公職選挙法改正に関する特別委員会

1982-04-16 参議院 全149発言

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会議録情報#0
昭和五十七年四月十六日(金曜日)
   午前十時四十六分開会
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   委員の異動
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     梶原  清君     中村 啓一君
     楠  正俊君     井上  孝君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     斎藤栄三郎君     関口 恵造君
     名尾 良孝君     井上  裕君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         上田  稔君
    理 事
                中西 一郎君
                降矢 敬義君
                村上 正邦君
                福間 知之君
                多田 省吾君
    委 員
                井上  孝君
                井上  裕君
                小澤 太郎君
                小林 国司君
                関口 恵造君
                田沢 智治君
                玉置 和郎君
                中村 啓一君
                鳩山威一郎君
                円山 雅也君
                宮之原貞光君
                大川 清幸君
                田代富士男君
                近藤 忠孝君
                栗林 卓司君
                前島英三郎君
   委員以外の議員
       発  議  者  金丸 三郎君
       発  議  者  松浦  功君
       発  議  者  古賀雷四郎君
       議     員  青島 幸男君
       議     員  中山 千夏君
   国務大臣
       法 務 大 臣  坂田 道太君
       自 治 大 臣  世耕 政隆君
   政府委員
       警察庁刑事局長  中平 和水君
       法務省刑事局長  前田  宏君
       法務省訟務局長  柳川 俊一君
       自治省行政局選
       挙部長      大林 勝臣君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高池 忠和君
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  本日の会議に付した案件
○公職選挙法の一部を改正する法律案(第九十五
 回国会金丸三郎君外四名発議)(継続案件)
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上田稔#1
○委員長(上田稔君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日、梶原清君及び楠正俊君が委員を辞任され、その補欠として中村啓一君及び井上孝君が選任されました。
 また、本日、斎藤栄三郎君及び名尾良孝君が委員を辞任され、その補欠として関口恵造君及び井上裕君が選任されました。
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上田稔#2
○委員長(上田稔君) 公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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宮之原貞光#3
○宮之原貞光君 日弁連の意見書発表を契機にいたしまして一段と違憲論争がにぎやかになっておるわけでございますが、護憲を党是といたしておりますところのわが党にとりましてはやはり看過できないところの問題でございますので、まずこの問題を中心にいたしまして、わが党の立場を明確にしながらお尋ねをいたしたいと存じます。
 その第一点は、一昨日の円山委員の質問にもありましたが、日弁連の意見書は、現行憲法は政党の規定がないから政党本位の選挙制度を採用することは違憲だという見解でございます。私どもはこの見解に同意するわけにはまいりません。確かに憲法には政党の規定はないわけでございますけれども、憲法第五章「内閣」の各条文からも明らかなように、統治機構の制度として議院内閣制を採用しておるということは、議院内閣制が国会と政府との党派的同質性を前提とするもので、憲法は明らかに政党政治を予期しておると受けとめるべきだと思います。また、それだからこそ国会法四十六条第一項、第二項、四十二条第三項が、委員の選任について会派を基礎として定めているということも、私どもはこれを裏づけているものだと思っているのであります。
 もしこれが日弁連のような立場であったとするならば、すでに国会法制定当時にこの議論がされなければならなかったはずなんです。でも当時は何らそういう議論はされない。このことは明らかに今日の憲法が、政党政治というものを期待する、言うならば議会制民主主義政治の基本だという立場を是認しておるという私どもは立場に立っておるわけでございます。こういうことを裏づけるのが、一昨日もありましたように、いわゆる四十五年六月二十四日の最高裁大法廷の判示だと思うのでございます。
 したがいまして、憲法が政党の存在を当然のこととして容認しておるということは明白でありますだけに、政党本位の選挙の導入ということは何ら憲法を否定しないという立場に立っておるものでございますが、この点改めて提案者側の御意向をお聞かせいただきたいと思います。
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金丸三郎#4
○委員以外の議員(金丸三郎君) 私も日弁連からお出しになりました意見書を拝見いたしたのでございますが、この一番末尾の方に、ただいまの御質問にございましたように、「政党本位の選挙制度は、」「憲法前文の基本精神と憲法の基本理念である民主主義を没却するものである。」という字句がございます。どうも日弁連の御趣旨はこれが大前提で、したがいまして個人本位の選挙制度を堅持しなければならない、これを目標として制度の改正は行われるべきであるという御趣旨のようでございまして、この点私どもと根本の考えを異にいたしております。
 先日の委員会におきまして円山委員の御質問に対してお答えを申し上げましたように、憲法の六十七条でございますとか六十八条、あるいはまた関連をいたします六十六条、六十九条等の規定から見ましても、明らかに私どもは議院内閣制を前提としており、与党と政府が等質性と申しましょうか、そういうようなことを前提にして国の政治が行われるという前提に立っておる。また、ただいま宮之原委員の御指摘にございましたように、国会法の規定も、国会の運営は政党、会派によって行われるということを前提にして規定されておりますので、この点は私どもも憲法が政党政治を前提とし、国会の運営が政党や会派によって行われることが前提にされておる、このように申してよろしいのではなかろうかと考えます。
 したがいまして、個人本位の選挙制度を政党本位の選挙制度に改めるということは憲法上何ら私どもは疑義がない、かように思っておる次第でございます。
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宮之原貞光#5
○宮之原貞光君 私どもはいま申し上げましたところの立場に立っておりますだけに、いわゆるいま議論をされておりますところの政党本位の選挙制度は、違憲云々というよりは、むしろその具体的内容が果たして選挙権、被選挙権を不当に侵害をして、憲法の許容するところの合理的な制約の枠を超えておるのかどうなのか、そこが一番やはり焦点でなければならないという考え方なのです。
 そこで、日弁連の意見書をたびたび引用して恐縮でございますが、日弁連の意見書を拝見をいたしますと、同じように十四条一項、四十四条に言う選挙権、被選挙権にかかわるところの条文は、明白な合理的理由のない限りこの権利は保障されなければならない、こういうまた主張でもあるのです。こういう点から見ますれば、私が前提に申し上げたところのものとこれは基本的に一致をする。ただしかしながら、そういう前提を踏まえながらも、その拘束名簿式比例代表制そのものが合理性があるのかないのか、そこのところについては何ら触れることなく、したがって違憲だ、こういう決めつけ方をしている。非常に私はここに論理の飛躍と申しますか、一方的な決めつけ方だという感を強くするわけでございますが、私どもは先ほど申し上げましたように、合理的な根拠であるかどうか、理解できるかどうかという立場に立つがゆえに、これはやはり合憲であるという立場をとっておるわけでございます。
 少なくともこの十四条あるいは四十四条を含めその他の条文の規定も、いわゆるいろいろな権利の問題にいたしましても、絶対不可侵の権利ということはこれはあり得ない。言うならば超国家的な権利なんてない。全体的なやはり枠組みの中のいろいろな権利の面も、合理的な明白な理由があるとするならばこれは一部の制限はやむを得ないものだ、こういう判断に立つべきだという理解をし、これらの問題に対するところのわが党の見解を大方まとめておるわけでございますが、そういう物の考え方に対して皆さんの方ではどういう考え方なのか、その点もひとつ聞かしてもらいたい。
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金丸三郎#6
○委員以外の議員(金丸三郎君) たびたびお答えを申し上げておりますように、全国区の制度の改正につきましては何らかの是正をしなければならないということが大方の意見の一致しておるところであると私どもは考えております。その焦点は、これも先般来申し上げておりますように、余りにも巨大な選挙人団を抱え、広大な選挙区域を擁する選挙区制度でございまして、それが個人本位の選挙によって行われることにいろいろな問題がございますから、個人本位の選挙制度を何らか政党本位なり、そのような制度に改めることによって除去することはできないか、私どもはその方法として政党本位の拘束式比例代表制という結論に達したわけでごがいます。そうして政党本位にいたしますことは、ただいまお答えを申し上げましたとおり私どもは憲法の是認するところである、かように考えております。
 したがいまして、憲法の是認する政党本位の選挙運動を行うことによりまして各種の弊害が除去できる、またりっぱな人物が得られるということでございますならば、むしろ私どもはきわめて合理的な改革と申すことができるのではなかろうか、かように考えるわけでございまして、したがいまして御指摘の十四条とか四十四条に関連いたします点は、合理的な理由があれば制限を受けることもやむを得ない、こういうような基本的な考え方をとっております。この点は恐らく宮之原委員のお考えと私どもの考えと軌を一にするのではなかろうかと、御質問を伺いながらさように感じた次第でございます。
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宮之原貞光#7
○宮之原貞光君 憲法の許容できる合理的な根拠、理由、これは憲法の条文から言えば確かに十三条ということがかかわりを持ってくるわけでございますが、率直に申し上げて、自民党の皆さんのおっしゃっておるところの合理的な理由というのが、安易に憲法十三条の公共の福祉論にだけ依拠される、またいまお話ありましたように今日の全国区制の問題点にだけ依拠されるというのでは、どうもこれは説得力が弱いのですよ。私どもの党のように、たとえば労働者の基本的な権利とか学問の自由の問題、あるいは集会、結社の自由、いろいろな問題で特に与党の皆さんと厳しく対決をしてきたところの党から見ますと、それだけで合理的な理由だと言われたのじゃ、今後ますます自民党が公共の福祉論を拡大するのではないか、御都合がいいように、こういうやはり危惧が率直に申し上げてあるのですよ、これはわが党内にも、また共通の認識として。それだけに一体、私はこの全国区制の今日の問題点だけを根拠にされているのじゃ少し説得力が弱いのじゃないだろうかと思うのですが、その点どうお考えになりますか。
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金丸三郎#8
○委員以外の議員(金丸三郎君) 全国区の改正につきましては、いろいろな立場からの考え方があるわけでございますけれども、繰り返しお答えを申し上げておりますように、有権者の立場、また候補者の立場、現在言われておりますいろいろな短所をひっくるめて考えまして、私どもはいろいろ途中で経緯はございましたけれども、拘束名簿式比例代表制をとりますことが最も妥当であろうというふうな結論になったわけでございます。その理由としましてはただいまも申し上げたとおりでございます。私どもは、問題を全国区の改正にしぼって考えますならば、現在言われておりますいろいろな弊害を除去いたしますのには拘束名簿式の改正が一番合理的であると。そういう点から、私どもは憲法にも抵触せず、あるいは憲法の許容する立法裁量の範囲内にある、かように考えておるわけでございます。
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宮之原貞光#9
○宮之原貞光君 わが党も拘束制が合憲であるという立場は皆さんと変わらない。ただいまも申し上げたように、その理由を、今日の全国区制の持っておるところの問題点、いま皆さんが提案理由にも言われたように、八千万の人々でどうだとか、非常に金がかかるとか、あるいは政党云々と、あるいは人材云々というのはわかりますけれども、実はわが党はこの問題について五つの角度から検討してみたのです。
 それは、わが国の政治の中で果たしているところの政党の役割りとその機能の評価という観点、第二点は参議院の特性とこの参議院制度の改革のかかわりはどうなのか、それからあなたの党のおっしゃるところの現行の全国区制の問題点、さらにまた、参議院の置かれておるところの現実を直視いたしますと、少数政党に対するところの配慮という観点、さらには国民と議員との結びつき、こういういろいろな角度から検討いたしまして、これはやはり憲法の許容できるところのいわゆる合理性のあるものだという判断をしておるのでございます。
 この問題につきましては、いま本改正法案にかかわりますところの社会党案の提出手続をとりつつあるわけでございますので、いずれはまた本委員会で議論をしていただこうと思っておりますが、私どもはそういう五つの観点から総合的にやはりこの点を判断して一つの結論を持っておるということだけは申し上げて、私はやはり与党の皆さんの中でもこの問題について、果たしてそれでいいかどうかということも御議論いただきたいと思うのでありますが、まずこの視点を踏まえて、一、二またお聞きしておきたいと思うのであります。
 いわゆるこの参議院のあり方と本改正法案にかかわりますところの問題なんです。私は、一部にありますところの参議院は政党化すべきでない、むしろ政党色をなくすべきであるという主張にはくみするわけにはまいらないのです。特に、みずからは特定の政党に入って活動されておって、参議院の政党化はまずいと、こう言われるところの方々がいらっしゃるわけなんですけれども、これはどうしても私ども政党に所属しておる者としては理解できない、これは自己矛盾じゃないだろうかとさえ思うのですよ。ですから、私どもはここのところをやはりきちんとまず押えておかなければならないと思うのです。確かに一昨日の御質問から感じられましたですけれども、まだ政党に属しておる方であの緑風会に対するところのノスタルジアを持っておる方もいらっしゃるようでございますけれども、今日やはり政党政治として現実にあるんですから、そこのところをやはり認識して、言われておるところの参議院の特性、そこのところをどう対応していくかという立場に立ってこの問題を私は処すべきだと思う。
 そういう立場から、それならば現在の参議院のあり方というものが本当に好ましいものなのかどうか、衆議院のチェック機能としての役割り、言われておるところの良識の府としての参議院の存在価値というものが現在きちんとできておるのかどうか、こういう点を踏まえますと、率直に申し上げてこれはやはりそうだとは言い切れません。たくさんの私は問題点を持っていると思うのであります。また、いろいろなマスコミ関係も報道しておりますように、衆議院のコピー化ではないかというような指摘、あるいは先日のある新聞に世論調査の結果を発表しておりましたけれども、国民の参議院に対するところの関心度の低さ、こういうようなことを考えますと、お互いどこに身を置こうとも、この参議院の機能と権威を高めるためにはどうお互いがするかということは、私はやはりお互いが共通の課題として精力的に取り組まなければならない問題だと思うのです。
 したがいまして、この課題と参議院の政党化の現実、政党の果たしているところの役割り、この二つは私はこれは相矛盾するものじゃないと思う、二者択一のものじゃないと思う。むしろ、やはり今日の政党政治の現実、役割りということを重視しながら、また参議院の特性に応じたところの機能をどう発揮するかという、ここのところをやはり同時に私はやっていくところの課題をお互い参議院は課せられておると思うのです。そういう点では、まさに車の両輪と申し上げていいのじゃないでしょうか。それを短絡的に、政党化しておるから二院制がどうされておるんだというふうに結びつけるのには私は疑問がある。
 そういう立場から言いますと、言われておりますところのいわゆる参議院の機能云々の問題については、もっともっと各党積極的に私は対応すべきじゃないかと思うのです。ところが、そういう点から見ました場合に、残念ながら与党の皆さんは、果たしてどの程度この参議院の機構改革、機能改革という問題について積極的に取り組んでおられるのだろうかどうだろうかと、若干やはり皆さん方の積極性について疑問に思わざるを得ないのです、端的に申し上げますけれども。
 たとえば、議長のもとに参議院の改革協議会というものがあります。その対応の仕方もそうじゃありませんか。せっかく遠藤小委員会で結論を出した。いわゆる常任委員会の持ち方もこう変えようじゃないか、参議院独自のものとして調査会というのも置こうじゃないかと、合意をして各党に持ち帰った。ところが、肝心かなめの与党の皆さんが、これはどういう経過か知りませんけれども、新聞によりますと衆議院の一喝を食うてそれが取りやめになったと報じられておるんです。私はこれではどうかと思うのです。それはお互いに参議院にやっぱり身を置く者としては、いかにして参議院の機能を回復するかということについては、衆議院がどう言おうともこれが正しいのだ、でなければ二院としての性格をきちんと果たすことができないのだという立場に立つとするならば、主導権を持っておるところの与党の皆さんは、この問題にはもっともっと積極的に対応してしかるべきじゃないだろうかと思うのです。
 私は、そういう意味におきましては、参議院制度の改革もこれはやらなければならぬ、選挙制度の改革もやらなければならぬ、同時にこれも。これは落とすわけにはまいらない、両方はまさに車の両輪なんだから。言うならば、委員会においてこの選挙制度の問題をやると同時に、並行してこの制度の機構改革の問題についても積極的に私は与党の皆さんとしてもやってもらわなければ困るし、やるべきだと思うのです。そういうことでなければ国民は納得のある理解ができませんよ。その点皆さんはどうお考えになりますか。
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金丸三郎#10
○委員以外の議員(金丸三郎君) 御質問の御趣旨は率直に申し上げまして私も同感でございます。やはり参議院の独自性を確保いたしますのに、一面からは選挙制度の改革があり、一面からは参議院における諸種の改革の問題があることは御指摘のとおりでございますし、私も本会議やこの委員会におきましても述べたとおりでございます。一方におきましてこの参議院の選挙制度の改革を目指します以上、一面におきましては参議院のいろいろな委員会その他の改正が行われて、参議院の機能が発揮できますようにいたしますことが、おっしゃいますように国民の納得を得られるゆえんであり、私どももぜひともこれが並行して達成されなければならない、かように考えております。
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宮之原貞光#11
○宮之原貞光君 ぜひとも御答弁のように積極的にやって、そのあかしを立ててもらいたいと思うのですよ。でありませんと、よく言われておるように、この法案は党利党略じゃないかとやはり言われちゃうのです。御承知のようにわが党の中でもさまざまな議論がありますけれども、一つの問題点は、改革もあれは必要だ、制度としてあれでよろしい、しかしながら同時に参議院の機構改革を積極的にやって、権威を高める、機能を回復する、この二つがともどもにやられてこそ国民に理解ができるのじゃないだろうか。こういう意見がやはり相当強いし、私どももそうだと思うだけに、きょうの答弁でそれを終わらせることなく、与党の皆さんも私はいまの問題もこれ同様にひとつ熱意を込めてやっていただきたいと思うのです。
 御承知のように、あの第六次選挙制度審議会の議事録を拝見したり、あるいはこの中間答申を拝見いたしますと、このことも大分議論をされております。いわゆる五点ほど具体的に提起をされておるのであります。たとえば、参議院の委員会を省別に設けることなく事項別に設けたらどうか、いま遠藤小委員会で議論したような問題ですね。あるいは参議院の先議の案件をふやしたらどうだろうか、人事案件等国会の承認事項について参議院に優先権を与えるようにしたらどうかとか、ひとつ参議院から大臣、政務次官を出さないようにしたらどうかとか、あるいは党議の拘束を緩和するようにしたらどうかとか、五点にわたりますところの具体的な問題が出ておるんです。
 私は、やはりこれらの問題については、もっと私ども謙虚に受けとめて、党派を超えてひとつ議論する必要があると思うのです。恐らくこう申しますと、与党の皆さんは大臣やあるいは政務次官を除かれたら困ると、そのお気持ちはわからぬでもありませんよ。しかしながら、やはり参議院としての特性、そういうようなものを発揮して国民の負託にこたえようという立場に立つならば、この問題についても私は積極的にひとつ検討していただきまして、先ほどの答弁のようにぜひともひとつ積極的な姿勢を示していただきたいと、こういうことを重ねて御要請を申し上げておきたいと思います。
 次は、憲法四十三条にかかわるところの問題でございます。すなわち、「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」という問題とかかわるところの問題でございますが、この問題についての御答弁は、名簿登載者はあらかじめ選挙公報なりラジオ、テレビ、さらには新聞等で国民に知らされておる、投票するときだけその人の所属の政党名を書くわけだから、この名簿登載方式も直接投票の選挙の一方法だ、憲法上は疑念ないという御見解のようでございます。私も憲法上は先ほど申し上げたように疑念はないと思うのでありますが、ただ果たしてこれだけでいいのかどうかということについては、わが党としては非常に問題だと考えておるのであります。なぜかと申しますと、長年国民は個人選挙、個人名記入になじんできておるという、わが国選挙の歴史的経過というものを踏まえますなれば、憲法論議は別にいたしましても、違憲でないにしても、もっともっと積極的にこの名簿登載者と国民と直接触れ合うことのできるところの方法というものをこの中で考えていいのじゃないかと思うのです。
 私は、その点一昨日の円山委員の御意見の中に、たとえば現行の全国区選挙運動の中であるタレント候補が、自分の政策なり自分の氏名を明らかにするよりも、自分の担当しておるところのテレビ番組の番号だけを言って走っておられたと、こういうことを体験談としてお聞きをいたしたわけでございますが、いま自民党案のように、おたくの案のように、名簿登載者はテレビとかラジオからしか国民に接することができない、選挙公報でしか。そういうことになりますと、さっきのテレビのチャンネルの番号ではございませんけれども、今度はその人の政策やいろいろな個人の人柄をにじみ出すというよりは、政党名だけ連呼して歩くというかっこうに相なりはしないか、そのことを危惧するのです。
 そういうことになりますと、テレビの番組が、チャンネルが政党名に変わったにしかすぎなくなりはせぬか。長年国民は個人選挙になじんできておるんですから、一体こういう案ではどうだろうかということを私ども率直に言って考えざるを得ない。政党選挙であるという枠の中でも、もっともっと名簿登載者本人が直接国民の皆さんと触れ合って、それで国民はその人を通じてその人柄なり政見なりを知り、書くときにはその人の所属をするところの政党だという、選挙運動の全面禁止ではなくして、もっともっとこの選挙運動の枠をいま皆さんの案よりは、禁止しているのを緩めていく、拡大をしていく、こういう方法というものを考えていただいてはどうだろうか。実はわが党はそういう立場に立ちまして改正案の中に具体的に一つ入れてあるわけです。
 御承知のように、今日の全国区は政連車——選対車三とか、あるいはポスター十二万枚とかはがき十五万枚、いろいろこうありますね。私はそれを許容できる限り緩めて、そういうことを通じて名簿に登載をされておりますところの登載者と国民の皆さんと一人一人結びつけていく。そうしませんと、少なくとも参議院の選出をされるところの百名の比例代表の選挙区の皆さんはますます国民と遊離しちゃう。さきの世論調査ではございませんけれども、国民の参議院への関心がさらに薄まりはせぬかということを私は心配します。
 そういう意味合いから、私どもは私どもの党の中の案として具体的な提示をしておるわけでございますが、いずれ議論をしてもらわなければならぬと思いますけれども、物の考え方としては、そこまで皆さん一歩やっぱり踏み切って、あるいはそういう意見に対しては謙虚に耳を傾けて、検討するにやぶさかでないぐらいの態度があっていいのではないだろうかと思うのでありますけれども、この点について御見解をお聞かせいただきたいと思います。
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金丸三郎#12
○委員以外の議員(金丸三郎君) 私どもが個人本位の選挙制度を改めまして政党本位の選挙制度にいたそうといたします理由ないし目的はるる申し上げたとおりでございます。
 御指摘の、わが国では何と申しましても個人名を書くという選挙制度になじんでまいっておりますから、国民のサイドからいたしますというと御指摘のような点は確かにあろうと思います。本来の個人本位の選挙制度の弊害を除去しつつ、いかにして国民とのつながりを持てるようにするかという点は大変御示唆に富んだ御意見かと思います。私どもも十分にその点は検討させていただきたいと思います。
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宮之原貞光#13
○宮之原貞光君 ぜひ私はその点は検討していただきたいと思いますが、率直に申し上げて、与党の皆さんの中はどうかしれませんけれども、私の党を含めて議員仲間にもやはりその批判はあるんですよ、特に地方区の皆さんからは。自分は汗水たらして選挙をやる、泥まみれでやっている、何だと、この名簿に登載さえされれば、まあ温泉とはいいませんけれどもじっとしておって、そして自分たちの上に乗っかって当選をする、それで当選後は同格とはいかがなものだろうかという、こういうやっぱり気持ちも潜在的に私はないと言えないと思うのです、これは議員心理として。先ほど私は国民の立場からのいろいろな問題を申し上げましたけれども、これは全体の党あるいはそれぞれの政党、参議院全体ということを考えましても、やはりその問題については私はぜひともひとつ前向きの御検討を煩わしていただきたいということをこの機会に申し上げておきたいと思うのです。
 次に、時間の制約もありますので先を急ぎますけれども、憲法にかかわりますところのやはり重要な問題は、ちょっと先ほども触れましたところの選挙権、被選挙権とのかかわりにありますところの十四条一項、四十四条あるいは十五条一項の問題だと思うのです。この点につきまして日弁連の意見書は、改正法案の立候補制限は、「国民が一定の政党等の団体に帰属するか、或いはその推薦支持を受けるのでなければ立候補できないとするもの」である。「これは、国民が政党等の一定の団体に帰属しているか否かという、社会的身分ないしは政治的理由によって国民を差別し、平等であるべき国民固有の被選挙権を奪うもので」、憲法四条第一項、四十四条の「各規定に違反する。」と主張し、同時にまた政党等の団体に対する投票の強制ともなるので、「国民の個人たる公務員を自由に選挙する権利を遮断し、憲法第一五条に違反する」と、こう述べておるのでありますが、これに対しますところの提案者側の御所見をまず承りたいと思います。
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金丸三郎#14
○委員以外の議員(金丸三郎君) 私どもはこの点も再々お答えを申し上げておる点でございますが、個人本位の選挙制度を政党本位の選挙制度に改めるというのが眼目でございます。そういたしますと、やはり政党というものが前提になりますので、法律上一定の政党の定義と申しましょうか、要件と申しましょうかが必要になってくるわけでございまして、私どもの考えとしては御提案を申し上げておるような政党の要件というものを規定いたしたわけでございます。
 憲法が政党を容認するものでございますならば、その政党によっていわば推薦される候補者を目当てに投票が行われるようにすることは、これは十分に合理的な理由があることであり、政党の要件に合致しない政治的な団体は候補者をいわば推薦できないと、こういうことになるのもやむを得ないのではなかろうか。また、政党本位の選挙制度ということは、個人本位の選挙制度と相入れないわけでございますので、個人の立候補が認められなくなってまいりますこともこれもやむを得ないことであろう、私どもはかように考えておるわけでございます。
 個人本位の選挙制度を認めますというと、政党の要件の意味がなくなってまいります。五人でも三人でも二人でも、あるいは一人でも政党と言えやしないかということにもなってまいりましょうし、選挙運動の面におきましても非常に混乱すると申しましょうか、複雑になってまいりますので、政党の要件いかんについては御論議がございましょうけれども、私どもは一定の要件を持ったものを政党として法律上認め、その政党に限って全国区について選挙運動ができるようにすることはやむを得ないものであって、これは憲法の認める国会の立法権の裁量の範囲内と考えてよろしいのじゃなかろうか、かように考えておる次第でございます。
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宮之原貞光#15
○宮之原貞光君 この問題と関連をいたしまして、一昨日の質問にもあったのでございますけれども、四十三年十二月四日のいわゆる北海道の三井美唄労組の公選法違反事件にかかわる最高裁の判示、この判示はいろいろな意見があるわけでございますけれども、わが党としては、この判示なるものは、憲法の第十五条第一項は立候補の自由について間接的に規定をしておるんだという理解に立っておる、直接的な規定じゃないと感じている、したがってそれ以上のものでもなければ以下のものでもない。いわゆる被選挙権については第四十四条の規定が直接適用されるべきだという立場をとっておるのでありますが、提案者側はどういう見解ですか、お聞かせを願っておきたいと思います。
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金丸三郎#16
○委員以外の議員(金丸三郎君) 御指摘のように考えております。十五条第一項は間接的な表現と申しましょうか、立候補の自由を認める規定というふうに解するというのが通説であろうと思っております。四十四条につきましては、先般もお答えを申し上げたとおりでございまして、これは全く法律によって被選挙の資格が与えられると、このように考えております。
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宮之原貞光#17
○宮之原貞光君 やはりこれらの問題と関連をいたしまして、選挙権、被選挙権という、お互いが安易に使っておるところの言葉と、憲法に言う関連用語とのかかわりの問題はやはりきちんとしておくべきじゃないかと私は思うわけです。一体、憲法が明確に選挙権という言葉を使っておるのか、被選挙権という言葉をどこに明確にしておるのか、そこらあたりもお伺いをいたしたいのでございますが、私は選挙権は、すべての国民が人なるがゆえに当然有するところの基本的人権、超国家的な人権ではなく、国家の機関としての選挙人団の構成員たる地位と資格を有する国民に与えるところの権利、いわゆる国法上の基本的権利であるというふうに理解をし、いかなる範囲の国民にその選挙人たる地位と資格を与えるかということは法律によって決められるものだという理解に立っておるんです。
 それだからこそ憲法が選挙権という文字を用いることなく選挙人の資格はと、こういう用語を使っておるという理解に立っておる。被選挙権の問題にしても同じような立場でございまして、いわゆる被選挙権はという文字は憲法は用いないで、議員の資格はという言葉でこれを表現しているところの意味合いもそういうものだという理解に立っておるのでございますけれども、いわゆるこの選挙権、被選挙権の問題と憲法上との用語の関連については皆さんはどう理解をされて使われていらっしゃるのですか。どうも一昨日の答弁を聞いておりますと、しきりに選挙権、被選挙権、憲法はどうだと、こうおっしゃっておられるようでございますが、そこらあたりひとつ明確にお聞かせを願いたいと思います。
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金丸三郎#18
○委員以外の議員(金丸三郎君) 結論的に申しますと、宮之原委員の御意見と全く私どもは同様に考えております。俗に被選挙権とか選挙権とか申しますので、あるいはそのような用語を私は使ったかもわかりませんが、選挙権、被選挙権というのは選挙する資格、選挙される資格だということは、私は日本でも数十年来の憲法学者や行政法学者の間における通説であると思っております。したがいまして、四十四条も非常に留意して議員の資格、選挙人の資格、こういうふうに書いてあるのであろうと考えております。選挙の資格も被選挙の資格も四十四条の規定によって法律で定めるものであり、それに対する制約がただし書にございましたり、また十五条の第三項でございますとか第四項でございますとか、選挙に関する非常に普遍的な重要な事項が憲法で規定されておりますけれども、被選挙資格、選挙の資格については全く御説のとおりでございます。
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宮之原貞光#19
○宮之原貞光君 私は十四条、四十四条、十五条とのかかわりの問題でお尋ねをいたしてきたのですが、どうもこの十四条、十五条の解釈の問題にしてもぴしっと理解できるようなものが感じられないんですね。うちでもいろいろ議論をしました。政党本位の選挙を認められておるのだから十四条、四十四条の一定の制限はやむを得ないというそのことよりも、一体十五条第一項の趣旨をどう解釈をするのか、三項をどうお互いは解釈するかということも私はきちんとしておくべきだと思うのです。
 そこのところをぼんやりとした形で包括的に皆さん答弁をされておるから、なお私はその点が不明確になるのじゃないだろうかと思いますけれども、たとえば十五条三項の問題にいたしましても、あなたの方ではこれが選挙権にかかわるところの普通選挙と書いてあるのだからこうだとおっしゃいますけれども、私どもはこの十五条三項なるものはいわゆる被選挙権ではなく選挙権について——かつていわゆる普通選挙が実施される前に、いろいろな経済的な理由で制限をしておったことがありますね。むしろそういう歴史的な経過を踏まえて、経済的理由による制限は認めないという選挙だ、言うならば普通選挙というのはそういう意味なんだ、こういうふうに私どもは理解をしておるんです、この第三項を。けれども皆さんはあたかもここに根拠があるみたいに解釈をされておる。あるいはこの十五条一項の問題に対しても、私どもは、すべての公務員の選定及び罷免は、直接または間接に主権者たる国民の意思に依存するようにその手続を定められなくてはならない、こういう趣旨なんだというふうに理解しているのですよ、私どもの理解は。
 そういう理解に立ち、ここをこういうふうに解釈しておるだけに、いわゆる選挙権、被選挙権の問題あるいは四十四条の制限の合理的な理由とのかかわりの中でもまさにこれは合理性があるという立場に立っておるんですけれどもね。(「憲法変えなくちゃならぬ」と呼ぶ者あり)いま憲法変えなくちゃならぬという不規則発言もありましたけれども、毛頭そう思っていない。これは大体憲法学者の言われておるところの通説ですよ。それだけにこれらの問題についてもっともっとやはり明確にお互い議論の中でして、意思統一をしておくというところの私は問題だと思っておるのですが、その点はいかがなんですか。
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金丸三郎#20
○委員以外の議員(金丸三郎君) 大変申しわけございませんが、御質問の趣旨がよくわかりかねますので、的確なお答えになるかわかりませんけれども、私は憲法の改正が必要とかそういうことは毛頭申したつもりはございません。選挙人の資格、いわゆる選挙権については四十四条が基本規定である、これはもう御説のとおりでございます。まあ十五条の三項、四項は関連をしてこの規定があると。そのような歴史的な経緯があることも御指摘のとおりでございましょうが、ここに書かれたことはまた普通選挙が保障されるということで意味のあることではなかろうか、私はかように考えます。まあ十五条の第一項の解釈も仰せのとおりでございます。私も全くそのように考えております。
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宮之原貞光#21
○宮之原貞光君 いわゆる被選挙権ですね、これは四十四条が根拠にあるということはだれしもが異論のないところだと思います。これも憲法を変えなくてはならぬ解釈だと理解するのは私はいかがかと思いますよ、そういう方はいらっしゃらぬと思いますけれども。これはやっぱり直接規定しているのはここであることはこれは明白なんです。ただ関連をして、やはり普通世の中に選挙権と言われているところのこの十五条一項の物の解釈というのも、きちんとしておかなければ混乱を私は起こすのじゃないだろうかと思いますだけに私どもの解釈を申し上げたんで、まあ一応その点については皆さんもひとつ検討してみていただきたいと思うのです。
 時間がありませんので、最後に自治大臣いらっしゃいますから自治大臣に一つだけお聞きをしていきたいと思うのです。
 それは一票の重みにかかわりますところの地方区の定数是正の問題なんです。これまた世の中では、この法案の全国区の問題もさることながら、いま不平等にあるところの地方区の定数改正が先じゃないか、こういう意見がある。私どもはどちらが先でなければならないということは考えておりませんが、いずれにしても全国区の問題だけやってこの問題を置き去りにするわけにはまいらないと思っております。それぐらいにやはりこの問題は重要な問題だという認識に立っているのです。
 昨年、まあ十月二十二日の札幌地裁の判決は、一票の重みに対しまして、約一対三の格差は憲法の要求するこの選挙制度の平等のもうぎりぎりのところだと、だからこういうような状況はこれに反するぞと、こういう判断を示しておるわけでございますが、この事例は、五十一年四月の最高裁判所大法廷の格差が一対五にまでなっているのは違憲だという判断を示したことを契機にいたしまして、一対三−五とか一対二とかいろいろこう出ておりますね。いずれにいたしましてもこの定数是正の問題というのは、衆議院もさることながら参議院にとっても看過できない重要な問題だと思うのです。私はやはりこの問題は、少なくとも立法府にそれは立法府のものですと、こう言うのではなくして、行政府として、これだけやはり裁判所の判例が出ておるわけですから、積極的にやはり対応をすべきだと思うのです。
 先般の臨時国会で前のお方にお尋ねしたのですけれども、何だかそれは皆さんよく相談をしてと、こうおっしゃるのですけれども、大体あれでしょう、公選法の改正というのは三木内閣まではほとんど政府が出しておったのですよ。例の衆議院の定数改正の問題と政治資金規正法という相当大きな問題になったところの問題は当時の政府が出しているんでしょう。ところが、あれ以降見てみると、どうも皆さんは後ろに隠れて与党に出せい出せいというかっこうばかりやっておる。一体、私はこれは行政府としては怠慢だと思うのですよ。これだけいろいろな司法当局が判断を示しておるところの、世論になっておるところの問題、これに対してそれは議員の皆さんのルールでございますからなんてしゃあしゃあと言っていていいのかどうか。どういうことを契機にしてあの三木内閣までの姿勢から一変したのかわかりませんけれどもね。
 私は、この問題は少なくともこの行政府が、あれだけ裁判所で判断を示されておるんですから、積極的に手がけるべきだと思うのです。少なくともこの問題については、たとえば逆転区と言われておるところの問題、ここらあたりは増員をして出したらいかがですか。そうすればそれは国民の皆さんも納得します。どうも私、腑に落ちないのは、衆議院の皆さんが言われると都合よければ四百何十名を五百何十名にもして、参議院の方だけ一つの枠でなければならぬという論議は納得できない。それができないからいつまでも出さぬのだということではこれは納得できませんよ。最低やはり逆転区域だけは増員をしてでも出そう、検討してみよう、こういう意欲的な姿勢は大臣ございませんか。これは私はよけいなことかもしれませんけれども、大臣は一期一つ大きな仕事ぐらいはされたらいかがでしょうか。もう大体ルールは決まっているわけですから、私は世耕自治大臣の時に、これはおれが発議してさせたのだと、これぐらいやはり一つ歴史に残るようなことを私は世耕大臣ならやっていただけると思うのですけれども。いかがでしょう、思い切って。
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世耕政隆#22
○国務大臣(世耕政隆君) まず参議院の地方区の方に関連したことを申し上げ、定数是正のことについて申し上げますが、この問題は逆転現象とか何かいろいろあるわけでございますが、一番基本になっているのは地方区の総定数をどうするかという問題、それから地方区が持っている、一面的ではありますが地域代表的な性格、これをどういうふうにしていくか、それからもう一つ半数改選制といった衆議院にない特別な事情、これは全部偶数になっておりまして、二、四、六、八、こういう形になっておる。これを仮に奇数になるとどういうふうになるか、奇数の数が出てきたときにつまり半数改選制をどういうふうに扱うか、あるときには二であるときには一になる、そういう大変いろいろな基本的な事情がありまして、これがいろいろ参議院の地方区の場合は各党そのよって立つ基盤が違うところからまあなかなか進まない、これが実情であろうと思います。
 こういう基本的な問題を十分考慮しながら、やはり定数是正問題は立法府の構成に関する問題でありますから、立法府みずからの手で処理することがやはり適切なのではないか、われわれはそれを推進していくのにやぶさかではございませんが、本来はそこのところに一番基本があると思うのでございます。衆議院の方は時折この是正は各党間のいろいろな論議を尽くされた上で行われてきたところでございますが、やはりこうしたことでは政府も各党の意見を聞きながら検討を加えていって、よりよき方向にこれをまとめていけたならばと、こういうふうな考え方に立っておるものでございます。
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宮之原貞光#23
○宮之原貞光君 それは立法府の問題だと逃げないで、これは行政府で積極的にやられたらどうですか。ただその前提に立つ、うちでやるんだという前提に立って各党の意見を聞くというのなら、積極的に各党に、自治省、選挙関係者を囲んで、各党の意見をお聞きになっていいのじゃないでしょうか。それをしんどくなるとみんな立法府の皆さんだと、こうやったって、これは十年たっても二十年たってもできませんよ、率直に申し上げますけれども。それこそ行政府の、政党政治なんですから、イニシアじゃありませんか。それをやれと言いますと、いまの枠の中でやれといったって。これじゃ合意いつまでたってもできっこないんだから。
 それはあなたのおっしゃったように奇数にはなりませんよ、どんな計算してみたって。それは三年ごとに一名ずつ最低ふやす、あるいは二名ずつふやすというやつですから、いまの四、六、八、こういうものの数はそのままやっぱりいくんですよ。ですからその点を考慮して、時間もありませんので多くは申し上げませんけれども、少し前向きに努力するぐらいの決意表明があっていかがなものですかね。
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世耕政隆#24
○国務大臣(世耕政隆君) おっしゃることはよく理解できますし、われわれも決して消極的ではないのでございますが、大体公職選挙法自体が元来議員提案でできた性格の法律でございまして、やはりわれわれもその沿革をたどっていくと、やはり立法府がこれを積極的に旗振って一番先頭に立ってやるというよりも、立法府も積極的な姿勢を示しながら、われわれ政府の方もそれに応じて積極的な姿勢を示す——いやいや、政府の方が旗を振って積極的に先頭切ってやっていくよりは、やはり立法府が主体になって積極的に取り組んで、それに対して政府が積極的にそれを支えながら進めていく、これが本来のあり方ではないかと思うのでございます。
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宮之原貞光#25
○宮之原貞光君 もう時間もありませんからやめます。
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上田稔#26
○委員長(上田稔君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     —————・—————
   午後一時一分開会
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上田稔#27
○委員長(上田稔君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、公職選挙法の一部を改正する法律案を議題とし質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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大川清幸#28
○大川清幸君 私は、議題となっております法案に関連して質問を進めるわけでございますが、本日のところは本法律案に関する選挙制度改正のあり方、手続それから参議院の存在理由、機能、役割り分担、こういうようなことについて主にお伺いをいたしたいと思っておりますが、初めに議事進行上お願いをかねて委員長さんの御所見も伺っておきたいと思うわけでございます。
 御承知のとおり、この選挙制度の改正というのは議会制民主主義の根幹にかかわる問題でもございますし、また各政党会派の消長を決定する重要な問題でもございます。こういう問題にかんがみまして、本来、第三者機関に答申を求めて、それらの手続を経て政党各会派の間の合意を取りつけ、しかる後改正が行われるというような手順を踏むべきであったろうと思うわけです。そういう点から考えても、今回は自民党さんの単独提案というような、従来の手続から考えるとかなり短兵急と言うか、異常と言っては過言かもしれませんが、そういう形で本法案が提案をされているわけでございまして、願わくば広く国民の意見を聞くという形をとっていただきたい。これが最も望ましいことだと思うわけで、拙速はこれは避けていただく方が賢明ではなかろうか、こう考えるわけでございます。
 したがいまして、参議院の良識の上からも、また委員長さんの御見識の上からも、強行採決あるいは中間報告等、こういうような議会制民主主義のルールに反するような手段はおとりにならないだろうと期待をいたしておりますが、この辺に関する御所見を伺っておきたいと思います。
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上田稔#29
○委員長(上田稔君) ただいま公聴会等で意見を聞くかというお話でございますが、これにつきましては理事会においてお諮りをいたしておりまして、その結論を待っておるところでございます。
 大川委員の御所見は承りました。
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