法務委員会

2023-04-04 参議院 全134発言

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会議録情報#0
令和五年四月四日(火曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月三日
    辞任         補欠選任
     山東 昭子君     加藤 明良君
     田中 昌史君     野上浩太郎君
     山崎 正昭君     小林 一大君
 四月四日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     馬場 成志君
     野上浩太郎君     田中 昌史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         杉  久武君
    理 事
                加田 裕之君
                福岡 資麿君
                牧山ひろえ君
                谷合 正明君
                川合 孝典君
    委 員
                加藤 明良君
                小林 一大君
                古庄 玄知君
                田中 昌史君
                馬場 成志君
                森 まさこ君
                和田 政宗君
                石川 大我君
                福島みずほ君
               佐々木さやか君
                梅村みずほ君
                鈴木 宗男君
                仁比 聡平君
   国務大臣
       法務大臣     齋藤  健君
   副大臣
       内閣府副大臣   和田 義明君
       総務副大臣    尾身 朝子君
       文部科学副大臣  簗  和生君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局総務局長   小野寺真也君
       最高裁判所事務
       総局人事局長   徳岡  治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        久保田正志君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       審議官      親家 和仁君
       総務省大臣官房
       審議官      三橋 一彦君
       法務省大臣官房
       司法法制部長   竹内  努君
       法務省民事局長  金子  修君
       法務省刑事局長  松下 裕子君
       法務省矯正局長  花村 博文君
       法務省人権擁護
       局長       鎌田 隆志君
       法務省訟務局長  春名  茂君
       出入国在留管理
       庁次長      西山 卓爾君
       外務省大臣官房
       審議官      實生 泰介君
       外務省大臣官房
       審議官      原  圭一君
       文化庁審議官   小林万里子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○法務及び司法行政等に関する調査
 (犯罪被害者等の情報保護に関する件)
 (司法アクセスに関する件)
 (フィリピン残留日系人の国籍取得に関する件
 )
 (いわゆる宗教二世に関する件)
 (裁判記録の保存に関する件)
 (再審請求審における証拠開示に関する件)
○裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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杉久武#1
○委員長(杉久武君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、山東昭子君、山崎正昭君及び田中昌史君が委員を辞任され、その補欠として加藤明良君、小林一大君及び野上浩太郎君が選任されました。
 また、本日、野上浩太郎君及び世耕弘成君が委員を辞任され、その補欠として田中昌史君及び馬場成志君が選任されました。
    ─────────────
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杉久武#2
○委員長(杉久武君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官親家和仁君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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杉久武#3
○委員長(杉久武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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杉久武#4
○委員長(杉久武君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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古庄玄知#5
○古庄玄知君 自民党の古庄です。
 それでは、時間の関係がありますので、刑事弁護人の立場から今回の刑事訴訟法改正に関して質問させてください。
 まず、刑事訴訟におきましては当事者主義というのがありますが、これは簡単に言うとどういうものでしょうか。また、何のために当事者主義があるのでしょうか。またそして、ここに言う当事者とは一体誰と誰のことを指しているのか、この点につきまして法務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
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齋藤健#6
○国務大臣(齋藤健君) 一般に刑事裁判手続における当事者主義とは、その手続の進行につきまして、裁判所ではなく、当事者である検察官と被告人が手続遂行の主導権を持つ方式、このことを意味するとされているものと承知しております。
 現行の刑事訴訟法は、刑事裁判手続につきまして当事者主義を基本としております。これは、刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障を全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正かつ迅速に適用実現するという刑事訴訟法の目的を達成するために適した方式であると考えられたことによるものと承知をいたしております。
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古庄玄知#7
○古庄玄知君 そういたしました場合に、刑事訴訟における弁護人の位置付けについて教えてください。
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齋藤健#8
○国務大臣(齋藤健君) 刑事訴訟法上、被疑者、被告人はいつでも弁護人を選任することができることとされております。
 お尋ねの弁護人の位置付けにつきましては、様々な見解あるいは表現がございますが、一般的には、弁護人は法律の専門家として被疑者、被告人の後見、保護の役割を担うとされているものと承知をいたしております。
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古庄玄知#9
○古庄玄知君 今回の刑事訴訟法改正では、今まで被告人に知らせていた被害者の特定事項を被告人に知らせないということですけれども、かかる立法を行おうとする意図、理由について教えてください。
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齋藤健#10
○国務大臣(齋藤健君) 現在の裁判実務におきましては、逮捕状の被疑事実の要旨や起訴状の公訴事実等には被害者等の氏名等を記載することが原則とされており、これらの提示や送達を通じて、被疑者、被告人が被害者等の氏名等を把握できる状況にございます。そのため、それらを通じて被害者等の氏名等を把握した被疑者、被告人が被害者等に対する加害行為に及ぶおそれが生じ得るところであり、実際に、その点について不安を抱く被害者等から必要な協力を得ることができず、起訴を断念せざるを得ないなどの事態が生じております。
 今度の法案におきましては、こうしたことを踏まえ、被害者等の氏名等の情報を保護するため、所要の法整備を行うことを予定しています。
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古庄玄知#11
○古庄玄知君 被害者の氏名などが特定されることにより告訴などを取りやめる被害者の数と割合はどういったものでしょうか。その数値的な根拠はあるのでしょうか。刑事部長の方、お願いします。
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松下裕子#12
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。
 お尋ねのような人数等につきましては、事柄の性質上、統計として網羅的に把握することは極めて困難でございまして、そのような形では把握しておりませんが、例えばですが、被害児童の個人情報を被告人に知られたくないという被害児童側の意向を尊重し、一旦起訴はしたものの、名前を隠す形で起訴はしたものの、検察官が結局そういった意向を尊重して公訴を取り消した事例がございますほか、法務省が実施した性犯罪被害者からのヒアリングにおきましても、相手方に氏名が知られるのであれば被害申告をしなかったなどの指摘がなされているところでございまして、実際にそうした事例があるものと承知をしております。
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古庄玄知#13
○古庄玄知君 そうすると、正確な数字的な根拠は今の段階ではないということとお伺いしました。
 今は被告人に対して被害者等の特定事項が記載されていない起訴状を送達するということですけれども、今度、その被告人に弁護人が付いている場合、弁護人へ送達する起訴状はどういう取扱いになるんでしょうか。局長、お願いします。
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松下裕子#14
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。
 御指摘のように、本法律案の下では、被害者等の個人特定事項が記載されていない起訴状抄本等を被告人に送達する措置がとられることを予定していますけれども、その場合、弁護人に対しては、被害者等の個人特定事項を被告人に知らせてはならない旨の条件を付して、それが記載されている起訴状謄本を送達することを原則としております。
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古庄玄知#15
○古庄玄知君 員面調書や検面調書上の被害者の特定事項についてはどうするのでしょうか。
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松下裕子#16
○政府参考人(松下裕子君) 先ほど申し上げたような措置がとられた場合には、検察官による証拠開示や被告人又は弁護人等の請求に基づく裁判書の謄本等の交付などにおきましても、当該措置に係る個人特定事項について秘匿措置をとることができることとしております。
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古庄玄知#17
○古庄玄知君 被告人から弁護人に対して被害者の名前を教えてくれと言われたとき、弁護人はどのような対応をすればよろしいのでしょうか。
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松下裕子#18
○政府参考人(松下裕子君) 現行法の下でも、証拠開示の際の秘匿措置として、弁護人には証人の氏名を開示するものの、被告人には知らせてはならないという条件を付すことができるというふうにされているところでございまして、その場合と同様に、御指摘のような場合には、弁護人としては、法律上の仕組みを説明しつつ、被告人の求めに応じられないことについて説明を尽くすことになると考えておりますが、例えば、被告人の求めが、防御の準備を十分に行うためには被告人自身が被害者等の個人特定事項を知る必要があるという理由に基づくものである場合などには、弁護人において裁判所に対して個人特定事項の通知請求をするということも考えられると思います。
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古庄玄知#19
○古庄玄知君 弁護人がもし被告人からそういう求めを受けたときに、いや、教えられないんだよというふうに回答したときに、弁護人と被告人との信頼関係が壊れてしまうという事態もありますけれども、この辺についてはどのように考えているのでしょうか。また、最悪の場合、それにより弁護人が解任されてしまうという場合も想定されますが、その辺りについてはどのように考えているんでしょうか。
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松下裕子#20
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。
 お尋ねのような場合に弁護人と被告人との間の信頼関係にどのような影響が及ぶのかということについて一概にお答えすることは困難でございますけれども、いずれにいたしましても、本法律案は、先ほど大臣からも御答弁申し上げたように、被害者等の氏名等の情報を保護する必要性があるということを前提といたしまして、被告人の防御権に配慮する観点から、措置をとることにより防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、被疑者、被告人や弁護人の請求により裁判所が個人特定事項を通知する仕組みなども設けつつ所要の法整備を行うものであり、問題はないのではないかと考えております。
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古庄玄知#21
○古庄玄知君 被告人に対して弁護人が被害者特定事項を教えた場合、その弁護人には罰則はあるんでしょうか。
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松下裕子#22
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。
 本法律案におきましては、弁護人が御指摘の条件に違反した場合の罰則は設けておりませんが、その条件に弁護人が違反したときは、裁判所は、弁護士である弁護人については当該弁護士の所属する弁護士会又は日本弁護士連合会に通知をし、適当な処置をとるべきことを請求することができることとしておりまして、この請求を受けた弁護士会等において、当該条件に違反した弁護人に対して、適当な処置として例えば懲戒処分等が行われることはあり得ると考えております。
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古庄玄知#23
○古庄玄知君 先ほど当事者主義のところで、ここに言う当事者とは被告人と検察官というお話でしたけれども、そうなると、あくまでも刑事裁判における主役は被告人であって、弁護人はあくまでもその補助者にしかすぎない立場だと思うんですけれども、その補助者である弁護人に教えて、主役、まあ主役と言っていいのか分かりませんけれども、その主役である被告人に教えないということは当事者主義に反するのではないでしょうか。
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松下裕子#24
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。
 確かに、本法律案の下では、起訴状の送達等に関する手続において弁護人は被害者等の個人特定事項を知っていますが、被告人はこれを知らないという場合が生じ得ることになります。
 もっとも、現行法の下でも、証拠開示に際して、弁護人には証人の氏名を開示し、被告人には知らせてはならない旨の条件を付することができるところでもございますし、それを踏まえましても、当事者主義の意義ですとか弁護人の役割ということに鑑みても、被疑者、被告人の保護者たる弁護人が被告人よりも多くの情報を把握しているということが当事者主義に反するものであるとは考えておりません。
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古庄玄知#25
○古庄玄知君 今局長がおっしゃられたことは、これは被告人が無罪を争っている場合も同様なんでしょうか。それとも、無罪の場合はまた違うんでしょうか。
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松下裕子#26
○政府参考人(松下裕子君) 本法律案におきましては、被害者等の個人特定事項が記載されていない起訴状抄本等を被告人に送達する措置をとり得る要件につきまして、被告人が無罪を主張しているか否か自体によって取扱いが異なるものとはしておりません。したがいまして、被告人が無罪を主張しているとしても、当該措置をとることができないということにはなっておりません。
 もっとも、その場合でも、被告人の防御権に配慮をいたしまして、起訴状抄本等に記載される公訴事実は他の犯罪事実との識別ができるものでなければならないということを条文上要求しておりまして、被害者等の個人特定事項が知らされないとしても、被告人にとって防御の対象、つまり、どのような事実について起訴されているのかということについては明らかになるようにしております。
 そして、起訴状抄本等を被告人に送達する措置がとられる場合については、原則として弁護人に対し個人特定事項を被告人に知らせてはならないという条件を付した上で謄本を送達することとして被告人側に防御の準備の機会を確保しておりますし、その措置によって防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあると認めるときは、裁判所は、被告人又は弁護人の請求により、当該措置に係る個人特定事項の全部又は一部を被告人に通知する旨の決定をしなければならず、その決定に不服があるときは即時抗告をすることができるとして不服申立ての機会も十分に保障しているところでございまして、被告人の防御権が不当に害されることはないものと考えております。
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古庄玄知#27
○古庄玄知君 今の見解は、被告人が数名いる場合も同様でしょうか。数名いる場合に、被害者の特定、区別はどのようにして行うのでしょうか。
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松下裕子#28
○政府参考人(松下裕子君) 本法律案におきましては、被害者の個人特定事項が記載されていない起訴状抄本等を被告人に送達する措置につきまして、被害者が複数である場合、個々の被害者ごとにその改正後の刑事訴訟法の要件に該当するかどうかを判断することとしておりますため、ある被害者については措置をとる要件を満たし、別の被害者については要件を満たさないため、措置の有無が被害者によって分かれるということはございます。
 しかしながら、先ほど申し上げましたように、防御の対象が明らかになるように、ほかの事実との区別が付けられるようにということで、他の犯罪事実との識別ができる形で公訴事実を記載するということを条文上求めておりますので、起訴状抄本等に記載される、公訴事実に記載される犯罪の日時、場所、方法などによりまして、他の犯罪事実との識別をすることができると考えております。
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古庄玄知#29
○古庄玄知君 今の御見解は、弁護人が付いていない事件も同様なんでしょうか。
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