社会労働委員会

1970-04-02 衆議院 全126発言

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会議録情報#0
昭和四十五年四月二日(木曜日)
    午前十時五十二分開議
 出席委員
   委員長 倉成  正君
   理事 小山 省二君 理事 佐々木義武君
   理事 増岡 博之君 理事 田邊  誠君
   理事 大橋 敏雄君 理事 田畑 金光君
      有馬 元治君   小此木彦三郎君
      大石 武一君    梶山 静六君
      唐沢俊二郎君    斉藤滋与史君
      松澤 雄藏君    松山千惠子君
      向山 一人君    渡部 恒三君
      川俣健二郎君    小林  進君
      後藤 俊男君    島本 虎三君
      山本 政弘君    古寺  宏君
      古川 雅司君    渡部 通子君
      西田 八郎君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 内田 常雄君
 出席政府委員
        厚生政務次官  橋本龍太郎君
        厚生大臣官房長 戸澤 政方君
        厚生省公衆衛生
        局長      村中 俊明君
        厚生省医務局長 松尾 正雄君
        厚生省保険局長 梅本 純正君
        厚生省年金局長 廣瀬 治郎君
        厚生省援護局長 武藤き一郎君
 委員外の出席者
        社会労働委員会
        調査室長    濱中雄太郎君
    —————————————
委員の異動
四月一日
 辞任         補欠選任
  佐々木更三君     島本 虎三君
    —————————————
三月三十一日
 自然公園法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一六号)(参議院送付)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第七〇号)
 厚生関係の基本施策に関する件(精神病院に関
 する問題)
     ————◇—————
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倉成正#1
○倉成委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出の戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。後藤俊男君。
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後藤俊男#2
○後藤委員 援護法は毎年毎年改正されるわけですが、今度の改正につきまして、何を根拠に改正されるのか、それを冒頭にお尋ねいたしたいと思います。
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武藤き一郎#3
○武藤政府委員 今回の十数点に関します援護法の改正の点でございますが、従来、援護問題懇談会でいろいろ御議論をいただきましたものの中で、六項目ほどがまだ未処理でございましたので、そういうものを今回処理いたしますと同時に、恩給法の改正に準じました数点の改正を今回の改正の方針といたしております。
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後藤俊男#4
○後藤委員 去年の四月、六十一通常国会のときにも援護法の改正が審議されたわけですが、そのときに援護法の適用されておる実態と申しましょうか、これを現在調査をしておる、こういうような説明があったわけでございますけれども、御承知のように、援護法の適用者は年々減少に向かっておると思います。去年言われた実態調査の結果なり、さらにこれからの減少の見通し、これについてお答えいただきたいと思います。
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武藤き一郎#5
○武藤政府委員 昨年の法案の御審議の際にそういうお話がありましたことは、私承知いたしております。昨年の夏にその調査結果がわかりました点につきまして御説明いたしますと、戦没者父母特別給付法の対象であります約千五百人につきましていろいろの調査をいたしたわけでございます。これはもちろん簡単なものでございますが、その概要につきましては、大体同年代の老人の置かれております状況と同じでございました。特にいろいろ希望をされることにつきまして、要望事項等もあわせて調査をいたしたのでございますが、だんだん年をとってさびしくなって、いろいろ相談相手がほしいという方が非常に多くあったわけでございます。それから、いまお話の年金受給人員の推移でございますが、御指摘のように、年々滅ってきております。四十二年では二十万八千人、四十三年では二十万二千人、四十四年では、これは十二月末でございますが、十九万六千人、大体四千人ずつくらい減ってきております。今後もやはりこういう傾向、ややカーブはゆるくなると思いますが、減っていくことは先生の御推察のとおりだと思います。
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後藤俊男#6
○後藤委員 いま言われましたように、年々三千人か四千人ぐらい減少しているというような情勢だと思うのです。去年言われたときには、高齢者の実態調査ということを言われたと思うのです。いま言われました援護法の適用者が大体十五、六万ですか、公務扶助料関係が百十万か十五万ぐらいだと思います。両方で百三、四十万ではないかと私推定しておるわけでございます。そこで、援護法の適用を受けておる遺族は、年齢的には大体どういうふうになっておるか。これは実態調査をされたから大体わかっておると思うのですけれども、お尋ねいたします。
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武藤き一郎#7
○武藤政府委員 いま資料を整理しておりますので、あとでお答えします。
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後藤俊男#8
○後藤委員 それでは、あとからお答えいただきたい。
 そこで、お尋ねいたしますのは、四十一年、四十二年、四十三年の援護法の改正につきましては、七十歳以上あるいは六十五歳以上、六十五歳以下というようなことで、引き上げ率がそれぞれ高齢者については有利になっておるように記憶いたしております。ところが去年、四十四年からは年齢の区別なしに一律どれだけ、ことしの提案によりますと一律一六%ですかの引き上げ、こういう提案でございます。これは去年、四十四年から一律になったわけです。これは何に基づくかといえば、恩給法の改正に基づく答申でございますが、ところが、その答申の中を読んでみると、高年齢者に対しては別途何か考えるべきである、答申の内容にそういう字句があると思うのです。そのことが、去年も委員会で審議をいたしまして、次の引き上げの際にはそういうことも考慮をしてやっていきたい、こういう答弁が行なわれておるわけでございます。ところがことしの提案を見ますると、そういうことはほとんどないように思います。何歳であろうと一律一六%、こういうことになっております。そうすると、去年の六十一通常国会で審議されたのと幾ぶんそこに食い違いが出るように思うのでございますが、この点、いかがでございましょう。
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武藤き一郎#9
○武藤政府委員 ただいまの御指摘の点につきましては、昨年の改正の結果、先生のお話のようになったわけでございます。恩給法のほうで、恩給審議会の答申に基づきまして三本立ての仮定俸給が統合されました結果、公務扶助料の金額も一本化されたことに準じまして私どもも改正をいたしたわけでございます。この老齢遺族につきましての処遇改善の問題は、やはり基本的には年金額の増額によりまして処置すべきものであるというふうに私どもは考えております。したがいまして、年金額を今回は二八%上げたわけでございますが、いろいろ老齢者の実態等を考慮しまして、先ほど申しました遺族相談員等を別途設置いたしまして、そういう高齢者のいろいろ指導なり御相談にあずかりたい、かように今回は考えたわけでございます。
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後藤俊男#10
○後藤委員 そうしますと、今回はいま言われたようなことを考えられたのですが、たとえばこれからの問題として、あの答申の内容でいっておる高齢者厚遇扱いですか、このことについてはどうお考えになっておりますか。
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武藤き一郎#11
○武藤政府委員 制度的には四十四年度につきましては一本化したわけでございますが、おことばを返すようで恐縮でございますけれども、先生が御指摘の点は遺族ではなくて恩給該当者についての問題ではないか、かように私考えるわけでございますが、しかしながら、わが方の遺族年金につきましてもそういうような措置をとってもいいではないかというようなお考えかと私は拝察いたしますので、やはり老齢者がいろいろの困った状況にあるという実態につきましては承知いたしておりますので、その点につきましては関係方面と十分連絡のもとに検討していきたい、かように考えます。
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後藤俊男#12
○後藤委員 いまの問題、ひとつこれからの問題として御検討いただくようにお願いしたいと思います。
 それから、今度の改正の中身は大きく分けると三つか四つになると思います。支給範囲の拡大、それから条件の緩和、それから新しく支給される者ができるというようなことで、大体三つか四つに大筋区分できると思うわけでございますけれども、この援護法というのは非常に中身としては複雑でありまして、なかなか了解しにくい点もたくさんあると思うのです。でありますから、いま申し上げました支給範囲の拡大なり条件の緩和なり新しく支給される者というようなかっこうに区分されまして、これは簡潔でけっこうでございますので、一応の説明をいただきたいと思います。
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武藤き一郎#13
○武藤政府委員 今回の法改正の概要につきましては法律案要綱にかいつまんで書いてございますが、なおわかりにくい点が先生の御指摘のようにございますので、要点だけをいま御指摘の点に沿って御説明申し上げます。
 支給額の引き上げでございますが、これは軍人軍属にかかわるものにつきましては、この公務扶助料、増加恩給等の増額措置に準じまして、つまり一六%引き上げております。それから準軍属にかかわるものにつきましては、その軍人軍属に関するものの七割を相当額といたしております。今回その中で、準軍属でも被徴用者など国家総動員の関係者につきましては軍人軍属の八割、つまりそのグループにつきましては十分の八に引き上げております。
 それから対象範囲の拡大につきましては、まず障害年金の対象範囲を現在は第三款症までございしますが、これを第五款症までといたしております。
 それから四十二年、四十四年の法改正によりまして、新しく援護法の対象になった戦没者の妻の坊、それから今回の拡大に伴います第四款症の戦争病者の妻の方、それから四十四年の法改正によりまして、特例扶助料をお受けになることになりました父母の方につきましては、それぞれの特別の給付金を差し上げるという拡大になっております。
 それから支給条件の緩和につきましては、満州開拓青年義勇隊員、現在では昭和二十年八月九日、ソ連参戦後だけを対象としておりますが、その以前につきましても処遇できるように今回改正しております。
 それから新しい制度の創設でございますが、準軍属の遺族に新しく遺族一時金、七万円でございますが、これを支給する。
 それから第二款症以下の障害者に妻があるときは加給を行なうという新しい制度を設けております。
 以上が今回の法改正の要点でございます。
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後藤俊男#14
○後藤委員 去年の六十一通常国会で衆参議院合わせて十八項目の附帯決議があったと思います。この十八項目の附帯決議の中で、今回の改正でどれだけこの附帯決議が生かされておるか、その点をお尋ねいたします。
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武藤き一郎#15
○武藤政府委員 昨年の四月二十四日の本委員会で附帯決議がされておりますが、この中で私どもとして御趣旨に沿って改善をいたしたという点を簡単に御説明します。これは法律改正だけでなくてその他の問題もございますので、あわせて御説明申し上げます。
 未帰還調査の問題につきましてさらに調査を進めるということ。これにつきましても昨年来、詳しくは省略させていただきますが、努力をいたしております。
 それから遺骨収集の問題も、各地域につきましてそれぞれ行ないまして、フィリピンにつきましては昨年最終計画を実施いたしました。
 それから、動員学徒等の準軍属の処遇について改善につとめよ、こういう項目がございます。この点につきましても、先ほど申しましたように、十分の七から十分の八に改善いたしております。
 それから満州開拓青年義勇隊員の問題につきましても、付帯決議にあります八月八日以前の御遺族につきましても、援護措置を今回講じております。
 それからこれは予算措置でございますけれども、旧防空法関係の方々にも、医療従事者の方について見舞い金の予算措置を本年講じたわけでございます。
 以上が私どもで努力をいたした結果でございます。
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後藤俊男#16
○後藤委員 実は去年の四月の委員会で、満鉄職員の援護法適用の問題が、前の厚生大臣なりさらに援護局長等からも、ひとつ趣旨に沿ってやろう、こういうような話になっております。ところが満鉄職員の援護法適用につきましては、中身は非常に複雑であります。具体的に実施に移そうと思う場合には資料等も必要でございますので、なかなか直ちにということにはなるまいと思うのですが、御承知のように満鉄職員の中では装甲列車なり先駆列車なり、あるいはハルピンの調査室ですか、こういうところの勤務の人は援護法の適用を受けておるわけなんです。ところがそれ以外の、軍人輸送列車で足を切られた、あるいは手を切られた、あるいは死亡をした、こういうような人が現在はっきりしておるだけを数えてみましても四十名から五十名おいでになると思うわけなんです。去年種々論議をいたしました結果、ソ連が参戦した八月九日以降、これにつきましてはもう全面的に満鉄職員を援護法の適用に含める、思い切って踏み切ります、こういう答弁が国会で行なわれておるわけなんです。それからさらに八月九日以前の問題については、その実態を十分調査をいたしましてできるだけ含めるような方向でひとつやっていきたい、これも去年、援護局長なりあるいは厚生大臣のほうから返答をいただいておるわけなんです。それで、その後この話は進められておると私も考えておるわけでございますけれども、先ほど言いましたように、中身の問題なり資料の関係なりいろいろむずかしい条件もあろうと思いますけれども、幸いにして満鉄会というのがございますから、そこではかなり資料も整備されておると思いますので、去年の国会でのきまりました方向もはっきりいたしておりますので、ぜひひとついま申し上げました問題につきましては、できるだけ早く援護法の適用の方向へ仕事を進めていただくようにお願いをいたしたいと思うわけでございますが、この点いかがでございましょうか。
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武藤き一郎#17
○武藤政府委員 昨年本委員会で先生が御熱心に御質問をされました経緯につきましては、私も前任者から引き継いでおりますし、かつ速記録等も十分拝見いたしておりますので、いまいろいろ御推察になりましたような実態でございますけれども、現在、昨年の夏以降、関係者の方々といろいろ努力を続けているわけでございます。御趣旨に沿って努力中でございますので、もうしばらく時間をかしていただきたいと思うわけであります。
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後藤俊男#18
○後藤委員 いまの問題は、去年も時間をかけて論議いたしました関係もございますので、極力早く実現できる方向へぜひひとつお願いをいたしたいと思います。
 それからその次には、留守家族の問題です。資料によりますと、四千二、三百名ですか、未帰還者があると思うのです。その中で二十一名ですか、留守家族手当の支給されておるのは。あとの四千名余りの人は、一体現在どういう扱いになっておるのか、一体何か支給されておるのかどうか、いわば四千二、三百名の人がまだ帰っておらぬ。帰っておらぬ中で、二十一家族だけが留守家族手当が支給されておりまして、残りの四千二、三百名というのはどういう形になっておるのか、その点をお尋ねいたしたいと思います。
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武藤き一郎#19
○武藤政府委員 御指摘のように未帰還者は、現在四千二百人ばかりいるわけでございますが、留守家族手当の支給人員は、来年度予算では二十一人でございます。これは未帰還者留守家族等援護法によります手当を受ける条件が、過去七年以内に生存を認められる資料のある者、それから自己の意思によって帰還しない者ではないこと、それからその方が帰還しているとすればその方の収入によって生計を維持していると認められることが必要である、こういう条件がございますので、未帰還者の中には婦女子の方が多い等にかんがみまして、帰還後生計の中心となる方が少数でございますので、対象が少数になっている実情になっているわけでございます。
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後藤俊男#20
○後藤委員 これは大臣にひとつお尋ねするのですが、いま言いました未帰還者が現在四千二、三百人いらっしゃるという、これは帰ってこられない人ですね。その中でも、いま説明がありました三条件の整っておる人は留守家族手当が支給されておる。ところがそれが二十一名です。そうしますと、残りの四千名余りの人は、戦争に行って主人は帰ってきておらぬ。ところが手当は何も一切ない。こういうようなことでずっときておると思うわけなんです。ここを考えてみるときには、たとえば帰っておらぬ人が四千名余りもいらっしゃるのですが、これに対して何か考えるべきじゃないだろうかと思うのですが、いかがでございましょう。これはひとつ大臣の率直な気持ちをお聞かせいただきたいと思うわけです。
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内田常雄#21
○内田国務大臣 私も実は外地へ長いことおりました経験もありまして、ことによったら私自身が帰れなかったかもしれないようなことも、いまこうして帰ってきておりますけれども、考えられないでもない場合がございましたので、後藤さんがお話しになりましたその趣旨は、私にもよくわかります。ただし、国の財政をもってその留守家族に対して処遇をするのでありますから、帰らないその理由なり事情なりというものをも勘案いたしまして、留守家族の処遇——めんどうを見るほうがいいと思われるものは、できるだけその範囲を広くしてめんどうも見るべきではないかと思いますので、原則的なことにつきましてさらに検討いたしますとともに、ケース・バイ・ケースをも洗いまして、できる限りめんどうを見るようにいたしていきたいと考えます。
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後藤俊男#22
○後藤委員 いずれにいたしましても、いま大臣言われましたように、四千二、三百名の未帰還者の中で、わずかに二十一人だけが留守家族手当を受けておるというようなかっこうで、四千名余りの人がいわば戦争に行ったままでまだ帰ってこない、その家族に対しては何ら考えられておらない、これが現実ではないかと思うわけなんです。いま言われましたように、いろいろひとつ考えて、四千名余りの未帰還者の家族に対しても何とかひとつ範囲を広げて、できるだけ一人でも多く対象にするようなことを考えていきたい、こういう気持ちはお互いにあると思うわけなんです。しかしながら先ほど局長の説明のように、三つの条件でありますか、七年間の間に音信のあった人、あるいはその人が帰ってきたら生計の中心になるのだ、あるいは本人の気持ちと、こういうふうなことで留守家族手当というのはわずかに二十一世帯だけですね。あとの四千名というのは、やはり戦争へ行かれたわけなんです。戦争へ行ったままで帰ってこられないわけなんです。ところが、調べようにも調べようがないような気がするわけなんです。全部が全部調べがつかないということではないと思いますけれども、行ったままで、戦争が済んで二十五カ年間隔ってこられない、そういう家族に対しましては、大臣もいま言われましたようなことで、当然何か条件を考えるべきだと思いますけれども、何らかひとつ措置を考えてしかるべきじゃないかと私は思うわけでございますけれども、ぜひひとつその点につきまして、大臣もいまそういうふうに思っておられると私は思いますので、直接担当をしておられる援護局長としてこの問題を具体的にどうお考えになっておるか、その点ひとつ承りたいと思います。
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武藤き一郎#23
○武藤政府委員 未帰還者四千人につきましては、私どもとしましては、附帯決議の御趣旨にありますように、いろいろと国内調査なり、それから在外公館を通じての調査を行なっておるわけでございますが、本年度いろいろ調査をいたしました結果、例の特別措置法で該当できる方が二百三十五、それから死亡と推定される者が七十四人、それ以外の方はいろいろ消息につきましてさらに努力、調査をするわけでございますが、方向としては私のいま申し上げた点は先生の御指摘の点について沿うことと思いますが、たとえばそういうふうに特別措置法の対象になりますれば当然遺族年金等ももらえる方も出てくるわけでございますので、多少消極的かと思いますけれども、そういうふうにしていろいろ努力を続けていきたい、かように考えております。
 なお、ほかの点につきましては、大臣のお話に沿いましていろいろ検討いたしたいと考えております。
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後藤俊男#24
○後藤委員 いずれにしても、先ほどから申し上げましたような非常に気の毒だというか、遺家族に対しては、なるべく死亡ではなしに生きて帰ってもらいたいという気持ちは十分あると思うのですけれども、その辺のところはひとつ考えていただいて、あくまでも戦争の犠牲者であるということは、これは間違いないと思いますから、先ほど大臣も言われましたような方向で、次の改正のときには何らか前進的方向で格段の配慮をしていただきたい、こう思います。
 それからその次は、去年の委員会におきましてもこれは問題にした点ですけれども、入営なり応召の、入るときなりあるいは帰還のとき、あの当時は列車等も非常に混雑しておる、あるいは空襲を受ける、こういうふうなことで入営途上なりあるいは帰る途上死亡された人があると思うのです。これらの人に対しましては、いま援護法の適用が行なわれておらないわけなんですが、たとえば最近におきましては、労働災害でも通勤途上も含めるかどうかというような話も今日出ておりますが、これは入営、応召で、通勤途上とは言いませんけれども、そういうような情勢から考えてくると、入営なりあるいは召集の行き帰りに少なくともけがをしたり死亡をしたりされた遺族に対しましては、援護法を適用してしかるべきだと私は思うわけなんです。去年もかなりこの問題は長時間論議をいたしたわけですけれども、この点いかがでしょうか。
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武藤き一郎#25
○武藤政府委員 入営または帰郷途中になくなった方につきましては、先生御指摘のように非常にお気の毒な事情があるわけでございます。私どもも非常に同情申し上げておるわけでございますが、現在の援護法ではいわゆる在職期間にあった者を救うというたてまえになっておりますので、法の適用ができないたてまえになっております。実は私どものほうの懇談会でもいろいろ同情ある審議が行なわれたわけでございますが、なかなか現段階では無理じゃなかろうかというお話もございましたが、私どもとしては何らかの処遇をするという方向で今後慎重に検討いたしたい、かように考えております。
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後藤俊男#26
○後藤委員 こういう対象者の数は非常に少ないと思うわけなんです。予算的にもたいして問題になるほどのこともないと思うのですし、そういう点から考えますときには、ぜひひとつ行き帰りの犠牲者に対しましては援護法の適用をしてもらう、そういう方向で改正をしていただく、これはぜひひとつお願いをいたしたいと思うわけです。今回の改正あたりで、先ほど言いましたように労災でも通勤途上が問題になっておりますし、これくらいな問題はぜひひとつこの委員会くらいではっきり決着をつけていただいてもいいような気がするわけですが、大臣いかがですか。
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内田常雄#27
○内田国務大臣 先ほどから御論議がございますように、援護法の適用対象というものも今日までの間漸次拡大もいたしてまいりましたが、まだ対象として取り上げてもいいと考えられるものが私は残っているようにも思います。いまの応召あるいは入営の往復のことばかりでなしに、他のケースもございますので、それらの問題をもあわせながら、私は緩急順を追ってできる限りその適用範囲の拡大を今後も続いて考えてまいりたいと思います。
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後藤俊男#28
○後藤委員 戦争が済んで二十五年にもなりますので、遺族というのはかなり高年齢の人が多いと思うわけです。ですから、せっかくの改正も早くやっていただかないと、その恩典も非常に少ないわけなんです。そういうような意味におきましても、いま大臣も言われましたが、途上だけの問題ではなしに、それ以外にも、援護法の適用を受けなければいけない人がまだほかにあるのではないか。そういうのも含めて、いま申し上げました問題もさらに解決を何とか考えてみよう、こういう返答だったと思うわけですが、援護局長のほうでもいま言われた大臣の趣旨に沿って、たいした数じゃございませんから、これは援護法の適用なり——軍人軍属もあると思いますが、次の改正にはぜひ実現できるような方向へ力を入れていただきたい、こう思います。
 それから次には、日華事変の関係です。日華事変中の内地勤務の人、これは一体現在どういう扱いになっておるのか、これをお尋ねいたします。
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武藤き一郎#29
○武藤政府委員 日華事変中に内地で職務に関連して疾病にかかり、そのために死亡された方々につきましては、現在処遇が行なわれてないわけでございますが、いわゆる軍人、準軍人の勤務関連疾病につきましては、旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律によって措置されておりますけれども、現在、大東亜戦争以後の方々が勤務関連として認められておるわけでございますが、日華事変以後の方につきましては認められてないわけでございます。この点につきましては、実は恩給審議会で、現段階ではまだそこまではいけないというような結論で、恩給局のほうで現在足どめを食っておるような状態でございますので、関係方面とも十分今後その点を検討いたしまして慎重に対処したい、かように考えております。
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