文教科学委員会

2024-06-11 参議院 全99発言

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会議録情報#0
令和六年六月十一日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月六日
    辞任         補欠選任
     古賀 千景君     大椿ゆうこ君
     下野 六太君     山本 香苗君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     大椿ゆうこ君     古賀 千景君
     山本 香苗君     下野 六太君
 六月十日
    辞任         補欠選任
     斎藤 嘉隆君     勝部 賢志君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         高橋 克法君
    理 事
                赤松  健君
                石井 正弘君
                今井絵理子君
                蓮   舫君
                伊藤 孝恵君
    委 員
                赤池 誠章君
                上野 通子君
                臼井 正一君
                末松 信介君
                橋本 聖子君
                本田 顕子君
                勝部 賢志君
                古賀 千景君
                宮口 治子君
                下野 六太君
                安江 伸夫君
                金子 道仁君
                中条きよし君
                吉良よし子君
                舩後 靖彦君
   衆議院議員
       文部科学委員長  田野瀬太道君
   国務大臣
       文部科学大臣   盛山 正仁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        武蔵 誠憲君
   政府参考人
       文部科学省総合
       教育政策局長   望月  禎君
       文部科学省初等
       中等教育局長   矢野 和彦君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  寺門 成真君
       スポーツ庁次長  茂里  毅君
       文化庁次長    合田 哲雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○障害のある児童及び生徒のための教科用特定図
 書等の普及の促進等に関する法律の一部を改正
 する法律案(衆議院提出)
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (教員の長時間労働の解消策に関する件)
 (芸能従事者に係る契約関係の適正化に関する
 件)
 (通学時の熱中症対策に関する件)
 (コロナ後遺症に係る学校の対応に関する件)
 (私立高等学校への私学助成の拡充に関する件
 )
    ─────────────
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高橋克法#1
○委員長(高橋克法君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、斎藤嘉隆君が委員を辞任され、その補欠として勝部賢志君が選任されました。
    ─────────────
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高橋克法#2
○委員長(高橋克法君) 障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院文部科学委員長田野瀬太道君から趣旨説明を聴取いたします。田野瀬衆議院文部科学委員長。
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田野瀬太道#3
○衆議院議員(田野瀬太道君) おはようございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 ただいま議題となりました障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 近年、我が国に在留する外国人が増加していることに併せて、日本語指導が必要な児童生徒の数は大幅に増加しております。文部科学省の調査によれば、令和三年度時点における公立学校に在籍する日本語指導が必要な児童生徒の数は約五万八千人であり、平成二十年度の約一・七倍となりました。
 このような外国人児童生徒等は、日本語に通じないことにより、文字の読み書きに問題があり、教科書の使用に困難を抱えていることが少なくありません。その困難の程度は軽度なものばかりでなく、支援の重要性は高いと言えますが、外国人児童生徒等の背景や置かれた状況により抱える困難が異なることなどから、学校現場において教員等が個別に対応しているのが現状です。
 一方、障害により通常の紙の教科書を使用して学習することが困難な児童生徒が利用できる教科用特定図書等としての音声教材等の活用が広まってきております。音声教材は、使用者が随意のタイミングで教科書の音声情報を入手できる機能を持つことなどから、外国人児童生徒等が抱える困難を軽減させるためにも有効であるとされています。しかし、現状では、音声教材は障害のある児童生徒を対象として作成されていることから、外国人児童生徒等はこのような教材を使用して学習することができません。
 そこで、本案は、このような現状を踏まえ、日本語に通じない外国人児童生徒等が音声教材を使用して学習することができるよう、必要な改正を行うものであり、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、当分の間、文部科学大臣等は、音声教材等の教科用特定図書等を発行する者が障害のある児童生徒及び日本語に通じない児童生徒の両者の学習の用に供するために教科用特定図書等を発行する場合にも、教科書デジタルデータを提供することができることとしております。
 第二に、教科書デジタルデータの提供を受け発行された教科用特定図書等に掲載された著作物について、その利用に係る著作権法の特例を設けるものとしております。
 第三に、この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行することとしております。
 以上が本案の提案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
 以上でございます。
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高橋克法#4
○委員長(高橋克法君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
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高橋克法#5
○委員長(高橋克法君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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高橋克法#6
○委員長(高橋克法君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 田野瀬衆議院文部科学委員長におかれましては、御退席をいただいて結構でございます。
    ─────────────
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高橋克法#7
○委員長(高橋克法君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省総合教育政策局長望月禎君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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高橋克法#8
○委員長(高橋克法君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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高橋克法#9
○委員長(高橋克法君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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勝部賢志#10
○勝部賢志君 おはようございます。立憲民主・社民の勝部賢志でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 教職員の長時間労働、教員不足は大変大きな課題となっておりまして、中教審でも議論をされてきましたが、先日、審議のまとめが出されました。まとめに対する受け止めなどを含めて、学校現場の厳しい状況を改善するための方策について以下議論してまいりたいと思いますので、文部大臣始め文科省の皆様方にはよろしくお願い申し上げたいと思います。
 初めに、少し学校現場あるいは子供たちの状況について確認をさせていただきたいと思いますけれども、教職員のメンタルヘルスの状況についてはどのようになっているのか、文科省に伺います。
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矢野和彦#11
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。
 令和四年度公立学校教職員の人事行政状況調査によりますと、令和四年度における教育職員の精神疾患による病気休職者数は、前年度から六百四十二人増の六千五百三十九人となり、過去最多となっているところでございます。
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勝部賢志#12
○勝部賢志君 その要因をどのように受け止めて分析をされておられますか。
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矢野和彦#13
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。
 教育職員の精神疾患に係る病気休職者数の増加につきましては、精神疾患は発症まで時間が掛かるということもございまして、またその原因は個々のケースにより様々でございますため、具体的な理由について一概には申し上げられないわけでございますが、例えば、業務の質の困難化、教師間の業務量や内容のばらつき、保護者等からの過度な要望、苦情や不当な要求への対応、令和四年でいいますればコロナ禍での児童生徒や教育職員間のコミュニケーションの取りづらさ、こういったことが考えられるところでございます。
 こうした点を踏まえ、メンタルヘルス対策については改めて対策を進めていく必要があることから、文部科学省では令和五年度からメンタルヘルス対策に関する調査研究事業を実施しておりまして、採択自治体において専門家等と協力しながら、病気休職の原因分析、メンタルヘルス対策等に関する効果的な取組の研究、他の自治体への展開を見据えたモデル事例の創出、こういったところに今取り組んでいるところでございます。
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勝部賢志#14
○勝部賢志君 教員不足の状況についても私も何度か指摘をしてきた経過がありますけれど、依然として改善されていない状況にあるのではないかと思いますが、その状況と併せて、なぜ改善されないのかということについて文部省の見解を伺いたいと思います。
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望月禎#15
○政府参考人(望月禎君) 教師不足の状況につきまして文部科学省が行った調査では、全国の公立学校におきまして、令和三年度始業日時点での教師不足が二千五百五十八名となっており、その後は学校現場の調査負担も考慮し実数での把握は行ってはおりませんが、その後も毎年度当初の状況について各教育委員会に対してお聞きをしているところによりますと、依然として厳しい状況が続いております。
 その上で、令和六年度の当初の教師不足につきましては、今現在、各教育委員会に対して昨年度と同様の形で把握を行っているところですが、各教育委員会と個別に意見交換をする中では、やはり引き続き厳しい状況にあると認識をしております。
 現在の教師不足の状況につきましては、近年、大量退職、大量採用を背景としまして、産休、育休取得者の教員の増加や想定を上回る特別支援学級の増加に対応するための臨時講師の需要が拡大する一方、正規採用数の増加等による臨時講師の供給が減少しているという構造的な要因もあるものと認識をしているところでございます。
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勝部賢志#16
○勝部賢志君 教職員を取り巻く状況について今確認をしましたけれど、メンタルヘルスが依然として増えていて過去最高と。この要因について聞かせていただきましたが、私が現場から聞いている話でいうと、とにかく時間外勤務が多くて業務が多い、それから、ちょっと触れられていました、非常に困難な事例が多くなってきていて、それが精神的に非常に負担になっていると、そういう声を聞いています。今の中には含まれていませんでしたけど、私はこれが非常に大きな要因になっていると思っていますので、そういう観点からこの後また質疑をさせていただきます。
 それから、教員不足の状況ですけれども、これも依然として改善されていない、むしろ増えているという状況で、一体何をやっているんですかという話なんですね。定数も確保できない現場があると。先ほど申し上げたような先生方に対する負担は、やっぱり先生、いるべき教師がいないということの負担というのは、これ想像以上に大きいですから、そのことに対する対応をこれからもずっと求めていきますので。
 そういう観点で、学校現場の教職員は非常に負担が増しているという状況の中で、一方で児童生徒はどういう状況になっているかということで、今日、少し時間を軽減するために資料を作りましたので、これを見ていただきたいと思います。
 いじめ、暴力行為、不登校、自死、そのそれぞれがどうなっているかということなんですけど、いじめの認知件数、一ページ目です。全校種合わせて六十八万一千九百四十八、これも過去最高ですね。
 これ、いじめの認知件数というのは、学校が、何というんでしょうか、調べることにしっかり取り組んでいくと認知件数というのは上がると思うんですね。大事なのは、その認知件数を、そのいじめの状況を知った上でどう対応するかということなんですけれど、それに併せて、そのいじめの内容がどうかというのは二ページ目にあるんですけれど、重大事態についてというのがありますが、発生件数、小中合わせてですけど九百二十三件ということで、これも過去最高になっているんです。
 重大事態ってどういうことかというと、生命、身体、精神、金品、特に生命に危険を及ぼすようないじめもあるということなんです。いじめを苦に自ら命を絶つ子供たちもいるわけですから、非常に重大な問題だということですね。
 それから次のページ、暴力行為の状況について見てください。発生件数も過去最大になっています。九万五千四百二十六ということですね。
 それから、小中学校における不登校の状況。これも、ニュースにもなりました、二十九万九千人、三十万人に近い状況だということで、これもグラフ見て分かるとおり、ここ近年軒並みに増えているということであります。高等学校も増えています、その次のページですね。
 それからもう一つ、最後に自死の状況なんですけれども、本当に、若い子供たちが自ら命を絶つというのは、本当にもう何というか、絶対にあってはならないことだと思いますし、こういう痛ましいことをやっぱり放置しておいてはいけないと、だから、そういう認識に立って、学校現場をどうしていったらいいかということが今本当に真剣に議論されなければならないと、そういうふうに思います。
 このような状況を文科省としてはどのように受け止めているのか。具体的な対策については触れると長くなりますので、そこは結構ですから、どのように受け止めているか、できれば大臣にお答えをいただきたいと思います。
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盛山正仁#17
○国務大臣(盛山正仁君) 勝部先生御案内のとおりかと思いますが、これは昨日の決算委員会でも御答弁したりしておりますけど、現在の教師不足の状況は、大量退職、大量採用を背景とした、産休、育休取得者教員の増加や想定を上回る特別支援学級の増加に対応するための臨時講師の需要が拡大する一方、正規採用数の増加等による臨時講師の供給が減少しているという構造的な要因、こういったものがあるのではないかと考えます。
 現下の教師不足の状況には、緊急、臨時的な教師需要にも対応できる、なり手の厚みを確保していくということが必要だと考えます。そのため、この観点から我々は、現職でない教員、免許保有者の入職を支援するための研修コンテンツの開発その他の取組をしているところであります。ヤジ済みません、ちょっと間違えました。
 それで、これらが増えた、増加の要因でございますね。一概に申し上げることは困難でございますが、いじめの認知件数、暴力行為の発生件数が増加した要因として、学校現場において、いじめの積極的な認知が進められていること、教育相談体制の充実により児童生徒に対する見取りが精緻化してきたこと、コロナ禍からの通常の学校生活に戻りつつある中で、児童生徒同士の関わり、トラブルが増加したこと、こういったことが考えられるところでございます。
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勝部賢志#18
○勝部賢志君 私がお聞きしたかったのは、子供たちがこういう大変厳しい状況に置かれている、この学校の現状を何とかして改善しなきゃいけないんじゃないかと。この文科委員会でも、恐らくそういう観点でこれまでずっと議論積み重ねてこられたんじゃないかと思うんですね。そういう状況について、文科大臣、今どう思われますかということを聞いたんで、答弁書を読んで、その理由とか、ちょっととんちんかんな答弁をされるようでは、本当に私、真剣味を感じないんです。
 もう一回は聞きませんけれど、非常に厳しい状況にあるということはまず踏まえていただきたい。その上で、学校現場がこれだけ厳しいということを背景にして中教審が今答申を出されているわけですけれども、その中身についてもこの後伺いますので、是非議論をしっかり聞いた上で対応いただきたいというふうに思います。
 それで、教員の長時間労働の実態についてなんですが、これは、これまでも調べてきたし、二〇二〇年ですか、給特法の一部を改正して、できるだけ長時間労働をなくそうというようなことに取り組んできたわけですけれども、現状は、この間行った文科省の調査でも、小学校で四十一時間、中学校で五十八時間の長時間労働、超過勤務が、時間外勤務があるということが調査の結果に出ています。
 このような状況を大臣はどのように受け止めておられるのか、大臣のお言葉でお答えをいただきたいと思います。
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盛山正仁#19
○国務大臣(盛山正仁君) この令和四年度の教員勤務実態調査において、平日、土日共に全ての職種で前の調査に比べて在校等時間が減少しています。
 ですから、そういう点では学校における働き方改革の成果は着実に出ていると考えますが、しかしながら、今先生が御指摘されているように、依然として長時間勤務の教師も多いことから、取組を加速させていく必要があると、それは我々も強く感じているところでございます。
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勝部賢志#20
○勝部賢志君 学校も先生方も、相当いろいろ頑張って、とにかく削減できるものはないかとやったと思いますね、やってきていると思います。けれど、私は限界だと思います。これ以上どういういろんなこと、例えばPDCAサイクルを何とかといっても、業務自体の量が変わらない、あるいは先生がいない、こういう状態でその負担を減らすなんてことは多分無理だと思っています。
 先ほど申し上げたように、子供たちが本当に厳しい状況に置かれている要因の一つは、やっぱり子供たち自身もストレスを抱えているんだと思うんですね。それは、学校のカリキュラム全体が物すごく今過密になっているということ、それから、子供たちが何か悩みとか相談したいなと思うようなことに出会ったときに、それに適切に教師が対応する時間や余裕があるかというと、そういうのがなかなかない。そういう実態の中で、子供たちは相談したくてもできないような状況の中で、対応が十分になされない、教職員ともコミュニケーションが十分に取れない、そんなようなことが相まって、結局子供たちにそのしわ寄せが行っているということなんです。
 教職員の先生方も体を壊すほど大変なんで、これは改善しなきゃいけないです、メンタルヘルスの問題もありましたから。そのことも重要なんですけれども、最終的には子供たちの教育に非常に大きなマイナスの影響を与えているということなので、何としてもこれを改善しなきゃいけないということなんです。
 中教審から答申が出されました。その内容を踏まえて、これからどうしていったら学校現場がより子供たちのためにもいいものになっていくのかという観点で議論をしたいというふうに思います。
 中教審のまとめが出されましたけれども、その中で、私はこの表現は的確だなと思うんですが、教師を取り巻く環境は我が国の未来を左右しかねない危機的状況にあると言っても過言ではないと、こういう表現があります。そういうことなんですが、しかし、二〇一九年に、給特法の一部改正に係る第二百回の臨時国会において、当時の文科大臣は、給特法の法的な枠組みについて根本から見直しをすると、給特法が昭和四十六年に制定当初に想定されたとおりには機能していない、労働基準法の考え方とのずれがあるとの認識は見直しの基本となると、こういうふうに言っているんです。ですから、これは見直しの基本なんですね。
 ところが、今回の中教審のまとめでは、この給特法の抜本的な見直しについては踏み込んだものとはなっていないというふうに私は受け止めております。大臣はどのように受け止めておられますか。
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盛山正仁#21
○国務大臣(盛山正仁君) 中央教育審議会の質の高い教師の確保特別部会において、昨年の五月の諮問以降一年近く、計十三回にわたり、給特法等の法制的な枠組みを含め、教師を取り巻く環境整備について総合的に御議論をいただきました。
 今回の審議のまとめにおいては、令和四年度の教員勤務実態調査の結果について、平成二十八年度の前回調査と比べ、そして、在校等時間が減少しており、学校における働き方改革の成果が着実に出つつあるものの、依然として在校等時間の長い教師も多いことから、取組を加速化させていく必要があるというふうにしているところです。
 それで、勝部先生からのお話もありましたけれども、教師の職務につきましては、専門性を最大限に発揮して業務を遂行することが求められること、日々変化する目の前の子供たちに臨機応変に対応する必要があることなどの理由から、逐一管理職の職務命令によるものではなく、教師の専門職としての自律性を尊重する働き方である給特法の仕組みは、現在においても合理性を有しているとされたところであります。
 ということで、我々文部科学省としては、教師の処遇改善のみならず、働き方改革の進捗状況の公表等を教育委員会が行う仕組みの検討など、働き方改革の更なる加速化、教職員定数の改善や支援スタッフの配置拡充など、学校の指導、運営体制の充実、こういったことを一体的に進めることにより、教師の時間外在校等時間の縮減に努めてまいりたいと考えています。
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勝部賢志#22
○勝部賢志君 私、一番問題だと思うのは、時間外在校等時間、なぜ時間外勤務と言わないのかなということなんですね。だから、教員が時間外に仕事をしていることについては、それは教員が自発的にやっていてこれは時間外勤務じゃないというような位置付けにしているということなんですけど、実際にはもう本当に仕事があって働いているわけですよ。これは文科省もある意味認めていると思うんです。
 ですから、一つの考え方としては、そうやって時間外勤務があるんならそこには時間外勤務手当を出したらいいんじゃないかと。その出すことによって時間外勤務が直ちになくなるかどうかというと、それは直接的にはつながらないかもしれません。けれども、実際に時間外勤務があるのなら手当を出すのが当たり前じゃないですかと。ほかの仕事はほとんど労働基準法に準じてやっているわけですね。
 こういう実態を見て、若い人たちが、これまた非常にブラックな社会だと、そんなところには到底行けないなという思いも一方で出てきているということなんで、何でその時間外勤務手当を支給しようという方向に議論が行かないのか、そのことについてお伺いします。
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盛山正仁#23
○国務大臣(盛山正仁君) 給特法においては、正規の勤務時間の割り振りを適正に行い、原則時間外勤務を命じないこととし、臨時又は緊急のやむを得ない必要があるときには、正規の勤務時間を超えて勤務させる場合の基準としていわゆる超勤四項目に限定して時間外勤務命令を発することができる仕組みになっております。また、令和元年の改正給特法に基づく指針において、いわゆる超勤四項目以外の業務を行う時間を含めて在校等時間として時間管理の対象とすることを明確に示しています。
 今回、審議のまとめにおいても、働き方改革の更なる加速化について提言されておりますが、指針に基づく勤務時間管理の実効性をしっかり確保していくということにより、教員の健康福祉の確保に努めていくということでありまして、その時間外ということに対しての考え方、教師の働き方、教師の働いているということが一般のお勤めの方とは違うということを前提として、このようなまとめになっているものと考えております。
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勝部賢志#24
○勝部賢志君 私立の学校の先生方は時間外勤務手当を支給されているんです。国立の附属の小中学校もそうですね。なぜこの違いがあるんでしょうか。合理的に説明をしていただきたいと思います。
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矢野和彦#25
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。
 審議のまとめにこの国立学校、私立学校との違いも明記されておりまして、職務の特殊性については国立学校や私立学校の教師にも共通な点、共通的な性質があるとしながら、公立学校の教師は地方公務員として給与等の勤務条件は条例によって定められているのに対し、国立、私立学校の教師は非公務員であり、給与等の勤務条件は私的契約によって決まるという勤務条件等の設定方法の違いは大きい、これが一つです。
 また、公立の小中学校等は、域内の子供たちを受け入れて教育の機会を保障しており、在籍する児童生徒等の抱える課題が多様であるということ、国立、私立学校に比して、公立の小中学校等においては相対的に多様性の高い児童生徒集団となり、より臨機応変に対応する必要性が高いこと、公立学校の教師は、定期的に学校をまたいだ人事異動が存在することにより、特に社会的、経済的背景が異なる地域、学校への異動があった場合等においては、児童生徒への理解を深め、その地域、学校の状況に応じてより良い指導を行うための準備を行う必要があるが、それをどのようにどの程度行うかについて個々の教師の裁量によることが大きいと、こういったことが審議のまとめには記載されているところでございます。
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勝部賢志#26
○勝部賢志君 審議のまとめを読んでほしいという話じゃないんですよ。つまり、的確なお答えはできないんだと思いますよね。
 だから、教員がその仕事の特殊性で時間外勤務手当を出さないというのは、本当に合理的な理屈が成り立たないと思いますよね。だから、この今の状況を踏まえて、やっぱり勤務時間が大幅にはみ出ている部分については手当出すべきだという声は非常に多いです。署名なんかでも、それに賛同する方の御意見非常に多いですから、だからそれはしっかり受け止めてほしいと。ただ、中教審ではそういう形になっていないということなので、ここは問題だということを私は指摘をしておきます。
 その上で、調整額の引上げということが議論になっているんですね。この調整額というのは一体どういう趣旨のものなのか、これが私としては判然としないんですね。
 大臣はどのようなものだと受け止めておられますか。今まで支給された四%を一〇%に上げる、一〇%ぐらいにということなので、ある意味、処遇の改善という意味では決して私は否定をしないんですけれども、この調整額はどういう意味合いを持ったものなのかということを、是非ちょっと明確に答弁をいただきたいと思います。
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盛山正仁#27
○国務大臣(盛山正仁君) 給特法では、教師の自発性、創造性に基づく勤務に期待する面が大きいことなどにより、どこまでが職務であるのか切り分け難いという教師の職務等の特殊性から、時間外勤務手当ではなく、勤務時間の内外を包括的に評価するものとして教職調整額を支給することとされているものであります。中央教育審議会の審議のまとめにおいても、この仕組みは合理性を有しているとされているものであり、そのような形で御理解をいただきたいと思います。
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勝部賢志#28
○勝部賢志君 ということは、時間外勤務手当見合いの調整額だということですか。
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矢野和彦#29
○政府参考人(矢野和彦君) 必ずしもそうとは考えておりません。少なくとも一〇%以上ということで、どういう額になるかはこれから概算要求あるいは予算編成過程で検討されていくものと考えておりますが、少なくとも、人材確保法の趣旨にのっとり、教員給与、今一般の地方公務員に比して優位にはなってはいるところでございますが、本来の人材確保法の趣旨からすると少し縮減してきているんじゃないか、これを踏まえての議論だというふうに考えております。
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