資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会
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会
会議録情報#0
令和六年二月二十一日(水曜日)
午後一時開会
─────────────
委員の異動
二月十四日
辞任 補欠選任
加藤 明良君 高橋はるみ君
吉井 章君 石田 昌宏君
二月十五日
辞任 補欠選任
窪田 哲也君 杉 久武君
二月二十日
辞任 補欠選任
有村 治子君 小野田紀美君
二月二十一日
辞任 補欠選任
杉 久武君 窪田 哲也君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 宮沢 洋一君
理 事
北村 経夫君
広瀬めぐみ君
藤井 一博君
宮口 治子君
河野 義博君
青島 健太君
浜野 喜史君
吉良よし子君
委 員
井上 義行君
石田 昌宏君
小野田紀美君
神谷 政幸君
高橋はるみ君
滝波 宏文君
船橋 利実君
本田 顕子君
青木 愛君
鬼木 誠君
村田 享子君
窪田 哲也君
佐々木さやか君
杉 久武君
若松 謙維君
梅村みずほ君
藤巻 健史君
事務局側
第三特別調査室
長 泉水 健宏君
参考人
公益財団法人地
球環境産業技術
研究機構システ
ム研究グループ
グループリーダ
ー・主席研究員 秋元 圭吾君
つばめBHB株
式会社名誉会長 渡邊 昌宏君
一般社団法人C
limate
Integra
te代表理事 平田 仁子君
─────────────
本日の会議に付した案件
○原子力等エネルギー・資源、持続可能社会に関
する調査
(「資源エネルギーの安定供給確保と持続可能
社会の調和」のうち、資源エネルギーの安定供
給確保と持続可能社会の調和に向けた論点整理
(脱炭素社会の実現に向けた論点))
─────────────
この発言だけを見る →午後一時開会
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委員の異動
二月十四日
辞任 補欠選任
加藤 明良君 高橋はるみ君
吉井 章君 石田 昌宏君
二月十五日
辞任 補欠選任
窪田 哲也君 杉 久武君
二月二十日
辞任 補欠選任
有村 治子君 小野田紀美君
二月二十一日
辞任 補欠選任
杉 久武君 窪田 哲也君
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出席者は左のとおり。
会 長 宮沢 洋一君
理 事
北村 経夫君
広瀬めぐみ君
藤井 一博君
宮口 治子君
河野 義博君
青島 健太君
浜野 喜史君
吉良よし子君
委 員
井上 義行君
石田 昌宏君
小野田紀美君
神谷 政幸君
高橋はるみ君
滝波 宏文君
船橋 利実君
本田 顕子君
青木 愛君
鬼木 誠君
村田 享子君
窪田 哲也君
佐々木さやか君
杉 久武君
若松 謙維君
梅村みずほ君
藤巻 健史君
事務局側
第三特別調査室
長 泉水 健宏君
参考人
公益財団法人地
球環境産業技術
研究機構システ
ム研究グループ
グループリーダ
ー・主席研究員 秋元 圭吾君
つばめBHB株
式会社名誉会長 渡邊 昌宏君
一般社団法人C
limate
Integra
te代表理事 平田 仁子君
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本日の会議に付した案件
○原子力等エネルギー・資源、持続可能社会に関
する調査
(「資源エネルギーの安定供給確保と持続可能
社会の調和」のうち、資源エネルギーの安定供
給確保と持続可能社会の調和に向けた論点整理
(脱炭素社会の実現に向けた論点))
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宮
宮沢洋一#1
○会長(宮沢洋一君) ただいまから資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、加藤明良君、吉井章君、窪田哲也君及び有村治子君が委員を辞任され、その補欠として高橋はるみ君、石田昌宏君、杉久武君及び小野田紀美君が選任されました。
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この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、加藤明良君、吉井章君、窪田哲也君及び有村治子君が委員を辞任され、その補欠として高橋はるみ君、石田昌宏君、杉久武君及び小野田紀美君が選任されました。
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宮
宮沢洋一#2
○会長(宮沢洋一君) 原子力等エネルギー・資源、持続可能社会に関する調査を議題といたします。
本日は、「資源エネルギーの安定供給確保と持続可能社会の調和」のうち、「資源エネルギーの安定供給確保と持続可能社会の調和に向けた論点整理」に関し、「脱炭素社会の実現に向けた論点」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
御出席いただいております参考人は、公益財団法人地球環境産業技術研究機構システム研究グループグループリーダー・主席研究員秋元圭吾君、つばめBHB株式会社名誉会長渡邊昌宏君及び一般社団法人Climate Integrate代表理事平田仁子君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございました。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、秋元参考人、渡邊参考人、平田参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず秋元参考人からお願いいたします。秋元参考人。
この発言だけを見る →本日は、「資源エネルギーの安定供給確保と持続可能社会の調和」のうち、「資源エネルギーの安定供給確保と持続可能社会の調和に向けた論点整理」に関し、「脱炭素社会の実現に向けた論点」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
御出席いただいております参考人は、公益財団法人地球環境産業技術研究機構システム研究グループグループリーダー・主席研究員秋元圭吾君、つばめBHB株式会社名誉会長渡邊昌宏君及び一般社団法人Climate Integrate代表理事平田仁子君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございました。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、秋元参考人、渡邊参考人、平田参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず秋元参考人からお願いいたします。秋元参考人。
秋
秋元圭吾#3
○参考人(秋元圭吾君) 地球環境産業技術研究機構、RITEの秋元でございます。(資料映写)
本日、このような機会にお招きいただきまして、ありがとうございます。
時間も限られておりますので、私からは、本日、カーボンニュートラル実現への展望ということで、理想と現実のギャップを理解しつつ柔軟性を有した実効性ある対策をという副題を付けさせていただいております。
早速始めさせていただきます。
まず、世界主要国のCO2排出量の推移でございます。
御承知かと思いますが、まず左側のグラフでございますが、世界のCO2排出量、全体の基調としては増大を続けているということでございます。若干下がっている部分がございますが、このときは世界のGDPも相当下がったということでございまして、GDPとCO2排出量のカップリングは引き続き続いているという状況でございます。
右側のグラフ、御覧ください。
主要先進国と途上国ということで記載がされていますが、米国、そして欧州、下がってきております。また、日本においても、ここに来てCO2が順調に下がってきているということでございますが、一方、上のグラフ、もう一回、目を転じていただきますと、中国、その他、インド、ほか途上国が猛烈に排出を伸ばしてきていると。結果として見ると、世界のCO2排出量は減るようにはなっていないということでございます。
続いてこちらでございますが、一人当たりCO2排出量で、生産ベースと消費ベースということで書いております。
生産ベース排出量というのは、その国の煙突から出てきているCO2排出量をカウントしたもので、通常の国家の排出量でございますが、消費ベースCO2という数え方もありまして、これは、例えば中国で鉄を造ると、中国の鉄を欧州が輸入して使ったとすると、それを欧州側に付け替えてカウントするというものでございます。
そうしますと、この赤いグラフの方が消費ベースCO2で、青いグラフが生産ベースCO2でございますが、若干というか、特に欧米中心に見え方が大分違ってくるということでございます。日本も消費ベースCO2の排出量の方が多いわけでございますが、先進国、欧米でとりわけ、例えばスイスであるとかスウェーデン、フランスと、英国もそうでございますが、消費ベースCO2排出量の方がかなり多い国が多いということでございます。
これは、エネルギー多消費産業、CO2原単位の高い産業が国内から海外に移転して、物の形で代わりに買っていると。要は、代わりにサービス業、例えばコンサル業であるとか保険、金融といった業界が強くなってきていて、そこでGDPを稼いでいるという構造になっているためということでございます。
よって、申し上げたいのは、見かけのCO2排出量にだまされてはいけないということでございます。我々、考えないといけないのは、グローバルにCO2をどう削減するのかということが重要なわけでございますので、そういう視点で何をすべきなのかということを考える必要があるということでございます。
続いて、横軸に世界のGDP、縦軸に世界の発電電力量を取ったものでございますが、明確に強い線形の相関関係がございます。GDPが増えるときには必ず発電電力量の増大が伴っていると。逆に言うと、発電電力量の増大なくして経済は発展していないというのがこれまででございます。
これは、世界全体ではこういうことが起こっていると。先ほど申しましたが、主要先進国に限って見ると、日本もそうでございますが、若干これは変わりつつあるわけでございますが、ただ、それは、先ほど申しましたように、エネルギー多消費産業、電力多消費産業が国内から海外に移転しているだけということでございまして、世界全体で見ると非常に強い相関関係が引き続き見られているということでございます。エネルギー、特に電力というのは非常に重要な財だということでございます。
続いてこちらのグラフでございますが、世界のCO2排出量、二〇一九年実績値と将来の展望ということで、気候変動に関する政府間パネル、IPCCが二〇〇七年に出した報告書と二〇一四年に出した報告書、これ最新の報告書は二〇二二から二三年ぐらいに出ているわけでございますが、少し古いものをあえてここでは記載しています。過去にIPCCがCO2排出量がどう推移すると見込んでいたのかということでございます。
左上のグラフは二〇〇七年のものでございますが、このときに、ベースライン、ベースラインといいますのは、仮に温暖化対策を世界が取らないとした場合にどうCO2排出が推移するだろうということを推計していたものでございます。見て分かるように、我々、今二〇一九年の数字をプロットしておりますが、そのときの予想の最も高いぐらいに来ているということでございます。これだけ温暖化対策を世界で取り、これだけお金を掛けてきたのに、当時予想していた最悪ケースぐらいにしか位置していないということでございます。これも主要先進国から途上国に排出が移転している結果でございます。先進国の方がCO2原単位が小さいわけでございまして、途上国はCO2原単位が高いと、そういうことが、移転が起こるために、予想していた以上に世界のCO2排出量は増えてしまっているということでございます。
続いてこちらでございますが、皆様御承知のとおり、パリ協定の下で、二〇三〇年、NDC、国別貢献という目標を出しているわけでございますが、今NDCを世界で積み上げたとしても、パリ協定の長期目標である二度目標、一・五度目標とは大きなギャップがあるというのが左側のグラフでございます。右下のグラフは世界エネルギー機関の見通しでございますが、今目標として出しているものを、政策的なものを積み上げてもこのブルーのラインぐらいしか行かないということでございますし、仮にNDCが達成したとしても、大体、最悪ケースで行くとプラス二・九度ぐらいになるんではないかということでございます。
一・五度目標という目標を掲げて取り組むのはいいわけでございますが、ただ、非常に大きなギャップがあり、このギャップを埋めることは、我々、世界で見ると、中国、インドといったような非常に大きい排出国が大幅な削減をしない限りこのギャップは埋まらないというふうに見られるわけでございます。
こちら、各国目標はいろいろな目標を出しているわけでございます。日本においては、御承知のように、二〇一三年比で、一三年度比で四六%減ということでございますが、米国は二〇〇五年比五〇から五二%等でございます。中国においてはCO2原単位目標で出しているわけでございます。原単位目標というのはGDPで割った数字ということでございますので、GDPが成長すれば自動的に減っていくような数字感が出てくるということでございます。
目標の出し方がばらばらでございますので、比較が難しいので、ここではCO2の限界削減費用という費用で比較したというものでございます。限界削減費用という概念でございますが、安い対策からなるべく実施するのが全体の費用対効果が高いわけでございますので、安い対策から順番に積み上げていって、その各国の排出削減目標を最後一トン削減するのに達成するための費用ということでございまして、一般的にはカーボンプライスに相当するという数字でございます。
これで評価しますと、不確実性があることは御承知おきいただきたいと思いますが、モデルで推計したものでございます。日本においては四百五十ドルぐらいと、トンCO2当たり、一トン削減するのに、最後、四六%を達成するのに四百五十ドルぐらい掛かるだろうという推計をしているわけでございます。
そのほか、英国、EU、米国、スイス等も非常に高い炭素プライスでございます、限界削減費用でございます。この辺り、差はあるとはいってもモデルの不確実性がございますので、ここに明確な差があるかどうかということに関しては私も自信を持って主張できるものではございませんが、いずれにしても日本は相当高い限界削減費用の目標を出しているということでございます。
一方、下に目を転じていただきますと、中国は三十七ドルということでございまして、インド等においてはゼロドルということでございます。これはどういうことかといいますと、原単位目標等を出していますので、経済が自動的に見通しどおりGDPが成長してくれると出している目標は自動的に達成できるというものでございまして、CO2を無理に削減するような努力をすることなしに目標を達成できるというものでございます。
これだけ限界削減費用に差があるということは、限界削減費用の高い国から低い国にエネルギー多消費産業、CO2原単位の高い産業がますますリーケージしていくリスクが高いということでございます。そうすると、グローバルではCO2はますます減らないということになりかねないということでございますので、ここをどう調和していくのかということは引き続き重要な課題でございますが、非常に難しい課題だと。
これだけ気候変動問題に取り組んでいますが、うまくいっていないということでございますし、ますます今の状況でいくと分断された世界になっている中で、これまではまだ東西冷戦終結の下、世界協調の時代だったわけでございますが、ますます今の時代になって難しくなってきているということでございます。
続いてこちら、IPCCの報告書でございますが、そういう中、次期NDC、二〇三五年目標の提出が求められてきているという状況でございますが、COP28の決定では、IPCCのこの、ちょっと数が多くて申し訳ございませんが、C1というシナリオが一・五度を超えないシナリオということでございまして、しかもオーバーシュートをしないと、気温がオーバーシュートせずに一・五度で安定化していくというシナリオでございますが、このときに、二〇三五年に世界で求められる数字として二〇三五年六〇%減という数字が出てきて、これがCOP28の決定、GSTの、グローバルストックテークの決定でも言及されたわけでございますが、実際にはなかなか、一・五度、もう既にほぼ一・五度に達しているわけでございますので、現実にはこの一・五度を達成するというのは難しいだろうというふうに見られるわけでございます。しかも、IPCCのシナリオ評価でも、左側は数でございますが、このシナリオはこの中では最も少ない数になっていると、それぐらい難しいというふうに見られているわけでございます。
一方で、一・五度でも若干気温がオーバーシュートしていくと、例えば一・七度ぐらいになって二一〇〇年に一・五度に戻ってくるというのがこのC2のシナリオになりますが、こうなりますと二〇三五年の排出量は少し緩やかになってきて、恐らく、具体的な三五年の数字はIPCCは記載しておりませんが、四〇%台ぐらいになってくるだろうということで大分見え方が違ってくるということでございます。そういうことも意識しながら今後の気候変動政策を考えていく必要があるかと思っています。
他方、長期的に考えますと、やはり気候変動は非常に大きなリスクがございますので、気温の安定化ということは重要でございますので、そうすると、カーボンニュートラルの達成ということはいずれ目指していくべき道であるわけでございます。そのときに、どういった対策でこれを実現し得るのかというオプションをここで整理しているところでございます。
一番上でございますが、省エネルギーでございます。相変わらず省エネルギーは一丁目一番地だというふうに考えています。ここをしっかりやっていくということが重要でございますが、ただ、日本の場合は個別の企業、特にエネルギー多消費産業においては相当もうエネルギー消費量を絞っておりますので、省エネが相当徹底しておりますのでなかなか難しいということでございます。
ここの、ただ、オプションは、もう少し社会全体でエネルギー構造を変えていくとか産業構造を変えていくという手段はあるだろうというふうに考えているところでございます。例えば、シェアリング経済であるとかサーキュラー経済というのはこれまではなかなか難しかったわけでございますが、デジタル経済、デジタルを使って、DXを使ってそれを実現していくという道はあるわけでございますので、そういったものをしっかり追求していくということは重要だというふうに思います。
残るエネルギーでございますが、原則三つしかなくて、原子力か再エネか、化石燃料を使うにしても、CO2を回収して貯留するというCCSを使うかという原則三つしかございません。これをどう組み合わせていくのかということでございますし、それぞれのエネルギーに関しては一長一短あって万能なものは一切ないということでございますので、それをどう組み合わせていくのかということが大事だと思っています。
ただ、三つしかないと申し上げましたが、この絵は若干複雑に描いておりまして、一番下、CCSなしの化石燃料という部分も残っておりまして、こういったものが残るケースもあり得るということでございます。カーボンニュートラルというのは、脱炭素ではなくてカーボンニュートラルでございますので、オフセット手段が存在しているということでございまして、オフセット手段としては、植林であるとかブルーカーボンであるとか、その上に書いていますBECCS、DACCSといった手段がございます。
BECCS、DACCSというのは聞き慣れないかもしれませんが、BECCSはバイオエネルギーを使うんですが、出てくるCO2を回収して貯留するので負の排出になるというものでございますし、DACCSは大気中のCO2を直接工学的に回収して地下に埋めるというものでございます。もちろん、いろいろな、コストの問題等、難しい問題があるわけでございますが、カーボンニュートラルを達成しようと思うと、こういったものも含めて考えていかないといけないということだと思っています。
ただ、回収したCO2は地下に長期的に埋めるという必要がございますが、日本国内でどれぐらい埋めれるのかという課題はあるわけでございまして、埋め切れない場合は回収したCO2を海外に輸送して貯留するという手段もあるわけでございます。
もう一つ、真ん中辺りに書いていますが、あと、原子力、再エネは必要なわけでございますけれども、真ん中辺りに、もし国内で再エネが十分使えないと、若しくは高いと、若しくはCCSについても国内ではなかなか埋める余地が少ないということであれば、海外の再エネ若しくは海外のCO2の貯留層を使うという手段がございまして、この場合、再エネ由来の場合はグリーン水素若しくはグリーンアンモニアに変えると。これは、水素に窒素を付加すればアンモニアに変わるわけでございまして、より利便性を増すといったこともございますし、CO2を合成してEメタンにするとかEフューエルにするという手段もあるわけでございますので、こういったものを組み合わせていくということが必要でございます。
また、CCSについても、ブルー水素系、ブルーアンモニアという手段もございますので、これもカーボンニュートラルの手段になるわけでございますので、いずれにしても、ここに記載のものをどう組み合わせてロバストにし、リスクを分散させながらCO2を減らしていくのかということを考える必要があるということでございます。
こちら、水素系エネルギーについていろいろありますということを書いておりますが、ちょっと時間の関係上飛ばします。
こちらも同様でございますが、少しイメージとして、自動車燃料のカーボンニュートラル化ということで書いています。カーボンニュートラルというと純電気自動車一辺倒のような印象を持たれる方もいらっしゃいますが、それは一つの重要なオプションで、電気自動車化というのは大変重要でございますが、ただ、オプションとして見ますと、ハイブリッド車でなるべく下げておいて、一部、先ほど申しました負の排出技術というものがありますので、それでオフセットしてカーボンニュートラルを達成するというのもございますし、プラグインハイブリッドで削減していって、最後オフセットするという手段もございます。あとは、合成燃料を使うと、Eフューエルを使うという手段もございますので、いずれにしても、いろいろな手段がありますので、なるべく費用対効果の高い形を追求していくということが重要かと思っています。
こちら、IPCCの最新の報告書でございますが、ここで申し上げたいのは、カーボンニュートラルという手段は全部の各部門の排出量を全部ゼロにするというだけではなくていろいろな手段がありますよというのが左で示しているものでございまして、これはカーボンニュートラルを達成するときに残余の部門別排出量とそれをオフセットするシナリオということで、典型的な五つのシナリオを記載しているわけでございます。
真ん中にあるLDと書いているシナリオがございますが、これがローディマンドというシナリオでございまして、このシナリオで行くとかなりCO2排出量を減らしていて、オフセットする部分の下に出ている部分はグリーン部分、これは植林でございますが、植林だけでオフセットできているという絵姿で、非常に美しい絵姿でございますが、この姿は実はIPCCのシナリオの中ではほとんどないと、これ唯一と言ってもいいぐらいのシナリオでございまして、ほかのシナリオは、なかなかそれは難しいので残余の排出量を認めておいて負の排出でオフセットすると、それはBECCSであるとかDACCSであるとか植林といったものを混ぜ込んでいくということを記載しているわけでございます。
一方、国際エネルギー機関、IEAもネットゼロエミッションということで示しているわけでございまして、よくこれもCOP等で参照されたり、今金融機関がよく参照したりしているわけでございますが、実はIEAのシナリオというのはかなり極端で、先ほど申しましたLDのシナリオに近いということで、見て分かりますように、各部門の排出量が二〇五〇年でほぼゼロになっているということで、オフセットの手段が非常に小さいコントリビューションになっているということでございます。
ただ、繰り返しでございますが、これがスタンダードなシナリオということはなくて、実はIPCC、気候変動の科学者が集まっているシナリオ分析ではむしろこれは極端なケースでございますので、もう少しいろいろ幅を持って検討するということが重要ではないかというふうに考えています。ちなみに、ただ、国際エネルギー機関、IEAは非常に優秀な分析官を有していますので、そういう面で世界のエネルギー情勢をよく見ているということでもあるわけでございます。
これが、二〇二一年にネットゼロエミッションのシナリオを出したときと、今回、二〇二三年版ということで更新版が出されたわけでございますが、そのときの比較をしたものでございます。要は、二〇二一年から二三年にかけて国際的なエネルギーの情勢がどう変わってきているのかということをちょっと反映したような絵になっているかと思います。
見ていただきますと、上に出ている部分が、以前よりも目標、シナリオとしての量を増やした技術でございます。下に出ているのは減らした技術ということでございますが、上に出ている部分でいきますと、オレンジ色でございますが、太陽光発電でございます。非常に多く増やしているということでございます。これは、この間も順調に太陽光発電が世界で展開してきたということを反映したものでございます。もう一つは原子力でございます。原子力については、二〇二一年の見通しよりも二〇二三年を上積みしているわけでございます。この二年間で世界的な原子力の見方が大きく変わりつつあるということを反映したものでございまして、そういった見方をIEAがしているということでございます。
逆に減らしたものが下に出ているわけでございますが、一番大きいのは風力でございます。風力発電も順調に増えてはきているわけでございますが、思ったよりは増えてきていないと。ここに来て足踏み状態になっているということでございまして、そういうものが反映されているということでございます。あとは、水素、アンモニア、そしてCCSというところに関しては、なかなか普及が思ったように広がってきていないということを反映して下方修正したというようなところでございます。
原子力についてはもう少し詳細にということで、こちらの絵でございますが、左側が設備容量、右側が新規の導入量という見通しでございますが、IEA、NZE、二〇五〇年にゼロエミッションを達成するためにこれぐらいの原子力は最低必要だというような見通しを出しているわけでございますが、アドバンストエコノミーズと書いている水色の部分が主要先進国でございますが、設備容量としては若干微増から横ばいというところでございますが、右側見ていただきますと、今後新設という部分では主要先進国においてもかなり戻ってくるんではないかという見通しを出しているわけでございます。これまでは中国等の増大というものは見通していたわけでございますが、主要先進国においても、カーボンニュートラル対応で原子力の重要性というものが増してきているという反映でございます。
再エネでございます。再エネは非常に、先ほども申しましたように、太陽光、順調にコストが下がってきて非常に喜ばしい状況でございまして、左側でございますが、グレーの帯があるところが化石燃料発電の平均単価の帯でございますが、太陽光発電、風力共にこれを下回る水準になってきているということでございまして、もう競合的、競争的な電源ということは間違いないわけでございます。
ただ、右側見ていただきますと、日本と世界とのギャップということでございまして、太陽光、風力共にギャップがまだまだ大きいと、倍以上するというような状況でございます。これは自然環境の条件も重なっているわけでございますので、どんなに努力をしてもこれを超えることができない部分があるというふうに考えています。
このギャップが残るということは、先ほど御説明しましたように、海外の再エネを使って水素やアンモニア若しくは合成燃料系に変えて日本に持ってきた方が経済効率的な可能性もあるということでございまして、よって、日本としては、そういうオプションも含めてトータルで全体最適を考えていくということが何より重要だというふうに考えています。
再エネ、今後も拡大していくということは必須でございますが、ただ、日本の場合、系統が非常に細い形になっていますので、欧州、米国等と一緒の議論ができるわけではございません。
これ、再エネ五〇%のときの試算ということでございますが、系統増強等に六から七兆円掛かるということでございます。こういったものを必要な投資だということは私も理解するわけでございますが、ただ、余りにこれを拡大し過ぎると、特に再エネの場合は設備利用率が非常に低いので、そのために系統を増強してしまうと、要は高速道路に車が走っていないものを、道路を造るようなものになってしまいますので、非常に効率が悪くなってしまうということで、ちゃんと費用便益分析をしっかりした上で必要な増強をしていくということが重要だというふうに考えています。
IPCCの報告書でもポテンシャルということを記載していまして、ここで、ちょっとグラフ見にくいんですが、一番上に太陽光、風力ということがあって、ブルーのところが負のコストで、削減できるポテンシャルということで書かれていて、再エネかなり安いというメッセージがあるわけでございますが、ただ、これは単独の再エネ、太陽光、風力単独のときのコストでありまして、系統を連系したときのコストはここには含まれていないわけでございます。とりわけ日本においては、系統の増強等ですね、系統を連系したときに掛かる統合費用と呼ばれるものがかなり大きく掛かってくるということでございますので、こういう情報は重要ではございますが、日本でどういうコストが本当に掛かってくるのかということをよく理解しながら適正な展開を図っていくということが重要だというふうに考えています。
ちょっと時間の関係上、少し飛ばさせていただいて、続いてこちらのページでございます。
済みません、ページ番号がちょっと見えにくいんですが、日本の二〇五〇年の部門別・技術別の排出削減ポテンシャル・コストということで、これは我々の研究機関が推計したものでございまして、横軸にベースラインからのCO2削減量を示していて、縦軸にそれぞれの技術のコストを示しているものでございます。そうすると、左から安いものから順番に並んでいますので、なるべく左の方の安い技術から順番に使っていくと、この面積が全体のコストになりますので、面積をいかに小さくするかということが重要なわけでございます。
ちょっとグラフは複雑でございますので、右側に代表的な技術をピックアップして記載しているわけでございます。原子力が大体二十から五十ドルぐらいのレンジ、その上にCCSがあり、その上に水素・アンモニア発電という部分が若干重なるような形であり、最後、上の方の限界的な部分にDACCSという大気中からCO2を回収して貯留するという技術が存在している。あと、Eフューエル、Eメタンというところもあるわけでございます。
太陽光、風力に関しては、安価なところもあるわけでございますが、量が増えてくると、先ほど申しましたように、系統の統合費用等が条件の悪いところを使っていかないといけませんので相当高くなってくるという、このレンジが非常に幅広いということを理解する必要があるわけでございます。時折、太陽光、風力は化石燃料よりも安いし、原子力よりも安くなったという主張をされることがございますが、それは正しいわけでございます。正しいんですが、量を使っていくともっと高いところがいっぱい出てくるわけでございますので、この原子力の余りコストにレンジの幅がないところをどう増やせるかということは、この面積を小さくする上でかなり重要なところでございます。これは太陽光、風力がもっと削減した場合というケースも計算しているわけでございますが、同じようなことは、まあ若干、太陽光、風力の方がコストが安いということは分かりますが、ただ、いずれにしても、いろいろな技術を組み合わせないとコストを安くできないということでございます。
今、二〇五〇年の話をさせていただきましたが、トランジションのプロセスをどうするのかということも非常に重要でございまして、トランジションのところをどうやっていくのかという、一足飛びにカーボンニュートラル実現できないわけでございます。そこをしっかり適切な技術の展開を、時間を考えながら展開していくということが重要でございまして、我々としてはそういう分析を提供しているところでございます。
こういったものを、企業、そしてもちろん国もそうですが、企業そして金融機関も含めて見ていただくことによって、適正な投資をしっかりやって、目標だけを切り上げるんではなくて、実効ある排出削減をしっかりやっていくと。しかも、日本と世界のコスト差をしっかり意識しながら、カーボンリーケージを起こすことなく、しっかり着実にやっていくという材料にすべきかと思っているところでございます。
こちらは例としてガス、鉄鋼部門を示していますが、一遍に直線的に下がっているわけではないということが分かるかと思います。これは費用対効果の高い対策を取った場合にどういう推移を取るのが合理的なのかということを示しているわけでございまして、ガスにおいても、部分的にはCO2原単位が小さいので、一時的に上がってもそれは二度目標、一・五度目標と矛盾するものではないという結果でございますし、鉄においても、一遍に高炉法を電炉に替えたり鉄をなくすわけにはいかないわけでございますので、そういったプロセスをしっかり理解していくということが重要かと思います。
最後、まとめさせていただきます。
正味ゼロ排出を実現するということは非常に重要なわけでございますが、一方で、国際的に一・五度目標はほぼ絶望的だというような状況になってきていますし、少なくとも気温のオーバーシュートなくしてこれを実現するというのはほぼ不可能だというふうに思います。目標を掲げておくというのは必要でございますけれども、ただ、ある程度柔軟性を持った戦略が必要だというふうに考えています。
主要先進国、日本もそうでございますが、排出量が下がってきておりますが、これは、エネルギー多消費産業、CO2原単位の高い産業、プロセスが途上国へ移転しているという結果の可能性が非常に強いということでございますので、そうすると、本当にグローバルにCO2が減らないということもありますし、日本におけるエネルギー安全保障、産業の安全保障、若しくは経済安全保障の関係で大丈夫なのかという問題も意識しながら戦略を考えていくという必要があるかと思っています。
カーボンニュートラルのためには、省エネ、再エネ、原子力、CCUS、CDR、そして水素系燃料、電化といったようなこと、いろいろな技術が必要でございまして、これをどれも排除することなく我々はやっていかなければいけないというふうに考えています。
とりわけ日本は資源がないという状況でございまして、何か技術のより好みをしているような状況ではないというふうに思いますので、しっかりこういったものを全方位で考えていく必要があると思いますし、当初は欧州も電化プラス再エネというような一辺倒の感じがありましたが、ここに来て急速に変わっています。全方位に変わっていますので、ようやく欧州もやっぱり減らないということが気付き始めている状況でございますので、日本はいつも言うことは慎重でございますが、ただ、実現していることはいつも欧州よりも立派にやってきているというふうに思っていますので、是非しっかりやっていくことが重要かなというふうに思っております。
あと、最後でございますが、移行過程が重要でございますので、そういう面では、例えばEメタンであるとかEフューエル、アンモニアというのは混合比率を既存インフラ使って変えていけるので、そういった技術もやっぱり柔軟性のある戦略という部分では大変重要だというふうに思いますので、そういったものも含めて戦略を総合的に考える必要があると思います。
どうも御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →本日、このような機会にお招きいただきまして、ありがとうございます。
時間も限られておりますので、私からは、本日、カーボンニュートラル実現への展望ということで、理想と現実のギャップを理解しつつ柔軟性を有した実効性ある対策をという副題を付けさせていただいております。
早速始めさせていただきます。
まず、世界主要国のCO2排出量の推移でございます。
御承知かと思いますが、まず左側のグラフでございますが、世界のCO2排出量、全体の基調としては増大を続けているということでございます。若干下がっている部分がございますが、このときは世界のGDPも相当下がったということでございまして、GDPとCO2排出量のカップリングは引き続き続いているという状況でございます。
右側のグラフ、御覧ください。
主要先進国と途上国ということで記載がされていますが、米国、そして欧州、下がってきております。また、日本においても、ここに来てCO2が順調に下がってきているということでございますが、一方、上のグラフ、もう一回、目を転じていただきますと、中国、その他、インド、ほか途上国が猛烈に排出を伸ばしてきていると。結果として見ると、世界のCO2排出量は減るようにはなっていないということでございます。
続いてこちらでございますが、一人当たりCO2排出量で、生産ベースと消費ベースということで書いております。
生産ベース排出量というのは、その国の煙突から出てきているCO2排出量をカウントしたもので、通常の国家の排出量でございますが、消費ベースCO2という数え方もありまして、これは、例えば中国で鉄を造ると、中国の鉄を欧州が輸入して使ったとすると、それを欧州側に付け替えてカウントするというものでございます。
そうしますと、この赤いグラフの方が消費ベースCO2で、青いグラフが生産ベースCO2でございますが、若干というか、特に欧米中心に見え方が大分違ってくるということでございます。日本も消費ベースCO2の排出量の方が多いわけでございますが、先進国、欧米でとりわけ、例えばスイスであるとかスウェーデン、フランスと、英国もそうでございますが、消費ベースCO2排出量の方がかなり多い国が多いということでございます。
これは、エネルギー多消費産業、CO2原単位の高い産業が国内から海外に移転して、物の形で代わりに買っていると。要は、代わりにサービス業、例えばコンサル業であるとか保険、金融といった業界が強くなってきていて、そこでGDPを稼いでいるという構造になっているためということでございます。
よって、申し上げたいのは、見かけのCO2排出量にだまされてはいけないということでございます。我々、考えないといけないのは、グローバルにCO2をどう削減するのかということが重要なわけでございますので、そういう視点で何をすべきなのかということを考える必要があるということでございます。
続いて、横軸に世界のGDP、縦軸に世界の発電電力量を取ったものでございますが、明確に強い線形の相関関係がございます。GDPが増えるときには必ず発電電力量の増大が伴っていると。逆に言うと、発電電力量の増大なくして経済は発展していないというのがこれまででございます。
これは、世界全体ではこういうことが起こっていると。先ほど申しましたが、主要先進国に限って見ると、日本もそうでございますが、若干これは変わりつつあるわけでございますが、ただ、それは、先ほど申しましたように、エネルギー多消費産業、電力多消費産業が国内から海外に移転しているだけということでございまして、世界全体で見ると非常に強い相関関係が引き続き見られているということでございます。エネルギー、特に電力というのは非常に重要な財だということでございます。
続いてこちらのグラフでございますが、世界のCO2排出量、二〇一九年実績値と将来の展望ということで、気候変動に関する政府間パネル、IPCCが二〇〇七年に出した報告書と二〇一四年に出した報告書、これ最新の報告書は二〇二二から二三年ぐらいに出ているわけでございますが、少し古いものをあえてここでは記載しています。過去にIPCCがCO2排出量がどう推移すると見込んでいたのかということでございます。
左上のグラフは二〇〇七年のものでございますが、このときに、ベースライン、ベースラインといいますのは、仮に温暖化対策を世界が取らないとした場合にどうCO2排出が推移するだろうということを推計していたものでございます。見て分かるように、我々、今二〇一九年の数字をプロットしておりますが、そのときの予想の最も高いぐらいに来ているということでございます。これだけ温暖化対策を世界で取り、これだけお金を掛けてきたのに、当時予想していた最悪ケースぐらいにしか位置していないということでございます。これも主要先進国から途上国に排出が移転している結果でございます。先進国の方がCO2原単位が小さいわけでございまして、途上国はCO2原単位が高いと、そういうことが、移転が起こるために、予想していた以上に世界のCO2排出量は増えてしまっているということでございます。
続いてこちらでございますが、皆様御承知のとおり、パリ協定の下で、二〇三〇年、NDC、国別貢献という目標を出しているわけでございますが、今NDCを世界で積み上げたとしても、パリ協定の長期目標である二度目標、一・五度目標とは大きなギャップがあるというのが左側のグラフでございます。右下のグラフは世界エネルギー機関の見通しでございますが、今目標として出しているものを、政策的なものを積み上げてもこのブルーのラインぐらいしか行かないということでございますし、仮にNDCが達成したとしても、大体、最悪ケースで行くとプラス二・九度ぐらいになるんではないかということでございます。
一・五度目標という目標を掲げて取り組むのはいいわけでございますが、ただ、非常に大きなギャップがあり、このギャップを埋めることは、我々、世界で見ると、中国、インドといったような非常に大きい排出国が大幅な削減をしない限りこのギャップは埋まらないというふうに見られるわけでございます。
こちら、各国目標はいろいろな目標を出しているわけでございます。日本においては、御承知のように、二〇一三年比で、一三年度比で四六%減ということでございますが、米国は二〇〇五年比五〇から五二%等でございます。中国においてはCO2原単位目標で出しているわけでございます。原単位目標というのはGDPで割った数字ということでございますので、GDPが成長すれば自動的に減っていくような数字感が出てくるということでございます。
目標の出し方がばらばらでございますので、比較が難しいので、ここではCO2の限界削減費用という費用で比較したというものでございます。限界削減費用という概念でございますが、安い対策からなるべく実施するのが全体の費用対効果が高いわけでございますので、安い対策から順番に積み上げていって、その各国の排出削減目標を最後一トン削減するのに達成するための費用ということでございまして、一般的にはカーボンプライスに相当するという数字でございます。
これで評価しますと、不確実性があることは御承知おきいただきたいと思いますが、モデルで推計したものでございます。日本においては四百五十ドルぐらいと、トンCO2当たり、一トン削減するのに、最後、四六%を達成するのに四百五十ドルぐらい掛かるだろうという推計をしているわけでございます。
そのほか、英国、EU、米国、スイス等も非常に高い炭素プライスでございます、限界削減費用でございます。この辺り、差はあるとはいってもモデルの不確実性がございますので、ここに明確な差があるかどうかということに関しては私も自信を持って主張できるものではございませんが、いずれにしても日本は相当高い限界削減費用の目標を出しているということでございます。
一方、下に目を転じていただきますと、中国は三十七ドルということでございまして、インド等においてはゼロドルということでございます。これはどういうことかといいますと、原単位目標等を出していますので、経済が自動的に見通しどおりGDPが成長してくれると出している目標は自動的に達成できるというものでございまして、CO2を無理に削減するような努力をすることなしに目標を達成できるというものでございます。
これだけ限界削減費用に差があるということは、限界削減費用の高い国から低い国にエネルギー多消費産業、CO2原単位の高い産業がますますリーケージしていくリスクが高いということでございます。そうすると、グローバルではCO2はますます減らないということになりかねないということでございますので、ここをどう調和していくのかということは引き続き重要な課題でございますが、非常に難しい課題だと。
これだけ気候変動問題に取り組んでいますが、うまくいっていないということでございますし、ますます今の状況でいくと分断された世界になっている中で、これまではまだ東西冷戦終結の下、世界協調の時代だったわけでございますが、ますます今の時代になって難しくなってきているということでございます。
続いてこちら、IPCCの報告書でございますが、そういう中、次期NDC、二〇三五年目標の提出が求められてきているという状況でございますが、COP28の決定では、IPCCのこの、ちょっと数が多くて申し訳ございませんが、C1というシナリオが一・五度を超えないシナリオということでございまして、しかもオーバーシュートをしないと、気温がオーバーシュートせずに一・五度で安定化していくというシナリオでございますが、このときに、二〇三五年に世界で求められる数字として二〇三五年六〇%減という数字が出てきて、これがCOP28の決定、GSTの、グローバルストックテークの決定でも言及されたわけでございますが、実際にはなかなか、一・五度、もう既にほぼ一・五度に達しているわけでございますので、現実にはこの一・五度を達成するというのは難しいだろうというふうに見られるわけでございます。しかも、IPCCのシナリオ評価でも、左側は数でございますが、このシナリオはこの中では最も少ない数になっていると、それぐらい難しいというふうに見られているわけでございます。
一方で、一・五度でも若干気温がオーバーシュートしていくと、例えば一・七度ぐらいになって二一〇〇年に一・五度に戻ってくるというのがこのC2のシナリオになりますが、こうなりますと二〇三五年の排出量は少し緩やかになってきて、恐らく、具体的な三五年の数字はIPCCは記載しておりませんが、四〇%台ぐらいになってくるだろうということで大分見え方が違ってくるということでございます。そういうことも意識しながら今後の気候変動政策を考えていく必要があるかと思っています。
他方、長期的に考えますと、やはり気候変動は非常に大きなリスクがございますので、気温の安定化ということは重要でございますので、そうすると、カーボンニュートラルの達成ということはいずれ目指していくべき道であるわけでございます。そのときに、どういった対策でこれを実現し得るのかというオプションをここで整理しているところでございます。
一番上でございますが、省エネルギーでございます。相変わらず省エネルギーは一丁目一番地だというふうに考えています。ここをしっかりやっていくということが重要でございますが、ただ、日本の場合は個別の企業、特にエネルギー多消費産業においては相当もうエネルギー消費量を絞っておりますので、省エネが相当徹底しておりますのでなかなか難しいということでございます。
ここの、ただ、オプションは、もう少し社会全体でエネルギー構造を変えていくとか産業構造を変えていくという手段はあるだろうというふうに考えているところでございます。例えば、シェアリング経済であるとかサーキュラー経済というのはこれまではなかなか難しかったわけでございますが、デジタル経済、デジタルを使って、DXを使ってそれを実現していくという道はあるわけでございますので、そういったものをしっかり追求していくということは重要だというふうに思います。
残るエネルギーでございますが、原則三つしかなくて、原子力か再エネか、化石燃料を使うにしても、CO2を回収して貯留するというCCSを使うかという原則三つしかございません。これをどう組み合わせていくのかということでございますし、それぞれのエネルギーに関しては一長一短あって万能なものは一切ないということでございますので、それをどう組み合わせていくのかということが大事だと思っています。
ただ、三つしかないと申し上げましたが、この絵は若干複雑に描いておりまして、一番下、CCSなしの化石燃料という部分も残っておりまして、こういったものが残るケースもあり得るということでございます。カーボンニュートラルというのは、脱炭素ではなくてカーボンニュートラルでございますので、オフセット手段が存在しているということでございまして、オフセット手段としては、植林であるとかブルーカーボンであるとか、その上に書いていますBECCS、DACCSといった手段がございます。
BECCS、DACCSというのは聞き慣れないかもしれませんが、BECCSはバイオエネルギーを使うんですが、出てくるCO2を回収して貯留するので負の排出になるというものでございますし、DACCSは大気中のCO2を直接工学的に回収して地下に埋めるというものでございます。もちろん、いろいろな、コストの問題等、難しい問題があるわけでございますが、カーボンニュートラルを達成しようと思うと、こういったものも含めて考えていかないといけないということだと思っています。
ただ、回収したCO2は地下に長期的に埋めるという必要がございますが、日本国内でどれぐらい埋めれるのかという課題はあるわけでございまして、埋め切れない場合は回収したCO2を海外に輸送して貯留するという手段もあるわけでございます。
もう一つ、真ん中辺りに書いていますが、あと、原子力、再エネは必要なわけでございますけれども、真ん中辺りに、もし国内で再エネが十分使えないと、若しくは高いと、若しくはCCSについても国内ではなかなか埋める余地が少ないということであれば、海外の再エネ若しくは海外のCO2の貯留層を使うという手段がございまして、この場合、再エネ由来の場合はグリーン水素若しくはグリーンアンモニアに変えると。これは、水素に窒素を付加すればアンモニアに変わるわけでございまして、より利便性を増すといったこともございますし、CO2を合成してEメタンにするとかEフューエルにするという手段もあるわけでございますので、こういったものを組み合わせていくということが必要でございます。
また、CCSについても、ブルー水素系、ブルーアンモニアという手段もございますので、これもカーボンニュートラルの手段になるわけでございますので、いずれにしても、ここに記載のものをどう組み合わせてロバストにし、リスクを分散させながらCO2を減らしていくのかということを考える必要があるということでございます。
こちら、水素系エネルギーについていろいろありますということを書いておりますが、ちょっと時間の関係上飛ばします。
こちらも同様でございますが、少しイメージとして、自動車燃料のカーボンニュートラル化ということで書いています。カーボンニュートラルというと純電気自動車一辺倒のような印象を持たれる方もいらっしゃいますが、それは一つの重要なオプションで、電気自動車化というのは大変重要でございますが、ただ、オプションとして見ますと、ハイブリッド車でなるべく下げておいて、一部、先ほど申しました負の排出技術というものがありますので、それでオフセットしてカーボンニュートラルを達成するというのもございますし、プラグインハイブリッドで削減していって、最後オフセットするという手段もございます。あとは、合成燃料を使うと、Eフューエルを使うという手段もございますので、いずれにしても、いろいろな手段がありますので、なるべく費用対効果の高い形を追求していくということが重要かと思っています。
こちら、IPCCの最新の報告書でございますが、ここで申し上げたいのは、カーボンニュートラルという手段は全部の各部門の排出量を全部ゼロにするというだけではなくていろいろな手段がありますよというのが左で示しているものでございまして、これはカーボンニュートラルを達成するときに残余の部門別排出量とそれをオフセットするシナリオということで、典型的な五つのシナリオを記載しているわけでございます。
真ん中にあるLDと書いているシナリオがございますが、これがローディマンドというシナリオでございまして、このシナリオで行くとかなりCO2排出量を減らしていて、オフセットする部分の下に出ている部分はグリーン部分、これは植林でございますが、植林だけでオフセットできているという絵姿で、非常に美しい絵姿でございますが、この姿は実はIPCCのシナリオの中ではほとんどないと、これ唯一と言ってもいいぐらいのシナリオでございまして、ほかのシナリオは、なかなかそれは難しいので残余の排出量を認めておいて負の排出でオフセットすると、それはBECCSであるとかDACCSであるとか植林といったものを混ぜ込んでいくということを記載しているわけでございます。
一方、国際エネルギー機関、IEAもネットゼロエミッションということで示しているわけでございまして、よくこれもCOP等で参照されたり、今金融機関がよく参照したりしているわけでございますが、実はIEAのシナリオというのはかなり極端で、先ほど申しましたLDのシナリオに近いということで、見て分かりますように、各部門の排出量が二〇五〇年でほぼゼロになっているということで、オフセットの手段が非常に小さいコントリビューションになっているということでございます。
ただ、繰り返しでございますが、これがスタンダードなシナリオということはなくて、実はIPCC、気候変動の科学者が集まっているシナリオ分析ではむしろこれは極端なケースでございますので、もう少しいろいろ幅を持って検討するということが重要ではないかというふうに考えています。ちなみに、ただ、国際エネルギー機関、IEAは非常に優秀な分析官を有していますので、そういう面で世界のエネルギー情勢をよく見ているということでもあるわけでございます。
これが、二〇二一年にネットゼロエミッションのシナリオを出したときと、今回、二〇二三年版ということで更新版が出されたわけでございますが、そのときの比較をしたものでございます。要は、二〇二一年から二三年にかけて国際的なエネルギーの情勢がどう変わってきているのかということをちょっと反映したような絵になっているかと思います。
見ていただきますと、上に出ている部分が、以前よりも目標、シナリオとしての量を増やした技術でございます。下に出ているのは減らした技術ということでございますが、上に出ている部分でいきますと、オレンジ色でございますが、太陽光発電でございます。非常に多く増やしているということでございます。これは、この間も順調に太陽光発電が世界で展開してきたということを反映したものでございます。もう一つは原子力でございます。原子力については、二〇二一年の見通しよりも二〇二三年を上積みしているわけでございます。この二年間で世界的な原子力の見方が大きく変わりつつあるということを反映したものでございまして、そういった見方をIEAがしているということでございます。
逆に減らしたものが下に出ているわけでございますが、一番大きいのは風力でございます。風力発電も順調に増えてはきているわけでございますが、思ったよりは増えてきていないと。ここに来て足踏み状態になっているということでございまして、そういうものが反映されているということでございます。あとは、水素、アンモニア、そしてCCSというところに関しては、なかなか普及が思ったように広がってきていないということを反映して下方修正したというようなところでございます。
原子力についてはもう少し詳細にということで、こちらの絵でございますが、左側が設備容量、右側が新規の導入量という見通しでございますが、IEA、NZE、二〇五〇年にゼロエミッションを達成するためにこれぐらいの原子力は最低必要だというような見通しを出しているわけでございますが、アドバンストエコノミーズと書いている水色の部分が主要先進国でございますが、設備容量としては若干微増から横ばいというところでございますが、右側見ていただきますと、今後新設という部分では主要先進国においてもかなり戻ってくるんではないかという見通しを出しているわけでございます。これまでは中国等の増大というものは見通していたわけでございますが、主要先進国においても、カーボンニュートラル対応で原子力の重要性というものが増してきているという反映でございます。
再エネでございます。再エネは非常に、先ほども申しましたように、太陽光、順調にコストが下がってきて非常に喜ばしい状況でございまして、左側でございますが、グレーの帯があるところが化石燃料発電の平均単価の帯でございますが、太陽光発電、風力共にこれを下回る水準になってきているということでございまして、もう競合的、競争的な電源ということは間違いないわけでございます。
ただ、右側見ていただきますと、日本と世界とのギャップということでございまして、太陽光、風力共にギャップがまだまだ大きいと、倍以上するというような状況でございます。これは自然環境の条件も重なっているわけでございますので、どんなに努力をしてもこれを超えることができない部分があるというふうに考えています。
このギャップが残るということは、先ほど御説明しましたように、海外の再エネを使って水素やアンモニア若しくは合成燃料系に変えて日本に持ってきた方が経済効率的な可能性もあるということでございまして、よって、日本としては、そういうオプションも含めてトータルで全体最適を考えていくということが何より重要だというふうに考えています。
再エネ、今後も拡大していくということは必須でございますが、ただ、日本の場合、系統が非常に細い形になっていますので、欧州、米国等と一緒の議論ができるわけではございません。
これ、再エネ五〇%のときの試算ということでございますが、系統増強等に六から七兆円掛かるということでございます。こういったものを必要な投資だということは私も理解するわけでございますが、ただ、余りにこれを拡大し過ぎると、特に再エネの場合は設備利用率が非常に低いので、そのために系統を増強してしまうと、要は高速道路に車が走っていないものを、道路を造るようなものになってしまいますので、非常に効率が悪くなってしまうということで、ちゃんと費用便益分析をしっかりした上で必要な増強をしていくということが重要だというふうに考えています。
IPCCの報告書でもポテンシャルということを記載していまして、ここで、ちょっとグラフ見にくいんですが、一番上に太陽光、風力ということがあって、ブルーのところが負のコストで、削減できるポテンシャルということで書かれていて、再エネかなり安いというメッセージがあるわけでございますが、ただ、これは単独の再エネ、太陽光、風力単独のときのコストでありまして、系統を連系したときのコストはここには含まれていないわけでございます。とりわけ日本においては、系統の増強等ですね、系統を連系したときに掛かる統合費用と呼ばれるものがかなり大きく掛かってくるということでございますので、こういう情報は重要ではございますが、日本でどういうコストが本当に掛かってくるのかということをよく理解しながら適正な展開を図っていくということが重要だというふうに考えています。
ちょっと時間の関係上、少し飛ばさせていただいて、続いてこちらのページでございます。
済みません、ページ番号がちょっと見えにくいんですが、日本の二〇五〇年の部門別・技術別の排出削減ポテンシャル・コストということで、これは我々の研究機関が推計したものでございまして、横軸にベースラインからのCO2削減量を示していて、縦軸にそれぞれの技術のコストを示しているものでございます。そうすると、左から安いものから順番に並んでいますので、なるべく左の方の安い技術から順番に使っていくと、この面積が全体のコストになりますので、面積をいかに小さくするかということが重要なわけでございます。
ちょっとグラフは複雑でございますので、右側に代表的な技術をピックアップして記載しているわけでございます。原子力が大体二十から五十ドルぐらいのレンジ、その上にCCSがあり、その上に水素・アンモニア発電という部分が若干重なるような形であり、最後、上の方の限界的な部分にDACCSという大気中からCO2を回収して貯留するという技術が存在している。あと、Eフューエル、Eメタンというところもあるわけでございます。
太陽光、風力に関しては、安価なところもあるわけでございますが、量が増えてくると、先ほど申しましたように、系統の統合費用等が条件の悪いところを使っていかないといけませんので相当高くなってくるという、このレンジが非常に幅広いということを理解する必要があるわけでございます。時折、太陽光、風力は化石燃料よりも安いし、原子力よりも安くなったという主張をされることがございますが、それは正しいわけでございます。正しいんですが、量を使っていくともっと高いところがいっぱい出てくるわけでございますので、この原子力の余りコストにレンジの幅がないところをどう増やせるかということは、この面積を小さくする上でかなり重要なところでございます。これは太陽光、風力がもっと削減した場合というケースも計算しているわけでございますが、同じようなことは、まあ若干、太陽光、風力の方がコストが安いということは分かりますが、ただ、いずれにしても、いろいろな技術を組み合わせないとコストを安くできないということでございます。
今、二〇五〇年の話をさせていただきましたが、トランジションのプロセスをどうするのかということも非常に重要でございまして、トランジションのところをどうやっていくのかという、一足飛びにカーボンニュートラル実現できないわけでございます。そこをしっかり適切な技術の展開を、時間を考えながら展開していくということが重要でございまして、我々としてはそういう分析を提供しているところでございます。
こういったものを、企業、そしてもちろん国もそうですが、企業そして金融機関も含めて見ていただくことによって、適正な投資をしっかりやって、目標だけを切り上げるんではなくて、実効ある排出削減をしっかりやっていくと。しかも、日本と世界のコスト差をしっかり意識しながら、カーボンリーケージを起こすことなく、しっかり着実にやっていくという材料にすべきかと思っているところでございます。
こちらは例としてガス、鉄鋼部門を示していますが、一遍に直線的に下がっているわけではないということが分かるかと思います。これは費用対効果の高い対策を取った場合にどういう推移を取るのが合理的なのかということを示しているわけでございまして、ガスにおいても、部分的にはCO2原単位が小さいので、一時的に上がってもそれは二度目標、一・五度目標と矛盾するものではないという結果でございますし、鉄においても、一遍に高炉法を電炉に替えたり鉄をなくすわけにはいかないわけでございますので、そういったプロセスをしっかり理解していくということが重要かと思います。
最後、まとめさせていただきます。
正味ゼロ排出を実現するということは非常に重要なわけでございますが、一方で、国際的に一・五度目標はほぼ絶望的だというような状況になってきていますし、少なくとも気温のオーバーシュートなくしてこれを実現するというのはほぼ不可能だというふうに思います。目標を掲げておくというのは必要でございますけれども、ただ、ある程度柔軟性を持った戦略が必要だというふうに考えています。
主要先進国、日本もそうでございますが、排出量が下がってきておりますが、これは、エネルギー多消費産業、CO2原単位の高い産業、プロセスが途上国へ移転しているという結果の可能性が非常に強いということでございますので、そうすると、本当にグローバルにCO2が減らないということもありますし、日本におけるエネルギー安全保障、産業の安全保障、若しくは経済安全保障の関係で大丈夫なのかという問題も意識しながら戦略を考えていくという必要があるかと思っています。
カーボンニュートラルのためには、省エネ、再エネ、原子力、CCUS、CDR、そして水素系燃料、電化といったようなこと、いろいろな技術が必要でございまして、これをどれも排除することなく我々はやっていかなければいけないというふうに考えています。
とりわけ日本は資源がないという状況でございまして、何か技術のより好みをしているような状況ではないというふうに思いますので、しっかりこういったものを全方位で考えていく必要があると思いますし、当初は欧州も電化プラス再エネというような一辺倒の感じがありましたが、ここに来て急速に変わっています。全方位に変わっていますので、ようやく欧州もやっぱり減らないということが気付き始めている状況でございますので、日本はいつも言うことは慎重でございますが、ただ、実現していることはいつも欧州よりも立派にやってきているというふうに思っていますので、是非しっかりやっていくことが重要かなというふうに思っております。
あと、最後でございますが、移行過程が重要でございますので、そういう面では、例えばEメタンであるとかEフューエル、アンモニアというのは混合比率を既存インフラ使って変えていけるので、そういった技術もやっぱり柔軟性のある戦略という部分では大変重要だというふうに思いますので、そういったものも含めて戦略を総合的に考える必要があると思います。
どうも御清聴ありがとうございました。
宮
渡
渡邊昌宏#5
○参考人(渡邊昌宏君) 皆さん、こんにちは。つばめBHBの渡邊でございます。
こちらの方には資料出ませんので、お手元の資料を御覧いただければというふうに思っております。
まず、私どもつばめBHB、どんな会社だと。結構名前は覚えやすいかなと思うんですが、つばめは東工大発の技術を使っているものですから、東工大の校章がツバメでございます。それから、後ほど説明しますが、BHBというのは、百十年前、第一次世界大戦のときに開発されたアンモニア製造技術、ハーバー・ボッシュ法といいます。このハーバー・ボッシュ法を超えようということで、ビヨンド・ハーバー・ボッシュということで、東工大発のハーバー・ボッシュを超える企業になるんだということで、二〇一七年設立されました。
私どもの技術というのは、東工大の細野栄誉教授が開発されたエレクトライド触媒という触媒でございます。この触媒は、先ほど申し上げましたように、ハーバー・ボッシュに比べて低温低圧でアンモニアを合成できるようになっております。さらに、この触媒は、皆さん御存じのように、空気中に含まれている窒素、この窒素自体がN2というふうな形で三重結合になっています。非常に安定した気体でございます。したがって、窒素自体が地中に入っていって例えば肥料になるとか、そういうことはできません。このN2をうまく切ってあげようと。切ると水素と結合しましてアンモニアができます。この私どもの開発したその触媒は、実はN2の三重結合をはさみのように切るという特性を持っております。
そういうことで、これをできるだけ社会実装していこうということで、現実、今私どもパイロットプラントを持っておりますけれども、ハーバー・ボッシュ法に比べまして、反応温度で約百度、圧力で四分の一、これを達成することができました。
次のページをお願いします。
アンモニアというと、皆さん、お名前はよく御存じかと思いますが、現実にアンモニアって何なんだと。多分、臭いなとか、あるいは蚊に刺されたときに塗ると効くなという程度のことかと思います。実は、アンモニアというのは世界で二億トン生産されております。二億トンの生産のうち、約、ここにありますように八五%、これが農業用肥料に使われております。そのほか一五%は、よく御存じのうまみ調味料であるアミノ酸、それからナイロン6とか66の化学繊維、それから火力発電所においては脱硝ということでNOxを除去すると。これ、水を加えますとNOxが除去されます。そのためにアンモニアを使います。そのほか、化学品に使っております。最近では、半導体の窒化膜の生成、これにアンモニアが使われていると。これから二〇三〇年、二〇五〇年に向けて、CO2のフリー燃料、それから水素キャリアというような形で使われていくというふうに想定されております。
先ほどハーバー・ボッシュの説明申し上げましたけれども、非常に高温高圧でアンモニアを製造するものですから、先ほどの秋元先生ではございませんけれども、CO2、世界のCO2排出量の一%から二%をアンモニア製造に頼っているというのが現状でございます。
では、アンモニアの課題について次のページ御覧いただければと思いますが、実は、先ほど申しましたハーバー・ボッシュ法、百十年前、第一次世界大戦のときにアンモニアができましたときに、実は世界の食料事情は大幅に良くなりました。これは、農業にアンモニアを使うことによって生物の発育が非常に良くなるということで、食料事情が変わりました。
ところが、現在どうなっているかといいますと、この地図にございますように、ピンクの丸、これがアンモニアを作っているところでございます。それから、赤い点線で四角く囲ってある部分、これは、実は窒素肥料が足りてない部分でございます。先ほど申しましたように、アンモニアはNH3ということで窒素の肥料でございます。このアンモニアが行かないために非常に食料事情が悪くなっているというのがこの絵で御覧いただけると思います。
したがって、食料危機、これをできるだけなくしていきたいというふうに私ども思っておりまして、なぜこの四角のところにアンモニアが行かないのかと。実は、港から降ろされたアンモニアがトン当たり二百五十ドルぐらい、これが陸送あるいは貯蔵することによって大体三倍ぐらいになります。したがって、そういう高価なものがアフリカの各国では買えないというのが現状です。そういう意味からすると、できるだけアンモニアが行き届くような仕組みというのをつくっていくのが我々役目かなというふうに思っています。
それから、CO2については先ほどお話ししたとおりに、全体でCO2排出量の一から二%を占めておりますので、これをいかに削減していくかということが大きな課題だと考えております。
次のページでございます。
アンモニアってどういうふうな形になっているのかということで、実はアンモニアには三種類ほどございます。色で分けています。グレー、これは化石燃料をベースにSMRという手法を使いまして水素を作り、そこからハーバー・ボッシュ法でアンモニアを作る、これをグレーと言います。それからブルー、先ほど秋元先生からもお話がありましたCCUSあるいはCCS、これを使って化石燃料からできた水素、これを使ってアンモニアを合成する、これをブルーと言います。それから、再生可能エネルギーから直接水素、水電解等を含めて水素を作りまして、それで空気中からの窒素を取り入れて作っていく、アンモニアを作ると、これをグリーンと言います。
今後、二〇三〇年には、こちらにありますように、グレーが余り伸びないでブルーとグリーンが伸びていく。二〇四〇年には一億五千七百万トン、これがブルーなりグリーンになっていくと。二〇五〇年には二億八千万トン、二億八千万トンのグリーンの、あるいはブルーのアンモニアができていくと。それから、アンモニアの市場ですが、今現在、肥料、産業で使われております。それが将来的には船舶燃料、それから燃料、水素キャリアとして使われていくという予想になってございます。
一方、日本はどうなのかというので、ちょっと下の絵を御覧いただきたいと思いますが、今、日本で製造されているアンモニアの量は、国内生産八十万トン弱です。使われているアンモニアの量は百万トンです。これが、二〇三〇年には使用量を三百万トンまで持っていこうというふうに日本は考えております。経産省さんがこういう発表をされております。二〇五〇年には三千万トンまで持っていこうと。今現状、二億トンの生産量でございますが、二〇五〇年にはアンモニアだけで三千万トンまで持っていこうと。
ここでやはり考えなければならないのは、これだけの量を輸入で頼ろうとしたときに、やはりエネルギーの安全保障といった問題が浮かび上がってくるんではないかというふうに思っています。これについては後ほどお話しさせていただきます。
次のページですが、業界構造でございます。
アンモニアは、ハーバー・ボッシュに代表されるように、ライセンサーというのがあります。触媒の供給、プロセスの供給、これをつかさどるライセンサーというのがあります。それから、そのライセンスを受けてアンモニアの設備を造っていくライセンシーというのがおります。それから、実際にプラントを持ってアンモニアを製造するプラントオーナーというのがあります。
今、このアンモニアの技術というのは、このプロセスライセンサーは、ここにございますように、欧米の四社に限定されているような状況でございます。私どもは、ここの技術強化、日本の技術強化がここでは必要なんじゃないかと思っております。
それから、ライセンシー、要するに設備を建設するというので、千代田、東洋エンジ、三菱重工、日揮等々、日本がおりますが、その他多数参加しておりまして、あくまでも日本としては建設に関与するだけというのが現状です。
それから、プラントオーナーとしては、日本ではこの上の四つ、四社がアンモニアを製造しております。ただ、宇部興産さんは二〇三〇年には、三三年にはアンモニアの生産をやめるというようなお話が新聞報道されております。したがって、日本ではアンモニアを作っているのは三社になってしまうというような状況でございます。私どもは、できるだけこのライセンサー、こういったところを目指したいと。
次のページですが、私どもが目指すアンモニアの絵なんですが、先ほど申し上げましたように、脱炭素アンモニアを必要な地域に必要な量だけ安定的に供給するといったところが、私どものビジョンの世界の食料危機を改善するといったところに寄与できるのではないかというふうに思っております。
そういう意味で、分散型再生エネルギー、太陽光あるいは風力あるいは水力発電、こういったものの再生可能エネルギーを使いまして水の分解、電気分解をし、グリーンアンモニアを作っていくと。これを直接、農地の真ん中にこの設備を造ったらどうだろうということで、農地の真ん中に造れば輸送コストはただです。したがって、使いたいところに使いたいアンモニア、使いたい量、これを製造する設備を農地に入れちゃいましょうということで、例えば五百トンぐらいのアンモニアが必要だといったら、そうですね、三十五平米ぐらいあればできるぐらいの、要するに、農地の一角にアンモニアの装置をぽんと造るだけで十分にそこの農業に賄えるだけの肥料ができるというふうにお考えください。
次のページですが、一方で、先ほど申し上げましたように、二〇五〇年に三千万トンのアンモニアが必要だといったらどういう対応をするかということで、先ほど秋元先生がおっしゃられましたように、海外の再エネを使って海外で生産して日本に持ってくると。となると、できるだけ日本の技術を海外にお披露目した中で、そこで生産して持ってくるという方法が一つ大きくあります。
私どもは、新たに大量のアンモニアが生産できるような新しい触媒を開発し始めました。これは、国のGIS資金、グリーンイノベーション資金というのを使わせていただきまして、今触媒の開発を進めております。私どもの、今ある触媒は、実は希金属を使っております。ルテニウムという希金属を使っています。このルテニウムは非常に高価なものですから、このルテニウムをなくした触媒を開発しようということで、今年の末、来年の春には新しい大量生産に向いた触媒、これをお披露目できるのではないかというふうに思っております。
できるだけ、私どもは、これを開発したところで、二〇三〇年を目標にして国産高効率のアンモニア製造技術ライセンサー、ここを目指したいと。先ほど言いました、欧米四社プラス日本のつばめというような形の絵が描ければいいなと思っております。
次のページですが、実は昨年、INPEXさんの、新潟の柏崎、ここでアンモニアの実証プラント、これを受注させていただきました。今建設中で、今年の八月には稼働をいたします、あっ、来年の八月には稼働いたします。これは、INPEXさんが天然ガスから水素を作ります。水素を作りますが、そこでできたCO2をCCSで地中に埋めます。INPEXさんは井戸を掘っていますので、ガスの井戸を掘っていますので、そのガスの井戸がございます。ガスの井戸にCO2を埋めます。そのCO2を埋めた水素を私どものアンモニア側が受けてアンモニアを製造するという形にさせていただいております。ただ、これもやはり大きな問題があって、水素の値段が非常にお高くなります。お高くなるんで、市場に流通するような価格でアンモニアが製造できるかというと非常に難しいところがあります。これは間違いなく電力代が高いところです。
そこで、次のページですが、電力料金の安いところで我々の技術をお披露目できないかということで、昨年の一月、これはUAEに行きまして、このときに、西村経済大臣だったんですが、ここの、ADNOCという国営の石油会社、アブダビの国営石油会社ですが、そことジョイント・スタディー・アグリーメントというのを結ばせていただきました。カタールが、アブダビができて約四十年ちょっとらしいんですが、アブダビとしては初めて海外と一緒にスタディーをするという、初めての経験だということで今進めさせていただいております。
それから次のページですが、ラオスでアンモニアを作って農業に貢献できないかということで今進めております。二〇二二年の十二月までにJICAの基礎調査を終わらせていただきまして、一応、協力覚書をラオス政府と交わすことができました。今事業スキームをいろいろつくっておる最中でございまして、ファイナンスをどうするか、こういうのを含めて今鋭意やっております。ラオス政府は非常に乗り気で、是非やりたいというお話をいただいております。これも今年の八月ぐらいまでにはある程度めどが付いてくるのではないかというふうに思っております。
そういうことをいろいろやりながら、国内外における事業展開というのをやっております。ここにございますように、ラオスの話がございます。それから、近々、タイランド、タイでアンモニアを作るという話がこの近々に決まってまいります。
それから、今注目しているのは南米ですね、特にブラジル。ブラジル辺りはサトウキビの栽培が非常に盛んなのですが、ここの、ブラジルもアンモニアを入手するのに非常に高いお金を取っています。もう早速うちの装置を入れてくれということを直接言われちゃうんですが、すぐにはなかなかうまくいかないので、今お話を進めさせていただいていると。
そのほか、一昨日も私、ウクライナ復興会議に出てまいりましたけれども、ポーランドの企業と一緒になって、ウクライナのブチャという、キーウから北東に三十キロぐらいで、昔虐殺のあったところなんですが、二百三十人も殺されたという。そのブチャ市で、グリーン・インダストリアル・ゾーンという新しい再生可能エネルギーによるヒーティングシステム、これをつくっていこうというような形のプロジェクトをこれから起こしていこうというふうに考えております。
次のページですが、技術インフラということで、私ども、東京工業大学の中にRアンドDセンター、それから川崎にパイロットプラント。パイロットプラントは二〇一九年の十二月から動かしておりまして、四年半にわたって二十四時間運転を継続させております。それから、東京工業大学の方では多くの機器を導入させていただきまして、新しい触媒の開発をしております。こういうことをやりますと、どうしてもその資金が掛かってくる、それから要員の確保が非常に難しいというところでございます。
それでは、十六ページ目で、余り時間がございませんのであれですが、ここにありますように、先ほども申し上げましたように、推定輸入量が薄いブルーになっておりますが、輸入に頼る日本の体質、これで本当大丈夫なんですかといった議論はなるべくやるべきだと思います。
海外も、例えば信頼のおける国とのジョイントで考えるというような方法もあると思いますが、ウクライナの例のように突然隣国が襲ってくるみたいなそういう状況の中で、LNGの価格も上がり、アンモニアの価格も上がっているのが現状でございます。そういうことを含めると、輸入をするのはいいけれどもどこから持ってくるんだといったところが非常に重要なことだと思います。岸田首相は、オーストラリアとの契約で、オーストラリアでできたアンモニアを持ってきますよというお話されていますけれども、オーストラリアが果たして適切なのかどうか、これは是非考えるべきであろうと。それから、少々無理でも自国生産に持っていくという、どこまで日本が持てるのかといったところも考えなきゃいけない。それには、電力価格の低減化ということが絶対に必要になってきます。そういうことを一つ申し上げたいと。
それから、水素、アンモニア関連の各国の政策が十七ページ目にございます。
特に、アメリカは、グリーン水素製造で最大三ドル・パー・トン・水素という補助金が出ておりまして、もう実施しております。これは、実はアンモニア、水素を作る事業者にとっては非常にメリットが出てくる話でございます。それから、電力の高いところもこれによって電力代をカバレッジできるというようなことがあるので、このアメリカの英断はすばらしいと思います。
そのほか、EUの施策、それからサウジの施策、またチリ、チリはもうグリーン一本に入るという決断をして、二〇三〇年には世界一安いグリーン水素を作ろうと。チリの方からも私どもに声が掛かっております。
最後になりますが、日本発の技術でアンモニアを世界に広げていくためにということですが、まず一点目は、市場の創出を官民で実施できないだろうかというふうに思っております。化石燃料ベースのエネルギー、製品がカウントしない外部不経済の内部化と、これは、作ろうといった、私どもの技術を使おうとするお客様がやはり脱炭素にとってメリットがあるということが享受できるような、そういうシステムをつくるということでございます。それから、グリーンプレミアムの話。先ほど申し上げましたアメリカの例にあるように、グリーンプロダクトの市場創出。
それから、今研究開発を進めさせていただいていますけれども、でき得れば事業開発まで含めた支援というのがいただけれたらと思います。
それから最後ですが、補助金によるファイナンスの支援で大企業のイノベーションをつくっていただけないかと。我々この事業をやっておりますと、大企業さんの壁というのは非常に厚うございます。こういったところで大企業さんのイノベーション、これを創出できるような施策というのがあればというふうに思っております。
以上でございます。どうも御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →こちらの方には資料出ませんので、お手元の資料を御覧いただければというふうに思っております。
まず、私どもつばめBHB、どんな会社だと。結構名前は覚えやすいかなと思うんですが、つばめは東工大発の技術を使っているものですから、東工大の校章がツバメでございます。それから、後ほど説明しますが、BHBというのは、百十年前、第一次世界大戦のときに開発されたアンモニア製造技術、ハーバー・ボッシュ法といいます。このハーバー・ボッシュ法を超えようということで、ビヨンド・ハーバー・ボッシュということで、東工大発のハーバー・ボッシュを超える企業になるんだということで、二〇一七年設立されました。
私どもの技術というのは、東工大の細野栄誉教授が開発されたエレクトライド触媒という触媒でございます。この触媒は、先ほど申し上げましたように、ハーバー・ボッシュに比べて低温低圧でアンモニアを合成できるようになっております。さらに、この触媒は、皆さん御存じのように、空気中に含まれている窒素、この窒素自体がN2というふうな形で三重結合になっています。非常に安定した気体でございます。したがって、窒素自体が地中に入っていって例えば肥料になるとか、そういうことはできません。このN2をうまく切ってあげようと。切ると水素と結合しましてアンモニアができます。この私どもの開発したその触媒は、実はN2の三重結合をはさみのように切るという特性を持っております。
そういうことで、これをできるだけ社会実装していこうということで、現実、今私どもパイロットプラントを持っておりますけれども、ハーバー・ボッシュ法に比べまして、反応温度で約百度、圧力で四分の一、これを達成することができました。
次のページをお願いします。
アンモニアというと、皆さん、お名前はよく御存じかと思いますが、現実にアンモニアって何なんだと。多分、臭いなとか、あるいは蚊に刺されたときに塗ると効くなという程度のことかと思います。実は、アンモニアというのは世界で二億トン生産されております。二億トンの生産のうち、約、ここにありますように八五%、これが農業用肥料に使われております。そのほか一五%は、よく御存じのうまみ調味料であるアミノ酸、それからナイロン6とか66の化学繊維、それから火力発電所においては脱硝ということでNOxを除去すると。これ、水を加えますとNOxが除去されます。そのためにアンモニアを使います。そのほか、化学品に使っております。最近では、半導体の窒化膜の生成、これにアンモニアが使われていると。これから二〇三〇年、二〇五〇年に向けて、CO2のフリー燃料、それから水素キャリアというような形で使われていくというふうに想定されております。
先ほどハーバー・ボッシュの説明申し上げましたけれども、非常に高温高圧でアンモニアを製造するものですから、先ほどの秋元先生ではございませんけれども、CO2、世界のCO2排出量の一%から二%をアンモニア製造に頼っているというのが現状でございます。
では、アンモニアの課題について次のページ御覧いただければと思いますが、実は、先ほど申しましたハーバー・ボッシュ法、百十年前、第一次世界大戦のときにアンモニアができましたときに、実は世界の食料事情は大幅に良くなりました。これは、農業にアンモニアを使うことによって生物の発育が非常に良くなるということで、食料事情が変わりました。
ところが、現在どうなっているかといいますと、この地図にございますように、ピンクの丸、これがアンモニアを作っているところでございます。それから、赤い点線で四角く囲ってある部分、これは、実は窒素肥料が足りてない部分でございます。先ほど申しましたように、アンモニアはNH3ということで窒素の肥料でございます。このアンモニアが行かないために非常に食料事情が悪くなっているというのがこの絵で御覧いただけると思います。
したがって、食料危機、これをできるだけなくしていきたいというふうに私ども思っておりまして、なぜこの四角のところにアンモニアが行かないのかと。実は、港から降ろされたアンモニアがトン当たり二百五十ドルぐらい、これが陸送あるいは貯蔵することによって大体三倍ぐらいになります。したがって、そういう高価なものがアフリカの各国では買えないというのが現状です。そういう意味からすると、できるだけアンモニアが行き届くような仕組みというのをつくっていくのが我々役目かなというふうに思っています。
それから、CO2については先ほどお話ししたとおりに、全体でCO2排出量の一から二%を占めておりますので、これをいかに削減していくかということが大きな課題だと考えております。
次のページでございます。
アンモニアってどういうふうな形になっているのかということで、実はアンモニアには三種類ほどございます。色で分けています。グレー、これは化石燃料をベースにSMRという手法を使いまして水素を作り、そこからハーバー・ボッシュ法でアンモニアを作る、これをグレーと言います。それからブルー、先ほど秋元先生からもお話がありましたCCUSあるいはCCS、これを使って化石燃料からできた水素、これを使ってアンモニアを合成する、これをブルーと言います。それから、再生可能エネルギーから直接水素、水電解等を含めて水素を作りまして、それで空気中からの窒素を取り入れて作っていく、アンモニアを作ると、これをグリーンと言います。
今後、二〇三〇年には、こちらにありますように、グレーが余り伸びないでブルーとグリーンが伸びていく。二〇四〇年には一億五千七百万トン、これがブルーなりグリーンになっていくと。二〇五〇年には二億八千万トン、二億八千万トンのグリーンの、あるいはブルーのアンモニアができていくと。それから、アンモニアの市場ですが、今現在、肥料、産業で使われております。それが将来的には船舶燃料、それから燃料、水素キャリアとして使われていくという予想になってございます。
一方、日本はどうなのかというので、ちょっと下の絵を御覧いただきたいと思いますが、今、日本で製造されているアンモニアの量は、国内生産八十万トン弱です。使われているアンモニアの量は百万トンです。これが、二〇三〇年には使用量を三百万トンまで持っていこうというふうに日本は考えております。経産省さんがこういう発表をされております。二〇五〇年には三千万トンまで持っていこうと。今現状、二億トンの生産量でございますが、二〇五〇年にはアンモニアだけで三千万トンまで持っていこうと。
ここでやはり考えなければならないのは、これだけの量を輸入で頼ろうとしたときに、やはりエネルギーの安全保障といった問題が浮かび上がってくるんではないかというふうに思っています。これについては後ほどお話しさせていただきます。
次のページですが、業界構造でございます。
アンモニアは、ハーバー・ボッシュに代表されるように、ライセンサーというのがあります。触媒の供給、プロセスの供給、これをつかさどるライセンサーというのがあります。それから、そのライセンスを受けてアンモニアの設備を造っていくライセンシーというのがおります。それから、実際にプラントを持ってアンモニアを製造するプラントオーナーというのがあります。
今、このアンモニアの技術というのは、このプロセスライセンサーは、ここにございますように、欧米の四社に限定されているような状況でございます。私どもは、ここの技術強化、日本の技術強化がここでは必要なんじゃないかと思っております。
それから、ライセンシー、要するに設備を建設するというので、千代田、東洋エンジ、三菱重工、日揮等々、日本がおりますが、その他多数参加しておりまして、あくまでも日本としては建設に関与するだけというのが現状です。
それから、プラントオーナーとしては、日本ではこの上の四つ、四社がアンモニアを製造しております。ただ、宇部興産さんは二〇三〇年には、三三年にはアンモニアの生産をやめるというようなお話が新聞報道されております。したがって、日本ではアンモニアを作っているのは三社になってしまうというような状況でございます。私どもは、できるだけこのライセンサー、こういったところを目指したいと。
次のページですが、私どもが目指すアンモニアの絵なんですが、先ほど申し上げましたように、脱炭素アンモニアを必要な地域に必要な量だけ安定的に供給するといったところが、私どものビジョンの世界の食料危機を改善するといったところに寄与できるのではないかというふうに思っております。
そういう意味で、分散型再生エネルギー、太陽光あるいは風力あるいは水力発電、こういったものの再生可能エネルギーを使いまして水の分解、電気分解をし、グリーンアンモニアを作っていくと。これを直接、農地の真ん中にこの設備を造ったらどうだろうということで、農地の真ん中に造れば輸送コストはただです。したがって、使いたいところに使いたいアンモニア、使いたい量、これを製造する設備を農地に入れちゃいましょうということで、例えば五百トンぐらいのアンモニアが必要だといったら、そうですね、三十五平米ぐらいあればできるぐらいの、要するに、農地の一角にアンモニアの装置をぽんと造るだけで十分にそこの農業に賄えるだけの肥料ができるというふうにお考えください。
次のページですが、一方で、先ほど申し上げましたように、二〇五〇年に三千万トンのアンモニアが必要だといったらどういう対応をするかということで、先ほど秋元先生がおっしゃられましたように、海外の再エネを使って海外で生産して日本に持ってくると。となると、できるだけ日本の技術を海外にお披露目した中で、そこで生産して持ってくるという方法が一つ大きくあります。
私どもは、新たに大量のアンモニアが生産できるような新しい触媒を開発し始めました。これは、国のGIS資金、グリーンイノベーション資金というのを使わせていただきまして、今触媒の開発を進めております。私どもの、今ある触媒は、実は希金属を使っております。ルテニウムという希金属を使っています。このルテニウムは非常に高価なものですから、このルテニウムをなくした触媒を開発しようということで、今年の末、来年の春には新しい大量生産に向いた触媒、これをお披露目できるのではないかというふうに思っております。
できるだけ、私どもは、これを開発したところで、二〇三〇年を目標にして国産高効率のアンモニア製造技術ライセンサー、ここを目指したいと。先ほど言いました、欧米四社プラス日本のつばめというような形の絵が描ければいいなと思っております。
次のページですが、実は昨年、INPEXさんの、新潟の柏崎、ここでアンモニアの実証プラント、これを受注させていただきました。今建設中で、今年の八月には稼働をいたします、あっ、来年の八月には稼働いたします。これは、INPEXさんが天然ガスから水素を作ります。水素を作りますが、そこでできたCO2をCCSで地中に埋めます。INPEXさんは井戸を掘っていますので、ガスの井戸を掘っていますので、そのガスの井戸がございます。ガスの井戸にCO2を埋めます。そのCO2を埋めた水素を私どものアンモニア側が受けてアンモニアを製造するという形にさせていただいております。ただ、これもやはり大きな問題があって、水素の値段が非常にお高くなります。お高くなるんで、市場に流通するような価格でアンモニアが製造できるかというと非常に難しいところがあります。これは間違いなく電力代が高いところです。
そこで、次のページですが、電力料金の安いところで我々の技術をお披露目できないかということで、昨年の一月、これはUAEに行きまして、このときに、西村経済大臣だったんですが、ここの、ADNOCという国営の石油会社、アブダビの国営石油会社ですが、そことジョイント・スタディー・アグリーメントというのを結ばせていただきました。カタールが、アブダビができて約四十年ちょっとらしいんですが、アブダビとしては初めて海外と一緒にスタディーをするという、初めての経験だということで今進めさせていただいております。
それから次のページですが、ラオスでアンモニアを作って農業に貢献できないかということで今進めております。二〇二二年の十二月までにJICAの基礎調査を終わらせていただきまして、一応、協力覚書をラオス政府と交わすことができました。今事業スキームをいろいろつくっておる最中でございまして、ファイナンスをどうするか、こういうのを含めて今鋭意やっております。ラオス政府は非常に乗り気で、是非やりたいというお話をいただいております。これも今年の八月ぐらいまでにはある程度めどが付いてくるのではないかというふうに思っております。
そういうことをいろいろやりながら、国内外における事業展開というのをやっております。ここにございますように、ラオスの話がございます。それから、近々、タイランド、タイでアンモニアを作るという話がこの近々に決まってまいります。
それから、今注目しているのは南米ですね、特にブラジル。ブラジル辺りはサトウキビの栽培が非常に盛んなのですが、ここの、ブラジルもアンモニアを入手するのに非常に高いお金を取っています。もう早速うちの装置を入れてくれということを直接言われちゃうんですが、すぐにはなかなかうまくいかないので、今お話を進めさせていただいていると。
そのほか、一昨日も私、ウクライナ復興会議に出てまいりましたけれども、ポーランドの企業と一緒になって、ウクライナのブチャという、キーウから北東に三十キロぐらいで、昔虐殺のあったところなんですが、二百三十人も殺されたという。そのブチャ市で、グリーン・インダストリアル・ゾーンという新しい再生可能エネルギーによるヒーティングシステム、これをつくっていこうというような形のプロジェクトをこれから起こしていこうというふうに考えております。
次のページですが、技術インフラということで、私ども、東京工業大学の中にRアンドDセンター、それから川崎にパイロットプラント。パイロットプラントは二〇一九年の十二月から動かしておりまして、四年半にわたって二十四時間運転を継続させております。それから、東京工業大学の方では多くの機器を導入させていただきまして、新しい触媒の開発をしております。こういうことをやりますと、どうしてもその資金が掛かってくる、それから要員の確保が非常に難しいというところでございます。
それでは、十六ページ目で、余り時間がございませんのであれですが、ここにありますように、先ほども申し上げましたように、推定輸入量が薄いブルーになっておりますが、輸入に頼る日本の体質、これで本当大丈夫なんですかといった議論はなるべくやるべきだと思います。
海外も、例えば信頼のおける国とのジョイントで考えるというような方法もあると思いますが、ウクライナの例のように突然隣国が襲ってくるみたいなそういう状況の中で、LNGの価格も上がり、アンモニアの価格も上がっているのが現状でございます。そういうことを含めると、輸入をするのはいいけれどもどこから持ってくるんだといったところが非常に重要なことだと思います。岸田首相は、オーストラリアとの契約で、オーストラリアでできたアンモニアを持ってきますよというお話されていますけれども、オーストラリアが果たして適切なのかどうか、これは是非考えるべきであろうと。それから、少々無理でも自国生産に持っていくという、どこまで日本が持てるのかといったところも考えなきゃいけない。それには、電力価格の低減化ということが絶対に必要になってきます。そういうことを一つ申し上げたいと。
それから、水素、アンモニア関連の各国の政策が十七ページ目にございます。
特に、アメリカは、グリーン水素製造で最大三ドル・パー・トン・水素という補助金が出ておりまして、もう実施しております。これは、実はアンモニア、水素を作る事業者にとっては非常にメリットが出てくる話でございます。それから、電力の高いところもこれによって電力代をカバレッジできるというようなことがあるので、このアメリカの英断はすばらしいと思います。
そのほか、EUの施策、それからサウジの施策、またチリ、チリはもうグリーン一本に入るという決断をして、二〇三〇年には世界一安いグリーン水素を作ろうと。チリの方からも私どもに声が掛かっております。
最後になりますが、日本発の技術でアンモニアを世界に広げていくためにということですが、まず一点目は、市場の創出を官民で実施できないだろうかというふうに思っております。化石燃料ベースのエネルギー、製品がカウントしない外部不経済の内部化と、これは、作ろうといった、私どもの技術を使おうとするお客様がやはり脱炭素にとってメリットがあるということが享受できるような、そういうシステムをつくるということでございます。それから、グリーンプレミアムの話。先ほど申し上げましたアメリカの例にあるように、グリーンプロダクトの市場創出。
それから、今研究開発を進めさせていただいていますけれども、でき得れば事業開発まで含めた支援というのがいただけれたらと思います。
それから最後ですが、補助金によるファイナンスの支援で大企業のイノベーションをつくっていただけないかと。我々この事業をやっておりますと、大企業さんの壁というのは非常に厚うございます。こういったところで大企業さんのイノベーション、これを創出できるような施策というのがあればというふうに思っております。
以上でございます。どうも御清聴ありがとうございました。
宮
平
平田仁子#7
○参考人(平田仁子君) クライメート・インテグレートの平田仁子と申します。
この度は大変貴重な機会をいただき、ありがとうございます。
私もお手元の資料で御説明させていただきます。
私自身が気候変動問題に関わり始めて二十五年以上たつんですけれども、多くの時間は、環境団体、気候ネットワークというところで、いかにこの気候変動への取組を進めていけるのかということを考えてまいりました。そんな中で、これは経済の問題でもあり科学の問題でもあり、技術、貿易、そして企業活動、雇用、私たちの生活や健康の問題でありと非常に幅広い問題であって、まさにこれは政治の課題だなということを常々考えておりました。そのために一度学問の世界に戻りまして、それでまとめた本がこの「気候変動と政治」という本でありまして、まさに、ですから、今日はこのような調査会でこのテーマについてお話しできること、本当に光栄に思っております。
現在は、二年前に設立いたしましたクライメート・インテグレートという組織で、気候政策シンクタンクとして、いかにこの脱炭素を進めていけるのかという調査分析、それから、そのファクトを様々な関係者に伝えていくという御支援もさせていただいております。
四ページに本日の内容を示させていただいています。
まず、気候変動の危機とその回避に求められることということをお話しした上で、脱炭素社会の実現に向けた論点と提言についてお話しさせていただきます。
五ページにはグラフを二つ付けてございます。
左側が、産業革命が始まって工業化が進んできたことによって、私たちがどれだけたくさんの化石燃料を燃やしCO2を出してきたのかという右肩上がりのグラフがございます。右側は、西暦一年からの、二〇〇〇年からの、気温の平均気温ですけれども、ちょうど同じ一八五〇年ぐらいからぐっと上がっていっている。まさに、この気候変動の問題は人間活動が原因で起こってきている、人災だということをはっきりこのグラフが伝えています。
しかし、次のページ見ていただきますと、このIPCCのデータは数年前のものでございまして、昨年、本当に世界中暑くて、最も暑い年を更にまた記録しましたけれども、世界気象機関の測定では一・四五度の上昇と、既に目標である一・五度に本当に近づきつつある、あるいはヨーロッパの研究機関では一・五度を超えたという報告を出しているところもあります。
こうした事態に対して、国連の事務総長、アントニオ・グテーレスさんは、一昨年のCOP、国連の交渉会議で、我々は気候地獄に向かう高速道路でアクセルを踏み続けていると、非常に強い言葉で、各国の取組がまだまだ不十分であり、この問題に真剣に向き合うようにということを訴えておられます。
七ページにグラフがございます。
既にお話もありましたけれども、このままでは二・五から二・九度という、グラフでいうと③番の辺りに気温上昇が更に進んでいく状況です。気温が上がれば上がるほど極端な高温や大雨といった事態に見舞われます。既に私たち、たくさんの災害を見てきています。森林火災、豪雨、日本でも熱波、そして、例えばヒマラヤの氷河なども解け出しているわけですけれども、この氷河が解け出すとどうなるのか。メコン川、インダス川、ガンジス川、黄河、そうした水源であります。世界の三分の一の食料生産を賄うような水源が、この氷が解けることによって失われる。こうしたことは、世界に、そして私たちにどんな大きな影響を受けるのか、少し考えただけでも大変深刻な事態であることがお分かりいただけると思います。
次のページは、これが日本に迫る危機です。
私たちは、この三十年ぐらい、気候変動問題、日本でも政府で取組を進めてきていますけれども、この気候変動におけるリスクに対しての認識は、やや緩慢過ぎたのではないかというふうに思っております。既に、食料、農業、漁業には大きな影響が出ています。米、ミカン、昆布、ノリ、ワカメ、そしてウニ、カニ、サンマ、いろんなところで既にこの地球の温暖化、海水温の上昇の影響が出ていて、それぞれの産業に影響が出ています。災害も甚大になってきており、この先もっと甚大になれば、それに伴う経済被害、そして生活再建への費用ということは甚大になってきます。そして、日本はたくさんの国々の資源と製品等に支えられていますので、ほかの国々の影響が我々の国々への影響、サプライチェーンでつながっておりますので、価格の高騰、資源の枯渇というようなことに直面していきます。
そして、何より今生きている私たちが健康を害し命を奪われていくというような事態になっており、これが若い世代、さらに将来世代になるともっと失われた生態系は取り戻せないということで、そうした人たちの基本的な人権を剥奪するようなことに既に突き進みつつあります。
この写真はワサビでございます。ワサビは大変大きな打撃を受けていて、世界で愛されるおすしの大事な材料ですけれども、私たちの食文化も、そしてお祭り等の文化も失われつつあるというふうな事態にあります。
気候変動の話をするときには、コストの話、負担の話が多く議論されますけれども、失われていくことへのコスト、そして決して取り戻すことのできないものを喪失することにもきちんと目を向けることが大事だと考えています。
次に、回避に求められることです。九ページです。
まず、一・五度の上昇に何とか抑えるという努力を諦めないということです。もう超えてしまうかもしれないことと言われていますが、それが努力をやめていいことにはなりません。目指すところは二〇五〇年カーボンニュートラル、政府もきっちりこれを目標に定めていただいているところで、同じ方向に向かっていただいていると思っています。さらに、同時に重要なのは、二〇三〇年までにほぼ半分に世界中の排出をしなければならないという現実です。そのためのギャップが非常に大きいことは、秋元さんからのお話にもありました。ですから、二〇三〇年までにいかに迅速に大胆に削減ができるのかというのが私たちが立たされているチャレンジです。
国連開発計画の事務総長さんは、事務局長さんは、もはやできることを少しずつやっている時間は残念ながらないと、社会経済の根本的な改革が必要であるということであります。これはまさに、将来の危機に向けて政治がいかに向き合ってその意思を示すのかということに懸かっていると思います。
十ページを御覧ください。
こちらは、最大の原因である石炭、石油、ガスからの排出をこれまでどれだけ増やしてきたか、世界で、ということを表していますが、一・五度に整合させようとしたとき、どれだけのスピードでその排出を減らさなくてはいけないのかということが示されています。とても極端です。石炭に至っては、二〇三〇年という、あと六年ちょっと、七年弱で八割の排出を減らさなくてはならない。最大の排出原因だからです。中でも、石炭火力発電という、電気に使うことは最大の排出源であり、最も早く優先的に減らさなくてはいけないということは、さきのG7でも、日本が主催したG7でも、過去のG7でも合意されているところでございます。
次に日本です。十一ページを御覧ください。
ここまで、二〇二一年を除いて堅調に減らしてきたことはこの先のカーボンニュートラルの道筋として非常に重要なところになっていますが、二〇五〇年実質ゼロに向けて二〇三〇年に着実に削減を進めていくことは極めて重要です。四六%削減、五〇%の高みを目指すという目標は必ず達成していき、しかし、それだけでは足らないということでいうと、世界に模範を示すという意味でも、更なる削減を日本は目指して、今できることを考えていくことが経済大国としても非常に重要な役割であり、責任です。
同時に、十二ページ、世界に対しての日本の役割も大変大きいです。
たくさんの化石燃料を輸入している、もうほぼ一〇〇%輸入している国であり、それぞれの国々の化石燃料生産を、経済を支えている立場でもあります。同時に、途上国が化石燃料に基づいたインフラ開発をすることもこれまでは支援してまいりました。このグラフで見ると、化石燃料への国際的な公的支援は日本が一番多かったという、そんな時期もありまして、これから途上国への支援は化石燃料から脱炭素型にやはり支援を転換していくという役割も大変重要になってまいります。
十三ページには二つのランキングを示してございます。
右側は気候政策における各国の、主要六十か国ほどのランキングですけれども、日本の気候政策はいつも赤点ラインです。左側は石炭火力から脱却するというランキング、先進国とOECD諸国のランキングですけれども、日本はほぼほぼいつも最下位なんです。これは国際的な団体の評価なんですけれども、なぜなのか。つい最近まで、石炭火力はむしろ、石炭火力発電所が福島の事故の後、建設をし、新しく増やしてきた。しかし、G7の合意では、石炭火力は最大の問題だから全廃しようと日本も含めて合意しているわけですけれども、まだ全廃に踏み込めていない数少ない先進国であるからであります。どうしてまだ日本は変われないのか、私はそんな話を海外の人たちからよく聞いているところでもあります。
では、これを前提に、十四ページより脱炭素社会の実現に向けた論点をお話しします。
まず一点に、化石燃料から脱却するシステムチェンジへ勇気を持って取り組むということです。昨年のCOP28、ドバイで開かれた交渉の会議で化石燃料からの脱却に合意した、まさにこのシステムチェンジが必要だからです。
そして、化石燃料から脱却するというために非常に重要なのは、使うエネルギーを最大限に少なくするということです。高効率に、効率化を進めていくということです。そして、使うエネルギーは再生可能エネルギーにし、さらに、電気や熱という分野で電化をできる部分は電化をしていくという流れです。
つまり、この二つの丸にあるように、エネルギーを集約型でこれまで経済をつくってまいりましたが、分散型にしながら、これから世界、仕事、そして物の決め方、人々の価値観を変えていくという大きな社会の転換を、経済の転換を図っていくシステムチェンジ、これこそが私たちが目指していくべきことと考えています。
十五ページ。二点目に、だからこそ、既存インフラから脱炭素型のインフラの転換が必要になってまいります。これまでのインフラは、なぜなら化石燃料をたくさん使う前提で作り上げられてきたからです。
右のIPCCのグラフでは、特に電力、そしてそれ以外のセクターも含めて、今あるインフラを使い続けるだけで一・五度を超えてしまうほどの二酸化炭素を出してしまうことを表しています。ここを急いで変えていくということが必要になります。
根本的な変革が必要な領域には、エネルギー、住宅・建築物、工場や公共施設も含めた脱炭素化、そして運輸、そして食のシステム、いずれも私たちの経済を支える重要な柱ですけれども、それを変えていくということが重要で、これは国レベルでも大事ですが、全ての地域において暮らしと仕事と結び付いて転換していくことが重要だと考えています。
次に十六ページ、三点目です。
排出量を半分にするって大変なチャレンジです。そのときに何を中心にまず見なければならないのか。大規模な排出はどこから出ているのか、その排出源をしっかりと削減に導いていくことです。
日本の場合、最大の排出源は、石炭火力そしてガス火力を合わせた火力発電です。次に運輸、ほとんどが車です。そして製造業、特に鉄そしてセメントといった分野です。こうした分野は私たちの経済を支えてきた大事なセクターですけれども、ここをいかにしなやかに、十分に、そして速やかに、痛みを伴わず、むしろ経済を育成しながら転換していくのかということが中核にならざるを得ません。
次に十七ページです。既に話題にもありましたが、水素とアンモニア等の利用についてです。
さきに政府が、水素社会推進法案とそれからCCS、二酸化炭素を地中に埋める技術に関しての事業を進めるための法案を閣議決定されて、今国会でこの法案が審議されると理解しております。
この水素、アンモニア等は、これからの脱炭素化に必要な技術であることについては疑いがありませんが、その作り方と使い方をしっかりと見極めて進めていかないと脱炭素化の足を引っ張ることにもなると考えております。
まず、作り方です。
左側に絵がありますが、現在の、そして目下の作り方は天然ガスや石炭からの化石燃料からの排出です、あっ、化石燃料から製造していますので、その過程で二酸化炭素を出します。運搬や採掘の過程ではメタンも出すので、そのままの水素を使うのであれば、そのまま天然ガスや石炭を使った方がCO2出ないというぐらい、CO2をたくさん出してしまいます。だからCCSで地中に埋めるんだという技術でありますが、これも全て捉えるのは大変まだまだ難しい、そして大変なコストを更に乗せることになるということであります。
一方、再生可能エネルギーからも作ることができる。これこそが唯一クリーンな、クリーンな水素であるということを水素の関係の化学者のグループははっきりと言っております。
しかし、現在、この法案の下では全ての水素を低炭素水素として一まとめにして推進しているところがあり、もしや、この天然ガス、石炭などの化石燃料にひも付いた水素をどんどん推進し、そこに投資を振り向ければ、この先、回収できないような負の資産をたくさん作ってしまうことにもなりかねない。CO2排出への要請はどんどん厳しくなるということでいうと、進めるべきはグリーンな水素であるということを明確にした上での法案であるべきだと考えています。
十八ページは使い方です。
マイケル・リーブライクさんが非常に分かりやすいはしごの図を描いております。上に行けば行くほど水素が絶対に必要な用途で、そこには、肥料や製鉄、水素、アンモニア等ですね、化学原料、それから大型の船や航空機などが必要です。そこの分野だけでも今の太陽光や風力の五倍に相当するような量の水素などが必要になるということですので、そこへの推進が重要になってくるわけですけど、下に行けば行くほど水素を使うことに競争力がない。なぜなら、再生可能エネルギーをそのまま電気として使う方がずっと簡単で安いからであります。その中には、モビリティーや発電と、それから産業、家庭、業務の低温のあるいは中温の熱供給、暖房や給湯といったところ、そんなところも含まれておりますが、この辺に水素を使っていくともう大変な量の水素が必要になる上に、とても高コストになってしまいます。
ですから、価格が高く扱いが難しいアンモニア、水素は本当に必要な用途に利用を絞って推進していくということが非常に重要になっていく。そこを交通整理がまだできていないままやみくもに進めているところは整理が必要だと考えています。
十九ページ、その上でつくるエネルギーは再生可能エネルギーということです。
一年ほど前に私たちは、アメリカのエネルギー省の下の国立研究所、ローレンス・バークリー研究所というところと共同して、二〇三五年に脱炭素化が電力部門でどれだけできるのかというシナリオ分析をお願いいたしました。
この国立研究所はエネルギー省の下でできた最初の研究所で、非常に権威のある、たくさんのノーベル賞の受賞者を輩出している研究所ですけれども、そこが、発電、蓄電、送電という設備投資を運用において、設備投資等の運用において最も費用便益の高い、安い方法で技術を選んでいった場合にどのようなシナリオになるかというところを描いていただいたところ、再生可能エネルギーを二〇三五年までに七〇から七七%ぐらいまで進めていくというシナリオが最も安いんだというシナリオを出していただきました。
また、時間ごと、それから四年間の年ごとの、本当にこれは安定供給できるのかということも綿密に調査していただいて、極端な気候の、天気の日でも停電は起こらないということも確認していただきました。石炭火力なく、そして天然ガスの新規の建設もなく、安定的な供給が安くできるというシナリオでございます。大変勇気付けられました。
このシナリオ、エネルギー基本計画に基づいて、二〇三〇年までに政府が取り組んだ後にどうするのかということで最も大きな役割を果たすのが洋上風力発電で、四十一ギガワット入っていくということ、これは政府の掲げている四〇年を十年前倒しするようなスケジュールなんですけれども、これを実現することができたら最も費用効果的に脱炭素ができるということでありました。何よりも、燃料コストが、石炭や石油という輸入しているコストが、四兆円といった、六兆円といったスケールで減らすことができるということが最大の要因であります。
それに照らして、二十ページですけれども、現在政府は、この火力を、再生可能エネルギーをどんどん進めていくということは片方でやりながら、火力発電にアンモニア、水素混焼という最も費用的には競争力のない分野にアンモニア、水素を投じようとしておられます。
化石燃料からということであるとほとんどCO2が減らないことは私どもも確認しており、二〇三〇年二〇%という目標は、この一・五度の目標に照らして石炭火力をゼロにしなきゃいけない、全廃にしなきゃいけないというスピード感にはまだまだ、まだまだというか全く足らないということで、ここへの投資が本当に妥当なのか、費用便益的に効果的なのかということは再考が必要だと。海外の経済的な分析を行っている研究機関は、これは過去への投資ではないか、未来への投資ではないのではないかという疑問を投げかけております。
二十一ページは住宅・建築物のゼロエミッションです。ここは省エネに当たる部分ですけど、非常に対策が遅れているために、非常にポテンシャルが大きいところです。
日本の家は本当に寒くて暑い、そして熱がどんどん逃げていく。昨年、建築物省エネ法の改正案を通していただきまして省エネ基準が一歩進みましたが、それでもこのピラミッドの真ん中辺りの基準で、世界はこの上の六、等級六、七辺りを義務化していくところの既に流れになっており、もう一段速い、そして高い断熱を進めていくことによって、家庭では健康的に、ヒートショックもなく、そしてCO2を大きく減らす道ができると、ここは是非進めていただきたいところです。
以上を踏まえて、提言を申し上げます。
一つは、国の目標と政策を一・五度目標と整合させること。
今年からエネルギー基本計画の改定が始まると聞いております。そして、国連の下で二〇三五年、四〇年の目標を設定するということになっておりますので、日本が、高い意欲的な目標を掲げて、そこに向かって取り組んでいる意欲を世界に示し、そして日本の中を経済的に、そして脱炭素化を進めていくリードを図っていただきたい。そのためには、NDCの議論はほとんどエネルギー問題でもありますので、エネルギーの検討の議論と同様に進めていただき、かつそれをまたGXの戦略にはね返していただきたいと思っています。
二十三ページはその目標です。私たちのおよその目安としては、二〇三五年七〇%削減、二〇四〇年に四〇%削減、ほぼ再エネ一〇〇%を目指したらいいんじゃないかということをバークレーのシナリオを基に提言しております。
二十四ページは細かく説明しませんが、既にエネルギー基本計画にございます再生可能エネルギーの主力電源化、そして最優先の原則に基づいて、その実現を大いに図る制度強化を丁寧に、細やかに進めていただきたいということです。
既に太陽光の出力抑制も行われていますけれども、これをいかに抑制することなく上手に使うことができるのか。コストの、市場メカニズムで、そして優先的に再エネを使う方法で、私たちは上手にもっと再生可能エネルギーを使うことができると思っています。そして、洋上風力を速やかに進めるためのセントラル方式、そして高い浮体式の導入目標を掲げて、予定されていると思いますが、掲げて、市場にこれからは風力発電の産業を育てるんだという明快なシグナルを示していただきたいと思っております。
二十五ページは参考までに、セクターカップリングです。
最近、おひさまエコキュートといった、お昼にお湯を沸かすというような技術もようやく進んで、広がり始めていると聞いています。お湯にためる、電気自動車にためる、様々な方法で上手に太陽光発電を吸収していくような方法ということはまだまだ手着かずで、できることです。
提言の三つ目は、住宅・建築物、今申し上げました断熱強化をしっかり高めていただきたい。さらに、新しく建てる建物には再生可能エネルギーをしっかり載せていただきたいと思います。
四点目は、そういうことで、脱炭素の技術には改めて選定が必要ではないかと考えております。
グリーンな水素をしっかり進めていくこと、そして洋上風力を中心にどんどん普及していくための送電網の強化、そして洋上風力関係の様々なOアンドMを含めた技術、港の整備等です。それ以外は、むしろ革新的な技術開発というよりも今ある技術を最大限に広げていくような支援、そして、産業が変わっていきますので、変わっていく、特に化石燃料への依存の高い産業に依存しているような地域に対する人々への雇用への支援、そこに雇用をつくっていくような支援ということも必要でありまして、GXについてはかなり総花的な支援がありますが、本当に重点を置くべきところはどこなのかということを、新たな目標と方向性を持って都度都度見直していただきたいというふうに思っております。そして、しっかりカーボンプライシングを掛けて、市場全体に脱炭素化を進めていくというシグナルを発信していただきたいと思います。
最後のポイントは、化石燃料からの脱却が目指すべきところですので、その資源開発を、水素、アンモニアという名の下で、今でもむしろガス開発を進めているようなところが日本はございますけれども、むしろそこから脱却していく道をいかに進められるのかということにぐっと力を入れていただきたい。そして、途上国の支援も同様に、脱炭素化に進める、再生可能エネルギーを進めるよう支援を大きく膨らませていただきたいと思っております。
以上が私からの話になります。
御清聴どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →この度は大変貴重な機会をいただき、ありがとうございます。
私もお手元の資料で御説明させていただきます。
私自身が気候変動問題に関わり始めて二十五年以上たつんですけれども、多くの時間は、環境団体、気候ネットワークというところで、いかにこの気候変動への取組を進めていけるのかということを考えてまいりました。そんな中で、これは経済の問題でもあり科学の問題でもあり、技術、貿易、そして企業活動、雇用、私たちの生活や健康の問題でありと非常に幅広い問題であって、まさにこれは政治の課題だなということを常々考えておりました。そのために一度学問の世界に戻りまして、それでまとめた本がこの「気候変動と政治」という本でありまして、まさに、ですから、今日はこのような調査会でこのテーマについてお話しできること、本当に光栄に思っております。
現在は、二年前に設立いたしましたクライメート・インテグレートという組織で、気候政策シンクタンクとして、いかにこの脱炭素を進めていけるのかという調査分析、それから、そのファクトを様々な関係者に伝えていくという御支援もさせていただいております。
四ページに本日の内容を示させていただいています。
まず、気候変動の危機とその回避に求められることということをお話しした上で、脱炭素社会の実現に向けた論点と提言についてお話しさせていただきます。
五ページにはグラフを二つ付けてございます。
左側が、産業革命が始まって工業化が進んできたことによって、私たちがどれだけたくさんの化石燃料を燃やしCO2を出してきたのかという右肩上がりのグラフがございます。右側は、西暦一年からの、二〇〇〇年からの、気温の平均気温ですけれども、ちょうど同じ一八五〇年ぐらいからぐっと上がっていっている。まさに、この気候変動の問題は人間活動が原因で起こってきている、人災だということをはっきりこのグラフが伝えています。
しかし、次のページ見ていただきますと、このIPCCのデータは数年前のものでございまして、昨年、本当に世界中暑くて、最も暑い年を更にまた記録しましたけれども、世界気象機関の測定では一・四五度の上昇と、既に目標である一・五度に本当に近づきつつある、あるいはヨーロッパの研究機関では一・五度を超えたという報告を出しているところもあります。
こうした事態に対して、国連の事務総長、アントニオ・グテーレスさんは、一昨年のCOP、国連の交渉会議で、我々は気候地獄に向かう高速道路でアクセルを踏み続けていると、非常に強い言葉で、各国の取組がまだまだ不十分であり、この問題に真剣に向き合うようにということを訴えておられます。
七ページにグラフがございます。
既にお話もありましたけれども、このままでは二・五から二・九度という、グラフでいうと③番の辺りに気温上昇が更に進んでいく状況です。気温が上がれば上がるほど極端な高温や大雨といった事態に見舞われます。既に私たち、たくさんの災害を見てきています。森林火災、豪雨、日本でも熱波、そして、例えばヒマラヤの氷河なども解け出しているわけですけれども、この氷河が解け出すとどうなるのか。メコン川、インダス川、ガンジス川、黄河、そうした水源であります。世界の三分の一の食料生産を賄うような水源が、この氷が解けることによって失われる。こうしたことは、世界に、そして私たちにどんな大きな影響を受けるのか、少し考えただけでも大変深刻な事態であることがお分かりいただけると思います。
次のページは、これが日本に迫る危機です。
私たちは、この三十年ぐらい、気候変動問題、日本でも政府で取組を進めてきていますけれども、この気候変動におけるリスクに対しての認識は、やや緩慢過ぎたのではないかというふうに思っております。既に、食料、農業、漁業には大きな影響が出ています。米、ミカン、昆布、ノリ、ワカメ、そしてウニ、カニ、サンマ、いろんなところで既にこの地球の温暖化、海水温の上昇の影響が出ていて、それぞれの産業に影響が出ています。災害も甚大になってきており、この先もっと甚大になれば、それに伴う経済被害、そして生活再建への費用ということは甚大になってきます。そして、日本はたくさんの国々の資源と製品等に支えられていますので、ほかの国々の影響が我々の国々への影響、サプライチェーンでつながっておりますので、価格の高騰、資源の枯渇というようなことに直面していきます。
そして、何より今生きている私たちが健康を害し命を奪われていくというような事態になっており、これが若い世代、さらに将来世代になるともっと失われた生態系は取り戻せないということで、そうした人たちの基本的な人権を剥奪するようなことに既に突き進みつつあります。
この写真はワサビでございます。ワサビは大変大きな打撃を受けていて、世界で愛されるおすしの大事な材料ですけれども、私たちの食文化も、そしてお祭り等の文化も失われつつあるというふうな事態にあります。
気候変動の話をするときには、コストの話、負担の話が多く議論されますけれども、失われていくことへのコスト、そして決して取り戻すことのできないものを喪失することにもきちんと目を向けることが大事だと考えています。
次に、回避に求められることです。九ページです。
まず、一・五度の上昇に何とか抑えるという努力を諦めないということです。もう超えてしまうかもしれないことと言われていますが、それが努力をやめていいことにはなりません。目指すところは二〇五〇年カーボンニュートラル、政府もきっちりこれを目標に定めていただいているところで、同じ方向に向かっていただいていると思っています。さらに、同時に重要なのは、二〇三〇年までにほぼ半分に世界中の排出をしなければならないという現実です。そのためのギャップが非常に大きいことは、秋元さんからのお話にもありました。ですから、二〇三〇年までにいかに迅速に大胆に削減ができるのかというのが私たちが立たされているチャレンジです。
国連開発計画の事務総長さんは、事務局長さんは、もはやできることを少しずつやっている時間は残念ながらないと、社会経済の根本的な改革が必要であるということであります。これはまさに、将来の危機に向けて政治がいかに向き合ってその意思を示すのかということに懸かっていると思います。
十ページを御覧ください。
こちらは、最大の原因である石炭、石油、ガスからの排出をこれまでどれだけ増やしてきたか、世界で、ということを表していますが、一・五度に整合させようとしたとき、どれだけのスピードでその排出を減らさなくてはいけないのかということが示されています。とても極端です。石炭に至っては、二〇三〇年という、あと六年ちょっと、七年弱で八割の排出を減らさなくてはならない。最大の排出原因だからです。中でも、石炭火力発電という、電気に使うことは最大の排出源であり、最も早く優先的に減らさなくてはいけないということは、さきのG7でも、日本が主催したG7でも、過去のG7でも合意されているところでございます。
次に日本です。十一ページを御覧ください。
ここまで、二〇二一年を除いて堅調に減らしてきたことはこの先のカーボンニュートラルの道筋として非常に重要なところになっていますが、二〇五〇年実質ゼロに向けて二〇三〇年に着実に削減を進めていくことは極めて重要です。四六%削減、五〇%の高みを目指すという目標は必ず達成していき、しかし、それだけでは足らないということでいうと、世界に模範を示すという意味でも、更なる削減を日本は目指して、今できることを考えていくことが経済大国としても非常に重要な役割であり、責任です。
同時に、十二ページ、世界に対しての日本の役割も大変大きいです。
たくさんの化石燃料を輸入している、もうほぼ一〇〇%輸入している国であり、それぞれの国々の化石燃料生産を、経済を支えている立場でもあります。同時に、途上国が化石燃料に基づいたインフラ開発をすることもこれまでは支援してまいりました。このグラフで見ると、化石燃料への国際的な公的支援は日本が一番多かったという、そんな時期もありまして、これから途上国への支援は化石燃料から脱炭素型にやはり支援を転換していくという役割も大変重要になってまいります。
十三ページには二つのランキングを示してございます。
右側は気候政策における各国の、主要六十か国ほどのランキングですけれども、日本の気候政策はいつも赤点ラインです。左側は石炭火力から脱却するというランキング、先進国とOECD諸国のランキングですけれども、日本はほぼほぼいつも最下位なんです。これは国際的な団体の評価なんですけれども、なぜなのか。つい最近まで、石炭火力はむしろ、石炭火力発電所が福島の事故の後、建設をし、新しく増やしてきた。しかし、G7の合意では、石炭火力は最大の問題だから全廃しようと日本も含めて合意しているわけですけれども、まだ全廃に踏み込めていない数少ない先進国であるからであります。どうしてまだ日本は変われないのか、私はそんな話を海外の人たちからよく聞いているところでもあります。
では、これを前提に、十四ページより脱炭素社会の実現に向けた論点をお話しします。
まず一点に、化石燃料から脱却するシステムチェンジへ勇気を持って取り組むということです。昨年のCOP28、ドバイで開かれた交渉の会議で化石燃料からの脱却に合意した、まさにこのシステムチェンジが必要だからです。
そして、化石燃料から脱却するというために非常に重要なのは、使うエネルギーを最大限に少なくするということです。高効率に、効率化を進めていくということです。そして、使うエネルギーは再生可能エネルギーにし、さらに、電気や熱という分野で電化をできる部分は電化をしていくという流れです。
つまり、この二つの丸にあるように、エネルギーを集約型でこれまで経済をつくってまいりましたが、分散型にしながら、これから世界、仕事、そして物の決め方、人々の価値観を変えていくという大きな社会の転換を、経済の転換を図っていくシステムチェンジ、これこそが私たちが目指していくべきことと考えています。
十五ページ。二点目に、だからこそ、既存インフラから脱炭素型のインフラの転換が必要になってまいります。これまでのインフラは、なぜなら化石燃料をたくさん使う前提で作り上げられてきたからです。
右のIPCCのグラフでは、特に電力、そしてそれ以外のセクターも含めて、今あるインフラを使い続けるだけで一・五度を超えてしまうほどの二酸化炭素を出してしまうことを表しています。ここを急いで変えていくということが必要になります。
根本的な変革が必要な領域には、エネルギー、住宅・建築物、工場や公共施設も含めた脱炭素化、そして運輸、そして食のシステム、いずれも私たちの経済を支える重要な柱ですけれども、それを変えていくということが重要で、これは国レベルでも大事ですが、全ての地域において暮らしと仕事と結び付いて転換していくことが重要だと考えています。
次に十六ページ、三点目です。
排出量を半分にするって大変なチャレンジです。そのときに何を中心にまず見なければならないのか。大規模な排出はどこから出ているのか、その排出源をしっかりと削減に導いていくことです。
日本の場合、最大の排出源は、石炭火力そしてガス火力を合わせた火力発電です。次に運輸、ほとんどが車です。そして製造業、特に鉄そしてセメントといった分野です。こうした分野は私たちの経済を支えてきた大事なセクターですけれども、ここをいかにしなやかに、十分に、そして速やかに、痛みを伴わず、むしろ経済を育成しながら転換していくのかということが中核にならざるを得ません。
次に十七ページです。既に話題にもありましたが、水素とアンモニア等の利用についてです。
さきに政府が、水素社会推進法案とそれからCCS、二酸化炭素を地中に埋める技術に関しての事業を進めるための法案を閣議決定されて、今国会でこの法案が審議されると理解しております。
この水素、アンモニア等は、これからの脱炭素化に必要な技術であることについては疑いがありませんが、その作り方と使い方をしっかりと見極めて進めていかないと脱炭素化の足を引っ張ることにもなると考えております。
まず、作り方です。
左側に絵がありますが、現在の、そして目下の作り方は天然ガスや石炭からの化石燃料からの排出です、あっ、化石燃料から製造していますので、その過程で二酸化炭素を出します。運搬や採掘の過程ではメタンも出すので、そのままの水素を使うのであれば、そのまま天然ガスや石炭を使った方がCO2出ないというぐらい、CO2をたくさん出してしまいます。だからCCSで地中に埋めるんだという技術でありますが、これも全て捉えるのは大変まだまだ難しい、そして大変なコストを更に乗せることになるということであります。
一方、再生可能エネルギーからも作ることができる。これこそが唯一クリーンな、クリーンな水素であるということを水素の関係の化学者のグループははっきりと言っております。
しかし、現在、この法案の下では全ての水素を低炭素水素として一まとめにして推進しているところがあり、もしや、この天然ガス、石炭などの化石燃料にひも付いた水素をどんどん推進し、そこに投資を振り向ければ、この先、回収できないような負の資産をたくさん作ってしまうことにもなりかねない。CO2排出への要請はどんどん厳しくなるということでいうと、進めるべきはグリーンな水素であるということを明確にした上での法案であるべきだと考えています。
十八ページは使い方です。
マイケル・リーブライクさんが非常に分かりやすいはしごの図を描いております。上に行けば行くほど水素が絶対に必要な用途で、そこには、肥料や製鉄、水素、アンモニア等ですね、化学原料、それから大型の船や航空機などが必要です。そこの分野だけでも今の太陽光や風力の五倍に相当するような量の水素などが必要になるということですので、そこへの推進が重要になってくるわけですけど、下に行けば行くほど水素を使うことに競争力がない。なぜなら、再生可能エネルギーをそのまま電気として使う方がずっと簡単で安いからであります。その中には、モビリティーや発電と、それから産業、家庭、業務の低温のあるいは中温の熱供給、暖房や給湯といったところ、そんなところも含まれておりますが、この辺に水素を使っていくともう大変な量の水素が必要になる上に、とても高コストになってしまいます。
ですから、価格が高く扱いが難しいアンモニア、水素は本当に必要な用途に利用を絞って推進していくということが非常に重要になっていく。そこを交通整理がまだできていないままやみくもに進めているところは整理が必要だと考えています。
十九ページ、その上でつくるエネルギーは再生可能エネルギーということです。
一年ほど前に私たちは、アメリカのエネルギー省の下の国立研究所、ローレンス・バークリー研究所というところと共同して、二〇三五年に脱炭素化が電力部門でどれだけできるのかというシナリオ分析をお願いいたしました。
この国立研究所はエネルギー省の下でできた最初の研究所で、非常に権威のある、たくさんのノーベル賞の受賞者を輩出している研究所ですけれども、そこが、発電、蓄電、送電という設備投資を運用において、設備投資等の運用において最も費用便益の高い、安い方法で技術を選んでいった場合にどのようなシナリオになるかというところを描いていただいたところ、再生可能エネルギーを二〇三五年までに七〇から七七%ぐらいまで進めていくというシナリオが最も安いんだというシナリオを出していただきました。
また、時間ごと、それから四年間の年ごとの、本当にこれは安定供給できるのかということも綿密に調査していただいて、極端な気候の、天気の日でも停電は起こらないということも確認していただきました。石炭火力なく、そして天然ガスの新規の建設もなく、安定的な供給が安くできるというシナリオでございます。大変勇気付けられました。
このシナリオ、エネルギー基本計画に基づいて、二〇三〇年までに政府が取り組んだ後にどうするのかということで最も大きな役割を果たすのが洋上風力発電で、四十一ギガワット入っていくということ、これは政府の掲げている四〇年を十年前倒しするようなスケジュールなんですけれども、これを実現することができたら最も費用効果的に脱炭素ができるということでありました。何よりも、燃料コストが、石炭や石油という輸入しているコストが、四兆円といった、六兆円といったスケールで減らすことができるということが最大の要因であります。
それに照らして、二十ページですけれども、現在政府は、この火力を、再生可能エネルギーをどんどん進めていくということは片方でやりながら、火力発電にアンモニア、水素混焼という最も費用的には競争力のない分野にアンモニア、水素を投じようとしておられます。
化石燃料からということであるとほとんどCO2が減らないことは私どもも確認しており、二〇三〇年二〇%という目標は、この一・五度の目標に照らして石炭火力をゼロにしなきゃいけない、全廃にしなきゃいけないというスピード感にはまだまだ、まだまだというか全く足らないということで、ここへの投資が本当に妥当なのか、費用便益的に効果的なのかということは再考が必要だと。海外の経済的な分析を行っている研究機関は、これは過去への投資ではないか、未来への投資ではないのではないかという疑問を投げかけております。
二十一ページは住宅・建築物のゼロエミッションです。ここは省エネに当たる部分ですけど、非常に対策が遅れているために、非常にポテンシャルが大きいところです。
日本の家は本当に寒くて暑い、そして熱がどんどん逃げていく。昨年、建築物省エネ法の改正案を通していただきまして省エネ基準が一歩進みましたが、それでもこのピラミッドの真ん中辺りの基準で、世界はこの上の六、等級六、七辺りを義務化していくところの既に流れになっており、もう一段速い、そして高い断熱を進めていくことによって、家庭では健康的に、ヒートショックもなく、そしてCO2を大きく減らす道ができると、ここは是非進めていただきたいところです。
以上を踏まえて、提言を申し上げます。
一つは、国の目標と政策を一・五度目標と整合させること。
今年からエネルギー基本計画の改定が始まると聞いております。そして、国連の下で二〇三五年、四〇年の目標を設定するということになっておりますので、日本が、高い意欲的な目標を掲げて、そこに向かって取り組んでいる意欲を世界に示し、そして日本の中を経済的に、そして脱炭素化を進めていくリードを図っていただきたい。そのためには、NDCの議論はほとんどエネルギー問題でもありますので、エネルギーの検討の議論と同様に進めていただき、かつそれをまたGXの戦略にはね返していただきたいと思っています。
二十三ページはその目標です。私たちのおよその目安としては、二〇三五年七〇%削減、二〇四〇年に四〇%削減、ほぼ再エネ一〇〇%を目指したらいいんじゃないかということをバークレーのシナリオを基に提言しております。
二十四ページは細かく説明しませんが、既にエネルギー基本計画にございます再生可能エネルギーの主力電源化、そして最優先の原則に基づいて、その実現を大いに図る制度強化を丁寧に、細やかに進めていただきたいということです。
既に太陽光の出力抑制も行われていますけれども、これをいかに抑制することなく上手に使うことができるのか。コストの、市場メカニズムで、そして優先的に再エネを使う方法で、私たちは上手にもっと再生可能エネルギーを使うことができると思っています。そして、洋上風力を速やかに進めるためのセントラル方式、そして高い浮体式の導入目標を掲げて、予定されていると思いますが、掲げて、市場にこれからは風力発電の産業を育てるんだという明快なシグナルを示していただきたいと思っております。
二十五ページは参考までに、セクターカップリングです。
最近、おひさまエコキュートといった、お昼にお湯を沸かすというような技術もようやく進んで、広がり始めていると聞いています。お湯にためる、電気自動車にためる、様々な方法で上手に太陽光発電を吸収していくような方法ということはまだまだ手着かずで、できることです。
提言の三つ目は、住宅・建築物、今申し上げました断熱強化をしっかり高めていただきたい。さらに、新しく建てる建物には再生可能エネルギーをしっかり載せていただきたいと思います。
四点目は、そういうことで、脱炭素の技術には改めて選定が必要ではないかと考えております。
グリーンな水素をしっかり進めていくこと、そして洋上風力を中心にどんどん普及していくための送電網の強化、そして洋上風力関係の様々なOアンドMを含めた技術、港の整備等です。それ以外は、むしろ革新的な技術開発というよりも今ある技術を最大限に広げていくような支援、そして、産業が変わっていきますので、変わっていく、特に化石燃料への依存の高い産業に依存しているような地域に対する人々への雇用への支援、そこに雇用をつくっていくような支援ということも必要でありまして、GXについてはかなり総花的な支援がありますが、本当に重点を置くべきところはどこなのかということを、新たな目標と方向性を持って都度都度見直していただきたいというふうに思っております。そして、しっかりカーボンプライシングを掛けて、市場全体に脱炭素化を進めていくというシグナルを発信していただきたいと思います。
最後のポイントは、化石燃料からの脱却が目指すべきところですので、その資源開発を、水素、アンモニアという名の下で、今でもむしろガス開発を進めているようなところが日本はございますけれども、むしろそこから脱却していく道をいかに進められるのかということにぐっと力を入れていただきたい。そして、途上国の支援も同様に、脱炭素化に進める、再生可能エネルギーを進めるよう支援を大きく膨らませていただきたいと思っております。
以上が私からの話になります。
御清聴どうもありがとうございました。
宮
宮沢洋一#8
○会長(宮沢洋一君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
また、質疑者には、参考人が答弁しやすいように質疑の冒頭に答弁者を明示していただくとともに、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるように御協力をお願いいたします。
それでは、質疑のある方は挙手をお願いします。
藤井一博君。
この発言だけを見る →以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
また、質疑者には、参考人が答弁しやすいように質疑の冒頭に答弁者を明示していただくとともに、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるように御協力をお願いいたします。
それでは、質疑のある方は挙手をお願いします。
藤井一博君。
藤
藤井一博#9
○藤井一博君 自由民主党の藤井一博です。
本日は、三人の参考人の皆様方、大変貴重なお話をいただき、ありがとうございました。
二〇五〇年のカーボンニュートラルに向けて国がしないといけないことに大変多くの示唆をいただいたと思っております。本当にありがとうございます。
それでは、質問に入らせていただきます。
まず、秋元参考人にお伺いをいたします。
大変、冒頭、強い、本当にメッセージというか、理想と現実のギャップという言葉で示していただきました。世界全体のCO2排出量は減っていない、これだけの取組をしても減っていないという現実、また、国ごとのCO2の生産ベース、消費ベースを見ると、やはり、ただカーボンリーケージが起こってしまっているだけだというような現実も示していただきました。大変厳しい現実を見たような気がいたします。
これから本当にカーボンニュートラルを目指していくときに、今の各国ごとのカーボンニュートラルを目指すというところではかなり限界があるのかなというのはお話を聞いて思いまして、やはりエリアで、その国の持っている利点だったり欠点だったり特徴というものを合わせて総合的にしっかりとカーボンニュートラルを図っていくということが必要なのかなと思いました。
その点でお伺いしたいのは、この日本という国が持っている技術力であったり産業構造であったり、そういったものを踏まえてこれから、やはり先生がおっしゃいました海外のグリーン水素の利用だったり、また海外でのBECCS、DACCSによるCDR等々あると思いますけれども、二〇五〇年を見据えて、どのような国だったりエリアと協調関係を取っていくことが一応シナリオというかイメージとしてあるのかというのを、もしあれば教えていただければと思います。
この発言だけを見る →本日は、三人の参考人の皆様方、大変貴重なお話をいただき、ありがとうございました。
二〇五〇年のカーボンニュートラルに向けて国がしないといけないことに大変多くの示唆をいただいたと思っております。本当にありがとうございます。
それでは、質問に入らせていただきます。
まず、秋元参考人にお伺いをいたします。
大変、冒頭、強い、本当にメッセージというか、理想と現実のギャップという言葉で示していただきました。世界全体のCO2排出量は減っていない、これだけの取組をしても減っていないという現実、また、国ごとのCO2の生産ベース、消費ベースを見ると、やはり、ただカーボンリーケージが起こってしまっているだけだというような現実も示していただきました。大変厳しい現実を見たような気がいたします。
これから本当にカーボンニュートラルを目指していくときに、今の各国ごとのカーボンニュートラルを目指すというところではかなり限界があるのかなというのはお話を聞いて思いまして、やはりエリアで、その国の持っている利点だったり欠点だったり特徴というものを合わせて総合的にしっかりとカーボンニュートラルを図っていくということが必要なのかなと思いました。
その点でお伺いしたいのは、この日本という国が持っている技術力であったり産業構造であったり、そういったものを踏まえてこれから、やはり先生がおっしゃいました海外のグリーン水素の利用だったり、また海外でのBECCS、DACCSによるCDR等々あると思いますけれども、二〇五〇年を見据えて、どのような国だったりエリアと協調関係を取っていくことが一応シナリオというかイメージとしてあるのかというのを、もしあれば教えていただければと思います。
秋
秋元圭吾#10
○参考人(秋元圭吾君) 御質問ありがとうございます。
どこのエリアと連携していけばいいのかという御質問かと思いますが、やはり、それぞれエネルギー種等によって強みのある国とかそういうものは違っているんだろうと思います。ただ、産業構造という部分でいきますと、御承知のように、やはりアジア地域というのは引き続き物づくりが非常に強いと。日本も先進国の中では相対的に物づくりが強い国で維持しているわけでございますので、そういった技術力、そしてまた産業構造というところを考えますと、基本はやはりアジア、東南アジア等を中心に連携をしていくということが基本になってくるというふうに考えています。
他方、更にもう少し、少し中東のお話もありましたけど、やはり中東では再エネのポテンシャルも大きいですし、CCSのポテンシャルも大きいということもありますので、引き続き、石油、ガスでは中東に頼っていたわけでございますが、新しい世界の中でも、別の形で中東との連携ということは非常に重要だというふうに考えています。
あと、さらにということを申し上げますと、リスクが小さいという部分では、米国との連携というのは、米国は、非常に羨ましいことにエネルギー資源ももうたくさんあって、天然ガスもありますし、石油もありますし、風力のポテンシャルも非常にあると。そういった風力のポテンシャル等を活用するという部分でも米国は比較的リスクの小さい国なので、エネルギー面での連携もそこは重要かなというふうに思います。ただ、基本的にはやっぱりアジア諸国との連携というのは大変重要だというふうに思います。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →どこのエリアと連携していけばいいのかという御質問かと思いますが、やはり、それぞれエネルギー種等によって強みのある国とかそういうものは違っているんだろうと思います。ただ、産業構造という部分でいきますと、御承知のように、やはりアジア地域というのは引き続き物づくりが非常に強いと。日本も先進国の中では相対的に物づくりが強い国で維持しているわけでございますので、そういった技術力、そしてまた産業構造というところを考えますと、基本はやはりアジア、東南アジア等を中心に連携をしていくということが基本になってくるというふうに考えています。
他方、更にもう少し、少し中東のお話もありましたけど、やはり中東では再エネのポテンシャルも大きいですし、CCSのポテンシャルも大きいということもありますので、引き続き、石油、ガスでは中東に頼っていたわけでございますが、新しい世界の中でも、別の形で中東との連携ということは非常に重要だというふうに考えています。
あと、さらにということを申し上げますと、リスクが小さいという部分では、米国との連携というのは、米国は、非常に羨ましいことにエネルギー資源ももうたくさんあって、天然ガスもありますし、石油もありますし、風力のポテンシャルも非常にあると。そういった風力のポテンシャル等を活用するという部分でも米国は比較的リスクの小さい国なので、エネルギー面での連携もそこは重要かなというふうに思います。ただ、基本的にはやっぱりアジア諸国との連携というのは大変重要だというふうに思います。
ありがとうございます。
藤
藤井一博#11
○藤井一博君 ありがとうございました。
先生のおっしゃるように、本当にこの資源のない日本だからこそ、世界の全体最適を考えた日本モデルの提唱というのが本当に求められているんだなということが本当によく分かりました。ありがとうございました。
続きまして、渡邊参考人にお伺いをいたします。
まさにこのハーバー・ボッシュ法を超えていくという、エレクトライド触媒技術による小型のアンモニアの生産モデルというのは本当に画期的な将来性のある技術で、すばらしい仕事をされているんだなというのが大変よく分かりました。特にラオスでの取組ですけれども、こういった水力発電で、洋上電力を使ったアンモニアの生成によって本当に食料生産も上がっていくし、世界全体で見れば脱炭素にも貢献するという意味で、本当にこれを進めていかないといけないんだろうなというのをよく思いました。
先ほどおっしゃいました、ブラジルからもタイからも、またウクライナからもいろいろな声が掛かるという中で、今後の海外進出の展望と、また海外進出の際のリスクというものがもしありましたら教えていただければと思います。
この発言だけを見る →先生のおっしゃるように、本当にこの資源のない日本だからこそ、世界の全体最適を考えた日本モデルの提唱というのが本当に求められているんだなということが本当によく分かりました。ありがとうございました。
続きまして、渡邊参考人にお伺いをいたします。
まさにこのハーバー・ボッシュ法を超えていくという、エレクトライド触媒技術による小型のアンモニアの生産モデルというのは本当に画期的な将来性のある技術で、すばらしい仕事をされているんだなというのが大変よく分かりました。特にラオスでの取組ですけれども、こういった水力発電で、洋上電力を使ったアンモニアの生成によって本当に食料生産も上がっていくし、世界全体で見れば脱炭素にも貢献するという意味で、本当にこれを進めていかないといけないんだろうなというのをよく思いました。
先ほどおっしゃいました、ブラジルからもタイからも、またウクライナからもいろいろな声が掛かるという中で、今後の海外進出の展望と、また海外進出の際のリスクというものがもしありましたら教えていただければと思います。
渡
渡邊昌宏#12
○参考人(渡邊昌宏君) 御質問ありがとうございます。
ラオスの件も御紹介させていただきました。今、秋元先生のお話もあったように、東南アジアどうなんだというのがまず一点あろうかと思います。
実は、私の前職のときにミャンマーで銅精錬のプロジェクトがございまして、非常に立派にできたんですが、政権が大きく転覆しちゃいました。それからカンボジア、これもやはり非常に難しい状況に今あると。そういうようなことを含めて、東南アジアの政権の安定さというものを何をもって図っていくかということがとても重要だと思います。ラオスも基本的には中国寄りです。やはり、中国が一帯一路で鉄道を敷設しまして、実は昨年開通いたしました。そういう意味からすると、どういうような形で東南アジアにおける中国との関係を我々ウオッチするかといったところが重要だと思います。
そういう意味からすると、今後の展開において、まあラオスは続けるとしても、やはり南米、南米のやはり政局の安定しているところ、チリとブラジル、それから多分パラグアイ、この辺りが非常に風力発電が得意な場所でございます。それから、太陽光にしても非常に広大な土地があるというようなことで、サプライチェーンをできるだけカットした形で現地生産をするとかなりのメリットが出てくると思います。
一方で、再生可能エネルギー、非常にお安うございます。大体キロワットアワーで、ドルでいうと三セントぐらい、今、日本で大体十三円とか十四円、再生可能エネルギー十七円、二十円、こういう状況なんですが、やっぱり、三円、四円というようなやっぱり安さがあるものですから非常に効率的な安い製品ができると。
それから、やはり中東。中東は、太陽光、非常に安定的に電力ができるということで、中東、この辺をやっていきたいというふうに思っています。
ただ、日本だけが燃料アンモニアというのに非常に力を入れております。ところが、ヨーロッパも米国も、燃料としてのアンモニアは余り考えていません。ほとんどが水素キャリアとして使われていると。そういう意味からすると、水素キャリアとしてのアンモニアの活用ということになりますと、一つ技術が必要なのがアンモニアのクラッキングという、水素と窒素を今度分解させると。私どもの触媒は水素と窒素をくっつけるという合成、これを主体としてやってきたんですが、今度、できたアンモニアを今度水素に、水素と窒素に分けると、この分解の技術が必要になってきます。先ほど申し上げました大量のアンモニア製造できるような触媒を開発すると同時に、今アンモニアのクラッキング触媒、これも開発を始めました。これ、東工大と一緒に今開発している最中です。
そういう意味で、これを持っていけば、ヨーロッパ、アメリカでも受け入れられる十分な素養ができるだろうというふうに思っています。
この発言だけを見る →ラオスの件も御紹介させていただきました。今、秋元先生のお話もあったように、東南アジアどうなんだというのがまず一点あろうかと思います。
実は、私の前職のときにミャンマーで銅精錬のプロジェクトがございまして、非常に立派にできたんですが、政権が大きく転覆しちゃいました。それからカンボジア、これもやはり非常に難しい状況に今あると。そういうようなことを含めて、東南アジアの政権の安定さというものを何をもって図っていくかということがとても重要だと思います。ラオスも基本的には中国寄りです。やはり、中国が一帯一路で鉄道を敷設しまして、実は昨年開通いたしました。そういう意味からすると、どういうような形で東南アジアにおける中国との関係を我々ウオッチするかといったところが重要だと思います。
そういう意味からすると、今後の展開において、まあラオスは続けるとしても、やはり南米、南米のやはり政局の安定しているところ、チリとブラジル、それから多分パラグアイ、この辺りが非常に風力発電が得意な場所でございます。それから、太陽光にしても非常に広大な土地があるというようなことで、サプライチェーンをできるだけカットした形で現地生産をするとかなりのメリットが出てくると思います。
一方で、再生可能エネルギー、非常にお安うございます。大体キロワットアワーで、ドルでいうと三セントぐらい、今、日本で大体十三円とか十四円、再生可能エネルギー十七円、二十円、こういう状況なんですが、やっぱり、三円、四円というようなやっぱり安さがあるものですから非常に効率的な安い製品ができると。
それから、やはり中東。中東は、太陽光、非常に安定的に電力ができるということで、中東、この辺をやっていきたいというふうに思っています。
ただ、日本だけが燃料アンモニアというのに非常に力を入れております。ところが、ヨーロッパも米国も、燃料としてのアンモニアは余り考えていません。ほとんどが水素キャリアとして使われていると。そういう意味からすると、水素キャリアとしてのアンモニアの活用ということになりますと、一つ技術が必要なのがアンモニアのクラッキングという、水素と窒素を今度分解させると。私どもの触媒は水素と窒素をくっつけるという合成、これを主体としてやってきたんですが、今度、できたアンモニアを今度水素に、水素と窒素に分けると、この分解の技術が必要になってきます。先ほど申し上げました大量のアンモニア製造できるような触媒を開発すると同時に、今アンモニアのクラッキング触媒、これも開発を始めました。これ、東工大と一緒に今開発している最中です。
そういう意味で、これを持っていけば、ヨーロッパ、アメリカでも受け入れられる十分な素養ができるだろうというふうに思っています。
藤
藤井一博#13
○藤井一博君 ありがとうございました。
詳細な例示もいただいて、本当によく分かりました。ビジネスを国と国で行う、またいで行う場合のそういったビジネスを安全に行うための国の役割というのもあるんだなとよく分かりました。ありがとうございました。
平田参考人にお伺いいたします。
これから、カーボンニュートラル、一・五度未満、なかなか遠い目標になっているというお話もありまして、大変厳しい現実、見させていただきました。
再エネを利用するというのは非常に大事だと思うんですけれども、今議論になっているのが、やはり、再エネの原料が一国のやはりシェアが大きくなってしまっているところの、その安全保障というところが大きな議論、例えば太陽光パネルであったり風力発電、中国がシェアを大きく握っているところありますけれども、そういった安全保障という面で一国依存というところをどう考えていらっしゃるのか、お伺いできたらと思います。
この発言だけを見る →詳細な例示もいただいて、本当によく分かりました。ビジネスを国と国で行う、またいで行う場合のそういったビジネスを安全に行うための国の役割というのもあるんだなとよく分かりました。ありがとうございました。
平田参考人にお伺いいたします。
これから、カーボンニュートラル、一・五度未満、なかなか遠い目標になっているというお話もありまして、大変厳しい現実、見させていただきました。
再エネを利用するというのは非常に大事だと思うんですけれども、今議論になっているのが、やはり、再エネの原料が一国のやはりシェアが大きくなってしまっているところの、その安全保障というところが大きな議論、例えば太陽光パネルであったり風力発電、中国がシェアを大きく握っているところありますけれども、そういった安全保障という面で一国依存というところをどう考えていらっしゃるのか、お伺いできたらと思います。
平
平田仁子#14
○参考人(平田仁子君) 御質問ありがとうございます。
おっしゃるとおりで、中国がその生産、そして実際にその利用も含めて急速に再生可能エネルギーが進み、また世界のサプライチェーンを占有するような状況になっております。
一方で、この問題は日本だけの問題ではなくて、再生可能エネルギーを進める多くの、全ての国々にとっての安全保障問題でありますので、既に様々な努力が始められているというふうに理解しております。
一つは、二〇三〇年ぐらいになったら、これからはリサイクルに入ってくる時代になっていますので、そのリサイクルを使うということ。そして、国産のエネルギーを使うこと。それから、クリティカルミネラルという重要鉱物も再生可能エネルギーには必要になってきますけれども、これもやはり独占しているような状況もありますが、これはむしろ、エネルギー消費を大きく減らしていくというような省エネをすること。日本は鉱物資源の都市鉱山だと言われたりもしていますので、日本のリサイクルを使うというようなこと。そうしたことの努力を進めるということと同時に、やはりクリティカルミネラルではもう既に政府がたくさん取組もなさっていると思いますが、アメリカやヨーロッパといったこのサプライチェーンをどうするかという問題についての国際的なパートナーシップ、協力をしっかりし、より安全保障をしっかりしていくということを、これをアジェンダとして進めていくということが極めて重要になっていくと思います。
現在、中国に大きく依存しているということが再生可能エネルギーを進めることを止めていいという理由には全くならないというふうに思っております。
この再生可能エネルギーにもやはり天然資源が必要ですけれども、その必要な量とそれから環境へのインパクトは、今私たちが石油や石炭、ガスを使っているものと比べると、もう圧倒的に再生可能エネルギーの方がクリーンであることには間違いないので、まさに今まで日本が資源を輸入していくことによって抱えてきた安全保障の問題をこれからは再生可能エネルギーでしっかりクリアしていくという、そのためのルールメーキングとパートナーシップが非常に重要になっていくと思います。そして、これは国際社会との連携で解決していくべきことであり、解決していくことができる部分でもあろうというふうに思っております。
この発言だけを見る →おっしゃるとおりで、中国がその生産、そして実際にその利用も含めて急速に再生可能エネルギーが進み、また世界のサプライチェーンを占有するような状況になっております。
一方で、この問題は日本だけの問題ではなくて、再生可能エネルギーを進める多くの、全ての国々にとっての安全保障問題でありますので、既に様々な努力が始められているというふうに理解しております。
一つは、二〇三〇年ぐらいになったら、これからはリサイクルに入ってくる時代になっていますので、そのリサイクルを使うということ。そして、国産のエネルギーを使うこと。それから、クリティカルミネラルという重要鉱物も再生可能エネルギーには必要になってきますけれども、これもやはり独占しているような状況もありますが、これはむしろ、エネルギー消費を大きく減らしていくというような省エネをすること。日本は鉱物資源の都市鉱山だと言われたりもしていますので、日本のリサイクルを使うというようなこと。そうしたことの努力を進めるということと同時に、やはりクリティカルミネラルではもう既に政府がたくさん取組もなさっていると思いますが、アメリカやヨーロッパといったこのサプライチェーンをどうするかという問題についての国際的なパートナーシップ、協力をしっかりし、より安全保障をしっかりしていくということを、これをアジェンダとして進めていくということが極めて重要になっていくと思います。
現在、中国に大きく依存しているということが再生可能エネルギーを進めることを止めていいという理由には全くならないというふうに思っております。
この再生可能エネルギーにもやはり天然資源が必要ですけれども、その必要な量とそれから環境へのインパクトは、今私たちが石油や石炭、ガスを使っているものと比べると、もう圧倒的に再生可能エネルギーの方がクリーンであることには間違いないので、まさに今まで日本が資源を輸入していくことによって抱えてきた安全保障の問題をこれからは再生可能エネルギーでしっかりクリアしていくという、そのためのルールメーキングとパートナーシップが非常に重要になっていくと思います。そして、これは国際社会との連携で解決していくべきことであり、解決していくことができる部分でもあろうというふうに思っております。
藤
宮
青
青木愛#17
○青木愛君 立憲民主党の青木愛と申します。
本日は、三名の参考人の先生方、本当に貴重なそれぞれのお立場からの専門的なお話を拝聴させていただきまして、ありがとうございました。
今日のお話、また資料は今後の活動に是非参考にさせていただきたいと思っております。ありがとうございます。
それでは、秋元参考人からお尋ねをさせていただきたいと思います。
今日のお話の中では特に触れられていなかったかもしれませんけれども、カーボンニュートラル達成に向けて、CO2の排出量削減とともにCO2の回収というものも一方で大切な視点かと思います。
秋元先生の御本を読まさせていただきますと、CO2の回収だけではなくて、さらにそのCO2を利用してメタンを作ると、合成メタンを利用促進していくことが大事な視点だというお話がございます。
このメタネーション技術、これは今後社会でどのように役に立っていくのか、社会実装に向けて残る課題は何なのか、その辺をお聞かせいただければ有り難く思います。
この発言だけを見る →本日は、三名の参考人の先生方、本当に貴重なそれぞれのお立場からの専門的なお話を拝聴させていただきまして、ありがとうございました。
今日のお話、また資料は今後の活動に是非参考にさせていただきたいと思っております。ありがとうございます。
それでは、秋元参考人からお尋ねをさせていただきたいと思います。
今日のお話の中では特に触れられていなかったかもしれませんけれども、カーボンニュートラル達成に向けて、CO2の排出量削減とともにCO2の回収というものも一方で大切な視点かと思います。
秋元先生の御本を読まさせていただきますと、CO2の回収だけではなくて、さらにそのCO2を利用してメタンを作ると、合成メタンを利用促進していくことが大事な視点だというお話がございます。
このメタネーション技術、これは今後社会でどのように役に立っていくのか、社会実装に向けて残る課題は何なのか、その辺をお聞かせいただければ有り難く思います。
秋
秋元圭吾#18
○参考人(秋元圭吾君) 御質問いただきまして、ありがとうございます。
おっしゃっていただいたその合成メタン、メタネーションについては、今日の資料ではどちらかというとEメタンという書き方をしていましたので、まあEメタンの方が日本では最近通りが良いのでそういう形で記載していますが、非常に重要だというふうに考えています。
これは、CCU、CO2の利用という部分もございますが、ただエネルギーは水素でございますので、むしろ水素の一つの利用形態の一つだというふうに考えた方がよろしいかと思います。CO2はそれを合成して、まあ水素の場合は液化水素にすると、等ですね、いろいろやっぱり非常にそこにエネルギーが掛かって利便性が、新しいインフラを造らないといけないという部分がございますが、Eメタン、まあEフューエルも同じでございますけれども、こういった合成メタン、合成燃料というのは、回収してきたCO2を水素に合成することによって既存のインフラに乗せることができるということでございます。
Eメタンの場合は、元は水素なわけでございますが、CO2を合成していることによって都市ガス成分とほぼ同じような形になると。そうすると、既存の都市ガスのインフラにそのままメタンを混ぜ込んでいけるということになり、混ぜ込んでいますが、結果として見ると、システム全体として見るとカーボンニュートラルに資するような形になっていくと。これはEフューエルも同じでございます。
よって、何といってもメリットは既存インフラを活用できるというところで、そういう意味で、やはり本当にカーボンニュートラルをみんながあるところで一斉にやるということであればもう少しいろいろなオプションあるかもしれませんが、Eメタン、Eフューエルというのは徐々に混ぜていって、調整して、量を調整できるというメリットがございますので、例えば海外の情勢で、思ったよりみんな、中国が排出削減してくれないとか、そうすると、日本のコストばかり上げていくと競争力を失ってしまいますので、例えば、最初一%だけれども、二〇%、三〇%というふうに増やしていく中で調整ができるというメリット、柔軟性のある戦略を取れるというメリットがあるかなというふうに思っています。
課題という御質問でございましたが、一番もちろんコストの課題があるわけでございます。コストの課題は、これはEメタン、合成メタンとか合成燃料だけではなくて水素系エネルギー全般に当たるものでございまして、ほとんどのコストは、Eメタン、合成メタンについても、ほとんどのコストは水素製造のコストでございますので、水素製造のコストをどう下げていくのかというのは、全般的に、水素系エネルギーに関しては全般に当てはまる課題でございます。
もう一つ、じゃ、EメタンやEフューエルの課題が何かというふうにお答えさせていただきますと、これは帰属の問題、CO2帰属の問題でございまして、Eメタンの構造は回収してきたCO2を水素に合成して別のところに運ぶわけでございますので、例えばオーストラリアで合成した場合には、CO2を回収したのはオーストラリアでございますが、水素に合成して水素をEメタンの形で、合成メタンの形で日本に持ってくると。そうしますと、日本で今度はCO2が燃焼するときに排出しますので、オーストラリアでは下がるんですけれども日本では増えてしまうということになりますので。これはバイオマスも一緒なわけでございますが、バイオマスの場合は、例えばオーストラリアで植林をして、CO2を植林が吸ってくれて、それを輸送すると日本の方でCO2が出ているわけでございますが、今のIPCCのインベントリーでは、バイオマスに関しては吸収側はカウントせずに排出側もゼロというふうにカウントしているわけで、実際には排出するわけでございますが、ゼロというふうにカウントしている。
ただ、Eメタン、合成メタン、合成燃料に関してはそのルールが今明確にないので、そうすると、そこのを明確にしないと日本に持ってきたときに排出がどっちに付ければいいのかと。ダブルカウントはすべきじゃないんですが、バイオマスに沿うのであれば利用サイドではCO2はゼロカウントするというのが合理的で、しかも水素の活用という面でそのカウント方法が合理的で、欧州の中ではそういうカウントで今話が進んでいるわけでございますが、完全に国際ルールがないという状況でございますので、その国際ルール作りということは非常に重要で、非常に急がれる課題だというふうに考えています。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →おっしゃっていただいたその合成メタン、メタネーションについては、今日の資料ではどちらかというとEメタンという書き方をしていましたので、まあEメタンの方が日本では最近通りが良いのでそういう形で記載していますが、非常に重要だというふうに考えています。
これは、CCU、CO2の利用という部分もございますが、ただエネルギーは水素でございますので、むしろ水素の一つの利用形態の一つだというふうに考えた方がよろしいかと思います。CO2はそれを合成して、まあ水素の場合は液化水素にすると、等ですね、いろいろやっぱり非常にそこにエネルギーが掛かって利便性が、新しいインフラを造らないといけないという部分がございますが、Eメタン、まあEフューエルも同じでございますけれども、こういった合成メタン、合成燃料というのは、回収してきたCO2を水素に合成することによって既存のインフラに乗せることができるということでございます。
Eメタンの場合は、元は水素なわけでございますが、CO2を合成していることによって都市ガス成分とほぼ同じような形になると。そうすると、既存の都市ガスのインフラにそのままメタンを混ぜ込んでいけるということになり、混ぜ込んでいますが、結果として見ると、システム全体として見るとカーボンニュートラルに資するような形になっていくと。これはEフューエルも同じでございます。
よって、何といってもメリットは既存インフラを活用できるというところで、そういう意味で、やはり本当にカーボンニュートラルをみんながあるところで一斉にやるということであればもう少しいろいろなオプションあるかもしれませんが、Eメタン、Eフューエルというのは徐々に混ぜていって、調整して、量を調整できるというメリットがございますので、例えば海外の情勢で、思ったよりみんな、中国が排出削減してくれないとか、そうすると、日本のコストばかり上げていくと競争力を失ってしまいますので、例えば、最初一%だけれども、二〇%、三〇%というふうに増やしていく中で調整ができるというメリット、柔軟性のある戦略を取れるというメリットがあるかなというふうに思っています。
課題という御質問でございましたが、一番もちろんコストの課題があるわけでございます。コストの課題は、これはEメタン、合成メタンとか合成燃料だけではなくて水素系エネルギー全般に当たるものでございまして、ほとんどのコストは、Eメタン、合成メタンについても、ほとんどのコストは水素製造のコストでございますので、水素製造のコストをどう下げていくのかというのは、全般的に、水素系エネルギーに関しては全般に当てはまる課題でございます。
もう一つ、じゃ、EメタンやEフューエルの課題が何かというふうにお答えさせていただきますと、これは帰属の問題、CO2帰属の問題でございまして、Eメタンの構造は回収してきたCO2を水素に合成して別のところに運ぶわけでございますので、例えばオーストラリアで合成した場合には、CO2を回収したのはオーストラリアでございますが、水素に合成して水素をEメタンの形で、合成メタンの形で日本に持ってくると。そうしますと、日本で今度はCO2が燃焼するときに排出しますので、オーストラリアでは下がるんですけれども日本では増えてしまうということになりますので。これはバイオマスも一緒なわけでございますが、バイオマスの場合は、例えばオーストラリアで植林をして、CO2を植林が吸ってくれて、それを輸送すると日本の方でCO2が出ているわけでございますが、今のIPCCのインベントリーでは、バイオマスに関しては吸収側はカウントせずに排出側もゼロというふうにカウントしているわけで、実際には排出するわけでございますが、ゼロというふうにカウントしている。
ただ、Eメタン、合成メタン、合成燃料に関してはそのルールが今明確にないので、そうすると、そこのを明確にしないと日本に持ってきたときに排出がどっちに付ければいいのかと。ダブルカウントはすべきじゃないんですが、バイオマスに沿うのであれば利用サイドではCO2はゼロカウントするというのが合理的で、しかも水素の活用という面でそのカウント方法が合理的で、欧州の中ではそういうカウントで今話が進んでいるわけでございますが、完全に国際ルールがないという状況でございますので、その国際ルール作りということは非常に重要で、非常に急がれる課題だというふうに考えています。
ありがとうございます。
青
青木愛#19
○青木愛君 大変よく分かりました。ありがとうございます。
それでは、渡邊参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。
先ほどの御説明いただいた中に、これからプロセスライセンサーを目指されるということであります。これまでの高温高圧、また大型施設でのアンモニア製造から、低温低圧、小型でしかも地産地消でアンモニアを作れるということで世界も視野に入れられているということなんですけれども、このライセンサーを目指す道筋ですね、どの時期の目途でありますとか、そこに向けての課題とか、もしあればお聞かせいただきたいし、その後の、企業との連携であったり、ラオスのお話もございましたけれども、世界を視野に入れた今後の見通し、ビジョン、改めてお聞かせをいただきたいと思います。また、食料生産の肥料として提供したいというお話だったんですけれども、一応その安全性についてもお聞かせいただければ有り難いと思います。
この発言だけを見る →それでは、渡邊参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。
先ほどの御説明いただいた中に、これからプロセスライセンサーを目指されるということであります。これまでの高温高圧、また大型施設でのアンモニア製造から、低温低圧、小型でしかも地産地消でアンモニアを作れるということで世界も視野に入れられているということなんですけれども、このライセンサーを目指す道筋ですね、どの時期の目途でありますとか、そこに向けての課題とか、もしあればお聞かせいただきたいし、その後の、企業との連携であったり、ラオスのお話もございましたけれども、世界を視野に入れた今後の見通し、ビジョン、改めてお聞かせをいただきたいと思います。また、食料生産の肥料として提供したいというお話だったんですけれども、一応その安全性についてもお聞かせいただければ有り難いと思います。
渡
渡邊昌宏#20
○参考人(渡邊昌宏君) 御質問ありがとうございます。何だか随分いっぱいありましたですね。
まず、プロセスライセンサーを目指す道筋ということで、私どもがやっているのは、いかにうちの触媒を使ってアンモニアを作っているところを皆さんに見せるかというところから始まると思います。したがって、まず市場を開拓していく。私どもの触媒を使った設備、これをやはり三つから四つお示しできるようなものに仕立て上げるということが重要だと思っています。
実は、非常に、やはりこういうことをやっておりますとマーケティングをやらなきゃいけなくて、お客さんのところに行くわけです。是非うちの技術を入れてくださいと、ああ、面白いね、脱炭素に貢献できるねというところで、大体、経営者は、それはいいね、行こうかというふうに言ってくれます。ところが、経営者がイエスと言っても、それを現場に落とすと、新しい技術を何でやらなきゃいけないんだというような御意見がどうしても出てきます。これがイノベーションのジレンマというやつですね。
経団連は、オープンイノベーションということで、大企業に対してオープンイノベーションを促進するように言っておりますけれども、現実には、現場に下ろすと、新しい技術や新しいオペレーションが入る、給料も変わらないのに何でやらなきゃいけないんだと、こういう非常に単純な御質問が来ます。例えば、アンモニアが一トン当たり千円で東京辺りは買えましたと。ところが、北海道に行くと二千円になっちゃうんですよ。これは、要するにサプライチェーンで運輸のお金がそれだけ掛かって千円のものが二千円になっちゃう。じゃ、千五百円でできたらいいじゃないですかと。いいですよね。じゃ、千五百円でつばめ作りますからと言って経営会議にも出て、いいじゃないかという話になる。ところが、現場に行くと、いや、勘弁してくれという話になってくる。この繰り返しが非常に苦しかったと。
でも、それを乗り越えて、先ほど言ったINPEXであるように、あるいはタイであるように、あるいはラオスであるように、一つ一つ作ることによって世界でつばめが新しいライセンサーとして入ってきたなという認識をいただけると思います。間違いなく、ハルダー・トプソーにしろ、既存のライセンサーが我々に対して非常に注目をしております。下手なことをやるんじゃないぞというような脅し等がありますけれども、それはそれなりにこなしていこうということで。
こういうことを進めていく上において、企業との連携というお話がございましたけれども、できるだけ株主さんを募りまして、今私どもの株主十六社ほどございます。その中には、三菱ケミカルさん、あるいは船舶の日本郵船さん等々、多くの株主さんがいらっしゃいます。そういう方々と意見を交換しながら、新しい分野に対するチャレンジといったものをやっていければと思っています。
今後の見通しについては、二〇二五年の八月に新潟で、メタネーションも含めてなんですけど、CCS、メタネーション、それからアンモニア製造という一連のプロジェクトが日の目を見ます。是非それを皆さん御覧いただければと思います。それで多分レピュテーションが上がってくるんじゃないかというふうに私ども思っています。
それから、肥料の安全性のお話がございましたですね。肥料、NH3は、アンモニアはNH3といいますが、NH3は単独でそのまま畑にまくこともできます。ただ、臭いだけですね。それから、カリウムとかリン酸だとか、これと一緒にして肥料にすることもできます。それから、CO2とアンモニアを作ることによって尿素もできます。尿素は臭いも全くございません。それから、一番簡単なのが、硫酸とアンモニアを作って硫酸アンモニウムです。これも肥料としては非常に有効です。これも臭いがございません。
ですから、爆発の危険性はございませんし、漏えいしたときの臭い、これをいかに防ぐかといったところがアンモニアの重要なところだというふうに認識しております。設備自体も、そういうことで漏えいのないような設備になっております。
よろしゅうございましょうか。
この発言だけを見る →まず、プロセスライセンサーを目指す道筋ということで、私どもがやっているのは、いかにうちの触媒を使ってアンモニアを作っているところを皆さんに見せるかというところから始まると思います。したがって、まず市場を開拓していく。私どもの触媒を使った設備、これをやはり三つから四つお示しできるようなものに仕立て上げるということが重要だと思っています。
実は、非常に、やはりこういうことをやっておりますとマーケティングをやらなきゃいけなくて、お客さんのところに行くわけです。是非うちの技術を入れてくださいと、ああ、面白いね、脱炭素に貢献できるねというところで、大体、経営者は、それはいいね、行こうかというふうに言ってくれます。ところが、経営者がイエスと言っても、それを現場に落とすと、新しい技術を何でやらなきゃいけないんだというような御意見がどうしても出てきます。これがイノベーションのジレンマというやつですね。
経団連は、オープンイノベーションということで、大企業に対してオープンイノベーションを促進するように言っておりますけれども、現実には、現場に下ろすと、新しい技術や新しいオペレーションが入る、給料も変わらないのに何でやらなきゃいけないんだと、こういう非常に単純な御質問が来ます。例えば、アンモニアが一トン当たり千円で東京辺りは買えましたと。ところが、北海道に行くと二千円になっちゃうんですよ。これは、要するにサプライチェーンで運輸のお金がそれだけ掛かって千円のものが二千円になっちゃう。じゃ、千五百円でできたらいいじゃないですかと。いいですよね。じゃ、千五百円でつばめ作りますからと言って経営会議にも出て、いいじゃないかという話になる。ところが、現場に行くと、いや、勘弁してくれという話になってくる。この繰り返しが非常に苦しかったと。
でも、それを乗り越えて、先ほど言ったINPEXであるように、あるいはタイであるように、あるいはラオスであるように、一つ一つ作ることによって世界でつばめが新しいライセンサーとして入ってきたなという認識をいただけると思います。間違いなく、ハルダー・トプソーにしろ、既存のライセンサーが我々に対して非常に注目をしております。下手なことをやるんじゃないぞというような脅し等がありますけれども、それはそれなりにこなしていこうということで。
こういうことを進めていく上において、企業との連携というお話がございましたけれども、できるだけ株主さんを募りまして、今私どもの株主十六社ほどございます。その中には、三菱ケミカルさん、あるいは船舶の日本郵船さん等々、多くの株主さんがいらっしゃいます。そういう方々と意見を交換しながら、新しい分野に対するチャレンジといったものをやっていければと思っています。
今後の見通しについては、二〇二五年の八月に新潟で、メタネーションも含めてなんですけど、CCS、メタネーション、それからアンモニア製造という一連のプロジェクトが日の目を見ます。是非それを皆さん御覧いただければと思います。それで多分レピュテーションが上がってくるんじゃないかというふうに私ども思っています。
それから、肥料の安全性のお話がございましたですね。肥料、NH3は、アンモニアはNH3といいますが、NH3は単独でそのまま畑にまくこともできます。ただ、臭いだけですね。それから、カリウムとかリン酸だとか、これと一緒にして肥料にすることもできます。それから、CO2とアンモニアを作ることによって尿素もできます。尿素は臭いも全くございません。それから、一番簡単なのが、硫酸とアンモニアを作って硫酸アンモニウムです。これも肥料としては非常に有効です。これも臭いがございません。
ですから、爆発の危険性はございませんし、漏えいしたときの臭い、これをいかに防ぐかといったところがアンモニアの重要なところだというふうに認識しております。設備自体も、そういうことで漏えいのないような設備になっております。
よろしゅうございましょうか。
青
青木愛#21
○青木愛君 はい。大変丁寧な御答弁いただきまして、ありがとうございました。
平田参考人、お伺いしたかったんですが、時間が来てしまいまして、また改めて御指導いただければ有り難く存じます。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →平田参考人、お伺いしたかったんですが、時間が来てしまいまして、また改めて御指導いただければ有り難く存じます。
ありがとうございました。
宮
若
若松謙維#23
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
今日は、御三人の、ありがとうございます。
実は、お話聞きながら、ある意味でカーボンニュートラル、二〇五〇年の人類の目標というか出口というか、だけど厳しいというお話の中に、お話聞きながら、私ども実は公明党の中にはサーキュラーエコノミー・循環型社会推進会議というのがありまして、エレン・マッカーサーさんですか、十数年前に、女性、二十代の方が世界一周旅行を、船で単独旅行をした。やっぱり地球の実態は、もうどこにもプラスチック浮いていると、地球の資源の限界を感じたと。当然エネルギーもそうだと思うんですね。そういう問題をちょっと聞きながら、御三方の説明も聞いていたんですけど。
まず、秋元参考人にお聞きしたいんですけど、このちょうど資料の二十四ページに、いわゆるエネルギーですか、いろんなエネルギーがあって、コストがあって、CCSとか、これ大変なこの資料の作成の、これ自体エネルギーが掛かっていると思うんですけれども、これをある意味でベストミックスというんですか、これをやっぱりつくらなくちゃいけないと。そこの一番の肝というんですかね、そこは何なのか。ある意味で日本だけでできるものでもないし、世界に広げるとまた難しいしというところなんですけど、今そういう意味では日本は何を肝としてやるべきなのか。
この発言だけを見る →今日は、御三人の、ありがとうございます。
実は、お話聞きながら、ある意味でカーボンニュートラル、二〇五〇年の人類の目標というか出口というか、だけど厳しいというお話の中に、お話聞きながら、私ども実は公明党の中にはサーキュラーエコノミー・循環型社会推進会議というのがありまして、エレン・マッカーサーさんですか、十数年前に、女性、二十代の方が世界一周旅行を、船で単独旅行をした。やっぱり地球の実態は、もうどこにもプラスチック浮いていると、地球の資源の限界を感じたと。当然エネルギーもそうだと思うんですね。そういう問題をちょっと聞きながら、御三方の説明も聞いていたんですけど。
まず、秋元参考人にお聞きしたいんですけど、このちょうど資料の二十四ページに、いわゆるエネルギーですか、いろんなエネルギーがあって、コストがあって、CCSとか、これ大変なこの資料の作成の、これ自体エネルギーが掛かっていると思うんですけれども、これをある意味でベストミックスというんですか、これをやっぱりつくらなくちゃいけないと。そこの一番の肝というんですかね、そこは何なのか。ある意味で日本だけでできるものでもないし、世界に広げるとまた難しいしというところなんですけど、今そういう意味では日本は何を肝としてやるべきなのか。
秋
秋元圭吾#24
○参考人(秋元圭吾君) ありがとうございます。難しい御質問をありがとうございます。
なかなか一言で肝がないというのが非常に専門家としても悩ましい問題でございまして、やはりこの問題、日本だけの問題ではなくて、世界と調和ができなければ、どんなに日本が頑張ったとしても、私の今日のプレゼンの肝であるのはリーケージしていってしまうという話でございまして、そこがあるためになかなか、よく政治の意思が足りていないというお話もいただきますが、私はそれだけでは、どんなに政治の意思があっても、世界全体が、全ての国に同じような政治意思がない限りはできないというふうに、難しいと思って、まあ、できないと言うつもりはなくて、やるべきだというふうには思っているわけでございますが、かなり難しいというふうに思っています。
ただ、その上で日本が何をすべきかということで考えますと、申し上げたように、あらゆる技術を使うと。あらゆる技術を、もちろん失敗する技術もあると思うんですね。全てが、全部が、今やろうとしているものがコストが合わずにうまくいかないものも出てくるというふうに思いますが、ただ、今の段階で捨てれるような技術はないというのが一つでございます。
もう一つは、ちょっとサーキュラーエコノミーというところをおっしゃっていただいたのであえて申し上げますけれども、ちょっと今日はメインにしなかったんですけれども、デジタル技術によって我々、社会構造を変えると。
要は、サーキュラー経済であるとかシェアリング経済を誘発して低エネルギー需要社会をつくるということに関してはまだまだ余地があるというふうに考えていまして、我々もそこに今非常に注力して、国際的な研究者の連携も取りながら研究を進めているところでございまして、そうすると、やっぱりSDGの同時達成にも寄与できる可能性があって、ただ、言葉だけでサーキュラー経済等を言っていてもなかなか進まないので、そこにはやっぱり技術が必要で、新しいそのデジタルという技術を使いながら、例えば自動運転でもできてくると、まあ課題は非常に大きいことは理解していますが、そうするとサーキュラーが起こりやすいですし、物の循環においてもしっかりデジタルでウオッチできるような形になってくるとサーキュラーが起こりやすくなりますので、そういう進め方が重要かなというふうに思います。
この発言だけを見る →なかなか一言で肝がないというのが非常に専門家としても悩ましい問題でございまして、やはりこの問題、日本だけの問題ではなくて、世界と調和ができなければ、どんなに日本が頑張ったとしても、私の今日のプレゼンの肝であるのはリーケージしていってしまうという話でございまして、そこがあるためになかなか、よく政治の意思が足りていないというお話もいただきますが、私はそれだけでは、どんなに政治の意思があっても、世界全体が、全ての国に同じような政治意思がない限りはできないというふうに、難しいと思って、まあ、できないと言うつもりはなくて、やるべきだというふうには思っているわけでございますが、かなり難しいというふうに思っています。
ただ、その上で日本が何をすべきかということで考えますと、申し上げたように、あらゆる技術を使うと。あらゆる技術を、もちろん失敗する技術もあると思うんですね。全てが、全部が、今やろうとしているものがコストが合わずにうまくいかないものも出てくるというふうに思いますが、ただ、今の段階で捨てれるような技術はないというのが一つでございます。
もう一つは、ちょっとサーキュラーエコノミーというところをおっしゃっていただいたのであえて申し上げますけれども、ちょっと今日はメインにしなかったんですけれども、デジタル技術によって我々、社会構造を変えると。
要は、サーキュラー経済であるとかシェアリング経済を誘発して低エネルギー需要社会をつくるということに関してはまだまだ余地があるというふうに考えていまして、我々もそこに今非常に注力して、国際的な研究者の連携も取りながら研究を進めているところでございまして、そうすると、やっぱりSDGの同時達成にも寄与できる可能性があって、ただ、言葉だけでサーキュラー経済等を言っていてもなかなか進まないので、そこにはやっぱり技術が必要で、新しいそのデジタルという技術を使いながら、例えば自動運転でもできてくると、まあ課題は非常に大きいことは理解していますが、そうするとサーキュラーが起こりやすいですし、物の循環においてもしっかりデジタルでウオッチできるような形になってくるとサーキュラーが起こりやすくなりますので、そういう進め方が重要かなというふうに思います。
若
若松謙維#25
○若松謙維君 貴重な御提言ありがとうございます。
渡邊参考人にお聞きしたいんですが、やはり同じようなサーキュラーエコノミーの問題意識を持ちながら、特に、十六ページですか、この資料、特にアンモニアはメタネーションが中心なんでしょうけれども、やっぱりお話を聞いていて、御存じのように、水素をオーストラリアから日本に持ってこようとか、今、中近東とかありますけれども、これメタネーションですね。でありながら、問題意識として、この輸入依存では問題だということで、やはり十兆円、二十兆円、毎年海外に日本のお金がエネルギー購入というので流れていると、これを何とかしなければいけない、だけれど、国内でやると低電力、コストと。
非常に問題意識をぐさぐさといただいているんですけど、それを含めての、この自国生産に持っていくやっぱり出口というか肝というんですかね、そこはどうしたらいいんですかね。
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非常に問題意識をぐさぐさといただいているんですけど、それを含めての、この自国生産に持っていくやっぱり出口というか肝というんですかね、そこはどうしたらいいんですかね。
渡
渡邊昌宏#26
○参考人(渡邊昌宏君) 全く答えができない御質問をいただきまして恐縮でございますけれども、やはり最後に私述べましたように、事業に対するその補助金というんですかね、やはりイニシャルのコストというのはそれなりに掛かってきます。イニシャルのコスト、これをCAPEXと呼ぶとすると、CAPEXをできるだけ下げてOPEXを少し重ねていくというような形のトライアルというのが必要だと思っております。
まず、CAPEXを下げること自体がどういうことかというと、電力代をとにかく安くしてくれれば一番いいんですけれども、電力代が今の現状のままであるのであれば、その電力代をカバレッジする、生産量に合わせて、脱炭素メリットの、まあカーボンプライスという、そういったものを加味した中で総合的にCAPEXがどういう形になってくるのかが見えてくるといいと思うんです。ただ、OPEX自体はそれほど下げることができないと思います。これは人件費がほとんどの部分があるものですから。
そういう形で、まず初期設備投資をいかに下げていくかといったところが大きな要素かと思います。そのためには、アメリカの補助金のように、生産当たり幾らの補助を出しますというようなことができると非常にトリガーとしていいんじゃないかというふうに思っております。これは私の勝手な意見になってございますけれども。
この発言だけを見る →まず、CAPEXを下げること自体がどういうことかというと、電力代をとにかく安くしてくれれば一番いいんですけれども、電力代が今の現状のままであるのであれば、その電力代をカバレッジする、生産量に合わせて、脱炭素メリットの、まあカーボンプライスという、そういったものを加味した中で総合的にCAPEXがどういう形になってくるのかが見えてくるといいと思うんです。ただ、OPEX自体はそれほど下げることができないと思います。これは人件費がほとんどの部分があるものですから。
そういう形で、まず初期設備投資をいかに下げていくかといったところが大きな要素かと思います。そのためには、アメリカの補助金のように、生産当たり幾らの補助を出しますというようなことができると非常にトリガーとしていいんじゃないかというふうに思っております。これは私の勝手な意見になってございますけれども。
若
若松謙維#27
○若松謙維君 是非、半導体以上にエネルギーに対しての投資も頑張ってまいります。
あと、平田参考人にお聞きしたいんですが、やはり、非常に国内で日本はいろいろ取り組んでいるんですけど、現実に見ると、例えば京都、何というんですか、COPの世界でも、結局CO2下がっているのはもうイギリスと日本ぐらいですかね、下がっていない、増えていないというんですかね。あと、ほか駄目ですよね、ほとんど。
そういう中で、かなり平田参考人は、期待というか理想というか、高いと思うんですけれども、ここを更にどうやっていくかというところがやっぱり、まあ消費者というか、国民というか、簡単にいかないと思うんですね。もう実感しているからこういう大変な取組をされていると思うんですけど。そこも、さっきの、この国民一億三千万にわあっと言っても届かないんでしょうけど、どこら辺を肝に訴えていきたいですか。当然、我々だと思うんです、最終的にはですね。いかがですか。
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そういう中で、かなり平田参考人は、期待というか理想というか、高いと思うんですけれども、ここを更にどうやっていくかというところがやっぱり、まあ消費者というか、国民というか、簡単にいかないと思うんですね。もう実感しているからこういう大変な取組をされていると思うんですけど。そこも、さっきの、この国民一億三千万にわあっと言っても届かないんでしょうけど、どこら辺を肝に訴えていきたいですか。当然、我々だと思うんです、最終的にはですね。いかがですか。
平
平田仁子#28
○参考人(平田仁子君) 大事な御質問ありがとうございます。
まず、国内においては、国民一人一人に語りかけて、一人一人の個人の努力に訴えかけるというのは大変難しいのが現実だと思います、様々な価値観があって。ですから、明確な脱炭素に向かうんだよというシグナルがあり、それを価格に落としていく。まさにカーボンプライシングで、環境に悪いことをするとコストが掛かり、安いことをするとよりいいんだという、やっぱりその経済的な仕組みで誘導していくということが重要だと思います。
GX推進法の下でカーボンプライシングの仕組みが導入されることが決まりまして、ちょっとスケジュール感としては緊急性に対して緩やか過ぎると思っておりますし、どのような価格シグナルを与えることができるのかというのはまさにこれからの検討だと思いますけれども、二酸化炭素一トン当たり一万円とか、そんなレベルで導入している国もありながら、日本は三百円を切っている状況であって、ほとんどCO2はただで出していい状況であるのが今の日本であります。国際的にランキングで並べても、ほとんどこんなただでいい国はないというぐらい、やはりこれだけの環境問題として大きくなっている問題に対してCO2を出すことに制約のない国であり続けたということは、やはりシグナルとして全く不十分ではないかというふうに思っておりますので、カーボンプライシングは一つの方法だと思います。
同時に、世界に対してですけれども、これまで、過去、京都議定書の頃は先進国に義務があって途上国に義務がないから横流ししようということもできたというところもありますけれども、今はまさに世界全体でカーボンニュートラル、途上国も同じように目標を持って取り組んでいこうと、全部でやるのがパリ協定になっています。
そういう意味では、それこそ途上国がいかに脱炭素化するのかということを一緒に走っているのが現状でありまして、私、昨日までインドネシアにおりましたけれども、石炭が取れる国でもありますが、非常に大胆に再生可能エネルギーの導入が進んでいます。そして、そこへの関心が強く、コストが物すごく下がっているので、むしろ、高い、日本がこれから持っていこうとするアンモニアの技術よりも、たくさん島々のある国々が分散型で再エネを進めていくというようなことに強い関心があること改めて感じてきましたし、日本だけでなく、いろんな国がそうしたインドネシアのような国に対しての支援を行っていて、その支援の多くはグリーンに向かっていっているということでいうと、COPで再生可能エネルギーを三倍にするということが決まってこれから大きなビジネスが生まれていくのはグリーンであり、そこに競争が生まれていくというときに、日本はどういう技術で途上国を支援するのか。むしろ、マーケットを取り込んでいくためには二つも三つも早くグリーンの再生可能エネルギーのマーケットの技術や、ソフトの技術や支援といったところに踏み込んでいかなければ、私たちの国内の産業も何で食べていくのかということにもつながるかなとも思いますので、世界も視野に入れた、日本の大きな、日本への、日本の関係者への大きなシグナルということに期待したいと思います。
この発言だけを見る →まず、国内においては、国民一人一人に語りかけて、一人一人の個人の努力に訴えかけるというのは大変難しいのが現実だと思います、様々な価値観があって。ですから、明確な脱炭素に向かうんだよというシグナルがあり、それを価格に落としていく。まさにカーボンプライシングで、環境に悪いことをするとコストが掛かり、安いことをするとよりいいんだという、やっぱりその経済的な仕組みで誘導していくということが重要だと思います。
GX推進法の下でカーボンプライシングの仕組みが導入されることが決まりまして、ちょっとスケジュール感としては緊急性に対して緩やか過ぎると思っておりますし、どのような価格シグナルを与えることができるのかというのはまさにこれからの検討だと思いますけれども、二酸化炭素一トン当たり一万円とか、そんなレベルで導入している国もありながら、日本は三百円を切っている状況であって、ほとんどCO2はただで出していい状況であるのが今の日本であります。国際的にランキングで並べても、ほとんどこんなただでいい国はないというぐらい、やはりこれだけの環境問題として大きくなっている問題に対してCO2を出すことに制約のない国であり続けたということは、やはりシグナルとして全く不十分ではないかというふうに思っておりますので、カーボンプライシングは一つの方法だと思います。
同時に、世界に対してですけれども、これまで、過去、京都議定書の頃は先進国に義務があって途上国に義務がないから横流ししようということもできたというところもありますけれども、今はまさに世界全体でカーボンニュートラル、途上国も同じように目標を持って取り組んでいこうと、全部でやるのがパリ協定になっています。
そういう意味では、それこそ途上国がいかに脱炭素化するのかということを一緒に走っているのが現状でありまして、私、昨日までインドネシアにおりましたけれども、石炭が取れる国でもありますが、非常に大胆に再生可能エネルギーの導入が進んでいます。そして、そこへの関心が強く、コストが物すごく下がっているので、むしろ、高い、日本がこれから持っていこうとするアンモニアの技術よりも、たくさん島々のある国々が分散型で再エネを進めていくというようなことに強い関心があること改めて感じてきましたし、日本だけでなく、いろんな国がそうしたインドネシアのような国に対しての支援を行っていて、その支援の多くはグリーンに向かっていっているということでいうと、COPで再生可能エネルギーを三倍にするということが決まってこれから大きなビジネスが生まれていくのはグリーンであり、そこに競争が生まれていくというときに、日本はどういう技術で途上国を支援するのか。むしろ、マーケットを取り込んでいくためには二つも三つも早くグリーンの再生可能エネルギーのマーケットの技術や、ソフトの技術や支援といったところに踏み込んでいかなければ、私たちの国内の産業も何で食べていくのかということにもつながるかなとも思いますので、世界も視野に入れた、日本の大きな、日本への、日本の関係者への大きなシグナルということに期待したいと思います。
若