行財政改革・税制等に関する特別委員会

1997-06-11 参議院 全209発言

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会議録情報#0
平成九年六月十一日(水曜日)
   午前十時五十分開会
    —————————————
   委員の異動
 六月十日
    辞任         補欠選任
     岩永 浩美君     沓掛 哲男君
     橋本 聖子君     吉村剛太郎君
     松村 龍二君     亀谷 博昭君
     山本 一太君     金田 勝年君
     鈴木 正孝君     菅川 健二君
     鈴木 和美君     赤桐  操君
     須藤美也子君     吉岡 吉典君
 六月十一日
    辞任         補欠選任
     岩井 國臣君     林  芳正君
     清水 澄子君     及川 一夫君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         遠藤  要君
    理 事
                片山虎之助君
                倉田 寛之君
                永田 良雄君
                松谷蒼一郎君
                今泉  昭君
                広中和歌子君
               日下部禧代子君
                清水 澄子君
                齋藤  勁君
                笠井  亮君
    委 員
                狩野  安君
                金田 勝年君
                亀谷 博昭君
                久世 公堯君
                沓掛 哲男君
                斎藤 文夫君
                塩崎 恭久君
                中島 眞人君
                長尾 立子君
                林  芳正君
                保坂 三蔵君
                三浦 一水君
                吉村剛太郎君
                阿曽田 清君
                荒木 清寛君
                石田 美栄君
                泉  信也君
                岩瀬 良三君
                小林  元君
                菅川 健二君
                浜四津敏子君
                益田 洋介君
                赤桐  操君
                及川 一夫君
                角田 義一君
                久保  亘君
                峰崎 直樹君
                吉岡 吉典君
                田村 公平君
                奥村 展三君
                山口 哲夫君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  三塚  博君
       国 務 大 臣
      (内閣官房長官)  梶山 静六君
        —————
       会計検査院長   疋田 周朗君
        —————
   政府委員
       内閣審議官    畠中誠二郎君
       内閣審議官    白須 光美君
       地方分権推進委
       員会事務局長   東田 親司君
       警察庁刑事局長  佐藤 英彦君
       総務庁行政監察
       局長       土屋  勲君
       法務大臣官房審
       議官       柳田 幸三君
       大蔵大臣官房長  涌井 洋治君
       大蔵大臣官房金
       融検査部長    中川 隆進君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     武藤 敏郎君
       大蔵省証券局長  長野 厖士君
       大蔵省銀行局長  山口 公生君
       大蔵省銀行局保
       険部長      福田  誠君
       証券取引等監視
       委員会事務局長  若林 勝三君
       自治省行政局長  松本 英昭君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 久雄君
   参考人
       日本銀行理事   本間 忠世君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○金融監督庁設置法案(内閣提出、衆議院送付)
○金融監督庁設置法の施行に伴う関係法律の整備
 に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
    —————————————
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遠藤要#1
○委員長(遠藤要君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を開会いたします。
 金融監督庁設置法案及び金融監督庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案を一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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中島眞人#2
○中島眞人君 自由民主党の中島眞人でございます。
 この法案が当院で審議されまして、さまざまな意見が交わされてまいりました。それにいたしましても、日本の社会が大きく変わってきているな、そんな感じは私のみではなかろうと思います。
 阪神・淡路大震災を初めとするもろもろの出来事が日本の安全神話を崩していき、同時に、日本社会の中でともかく一番信頼されるものというのは宗教であり、学校であり、あるいは銀行というものであったわけであります。にもかかわらず、宗教は巨大化し、また霊感商法、オウムと呼ばれるような形で宗教は国民から離れていく。また同時に、学校は不登校並びに中途退学者の高校生が十一万人も一年間に出現をすること等々を含めて、金融機関におきましても、この審議の真っ最中、野村証券また第一勧業銀行等々の不正貸し付けの問題、あるいは信用を総会屋によって賄っていくという恐るべき、国民にとってみればそんな出来事が相次いで出てきているわけでございます。同時に、その中でビッグバンを目指していく一つの糧として、この金融庁の設置にかかわる本案が審議をされております。
 その中で、各委員の御所見を伺ってまいりますと、ともかくこのままでは国際的な信用を失っていくということの中でさまざまな論議がなされました。しかし、私は国際的な信用を得るのには、聖書の言葉ではございませんけれども、小さなことに不忠実な者は大きなことに不忠実であるという言葉を考えるならば、まず国民から信頼をされずして国際社会から信頼されるわけはないわけであります。一日も早く国民の信頼を受けていくように強く期待をしながら私は質問に入りたいと思います。
 実は、昨日、参考人に四名おいでをいただきました。この道のエキスパートの方々でございまして、大変興味を持ってお聞きをしておりました。
 いずれも四参考人の方々は、この金融庁設置については大方賛成の意を表されたということで、これは時宜を得たものであるな、そんな感じをいたしているわけでございます。しかし、その中で大変貴重な御意見や問題提起がなされておりますので、このことにつきましてまず大蔵大臣初め政府委員にお聞きをいたしてまいりたい、こんなふうに思うんです。
 第一に、今回の金融監督庁の設置ということが金融行政にとって正しい方向にあるということであるという点について、それぞれの参考人が共通認識を示したということについては私はこれは一定の評価であろう、こんなふうに思うんです。第二に、金融の行政機構の見直しもさることながら、金融行政の中身を変えていくことが特に重要である。もっと端的に言えば、つくることも大切だ、時宜を得ている、しかし、どういう金融行政をするかという今後の課題が必要なんですというのが四参考人の私は一つの意見であったというふうに思うんです。第三に、適切な金融行政を行うためにはそれなりの行政コストというものがかかる、要員の充実等を図る必要があるのではないかということも指摘をされておりました。
 このような観点から、私は政府の考え方を御質問いたしたいと思います。
 まず第一点。金融監督庁の設置ということが金融行政にとって正しい方向にあるということである、この御認識はいずれもお持ちであったようであります。本委員会においては、大蔵省の権限を縮小することに重きを置いて議論がされてまいりました。私としては、参考人の方々と同様に、大蔵省の権限を縮小することも一つのテーゼではあるけれども、先ほど申し上げましたように金融行政をどうすべきかという観点も参考人が非常に強く期待をするというか思いをはせていた御意見でございますので、このことについて、設置をし、そして同時に金融行政をどのような形で展開をしていくのか、その金融行政改革の趣旨を改めてお伺いいたしたいと思います。
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三塚博#3
○国務大臣(三塚博君) 主管大臣の総理大臣もしくは官房長官が答えるところが基本であろうと思いますが、同じ国務大臣の一人として、また金融を今まで担当しておる者として申し上げさせていただきます。
 ただいま中島委員から、参考人の言を集約されながらその趣旨いかんということであります。世界は大きく変わりつつあります。また、我が国内体制もその流れの中で、何が正しいのか、何が基本なのかということで模索の中であります。住専を初めとした信用事業の不振の中で今日の法案提出ということに相なりましたこと、御承知のとおりでございます。
 一点その目標は、国民に信頼される金融行政の確立、それをどのように構築し、どのように効果あらしめるかという点でございます。そういう点で、民間金融機関等に対する検査監督という執行面の機能を金融監督庁が担うといたしたところであります。同時に、企画立案という政策面の機能を大蔵省が分担をするということで、デリバティブ等の業態間にまたがる金融サービスの出現や金融市場のグローバル化などの新たな課題に的確に対応していきたい、また市場規律を基軸とした透明でかつ公正な金融行政への転換を図ることといたしたところでございます。
 このように、市場規律を基軸とした透明かつ公正な金融行政への転換が促進をされまして、金融システム改革の実施と相まち、経済及び国民生活にとって基盤とも言うべき我が国金融・証券市場の活性化に資する、そのことは一千二百兆という個人預貯金が正しく運用をされ、価値あるものとして保全をされていくということにつながります。よって、その保全の中で、産業の血でございますから、金融を健全に有効に機能を発揮せしめよう、この一点にあると存じます。
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中島眞人#4
○中島眞人君 大蔵大臣から、企画立案と検査監督を明確に分離をしながら、そしてそれは連携をとりながら金融システムの維持を図っていくことだという、そういう理念をお示しいただきました。昨日の各参考人も、前提としては同調しながら、しかし懸念する問題として、金融機関の破綻処理において一定の場合に協議をすることになっているため、分離が完全ではないのかとの意見も出されておりました。これは、当委員会の各委員の中からも出された意見でございます。これは、それが完全でないためにいろんな諸障害が起こってくるのではないかという懸念でございます。
 私としては、金融システムに重大な影響があるような場合には、制度の構築に責任を持つ大蔵省と、監督に責任を持つ金融監督庁が全力を挙げて金融システムの維持を図る必要がある。私は分離、独立、そして大蔵省はもう一切構うなということではなくて、金融システムを維持していくためには少なくとも緊密化が必要だ、そういう考え方も私は持たなければいけないのではないかと、こんなふうに思うんです。
 そこで、協議規定についてお聞きをいたしますが、この協議は業務停止命令自体の是非を対象とするものではなく、大蔵大臣の企画立案機能を駆使した新たな措置についてのものであると思うが、協議規定の趣旨について改めてお伺いをいたしたいと思います。
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白須光美#5
○政府委員(白須光美君) お答え申し上げます。
 金融機関の破綻処理に関します協議規定についてのお尋ねでございますが、銀行等の破綻処理につきましては、この監督権限その他一切を大蔵省から金融監督庁に移すわけでございますので、通常の破綻のケースにありましては、金融監督庁が現行法令のもとでの既存の方策により対応することを通じまして信用秩序の維持にその責務を果たすことになるということでございます。
 ただ、その業務停止命令等の対象となりますような金融機関、これらの破綻処理に関しましては、現行の法令のもとでの既存の方策により対応するのみでは、場合によりますと信用秩序の維持、これに重大な影響を与えるおそれがある、そのようなケースがあるわけでございまして、このように金融監督庁長官が認めました場合には、金融機関に万全を期す。そのために長官自身の判断に基づきまして金融制度の企画立案を担っております大蔵大臣と協議を行いまして、法令改正を伴います新たな措置の策定等の最善の方策を見出すというものでございます。
 すなわち、これにつきまして協議の対象となりますのは、業務停止命令等の是非というものではなく、その信用秩序の維持を図るための新たな措置の策定ということで、すなわちその業務停止命令等を行う際の前の環境整備というようなことかと存じます。これは、金融監督庁と大蔵省が御指摘のように明確な機能分担をいたしました上で、信用秩序の維持という目的のために相協力していくという趣旨によるものでございます。
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中島眞人#6
○中島眞人君 この問題については、今後大きなやっぱり一つの課題として常に真剣に両者が考えていかなければいけない、このように思うんです。
 特に、大蔵省が肥大化をし、一手に引き受けた問題を分離していく。しかし、日本の金融システムを安定、維持していくという、あるいは発展させていくということから考えていけば、両者は前向きに、悪きものは直しながら、前に向かって緊密な連携を保ちながら日本の金融システムのいわゆる安定、発展のために尽くしていかなければいけないという、そんな役割が私は大蔵省自身にもあるんであろう、こんなふうに指摘をさせていただきたいと思います。
 次に、労働金庫、農協等関係大臣がいらっしゃいませんから、参考人の中にもまた当委員会の中でも審議をされましたものとして、これは共管という問題が依然として残るが将来的にはこれはやっぱり改めていかなければいけないんだという、そういう一つの参考人の意見がございました。大蔵大臣、そして各大臣、どうかこれから金融行政を進めていく過程の中ではこれは貴重な意見として取り入れていただきたいと、要望にとどめておきたいと思います。
 次に、この金融問題が破綻を起こし始めた動機というのは、昨今野村証券とか第一勧業銀行がございますけれども、バブル崩壊等を含めていきますと、東京共和、安全信組から始まりまして、近くは北九州信用組合まで信用組合が十三あるんですね。そして、金融問題というのは第一勧銀とか野村というふうなそういう都市銀行、大手の証券会社の問題が論議をされておりますけれども、地方に参りますと中小零細企業の大きな窓口になり、そして両輪となって中小零細企業の発展に寄与していくべきはずのものが信用組合なんですね。しかし、ここで閉鎖、統合等を含めて問題を起こしている信用組合というのが十三もあるんですよ。
 ところが、昨日の参考人でも、今までの委員会の中でも論議をされておりませんけれども、信用組合の検査監督というのはこれは機関委任事務ですよね、都道府県の。問題を起こしている信用組合に対する検査監督というのは、私は今回金融庁を設置して、そして検査監督を強化して分離していくんだ、緊張感を持たせていくんだということの中で、地方は差し当たって財務局をということになるんですけれども、財務局というのはこれは地方において地銀とか信用金庫を対象とするんでしょう。信用組合というのは各県にそれぞれの地域に密着した形で存在をしておるわけです。これは依然として機関委任事務として地方自治体がこれに検査監督を従来どおり行ってきている、こういう問題でこの辺について論議も出ていなかったし、私はこの辺が若干希薄になっているんではなかろうかと思うんですけれども、この辺について大蔵大臣並びに政府委員の方からでも御意見をいただきたい。
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白須光美#7
○政府委員(白須光美君) お答え申し上げます。
 信用組合の検査監督に関します機関委任事務の点についてのお尋ねでございますが、お尋ねの機関委任事務につきましては、これが維持されているところでございますけれども、今回の金融行政機構改革、これは昨年末の与党三党の合意を踏まえまして、民間金融機関等の検査監督を所掌する金融監督庁、これを総理府に設置することといたしまして、これに伴い国の行政部局内部の行政権限をどのように振り分けるかという観点から検討を行ったものでございます。
 金融監督庁は、この信用組合の検査監督にかかります機関委任事務に関しましては、先生御指摘のとおり、また平成七年の金融制度調査会の答申等におきましても御指摘がございますように、都道府県知事との適切な連携を図っていくということが重要であるということはまさに御指摘のとおりでございまして、金融監督庁といたしましては、今後財務局の協力も得ながら的確な指導、連絡を図っていく必要があるというふうに考えるところでございます。
 なお、現在、機関委任事務、これにつきましては、これが廃止の方向というのが既に打ち出されておりまして、この機関委任事務制度が廃止された後の事務のあり方につきまして地方分権推進委員会で検討が進められているところでございまして、信用組合の検査監督に関します都道府県知事への機関委任事務につきましても、この地方分権推進委員会の結論を踏まえまして、今後改めて全体的措置の一環として政府として対応を図っていくべき課題と、このように考えているところでございます。
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中島眞人#8
○中島眞人君 これ、ちょっと僕は答弁が焦点ぼけだと思うんですよ。地方分権は地方分権で分権委員会で流れていくことは当然でしょうし、これは現在橋本内閣の大きな構造改革の一つ、地方分権というのは大きな旗印ですよ。しかし、いわゆる一つの金融庁をつくって検査監督を強化していく、しかし信用組合というのは各地方の中小零細企業の大きな連携の中で動いているわけですね。
 しかし、これは地方分権の論議を待ってから機関委任事務等の問題等の論議をするとなりますと、信用組合の問題については何か棚上げ状態というふうな感じが実はするんです。
 しかし、現実に第一勧銀も、あるいはまた兵庫銀行も太平洋銀行も、いわゆる地銀も問題を起こしているわけですね。そして信用組合に至っては、東京協和、安全信組から始まって、北九州信用組合等も含めて十三の信用組合が問題を起こしているわけなんです。問題が起きているわけですね。
 これは地方にとってみると、中小零細企業の方々にとってみると、果たして信用組合というものが本当に金融システムの中で忠実な役割を果たしていく検査監督機能が十分行われているのかどうなのかという問題が、当委員会の中でも信用組合の問題は全然論議されておりませんので、これを聞いたら、現在、地方分権論議の中でこの問題の中で協議をしてまいりたいという形になりますと。金融庁はスタートするんですよ。これ、少し私はやっぱりテンポが遅過ぎるというふうに思うんです。もっと端的に言いますと、特定のことを言いますと問題がございますけれども、信用組合もバブル崩壊の影響を受けた。不良資産、不良貸し付け等を持っていることは、これは一概に都銀、地銀同様であろうというふうに私は思うんです。
 そこで、今起こっている現象を聞きますと、例えば地方自治体が年末制度資金を百億円なら百億円を制度融資をすると。そうすると、金融機関は二倍協調でそれを中小零細企業に年末制度資金を貸し出そうとする。そうすると、一週間でもう貸し出しは終わりました。実際問題入ってみると、本当に借りたい方々が信用組合の窓口に行きますと、あなたのところは担保不足ですから貸せません、借りられないんですよ、ところがだれかに借りている。そうすると、信用組合等はどこへ行くかというと、大口の安全な方に、借りてもらえる人に一生懸命お願いして貸してノルマを果たしている。
 そういう一つの金融行政、金融の融資という問題が静かに、本当に借りて年末を不景気を乗り切っていかなければならない中小零細企業がそういうものを乗り越えていけずに、窓口でシャットアウトを食っているということ等はだれがチェックするんですか。いわゆるきょうの機関委任事務で県がそれをチェックするんですか。こういう問題までも私は踏み込んでいかないと、日本全体の金融システムというのは上から下までうまく円滑に回っていかないというふうに私は思うんです。
 ですから、そういう点で早急に、地方分権の論議もあるでしょうけれども、財務局に移管をしていくいわゆる検査監督機能という問題と、機関委任事務で地方自治体にやっている形の中の連携という問題も早速私はマニュアルづくりをしていかないと、地方の金融というものは中央で幾ら言われてみても地方ではなかなかうまくいかない、こんな現象が起こりつつある実態をどのように受けとめているのか政府委員からお聞きをし、問題を起こしているのは信用組合も大変起こしているんですよ。そういう問題を含めて、大蔵大臣からも地方の信用組合に対する思いをひとつお聞かせいただきたいと思います。
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白須光美#9
○政府委員(白須光美君) お答えいたします。
 現在、地方分権推進委員会の状況でございますが、これにつきましては、昨年十二月に第一次勧告を出しておられまして、現在、鋭意作業を行っておられるところでございます。
 政府といたしましては、この分権委員会の勧告を踏まえまして、来年の平成十年、この通常国会が終了するまでに地方分権推進計画を策定することといたしているところでございまして、ちょうど金融監督庁につきましては平成十年の四月から七月一日までの政令で定める日から発足するということでございますので、そう間隔のない間にこの地方分権推進委員会の御議論を踏まえましたところで基本的な方向が策定されていくと、これにつきましては鋭意努力もしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
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三塚博#10
○国務大臣(三塚博君) ただいまは大変大事な問題提起と承りました。信用組合の健全性という基本問題があります。信用組合は組合員の相互信頼、協力の中でこれが行われていくわけでございますが、いよいよ金融システムが本格的なスタートに立ったわけであります。二〇〇一年を期してグローバルな世界に通用するシステムを完成したいと。これからある意味で金融界の激動の時代に入るんだと思います。そういう点から考えますと、御指摘のように、分権委の結論を待つというのは遅いのではないかと、この御指摘も理解できます。これは取り急ぎその方向性を明示させなければなりません。
 同時に、今度は大蔵省、金融を今日まで担当してきましたが、来年度以降、監督庁が出ますと、検査監督は独立官庁と、そして企画立案という金融政策のあるべき姿を求めるのはまさに企画立案の中で政策を追求していかなければならないと。
 関係各省政策金融がございますが、それの連携の中であるべき姿をきっちりと確立をしていかなければならぬというふうに思います。
 同時に、国と地方の役割分担という地方自治法に基づいた根幹的な問題もあります。そこでも御勉強いただく。
 しかし、同時に、それぞれがそっちの権限、そっちの権限、こちらは関係ないということではなく、整合性を持ってこれに対応してまいりませんと、大きな流れの中で信用組合その他の金融機関が流れに押し流されていくのではないかと、こんなふうに思っておるところであります。貴重な重要な御提案として受けとめます。
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中島眞人#11
○中島眞人君 大蔵大臣から、機関委任事務の問題等が論議をされているけれども、しかし金融という問題が日々動いている中で、それとは別に信用組合への対応のあり方を真剣に考えてまいりたいと、大変前向きな御答弁をいただきました。
 率直に言って、第一勧銀も野村証券も確かに日本のあるいは世界の中での金融という問題の不信用を買っていく大きな問題でしょう。しかし、現に十三に上る信用組合がバブル崩壊後に大変な問題を起こし、そしてそれが合併をし、あるいは取りつけ騒ぎまでいくというような格好ないわゆる材料を地方で起こしつつあるわけですね。
 ですから、そういう点から率直に言って、今回の金融庁が設置をされるに当たりましても、ともかく検査監督というのは専門的ないわゆるそれに熟達した方が当たっていくんだと、それは大蔵省の中からそれを移していくんだと、そのことにいいとか悪いとかという論議がありましたけれども、これは当然なことだというふうに思います。
 そういう中で、地方自治体の機関委任事務になっている信用組合の検査監督という機能が、地方自治体の中における定期異動でそのセクションに変わっていくという程度のものであって、間々いわゆる熟達した検査機能を持っている職員ではないというのは各地方自治体の悩みなんですね。
 そういうことの中からの問題点は、第一勧銀にいわゆる専門家が行って見ても第一勧銀が隠ぺいしていることを見破ることができなかった。ましてや、地方自治体の担当者においてそんなことは見つかりっこないんです。ですから、そういう問題の一つのあり方もしていかないと、上の方はいわゆる何となく格好はついていくけれども、下の方がいわゆる大きな蛇口になって漏れてしまいますよと、そんなことを私は、地方で政治をし、地方から選出をされ、そして地方の中小零細企業が大変頼りにしている信用組合が健全に発達していくことを願いながら、重ねて強く要望してまいりたいと思います。
 時間がなくなりました。大蔵大臣、ビッグバンに対する強い期待が参考人からもございました。同時に、参考人の中から、地方を含めたいわゆる検査監督するスタッフが少ないのではないのか、こういう御指摘もございました。これは委員会の中でも審議をされていた問題でございます。ひとつそれらの問題を謙虚に受けとめながら、まず金融庁をつくった、仏をつくったわけでありますから、最大の努力を傾注する中で、魂入れに全努力を傾注されんことを心から御期待を申し上げながら、私の質問にいたします。
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荒木清寛#12
○荒木清寛君 平成会の荒木清寛でございます。
 まず、大蔵大臣にお尋ねをいたしますが、橋本総理以下、六大改革の一つに金融制度改革を位置づけ、日夜頑張っていらっしゃるという点は敬意を表します。
 しかし、今回は、その金融改革の出ばなをくじくような不祥事が、野村証券また第一勧銀にまつわる総会屋利益供与事件でございます。昨日も第一勧銀の役員が逮捕をされたわけでございます。八十八億円の利益供与ということで副頭取以下四人の役員がさらに逮捕されたということでございます。
 私は、今回の両トップ企業における不祥事を見ておりまして思いますことは、経営陣に、罪を犯した、違法行為をしたという瞭罪意識がないのではないかというふうに感じます。
 野村証券の三月まで社長をしておった酒巻英雄氏も国会に三回参りました。最初は、そんな小池隆一とは面識がないと言っておりましたが、そのうちに、会ったことはあるが総会屋とは知らなかった、さらに追及されると、総会屋ということを会って知った、しかし利益供与には関与していないと言って、東京地検特捜部に逮捕されると、どうやら今は利益供与を認めているようでありまして、こんな規範意識のない人物が世界に冠たる野村証券のトップであったのかと思うわけであります。
 また、第一勧銀につきましてもしかりでありまして、先月二十三日には、当時の近藤頭取以下、役員の総退陣を発表したわけであります。そのときには、橋本総理も、そういうやめて済ますということは非常に不愉快だという趣旨の発言をされ、私も同感であります。ところが、そのときに新頭取として指名されましたのは藤田一郎副頭取でありました。しかし、この人は九五年から昨年にかけまして融資・審査部門を担当する専務であったわけでありまして、同行の融資につきましては深くかかわっておった、ある意味では今回の事件の総会屋に対する不正融資のもみ消しを図ったのではないかと当時から言われておった人物が次の頭取として指名されたわけでありまして、一体この会社の経営陣の常識というのはどうなっているのかと私は憤りを覚えたわけであります。やがてその人事も七日に白紙撤回ということでありまして、もう本当に悪いことをしたという意識が全然ないというふうに思いますのはこのような事情であります。
 そこで、大蔵大臣にお尋ねをいたしますが、二十三日に近藤頭取が辞任をいたしまして、次の新頭取に藤田氏が指名されたわけであります。私思いますに、通常であれば、こういうときには事前に監督官庁である大蔵省に内々に相談があるとか、あるいは決まった時点で報告に来るとか、そういうのが通常じゃないかと思いますが、そういう相談なり報告というのは当局にあったのでありましょうか。
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三塚博#13
○国務大臣(三塚博君) 極めて深刻な事件でございます。
 そこで、報告があったかということでありますが、事前にはございません。決定を発表前に当局に、かように取り組みたいと、こういうことでありましたという報告は私受けております。
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荒木清寛#14
○荒木清寛君 護送船団方式が今批判されているわけですから、そういう個々の企業の、幾ら大企業であるといっても、そういう大事に大蔵省が口を出すというのはあってはならないと思います。
 しかし、この場合は非常時といいますか、そういう金融市場を汚染するようなことをした企業でありまして、ちょっと状況は違うんだと思います。
 発表前に報告があって、次の新頭取は藤田氏である、この藤田氏につきましては、審査担当役員としてこの事件にかかわっておったのではないかともそのときでさえ言われておったんですから、こんなのはだめだ、再考せよというふうに監督官庁としては強く私は言うべきではなかったかと思うんですが、違いますか。
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三塚博#15
○国務大臣(三塚博君) 純粋に物事を考えるということには限界があることは承知をいたしております。
 同時に、民間機関、民間企業ということであり、日本を代表する銀行の一つであります。不祥事件によりまして社内体制をどう構築するかは、経営者を中心として幹部職員一体となってこのことに当たるべき重みのある事件であります。よって、今回、現経営陣責任を負って退任、新体制はこうでありますということで、直前の報告があることについて、これについて、監督官庁として反論する十二分の事実把握がなされておれば、そのことはそのこととして、報告を受ければ所管大臣として物を言うか銀行局長として物を言うかのいずれかでありますけれども、そのチャンスもあろうかと思いますけれども、これを裏づける事実がない、先行しておるそれぞれの記事がありますというこれだけの段階では、社運をかけて信用の問題を、すべてをかけて決定をするという、リーディングバンクの第一勧銀の経営ということからいたしますと、直前の報告は受けざるを得ないという事情は御理解いただきたいと思います。
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荒木清寛#16
○荒木清寛君 いささかたりともこの件に関しまして、第一勧銀なり野村証券に対しまして当局が甘いとかかばっているとか、そんな見方が出ないように厳しく当たっていただきたいと要望いたします。
 今回の不祥事の背景には、もちろんその企業が犯罪を犯したわけで、故意に犯したわけで一番悪いわけでありますが、しかしその背景の一つとしては、大蔵省の従前の護送船団方式というのが私は明確にあると思います。なぜならば、そういう一つの護送船団方式の中で野村証券にせよ第一勧銀にせよ巨額の利益を上げることができ、そのゆえにこのような放漫な経営といいますか不法な支出ができたのではないかという点、あるいはそういう護送船団の中で経営陣が甘くなってしまったのではないか、社会に対する責任、個人投資家に対する責任というのを十分感じなくなってしまつたのではないかと私は思うわけです。
 そこで、大蔵大臣に今回の事件を教訓としまして、大蔵行政として何か改めるべき点はあるのかないのか、お尋ねをいたします。
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三塚博#17
○国務大臣(三塚博君) 改めるべきは改めるというのは当然のことであります。大蔵省といたしましても全体の見直しは予算編成時はもちろんでありますが、その間の期間におきましても検討を進めているところであります。
 特に、金融システムのあり方という住専以来のさまざまな批判をまともに受けとめながら、理想的な形は何か、こういうことの中で鋭意その分析に当たっておりますことは事実であります。同時に検査体制、証券の監視委員会の検査のあり方、また銀行局検査部のあり方等については、本委員会の御論議の中で厳しく指摘をされておるところでございます。監視委員会は法律によって強制力を持つわけでございますが、銀行検査部はいわゆる行政行為として行う、こういう検査の限界がございます。相手の善意というものに依拠して検査を行ってまいるという、こういうことが実は銀行の持つ信用性、世間一般に銀行さんがとよく言われる信頼、信用性というものが牢固としてあったことが背景にあることも事実であります。
 しかし、住専の事件によって厳しくそのことを問われたことは事実でありますから、もろもろの諸改革がそれから進んでおりますこと、監督庁の設置もまさにそこにあったと考えます。そういう中で、今後国会論議をしっかりと踏まえながら、何ができるか、何をしなければならないかということについて研究、検討、結論を得ていく努力をしていかなければなりません。
 一言、付言をいたしますと、今後のシステムのあり方について、今週の金曜日でありますが、三審議会の最終答申が出ます。画期的なものを私自身期待をいたしておるわけでございますが、また御供覧をいただきながら御理解と御鞭撻を賜りますならばと思っております。
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荒木清寛#18
○荒木清寛君 グローバルスタンダードという点でいうならば、たとえトップ銀行やあるいは断トツの証券会社でありましても基本ルールを無視した場合には倒産を含む厳しい社会的な制裁を受けるというのが私は世界のルールではないかと思います。
 九五年の二月には英国の名門商業銀行、ベアリングズ社が子会社の先物取引の失敗で倒産をしたというのはまだ記憶にあるところでありますが、この同社というのは二百三十年以上の歴史を持ち、英国王室の財産も運用していた名門銀行でありました。そこさえ倒産をした。その折には英国の中央銀行、バンク・オブ・イングランドの総裁は倒産こそ自己責任だという厳しい姿勢を崩さなかったというふうに伝えられております。何もこれはそんな利益供与をしたわけじゃありませんで、デリバティブの失敗で巨額の損失を来したというごとでありました。
 私はそういうことから考えますと、今回の野村あるいは一勧に対する大蔵省の処分というのはいささかの温情も排した厳しい処分をしていただきたいと思います。そのようなことはもう何回もおっしゃっておりますが、これからこの総会屋疑惑につきましても新たに逮捕ということがあるかもしれません。また、起訴、公判、事件の判決というふうに進んでいくわけでありますが、一体どのぐらいの段階で大蔵当局としての厳しい処分があるのか。また、野村証券に関しましては、証券取引等監視委員会からのそういう処分の勧告というのは大体いつごろ来るというふうにお聞きになっておられるのか、その点を最後にお答え願います。
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三塚博#19
○国務大臣(三塚博君) 証券等監視委員会の場合は、野村でありますが、勧告が出て法令に基づく処分を行うということは荒木委員も御案内のとおりであります。その処分は当然厳正に行われることは当然である、こう思っております。
 それと第一勧銀の問題は、これまた銀行法に基づいて行われるわけでございますが、ただいま捜査が続行中でございます。新たな処分が行われるという段階で銀行法に基づく処分。商法上の問題はまさに司法のことでございますので、行政上の問題ということで次の新たな事態の展開を待って行う。ただいま捜査中でありますので、厳重に最大の注意力を持って情報収集もいたしております。また、勧銀に対しましても、内部調査を徹底し、なぜかかる事態が起きたかについて調査をし報告をされたしと、こう申し上げておるところでございまして、その報告をただいま待っておるという段階であります。
 いずれにいたしましても、厳正な対処が要求されることは御案内のとおりでございます。罰金刑の重い軽いの論議がありますが、これは法律改正を伴います問題でありますから国会の論議を経て行われるもの、こう思っております。
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荒木清寛#20
○荒木清寛君 そこで、官房長官にお尋ねいたしますが、今回の不祥事というのは証券、金融のトップ企業というのがいかにやみの世界といまだに結びついていたかということをあからさまにしたわけでありまして、国民全体が怒りに燃えているわけであります。
 そこで、もう長くは申しませんが、やはり大蔵大臣だけではなくて、政府としてこういう巨大な金融犯罪の再発防止にどう取り組むかということは考えなければいけないと思います。具体的にお考えがあればお述べいただきたいと考えます。
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梶山静六#21
○国務大臣(梶山静六君) 全貌がまだ明らかになっておりません。しかし、見えるだけでも大変我々の想像を絶するものであることは間違いございません。その根幹にあるものはやはり金融マンとしての節度ないしは倫理観、あるいは公共性とか社会的責任、こういう一番根幹に触れるというか人間の常識というか、その問題の欠如があったと思いますし、過去いわばバブルの時代に安易に流れたそのツケというか、それを断ち切ることが今日までできなかったということが人間の弱さとして出たかと。
 しかし、いずれにしても、犯罪を構成するに足るような事実がたくさんあるわけでありますから、この問題には今までのいわば金融行政という中で預金者保護ないしは金融信用の保持、そういうものの観点のみでやっていけないということも考えております。考えなければなりませんし、寄り寄り総理や大蔵大臣と協議をしながら、この問題の対処については国民の信用を回復するに足る厳重な手段、方法を講じていかなければならないのではないかと考えております。
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荒木清寛#22
○荒木清寛君 そこで、先ほど大蔵大臣からは検査のあり方というお話がありました。今後はしかし金融監督庁にその権限が移るわけでありますから、官房長官にお尋ねいたしますが、今回の法改正によりましてこのような不祥事あるいは違法行為を摘発する行政の機能というのは強化拡充されているのかどうか、お尋ねをいたします。
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梶山静六#23
○国務大臣(梶山静六君) 今回の金融監督庁の新たな設立というのは、一昨年来のいわば住専問題に端を発して、この原因がどこにあるかということになりますと複雑ないろんな絡み合った問題があろうかと思いますが、行政側の反省としては、今までの金融行政、特に銀行局を中心にした企画立案と検査監督、ここにむしろ截然とした分かれ方がなかったというか、その中に一緒におったということが一番大きな原因ではなかったかということから、これを分離するということがその対策として一番重要だ、こういうことで今回の金融監督庁の設立法案になったわけであります。
 今、委員御指摘の野村や、これは証券の方でございますが、一勧の場合のような今日起きているような問題を完全に金融監督庁が防圧できるかといいますと、うまく機会をとらえればできるかもしれませんが、普遍的にこういう問題を、摘発という言葉がいいかどうかわかりません、発見できるかどうかというのは大変難しいと私は思います。それは膨大な銀行取引の中で彼らが隠そうと思って隠すことを全部やれるということにはなかなかならないという感じがいたします。
 ですから、こういうことを言っていいかどうかはわかりませんが、少なくとも銀行自身が、みずからの信用確保は何よりも大切でありますから、お客さんに対して自分たちの経営をガラス張りにする、そしてどんなことがあってもこういう不祥事は起こさないという誓い、それと銀行の健全な経営というものは、私の銀行であればここまでですよ、そういうみずからの戒律というか物差しをつくる。それから、銀行業界全体として銀行業はどうあるべきかという一つの物差し、ある意味で業界全体としての物事の見方、さらに金融行政という側に立ったいわば信用や預金者保護、その意味でどういうことがあるか、この三つをかみ合わせて今日まで動いているわけでありますが、この一番目、二番目が弱かったという反省はしなきやなりません。三番目は通常だったのかもしれませんが、そこに混在をしていたという反省をいたさなければなりません。
 しかし、いずれにしても、その一、二のものの根幹に触れるいわば経営者の責任というか社会的な責任ないしは人間としての資質の問題とまで言ってもいいかもしれません、そういう問題に対して、金融監督庁にはそこまで立ち入る能力はなかなかないかもしれません。むしろ、そこまで入らなければならないとすれば、もう統制国家にならざるを得なくなるわけであります。
 本来自由で自己責任を貫徹することがこれからの金融界の発達とするならば、みずからの力でそれをえぐり出してほしい、その思いが今は強いわけであります。そういうことが進化をし完全に洗い落とすことができてから、本当の意味での金融のあり方あるいは検査監督のあり方等が言われるわけでありますが、こういうことが多発をするとなると、全く別個な準司法的な役割を持つ機関に改組、改善をしていかなきゃならなくなってしまう、そういうことに至らないよう今我々は祈っておりますし、この結末を見てまいりたい、このように思います。
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荒木清寛#24
○荒木清寛君 今、官房長官は住専を踏まえて企画立案機能と検査監督機能の分離という視点をおっしゃいました。今回のこの改正案は、それとともに財政と金融の分離という視点もあるんではないかと私は考えます。このことはもう既に各方面で指摘をされておりますけれども、二度にわたるインフレ、バブルあるいは石油危機の原因として金融政策が財政政策に従属していたということを挙げる人が多い。あるいは私は去年の住専問題につきましても反対をいたしました。
 もし財務省と金融庁が分離をされていたならば違った解決になったに違いないと私は思います。
 すなわち一昨年の十一月でしたか、大蔵省は財政危機宣言というのをしたわけでありまして、そういう中でもし財務省というのがあれば、そんなに簡単に住専に対する財政支出というのを認めたであろうかと、あるいは拒否をしたかもしれないし、あるいは減額を要求したかもしれない。また、仮に同じ結論になったとしても、財務省と金融庁の利害の対立あるいはその折衝の過程というのがもっと国民の前にオープンであったに違いないというふうに考えたりもしております。
 それはさておきまして、いずれにしましても、私は大蔵省改革につきましては財政と金融の分離の実現というのが肝要であると考えます。その先駆けとして今回の金融監督庁構想であるという理解でよろしいんでしょうか。
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梶山静六#25
○国務大臣(梶山静六君) 前段申し上げましたように、今回の金融監督庁を設立するに至った第一の原因は、一昨年来のいわば住専問題に対しての反省、そして企画立案と検査監督をむしろ対等というか緊張感を持って行うことによってそれぞれが任務を全うする、そういうことによってそういう問題の起きることを防ごうといういわば大蔵改革の一丁目一番地に位置づけたものであります。
 ですから、それぞれの方々が、あるいは財政や金融の分離ということを頭の中にイメージされる方もございますが、この金融監督庁設立に至った経緯そのものは、それまでを展望することではなくて、今日的な役割として金融監督庁をつくることによってあの反省を生かしてまいりたい、このことが全部でございます。
 将来に対するあれはもちろん行財政改革その他を通じましてどういうことになるのか、これは私が申し上げる立場にないことを御了承願いたいと思います。
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荒木清寛#26
○荒木清寛君 この監督庁構想というのは与党三党のプロジェクトの約一年にわたる議論の結果このような姿になったわけであります。最終決定は昨年の十二月二十四日であるというふうに聞いておりますが、その前述の三党の合意事項の中にこの財政と金融の分離という方向性があったように私は思っているわけです。そうであれば、今後の中央省庁の再編も、これから議論することで白紙でありますということではなくて、事大蔵省に関してはやはりそういう財政と金融の分離という方向を志向していくべきだというふうに考えますが、そういうことじゃないんでしょうか。
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梶山静六#27
○国務大臣(梶山静六君) あるいはこの問題は平行線かもしれませんが、どちらが先かということよりも、むしろ金融行政のあり方自身のいわば反省に立って出たわけでありますから、金融と財政の分離というまた別個な視点からこの問題を考えるということは自由であり、またこれから大切なことでありますが、今回の金融監督庁のいわば発足というか設立は、第一の目的で金融の中の緊張感を持つことによって過去のいわば反省、その上に立った検査監督行政が、いわばルールをつくる企画立案の分野と対比して、透明で対等でそして立派な検査監督ができること。このことは、後で金融、財政の分離という問題があっても、金融の中でこの二つの分野というのはそれぞれ相独立したというか相緊張をした関係でなければ、私は前回のような問題が再び起きてしまうという心配をするわけであります。
 確かに、分離をすれば分離したなりのメリットもあればデメリットもあります。統合すれば統合したなりのメリットもデメリットもあるわけでありますが、今まで長きにわたって統合されたゆえの弊害が出たわけですから、ここで二つに分けるということは思い新たに緊張感が出るものであります。この問題はこの問題として処理をしていく、その延長線上に金融と財政の問題、それぞれ与党三党が考えて、なおかつこれを先行させたという意味もお考えを願いたいと思います。
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荒木清寛#28
○荒木清寛君 その延長線上に金融と財政の分離を考えるかどうかによりまして、私が次にお尋ねをすることもかかわってくるわけなんですが、どういう人を初代の長官に任命をするのかということです。
 これは、この組織はまだ法案も通っておりませんし、通ったとしましても来年からの話でありますから、そんなまさか候補者を当たっておられるなんということはないわけでありますが、しかし、どういう人がふさわしいかというイメージはもう少し明らかにしていただきたいというふうに考えるわけです。
 私は、三月十三日の参議院予算委員会で質疑をいたしましたが、そのときに総理から、あるべき金融監督庁の長官として法曹界からの登用を示唆されたわけです。これは示唆されたということですから、そのようにおっしゃっているわけではありませんが、私はそう受け取りましたし、マスコミもそう受け取っていたわけです。総理に聞けばそんなことは言ってないとおっしゃるかもしれませんが。
 ただ、そういう報道もありまして、これに対しましては、確かに厳正でいいんですけれども、金融業務の検査監督をするには、やはり金融全般に精通した人の方が望ましいんではないかという意見もあります。また、これは大蔵省批判から出てきました監督庁構想でありますから、まかり間違っても私は大蔵省のOBがこれに就任するなんということはあり得ないと思います。そうなると、じゃ日銀からかなんということも言う人もいるわけです。また、この監督庁というのは民間金融機関を検査の対象とするわけでありますから、民間金融機関からの登用ではやはりまずいんではないかという、いろいろそういう議論があるわけであります。
 人物本位で選ぶということでありましょうけれども、また総理のお考えなんですけれども、もう少しこういう人がふさわしいというイメージをお示しいただければというふうに思うわけです。
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梶山静六#29
○国務大臣(梶山静六君) 確かに、初代というか、初代も二代も三代も平たく言えば任務から言えば同じなんでございますが、新たに金融監督庁をつくるときの初代の方を選ぶことによってその金融監督庁のイメージなり使命感なり、そういうものが高揚されるか沈むかということは大きく分かれると思います。そういう意味で、総理もあるいは示唆されたようなことが試行錯誤の中にあるかもしれませんが、全く今の状態では白紙であろうと思います。そして、いろんなことをイメージいたします。
 私も私なりにペーパーにまとめて何遍か考えているんです。これを発表することがいいかどうかわかりませんが、やっぱり信用、信頼のある方が望ましい。ですから、人格、識見があり、行政運営に対する相応の力量がなければ、行政の一機関でありますから難しいだろう。それから、金融、財政等の分野に造詣が深く、かつ国際情勢、とりわけ国際金融情勢も理解する能力を持っていなければならない。それから、大蔵省初め関係各省に対して十分発言、主張ができる、というとなかなか強い意見ということになるかもしれませんが、主張ができ、関係業界に対して指導性を持ち得るような人。それから、ここへ出てきてやらせられるわけですから、国会答弁等にも十分対応できる人。
 これを考えますと、これに当てはまる人が今の日本の中にいるかどうかというと、なかなかおりません。それから、そういう人を求めることは、年齢的にも、あるいは報酬的にも難しいかもしれません。
 そこで、私は、今一案で考えているんですが、これは多分準備室に対する私の陳情かもしれませんが、総理が懸命にねらって、そういう人のどこに力点を置いて選ぶか。しかし、選んだ人が完璧でない限り、この人を補佐する顧問というのか参与というのか、常勤、非常勤を問わず、民間、官界を問わず、何らかの意味で金融、銀行業務や、あるいはこれを取り締まる司法業務や、あるいはこれを周知徹底させる広報業務や、国際金融、こういうものに精通をした方をその人のブレーンにして、いわば意見を徴収しながらやれるようにする。
 こういう数多くの理想論を求めますと、とても一生これは何代かかっても見つかりませんから、その人の主たるハートがあるとするならば、それを補完する方々を、いわばラインの中ではなくてスタッフとしてできるような機構をイメージして、これから総理にも進言をしたり、金融監督庁や今やっている大蔵省の皆さん方にも、ここから御陳情を申し上げるというと大変変な形でございますが、そういうものを求めないと、なかなか大蔵と十分に立ち合い、そして本当に金融行政の信頼、この検査というものがやはり国民に信頼をされる、そういう人選をこれから考えてまいらなければなりません。
 法案が通る前にそんな先走りをしていることがいいかどうかはわかりませんが、いずれにしても、通ればそういうものをじっくり検討しながら選んでまいりたい。ぜひそういうことに総理が意を用いることを期待をしながら、今冷静に物事を処理したい、このように考えております。
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