北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会

2023-04-21 参議院 全128発言

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会議録情報#0
令和五年四月二十一日(金曜日)
   午後一時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     臼井 正一君     丸川 珠代君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     衛藤 晟一君     生稲 晃子君
     丸川 珠代君     宮崎 雅夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山谷えり子君
    理 事
                北村 経夫君
                滝波 宏文君
                打越さく良君
                竹内 真二君
    委 員
                赤池 誠章君
                生稲 晃子君
                小林 一大君
                清水 真人君
                永井  学君
                宮崎 雅夫君
                吉井  章君
                青木  愛君
                三上 えり君
                里見 隆治君
                東   徹君
                金子 道仁君
                川合 孝典君
                井上 哲士君
                舩後 靖彦君
   国務大臣
       外務大臣     林  芳正君
       国務大臣     松野 博一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        神田  茂君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       齋藤 秀生君
       内閣官房内閣審
       議官       平井 康夫君
       警察庁長官官房
       審議官      早川 智之君
       警察庁長官官房
       審議官      大橋 一夫君
       警察庁警備局長  原  和也君
       出入国在留管理
       庁審議官     福原 道雄君
       外務省大臣官房
       審議官      石月 英雄君
       外務省大臣官房
       審議官      實生 泰介君
       外務省総合外交
       政策局軍縮不拡
       散・科学部長   海部  篤君
       外務省領事局長  安藤 俊英君
       防衛省大臣官房
       サイバーセキュ
       リティ・情報化
       審議官      上田 幸司君
       防衛省大臣官房
       審議官      田部井貞明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に
 関する調査
 (拉致問題解決に向けた国際的連携に関する件
 )
 (特定失踪者問題に関する件)
 (拉致問題への取組に関する件)
 (拉致被害者の認定に関する件)
 (拉致問題における政府と地方自治体との連携
 に関する件)
 (拉致問題の啓発・広報に関する件)
    ─────────────
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山谷えり子#1
○委員長(山谷えり子君) ただいまから北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、臼井正一君及び衛藤晟一君が委員を辞任され、その補欠として宮崎雅夫君及び生稲晃子君が選任されました。
    ─────────────
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山谷えり子#2
○委員長(山谷えり子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官齋藤秀生君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山谷えり子#3
○委員長(山谷えり子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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山谷えり子#4
○委員長(山谷えり子君) 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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滝波宏文#5
○滝波宏文君 自民党、福井県選出の滝波宏文です。
 地元福井県には、拉致被害者の地村保志さん、富貴恵さん御夫妻、そして多くの特定失踪者もおられ、初当選以来この十年間、超党派の拉致議連や自民党の拉致対策本部など様々な形で拉致問題に携わってまいりました。そして本日、筆頭理事として自民党を代表して質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 官房長官が今、衆議院本会議の方からおいでのところでありますので、ちょっと質問の順番を変えて、まず広島サミットの活用についてから始めさせていただきたいと思います。
 拉致問題が長期にわたって膠着状態にある中、解決に向けた糸口を探るためにも、国際社会との連携の重要性が一層増していると思います。日本政府は、様々な外交の場面で拉致問題に関して各国の理解を得る努力を続けてきており、本年三月三日にも、クアッドの外相会合においてアメリカ、オーストラリア、インドの各国から改めて支持を得ました。
 さらに、来月にはいよいよG7広島サミットが開催されます。政府には、この機会を生かし、自由、民主、人権等の普遍的価値観を共有するG7及び今回広島に招待される各国首脳に対し、拉致問題について改めて理解と力強い協力を求めていただきたいと思いますが、林大臣の決意を伺います。
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林芳正#6
○国務大臣(林芳正君) 拉致問題の解決のためには、我が国自身の主体的な取組に加えまして、G7や、今、滝波委員から御指摘のありましたこの招待国、これを始めとする国際社会と緊密に連携するということが重要でございます。
 これまで、拉致問題については、北朝鮮への直接の働きかけに加えまして、関係各国に対してハイレベルでのあらゆる機会を捉えて累次にわたり拉致問題に関する日本の立場を説明してきておりまして、多くの国から支持と理解を得てきているところでございます。
 北朝鮮による拉致問題は極めて重要な課題であり、先日のG7長野県軽井沢外相会合及び各国とのバイ会談においても、G7各国から拉致問題の即時解決に向けた支持、これが改めて表明をされたところでございます。G7広島サミットにおいてもしっかりと議論してまいりたいと思っております。
 政府としては、国際世論も味方にしながら、引き続き、米国等とも緊密に連携をし、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現するべく、あらゆるチャンスを逃すことなく全力で取り組み、果断に行動してまいります。
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滝波宏文#7
○滝波宏文君 ありがとうございました。
 本年四月四日には、国連人権理事会において北朝鮮の人権状況を非難する決議が採択されました。本決議は、人権問題を重視するEUが中心となって作成され、我が国を始めG7各国が共同提案国に加わるなど、拉致問題を含む北朝鮮の人権侵害を国際社会全体で考える大事な機会となったと考えます。
 とりわけ、ロシアによるウクライナ侵略に際した虐殺行為や、ウイグル、チベット、南モンゴルにおける中国の人権侵害、返還後五十年間は一国二制度が保障されるはずだった自由香港の喪失などを背景に国際社会の人権問題に関する意識が特に高まっている中、この本年の国連北朝鮮人権非難決議はどういった意義を持っていると考えるのか、外務大臣の見解を伺います。
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林芳正#8
○国務大臣(林芳正君) 今、滝波委員から御指摘がありましたとおり、この世界各地における人権状況への国際的関心、これが高まっておりますが、人権の保護促進、これは国際社会の平和と安定の礎であると考えております。
 今御指摘のありました、この我が国が共同提案国となりました北朝鮮人権状況決議、これは拉致問題に関する記述がしっかりと確保されておるわけでございます。加えて、北朝鮮内での人権侵害についても指摘し、北朝鮮に対し、北朝鮮による犯罪や人権侵害を終わらせるために必要な全ての措置を直ちにとるということを求めているところでございます。
 こうした決議がコンセンサスで採択されたことは、拉致問題を含む北朝鮮の人権侵害について国際社会が強い懸念を有しているという表れでございまして、大きな意義があると考えております。世界各地における人権状況への国際的な関心の高まりも踏まえまして、岸田内閣の最重要課題であり、そして時間的制約のある人道問題である拉致問題の解決に向けたメッセージ、これを国際社会が継続して発出するように、引き続き米国等とも緊密に連携しながら、あらゆるチャンスを逃すことなく全力で取り組んでまいります。
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滝波宏文#9
○滝波宏文君 ありがとうございました。
 今ほどの人権問題とも関連しますが、自由、民主、人権、法の支配といった普遍的価値観を共有する、今や東アジアにおける唯一の友好国とも言うべき台湾に危機が迫っております。
 官房副長官として拉致被害者の御帰国を実現させたのを始め、拉致問題に力を尽くされた安倍総理は、台湾有事は日本有事であり、日米同盟有事であるとの言葉を残されましたが、一旦台湾有事があれば、尖閣、石垣など先島諸島を含めて戦闘領域に入ってくる可能性が高く、その状況で日米同盟が機能するかなど、まさに日本有事、日米同盟有事であります。
 その中で、台湾には数万人の日本人が暮らしており、加えて、コロナ前には観光そしてビジネスでの短期訪問客が常時数万人いました。台湾有事が起きてしまった場合、これら数万人単位の邦人退避の問題があります。
 さらに、ウクライナ侵略時にはウクライナだけでなくロシアからの退避の問題もあったように、台湾有事の際には中国大陸から退避する方々のことも考えなければなりません。こちらは桁が変わって数十万人、中国共産党の指示で人質のようにされる可能性もあります。
 また、難民として台湾人を始めとする方々が日本に逃げてくることも予想されます。ウクライナ難民保護も一時大きな課題となりましたが、距離の近さから、今度はその比ではない規模となるでしょう。これらに対応するためにも、台湾当局との連携が不可欠ですが、外交のないということで制限された従前の連携では全く不十分です。
 これら台湾有事の際の邦人退避、難民対応、台湾当局との連携強化について、政府の決意を外務大臣に伺います。
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林芳正#10
○国務大臣(林芳正君) この海外に渡航、滞在する邦人の保護、これは政府の最も重要な責務の一つでありまして、平素から、在外邦人の保護そして退避が必要となる様々な状況を想定し、必要な準備、検討を行っております。
 在外邦人の保護や退避、外国人避難民の受入れを含めて、有事における我が国の個々の対応や計画について個別具体的にお答えすることは差し控えますけれども、日本を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で、外務省としていかなる事態にも対応できるよう万全を期してまいりたいと考えております。
 なお、一般論として申し上げますと、台湾との間では、我が方の民間窓口機関である日本台湾交流協会を通じまして、邦人保護を含めて平時から様々なやり取りを行っておるところでございます。
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滝波宏文#11
○滝波宏文君 形式的な回答になったかなと思います。なかなか表に言い難い面もあると思いますが、とにかく、いざ台湾有事というときにしっかりと対応できるように実質中身を台湾側とも詰め、万全の準備をしていただきたいと思います。
 続けて、特定失踪者の問題に移りたいと思います。
 先般の視察、新潟の視察で、特定失踪者御家族や捜査を行う新潟県警からもお話をお聞きしました。拉致の疑いを排除できない失踪者について、風化を排し、警察が充実した捜査を行うことで、更なる証拠や事実の発見とともに、拉致被害者として政府認定することにつながり得ると思います。また逆に、拉致問題の解決によって他の特定失踪者の問題解明に資する可能性もあると思います。
 警察による徹底した捜査を継続しつつ、内閣官房、外務省ともしっかり連携し、政府が一体となって認定の有無にかかわらず全ての拉致被害者の一刻も早い帰国を実現するべきだと思いますが、この点につき、まず警察庁から見解を伺います。
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原和也#12
○政府参考人(原和也君) お答え申し上げます。
 警察におきましては、これまで、拉致被害者と判断している方々以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない方が存在しているとの認識の下、現在、八百七十一人の方につきまして、関係機関と緊密な連携を図りつつ、鋭意捜査、調査を進めているところでございます。
 現在、警察庁外事課に設置いたしました特別指導班におきまして真相解明に向けた警察の取組を強化いたしており、また、広く情報提供を求めるため、御家族からの同意が得られたものにつきましては、都道府県警察及び警察庁のウェブサイトに事案の概要等を掲載するなどし、事案の全容解明に努めているところでございます。
 今後とも、拉致被害者としての認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の方々の一日も早い帰国を実現するため、関係機関と緊密に連携を図りつつ、事案の全容解明に向け、捜査、調査に全力を挙げてまいりたいと考えております。
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滝波宏文#13
○滝波宏文君 続けて、内閣官房、外務省からも特定失踪者についての見解を伺います。
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平井康夫#14
○政府参考人(平井康夫君) ただいま警察庁から答弁がありましたとおり、拉致被害者として認定された十七名以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者が存在するとの認識の下、現在、八百七十一名について、平素より国内外からの情報収集、分析や捜査、調査に鋭意努めているところでございます。
 政府としては、今後も事案の真相解明に向けて全力を挙げて取り組んでいく考えであり、北朝鮮による拉致行為があったと確認された場合には、速やかに拉致認定をしてまいります。
 いずれにせよ、政府としては、拉致被害者としての認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の安全確保、即時帰国、真相究明を目指す考えであります。
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實生泰介#15
○政府参考人(實生泰介君) 外務省の方からもお答えいたします。
 先ほど、警察庁、内閣官房から捜査や認定についての答弁がございましたけれども、政府、外務省としても、その拉致被害者として認定された十七名の方々以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者が存在するという認識の下、認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の安全確保、そして即時帰国のために、関係機関と緊密に連携を図って全力を尽くしていく所存でございます。
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滝波宏文#16
○滝波宏文君 しっかり連携して、風化させずに頑張ってやっていただきたいと思います。
 そして、北朝鮮のミサイル、Jアラート、核開発について質問移りたいと思います。
 最重要課題である拉致問題に加え、北朝鮮には核開発そしてミサイル問題があります。昨年には、過去最多、しかも群を抜く数である、少なくとも五十九発ものミサイルを発射し、今年も既に九発、変則軌道で低空飛翔可能、あるいは極超音速によりミサイル防御を突破する能力を向上させるなど、ミサイル開発を驚くほど急速に進めております。この北朝鮮のミサイル開発の現状認識とそれへの対応について政府の見解を伺いたいと思います。
 特に、先週十三日のミサイル発射についてどういう分析をしているのかについてですけれども、なぜ発射から約三十分後のJアラート発令になったのか。北朝鮮側は、一発目が通常軌道、二発目と三発目が、三段目がロフテッド軌道だというふうにしているようでありますが、同様の認識でしょうか。そして、この二段目以降の複雑な軌道を追う分析に時間を要したのでしょうか。
 松野長官おいででございますけれども、今、ミサイル、Jアラート、核開発のことをお聞きしているところでございます。
 あわせて、北朝鮮の核開発についても、昨年夏までには七回目の核実験がいつでもできるような状態になっているとも言われておりますけれども、現状の認識と、どう対応するかにつきまして政府の見解を伺いたいと思います。
 お着きになって突然で恐縮ですけれども、松野官房長官、もしお答えいただければ、よろしくお願いします。
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松野博一#17
○国務大臣(松野博一君) 滝波先生にお答えをさせていただきます。
 北朝鮮は、特に昨年以降、かつてない頻度でのミサイル発射を繰り返し、変則軌道で飛翔するミサイルを含め、関連技術、運用能力を急速に向上させています。今後も、各種ミサイルの発射や核実験の実施を含め、更なる挑発行為に出てくる可能性があると考えています。こうした北朝鮮の軍事動向は、我が国の安全保障にとって従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威であり、地域及び国際社会の平和と安全を著しく損なうものであります。
 政府としては、引き続き、必要な情報収集、分析及び警戒監視に全力を挙げていくとともに、北朝鮮の非核化に向け、日米、日米韓で緊密に連携していきます。
 また、北朝鮮が今月十三日に発射した弾道ミサイルの詳細については、飛翔中に軌道が変わった可能性を含め、引き続き分析を行っているところであります。
 同日のJアラートの運用に関しては、北海道周辺に落下する可能性のあるミサイルを探知し、限られた探知情報の中でシステムが北海道周辺に落下するとの航跡を生成していたため、国民の皆様の安全を最優先するという観点から、可能な限り速やかにJアラートを発出したところであります。
 国民の皆様への情報伝達の在り方については、不断に検討を行い、今後とも、国民の安全、安心のため、より迅速かつより的確な情報提供に努めてまいりたいと考えております。
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滝波宏文#18
○滝波宏文君 変則軌道などは、ミサイル防衛だけではなく、こういったJアラートによる国民周知にも難しさを加えているかと思いますけれども、より精緻、安全な対応に力を入れていただければと思います。
 それでは、長官が御到着でありますので、冒頭の最初の質問に入りたいと思います。
 昨年十月には、拉致被害者五名が御帰国されてからついに二十年が経過しました。また、同月、拉致当時十三歳だった横田めぐみさんは五十八歳となり、翌十一月には新潟にて拉致されてから四十五年もの月日が流れました。この節目において、当参議院拉致特別委員会では、その昨年十一月に新潟県への視察を行ったところであります。そして、本年二月には横田めぐみさんのお母様である早紀江さんは八十七歳になられました。地元福井県の拉致被害者である地村御夫妻も二十年前に御帰国されたわけでありますけれども、地村保志さん御自身も帰国後勤めた小浜市役所を七年前に定年退職され、お父様も三年前にお亡くなりになっております。
 このように、拉致被害者の御家族、そして御本人自身も高齢化が進み、拉致問題の長期化が改めて浮き彫りになる中、昨年十二月に閣議決定された国家安全保障戦略においても、拉致問題については、時間的な制約のある深刻な人道問題であるとされております。
 改めて、拉致問題が長期化し、一刻の猶予もない現状を政府はどのように受け止めているのか、そして、即時一括帰国、早期解決に向けての決意について、拉致担当大臣である松野官房長官にお伺いします。
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松野博一#19
○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。
 拉致問題は、重大な人権侵害であり、岸田内閣の最重要課題であります。
 私も就任以来、様々な機会に拉致被害者や御家族の皆様とお会いをし、拉致問題の一刻も早い解決を願う強い切迫した思いを直接お伺いし、拉致問題の解決には一刻の猶予もないとの思いを共有させていただいております。
 御家族も御高齢になる中、拉致問題は時間的制約のある人道問題であります。御家族や救う会の皆様の思いを重く受け止めながら、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向け、あらゆるチャンスを逃すことなく、引き続き果断に行動していく決意であります。
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滝波宏文#20
○滝波宏文君 ありがとうございました。
 先ほども触れたように、昨年十一月十四日、当拉致特別委員会として新潟視察を行いました。横田めぐみさんが通っていた新潟市立寄居中学校から拉致現場とされる日本海に面した寄居浜までの道のりを歩きながら、閑静な住宅街において平穏な日常が突然奪われた深い悲しみに思いをはせました。私の娘も中学生。ある日、その子が突然いなくなってしまったらと思うと本当に胸の詰まる思いでありました。拉致問題を国民がこぞって自分事として捉え続けていく必要があると考えます。
 そして、改めて、北朝鮮による拉致という国家的犯罪行為、基本的人権の侵害に強い強い怒りを覚えました。
 松野長官も一昨年、この新潟市の拉致現場を視察されており、また、松本京子さん拉致現場とされる鳥取県米子市も視察されたと承知しておりますが、現場を目の当たりにし、どのような思いを持たれたのか、お伺いいたします。
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松野博一#21
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。
 一昨年十一月に新潟で横田めぐみさんの拉致現場を、昨年十月には米子で松本京子さんの拉致現場をそれぞれ御家族とともに視察をいたしました。その地で実際に拉致が行われたことを実感するとともに、拉致被害者の方々の帰りを待ち続けている御家族の気持ちを思うと、滝波先生からもお話にありましたとおり、私も胸が詰まる思いであります。岸田内閣において必ず拉致問題を解決するという決意を一層強くしたところであります。
 全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向け、引き続き全力で果断に行動してまいります。
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滝波宏文#22
○滝波宏文君 ありがとうございました。
 既に当委員会理事懇で合意されているように、新潟視察に続き、今度、地元福井県は小浜市への当委員会の視察も来月二十九日に予定されておりまして、委員長、理事、委員各位に感謝申し上げつつ、質問を終わります。
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三上えり#23
○三上えり君 会派、立憲民主・社民の三上えりです。
 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 松野拉致問題担当大臣は、昨年十二月十日に、拉致問題の解決に向けた政府主催の国際シンポジウムに出席されました。その際、時間的制約のある人道問題だとする認識や、肉親との再会を待ちわびる痛切な思いを直接伺い、一刻の猶予もないという切迫感をひしひしと感じているといった所感を述べられました。政府として、拉致問題の長期化を深刻なものと捉える姿勢が示されています。そうなんです。時間がございません。
 こうした中、北朝鮮は拉致問題について、拉致問題は既に完全無欠に解決されたと主張しています。先日公開された日本の二〇二三年外交青書に対しても、謀略文書だと批判しました。弾道ミサイルを堂々と発射し、日本を敵対視するような言動を繰り返しています。
 このように、拉致問題の解決に向けて、状況は膠着どころか悪化すらしていると思われますが、政府はどのような認識を持っていられますでしょうか。お願いします。
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松野博一#24
○国務大臣(松野博一君) 三上先生にお答えをさせていただきます。
 拉致被害者御家族及び拉致被害者の方々が一年一年と年を重ね御高齢となっている中、二〇〇二年に五人の拉致被害者の方々が帰国されて以来、一人の拉致被害者の帰国も実現していないことは痛恨の極みであり、誠に申し訳なく思っております。
 拉致被害者御家族も御高齢となる中で、拉致問題は時間的制約のある人道問題であります。御家族の皆様とは、もはや一刻の猶予もないとの切迫感を共有をしています。
 拉致問題は、重大な人権侵害であり、岸田内閣の最重要課題であります。拉致問題の解決に向けて、米国を始めとする関係国との緊密な連携を進めていくと同時に、我が国自身が主体的に取組を進めていくことが重要であり、岸田総理自身、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意を表明しています。
 政府として、北朝鮮にはこれまでも様々な働きかけを行ってきていますが、その具体的な内容や現在までの状況などは、今後の交渉に影響を及ぼすおそれがあるため、明らかにすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 政府としては、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、全力で行動してまいります。
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三上えり#25
○三上えり君 一刻の猶予もない、共有させてください。ありがとうございます。
 そして、一つ確認させてください。
 松本京子さんが平成十八年十一月二十日に拉致認定されて以来十七年間、ただの一人も認定されておりません。帰国させるために、外交交渉も含め、北朝鮮との問題なんですけれども、認定は日本政府ができることです。なぜできないのか。分かっていて、何らかの意図で認定できないのか、御見解をお願いします。
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平井康夫#26
○政府参考人(平井康夫君) 政府といたしましては、拉致被害者として認定された十七名以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者が存在するとの認識の下、現在、八百七十一名について、平素より国内外からの情報収集、分析や捜査、調査に鋭意努めているところであります。
 拉致被害者の認定につきましては、ただいま申し上げた情報収集、分析や捜査、調査の結果、北朝鮮当局による拉致行為があったことが確認された場合に行うこととしておりますが、拉致の可能性を排除できない事案につきましては、これまでのところ、北朝鮮による拉致行為があったことを確認するには至っていないところでございます。
 政府といたしましては、今後も事案の真相解明に向けて全力を挙げて取り組んでいく考えであります。北朝鮮による拉致行為があったと確認された場合には、速やかに拉致認定をしてまいります。
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三上えり#27
○三上えり君 拉致の可能性を、今おっしゃった確認、排除できない行方不明者八百七十一名、そして特定失踪者が四百七十名ということです。ただの一人も認定されていない状況です。認定を待っていらっしゃる方もいるということを改めて強く申し上げます。
 もう一つ、確認です。
 政府は、総理面会を認定者の家族に限っています。一方では、事あるごとに認定の有無にかかわらずと発言していらっしゃいます。なぜ政府は、総理面会に条件を付けるのでしょうか。総理と官房長官に区別する理由が何なのか、お伺いします。
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松野博一#28
○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。
 政府としては、拉致被害者として認定された十七名以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者が存在するとの認識の下、認定の有無にかかわらず全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国のために全力を尽くしているところであります。
 拉致被害者の認定につきましては、今ほど政府、委員の方からお話の答弁をさせていただきましたが、北朝鮮側に反論する材料を与えないよう慎重に対応しているところであり、拉致の可能性を排除できない行方不明者の方々の御家族には拉致問題担当大臣である私がお会いをして、お話をお伺いさせていただいています。長年にわたり一日千秋の思いで肉親との再会を強く求める御家族の思いや要望の内容については、総理にも報告しています。
 今後とも、御家族の気持ちに寄り添い、丁寧な対応に努めてまいります。
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三上えり#29
○三上えり君 これ内閣の最重要課題とするのであれば、直接面会をして幅広く意見交換をすべきではないかと思っておりますので、政府の対策本部長である総理と官房長官が同席すべきではないかと思っております。是非このことについても御検討いただけたらと思います。
 次に、岸田総理は、これまで拉致問題について最重要課題と繰り返していらっしゃいます。本年の施政方針演説においても、拉致問題を最重要課題として掲げ、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意と示されました。この点は従来の政府方針を引き継いでいるんですけれども、最重要課題である拉致問題は深刻な重要人道問題であり、その解決は一刻の猶予も示されませんと、許されませんと述べられました。総理は、この演説に関して、これまでも、最重要課題であるということで、この表現を工夫し、その所信等において思いをしっかり伝えるための表現、磨き上げてきましたとの説明を行われました。
 この本年の施政方針演説における表現について、政府の方針、どのように反映されているのでしょうか。また、これまでと変わった点があるのか、松野大臣、お願いいたします。
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