予算委員会

1991-02-05 衆議院 全190発言

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会議録情報#0
平成三年二月五日(火曜日)
    午後一時一分開議
 出席委員
   委員長 渡部 恒三君
   理事 大石 千八君 理事 鹿野 道彦君
   理事 近藤 鉄雄君 理事 二階 俊博君
   理事 増岡 博之君 理事 加藤 万吉君
   理事 佐藤 敬治君 理事 松浦 利尚君
   理事 草川 昭三君
      阿部 文男君    相沢 英之君
      愛野興一郎君    粟屋 敏信君
     井奥 貞雄君    小此木彦三郎君
      越智 伊平君    加藤 紘一君
      狩野  勝君    金子 一義君
      倉成  正君    後藤田正晴君
      佐藤  隆君    志賀  節君
      田邉 國男君    戸井田三郎君
      萩山 教嚴君    林  義郎君
      原田  憲君    原田 義昭君
      松永  光君    松本 十郎君
      村田敬次郎君    村山 達雄君
      綿貫 民輔君    五十嵐広三君
      串原 義直君    嶋崎  譲君
      新村 勝雄君    新盛 辰雄君
      辻  一彦君    戸田 菊雄君
      野坂 浩賢君    藤田 高敏君
      武藤 山治君    和田 静夫君
      石田 祝稔君    市川 雄一君
      日笠 勝之君    二見 伸明君
      冬柴 鐵三君    佐藤 祐弘君
      吉井 英勝君    伊藤 英成君
      川端 達夫君    神田  厚君
      中野 寛成君    楢崎弥之助君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  海部 俊樹君
        法 務 大 臣 左藤  恵君
        外 務 大 臣 中山 太郎君
        大 蔵 大 臣 橋本龍太郎君
        文 部 大 臣 井上  裕君
        厚 生 大 臣 下条進一郎君
        農林水産大臣  近藤 元次君
        通商産業大臣  中尾 栄一君
        運 輸 大 臣 村岡 兼造君
        郵 政 大 臣 関谷 勝嗣君
        労 働 大 臣 小里 貞利君
        建 設 大 臣 大塚 雄司君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     吹田  愰君
        国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 坂本三十次君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 佐々木 満君
        国 務 大 臣
        (北海道開発庁
        長官)
        (沖縄開発庁長
        官)      谷  洋一君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 池田 行彦君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      越智 通雄君
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      山東 昭子君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 愛知 和男君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 西田  司君
 出席政府委員
        内閣官房副長官 大島 理森君
        内閣法制局長官 工藤 敦夫君
        内閣法制局第一
        部長      大森 政輔君
        警察庁長官官房
        長       井上 幸彦君
        警察庁警備局長 吉野  準君
        総務庁長官官房
        審議官
        兼内閣審議官  新野  博君
        総務庁人事局次
        長
        兼内閣審議官  富田 駿介君
        防衛庁参事官  内田 勝久君
        防衛庁参事官  玉木  武君
        防衛庁参事官  宝珠山 昇君
        防衛庁参事官  上原 祥雄君
        防衛庁長官官房
        長       日吉  章君
        防衛庁防衛局長 畠山  蕃君
        防衛庁教育訓練
        局長      小池 清彦君
        防衛庁人事局長 坪井 龍文君
        防衛庁経理局長 村田 直昭君
        防衛庁装備局長 関   收君
        防衛施設庁総務
        部長      箭内慶次郎君
        防衛施設庁施設
        部長      大原 重信君
        防衛施設庁建設
        部長      黒目 元雄君
        経済企画庁調整
        局長      末木凰太郎君
        経済企画庁調整
        局審議官    土志田征一君
        経済企画庁国民
        生活局長    加藤  雅君
        経済企画庁調査
        局長      田中 章介君
        科学技術庁研究
        開発局長    井田 勝久君
        環境庁長官官房
        長       森  仁美君
        環境庁企画調整
        局地球環境部長 加藤 三郎君
        環境庁自然保護
        局長      伊藤 卓雄君
        国土庁長官官房
        長       八木橋惇夫君
        国土庁長官官房
        会計課長    森   悠君
        外務省アジア局
        長       谷野作太郎君
        外務省北米局長 松浦晃一郎君
        外務省欧亜局長 兵藤 長雄君
        外務省中近東ア
        フリカ局長   渡辺  允君
        外務省条約局長 柳井 俊二君
        外務省国際連合
        局長      丹波  實君
        外務省情報調査
        局長      佐藤 行雄君
        大蔵省主計局長 保田  博君
        大蔵省主税局長 尾崎  護君
        大蔵省理財局長 篠沢 恭助君
        大蔵省銀行局長 土田 正顕君
        文部大臣官房長 坂元 弘直君
        文部省高等教育
        局長      前畑 安宏君
        文部省学術国際
        局長      長谷川善一君
        文化庁次長   遠山 敦子君
        厚生大臣官房総
        務審議官    熊代 昭彦君
        厚生大臣官房審
        議官      田中 健次君
        厚生省健康政策
        局長      長谷川慧重君
        厚生省保健医療
        局長      寺松  尚君
        厚生省薬務局長 川崎 幸雄君
        厚生省保険局長 黒木 武弘君
        農林水産大臣官
        房長      鶴岡 俊彦君
        農林水産大臣官
        房予算課長   山本  徹君
        林野庁長官   小澤 普照君
        通商産業大臣官
        房商務流通審議
        官       坂本 吉弘君
        通商産業大臣官
        房審議官    横田 捷宏君
        通商産業省通商
        政策局長    畠山  襄君
        通商産業省貿易
        局長      堤  富男君
        通商産業省立地
        公害局長    岡松壯三郎君
        通商産業省機械
        情報産業局長  山本 幸助君
        資源エネルギー
        庁長官     緒方謙二郎君
        中小企業庁長官 高橋 達直君
        運輸大臣官房長 松尾 道彦君
        運輸省運輸政策
        局長      中村  徹君
        運輸省国際運輸
        ・観光局長   寺嶋  潔君
        海上保安庁次長 豊田  実君
        気象庁長官   立平 良三君
        郵政大臣官房経
        理部長     吉高 廣邦君
        労働大臣官房長 齋藤 邦彦君
        労働省労働基準
        局長      佐藤 勝美君
        労働省職業安定
        局長      若林 之矩君
        建設大臣官房会
        計課長     小野 邦久君
        自治省行政局公
        務員部長    滝   実君
        自治省行政局選
        挙部長     吉田 弘正君
        自治省税務局長 湯浅 利夫君
 委員外の出席者
        参  考  人
       (日本銀行総裁) 三重野 康君
        予算委員会調査
        室長      多田 俊幸君
    ─────────────
委員の異動
二月五日
 辞任         補欠選任
  内海 英男君     井奥 貞雄君
 小此木彦三郎君     原田 義昭君
  加藤 紘一君     金子 一義君
  浜田 幸一君     狩野  勝君
  松永  光君     萩山 教嚴君
  市川 雄一君     石田 祝稔君
  冬柴 鐵三君     二見 伸明君
  藤田 スミ君     吉井 英勝君
  中野 寛成君     川端 達夫君
同日
 辞任         補欠選任
  井奥 貞雄君     内海 英男君
  狩野  勝君     浜田 幸一君
  金子 一義君     加藤 紘一君
  萩山 教嚴君     松永  光君
 原田 義昭君     小此木彦三郎君
  二見 伸明君     冬柴 鐵三君
  川端 達夫君     伊藤 英成君
同日
 辞任         補欠選任
  伊藤 英成君     神田  厚君
同日
 辞任         補欠選任
  神田  厚君     中野 寛成君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 平成三年度一般会計予算
 平成三年度特別会計予算
 平成三年度政府関係機関予算
     ────◇─────
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渡部恒三#1
○渡部委員長 これより会議を開きます。
 この際、増岡博之君から発言を求められておりますので、これを許します。増岡博之君。
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増岡博之#2
○増岡委員 昨日の私の関連質問に立った浜田委員の社会党に対する発言については、自民党として十分精査をいたしましたが、発言のような事実は全くございませんでしたので、報告をし、陳謝いたします。
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渡部恒三#3
○渡部委員長 引き続き、加藤万吉君から発言を求められておりますので、これを許します。
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加藤万吉#4
○加藤(万)委員 我が党の名誉にかかわる発言について、自民党を代表して増岡理事から陳謝の発言がありました。
 我が党は、かかる事実無根の言動について抗議を表明するとともに、湾岸戦争を初めとする内外の政治課題をいたずらに延引することは、国民の皆さんの期待に反することであり、この際、再びかかる事態のないことを強く自民党に求めてまいりたいと思います。
     ────◇─────
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渡部恒三#5
○渡部委員長 平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算、平成三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。市川雄一君。
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市川雄一#6
○市川委員 私は、きょう、今焦点になっております自衛隊機の派遣問題、それから湾岸関連での九十億支援問題、あるいは今後五カ年の防衛力整備を決めた中期防衛力整備計画、あるいは政府のこの湾岸九十億ドル支援に関する歳出削減努力姿勢ありやなしや等を中心に、あと今深刻化する看護婦さんの問題、含めて御質問を申し上げたいと思います。
 まず総理、ことしの一月十七日から多国籍軍が武力行使に踏み切ったわけですが、きょうで十九日を経過しておりますが、これはもう戦争に反対、だれでも戦争は反対です。もう戦争に賛成する人は一人もいないと思います。戦争は反対と。同時に、早期にこの事態がおさまる、早期停戦、そして平和的に和平が図られる、平和解決、これを望む声が日増しに強くなっていると思います。そういう中で、今回の湾岸戦争の停戦、終結等を含めて総理は今後の事態をどういうふうに見ておられるのか、総理のお見通しについてまず伺いたいと思います。
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海部俊樹#7
○海部内閣総理大臣 市川委員もおっしゃいましたとおりに、ああいった武力行使というものが賛成か反対かといえば反対に決まっておるわけでありますし、また、一日も早く終結させるようにしたいという強い願いも私も市川委員と同様に強く持っておるところであります。
 きょうまでも私は、公正な平和が回復されるようにいろいろな努力を積極的に続けてきたつもりでありますが、現段階においても、この局面を打開して次のステージであるあの地域の平和と安定を確保するにはどうしたらいいかという外交上の、あるいは政治上のいろいろな動きが出てくるときには、日本もそれに積極的に参加をして恒久和平のために努力を続けていきたい、一日も早く平和を取り戻したいという強い願いでございます。何カ月、どれだけという見通しをということでありますが、私は、ただ一日も早く終わることを強く願っておるということでございます。
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市川雄一#8
○市川委員 戦争の長期化ということになりますと、非常に人命が数多く失われたり、あるいは既にあらわれておる原油の流出、環境破壊、非常にはかり知れない犠牲をもたらすわけであります。政府は、武力行使はやむを得ない、確固たる支持、そこで一切を割り切ってしまって、何かずるずるずるずる日本の政府がこの戦争に、ずっと歯どめのないまま行くのではないかという危惧を私は多くの国民が抱いていると思うのです。やむを得ない、こう総理は思いつつも、やはり早く戦火をおさめたい、あるいはイラクがクウェートから撤退する意思を早く表明させるように和平努力をするとか、そういう、一方で強い平和への努力というものを総理が強く持ち続けているのかどうか、この辺がやはり一番国民の聞きたいところではないかと思うのですが、総理はどういう姿勢で臨んでおられますか。
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海部俊樹#9
○海部内閣総理大臣 日本国の憲法も、私たちが願うのは正義と秩序を基調とする国際平和であって、それを誠実に希求しているわけであります。この平和主義の願いというものは、国連の憲章に書いてあるやっぱり公正な平和、私は、国連決議に従った平和が一日も早く回復することを心から強く願っておるわけであります。
 繰り返すまでもないことですが、昨年の八月の二日にイラクによるクウェート侵攻ということが起こって、侵略、併合が行われて、あれは新しい世界の平和の枠組みの中で許しておいてはいけないことだというのが国際社会の大きな意思でありました。それをそのまま放置しておいてはいけないというので今回のような武力行使の決議になったわけでありますから、やむを得ない最後の手段として、これは確かな支持をいたします。それは問題解決のためにまことにやむを得ないことであって、一日も早く終わっていくようなその努力を日本は日本なりの立場で、力でもってお役に立つことはできないということはここの場でも何度も御議論しておるところでありますが、なし得る限りの協力をし、一日も早く平和が回復するように努めていかなければならないというのが私の決意であり、考え方でございます。
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市川雄一#10
○市川委員 戦後、平和憲法というものを国民が支えてきた、戦争に反対する反戦の平和主義、これは非常に重要な憲法の原則でございます。私も、この戦争に反対する反戦の平和主義というものを強くこれからも日本の国が尊重していかなくてはならない、こう考えております。
 しかし同時に私は、戦争に反対するだけの平和主義で日本の国はこれから国際社会でやっていけるのか、一国平和主義でいいのか、こういう疑問があることも事実であります。平和が破壊された、そのとき破壊された平和をどう回復するのか、あるいは、新しい平和をつくり出すために国際社会が努力をしている、その努力に対して日本が何の役割も果たさなくていいのか、やはり何らかの役割を果たさざるを得ないのではないのか、こういう考えを持っております。
 しかし、今回の政府の決定の中で極めて残念に思いますことは、一つは、自衛隊機を難民の救出に派遣するという決定でございます。私たちは自衛隊を違憲とする立場ではありません。したがって、そういう立場からこの問題を議論しようというふうには思っておりません。しかし、昨年の臨時国会におきまして国連平和協力法があのように議論をされ、国会の議論とあわせて世論の一つの大きな声がございました。やはり自衛隊を海外に派遣するということはやめるべきだ、こういうことで昨年の国会での結論が私は出たと思います。ですから、その国会審議の結論、日本が何らかの国際貢献をしなくてはならない、お金と物だけではそれはだめだ、人の貢献が必要だ。しかし、人の貢献は必要だけれども、自衛隊機を今出すことについては国民のコンセンサスが得られない。したがって、自民党と公明党と民社党の間では、もちろん、和平後という、今回の事態とは事態の想定が全く違いますが、PKOということを中心にして一つの合意が生まれた。その合意の文書の中にも、自衛隊と別個の組織で難民の救援活動をやるということもうたわれておるわけであります。
 そういう趣旨から考えても、政府が国際的にどういう判断でやったのか。ただ人道と言うだけで、国民の世論が十分に合意ができていない。非常に、極めて私は残念だと思うのです。大体、この自衛隊問題の経緯というのは、何か政府がなし崩し的にずるずるずると法の拡大解釈をする、あるいは憲法の拡大解釈をするという形できた嫌いがある。ですから、そういう点で、今回の措置というのは、昨年の臨時国会でのあの十分な議論あるいは世論というものを何か、舌の根が乾かぬうちにという表現がありますけれども、そういう感じがしてならないわけでございまして、総理、どうして昨年の国会の議論とか世論というものが頭にありながらこういう決定を下したのですか。まず総理のお考えを伺いたいと思います。
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海部俊樹#11
○海部内閣総理大臣 市川委員御指摘のように、昨年の法案審議の中でのいろいろな議論の中で、日本国憲法でなしてはならないことは、武力による威嚇もしくは武力の行使である、いわゆる海外派兵と言われるものは、武装集団が武力行使の目的を持って他国の領土、領海、領空へ行くことである、そういうことは私も何度も申し上げましたし、同時に、この間の法案には、そのことはしないということを条文にきちっと書いて御審議をお願いしたのでありましたが、議論の中では、それは憲法違反になる、それは戦争につながる、いろいろな御指摘があったことも、これは事実でございました。
 そのことを念頭に置きながら、私は今の御質問にお答え申し上げるとすれば、確かにおっしゃったように、あの法案が審議未了で廃案になったときに、我が党と、失礼しました、自由民主党と公明党、そして民社党との間で三党合意をいただき、今御指摘のようにいろいろなことを成案を得るべく、これは新しい国際化時代に国際協調主義を述べておる日本の憲法の宣言の理念からいきましても、何もしないでいいということではない。憲法の枠の中で、武力行使を伴わないものであるなれば許されるものがあるはずだ。それは人に関する問題で、お金の問題もいろいろあるはずだ。それは三党合意を踏まえて成案を得るための努力を政府は今鋭意努めております。
 それから、今回のこのことは、まさかサダム・フセインというような横紙破りの人があのようなことをする、それによって現実に避難民がたくさん出てきておる。人道上の立場でこれは対処しなきゃならぬ。そのときには、前回の御議論になったような軍事面ではないところで、憲法の禁止する武力行使を伴わない面で協力できる面はあるのではないだろうか。できる限りの努力をすべきであるということを誓っておりますし、また、いずれの国家も、自分の国のことのみに専念して他国を無視してはならないということも、日本は憲法の前文で理念として宣言しておるわけでありますから、他国の避難民の人たちが現にいらっしゃる、それを国連の委託を受けた国際機関がこれの本国への移送その他について要請をする。私どももいろいろな場面を考えました。そうして第一回目の具体的な要請については、これは民間機にお願いをして既に処置も始めております。けれども、どうしてもそれができない場合があり得る。
 例えば示唆の一つとして、今度もIOMからのお話によれば、どうしても集まるところはアンマンの周辺とか、それからカイロまではどうやって運ぶのか、カイロからはどうやって運ぶのか、いろいろ具体的な示唆もあります。民間にお願いできるのはカイロからの路線であるということは何回もいろんな角度から協力を要請したわけです。具体的要請があった場合におこたえができませんというのでは、日本ができる限りのことをする、憲法違反にならない武力行使以外のことでできる限りのことはすると言った以上、できるようなこちら側の準備と心構えをしっかりしておく必要があるというので、いろいろなことを考えてきました。
 そうして、自衛隊法の第百条の五というところに、国賓、内閣総理大臣及び政令で定める者を輸送することができると、こう法律に明文で明確な規定がございます。――それは横紙破りじゃなくて、法律を素直に読んでください。「政令で定める者」と書いてあるんですよ。総理大臣以外は運んじゃいけないなんという書き方じゃないのです。ですから、例示的に出ておって、そしてプラス「政令で定める者」と出ておるわけですから、私は素直にその条文を読んで、それでは政令できちっと定めて、避難民の人の移送で、いろいろな場合があって、必要なときには対応することが、日本が国際化時代に極めて人道的な立場で世界に向かって汗を流す対応の一つではないか、こう思ったから政府の責任で政令に踏み切ったわけでありますから、それはどうぞ御理解をいただきたいと考えます。
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市川雄一#12
○市川委員 総理の方から政令ということがおっしゃられましたので、この自衛隊法百条の五、「国賓、内閣総理大臣その他政令で定める者」、これについてはもう既に御承知のように国会でいろんな方が答弁されているわけですね、責任ある方が。
 昭和六十一年の十二月四日、参議院の内閣委員会で大森内閣法制局第二部長、「「その他政令で定める者」の内容はまさに政令で定めるわけではございますが、「国賓、内閣総理大臣」という例示、列挙がございます。したがいまして、この例示、列挙されたものとおよそかけ離れたものは予定してないという場合にこのような表現を使うわけでございます。」こういうふうに、「国賓、内閣総理大臣」こう列挙した。
 さらに、あるいは六十一年十月二十八日、防衛庁の官房長は友藤官房長、当時ですね、「今回の百条の五の規定は「国賓等の輸送」ということでございまして、この範囲は、私どもの方といたしましては在外邦人の救出とか緊急援助隊、こういったものについては含まれないというふうに考えております。」こういう答弁もありますし、あるいは今防衛庁の事務次官、当時官房長であった依田官房長も、自衛隊法の改正がなければそういうことは、在外邦人の救出ということはできない、こういう、かなり政府の高官の方の国会における答弁があるわけでして、国賓、総理大臣、これは例示なんです、したがって、それとおよそかけ離れたものはできないんです、こうはっきり言っているじゃありませんか。
 国賓と総理大臣と避難民、これが何か同じものでしょうか。例示から離れるのではないでしょうか。これはおかしいのではないでしょうか。まず、ここはどうお考えですか。
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海部俊樹#13
○海部内閣総理大臣 私は、先ほどお答え申し上げましたように、この場合は「その他政令で定める者」こうなっておりますから、それを素直に読んだわけであります。
 それから、これは、このような事態が起こるということは、その、その他の問題を議論したときとはちょっと環境や背景も違っておったと私は思うのです。それは、ですから、そこに「政令で定める者」という法律ができておるんじゃないでしょうか。法律に全然書いてなければ別でありますけれども、法律に書いてある以上は政令で定めることによって輸送を行うことができる。それは、私もそこに例示されておる総理大臣でございますが、避難民の人と私と、人間の尊厳ということからいったり、この緊急性ということからいったり、助けてあげなければならぬという点からいったら、私は、それはお助けできるなればしようと私が思ったということについては、その考え方はおわかりいただけないでしょうか。私はそう思って、政令できちっと条件を書くべきだ、こう判断をしたんです。
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市川雄一#14
○市川委員 避難民の救済は、これはすべての政党が賛成だと思うのです。反対する人はいないと思うのです。ただ、手段について意見が食い違っているわけです、という問題だと僕は思うのです。ですから、避難民の救済はどうでもいいのかというのは、ちょっとそういうのは当たらないと思うのです。我々もそれはやるべきだと思っているわけですから。ただ、自衛隊機を出すということについては国民の合意ができていない、去年論議したばかりじゃありませんか、それを何でこういう性急な手続でやるのか、これを問題にしているわけであります。勘違いしないでいただきたいと思います。
 それで、「その他政令で定める者」この政令があります。自衛隊法百条の五一項に規定する「政令で定める者は、次に掲げる者とする。 一 天皇及び皇族 二 国賓に準ずる賓客 三 衆議院議長及び参議院議長 四 最高裁判所長官 五 内閣総理大臣又は前二号に掲げる者に準ずる者」、「前二号」というのですから衆議院議長、参議院議長、最高裁判所長官、「に掲げる者」、「その他政令で定める者」というのはこの政令で定めているのですよ。総理が今言うような、そんなあいまいな余地はないのです。政令できちっと五項目掲げている。しかも前二号、こう言っているわけであります。
 ですから、これははっきりしているのじゃないでしょうか、この法律の解釈というのは、政令上も。こういう方をやるのですという。こういう難民をやりなさいとかやっていいとか、そんな解釈が入ってくる余地が全くないというふうに私は思いますが、どうお考えですか。
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海部俊樹#15
○海部内閣総理大臣 この政令の、今お示しになった国賓等の範囲の百二十六条の十六の第五号というのは、その第五号をつくりましたときに「前二号に掲げる者に準ずる者」、こういうことを縛りにかけたのだと思います、それはそのときに。ですから今度は、第五まで出ておるわけですから、あるいはここへ第六として書いてもいいのかもしれませんけれども、そういう恒久的、永続的なことではなくて、先ほどの三党合意に基づく問題の成案作業の中にもそれは入るわけでありますから、今回は単独の政令でやる方がいいということを専門家が決めてくれたわけでありますので、その問題については法制局長官から必要があればお聞き取りをいただきたいと思いますが、あくまで「政令で定める者」というのは、そのときそのときの必要に応じて政令で定めていくことができるという可能性を排除しているものではないと思いますし、そうでなければ「政令で定める者」というこのことをなぜ百条の五に書くのかということまでさかのぼらなければならぬわけになりますから、これはこれで、新しい事態が起こったときにそれに責任を持って政府が対応することは、この政令をつくるということで歯どめになるのだ、それがシビリアンコントロールである、私はそう思っております。
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市川雄一#16
○市川委員 余り答弁になっていませんね。だって「その他政令で定める者」で、ちゃんと政令で定めているのじゃないですか。「前二号に掲げる者に準ずる者」、衆議院議長または参議院議長、最高裁長官、それに準ずる者というところへ難民が入ってきますか。これはおかしいと思いますよ。
 それから、今までの国会答弁は、法律というのは書く場合、国賓とか内閣総理大臣というそういう例示をする、その例示をなぜするかというと、そういう例示とかけ離れたものを政令ではできない、やはりその例示に沿った趣旨のもので政令をつくるべきだという趣旨で法律は例示を書いているんだ、こういう答弁をしているじゃありませんか。例示に沿ったのですか、難民は。沿ってないんじゃないですか、と思いますが、どうですか。この例示に沿っているか、沿ってないか。
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工藤敦夫#17
○工藤政府委員 お答えを申し上げます。
 ただいまの委員の御指摘は、いわゆる自衛隊法の百条の五に掲げております「国賓、内閣総理大臣その他政令で定める者」この国賓あるいは内閣総理大臣という代表列挙、これについてかけ離れているかどうか、こういうふうなお話だと思います。お尋ねだと思います。
 それで、これは決して、昨日も実はお答え申し上げたところでございますけれども、いわゆるVIP、高位高官と申しますか、そういう人のみを念頭に置いたわけでは必ずしもないのでございます。この百条の五の一項にございますように「国の機関から依頼があった場合には、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、」航空機によるこれこれの者の「輸送を行うことができる。」というふうに規定してございまして、そういうところから申し上げれば、いわゆる輸送についての国としての必要性、そういったものをここで考えることは決して外れているわけではない、かように考えております。
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市川雄一#18
○市川委員 VIP、高位高官を念頭に置いたものでは必ずしもない。
 それではお伺いしますが、今までの国会答弁は、在外邦人が緊急事態で救出しなければならない、その場合自衛隊法百条の五で自衛隊機を出せるのか出せないのかという質問をしているわけですね。緊急事態ですよ。在外邦人を救出するなんという事態は、これは緊急に決まっているんですよ。それから人道上なんです、日本人ですから。日本人を緊急事態で救うという事態は人道ですよ、これは。難民救済よりプライオリティーは高いはずですよ、政府の責任は。日本国民が非常事態にあって、しかも救出しなきゃいけない。もうこれはきのう法制局長官が答弁した臨時応急の場合ですよ、これは。しかも人道上ですよ。臨機応急の場合であって、人道上ですよ。しかも難民よりも、政府としては、在外邦人の救出ですから、これは非常にプライオリティー、優先順位が高い。それでも、それでも政府は自衛隊機を法律改正しなければだめだと答えたんじゃありませんか。おかしいじゃありませんか。
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工藤敦夫#19
○工藤政府委員 お答え申し上げます。
 過去にそのような、今委員御指摘のような答弁があることは私も承知いたしております。こういう際に問題になりましたことは、詰めて申し上げれば、結局自衛隊に海外邦人の救出、海外邦人の救出が大体その場合の答弁例だったと思いますが、海外邦人の救出というものを一般的な任務として恒常的に与える、こういうことでございますれば、任務を付与するような規定が必要であろう、こういうふうなことだと存じます。
 今回のような特殊のケースにつきまして、具体的に申し上げれば、政令で書いてございますのは、「当分の間、」途中省略いたしますが、「湾岸危機に伴い生じたイラク、クウェイト及びこれらの国の周辺の国からの避難民として、避難民についての輸送その他の支援を」云々「する国際機関から我が国に対しその本国への輸送その他の輸送の要請があった者」、かようなことでございます。
 そういう見地から見ますと、むしろ百条の五に照らして見れば、航空機による人の輸送というのが百条の五の考え方でございます。その人について、かけ離れていないということは先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。そういうことから、今回の措置につきましては、百条の五に基づきます暫定政令としてこれを定めることができる、かように考えたわけでございます。
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市川雄一#20
○市川委員 私の質問に法制局長官は答えていないんですよ。何で答えていないか。この過去の、いいですか、吉國法制局長官とか、友藤防衛庁官房長とか、依田防衛庁官房長とか、大森法制局第二部長とか、この方々がこの国会の場で答弁したその質問はどういう質問だったかということをよく読んでいただきたい。要するに、この自衛隊法百条の五で、自衛隊の一般的任務として在外邦人の救出ができるようにしろということを言っておる人は一人もいないのです。一人もいない。一般的任務として恒常的に、いざというときに在外邦人が救出できるように自衛隊法を改正しろとは言っていない。この百条五の法律の議論がされたときに、この法律で緊急事態のときの在外邦人の救出ができるのかできないのか、自衛隊機が出せるのか出せないのかという議論をしているわけでして、一般任務としてという想定は、もちろんこれはないわけですよ。また、そんなことを要求していないわけですよ。答弁する人もそんな意識は全然置いていないんですよ。
 もし法制局長官の言うようなことが正しいとするなら、じゃなぜ、一般任務としての御要求であれば自衛隊法を改正しなければできませんが、臨時応急の場合、人道上ということであればやれると思いますという答弁が何で出ないのですか、今まで。おかしいじゃありませんか。だから、一般的任務の問題にすりかえているのですよ、あなたの答弁は。だれが考えたってそういう論理じゃありませんか、これは。だから、今の答弁は答弁になっていません。
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渡部恒三#21
○渡部委員長 法制局長官、ちゃんと答弁になるような答弁をお願いします。
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工藤敦夫#22
○工藤政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、私、過去の、四十八年におきます吉國元長官の答弁あるいは六十一年におきます友藤政府委員の答弁等々を一応ずっと読んではおります。
 それで、そこにおきまして問題になりましたのは、やはり自衛隊がやる、このことについてのいわば在外邦人の救出というのがそのときの中心であったということは今もお答え申し上げましたけれども、そういうふうな形で在外邦人の救出、あえて申し上げれば在外邦人の救出一般といいますか、そういうふうなことを任務として与えるという問題、これを恒常的に行えるという問題についてのお答えであったと私は理解しております。
 今回のようなイラクの、特にこういう場面についての、しかも国際機関から要請があった、それを当分の間の措置としてするということは、百条の五の第一項の規定、これを見ますれば、百条の五におきましては、航空機による一定の者の輸送を行うことができるということでございます、この百条の授権の範囲内に入っている、かように考えております。
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市川雄一#23
○市川委員 例えば当時防衛庁の官房長でいらっしゃった友藤さんの答弁、よく引き合いに出るのですけれども、この前段の質問というのは、緊急時に在外邦人を救出するというのが問題になったわけです。緊急時ですよ、恒常時じゃないんですよ、緊急時なんです。全部臨時のものなんですよ、法制局長官。だれもそんな問題意識で聞いてないのですよ。恒常的に日本人を自衛隊が運ぶなんということはだれも考えないわけです、そんなことは。緊急時に決まっているじゃないですか。緊急時ということは臨時ですよ。ずっとということじゃないですよ。そういう事態をちゃんと限定しているわけです。そして聞かれているわけです。
 もちろん難民の命も大事だ。日本人の命も大事だ。しかし、日本政府としては在外邦人の救出というのはプライオリティーでいったらこれは高いでしょう、優先順位は。それが緊急時、百条の五で自衛隊機を出せるのか。自衛隊法を改正しなければできませんと答弁しているじゃないですか。これがどうしてできるのですか。
 したがって、私が指摘しているように、一般的任務の規定としてできないと言ったのであって臨時応急の場合はできるのですと、こうあなたは答弁しているのですけれども、一般的任務としてだれも要求してないのですよ。ずっとここで答弁してきた方々も一般的任務として答えていないのです。臨時応急の場合ということで質問され答弁しているんじゃありませんか。ですから、今のお答えはお答えになってないわけですよ。
 それから、臨時応急の場合は想定されてなかったということを百歩譲って認めたとしても、想定されてないからやっちゃいけないのであって、想定されてないからやっていいという論理はおかしいんじゃありませんか。法律に想定されてないものはやるべきでないんでしょう。想定されてなかったから政府が勝手に判断してやっていいということにはならないと僕は思うのですよ。その点、答弁になってないと思うのです。
 ですから、今までの国会答弁を、じゃ全部否定されるわけですか。この整合性はどうするのですか。それをお聞きしたい。
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工藤敦夫#24
○工藤政府委員 お答え申し上げます。
 今までの答弁を否定するということではございませんで、先ほども申し上げましたが、例えば友藤政府委員の答弁というのも、確かに御質問の、当時川端委員だったと思います、川端委員のお話として「当然仮定の話ですけれども、」という前提を置きまして、「そういうときに、緊急時に在外邦人の救出というのが今までいろいろ問題になってきたわけです。そういうものにこの専用機等を利用するということが可能かどうか、」こういうふうなお話だったと思います。それにつきましての友藤政府委員の答弁が先ほど申し上げたようなことでございます。これはあくまでもやはり一般的、恒常的に、あえて政令の形を申し上げれば、自衛隊法施行令の先ほど委員御指摘になりました百二十六条の十六にあえてもう一号加えるような、こういうふうな形であれば確かに一つの問題点かもしれません。今回のは暫定措置として、あくまでもこういうものを一つの単独政令として決めた、かようなことで法律の授権の範囲内であろう、かように思っております。
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市川雄一#25
○市川委員 要するに一般的、恒常的任務としては、もしやるとしたら、これは自衛隊法の改正をしなきゃいけないんだ、こういう論理を今回新しくおつくりになったわけですよね。今までなかった論理を新しくおつくりになって、今回はそういう一般的、恒常的任務として自衛隊機が行くわけじゃないんだ、臨時応急で人道的だからいいんだ、こういう論理になっているわけですよね、法制局長官のお答えは、きのうの答弁をずっとよく拝見しておりますと。
 だけれども、過去の答弁は、質問も、そういう趣旨で聞いていないし、一般的な任務としては自衛隊法を改正しなきゃできません、臨時応急の場合なら別ですがという答弁はしていないのです、だれもそんなことは。全部緊急時、全部緊急時なんです。臨時応急の場合なんです、全部質問は。お答えもそうなんです。しかも在外邦人。避難民はないとおっしゃいますが、そんなことありませんよ。
 昭和四十八年九月十九日の衆議院決算委員会、内閣法制局長官吉國一郎長官の答弁として、「避難民を輸送するという全くの平和目的であるというふうに限定されますならば、これは憲法上第九条で問題になるような事柄ではあるまい。」しかし「現在防衛庁なり自衛隊なりの任務として規定されておりませんので、これは当然法律の手当ては要ると思います」、こう言っておるわけであります。これは避難民ですよ、避難民。在外邦人じゃないんですよ、これは。しかも、人道ということを明確に自覚された答弁ですよ。平和目的とおしゃっているわけであります。これは人道ですよ。避難民というのは大体緊急的に発生してくるわけでしょう。緊急ですよ、これは。臨時応急ですよ、避難民というのは。避難民、臨時応急、平和目的、人道。だけれども自衛隊法を改正しなければできない、法制局長官はこう答えているのです。昭和四十八年。今の答弁と全然違うじゃありませんか。
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工藤敦夫#26
○工藤政府委員 お答え申し上げます。
 先ほど海外邦人の救出が主であるというふうに申し上げました。それは私、違っていないと思います。過去から、どちらかといえば海外邦人の救出ということについて焦点が合ってきたわけでございます。ただ、この際、避難民であるか海外邦人であるかということは、特に私どもの方の論拠ということではございませんので、私どもの方としましては、むしろ海外邦人の救出あるいはそういうものを、繰り返しになって恐縮でございますけれども、一般的な任務として恒常的に与える、こういうふうなことはやはり過去においての答弁として問題であろうという御答弁を申し上げているのであって、今回のようなことにつきまして百条の五というものを見ますれば、それは百条の五の授権の範囲内である、かようにお答えしているところでございます。
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市川雄一#27
○市川委員 よくおわかりだと思うのですね、委員長。要するに、かつての答弁と今回の政府の行った措置と整合性がないのですよ。矛盾しているのです。この矛盾しているのを唯一橋をかけた、その橋をかけた部分が今まさしく法制局長官がおっしゃった、過去の答弁は一般的任務として恒常的に行おうとした場合は法の改正が必要なんだということで答えたんですと、こう言っておられる。ところが、そんなことをだれも質問もしていないし、答えている人もそんな意識で答えていないんです。在外邦人の救出というのは緊急事態だというのです。それから人道ですよ、これは。難民の場合も人道。プライオリティーは高い、優先順位は。それで自衛隊法百条の五ではできません、法律改正しなきゃできませんとはっきり言っておるわけですよ。これは明らかにすりかえだと思いますね。したがって、従来の政府見解との整合性が明確でない。明確にきちっとしてもらいたい。
 それから、こうした措置を、立法の趣旨というものと法律を行政府が自由な裁量で何か政令がつくれるのかどうか、行政権の限界というのはどうなっているのか。やはりこれは法律改正をしてやるべきことを、そうでない手続によってやるがゆえに起きた矛盾だと私は思います。したがって、法律を基本とした行政府の法律に対する行政権の権限の限界、あるいは政令で委任されている範囲はどこまでなのか、こういうことをひとつ政府の統一見解として出していただきたい。
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渡部恒三#28
○渡部委員長 内閣法制局長官工藤敦夫君より、ただいまの市川君の質問に対して明確な御答弁を願います。
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工藤敦夫#29
○工藤政府委員 二点お尋ねがあったと存じます。
 第一点は、過去の答弁との整合性の問題でございます。この点につきましては、立法経緯というものを尊重すべきではないかというお話でございます。当然のことと私どもも承知しております。立法経緯というものが法解釈をいたします場合の一つの大きなよりどころであるということはもちろんでございます。決してそれを私どもは無視しようとか、そういうふうなことではございません。
 それから第二の問題でございますが、政令委任と申しますか、これは政令委任につきましては、過去たびたびお答え申し上げているところでございます。立法、法律に基づきます政令につきましては、一つは、例えば手続的事項あるいは細目的、技術的事項というふうなことが政令委任できるというふうに書いてございます。もう一つ挙げてございますのは、事柄の性格に応じまして臨機応変に対処すべき事項、かようなものも政令委任の範囲として挙げられている。これは過去何回も御答弁申し上げているところでございます。
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