農林水産委員会

1956-05-08 参議院 全99発言

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会議録情報#0
昭和三十一年五月八日(火曜日)
   午後二時七分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
四月二十三日委員佐藤清一郎君辞任に
つき、その補欠として紅露みつ君を議
長において指名した。
四月二十四日委員小西英雄君、横川信
夫君及び三浦辰雄君辞任につき、その
補欠として植竹春彦君、平井太郎君及
び北勝太郎君を議長において指名し
た。
四月二十五日委員植竹春彦君、平井太
郎君、雨森常夫君及び北勝太郎君辞任
につき、その補欠として小西英雄君、
小幡治和君、松原一彦君及び三浦辰雄
君を議長において指名した。
四月二十日委員紅露みつ君及び戸叶武
君辞任につき、その補欠として長島銀
藏君及び荒木正三郎君を議長において
指名した。
三月二日委員松原一彦君辞任につき、
その補欠として高橋進太郎君を議長に
おいて指名した。
五月四日委員重政庸徳君及び荒木正三
郎君辞任につき、その補欠として三木
與吉郎君及び戸叶武君を議長において
指名した。
五月七日委員小幡治和君及び菊川孝夫
君辞任につき、その補欠として重政庸
徳君及び東隆君を議長において指名し
た。
本日委員三木與吉郎君及び河井彌八君
辞任につき、その補欠として一松政二
君及び飯島連次郎君を議長において指
名した。
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長
           棚橋 小虎君
   理事
           青山 正一君
           重政 庸徳君
           関根 久藏君
           戸叶  武君
           三浦 辰雄君
   委員
          池田宇右衞門君
           小西 英雄君
           宮本 邦彦君
           東   隆君
           河合 義一君
           小林 孝平君
           三橋八次郎君
           森 八三一君
  国務大臣
   大蔵大臣農林大
   臣臨時代理   一萬田尚登君
  政府委員
   農林政務次官  大石 武一君
   農林大臣官房長 谷垣 專一君
   農林省農林経済
   局長      安田善一郎君
   農林省農業改良
   局長      大坪 藤市君
   農林省蚕糸局長 永野 正二君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選
○北海道の水害対策に関する請願(第
 七号)
○米の配給日数復元等に関する請願
 (第一三号)
○水産業協同組合法改正に関する請願
 (第二八号)
○漁業法改正に関する請願(第二九
 号)
○農地改革行過ぎ是正に関する請願
 (第三〇号)(第六七号)(第七七
 号)(第八二号)(第八六号)(第
 九九号)(第一五六号)(第一六四
 号)(第一九三号)(第二六一号)
 (第三七九号)(第三八〇号)(第
 三八一号)(第四六四号)(第五〇
 七号)(第五四七号)(第五七九
 号)(第六三九号)(第九〇九号)
○和牛の消費流通等に関する請願(第
 五二号)
○自作農維持資金融通法実施の適正に
 関する請願(第六六号)
○わら工品の需給維持に関する請願
 (第七五号)
○内水面水産増殖事業費国庫補助等に
 関する請願(第七八号)
○建物に関する共済事業を農業協同組
 合に一元化するの請願(第八五号)
○大分県昭和井路支線水路工事復活等
 に関する請願(第九六号)
○さつまいもでん粉の政府買上げに関
 する請願(第一〇〇号)
○宮崎県田原村五ケ所開発事業中止に
 関する請願(第一一一号)
○カムチャツカ災害融資等の融資金返
 済期限延長に関する請願(第一二四
 号)
○三陸沖暴風浪等の漁業被害復旧資金
 特別長期融資実施促進に関する請願
 (第一二五号)
○漁業被害保険補償制度確立促進に関
 する請願(第一二六号)
○農業共済団体事務費国庫負担増額に
 関する請願(第一三一号)
○岩手県近海のモーカさめはえなわ漁
 業の許可制度に関する請願(第一三
 五号)
○岩手県沖さんま漁場の限定操業に関
 する請願(第一三六号)
○急傾斜地帯農業振興臨時措置法の適
 用期限延長に関する請願(第一四一
 号)(第一七一号)
○岩手県江刺平野等の開墾事業に関す
 る請願(第一五七号)
○米の統制撤廃等反対に関する請願
 (第一五八号)
○新農業団体設立に関する請願(第一
 八〇号)(第一九〇号)(第二六二
 号)(第二八七号)(第三〇七号)
 (第三二一号)(第四五三号)(第
 四五四号)(第四五五号)(第四八
 九号)(第四九六号)(第五一六
 号)(第五一七号)(第五三七号)
 (第五四八号)(第五六〇号)(第
 五七四号)(第五八〇号)(第五八
 一号)(第五八二号)(第六二五
 号)(第六五九号)(第六六六号)
 (第六六七号)(第六八〇号)(第
 八〇三号)(第九三二号)(第九六
 二号)(第一、一七七号)(第一、
 二五六号)
○三陸沖暴風浪の被害漁業復旧対策等
 に関する請願(第一八一号)
○みつまた生産農家救済に関する請願
 (第二一四号)(第二五一号)
○兵庫県小坂村出石川沿岸農地に排水
 ポンプ設置の請願(第二一八号)
○伝貧研究所設置に関する請願(第二
 三一号)(第二六〇号)(第三八三
 号)(第四八一号)(第五〇八号)
○日本中央競馬会法第二十七条改正に
 関する請願(第二六三号)
○新潟県耕地地すべり地災害防止対策
 事業費国庫補助に関すす請願(第二
 六四号)
○農産物価格安定法の一部改正に関す
 る請願(第二九二号)(第四八五
 号)(第一、二五五号)
○造林事業費国庫補助増額等に関する
 請願(第三三四号)
○治山事業費国庫補助増額等に関する
 請願(第三三五号)
○森林組合の育成強化に関する請願
 (第三三六号)
○林産物の需給及び価格の適正化に関
 する願請(第三三七号)
○開拓行政の合理化に関する請願(第
 三三八号)
○林道網の整催促進に関する請願(第
 三三九号)
○林業災害補償制度の合理化に関する
 請願(第三四〇号)
○森林計画経費国庫補助増額等に関す
 る請願(第三四一号)
○北海道天の川地区土地改良事業施行
 に関する請願(第三九一号)
○北海道石崎漁港修築工事施行等に関
 する請願(第三九二号)
○北海道遠別漁港築設促進に関する請
 願(第三九三号)
○北海道根室未開発地域の農業開発に
 関する請願(第四一五号)
○北海道元地漁港築設に関する請願
 (第四一六号)
○北海道福島漁港修築工事継続等に関
 する請願(第四一七号)
○かんがい排水機設置費等国庫負担に
 関する請願(第四三五号)
○大分県西国東干拓建設事業予算に関
 する請願(第四五六号)
○宮城県田尻川沿岸地域のかんがい排
 水総合改修事業促進に関する請願
 (第四六五号)
○茨城県筑波郡下の開拓適地選定基準
 厳正運用等に関する請願(第四九二
 号)
○積雪寒冷地域の大規模区画整理事業
 予算増額等に関する請願(第四九三
 号)
○水質汚濁防止法制定等に関する請願
 (第五〇四号)
○滋賀県愛知川ダム建設反対に関する
 請願(第五四二号)
○新農業団体設立に関する請願(第五
 六二号)
○神奈川県相模湖町管内の国有林払下
 げに関する請願(第六〇四号)
○あ麻、ちよ麻事業の振興対策に関す
 る請願(第七一一号)
○秋田県十和田湖姫ます養殖事業復興
 に関する請願(第七一七号)
○北海道浜頓別内ポンニタチナイ開拓
 道路開さくに関する請願(第七四一
 号)
○北海道熊石村黒岩地区かんかい事業
 施行に関する請願(第七四四号)
○北海道落部漁港築設工事促進に関す
 る請願(第七四六号)
○北海道頓別船入まの昇格に関する請
 願(第七四七号)
○北海道熊石漁港しゆんせつ等に関す
 る請願(第七四八号)
○北海道砂原漁港修築工事促進等に関
 する請願(第七四九号)
○北海道野田追地区造田事業促進に関
 する請願(第七五〇号)
○福岡県内市町村の水害復旧費国庫補
 助に関する請願(第七七三号)
○農林省札幌統計調査事務所庁舎移転
 に関する請願(第七八三号)
○新指導農業団体法制定に関する請願
 (第八一六号)(第八二七号)(第
 八二八号)(第八二九号)(第八三
 三号)(第八六七号)(第八六八
 号)(第八八三号)(第九三三号)
 (第一、〇三二号)(第一、一一五
 号)(第一、一九七号)
○水産業協同組合法の一部改正等に関
 する請願(第八五二号)
○こんにゃく価格安定化に対する恒久
 施策確立の請願(第九二八号)
○食糧科学研究機関設置に関する請願
 (第九六三号)
○強化合成米育成に関する請願(第九
 六四号)
○岩手県種市漁港修築工事促進に関す
 る請願(第九六五号)
○北海道東鷹栖、鷹栖両村鷹栖地区の
 道営軌道客土事業施行に関する請願
 (第一〇二二号)
○秋田県平鹿郡地区の土地改良事業施
 行に関する請願(第一〇五八号)
○岩手県綾里漁港修築工事促進に関す
 る請願(第一〇六九号)
○米穀取扱業者の免許制施行に関する
 請願(第一〇七八号)
○北海道新篠津村でい炭地開発に関す
 る請願(第一〇九二号)
○茨城県旭村涸沼干拓事業促進に関す
 る請願(第一一〇六号)
○奈美大島産黒糖の価格安定に関する
 請願(第一一一一号)
○家畜商法の一部改正に関する請願
 (第一一一八号)
○静岡県庄内村地先浜名湖干拓工事反
 対に関する請願(第一一二一号)
○大阪湾水質浄化促進に関する請願
 (第一一二二号)
○北海道浜益漁港修築工事促進に関す
 る請願(第一一四七号)
○北海道新川地区排水工事施行に関す
 る請願(第一一五〇号)
○北海道浜益村等の漁業転換に関する
 請願(第一一五一号)
○千葉県県営大利根、干潟用排水総合
 土地改良事業計画認可等に関する請
 願(第一一五二号)
○北海道広島村共栄排水こう改修工事
 施行に関する請願(第一一六一号)
○北海道千歳川地区漁川ダム建設に関
 する請願(第一一六二号)
○森林雪害救済に関する請願(第一一
 九八号)
○木炭公営検査強化の立法措置に関す
 る請願(第一二〇九号)
○新農薬による内水画魚族死滅の防止
 対策の請願(第一二一〇号)
○岩手県胆沢川県営第二発電所用水等
 の取水による漁業損害補償の請願
 (第一二三九号)
○北海道千歳町の反転客土事業費国庫
 補助に関する請願(第一二五七号)
○農林水産政策に関する調査の件
 (凍霜害に関する件)
 (米価に関する件)
 (韓国ノリに関する件)
    ―――――――――――――
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棚橋小虎#1
○委員長(棚橋小虎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 まず委員の変更について御報告いたします。去る四月二十三日佐藤清一郎君が辞任され、紅露みつ君が選任され、四月二十四日三浦辰雄君、小西英雄君及び横川信夫君が辞任され、北勝太郎君、植竹春彦君、平井太郎君が選任され、四月二十五日植竹春彦君、平井太郎君、両森常夫君及び北勝太郎君が辞任され、三浦辰雄君、小幡治利君、小西英雄君及び松原一彦君が選任され、四月三十日紅露みつ君、戸叶武君が辞任され、長島銀藏君及び荒木正三郎君が選任され、五月二日松原一彦君が辞任され、高橋進太郎君が選任され、五月四日荒木正三郎君及び重政庸徳君が辞任され、戸叶武君及び三木与吉郎君が選任され、昨日菊川孝夫君及び小幡治和君が辞任され、東隆君及び重政庸徳君が選任されました。また本日三木与吉郎計及び河井弥八君が辞任せられ、一松政二君、飯島運次郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
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棚橋小虎#2
○委員長(棚橋小虎君) 次に委員の変更に伴い理事が欠員になっておりますので、その補欠互選を行いたいと存じます。互選の方法は成規の手続を省略して、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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棚橋小虎#3
○委員長(棚橋小虎君) 御異議ないと認めます。それでは私より重政庸徳君、青山正一君、戸叶武君及び三浦辰雄君を理事に指名いたします。
    ―――――――――――――
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棚橋小虎#4
○委員長(棚橋小虎君) 請願第七号北海道の水害対策に関する請願及び百五十七件を議題にいたします。
 今国会中四月二十一日までに当委員会に付託せられました請願百五十八件の御審査を願うため、去る四月二十七日委員会を予定いたしましたが、都合によって懇談会とし、これら請願の取扱い方について御懇談が行われ、その結果について御報告を受けましたので、その結果をただいまから委員会に御報告申し上げ、これが取扱いについてお諮りをいたしたいと存じます。
 付託審査された請願はお手元にお配りしておきました参議院公報第九十三号(二)の通りでありまして、その趣旨は多種多様でありますが、これを大別いたしますと、農業関係百十七件、林業関係十二件、水産関係二十九件、計百五十八件であります。さらにこれを細別いたしますと、農業関係百十七件のうち、最も多いのはいわゆる農業団体再々編成に関連するもので、合計四十一件に達し、これらのうち二十九件は新農業団体の設立に反対するもので、残りの十二件は新農業団体の設立を要望するものであり、次いで灌漑及び排水、ダム及び溜池の構築、干拓及び開拓等土地改良の促進に関するもの二十一件、農地改革行き過ぎ是正に関するもの十九件、農産物の価格安定に関するもの八件、馬の伝染性貧血研究所設置に関するもの五件、急傾斜地帯農業振興臨時措置法の期限延長に関するもの三件、その他でありまして、毎年件数の多い米価あるいは米の統制に関するものはただいままでのところわずかに三件であります。
 林業に関するもの十二件のうち、造林あるいは治山事業等に対する国庫補助の増額に関するものが三件、その他関拓基準の適正化、林通網の整備拡充、森林組合の育成強化、あるいは木炭検査の公営に関するもの等があります。
 水産関係のもの二十九件のうち、漁港の築設あるいは修築に関するもの十件を始めとして、漁業法及び水産業協同組合法の改正、漁業調整、内水面漁業増殖、水質汚濁防止、原水爆実験による損害補償その他に関するものがあわせて十九件であります。
 懇談会におきましては、これらの請願のおのおのについて、政府関係当局の意見をも参酌し、慎重な検討が行われ、いわゆる農業団体再々編成、農地改革の行き過ぎ是正、建物共済の農業協同組合に一元化、漁業法等の改正、及び漁業の限定操業に関するもの等、直ちに結論を得がたいもの、あるいは現在審議中の法律案に関係あるものを除さ、お配りしておきました公報の請願一覧表において赤丸を付してあります九十件はこれを採択することが適当であると認められたのであります。しかして赤丸のうち単なる赤丸は政府をしてすみやかに実施せしめることが必要であると認められたものであり、赤丸の中に赤点のあるものは政府における慎重な検討を促し、その善処を求めることにしようとする趣旨のものであります。
 大要以上のようでありますが、この結果について委員各位におかれまして御異存がなければ、これを委員会の決定として措置することについてお諮りいたしたいと存じますが、御異議ございまんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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棚橋小虎#5
○委員長(棚橋小虎君) 御異議がないようでありますから、以上をもって委員会の決定として併置をいたしたいと存じます。
 なおそれでは請願七号ほか八十九件は議院の会議に付するを要するものとして内閣に送付を要するものと決定して御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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棚橋小虎#6
○委員長(棚橋小虎君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。
 次に請願第十三号ほか九件については、意見書案を提出することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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棚橋小虎#7
○委員長(棚橋小虎君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。
 なお報告書及び意見書案の作成については、これを委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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棚橋小虎#8
○委員長(棚橋小虎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
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棚橋小虎#9
○委員長(棚橋小虎君) 凍霜害の件を議題にいたします。
 去る四月二十九日から五月一日にわたって各地に発生した霜害は被害が激甚な模様でありまして、はなはだ残念に存じております。そこで本日は政府当局に被害状況及びこれが対策について説明を聞き、その善処を求めるため特にこの問題を議題にいたします。
 まず政府当局の説明を求めます。
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大石武一#10
○政府委員(大石武一君) 四月の二十九日から五月一日までの凍霜害につきまして、その対策について簡単に御報告申し上げます。
 四月の二十九日から五月一日までの発生した凍霜害につきましては、農林省統計調査部の組織におきまして、その実態の把握に努めておるほかに、被害を受けた府県関係各課よりの報告について目下取りまとめ中でございますが、その被害は大体三十数府県に及ぶのでございまして、今日までにその報告が参っておりますのは十数府県でございます。その報告によりますと、きのうあたりまで参りました十四府県分につきましては、すでに百六億八千万円の被害が報告されております。御参考までに申し上げますと、昭和二十八年の凍霜害の被害額は農林省統計調査部の調査の結果によりますと、総額約百億になっておりますので、この報告は約半数以下においてその二十八年度の被害を突破しておるような状態でございます。
 なお、被害の発生しました三十日には、蚕糸局長が群馬、埼玉の実態を調査して参りましたが、さらに福島、北関東、東海、東山、近畿地区十一府県に対して、それぞれ本省より関係官を派遣して実態を調査せしめております。
 次に、本年の気象台における長期予報により、降霜の被害が予期せられておりましたので、以前よりそれぞれ関係各局、ことに農業改良局、蚕糸局におきましては、都道府県及び関係者に対しまして、その予防方法並びに対策について注意を喚起しておきました。で、改良局におきましては、四月九日に局長通達によりまして、普及組織をあげてその対策を指導いたしましたし、また、蚕糸局におきましては、ラジオ、業界紙及び農林弘報をもって四月一日以来数次にわたり予防法及び善後処置について指導いたしておったわけであります。
 次に、樹勢回復用硫安の緊急譲渡でございますが、懐霜害発生当時の樹勢回復用その他の追肥需要に備えまして、保管硫安一万トンを五月末日までに放出するように、五月四日全購連に対して緊急譲渡の指令を行なっております。
 今後農林省といたしましては、被害実態の判明次第、おそらく今明日中に統計調査部におきまして全国の調査が判明すると予想しておりますので、関係方面とも十分に協議いたしまして、適切な対策をすみやかに講ずる方針でございますが、さしあたり系統金融機関の利用による融資措置を円滑に実施するよう、農林中央金庫当局と打ち合せをいたしまして、その他諸般の措置につきまして目下検討中であります。
 以上、まことに簡単でございますが御報告申し上げます。
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棚橋小虎#11
○委員長(棚橋小虎君) 以上説明を聞いたのでありますが、御質疑の向きは順次御質疑を願います。
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池田宇右衞門#12
○池田宇右衞門君 ただいま政務次官から、二十九日、三十日の被害は福島より九州にわたる三十数県にわたって、かつてない大災害を生じておるという報告に接したのであります。しかも、予防方法といたしましては、大よそ寒風が襲うというように各県に通報になっていたにかかわらず、時ならぬ寒風の襲うところとなって大凍霜害に相なったと、かような報告でございます。私ども調査いたしましたところにおきましても、農林省蚕糸局長、ほか各位が各県に出張いたしまして、実情を調査したと、同じそこにはそれぞれ行っておるでございましょうが、まずもって桑園、果樹園、野菜、麦、水苗しろ等に与えた被害は、農林省のただいまの報告でも百六億円以上というのでございまして、おそらく桑園だけでも七万町歩、繭減収の予想は三百三十四万貫、金額にして約八十億円以上の収入減を来たしておるというふうに聞いておるのでございます。かような大被害はかつてなく、養蚕、生糸あるいはその他の農産物の輸出上において非常な挫折を引き起すような状況にも立ち至っておるのでございます。ことに、不慮の大災害地におけるところの農家のこうむりたる精神的、経済的の打撃は全く筆舌に尽しがたく、このまま放置せんか、せっかくの増産意欲をそぎ、農作物確保の挫折を引き起すような状態が地方に生ずると言わざるを得ないのでございます。ことに、地方におけるところの府県、市町村は、この農家の収入減によりまして、相当納税上に対しましても、これまた地方財政における大きな欠陥を生ずるという結果を見なければならないと思います。これらに対しまして、直ちに政府当局といたしましては、回復の道を講じなければならないと思うのでございまして、ただいま政務次官のお話によれば、農林中央金庫と相談をいたしまして、それぞれ融資の道の門戸を開いたという説明でありました。私は、次に一つずつ質問するからお答えを願いたいと思います。
 被害桑園に対しては、回復用速効肥料を無償交付する決意があるかどうか、これをまず政務次官並びに蚕糸局長にお尋ねします。
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永野正二#13
○政府委員(永野正二君) 被害桑園の回復をなるべくすみやかにいたしまして、春蚕の掃き立て量をなるべく減少しないようにする、農家の被害をなるべく軽減をするということは非常に緊急な問題であると思います。私どもといたしましては、まだ政府部内としての最終的な結論に達しておりませんのでございますけれども、できるだけ速効性肥料を施すことができるように、それに必要な予算措置その他を折衝いたしたいと、こう考えておるわけでございます。
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池田宇右衞門#14
○池田宇右衞門君 被害桑園並びに果樹園に対しては、病虫害防除用として必要な薬剤を、これまた無償交付するのが適当と思うが、これに対する意思ありやどうか。
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大坪藤市#15
○政府委員(大坪藤市君) 今回の凍霜害によって、果樹園が相当凍霜害にかかっておるということが報告され、またわれわれの方の調査の方でもそういうようなことに相なっておるわけであります。凍霜害になりました場合には、御承知の通り病虫害の異状発生というものが予想されますので、できるだけそういうような病虫害の発生を防除するような薬剤散布ということも必要でありまするが、これらの点につきましても、ただいま蚕糸局長が申しました通り、政府部内といたしましてまだ結論に達しておりませんが、私どもといたしまして努力いたしまして、できるだけ御意見の通りいたしたいとかように考える次第であります。
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池田宇右衞門#16
○池田宇右衞門君 掃き立て不能に陥った結果、蚕種代金の助成ということを考えなければならないと思います。春蚕掃き立て用として準備した蚕種は、桑園が被害にあったら放棄せざるを得ないような状態に立ち至るのでございます。これら新たに掃き立て用の蚕種を求めるについては、やはり相当の助成と蚕種のそれぞれ掃き立て用に対する必配をしてやらなければならないと思います。蚕糸局はこれに対してどういう方法をおとりになっておるか。
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永野正二#17
○政府委員(永野正二君) 地帯によりまして、掃き立て直前の所と、掃き立てまでに多少の時日の余裕がある地帯と、いろいろあるわけでございます。私どもといたしましては、技術的に可能な限度におきまして掃き立てを抑制して、その後の桑の伸長を見まして、なるべく掃き立てを減らさないというふうな指導をできるだけ――すでに各県とも相談をいたしてやっておりまするが、ただいま御指摘のような全然掃き立て不能な場合の蚕種代金をどうするかという問題が当然あることはよく考えておるわけでございます。この点は各地帯の被害の状況等の正確な数字も見る必要もあるかと思いますが、また農業共済の関係がどういうふうな結果になるかというような点もあわせ考えまして、必要があればこれに対する措置を考えて参りたい、こう考えております。
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池田宇右衞門#18
○池田宇右衞門君 被害農作物及び蚕繭の共済保険金の概算払いの実施を必要といたしますが、これに対する計画並びに見通しについて答弁を願いたいと思います。
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安田善一郎#19
○政府委員(安田善一郎君) 農業災害補償制度に基きまする今回の凍霜害の措置につきましては、被害量の確定をすみやかにいたすよう努力をいたしまして、再保険金の概算払い、または仮払いの措置を講ずるよういたすつもりでございます。
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池田宇右衞門#20
○池田宇右衞門君 営農低利資金の貸し出しは、低利にして長期にわたって返済できるような方法をとるのが最もよいと思いますが、これに対する処置に対しまして、いかなる方法を考えておられるか。またいかなる方法をもってこれに臨むか。具体的にこれに刻する御答弁を願いたいと思います。
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大石武一#21
○政府委員(大石武一君) 幸いに以前の国会におきまして、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法という法律がございまして、非常に低利の長期の金をお貸しすることができるわけでございますので、これを基準として、できるだけ広範囲に融資を政令をもって定めて行いたい。これを基本にいたしたいと考えております。
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池田宇右衞門#22
○池田宇右衞門君 被害農家に対する課税は、もちろんその状況によって減税あるいは免税の処置を講じなければならないと思います。従って直接の関係省たる農林省としては、大蔵関係、国税庁とこれが十分なる協議をしなければなりませんが、これに対する打つ手を打ってありますか。また今後どういう手を打ってこの方法を実現するか、これについて答弁を願いたいと思います。
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大石武一#23
○政府委員(大石武一君) お答えいたします。これにつきましては、でき得る限り被害の実態を十分に調査いたしまして、その被害の実態なり、こまかなめんどうなところまでよくこれを大蔵当局に認識させまして、これを末端まで大蔵当局の指令が浸透するようにあらゆる努力をいたしまして、被害農家に困窮を与えないような方針にしたいと念願する次第であります。
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池田宇右衞門#24
○池田宇右衞門君 たとえて言えば、長野県方面の例をとっても、十六億以上の赤字県であるという際、二十五億に近いとこの災害を生ずる。従って先に申した通り、地方自治体、県及び市町村の税収入は非常な欠陥を生ずる。いわゆる激減を来たして、地方自治は困難な実情に遭遇する。地方交付税及び交付金、補助金を十分に増して、これらの自治体までも救済しなければならないような状態に立ち入るのでございます。従って農林当局としては、自治庁の長官及び自治庁の関係の方が来ておいでになれば、要求はしておいたのでございますが、どういう方法を講じ、またどういう処置をとる計画があるか、また大蔵当局とどういう折衝をするか、この点も承わりたいと思います。
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大石武一#25
○政府委員(大石武一君) このたびの災害によりまして、おそらく各府県においては、税収の減少ということが予想されるわけでございます。これにつきましては、交付税なり特別交付税なりにおいて、十分に自治庁からめんどうがみてやれるということを念願いたしまして、私どもも極力そのように働きかけまして、その実態を調べてその措置をとりたい、こういう努力をしたいと思う次第であります。
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池田宇右衞門#26
○池田宇右衞門君 災害地に対しての土地、品種改良、あるいはまた蚕糸技術員、その他改良普及員は一線の指導員として相当働かなければならぬ。これらに対して働かせる上においては、やはり予備金及びその他の交付金を必要とするが、これに対しての準備はどうなっておりますか。
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大石武一#27
○政府委員(大石武一君) これらの指導員なりあるい普及員なりを十分活躍せしめるためには、私どもも必ずしも十分な予算を獲得しておるとは申されない状態でありますけれども、でき得る限り剰余金あるいは繰り上げの使用等をいたしまして、そうしてでき得る限り十分な活躍をさして、一日も早く正確な実態を把握いたしたい、こう念願いたしております。これにつきまして、将来予算の面におきまして困るようなことがありました場合には、予備金の支出なり、あるいは特別の措置なりをいたさなければならぬ、こう考えておる次第であります。
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池田宇右衞門#28
○池田宇右衞門君 災害がすでに百億を上回った、おそらく報告は災害の増大を必ず各府県から報告されることだと思います。農林当局としては、今度は大蔵大臣が農林大臣の臨時大臣となるというふうに、本日ごあいさつがあるということを聞いておりますが、補正予算の追加を見るか、あるいはその他一時政府の手持ちにおいての支払い、交付その他によってこの災害を救助するというような、何か打つ手があるだろうと思いますが、その打つ手に対して大臣と政務次官その他の局長各位が相談になったかどうか、なっておったら詳細に報告していただきたい。
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大石武一#29
○政府委員(大石武一君) 話が違いまして、実はこのたび高碕代理大臣が、きょうフイリツピンにお立ちになりまして、一万田大蔵大臣が農林大臣代理をすることになりましたので、ここに出てごあいさつ申し上げるはずでございますけれども、ただいま衆議院の本会議において、緊急質問の答弁中でございますので、今失礼いたしておるわけでございます。このことにつきまして、被害の実態が判明いたさなければどうとも申されませんので、できるだけ早くその実態を把握いたしまして、それによりまして今言ったような融資とか、いろいろなことの道を講じますけれども、それでも足りない場合には、当然予備金の支出なり、あるいはさらに補正予算なりを考えなければならぬと思う次第でございますが、これもいずれ実態が判明した結果になると考えておる次第であります。
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