税制問題等に関する調査特別委員会

1988-12-15 参議院 全329発言

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会議録情報#0
昭和六十三年十二月十五日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月十四日
    辞任         補欠選任
     井上  孝君     永田 良雄君
     岡部 三郎君     高橋 清孝君
     仲川 幸男君     二木 秀夫君
     和田 教美君     中野  明君
     佐藤 昭夫君     吉井 英勝君
 十二月十五日
    辞任         補欠選任
     柳澤 錬造君     勝木 健司君
     秋山  肇君     野末 陳平君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         梶木 又三君
    理 事
                斎藤 十朗君
                林  ゆう君
                平井 卓志君
                降矢 敬義君
                吉村 真事君
                志苫  裕君
                安恒 良一君
                峯山 昭範君
                近藤 忠孝君
                栗林 卓司君
    委 員
                井上 吉夫君
                板垣  正君
                岩本 政光君
               大河原太一郎君
                大木  浩君
                加藤 武徳君
                久世 公堯君
                後藤 正夫君
                斎藤栄三郎君
                斎藤 文夫君
                下稲葉耕吉君
                田辺 哲夫君
                高橋 清孝君
                谷川 寛三君
                永田 良雄君
                藤井 孝男君
                二木 秀夫君
                松浦 孝治君
                村上 正邦君
                森山 眞弓君
                及川 一夫君
                千葉 景子君
                福間 知之君
                矢田部 理君
                山口 哲夫君
                山本 正和君
                太田 淳夫君
                塩出 啓典君
                中野  明君
                橋本  敦君
                吉井 英勝君
                勝木 健司君
                柳澤 錬造君
                秋山  肇君
                野末 陣平君
                下村  泰君
   国務大臣
       内閣総理大臣
       大 蔵 大 臣  竹下  登君
       法 務 大 臣  林田悠紀夫君
       外 務 大 臣  宇野 宗佑君
       厚 生 大 臣  藤本 孝雄君
       通商産業大臣   田村  元君
       運 輸 大 臣  石原慎太郎君
       郵 政 大 臣  中山 正暉君
       労 働 大 臣  中村 太郎君
       建 設 大 臣  越智 伊平君
       自 治 大 臣  梶山 静六君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  高鳥  修君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       中尾 栄一君
   政府委員
       内閣官房内閣広
       報官室内閣広報
       官
       兼内閣総理大臣
       官房広報室長   高田 朗雄君
       内閣法制局第三
       部長       津野  修君
       公正取引委員会
       委員長      梅澤 節男君
       公正取引委員会
       事務局官房審議
       官        糸田 省吾君
       総務庁長官官房
       審議官
       兼内閣審議官   増島 俊之君
       総務庁人事局長  勝又 博明君
       総務庁行政管理
       局長       百崎  英君
       総務庁行政管理
       局行政情報シス
       テム参事官    重富吉之助君
       総務庁恩給局長  石川 雅嗣君
       総務庁統計局長  田中 宏樹君
       経済企画庁国民
       生活局長     末木凰太郎君
       経済企画庁総合
       計画局長     海野 恒男君
       法務省刑事局長  根來 泰周君
       外務大臣官房長  藤井 宏昭君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     土田 正顕君
       大蔵省主計局次
       長        篠沢 恭助君
       大蔵省主税局長  水野  勝君
       大蔵省理財局次
       長        吉川 共治君
       大蔵省証券局長  角谷 正彦君
       国税庁次長    伊藤 博行君
       文部省初等中等
       教育局長     古村 澄一君
       文化庁次長    横瀬 庄次君
       厚生大臣官房長  黒木 武弘君
       厚生大臣官房総
       務審議官     末次  彬君
       厚生大臣官房老
       人保健福祉部長  多田  宏君
       厚生省健康政策
       局長       仲村 英一君
       厚生省保健医療
       局長       北川 定謙君
       厚生省社会局長  小林 功典君
       厚生省児童家庭
       局長       長尾 立子君
       厚生省年金局長  水田  努君
       社会保険庁運営
       部長
       兼内閣審議官   土井  豊君
       通商産業省産業
       政策局長     児玉 幸治君
       通商産業省機械
       情報産業局長   棚橋 祐治君
       通商産業省生活
       産業局長     岡松壯三郎君
       中小企業庁小規
       模企業部長    関野 弘幹君
       運輸省航空局長  林  淳司君
       郵政大臣官房長  松野 春樹君
       郵政省電気通信
       局長       塩谷  稔君
       郵政省放送行政
       局長       成川 富彦君
       労働大臣官房長  清水 傳雄君
       建設大臣官房長  牧野  徹君
       建設大臣官房総
       務審議官     木内 啓介君
       建設省建設経済
       局長       望月 薫雄君
       自治大臣官房総
       務審議官     小林  実君
       自治省行政局長  木村  仁君
       自治省財政局長  津田  正君
       自治省税務局長  湯浅 利夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹村  晟君
       常任委員会専門
       員        片岡 定彦君
       常任委員会専門
       員        保家 茂彰君
   参考人
       日本電信電話株
       式会社理事考査
       室長       西脇 達也君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○税制改革法案(内閣提出、衆議院送付)
○所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○消費税法案(内閣提出、衆議院送付)
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○消費譲与税法案(内閣提出、衆議院送付)
○地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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梶木又三#1
○委員長(梶木又三君) ただいまから税制問題等に関する調査特別委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 税制改革法案外五案審査のため、本日、日本電信電話株式会社理事考査室長西脇達也君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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梶木又三#2
○委員長(梶木又三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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梶木又三#3
○委員長(梶木又三君) 税制改革法案、所得税法等の一部を改正する法律案、消費税法案、地方税法の一部を改正する法律案、消費譲与税法案及び地方交付税法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題とし、これより及川一夫君の質疑を行います。及川君。
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及川一夫#4
○及川一夫君 初めに、リクルート疑惑問題について触れさしていただきます。
 世上、大蔵大臣が辞職をされたことによってリクルート問題はこれで幕を引く、こういった雰囲気とうわさが出てまいりました。
   〔委員長退席、理事斎藤十朗君着席〕
しかし、私も含めて国民の側から言えば、そうはさせない、そうあってはならない、こういう気持ちでいっぱいでございます。したがって、総理を初め各大臣の皆さんの発言というのは非常に重視されるというふうに私は思うのでありますが、第一にお聞きをしたいのは、法務大臣にお聞きをしたいのであります。
 それは、十二月九日の閣議後記者会見で、たしか大蔵大臣がおやめになった後というふうに記憶をいたしておりますが、発言をされておられます。その中身は、小さな記事ではございましたが、新聞紙上に「解明は来年に」、こういう形で御発言をなされているわけでありますけれども、この内容については間違いがないかどうか。発言内容は、「「非常に複雑な経済問題なので、短時日のうち解決されるものではない」と述べ、来年になることを明らかにした」、さらに「検察は犯罪の嫌疑を解明していこうというもので、まだ調査、検討している段階だ」、こう述べておられるわけですが、法務大臣、このような御発言をなされたことは事実ですか。
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林田悠紀夫#5
○国務大臣(林田悠紀夫君) 十二月九日の閣議後の記者会見であったと思いまするが、捜査の見通しについて質問を受けましたので、国会でもしばしば御説明しておりまするように、検察は非公開株式の譲渡問題を中心にしましてその事実関係を明らかにして、その上で犯罪の嫌疑の存否を検討するために引き続き調査中でありまして、その解明にはなお日時を要するのではないか、かように申し上げた次第であります。
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及川一夫#6
○及川一夫君 内容がぴたり一致しているのかどうか、まずもって私は余りにもタイミングが、大蔵大臣の辞任との関係においていかにも幕引きであるかのような、もうこれで終わり、あとはもう来年だよと、こういう意味にとれるタイミングであったように率直に言って思うんです。したがって、ずばり今の段階で結構ですから、要するにこの問題は、ことしじゅうに捜査の急進展はないというふうに解釈をしていいのかどうか、お伺いしたい。
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林田悠紀夫#7
○国務大臣(林田悠紀夫君) ただいま申し上げましたように、調査、検討中でございまして、その解明にはなお日時を要するであろうということでございます。
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及川一夫#8
○及川一夫君 ということは、別に来年に延びるであろうとか、延びるとか、そういったことを断定的に言われたのではないと、鋭意捜査そして調査、早急に問題を解決をするために検察は頑張っているんだと、こう理解してよろしいですか。
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林田悠紀夫#9
○国務大臣(林田悠紀夫君) そのとおりでございます。
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及川一夫#10
○及川一夫君 刑事局長にお伺いしたいのでありますが、おいでになりますか。——お伺いしたいのですけれども、値上がりの確実な株の譲渡というのは現金の贈与と同じだと、最高裁もそのような意味で判定を下していると理解をいたしておりますが、今回のリクルートコスモス株譲渡のケースでは、リクルート側から持ちかけられて融資も用意をされて、短時日のうちに売却益が出たと、この三つの要素がそろっていれば、いわゆる職務権限の要素を抜きにしても、極めてわいろ的な色彩の強い現金贈与と同じというふうに私は思うのですが、いかがでしょうか。
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根來泰周#11
○政府委員(根來泰周君) 従来から再々そういう点について御質問がございまして、そういうお考えもあることは十分承知しております。
 ただ、私ども法務省の立場といたしましては、やはり検察がそういう点についても十分調査をいたしました上で、その上で結論を申し上げるわけでございますので、今検察に予断を与えるといいますか、そういうことについて断定的に申し上げることは非常に困るわけでございまして、その辺御了解願いたいと思います。
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及川一夫#12
○及川一夫君 断定はしないが、そういった意味のことも十分考慮に入れて動いていると、こう発言されたものと理解を私はしておきたいと思います。
 そこで、いずれにしてもこの問題については、総理、いかがでしょうか、リクルート隠しと言われるような立場でこの問題を処理すべきではないと。きのうの事態でも新たな問題が要するに出てきているわけでして、しかもどうもこれまでの証人の発言というのはもう偽証と断定してもいいではないかというようなことが、我々も今整理をしているわけですけれども、私は見受けられると思うし、発言の内容がうそで固められている。絶対私はしていないと言う者が全部やってしまったと、こういう形のものに置きかえられてきているわけでして、したがって政治の問題としても、社会悪というものをそれこそ追放する意味においても、さらには企業の倫理という問題からいっても極めて私は重要な問題ではないかというふうに思います。
 したがって、法務大臣も先ほどの御発言で、とにかく年内の解決という言い方はしませんでしたけれども、早急に問題が解決するように捜査をし、同時にまた調査を重ねているんだと、こうおっしゃられているわけでありますから、総理も同じような立場に立って問題解決に、解明に最善の努力をされるという立場を私は明確に表明されるべきではないかと、こう思うのですが、総理いかがでしょうか。
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竹下登#13
○国務大臣(竹下登君) 四つの問題点ということをいつも申しておりますが、なかんずく刑法上の問題につきましては、法務大臣がおっしゃったとおりであると私は思っております。いつもお答えするときに、検察が適切な対応をするものと信じておりますという言葉を使っておりますが、適切という言葉の中には、それこそ今及川委員がおっしゃいました意味が含まれておると、一番いい言葉だと思って本当は使わしていただいておるわけでございます。
 しかし、いま一つの問題、企業倫理にもお触れになりました。偽証の問題は、これは院の問題でございますが、政治倫理という問題につきましては、私自身をもとより含め、これはいわゆる法律に照らしてという問題とは別個の問題であるだけに、本当にどうしたら一番政治倫理というものを正すかということは、日夜私の頭の中で行きつ戻りつときにはいたしますが、考えておるところでございます。
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及川一夫#14
○及川一夫君 次の問題として、実はこの問題でこの国会でも取り上げられておりました税調の委員でもありました公文さんという方が「リクルート株と私」ということで、初めてその心境を明かすという意味で文芸春秋十二月発売号に公文さんの論文というものが載っているのであります。そして、ここの中で言っていることは「なぜこんなに叩かれるのか」「ただの経済行為をマスコミは犯罪の如く言う」、まあこの中には野党である私たちも入っているのかもしれませんね、そして論陣を張っているんですが、論陣を張っているというふうには私は思えないのでありますけれども、総理、この問題お読みになったかどうか。お忙しい方ですからこういうものまで読んでおられるかどうかわかりませんけれども。
 この中身として言われていることは、経済行為という言葉が一つあって、しかも過去にはリクルート以外に株を勧められたことがある、そのときはお断りをしたと。お断りをしたということを恩師に話をしたら、その恩師はおまえはばか者だと。老いたときのことをおまえ考えたことがあるか、今から財テクをしなければいけない、なぜそういうチャンスを逃した、そんなときにはおれに話してこい、おまえが買わないんならおれが買ってやる、こういう一幕があったと。リクルートから話が持ち込まれたときには、そんなことを思い出して買ったがいい、もうかるからということで買っただけの話だというふうに実は言われておるわけですね。
 一体、これが我が国に時めく東大の先生かというふうに考えますと、問題のとらえ方それから責任の感じ方、それから政府税調の委員であるということの役割、任務、みずからの立場、そういったものはすべてもう放棄をしてしまって、単なる一個人というところだけにとどまっているような発言については私は本当に許せないなと、こう思っているんですが、総理いかがですか。こういうことは東大の教授の発言として評価されますか。
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竹下登#15
○国務大臣(竹下登君) 及川委員の質問予告の中に見さしていただきましたので、私も斜めに読んだとでも申しましょうか、読ましていただきました。
 この学者の先生が本当にいろんな悩みの中に、今もおっしゃいました個人というものに返って、そういう心境になられることもあり得るのかなと。私ども、お互いでございますけれども、絶えずいろんな批判を浴びておりますから、ある意味においては強靱になっておりますし、したがってその辺は我々と違うなと、こういう印象を受けながら、ただ経済行為という問題につきましては、これは何だか、確かに物の売買はすべて経済行為でございますから、それそのものは経済行為でありますが、今は経済行為というものが別の解釈の中に文字が躍っているような感じは私もしますから、本当は、経済行為は経済行為として素直に受けとめて、その動機でございますとか、そうしたところを我々は考えていなきゃいかぬことではないかなと思っております。
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及川一夫#16
○及川一夫君 しかも、公文さんは税調委員としてはどうも居心地が悪かったということを書いておられまして、ほとんど税調には出てないということも言われているわけですね。で、やめたいと言ったけれども大蔵がやめさせなかった。必要なときにだけでもいいから出てきてもらうように要請するので、とにかくなっていてほしいと。そういう人を税調委員にしておいて答申を出さして、出さしたものを政府が一生懸命推進する。一体税調というのは何だろうというふうな疑問を抱かせるような発言まで存在をしているわけでありまして、私は到底こういう物の考え方は認めることができないというふうに思います。
 かてて加えて、これは私自身の疑問でもあるんですが、リストというものが衆議院で示されましたですね。ところが、このリスト自体が大変信憑性に欠けるということはかなり全体的に理解をされ、もう一度リストの出し直しが必要ではないか、こう言われるような事態になってきているんですけれども、衆議院ではそれ自体が一つの政治問題になって、それをリストを発表することによって何となく衆議院の議事が進行した。こういう形であるんですけれども、信憑性がなくなったということをとらえてみますと、一体これはどうしたらいいんだ、だれが責任を負うんだと、もう一度政府なり与党がこのリストを出し直すということが私は必要ではないかというふうに思うのでありますが、総理・総裁であられる総理大臣・総裁としていかがでしょうか。もう一度出し直しをするということがあってしかるべきだと思うんですが、いかがですか。
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竹下登#17
○国務大臣(竹下登君) 行政府の立場としてはいつでも国政調査権に最大限の協力をすると、こういう立場、これはここにおきまして、今の問題でございますが、個人的に当時私も相談を受けたことがございます。すなわち、政府が国政調査権に協力する形で、いわゆるいろいろ巷間出回っておると申しますか、リストを何か出せないかと、こういうことでありました。ところが、政府が出すということになりますと、さてどこから出せるか。証券取引上の監督の立場から入手して出すのか、あるいは情況証拠を確保するために検察当局で押収しておられるかもしれない、その中から選別して出すのかと議論しましたが、これは難しいぞと。そうすると、どこから出すかということになると、国政調査権で国会の意思を会社に伝えるしかないじゃないかということになりまして、株式会社リクルート及び株式会社リクルートコスモスの連名で資料としてハウスの方へ出したものがいわゆる今まで使われておる資料でございます。
 したがって、行政府というものには限界がございますから、結局は私もこの問題についてはハウスでどういうふうな決め方でおやりになるかという、少し行政府としては深入りし過ぎた答弁になりますが、私も元来その世界におったわけでございますから、ハウスの中で相談していただくしか方法がないじゃないかなと、こういう感じを持ってきょう勉強してまいりました。
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及川一夫#18
○及川一夫君 とするなら、いずれにしてもコスモス社というものがかかわってリストの提出をしたということになるんですから、そのリストに信憑性がないということになれば、出し直しをさせることも当然ですけれども、むしろその当人が出てきてやはり国会でそれを再度明らかにするというようなことが私は必要な気がしてならないのであります。
 いずれにしても、この問題は証人喚問問題と絡むでしょうから、十分ひとつ委員長にも御理解いただきまして、理事会などで——新たな進展があるし、信憑性がなくなってまたNTTなどの証言がすべて偽証で固まっているではないかという状態ですな、断定は今しませんけれども、状態。こういったことを含めてぜひ理事会等で検討していただきたいということをお願いしておきたいというふうに思います。
 さらに、この問題のきょうの段階の締めくくりの問題として、私たち政治家が本当に反省をしなければならない、また国民の疑惑に具体的にこたえていかなければならない時点にもう来ているではないか、こんな感じがするのであります。
 それは何といっても、このリクルート問題でおやめになった方々がもう民間では十五人もおられるわけですね。政治家ではおやめになったというのは二人ということになりますか。しかし、宮澤前大蔵大臣の場合には理由が私は別にあるというふうに思うのでありますけれども、いずれにしても政治家がやめたというのは、責任をとったというのはある意味で民間に比べると大変お粗末な状態。そして証人喚問とか参考人とか、引き出されてくる方々はもうほとんど民間人ではないか。政治家はほとんど公式の場に出てきて釈明もしない、弁明もしない。一体この事態をどう考えているんだということが私はまさに問われているように思えてならないんですね。ですから、リクルート隠しなどということはもってのほかですけれども、もう少し政治家としての責任を果たすためにも、政治家自身が直接やはり公式の場で弁明をする、釈明をする、それから真実を語る、こういったことがあって私はしかるべきじゃないかというふうに思います。
 そういう意味でも、衆参両院の超党派で「政治倫理綱領を実行する会」というものが明日発足するわけですけれども、こういうものとの兼ね合いを含めてぜひ問題解明のために発展させるべきだというふうに思いますが、総理、いかがでしょうか。そういうことに対する政治姿勢を明確に私はしてもらいたいというふうに思います。
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竹下登#19
○国務大臣(竹下登君) 随分この経過はございましたが、倫理綱領というのが両院においてつくられたというのは、私はあれは本当は政治改革の憲法とでも申しましょうか、基本法みたいなものだと実はいつも思っております。
 そこで、我々がいろいろ疑惑を受けましたり信頼を損なうのはなぜかといえば、その倫理綱領に疑いを持たれるようなことをやってはいかぬと、こういうことでございますから、したがって自浄作用とは何かというと、そういう疑いを持たれるようなことができないような環境を整備することだ。そうしますと、これは法律的にいえば何があるかというと、やっぱり政治資金規正法と公職選挙法、こういうことになろうかと思うのであります、刑法上の問題はこれはもとより当然のことでございますが。
 したがって、それをどういうふうにやっていくかといいますと、とことん詰めてみますとそういう法律の問題になりますが、何か法律でもって政治改革といえば何かしばらく遠い世界にあるような印象を国民の皆さん方に与える、だから結局はできることからやっていかなきゃならぬと。それが何かということが超党派のそういう会合ができるやっぱり一つのベースにあるんじゃないかなと私自身もそのように考えます。したがって、本当に個人個人いろんな考えの違いはありましょうとも、民間のお方、いろいろなケースは相違いたしておりましてもおやめになったりという状態がある。政治家で言えば議席をみずから放棄されたのは上田卓三先生でございます。
 したがって、その議席を放棄するという、これも一つの私は責任のとり方であると思いますが、それは個人個人考え方の相違はあろうかと思います。与えられた議席に対して果たす役割というのは果たすべきであるという考え方もそれはあろうかと思いますが、よく言われますように、民間の方はそれでおやめになりますが、竹下さん、あなたはなぜおやめになりませんかと、そういう素朴なお話が私にもございます。電話もたくさんございます。その都度みんな私が電話に出るわけじゃございませんけれども、政治家というものの身の処し方というもの、これは政治不信を少しでも払拭するために何をすべきかという自問自答をしながら、それが政治改革になって具体的な法律ということになりますと、何か少し向こうの世界の話をしているんじゃないかと、本当に悩んでおるところでございます。
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及川一夫#20
○及川一夫君 僕は余り悩まぬでもいいと思っているんですがね。
 要するに、こういうようなやり方で金が集まるとか集めるとかいう方法は、やっぱり政治家としてはとるべきじゃないし、政治倫理に反することだと政治家が思い込むことだと思っているんですよ。
 だから私は、総理も言われたように法律で縛ればいい、法律をつくればそういうものは出てこないんだなどというものでは何もないと思います。我々政治家個人個人が、こういう方法、こういう事態をどう思い込んで国民に約束し、そして再びこういうことはやらない、やったら直ちに責任をとるという、そういう思いを込めた一つの政治家集団としての確認をし合うことが、また行動を伴わせることが私は重要な問題だと思っています。
 自今、そういう立場で、なおリクルート問題は追及をしていきたいというふうに思いますから、ぜひ総理、また閣僚の皆さんにも、リーダー的な立場なんですから、政治家の範として行動されるように強く要請をしておきたいと思います。
 税制の問題に入りたいと思います。
 まず、一番先に御質問したいのは、税というのはいかなるものであるのかということについて、法制上明確になっているかどうか。この点、大蔵省にお伺いしたいというふうに思います。
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水野勝#21
○政府委員(水野勝君) 税につきましては、一般的な定義といたしましては、国や地方公共団体が公共サービスを提供するために必要な経費について国民に御負担をお願いするものであるというふうに定義されているところでございます。これは、直接個別的に反対給付を伴いますところの手数料とはそういう意味では一般的に区別されているところでございます。
 このように、税が一方的に、強制的に御負担を願うものであるということから、その点につきましては根拠は憲法にもございます。また、その具体的な納税義務につきましては、それぞれ個別の税法において明らかにされているところでございます。
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及川一夫#22
○及川一夫君 私は、そういったことが法律上、必ずしも明確でないというふうに思っています。法律上にあるのは国民の納税の義務でございまして、税とはこういう性格を持ち、こういう定義のもとにあるのだというふうにはなっているように実は思えないのであります。税というものをどう正しく正解をすべきかと、それが憲法上にうたわれていなくとも、個々の税制上の問題、できれば税法の第一条に税とはということがあってしかるべきだというふうに私は思うんですが、見当たりません。したがって、どう理解すべきかということを私は考えたいというふうに思うんです。
 文部省に伺いしたいんですが、国語辞典とか百科事典、これは文部省が直接管理するものではないんですけれども、こういう国語辞典とか百科事典を執筆される方というのは、我が国にあってはどういう立場にある人なのでしょうか、それをお聞きしたいと思います。
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横瀬庄次#23
○政府委員(横瀬庄次君) 先生、今お話しのとおり、文化庁がそういうことについて所管しているということではございませんけれども、国語の関係でいろいろ行政的にも接しておりますので、例えば代表的なものと考えられます広辞苑とかあるいは日本国語大辞典というものについて申し上げますと、広辞苑の編者は、これは京大の名誉教授でございました新村出先生が編者でございます。それから、日本国語大辞典の編集顧問には金田一京助氏とかあるいは新村出、久松潜一、諸橋轍次というような方々、これはいずれも国語学、国文学、漢文学に関しての非常に顕著な業績を残されている方々でございます。
 そういったことで、一般的には非常によく知られているものだというふうに理解をしております。
   〔理事斎藤十朗君退席、委員長着席〕
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及川一夫#24
○及川一夫君 という御答弁がございましたように、我が国にあっては国語界というんですか、そういう中では極めて権威のある方々が要するに書かれている事典あるいは広辞苑と、こういったものがあるわけなんですが、これをひもといてみますと、民主主義社会であるというにはふさわしくないような解釈ではないかと思えることが実は書いてあるわけです。
 しかも、主税局長も答弁の中で強制という言葉をちらっとおっしゃられたんですけれども、広辞苑とか百科事典を見ますと、総理、こう書いてあるわけですよ。まず、税とはと見たら「租税」と書いてあるんですね。租税じゃわからないと。租税とはと見たら、「年貢」「みつぎもの」と、こう書いてある。これでもすかっとしない、おかしいなと思いながら百科事典というものを開いてみますと、権力が強制的に取り上げるものと書いてあるんですよ。これには私もちょっと戸惑いを感じましたね、事典ですから。私の頭以上ですから、これは間違いなく。そういう方々がこの税とはという問題でそういう解釈を与えているということについて、どうも戦前の解釈そのものをそのまま持ち込んでいるような感じがしてならないんですね。
 そこで、総理というよりも大蔵大臣ということになるんですが、なかなかこの総理大臣と大蔵大臣を区分けするのは非常に難しいんですけれども、ややっこしくて本当は議論しにくいんですよ。田村先生あたりが大蔵大臣だとまだ議論しやすいんですけれどもね。
 そこで、大蔵大臣に実はお聞きしたいんだけれども、こういう権力は大蔵大臣が権力者であると、だから大蔵大臣が強制的に有無を言わさず銭巻き上げるんだと、こういうことが税の定義だということになったら、民主主義社会という前提に立ちますと果たして正しい解釈かどうかというふうに問わなければいかぬのですが、大蔵大臣としてはそういうお考えで今度の消費税を提案したんですかと、こういうふうに申し上げなきゃならぬのですが、いかがですか。
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竹下登#25
○国務大臣(竹下登君) 今おっしゃいますとおり、私も予告していただきました質問要旨に沿いまして、広辞苑から日本国語大辞典から取り寄せて整理してもらいました。
 それで、いわゆる国語学からすれば、これは及川委員もおっしゃったように、やはり我々より上の大先生ですから、これはこれなりにいいと思いますが、あるいはその大先生よりもほかの点では我々がまたすぐれた点もお互いあると思わなきゃこの世に生きておれませんから、そういう角度からいいますと、私なりにちょっと整理しまして、私も大蔵大臣になりましたので、やむを得ず租税原理なんというのを勉強したことがございます。
 やっぱり税というのは、一番最初は、いつかも言いまして重ねて言うようでございますけれども、共同生活というものが人類の社会に始まって、外敵からの防衛、防御のために税というのは始まったと、その外敵とは決して軍隊とかいうものじゃなく、クマとかトラとかライオンとかそういうものがやってくるから、そこで張り番をしようじゃないかというところから、これは労役を提供するものでございますが、そこから始まった。そうすると、そのことに対して、いや私は労役のかわりに米を出しますとかいうようなところから今度は統治者ができまして、それを適切に、おまえさんは米つくり、おまえさんはその張り番ですぐ弓を放てとか、そういう能力、適性に応じて統治者がそれらを配置していく。で、その統治者が余りにも勝手なことで決めちゃいかぬということから、何世紀でしたかちょっと忘れましたが、税というものの配分に関して国会というものがイギリスでできたという歴史だと思うんですよ、率直なところが。
 そうしますと、やっぱり今お話があっておりましたように、憲法三十条の「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ」ということと、もう一つは八十四条の「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする」といういわゆる租税法定主義、国会でつくるんだ、だから権力の行使の権限を国会がある意味においては徴税当局にあるいは行政府に与えるものだと、こういうふうに言えるんじゃないか。したがって、私よく注意されます、取るという考え方を持っちゃいかぬぞよと、そのとおりであろうと思うのです。
 それで、今度の税制改革法の中で、今度は法律の中で言いますと、この改革法の第三条に「今次の税制改革は、租税は国民が社会共通の費用を広く公平に分かち合うためのものであるという基本的認識の下に」という前提がいわば法律の中に載っておる言葉であるなと。だから、税制改革法の第三条というところには、今先生がおっしゃった趣旨の言葉をきちんとやっぱり書かせていただいておるという筋になってくるんじゃないかなと、こう思うのでございます。
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及川一夫#26
○及川一夫君 総理、なかなか博学であらせられるんですが、大体そういうことはみんな僕らも習ってきているつもりなんですよ。そういう理解をしているのに、事典を見たらこうなっておるからはてなと。それから、竹下内閣がおやりになろうとする消費税と結びつけますと、どうも強権的に、強制的にやってくるような気がしてならないと、こういう感じがするものですから。
 しかもこれは大事なことは、国民が税というものをどう理解しておるか、理解するのかということも非常に大事なことだと思うんですね。ですから、強権的に取られるということになれば人間本能としては嫌だと。だから、脱税という発想が出てきますし、節税という発想が要するに出てくるんだと思うんですよ。だから私は、税の解釈というものをもっと定義的にお互い国民が議論し合ってきちっとしたちのをつくり合うということが非常に大事だと思うものですから、あえて問題を提起してみたというふうに御理解いただきたいと思うんです。
 したがって、これから先具体的な問題に入りたいと思うんですが、私は税の問題を改善するというか改革するというか、そのために必要なものは一体何かというふうに考えますと、やはり税というのはまじめに働く人には軽く、不労所得には重く、そして使い方は社会全体が平等に保たれるようなものに使うということでなければ、この三つの要素がなければ、納得して税を出そうという気持ちに私はならないんではないかと、こういうふうに思うわけであります。
 したがって、税をとにかく拠出する立場というものを踏まえて私は物を考えていかなきゃいかぬ。税改革をするにしても何のために、何が必要だからこう改革するんだと。税だけではなしに支出の問題も含めてやはりやるべきだと思うのですね。この点は我が党も強く主張している点ですが、支出内容が税の収入については中期展望とかいって三年とか四年というものがあるけれども、支出の展望についてはほとんど何もない、一年ごとの決め方になっている。こういったことも国民が税を理解するのに非常に私は困難な事態になっているんじゃないかと、こう思うんですね。
 そこで、例えば収入の問題ということになるんですが、収入の問題一つ見ましても、とにかくこの六十年、六十一年、六十二年は九・五、一一・八、それから九・四というふうに税収入がかなりのスピードで上がってきていますよね。これから三年は一体どうなんだと、ここが一番私は大事なところだし、もしことでもって政府が問題を抱えている課題を現行税制のままで仮にいったとしても、あるいは消費税を除いて減税だけをしてやったとしても、税の収入があるから満たされるんだ、問題は少なくとも三年、四年展望してみれば解決できるんだと。それならば、今疑問がある、問題があるということがたくさんあるにもかかわらず、世論では七〇%に近い人たちが消費税に反対をしておる、そういう中で何も急いで無理無理私は税というものを決めるべきではないじゃないか。改善、改革とは言いながらも、やはり無理をしないで二年、三年、時間をかけるぐらいのことが私は政治のあり方としても必要ではないか、こんなふうに思うんですよ。
 ですから、その点、私は税収の伸びの取り方の問題を含めまして、少なくとも二けた台のものは予定されるわけですから、経済成長からいっても予定されるし、政治論的に言っても、今こう伸び上がってきているものを来年からどたんと下げてしまうというようなことは政治のあり方としてもできない話でありますから、私は、税収は伸びるということを考えますと、二年、三年ぐらい十分論議をする時間があるではないかという前提に立つんですが、いかがでしょうか。
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竹下登#27
○国務大臣(竹下登君) そこのところが残念ながら及川さんと私と最終的な相違が出てくるわけでございます。確かに、税収ということになりますと、私はちょっとこの場で税収のことを答えるときにいつもちゅうちょをしますのは、それこそきょうもお座りになっている皆さん方に一%は誤差のうちというようなことを言いまして、税収見積もりを竹下大蔵大臣時代は一%と変わらなかったというようなことを自慢気に答えたことがありまして、あれだけは言わなきゃよかったなと思って今でも私は反省をしております。
 確かに、これは国民の皆様方の努力で今税収の状態はよろしゅうございます。それはそのとおりでございます。だが、だから税制改革急ぐことはないじゃないかと。が、お互い国会での議論をせんじ詰めてみると、税収がそれだけ上がったら、それは借金返しに充てるというのが本来の約束事ではあるわけです。それをそうしないでいろんな操作をしながら今日に至っておるわけでございますが、基本的に、最初そこのところが分かれますと申しましたのは、そのように比較的経済環境がよくて自然増収も期待できる状態、そうして失業率も消費者物価の上昇率もすべてを含めて一番安定しておる今だからこそ、あしたの歳入に不足しますというときでないからこそいい議論ができるから今が絶好の機会ではないかという私と、急ぐことはないじゃないかとおっしゃる及川委員のそこのところの見方だけは、これは残念ながら何ぼ問答しても、私が、及川委員、降参しますということにはならぬなと。ここのところだけは違うところでございます。
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及川一夫#28
○及川一夫君 私も総理大臣に負けたなどということはやっぱり言えないですね。
 これ以上議論してもあれですから、この点は時間の関係もありますからやめますけれども、確かに税というのは、しかし余裕を持ってやることが必要だと思うし、それから総理大臣がつじ立ちをしたということになっているんですけれども、ああいうのはつじ立ちとは私は本当に思っていないんですよ。本当の意味で、大衆と対話をしてみなければ、税の問題というのはなかなか解決する問題ではないというふうに思っております。そういう意味でも、この所得水準や生活水準の問題などについても議論し合えば懸隔が出てくるかもしれません。
 ただ、所得格差が狭まった、狭まったと言いますけれども、あるいは中流意識があるからそういうふうに言うのかもしれませんけれども、生活の実態はそんなものではありません。例えば百万あるいは二百万、三百万の所得のある人のエンゲル係数などを見ましても、やっぱり三〇%前後いっていますね。一千万とか八百万ということになりますと、二〇%あるいは二〇%を切っている。こういうようなやっぱり差があるし、金があれば、一千万円の収入の人が食べているようなものを食べたい気持ちは人間ですからありますよね。しかし、収入がないから結局は食費を切り詰めるということにすべていっているし、生活費の問題、これは資料を総務庁からいただいたんですけれども、これを見たって、もう百万円の収入のところなんかは、それこそそれをオーバーするような、とてもじゃないが物が買えないようなそういう実態の問題もあるわけです。
 時間の関係でそういった議論をする時間がもう少なくなりましたので、この点について政府の御意見を求める気はありませんけれども、年金生活者あるいは生活保護者の問題にしても人数が決して少なくないんですね。また、所得する金額も決して多いとは言えない状況にあるわけですから、逆進性の問題として考えたときには、総理が考えられないほど大変深刻に受けとめているというふうにだけはやっぱり申し上げておかなければいけないと、こんなふうに思うのであります。
 そこで、次の問題に進めたいというふうに思うのでありますが、直間比率の問題というのは、これは大蔵省、どういうふうに位置づけるんですか。将来のあり方の問題を含めて、現在の直間比率、それから今提案されている六法が通って実践をされるとどのぐらいの直間比率になるんでしょうか。あるべき直間比率というのはあるんでしょうか。
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水野勝#29
○政府委員(水野勝君) 直間比率という区分もあるわけでございますが、それは望ましい個々の税の組み合わせが選択された結果として出てくる数値でございまして、その望ましい水準といったものをあらかじめ具体的な数値で一義的に申し上げることは困難であろうかと思うわけでございます。現在の税制におきましては、国税で見ますと所得課税、特に給与所得に対する課税に偏りが出ております一方、消費課税のウエートが著しく低下してきております。こういう傾向を踏まえまして、今回の税制改革では所得課税の大幅な軽減、消費税の導入、資産課税の適正化等によりまして税体系の構築を図っているところでございます。
 シャウプ勧告のころは直接税中心というシャウプ勧告の精神のもとにおきましても、いわゆる直間比率は五五%対四五%でございました。現在、昭和六十三年度予算で見ますと、七二・二%対二七・八%となってございます。ただいま申し上げましたような今回の税制改革の内容を実現させていただきますと、このいわゆる直間比率の数値はおおむね二対一、六六対三四程度になるのではないかと見込んでおるところでございます。
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