外務委員会

1990-06-15 衆議院 全123発言

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会議録情報#0
平成二年六月十五日(金曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 柿澤 弘治君
   理事 愛知 和男君 理事 園田 博之君
   理事 浜田卓二郎君 理事 浜野  剛君
   理事 上原 康助君 理事 高沢 寅男君
   理事 山田 英介君
      小渕 恵三君    栗原 祐幸君
      坂井 隆憲君    塩谷  立君
      福島 譲二君    福田 康夫君
      山口 敏夫君    五十嵐広三君
      井上 一成君    岡田 利春君
      松原 脩雄君    山口那津男君
      古堅 実吉君    和田 一仁君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  海部 俊樹君
        外 務 大 臣 中山 太郎君
 出席政府委員
        北方対策本部審
        議官      鈴木  榮君
        経済企画庁総合
        計画局長    冨金原俊二君
        法務省入国管理
        局長      股野 景親君
        外務省アジア局
        長       谷野作太郎君
        外務省北米局長 松浦晃一郎君
        外務省欧亜局長 都甲 岳洋君
        外務省経済局長 林  貞行君
        外務省経済協力
        局長      木幡 昭七君
        外務省条約局長 福田  博君
        外務省国際連合
        局長      赤尾 信敏君
        大蔵省主計局次
        長       寺村 信行君
 委員外の出席者
        外務委員会調査
        室長      薮  忠綱君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 国際情勢に関する件
     ────◇─────
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柿澤弘治#1
○柿澤委員長 これより会議を開きます。
 国際情勢に関する件について調査を進めます。
 この際、各質疑者に申し上げます。
 質疑時間につきましては、理事会申し合わせのとおり厳守されるようお願い申し上げます。なお、政府におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔、明瞭にお願いをいたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。浜田卓二郎君。
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浜田卓二郎#2
○浜田(卓)委員 外務委員会としては久しぶりに総理大臣をお迎えした質疑ができるわけでありまして、その質問者に指名されましたことを大変光栄だと思っております。
 私はわずか二十八分しか時間がありません。しかも、委員長の厳しい要請で、おまえは二十五分でやめろということにもなっておりますので、私は六問だけ質問を絞ってやります。そうしますと、物理的に一問、答えも入れて四分ということになりますので、私も演説をいたしませんが、ひとつ御答弁は簡潔によろしくお願い申し上げます。
 第一点は、ソ連の日米安保条約に対する対応の評価について、外務大臣にお伺いいたします。
 さきの米ソ首脳会談、これは東西冷戦終結の過程を一層推進させたというふうにとらえられるわけでありますし、このような東西冷戦の終えんの傾向の中で、来る六月二十三日に日米安保条約改定三十周年を迎えるわけであります。ところが、当委員会の議論でもそうでありますが、最近、ソ連の軍事的脅威がなくなったら日米安保条約は要らないのではないか、あるいは北方領土が返還されたら日米安保はどうなるのかといったような議論が行われているわけであります。ソ連側が日米安保条約に対する現実的な評価を始めつつある。そういう中で、また北方領土問題と日米安保問題を切り離していこう、そういう考え方がソ連の方にも出ている。
 例えば、サルキソフ東洋研究所日本研究センター所長が「ソ連国民は巨大な経済力を有する日本がどこへ行こうとしているのか、不安を抱いている。日米安保は日本が軍事大国になるのを防ぐだろうし、ソ連はその存在を現実と認め、関係改善が進められると思う」と語っておりますし、クナーゼ世界経済国際関係研究所日本政治部長は、「日ソ両国間に公平を復活し、信頼を強化するためには、我々は六〇年の政府覚書が無効だと明確に言明しなければならない」というようなことも語っております。
 こういう状況を外務大臣としてどのように評価しておられるのか。つまり、ソ連の日米安保条約に対する評価、北方領土問題と日米安保条約の問題を関連させるアプローチの変化、これを外務大臣としてどのようにとらえておられるか、御答弁をお願いしたいと思います。
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中山太郎#3
○中山国務大臣 今委員お尋ねの、日米安保条約が日ソの平和条約締結に関して、あるいは北方領土の問題とどのような関連性があるかというお尋ねでございますが、外務省といたしましては、日ソ平和条約作業グループ等におきまして、日米安保条約が今後の日ソ間の平和条約交渉に何ら障害になるものではないという認識であると認識をいたしております。
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浜田卓二郎#4
○浜田(卓)委員 あえてソ連側のアプローチの変化を指摘するまでもなく、私は、日米安保条約はソ連の軍事的脅威にのみ存在の理由を持つものではなく、地球的規模での安定、平和あるいはアジアの安定のために不可欠なものであるというとらえ方をいたしております。またさらに、日米の経済的な一体化が進む上で不可避である経済あるいは文化摩擦を処理する包括的な枠組みとしての位置づけも可能であるわけであります。御承知のように、経済協力条項も含まれているわけであります。さらに、先ほどのサルキソフ氏の話のように、我が国が中立化することがかえってアジア諸国に不必要な不安定感、不安を高める、アジア地域の不安定化にもつながる、そういう認識もあり得るわけであります。
 私は、総理に二点に分けてお伺いをいたしますが、これは将来の話でありますけれども、たとえ北方領土が返還されるとかあるいは日ソ平和条約が締結されたとしても、日米安保体制の重要性にはいささかの変化もないと私は考えておりますが、この点についての総理のお考えを第一点伺いたい。
 それからもう一点は、さはさりながら、このアジアにも大きなデタントの影響というものは及んでいるわけであります。ソ連とアメリカとの関係も変化しつつあるわけでありますが、九〇年代の日米安保体制の変質、それをどのようにお考えになっておられるか。そして日米安保条約の九〇年代の新たな意義というものをどのようにお考えになっているか。
 この二点について御所見をお願いいたします。
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海部俊樹#5
○海部内閣総理大臣 今御指摘になりました日米安保条約の持っておる意義というのは、これはもうただ単に日本とソ連の間に平和条約が結ばれるまでのものだとか、そういうような前提は私は全
然考えておりません。国の目的が国の平和と国民生活の安定向上を図るところにあるとするなれば、日米安保条約の持っております安全保障、それはもうもちろん大切な一面でありますから、安全保障という面において今後もさらに必要でございましょうし、また経済協力、日米両国の持っておる自由な制度をさらに発展させていくための相互協力条約にもなっておるわけでありますから、その意義というものは変わるものではないと私は考えております。
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浜田卓二郎#6
○浜田(卓)委員 九〇年代における安保条約の意義といいますか、新たな意義ということについてはどうお考えになっておりますか。
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海部俊樹#7
○海部内閣総理大臣 やはり世界に真の平和と繁栄を安定、定着させていくためには、これまで同様、日本とアメリカが世界の生産力の四〇%近くをともに支える国であるということは、日米両国の安定的な関係というものは、世界の経済にとっても、またアジアの安定にとっても極めて大きな要素を持つものでありますし、この間も民間のアジア・太平洋経済協力委員会主催のサテライトセッションというものに私も出席をして、各地区の首脳の話も聞きましたが、例えば、そのときのシンガポールのリー・クアンユー首相の発言なんかにも見られるように、きょうまで果たしてきた日米安保条約の役割、枠組みというものが、これからもアジア・太平洋地域の安定的な発展のために、真に平和を定着させ繁栄を約束していくためにも機能していくことが望ましいという率直な発言等もあるわけでありますから、私は、最初に申し上げましたように、これからも大切に考えていかなければならない政治、経済両面における目標がある、こう考えております。
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浜田卓二郎#8
○浜田(卓)委員 次に、四島の問題について一点だけお伺いをしたいと思います。
 最近、私も四月の末に訪米いたしまして、例えばテキサスでブッシュ人脈の中心であると言われているアドミラル・インマンさんとか何人かの方にお会いをしてまいりまして、一つ共通して彼らの認識として存在することに驚いたことがあります。これは、来年、仮にゴルバチョフが秋に来日するとすれば、四島は返還されるであろう、こういう認識を語る人が意外に多いわけであります。そして、先ほどもちょっと質問した点でありますけれども、むしろ返還後の日本の安全保障に対する意識がどう変わるか、そこが興味の焦点だという意見を多々聞いたわけであります。
 また、これは先般の外務委員会でそのような事実はないという外務大臣の御答弁がありましたけれども、ブッシュ・ゴルバチョフ会談においても言及があったと伝えられておりますし、その中でこの領土問題と経済協力とが取引材料になるというようなこともほのめかされているように伝えられております。これが事実かどうか、私はあえて確認をいたしませんけれども、今我々が想像もしておらなかったベルリンの壁の崩壊、東西両ドイツの統一への急速な動きというようなことも起きている状況にあります。私どもはさらにこの我々の外交の対応というものを先に進めておく必要があるのではないか。
 そこで、取引材料にするという意味ではなくて、そろそろ日ソ平和条約締結後の日ソ経済協力関係についても政府として考え方を整理し、準備をしていく時期に入っているのではないかというように私は考えます。特にソ連の近年の経済問題というのは非常に深刻なものがあるわけでありまして、物の本によれば、この一、二年においてソ連が現在の経済状態を改善できなければ、世界は極めて不安定な状態になってしまう危険性がある、あるいは今まさにそういう大事な剣が峰のときなんだというような意見、分析もあるわけであります。対ソ経済協力のあり方は、日ソ平和条約を締結して、その後で考えればいいんだというようなことで、果たして対応していくような時間的余裕があるのかどうか、私は疑問だと考えている一人であります。
 そこで、私は総理に二点伺いたいわけでありますが、平和条約締結後日ソ経済協力を大いに推進していくという考えがあるのかどうか、これが第一点です。そして第二点、今申し上げたような状況を踏んまえて、これは対外的に明らかにせよということではないにしても、政府部内において今後の日ソ経済協力関係についての研究調査、対応の準備ということを既に始めるべきではないか、そのように考えますが、これを二点に分けて御答弁願います。
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海部俊樹#9
○海部内閣総理大臣 第一点目の方は、締結後という前提を置いての話でございますから、条件が変われば、そのときの条件に従って当然できる限り協力をしていこうという決意があることは、これは委員もそして私も共通するものであると思います。
 それから、その前の段階につきましては、これは何度も申し上げておりますように、北方領土問題というものを解決する、平和条約を締結する、これが我が国の外交の持っております大きな目標であること、これは当然でありますから、この問題を横へ置いちゃって、この問題を後に取り残して、そして進んでいこうというところはいささか無理がございますけれども、そのことも含めて、現段階においてもでき得る限り拡大均衡の方向で日ソ関係というものは進めていくべきであるという基本に立って、御承知のように、昨年もことしの春もソ連からの経済調査団の受け入れも日本側は積極的にしたわけでありますし、また同時に、ソ連側からも、最近花博の主賓でいらっしゃったビリュコワという副首相あるいはプラウダの編集長のフロロフさんも、私はお目にかかるたびに、ゴルバチョフ大統領からのメッセージだと前置きをされて、日ソ関係というものを楽観的に見ておるという御発言がありますから、私も楽観的に見たいと常々思っておるのです、そうしてソ連の持っていらっしゃる今の新しい政策、ペレストロイカの正しい方向性は、私も心からこれは期待をしながら刮目をしておるのです、その成功をされるように、日ソ関係を本当に定着し前進させていくために、拡大均衡の方向でいろいろ御協力をしていきましょう、いろいろなことを申し上げておるわけでありまして、ゴルバチョフ大統領とは、領土問題を解決して平和条約を締結したときには、日ソ二国間にはアジア・太平洋における両国間の協力関係がいかに大きな重要な意味を持つものかについても率直な話し合いをいたしたいと考えております。
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浜田卓二郎#10
○浜田(卓)委員 日米安保条約が今後アジアのいかなる変化の中でも必要であるという認識は、総理も外務大臣もまた私も共通であると確認をさせていただくわけであります。しかし、日米安保条約第十条は、「この条約は、日本区域における国際の平和及び安全の維持のため十分な定めをする国際連合の措置が効力を生じたと日本国政府及びアメリカ合衆国政府が認める時まで効力を有する。」と規定しております。つまり、日米安保体制は国連機能強化までの間の過渡的な安全保障体制と位置づけるべきものであると考えます。あわせて、昨今のこの世界の状況を考えてまいりますと、超大国の対決時代からいわば世界が多極化しておる、そして多極化した世界が相互に依存関係を深めている、そのように言えると私は思うわけでありますが、その中で国際的な調整機関としての国連の機能というものは高まってきているし、今後もさらに高まっていくであろう、まさに国連中心主義を掲げる我が国の考え方の正しさというものがますます実証されてくると私は思うわけであります。
 その中で、私は国連に対する日本の対応というものが極めて不十分であると思っております。それは、金を出せばいいということではなくて、国連を中心にして本当に世界の平和に貢献をしていく、そういう積極的な踏み込みが日本にとってさらに重大な課題だと私は考えているわけであります。例えば国連平和維持軍でありますけれども、これはもう御承知のように一九八八年にノーベル平和賞を受賞している。さらに紛争の平和的解決を目的とし、敵を持たない兵士と言われているわけであります。現在、世界の中で六十五カ国が
参加し、一万八千人の兵士がこれに参加をしているわけであり、かつ国連事務総長並びに安保理事会の指揮下に置かれている軍隊であります。いわゆる海外派兵という概念とは大いに異なるものがあると私は考えております。これに参加してこそ独立国家として、平和国家として一人前であると言っても過言でないと私は思っております。
 そこで、総理大臣に二点お伺いしたいと思うわけでありますが、この国連中心主義をさらに実効的にしていくために、国連安全保障理事会の常任理事国に日本はなるべきである、その努力を外務省においては既に始められていると承知いたしておりますけれども、これをできるだけ早期に実現をすべきである、この点についての総理の決意を第一点お伺いしたい。
 そして、その前提条件、これが必ずしも十分な前提になるかどうかは別にいたしまして、ただいま申し上げました平和維持軍への自衛隊の参加は早急に実現すべきである、これは憲法上の問題は生じない、自衛隊法の改正で対応できると私は理解をいたしております。
 この二点について総理大臣の御所見をお聞かせいただきたい。
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海部俊樹#11
○海部内閣総理大臣 第一点の国連の安全保障理事会の常任理事国になるという問題につきましては、これはやはり国際社会におけるいろいろな取り決めやルールのもとにおいてなるわけでありますから、国連に対して果たすべき役割を日本もいろいろな分野できょうまで果たしてきておるわけでありますが、国連憲章の改正という問題も起こってくるわけでございます。今後とも各国の理解を得るように努力をしていきたい、こう考えております。
 また、第二点でお触れになりました国連の平和維持活動に積極的に参加せよということでありますが、国連の活動には最近我が国は資金の拠出のみでなく、平和のための協力の一環として、例えばナミビアとかあるいはニカラグアにおける選挙監視要員を派遣するとか、いろいろな協力を具体的に進めておるわけでありますが、今お述べになった停戦監視団等に日本の自衛隊法を改正して参加をするようにしたらどうかという御指摘でございます。この問題につきましては、我が国として世界の平和のためにどのような形で貢献すべきかという観点から、広く国民の皆さんの御理解や国会における御議論等を踏まえて、今後検討をしていかなければならない問題だと受けとめさしていただいております。
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浜田卓二郎#12
○浜田(卓)委員 総理の御答弁としては限界があるということは私も理解いたしております。しかし、これだけ経済大国と言われ、そして積極的な平和外交、世界への貢献を打ち出されている海部内閣として、私は最低限こういうことは実現すべきである、私は今国内の世論も大きく変わりつつあるということをあえて申し上げたいと思うわけであります。
 それでは、日米構造協議に関連する問題について二点だけお伺いいたします。
 第一点は、中山外務大臣、きょう渡米されて最後の詰めの御議論もなさるというふうに承っております。私は特に心配しておりますのは公共事業費の問題でありまして、生活関連投資をふやしていくことは大いに結構でありますし、日本の公共事業を伸ばすということ自体、日本の国益にも必ずしも反することではないわけでありますから、それは結構であります。しかし、日本の公共事業費、公共投資というのは、既にGNPの六、七%に達しておる、この増減というものは日本の経済政策の上で大きな役割を果たしている、これはアメリカと事情が違うわけであります。アメリカはせいぜいGNPの一%、二%台ということでありますから、この影響の度合いが違う、そこに理解の違いも当然あると私は思うのです。仮にこの公共事業の投資計画というのを年次別に出して、それを経済動静のいかんにもかかわらず、その進行を管理されるというようなことになりますと、これは日本経済にとって重大な影響がある。これを日米構造協議の過程の間、私は何度もいろいろな場面で警告をしてまいりましたけれども、昨今伝えられるこの米国の要請の中には、そういう感じが濃厚に出ているわけであります。外務大臣にはぜひそういう点を踏まえて大いに頑張ってきていただきたいわけでありますが、ひとつ総理がこの点についてどのように御確認をなすっておられるか、御所見を承りたいと思います。
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海部俊樹#13
○海部内閣総理大臣 社会資本整備の問題につきましては、我が国が自主的に判断をしながら国民生活の質の充実を図っていきたい、こういう基本的な立場で取り組んできておる問題でありますし、またそれが基本でなければならないということは、委員の御指摘と私と見解を全く同じにするものでございます。そうして中間報告取りまとめの段階でも、そのことは外務大臣にも私は強く指示をいたしましたが、公共投資の水準というものを決めていくのはあくまで日本側の目指す目標でありますし、同時に国内のインフレとかあるいは景気の過熱とかいろいろそのときどきの経済情勢に対して配慮しなきゃならぬ点もあると思います。
 したがいまして、基本的に社会資本を充実する、おくれている部面をさらに力を入れていくという大きな方向、これを日本側の政策態度としてアメリカ側にもこれは伝えましたし、同時に、自主的に今後十年間くらいの計画目標で、総額これくらいやろうとしておるんだという政府の数字的な結論も、最終報告には示すということは言ってありますけれども、その以外の問題については、今申し上げましたような配慮から、日本側の自主的な決定判断にこれは任してもらうべきものである、こう考えております。
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浜田卓二郎#14
○浜田(卓)委員 ぜひ中山外務大臣、そういう海部内閣の方針というものを踏まえて御健闘、御奮闘お願いいたします。
 最後に、この二月に米国とECとの間で、米国大統領と欧州理事会議長の年二回の定期的協議の開催が合意されております。米ソの間でも定期協議というものが毎年行われているわけであります。私は、日米構造協議のように、両国のマーケットのルールを同一にしていこう、そういういわば一つの折衝というのは今後とも常時続いていくものである。しかし、日米関係がそういうものによってのみ大きく喧伝されるということは、両国にとって不幸なことだと思うわけであります。日米は大事なパートナーシップを組みながら世界の平和にともに共同して貢献をしている、我々はそのように認識をし、誇りに思っているところでありますけれども、そういうことを踏まえて、日米のこの首脳会議というものを定期化して、年に一度あるいは二度、これを第三国でも結構ですけれども、最低限二日とかそういうふうに決めて、これを定期協議化していくべきである、そういう時代に人っている。ですから、事実上おれが行っているからいいんだということでなくて、正式な日米の首脳の定期協議化というものを私は提案を申し上げたいと思いますけれども、総理の御所見を伺います。
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海部俊樹#15
○海部内閣総理大臣 大抵の御質問は委員と全く同じだ、こう申し上げてきましたが、ただいまの日米首脳会談を定期的にしたらどうかという御指摘でありますが、必要があったときにはいつでも率直に話し合うことが大切だと私は受けとめております。したがいまして、就任以来きょうまで二度既に日米首脳会談は時間をかけてしておりますし、そのほか首脳が意見を確認しておく必要があるときは、必要に応じて電話も何回もかけ合っておりますし、今直ちにここで定期化してしまうというよりも、必要なときにはいつでも事情さえ許せば会うという今の状況を続けていった方が実質的ではなかろうか、私はこう判断しておりますので、その点はどうぞ御理解をいただきたい、こう思いますが、考えてみます。
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浜田卓二郎#16
○浜田(卓)委員 最後に考えてみますとおっしゃいましたけれども、目にみえないところでそういうことをやっていくのも大事である、しかし同時に、国民が見ているわけでありますから、国民の見えるところでやはり両国がお互いに日米パートナーシップを確認して、そして共同で世界平和に
当たっているということを政治的に大きくアピールしていく、それは両国民にとって大事だということを私はあえてつけ加えて、どうぞお考えをお続けいただきますようにお願いいたします。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
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柿澤弘治#17
○柿澤委員長 高沢寅男君。
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高沢寅男#18
○高沢委員 総理、きょうは当外務委員会へ御出席まことに御苦労さまでございます。
 私は対朝鮮問題、対ソ連問題、この二つの点について順次御質問をいたしたい、こう思います。
 最初に、朝鮮関係でありますが、先般韓ソ首脳会談が行われまして、これは大変国際的に大きな波紋を呼び起こしておるわけでありますが、韓国の盧泰愚大統領は、続いて中国との首脳会談もやりたい、こういう意欲を示しておられるわけでありますが、ただ、こういう情勢の中でだれでも言っていることは、これによって北朝鮮を孤立化さしてはならぬという見方はほとんどまたどなたも一致した意見として出ているわけであります。そういう立場で見たときに、我が国日本の政府と対北朝鮮の関係、朝鮮民主主義人民共和国のこの関係を正常化するということに向かって、今や我が国としても大きく踏み出すべきときが来ているんじゃないのか、こんなふうに思いますが、まず総枠として、そういう日朝関係の今後のあり方についての総理の御所見をひとつお聞きしたいと思います。
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海部俊樹#19
○海部内閣総理大臣 委員御指摘のとおりに、北朝鮮と我が国との関係を真に安定的な良好な関係に持っていきたいという強い願いを私も持っております。そうして、先般の日韓首脳会談のときにも、韓国も朝鮮半島の平和的な統一の問題について、北朝鮮との関係改善について強い意向を持っていらっしゃることも確認をいたしましたし、日本としても、北朝鮮を孤立化に追いやってはいけないという点は、私からも率直に申し上げたつもりでございます。
 今政府といたしましては、北朝鮮との対話を呼びかけるとともに、いろいろそれは措置もとってきておるところでございますが、今後とも一層積極的に日朝関係改善に取り組みたいと考えております。そのための環境づくりとして何ができるか、今いろいろ検討しておりますが、他方、関係改善のために、今後北朝鮮側よりも前向きの反応を得て、まず政府間の率直な対話が実現しますことを、私は心から希望をいたしております。
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高沢寅男#20
○高沢委員 その関係でありますが、かねてから自民党の金丸元副総理が朝鮮を訪問されるというふうなことがずっと伝えられているわけであります。私は、もしそれが実現すれば、我が国とそして朝鮮民主主義人民共和国の間の最初の大きな扉を開く、そういうチャンスになる、こう考えておりますが、その金丸元副総理が訪問される、あるいは総理から言わせれば派遣される、そういうタイミングあるいはまたそのときはこういう条件があればというふうなことをどのように総理はお考えになっているか、お聞きしたいと思います。
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海部俊樹#21
○海部内閣総理大臣 かねがね社会党の田邊副委員長を団長とする訪朝団のお話のとき、おいでになる前後には私もお目にかかっていろいろお話を承り、日本側としても政府間の接触をしたいという希望をお伝え願うように、あるいは第十八富士山丸の問題についての問題解決に一層御努力を賜り、理解を深めていただくようにお願い等をしてきたところであります。
 その一環として、金丸元副総理の訪朝問題についてもいろいろ日程等に上がってきておると聞いておりますが、まだ具体的にいつ、どのような形でどうということが決まったものではございませんが、私は日朝関係の改善のために、仮に訪朝が実現することとなりますれば、これは日朝両国の局面打開に大きな意味もありますので、政府といたしましては、金丸元副総理とよく連絡をとりながら、可能な限り支援をし、いろいろと御努力をお願いしていくつもりでおります。
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高沢寅男#22
○高沢委員 私は、今の国際情勢の発展していくテンポを見ますと、今言われた金丸元副総理の朝鮮訪問は、私はもう年内にこれが実行されるというふうになることが、そうなると思うし、またそうすることが非常に必要ではないのか、こんなふうに思いますが、金丸元副総理が行かれるときに、総理はこの金丸代表団を総理の特使、こういう位置づけを与えるお考えがあるかどうか、私はこれは非常に重要なことになると思いますが、そういうお考えがありますかどうか、お尋ねしたいと思います。
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海部俊樹#23
○海部内閣総理大臣 私も、でき得る限り金丸元副総理を日朝関係のために、早い時期に実現していただけたらいいなという個人的な強い願いを持っておりますし、もしそのようなことが具体化したときには、先ほども申し上げましたように、金丸元副総理の御意向も十分そんたくしながら、政府としてはできる限り最大限の御協力と支援をしたい、こう思っております。
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高沢寅男#24
○高沢委員 特使としてというお答えは総理からはありませんが、私はそうされるのが非常に適当ではないかという考えを申し上げておきたいと思います。
 続いて、そうやって朝鮮民主主義人民共和国、後は今度は共和国と略称して呼びたいと思いますが、この共和国政府と日本の政府のレベルの接触ができてくるというときにどうしても問題になるのは、この共和国の政府をいかなる政府と認識するかという認識の問題が一つ出てくると思います。御承知のとおり、日韓基本条約の第三条では、ここでは「大韓民国政府は、国際連合総会決議第百九十五号(III)に明らかに示されているとおりの朝鮮にある唯一の合法的な政府であることが確認される。」ということでもって、日韓基本条約では、我が国政府は大韓民国政府が朝鮮における唯一合法の政府である、こういう位置づけをしているわけですね。このことを逆に裏返して形式論理で考えてみると、じゃ、その大韓民国政府以外の朝鮮にある政府、それ以外の政府は非合法の政府であるということに、これは形式論理で裏返せばそういう論理になるかと思うのですが、ただしかし、我が国政府、もちろん海部総理は、このピョンヤンにある共和国政府を非合法の政府である、こんな認識はもちろんさらさらあるはずはない、こう考えるわけでございますが、この辺の御認識はどういうふうな御認識をされているのか、それをひとつ総理からお示しいただきたいと思います。
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海部俊樹#25
○海部内閣総理大臣 条約上のいろいろな経緯等もあるようでございますから、詳しくは外務省から答弁をいたさせます。
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谷野作太郎#26
○谷野政府委員 お許しを得まして、私から御答弁させていただきます。
 まず、韓国の政府についてお話がございましたけれども、これは仰せのように、日韓基本関係条約の第三条というのがございますが、この第三条と申しますのは、韓国の政府の基本的な性格につきまして、ただいま仰せのとおり、国連決議第百九十五号の(III)というのがございますが、これを引用してその趣旨を確認したものということでございまして、それ以上のものではございません。それが第一点でございます。
 さて第二点、この北側につきましてどうだということでございますが、これも国会で従来から政府から御答弁しておるところでございますが、日本政府といたしましては、北朝鮮との間には承認関係はございませんわけでございますけれども、北には南と別個の政権が存在するというのが日本政府の一貫した認識でございます。
 いずれにいたしましても、さきに述べました日韓基本関係条約は、北朝鮮につきましては何ら触れておらないわけでございまして、言いかえますれば、一切白紙のままこの点が残っておるということでございます。したがいまして、我が国として北朝鮮とどのような関係を構築していくかということは、その点につきましても、今後の問題としてすべて白紙の形で残されておるということでございます。
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高沢寅男#27
○高沢委員 私は今の点は本当に重要なポイントだと実は思います。これからピョンヤンの共和国
政府と金丸特使も行って話し合いをしようというそのときに、あなたの政府は合法政府であるのかないのか白紙でございます、これで一体話ができるのですか。日韓基本条約の中に国連決議百九十五号を援用しただけでございます、こう言われました。それは、その経過はわかりました。けれども、その裏返しとして、さっき言った形式論理からすれば、じゃ、もう一つの政府は合法政府じゃないのかという見方が出てくる。そういう問題点に対して、交渉する相手に、あなたも合法政府ですという前提がなければ、私は、この交渉は、話し合いは成り立たぬと思うのです。とすれば、結局落ちつくところは、朝鮮半島の南半分は大韓民国政府が合法政府である、そして北半分においては朝鮮民主主義人民共和国政府が合法政府である、ともに合法政府である、こういう位置づけに当然なるのじゃないのか。であるから、その南にある北にあるともに合法の政府が、それじゃ、これからお互いに話し合って、そして南北の統一も進めましょう、首脳会談も進めましょう、盛んに盧泰愚大統領は今北に向かってそういうアピールをしているわけです。そういうふうに考えてみれば、政府の性格、合法性ということについていえば、南の政府も北の政府もともにそれぞれの地域における合法政府である、私はこのくらいの認識はなければ話し合いは糸口が開けない、こう思いますが、この点は総理、いかがでしょうか。あるいはまた、そうでなければ外務大臣、外務大臣でも結構ですが、これは局長レベルよりは、やはり大臣か総理に私はお答えいただきたいと思います。これは局長レベルの事務的な答弁ではないと思うのです。
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柿澤弘治#28
○柿澤委員長 答弁は簡潔にお願いします。
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谷野作太郎#29
○谷野政府委員 ただいまの繰り返しになりますけれども、私ども日本政府の認識は、北の部分におきましては南と別個の政権が存在するということで、一貫して日本政府の認識を国会で申し上げてきているところでございます。
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