災害対策特別委員会
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会
会議録情報#0
令和七年五月九日(金曜日)
午後一時開会
─────────────
委員の異動
五月八日
辞任 補欠選任
堀井 巌君 進藤金日子君
宮本 周司君 石田 昌宏君
五月九日
辞任 補欠選任
石田 昌宏君 清水 真人君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 塩田 博昭君
理 事
梶原 大介君
藤木 眞也君
鬼木 誠君
平木 大作君
委 員
阿達 雅志君
石田 昌宏君
小川 克巳君
加田 裕之君
加藤 明良君
古庄 玄知君
佐藤 啓君
清水 真人君
進藤金日子君
木戸口英司君
野田 国義君
広田 一君
嘉田由紀子君
松野 明美君
舟山 康江君
仁比 聡平君
事務局側
常任委員会専門
員 清野 和彦君
参考人
東京大学生産技
術研究所教授
東京大学社会科
学研究所特任教
授 加藤 孝明君
跡見学園女子大
学観光コミュニ
ティ学部まちづ
くり学科教授 鍵屋 一君
大阪公立大学大
学院文学研究科
人間行動学専攻
准教授 菅野 拓君
日本障害フォー
ラム(JDF)
能登半島地震支
援センタースタ
ッフマネージャ
ー 塩田千恵子君
─────────────
本日の会議に付した案件
○災害対策基本法等の一部を改正する法律案(閣法第一七号)(衆議院送付)
─────────────
この発言だけを見る →午後一時開会
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委員の異動
五月八日
辞任 補欠選任
堀井 巌君 進藤金日子君
宮本 周司君 石田 昌宏君
五月九日
辞任 補欠選任
石田 昌宏君 清水 真人君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 塩田 博昭君
理 事
梶原 大介君
藤木 眞也君
鬼木 誠君
平木 大作君
委 員
阿達 雅志君
石田 昌宏君
小川 克巳君
加田 裕之君
加藤 明良君
古庄 玄知君
佐藤 啓君
清水 真人君
進藤金日子君
木戸口英司君
野田 国義君
広田 一君
嘉田由紀子君
松野 明美君
舟山 康江君
仁比 聡平君
事務局側
常任委員会専門
員 清野 和彦君
参考人
東京大学生産技
術研究所教授
東京大学社会科
学研究所特任教
授 加藤 孝明君
跡見学園女子大
学観光コミュニ
ティ学部まちづ
くり学科教授 鍵屋 一君
大阪公立大学大
学院文学研究科
人間行動学専攻
准教授 菅野 拓君
日本障害フォー
ラム(JDF)
能登半島地震支
援センタースタ
ッフマネージャ
ー 塩田千恵子君
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本日の会議に付した案件
○災害対策基本法等の一部を改正する法律案(閣法第一七号)(衆議院送付)
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塩
塩田博昭#1
○委員長(塩田博昭君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日、堀井巌君及び宮本周司君が委員を辞任され、その補欠として進藤金日子君及び石田昌宏君が選任されました。
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この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
昨日、堀井巌君及び宮本周司君が委員を辞任され、その補欠として進藤金日子君及び石田昌宏君が選任されました。
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塩
塩田博昭#2
○委員長(塩田博昭君) 災害対策基本法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、東京大学生産技術研究所教授・東京大学社会科学研究所特任教授加藤孝明君、跡見学園女子大学観光コミュニティ学部まちづくり学科教授鍵屋一君、大阪公立大学大学院文学研究科人間行動学専攻准教授菅野拓君及び日本障害フォーラム(JDF)能登半島地震支援センタースタッフマネージャー塩田千恵子君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、加藤参考人、鍵屋参考人、菅野参考人、塩田参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず加藤参考人からお願いをいたします。加藤参考人。
この発言だけを見る →本日は、本案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、東京大学生産技術研究所教授・東京大学社会科学研究所特任教授加藤孝明君、跡見学園女子大学観光コミュニティ学部まちづくり学科教授鍵屋一君、大阪公立大学大学院文学研究科人間行動学専攻准教授菅野拓君及び日本障害フォーラム(JDF)能登半島地震支援センタースタッフマネージャー塩田千恵子君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、加藤参考人、鍵屋参考人、菅野参考人、塩田参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず加藤参考人からお願いをいたします。加藤参考人。
加
加藤孝明#3
○参考人(加藤孝明君) よろしくお願いいたします。東京大学の加藤と申します。
今、私、生産技術研究所って理科系の研究所とそれから社会科学研究所という文科系の研究所、両方に所属しております。恐らく、大学関係の研究所の所属の方で文系、理系、両方所属しているというのはきっと私一人かなというふうに思っております。
まず、簡単に自己紹介した上で本題に入ってまいりたいと思います。
まず、専門は、社会的には防災の専門家というふうに言われているんですけれども、本来の分野は都市計画それから地域づくりを専門にしております。ですから、現場に出て、住民の方とか行政の方と一緒になって総合的に地域づくりをしていくと。ただし、災害からの安全という防災を主軸にしながら、総合的により良い地域をつくっていくと、そういうスタンスでこれまで実践活動それから研究活動をしてきております。
そういった背景ですので、専門家としての特徴は、社会をシステムとして捉えると。個々の要素技術を見るのではなくて、それも理解した上で、社会全体をシステムとして捉えて見ていく、あるいは総合化していく技術を開発していると、そういうスタンスで取り組んでおります。
それから、防災のフェーズ様々あります。事前の予防から復旧復興までいろんな段階があるんですけれども、それについても全体をトータルに捉えた上で物事を考えていると。
加えて、今説明させていただいたように、やっぱり現場からのフィードバックというのを大学の研究者として非常に重要視しておりまして、ここ一週間だと、大学の研究室の椅子に座っていたのは多分数時間ぐらいで、大半は外でいろいろ活動しながら、そこから持ち帰ったものを机上で理論化していると。そういうキャラクターです。
国などの委員会については、ここに書いてあるとおり、強靱化とか防災庁の設置含めて、防災関係の委員会で議論をさせていただいております。
今日のプレゼンの構成なんですが、この一、二、三プラス今後の方向性ということでお話しさせていただきたいと思います。
今日何をお話ししようかなと思って考えてきたんですが、今日は、あえて俯瞰的、それから抽象的な方に振って、割とベーシックな話をさせていただければなというふうに思っております。
じゃ、それでは、まず一点目です。一つ目が、問題の構造を俯瞰的に理解するということで説明させていただきたいと思います。
右側のこの図を見ていただきたいと思います。このA3のこれですね、A3の右側の図を見ていただきたいと思います。今の状況というのは一〇〇%、縦軸、機能があって、災害が起こるとその機能がぐっと下がっていくと。ここから災害のフェーズが始まるんですが、急性期というものと、その後、復旧復興に入っていくと、そういう時間軸になっています。
今の日本社会を考えると、もうデフォルトは一番下のラインです。災害を受けます、で、急性期においては更に被害が拡大して、災害関連死を含む様々な不幸が生じてしまうと。この後、復旧復興フェーズに入るんですが、今の日本社会、特に地方を見ると、今後を考えると、もう復興できないというのがデフォルトになるのではなかろうかと。向こう二十年見ると、人口が半減する地域というのは決して珍しくはないわけですね。そういう状況の中で、復興ができないんだというのをデフォルトとして問題を捉えていく必要があると思っています。
問題は、根幹的な問題は大きく二つあると思っています。一つは、急性期において災害関連死を含む被害が拡大してしまうと。これを何としてでも防がなければいけないと。二つ目が、復興できない状況に陥ると。これも何としても防がなければいけないと。この大きな二つの根幹的な問題を見据えてこれからの災害対策というものをきちんと考えていく必要があるんだというふうに思っています。
対策の柱は三本柱だというふうに思っています。まず一つ目は、急性期を乗り切って、かつ復興可能なレベルに被害を抑えるという黒丸の一番の対策が一つ目。そして二つ目が、急性期を乗り切る、要するに急性期に被害を拡大させないというのが二本目の柱になると。そして三番目が、適切かつ円滑かつ速やかな復旧復興を実現させていこうと。
この①と②をやると、この緑の水平のラインに行くわけですね。この後、復旧復興のフェーズで右肩上がりの点線に入っていくわけなんですが、その途中でいろんなつまずきがあって、それに引っかかってしまうとまた復興できないという右肩下がりのフェーズに入ってしまうと。
なので、復旧復興を実現させるためには、まず、その障害となるものをあらかじめ事前に取り除いておく必要があるんだと。加えて、復旧復興を加速化、迅速化させる必要があるということで、赤の右肩上がりの点線を緑の右肩上がりの点線に引き上げていく必要があるんだと。
最後三番目が、復興で何を目指すのかということが非常に重要になってくるだろうと。今、向こう二十年で人口が半減するような地域社会をこれ元に戻したとしても、これ、じり貧状態のものをまたじり貧状態に戻すわけですので、また未来が開けなくなってしまうと。そういうわけで、適切な復興像を目指していくということが非常に重要になってくる。これについても、事後ではなくて、やっぱり事前にきちんと考えておくということが必要だというふうに思っています。
ですから、この三本柱を核に進めていく必要があるんだということです。
二つ目の話題に移らさせていただきたいと思います。二つ目は、今の三本柱の二つ目です。急性期を乗り切るための必要な視点という話題に入っていきたいと思います。
これ、できれば難なく乗り切りたいと、乗り切ることを目標にすべきだというふうに思っています。この急性期の問題の構造は何かということなんですけど、これは、必要とされる対応需要に対して、対応するための資源、人、物、機能が桁外れに少ないという、このアンバランスが根本的な問題であるということです。
右側に写真が写っています。この写真は、災害時のこれ避難所の写真ではなくて、これ娘が小学校六年生のときの運動会のお昼御飯の様子なんですね。実は、この日は非常に日差しの強い日で、運動場で御飯食べ始めたんですけど、余りにも暑かったので体育館で食べようかといって出遅れて行ったら、既にこんな状態になっていたと。つまり、小学生の家族の六、七割が体育館に入るとこんな状態になるわけですね。ですから、被災地で避難したい人を公共施設に全て入れるなんということは非常に難しいということなわけです。
災害を難なく乗り越えていくためには、この需要と資源のアンバランスをなるべくバランスできるような方向に動かしていくということが不可欠だというふうに思っています。これ、仮に需要を小さくすることが難しいとするならば、資源を大きくするしかないと。それがあるべき対策の方向性というところに書かれています。
これ、二つあります。一つは対応資源を最大化していくと、もう一つが持てるリソースを最大限活用していくと、これに尽きるかなと思っています。
まず、対応資源の最大化ということなんですけど、事前に地域社会の中に対応資源を整備して拡充しておくということが非常に重要かなというふうに思っています。足りないものを被災した後、外から持ってくるのではなくて、できる限り地域の中でそれをつくり上げていくということが重要だというふうに思っています。それから、被災後、外から対応資源をきちんと持ってくるということも必要であるというふうに思っています。だから、この二つで対応資源を増やしていく必要があるんだということです。
それ実現に向けてということなんですけど、ここでやっぱり頭に置いておかなければいけないことは、公の資源だけで何とかするということにはもはや大きな限界があるんだと。なので、発想を柔軟化、転換していく必要があるというふうに思っています。
この公の資源の少なさというのは、これ最近僕が使っている説明は、地震が起きて、けがしたら救急車呼べばいいというふうに思うわけなんですけど、東京の場合、東京消防庁の救急車って三百数十台、仮に三百五十台だとしましょう、三百五十台と。一人患者さんを、傷病者を病院に連れていくのに大体二時間ぐらい掛かるんですね。そうすると、発災十二時間で一台の救急車で六人運べると。仮に三百五十台だとすると、三百五十掛ける六をすると二千百人なんですね。一方で、東京都の地震被害想定の発生する負傷者数を見ると九万人なんですね、九万人。三百五十掛ける六の二千百人ですので、ある意味抽せんで当たった二千百人が救急車に乗れるだけと。つまり、頑張ればできるという数字ではないということをやっぱりちゃんと頭に置いておく必要があるだろうと。
そういう意味では、未利用資源をやっぱりもっともっとしっかり発掘して、それを活用していくということを何か位置付ける必要があるだろうというふうに思っています。
その方向性として二つあって、一つは、被災地域内にある災害時遊休施設と僕は呼んでいるんですけれども、それを社会的に活用していこうと。この災害時遊休施設というのは、災害時に本来目的で利用する必要のない民間の施設や設備、これ多分いろいろ探せばあると思います。例えば、スポーツクラブの施設なんかもそうだろうし、分かりやすい例で言うとパチンコ屋さんなんかももしかしたらそうかもしれないと。要するに、災害時に使わなくてよい施設を活用していくと。
それから、一方で、被災地外の民間リソースも最大限使っていこうと。これも様々あります。例えば、警備業務の従業者数って五十六万人もいると。これ、全国の警察官の数よりも多分多いだろうと。被災していない地域のセントラルキッチンや物流システムもあるだろうと。そういったものを総動員することで外のリソースを被災地に生かしていくと。そう考えていくと、やっぱり新たな官民連携の形というものも今後模索していかなければいけないかなというふうに思っています。
加えて、今度は持てるリソースの最大活用ということになります。これ、リソースはあるけど使えていないものというのが実はたくさんあるかなというふうに思っています。
まず一つは、いろんなリソースとリソースの間に隙間があると。その隙間をつないで全体最適を図っていくという視点が非常に重要かなと思っています。その隙間とは、これ縦割りの隙間、それから国、都道府県、市町村の隙間、それから官民などのセクター間の隙間、様々な隙間があると。これを上手につないでいく機能を強化する必要があるし、全体像を俯瞰する機能、そういったものを今後強化していく必要があるだろうということです。
そして、次が対応の効率化。これ、ある種のやっぱり簡便化と柔軟化のようなものがもう必要かなというふうに思っています。ここでは二つ挙げています。
一つは、マニュアル主義からミッション主義へと。マニュアルに従って動くのではなくて、今この目標を達成しなければいけないというものを中心にして、それを何としてもやり遂げるというような対応の仕方にやっぱり転換していくことが重要かなというふうに思っています。
それから、ブリコラージュという言葉があります、エンジニアリングからブリコラージュ。これは物づくりの一つの方法なんですが、エンジニアリングというのは、工学的な知見に基づいて設計図を書いて、いろんな道具といろんな材料を集めてきて組み立てていくことがエンジニアリングなんですが、ブリコラージュは、未開の文化の土地での物づくりのようなもので、要は、何かしたいと思ったときにその辺にあるものを上手に集めて使いこなしていくと、そういう対応の仕方であると。今の災害対応というのは基本、エンジニアリング的な方法なんですが、ブリコラージュ的な方法と上手に組み合わせることで逆に効率性が高まっていくのではないかなというふうに思っています。
ちょっと時間来ちゃいましたけど、あと二分ぐらいで終わらせたいと思います。
そして、三番目です。この復旧復興を実現するための事前の準備という話なんですね。
今、国土交通省の資料を見ると、まだこの復興のための事前の準備をしている自治体というのは非常に多くはないと、まだやっていないところがまだまだ散見される状態です。この復興の事前準備というのは、そもそもやって当たり前の対策であるという理解をする必要があると思っています。今、全国見渡すと、備蓄物資を買っていない自治体というのはもう皆無であると。それは、被災して被害を受けると大変なので、事前に物資を買っておきましょうと。これ、同じです。被災して復旧復興しなければいけないので、そこで困るといけないから復興のための事前準備をしていくんだと。ですから、この復興の事前準備の普及促進、拡充というものを今後していく必要があるだろうというふうに強く感じます。
対して、それをするに当たって、僕は二つの視点が重要かなと思っています。それは、被災地という地域の復興と、それから被災者という人の復興、これ両方同時にバランスよく考えていくことが重要だというふうに思っております。
そして、最後、今後に向けてということで、今回の法改正含めてですけれども、能登半島とか熊本地震とか、それぐらいの災害を念頭に置いた改正かなというふうに思っています。今後起こり得る南海トラフあるいは首都直下地震、そういった超大規模災害へ備えるためには、別モードの検討が僕は必要かなというふうに思っています。
例えば、南海トラフですと、能登半島地震のこれ二桁ぐらい違う規模の被害が出る。そうすると、必要とされる支援のニーズに対して、全国の支援能力を集めたとしても対応できない可能性があると。そうすると、ある種の我慢のシェアが必要になるということが想定されます。そうなると、その場合、災害時のシビルミニマムをこれ切り下げる必要が出てくるかもしれないと。切り下げて設定した上で、それに対して社会的な合意を得ていく必要があるかもしれないと。その上で、全ての人がシビルミニマム以上の水準で災害をしのげる、そういう状況をつくっていくことが非常に重要だというふうに思っています。
ちょっと残り説明し切れないので、時間になりましたので、あとは質疑の中で補足説明させていただければというふうに思います。
以上で終了いたします。どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →今、私、生産技術研究所って理科系の研究所とそれから社会科学研究所という文科系の研究所、両方に所属しております。恐らく、大学関係の研究所の所属の方で文系、理系、両方所属しているというのはきっと私一人かなというふうに思っております。
まず、簡単に自己紹介した上で本題に入ってまいりたいと思います。
まず、専門は、社会的には防災の専門家というふうに言われているんですけれども、本来の分野は都市計画それから地域づくりを専門にしております。ですから、現場に出て、住民の方とか行政の方と一緒になって総合的に地域づくりをしていくと。ただし、災害からの安全という防災を主軸にしながら、総合的により良い地域をつくっていくと、そういうスタンスでこれまで実践活動それから研究活動をしてきております。
そういった背景ですので、専門家としての特徴は、社会をシステムとして捉えると。個々の要素技術を見るのではなくて、それも理解した上で、社会全体をシステムとして捉えて見ていく、あるいは総合化していく技術を開発していると、そういうスタンスで取り組んでおります。
それから、防災のフェーズ様々あります。事前の予防から復旧復興までいろんな段階があるんですけれども、それについても全体をトータルに捉えた上で物事を考えていると。
加えて、今説明させていただいたように、やっぱり現場からのフィードバックというのを大学の研究者として非常に重要視しておりまして、ここ一週間だと、大学の研究室の椅子に座っていたのは多分数時間ぐらいで、大半は外でいろいろ活動しながら、そこから持ち帰ったものを机上で理論化していると。そういうキャラクターです。
国などの委員会については、ここに書いてあるとおり、強靱化とか防災庁の設置含めて、防災関係の委員会で議論をさせていただいております。
今日のプレゼンの構成なんですが、この一、二、三プラス今後の方向性ということでお話しさせていただきたいと思います。
今日何をお話ししようかなと思って考えてきたんですが、今日は、あえて俯瞰的、それから抽象的な方に振って、割とベーシックな話をさせていただければなというふうに思っております。
じゃ、それでは、まず一点目です。一つ目が、問題の構造を俯瞰的に理解するということで説明させていただきたいと思います。
右側のこの図を見ていただきたいと思います。このA3のこれですね、A3の右側の図を見ていただきたいと思います。今の状況というのは一〇〇%、縦軸、機能があって、災害が起こるとその機能がぐっと下がっていくと。ここから災害のフェーズが始まるんですが、急性期というものと、その後、復旧復興に入っていくと、そういう時間軸になっています。
今の日本社会を考えると、もうデフォルトは一番下のラインです。災害を受けます、で、急性期においては更に被害が拡大して、災害関連死を含む様々な不幸が生じてしまうと。この後、復旧復興フェーズに入るんですが、今の日本社会、特に地方を見ると、今後を考えると、もう復興できないというのがデフォルトになるのではなかろうかと。向こう二十年見ると、人口が半減する地域というのは決して珍しくはないわけですね。そういう状況の中で、復興ができないんだというのをデフォルトとして問題を捉えていく必要があると思っています。
問題は、根幹的な問題は大きく二つあると思っています。一つは、急性期において災害関連死を含む被害が拡大してしまうと。これを何としてでも防がなければいけないと。二つ目が、復興できない状況に陥ると。これも何としても防がなければいけないと。この大きな二つの根幹的な問題を見据えてこれからの災害対策というものをきちんと考えていく必要があるんだというふうに思っています。
対策の柱は三本柱だというふうに思っています。まず一つ目は、急性期を乗り切って、かつ復興可能なレベルに被害を抑えるという黒丸の一番の対策が一つ目。そして二つ目が、急性期を乗り切る、要するに急性期に被害を拡大させないというのが二本目の柱になると。そして三番目が、適切かつ円滑かつ速やかな復旧復興を実現させていこうと。
この①と②をやると、この緑の水平のラインに行くわけですね。この後、復旧復興のフェーズで右肩上がりの点線に入っていくわけなんですが、その途中でいろんなつまずきがあって、それに引っかかってしまうとまた復興できないという右肩下がりのフェーズに入ってしまうと。
なので、復旧復興を実現させるためには、まず、その障害となるものをあらかじめ事前に取り除いておく必要があるんだと。加えて、復旧復興を加速化、迅速化させる必要があるということで、赤の右肩上がりの点線を緑の右肩上がりの点線に引き上げていく必要があるんだと。
最後三番目が、復興で何を目指すのかということが非常に重要になってくるだろうと。今、向こう二十年で人口が半減するような地域社会をこれ元に戻したとしても、これ、じり貧状態のものをまたじり貧状態に戻すわけですので、また未来が開けなくなってしまうと。そういうわけで、適切な復興像を目指していくということが非常に重要になってくる。これについても、事後ではなくて、やっぱり事前にきちんと考えておくということが必要だというふうに思っています。
ですから、この三本柱を核に進めていく必要があるんだということです。
二つ目の話題に移らさせていただきたいと思います。二つ目は、今の三本柱の二つ目です。急性期を乗り切るための必要な視点という話題に入っていきたいと思います。
これ、できれば難なく乗り切りたいと、乗り切ることを目標にすべきだというふうに思っています。この急性期の問題の構造は何かということなんですけど、これは、必要とされる対応需要に対して、対応するための資源、人、物、機能が桁外れに少ないという、このアンバランスが根本的な問題であるということです。
右側に写真が写っています。この写真は、災害時のこれ避難所の写真ではなくて、これ娘が小学校六年生のときの運動会のお昼御飯の様子なんですね。実は、この日は非常に日差しの強い日で、運動場で御飯食べ始めたんですけど、余りにも暑かったので体育館で食べようかといって出遅れて行ったら、既にこんな状態になっていたと。つまり、小学生の家族の六、七割が体育館に入るとこんな状態になるわけですね。ですから、被災地で避難したい人を公共施設に全て入れるなんということは非常に難しいということなわけです。
災害を難なく乗り越えていくためには、この需要と資源のアンバランスをなるべくバランスできるような方向に動かしていくということが不可欠だというふうに思っています。これ、仮に需要を小さくすることが難しいとするならば、資源を大きくするしかないと。それがあるべき対策の方向性というところに書かれています。
これ、二つあります。一つは対応資源を最大化していくと、もう一つが持てるリソースを最大限活用していくと、これに尽きるかなと思っています。
まず、対応資源の最大化ということなんですけど、事前に地域社会の中に対応資源を整備して拡充しておくということが非常に重要かなというふうに思っています。足りないものを被災した後、外から持ってくるのではなくて、できる限り地域の中でそれをつくり上げていくということが重要だというふうに思っています。それから、被災後、外から対応資源をきちんと持ってくるということも必要であるというふうに思っています。だから、この二つで対応資源を増やしていく必要があるんだということです。
それ実現に向けてということなんですけど、ここでやっぱり頭に置いておかなければいけないことは、公の資源だけで何とかするということにはもはや大きな限界があるんだと。なので、発想を柔軟化、転換していく必要があるというふうに思っています。
この公の資源の少なさというのは、これ最近僕が使っている説明は、地震が起きて、けがしたら救急車呼べばいいというふうに思うわけなんですけど、東京の場合、東京消防庁の救急車って三百数十台、仮に三百五十台だとしましょう、三百五十台と。一人患者さんを、傷病者を病院に連れていくのに大体二時間ぐらい掛かるんですね。そうすると、発災十二時間で一台の救急車で六人運べると。仮に三百五十台だとすると、三百五十掛ける六をすると二千百人なんですね。一方で、東京都の地震被害想定の発生する負傷者数を見ると九万人なんですね、九万人。三百五十掛ける六の二千百人ですので、ある意味抽せんで当たった二千百人が救急車に乗れるだけと。つまり、頑張ればできるという数字ではないということをやっぱりちゃんと頭に置いておく必要があるだろうと。
そういう意味では、未利用資源をやっぱりもっともっとしっかり発掘して、それを活用していくということを何か位置付ける必要があるだろうというふうに思っています。
その方向性として二つあって、一つは、被災地域内にある災害時遊休施設と僕は呼んでいるんですけれども、それを社会的に活用していこうと。この災害時遊休施設というのは、災害時に本来目的で利用する必要のない民間の施設や設備、これ多分いろいろ探せばあると思います。例えば、スポーツクラブの施設なんかもそうだろうし、分かりやすい例で言うとパチンコ屋さんなんかももしかしたらそうかもしれないと。要するに、災害時に使わなくてよい施設を活用していくと。
それから、一方で、被災地外の民間リソースも最大限使っていこうと。これも様々あります。例えば、警備業務の従業者数って五十六万人もいると。これ、全国の警察官の数よりも多分多いだろうと。被災していない地域のセントラルキッチンや物流システムもあるだろうと。そういったものを総動員することで外のリソースを被災地に生かしていくと。そう考えていくと、やっぱり新たな官民連携の形というものも今後模索していかなければいけないかなというふうに思っています。
加えて、今度は持てるリソースの最大活用ということになります。これ、リソースはあるけど使えていないものというのが実はたくさんあるかなというふうに思っています。
まず一つは、いろんなリソースとリソースの間に隙間があると。その隙間をつないで全体最適を図っていくという視点が非常に重要かなと思っています。その隙間とは、これ縦割りの隙間、それから国、都道府県、市町村の隙間、それから官民などのセクター間の隙間、様々な隙間があると。これを上手につないでいく機能を強化する必要があるし、全体像を俯瞰する機能、そういったものを今後強化していく必要があるだろうということです。
そして、次が対応の効率化。これ、ある種のやっぱり簡便化と柔軟化のようなものがもう必要かなというふうに思っています。ここでは二つ挙げています。
一つは、マニュアル主義からミッション主義へと。マニュアルに従って動くのではなくて、今この目標を達成しなければいけないというものを中心にして、それを何としてもやり遂げるというような対応の仕方にやっぱり転換していくことが重要かなというふうに思っています。
それから、ブリコラージュという言葉があります、エンジニアリングからブリコラージュ。これは物づくりの一つの方法なんですが、エンジニアリングというのは、工学的な知見に基づいて設計図を書いて、いろんな道具といろんな材料を集めてきて組み立てていくことがエンジニアリングなんですが、ブリコラージュは、未開の文化の土地での物づくりのようなもので、要は、何かしたいと思ったときにその辺にあるものを上手に集めて使いこなしていくと、そういう対応の仕方であると。今の災害対応というのは基本、エンジニアリング的な方法なんですが、ブリコラージュ的な方法と上手に組み合わせることで逆に効率性が高まっていくのではないかなというふうに思っています。
ちょっと時間来ちゃいましたけど、あと二分ぐらいで終わらせたいと思います。
そして、三番目です。この復旧復興を実現するための事前の準備という話なんですね。
今、国土交通省の資料を見ると、まだこの復興のための事前の準備をしている自治体というのは非常に多くはないと、まだやっていないところがまだまだ散見される状態です。この復興の事前準備というのは、そもそもやって当たり前の対策であるという理解をする必要があると思っています。今、全国見渡すと、備蓄物資を買っていない自治体というのはもう皆無であると。それは、被災して被害を受けると大変なので、事前に物資を買っておきましょうと。これ、同じです。被災して復旧復興しなければいけないので、そこで困るといけないから復興のための事前準備をしていくんだと。ですから、この復興の事前準備の普及促進、拡充というものを今後していく必要があるだろうというふうに強く感じます。
対して、それをするに当たって、僕は二つの視点が重要かなと思っています。それは、被災地という地域の復興と、それから被災者という人の復興、これ両方同時にバランスよく考えていくことが重要だというふうに思っております。
そして、最後、今後に向けてということで、今回の法改正含めてですけれども、能登半島とか熊本地震とか、それぐらいの災害を念頭に置いた改正かなというふうに思っています。今後起こり得る南海トラフあるいは首都直下地震、そういった超大規模災害へ備えるためには、別モードの検討が僕は必要かなというふうに思っています。
例えば、南海トラフですと、能登半島地震のこれ二桁ぐらい違う規模の被害が出る。そうすると、必要とされる支援のニーズに対して、全国の支援能力を集めたとしても対応できない可能性があると。そうすると、ある種の我慢のシェアが必要になるということが想定されます。そうなると、その場合、災害時のシビルミニマムをこれ切り下げる必要が出てくるかもしれないと。切り下げて設定した上で、それに対して社会的な合意を得ていく必要があるかもしれないと。その上で、全ての人がシビルミニマム以上の水準で災害をしのげる、そういう状況をつくっていくことが非常に重要だというふうに思っています。
ちょっと残り説明し切れないので、時間になりましたので、あとは質疑の中で補足説明させていただければというふうに思います。
以上で終了いたします。どうもありがとうございました。
塩
鍵
鍵屋一#5
○参考人(鍵屋一君) ありがとうございます。
災害時も尊厳が守られる社会へというテーマでお話をさせていただきたいと思います。私の場合は国民の行動変容を促すということが非常に重要だと思っていますので、その観点から具体的な政策を六個ほど提案をさせていただきたいというふうに考えています。
元々は東京都板橋区で防災課長あるいは福祉部長をやっておりまして、防災と福祉が大好物な男でございます。
一枚おめくりいただきますと、法改正の目的、私なりの理解は、災害時も尊厳が守られる社会をつくっていこう。二つの前提条件があります。一つは、国難災害の確率はとても高いということです。もう一つは、社会はとても脆弱化しています。そうすると、福祉の視点で費用効果の高い事前防災をすることが、結果として被害を著しく減らすことができるというふうに考えています。六点ほどの御提案を持ってまいりました。
最初、男鹿のなまはげの話をちょっとしたいと思うんですが、私、秋田県の男鹿半島出身でございまして、子供の頃にこうやってなまはげが家に来て、泣く子はいねがと脅かすわけですね。それをやっていたんですが、この頃は子供少なくなったんさ、だから、なまはげさんは年寄りのうちにも行くんですね。で、おやじどうしたって聞くと、いや、ばあさん転んで骨折したからね、今寝たきりになって大変なんだなんという話がなまはげさん分かるわけですよ。そうすると、いや、大変でねえかと、この持っているなまはげ台帳というのに書くわけですな。そして、それを仲間のなまはげと共有するわけです。そうなると、これ、津波が来るぞといったら、どこのうち助けに行かねばいけねえかというのは、なまはげさん、ちゃんと頭の中に入っているわけです。
だから、こういう共助というのは物すごく大事であって、地域の伝統文化等に組み合わさった共助というのはもう物すごく価値のあるものだなと思うんですね。ただ、次に来る首都直下や南海トラフはそれに頼るだけでは十分ではないというふうに考えているんです。
次の次のページですが、国難級地震の発生確率は、もう先生方御存じのとおり、南海トラフで八〇、首都直下では七〇としているんですが、これ、どっちかが来るというふうに考えるのがいいんでねえかなと思っているんです。三十年後に八〇、七〇というと、ちょっと随分先のような気がします。
そこで、次のページ見てください。十年間だとどのくらいになるかということを専門家の先生にもお聞きしましたら、どちらかが発生する確率は五三%でした、詳しい説明は省きますけれども。五年間にしたら、どちらかが発生する確率は三七・四%もあります。決してずっと先の話でないですよ。もう目の前だというふうに考えながら対策を取っていく必要があると。
社会はすごく脆弱化しています。特に、阪神・淡路大震災に比べると、次のページ御覧ください、七十五歳以上の方は三十年で約三倍に増えています。七十五歳以上になりますと、十一枚目の資料のところに書いてありますが、要介護、要支援の人が約三割になります。この人たちをいかに守るか、これを先に考えたいと思うんですね。
要介護者の日常生活動作見ると、階段を上り下りできない人は八割います。五十メートル以上歩けない人は七割です。こういう人に対して、津波は徒歩避難で行ってくださいって、それは無理です。ちゃんと正面から見据えて、この人たちをいかに守るかを考えていかないといけない。
それから、障害者も、今日JDFさんお見えになっていますけれども、これデータがうまくそろっていなくて申し訳ないんですが、二十五年で六二・五%。
一方で、近所付き合いのデータもあります。一九九七年は四割以上の人が親しく付き合っていると言ったのに、二〇二二年になると八・六%です。何と五分の一なんです、親しく付き合っている人は。これが大問題なんです。だから、共助がなかなか厳しい。消防団員も、その次のページで、役所の職員も減っています。だから、自助、共助、公助っておまじないを唱えても、これ効かない社会になってきているんですよ。もちろん大事ですよ、大事なんだけど、それだけでは駄目だ。
福祉の世界見ると、当然、自助、共助、公助なんです、福祉も。だけれども、それでは間に合わないので、介護保険や障害者総合支援法や生活困窮者支援や重層的支援体制整備事業など、いろんな政策開発をしながら大変な人たちを守っているわけです。そういうことを考えながら、防災も福祉の視点でアップデートする必要があるだろうと。
そこで、六点の御提案です。
一つ目は、住宅の耐震化です。
これなくして地震対策はあり得ません。住宅の耐震化は全額公費でやっていいと思います、私は。耐震化するとその財産の価値が上がるから応益負担で払ってくださいというふうに言っていますけど、命を守る程度の最低限の耐震化は、もうこれは社会的な要請であります。応益負担できないでしょう、年金暮らしのお年寄りとかは。やっぱり、ここは福祉的視点で見れば応能負担です。払える人が、払えなければ、これは、でもやるしかないんですよ。何か専門家でいうと、もう診断なんかしないでブレースばんばん付けて、五十万円もあればできるんじゃないかと言う人もいらっしゃいますので、そういう政策開発しながら、技術開発をしながら全額公費でやると。これがやっぱり直接被害の大部分を軽減できますし、住宅がちゃんと残っていれば避難もできますし、火災を消火する人もいますし、避難生活の困難さも劇的に減らせる。
これ、全国四百五十万戸ほどあるんですが、金額で見ると、木耐協さんというところの平均工事額が百六十七万円ですから、目安としては七・五兆円です。これ、五十万円でできると言う人もいますので、最低限でやればですね、そのくらいの感じ、年間でいくと七千五百億。
これは大変ですが、それをやっているのが、実際やっているのは黒潮町です。その次のページを見ていただくと、一万人の人口で何と百五十四軒も耐震改修をしています。重要なのは自己負担の有無なんですね。福祉的視点から見れば応能負担で、払えない人はしようがないです。もうやるしかないんです。
その次のページに、地震防災戦略による減災効果。一度内閣府が、平成十七年、地震防災戦略作成して、三年後に戦略の効果測定していますが、想定死者数の四千人の減少と経済被害十一兆円の減少となっています。このうち死者数の半数と経済被害の七割は住宅の耐震化の効果によるとされているわけです。
そして、その次のグラフが阪神・淡路大震災の火災のグラフです。住宅が壊れない左側のところでは火災の発生件数は少ないし、たくさん壊れている右側の方に行くと火災の発生件数も増えるわけです。
それからもう一つ、賃貸住宅は、じゃ、どうするんだと。これは耐震性を是非公表してもらいたいと思います。一九八一年六月、昭和五十六年六月以前に申請をした建物は極めて弱いです。もうこれ分からないですよ、普通の人は。だから、こういうふうに広告とかに表示すべきだなと思います。
じゃ、二つ目です。緊急避難ですね。
これ、「ひなんさんぽ」というのをやっているところがあるんです。これは、高齢者や障害者の逃げ遅れが多いですから、課題としては、「ひなんさんぽ」しておいて、ふだんから避難所へ行く道分かっておく、これによって避難の確率を高める、あるいは近所や知人との声掛け、つながる、さらにはフレイル予防、介護予防につながるので、全国展開で是非これはやっていかれるといいんじゃないかなというふうに思っています。全国の約一千万人の人が、じゃ、「ひなんさんぽ」にして、年に二回参加して、お茶代千円出せば二百億です。でも、これは国が出すというよりも地域で頑張れるお金かなと思います。
その次が、訓練の効果ですね。「百考は一行に如かず」って書いてありますが、津波浸水域内にいるということを知っていた人は東日本大震災で三・四六倍逃げています。だから、訓練は物すごく有効です。
ただし、訓練というと、どうしても避難だけではなく、AEDや初期消火、応急救護とかいろいろやりますので、役員さんも大変です。それから、高齢者、障害者も、避難場所まで行ってもお手伝いできないんで出番がないんですね。
そこで、散歩だけでいいってやったのが岡崎市であります。次のページに書いてあります。そうしたら、皆さん、参加した人大喜びだということで、ふるさとの男鹿市でもやってもらいました。やっぱり、いろんな人が散歩だけだったらって来やすいんですね。
で、訓練が終わったら振り返りをします。そこで計画作るんですが、ここで、いつも訓練というと、大体最後に期限切れ間近のアルファ米と水を配るというのが多いんですけれども、やっぱりここ大事なので、お茶菓子、地域の和菓子店からお茶菓子取って、それでここに予算を使って、おしゃべりして、そしていざというときに声掛けやすい関係をつくっていくということが効果があると思っています。
個別避難計画というのは努力義務とされて、今まだ十分な数できていないんですけれども、私自身は、計画の完成度よりも、この作るプロセスでつながりをつくることが大事だというふうに思っています。これが地域共生社会につながっていくんだと。防災を道具にしながら社会を変えていくということです。
三番目の提案です。簡易トイレの全戸配布です。
とにかくトイレ不足というのが必ず課題になります。必ず課題になるので、これもう配ってしまうというのが一番早いと思います。全国民に四日分、まあ大体二十個ですね、簡易トイレ配布。これは、実は港区とか品川区ではもう既に実施しております。簡易トイレがあれば、在宅で避難ができます。しかも、四日分ありますから、二、三日は安心して家の中にいられるわけです。そして、トイレに行けるんで、水分や栄養素が取れます。トイレに行けるんで、安心して会社にも行けるわけです。こうやって社会の復興の迅速化。
そして、トイレが配られたら、何だろうと思いますよね。いや、これ、あっ、そうか、地震ってこんな近いんだ、真剣にやらねばいけないんだと、政府もトイレ配るんだと、こういうことで国民の行動変容を促していく。三千円ぐらい掛かります、二十個、四日分で。三百七十一億四千万円でした、計算しました。まあ一年で配ってもいいし三年で配ってもいいんですけど、これくらいやると行動変容につながるんではないかと。
トイレ不足は命に関わります。その次のページを見ていただくと、免疫機能で感染症にかかりやすい、誤嚥性肺炎やエコノミークラス症候群、そしてみんながいらいらして避難生活が危なくなります。
能登半島地震では、八十代の女性が、トイレが使用できないので畑に行って転倒、自力で動けなくなって低体温症で亡くなるという、これが今の日本なんですよ。これを防ぐのは簡単です。トイレ配ればいいんです。
ところが、災害用トイレを一回分でも備蓄している人は僅か二割です。四日分以上備蓄しているのは四%しかいません。もう首都直下地震の最大の問題なんです。
その次からは、人は一日五回トイレへ行きますよ、でも、役所が用意しているトイレは、マンホールトイレや仮設トイレは一階にしかありませんよ、マンションから下りてくるんですか、エレベーター使えませんよ。そうすると、過去の災害ではみんな避難所に向かいます。あとは車中泊です。
ところが、東京は避難所も精いっぱい、加藤さんおっしゃったように避難所も大変です。車中泊する場所もありません。どうなりますか。これは大変な問題ですね。そして、避難生活が困難なのに、俺会社に行くわって行けないんですよ。そういうこともありますので、トイレを配って何とかと思います。
その次の写真が、関東大震災の上野の駅前広場です。このときの東京市の人口は約二百二十万人でした。今は一千万人近くいます。一体どこに避難すればいいんでしょうということになる。家しかないんです。家で避難してもらわないと駄目なんです。そのためにトイレなんです。
その次です。全ての福祉施設を福祉避難所にということであります。
高齢者、障害者の避難生活が厳しくて関連死が発生します。もう全ての福祉施設で一定程度、何日間か受け入れられるという状況をつくるのが一番早いかなと思っています。これ、福祉施設全部、七万七千八百あるそうですが、百万円ずつ配ると七百七十八億円くらいのイメージです。それは、特別支援学校は障害児の避難所に、それから、私は、跡見学園女子大学ってあります。ここは今、妊産婦・乳児救護所になっています。だから、ところが、横の国立大学は救護所になっていないんですよ。お母さん方、分からないですよね、跡見はなっているけど、よそはなっていないって分からないですよね。全ての女子大学でやっぱり受け入れられるようになるのがいいなというふうに夢を見ております。
東日本大震災は、高齢者を支援する必要があるということは、この福祉避難所の実情をちょっと見ていただくと、二枚目くらいにマニュアル作っているのは一五%とかというのが出ます。それから、能登半島地震の福祉避難所の運営期間は平均すると百十日です。二週間とか言われていますが、実際はこういう状況でした。そして、その次の能登半島地震の福祉避難所の運営経費、ほとんど持ち出しがなかったのが三分の一、三分の二は持ち出してやっているんですね。大変な中に、更にお金の負担まで実際にはしているというのが実情であります。
それから、その次が、災害福祉支援体制の整備、人材育成ということで、福祉関係者の被災者支援は、DMAT、医療に比べると始まったばかりでございます。まだまだ弱いです。そこで、DWAT、あるいは被災福祉施設の支援、福祉避難所の開設、運営などをやるような人材育成が必要です。都道府県社協に常設型の災害福祉支援センターをつくってもらいてえなと思っています。四名程度必要かなというイメージですが、人件費で十八億くらいでございます。このくらいで福祉人材の研修を回していくんだと、そして実際、現場へ行く。
その次の介護保険給付費です。ちょっと独自に調べてみました。
東日本大震災の全国の介護保険給付費の伸びと岩手、宮城、福島の伸びを比べました。二〇一一年度は三県とも減っています。これは、高齢者が亡くなってしまったからです。重度の方々が亡くなってしまった悲しみの量であります。ふいに親族や知人が亡くなってしまった悲しみの量がこのグラフの左側です。右側は、今度は重度化してお金が掛かるようになってしまった、それもまたつらいのでございます。
ということで、もう時間が来たということなので飛ばしますが、非常に増えていますので、こういう悲しみの量を増やさないためには福祉支援が重要であります。今回の法改正の目玉になる部分だろうなと思っています。
熊本地震でも、ごめんなさい、後はもう言葉でちょっといきます。亡くなった場所は避難所ではありません。在宅でございます。在宅への福祉支援が重要です。
最後に、⑥というところで、法の目的に尊厳を加えるというのをお願いしたいと思っています。
実際には、災害時に尊厳を守るという意識、弱いです。災害だから我慢しなさいとか、女の人はこうやりなさいとか、そういうことが非常に多いです、実際。おいしいもの食べさせると避難所に居着くとか、悲しい言葉も聞かれます。それは、災害時に尊厳を守るんだというような意識が弱いからなんですね。そこで、法の目的に尊厳を加えていただきたいというのが願いでございます。
最後に、お金の話をしておきます。
地震保険の政府積立金は、ちょっと私が見たところですが、約二兆円あります。これを災害後に使うよりも前に使いましょう。そうすると、これらのこと全部できます。宝くじも毎年三千億円分配金あります。縦割りの省庁の持っている、この管理しているのを横に動かして日本全体を減らすのは、もう政治家の皆さん方のお役目ではないかなというふうに思っています。
ということで、地震の発生確率は、先ほど申しました、十年以内にどちらかが発生する確率は五割を超え、どちらかが五年以内でも三七%あります。必死になって取り組まなければいけないという思いを込めて、ちょっと時間超過して申し訳ないです、話させていただきました。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →災害時も尊厳が守られる社会へというテーマでお話をさせていただきたいと思います。私の場合は国民の行動変容を促すということが非常に重要だと思っていますので、その観点から具体的な政策を六個ほど提案をさせていただきたいというふうに考えています。
元々は東京都板橋区で防災課長あるいは福祉部長をやっておりまして、防災と福祉が大好物な男でございます。
一枚おめくりいただきますと、法改正の目的、私なりの理解は、災害時も尊厳が守られる社会をつくっていこう。二つの前提条件があります。一つは、国難災害の確率はとても高いということです。もう一つは、社会はとても脆弱化しています。そうすると、福祉の視点で費用効果の高い事前防災をすることが、結果として被害を著しく減らすことができるというふうに考えています。六点ほどの御提案を持ってまいりました。
最初、男鹿のなまはげの話をちょっとしたいと思うんですが、私、秋田県の男鹿半島出身でございまして、子供の頃にこうやってなまはげが家に来て、泣く子はいねがと脅かすわけですね。それをやっていたんですが、この頃は子供少なくなったんさ、だから、なまはげさんは年寄りのうちにも行くんですね。で、おやじどうしたって聞くと、いや、ばあさん転んで骨折したからね、今寝たきりになって大変なんだなんという話がなまはげさん分かるわけですよ。そうすると、いや、大変でねえかと、この持っているなまはげ台帳というのに書くわけですな。そして、それを仲間のなまはげと共有するわけです。そうなると、これ、津波が来るぞといったら、どこのうち助けに行かねばいけねえかというのは、なまはげさん、ちゃんと頭の中に入っているわけです。
だから、こういう共助というのは物すごく大事であって、地域の伝統文化等に組み合わさった共助というのはもう物すごく価値のあるものだなと思うんですね。ただ、次に来る首都直下や南海トラフはそれに頼るだけでは十分ではないというふうに考えているんです。
次の次のページですが、国難級地震の発生確率は、もう先生方御存じのとおり、南海トラフで八〇、首都直下では七〇としているんですが、これ、どっちかが来るというふうに考えるのがいいんでねえかなと思っているんです。三十年後に八〇、七〇というと、ちょっと随分先のような気がします。
そこで、次のページ見てください。十年間だとどのくらいになるかということを専門家の先生にもお聞きしましたら、どちらかが発生する確率は五三%でした、詳しい説明は省きますけれども。五年間にしたら、どちらかが発生する確率は三七・四%もあります。決してずっと先の話でないですよ。もう目の前だというふうに考えながら対策を取っていく必要があると。
社会はすごく脆弱化しています。特に、阪神・淡路大震災に比べると、次のページ御覧ください、七十五歳以上の方は三十年で約三倍に増えています。七十五歳以上になりますと、十一枚目の資料のところに書いてありますが、要介護、要支援の人が約三割になります。この人たちをいかに守るか、これを先に考えたいと思うんですね。
要介護者の日常生活動作見ると、階段を上り下りできない人は八割います。五十メートル以上歩けない人は七割です。こういう人に対して、津波は徒歩避難で行ってくださいって、それは無理です。ちゃんと正面から見据えて、この人たちをいかに守るかを考えていかないといけない。
それから、障害者も、今日JDFさんお見えになっていますけれども、これデータがうまくそろっていなくて申し訳ないんですが、二十五年で六二・五%。
一方で、近所付き合いのデータもあります。一九九七年は四割以上の人が親しく付き合っていると言ったのに、二〇二二年になると八・六%です。何と五分の一なんです、親しく付き合っている人は。これが大問題なんです。だから、共助がなかなか厳しい。消防団員も、その次のページで、役所の職員も減っています。だから、自助、共助、公助っておまじないを唱えても、これ効かない社会になってきているんですよ。もちろん大事ですよ、大事なんだけど、それだけでは駄目だ。
福祉の世界見ると、当然、自助、共助、公助なんです、福祉も。だけれども、それでは間に合わないので、介護保険や障害者総合支援法や生活困窮者支援や重層的支援体制整備事業など、いろんな政策開発をしながら大変な人たちを守っているわけです。そういうことを考えながら、防災も福祉の視点でアップデートする必要があるだろうと。
そこで、六点の御提案です。
一つ目は、住宅の耐震化です。
これなくして地震対策はあり得ません。住宅の耐震化は全額公費でやっていいと思います、私は。耐震化するとその財産の価値が上がるから応益負担で払ってくださいというふうに言っていますけど、命を守る程度の最低限の耐震化は、もうこれは社会的な要請であります。応益負担できないでしょう、年金暮らしのお年寄りとかは。やっぱり、ここは福祉的視点で見れば応能負担です。払える人が、払えなければ、これは、でもやるしかないんですよ。何か専門家でいうと、もう診断なんかしないでブレースばんばん付けて、五十万円もあればできるんじゃないかと言う人もいらっしゃいますので、そういう政策開発しながら、技術開発をしながら全額公費でやると。これがやっぱり直接被害の大部分を軽減できますし、住宅がちゃんと残っていれば避難もできますし、火災を消火する人もいますし、避難生活の困難さも劇的に減らせる。
これ、全国四百五十万戸ほどあるんですが、金額で見ると、木耐協さんというところの平均工事額が百六十七万円ですから、目安としては七・五兆円です。これ、五十万円でできると言う人もいますので、最低限でやればですね、そのくらいの感じ、年間でいくと七千五百億。
これは大変ですが、それをやっているのが、実際やっているのは黒潮町です。その次のページを見ていただくと、一万人の人口で何と百五十四軒も耐震改修をしています。重要なのは自己負担の有無なんですね。福祉的視点から見れば応能負担で、払えない人はしようがないです。もうやるしかないんです。
その次のページに、地震防災戦略による減災効果。一度内閣府が、平成十七年、地震防災戦略作成して、三年後に戦略の効果測定していますが、想定死者数の四千人の減少と経済被害十一兆円の減少となっています。このうち死者数の半数と経済被害の七割は住宅の耐震化の効果によるとされているわけです。
そして、その次のグラフが阪神・淡路大震災の火災のグラフです。住宅が壊れない左側のところでは火災の発生件数は少ないし、たくさん壊れている右側の方に行くと火災の発生件数も増えるわけです。
それからもう一つ、賃貸住宅は、じゃ、どうするんだと。これは耐震性を是非公表してもらいたいと思います。一九八一年六月、昭和五十六年六月以前に申請をした建物は極めて弱いです。もうこれ分からないですよ、普通の人は。だから、こういうふうに広告とかに表示すべきだなと思います。
じゃ、二つ目です。緊急避難ですね。
これ、「ひなんさんぽ」というのをやっているところがあるんです。これは、高齢者や障害者の逃げ遅れが多いですから、課題としては、「ひなんさんぽ」しておいて、ふだんから避難所へ行く道分かっておく、これによって避難の確率を高める、あるいは近所や知人との声掛け、つながる、さらにはフレイル予防、介護予防につながるので、全国展開で是非これはやっていかれるといいんじゃないかなというふうに思っています。全国の約一千万人の人が、じゃ、「ひなんさんぽ」にして、年に二回参加して、お茶代千円出せば二百億です。でも、これは国が出すというよりも地域で頑張れるお金かなと思います。
その次が、訓練の効果ですね。「百考は一行に如かず」って書いてありますが、津波浸水域内にいるということを知っていた人は東日本大震災で三・四六倍逃げています。だから、訓練は物すごく有効です。
ただし、訓練というと、どうしても避難だけではなく、AEDや初期消火、応急救護とかいろいろやりますので、役員さんも大変です。それから、高齢者、障害者も、避難場所まで行ってもお手伝いできないんで出番がないんですね。
そこで、散歩だけでいいってやったのが岡崎市であります。次のページに書いてあります。そうしたら、皆さん、参加した人大喜びだということで、ふるさとの男鹿市でもやってもらいました。やっぱり、いろんな人が散歩だけだったらって来やすいんですね。
で、訓練が終わったら振り返りをします。そこで計画作るんですが、ここで、いつも訓練というと、大体最後に期限切れ間近のアルファ米と水を配るというのが多いんですけれども、やっぱりここ大事なので、お茶菓子、地域の和菓子店からお茶菓子取って、それでここに予算を使って、おしゃべりして、そしていざというときに声掛けやすい関係をつくっていくということが効果があると思っています。
個別避難計画というのは努力義務とされて、今まだ十分な数できていないんですけれども、私自身は、計画の完成度よりも、この作るプロセスでつながりをつくることが大事だというふうに思っています。これが地域共生社会につながっていくんだと。防災を道具にしながら社会を変えていくということです。
三番目の提案です。簡易トイレの全戸配布です。
とにかくトイレ不足というのが必ず課題になります。必ず課題になるので、これもう配ってしまうというのが一番早いと思います。全国民に四日分、まあ大体二十個ですね、簡易トイレ配布。これは、実は港区とか品川区ではもう既に実施しております。簡易トイレがあれば、在宅で避難ができます。しかも、四日分ありますから、二、三日は安心して家の中にいられるわけです。そして、トイレに行けるんで、水分や栄養素が取れます。トイレに行けるんで、安心して会社にも行けるわけです。こうやって社会の復興の迅速化。
そして、トイレが配られたら、何だろうと思いますよね。いや、これ、あっ、そうか、地震ってこんな近いんだ、真剣にやらねばいけないんだと、政府もトイレ配るんだと、こういうことで国民の行動変容を促していく。三千円ぐらい掛かります、二十個、四日分で。三百七十一億四千万円でした、計算しました。まあ一年で配ってもいいし三年で配ってもいいんですけど、これくらいやると行動変容につながるんではないかと。
トイレ不足は命に関わります。その次のページを見ていただくと、免疫機能で感染症にかかりやすい、誤嚥性肺炎やエコノミークラス症候群、そしてみんながいらいらして避難生活が危なくなります。
能登半島地震では、八十代の女性が、トイレが使用できないので畑に行って転倒、自力で動けなくなって低体温症で亡くなるという、これが今の日本なんですよ。これを防ぐのは簡単です。トイレ配ればいいんです。
ところが、災害用トイレを一回分でも備蓄している人は僅か二割です。四日分以上備蓄しているのは四%しかいません。もう首都直下地震の最大の問題なんです。
その次からは、人は一日五回トイレへ行きますよ、でも、役所が用意しているトイレは、マンホールトイレや仮設トイレは一階にしかありませんよ、マンションから下りてくるんですか、エレベーター使えませんよ。そうすると、過去の災害ではみんな避難所に向かいます。あとは車中泊です。
ところが、東京は避難所も精いっぱい、加藤さんおっしゃったように避難所も大変です。車中泊する場所もありません。どうなりますか。これは大変な問題ですね。そして、避難生活が困難なのに、俺会社に行くわって行けないんですよ。そういうこともありますので、トイレを配って何とかと思います。
その次の写真が、関東大震災の上野の駅前広場です。このときの東京市の人口は約二百二十万人でした。今は一千万人近くいます。一体どこに避難すればいいんでしょうということになる。家しかないんです。家で避難してもらわないと駄目なんです。そのためにトイレなんです。
その次です。全ての福祉施設を福祉避難所にということであります。
高齢者、障害者の避難生活が厳しくて関連死が発生します。もう全ての福祉施設で一定程度、何日間か受け入れられるという状況をつくるのが一番早いかなと思っています。これ、福祉施設全部、七万七千八百あるそうですが、百万円ずつ配ると七百七十八億円くらいのイメージです。それは、特別支援学校は障害児の避難所に、それから、私は、跡見学園女子大学ってあります。ここは今、妊産婦・乳児救護所になっています。だから、ところが、横の国立大学は救護所になっていないんですよ。お母さん方、分からないですよね、跡見はなっているけど、よそはなっていないって分からないですよね。全ての女子大学でやっぱり受け入れられるようになるのがいいなというふうに夢を見ております。
東日本大震災は、高齢者を支援する必要があるということは、この福祉避難所の実情をちょっと見ていただくと、二枚目くらいにマニュアル作っているのは一五%とかというのが出ます。それから、能登半島地震の福祉避難所の運営期間は平均すると百十日です。二週間とか言われていますが、実際はこういう状況でした。そして、その次の能登半島地震の福祉避難所の運営経費、ほとんど持ち出しがなかったのが三分の一、三分の二は持ち出してやっているんですね。大変な中に、更にお金の負担まで実際にはしているというのが実情であります。
それから、その次が、災害福祉支援体制の整備、人材育成ということで、福祉関係者の被災者支援は、DMAT、医療に比べると始まったばかりでございます。まだまだ弱いです。そこで、DWAT、あるいは被災福祉施設の支援、福祉避難所の開設、運営などをやるような人材育成が必要です。都道府県社協に常設型の災害福祉支援センターをつくってもらいてえなと思っています。四名程度必要かなというイメージですが、人件費で十八億くらいでございます。このくらいで福祉人材の研修を回していくんだと、そして実際、現場へ行く。
その次の介護保険給付費です。ちょっと独自に調べてみました。
東日本大震災の全国の介護保険給付費の伸びと岩手、宮城、福島の伸びを比べました。二〇一一年度は三県とも減っています。これは、高齢者が亡くなってしまったからです。重度の方々が亡くなってしまった悲しみの量であります。ふいに親族や知人が亡くなってしまった悲しみの量がこのグラフの左側です。右側は、今度は重度化してお金が掛かるようになってしまった、それもまたつらいのでございます。
ということで、もう時間が来たということなので飛ばしますが、非常に増えていますので、こういう悲しみの量を増やさないためには福祉支援が重要であります。今回の法改正の目玉になる部分だろうなと思っています。
熊本地震でも、ごめんなさい、後はもう言葉でちょっといきます。亡くなった場所は避難所ではありません。在宅でございます。在宅への福祉支援が重要です。
最後に、⑥というところで、法の目的に尊厳を加えるというのをお願いしたいと思っています。
実際には、災害時に尊厳を守るという意識、弱いです。災害だから我慢しなさいとか、女の人はこうやりなさいとか、そういうことが非常に多いです、実際。おいしいもの食べさせると避難所に居着くとか、悲しい言葉も聞かれます。それは、災害時に尊厳を守るんだというような意識が弱いからなんですね。そこで、法の目的に尊厳を加えていただきたいというのが願いでございます。
最後に、お金の話をしておきます。
地震保険の政府積立金は、ちょっと私が見たところですが、約二兆円あります。これを災害後に使うよりも前に使いましょう。そうすると、これらのこと全部できます。宝くじも毎年三千億円分配金あります。縦割りの省庁の持っている、この管理しているのを横に動かして日本全体を減らすのは、もう政治家の皆さん方のお役目ではないかなというふうに思っています。
ということで、地震の発生確率は、先ほど申しました、十年以内にどちらかが発生する確率は五割を超え、どちらかが五年以内でも三七%あります。必死になって取り組まなければいけないという思いを込めて、ちょっと時間超過して申し訳ないです、話させていただきました。
ありがとうございました。
塩
菅
菅野拓#7
○参考人(菅野拓君) ありがとうございます。
このような貴重な機会にお呼びいただき、ありがとうございます。
少し自己紹介からさせていただきたいというふうに思います。私も、最初に意見を言われた加藤先生とよく似ていまして、大学の学者ではあるんですけれども、研究室にはほぼいないという生活をしております。ほとんど研究室は物置状態で、本当に一週間に何回入るかな、一回入るか、二回入るかと。大学まで行って入らないことも多いんですけれども、そうやって現場にばかり行っています。余り使う言葉ではないですが、臨床の社会科学者と自分のことを思っていまして、臨床って、お医者さんなんかは臨床医という言葉がありますが、要は何かいろんな問題のところに行って、現場でずうっと過ごして、何でこうなっているのかなと考えながら学問をしていくと。だから、現場で一緒に汗をかくこともしています。
例えば今回の能登半島地震では、石川県の知事特命アドバイザーという形で実は一緒に政策対応をしていて、どんな政策が今要るんだ、こういうことを国に伝えてくれ、若しくはこういう情報が地域から上がっているからここを改良しなきゃいけない、そういったことを一緒に考えるということも積極的にやっておりました。まさに、何か、そういった災害対応の現場を見ていますと、やっぱり何でこんなふうになるんだと、非常にひどい状態が続いていると。まあ、はっきり言いますと、避難所の水準は関東大震災の頃から余り変わっていないなというのが日本の状況でございまして、ここを何とかしないと、本当に災害関連死という言葉が、すごく不名誉な言葉だと思いますけれども、社会に敷衍してしまっている、こういう状況をやはり変えにゃいかぬと。これをしないと、やっぱりちょっと、私も中学生と小学生の息子がいますけれども、ちょっと顔向けできないなと、そういうふうに考えてこの数年はずっとこの被災者支援の問題で研究をしたり現場で汗をかいたり、皆さんと一緒に政策をつくっていくと、こういう動きをしてまいりました。
今日は、三点申し伝えたいことがあると思っております。
一つが、まず法案自体への評価という部分で、その後、それをなぜそういうふうに評価するのかという考え方の部分ですね、最後にプラスアルファの意見といいますか、ここを更に進めていただきたいんだと、この三点を今日はお伝えしたいというふうに思っております。
まず、法案自体です。やはり、鍵屋先生もおっしゃっていらっしゃいましたけれども、私、災害救助法への福祉サービスの提供というのが付くというのは一つの目玉ではないかと思っております。約七十年ぶりのメニュー追加というふうに伺っておりますが、やっぱり、逆に言うと今まで何でそのメニューがなかったのと、これだけ少子高齢化しているのになぜそこが対応できなかったのと、これこそがどちらかというと問題でして、これはすごくいいことだろうというふうに思っております。
で、もう一つ、被災者援護協力団体の登録制度と。要は、民間がどうやって被災者支援をやっていくのかと。これを考えたりとか実行していく本当に大事な法だという、法規定だというふうに思っております。災害対応のマルチセクター化と申しておりますが、やっぱりなかなか政府だけ、自治体だけで全部やるというのは、加藤先生もおっしゃっていましたが、厳しい状況にあるわけですね。使えるリソースを最大化していくという意味で非常に大事な規定になると思いますが、ただし、ボランティア登録制度なんという報道がいっぱい入っていますが、そこだけで考えてしまうと厳しいなというのが実際のところでございます。やはり、地方自治体の皆さんからここにお願いねと言って災害対応していただける相手をつくっていくという意味では非常にいい制度ですが、ボランティアの方々、NPOの方々が見える化する、それのみにとどまってしまうと余り意味がないのではないかなというふうに考えているところでもあります。
三番目です。広域一時滞在、いわゆる広域避難の規定というのが増えております。やはり、これは本当に今から、場所から人への支援ということですごく大事なものです。そこに転換していくという意味では非常に大事だなというふうに思っております。
また、国や都道府県の方々がより積極的な関与を行うことを規定していく。やっぱり、市町村が全部やってくださいというのはとてもじゃないけど難しいということなんですね。どう関与していくのか、今までよりももっと応援をしなければいけないと思っています。ここが規定されていくこともいいなと思います。
ただ、やはりすごく被災者支援に関しては大きな一歩だなとこの法案については評価をしております。ただ、それだけでなかなかこの百年間続くような混乱というのは止まりません。さらに、少子高齢化の状況で社会も変わってきているということになりますので、そこに関して、例えば災害救助法も根本的な構造問題を抱えております。被災者生活再建支援法なんかもそういう状況にあります。やはり、ここをきっちりと見直していくということは今は大きな一歩、更に進めていただきたいということになります。
で、この評価の理由ということを次に述べたいと思います。
まず、ある地域にたまにしか起きないというのが災害の社会問題として見たときの特徴だというふうに考えています。ある地域にたまにしか来ないので、そこには経験したことがない人しかいないわけですね。それの経験したことがない仕事を実際に、例えば地方自治体の方、特に市町村の方が行うということが根本的な混乱の構造だというふうに認識しております。
ただ、やっぱり混乱構造が少ない部分もあるなというふうに思っています。やはりハード整備の部分ですね。例えば、道路を直す、水道を直す、そういったことというのはある意味ふだんから行政の皆さんがやられている仕事ですから、早回しすれば何とかなる、若しくは応援も簡単にできると、これがハード整備が得意な部分だというふうに思います。
ただし、これも少し考えなければいけない部分がありまして、例えば能登半島地震、もう元々人口が減っていく地域に、ある種高度成長並みのハード整備を復旧によってしてしまうということにもなるんですね。これは、実は制度がある種自動的にそのモードに持っていってしまうと、こういうことになってしまいますので、これは、例えば南海トラフなんかを考えますと、見直しておかないと、本当にこれ、どれだけ人が住まないところにいっぱいインフラ投資しなきゃいけないのと、こういう法制度も実は日本は持ってしまっているということですので、これは継続的に考えていただきたいなというふうに思っています。
二ページに進んでいただけますでしょうか。恐らく、ここからは三ページの図一を見ながら聞いていただくと分かりやすいかなと思います。
混乱が継続している理由ですね、被災者支援の部分が。これは、はっきり言います、平時やっている人たちが被災者支援をやらないと、これに尽きるなというふうに思っています。
例えば、食べ物、食料とか、家なんかもそうですが、普通はマーケットで供給されますよね。おなかがすけばレストランに行く、スーパーマーケットに行く。家を借りようと思えば不動産会社に行く。こういう中で人々は暮らしているのに、それが全て、ある意味では自治体の皆さんやってくださいと。言葉悪いですが、配給するような構造で被災者支援をするというのが我が国の体制ということになっています。それは、ふだんやっていないんだからできないですよね。パレットって何ですかということを分からない人が物流をやるみたいな。
こういう構造で被災者支援をしているので、いつも教訓は伝わったのかというふうな報道が入りますが、同じような避難所が繰り返される。それはそうですよ、やったことないんですから。どんな避難所がいいか分からない、どうやって運営したらいいか分からない、それが我が国の被災者支援の根本的な構造になるわけです。
要は、ノウハウを持っている人たちにお任せすればいいんですね。しかも、古い法律ですので、課題一というふうに書かせていただきますが、まさに福祉の規定がなかった。今回それが追加されるということで、最初の評価につながってくるということになります。
まさに災害救助法というのは、実は元々は厚生労働省さん、特に生活保護を担当する保護課さんが所管されていた法律になります。要は生存権保障を狙った法律だったということですが、やっぱりそれがなかなか忘れられてしまった部分もあるんですね。災害特有の例えば家の壊れ具合、罹災証明書でお金を渡しましょう、こんなもの社会保障の中ではなかなかない発想なんですよね。こうなってしまうと、どんどんと社会保障の中から孤立してしまって、全てが自治体がやれ、自治体がやれと、こういう構造で被災者支援が進んでしまう。でも、自治体の皆さん、職員数おりません。しかも、平時は、例えば介護保険なんかを考えていただくと、実際のサービスはほぼ民間の事業者、社会福祉法人、NPO、株式会社、そういった方々がやられているわけですね。それを自治体の皆さんやってくださいと。財源も余りありません、準備もしていません、できるわけがない。これが今ということになります。
要は、こういったものをどう乗り越えていくのか。ヒントは、実は阪神・淡路大震災の頃にあると思っています。
実は、DMATの皆さん、災害派遣医療チームというのはすごく重要な例外だと感じておりまして、こういった方々が、要はプロがしっかりと入っていって、自ら自律的にやっていくと。こういう世界をつくれば、自治体からすると、お願いねと、こうやって言える相手ができるわけですね。
こういうものをどうつくっていくのか。それは、医療だけじゃなくて、福祉の部面、若しくは物資供給の部面、家の部面、これをしないと、ずっと慣れない自治体職員の方々が全てをやり切ると、それは無理なんですね。これを変えねばならない。私はこれを餅は餅屋の災害対応と申しておりますが、こういったものをしなければいけない。そのためには災害対応をみんな、いろんなセクターが寄ってたかってやるんだ。マルチセクター化と申します。
若しくは、当然、関連死の危機にある方というのは平時からやはり脆弱な状況の方なんですね。要は、社会保障の対象になるような方々なんかが多い。やはり、社会保障というのをちゃんと災害時のことも考えてデザインしておく、こういった発想というのが非常に大事になってくるということだと思います。これを私は社会保障のフェーズフリー化、要は、いつももいいね、もしももいいねというデザインのことをフェーズフリーと言っていますが、こういうふうに、災害時に例えばケアワーカーの方々が支援に当たるんだよねと元々規定しておけば支援に当たれると、こういう体制をつくっていくべきなんだというふうに思っています。
また、広域避難なんかも非常に急務だと思います。南海トラフ、首都直下考えるだけでも、ここどうするんだと。今首都直下が起こりますと、東京都の方が恐らく埼玉行ったり、群馬行ったり、場合によっては福島に行って、支援しなきゃいけないと、こういう世界があります。しかも、どこに行ったか分からない。これはまずいということですね。
四ページお願いできましょうか。
これで、要はこういう体制ですので、先ほどの評価、まさに社会保障のフェーズフリー化や災害対応のマルチセクター化を進めていただく。また、広域避難なんかにしっかりと一部踏み込んでいただいた、これはすごく評価していることですが、やはり、評価を前提として、もう少し考えていただきたい、若しくは運用面でしっかりとお願いしたいことというものがあります。
一つは、災害救助法への福祉サービスの提供を規定することについて、期間とか費用とか対象の範囲をできる限り広くしてほしいと。
どうしても平時の考え方だと、こっちでお金出しているんだからここは要らないでしょうとなるんですが、災害のときってそうはいかないわけですね。例えば、ああ、この人は介護保険を受けているからもうそこの一部負担部分だけでいいでしょうとか要らないでしょうとやってしまうと、それ調べるのに、元々の住民票のある自治体調べて、それどこだっけと。何か、認知症の方が例えば広域避難した場合なんか考えると、そんなことやっていられないわけですよね。だから、できるだけ対象を限定せずにいろいろな方々が受けられるようにしてほしいんだと。
若しくは、あとは、災害ケースマネジメントと言っておりますが、被災者の生活再建というのはすごく長い過程なんですね。どうしても避難所の対応、初期の対応だけが頭に行きがちなんですが、そこからだんだんとその対応を失敗する中で関連死が生まれていくわけです。しかも、生活再建できない在宅被災者や在宅避難者と言われる方が東日本大震災でも大量に生じたと、こういうことが分かっておりますので、それに対してできる限り伴走型の、例えば被災者の方、それぞれ困り事いろいろ抱えられるんですね。それを一つ一つ対応していると、なかなか、被災者って誰なんだと、これお金を渡せば全部解決するのか。そんなことはなくて、やっぱり、例えば借金があるんだとか、健康問題があるんだとか、仕事がないんだとか、いろんな困り事を重層的に抱えられていらっしゃいますので、やっぱりその方に寄り添って、伴走型でいろんな支援をつないでいってオーダーメードで支援していく、これを災害ケースマネジメントと言っていますが、こういうやり方が非常に大事です。やっぱり、こういったものの基礎的な財源としてこれを考えていただきたいというふうに思っています。
また、実は、そういった一人一人に寄り添った支援をしていくということだけではなくて、要は、DMATさん、今トリアージみたいに災害現場の何か医療のイメージが非常に強いですが、実際にやっていらっしゃることというのは病院の機能回復がメインになっていますね。要は、平時の社会保障の体制を動かしていくというところにしっかりと取り組んでいらっしゃる。それは、災害救助法に医療というのが規定されているからできているということなんですね。今回、福祉というのを規定されるので、一人一人の支援及びその施設やサービス、それを動かすというところにもしっかりと応援ができるように、こういうことを考えて運用していただきたいというふうに思っています。
二点目です。被災者援護協力団体の登録制度。先ほど申しました、これボランティア登録制度みたいな形で報道が出ているので、これはちょっとこれだけだとまずいなというのが正直な意見でございます。
実は、ボランティアの方、NPOの方というのも、災害専門の方だけが災害対応しているわけじゃないんですね。実は、東日本のときは九割は災害専門ではないNPOです。ということは、登録していない方が九割やってくるということなんです。そことは自治体の皆さんがお付き合いしませんなんてことになったら今よりも下がってしまいます、対応能力が。だから、これはまずいということになります。なので、むしろ考え方は、しっかりとした、自治体から見たらお願いねと言える相手を少数でもいいから育てていく、こういう方向で制度を運用していただきたいということになります。
実は、ソーシャルセクターの分断を非常に懸念をしております。でも、同時にこれは、例えば法律とか、そういった相談対応できる全国組織を登録しておくとか、あとは住宅ですね、の供給ができるんだとか、物資とか流通、小売のことがしっかりまとめ役ができるんだ、こういうところを登録しておいて、自治体の皆さんからお願いねと言える相手をつくってあげれば、これは自治体の方が、慣れない素人がやられる構造というのを変える、そういうものにもなり得ると思っていますので、そういう方向で是非運用を検討いただきたいということになります。そうなると、やっぱり審査やデューデリジェンス、そういったものをきっちりとやっていく、これこそが肝だというふうに感じております。
三点目でございます。これで最後でございますが、広域避難の話を進めていただく。広域一時滞在ということで出ておりますけれども、これは非常に大事なことでございます。
もう首都直下、南海トラフを考えるだけで、もう今の体制では目も当てられないというのは火を見るよりも明らかと。ですので、でもこれ、誰がどこ行ったと、こういう話になるわけですね。当然住民票なんか移動させずに避難をされるということになりますので、やっぱりこれをちゃんと捉えて把握して、適切な支援や情報を届けられると、これをどうやって国レベルでつくっていくかと、こういう話につながってくるというふうに思います。
なので、例えば、でも、それを紙ベースで、電話で何か個人情報をやり取りしているといったら、それは当然間に合いませんので、全国レベルで被災住民情報を共有可能な被災者データベースというのを設置をして国レベルで運用していく、こういう発想が必要なのではないかなというふうに思います。
是非、ふるさとに戻りたい被災者が、住民票を移動してそこでサービスを受けて、何かどうしようって、こんな不安がないような形でしっかりと制度をつくっていただきたいなというふうに思います。
例えば東日本大震災のときは、原発避難者向けに、原発避難者特例法のような形で、避難先でもある種二重住民票のような形でサービスが受けられるなんという制度がつくられましたが、それは今は恒久化していません。例えばそういうことを今後継続的に考えていただいて、どこでも安心して避難生活が送れるんだと、こういう国にしていただきたいというふうに思っております。
少しオーバーしましたが、以上になります。ありがとうございました。
この発言だけを見る →このような貴重な機会にお呼びいただき、ありがとうございます。
少し自己紹介からさせていただきたいというふうに思います。私も、最初に意見を言われた加藤先生とよく似ていまして、大学の学者ではあるんですけれども、研究室にはほぼいないという生活をしております。ほとんど研究室は物置状態で、本当に一週間に何回入るかな、一回入るか、二回入るかと。大学まで行って入らないことも多いんですけれども、そうやって現場にばかり行っています。余り使う言葉ではないですが、臨床の社会科学者と自分のことを思っていまして、臨床って、お医者さんなんかは臨床医という言葉がありますが、要は何かいろんな問題のところに行って、現場でずうっと過ごして、何でこうなっているのかなと考えながら学問をしていくと。だから、現場で一緒に汗をかくこともしています。
例えば今回の能登半島地震では、石川県の知事特命アドバイザーという形で実は一緒に政策対応をしていて、どんな政策が今要るんだ、こういうことを国に伝えてくれ、若しくはこういう情報が地域から上がっているからここを改良しなきゃいけない、そういったことを一緒に考えるということも積極的にやっておりました。まさに、何か、そういった災害対応の現場を見ていますと、やっぱり何でこんなふうになるんだと、非常にひどい状態が続いていると。まあ、はっきり言いますと、避難所の水準は関東大震災の頃から余り変わっていないなというのが日本の状況でございまして、ここを何とかしないと、本当に災害関連死という言葉が、すごく不名誉な言葉だと思いますけれども、社会に敷衍してしまっている、こういう状況をやはり変えにゃいかぬと。これをしないと、やっぱりちょっと、私も中学生と小学生の息子がいますけれども、ちょっと顔向けできないなと、そういうふうに考えてこの数年はずっとこの被災者支援の問題で研究をしたり現場で汗をかいたり、皆さんと一緒に政策をつくっていくと、こういう動きをしてまいりました。
今日は、三点申し伝えたいことがあると思っております。
一つが、まず法案自体への評価という部分で、その後、それをなぜそういうふうに評価するのかという考え方の部分ですね、最後にプラスアルファの意見といいますか、ここを更に進めていただきたいんだと、この三点を今日はお伝えしたいというふうに思っております。
まず、法案自体です。やはり、鍵屋先生もおっしゃっていらっしゃいましたけれども、私、災害救助法への福祉サービスの提供というのが付くというのは一つの目玉ではないかと思っております。約七十年ぶりのメニュー追加というふうに伺っておりますが、やっぱり、逆に言うと今まで何でそのメニューがなかったのと、これだけ少子高齢化しているのになぜそこが対応できなかったのと、これこそがどちらかというと問題でして、これはすごくいいことだろうというふうに思っております。
で、もう一つ、被災者援護協力団体の登録制度と。要は、民間がどうやって被災者支援をやっていくのかと。これを考えたりとか実行していく本当に大事な法だという、法規定だというふうに思っております。災害対応のマルチセクター化と申しておりますが、やっぱりなかなか政府だけ、自治体だけで全部やるというのは、加藤先生もおっしゃっていましたが、厳しい状況にあるわけですね。使えるリソースを最大化していくという意味で非常に大事な規定になると思いますが、ただし、ボランティア登録制度なんという報道がいっぱい入っていますが、そこだけで考えてしまうと厳しいなというのが実際のところでございます。やはり、地方自治体の皆さんからここにお願いねと言って災害対応していただける相手をつくっていくという意味では非常にいい制度ですが、ボランティアの方々、NPOの方々が見える化する、それのみにとどまってしまうと余り意味がないのではないかなというふうに考えているところでもあります。
三番目です。広域一時滞在、いわゆる広域避難の規定というのが増えております。やはり、これは本当に今から、場所から人への支援ということですごく大事なものです。そこに転換していくという意味では非常に大事だなというふうに思っております。
また、国や都道府県の方々がより積極的な関与を行うことを規定していく。やっぱり、市町村が全部やってくださいというのはとてもじゃないけど難しいということなんですね。どう関与していくのか、今までよりももっと応援をしなければいけないと思っています。ここが規定されていくこともいいなと思います。
ただ、やはりすごく被災者支援に関しては大きな一歩だなとこの法案については評価をしております。ただ、それだけでなかなかこの百年間続くような混乱というのは止まりません。さらに、少子高齢化の状況で社会も変わってきているということになりますので、そこに関して、例えば災害救助法も根本的な構造問題を抱えております。被災者生活再建支援法なんかもそういう状況にあります。やはり、ここをきっちりと見直していくということは今は大きな一歩、更に進めていただきたいということになります。
で、この評価の理由ということを次に述べたいと思います。
まず、ある地域にたまにしか起きないというのが災害の社会問題として見たときの特徴だというふうに考えています。ある地域にたまにしか来ないので、そこには経験したことがない人しかいないわけですね。それの経験したことがない仕事を実際に、例えば地方自治体の方、特に市町村の方が行うということが根本的な混乱の構造だというふうに認識しております。
ただ、やっぱり混乱構造が少ない部分もあるなというふうに思っています。やはりハード整備の部分ですね。例えば、道路を直す、水道を直す、そういったことというのはある意味ふだんから行政の皆さんがやられている仕事ですから、早回しすれば何とかなる、若しくは応援も簡単にできると、これがハード整備が得意な部分だというふうに思います。
ただし、これも少し考えなければいけない部分がありまして、例えば能登半島地震、もう元々人口が減っていく地域に、ある種高度成長並みのハード整備を復旧によってしてしまうということにもなるんですね。これは、実は制度がある種自動的にそのモードに持っていってしまうと、こういうことになってしまいますので、これは、例えば南海トラフなんかを考えますと、見直しておかないと、本当にこれ、どれだけ人が住まないところにいっぱいインフラ投資しなきゃいけないのと、こういう法制度も実は日本は持ってしまっているということですので、これは継続的に考えていただきたいなというふうに思っています。
二ページに進んでいただけますでしょうか。恐らく、ここからは三ページの図一を見ながら聞いていただくと分かりやすいかなと思います。
混乱が継続している理由ですね、被災者支援の部分が。これは、はっきり言います、平時やっている人たちが被災者支援をやらないと、これに尽きるなというふうに思っています。
例えば、食べ物、食料とか、家なんかもそうですが、普通はマーケットで供給されますよね。おなかがすけばレストランに行く、スーパーマーケットに行く。家を借りようと思えば不動産会社に行く。こういう中で人々は暮らしているのに、それが全て、ある意味では自治体の皆さんやってくださいと。言葉悪いですが、配給するような構造で被災者支援をするというのが我が国の体制ということになっています。それは、ふだんやっていないんだからできないですよね。パレットって何ですかということを分からない人が物流をやるみたいな。
こういう構造で被災者支援をしているので、いつも教訓は伝わったのかというふうな報道が入りますが、同じような避難所が繰り返される。それはそうですよ、やったことないんですから。どんな避難所がいいか分からない、どうやって運営したらいいか分からない、それが我が国の被災者支援の根本的な構造になるわけです。
要は、ノウハウを持っている人たちにお任せすればいいんですね。しかも、古い法律ですので、課題一というふうに書かせていただきますが、まさに福祉の規定がなかった。今回それが追加されるということで、最初の評価につながってくるということになります。
まさに災害救助法というのは、実は元々は厚生労働省さん、特に生活保護を担当する保護課さんが所管されていた法律になります。要は生存権保障を狙った法律だったということですが、やっぱりそれがなかなか忘れられてしまった部分もあるんですね。災害特有の例えば家の壊れ具合、罹災証明書でお金を渡しましょう、こんなもの社会保障の中ではなかなかない発想なんですよね。こうなってしまうと、どんどんと社会保障の中から孤立してしまって、全てが自治体がやれ、自治体がやれと、こういう構造で被災者支援が進んでしまう。でも、自治体の皆さん、職員数おりません。しかも、平時は、例えば介護保険なんかを考えていただくと、実際のサービスはほぼ民間の事業者、社会福祉法人、NPO、株式会社、そういった方々がやられているわけですね。それを自治体の皆さんやってくださいと。財源も余りありません、準備もしていません、できるわけがない。これが今ということになります。
要は、こういったものをどう乗り越えていくのか。ヒントは、実は阪神・淡路大震災の頃にあると思っています。
実は、DMATの皆さん、災害派遣医療チームというのはすごく重要な例外だと感じておりまして、こういった方々が、要はプロがしっかりと入っていって、自ら自律的にやっていくと。こういう世界をつくれば、自治体からすると、お願いねと、こうやって言える相手ができるわけですね。
こういうものをどうつくっていくのか。それは、医療だけじゃなくて、福祉の部面、若しくは物資供給の部面、家の部面、これをしないと、ずっと慣れない自治体職員の方々が全てをやり切ると、それは無理なんですね。これを変えねばならない。私はこれを餅は餅屋の災害対応と申しておりますが、こういったものをしなければいけない。そのためには災害対応をみんな、いろんなセクターが寄ってたかってやるんだ。マルチセクター化と申します。
若しくは、当然、関連死の危機にある方というのは平時からやはり脆弱な状況の方なんですね。要は、社会保障の対象になるような方々なんかが多い。やはり、社会保障というのをちゃんと災害時のことも考えてデザインしておく、こういった発想というのが非常に大事になってくるということだと思います。これを私は社会保障のフェーズフリー化、要は、いつももいいね、もしももいいねというデザインのことをフェーズフリーと言っていますが、こういうふうに、災害時に例えばケアワーカーの方々が支援に当たるんだよねと元々規定しておけば支援に当たれると、こういう体制をつくっていくべきなんだというふうに思っています。
また、広域避難なんかも非常に急務だと思います。南海トラフ、首都直下考えるだけでも、ここどうするんだと。今首都直下が起こりますと、東京都の方が恐らく埼玉行ったり、群馬行ったり、場合によっては福島に行って、支援しなきゃいけないと、こういう世界があります。しかも、どこに行ったか分からない。これはまずいということですね。
四ページお願いできましょうか。
これで、要はこういう体制ですので、先ほどの評価、まさに社会保障のフェーズフリー化や災害対応のマルチセクター化を進めていただく。また、広域避難なんかにしっかりと一部踏み込んでいただいた、これはすごく評価していることですが、やはり、評価を前提として、もう少し考えていただきたい、若しくは運用面でしっかりとお願いしたいことというものがあります。
一つは、災害救助法への福祉サービスの提供を規定することについて、期間とか費用とか対象の範囲をできる限り広くしてほしいと。
どうしても平時の考え方だと、こっちでお金出しているんだからここは要らないでしょうとなるんですが、災害のときってそうはいかないわけですね。例えば、ああ、この人は介護保険を受けているからもうそこの一部負担部分だけでいいでしょうとか要らないでしょうとやってしまうと、それ調べるのに、元々の住民票のある自治体調べて、それどこだっけと。何か、認知症の方が例えば広域避難した場合なんか考えると、そんなことやっていられないわけですよね。だから、できるだけ対象を限定せずにいろいろな方々が受けられるようにしてほしいんだと。
若しくは、あとは、災害ケースマネジメントと言っておりますが、被災者の生活再建というのはすごく長い過程なんですね。どうしても避難所の対応、初期の対応だけが頭に行きがちなんですが、そこからだんだんとその対応を失敗する中で関連死が生まれていくわけです。しかも、生活再建できない在宅被災者や在宅避難者と言われる方が東日本大震災でも大量に生じたと、こういうことが分かっておりますので、それに対してできる限り伴走型の、例えば被災者の方、それぞれ困り事いろいろ抱えられるんですね。それを一つ一つ対応していると、なかなか、被災者って誰なんだと、これお金を渡せば全部解決するのか。そんなことはなくて、やっぱり、例えば借金があるんだとか、健康問題があるんだとか、仕事がないんだとか、いろんな困り事を重層的に抱えられていらっしゃいますので、やっぱりその方に寄り添って、伴走型でいろんな支援をつないでいってオーダーメードで支援していく、これを災害ケースマネジメントと言っていますが、こういうやり方が非常に大事です。やっぱり、こういったものの基礎的な財源としてこれを考えていただきたいというふうに思っています。
また、実は、そういった一人一人に寄り添った支援をしていくということだけではなくて、要は、DMATさん、今トリアージみたいに災害現場の何か医療のイメージが非常に強いですが、実際にやっていらっしゃることというのは病院の機能回復がメインになっていますね。要は、平時の社会保障の体制を動かしていくというところにしっかりと取り組んでいらっしゃる。それは、災害救助法に医療というのが規定されているからできているということなんですね。今回、福祉というのを規定されるので、一人一人の支援及びその施設やサービス、それを動かすというところにもしっかりと応援ができるように、こういうことを考えて運用していただきたいというふうに思っています。
二点目です。被災者援護協力団体の登録制度。先ほど申しました、これボランティア登録制度みたいな形で報道が出ているので、これはちょっとこれだけだとまずいなというのが正直な意見でございます。
実は、ボランティアの方、NPOの方というのも、災害専門の方だけが災害対応しているわけじゃないんですね。実は、東日本のときは九割は災害専門ではないNPOです。ということは、登録していない方が九割やってくるということなんです。そことは自治体の皆さんがお付き合いしませんなんてことになったら今よりも下がってしまいます、対応能力が。だから、これはまずいということになります。なので、むしろ考え方は、しっかりとした、自治体から見たらお願いねと言える相手を少数でもいいから育てていく、こういう方向で制度を運用していただきたいということになります。
実は、ソーシャルセクターの分断を非常に懸念をしております。でも、同時にこれは、例えば法律とか、そういった相談対応できる全国組織を登録しておくとか、あとは住宅ですね、の供給ができるんだとか、物資とか流通、小売のことがしっかりまとめ役ができるんだ、こういうところを登録しておいて、自治体の皆さんからお願いねと言える相手をつくってあげれば、これは自治体の方が、慣れない素人がやられる構造というのを変える、そういうものにもなり得ると思っていますので、そういう方向で是非運用を検討いただきたいということになります。そうなると、やっぱり審査やデューデリジェンス、そういったものをきっちりとやっていく、これこそが肝だというふうに感じております。
三点目でございます。これで最後でございますが、広域避難の話を進めていただく。広域一時滞在ということで出ておりますけれども、これは非常に大事なことでございます。
もう首都直下、南海トラフを考えるだけで、もう今の体制では目も当てられないというのは火を見るよりも明らかと。ですので、でもこれ、誰がどこ行ったと、こういう話になるわけですね。当然住民票なんか移動させずに避難をされるということになりますので、やっぱりこれをちゃんと捉えて把握して、適切な支援や情報を届けられると、これをどうやって国レベルでつくっていくかと、こういう話につながってくるというふうに思います。
なので、例えば、でも、それを紙ベースで、電話で何か個人情報をやり取りしているといったら、それは当然間に合いませんので、全国レベルで被災住民情報を共有可能な被災者データベースというのを設置をして国レベルで運用していく、こういう発想が必要なのではないかなというふうに思います。
是非、ふるさとに戻りたい被災者が、住民票を移動してそこでサービスを受けて、何かどうしようって、こんな不安がないような形でしっかりと制度をつくっていただきたいなというふうに思います。
例えば東日本大震災のときは、原発避難者向けに、原発避難者特例法のような形で、避難先でもある種二重住民票のような形でサービスが受けられるなんという制度がつくられましたが、それは今は恒久化していません。例えばそういうことを今後継続的に考えていただいて、どこでも安心して避難生活が送れるんだと、こういう国にしていただきたいというふうに思っております。
少しオーバーしましたが、以上になります。ありがとうございました。
塩
塩
塩田千恵子#9
○参考人(塩田千恵子君) 本日は、今特別委員会に参考人としてお呼びいただき、ありがとうございます。
日本障害フォーラム、略称JDFは、全国の十三の障害当事者団体を中心に、障害のある人の権利を推進することを目的に、障害者権利条約の実施を目指して活動しています。
災害支援においても、障害者権利条約第十一条を踏まえ、災害総合支援本部を常設しており、被災地支援活動は、東日本大震災、熊本地震、そして今回の能登半島地震で三回目となります。能登半島地震においては、二〇二四年の五月に支援センターを立ち上げ、全国のJDFの加盟団体から毎週六人程度のスタッフが七尾市の和倉町の支援センターに集まり、奥能登地域や七尾市周辺などで活動を行っています。
資料集の四ページから八ページを御覧いただけたらと思います。
私自身は、先遣隊として発災直後の一月十四日から被災地入りしました。道路はあちこちで遮断され、水が出ない、トイレも使えるところがほとんどない中で、富山県の高岡市に宿泊しながら、片道五時間以上掛けて、輪島や珠洲など奥能登地域の障害のある人の状況把握に努めました。その後現在まで、月に一回、一週間ほど被災地に入って支援活動を続けています。実は五月もあさってから能登に入る予定になっています。
本日、このような機会をいただいて、被災された障害のある人や関係者に代わって、今の能登半島の現地の状況をお伝えし、今回検討されている改正法案に対する意見を三点にわたって述べていきたいと思います。
まず、一点目です。
今、先生方からのお話もありましたけれども、救助の種類に福祉サービスの提供が加えられたことは、被災された方たちの多様なニーズに応えるためにもとても重要なことと思います。その実効性を持たせるためにも、今回の改正法案で盛り込まれた協力義務などによって被災者援護協力団体の自主的な活動が妨げられないようにすることが必要だと思っています。それから、JDFなど民間団体の活動への資金面での手当て、これも必要だと考えます。また、福祉サービスの提供は生活に対する支援です。そのため、応急期と復興期に分けられるものではありません。切れ目なく地続きでつながっていくものでなければならないと考えます。
そのような観点から息の長い支援が求められるわけですけれども、JDFは今でも支援活動を続けていますが、ニーズは減るどころか増え続けています。災害救助法による支援も、応急期が終わったからと一方的に終了するような支援であってはならないと考えます。能登の障害のある人全てに地震前の生活があり、地震で失われたもの、失われた生活があります。そして、それでも続いていく生活の営みがあります。私は、その営みの尊さを感じながら支援活動を続けています。
被災した障害のある人にどのような課題があるのかを具体的事例でお伝えしていきたいと思います。個別事例の紹介なので、個人が特定されないよう名前と居住地は伏せますが、全て奥能登地域、中能登地域に居住されている方です。ほとんどの方が障害者手帳をお持ちです。一人一人の個別の姿を踏まえて、そのニーズに応えられるような法改正となることをお願いしたいと思います。
まず、住まいの課題です。
資料集の九ページの写真を御覧ください。
四十歳代で車椅子を使用されている全介助の脳性麻痺の方が六十歳代の両親と暮らしているアパートです。地震で自宅は住めなくなり、三か月間車中泊をされていました。仮設住宅の建設も進まない中、知り合いの人に紹介されたアパートの二階にみなし仮設として住んでおられます。この二階に住んでおられるんです。
訪問介護、訪問看護、訪問診療などを使いながら御本人は一歩も外に出ることなく生活をされていましたが、病院での治療が必要となって、私たちJDFに支援依頼がありました。次の、その下の写真のように、御本人を二人のスタッフが抱えて狭い階段を下りて通院の支援を行いました。
その後、仮設住宅の空きがあるという情報もあったのですが、御家族は、引っ越しが大変なので、数年で出なければならない仮設住宅に今から行く気持ちはないと話されました。どうにか御自宅を建て直して落ち着いた生活をしたいとのことでした。
今回の改正法案で、車中泊で避難生活を送る要配慮者に対しても福祉的支援を充実というふうにありますけれども、そもそも車中泊をしなくてもいいような避難所の充実を図るべきではないでしょうか。一般の避難所に行けず、福祉避難所も機能しない中、取り残された障害者がたくさんいます。
お二人目は、五十代の精神障害の方の事例です。
七十代のお母さんとお二人で生活をされているところに地震があり、御自宅は半壊状態。仮設住宅は当たったんですけれども、御本人が調子を崩すと大きな声を出してしまうということからお母様が気を遣われて、そのまま御自宅で生活をされています。
JDFには、雨が降るとむき出しの電気設備の漏電が心配なのでどうにかならないかという御相談でした。電気業者を紹介して漏電しないようにはしてもらいましたが、改修や引っ越しのめども立たず、いまだに発災直後から変わらない壊れた家にそのまま住み続けておられます。
私は熊本地震のときにも支援に入りましたが、熊本では二戸一の仮設住宅が建てられていました。両側がお隣の部屋ではなくて、片側だけでも外に面していたら、障害を抱えた御家族だけではなく、全ての被災者にとっても住みやすい仮設住宅になるのではないでしょうか。
また、狭い仮設住宅では、さきに紹介した脳性麻痺の方のように車椅子が必要な方は生活できません。障害者が住めない仮設住宅であることは東日本大震災のときから変わっていないのです。住環境の整備は福祉サービスの提供の大切な課題であると考えます。
次は、移動支援の課題です。移動の課題です。
移動支援のニーズはとても高く、切実なことを日々実感しています。JDFの移動支援は全て無料で、車両は全国の加盟団体からお借りして、ガソリン代や車の維持費は寄附で賄っています。
個別の事例としては、地震前は病院が自宅までの個別送迎をしていたけれども、地震後、幹線道路のバス送迎だけになり、そこまで身体障害があるので歩いて行けない、その方が通院ができなくなったので私たちが通院支援をしています。
また、金沢医科大学病院に行くために地震前は金沢までの高速バスを使っていたけれども、仮設住宅に住むようになって、その高速バスのバス停に行くことができずに通院ができないという知的障害の方がおられて、その方の通院支援をしています。
また、身体障害をお持ちのために災害復興住宅のお風呂が使うことができずに、離れた公衆浴場に行かざるを得ない人の送迎もしています。JDFの移動支援がなければ通院も入浴もできない人たちです。
元々、公共交通機関が脆弱な地域で、地震により大きな被害を受けた交通網のために多くの被災者が不便な生活をされていると思いますが、その中でも障害のある人とその家族が取り残されている実態は放置できない状況です。特に、市や町の中心部から離れたところに建設された仮設住宅は車がないと生活できず、障害者や高齢者が取り残されています。
九月の豪雨災害の直後に、配食サービスも移動スーパーも休業となり食べるものがないと仮設住宅にお住まいの身体障害の方から連絡があって、食料を届けました。また、地域のバスが復旧したのでと私たちの支援を断ってこられた仮設住宅にお住まいの精神障害の方にお話を聞くと、そのバス停までは歩いて片道二十分から三十分掛かるとのことでした。自家用車を使えない障害のある人の移動の課題は本当に深刻だと日々実感をしています。
最後は、地元の支援者不足の課題です。
JDFのボランタリーな支援はいつまでも続けられるものではありません。しかし、地元の障害福祉の事業者に引き継いでいくめどが立ちません。全国的に福祉の担い手不足が言われていますが、能登の被災地は一層深刻です。発災直後から必死に障害のある人や事業所を守り支えてきた人たちがこの間退職をされています。残った人たちは少ない職員で業務過多になりながら支援を続けており、JDFへの事業所支援への要請が増え続けています。職員さんたちのメンタル不調も見逃すことができません。
支援団体の支援を現地のサービスにつなげることをしないと、被災した障害のある人の生活再建はできません。被災地の人手不足に対応するような特別の報酬等の手だてがなければ、福祉的サービスの提供を地元に引き継いでいくことは困難だと日々実感しています。
改正法案に対する意見の二点目は、第三十三条の二の三、いわゆる欠格条項に対する意見です。
この間の国会では、防災担当大臣より、障害のある人を排除する意図は全くないとの御答弁がありました。しかし、役員に心身の障害により被災者援護協力業務を適正に行うことができない者がいる場合は被災者援護協力団体に登録できないとの規定を明示するということは、障害者権利条約第一条、障害者基本法第一条に反しています。この条文は削除してください。この条文は、拘禁刑以上の刑に処せられた者とか麻薬中毒者などと並んで心身の障害のある者という、そういう記され方がしています。反社会的な行為をした者と並べること自体が偏見を生むことにつながりかねないと懸念します。
昨年、旧優生保護法が障害のある人を不良な子孫と決め付けたことによって優生思想が広まり、障害者に対する差別、偏見を生んだことを国も国会も謝罪しました。にもかかわらず、またこのような条文を加えることは大変遺憾です。法律にこのようなことが書かれること自体が、障害のある人は被災地支援に加わることができない能力の低い者として差別や偏見を生むことにつながるのではないでしょうか。
四月二十五日の本会議で厚労大臣は、仁比議員の質問に答えて、ピアサポートの重要性を答弁されました。被災地においてもピア支援はとても重要と考えます。
和倉温泉のホテルでマッサージ業を営んでおられた視覚障害の方がホテルの休業で職を失っておられます。その方たちの集まりをJDFとNGO団体との共催で行いました。その際、視覚障害者のスタッフがファシリテート役を務め、大切なニーズ把握の場となりました。資料集に「やわやわと」という私たちのニュースを付けています。その六号を御覧いただくとそのときの様子が記事になっていますので、御覧いただけたらと思います。ピアサポートを始め、障害のある人が支援活動に参加できるような合理的配慮こそが必要です。「やわやわと」の四十八号には、先週支援に入った難聴者のスタッフの活動が記されています。併せて御覧いただけたらと思います。
障害のある被災者のニーズを的確に把握し、地元の障害者団体とのつながりを支援に生かすために、被災者援護協力団体に障害のある人が役員として加わることの意義は大きいと思います。このような条文は重ねて削除をお願いします。
三点目は、被災地支援にジェンダーの視点を入れていく必要性について述べたいと思います。
女性の立場から避難所の整備をしていくことの大変さがやっと言われ始めていますが、とても重要なことと考えます。
今回、私は一月十四日に被災地に入り、トイレが使えないことの大変さを体験しました。トイレが使えずに大変と一言で言っても、男性の大変さと女性の大変さは全く違います。男性目線での支援では見えないことが、女性が支援活動に携わることで見えてくるのだと思います。
また、JDFは定期的に仮設住宅に住む障害のある方を訪問していますが、男性スタッフが訪問しても表に出てこられない身体障害の方が、女性スタッフが訪問するとおうちに上げてくださってたくさんお話をしてくださいます。その中で困っていることも伝えていただいています。様々な性の被災者に寄り添うには、支援者にも様々な性の人が入るべきだと考えます。
被災地の支援活動は、危険もあり、ライフラインも混乱していて力仕事が多いからと、丈夫な男性がするものだという固定観念があります。しかし、障害のある人や女性など多様な人が支援活動に加わることで、柔軟で被災者に寄り添う支援ができるのではないでしょうか。
地震から一年五か月。大変な中でも前を向いて進もうとされている方にもたくさん出会いました。
地震前引きこもっていた精神障害の方の部屋の片付け支援に入りましたが、その方は、現在、引きこもった状態から一歩踏み出して、障害者事業所、B型事業所に通われています。片付け支援で単に部屋がきれいになったというだけではなく、毎週全国から来る支援スタッフとの触れ合いの中で人と関わることに対するハードルが下がった。JDFさんの支援はまさしく人を大切にする支援ですねと地元の相談員の方からお話をいただきました。
福祉サービスの提供とは、まさに人が生きることへの支援です。誰一人取り残さない、そういう被災者支援が柔軟に、そして十分に行える法改正となることを重ねてお願いして、私の発言を終わります。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →日本障害フォーラム、略称JDFは、全国の十三の障害当事者団体を中心に、障害のある人の権利を推進することを目的に、障害者権利条約の実施を目指して活動しています。
災害支援においても、障害者権利条約第十一条を踏まえ、災害総合支援本部を常設しており、被災地支援活動は、東日本大震災、熊本地震、そして今回の能登半島地震で三回目となります。能登半島地震においては、二〇二四年の五月に支援センターを立ち上げ、全国のJDFの加盟団体から毎週六人程度のスタッフが七尾市の和倉町の支援センターに集まり、奥能登地域や七尾市周辺などで活動を行っています。
資料集の四ページから八ページを御覧いただけたらと思います。
私自身は、先遣隊として発災直後の一月十四日から被災地入りしました。道路はあちこちで遮断され、水が出ない、トイレも使えるところがほとんどない中で、富山県の高岡市に宿泊しながら、片道五時間以上掛けて、輪島や珠洲など奥能登地域の障害のある人の状況把握に努めました。その後現在まで、月に一回、一週間ほど被災地に入って支援活動を続けています。実は五月もあさってから能登に入る予定になっています。
本日、このような機会をいただいて、被災された障害のある人や関係者に代わって、今の能登半島の現地の状況をお伝えし、今回検討されている改正法案に対する意見を三点にわたって述べていきたいと思います。
まず、一点目です。
今、先生方からのお話もありましたけれども、救助の種類に福祉サービスの提供が加えられたことは、被災された方たちの多様なニーズに応えるためにもとても重要なことと思います。その実効性を持たせるためにも、今回の改正法案で盛り込まれた協力義務などによって被災者援護協力団体の自主的な活動が妨げられないようにすることが必要だと思っています。それから、JDFなど民間団体の活動への資金面での手当て、これも必要だと考えます。また、福祉サービスの提供は生活に対する支援です。そのため、応急期と復興期に分けられるものではありません。切れ目なく地続きでつながっていくものでなければならないと考えます。
そのような観点から息の長い支援が求められるわけですけれども、JDFは今でも支援活動を続けていますが、ニーズは減るどころか増え続けています。災害救助法による支援も、応急期が終わったからと一方的に終了するような支援であってはならないと考えます。能登の障害のある人全てに地震前の生活があり、地震で失われたもの、失われた生活があります。そして、それでも続いていく生活の営みがあります。私は、その営みの尊さを感じながら支援活動を続けています。
被災した障害のある人にどのような課題があるのかを具体的事例でお伝えしていきたいと思います。個別事例の紹介なので、個人が特定されないよう名前と居住地は伏せますが、全て奥能登地域、中能登地域に居住されている方です。ほとんどの方が障害者手帳をお持ちです。一人一人の個別の姿を踏まえて、そのニーズに応えられるような法改正となることをお願いしたいと思います。
まず、住まいの課題です。
資料集の九ページの写真を御覧ください。
四十歳代で車椅子を使用されている全介助の脳性麻痺の方が六十歳代の両親と暮らしているアパートです。地震で自宅は住めなくなり、三か月間車中泊をされていました。仮設住宅の建設も進まない中、知り合いの人に紹介されたアパートの二階にみなし仮設として住んでおられます。この二階に住んでおられるんです。
訪問介護、訪問看護、訪問診療などを使いながら御本人は一歩も外に出ることなく生活をされていましたが、病院での治療が必要となって、私たちJDFに支援依頼がありました。次の、その下の写真のように、御本人を二人のスタッフが抱えて狭い階段を下りて通院の支援を行いました。
その後、仮設住宅の空きがあるという情報もあったのですが、御家族は、引っ越しが大変なので、数年で出なければならない仮設住宅に今から行く気持ちはないと話されました。どうにか御自宅を建て直して落ち着いた生活をしたいとのことでした。
今回の改正法案で、車中泊で避難生活を送る要配慮者に対しても福祉的支援を充実というふうにありますけれども、そもそも車中泊をしなくてもいいような避難所の充実を図るべきではないでしょうか。一般の避難所に行けず、福祉避難所も機能しない中、取り残された障害者がたくさんいます。
お二人目は、五十代の精神障害の方の事例です。
七十代のお母さんとお二人で生活をされているところに地震があり、御自宅は半壊状態。仮設住宅は当たったんですけれども、御本人が調子を崩すと大きな声を出してしまうということからお母様が気を遣われて、そのまま御自宅で生活をされています。
JDFには、雨が降るとむき出しの電気設備の漏電が心配なのでどうにかならないかという御相談でした。電気業者を紹介して漏電しないようにはしてもらいましたが、改修や引っ越しのめども立たず、いまだに発災直後から変わらない壊れた家にそのまま住み続けておられます。
私は熊本地震のときにも支援に入りましたが、熊本では二戸一の仮設住宅が建てられていました。両側がお隣の部屋ではなくて、片側だけでも外に面していたら、障害を抱えた御家族だけではなく、全ての被災者にとっても住みやすい仮設住宅になるのではないでしょうか。
また、狭い仮設住宅では、さきに紹介した脳性麻痺の方のように車椅子が必要な方は生活できません。障害者が住めない仮設住宅であることは東日本大震災のときから変わっていないのです。住環境の整備は福祉サービスの提供の大切な課題であると考えます。
次は、移動支援の課題です。移動の課題です。
移動支援のニーズはとても高く、切実なことを日々実感しています。JDFの移動支援は全て無料で、車両は全国の加盟団体からお借りして、ガソリン代や車の維持費は寄附で賄っています。
個別の事例としては、地震前は病院が自宅までの個別送迎をしていたけれども、地震後、幹線道路のバス送迎だけになり、そこまで身体障害があるので歩いて行けない、その方が通院ができなくなったので私たちが通院支援をしています。
また、金沢医科大学病院に行くために地震前は金沢までの高速バスを使っていたけれども、仮設住宅に住むようになって、その高速バスのバス停に行くことができずに通院ができないという知的障害の方がおられて、その方の通院支援をしています。
また、身体障害をお持ちのために災害復興住宅のお風呂が使うことができずに、離れた公衆浴場に行かざるを得ない人の送迎もしています。JDFの移動支援がなければ通院も入浴もできない人たちです。
元々、公共交通機関が脆弱な地域で、地震により大きな被害を受けた交通網のために多くの被災者が不便な生活をされていると思いますが、その中でも障害のある人とその家族が取り残されている実態は放置できない状況です。特に、市や町の中心部から離れたところに建設された仮設住宅は車がないと生活できず、障害者や高齢者が取り残されています。
九月の豪雨災害の直後に、配食サービスも移動スーパーも休業となり食べるものがないと仮設住宅にお住まいの身体障害の方から連絡があって、食料を届けました。また、地域のバスが復旧したのでと私たちの支援を断ってこられた仮設住宅にお住まいの精神障害の方にお話を聞くと、そのバス停までは歩いて片道二十分から三十分掛かるとのことでした。自家用車を使えない障害のある人の移動の課題は本当に深刻だと日々実感をしています。
最後は、地元の支援者不足の課題です。
JDFのボランタリーな支援はいつまでも続けられるものではありません。しかし、地元の障害福祉の事業者に引き継いでいくめどが立ちません。全国的に福祉の担い手不足が言われていますが、能登の被災地は一層深刻です。発災直後から必死に障害のある人や事業所を守り支えてきた人たちがこの間退職をされています。残った人たちは少ない職員で業務過多になりながら支援を続けており、JDFへの事業所支援への要請が増え続けています。職員さんたちのメンタル不調も見逃すことができません。
支援団体の支援を現地のサービスにつなげることをしないと、被災した障害のある人の生活再建はできません。被災地の人手不足に対応するような特別の報酬等の手だてがなければ、福祉的サービスの提供を地元に引き継いでいくことは困難だと日々実感しています。
改正法案に対する意見の二点目は、第三十三条の二の三、いわゆる欠格条項に対する意見です。
この間の国会では、防災担当大臣より、障害のある人を排除する意図は全くないとの御答弁がありました。しかし、役員に心身の障害により被災者援護協力業務を適正に行うことができない者がいる場合は被災者援護協力団体に登録できないとの規定を明示するということは、障害者権利条約第一条、障害者基本法第一条に反しています。この条文は削除してください。この条文は、拘禁刑以上の刑に処せられた者とか麻薬中毒者などと並んで心身の障害のある者という、そういう記され方がしています。反社会的な行為をした者と並べること自体が偏見を生むことにつながりかねないと懸念します。
昨年、旧優生保護法が障害のある人を不良な子孫と決め付けたことによって優生思想が広まり、障害者に対する差別、偏見を生んだことを国も国会も謝罪しました。にもかかわらず、またこのような条文を加えることは大変遺憾です。法律にこのようなことが書かれること自体が、障害のある人は被災地支援に加わることができない能力の低い者として差別や偏見を生むことにつながるのではないでしょうか。
四月二十五日の本会議で厚労大臣は、仁比議員の質問に答えて、ピアサポートの重要性を答弁されました。被災地においてもピア支援はとても重要と考えます。
和倉温泉のホテルでマッサージ業を営んでおられた視覚障害の方がホテルの休業で職を失っておられます。その方たちの集まりをJDFとNGO団体との共催で行いました。その際、視覚障害者のスタッフがファシリテート役を務め、大切なニーズ把握の場となりました。資料集に「やわやわと」という私たちのニュースを付けています。その六号を御覧いただくとそのときの様子が記事になっていますので、御覧いただけたらと思います。ピアサポートを始め、障害のある人が支援活動に参加できるような合理的配慮こそが必要です。「やわやわと」の四十八号には、先週支援に入った難聴者のスタッフの活動が記されています。併せて御覧いただけたらと思います。
障害のある被災者のニーズを的確に把握し、地元の障害者団体とのつながりを支援に生かすために、被災者援護協力団体に障害のある人が役員として加わることの意義は大きいと思います。このような条文は重ねて削除をお願いします。
三点目は、被災地支援にジェンダーの視点を入れていく必要性について述べたいと思います。
女性の立場から避難所の整備をしていくことの大変さがやっと言われ始めていますが、とても重要なことと考えます。
今回、私は一月十四日に被災地に入り、トイレが使えないことの大変さを体験しました。トイレが使えずに大変と一言で言っても、男性の大変さと女性の大変さは全く違います。男性目線での支援では見えないことが、女性が支援活動に携わることで見えてくるのだと思います。
また、JDFは定期的に仮設住宅に住む障害のある方を訪問していますが、男性スタッフが訪問しても表に出てこられない身体障害の方が、女性スタッフが訪問するとおうちに上げてくださってたくさんお話をしてくださいます。その中で困っていることも伝えていただいています。様々な性の被災者に寄り添うには、支援者にも様々な性の人が入るべきだと考えます。
被災地の支援活動は、危険もあり、ライフラインも混乱していて力仕事が多いからと、丈夫な男性がするものだという固定観念があります。しかし、障害のある人や女性など多様な人が支援活動に加わることで、柔軟で被災者に寄り添う支援ができるのではないでしょうか。
地震から一年五か月。大変な中でも前を向いて進もうとされている方にもたくさん出会いました。
地震前引きこもっていた精神障害の方の部屋の片付け支援に入りましたが、その方は、現在、引きこもった状態から一歩踏み出して、障害者事業所、B型事業所に通われています。片付け支援で単に部屋がきれいになったというだけではなく、毎週全国から来る支援スタッフとの触れ合いの中で人と関わることに対するハードルが下がった。JDFさんの支援はまさしく人を大切にする支援ですねと地元の相談員の方からお話をいただきました。
福祉サービスの提供とは、まさに人が生きることへの支援です。誰一人取り残さない、そういう被災者支援が柔軟に、そして十分に行える法改正となることを重ねてお願いして、私の発言を終わります。
ありがとうございました。
塩
塩田博昭#10
○委員長(塩田博昭君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。
古
古庄玄知#11
○古庄玄知君 自民党の古庄です。
本日、四名の参考人の先生方、本当に貴重な御意見ありがとうございました。
私、地元が大分で、弁護士という法律家もしております。それで、先ほど塩田先生言われた障害者をこの支援活動から除外するという、これは私も個人的に憲法十四条の法の下の平等に反するんではないかというのが私の意見ですので、これはまず最初に申し述べたいと思います。
地元大分県でも、これまでたくさんの豪雨や地震等に悩まされてきました。それで、今回この参考人質疑をさせていただくことに当たりまして、県庁や県の社会福祉協議会の職員などからも実情を聞かせていただきました。
まず、別府市で被災者支援に関わっておられる鍵屋参考人と、去年、大分県庁で災害に関する講義をされた菅野参考人と、塩田参考人にお伺いしたいんですけれども。今回の災害救助法の改正で福祉サービスが災害救助の対象に加えられました。これまでも各地の社会福祉協議会が災害ボランティアセンターを自主的に運営し、福祉支援の重要性が認識されながらも、法制度上は十分に位置付けられておりませんでした。その中で、全国社会福祉協議会を中心に提言が続けられ、ようやく今回の改正に至ったことは大きな前進だと受け止めております。
災害弱者の生活と尊厳を守るには、医療だけではなく、福祉的支援の充実が不可欠です。今回の法改正を踏まえ、今後どのように取組を発展させていくべきとお考えなのか、専門家としての御意見をお伺いしたいと思います。
よろしいですか。三名の方。
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私、地元が大分で、弁護士という法律家もしております。それで、先ほど塩田先生言われた障害者をこの支援活動から除外するという、これは私も個人的に憲法十四条の法の下の平等に反するんではないかというのが私の意見ですので、これはまず最初に申し述べたいと思います。
地元大分県でも、これまでたくさんの豪雨や地震等に悩まされてきました。それで、今回この参考人質疑をさせていただくことに当たりまして、県庁や県の社会福祉協議会の職員などからも実情を聞かせていただきました。
まず、別府市で被災者支援に関わっておられる鍵屋参考人と、去年、大分県庁で災害に関する講義をされた菅野参考人と、塩田参考人にお伺いしたいんですけれども。今回の災害救助法の改正で福祉サービスが災害救助の対象に加えられました。これまでも各地の社会福祉協議会が災害ボランティアセンターを自主的に運営し、福祉支援の重要性が認識されながらも、法制度上は十分に位置付けられておりませんでした。その中で、全国社会福祉協議会を中心に提言が続けられ、ようやく今回の改正に至ったことは大きな前進だと受け止めております。
災害弱者の生活と尊厳を守るには、医療だけではなく、福祉的支援の充実が不可欠です。今回の法改正を踏まえ、今後どのように取組を発展させていくべきとお考えなのか、専門家としての御意見をお伺いしたいと思います。
よろしいですか。三名の方。
鍵
鍵屋一#12
○参考人(鍵屋一君) ありがとうございます。
私の提案の五番目にありますけれども、人材育成と拠点の整備が重要だと考えています。
先行しているのはDMAT、医療の方ですね、災害医療の。DMATというのが先行していますが、あそこはもう既に二十年の歴史があり、そして一生懸命その人材育成をし、そして現地に最初に入って調整をするわけです。まさに、まずは最初はそこからやっていく必要があるだろうと。福祉人材を災害時にどのように活用できるかということについて研修を行い、そして現場に派遣して調整を行う。
そのときに、現場に入った人にはある程度日当と交通費が出るんですが、抜けた方の施設の方にはちょっと厳しいんですよね。だから、今介護の事業所は非常に人手不足です。それで、現場に行って、そこから更に現場に行っちゃうと、こっちの方も足りない。こっちの方が人手が少なくなると基準を満たせないのでうまく人を送れないというようなことがありますので、災害時に人を派遣したら、こちらの方もちょっと基準が足りなくてもいいような仕組みを総合的につくっていかないと、現場で福祉職が十分に働けないということがあろうかと思います。
あとは長期的な支援をいかにやるかという、DMATのように急性期だけではないので、比較的長期的な支援をやるためには、やはり社会福祉協議会のような現地の施設が中核になって調整をする必要があるかなと考えています。
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先行しているのはDMAT、医療の方ですね、災害医療の。DMATというのが先行していますが、あそこはもう既に二十年の歴史があり、そして一生懸命その人材育成をし、そして現地に最初に入って調整をするわけです。まさに、まずは最初はそこからやっていく必要があるだろうと。福祉人材を災害時にどのように活用できるかということについて研修を行い、そして現場に派遣して調整を行う。
そのときに、現場に入った人にはある程度日当と交通費が出るんですが、抜けた方の施設の方にはちょっと厳しいんですよね。だから、今介護の事業所は非常に人手不足です。それで、現場に行って、そこから更に現場に行っちゃうと、こっちの方も足りない。こっちの方が人手が少なくなると基準を満たせないのでうまく人を送れないというようなことがありますので、災害時に人を派遣したら、こちらの方もちょっと基準が足りなくてもいいような仕組みを総合的につくっていかないと、現場で福祉職が十分に働けないということがあろうかと思います。
あとは長期的な支援をいかにやるかという、DMATのように急性期だけではないので、比較的長期的な支援をやるためには、やはり社会福祉協議会のような現地の施設が中核になって調整をする必要があるかなと考えています。
菅
菅野拓#13
○参考人(菅野拓君) 端的に申しますと、やっぱり人やチームをちゃんと育てておくということと、地域で体制整備をしておくという、この二つになるというふうに思っています。
人やチームというのは、今でもDWATというのは一応組成はされていますけれども、基本的には避難所にしか支援が行けないと。これが今後、災害救助法が改正されると、恐らく、例えば施設を動かしていく、回復させていくということや、若しくは、人、個別の、例えば在宅被災者の方や車中泊の方も含めてですね、様々な生活再建まで関わっていくと、こういう領域ができ上がっていくということになりますが、でも、今誰が行くのと、こういう話なので、まさにそういったところを担う、例えばDWATの方になるのか、それともほかのチームができるのか分かりませんが、そういった人やチームをちゃんとつくって育成しておく。
DMATの方々で多分恐らく千七百から二千チームぐらいできていますね、医療の方で。でも、本当のところを言うと、ケアワーカーの数って医療者の十倍ぐらいいるわけですね。ということは、一万から二万そういったチームを本当につくらないと実は実動できないということにもなっていますので、それを、まあ一年では難しいでしょう、例えば十年計画なんかでしっかりと育成していくんだということが重要になります。
また、地域の方はそれを受けていかなければいけないわけですね。いろんな応援が大規模災害のときには入ってきます。これをやはり、災害ケースマネジメントの体制整備と私は言っていますけれども、例えば今だと、地域共生社会づくりなんかでいろんな支援者が困り事に応えて、ちゃんとその方々がいい生活をできるように地域で体制整備進められていらっしゃると思いますが、まさにそれを災害のことも考えて体制整備をしていく、フェーズフリーな体制で地域福祉を進めていくということです。
どの地域でも何か起こったら伴走型の支援ができたり、困った方のところに行けたり、そういうことを外の力も受け入れてやっていけるように体制整備をする、この二点が非常に重要なことなんではないかなというふうに思っています。
この発言だけを見る →人やチームというのは、今でもDWATというのは一応組成はされていますけれども、基本的には避難所にしか支援が行けないと。これが今後、災害救助法が改正されると、恐らく、例えば施設を動かしていく、回復させていくということや、若しくは、人、個別の、例えば在宅被災者の方や車中泊の方も含めてですね、様々な生活再建まで関わっていくと、こういう領域ができ上がっていくということになりますが、でも、今誰が行くのと、こういう話なので、まさにそういったところを担う、例えばDWATの方になるのか、それともほかのチームができるのか分かりませんが、そういった人やチームをちゃんとつくって育成しておく。
DMATの方々で多分恐らく千七百から二千チームぐらいできていますね、医療の方で。でも、本当のところを言うと、ケアワーカーの数って医療者の十倍ぐらいいるわけですね。ということは、一万から二万そういったチームを本当につくらないと実は実動できないということにもなっていますので、それを、まあ一年では難しいでしょう、例えば十年計画なんかでしっかりと育成していくんだということが重要になります。
また、地域の方はそれを受けていかなければいけないわけですね。いろんな応援が大規模災害のときには入ってきます。これをやはり、災害ケースマネジメントの体制整備と私は言っていますけれども、例えば今だと、地域共生社会づくりなんかでいろんな支援者が困り事に応えて、ちゃんとその方々がいい生活をできるように地域で体制整備進められていらっしゃると思いますが、まさにそれを災害のことも考えて体制整備をしていく、フェーズフリーな体制で地域福祉を進めていくということです。
どの地域でも何か起こったら伴走型の支援ができたり、困った方のところに行けたり、そういうことを外の力も受け入れてやっていけるように体制整備をする、この二点が非常に重要なことなんではないかなというふうに思っています。
塩
塩田千恵子#14
○参考人(塩田千恵子君) ありがとうございます。
私もお二人の先生方と同じように、どのように人をそこにちゃんと派遣できるような体制がつくれるのかというのはとても大きな課題だというふうに思っています。
JDFは実際に全国の障害者事業所で働いている人が支援に集まってきているわけですけれども、その間、自分の事業所を空けて出てくるわけですね。なので、今の人手不足の中で、東日本のときよりも熊本のときよりも集まりにくくなっています。どういうふうに被災地に人を送り込むのかというのがとても大きな課題だというふうに感じています。
もう一つは、この間、いろんな団体が現地に入ったときに、ニーズを把握するということはされるんですけれども、そこが把握で終わってしまうんですね、仮設住宅を回って困ったことをお聞きしましたと。じゃ、困ったことにどう対応するのかという、そこまで踏み込んだ活動がないと、ニーズ把握で活動が終わってしまってはいけないというふうに感じています。
以上です。
この発言だけを見る →私もお二人の先生方と同じように、どのように人をそこにちゃんと派遣できるような体制がつくれるのかというのはとても大きな課題だというふうに思っています。
JDFは実際に全国の障害者事業所で働いている人が支援に集まってきているわけですけれども、その間、自分の事業所を空けて出てくるわけですね。なので、今の人手不足の中で、東日本のときよりも熊本のときよりも集まりにくくなっています。どういうふうに被災地に人を送り込むのかというのがとても大きな課題だというふうに感じています。
もう一つは、この間、いろんな団体が現地に入ったときに、ニーズを把握するということはされるんですけれども、そこが把握で終わってしまうんですね、仮設住宅を回って困ったことをお聞きしましたと。じゃ、困ったことにどう対応するのかという、そこまで踏み込んだ活動がないと、ニーズ把握で活動が終わってしまってはいけないというふうに感じています。
以上です。
古
古庄玄知#15
○古庄玄知君 次に、災害ケースマネジメントについてお伺いします。これは菅野参考人と鍵屋参考人にお伺いします。
大分県の防災の担当者に今回の改正を受けて何に力を入れたいかというふうに聞きましたら、災害救助法に福祉サービスが追加されたので、災害ケースマネジメントに力を入れるという答えが返ってきました。現在研修などを実施しておりますけれども、防災関係者と福祉関係者との意識に違いがあるし、災害時の支援から復旧後の支援にシームレスにつなげる長期的な支援の方策を模索しているというふうに話しておりました。
災害関連死の減少や生活再建支援を迅速に行うためには、災害ケースマネジメントの体制強化が不可欠だと考えております。これまでの大規模災害における災害ケースマネジメントの実態や課題を踏まえ、推進方策についてお考えをお聞かせください。
以上です。
この発言だけを見る →大分県の防災の担当者に今回の改正を受けて何に力を入れたいかというふうに聞きましたら、災害救助法に福祉サービスが追加されたので、災害ケースマネジメントに力を入れるという答えが返ってきました。現在研修などを実施しておりますけれども、防災関係者と福祉関係者との意識に違いがあるし、災害時の支援から復旧後の支援にシームレスにつなげる長期的な支援の方策を模索しているというふうに話しておりました。
災害関連死の減少や生活再建支援を迅速に行うためには、災害ケースマネジメントの体制強化が不可欠だと考えております。これまでの大規模災害における災害ケースマネジメントの実態や課題を踏まえ、推進方策についてお考えをお聞かせください。
以上です。
菅
菅野拓#16
○参考人(菅野拓君) まさにそこが肝だと思っています。
今までは、過去の災害ですと、災害ケースマネジメントというのは国の方でも必要だ必要だというふうには言ってきたんですが、やはり法的な位置付けが曖昧で財源の根拠がない。例えば厚生労働省さんの予算事業なんかでやっていくと、こういう形で動いていたものですから、今までは、自治体の皆さんで体制整備取り組もうにも、じゃ、どの財源でやるんだっけとか、本当にお金が来るんだっけ、人は応援してくれるんだっけと、こういう状況になっていたわけですね。それがこの福祉サービスの提供というのが付くので、一縷の望みができてきたという状況だと思います。
ただ、これ、例えば福祉サービスの部分を直後だけとか限ってしまうと、災害ケースマネジメントというのは本当に大きな災害だと何年も続く作業になるわけですね。しかも、いわゆる福祉事業者の方だけではなく、当然、行政の方、NPOの方、例えば法的な支援が必要な場合だと弁護士さんが入ったりと、様々な職種の専門家たちとつながりながらやっていく作業となってしまいます。
なので、非常に重要なことは、やはりこの福祉サービスの提供というのをちっちゃく細かく限るのではなくて、できるだけ広く、また仮設住宅が供給されているような間はずっとその規定が使えると、そういうものとして位置付けていただきながら、どの災害が来ても、あっ、そこまで、災害ケースマネジメントやるところまでは絶対やるんだよねと、こういう形にしていただくということが非常に重要な部分かなと思いますし、そういう前提の中で各自治体の皆さんが計画を立てて体制整備に邁進していただくと、そういう条件を政府としてもつくっていただきたいなというふうに考えております。
この発言だけを見る →今までは、過去の災害ですと、災害ケースマネジメントというのは国の方でも必要だ必要だというふうには言ってきたんですが、やはり法的な位置付けが曖昧で財源の根拠がない。例えば厚生労働省さんの予算事業なんかでやっていくと、こういう形で動いていたものですから、今までは、自治体の皆さんで体制整備取り組もうにも、じゃ、どの財源でやるんだっけとか、本当にお金が来るんだっけ、人は応援してくれるんだっけと、こういう状況になっていたわけですね。それがこの福祉サービスの提供というのが付くので、一縷の望みができてきたという状況だと思います。
ただ、これ、例えば福祉サービスの部分を直後だけとか限ってしまうと、災害ケースマネジメントというのは本当に大きな災害だと何年も続く作業になるわけですね。しかも、いわゆる福祉事業者の方だけではなく、当然、行政の方、NPOの方、例えば法的な支援が必要な場合だと弁護士さんが入ったりと、様々な職種の専門家たちとつながりながらやっていく作業となってしまいます。
なので、非常に重要なことは、やはりこの福祉サービスの提供というのをちっちゃく細かく限るのではなくて、できるだけ広く、また仮設住宅が供給されているような間はずっとその規定が使えると、そういうものとして位置付けていただきながら、どの災害が来ても、あっ、そこまで、災害ケースマネジメントやるところまでは絶対やるんだよねと、こういう形にしていただくということが非常に重要な部分かなと思いますし、そういう前提の中で各自治体の皆さんが計画を立てて体制整備に邁進していただくと、そういう条件を政府としてもつくっていただきたいなというふうに考えております。
鍵
鍵屋一#17
○参考人(鍵屋一君) 多職種連携というのが災害ケースマネジメントでは非常に重要であります。一つの御家庭に、例えば子供が不登校になっちゃった、旦那さんが働けなくなっちゃった、家が壊れてしまった、様々な課題が急に災害時に来てしまいますので、多職種が連携してその方々をサポートする体制と。まあ日常でもやっているところはやっているんですけれども、日常の多職種連携をしっかりつくって、それが災害時につながっていくということが一つ大事。
それからもう一つは、今の被災者支援、見守り支援活動ですよね。厚労省の事業は特定非常災害にならないと二分の一しか予算が来ないんですよね。特定非常災害になると全額国から出してもらえるんですが、そうすると、二分の一しか来ない比較的小さめの災害のときは、やると、実際の持ち出しが半分出さなきゃいけない。これは非常に気の毒な話で、被災者にとってみれば全体の被害が大きいか小さいかではなくてしっかりサポートしていただく必要があるので、この高齢者等見守り支援事業とか、それから被災、その事業で二分の一というのは外して、私はやっぱり全額国から出して被災者を支えていただきたいなというふうに考えています。
この発言だけを見る →それからもう一つは、今の被災者支援、見守り支援活動ですよね。厚労省の事業は特定非常災害にならないと二分の一しか予算が来ないんですよね。特定非常災害になると全額国から出してもらえるんですが、そうすると、二分の一しか来ない比較的小さめの災害のときは、やると、実際の持ち出しが半分出さなきゃいけない。これは非常に気の毒な話で、被災者にとってみれば全体の被害が大きいか小さいかではなくてしっかりサポートしていただく必要があるので、この高齢者等見守り支援事業とか、それから被災、その事業で二分の一というのは外して、私はやっぱり全額国から出して被災者を支えていただきたいなというふうに考えています。
古
加
加藤孝明#19
○参考人(加藤孝明君) 第一歩としては評価しております。ただ、先ほど隙間というキーワードを出したんですが、この登録制度をつくることで新たな隙間を生じかねない可能性はゼロでもないかなと思いますので、実際の運用をしていくときにその点の注意が必要かなというふうに思いました。
加えて、組織が登録されていると、あとは実際に動かれる方のクオリティーをどう維持していくのかという観点に関しても今後の運用課題だというふうに認識しております。
以上です。
この発言だけを見る →加えて、組織が登録されていると、あとは実際に動かれる方のクオリティーをどう維持していくのかという観点に関しても今後の運用課題だというふうに認識しております。
以上です。
塩
塩田千恵子#20
○参考人(塩田千恵子君) 今回このような登録制度ができたことはある意味一歩前進だというふうに思いますけれども、その活動が現地のニーズに合わせて柔軟に活動できるようなものにならないと、逆にその登録された団体の足を引っ張ってしまうのではないのかということを懸念をしています。命令であるとか罰則であるとかいろんなことが書かれていますけれども、やはり支援活動、NPO法人であるとかボランティア団体の支援活動は柔軟で独自性のあるものであるべきだというふうに思っています。それが、この登録されたことによって逆に縛りが掛かってしまうようであれば、被災者の人たちのニーズに応えるような活動ができないのではないか、そのことは懸念をしております。
以上です。
この発言だけを見る →以上です。
古
野
野田国義#22
○野田国義君 立憲民主党の野田でございます。よろしくお願いいたします。
それで、今回の法律もいろいろ福祉とか入ったということでございますけれども、最近、災害見ておりますと、災害関連死で亡くなられる方が非常に多くなってきていると。ここの対策を私は喫緊の課題ではないのかなと。それぞれ四人の参考人からお聞きはしましたけど、もう一度この関連の、関連死ですね、災害の、ここを改善するには、また減らしていくにはどうしたらいいのかということをお聞きしたいと思います。それぞれ。
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塩
加
加藤孝明#24
○参考人(加藤孝明君) 災害関連死、過去の災害においても多数発生しています。その災害関連死に関するデータ、過去のデータについては内閣府などでも検討がされているんですが、やっぱり今後に向けてはきちんとその、個人情報も含めてなんですけれども、どういったメカニズムで災害関連死が発生したのかということをやっぱりきちんと分析できる環境を何かまずつくるということが必要なのかなと思います。
一般論的に言えば、避難所の環境が問題だというふうに言われているんですけれども、先ほど在宅で亡くなっている方が多数という話もあったとおり、もう少し掘り下げた分析があると、何かより良い今後の施策というのも見えてくるかなというふうに感じております。
以上です。
この発言だけを見る →一般論的に言えば、避難所の環境が問題だというふうに言われているんですけれども、先ほど在宅で亡くなっている方が多数という話もあったとおり、もう少し掘り下げた分析があると、何かより良い今後の施策というのも見えてくるかなというふうに感じております。
以上です。
鍵
鍵屋一#25
○参考人(鍵屋一君) 今、加藤参考人がおっしゃったように、データがちょっと十分にないんですね。今までで一番よく出ているなというデータは熊本地震なんですけれども、これでいうと、在宅で具合が悪くなって亡くなった、あるいは在宅から病院に搬送されて亡くなった方が六割を超えるんです。次が、病院で亡くなった方、介護施設なんです。避難所で亡くなった方は十人、四・六%なんです。だから、関連死を防ぐために、避難所環境の改善というのは決してダイレクトにはつながっていないんですね。避難生活をいかに守るかと。様々な場所で避難生活をしていて、そこで病院や介護施設や御自宅で亡くなる。
ところが、そういう避難所外避難者というものに対する計画というのは、自治体ではほとんどまだ作られていないんです。要配慮者の見守りを三日以内にやるというところは、私どもの調査では〇・四%しかありませんでした。つまり、在宅の高齢者をすぐに見守りしますよという、今立ち上がるという制度にはなっていないわけです。その間に具合が悪くなる。一週間で五十三人、一か月以内で百二十四人の方が熊本地震では亡くなっています。それは、そういう早期の対策がまだ打てている状態ではないと。
東日本大震災の関連死はまたちょっと事情が違って、一番多かったのは移動中に亡くなった方々ですね、原発の事故があって、移動中で亡くなった方々が多かったと。能登半島地震は、ちょっといろんな状態があって分からないんですけれども、避難生活でやっぱりかなり厳しかったというのが多いようですので、避難生活全般にしっかりとサポートが入るようにしなきゃいけない。
DMATだけでは、もうすごい頑張っているんですけど、やはり足りないということで、多くの当初からの支援が必要であるというふうに考えています。
この発言だけを見る →ところが、そういう避難所外避難者というものに対する計画というのは、自治体ではほとんどまだ作られていないんです。要配慮者の見守りを三日以内にやるというところは、私どもの調査では〇・四%しかありませんでした。つまり、在宅の高齢者をすぐに見守りしますよという、今立ち上がるという制度にはなっていないわけです。その間に具合が悪くなる。一週間で五十三人、一か月以内で百二十四人の方が熊本地震では亡くなっています。それは、そういう早期の対策がまだ打てている状態ではないと。
東日本大震災の関連死はまたちょっと事情が違って、一番多かったのは移動中に亡くなった方々ですね、原発の事故があって、移動中で亡くなった方々が多かったと。能登半島地震は、ちょっといろんな状態があって分からないんですけれども、避難生活でやっぱりかなり厳しかったというのが多いようですので、避難生活全般にしっかりとサポートが入るようにしなきゃいけない。
DMATだけでは、もうすごい頑張っているんですけど、やはり足りないということで、多くの当初からの支援が必要であるというふうに考えています。
菅
菅野拓#26
○参考人(菅野拓君) 今般、場所から人へなんという言葉が災害関連の中では出るようになりました。やはり、古い法体系ですね、災害救助法が一九四七年にできていますので、やはりどう考えてもこれ施設型なんですよね。だから、避難所をつくって、仮設住宅を造って、それでも駄目だったら公営住宅に入っていただくと。でも、今普通は、いわゆる要援護者と言われるような人たちって、まず在宅でケアを受けてもらって、本当にどうしようもないとなったら施設に入っていただいてと、こっちの方が普通の発想で、できる限り地域の中で暮らしていただくと、こういう体制でやっているのに、いきなり施設型が動き出すと。やっぱりここがまず根本的だと思うんですね。
例えば、避難所の環境が悪いからそこに行けない、だから家で把握もされずに亡くなっている。若しくは、そこで耐えられないから広域避難をする。でも、ちょっと考えていただくと、高齢者で認知症の方がお一人で広域避難したら、その方の情報って誰も分からないんですよね。適切なケアすら受けられない。そうすると、当然お亡くなりになると。
要は、こういう全然違う体制になってしまうということが根本的な問題だろうと思います。そのためにも、当然、医療の世界だけでは事足らない。今回も福祉的なケアの部分、でも、そこには情報もひも付かないわけですね。個人情報をちゃんと把握してリレーションできる、こういう仕組みも必要ですし、そこで適切なケアを使っていただくと、これをしないと根本的には防げないということになるかと思いますので、そういった体制をどうつくるのか、これが課題かというふうに思っています。
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要は、こういう全然違う体制になってしまうということが根本的な問題だろうと思います。そのためにも、当然、医療の世界だけでは事足らない。今回も福祉的なケアの部分、でも、そこには情報もひも付かないわけですね。個人情報をちゃんと把握してリレーションできる、こういう仕組みも必要ですし、そこで適切なケアを使っていただくと、これをしないと根本的には防げないということになるかと思いますので、そういった体制をどうつくるのか、これが課題かというふうに思っています。
塩
塩田千恵子#27
○参考人(塩田千恵子君) 先生方と重ならないようなところで幾つか発言したいと思うんですけれども、一つは、今災害関連死と言われている人たちは災害関連死のほんの一部分にしかすぎないと思います。災害関連死と認定されるためにはとてもハードルが高い。なので、現地の人たちとお話ししていると、おじいちゃんが地震の後亡くなったんだと、で、災害関連死かもしれないけれども、それを証明してもらうのにはすごい大変なのでそれは申請しないんだというようなお話を聞くんですよね。ですから、今災害関連死と言われている人たち以上の人が亡くなっているのではないかというふうに私は思っています。
もう一つは、やはり我慢をされる。地震で生活が大きく変化がある中で、皆さん大変な生活をしておられる。そういう中で我慢を、自分よりもあの人の方が大変だから、自分は家が残っているがあの人は家が全壊やったからというような形で我慢をされる方がとても多くて、そういう人たちが体の具合が悪くなったときにも我慢をしてしまうというような状況がどこの被災地でも、東日本でも熊本でも能登でも私は感じていて、そういう意味では、災害関連死を防ぐためには、我慢をしなくてもいいようなやはり手厚い手だてというのが、特にやっぱり高齢の方であるとか障害、いわゆる社会的弱者と言われる人たちのところに手厚く手だてがないと増えていくのではないかなということは感じています。
以上です。
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以上です。
野
野田国義#28
○野田国義君 どうもありがとうございました。
それから、再建していくには、被災者生活再建法ですか、あれの金額が非常に少ないんじゃないかなといつも思っております。いろいろ我が党なんかも法案なんかも出してやっているんですけれども、とてもじゃないけど、なかなかあれは厳しいんですよね、もらうためには、全壊や半壊とかいろいろあって。
ですから、この辺りのところを、菅野先生、塩田先生ですか、どのように思っておられるのか、現場はどう捉えているのかということをお聞きしたいと思いますが。
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ですから、この辺りのところを、菅野先生、塩田先生ですか、どのように思っておられるのか、現場はどう捉えているのかということをお聞きしたいと思いますが。
菅
菅野拓#29
○参考人(菅野拓君) 被災者生活再建支援法、非常に大事な法律ですが、やはりなかなか厳しい面も持っている法律だなと思っております。
というのが、法にいわゆる支給の条件がもう規定されてしまっているんですね。それがいわゆる罹災証明という、たまたま住んでいた家の壊れ具合ということになります。これは持家も借家も関係ありません。
でも、ちょっと考えると、住宅ローン残っていて全壊になっちゃったという人と、言葉は悪いですが引っ越せば大丈夫な人と、でも全く同じと。要は、これ社会保障的な原理から発想されている法体系にはなっていないということですね。そうすると、やはりしんどい人が出てしまうと、こういう構図だと思います。なので、金額もさることながら、まずは支給の基準ですね、ここをちゃんと、本当にしんどい人たちを支えられるような基準を作って運用していくんだと、こういう話がまずは必要なんじゃないかと思います。
恐らく、加算支援金やその後の、基礎支援金があって加算支援金がありますが、結構、支給も本当は生活の再建具合で、例えば家をどう建て直すかって決まってきますので、後の方で渡す話ですので、よくよく考えたら、課税の状況とか例えば社会的な援護の状況とかいろいろな判断、それは平時自治体がやっていらっしゃる判断で支給できる部分もあるはずなんです。そうやった平時の考え方を取り入れた形で支給要件を見直していくということは非常に重要なんじゃないかなというふうに思っています。
この発言だけを見る →というのが、法にいわゆる支給の条件がもう規定されてしまっているんですね。それがいわゆる罹災証明という、たまたま住んでいた家の壊れ具合ということになります。これは持家も借家も関係ありません。
でも、ちょっと考えると、住宅ローン残っていて全壊になっちゃったという人と、言葉は悪いですが引っ越せば大丈夫な人と、でも全く同じと。要は、これ社会保障的な原理から発想されている法体系にはなっていないということですね。そうすると、やはりしんどい人が出てしまうと、こういう構図だと思います。なので、金額もさることながら、まずは支給の基準ですね、ここをちゃんと、本当にしんどい人たちを支えられるような基準を作って運用していくんだと、こういう話がまずは必要なんじゃないかと思います。
恐らく、加算支援金やその後の、基礎支援金があって加算支援金がありますが、結構、支給も本当は生活の再建具合で、例えば家をどう建て直すかって決まってきますので、後の方で渡す話ですので、よくよく考えたら、課税の状況とか例えば社会的な援護の状況とかいろいろな判断、それは平時自治体がやっていらっしゃる判断で支給できる部分もあるはずなんです。そうやった平時の考え方を取り入れた形で支給要件を見直していくということは非常に重要なんじゃないかなというふうに思っています。