内閣委員会

1978-06-29 参議院 全348発言

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会議録情報#0
昭和五十三年六月二十九日(木曜日)
   午前十時七分開会
    —————————————
   委員の異動
 六月十六日
    辞任         補欠選任
     竹内  潔君     熊谷太三郎君
     村田 秀三君     川村 清一君
 六月十七日
    辞任         補欠選任
     熊谷太三郎君     竹内  潔君
  出席者は左のとおり。
    —————————————
    委員長         塚田十一郎君
    理 事
                林  ゆう君
                原 文兵衛君
                片岡 勝治君
                井上  計君
    委 員
                岡田  広君
                源田  実君
                斎藤栄三郎君
                竹内  潔君
                堀江 正夫君
                野田  哲君
                山崎  昇君
                和泉 照雄君
                黒柳  明君
                山中 郁子君
                森田 重郎君
                秦   豊君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (内閣官房長
       官)       安倍晋太郎君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  金丸  信君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        首藤 俊彦君
   説明員
       内閣法制局長官  真田 秀夫君
       防衛庁参事官   岡崎 久彦君
       防衛庁参事官   夏目 晴雄君
       防衛庁参事官   番匠 敦彦君
       防衛庁長官官房
       長        竹岡 勝美君
       防衛庁防衛局長  伊藤 圭一君
       防衛庁装備局長  間淵 直三君
       防衛施設庁長官  亘理  彰君
       外務省アメリカ
       局長       中島敏次郎君
       外務省欧亜局外
       務参事官     加藤 吉弥君
       水産庁長官    森  整治君
       郵政大臣官房電
       氣通信参事官   白井  太君
       郵政大臣官房電
       気通信参事官   米沢 允克君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○国の防衛に関する調査
 (国の防衛問題に関する件)
    —————————————
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塚田十一郎#1
○委員長(塚田十一郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 国の防衛に関する調査を議題といたします。
 この際、金丸防衛庁長官から発言を求められておりますのでこれを許します。金丸防衛庁長官。
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金丸信#2
○国務大臣(金丸信君) 私は、六月二十日に米国のブラウン国防長官を訪問し、会談をいたしましたが、この機会に六月十三日から二十六日まで二週間にわたり、ヨーロッパ及び米国を視察してまいりました。
 ここに、その結果について御報告申し上げますが、その前に、私の出発が訪問先の都合等から、さきの国会開会中とならざるを得ず、本委員会の委員長初め皆様方に多大の御迷惑をおかけいたしましたことを、深くおわび申し上げる次第であります。
 さてヨーロッパでは、ベルギー、西独においてルンスNATO事務総長、ヘイグ欧州連合軍最高司令官、アペル西独国防大臣等の要人とひざを交えて意見交換を行いました。先方からはこもごもに、ソ連の軍事力増強を憂慮していること、通常兵器の面での西側の劣勢をカバーするため、NATOの長期防衛計画の決定が行われた旨の説明がありました。
 また、ルンス総長は、日本がいまや太平洋、ひいては世界の安定勢力となり、かつ防衛努力を強化していることに称賛の意を表明しておりました。
 ヘイグ司令官は、自由世界の安全をグローバルにとらえると、NATOの問題も太平洋の問題も一緒にとらえるべきだとの意見でありました。
 アペル大臣は、西独の防衛努力がNATO全体の安全保障に大きく寄与しているが、米国が経済力を強化し、欧州を守る能力を維持し、欧州に駐留し続けることが重要であり、このため米国との友好関係の維持が不可欠であるとの見解でした。
 私は、NATOの現況、米国とNATOとの関係等につき認識を深めるとともに、各国が平和と安全を守るために払っている真摯な努力に対し深い感銘を受けてまいりました。
 米国では、ブラウン国防長官を初め、ブレジンスキー大統領特別補佐官等の政公関係者並びにプライス下院軍事委員長、ウルフ下院アジア太平洋問題小委員長及びグレン上院東アジア太平洋地区小委員長ら議会関係者と懇談し、世界及びアジアの軍事情勢、日米が相互に関心を有する安全保障上の諸問題等について率直に意見を交換し、相互の理解を深めてまいりました。
 特にブラウン国防長官と私の会談においては、私から日米安全保障体制の重要性を強調し、同体制の信頼性をより向上させるため両国が相互に密接な接触と率直な対話を進めることが必要であると述べたのに対し、同長官は強く賛同の意を表するとともに、今秋予定されている訪日をぜひ実現したいとの意向を表明しました。
 また、ブラウン長官は、いわゆる米国のアジア離れを明確に否定するとともに、日米安全保障体制の重要性を再確認し、アジアにおける軍事的プレゼンスについては、計画されている在韓米地上軍の撤退を除いては、現在水準が維持され、在韓米地上軍の撤退は、朝鮮半島の安全を維持し得るスケジュールによってのみ行う旨述べました。
 なお、駐留軍経費の問題については、私から思いやりの立場で地位協定の範囲内でできる限りの努力を払いたいと考えており、現在具体的数字を挙げて約束することはできないが、ブラウン長官の訪日までに防衛庁の考え方をより詳細に説明できるよう努力する旨述べたところ、ブラウン長官はこれを高く評価し、特に米側から要望はありませんでした。
 さらに、沖繩の日本人従業員の雇用の確保についてブラウン長官に米側の配慮を要望したところ、これに対して同長官はできるだけの努力をする旨約しました。
 また、この間のベルギー、西独及び米国において、各種の軍事施設を訪れ、欧米各軍の現状をつぶさに視察してまいりました。
 私の見るところ、各国部隊の練度は高く、上級指揮官から一兵卒に至るまで、自由と平和を守るため、真剣に任務に励んでいる姿が印象的でありました。
 また、いずれの国においても、軍事施設、教育訓練環境は、わが国をはるかにしのぐものがあり、これらの面でのわが国の立ちおくれを痛感した次第です。
 以上、簡単ではございますが、私の訪欧、訪米報告を終わります。
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塚田十一郎#3
○委員長(塚田十一郎君) それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
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山崎昇#4
○山崎昇君 いま防衛庁長官から、訪欧、訪米の報告がありました。きょうこれを論ずるには余りにも時間がありませんし、また同僚の野田君から後ほど質問さしていただきまして、私は一、二点だけお伺いをしておきたいと思うんですが、あなたの行ってこられたことを総括して言えば、どうやって日本の軍事力をふやすかということにすぎない。そこで一番問題として出てきますのは、ちょうど国連で軍縮会議等の特別総会が持たれている。将来この軍縮との関係をあなたはどう認識されるのか。
 それから第二点は、一番最後にも述べられておりますが、もし外国並みに日本の軍事力が持たれたとすれば、平和憲法との関係が矛盾をしてまいります。一体、平和憲法との関係をどのようにあなたは認識をされていかれるのか。
 第三点は、政治的に長期の見通しを持たなきゃならぬことはそうでありますが、私どもは米ソの関係等を見ても、幾つかの局地的な問題はあるとしても、総括で言えば、これはデタントの方向に向かうであろうという認識を持つ。そのときに、どうして日本は一連の軍事力というものをあわてて増強をしなけりゃならぬかという長期展望との関係についてあなたの認識をきょうは聞いておきたい。
 第四点は、なるほどヨーロッパではいろいろなことがあるでしょう。しかし、日本とは置かれております地理的要件から国情が違います。そういうものをどう考慮されてあなたは見てきたのか。私が一番気になる文章は、一番最後の、いずれの国においても、軍事施設、教育訓練環境は、わが国をはるかにしのぐものがあって、わが国が大変立ちおくれている、急いでこれらの国に追随をしなきゃならぬという趣旨のことが結論として述べられておる。これは短い言葉でありますが、きわめてこれからの防衛問題を論ずるときに、私は重要な言葉だと思っておりますが、きょうはそう時間ありませんので、後で、二、三具体的なことを聞いて終わりにしておきたいと思いますが、いま申し上げました四つほどの点について、とりあえずあなたの見解を聞いておきたいと思うんです。
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金丸信#5
○国務大臣(金丸信君) 私はただいまの御質問に対しまし七、いつも申し上げておるわけでありますが、われわれは平和憲法を踏まえて、それが最大の考え方でなければならぬことは当然でありますし、また戦前の日本にしてはならぬということも当然でありますし、そういう意味で、この世界情勢はいかであろうとも、われわれはこの世界情勢に対応してどんどんエスカレートしていくというような考え方は、私はさらさら持っておりません。また、軍縮等の問題は、私は平和憲法を踏まえている日本である以上、当然軍縮ということは大賛成であります。できることであれば、世界各国、軍備がないような国家にお互いがなることが、民族の永遠の発展になるだろうという私は考え方を持っておる。しかし、そういう中で、座して死を待つという、日本は絶対侵されることがないと証明することはできないということは、過去の歴史の上から見ましても私はそういうようなことになるだろう。そういう意味で、日本の防衛というものはあくまでも侵されない抑止力であるべきだという考え方であります。そういう意味で、私はこの長期展望につきましても、いわゆるヨーロッパへ参りまして、ソ連と国境を一にしているドイツ等を見ますと、日本は海に囲まれている、この状況から見ましても緊張感は違います。私は、もし小競り合いが起きるというようなことがあるとするならば、私は日本よりヨーロッパの方が可能性は強いんじゃないか。しかしヨーロッパ諸国におきましても、この小競り合いも、戦いも起きないようなことを考えておるところに、私はみんな真剣に努力している姿を、はだで、あるいは言葉で聞いてまいったわけでありますから、私は、日本のいわゆる防衛問題につきまして、エスカレートして、長期計画等につきましてもどんどんやればよろしいというようなことは考えておらぬ。それは国民のいわゆる経済も考えなきゃ、調和のとれた防衛でなくちゃならぬことは当然であることは、私がしばしば委員会でも述べているとおりでございます。
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山崎昇#6
○山崎昇君 余り的確な答えでないんですがね。ただ、最近しばしばあなた方が使う言葉に、一朝有事だとか、あるいはいまも述べておりましたが、座して死を待つと、こう言う。一体こういう状況にあるんだろうか、これはもう素朴な疑問ですね。そして委員会等で聞けば、日本をめぐる脅威はないとあなた方は分析をする、片っ方では座して死を待つ、過去の例があると言う。しかし、いま世界をながめてみて、どういうところが局地的な戦争が起きているかと言えば、それは簡単に言えば、たとえば国家が二分されておってその統一のためとか、あるいはイデオロギーの対立によるものだとか、多少のそういうところはありますけれども、その以外の理由によっていま戦争が起きているなんという事態はないと、そう判断するときに、なぜあなたは座して死を待つと。日本をめぐる状況というのはそんな状況ですか、そうではないんじゃないでしょうか。これはいずれ私どもも組み立てた議論をしなきゃならぬと思いますが、余りにもあなた方は、こういう言葉を使って、あたかも何かいま日本はすぐ戦争でもなるような世論づくりみたいなことをやられる。そして、あなた自身があちこち回ってきて述べられておることは、先ほど報告されたような内容になってくる。どうも私どもとしては納得いきませんが、そういう点だけ指摘をして、私は二、三いま起きております具体的な問題についてきょうは質問をしておきたいと思います。
 第一点は、施設庁の長官に聞きますが、六月の十五日の夕方に起きたあの川崎の燃料事故について、その概要と、それから、それに対して今日までどういう処置をとってきたのか、まず報告かたがた説明を願いたい。
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亘理彰#7
○説明員(亘理彰君) お答えいたします。
 去る六月十五日の午後の四時ごろに厚木基地を離陸しました米海兵隊所属のA6型イントルーダー機が、着陸装置の故障の疑いを生じましたために厚木基地に帰投するに際しまして、着陸の際の安全措置としまして、燃料を川崎市高津区の上空約六千フィートのところで放出したわけでございます。この点については、幸いに現地住民からの被害届はございませんけれども、市街地上空の燃料放出でありましただけに、住民の方の不安を招いたということははなはだ遺憾に存ずるわけであります。
 この件については、早速六月十七日に、横浜の防衛施設局長から在日米海軍司令官及び厚木の米海軍航空施設司令官に対しまして、こういう事故によって市民の不安を招いたことははなはだ遺憾である、この種事件の再発防止に万全を期するよう申し入れたところでございます。今後ともこの種の事故のないように最大の努力をいたす所存でございます。
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山崎昇#8
○山崎昇君 川崎市役所からも米軍に対する抗議が行っておる、それに対する態度等を見ますと、一口で言えば全くけんもほろろの態度である。こういう住民の不安の問題は、その前にすでに主翼が落ちるだとか、あるいは昨年の横浜の事件だとか、大変な問題か相次いで起きている。特に住民密集地帯であります人口の多いところに問題が集中して生じている。こういうことを考えると、ただあなたの方から申し入れした、向こうは何か答えた、それで、はいそうですかというだけでは済まされないじゃないでしょうか。たとえば三日前のテレビ見ましても、昨年の横浜の事件、まだあの被害者は入院していて子供の死んだことすらまだ教えられない。こういうことを考えるときに、なるほど今度の事件は被害はなかったかもしれない、しかし相次いでこういうものが起きないとはやはり私どもは断定することはできない。そう考えるときに、いかに安保条約によって私ども基地を提供しているといえども、この種の問題にもう少し私は政府は本腰を入れてやるべきではないだろうか、ただ向こうの回答だけ聞いてきて、そうですかということだけで済ますということは許されないじゃないだろうか。これは防衛庁も抗議しているでしょうが、一体外務省は外交的にどういうふうにやられているのか、外務省からもひとつ見解聞いておきたい。
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中島敏次郎#9
○説明員(中島敏次郎君) 事故の状況につきましては、ただいま施設庁長官から御報告申し上げましたとおりでございますが、その際に、とりあえず横浜の防衛施設局長から米側当局にいま申し上げたような申し入れをしたということでございます。外務省といたしましても、この種の基地から生じますところのもろもろの市民生活への影響という問題が非常に重要な問題である、ことに安保体制の安定的かつ効果的な遂行という点から見ても、基地の周辺の住民の方々の御理解をいただく必要があるという態度を持って従来この種の問題にずっと対処してきているわけでございます。
 今般の事件につきましても、市街地の上空でそのような放出が行われたということをはなはだ遺憾というふうに考えております。とりあえずは防衛施設局長からその申し入れをいたしておりますので、その様子をながめまして、また必要に応じまして日米合同委員会の席上、しかるべきところで取り上げるなり、適切な処置をとってまいりたい。とりあえずはいまのような状況で事態をながめていきたいというふうに考えておる次第でございます。
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山崎昇#10
○山崎昇君 四月の六日にP3Cの主翼が落ちたときにも大変問題になりまして、当時防衛庁あるいは外務省等も、仮に被害がなくても事故調査委員会等設けて対処してまいりますと、あなた方はこう答弁されていると私ども考えていますが、一体今度の問題でどういうふうに、この事故というものについて調査をして具体的に対処をするというのか、前の答弁とも関連してあなた方の態度を聞いておきたい。
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亘理彰#11
○説明員(亘理彰君) 現在の合同委員会の下部機構であります事故分科委員会におきましては、日本側の人的あるいは物的な被害がありました場合に合同委員会の指示を受けて活動する、こういうたてまえになっておるわけでございますが、仮に被害がなくても、一歩間違えば大きな被害につながるおそれのあるというふうな場合には、やはり事故分科委員会で日米合同の検討をするという必要があるのではないかという御質問か先般ございまして、これについては、大臣からも前向きに検討したいという御答弁がございました。私どももその方向で、これは米側と協議を要することでございますが、鋭意その方向で検討をしておるところでございます。
 それから、本件の油の放出は、類似の事例が前にも二件ほどあるわけでございますが、いずれも故障によって万が一の大事故につながってはいかぬ、とにかく緊急に安全に基地に戻った方がいいという判断で油を放出したと、そのことがいけないと、こう申すわけにはまいらないと思いますけれども、何分にも市街地の上空であり、JP4、5という油でございますので大半は気化するわけでございますが、ときには一部落下して衣類を汚すというふうなこともあり得るわけでございます。そういうことで、市民に不安を与えるということがあってはならないということで、これは着陸装置の故障があるのではないかという疑いで放出したようでございますが、まだ確認いたしておりませんが、そういうことはなかったようでございますけれども、万一の安全措置としてそういう措置をとった、こういうことでございます。そもそもそういう何かトラブルが生じないように、事前の整理点検を万全にすることが何より大事でございますので、その点については、いままでも申しておりますが、今後とも機会あるごとに米側に対しては厳重に申し入れをしてまいるつもりでございます。
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山崎昇#12
○山崎昇君 いま施設庁長官から前にも二件あったと。私ども調査して、昭和四十九年に綾瀬町の上空で行われた。五十一年には大和市の上空で同じことが行われた。ただ、現実に被害がなかったからそのまま済まされておる。今度も川崎で、被害がないからあなた方のんきなことを言っているけれども、これがまた被害があったら大変な政治問題化していると思うのですね。したがって、いま前向きで検討しますとか、そういう答弁だけで、具体的にこの事故の防止について何にもされてないと言った方が早いのじゃないだろうか。私はやっぱり幾ら安保条約で基地を提供しているといえども、見ているともう傍若無人ですな。アメリカの軍隊のやることなら何でもしょうがない、簡単に言ってしまえば。ただ、起きたら日本が、それは遺憾でありました、今後気をつけてくださいという程度で終わっている。これでは、軍事基地のある限りこの種の問題は終えていかない。それはどんなに気をつけても、事故ですから起こる場合もあり得るでしょう。あり得るでしょうが、日本の態度としては私はまことにお粗末だと思う。この点はひとつ防衛庁も外務省も腰を入れて私はやってもらいたい。特に、この人口密度の多い首都圏の周りに軍事基地のあるということ自体が問題なんだけれども、いまそれをすぐあなた方に撤回せいといってもできないとすれば、少なくとも、アメリカのこの態度については私どもとしては許されないと思っている。そういう意味で、ひとつこの傍若無人なアメリカの態度に対して、もっとあなた方強い態度なり具体的に迫ってもらいたい。事故調査委員会にいたしましてもおざなりです。前向きに検討しますと言っているうちにどんどん同じことが繰り返されて起きてくる。こういう点を私はきょう強くあなた方に指摘をしておきますから、今後再びそういう同じ答弁しないように、これは長官の決意を最後に伺ってこの問題の質問を終えておきたいと思う。
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金丸信#13
○国務大臣(金丸信君) 私は、山崎先生のおっしゃることは全く同感であります。実は今回私はアメリカへ参りましても、言うべきは言ってまいりました。むしろ言うべきことを言わないところに私は問題がいままであったのじゃないか。言うべきことは言いますから、ぜひ御理解いただきたいと思います。
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山崎昇#14
○山崎昇君 次に聞いておきたいんですが、国会を終わりましてから、私も機会ありまして北海道を少し回っておりまして、そこで異口同音に出ました一つの問題点は、択捉島のソ連の演習の問題が出されました。私ども、もちろん情報はそうあるわけでありませんから具体的な内容はわかりませんが、今日まで私どもの得ている知識として言えば、防衛庁内部でも見解が違うように承っている。外務大臣の答弁もまた防衛庁と違うように聞く。一体択捉島の上陸演習と言われますソ連軍の演習の実相は政府としてどういうものなのか、改めてひとつ統一見解まででもないでしょうけれども聞いておきたいと思います。
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伊藤圭一#15
○説明員(伊藤圭一君) 択捉島周辺におきますソ連艦艇、航空機の動きから推定いたしまして、現在までの状況は、私どもが前から御説明いたしております状況と大きな変化はないわけでございます。御承知のように、五月の二十日ごろから約二週間にわたりましてソ連の輸送機あるいは揚陸艦、輸送艦でございますか、そういったものがぼつぼつと択捉島周辺に動いていったという事実を把握いたしております。
 これがどういう意図のもとになされたかということでございますが、一つには、何らかの訓練あるいは小さな演習、そういったために移動していったということが考えられます。それからまた、その択捉島地域に対する部隊の配備のために移動していったということも考えられるわけでございます。さらにはまた、何らかの基地建設のために要員、物資そういったものが送られていったということも考えられるわけでございますが、現在までのところ、その後特異な動向がございませんので、この三つのうちどれというふうに確認できる状況にはないわけでございます。しかしながら、一方航空機、艦艇の動きからいたしまして、集中的に行動したという事実はございません。したがいまして、大規模な統合作戦といいますか、上陸作戦といいますか、そういった大きな演習が行われた可能性というものについては少ないだろうというふうに判断をいたしておるわけでございます。
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山崎昇#16
○山崎昇君 そこでお聞きしますが、いまあなたの答弁が防衛庁の認識だとすれば、一体統幕議長の栗栖さんはどういう情報に基づいて上陸演習と断定的な言辞を吐いたのか、大変な北海道ではこれは不安な状況にあります。そうすると、いまあなたの答弁が正しいとすれば、この栗栖発言というのはわれわれ国民はどういうふうにこれを理解するのか、勝手に情報をとって勝手に物を言えばいいという立場ではないと思う。そういう点については一体防衛庁の長官はどういうふうに認識されるのか。たびたび問題を起こす人でありますが、しかし、私もその都度は、強弱に従って処置してきたつもりであります。しかし、今回は北海道の道民にとりましてはまことに不可解です。不安感でいっぱいです。とりわけあのオホーツク沿岸なり、あるいは釧路、根室なり稚内なり、ここら辺の住民については、大変なこれは不安感を持っているわけですね。あなた方の述べる一言一言によって、とりわけ軍事力の問題になってまいりますと、そうでなくても神経がぴりぴりしていますから、あるいは直接的には漁業にまた影響してくるんじゃないかという生活上の問題も関連してきますから重要だと思うんですが、一体防衛庁長官は、この栗栖さむの発言というのをどういうふうにあなたは考えるんですか。
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金丸信#17
○国務大臣(金丸信君) 統幕議長という立場で、発言というものは国民に及ぼす影響が重大であることは先生の御指摘のとおりであります。また、稚内、根室、その方面でいろいろそういう問題について心配しているという話も私は耳にいたしました。きのう北海道の箕輪代議士が知事に会ったら、その問題について非常に北海道民、その方面に住まいする道民の心配というものは大きいという話も承りまして、発言の重大性というものを私も痛感をいたします。
 ただ私は、情報等非常にあいまいな情報だという結果になったわけでありますが、一つの立場で判断ということよりほかに的確な方法はない、その判断の間違いというものがこの問題を起こしたということであるわけでありますが、私はアメリカへ参りましてこの話も聞いたんですが、本当にアメリカも的確な情報というものは持っておらないというように私は聞いてまいりました。そういうことでございますから、あの判断をしたところに北海道の皆さんに非常な心配をかけた、この点については重々おわび申し上げなくちゃならぬか、本人も私の判断の違い——しかし、判断というものはまあすべて一〇〇%であるということを求めることは、判断が一〇〇%に判断できれば結構ですが、生き身の人間のことですから、判断というものは一〇〇%にいかない場合もあるということで御理解をいただきたいと思うわけであります。
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山崎昇#18
○山崎昇君 そう簡単にあなた、判断の違いだけで済まされる問題ではありませんよ。何のどういう情報に基づいてああいうことをじゃしゃべるわけですか。これは単純にいまの長官の言葉で私は納得するわけにはいかない。もし本人がそれだけ謝ったというなら、みずから進退を決めさせなさいよ。これだけ国民に不安感を与えて、これだけ直接北海道の道民に不安感を与え、それが一片の判断の誤りでしたと、これだけでは済まされる問題ではないと思いますね、少なくとも。そして、私は新聞報道しかわかりませんが、それを見ても、あなたはそういう報告があったのは失念しておったと言う、内局はそんなことならぬと言う、外務大臣は、これを国会で正式に言えばSLBMの発射にすぎないでしょうと、こう言う。全くぱらぱらもいいところですね。こういうことで一体一国の防衛問題を扱っていいかどうかの問題もありますが、少なくとも私は栗栖議長の発言というのは、これは許されない、長官においてしかるべく処置をとってもらいたい、こう思うんですが、どうですか。
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金丸信#19
○国務大臣(金丸信君) 私は、栗栖君の判断の中にいわゆる可能性というものがあるということもあったという考え方を述べたと思うのですが、責任をとらせろという問題につきましては、相当重大な問題でありますし、十分私も検討はいたしますが、ただ情報を完全にとるためには、現在の情報システムというものが果たしてこれで完璧かというところにも問題があるわけであります。しかし、それが完璧であるとかないとかは別問題として、北海道民をいろいろ心配さしておるという亡とについては重々これはおわび申し上げなくちゃならぬし、また判断も、そういう発表をするときは、絶対間違うことのあるような判断というものはやってはならぬことは当然だと、こういうふうに思うわけであります。
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山崎昇#20
○山崎昇君 あなたが検討さしていただきますと言うのですからそれを信用しておきたいと思うんですが、いずれにいたしましても、いまの防衛局長の答弁が政府の統一見解だとすれば、これは上陸演習のような可能性はなかった、まあいろいろなことはあったでしょう。したがって、重ねてお聞きしますが、日本に対するこれらの影響についてどのように判断をされるか。たとえば中身、これは外交問題もあるでしょう、それから北海道で言うならば漁業の問題もあるでしょう、いろいろ私、きょう時間ありませんからひっくるめまして、日本への影響という問題が起こっておるのか、起こるとすればどういうものなのか、その点についての見解だけ聞いておきたいと思います。
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伊藤圭一#21
○説明員(伊藤圭一君) 日本に対する影響という御質問でございますが、私どもといたしましては、その軍事的な面についてお答え申す以外にないわけでございますが、軍事的に見ますと、御承知のようにソ連の極東海軍力というものはきわめて増強されております。そして行動というものが活発になっております。さらには、極東におきますソ連の基地の建設というものにきわめて力を入れているということも事実でございます。そのような背景の中で、私どもは北海道の安全というものに対して、自衛するために今後真剣に考えていかなければならないというふうに考えているわけでございます。
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山崎昇#22
○山崎昇君 この問題について、一説には日中平和友好条約との関係があるとも報道されておる。外務省はこの日中条約との関係について影響があると判断するのか、あるいはそれはない、こう判断されるのか、その点だけひとつ外務省の態度を聞いておきたいと思います。
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加藤吉弥#23
○説明員(加藤吉弥君) 事実関係はただいま防衛庁の方から説明があったとおりでございまして、私どもといたしましては、今回の軍事行動、演習であるかあるいは輸送であるかわかりませんが、そういう動きが何らかの政治的な意図と結びつけられているというような証拠は全然持っておりません。したがいまして、世上伝えられるようないろいろな憶測は憶測と申す以外はないと思っております。
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山崎昇#24
○山崎昇君 それじゃ日中平和友好条約との関係については全く影響ないんだ、関係がないんだというふうに理解をしておきたいと思います。
 最後に、きょう水産庁においでいただいておりますが、日ソ漁業共同事業の問題について、これもまた水産庁と外務省の見解が少し違うようにも思うんですが、一体いま、現状がどうなっておって、それから今後それがどういう見通しになっていくのか。それから第二点は、特に具体的に言えば貝殻島のコンブ問題等についても、これが七月いっぱいが漁期になっておりますが、本年はまだ返事がありません。したがって、こういう問題がどうなっていくのか、まず水産庁の見解を聞くと同時に、外務省もこれらに関連してどういうふうに水産庁と協力してやられておるのか、その点をお聞きをしておきたいと思います。
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森整治#25
○説明員(森整治君) ただいま御指摘の日ソの共同事業でございますが、ソ連から提示がありましたのが六件でございます。とりあえず、国内の関係漁業者間の調整を終わりました五件につきまして、日本政府として承認をするという旨を伝えました。関係漁業者が訪ソをいたしまして、ソ側との間で最終的な協議を一応了しておるという段階でございます。しかし、本件が外貨、輸出の問題が絡むということから、ソ側においては財務省及び外国貿易省とも協議をする必要があるということで、ソ側内部の調整がなお手間取っているというふうに承知をいたしております。私どもといたしましては、この間大臣からも督促をいたしまして、できるだけ早く話が進むように要請をいたしておるわけでございます。
 それから、貝殻島のコンブにつきましても、一昨年と大体同様な内容で、大日本水産会とソ連の漁業省との間で話ができておりますが、入漁料の問題につきましてなお折衝をするという段階で、この扱いにつきましても先ほどの共同事業と全く同一のものというふうに理解をいたしております。要は、本件に関しましては入漁料の話と、先ほどの共同事業の全体の取り扱い、そういう問題がなお未解決である。ただ、これにつきましても、早く私どもとしましては実際の漁業が間に合いますように、現在督促をしておる最中でございます。
 なお、一応六月、七月、まあ九月までというふうに理解をしておりますが、最盛期は確かに七月まででございますので、なるたけ早くコンブ漁が再開できるように、今後なお努力をしてみたいというふうに思っております。
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加藤吉弥#26
○説明員(加藤吉弥君) 本件共同事業につきましては、水産庁と外務省、密接に協議しながら進めております。政府の見解といたしましては、このような民間の共同事業が、日ソ間に結ばれております政府間協定、日ソ漁業暫定協定に悪い影響を与えてはいけないという点が第一の条件として出されております。第二に私どもが考えておりますのは、でき上がった共同事業の内容が、日ソ双方にとり、均衡のとれた適正なものであり、かつ互恵的なものでなければならないということ。それから第三点といたしまして、漁業関係者の利益が均衡され、調和されることが必要である、かように考えております。
 事実関係はただいま水産庁の方から説明があったとおりでございますが、私どもとしても、一刻も早く本件が妥結を見るために、水産庁と協力をしつつソ連側の回答の督促に努めているところでございます。
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山崎昇#27
○山崎昇君 これもぼやっとしていてさっぱり内容がつかめないんですが、重ねて水産庁に聞きますが、あなた方の見通しを聞いておきたい。もちろんこれは相手があることですから、何月何日なんということを聞くつもりはありません。しかし、少なくとも、折衝に当たっておられます皆さん方は、どの時期ぐらいまでにどうだというようなある程度の見通しがなけりゃならぬと思いますから、今後の見通しについて重ねて聞いておきたいと思います。
 それから、私は北海道で道の水産部長にも会いました。関係業者の人にも会いましていろいろ状況は聞いているつもりです。したがって、何もわからぬであなたに聞いているわけじゃありませんが、それにしても、いま貝殻島で申し上げると、向こうから要求されているのが大体九千万ですね、こっちの回答が六千万ぐらいで言っているそうでありますが、いずれにいたしましても、これはこのままでは調整つかないんじゃないだろうか。したがって、水産庁としてはどの程度のことでこの入漁料の問題についても話をつけようとするのか、そういう点、もし発表して差し支えなければ、その範囲内で結構ですが、見通しの問題として聞いておきたいと思います。
 それからもう一点は、これは新聞報道だけで私ども中身はわかりませんので、中身の説明を求めておきますが、北洋サケ・マス漁獲の見返り資金の運用について、新聞では八億程度政府が支出するというふうになっているようでありますが、その内容についてひとつ説明を願っておきたいと思います。
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森整治#28
○説明員(森整治君) 第一点のコンブ交渉がいつになるかと、こういう御質問でございますが、いま私ども、ごく最近に受けておる話では、早くても七月の下旬というふうに連絡を受けておるわけでございます。これは、要するにソ側の内部の調整問題で手間取るという見込みから、そういう判断をいたしておるわけでございます。まあいずれにせよ、私の方はなるたけ早く、できるだけ早く入漁できるように交渉いたしたいと思っております。
 それから、入漁料の件でございますが、先方の申し出は実は一億一千万を超す額でございまして、まあ約一億一千万、で、わが方が最大出したのが六千万ということでまだ折り合いがついていないということでございます。ソ側の主張は大体一五%という、そういう考え方からきておるようでございますが、いずれにいたしましても相当な額に上るわけでございます。私どものコンブ漁は零細漁民の手によるものでございますから、その事情をよく相手方に説明をいたしまして、できるだけ安い金額で入漁できるように交渉をさせたい。これはまあ民間の話し合いでございますから、私どもそういうふうに指導をいたしたいというふうに思っております。
 それから、サケ・マスの例のいわゆるコンペンセーションと言われているものでございますが、これにつきましては、いろいろ今後の財務当局との話によりますが、まあ半分に近い額を何とかめんどう見てもらえないだろうかということで精力的にかけ合いをしてみたい、また現在そういう努力をしておるわけでございますが、ちょっとまあ半分まではなかなか無理かもしれませんが、できるだけ負担のかからないようにわれわれとしても努力をしてみたいというふうに思っておるわけでございます。
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山崎昇#29
○山崎昇君 これで質問を終えたいと思いますが、そうすると長官ね、いま七月の下旬に、まあ向こうの都合もあるんでしょうけれども、やれば、最盛期が六月の一日から七月三十一日ぐらいというんですね、そうすると、ことしのこのコンブ漁は事実上できないというふうにあなた方踏んでいますか、それでも見通しとしてはやるというふうにお考えですか、この一点だけ重ねて聞いておきます。これはいつでもいいという問題ではありませんので、その点だけ一点重ねて……。
 それから、二番目にお答えのありましたサケ・マスの関係でありますが、これはまあ新聞報道でありますからよくわかりませんが、この「二十七日夜明らかにしたところによると、」というんで、ある程度金額まで述べられていますね、これは新聞が想像して書いたのかどうか知りませんが、もしこれが本当だとするなら——これは北海道新聞に出ているわけでありますが、これが本当だとすればここである程度明確にしてほしいと思う。いまあなたの答弁聞いていると、ぼやっとしていて何がどうだかさっぱりわけわからない。この報道が正しいとすれば、ひとつここで明らかにしてほしい。
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