地方行政委員会

1986-11-25 参議院 全157発言

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会議録情報#0
昭和六十一年十一月二十五日(火曜日)
   午後四時二十四分開会
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   委員の異動
 十一月十七日
    辞任         補欠選任
     佐藤 三吾君     志苫  裕君
 十一月二十五日
    辞任         補欠選任
     平井 卓志君     永野 茂門君
     海江田鶴造君     木宮 和彦君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         松浦  功君
    理 事
                出口 廣光君
                増岡 康治君
                志苫  裕君
                抜山 映子君
    委 員
                岩上 二郎君
                加藤 武徳君
                金丸 三郎君
                木宮 和彦君
                久世 公堯君
                沢田 一精君
                田辺 哲夫君
                高橋 清孝君
                永野 茂門君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                片上 公人君
                馬場  富君
                神谷信之助君
                秋山  肇君
   国務大臣
       自 治 大 臣  葉梨 信行君
   政府委員
       自治政務次官   渡辺 省一君
       自治大臣官房審
       議官       小林  実君
       自治大臣官房審
       議官       渡辺  功君
       自治省財政局長  矢野浩一郎君
       自治省税務局長  津田  正君
       消防庁長官    関根 則之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高池 忠和君
   説明員
       大蔵大臣官房企
       画官       田谷 廣明君
       厚生省年金局年
       金課長      谷口 正作君
       厚生省年金局資
       金課長      丸山 晴男君
       通商産業省産業
       政策局産業構造
       課長       大塚 和彦君
       中小企業庁計画
       部計画課長    長田 英機君
       労働省職業安定
       局雇用政策課長  廣見 和夫君
       労働省職業能力
       開発局能力開発
       課長       大月 和彦君
       建設大臣官房会
       計課長      市川 一朗君
       自治省財政局交
       付税課長     小滝 敏之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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松浦功#1
○委員長(松浦功君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十一月十七日、佐藤三吾君が委員を辞任され、その補欠として志苫裕君が選任されました。
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松浦功#2
○委員長(松浦功君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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松浦功#3
○委員長(松浦功君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に志苫裕君を指名いたします。
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松浦功#4
○委員長(松浦功君) この際、葉梨国務大臣及び渡辺自治政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。葉梨国務大臣。
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葉梨信行#5
○国務大臣(葉梨信行君) 自治大臣、国家公安委員会委員長の葉梨信行でございます。
 委員各位におかれましては、平素から、地方自治行政並びに警察行政の推進に格段の御尽力をいただき、厚く御礼申し上げます。
 最近の地方行財政を取り巻く環境は、極めて厳しいものがあり、また、治安の維持につきましても、内外の諸情勢はまことに厳しいものがあります。
 私は、今後、これら地方行財政の諸問題の解決と、治安の維持に最大限の努力を傾注してまいる所存でありますので、委員各位の格別の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げ、簡単ではございますが、私のごあいさつといたします。
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松浦功#6
○委員長(松浦功君) 渡辺自治政務次官。
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渡辺省一#7
○政府委員(渡辺省一君) 自治政務次官の渡辺省一でございます。
 地方行政委員会の委員各位におかれましては、豊富な御経験と高い識見を持って、我が国地方自治の進展のために、常日ごろから並々ならぬ御尽力をいただき、まことにありがたく存ずる次第であります。
 今日の地方行財政を取り巻く情勢は大変厳しく、これまでにも増して先生方に大所高所より御助言、御指導を賜ることが多いのではないかと存じます。今後とも何とぞよろしくお願い申し上げます。
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松浦功#8
○委員長(松浦功君) それでは、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。葉梨自治大臣。
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葉梨信行#9
○国務大臣(葉梨信行君) ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
 今回の補正予算において所得税及び法人税が減額補正されることに伴い、地方交付税においても、当初予算計上額に対して四千五百二億四千万円の落ち込みを生ずることとなってまいったのであります。
 しかし、現下の地方財政は、既に決定された地方交付税の総額を減額できるような状況ではありませんので、交付税及び譲与税配付金持別会計における借入金を四千五百二億四千万円増額することにより、昭和六十一年度分の地方交付税の総額を確保することとし、地方財政の運営に支障のな
いようにすることといたしたいのであります。
 以上が、地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
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松浦功#10
○委員長(松浦功君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
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山口哲夫#11
○山口哲夫君 地方交付税に関しまして、大きく分けて六点について質問をいたします。
 まず第一に、今回の補正予算の編成に当たりまして、地方交付税四千五百二億円の減少の穴埋めといたしまして、交付税の特別会計に新たな借り入れ措置をまた制度として復活をしたようでありますが、これは五十九年一月十九日に大蔵大臣、当時の竹下さん、それから当時の自治大臣、田川さん、両大臣の覚書でこういう借り入れ制度はしないということを覚書として取り交わしていると思います。
 覚書というのは、これはもう相当きつい内容であると思うわけであります。そう簡単に変えるべきものではないんだ。だから、あえて覚書として取り交わしておったと思うんですけれども、それがもう三年目にして簡単に破られてしまう。地方自治体にとっては大変な問題だと思うんですけれども、大臣の責任も私は大きいと思いますが、この点に関する御所見を伺いたいと思います。
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葉梨信行#12
○国務大臣(葉梨信行君) ただいま先生からお触れになりました問題でございますが、昭和五十九年度の地方財政対策の見直しにおきまして、交付税特別会計の新規借入金措置を原則として廃止し、今後の地方財源措置としての地方交付税総額の確保は、地方交付税法附則第三条の特例措置により行うこととしたところでございます。しかし、昭和六十一年度におきましては、年度途中におきまして所得税及び法人税におきまして一兆四千億円以上もの大幅な減収が見込まれているわけでございます。予期し得ない状況が出来したわけでございまして、こういう状況の中で、地方財政の円滑な運営を維持するためのやむを得ざる緊急避難的な措置といたしまして、交付税特別会計の借入金により所要の交付税総額を確保することとした次第でありまして、御理解をいただきたいと思います。
 今回の借入金の利子は全額国が負担することとしておりまして、地方交付税法附則第三条の特例措置または昭和六十年度におけるように特例法によって補てんした場合と地方財政の実質的負担は変わらないものでございます。
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山口哲夫#13
○山口哲夫君 この件につきましては理事の志苫議員が、当時自治省に対して相当厳しく質問もされておりますので、そういった点で後ほど志苫議員の方からも質問をしてもらいたいと思っております。
 そこで、六十二年度の予算編成にかかるわけですけれども、来年度また同じような措置がとられるということになると、これはもう自治体としては大変な問題でございますから、どんなことがあっても来年度はこの覚書どおりに実行するということをここで約束をしていただきたいと思います。
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葉梨信行#14
○国務大臣(葉梨信行君) 昭和六十二年度についてのお尋ねでございますが、経済見通しや、あるいは税制改正の内容がまだ決まっておりませんので、地方財政の収支見通しを立てることはただいまでは困難でございますが、見通しが明らかになった段階で所要の地方財政対策を講じ、地方財政の運営に支障が生じないように措置する考えでございます。
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志苫裕#15
○志苫裕君 関連。
 自治大臣、六十年度と同じような措置をとったわけで、この特例措置と地方負担は変わらないと言うんですが、そうですか。
 五十九年の改正法の一つに附則の五条を切り落としているわけですよ。いわゆる五十三年ルールは利子抜きの二分の一だった。二分の一をいわば償還臨特という仕組みでやってきて、五十八年には利子をもいでしまって、約束を破って利子をもいで、それで五十九年になったら、このやり方でいくともう際限がないからというので、その外側で借りておるのでついつい、地方財政には影響はないけれども、これでは国も地方も大変だというのでもう借りないと。なるほど原則という言葉はついていますが、その原則も念入りな原則なんでして、今大臣が答えたのは原則じゃないんだ。
 そこで、この新たな財源不足は一般会計と交付税会計のやりとりで特例措置、原則的加算ですが、加算である。言いかえれば特会が借りておったのを一般会計が借りるような形になったら、将来精算するんですから、一時金を借りてくることと同じことなんですが、利子はつかぬが全額返済。利子はついていないが、五十三年ルールと違うのは全額返済というところが違うんですよ。今度また五十三年ルールで似たように借りたわけだ。ところが、利子はつかぬが全額返済なんです。それまでのルールからいえば半額返済。半額返済が——利子抜きは同じだ、五十八年一年だけは利子をつけられたけれどもね。
 そうすると、五十九年ルールは地方財政の安定的確保のためにこれがいい制度なんだということで、我々もいろいろなことを言ったけれども、これが一番地方財政の健全な発達に寄与するといってやっておいて、今度、ことしは全額返済なんです。その分地方財政は、特例措置と負担は変わらないどころの話じゃありはしませんよ。特例措置を講じたときには五条を削ったんです。それで三条が残ったわけですから。その三条が消えたんですから、五条の趣旨が生きてこなきゃ同じ取り扱いにならぬじゃないか。一方的に押しまくられるという形になるじゃないか。そのことはどうですか。
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矢野浩一郎#16
○政府委員(矢野浩一郎君) 御指摘のとおりの経緯でございます。
 昭和五十九年度におきまして、それまでの地方財政対策を見直すということで特例措置方式というものを設けたわけでございますが、このいきさつにつきましては、それまでの間、借り入れ方式によって地方交付税の原資の不足をカバーしてまいったわけでございますが、その借り入れ金額も十一兆を超えるという大変大きな金額になってまいりました。またこの借り入れ二分の一償還方式をとっておりました時代におきましては、いずれそういったものを歳入の増収策によって賄っていくというような考え方があり、そのつなぎの措置としてそういった借り入れ方式を講じたわけでございますが、御承知のように、いわゆる増税なき財政再建という路線のもとで、今後はむしろ歳出の抑制で対応していかなきゃならない。一方では、極めて巨額の借入金がたまったということから、これ以上さらに借入金を重ねることは地方財政の将来にとって問題がある、こういう観点から特例措置方式に切りかえたわけでございます。
 もとよりそのときの考え方は、今後特に大きな経済情勢の変動等がない限りこういった特例措置で行っていく、これにより加算をいたしました場合には将来これは精算をする、こういう考え方であったわけでございますけれども、今回の場合、まことに予期できなかった事情によりまして大幅な国税の落ち込みが生じたということによって、やむを得ざる緊急措置として先ほど大臣からお答え申し上げましたような措置をとったわけでございます。
 ただ、その場合におきましても、やはり将来の地方財政の負担を考えまして、元金につきましてはこれは全額五年据え置き、十年で償還ということでございますが、利子については国庫の負担ということといたしまして、その意味というのは、五十九年度の特例措置方式と実質的に地方財政の負担関係においては変わらない、あるいは六十年度においてとりました当初の総額をそのまま保障し、後で精算をするという方式と変わらない、こういう考え方でございます。
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志苫裕#17
○志苫裕君 いや、矢野さんもそうだし、今自治大臣はわからぬからそう言っているんだが、あなたたちは変わらぬと突っ張るからおれも突っ張りたくなるんで、これは変わったんですよ。損をしているんですよ。それはやっぱり五十年からのいきさつを見なきゃならない。
 なるほど、五十九年に積もり積もった十一兆円を山分けにしたんだ。国と半分ずつに分けてもらった。そのときに、なるほど利子も込みで半分にした。これはけしからぬと僕らは言ったんですよ。というのは、それまでは利子を除いて半々だったんですから。その脈絡で言えば、五十九年に分けたときに利子は国持ち、残りを半々というのが筋じゃございませんかと言ったんだけれども、五十八年に利子をころっとやられていたものだから五十九年は利子込みに半分にした。それから見ると、なるほど今回は利子を除いたんだから、利子と元金というのは十年サイトで考えれば大体とんとんですからね。半分に減ったんだと皆さん威張るかもしれない。しかし、それは利子込み半分というのと似たという意味であって、それ以前はもともと利子抜きだったんです。利子抜きの半分が利子抜き全額になったんだから、地方自治体は損をしたんですよ。
 自治省非力で、自治体にも負担がかかることになりましたと言えば答弁は筋道合うんだけれども、そういうぐあいに突っ張るからおれも突っ張るんでね。これは矢野さん、それはそうなんですよ。そこのところは認めなさいよ。そうでなければ、またこの次に頑張れよなんて言えませんよ。
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矢野浩一郎#18
○政府委員(矢野浩一郎君) 従来のいきさつを振り返ってみました場合に、委員御指摘のように昭和五十七年度以前の姿と比較をいたしますと確かにそのとおりと私も考えます。ただ、昭和五十七年以前の状況とその後の状況との違いが、途中では一度利子を二分の一持つという形に五十八年度し、さらに五十九年度においては現在の附則三条の特例措置方式に切りかえたという点の変化があったわけでございます。
 私どもの今回の措置、確かに借り入れは原則としてこれをやらないということであり、もともと私どもも借り入れをとにかくふやすべきではないと、本来地方財政にとっては借り入れをふやすべきでないという考え方、これは今後とも維持してまいりたいと思いますが、まことにやむを得ざる状況下のもとに、今回はこのようにさせていただきたいと、こういうことでございます。
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志苫裕#19
○志苫裕君 関連質問ですから、そう長くやりませんが。私はこのことを、どうしても厳しく言っておきたいのは今度も出ていますが、例えばこのときで言えば、少々の状況の変化ではこのシステムはもう変えぬということも頑張ったしね、自治省側は。そして、我が国の「経済社会の展望と指針」が描いておるような姿を前提に考えるとこういうことに、そんな変なことにならないと言うて、石原さん随分頑張ったわけ。だけれども、これは私は最初から信用してなかったんでね。早い例が五十七年もそうだし、税収を見込んで法案が通ったら、翌日から足らぬ、足らぬと言ったんですから、そんなことになるんじゃないのと言ったら、なりませんと頑張ってね。答弁している方はなるんじゃないかなと思っているのに突っ張ってたんだ、あのときは。こういうことを考えますと、やっぱり今後のために少し全体が——私なぜこういうことを言うかというと、依然として大蔵当局は地方財政裕福論という基本的なスタンスでいつでも押しまくっているんですよ、大蔵も財界も。よっぽどの構えでないと自治体側はこれに対応できないという意味で、しっかりしてもらいたいということで言っているんです。
 早い話が、もう一つ、じゃ聞きますけれども、この五十九年ルール、五十九年のときには、もう一つ今度も出ていますけれども、償還期間を、さらに来た年度を延ばしましたね、六十六年から返すと。六十六年からというにはこれは前提があるんですよ。すなわち国が昭和六十五年で財政再建を達成するという前提なんです。それを前提にして一切が成り立っているんです、これね。ところが、その見込みはまずないね、これは。大蔵大臣が何か少しトーンダウンしたことを言っていますから、六十五年財政再建というのはすぐ目の前に見えているんですから、これは確実に達成できない。
 そうなってきますと、そういうものを前提に成り立っておった地方財政の仕組みや借金の返済方法やら利子のあり方とか、そんなものはまたそのときに全部チャラにして出てきますよ、大蔵のことだから。そのときに、やっぱり大事なのは今まで積み上げてきたいきさつなんですよ。積み上げてきたばっかりにちょっと見てもわかりにくくなっていますがね、よっぽどの専門家でないと。率直な話、ちょこっとおいでになってちょこっとやめていく大臣なんかにわかんない、こういうことは。だけれども、やっぱり十年もかかってさまざま積み上げたいきさつが、またしても状況の変化でチャラにされるということを恐れるから、私はあえていきさつに触れて言うているんですよ。その点ちょっと承っておきたいんだ。
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葉梨信行#20
○国務大臣(葉梨信行君) 財政再建の目標年度が六十五年度でございますが、最近の予期しない経済の何といいますか、成長の鈍化あるいはその他の状況が悪化してまいりまして、なかなか六十五年度赤字国債ゼロということは難しくなってきたという認識は持っておりますが、しかし行政改革、財政再建という目標を達成するためには、やや厳しい中でも目標を堅持しながら進んでいくべきではないであろうか。こういうことを中曽根総理以下内閣では考えておりまして、そのような方針で対応しているところでございます。
 今先生の御質問の地方財政についての大変な温かい御配慮につきましては、私どもといたしましてもよく肝に銘じましてできるだけの措置をとって、地方の財政健全化のために努力をしていきたいと考えるところでございます。
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山口哲夫#21
○山口哲夫君 地方財政は、今もう補助金は切られる、交付税は今のお話のとおり。一方、住民要求は次から次へと出てくる。とても大蔵省が地方財政富裕論なんと言っているような実態ではありません。自治体として頼りにするのは自治大臣しかいないわけですから、六十二年度の予算編成の通常国会でまた同じような質問したくありませんので、ぜひひとつ大臣の席をかけるくらいの気持ちで頑張っていただきたい、このことを強く要望しておきたいと思います。
 次は、この税制改革と自治体財政の関連について質問したいと思います。
 今政府の方ではいろいろな税制改革を論じているようでありますけれども、こういった税制改革によって自治体の財政に対する影響はどういうふうに出てくるのか、またそれが出てきたときに、それに対して自治省としてどういうふうな対応を考えているのか、その点についてお尋ねします。
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矢野浩一郎#22
○政府委員(矢野浩一郎君) 御指摘の抜本的税制改革におきまして、御案内のようにゆがみ、ひずみを是正するという考え方のもとに、一方におきまして個人所得課税、すなわち所得税あるいは個人住民税の負担の軽減あるいは国際的な観点から考えてみた場合における法人税の負担水準の引き下げ、こういった一方におきまして負担の軽減、すなわち減収の要素が出てまいるわけでございますが、これにつきましては、地方財政といたしましては、その中の地方税に相当する部分、さらに国税の中の所得税及び法人税にかかわる部分の三二%、交付税でございます。この両者が地方財政の上で負担軽減という意味では収入の減になってまいるわけでございます。現在は仮定の計算でございますけれども、仮に四兆五千億円といたしますと、その中の地方税及び地方交付税を合わせますと、ざっと二兆一千億円程度、半分に近い額が影響してくる。
 問題は、こういう減収に対して一方で財源確保をどのようにするかということ。すなわち税収についての中立性の原則をどのように確保していくか、この点が地方財政にとって、この税制改革の過程におきまして最も重要な問題になってくるものと考えるのでございます。
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山口哲夫#23
○山口哲夫君 今政府の方で考えているのは減税をする、それに見合う金額として新しい税金を考える、これはどちらにしても地方財政に大変な影響が出てくるわけですね。今局長がおっしゃったように、当然それに対する対策というのは考えなければいけないと思うんですけれども、そうしま
すと、新しい仮に税金が入ってきた場合には、当然それに対して地方税という立場でも考えてもらえるわけですか。そしてまた、それが減税に抱き合わせとして出てくる税金とするならば、減税の方のその税金が交付税の対象であるとするならば、当然新しく出てくる税金に対しても交付税の対象税と考えていいわけですね。
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矢野浩一郎#24
○政府委員(矢野浩一郎君) 先ほど申し上げましたように今回の税制改革、減及び増と両方の要素があるわけでございますが、財政的に申しますとこれは税収の中立性、すなわち何と申しますか、増減ゼロという考え方に立って行われつつあるというところでございます。その場合にこの中立性の考え方というのは、当然のことながら国の税源それから地方の税財源、実質的に見たこの国、地方間の税源配分に見合った形での中立性の確保、すなわち地方財政としては地方税及び地方交付税の減に伴う財源が確保されなきゃならないと考えておるわけでございます。その場合地方税につきましても、地方税の減を補うだけの財源を必要といたしますし、同時に国税の減に伴う新しい財源確保策につきましては、これは交付税との関連におきまして交付税の減に見合う分が確保されなければならない。また地方団体を代表する六団体等からもそういったような強い要望が出ておるところでございまして、そういった線に沿って我々は財源の確保が必要である、このように考えておるところでございます。
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山口哲夫#25
○山口哲夫君 私が心配するのは、国の大きな税制改革によって自治体財政というものが極度に減少していくという、そういうことがあってはいけないと思うわけですね。それで過去の例を見ますと国の政策として大幅な減税をやる、あるいは新しい税金を考える、そういう場合には交付税率を上げてきているわけですね。もうそういう時期に来ているのじゃないかと思うんですね、これだけの大幅な減税をやろうという時期ですから。そういう点で、自治体の財源が今まで以上に減らないように一つとしては交付税率を上げる、あるいは別な形で税源を確保する、そういうことについて六十二年度の予算の中でぜひひとつ考えてもらいたいと思うんですけれども、その点いかがですか。
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矢野浩一郎#26
○政府委員(矢野浩一郎君) 御指摘のとおりでございまして、地方財政極めて厳しい状況にあるわけでございます。その中で負担のゆがみ、ひずみを是正するために一方で負担軽減が行われるわけでございますが、しかし一方では、これによって地方財政が影響を受けるようなことがあってはならない。政府税制調査会の先般なされました答申におきましても、そういった税収の変動によって国と地方との財政に基本的に影響を与えるようなことがあってはならない、与えないことが適当であると、このような御答申をいただいておりますけれども、そういう観点に立って地方税の減に伴う分の確保は言うまでもなく、さらに地方交付税は、特に財政力の総体的に貧弱な団体にとって極めて基幹的な大事な財源でございますので、地方交付税につきましても何らかの方法でその減を補てんするという措置を講じなければならないこと、御指摘のとおりと存じます。
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山口哲夫#27
○山口哲夫君 これも要望しておきたいと思いますけれども、そういう国の制度の改正によって自治体の財源配分が落ちないように、ぜひひとつ頑張っていただきたいと思っております。
 三つ目は特別交付税の問題ですけれども、特別交付税の配分対象というのは次の四つだというふうに思います。一つは、普通交付税の算定方法によっては捕捉されなかった特別の財政需要が生じたとき。二つ目は、基準財政収入額の著しい過大算定による収入不足が生じたとき。三つ目には、普通交付税の算定期日後に災害が発生したとき。そして四つ目には、その他特別の事情が生じたとき。この四つと考えてよろしいでしょうか。
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矢野浩一郎#28
○政府委員(矢野浩一郎君) ただいま御指摘のとおりでございます。
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山口哲夫#29
○山口哲夫君 それでは、よくこういう話を聞くんですけれども、特別交付税というのは首長の政治力で持ってくることができる、あるいは国会議員の政治力によってこれはどうにでもなる、そういう話をよく選挙のときなんかに聞くんですけれども、そういうことはあり得ないということははっきり言えますね。
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