右上、コロナを受け入れていた病院は五二%です。病院の機能として、コロナ対応すべきと考えられる民間病院は、公立、公的病院と同様に、コロナ対応初期からコロナ診療に積極的に参画していたことが分かります。
七ページです。大阪におけるコロナ入院患者受入れの実数の推移です。ピンクが民間病院、緑が自治体立病院ですが、ちょうど第三波の頃、民間病院も含め病院支援策が届くようになった後は、民間病院が主体になってコロナ診療を行ってきたことが分かります。今後の新興感染症対応においても、民間病院が診療に参画できる支援策の策定は重要だと思います。
八ページです。今日私がお話ししたい一番のポイントです。今後の新興感染症対応時においても、感染症医療と一般医療との両立は重要であるということです。
コロナ対応では、一般医療との両立の重要性が、当初、軽視されたと感じています。コロナ病床確保が政策的に最優先され、一般医療、救急医療に大きな影響が出ました。医療現場に余力がない中で、多くの都道府県で、一般医療とのバランスを考慮せず、知事から半ば強引に、コロナに病床、マンパワーを割くことを求められました。その結果、現在も救急搬送困難事例数は高止まりしております。
今後の都道府県と病院間での協定締結においては、一般医療、特に救急医療との両立に配慮が必要です。確保病床数ありきでの短期間での都道府県の計画策定は、救急医療を含む一般医療に大きな影響が出る可能性があります。
九ページです。その重要性を裏づける資料です。これは、千葉県の、デルタ株が流行した二〇二一年夏、第五波までの救急搬送のデータです。
当時、救急搬送の逼迫が首都圏で大きな問題となりました。ピーク時、救急搬送台数千三百台のうち、コロナ陽性者の搬送は百九十人。コロナ関連の救急搬送は、全体の一五%にすぎません。日本には、ほかの疾患で医療を必要とする多くの患者がいることは、今後の新興感染症対応を考える上で忘れてはならないと思います。
しかし、感染症対応を行う医療機関の現場は、非常に厳しい状況にあります。十ページ、今年の一月の新聞記事です。会計検査院の調査で、病床確保料により病院が大幅に黒字になったと伝えられた記事です。確かに、調査のとおり、多くのコロナ対応をした病院が黒字になったことは事実です。しかし、真に問題なのは、コロナへ対応した二百六十九病院が、コロナ前、二〇一九年度は平均四億円の赤字だったという事実です。大学病院、自治体立病院、民間病院を含め、公立病院は補助金を入れての数字です。
日本の急性期医療は、長年の診療報酬の抑制で、産業として成立しないレベルまで経営環境が悪化していたということは、御理解いただきたいと思います。日本の病院現場は、余力のない状況で、新型コロナという新興感染症と向かい合うこととなりました。新興感染症への対応には平時の医療機関に余力が必要であるということが余り議論されておりません。
十一ページです。五月の八日からの感染症法上の位置づけの見直しに関して、最後に意見させていただきます。
これは、一月二十七日、政府対策本部が類型見直しを決定した日に行われた厚生科学審議会感染症部会の概要です。感染症法上の位置づけの変更に関してマスコミは、感染症専門家が、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある状態ではなくなったため、位置づけ変更を了承したと伝えました。しかし、そうではありません。その前に書かれている、感染症法に基づく私権制限に見合った状況ではないと判断されたことで専門家が類型変更を了承したということは、申し上げておきたいと思います。
十二ページです。この決定は、決して国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがないと判断されたからではありません。感染症法の議論は、昔から、公衆衛生上の利益と私権の制限のバランスが議論されてきました。その観点から、感染症法上の類型の見直しが了承されたわけです。
しかし、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれは、感染が拡大し、医療が対応し切れず、医療が逼迫すれば起こり得ると、我々医療者は考えております。今後、医療が逼迫しない形での体制の移行が重要となります。
三月十日に政府の移行案が発表されました。今後、都道府県で、新たな病床確保料や診療報酬を基に移行計画が策定されることになります。
今後も、コロナで入院医療が必要な患者がスムーズに入院できる体制を構築する必要があります。しかし、それは容易ではありません。
オミクロン株の感染力は非常に強く、どれだけ努力をしても院内感染、クラスター発生を完全に防ぐことは難しく、これまで多くの医療機関が大変な思いをしてきました。決して感染対策を怠った病院だけでクラスターが発生したわけではありません。どれだけ努力をしても、無症状の患者が感染を広める本ウイルスの院内感染は防ぎ切れないのが現実です。
病院には、コロナウイルスに脆弱な高齢者や基礎疾患を抱える人が多く入院しています。我々は極力、そのような方々を守らなければなりません。そのためには、クラスター発生時、院内の感染拡大を抑えるために、一時的に病棟への新規入院を止める措置も必要となります。病床稼働は下がり、経営的にも大きなダメージを被ることとなります。
現在、院内クラスター発生時の医療機関を支援するスキームがありますが、これが維持されないと、今回発表のあった移行策だけでは、感染者の入院を受け入れる病院が今後増えない可能性もあり、危惧しております。是非、この点は今後御配慮いただければと思います。
以上です。御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →この度は、このような貴重な機会をいただき、感謝申し上げます。
私からは、今回のコロナ禍における医療現場の状況をお話しさせていただくとともに、今後の五類への感染症法上の類型見直しに際して注意が必要な点に関して、意見させていただければと思います。
二ページです。私の管理する名古屋記念病院です。名古屋市南東部にある四百床規模の急性期病院で、地域の二次救急を支える病院です。当院は、コロナパンデミックの初期、二〇二〇年の二月から帰国者・接触者外来を開始、三月初めからは入院患者の受入れを行い、現在までに千人を超えるコロナ患者に入院医療を提供してきました。
三ページです。既に、新型コロナウイルス感染症は、ワクチンや治療薬の普及により、多くの国民が恐怖を感じる感染症ではなくなってきています。しかし、新型インフル特措法が適用される新興感染症の感染初期は、現在とは全く状況が異なると思われます。新型コロナも、当初は致死率も高い非常に怖いウイルスでした。
四ページです。私は、二〇二〇年のゴールデンウィーク、第一波、最初の緊急事態宣言下で設営された宿泊療養施設に一週間泊まり込み、患者のPCR検体を取っておりました。県から医師の派遣を要請され、自院の医師に頼むことも難しく、自分が出務したのですが、本当に怖かったことを覚えています。自分が死んだら家族はどうなってしまうのか、病院はどうなってしまうのか、まさに戦場に赴く兵士の心境だったと思います。治療法も確立していない、ワクチンもない時期の新興感染症の初期対応は、医療従事者にとって精神的に非常に大きな負担であることは御理解いただきたいと思います。
当初、コロナ病床がなかなか増えないと言われました。しかし、全ての医療スタッフが対応できるわけではありません。皆、家族がいます。子供もいれば、年老いた両親もいるのです。業務命令で働かせようとしても、嫌な人は病院を辞めてしまいます。説得を繰り返し、仲間を集め、徐々に病床を拡大していったのが現場の実情です。
今回の感染症法の改正で、事前に都道府県と医療機関が協定を締結することが求められることになりました。これは効果的ではあると思います。当院がコロナ初期からコロナ診療に参画した主な理由は、新型インフルエンザ感染症に対する協力医療機関として指定されていたからです。もちろん、地域医療において自院に求められる役割を果たすという医療者としての矜持もありますが、事前の役割の設定は、病院スタッフを導いていく上で重要だと思います。
五ページです。しかし、二〇二一年に入ると、民間病院のコロナ診療への参画が少ないとマスコミで批判されることがありました。いまだに誤解している人もおられます。しかし、全国で、コロナ初期からコロナ診療に参画できる機能のある民間病院は、当院と同じくコロナ診療に参画しておりました。
六ページです。これが誤解の元となった資料です。左上ですが、民間病院のコロナ患者の受入れが、公立病院七一%、公的病院八三%と比較して、二一%であるとされています。これがマスコミで取り上げられ、大きな誤解を呼びました。しかし、この資料は、二〇二〇年の十月に厚労省が発表したもので、第二波までの状況です。民間病院は小規模な病院も多く、適切な感染防御着も行政から支給されておりません。病院支援策が現場に行き届き始めたのは、二〇二〇年の冬、第三波からになります。
右下に、公立、公的、民間の病院数の割合、ICUを持つ病院数の割合が書かれています。オレンジが民間病院です。百万人以上の都市部において、ICUを備えるレベルの民間病院は四二%ですが、右上、コロナを受け入れていた病院は五二%です。病院の機能として、コロナ対応すべきと考えられる民間病院は、公立、公的病院と同様に、コロナ対応初期からコロナ診療に積極的に参画していたことが分かります。
七ページです。大阪におけるコロナ入院患者受入れの実数の推移です。ピンクが民間病院、緑が自治体立病院ですが、ちょうど第三波の頃、民間病院も含め病院支援策が届くようになった後は、民間病院が主体になってコロナ診療を行ってきたことが分かります。今後の新興感染症対応においても、民間病院が診療に参画できる支援策の策定は重要だと思います。
八ページです。今日私がお話ししたい一番のポイントです。今後の新興感染症対応時においても、感染症医療と一般医療との両立は重要であるということです。
コロナ対応では、一般医療との両立の重要性が、当初、軽視されたと感じています。コロナ病床確保が政策的に最優先され、一般医療、救急医療に大きな影響が出ました。医療現場に余力がない中で、多くの都道府県で、一般医療とのバランスを考慮せず、知事から半ば強引に、コロナに病床、マンパワーを割くことを求められました。その結果、現在も救急搬送困難事例数は高止まりしております。
今後の都道府県と病院間での協定締結においては、一般医療、特に救急医療との両立に配慮が必要です。確保病床数ありきでの短期間での都道府県の計画策定は、救急医療を含む一般医療に大きな影響が出る可能性があります。
九ページです。その重要性を裏づける資料です。これは、千葉県の、デルタ株が流行した二〇二一年夏、第五波までの救急搬送のデータです。
当時、救急搬送の逼迫が首都圏で大きな問題となりました。ピーク時、救急搬送台数千三百台のうち、コロナ陽性者の搬送は百九十人。コロナ関連の救急搬送は、全体の一五%にすぎません。日本には、ほかの疾患で医療を必要とする多くの患者がいることは、今後の新興感染症対応を考える上で忘れてはならないと思います。
しかし、感染症対応を行う医療機関の現場は、非常に厳しい状況にあります。十ページ、今年の一月の新聞記事です。会計検査院の調査で、病床確保料により病院が大幅に黒字になったと伝えられた記事です。確かに、調査のとおり、多くのコロナ対応をした病院が黒字になったことは事実です。しかし、真に問題なのは、コロナへ対応した二百六十九病院が、コロナ前、二〇一九年度は平均四億円の赤字だったという事実です。大学病院、自治体立病院、民間病院を含め、公立病院は補助金を入れての数字です。
日本の急性期医療は、長年の診療報酬の抑制で、産業として成立しないレベルまで経営環境が悪化していたということは、御理解いただきたいと思います。日本の病院現場は、余力のない状況で、新型コロナという新興感染症と向かい合うこととなりました。新興感染症への対応には平時の医療機関に余力が必要であるということが余り議論されておりません。
十一ページです。五月の八日からの感染症法上の位置づけの見直しに関して、最後に意見させていただきます。
これは、一月二十七日、政府対策本部が類型見直しを決定した日に行われた厚生科学審議会感染症部会の概要です。感染症法上の位置づけの変更に関してマスコミは、感染症専門家が、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある状態ではなくなったため、位置づけ変更を了承したと伝えました。しかし、そうではありません。その前に書かれている、感染症法に基づく私権制限に見合った状況ではないと判断されたことで専門家が類型変更を了承したということは、申し上げておきたいと思います。
十二ページです。この決定は、決して国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがないと判断されたからではありません。感染症法の議論は、昔から、公衆衛生上の利益と私権の制限のバランスが議論されてきました。その観点から、感染症法上の類型の見直しが了承されたわけです。
しかし、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれは、感染が拡大し、医療が対応し切れず、医療が逼迫すれば起こり得ると、我々医療者は考えております。今後、医療が逼迫しない形での体制の移行が重要となります。
三月十日に政府の移行案が発表されました。今後、都道府県で、新たな病床確保料や診療報酬を基に移行計画が策定されることになります。
今後も、コロナで入院医療が必要な患者がスムーズに入院できる体制を構築する必要があります。しかし、それは容易ではありません。
オミクロン株の感染力は非常に強く、どれだけ努力をしても院内感染、クラスター発生を完全に防ぐことは難しく、これまで多くの医療機関が大変な思いをしてきました。決して感染対策を怠った病院だけでクラスターが発生したわけではありません。どれだけ努力をしても、無症状の患者が感染を広める本ウイルスの院内感染は防ぎ切れないのが現実です。
病院には、コロナウイルスに脆弱な高齢者や基礎疾患を抱える人が多く入院しています。我々は極力、そのような方々を守らなければなりません。そのためには、クラスター発生時、院内の感染拡大を抑えるために、一時的に病棟への新規入院を止める措置も必要となります。病床稼働は下がり、経営的にも大きなダメージを被ることとなります。
現在、院内クラスター発生時の医療機関を支援するスキームがありますが、これが維持されないと、今回発表のあった移行策だけでは、感染者の入院を受け入れる病院が今後増えない可能性もあり、危惧しております。是非、この点は今後御配慮いただければと思います。
以上です。御清聴ありがとうございました。拍手
大
大
神
神田憲次#11
○神田(憲)委員 おはようございます。自由民主党の神田憲次でございます。
今日は、四名の参考人の先生方にお越しいただきました。本日は誠にありがとうございます。
早速、質疑の方に入らせていただきます。
先ほど、大曲参考人の方からも、令和二年のときの状況というお話がありました。そもそもは、令和元年の十二月に、中国武漢市での肺炎の症状のような感染症とおぼしきものがWHOに報告されるというところからスタートされるわけです。
三月の九日の日だったんですが、ちょうど地元紙に、懐かしいダイヤモンド・プリンセスという名前が登場しました。それは、三重県の鳥羽港にダイヤモンド・プリンセス号が入港して、三年ぶりの再開であるということが記事として出ておったわけです。
我が国にとっては、このダイヤモンド・プリンセスが、二月の一日でしたか、横浜港に寄港して、そこに乗組員が千名余りと、それから乗船されている観光客二千六百名余り、合計三千六百名余りで、五十七か国の人がということだったと思います。この中に確定症例が七百十二例ありましたし、それから実際に十四例の死亡というようなことがもう既にこのダイヤモンド・プリンセス号の中で起きていたというのが、我が国に大いなる困難を持ち込むということになった。これが最初のCOVID―19だったということかと思います。
まず、大曲参考人にお伺いしたい点は、この一番最初の段階の救命救急、医療の現場で最前線でこの困難に立ち向かわれたときの状況及び患者さんを診断したときの率直な御意見をお聞かせ願えたらと存じます。
この発言だけを見る →今日は、四名の参考人の先生方にお越しいただきました。本日は誠にありがとうございます。
早速、質疑の方に入らせていただきます。
先ほど、大曲参考人の方からも、令和二年のときの状況というお話がありました。そもそもは、令和元年の十二月に、中国武漢市での肺炎の症状のような感染症とおぼしきものがWHOに報告されるというところからスタートされるわけです。
三月の九日の日だったんですが、ちょうど地元紙に、懐かしいダイヤモンド・プリンセスという名前が登場しました。それは、三重県の鳥羽港にダイヤモンド・プリンセス号が入港して、三年ぶりの再開であるということが記事として出ておったわけです。
我が国にとっては、このダイヤモンド・プリンセスが、二月の一日でしたか、横浜港に寄港して、そこに乗組員が千名余りと、それから乗船されている観光客二千六百名余り、合計三千六百名余りで、五十七か国の人がということだったと思います。この中に確定症例が七百十二例ありましたし、それから実際に十四例の死亡というようなことがもう既にこのダイヤモンド・プリンセス号の中で起きていたというのが、我が国に大いなる困難を持ち込むということになった。これが最初のCOVID―19だったということかと思います。
まず、大曲参考人にお伺いしたい点は、この一番最初の段階の救命救急、医療の現場で最前線でこの困難に立ち向かわれたときの状況及び患者さんを診断したときの率直な御意見をお聞かせ願えたらと存じます。
大
大曲貴夫#12
○大曲参考人 ありがとうございます。
幾つかございます。
まずは、病院の中で見えた風景というところでありますけれども、実は一月に我々はもう既に数名、コロナの患者さんを拝見していました。基本的には、軽症と言うと本人には申し訳ありませんが、人工呼吸が必要になるような方はいらっしゃらなかったんですね。ですので、どうも中国の様子と違うと思ってはおったんですが、実際にダイヤモンド・プリンセスから降りてこられた方々は全く様相が違っていまして、やはりクルーズ船のお客さんということが背景にあるんだと思うんですが、比較的高齢の方も多い、何よりも重症な方が非常に多いというところですね。
当時は、治療法がありませんでした。もう一つは、その際にどうやったら助けられるかというノウハウはゼロだったわけです。ですので、その当時得られた、我々は中東呼吸器症候群の知見を参考にしましたが、それを基に治療を組み立てて、あとは、準備はしておって本当によかったと思いますが、ECMOを始めとしたいわゆる集中治療ですね、でき得ることを、重症の肺の感染者の場合何をやるかということに関してやっていたというところです。やはり厳しいのは、病気が初めての病気ですので、それらが正しいかどうかが分からない、あとは、実際によくなる見込みがあるかどうかが分からないということでした。
もう一つは、やはり、我々自身が感染したらどうしようかという怖さも当然あったのは間違いありません。精神的にはへとへとになったというところがあります。
何よりも、特に、重症例はよくならないんですね、三週間たっても、四週間たっても。という中で診ていくのは非常に厳しかったということと、やはりそこで専門家を集めてしっかり診ていくのはなかなか大変でして、非常に大変だったことを覚えています。
もう一つは、一方で、横浜港でダイヤモンド・プリンセスの対応に多くの方が当たっていらっしゃって、そこでも人が不足していたわけですね。行政対応される方と、あとは、感染症の専門的な対応ができる人間です。そこも我々の方側からスタッフを送る必要がありまして、二面方向で対応するということに、特に人材の確保に非常に苦慮したことを覚えております。
以上です。
この発言だけを見る →幾つかございます。
まずは、病院の中で見えた風景というところでありますけれども、実は一月に我々はもう既に数名、コロナの患者さんを拝見していました。基本的には、軽症と言うと本人には申し訳ありませんが、人工呼吸が必要になるような方はいらっしゃらなかったんですね。ですので、どうも中国の様子と違うと思ってはおったんですが、実際にダイヤモンド・プリンセスから降りてこられた方々は全く様相が違っていまして、やはりクルーズ船のお客さんということが背景にあるんだと思うんですが、比較的高齢の方も多い、何よりも重症な方が非常に多いというところですね。
当時は、治療法がありませんでした。もう一つは、その際にどうやったら助けられるかというノウハウはゼロだったわけです。ですので、その当時得られた、我々は中東呼吸器症候群の知見を参考にしましたが、それを基に治療を組み立てて、あとは、準備はしておって本当によかったと思いますが、ECMOを始めとしたいわゆる集中治療ですね、でき得ることを、重症の肺の感染者の場合何をやるかということに関してやっていたというところです。やはり厳しいのは、病気が初めての病気ですので、それらが正しいかどうかが分からない、あとは、実際によくなる見込みがあるかどうかが分からないということでした。
もう一つは、やはり、我々自身が感染したらどうしようかという怖さも当然あったのは間違いありません。精神的にはへとへとになったというところがあります。
何よりも、特に、重症例はよくならないんですね、三週間たっても、四週間たっても。という中で診ていくのは非常に厳しかったということと、やはりそこで専門家を集めてしっかり診ていくのはなかなか大変でして、非常に大変だったことを覚えています。
もう一つは、一方で、横浜港でダイヤモンド・プリンセスの対応に多くの方が当たっていらっしゃって、そこでも人が不足していたわけですね。行政対応される方と、あとは、感染症の専門的な対応ができる人間です。そこも我々の方側からスタッフを送る必要がありまして、二面方向で対応するということに、特に人材の確保に非常に苦慮したことを覚えております。
以上です。
神
神田憲次#13
○神田(憲)委員 ありがとうございます。
日本にとっての未体験の感染症、今、非常に苦労があったというお話ですが、この感染症がその後、その症例を見た結果、日本の公衆衛生上、それから社会にどんな影響を及ぼすというような見通しがお立ちになりましたか。
この発言だけを見る →日本にとっての未体験の感染症、今、非常に苦労があったというお話ですが、この感染症がその後、その症例を見た結果、日本の公衆衛生上、それから社会にどんな影響を及ぼすというような見通しがお立ちになりましたか。
大
大曲貴夫#14
○大曲参考人 特に、最初の頃の経験に関して言いますと、最初の三か月、四か月に本当に厳しい状況で診療したわけなのですが、そこで、おおむねの病気としての全体像が見えるようになったということがあります。あとは、治験が、これは国際共同治験でしたけれども、何とかうまくいって、五月には最初の治療薬を何とか世の中に送り出せました。それによって、少なくとも治療という観点では最低限の準備は何とかできたというのが、二〇二〇年の五月頃の我々の心持ちです。
非常に難しかったのは、一方で、この病気がどんどん全国に広がっていきますと、また問題が出てきまして、一つは、最初は軽症なのに、急変するとかですね。ですので、その見守りの体制をどうするのかということですとか、あるいは、患者さんの数が多くなる中で、どうやって保健所と医療機関で、要は患者さんを、自宅の方をどう診るのか、入院されている方をどう診るのかということが喫緊の問題となったわけなんですが、そこがインフルエンザのこれまでの流行とは全く様相が違っておりましたので、そこにどう対応していくかということが問題になりました。ですので、最初の三か月、四か月の経験だけでは、そこまでやはり見通せていなかったと思っています。
この発言だけを見る →非常に難しかったのは、一方で、この病気がどんどん全国に広がっていきますと、また問題が出てきまして、一つは、最初は軽症なのに、急変するとかですね。ですので、その見守りの体制をどうするのかということですとか、あるいは、患者さんの数が多くなる中で、どうやって保健所と医療機関で、要は患者さんを、自宅の方をどう診るのか、入院されている方をどう診るのかということが喫緊の問題となったわけなんですが、そこがインフルエンザのこれまでの流行とは全く様相が違っておりましたので、そこにどう対応していくかということが問題になりました。ですので、最初の三か月、四か月の経験だけでは、そこまでやはり見通せていなかったと思っています。
神
神田憲次#15
○神田(憲)委員 専門家の先生でも見通すことができなかった。結果として今現在、三年強の時間が経過して、八回の波があったということが現実としてあるわけです。
COVID―19が、日本の対応において、国際報道の中には、日本での死亡者数の発表ということにおいては大変少なく発表されているんじゃないかというような報道もあったわけですが、先ほど岡部先生の方からも、この点、G7の中でも最低だというお話があったかと思います。
我々はこのCOVID―19の前にMERS、SARSというのを経験しておりますが、国内症例としては一件もなかったということがオフィシャルな発表としてあるわけです。返す返すも、この時点で、きちんとした組織の確立であるとか、それから人的な配置を含めたマンパワーの充実であるとかというようなことが準備できているならば、今回のCOVID―19への対応は大きく変わったなどというような論評もあるわけです。
そこで、岡部先生の方に、先生のレジュメの中に、危機管理としての対応ができないという認識を各方面が持つべきだという御意見、これについてもう少しかみ砕いてお話をいただければと存じます。
この発言だけを見る →COVID―19が、日本の対応において、国際報道の中には、日本での死亡者数の発表ということにおいては大変少なく発表されているんじゃないかというような報道もあったわけですが、先ほど岡部先生の方からも、この点、G7の中でも最低だというお話があったかと思います。
我々はこのCOVID―19の前にMERS、SARSというのを経験しておりますが、国内症例としては一件もなかったということがオフィシャルな発表としてあるわけです。返す返すも、この時点で、きちんとした組織の確立であるとか、それから人的な配置を含めたマンパワーの充実であるとかというようなことが準備できているならば、今回のCOVID―19への対応は大きく変わったなどというような論評もあるわけです。
そこで、岡部先生の方に、先生のレジュメの中に、危機管理としての対応ができないという認識を各方面が持つべきだという御意見、これについてもう少しかみ砕いてお話をいただければと存じます。
岡
岡部信彦#16
○岡部参考人 御質問ありがとうございました。
G7の中で一番低い死亡率であったというのは、新型インフルエンザ、二〇〇九年の出来事でありますけれども、今御質問の中にもあったように、今回のCOVID―19でも、致死率ということからいえば、我が国は相当低い方になっております。これだけ高齢化社会が進んでいる中で、ハイリスクの多いポピュレーションの中でも致死率が低かったということは、これは誇ってもいいところではあると思いますけれども、委員の御質問にありました危機管理という面では、二〇〇九年のときに、通常の医療を超えたときにどうするんだという議論がほとんど行われていなかった。その反省点として、危機管理対応ということは大きい話題になりました。
しばしば、私たち、医療あるいは公衆衛生の中でも、危機管理対応をどうするんだというのは、この十年間、大きいテーマではありましたけれども、それに対する実際の人材の育て方、私、感染研にいて、二〇〇九年、あるいは二〇〇三年のSARSを経験していたんですけれども、感染研にいる間、私が一番苦労したのは、人材といいますか、職員数の削減と予算の削減にどういうふうに闘うか、これが私のいた後半の感染研のことで、ということは、余り起こりそうにもないことだから、そこに対する注意はそこそこやらなくちゃいけないけれども前面に出てこなかったというのは、大きい大きい残念なところでありました。
恐らく今回も、今は非常に熟して、いろいろなところで、対策を考えろ、あるいはそれが必要だという声がありますけれども、先ほども申し上げましたように、例えば五年たって何もなかったときに、本当にここから先が必要なのか、必要がないと思ってやっているのか、そういうような見直しあるいは反省、そういったようなことをきちっとやることが危機管理対策であるというふうに思います。
ちょっと長くなりましたけれども、危機管理対応というのは危機があったときにやったのでは間に合わないので、是非、平常時からそういうことができるような仕組みをつくっていただければと思います。
以上です。
この発言だけを見る →G7の中で一番低い死亡率であったというのは、新型インフルエンザ、二〇〇九年の出来事でありますけれども、今御質問の中にもあったように、今回のCOVID―19でも、致死率ということからいえば、我が国は相当低い方になっております。これだけ高齢化社会が進んでいる中で、ハイリスクの多いポピュレーションの中でも致死率が低かったということは、これは誇ってもいいところではあると思いますけれども、委員の御質問にありました危機管理という面では、二〇〇九年のときに、通常の医療を超えたときにどうするんだという議論がほとんど行われていなかった。その反省点として、危機管理対応ということは大きい話題になりました。
しばしば、私たち、医療あるいは公衆衛生の中でも、危機管理対応をどうするんだというのは、この十年間、大きいテーマではありましたけれども、それに対する実際の人材の育て方、私、感染研にいて、二〇〇九年、あるいは二〇〇三年のSARSを経験していたんですけれども、感染研にいる間、私が一番苦労したのは、人材といいますか、職員数の削減と予算の削減にどういうふうに闘うか、これが私のいた後半の感染研のことで、ということは、余り起こりそうにもないことだから、そこに対する注意はそこそこやらなくちゃいけないけれども前面に出てこなかったというのは、大きい大きい残念なところでありました。
恐らく今回も、今は非常に熟して、いろいろなところで、対策を考えろ、あるいはそれが必要だという声がありますけれども、先ほども申し上げましたように、例えば五年たって何もなかったときに、本当にここから先が必要なのか、必要がないと思ってやっているのか、そういうような見直しあるいは反省、そういったようなことをきちっとやることが危機管理対策であるというふうに思います。
ちょっと長くなりましたけれども、危機管理対応というのは危機があったときにやったのでは間に合わないので、是非、平常時からそういうことができるような仕組みをつくっていただければと思います。
以上です。
神
神田憲次#17
○神田(憲)委員 ありがとうございます。
我が国の危機管理対応、先ほど大曲先生おっしゃったように、自然災害等であれば、はっきりと目に見える形というのがそこに存するわけですから、過去においても現在も、その対応というのは事前にということがある程度備わっていると言っても過言ではないと思います。
結果として、備わっていなかったから、医療の逼迫という事態を招いてしまった。患者が全国に散見されても、救急車で運ばれても診てもらうことができないというような事態に至ったわけです。
そこで、先生の御意見の中にあちこち散見されるんですが、組織を今後つくっていく、さらには、仕組みづくりの上で、どういう観点に注視しながらこれから先、備えなければならないというふうにお考えでしょうか。大曲参考人。
この発言だけを見る →我が国の危機管理対応、先ほど大曲先生おっしゃったように、自然災害等であれば、はっきりと目に見える形というのがそこに存するわけですから、過去においても現在も、その対応というのは事前にということがある程度備わっていると言っても過言ではないと思います。
結果として、備わっていなかったから、医療の逼迫という事態を招いてしまった。患者が全国に散見されても、救急車で運ばれても診てもらうことができないというような事態に至ったわけです。
そこで、先生の御意見の中にあちこち散見されるんですが、組織を今後つくっていく、さらには、仕組みづくりの上で、どういう観点に注視しながらこれから先、備えなければならないというふうにお考えでしょうか。大曲参考人。
大
大曲貴夫#18
○大曲参考人 ありがとうございます。
もちろん、今回の法案でもうたわれているように、指揮命令系統をはっきりさせて、その指揮命令系統の中にある機関全体が緊密に連携をするということは大前提だと思うのですが、もう一つあるのは、どのような危機を我々は想定し得るのかということに関して、やはりリスク評価をしておく必要があると思います。仮想の想定をやはり幾つも立てておくということだと思います。その上で、準備に落とし込んでいくということは必要だと思います。
あとは、特措法があるということは、新型コロナの対応で、実は非常によかったと私は思っています。特措法はどちらかというと新型インフルエンザの対応を想定として作られたものでありますが、コロナという事例で落とし込んでいったときに、やはりなかなか我々が対応できなかった面というのがはっきりしてきました。そこのところをはっきりさせて、先ほど岡部先生も評価ということをおっしゃっていたんですが、はっきりさせた上で、次の対策にどう備えるのかということに落とし込んでいく必要があると思います。そこは、草場先生のおっしゃったプライマリーケアの現場、太田先生のおっしゃった普通の医療の現場の、一般医療の共存も含めてというところまで落とし込んで準備が必要だと思っております。
この発言だけを見る →もちろん、今回の法案でもうたわれているように、指揮命令系統をはっきりさせて、その指揮命令系統の中にある機関全体が緊密に連携をするということは大前提だと思うのですが、もう一つあるのは、どのような危機を我々は想定し得るのかということに関して、やはりリスク評価をしておく必要があると思います。仮想の想定をやはり幾つも立てておくということだと思います。その上で、準備に落とし込んでいくということは必要だと思います。
あとは、特措法があるということは、新型コロナの対応で、実は非常によかったと私は思っています。特措法はどちらかというと新型インフルエンザの対応を想定として作られたものでありますが、コロナという事例で落とし込んでいったときに、やはりなかなか我々が対応できなかった面というのがはっきりしてきました。そこのところをはっきりさせて、先ほど岡部先生も評価ということをおっしゃっていたんですが、はっきりさせた上で、次の対策にどう備えるのかということに落とし込んでいく必要があると思います。そこは、草場先生のおっしゃったプライマリーケアの現場、太田先生のおっしゃった普通の医療の現場の、一般医療の共存も含めてというところまで落とし込んで準備が必要だと思っております。
神
神田憲次#19
○神田(憲)委員 ありがとうございます。
準備の必要性ですが、一方で、先ほど岡部先生、公立の病院にお勤めの時代、人員の削減と予算の削減を強いられたと。日本人の命を守るという最前線にいらっしゃる先生方が、それだけやはり今回のCOVID―19、コロナというものを経験なさって、今後において、これから先起こり得るであろうという予見を持って感染症に当たらなきゃいけない、その上で今回の改正があるわけですから、これから先、特に岡部先生が望むことがあれば、最後にお聞かせください。
この発言だけを見る →準備の必要性ですが、一方で、先ほど岡部先生、公立の病院にお勤めの時代、人員の削減と予算の削減を強いられたと。日本人の命を守るという最前線にいらっしゃる先生方が、それだけやはり今回のCOVID―19、コロナというものを経験なさって、今後において、これから先起こり得るであろうという予見を持って感染症に当たらなきゃいけない、その上で今回の改正があるわけですから、これから先、特に岡部先生が望むことがあれば、最後にお聞かせください。
岡
岡部信彦#20
○岡部参考人 ありがとうございます。
ある未知の感染症が出た場合の対応というのは、これはもう誰も分からないわけであります。未知の中でいろいろな苦労をされたというのは、今、お三方の参考人がそれぞれおっしゃっていますけれども、しかし、感染症というくくりでいった場合には、基本的にやることは共通のことがいっぱいあります。そこを大事にして育てて、育てていくというのは、対応することに対する仕組みであり、あるいは人材であり、それから実行する人たちを育てていくということが大切なわけでありまして、未知のもの全てに各論的に備えるのは無理であります。
しかし、繰り返しますけれども、基本的な大切なことをふだんからそこに、いわば耕していくような状態、これが求められることではないかと思います。
以上です。
この発言だけを見る →ある未知の感染症が出た場合の対応というのは、これはもう誰も分からないわけであります。未知の中でいろいろな苦労をされたというのは、今、お三方の参考人がそれぞれおっしゃっていますけれども、しかし、感染症というくくりでいった場合には、基本的にやることは共通のことがいっぱいあります。そこを大事にして育てて、育てていくというのは、対応することに対する仕組みであり、あるいは人材であり、それから実行する人たちを育てていくということが大切なわけでありまして、未知のもの全てに各論的に備えるのは無理であります。
しかし、繰り返しますけれども、基本的な大切なことをふだんからそこに、いわば耕していくような状態、これが求められることではないかと思います。
以上です。
神
大
太
太栄志#23
○太委員 おはようございます。神奈川十三区の太栄志でございます。
先生方に質問させていただきます。
まず、今後の我が国の感染症対策、そして危機管理体制の強化へ向けて、大変貴重な御助言をいただきましたこと、心から感謝申し上げます。
まず、草場先生にお伺いさせていただきたいと思います。
昨年の有識者会議、メンバーだった草場先生にお伺いしたいのが、昨年六月の会議の報告書では、政府のコロナ対策について、「今後とも社会経済財政への影響、財源のあり方、施策の効果などについて多面的に検証が行われ、的確に政策が進められることを求めたい。」と、更なる検証の必要性が示されました。
先生は、政府によるコロナ対策の予算の使い方の精査や、あるいは効果の検証など、今後の検証の必要性についてどのようにお考えなのか、まずその点、教えてください。お願いいたします。
〔委員長退席、藤井委員長代理着席〕
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まず、今後の我が国の感染症対策、そして危機管理体制の強化へ向けて、大変貴重な御助言をいただきましたこと、心から感謝申し上げます。
まず、草場先生にお伺いさせていただきたいと思います。
昨年の有識者会議、メンバーだった草場先生にお伺いしたいのが、昨年六月の会議の報告書では、政府のコロナ対策について、「今後とも社会経済財政への影響、財源のあり方、施策の効果などについて多面的に検証が行われ、的確に政策が進められることを求めたい。」と、更なる検証の必要性が示されました。
先生は、政府によるコロナ対策の予算の使い方の精査や、あるいは効果の検証など、今後の検証の必要性についてどのようにお考えなのか、まずその点、教えてください。お願いいたします。
〔委員長退席、藤井委員長代理着席〕
草
草場鉄周#24
○草場参考人 御質問ありがとうございます。
先生おっしゃるとおり、予算の使い方という点に関しては、どうしても危機時には、最優先に必要な事項に関して、とにかくまず徹底的にいろいろな予算を使いながら感染対策を行うということは、私はやむを得ない部分があるかと思います。先ほどお話があったように、非常に未知のウイルスに対する防御策ということに関しては、どうしても様々な形でやらざるを得ない。
ただ、それに対する、事後の検証ということに関しては、やはり今回もなかなかそういった議論というのが乏しかったなと感じています。もちろん、病院等の病床の確保ということに関してたくさんのお金が使われている状況でございますけれども、果たしてそれが全て有効に使われたのか、そういった点に関してはいろいろな議論があると思います。
ですから、まず最初は大胆にお金を使うということはいいと思うんですが、ちゃんと事後検証ですね、しっかり定期的にチェックを入れていく、その仕組みを今後のパンデミックの中でも是非取り入れていかなきゃいけない、それが私自身の問題意識でございます。
この発言だけを見る →先生おっしゃるとおり、予算の使い方という点に関しては、どうしても危機時には、最優先に必要な事項に関して、とにかくまず徹底的にいろいろな予算を使いながら感染対策を行うということは、私はやむを得ない部分があるかと思います。先ほどお話があったように、非常に未知のウイルスに対する防御策ということに関しては、どうしても様々な形でやらざるを得ない。
ただ、それに対する、事後の検証ということに関しては、やはり今回もなかなかそういった議論というのが乏しかったなと感じています。もちろん、病院等の病床の確保ということに関してたくさんのお金が使われている状況でございますけれども、果たしてそれが全て有効に使われたのか、そういった点に関してはいろいろな議論があると思います。
ですから、まず最初は大胆にお金を使うということはいいと思うんですが、ちゃんと事後検証ですね、しっかり定期的にチェックを入れていく、その仕組みを今後のパンデミックの中でも是非取り入れていかなきゃいけない、それが私自身の問題意識でございます。
太
太栄志#25
○太委員 先生、どうもありがとうございます。
先ほど触れられましたのが、パンデミックにおいて、児童など学校教育への影響について言及されましたが、それと、昨年の報告書の取りまとめの直後に、子育て中の方の声も聞いて報告書に盛り込みたかったというふうに、先生、御指摘されておりました。
問題意識はどんなことだったのか。といいますのも、やはりこの三年間、特に乳幼児期から学童期にかけての子供たちというのが、本当に触れ合いやコミュニケーションを制約されながらの三年間、言語発達に影響が出る可能性も指摘されておる中で、是非とも、先生のこの点、この御発言に関しての御見解をお聞かせください。お願いいたします。
この発言だけを見る →先ほど触れられましたのが、パンデミックにおいて、児童など学校教育への影響について言及されましたが、それと、昨年の報告書の取りまとめの直後に、子育て中の方の声も聞いて報告書に盛り込みたかったというふうに、先生、御指摘されておりました。
問題意識はどんなことだったのか。といいますのも、やはりこの三年間、特に乳幼児期から学童期にかけての子供たちというのが、本当に触れ合いやコミュニケーションを制約されながらの三年間、言語発達に影響が出る可能性も指摘されておる中で、是非とも、先生のこの点、この御発言に関しての御見解をお聞かせください。お願いいたします。
草
草場鉄周#26
○草場参考人 今御指摘いただいた点、非常に重要な問題だというふうに捉えています。
今回は、お子さんに関しては比較的重症度が低いという形の感染症の特徴がございました。ただ、それがどうしても、高齢者と同様のかなりしっかりとした感染対策を行う、その部分はやむを得ない部分はあったんですけれども、現場ではやはり、そういったお子さんを抱えるお母さん方の非常につらい状況。
私自身もたくさんのお子さんを診療しているんですけれども、そういった中で、ふだんの活動が全て制限されている、いろいろな、日々の授業もそうなんですけれども、例えば学習発表会であったり、あるいは卒業旅行であったり、そういったふだん提供されているものが非常に欠けているという状況で、精神的にもかなり苦しんでいる状況というものがお子さん方にあったというふうに思っています。
ですので、発達障害というところまで全ての方が行くわけではないんですけれども、バランスですね、感染対策の強度というものをどう設定するか。リスクに応じて、高齢者と、ふだん健康な方と、そしてお子さんということをちゃんと分離しながら、きちんと議論をしていくということをしなきゃいけない。そういった点を今回のパンデミックでは大変強く感じました。
この発言だけを見る →今回は、お子さんに関しては比較的重症度が低いという形の感染症の特徴がございました。ただ、それがどうしても、高齢者と同様のかなりしっかりとした感染対策を行う、その部分はやむを得ない部分はあったんですけれども、現場ではやはり、そういったお子さんを抱えるお母さん方の非常につらい状況。
私自身もたくさんのお子さんを診療しているんですけれども、そういった中で、ふだんの活動が全て制限されている、いろいろな、日々の授業もそうなんですけれども、例えば学習発表会であったり、あるいは卒業旅行であったり、そういったふだん提供されているものが非常に欠けているという状況で、精神的にもかなり苦しんでいる状況というものがお子さん方にあったというふうに思っています。
ですので、発達障害というところまで全ての方が行くわけではないんですけれども、バランスですね、感染対策の強度というものをどう設定するか。リスクに応じて、高齢者と、ふだん健康な方と、そしてお子さんということをちゃんと分離しながら、きちんと議論をしていくということをしなきゃいけない。そういった点を今回のパンデミックでは大変強く感じました。
太
太栄志#27
○太委員 どうもありがとうございました。
続いて、また草場先生に質問させていただきたいんですが、先生先ほど、平時から、先ほど来本当に岡部先生もおっしゃっているように、平時からの備えということは大変重要だと思っております。
平時から危機を想定したシミュレーション演習を定期的に実施することが必要だと先ほど先生お話しされましたが、私は、外交とか安全保障、このことを専門にしておりまして、先日ちょうど、台湾有事を想定したウォーゲーム、軍事、外交のシミュレーションに参加しました。これまで様々、各自治体と、また厚労省なんかが一緒になったシミュレーションなんかを見させていただきまして、本当に似通っているんだなと改めて思っているところであるんですが、まさに緊急時、有事を想定した様々なシナリオに基づくシミュレーションは、有事の際の意思決定と、また政策の改善を図っていく上で、やはり大変重要だというふうに思っております。
ただ、もう既に、新型インフルエンザ特措法の第十二条ですか、そこで、新型インフルエンザ等対策についての訓練を行うよう努めなければならない、こういうふうに規定されております。そして、既に様々な訓練、演習、シミュレーションが行われていることを承知しております。
それでは、先生が先ほど言及されましたが、具体的にどのような感染症危機を想定したシミュレーション演習を行うべきだとお考えなのか、その点について、もし御見解ございましたら教えてください。お願いいたします。
この発言だけを見る →続いて、また草場先生に質問させていただきたいんですが、先生先ほど、平時から、先ほど来本当に岡部先生もおっしゃっているように、平時からの備えということは大変重要だと思っております。
平時から危機を想定したシミュレーション演習を定期的に実施することが必要だと先ほど先生お話しされましたが、私は、外交とか安全保障、このことを専門にしておりまして、先日ちょうど、台湾有事を想定したウォーゲーム、軍事、外交のシミュレーションに参加しました。これまで様々、各自治体と、また厚労省なんかが一緒になったシミュレーションなんかを見させていただきまして、本当に似通っているんだなと改めて思っているところであるんですが、まさに緊急時、有事を想定した様々なシナリオに基づくシミュレーションは、有事の際の意思決定と、また政策の改善を図っていく上で、やはり大変重要だというふうに思っております。
ただ、もう既に、新型インフルエンザ特措法の第十二条ですか、そこで、新型インフルエンザ等対策についての訓練を行うよう努めなければならない、こういうふうに規定されております。そして、既に様々な訓練、演習、シミュレーションが行われていることを承知しております。
それでは、先生が先ほど言及されましたが、具体的にどのような感染症危機を想定したシミュレーション演習を行うべきだとお考えなのか、その点について、もし御見解ございましたら教えてください。お願いいたします。
草
草場鉄周#28
○草場参考人 非常に重要な御指摘だと思います。
シミュレーション演習という形で書かせていただきましたのは、一つは、今回は、有識者の集まるアドバイザリーボード、そして内閣のまた動きというものも、それぞれありながら、若干食い違いながら動いて、しかも、メディアに対する対策というものも、若干ぶれがありながらあった。だから、そういった点に関して、どういった形で意思決定をしていくかというプロセス、そういったものを是非シミュレーションでやっていただきたい。これが一つ、非常に重要な点でございます。
もう一個は、現場でコロナ対応をずっとしてきた医療機関の立場からいいますと、今回のような結構強毒性の、当初、アルファとか、本当にデルタぐらいまでは非常に強かったわけでございますけれども、そういった場合に、実際、普通の診療所、一般の病院というものがどういう感染対応を取るのか、そういったことに関して、本当に慌てふためいたところがあります。あとは、高齢者が療養している介護施設、高齢者が居住している老人ホーム等の施設、そういったところも本当に困惑したわけでございます。
ですから、そういった、地域の中の医療機関、介護施設も含めた想定演習というものをしっかり定期的にやっていく。その際に、自施設では何が足りないか、そういったものを確認しながら、不足分というものを補うような、そういったシミュレーションというのを、中央と現場と両方で、シミュレーションを是非やっていっていただきたい。恐らく自然災害ではそういったことが行われていると思いますので、是非、パンデミック等を想定した演習というものをやっていただきたいなというふうに考えております。
以上でございます。
この発言だけを見る →シミュレーション演習という形で書かせていただきましたのは、一つは、今回は、有識者の集まるアドバイザリーボード、そして内閣のまた動きというものも、それぞれありながら、若干食い違いながら動いて、しかも、メディアに対する対策というものも、若干ぶれがありながらあった。だから、そういった点に関して、どういった形で意思決定をしていくかというプロセス、そういったものを是非シミュレーションでやっていただきたい。これが一つ、非常に重要な点でございます。
もう一個は、現場でコロナ対応をずっとしてきた医療機関の立場からいいますと、今回のような結構強毒性の、当初、アルファとか、本当にデルタぐらいまでは非常に強かったわけでございますけれども、そういった場合に、実際、普通の診療所、一般の病院というものがどういう感染対応を取るのか、そういったことに関して、本当に慌てふためいたところがあります。あとは、高齢者が療養している介護施設、高齢者が居住している老人ホーム等の施設、そういったところも本当に困惑したわけでございます。
ですから、そういった、地域の中の医療機関、介護施設も含めた想定演習というものをしっかり定期的にやっていく。その際に、自施設では何が足りないか、そういったものを確認しながら、不足分というものを補うような、そういったシミュレーションというのを、中央と現場と両方で、シミュレーションを是非やっていっていただきたい。恐らく自然災害ではそういったことが行われていると思いますので、是非、パンデミック等を想定した演習というものをやっていただきたいなというふうに考えております。
以上でございます。
太
太栄志#29
○太委員 どうもありがとうございました。
同じ質問を、大曲先生にも教えていただけますでしょうか。これまで実際現場でどういったシミュレーションが行われてきたのかと、今後の課題について教えてください。お願いいたします。
この発言だけを見る →同じ質問を、大曲先生にも教えていただけますでしょうか。これまで実際現場でどういったシミュレーションが行われてきたのかと、今後の課題について教えてください。お願いいたします。