内閣委員会

1978-04-11 参議院 全401発言

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会議録情報#0
昭和五十三年四月十一日(火曜日)
   午前十時三十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月四日
    辞任         補欠選任
     山中 郁子君     上田耕一郎君
 四月五日
    辞任         補欠選任
     上田耕一郎君     山中 郁子君
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     堀江 正夫君     降矢 敬義君
     和泉 照雄君     田代富士男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         塚田十一郎君
    理 事
                林  ゆう君
                原 文兵衛君
                片岡 勝治君
                井上  計君
    委 員
                岡田  広君
                源田  実君
                斎藤栄三郎君
                竹内  潔君
                林  寛子君
                堀江 正夫君
                野田  哲君
                村田 秀三君
                山崎  昇君
                和泉 照雄君
                黒柳  明君
                山中 郁子君
                森田 重郎君
                秦   豊君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)      稻村左近四郎君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  金丸  信君
   政府委員
       内閣法制局第一
       部長       茂串  俊君
       防衛庁参事官   夏目 晴雄君
       防衛庁参事官   番匠 敦彦君
       防衛庁参事官   古賀 速雄君
       防衛庁長官官房
       長        竹岡 勝美君
       防衛庁防衛局長  伊藤 圭一君
       防衛庁人事教育
       局長       渡邊 伊助君
       防衛庁衛生局長  野津  聖君
       防衛庁経理局長  原   徹君
       防衛庁装備局長  間淵 直三君
       防衛施設庁長官  亘理  彰君
       外務省アメリカ
       局長       中島敏次郎君
       外務省経済協力
       局長       武藤 利昭君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        首藤 俊彦君
   説明員
       警察庁刑事局国
       際刑事課長    水町  治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国の防衛に関する調査
 (国の防衛問題に関する件)
    ―――――――――――――
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塚田十一郎#1
○委員長(塚田十一郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 国の防衛に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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堀江正夫#2
○堀江正夫君 私はきょう四、五点の問題につきまして質疑をし、かつ一緒に考えさしていただこうと思っておりますが、その第一点は、この間六日でございますか、衆議院の決算委員会で論議されました限定的小規模侵攻の問題でございます。私があえてこの問題を取り上げましたのは、どうも新聞で出ておりました状況だけから見ますと、いろいろと国民の皆さん誤解をされる面もあるんじゃないかと、このような気もするわけでございまして、やはり正しく国民に理解してもらわなきゃいけない、このような観点からして質問をしたいと、こう思います。したがいまして、私の質問に対しましてやっぱり答えられないことがあるんじゃないかと思います。答えられないことがありましたならば、これはもう遠慮なくそのように申していただければ、あえて私は回答を求めません。やはり、事は国の防衛に関するところの重要な問題でございます。答えられることと答えられないこと、言っていいことと、言って悪いこととあると思います。その辺はひとつ十分に御考慮いただきたいと、こう思うわけであります。
 この間の新聞によりますところの六日の衆議院の決算委員会の論議では、結局、従来は限定的な小規模侵攻の兵力というのは数個師団だ、このような防衛庁の見解であったのが、一、二個師団だと、このようにとれるような新聞の発表でございますが、この一、二個師団というふうに言われたのかどうか。また、もしもそういうような数を明確に言っておられるとするならば、その辺の事情といいますか、この辺をひとつまず承りたいと思います。
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伊藤圭一#3
○政府委員(伊藤圭一君) 先般の委員会におきまして御説明いたしました内容につきまして御報告申し上げます。
 防衛計画の大綱の中に、いわゆる「侵略の未然防止」と、それから「侵略対処」という項目がございます。この侵略の対処の中で、わが国が整備する防衛力というものは、限定的かつ小規模な侵略については原則として独力で対処できるような防衛力を整備するという考え方が示されておるわけでございます。で、御質問の中で、限定的かつ小規模な侵略というその規模はどの程度のものであるかというお話がございました。そこで私は、いま先生がおっしゃいましたように、私どもといたしましては数個師団というものを考えているということを申し上げたわけでございますが、さらに御質問がございましたので、防衛庁として現在日米安保体制下におきますいわゆる侵略として予想されるものというものを御説明申し上げました。一つは、この日米安保体制下にある日本に対して、アメリカの巨大な軍事力というものに対抗するような形での大きな侵略というものは比較的公算としては少ないと私どもは考えております。と同時に、大きな侵略というものを決意するまでにはかなりの準備期間がございます。そして、部隊の移動あるいは後方支援体制の整備等というものは、現在のような情報化社会におきましては事前にキャッチすることができる、したがって、これに対応する準備もこちらもできるであろう。とするならば、大きな準備をしないで直ちに持ってこられる陸上兵力については、私どもは数個師団を考えておるのですけれども、日本の周辺諸国の中には、そういった準備をしないで、あるいは一個師団あるいは二個師団といった程度のものなら侵略に向け得る能力を持った国があるというふうにお答えしたわけでございます。いまのような前提を置きまして考えられる数個師団ということを御説明したつもりでございます。
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堀江正夫#4
○堀江正夫君 いまのを伺いますと、従来数個師団と、こう言われておった。それが一、二個師団と言われる意味は、数個師団と一、二個師団とはイコールであるというふうにお考えになって答えられたのか、そうでないのか、その辺をひとつお伺いします。
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伊藤圭一#5
○政府委員(伊藤圭一君) 私がお答えいたしましたときにも、数個師団というもので、私どもが想定し、いろいろ研究をする中でいろんな数字がありますと。その場合にどういう対処をするかということを研究し、あるいは演習などをしているわけでございますけれども、その数個師団の中で、現に私どもが予想しているものは何個師団かというような形で申し上げたわけではございませんで、周辺諸国の中には、一個師団あるいは二個師団という程度のものであれば、それほどの準備なく直ちに侵攻に向けられる能力を持った国があるというふうにお答えしたわけでございます。
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堀江正夫#6
○堀江正夫君 そうしますと、いまおっしゃられますところの一、二個師団というのは、奇襲的に来れる体制にあるのがまあそのくらいだろうと、こういうことだと思いますが、そうしますと、いま考えられておりますところの限定的小規模侵攻ということがあるとするならば、それはどのような状況下において、どのような目的を持って来るというふうにお考えでございますか。
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伊藤圭一#7
○政府委員(伊藤圭一君) 先ほども御説明申し上げましたように、日米安保体制を組んでおりますわが国の防衛体制に対しまして侵略をするということは、やはりアメリカの巨大な軍事力というものに対決する覚悟がなければできないと私どもは考えておるわけでございます。したがいまして、日米安保体制というものが安保条約の五条によりまして発動されるに至らないような形の小侵略、あるいはいやがらせといいますか、そういった形の奇襲的なものというものは一応考えられる脅威として私どもは勉強しているわけでございます。
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堀江正夫#8
○堀江正夫君 そこで、結局これらの限定的な小規模の侵攻というのは、先ほどもお話ございましたように、奇襲的に行われるということだと思いますけれども、この事前察知の可能性というものがあるのかないのか、あるいはあるとするならばどのくらいの幅をもって考えておられるのか、この辺をひとつ承りたいと思います。
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伊藤圭一#9
○政府委員(伊藤圭一君) 先ほど来申し上げましたように、大規模な準備ということになりますと、これはほとんど確実に察知できるのではないかというふうに私どもは考えております。といいますのは、御承知のように日米安保体制のもとにおきまして、アメリカとの情報交換なども行っております。そしてまた、アメリカというのは御承知のように人工衛星などを使いまして常に偵察をしているわけでございます。そういったこと、あるいは私どもの監視体制のもとにおきます船の動き、そういったものからも判断できると思いますが、いまおっしゃられましたようないわゆる奇襲的な、それほどの準備なくして来る場合ということにつきましては、なかなか事前察知というものはむずかしいと思いますが、それにいたしましても、一つの意図を持って攻撃をかけてくるということになりますと、いろいろな情報手段によりまして事前には少なくともキャッチできるのではないかというふうに考えておりますが、そのためには、さらに情報機能というものを今後とも整備してまいらなければなりませんし、またこの情報を分析する能力というものを高めなければならないと思っております。で、そういうことによりまして、なるべく早くそれをキャッチする体制というものをつくっていく必要はあると思いますけれども、全然わからないで来るということはないだろうという程度に私どもはいま考えているわけでございます。
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堀江正夫#10
○堀江正夫君 この事前察知という問題は大変私は大事な問題だと思うわけでございます。しかし、防衛庁が持っておる機能からしますと、私は余り事前察知できるような機能は持っておらないと、このように思います。今後いろいろな面で努力をされるのだろうと思いますが、やはり米軍からの情報の入手以外には本当に的確な事前察知の手段はないんじゃないか、こうも思うわけですが、しかりとするならば、米軍からの情報の入手というような問題はもうルール化されて、いつでも心配ないような状況になっておるというふうに考えてよろしゅうございますか、どうですか。
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伊藤圭一#11
○政府委員(伊藤圭一君) この米軍からの情報というものをもらうにつきましては、先生も御承知のように、やはり情報というものはお互いに利益を分かち合うというような観点からわが方としてもそれなりの努力をしなければなりません。過去二十年間にわたりましていろいろ努力をしてまいりました。そして、そういった面の協力体制というものも確立するように努力をいたしております。さらにまた、現在日米防衛協力小委員会におきまして、そういった観点から努力をしてまいりたいと思っておりますので、米側の協力体制というものはかなり高まってきているというふうに、私自身の経験からいたしまして、過去何年かにわたっての努力の成果というものはそれなりに上がっているというふうに考えております。
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堀江正夫#12
○堀江正夫君 いまお話ございましたけれども、私はやはり、日米安保体制下における日本の不備をいろいろな面でアメリカにカバーしてもらっておるわけですが、まずカバーしてもらわなければならない問題は情報だと思うわけですが、この情報の問題につきまして、平時状態下で平面的な情報交換をやるというだけじゃなく、機微なる場合におけるところの情報交換がいつでもできるような体制というものがとられておるということが大変重要なんだと、こう思うわけでございます。恐らく今後の日米の防衛協力小委員会の協議等を通じて、そういったような問題も詰められてくると思いますけれども、ぜひとも、その辺が、奇襲攻撃、限定的な小規模の侵攻であっても、全く寝首をかかれたような侵攻を受けるということは少なくもないようにしてもらわなきゃ困る、こう思うわけでございますが、この小規模の限定的な攻撃に対しまして、「原則として独力で排除する」というふうに、少なくも防衛白書では書いてございます、この基盤防衛力でもってつくるべき防衛力というものは。この排除とはどういうことを考えておられますか。
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伊藤圭一#13
○政府委員(伊藤圭一君) まあ排除の中には、一番端的に申し上げますと、上陸部隊を水際で阻止するということがあろうかと思います。しかし、さらに攻撃が続くような場合には、いわゆる米国の協力を得るまでの間、なるべくその水際において退治するというような形をとってまいりたいというようなことでございまして、ただここで「原則として独力で」と言っておりますのは、実は海空につきましては、協力を得る場合にも比較的早い時期にそれが可能でございますが、陸上兵力の協力ということになりますとこれはかなり時間を要します。したがいまして、そういった意味におきまして、特にこの陸上自衛隊におきましては、できるだけ長い期間わが領土に上陸させないように努力する、上陸したものはその水際から追い出すように努力する、そういった考え方を持っているわけでございます。
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堀江正夫#14
○堀江正夫君 実際は数日前に事前に察知できるかもしれません。しかし、基本的にこれは現体制のままからの奇襲的な攻撃を考えておるわけですから、わが準備態勢というものはほとんどできない状況下における侵攻というものを前提にしなけりゃならないと思うわけですね。その場合に、私はもちろん原則として、これはもう海空軍は米軍に期待できるんだという前提があったとしましても、陸上というものは自分でやらなきゃいけない。この陸上の現在置かれておるところの配置あるいは能力、これなんかを見ました場合に、本当に独力で排除できると、この基盤防衛力の造成によって。こう考えられておるのかどうかということについては、私はもう相当な疑問を持つわけです。ここでは、実は防衛白書では書き分けてあるわけですね。その程度のものであったら原則としては独力で排除するが、けれども、侵略の様相等によっては排除できない場合もある、このときにおいては米軍の支援を受けてやるんだと、こういうことでございます。どうもそれの場合の考え方というのは、兵力的、あるいは置かれた状況で大分前者とは違ったことを考えておられるように思うわけです。その辺、結局は私は目的を持って来るんだと、確かに奇襲的に来るのは一、二個師一団、これは来れる体制にある、能力も持っている、しかし、目的を達成するためにはさらに増加は当然してくるであろうし、またそれも可能である。したがって、そうであるならばわれわれが本当に、具体的に「原則として独力で排除」と言うならば、それはどうすることなんだ、そのためにどれだけの戦力、どれだけの体制を持たなければいけないか、この辺をはっきりさせないと、どうも確信を持った侵攻対処、侵略対処ということにならないんじゃないかと、こう思うわけですが、いかがでございますか。
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伊藤圭一#15
○政府委員(伊藤圭一君) まず先生のおっしゃいます前提の中で、私どもの考えと幾らか違っている点があるんではないかというふうに考えますが、といいますのは、まず全く奇襲的に侵攻が行われるというふうにおっしゃいますけれども、日本の置かれております環境からいたしますと、いわゆる防衛計画の大綱で定められました勢力を維持するということは、直ちに侵略に対処するという意味よりは、現在の極東の軍事体制の中におきまして、それなりに力を持っているということの意味というものが多いというふうに私は考えているわけです。したがいまして、先生がおっしゃいますような状況、侵攻するような状況というものは、やはり国対国の間、いわゆる国際情勢の変化等によってある程度察知できるということであろうかと思います。たとえば、三十八度線とか、あるいはイスラエルとアラブ諸国との間のような緊張状態がありますと、これは全く奇襲的に行われるということはあり得ると思いますけれども、日本の置かれておりますような環境の中におきまして、全く予知せざる奇襲というものは、これは国際常識から言って考えにくい、考え方としてはきわめて少ない。そうしますと、そういった緊張状態になったときには、やはりそれなりの準備というものが行われるでありましょう。したがいまして、そういった際の決心というものは、政治的な判断というものを待たなければならないわけでございますが、そういう際に、現実にございます極東のわが国周辺の軍事力というものから、そういった国々がどのような形で侵略するということが可能であるかということは、具体的に検討されなければならないと思いますけれども、現在の軍事情勢のもとにおきましては、一応防衛計画の大綱に示されております勢力というものを基礎にいたしまして、そういった情勢の変化に応じて努力をしてまいりたいというのが防衛庁の考え方でございます。
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堀江正夫#16
○堀江正夫君 防衛庁が、従来、特に新防衛計画の大綱で考えておられるところの基本的な考え方というものは、私もそれなりによくわかっておるわけでございますが、最近のアメリカの国防報告、これによりますと、米ソの軍事体制、これからしまして、いまや一番危険なのは西ヨーロッパだと、したがって西ヨーロッパにおいては、すでに通常戦力をもってするところの奇襲攻撃の可能性さえも否定できないのだ、そこでアメリカは、大変な重点をこの正面に志向しようと、こうしております。また、ことしのアメリカの国防報告によれば、アジアで事が起こるとするならば、一番危険であるこの西ヨーロッパ、これに紛争が起きた場合においては当然アジアにもこれが波及すると、こういうようなことを言っておるわけです。確かに、情勢はいろんな過程を経て緊迫をしてくるという場合が当然あり得る、これが常態じゃないか、こう思うわけでございますけれども、すでにアメリカはそういったような全般的な情勢判断のもとで兵力の再展開、これを実施しつつある現状下において、日本だけは、まあいまの状況じゃ心配ないんだといったようなことをまず第一言っておれるのかどうか。しかも、緊迫した状況になってきてからそれに対するところの防衛力の整備というものをやっていけばいいんで、そのための基盤防衛力、これをつくっておけばそれができるんだ、こういうことでございますけれども、もう私が言うまでもございません、たとえば海上自衛隊の護衛艦一つつくるのに、予算を取って、それが第一線に就航するまで五年かかるわけですね。そういうようなことを考えますと、いまの状況下において、五年先、六年先、七年先というような情勢を見通しながらこの兵力整備、こういったものをやっていかなければ、いざというときに間に合いやしない、こういう結果に私はなるんだろうと思います。日本の防衛の基本的な体制が、急速に、いざというときに防衛力を強化をするというような体制になっておらないことは言うまでもないわけであります。このようなことを考えました場合に、いまはそうかもしれないけれども、相当不安定な要素が将来に横たわっているというようなことを考えました場合に、私はその辺のアローアンスを十分に含みながら、いろんな施策というものが先行して行われなきゃいけない、そのことを国民にも十分理解してもらわなきゃならないんだ、こう思うわけですが、いかがでございますか。
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伊藤圭一#17
○政府委員(伊藤圭一君) それはいま先生のおっしゃるとおりだと思います。したがいまして、この防衛力整備には時間がかかりますので、情勢の見通しというものはきわめて大事だというふうに私どもは考えております。しかしながら、先生の御経験も私と同じだと思いますけれども、過去四回にわたって防衛力整備をやってまいりました。その間に私どもは、やはり大きな紛争は起こらないだろうという想定のもとに、御承知のように他の国のように急激に防衛費を増強するというようなこともなくやってまいったわけでございます。そして五年ごとにこの防衛力というものを整備してまいったわけでございますけれども、一応五年とかあるいは六年という見通しを考えますと、過去あの東西が厳しく対立していた当時から考えましてもおわかりのように、この軍事力を直ちに使うという情勢というものは、なかなか使いにくい情勢になってきているということもまた事実だろうと思います。そしてまた、ヨーロッパとアジアの違いというものは、国防白書にも指摘してありますように、ヨーロッパのいわゆる東西の対立というものは、完全にNATOグループとワルシャワグループとの間がはっきりしているわけでございまして、その両グループの持っている軍事力の対比というものがきわめてはっきりしているわけでございます。それに対しましてアジアにおきましては、現実の問題として中ソの対立という問題もございます。それから米中ソの関係というものもございます。そういった複雑な状況が入りまじっておりますので、軍事力を直ちに行使して紛争に至るというような情勢というものは、必ずしも緊迫している状況にはないというふうに考えているわけでございます。同時にまた、先生も御同意いただけると思いますけれども、ヨーロッパでは確かに対峙いたしておりますけれども、たとえば中東とか、あるいは三十八度線に比べますと、ヨーロッパ自体の情勢というものもそれほど緊迫している情勢ではないというふうな考え方もできるのではないかと思っているわけでございます。
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堀江正夫#18
○堀江正夫君 確かに過去はおっしゃるとおりでございますし、そして現在の情勢、これはもう今年あるいは来年を見通した場合に、私は右から左に情勢が変わるということを言っておるわけではございません。しかし、過去を考えてみました場合でも、東西が非常に先鋭化しておったと言いますけれども、その段階の米ソの軍事力のバランスという問題と、いまアメリカが当面し、今後当面しようとしておるところの軍事力のバランス、あるいは極東におけるところの軍事力の変化、こういったものを考えました場合に、私が言っているのはここ四、五年先はどうなんだと、こういうことを言っておるわけです。四、五年先につきましては、非常に不安定な要素もいろいろと出てくる可能性が大きくなっているじゃないか、その辺のことを踏んまえた判断、その辺を踏んまえたところの施策というものが当然あってしかるべしじゃないか、われわれは当然その四、五年先を見通さなければ防衛政策の遂行なんということはできないんだ、こういう観点を言っておるわけですが、もう一度その点につきましてお聞きします。
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伊藤圭一#19
○政府委員(伊藤圭一君) 確かに、この米ソの軍事力というものを考えてみますると、六〇年代あるいは七〇年代の当初に比べますと、軍事力というものは均衡していると思います。特に、この核兵器の軍事力におきましては、圧倒的に強かったアメリカの核戦略というものに対抗するような力を持ってきているというのは事実でございます。そしてまた、通常戦力につきましては、特にソ連の方は強化に努力しているということも事実でございます。アメリカの政府といたしましても、国防省といたしましても、どうも通常兵器の増強のテンポというものを見ると、ソ連という国は自国の防衛のためだけであれだけが必要だとはとても思えないというような疑問も持っているようでございます。ただ、先生がいまおっしゃいましたけれども、軍事力の相対性というものの中にもう一つ大きな要素があるということを私どもは考えるわけでございます。といいますのは、米ソが持っている巨大な軍事力というものは、明らかに必要な軍事力を超えていると思うわけでございます。もうオーバーキルといいますか、この米ソが対決したら世界が破滅するだろうというほどの大きな軍事力だと思います。そういった大きな軍事力というものは、仮に拮抗いたしましたといたしましても、拮抗したからそれが使えるというようなものでもないと思うわけでございます。そういった拮抗している中で、お互いに大きな紛争を起こさないための努力というものに非常な努力をしているわけでございまして、その間、過去の戦後の国際情勢を見ますると、小さな紛争というものが起きているわけでございます。そういった突発的な紛争というものを起こさないだけの未然防止のための防衛努力、これが日本にも必要でございますし、また日米安保体制の有効性を維持するためにも必要であるということでございますけれども、私どもは、そういった軍事力が拮抗してきたことによって、その国際情勢そのものが流動的になってきているんだというふうにはどうも考えにくいというふうに思っておるわけでございます。
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堀江正夫#20
○堀江正夫君 アメリカ自体が、もう非常にはっきりと、現在置かれた米ソの軍事情勢下における将来の方向について、非常な危惧を持ちながら努力をする一方において暗中模索をしておる。そのしわ寄せが、特にアジア方面、これに今後来るだろうということは大きな流れとして当然予測できるだろうと思います。もちろん今明年については、もう国防報告にありましたように、アメリカは在韓米地上軍の六千名の削減以外はやらないと、むしろ若干の空軍なんか強化すると言っておりますが、それは今明年の話であって、将来の大きい方向を考えた場合に、私はその辺の情勢というものを相当深刻に受けとめておかなきゃいけないのじゃないか、余り楽観的な見方は、結局成田事件の教訓に見るようなことにもなってしまうのだと、こう思うわけでございます。
 この問題ばっかりやっておるわけにいきません。これにつきましては、また機会を求めて何遍でもいろいろと議論をしていきたいと、こう思うわけでございます。
 次は、私は自衛隊の精強化のための若干の施策の問題につきましてお尋ねをしたいと、こう思います。
 三月十九日の防大の卒業式におきまして、総理、そして防衛庁長官も、自衛隊は精強にならなきゃいけない、自衛隊は強くならなきゃいけない、こういうことを言われたということが新聞に大きく載っておったわけであります。私、従来の総理及び防衛庁長官の卒業式における訓示をいろいろと見せてもらいました。そのときによっては精強、こういったような問題についての要望が、ないときもありますけれども、今日までずっと、大体において毎回このことが要望されておるわけであります。ただ、ことしの場合は、特に新聞がこのことを大きく見出しでもって取り上げたということにはそれなりにやっぱり私は理由があったように思います。というのは、特に長官の御訓示の中で、精強にならなきゃいけないと、自衛隊は何といいますか、強くならなきゃいけないというようなことをいろんな場所で具体的に述べておられるわけであります。従来よりもこれに対するところの御要望が非常に強かったように私は思うわけであります。それは大変結構だと私は思うわけでありますが、そこで、精強な自衛隊、自衛官を育成するために本当に何が必要なのか、どうしたならば精強な自衛隊、自衛官ができるのだ、こういったようなことにつきましてどのようなことをお考えか承らしていただきたいと、こう思います。
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金丸信#21
○国務大臣(金丸信君) 精強な部隊という問題につきまして、いろいろ御批判もあるようでありますが、私は国民の税金を使ってこの国の防衛をやるというとき、一握りの防衛ということであってはこれは国民に対して申しわけがない。少なくも日本を侵さんとする者に対してはいわゆるこれに拮抗できる、対処できる部隊でなくちゃならぬ、それには精強な部隊でなくちゃならぬと、私は強く声を大にして申し上げておるわけでありますが、この精強な部隊をつくるためには、その人間をつくるということであろうと私は思います。そういうことから言いますと、人をつくるということは教育だと私は思う。そういう意味で、防衛大学は防衛の中堅幹部をつくる、あるいは中核をなす指導者をつくるというところであろうと私は思うにつけましても、この人たちが本当に祖国のために、その有事の際には命をささげる、そして永遠に、わが日本民族を後世に存続させるというような気概がなければならぬ、それは私は教育だと、こう考えております。
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堀江正夫#22
○堀江正夫君 まさに、私は長官のおっしゃったとおりだと思うわけでございます。したがいまして、従来から歴代の長官、あるいは自衛隊内におきまして各部隊の指揮官が、精強な部隊の育成、練成を目指して日夜努力をしておると、こういうことだと思います。私はこの精強な自衛隊、これは本当にいざというときに国民の期待に沿って任務を遂行し得るような能力、これを持った自衛官、自衛隊だと思うわけでございます。そういうような観点から考えますと、当然長官が、精強な自衛隊にならなきゃいけない、しっかりやれというふうに強調され、訓辞をされ、指導される、それに基づきまして各隊の第一線の指揮官が、与えられた条件の中で、与えられた土俵の中で最善を尽くして自衛官あるいは部隊の精強化のために教育訓練をしっかりやる。もうこのことは、私は二十数年間、警察予備隊として発足以来一生懸命やっていると、こう思うわけです。ただ、それじゃそれだけでいざというときに本当に完全に任務を遂行できるような自衛隊、自衛官ができるかということになると、私はそれだけじゃできないんだと、やっぱり基本的には国民の絶大な支援のもとに、理解のもとに、自信を持った、誇りを持った自衛官、自衛隊でなきゃならぬと、こう思うわけです。そういう意味において、やはりこれをやるためには、自衛隊自体が与えられた土俵の中でしっかりやるという以外に、その条件、自信を持てるような、誇りを持てるような、本当に精強な自衛隊になり得るところの条件を政治や行政が与えていかなければならないと、こう思うわけですが、いかがでございましょうか。
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金丸信#23
○国務大臣(金丸信君) 私もそのとおりだと思います。いま、これは第二次世界大戦に負けて、国民も親を亡くし、子を亡くし、あるいは関係の親族を亡くすというようなことで、いわゆる防衛という問題につきましては拒否反応があった。これも否めないと私は思うわけでありますが、戦後三十有余年になりまして、いわゆる国民自体も防衛という問題につきまして重大な関心を持ってきた。ことにこの国会におきまして、この防衛問題につきまして相当論議が交わされたということは非常に喜ばしいことだと私は考えております。ことに、自衛隊に対する考え方、それはあくまでもシビリアンコントロール――文民統制、こういうことは十二分にわれわれは踏まえまして、そうして政治優先という中でこの国会で十二分に討議されるというようなことは、国民に理解を得る最大の私は要点だと、文民統制とは、国民のいわゆる期待にこたえる歯どめでもあると思うので、ぜひ私はそういう意味でこの問題につきまして国民の理解を得るためには、国民の代表である、最高の府であるこの国会で十二分な討議をしていただくことは、世論を高め、あるいは国民の批判、いろいろの場面にもなると私は思うわけでありまして、非常にそういう意味で、世論のない防衛というものはない、一億国民すべてが防衛は必要だという考え方、また一朝有事の際は、いわゆる自衛隊二十七万でこの国が守れるのか、とてもそんなもので守れるものじゃありません。いわゆる国民すべての人が、その部署部署において本当に有事に対処する気概を持っていただくようなことにするためには国民の理解を得なければならぬことは当然だと、こう考えております。
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堀江正夫#24
○堀江正夫君 国民の理解につきましてはおっしゃるとおりだと思います。
 私は、特に申し上げたいのは、警察予備隊が発足してからもう二十何年たつわけであります。先ほどから申し上げますように、歴代の総理あるいは長官、精強な自衛隊になれということで常に部隊に対してはっきりした見解、御指導をしておられるわけですが、しかし、先ほど言います本当に精強になるためには、自分自身が努力すると同時に、さらに本当に自信を持ち、そして誇りを持てるような状況にならなければならぬ、してやらなければいけない。その点がまだいろんな面で私はこれからという面が多いような気がするわけです。たとえば、自信を持たすということになりますか、これはもう精強化に直接、任務遂行にも直接つながる問題でありますが、有事法令の問題につきましても、これは前の八月の十一日、この委員会の席上で三原前長官の見解の表明もございました。また八十二臨時国会においても、本会議あるいは予算委員会等でこの有事法令の問題につきましては、総理初め皆様の見解の表明もあったわけです。さらにこの三月十五日には、参議院の予算委員会におきまして、ここにおられます野田委員の御質問に対して、総理あるいは政府委員の方から回答されております。この有事法令の問題につきまして、総理は野田委員の質問に対してこのように言っておられます。この問題は「常日ごろ検討しておかなければならぬことである、」ということが一つですね、それからもう一つは、「そういうようなことで、もう有事に際してあらゆる面で備えをあらかじめなしておくということは当然のことである」、こういうようなお考えを示しておられるわけであります。それに対しまして、今度は政府委員の方が具体的な回答をしておりますが、それに対してはいま勉強しているんだと、こういうことでございます。検討しておる。有事の場合のあらゆる備えをしっかりしておかなければいけないという総理の見解、それに対しまして勉強しておる。しかも、この次の方には、「防衛庁といたしましては現在国民が差し迫った危機感を持っておるわけではございませんので、防衛庁として静かにゆっくりと勉強していきたいと思います。もし、いざというときに防衛庁がよく勉強しておったと言われるだけの体制で勉強を進めていくつもりであります。」と、こういうことでございます。どうも言葉じりをとらえるわけじゃございませんけれども、この有事の法令はいざというときに役に立たなければいけない、そのための有事の法令で、もう世界じゅう、最近だんだんできてきた新しい国は別としまして、およそ国と言われる国で有事法令を持たない国なんというのはほかにないと思うわけであります。それに対しまして、言葉じりになるかもしれませんが、「いざというときに防衛庁がよく勉強しておったと言われるだけの体制で勉強を進めていく」と、これではちょっとピントが違っているのじゃないですか。私は、確かにいま防衛庁が言われるように、ここ一、二年のうちに危機が迫っておるということではないかもしれません。しかしこの問題は、この国会において国民との間において十分に論議を重ねて、そして熟成さした上で法律化を図っていく問題だと思います。したがいまして相当期間を要します。それを静かに勉強さえしておけばいいんだということでは何ともぐあいが悪いじゃないかと、こう思うわけですが、いかがでございますか。
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竹岡勝美#25
○政府委員(竹岡勝美君) 先般お答えしましたとおり、防衛庁としましては、これは有事のための存在でございますから、有事立法は、それだけの勉強をしておくことは当然の義務だと思います。いままでなぜやっていなかったかという疑問すら持っているわけでございますが、昨年三原長官の御指示もあり、金丸長官にかわりましてからも金丸長官から御指示があり、この有事法令というものは、非常に国民の人権その他に及ぼす影響も大きければ、あるいは他の官庁等の所管法令に及ぼす影響も大きいわけですから、われわれの一番の基本は、防衛庁長官の直接の指示のもとに内局が中心になりまして各幕と一体になって進めていこうと、このシビリアンコントロールを常に入れておくことが一番大事だと思っております。それでいま勉強を進めておるわけでございますけれども、御承知のとおり、現在の自衛隊法でも、百三条には、有事の場合におきます物資の収用なりあるいは施設の管理使用等相当、かなりのものがあります。あるいは公衆電気通信施設を優先的に使用を有事のときにはできるんだと、あるいは航空法の適用除外とか等々のいわゆる有事におきます措置のものが現在の自衛隊法には相当ございますけれども、さらに、これだけでは足りませんので、現在各幕と一緒になって項目を詰め勉強しているわけでございますが、ただし、いま申し上げましたとおり、各省庁の所管法令の関係が非常に多いわけです。また、現在やはり国民がいま差し迫った危機感があるわけではない、あんまり防衛庁が先走って危機感をあおることもいかがなものかという感じも一方では持っております。われわれといたしましては、有事になった場合には、当然諸官庁はもとより国民皆さんが積極的にわれわれを応援していただくであろうということを前提にしておりますので、まだ各省庁に働きかけて立法の法案をつくっていま直ちにそこまでの法案までつくっていく段階ではないんではないだろうか。しかし、いつでも間に合うように各省庁には、恐らく有事近くなれば、国民が危機感持つようになれば、各省庁もこぞって応援してくれるだろうと私は思います。恐らく一日、二日でも法律が上がるんじゃないかというぐらいの自信を持っておりますので、その場合にはこれに合わせまして、現時点では各省庁にどういう問題があるかわれわれ十分に勉強しておきまして、徐々に国民の意識に合わせましてやっていくべきであろうと思います。しかし、国民のためには、こういう有事立法が永遠に日の目を見ないと、その方がいいわけでございますけれども、防衛庁としましてはやはり積極的な勉強を進めていく、こういうことでございます。
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堀江正夫#26
○堀江正夫君 どうも若干見解が違うようでありまして、国民のために有事立法をつくっておかなければいけないんだろうと私は思いますね、これは、当然。これは国民の権利義務に関係するわけです、大きく。それだけではございません、もう国の安危に関するわけですから。自衛隊だったって有事法令なければ何にもなりません。そんなこといまさら言うまでもございません。私は、基本的にやはり慎重な配慮のもとでやられるということはもちろん大事でございますけれども、やはりこの問題は、なかったらおかしいんだと、おっしゃったとおりであります。そう気がついた以上は、また、やるというふうに総理も決心をされた、防衛庁長官も決心された以上は、一つの具体的な計画を持ってしっかりした体制のもとでやはり検討を進め、国民の前で国会に対して提示をしていただきながら、そして進めていくと、それで初めて私は国民の信頼感も得られるし、自衛官自体が、われわれが何のために毎日訓練をし精強化を目指しておるか、これについての裏づけもできてくると思うわけでございます。その辺、もうこれ以上時間ありませんから、もっといろいろ言いたいんですけれども、やめておきます。
 もう一つだけ、時間ありませんから、言わしていただきます。それは精強化にもつながる問題でありますが、自衛官の停年退職者が、従来もだんだん出てまいりましたが、今後非常なスピードでふえてくると。大体どのくらい、これから二、三年先の停年退職者、特に五十歳停年、これが出てくるのか、ひとつお知らせいただきたいと思います。
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金丸信#27
○国務大臣(金丸信君) 先ほどの有事立法の問題、まず私の考え方を申し上げたいと思うんですが、ただいま官房長から答弁したその趣旨はそのとおりだと思うんですが、いわゆる危機感をあおるというようなこともしてもならぬし、またどの国もそういうものはあると、こうおっしゃられるわけであります。日本にあることもしかるべきだと思うんですが、しかし国民の理解を得る、国会の理解を得るということは、自民党だけ理解を得ればいいということじゃない、各党の多くの理解を得るということについて考えなければならないという考え方で、慎重にやっておるということだけは御理解をいただきたいと思うわけであります。
 また、雇用問題でいわゆる退職者の問題は、これは防衛庁といたしましては一番の重要な問題であります。この問題につきましては、これに対する対策をどうしようかというようなことを考えておるわけでありますが、その詳細につきましては政府委員から答弁をさせます。
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渡邊伊助#28
○政府委員(渡邊伊助君) 先生御指摘のとおり、自衛官の停年で退職する者の数が近い将来急激にふえるという見込みでございまして、その状況を申し上げますと、現在の見積もりでございますが、現在大体三千五百名前後停年退職をいたしておりますけれども、これが五十八年度になりまして六千名を超える、それからピークになりますと、昭和六十年度でございますが、このときにちょうど約六千三百名ぐらいに達する見込みでございまして、これは三自衛隊合わせてでございますが、五十歳停年というふうに先生おっしゃいましたが、この数は五十三-五十八歳の停年者も入っておりますけれども、大部分は五十歳停年の者でございます。
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堀江正夫#29
○堀江正夫君 従来から、停年退職者だけじゃございません、任期制隊員の再就職の問題につきましても、防衛庁が大変な努力をしておられるのは私自身がよく知っておるわけです。しかし、もういまやその限界に達しているだろうと私は思いますね、いまのような方法では。そこで、新たな発想をしなきゃならない、こういう時期になっておる。その一つの発想がことしの予算で要求された就職援護の体制、外郭団体の組織化の問題だろうと思います。残念にもことしできませんでしたが、この問題は当然来年度以降、というよりも来年度こういう体制はまずしっかりしたものをつくっていただかなければいけない。しかもそのつくり方は、まずつくって、それからだんだん固めていくんじゃなくて、もう当面つくったらすぐ活躍してもらわなきゃいけないんですから、本当に初めから十分過ぎるぐらいのものをつくるような努力をしていただく必要が一つはあるのだろうと思います。
 それはそれにしまして、この五十歳停年、これが非常に急増するという問題と関連をして停年延長の問題、これも考えられておるやに聞いております。停年延長につきましてはもう十分防衛庁内でも検討されておるんだろうと思いますが、おのずから利害得失があるというふうに思うわけです。その辺が防衛庁でも非常な苦心の上で検討されておるんだろうと思いますが、もう一つ私は、年金問題につきまして基本的に防衛庁が真正面から取り組む時期になっておるんじゃないかと、こう思うわけでございます。と申しますのは、もちろん年金につきましては、共済年金、厚生年金それぞれの規定がございますし、給付の開始の年というものも決められておるわけであります。特に自衛官の入っております共済年金の場合は支給開始が五十五歳、ところが自衛官の場合はほとんどが五十歳で国の都合によって一方的にやめなきゃならない、五年間満額はもらえない、子供の教育に金がかかるからどうしてももらわなきゃならない、したがって二割減でもってもう初めから給付を受ける、ほとんどはこういうふうになっておるのは言うまでもないことでございますが、しかも、この共済組合年金は、開始年齢が厚生年金に対して早いとか、あるいは事務職が主体で過酷な労働条件がないとか、こういうようなことで特例がないわけですね。ところが、一方において厚生年金の場合は特例があることはもう御承知のとおりであります。たとえば、一般支給開始は六十歳になっている。ところが、坑内夫で一定年数を経過した者、これなんか五十五歳だと、女性も五十五歳だと、こういう特例でございます。病気の場合もちろんでございます。こういうようなことを考えますと、共済年金、確かにいままではそういう発想はなかった。けれども自衛官、これはもう五十歳の停年。停年延長いろいろ検討されて、やられるとしてもそう大きくできるはずはないと私は思っています。これはもう有事の場合の任務遂行を考えますとおのずから制限がございます。そうなりますと、やはりこの停年即年金支給開始といったような問題をここで改めて真剣に考えていただく必要があるんじゃないか、こう思うわけですが、その辺いかがでございますか。
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