大蔵委員会

1983-04-26 衆議院 全313発言

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会議録情報#0
昭和五十八年四月二十六日(火曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 森  美秀君
   理事 越智 伊平君 理事 大原 一三君
   理事 中西 啓介君 理事 中村正三郎君
   理事 伊藤  茂君 理事 野口 幸一君
   理事 鳥居 一雄君 理事 米沢  隆君
      麻生 太郎君    今枝 敬雄君
      狩野 明男君    木村武千代君
      熊川 次男君    小泉純一郎君
      椎名 素夫君    白川 勝彦君
      谷  洋一君    平泉  渉君
      平沼 赳夫君    藤井 勝志君
      毛利 松平君    森  喜朗君
      森田  一君    柳沢 伯夫君
      山崎武三郎君    与謝野 馨君
      阿部 助哉君    上田 卓三君
      塚田 庄平君    戸田 菊雄君
      堀  昌雄君    武藤 山治君
      柴田  弘君    正木 良明君
      玉置 一弥君    正森 成二君
      蓑輪 幸代君    小杉  隆君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  中曽根康弘君
        大 蔵 大 臣 竹下  登君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      塩崎  潤君
 出席政府委員
        防衛庁参事官  西廣 整輝君
        防衛庁防衛局長 夏目 晴雄君
        経済企画庁調整
        局審議官    横溝 雅夫君
        経済企画庁総合
        計画局審議官  及川 昭伍君
        外務省経済局次
        長       妹尾 正毅君
        大蔵政務次官  塚原 俊平君
        大蔵大臣官房審
        議官      岩崎  隆君
        大蔵省主計局長 山口 光秀君
        大蔵省主計局次
        長       窪田  弘君
        大蔵省主計局次
        長       宍倉 宗夫君
        大蔵省主税局長 梅澤 節男君
        大蔵省銀行局長 宮本 保孝君
        大蔵省国際金融
        局長      大場 智満君
        国税庁次長   酒井 健三君
        通商産業大臣官
        房審議官    斎藤 成雄君
        資源エネルギー
        庁次長     川崎  弘君
        資源エネルギー
        庁公益事業部長 小川 邦夫君
        郵政省貯金局長 鴨 光一郎君
 委員外の出席者
        経済企画庁調整
        局財政金融課長 宮島 壯太君
        経済企画庁調査
        局審議官    海野 恒男君
        日本電信電話公
        社総裁     真藤  恒君
        日本電信電話公
        社経理局長   岩下  健君
        参  考  人
        (税制調査会会
        長)      小倉 武一君
        参  考  人
       (日本銀行総裁) 前川 春雄君
        大蔵委員会調査
        室長      大内  宏君
    ─────────────
委員の異動
四月二十六日
 辞任         補欠選任
  粕谷  茂君     毛利 松平君
  笹山 登生君     谷  洋一君
  塩川正十郎君     狩野 明男君
同日
 辞任         補欠選任
  狩野 明男君     塩川正十郎君
  谷  洋一君     笹山 登生君
  毛利 松平君     粕谷  茂君
    ─────────────
四月二十日
 貸金業の規制等に関する法律案(第九十六回国会衆法第三一号)(参議院送付)
 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律案(第九十六回国会衆法第三二号)(参議院送付)
同月十五日
 納税者の記帳義務法制化反対等に関する請願(池端清一君紹介)(第二三三七号)
 同(伊賀定盛君紹介)(第二三六三号)
 同外一件(山本幸一君紹介)(第二三六四号)
 同(塚田庄平君紹介)(第二四七九号)
 税制改革に関する請願(阿部未喜男君紹介)(第二三三八号)
 同(池端清一君紹介)(第二三三九号)
 同(菅直人君紹介)(第二三四〇号)
 同(小杉隆君紹介)(第二三四一号)
 同(中馬弘毅君紹介)(第二三四二号)
 同(依田実君紹介)(第二三四三号)
 同(米田東吾君紹介)(第二三四四号)
 同(渡部行雄君紹介)(第二三四五号)
 同(伊賀定盛君紹介)(第二三六五号)
 同外一件(井岡大治君紹介)(第二三六六号)
 同外一件(勝間田清一君紹介)(第二三六七号)
 同(木島喜兵衞君紹介)(第二三六八号)
 同外一件(久保等君紹介)(第二三六九号)
 同(山田耻目君紹介)(第二三七〇号)
 同(石橋政嗣君紹介)(第二四八〇号)
 同外一件(上原康助君紹介)(第二四八一号)
 同外五件(川俣健二郎君紹介)(第二四八二号)
 同外一件(河上民雄君紹介)(第二四八三号)
 同外二件(後藤茂君紹介)(第二四八四号)
 身体障害者使用自動車に対する地方道路税、揮発油税免除等に関する請願(新村勝雄君紹介)(第二三七一号)
 同(山下徳夫君紹介)(第二三七二号)
 一兆円所得減税等に関する請願(勝間田清一君紹介)(第二四七八号)
同月二十二日
 所得税の課税最低限度額引き上げ等に関する請願(中西績介君紹介)(第二四九八号)
 同(石橋政嗣君紹介)(第二五二八号)
 納税者の記帳義務法制化反対等に関する請願(嶋崎譲君紹介)(第二四九九号)
 同(中西績介君紹介)(第二五〇〇号)
 同(馬場昇君紹介)(第二五〇一号)
 同(石橋政嗣君紹介)(第二五二九号)
 同(小川省吾君紹介)(第二五三〇号)
 同(大原亨君紹介)(第二五五〇号)
 同外二件(鳥居一雄君紹介)(第二五五一号)
 同(湯山勇君紹介)(第二五五二号)
 同(佐藤誼君紹介)(第二六二三号)
 同(長谷川正三君紹介)(第二六二四号)
 同(田口一男君紹介)(第二六四四号)
 同(楯兼次郎君紹介)(第二六四五号)
 同(栂野泰二君紹介)(第二六四六号)
 税制改革に関する請願(井上一成君紹介)(第二五〇二号)
 同(串原義直君紹介)(第二五〇三号)
 同(村山喜一君紹介)(第二五〇四号)
 同(山花貞夫君紹介)(第二五〇五号)
 同(横山利秋君紹介)(第二五〇六号)
 同(小川省吾君紹介)(第二五三一号)
 同外一件(加藤万吉君紹介)(第二五三二号)
 同(稲葉誠一君紹介)(第二五五三号)
 同(金子みつ君紹介)(第二五五四号)
 同外一件(八木昇君紹介)(第二五五五号)
 同(大島弘君紹介)(第二六〇五号)
 同(森井忠良君紹介)(第二六〇六号)
 同(伊藤茂君紹介)(第二六二五号)
 同(小川国彦君紹介)(第二六二六号)
 同(川本敏美君紹介)(第二六二七号)
 同(湯山勇君紹介)(第二六二八号)
 一兆円所得減税等に関する請願(岡田利春君紹介)(第二五〇七号)
 同(八木昇君紹介)(第二五〇八号)
 同(山本幸一君紹介)(第二五〇九号)
 同(大原亨君紹介)(第二五五七号)
 同(松沢俊昭君紹介)(第二五五八号)
 同(湯山勇君紹介)(第二五五九号)
 一兆円の減税等に関する請願(田中恒利君紹介)(第二五三三号)
 所得税等の減税に関する請願(逢沢英雄君紹介)(第二五四九号)
 所得税減税及び大型間接税導入反対に関する請願(土井たか子君紹介)(第二五五六号)
 大型消費税阻止、不公平税制是正に関する請願(辻第一君紹介)(第二六三九号)
 同(野間友一君紹介)(第二六四〇号)
 同(不破哲三君紹介)(第二六四一号)
 同(蓑輪幸代君紹介)(第二六四二号)
 同(渡辺貢君紹介)(第二六四三号)
同月二十五日
 納税者の記帳義務法制化反対等に関する請願(阿部未喜男君紹介)(第二六六七号)
 同(小林進君紹介)(第二六六八号)
 同(村山喜一君紹介)(第二六六九号)
 同(飛鳥田一雄君紹介)(第二七七八号)
 同(北山愛郎者紹介)(第二七七九号)
 同(山本政弘君紹介)(第二七八〇号)
 中小企業の事業承継税制実現に関する請願外百十四件(小沢貞孝君紹介)(第二六七〇号)
 税制改革に関する請願(五十嵐広三君紹介)(第二六七一号)
 同(飛鳥田一雄君紹介)(第二七八一号)
 同(岩垂寿喜男君紹介)(第二七八二号)
 同(小野信一君紹介)(第二七八三号)
 同(北山愛郎君紹介)(第二七八四号)
 身体障害者使用自動車に対する地方道路税、揮発油税免除等に関する請願(池端清一君紹介)(第二六七二号)
 同(石田博英君紹介)(第二六七三号)
 同(熊川次男君紹介)(第二六七四号)
 自動車関係諸税の減免に関する請願(阿部助哉君紹介)(第二七七七号)
 一兆円所得減税等に関する請願(日野市朗君紹介)(第二七八五号)
は本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 昭和五十八年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案(内閣提出第一号)
 国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律案(内閣提出第三七号)
 電源開発促進税法の一部を改正する法律案(内閣提出第三八号)
     ────◇─────
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森美秀#1
○森委員長 これより会議を開きます。
 昭和五十八年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案について、本日、参考人として税制調査会会長小倉武一君及び日本銀行総裁前川春雄君の両君の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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森美秀#2
○森委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ─────────────
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森美秀#3
○森委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。正木良明君。
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正木良明#4
○正木委員 きょうは、いま一番大きな焦点になっている所得税減税の問題について、大蔵大臣にいろいろとお尋ねしたいと思います。
 この減税の問題については、御承知のように、五十七年度においては衆議院議長の見解が出され、そして減税の方向ということは明確になったわけでありますが、結果的には、五十七年度の減税ということはうまくいかないということになってしまいまして、非常に残念に思っているわけでございます。
 さて、五十八年の減税については、さきに国会において自民党と野党の間に幹事長・書記長会談が開かれて、五十八年中に景気浮揚に役立つ相当規模の大幅減税をやるということが合意されているわけですね。私は、これで自民党は五十八年中に減税をやるという意思をはっきり内外に宣明したものと受け取っているわけで、これをやらないということは考えていないのです。ところが、どうも大蔵大臣の考え方等マスコミを通じてわれわれの耳に入ってくるのは、たとえば五十九年の一月に実施する、こういうことが伝わってまいっておりますが、これは大蔵大臣、どうなんですか。
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竹下登#5
○竹下国務大臣 減税に関するいわゆる二階堂幹事長を初めとする各党合意、それに基づく議長見解、さらには後藤田官房長官発言、一連したことについては、まさに尊重すべきものであるという考え方には基本的に変わりはございません。
 そこで、昨年を振り返ってみますと、三月の五日でございましたか、いわゆる小委員会構想というものがこれまた各党合意の線でまとまって、いろいろ御議論をいただいた。私は、その議論の経過なり、評価すべきものであると思っております。しかし、残念ながら財源問題で議まとまらず、こういうことに終わったわけであります。したがって、その小委員会の議論というものをフォローをいたして、一つは見てもみました。そうして、それらの中で合意された問題、たとえば赤字国債を財源としないとか恒久税制で考えるべきだとか、そういう問題と、また今度の合意そのものを考えてみましても、いわゆる本格的な減税ということと理解をすべきである。
 したがいまして、昨日、本年度初めての税制調査会の総会をお開きいただきましたので、政府側から、国会における減税に関する議論等をまさにつまびらかに報告をいたしますとともに、十分な御審議をお願いしまして、そして、税制調査会におきましても所得税、住民税に関する部会を設置するというところまで決まったというふうに報告も受けておりますので、従来からお答えいたしておりますとおり、税調に対しては、いわば正確に国会等での出来事を報告をいたしますことによって御判断をいただけるものと期待をして、政府として、特に予見を持ってこれに意見を述べるという立場をとらないで対応していこうということでございますので、時期、規模というものを直ちに確定する段階にはないというのが現実でございます。したがって、本委員会においても五十九年一月一日からやるべきだというふうな発言もありましたが、いま、そのことも含めてそれを確定的なことを申し上げる状態にはないというふうに御理解をいただきたいと思います。
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正木良明#6
○正木委員 これはきわめておかしい議論でしてね。
 あなたは大蔵大臣でありますから、自民党と野党との間の話し合いということについてはまさに当事者ではありませんけれども、幹事長・書記長会談の中でいろいろ議論された中身は、要するに五十八年度中とは言っていないのでね。五十八年度中と言えば、五十九年の三月三十一日まで五十八年度でありますけれども、この与野党の幹事長・書記長会談におけるところの合意というものは、あくまでもそういう会計年度で話をするのではなくて暦年でこれを詰めていこうという合意が完全に成り立っているわけです。そのためにわざわざ、五十八年度という言葉があったのを、その度を外して五十八年中ということにこの会談の中では話がなされている。それはなぜかと言えば、暦年の五十八年中、要するに五十八年の十二月三十一日までに減税するんだということの合意ということになるわけですから、これはやはり尊重してもらわぬといかぬと私は思うのですよ。同時にまた、このことについて予算委員会において、これは三月二日でありますが、後藤田官房長官は明確にそう言っている。「与野党代表者会議において、自民党幹事長から、財政事情困難な時期ではあるが、国民世論の動向にこたえ、景気浮揚に役立つ相当規模の減税を実施するための財源を確保し、所得税及び住民税の減税についての法律案を、五十八年中に国会に提出するとの確約があったことは承知をいたしております。」ここでもわざわざ度を使っていない。
 したがって、大蔵大臣は、いま時期は明確ではないと言うけれども、もし仮にこの与野党の代表者会議におけるところの合意を尊重するという気が政府並びにそれを構成する大蔵大臣にあるというならば、これは当然遅くとも五十八年十二月三十一日までの間にこの減税を実施するんだということを明確に言ってもらわなければいかぬと思うのですが、どうでしょうか。
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竹下登#7
○竹下国務大臣 これは確かに「五十八年中に国会に提出するとの確約があったことは承知をいたしております。政府としても、これを尊重いたします。」こう申しておりますので、私も、その線に沿った努力をしなければならない問題だというふうに理解をいたしております。
 そこのところで、またこれからいろいろ御議論いただく問題だと思うのでございますが、私は、これは税調の任期がちょうど十一月に参りますので、その辺がある意味において答申をいただける一つの期待のできるところではないかということを考えますと、この文書に書いてあります「五十八年中に国会に提出する」ということに対して「尊重いたします」と申しておるのでありますから、これも期待の可能性の範囲内にある問題ではないかなという理解をいたしております。
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正木良明#8
○正木委員 いや、だからどうなんですか。五十八年中に減税を実施するという気持ちはあるのですか。
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竹下登#9
○竹下国務大臣 まさに五十八年中に国会に減税についての法律案を提出をいたす確約があったことを承知しておるわけでございますから、今後どういう答申が出ますかがその期待の範囲内に存在しておるというふうに考えております。
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正木良明#10
○正木委員 これは、僕は本来的におかしいと思うのですよ。
 たとえば、この減税の問題は与野党の代表者会議において合意をなされた。あの合意をなされるときに、規模であるとか時期であるとかということを明確にしようという話があったけれども、自民党の二階堂幹事長は、現在五十八年度予算を審議中であるので、ここで時期と規模を明確にするということは、要するに予算の修正ということに直ちに結びつくおそれがあるので、かえって大蔵大臣の立場を困らせるようなことがあるであろうから、この辺は明確にはしておかないでもらいたいということで、そう言っているわけですね。だから、確かにそれも一理があるというふうに私たちは思ったからそれを承知したわけなんですが、しかし、予算が成立してもその点については全然詰まっていこうという形がない。これが一つの大きな疑問点です。
 もう一つは、そういう与野党の間で政治的決着をつけなければならぬような問題を、与野党の間で具体的に詰めをしないでその前に、私たちの目から見れば減税の回避というかそういう問題も含めて税調に諮問をしているということすら私はおかしいと思うのだな。これも行き方としては全くおかしい。これは、独自で政府提案するという問題ではなくて、その前提にはいわゆる与野党の合意というものがあるのですから、それを全然やらないで政府がみずからの意思を明確にもしないで税調へ逃げ込もうとしている点に私たちは重大な不信感を持つ。どうでしょう。
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竹下登#11
○竹下国務大臣 そこのところがなかなかむずかしい問題でございまして、今国会におきます与野党合意に基づく所得税減税は、去年の減税小委員会の経過から見ますと、特別減税いわゆる戻し税のような一回限りの減税とは異なる。したがって、五十八年度の答申で指摘されるような課税最低限や税率構造の見直しを含む恒久的な税制改正というものをまず想定をいたしたわけであります。
 そうして、このような本格的な税制改正に政府として検討作業を開始する以上は、やはり税制に関する基本的事項を調査審議する税制調査会にお諮りをしなければならないというのが筋ではないか。したがって、まず税制調査会においては、各党合意を含め国会で議論されたもろもろの問題を念査して報告すれば、おのずから国会の模様はそれなりに反映した議論がしていただけるであろうという前提の上に立っておるわけでございます。いわば本格減税とでも申しましょうか、そういうことになりますと、やはり税制調査会を全くネグって結論を出すということはできないだろう。
 そうすると、その税制調査会の審議というものを原則どおりきちんといただいて、その土台として国会で議論される問題を、国会はまだ会期半ばではございますが、いままでの問題を念査してこれを報告するというところから始めていっていただければ、国会におけるいろいろな議論、各党合意の問題を含めて税制調査会で議論をしていただけるということになりますので、政府としての対応としては、先般幹事長が私をお呼びになりまして、税制調査会の総会を御都合を聞いた上で可及的速やかに開いて、まずこの問題を御検討していただくように開始をしろということに基づいて昨日税制調査会の総会を開いていただいた。
 したがって、私は、これからの進み方というのはどうなるかと申しますと、国会で議論されたのをその都度税調へ報告して、それはやはり正確に伝えて御議論の御参考に供する。と同時に、政府としては各党の、これは決まっているわけじゃございませんが、やはり相談の窓口とでも申しましょうか、いささか私見にわたりますが、そういうものが存在しておって、そこで意見を聞きながら、そのことも税制調査会へ逐一報告してまとめる方向で進めていきたい。だから、私どもとしては、昨年の減税小委員会のような存在というのは本当は各党合意でなされたものであるだけに大変願わしいものであると思いますが、終局的には政府の責任でやりますということをお約束しておるわけでありますから、その間において相談相手にはなっていただけないものかなという考え方を持っておるわけであります。
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正木良明#12
○正木委員 国会におけるところの論議、特に与野党間の代表者会議におけるところの議論というものをつぶさに税調へ報告しているというけれども、これからの問題も逐一報告するというふうに大蔵大臣おっしゃいましたけれども、与野党の代表者会議の合意というのは、五十八年中に景気浮揚に役立つ相当規模の大幅減税をやるということが合意されたのであって、その後また代表者会議においてもっと具体的な問題について詰めをしようという機会が自民党の延期によって延ばされてきているわけです。ですから、本当を言えば、そういう与野党の合意というものがまだまだ未成熟なままで税調へ諮問をしておるというかっこうになっているわけですね、それはその後起こってきたことはすぐ税調の方へ報告をするとはおっしゃっておるけれども。
 そういう点では、どうも私たちの目から見ると、何か税調へ預けて五十八年中の減税という問題を逃げようとしているとしか思えないわけですね。ですから、この点については大蔵省からも大蔵大臣からも二階堂幹事長をせっついてもらって、できるだけ早い機会に、予算が成立した後にはすぐやると言っているのだから、与野党の代表者会議で具体的な案を詰めてくださいということを言うべきじゃないでしょうか。これが一つ。
 もう一つは、窓口をつくって、これは恐らく政審会長がねらわれていると思うのだけれども、また例の減税小委員会みたいな形でああいうものをつくって、そして減税小委員会の結論待ち、結論待ちというような形で逃げようとしておる、こうとしか考えられませんから、これは熟考して御返事しなければいかぬ問題で、それは結構でございますなどとはいますぐ言えません。いずれにせよ、いまの大蔵大臣のお考えでは政府税調の答申を待って法案づくりをやる。税調の委員の任期は十一月十二日であるから、恐らくそれまでに答申が出てくるでありましょうからそれからやる、こういうお考えですか。
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竹下登#13
○竹下国務大臣 基本的には、中間報告の形になりますか答申という形になりますか、それを待ってという考え方であります。
 いま、これは熟考してから返事しなければならぬとおっしゃいましたが、それと並行するという表現が適切かどうか、しかし、昨年の減税小委員会を三月五日でしたか六日でしたか、私が幹事長代理でございまして、私どもとしてはあれに物すごい期待感を持っておったと思うのであります。しかし、結果的にそのときは予測しなかった六兆を超す税収不足というようなこともありましたが、少なくともあの議論の中身を見る限りにおいて、大変に合意をされる努力は続けられてきた。私は、あらかじめあの小委員会ができれば合意に達しないだろうという期待を持ってあれをつくった、事ほどさように人は悪くもございませんので、大変あれに期待をかけておったわけでございますから、そうしたものが政府として税調と国会論議の間に介在するものとしてあってほしいものだなという希望は持っておるわけでございます。いずれにしても、税調では部会をおつくりいただくことまでは進んだわけでございますから、いわばオーソドックスな、政府の責任においてやる場合の環境の整備の第一歩は踏み出したというふうに御理解をいただきたいところであります。
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正木良明#14
○正木委員 さて、こういうことをごたごた水かけ論みたいなことを言っておってもしようがありませんので、ずばり結論をお聞きいたしますが、大幅減税五十八年中という約束があるわけでありますから、大蔵大臣は、ことしのいわゆる年末調整の時期に間に合わせるという考え方で進まれているのか、どうですか。
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竹下登#15
○竹下国務大臣 当初、議論の中に年末調整云々の議論もあったことは事実でございます。が、それも税調にお諮りする場合はそういう議論があったということを正確に報告するべきもので、私の予見としてそれに間に合わすようにということはいけないのじゃないかと思っております。
 それといま一つは、年末調整という問題になりますと、言ってみれば各企業等でかなりの作業を要する問題でございますので、時期的に間に合うか合わぬかというような議論も、そういう結論が出た場合にはやはりやってみなければならぬ議論の一つだと思います。が、いま仮にそれが念頭にあったとしても、年末調整云々ということを国会の議論としてお伝えすることは十分可能でありますが、それを一つの時限として限って諮問するという姿勢はとるべきではないじゃないかという考え方であります。
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正木良明#16
○正木委員 ちょっと奥歯に物の挟まったようなお話で全然明確になっていない。もうちょっと具体的に聞きましょう。
 もし五十八年中に年末調整に間に合わすという形で減税をやろうとすれば、その前に、御承知のとおり法律案を議決しなければいけませんね。そうすると、どう考えても三回しかチャンスがないですね。一つは、この通常国会で五月二十六日までにやる。もう一つは、参議院選の済んだ後の特別国会、参議院の場合は臨時国会というのですか。もう一つは、その後秋に召集されるであろうと予想される臨時国会、この三つ目のはどうなるかわかりませんが、これをあえて入れてもこの三回しかチャンスがない。この国会で出すという気はありますか。
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竹下登#17
○竹下国務大臣 今国会の会期は五月二十六日で終わるということから考えますと、かねがね申し上げているように、本格論議の土台となる五十七年度の税収の決算が確定するのが七月であるとするならば、それまでに議論が間に合って今国会に出し得るという環境にはないというふうに御理解をいただきたいと思っております。
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正木良明#18
○正木委員 じゃ、参議院選挙の済んだ後の院の構成のための臨時国会がどうせ開かれますね。これでどうですか。
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竹下登#19
○竹下国務大臣 参議院選挙というのは公職選挙法に基づいて任期前三十日、そして国会が存在した場合にはそれが終わって三十一日から三十五日の間でございますか、だから、仮に十二月まで延長になれば別として、一般論としてことしの十二月まで延長することもできぬでございましょう、もっとも半数あっても参議院は成立するということにはなっておりますが、その仮定の事実をどけて、一般的に任期が来ますのがたしか七月の九日でございますか、それを前提に置いて考えた場合に、院の構成とはいえ、あれは何日以内に開かなければいかぬのだったかちょっと忘れましたけれども、いわば税調の審議がどん詰まり間に合うという時期ではない。九日というものがおおむねの予測を立てた任期という前提の上に立って、そのときに直ちに出せるというように審議の状態が進むとは思えないと思います。
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正木良明#20
○正木委員 じゃ、あともう一回しか残りませんね。これでやりますか。これでやらないと年末調整に間に合いませんよ。秋の臨時国会が召集されるかどうかわからないけれども、あえて召集をして減税法案、所得税法の改正案を提出するかどうか。どうですか。
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竹下登#21
○竹下国務大臣 そこのところは、そのときの政治判断ではなかろうかなと思います。
 政権交代も当然のこと議会制民主主義にはあり得るわけでございますから、必ずしもいまからそれを予測するわけにはまいりませんが、秋の臨時国会、常識的に九月とか十月とかいろいろありますが、召集権者でない私から秋の臨時国会を明確に申し上げるということはちょっと適当でないかと思いますが、仮に、十一月十二日に税調が任期が終了して、そしてその後国会が存在しておってというようなことを予測すれば、いろいろなことが考えられないわけではないというふうに思います。
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正木良明#22
○正木委員 ここでやるよりほかに年末調整は間に合わないのですよ。ですから、そういうことは恐らく大蔵大臣がそのときまで大蔵大臣であるならば頭の中にあると私は見ていいだろうと考えております。
 そこで、この前の減税小委員会は財源の問題で大変行き詰まったわけです。それが結論を導き出すのに非常に苦労があって、結果的には小委員会を打ち切りにするよりほかに道がないという状況に立ち至ったわけなんです。そのときの状況といまの状況とは大分違うと思うのです。これは世間でも大きな話題になっている、要するに原油の価格が一バレル五ドル下がった、このことによって景気浮揚のためには非常にいい条件だ、こう言われているのです。
 そこで、ちょっと経企庁、この原油価格が引き下げられたということで日本の経済に与える五十八年度ないしはそれ以降の状況というのは、もしわかったらお答えいただきたい。
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宮島壯太#23
○宮島説明員 お答え申し上げます。
 石油価格の低下に伴いまして、わが国経済が産油国に支払う石油代金が減少することになります。そういたしますと、まず企業部門におきましては、原料コストの低下から全体としては収益の改善となりまして、設備投資等にも好影響を与えるものと考えられます。また、家計部門でございますけれども、雇用者所得の増加や物価水準の低下を通じまして実質購買力を増加させ、個人消費や住宅投資にもよい影響をもたらすものと考えております。さらに、物価が下がりますのでデフレーターが低下いたします。それを通じまして政府支出等その他の需要項目の実質値を高めるという効果がございます。輸出につきましては、産油国向けの輸出にはマイナスの影響を与えることは避けられませんけれども、米国景気の回復がより一層確実になる点等を考慮いたしますと、わが国の輸出環境にも総じて良好な影響を与えるものと考えられます。
 したがいまして、石油価格の低下は、わが国経済成長及び貿易収支に総じて良好な影響を与えるものと考えております。
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正木良明#24
○正木委員 宮島課長、そのことはGNPに対してはどんな関係になりますか。
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宮島壯太#25
○宮島説明員 お答えを申し上げます。
 経済企画庁の世界経済モデルで計算をいたしますと、石油価格五ドルの低下が実質GNPを〇・三五引き上げるという数字が出ております。ただ、これは実質GNPは引き上げることになりますけれども、物価が下がりますのでGNPデフレーターも当然低下することが考えられますので、名目GNPにつきましては、恐らく横ばいかあるいはむしろ下がる方向に働くのではないか、このように考えます。
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正木良明#26
○正木委員 物価が安定するということに関連して、名目GNPが実質GNPがふえるようなわけにはふえてはいかない、横ばいないしは低下する。しかし、先ほどの日本経済に対する影響の中でおっしゃったように、企業収益には相当大きなプラスになるとお考えですか。
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宮島壯太#27
○宮島説明員 先生おっしゃるとおり、原油価格の引き下げは、一般的には企業の生産コストの低減や国内需要の増加を通じて企業収益の改善につながると考えております。
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正木良明#28
○正木委員 大臣、いまお聞きのとおりです。企業収益がよくなったら税収はふえますか。
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竹下登#29
○竹下国務大臣 これは主として法人決算でございますから、年度間を通じてのそれぞれの決算時期等の問題がございますので、どれほどの影響があるかということについて、その見通しを立てるのはなかなか困難な問題がある。一方また、石油プロパーの業界そのものは、ある意味において在庫評価損とかいう問題もございますので、いわば企業収益をプラスの方へ引っ張るためにはかなりのタイムラグがある。しかし、一般論として企業収益がふえれば税収はふえるかという単純な図式は私も否定いたしません。
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