社会労働委員会

1978-04-13 衆議院 全274発言

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会議録情報#0
昭和五十三年四月十三日(木曜日)
    午前十時五分開議
 出席委員
   委員長 木野 晴夫君
   理事 越智 伊平君 理事 住  栄作君
   理事 竹内 黎一君 理事 羽生田 進君
   理事 村山 富市君 理事 森井 忠良君
   理事 大橋 敏雄君
      井上  裕君    池田 行彦君
      石橋 一弥君    川田 正則君
      斉藤滋与史君    戸沢 政方君
      友納 武人君    葉梨 信行君
      橋本龍太郎君    安島 友義君
      枝村 要作君    大原  亨君
      金子 みつ君    川本 敏美君
      栗林 三郎君    田口 一男君
      中村 重光君    矢山 有作君
      草川 昭三君    古寺  宏君
      浦井  洋君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 小沢 辰男君
 出席政府委員
        内閣法制局第四
        部長      別府 正夫君
        厚生省公衆衛生
        局長      松浦十四郎君
        厚生省保険局長 八木 哲夫君
 委員外の出席者
        法務省入国管理
        局審判課長   日野 正晴君
        外務大臣官房領
        事移住部査証室
        長       高瀬 尚一君
        外務省条約局法
        規課長     柳井 俊二君
        大蔵省主計局主
        計官      窪田  弘君
        社会労働委員会
        調査室長    河村 次郎君
    —————————————
委員の異動
四月十三日
 辞任         補欠選任
  齋藤 邦吉君     池田 行彦君
  栗林 三郎君     中村 重光君
同日
 辞任         補欠選任
  池田 行彦君     齋藤 邦吉君
  中村 重光君     栗林 三郎君
    —————————————
四月十二日
 診療放射線技師制度に関する請願(相沢英之君
 紹介)(第三〇二三号)
 同(愛知和男君紹介)(第三〇二四号)
 同(青木正久君紹介)(第三〇二五号)
 同(石井一君紹介)(第三〇二六号)
 同(江藤隆美君紹介)(第三〇二七号)
 同(鹿野道彦君紹介)(第三〇二八号)
 同外二件(木村俊夫君紹介)(第三〇二九号)
 同(倉成正君紹介)(第三〇三〇号)
 同(佐野嘉吉君紹介)(第三〇三一号)
 同(正示啓次郎君紹介)(第三〇三二号)
 同(鈴木善幸君紹介)(第三〇三三号)
 同(住栄作君紹介)(第三〇三四号)
 同(関谷勝嗣君紹介)(第三〇三五号)
 同(田澤吉郎君紹介)(第三〇三六号)
 同(田中伊三次君紹介)(第三〇三七号)
 同(楢橋進君紹介)(第三〇三八号)
 同(羽生田進君紹介)(第三〇三九号)
 同(葉梨信行君紹介)(第三〇四〇号)
 同(橋本龍太郎君紹介)(第三〇四一号)
 同(林義郎君紹介)(第三〇四二号)
 同(福田一君紹介)(第三〇四三号)
 同(藤本孝雄君紹介)(第三〇四四号)
 同(増岡博之君紹介)(第三〇四五号)
 同(武藤嘉文君紹介)(第三〇四六号)
 同(森喜朗君紹介)(第三〇四七号)
 同(山崎武三郎君紹介)(第三〇四八号)
 同(山下元利君紹介)(第三〇四九号)
 同(山下徳夫君紹介)(第三〇五〇号)
 同(渡辺紘三君紹介)(第三〇五一号)
 療術の制度化に関する請願(小渕恵三君紹介)
 (第三〇五二号)
 同外七件(小坂善太郎君紹介)(第三〇五三
 号)
 同外一件(佐々木義武君紹介)(第三〇五四
 号)
 同外四件(林義郎君紹介)(第三〇五五号)
 同外十三件(堀内光雄君紹介)(第三〇五六
 号)
 同(近藤鉄雄君紹介)(第三一二九号)
 同外八件(塚原俊平君紹介)(第三一三〇号)
 同外一件(阿部文男君紹介)(第三一四八号)
 同外二件(川田正則君紹介)(第三一四九号)
 同外一件(篠田弘作君紹介)(第三一五〇号)
 同(地崎宇三郎君紹介)(第三一五一号)
 同外一件(友納武人君紹介)(第三一五二号)
 同外二件(中川一郎君紹介)(第三一五三号)
 同(中村靖君紹介)(第三一五四号)
 同外十三件(根本龍太郎君紹介)(第三一五五
 号)
 同外二件(浜田幸一君紹介)(第三一五六号)
 同外二件(林大幹君紹介)(第三一五七号)
 同外一件(箕輪登君紹介)(第三一五八号)
 同(唐沢俊二郎君紹介)(第三一五九号)
 同(向山一人君紹介)(第三一六〇号)
 雇用保障及び労働時間の短縮等に関する請願(
 川口大助君紹介)(第三〇五七号)
 同外一件(佐藤観樹君紹介)(第三〇五八号)
 同(塚田庄平君紹介)(第三〇五九号)
 同(平林剛君紹介)(第三〇六〇号)
 同(伊藤茂君紹介)(第三一六一号)
 みつばち保育園の認可設立に関する請願(田中
 美智子君紹介)(第三〇六一号)
 保育事業振興に関する請願(登坂重次郎君紹
 介)(第三〇六二号)
 同(松本善明君紹介)(第三一三一号)
 駐留軍関係離職者等臨時措置法の期限延長に関
 する請願(平林剛君紹介)(第三〇六三号)
 視覚障害者の雇用促進に関する請願外一件(逢
 沢英雄君紹介)(第三一〇七号)
 同(塩崎潤君紹介)(第三一〇八号)
 同外一件(塩谷一夫君紹介)(第三一〇九号)
 同(菅波茂君紹介)(第三一一〇号)
 同外一件(塚田徹君紹介)(第三一一一号)
 同(早川崇君紹介)(第三一一二号)
 同(宮崎茂一君紹介)(第三一一三号)
 同(渡部恒三君紹介)(第三一一四号)
 同(森清君紹介)(第三一一五号)
 同(山口シヅエ君紹介)(第三一一六号)
 消費生活協同組合の育成強化等に関する請願(
 宇都宮徳馬君紹介)(第三一一八号)
 同(松本忠助君紹介)(第三一一九号)
 同外一件(村山富市君紹介)(第三一六六号)
 同(八百板正君紹介)(第三一六七号)
 国民年金改善に関する請願(河野洋平君紹介)
 (第三一二〇号)
 母性保障法制定に関する請願(河野洋平君紹
 介)(第三一二一号)
 同(玉置一徳君紹介)(第三一二二号)
 同(塚本三郎君紹介)(第三一二三号)
 同(中野寛成君紹介)(第三一二四号)
 同(中井洽君紹介)(第三一二五号)
 同(中村正雄君紹介)(第三一二六号)
 同(山本悌二郎君紹介)(第三一二七号)
 同(吉田之久君紹介)(第三一二八号)
 同(千葉千代世君紹介)(第三一六五号)
 社会保障、社会福祉の拡充等に関する請願(和
 田耕作君紹介)(第三一三二号)
 保育関係費増額に関する請願(岩垂寿喜男君紹
 介)(第三一六二号)
 戦時災害援護法制定に関する請願(大原亨君紹
 介)(第三一六三号)
 原子爆弾被爆者援護法の即時制定に関する請願
 外一件(大原亨君紹介)(第三一六四号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出第四一号)
 原子爆弾被爆者等援護法案(大原亨君外六名提
 出、第八十二回国会衆法第一号)
     ————◇—————
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木野晴夫#1
○木野委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案及び第八十二回国会大原亨君外六名提出、原子爆弾被爆者等援護法案の両案を議題とし、質疑に入ります。
    —————————————
 原子爆弾被爆者等援護法案
    〔本号末尾に掲載〕
    —————————————
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木野晴夫#2
○木野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。池田行彦君。
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池田行彦#3
○池田(行)委員 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案並びにそれに関連する諸問題につきまして若干質問させていただきたいと思います。
 最初に、私的なことを申し上げて恐縮でございますが、実は私自身も、かつて広島市で育った人間でございまして、原爆投下のわずか二週間前まで現在平和公園になっております地に住まいしておったものでございます。そういう意味で多くの身近な人間あるいは友人を原爆の犠牲者に持っておりますので、本当に、そういう方々が安らかにお眠りになるように、また、いまも苦しんでおられます数十万の被爆者の方々の生活に、あらゆる面で不安がないように、そういった日が一日も早く来ることを祈念しておるものでございます。
 さて、質問に入りますが、まず最初に、去る三月三十日最高裁の第一小法廷におきまして孫振斗訴訟の問題について判決が出されております。この判決の中身を見てまいりますと、いわゆる原爆医療法が社会保障法としての性格、こういったものを持っておることは認めながらも、他面において、原子爆弾というきわめて特殊な戦争被害につきまして、戦争遂行主体でございました国家の責任というものを認めまして、その国家の責任によりまして救済を図るという一面を有するものだ、こういうことを言っております。さらに具体的には、実質的に国家補償的配慮が制度の根底にある、こういうことが否定できないと言っておるわけでございますが、この国家補償的配慮が制度の根底にあるという判決の見解につきまして、政府はどのようにお考えになっておるのであろうか。また、この判決を踏まえて行政面において、どのように対処していかれるおつもりであるか。その点をまず、お伺いしたいと存じます。
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小沢辰男#4
○小沢国務大臣 私どもは従来、国会等の場におきまして、この原爆二法に関して社会保障立法だということを申し上げてきておるわけでございますが、私は今度の判決をいただきまして、さすが専門家でといいますか、こうした判決を拝見いたしますと、法律論的にいろいろ、われわれが気がついていない面を御指摘いただいたような気がするわけでございます。しかも、現在の二法というものは確かに、この判決で言われておりますように、たとえば所得制限というものを考えておりません。もし社会保障立法だけで純粋に考えますと、所得制限というものは当然出てこなければいかぬわけでございますが、所得制限がない。したがって、判決のお示しになったような解釈が、本当はその当初から妥当ではなかったのか。われわれが、そういう面について気がつかなかったというとあれですけれども、少し勉強不足だったなあという感じを持っておるわけでございます。
 ただ、全くの国家補償の観念で終始、立法されたという解釈でないわけでございます。社会保障的な立法ではあるが、しかし、その根底には、いろいろ法の規定の内容なり、あるいは実際に行われている対策なり等を見ると、やはり国家補償的配慮——配慮と言っておられるわけでございまして、配慮が制度の根底にあるということを否定できないとおっしゃっておるわけでございますから、今度の判決は、まさに政府の従来実施しておりました、また御提案申し上げて今日まで、いろいろ医療と生活の援護をやってまいりました、まさに、この二法についての性格を私は非常に正確にとらえておられるのじゃないか、こういうふうに思っております。
 したがいまして、この結果、私どもが、この判決によって新たに何かしなければいけないのかと、いろいろ検討してみますと、そう必要はないのじゃないか。いろいろな各種の手当あるいはその他の制度を見てみますと、まさに現在の制度についての性格づけをおやりになったので、特別、新たなる対策をさらに付さなければ、この判決の趣旨に合わぬというふうには、私ども、いまのところは考えていません。
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池田行彦#5
○池田(行)委員 ただいまの大臣の答弁によりますと、本当に現在の二法の性格あるいはその内容を正確に表現したというものであって、特に今回の判決を踏まえて新たなことを行う必要はないんじゃないか、こういうふうな御見解だったと思うのでございますが、そういたしますと、これとの関連におきまして、実は野党の皆様が共同で御提案なさっておりますいわゆる原爆被爆者援護法案というものが継続審議になっておるわけでございますが、このいわゆる援護法案と、それから、この判決との関係でございますが、ただいま大臣のお述べになりましたような考え方、確かにこの判決の中でも国家補償的な配慮と言っておるわけでございまして、特に国家補償法でなくてはいかぬというところまでは言っておりません。そういたしますと必ずしも、そういったいわゆる国家補償の観点に立った援護法をつくらなくてもいいんじゃないかという見方もございましょうけれども、一方におきましては、いやそうではないのだ。まだ現行の法体系というものは、やはり基本は社会保障法であって、国家補償的な配慮をされておるが、その配慮が十分でないので、さらに進んで本当に国家補償の立場に立った法体系をつくるべきじゃないか。そういった見方、解釈もあり得るかと思うのでございますが、その点については、どのように大臣お考えでございましょうか。
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小沢辰男#6
○小沢国務大臣 確かに両論あると思うのでございまして、しかし私どもは、また先生方のいろいろ御審議を願って、われわれの配慮が足らぬ点があれば、それはもう政府として、また逐次これを手直しをしていかなければいかぬと思っておりますけれども、特別に法体系をわざわざ変えなければ、この判決の趣旨に沿わないのだというふうには、実は考えてないわけでございます。そういう意味で、決して私は逃げるつもりもございませんで、今日の法体系の中で、できるだけ被爆者の実態等を見ながら、この援護の充実を期していくということでいいんじゃないかと思っております。努力の足りない点があれば今後とも努力をさしていただいて、改善の方向を逐次ひとつ実施してまいりたい、かように考えます。
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池田行彦#7
○池田(行)委員 大臣のお考え、よくわかりました。しかし、そういたしますと現行法体系の中でも、まださらに配慮すべき点については、それを進めてまいる必要があろうかと思うのでございますが、その場合いろいろ考え方があると思うのでございますけれども、救済と申しましょうか、一方において、そういった政府としてのいろいろな手当を、対象をさらにどんどん広げていくという考え方でございますね。他方においては、いや現在やっているいろんな諸政策の中でも、特に原爆放射能の影響を強くお受けになって本当にお気の毒な方々、こういった方々に対する処遇というものを、さらに一層推し進めていくべきじゃないかという考え方もあると思うのでございます。
 私、個人的には、いろいろございますが、特別給付金の交付なんという問題も出ておるようでございますけれども、私は、この際、諸般の情勢を考えますと、対象をどんどん拡大するというよりも、むしろ本当にお気の毒な方々に対する手厚い救済の手を、こちらの方をまず進めるべきじゃないかと考えるものでございます。そういった観点から、今年度の予算を中心といたしましたいろんな被爆者対策の改善措置を見てまいりますと、大体例年どおり一歩一歩前には進んでおると思うのでございます。しかしながら、まだまだ足りないところもあるのじゃないかと思いますので、その点二、三、今後の方向なり方針というものをお伺いしてまいりたいと思うのでございます。
 まず、そういった意味で健康管理手当、さらに申しますと、より以上に特別手当というものにつきましては、ことしも福祉の方との横並びで改善されておるようでございますが、もう少し手厚い増額を将来にわたって図るべきではないか。特に今回、国家補償的な配慮があるという判決を出されたことでもございますし、これは明年度以降の問題として、その方向についてお伺いいたしたいと思います。
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松浦十四郎#8
○松浦(十)政府委員 ただいま先生御指摘の重い方に手厚く、こういうお話でございます。昭和五十三年度の特別手当につきましては、五十二年度三万円から三万三千円という増額をいたしておるわけでございまして、これにつきましては、大体物価上昇が七・六%というふうな数字でございますが、それよりもやや上回った一〇%アップということで特別手当の方は引き上げをいたしておるわけでございます。
 同様に、健康管理手当につきましても一〇%のアップをいたしておりますし、さらに、この点につきましては健康管理手当を支給するいわゆる疾病の対象を、従来の十障害から十一障害というふうに広げるということを今回いたしたわけでございます。
 なお、その他の保健手当、医療手当等につきましても、これは大体ただいま申し上げた上昇率に見合った上げ率というのを考えておるわけでございます。
 なお、確かに先生がおっしゃられました、特に重い方に特に手厚くしろ、こういう御意見でございますが、さらに来年度以降、先生の御指摘の点を十分考えまして対処していきたいと考えます。
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池田行彦#9
○池田(行)委員 ぜひ、そういった方向で御検討願いたいと思うのです。その中で、ただいま局長の方からも、ちょっとお触れになりましたけれども、健康管理手当の対象の障害でございますが、今回、潰瘍を伴う消化器機能の障害が入りました。これが入りますと、あと残されますのは、要するに潰瘍を伴わない消化器機能の障害という問題、あとは皮膚の障害でございましょうか、この二つくらいになると思うのでございますけれども、これはいろいろ御議論もあろうと思うのでございますけれども、将来にわたって、あともうこれはこれで制限せずに、すべての障害を対象にしていただくという方向で御検討いただけないかという点が一つ。
 それから保健手当の適用範囲でございますけれども、これは現在、爆心から二キロメートル以内の範囲内における直爆者ということになっておるかと思うのでございます。これにつきまして御当局も十分御承知だと思いますけれども、何とか拡大してもらえないか。特に、かつて特別被爆者ということで三キロメートル以内という定義がございまして、その関係で、そこまで拡大という要望がいろいろあるのでございます。このあたりどうなのか。
 医学的あるいは科学的な見地からいって、要望に、あるいは現在制限している方に十分な根拠があるのか、どうなのか、その辺も実は私も十分つまびらかにいたしておりませんので何とも申せないのでございますけれども、もし、この要望が医学的、科学的見地から見てもっともだというようなことであれば、これは将来いろいろ拡大の方向を御検討願いたいと思いますし、いやどうも科学的根拠に乏しいのだということであるならば、むしろ、そのあたりの理由、根拠というものを十分御説明いただきまして、可能性のないものならば、淡いと言ってはなんですが、はかない期待を被爆者の方々に持たせるというのもいかがかと存じますので、その点について局長の御見解を承りたいと思います。
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松浦十四郎#10
○松浦(十)政府委員 先生、最初の御指摘の健康管理手当の支給要件としての障害の範囲をもっと拡大したらどうか。確かに、おっしゃるとおりに今回、消化器機能障害を追加したわけでございますが、これは潰瘍を伴う消化器障害ということで一つの制限的なことになっております。こういった障害をつけ加えます場合に、私ども原爆医療審議会等の専門家の御意見を伺いながら個々に、いわゆる原爆放射線の影響があると思われる関連疾病、こういうことで入れておりますので、ここまで広がってきたから、要するに、あと残り全部にしてしまえ、こうなりますと、原爆放射線の影響があると思われる疾患というのが、すべての病気にまでいってしまうわけでございまして、そこら辺、やはり単なる普通の胃病とか下痢したとかというようなところまで、そういった原爆放射線の影響がある、関連がある疾患と考えられるかどうかという専門家の御意見もあるわけでございまして、そういう点も踏まえながら、いわゆる専門家の御意見を聞きつつ私ども検討してまいりたいと思いますが、ここまで来てしまったから、あとみんな入れてしまえばいいんだ、こういうところには必ずしも、ちょっとまいらないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
 それから第二の問題で、現在、保健手当を爆心地から二キロメートルというところで線を引いて支給いたしておるわけでございますが、それをもっと拡大する気はないか、こういうことでございまして、その根拠は何だ、こういうことでございます。
 これも、しばしば議論になっておるわけでございますが、国際放射線防護委員会、ICRPが勧告を出しておりまして、その勧告によりますと、一生に一度被曝する場合の最大許容線量二十五レムというふうな勧告が従来ございまして、その勧告に基づきまして、この二十五レムという線量を一応考え、そして現在二キロメートルという範囲でありますと、これは広島にしても長崎にしても二キロメートルの線までをとれば、たとえば長崎ですと十ハレムということでございますので、二キロメートルまでとれば、これは少なくも二十五レムのところよりはるかにと申しますか、それを間違いなくカバーしておる、こういう考えで、この二キロメートルというのが設定されておるわけでございます。なおICRPも勧告が何回もあるわけでございますが、その勧告の改定につきましても大体同じような考え方が通っておるようでございまして、そういう点から、この二十五レムという線でいいのではないかというふうに考えております。
 なお同時に、米国の放射線防護測定委員会の勧告というのも、危険地帯に立ち入る基準というのを、全身被曝線量二十五レム以下というような、こういうところで、やはり同じような二十五レムというような数字も使われておるわけでございまして、そんなところから、この二キロメートルというのを一応設定しておる、こういう考え方でございます。
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池田行彦#11
○池田(行)委員 保健手当の対象でも、障害の範囲につきましては、ここまで来たのだから全部入れろというような趣旨におとりになったかと思いますが、原爆被爆との関連性というところは当然前提でございますので、残されたところ、わずかでございますが、それにつきましても、そういった関連性あるのかないのか、その辺をさらに御検討いただきまして、その上で、もし可能であるならばお願いいたしたい、こういうことにしておきたいと思います。
 それから先ほど大臣の御答弁の中にも、現在の法律でも、いろいろ国家補償的な性格もある。その例として所得制限が置かれていない、こういうお話があったわけでございますけれども、いわゆる諸手当の支給の面につきましては、まだ所得制限があるわけでございますね。ことしも、いわゆる社会福祉一般につきましては、むしろ所得制限の面は強化される、そういった傾向といいましょうか風潮の中におきまして、本件に限りましては所得制限を緩和していただいた。これで対象が九五%程度までまいりましたでしょうか、大体標準世帯で五百六十万ぐらいの収入までカバーできるようになったと思うのでございますが、この点は、こういった厳しい情勢の中でよく御努力いただいたと評価するものなのでございますけれども、先ほどから申しております国家補償的配慮、これを推し進める意味からも、この点につきましては明年度以降、所得制限の撤廃ということをお考えいただけないだろうかどうだろうか。これは社会福祉あるいは社会保障体系全般はともかくとして、本法につきましては、国家補償的な配慮、これをこの面で推し進めるということで、どうだろうかと考えるのでございますが、いかがでございましょうか。
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松浦十四郎#12
○松浦(十)政府委員 所得制限の緩和につきまして、ただいま先生御指摘のように、五十二年度九三%の支給率であったものを五十三年度からは九五%ということで、少し緩和をいたしたわけでございます。それで、この所得制限につきましては、私ども予算の要求をいたします場合においては撤廃という形で、ずっと所得制限の予算要求はいたしております。しかし私どもといたしまして、最終的に予算編成に当たりまして、相当お金がある、いわば五%ぐらいの方は、やはり残っていてもいいのではないかという考え方で、この九五%ということで本年度の予算はお願いしたわけでございます。しかし、ただいま先生の御指摘もございますし、また私どもも従来から要求といたしましては所得制限の撤廃という要求をいたしておりますので、来年以降も、さらに努力をしていきたいと思います。
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池田行彦#13
○池田(行)委員 今回こういった孫振斗判決も出たことでございます。そうして国家補償的性格というものがはっきりと打ち出されたわけでもございますので、明年度以降そういった方向で御努力いただきたいと思います。
 ここでまた、ちょっと孫振斗判決そのものに関連してお伺いしたいのでございますが、今回の判決で、現在国籍のない人間で、しかも、その入国が必ずしも合法的ではないけれども、原爆手帳を交付しなくてはいかぬ、こういうことになったわけでございますが、この判決に従って当然、所要の行政措置をすでに、おとりになっていると承知いたしております。しかし、ここで問題は、判決でも「わが国に現在する者である限りは、その現在する理由等のいかんを」問わず、こういう言い方になっておるわけでございますね。そういたしますと、同じ被爆者であり、また孫振斗さんと同じように、かつて日本国籍にあった人であっても、日本の国内に現住しない者、韓国には約二万とも言われておりますが、そういった被爆者の方がおいでになるというふうに言われておるのでございますが、そういった方々あるいはその他の国、たとえばアメリカには約千名ぐらいでございましょうか、これは日本国籍を有する者、あるいは有していた者、被爆者の方々がおいでになると承知しておるのでございますが、こういった方々に対しまして、この原爆二法上当然やらなくちゃならぬかどうかの問題は別といたしまして、政府として、これまで何か医療団の派遣などもなされた例があるというようにも聞いておりますけれども、どういうようなことをなさったか。また、これから、そういった方々に対して何らかの措置というものをとっていかれるおつもりがおありかどうか。その点をお伺いいたしたいと思います。
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松浦十四郎#14
○松浦(十)政府委員 外国におられる被爆者の方につきまして何か手を打つことはないか、こういうふうな御質問と思いますが、まず外国に現在いらっしゃる方は当然その国の方であるわけでございまして、私ども基本的には、よその国にいらっしゃる方に問題があるならば、その国から外交ルートを通じまして日本に、こういうふうなことをしてほしい、こういうお話がございましたならば、それは私どもとして十分そのお話を受けるというつもりはいたしておるわけでございます。ただ何といっても国と国の関係の問題がございますので、よその国にいる方に、こちらから、こうするんだというようなことを申し上げることは大変外交的に微妙な問題もはらんでおりますので、私どもとしては、こちらから、そういうことを言うことは差し控えたいと考えております。
 なお一つの例といたしまして昨年、在米の被爆者の方々に、こちらから専門医を派遣いたしまして健康診断をやったことはございます。この場合におきましても、アメリカの在米被爆者の方々から、そういうふうな会ができまして、そういうところから正式に外交ルートを通じて、こういうことをしてほしい、こういうお話がございました。そこで私どもとしましては、財団法人の放射線影響研究所と広島県の医師会の方々に御協力をいただきまして、あちらへ医師団を派遣して、向こうのアメリカにおられる日本人の被爆者の方の健康診断を実施したというケースがございます。ですから、ただいま申し上げましたような、こういうふうにはっきりと外交ルートを通じて話がございますれば、私ども、それに何らかの形で御相談に応じたいというふうに考えております。
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池田行彦#15
○池田(行)委員 ただいまおっしゃいましたように、今後とも米国あるいは韓国その他の国から、そういった要請のある場合には、確かに現在は、それぞれの国の国籍を有する者あるいはそこに居住権を有する者であるとしましても、やはり同じ原爆被爆者として救済の手は可能な範囲内で差し伸べてあげてしかるべきかと存じますので、よろしく御配慮を願いたいと思います。
 次に、原爆小頭症の問題でございますが、この問題、いろいろ経緯がございまして、昭和五十二年度の予算におきまして指導費が計上されました。今度いろいろやってみますと、実行上なかなか本当に患者の方々あるいはその保護者の方々のニーズにうまく合致しないということもあって、今年度昭和五十三年度予算では月額三万円でございましたか、手当のかっこうに組みかえられたそうでございまして、誤りを正すにはばかることなく本当に迅速に手当てをなさった、これは評価したいと思います。
 しかし、いろいろ伺ってみますと、扶養者の方方、患者の方々、いろいろ将来の健康あるいは生活について不安感をお持ちになっておる。そして終身保障の措置と申しましょうか、具体的には、たとえばコロニーを建設していただけないかというような声もあるようでございます。ただ、これはきわめて人数も限られておりますが、しかし、その限られた人数の中でも、お一人お一人非常に個別具体的に環境も違えば病状も違えば、いろんな事情の違いがあると思うのでございます。そういった意味で御当局としても、なかなかこの方々を一括して措置をするというのはむずかしいかと思うのでございますが、しかし、いずれにしましても、そういったきわめて重大な不安に脅かされながら暮らしておられる方々でございますので、予算がどうだこうだという話は別といたしましても、今後とも、そういった個別の事情に応じた、きめ細かい御配慮をお願いいたしたい。今回手当を出したから、これでもうすべて終わったんだ、そういうことではなくて、今後ともいろいろ御指導なり、そういった面でよろしくお願いしたいと思います。
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松浦十四郎#16
○松浦(十)政府委員 ただいま先生おっしゃいました小頭症患者に対しまして、現在二十二人の小頭症の方がいらっしゃるわけでございますが、その方に、本年度は手当とし、さらに額も二万円から三万円に増額いたしまして月々差し上げることになっているわけであります。先生御指摘のように実際、非常に家庭の環境それから症状の度合い等が違っておりまして、問題は非常にばらばらであるようでございます。全くおっしゃるとおりでございます。
 それで確かにコロニーをつくったらという声も私ども伺っておりますが、そういう方々は、まあほかの小頭症の方も現実におるわけでございまして、そういう方と一緒にした場合には悪いのかというと、別にそういうこともございませんし、かえって、それだけ、かたまっていくということもどうかという問題、それからさらに、だんだん大人になってきた場合に、仕事のできる方もおられるし、できない方もおられるというので、これから時を経るに従いまして、だんだん問題が新しく展開していくというようなことを、われわれも十分認識しておるわけでございます。そういうことで、確かに先生がおっしゃいますとおり、個々のケースにつきまして、どうやったら最もその方が幸せになれるかということを、これは広島県、市、長崎県、市の方と相談しながら十分進めていきたいと考えております。
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池田行彦#17
○池田(行)委員 次に、いわゆる原爆二世の方々でございますけれども、この方々の問題、非常に微妙なところもございまして、むずかしいと思うのでございます。しかし二世の方々に健康の不安を訴える方々も非常に多いと聞いております。そういった意味で、いわゆる放影研でも、いろいろ調査や研究を進めておられるというふうに聞いておるのでございますが、その辺はどういうふうな成果をお上げになっているだろうか。また今後どのような御方針であろうかということを一つお伺いしたいと思います。
 それからもう一つ、一世の問題にしましても、いまだに、なかなか手帳の申請もしない方が私どもの身近にもたくさんおります。そういったこともございますし、ましてや二世の方々は、なかなかそれは問題があるんだぞということで、ピックアップして、いろいろ厚生省としてなさることがいいのか悪いのか、いろいろ問題があると思うのでございます。しかしながら、現に不安を持って何らかの措置を求めておられる方が少なくないというのも否定できない事実でございます。したがいまして、いろいろ厚生省としての御配慮もございましょうが、御本人が希望される場合には、たとえば健康診断をして差し上げるとか、そういったことを通じて本当に不安を取り除いていただく、そういったことは考えられないだろうか、この点について御見解を承りたいと思います。
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松浦十四郎#18
○松浦(十)政府委員 現在まで被爆二世の方々に対します調査はABCCあるいは放影研を通じまして研究をいたしておるわけでございますが、一つは白血病が多いのではないか。白血病というのが一番放射線被害として鋭敏な指標になるわけでございますので、そういう白血病の調査をいたしておるわけでございます。これは広島市内で白血病になられたお子さんの方を調査対象にした調査、それから、いわゆる死亡標本、亡くなられた方の標本から行った調査、それから広島の研究所に登録してある親の方から生まれたお子さん方が、その後、白血病にどうなったか、こういった三つの観点から白血病の頻度というものを調べておるわけでございますが、現在までのところ統計学的に、はっきり被爆二世の方の方が多いという答えは出ておりません。これは当然のことでございますが、まだいわゆる例数が少ないので、さらに、ずっと追っかけていくということを現在やっております。
 それから昭和五十一年から新たに研究を開始したのがございますが、これは被爆二世の方と、そうでない方の、それぞれの血液を調べまして、何らかの放射線の被害がございますと、遺伝と言うのは、あるいはちょっと言い方が悪いかもしれませんが、体の中で、たん白質をつくっていく酵素に変化が起こるということがございますと、それは何らかの遺伝的な変化があるということがわかるわけでございまして、血液からそういう検査をする鋭敏な方法が開発されましたものですから、現在そういった被爆二世の方と、そうでない方との両方から血液をいただきまして、その間に差があるかということの研究を進めておるわけでございます。これもまだ例数が足りないので結論を得るところまではいっておりませんが、そのうちに結果が出てくるのではないかと考えております。
 そのほか、それに類する調査がございますが、現在までのところ被爆二世の方がそうでない方と違って健康状態が悪いと証明できるデータというのは全くないわけでございまして、そういう意味から、特別に二世の方にということは、さしあたり考えておらないわけでございます。
 それで、先ほども先生から健康診断という御指摘がございましたが、私ども二世の方にお目にかかると、何で調べるんだ、そんなこと調べられたら、えらい迷惑だ、こうおっしゃる方と、調べてくれとおっしゃる方と、いろいろございまして、そういった社会的な配慮ということも考えまして、なかなかむずかしい問題であるというふうに意識しておるわけでございまして、そんな点から、もう少し検討させていただきたいというふうに考えております。
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池田行彦#19
○池田(行)委員 ただいま局長がおっしゃいました二世の方々のお気持ち、しかも、これまでの研究では他の方々との有意な差が何ら出ていないということでございますので、二世、二世と言って、いろいろクローズアップすることは確かに私は問題があると思うのでございます。そういった点については、きめ細かいというよりも十分な御配慮をお願いしたいと思うのですが、しかし、その中でも、先ほど申しましたように御本人が希望して、これで不安を取り除いてほしいのだという気持ちの方々については今後、何らかの措置を御検討いただきたい。これは御要望しておきます。
 次に、被爆者も原爆投下から三十三年目を迎えますと、やはり相当お年を召してこられております。そういったことは先般の被爆者実態調査からも御当局でも十分認識しておられると思うのでございますが、そういった意味で、被爆者対策のあり方というものも、老齢化の進展という実態を見ながら、それに適合したあり方に今後変えていく必要があるのではないか、こう考える次第でございます。
 そこで、まず第一点、いわゆる健康診断、一般検査でございますけれども、これについては昨年は肝機能検査が追加されましたが、今年度は特に新しいものは入ってないようでございますが、この点、将来ともさらに検査項目の充実を図っていかれる方針はおありか否か。
 もう一つ、本年は問診票の作成ということが計画されておるようでございます。これは本当に細かい御配慮をしていただいたと思って評価しておるのでございます。確かに単に検査、診断をするというだけじゃなくて、問診の際のお医者さんとのいろいろな話し合いを通じて本当に不安を取り除いていくということで、非常によい制度をつくっていただいたと思っております。この制度の趣旨が十分生かされますように今後、実施運用の面で御配慮をお願いしたいと思います。その点について。
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松浦十四郎#20
○松浦(十)政府委員 先生、御指摘のように本年度は特に新たな検査項目の増というのはいたしませんでした。
 ただ、ここでちょっと御報告させていただきますが、私ども実は予算要求といたしまして、ふん便の潜血反応検査というのを一応考えたわけでございます。これは結局、消化器内の出血を調べるために便に血液があるかないかということを調べる潜血反応でございますが、それを一般検査に入れようかという予算要求をしたわけでございます。これについては専門家の御意見をいろいろ伺ったのでございますが、実際に便の潜血反応をやるためには、持ってきていただく便というのは、その前一日間、肉とか葉っぱとか、そういう鉄分の含まれたものを食べないで来ないと、肉を食べると、その中に血が入っておりますので検査があいまいになってしまう。そういうことが一体、一般検査として、なじむだろうか。非常にむだな検査をいっぱいやることになるのではなかろうかと専門家から問題を指摘されまして、予算要求はいたしたわけですが、最終的には、これを取り下げたわけでございます。そういった技術的に解決できる問題がありますれば、ふやすことはやぶさかではないのでございますが、ちょっとその点、非常にむずかしい問題を含んでいるということで潜血反応は入れなかったわけでございます。
 第二に問診票作成ということでございますが、現在これは東京大学の先生にお願いいたしまして、現地の方々とも接触いたしまして問診票の様式を詰めている段階でございます。確かに先生のおっしゃいますように問診票が存在することによって、検査を受けられる方と検査を行う医師との間に非常にスムーズな話し合いの場ができ上がるということも、この問診票のもたらす大きな効果だろうというふうに私ども考えております。それですから、問診票の作成に当たりましては、これを上手に利用し受検者と検査をする医師の間に心が通った会話が、それを通じて、さらにできていくようにということも配慮しながら作成し、また利用していきたいというふうに考えております。
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池田行彦#21
○池田(行)委員 ぜひ、そういう方向でお願いいたします。
 それとも若干関連するのでございますが、そういった話し合いといいましょうか、本当に親身になって相談に乗っていくという体制の強化が、老齢化との関連で、ますます重要になってくると思うのでございます。この相談業務につきましては、ことしは保健婦の経費を国費で負担されることになりました。また広島、長崎以外の地域について、いろいろ講習会も予定しておられるようでございますが、こういうことは本当に結構な話だと思います。今後こういった分野はますます重要性を帯びてくると思うのでございます。地元の県なり市なりが、すでに、いろいろそういった相談員を置いているじゃないか。それを国費でやっていくのは、いわゆる後追い補助になって、特に財政当局の立場から、これは認めるわけにいかぬという話があるようでございますが、しかし、実態がますます老齢化していって、そして相談業務が重要視されてくる時代なんだということを踏まえて、いろいろ御検討いただきたい。同じ後追いと申しましても、世上言われますところの、いわゆる、ばらまき福祉の後追いというものとは、また性質が違うものでございますから、その辺は厚生省もよく御検討いただいて、財政当局とも御相談いただきたいと思います。これは御要望だけにとどめておきます。
 あと、これも老齢化とも関連すると思うのですが、被爆者のごめんどうを見ていくいろいろな制度とか施設でございます。こういったものを設置している主体とか、あるいは運営の仕方が、どうもばらばらであって有機的な連携が持たれていないという声がよくあるのでございます。
 施設一つ見てみましても、たとえば広島市の場合、医療に関する施設だけでも日赤広島原爆病院、これは設置主体は日本赤十字社、それから広島市立舟入病院、これは広島市が設置主体、それから原爆被爆者健康管理所、これは財団法人広島原爆障害対策協議会が設置主体、それから広島原爆養護ホーム、これは援護施設でございますけれども、運営主体は財団法人広島原爆被爆者援護事業団、そのほか保養施設、調査・研究機関、たくさんございますが、いずれも設置主体も違う、運営主体もばらばらだということで、どうも問題があるということでございます。これの一元化という話もあるようでございますが、これはまあそれぞれの団体なり施設の性格あるいは沿革がいろいろとございますので、一元化というのはなかなかむずかしい点もあるかと思いますけれども、少なくとも有機的な連携というものを強化していただきたいと思うのでございますが、その点について厚生省として何か施策を考えておられるかどうか、局長からお答えをいただきたいと思います。
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松浦十四郎#22
○松浦(十)政府委員 確かに先生のおっしゃいますとおりに、いろいろな病院なり管理所なり、あるいはホームなりというものがございます。確かに、ばらばらという感じがないわけではございませんが、やはり、それぞれ歴史を持って現在まで運営されてきておりますので、一元化ということは、とても現在の段階で行うことはできない状況にあるのは御指摘のとおりだと思います。ただ、現地に、たとえば広島原爆被爆者対策連絡協議会というような会合がございまして、これは県、市も入りまして、ただいま先生おっしゃられたようないろいろな設置主体が相互に話し合う場というのを持っておるというふうに私ども聞いておるわけでございます。こういう連絡協議会がスムーズに相互の連携をとりながら動けば、違う設置主体であっても十分な連携をとりながら仕事ができると思うわけでございますが、やはり先生おっしゃいましたような、いろいろな問題があるといたしますれば、この連絡協議会がスムーズに話し合いが行われていないということでもあろうかとも思いますので、私ども県、市を通じまして、連絡協議会を活用してスムーズな相互連関的な運営をするように、十分伝えたいと思います。
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池田行彦#23
○池田(行)委員 ぜひ、お願いしたいと思うのでございます。具体的には、たとえば原爆養護ホームの現在の定員二百五十で、特養が百人、一般が百五十人というかっこうになっておるわけでございますけれども、現実には、一般の中に入っておられる方にも、本当に寝たきり同然という方も数少なくありません。そういった点、要するに老齢者の方でも、在宅と一般養護施設と、それから特養と、さらには原爆病院といったもの、そういったそれぞれの被爆者の方の具体的な状況に応じまして、最も適当な援護の手を差し伸べていくことが必要かと思いますので、いま申されました対策連絡協議会などを通しまして厚生省も御指導いただきまして、施設の運営の面だけではなくて、被爆者の方々に対する措置というものが有機的な連携を保ち、本当に被爆者の方のニーズにこたえるような形にしていっていただきたいということを要望したいと思います。
 次に、ちょっと原爆問題から離れるわけでございますが、実は、やはり広島県の大久野島というところに毒ガスの製造所がかつてございまして、そこで毒ガス製造に従事された方々に対する措置というものを、いま厚生省あるいは大蔵省の方の所管の共済の関係で見ておられると思うのでございますが、この方も大体、年々改善措置が講ぜられております。ことに本年度は、大久野島自体ではなく、大久野島で製造されました毒ガスの管理とか保管、輸送の業務を行っておりましたところ、これは対岸の忠海というところに昔の広島陸軍兵器補給廠忠海分廠というのがございまして、そこの職員の方々百名余りでございますが、この方々にも国として救助の手を伸べようということで、新規に対象に加えられるということになっております。たしか十月からというふうに了解しております。この点は高く評価されるわけでございますけれども、実は、なお残されている方々があるのでございます。
 と申しますのは、この忠海分廠の方の職員といいましょうか、そこに勤めておられた方々は今回、共済の方で対象に加えられたわけでございますが、この分廠に、いわゆる学徒動員で働いておられた方々がございます。これは忠海西国民学校の高等科に在学された方々でありますけれども、大体、私ども聞いておりますところでは六十数名の方が、いまおられるようでございます。この方方につきましても、ぜひ対象に加えていただきたいという声があるのでございます。これは毒ガス、イペリットとかルイサイトとか、そういうものをつくっておったようでございますけれども、こういった毒ガスの輸送とか保管の業務に、どの程度、関与しておられたのかどうか、いろいろ事実関係について、まだ明らかにしなければいかぬ点もあるかと思います。また、そういうものに従事したために本当に現在、何らかの障害を持っておられるのか、影響が残っておるのか、そういう点もあるかと思うのでございます。しかし、ともかくそういった点について事実関係の究明あるいは健康調査というものを、まずお進めいただきまして、もし影響がないならないで不安を取り除いていただきたいし、もし影響があるということならば、取り残された方々につきましても将来、何らかの対象に加えていくとか、そういったことを考えていただけたらと思うのでございますが、その点について厚生省の見解をお伺いいたします。
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松浦十四郎#24
○松浦(十)政府委員 ただいま先生御指摘の忠海分廠の方の挺身隊学徒の問題でございますが、昨年広島県におきまして、大体四十三名が調査対象者になったようでございますが、こういう方々につきましてアンケート調査、それから一般健診、精密検診というのを行いまして、その結果を現在解析中でございます。そういうことでございますので、近く、この結果ができ上がってくると思いますので、私ども、その結果を見て、いま先生御指摘のような判断をいたしたいと考えております。
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池田行彦#25
○池田(行)委員 その調査結果を見まして、適切な御措置をお願いしたいと思います。
 時間も大分迫ってまいりましたので、このあたりで個別の質問は終わりにしたいと思いますが、いろいろこの問題を考えてまいりますと非常にむずかしい点がございます。国家補償的な配慮もあるとは申しましても、やはり現在の段階では、完全な国家補償の立場に立って法体系をつくっていくというのは、なかなかむずかしい点もあると思うのでございます。そういった意味では、真に救済すべき方々、最も多く影響を受けられて、いまだに悩んでおられる方々を中心としまして、今後とも救済の措置を改善していっていただきたい、こう思うのでございます。
 しかし、一方におきまして原爆で犠牲になられた方、あるいはその遺族の方々は、国は何もしてくれないじゃないか、こういったことをおっしゃる。この気持ちもわからないではないのでございます。しかし、こういった気持ちは、だからどうしても年金をよこせ、あるいは特別給付金を支給するようにしろ、そこまでいくかどうか。これはまた個々の方々によって違うと思いますけれども、私ども地元でいろいろお話をしておりますと、そういった現実の金とかいうものも、もちろんございますけれども、それ以上に、いわゆる国あるいは政府の誠意というものを非常に求めておる。本当に申しわけなかった、国としても皆さん方に対しては、こういう気持ちを持っているのだということを示していただきたい、こういう気持ちだろうと思うのでございます。
 そういった意味におきましては、昨年、昭和五十二年はいわゆる仏教の方で申します三十三回忌に当たったわけでございますけれども、広島にも長崎にも総理はお見えにならなかった。現地ではその点、非常にがっかりしたような、あるいは裏切られたとまで言いますと言い過ぎかもしれませんけれども、そういった気持ちがあるのも事実でございます。もとより多忙な総理あるいは厚生大臣でございますので、何が何でも広島へ、長崎へとは申しませんけれども、しかし現地では、そういう気持ちがあるのです。また、八月六日という日は、八月九日という日は、どういうことかということは、十分頭の中にというよりも腹の中に入れていただきまして、今後いろいろ原爆問題について対処していただきたいと思うのでございます。
 それともう一つは、これは私の個人的な見解でございますけれども、最近、安全保障の問題あるいは国防の問題に関連いたしまして、核兵器の保有が可能かどうかというような問題について、もとより純粋な憲法解釈の問題としてではございますが、いろいろ議論されておるようでございます。私自身も、もとより安全保障の問題、日本の現状がこれでいいと思っておりません。もっと強化しなくちゃならぬと思っておる一人ではございます。しかしながら事、核兵器の問題に関する限りは余り軽々に論ぜられるのはいかがかという、そういう気持ちを持っておるのでございます。
 何といいましても、わが国は世界で唯一の原爆被爆国でございます。いまなお、あの日に、たまたま広島あるいは長崎においでになったために、健康上あるいは生活上の不安におびえておられる方が全国に、それこそ数十万おいでになるわけでございます。そういった事実にも思いをいたしていただきたいと思いますし、また平和公園にございますように「安らかに眠ってください 過ちは繰返しませぬから」こう誓ったのはだれであったか。あの文章はいろいろ物議を醸したのでございますけれども、私ども日本国民全体が、そういった誓いをしたのではないかと思うのでございます。
 まあそういった意味におきましても、この問題についてやはり慎重な上にも慎重に扱うべきではないか。もとより、これは所管違いでもございますので、大臣の御見解を求めるのはなんでございますけれども、こういった、ただいま申しました二点につきまして、そういったものを踏まえて原爆被爆者への救済措置、今後における強化、充実に関する大臣の御決意というもの、そういったものをお伺いいたしまして、質問を終わりたいと思います。
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小沢辰男#26
○小沢国務大臣 ただいま一時間にわたりまして、いろいろ御質疑をいただき、また御意見をいただきました。従来とも、この原爆被爆者の方々に対する医療と援護対策については努力をしてまいったつもりでございますが、なお、いろいろ承りますと、きめ細かい対策について、しかも、その対策が先生が御指摘になりましたような原爆被爆者に対する本当の思いやりの心というのか、あるいは、そういう事態に対する責任感というのか、そういう心なり責任感に裏づけられたものでなければいけないということは本当にそのとおりだと思いますので、私ども十分心して今後とも対策の推進に当たっていきたいと思います。
 最後の、原爆保有に対する憲法解釈等、予算委員会においてもいろいろ議論がございましたが、あくまでも、わが国は非核三原則に徹しまして今後とも政策は一貫していかなければいかぬと考えておりますので、この点も、私も御意見に同感しつつ今後とも閣僚として努力をしていかなければならぬということだけはお答え申し上げます。
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池田行彦#27
○池田(行)委員 ありがとうございました。終わります。拍手
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木野晴夫#28
○木野委員長 次に、中村重光君。
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中村重光#29
○中村(重)委員 前の通常国会で、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案の審議、これが当委員会においての採決に当たって附帯決議がつけられたわけですが、その前文に「国家補償の精神に基づく被爆者の援護対策についてその制度の改善に対する要望は、ますます強いものがある。よって政府は、このような事情を配慮して、今後慎重に検討する」こうした決議が全会一致でなされているわけですが、これに対して政府は、附帯決議の趣旨を体して十分被爆者対策に対して努力をするという趣旨の発言がなされているわけです。大臣は、具体的に、この附帯決議をどう尊重し、施策を講じていくのかということについて考え方を明らかにしていただきたい。
 なお、この附帯決議に基づいて五十三年度の予算が編成されなければならなかったと思うのですが、五十三年度の予算の中に、あるいは原爆被爆者対策の施策の中に、これがどう生かされたと思っていらっしゃるのか、お聞かせをいただきたい。
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