大蔵委員会

1997-11-27 参議院 全180発言

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会議録情報#0
平成九年十一月二十七日(木曜日)
   午前十時開会
    —————————————
   委員の異動
 十一月二十一日
    辞任         補欠選任
     野村 五男君     青木 幹雄君
     牛嶋  正君     水島  裕君
 十一月二十五日
    辞任         補欠選任
     青木 幹雄君     野村 五男君
     水島  裕君     牛嶋  正君
 十一月二十六日
    辞任         補欠選任
     直嶋 正行君     益田 洋介君
 十一月二十七日
    辞任         補欠選任
     片山虎之助君     保坂 三蔵君
     西田 吉宏君     田村 公平君
     益田 洋介君     平田 健二君
     上山 和人君     梶原 敬義君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         石川  弘君
    理 事
                河本 英典君
                松浦 孝治君
                牛嶋  正君
                峰崎 直樹君
                上山 和人君
                梶原 敬義君
    委 員
               大河原太一郎君
                金田 勝年君
                清水 達雄君
                田村 公平君
                楢崎 泰昌君
                野村 五男君
                保坂 三蔵君
                海野 義孝君
                白浜 一良君
                平田 健二君
                広中和歌子君
                久保  亘君
                志苫  裕君
                笠井  亮君
                山口 哲夫君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  三塚  博君
   政府委員
       大蔵政務次官   塩崎 恭久君
       大蔵大臣官房金
       融検査部長    原口 恒和君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     溝口善兵衛君
       大蔵省主計局次
       長        寺澤 辰麿君
       大蔵省主税局長  薄井 信明君
       大蔵省証券局長  長野 厖士君
       大蔵省銀行局長  山口 公生君
       証券取引等監視
       委員会事務局長  堀田 隆夫君
       国税庁課税部長  乾  文男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林 正二君
   説明員
       自治省行政局振
       興課長      小室 裕一君
   参考人
       日本銀行副総裁  福井 俊彦君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○内国税の適正な課税の確保を図るための国外送
 金等に係る調書の提出等に関する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    —————————————
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石川弘#1
○委員長(石川弘君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日、直嶋正行君が委員を辞任され、その補欠として益田洋介君が選任されました。
 また、本日、片山虎之助君及び西田吉宏君が委員を辞任され、その補欠として保坂三蔵君及び田村公平君が選任されました。
    —————————————
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石川弘#2
○委員長(石川弘君) 理事の辞任についてお諮りいたします。
 楢崎君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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石川弘#3
○委員長(石川弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 理事の辞任及び委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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石川弘#4
○委員長(石川弘君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に松浦孝治君及び牛嶋正君を指名いたします。
    —————————————
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石川弘#5
○委員長(石川弘君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日、委員会の参考人として日本銀行副総裁福井俊彦君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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石川弘#6
○委員長(石川弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    —————————————
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石川弘#7
○委員長(石川弘君) 内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 両案に対する趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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金田勝年#8
○金田勝年君 自由民主党の金田勝年でございます。
 きょうは、いわゆる国外送金等調書提出に係る法案といいますか、それと民間国外債の利子非課税措置に係ります本人確認制度、この二つの税制改正、これを審議いたしますに当たりまして幾つか最近関心のある点について御質問させていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
 まず初めに、先週から今週にかけて、御承知のように、日本の金融証券市場、非常に大きな問題といいますか、都市銀行の一つであります拓銀、そして徳陽シティ銀行、四大証券の一角でございました歴史がある山一証券、そして三洋証券ということで、営業譲渡あるいは自主廃業といったような形で金融市場、証券市場を揺さぶるような事件が続いて起こってまいりました。そしてまた、きのうでございますか、徳陽シティもきのうでございましたが、安田信託銀行についてはスタンダード・アンド・プアーズの格付が引き下げられるというような事態が起こってまいりまして、預金者、投資家の不安感というものがここに来て非常に高まってきておる、こういう状況でございます。
 昨日は、大蔵大臣、そして日銀総裁が談話という形で記者会見をされた。金融システムの安定への決意というものをその談話で発表されたという状況でございまして、国民に向けてのアピールをされたわけでございますけれども、一連の金融関連の問題についてまず初めに幾つか質問をさせていただきたい。そして、その後先ほどの二法案について御質問をしたい。限られた時間の中で御質問を申し上げるわけでございますから、私の視点といいますか、そういうことを初めに申し上げておきたいなと思うのであります。
 去年の十一月に橋本総理の指示で金融システム改革、日本型ビッグバンというものが取り上げられております。フリー、フェア、グローバルという改革の三原則ということがいかに重要か、そして西暦二〇〇一年には日本の東京市場がニューヨーク、ロンドン並みの国際市場として信頼され、そしてまた力を持った市場になるべきである、国際金融市場に名実ともにならなければいけないということを目指す、それが二〇〇一年までに頑張ってやっていこうという日本型ビッグバンの内容であった。
 そして、フリー、フェア、グローバルというこの三原則というものについては非常に重要なポイントとして述べられておるんですが、その中で私はフェアというところについて、この二つの法案も非常に重要な点になろうかと思いますし、同時に最近の金融証券市場でのさまざまな出来事についてもやはりフェア、透明で信頼できる金融資本市場にしなければいけない、そういう発想が一番重要なのではないかな、そういうふうに思うわけであります。
 自己責任原則の確立のために十分な情報提供をしていかなければいけませんし、ルールも明確化していかなければいけない。ディスクロージャーも徹底して行い、そのディスクロージャーの制度も充実させていかなければいけないし、その適用もしっかりしていかなければいけない。それから、ルール違反に対する処分といったようなものも積極的に発動していかなければ、フェアというものに対する内外からの信頼というものは出てこないだろう、こういうふうに思うわけでございまして、そういう流れでいろいろと御質問をさせていただきたいな、こういうふうに思うわけであります。
 そこで、まず初めにでありますが、四大証券の山一証券が十一月二十四日に自主廃業に向けて営業停止を行った、これは我が国の金融資本市場における大事件である、私はこのように思うのでございますが、同時に対外的にもやはり日本の証券市場への、あるいは日本の企業に対する信頼といいますか、そういうものが本当に存続できるだろうか、非常に重要な局面である、こういうふうに思うわけであります。
 日本経済に与える影響ももちろん大きいわけでございまして、一方で三洋証券とか北拓銀行の場合は、私よく分析しているわけではありませんが、いろいろと新聞を見たり報道を見たりしますと、やっぱりバブル時代の経営判断のミスによるという要素があったんだろうと。徳陽シティもそういうふうに思われるのでございますが、それとはちょっと違って山一証券のケースは俗に飛ばしを行ったというふうなことが報道されていますし、それによって損失補てんをやったのではないかというふうに言う報道もありますし、違法取引の疑いはいろんな側面から出ておる。
 そういった多額の簿外債務も含めた違法取引の疑いというものがあって、そしてまた一方で、その引き金になったのは二十一日のアメリカのムーディーズ・インベスターズ・サービスで投資不適格という烙印を押された、それから短期の資金調達が困難になった、事情がいろいろあるようでございますけれども、そういうふうな中で自主廃業という形になったのでございます。これは先ほどのフェアの原則というものから見て、二十五日、おとといの午後から監視委員会で調査中ということなんですけれども、やっぱりフェアの原則からいって非常に問題の多い事件ではないか、そういうふうに思うわけであります。
 自主廃業という形になっておりますが、その実態が明らかになるにつれていろんな責任問題あるいはいろんなことが出てくると思いますが、まず山一証券のこのたびのそういった事件に関しまして、大蔵大臣の所見を伺いたいと思います。
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長野厖士#9
○政府委員(長野厖士君) 山一証券の今般の事態に対しまして、他の証券・金融界におきます事柄との違う側面をただいま先生が御指摘いただきまして、そのとおりであろうと考えております。
 もちろん、根っこといたしましては、こういった取引をするに至った背景に株式市場の下落という、バブルの崩壊という要素が、土地とは違って株式市場の低落というのが背景にあったというふうに私は認識いたしておりますけれども、その後の出てきたる問題というものはかなり異なった側面があると思います。それはまさに御指摘いただきました簿外債務の存在ということでございまして、これは投資対象としての企業のディスクロージャーの信頼性というものを著しく阻害した、そのことが日本の企業全体に対して諸外国から非常に厳しい目にさらされておるということは否めない事実であろうと存じます。
 したがいまして、ここにいかなる問題がありいかなる法的に問われるべき事柄があるのかということを徹底して解明し、そういった事柄をきちんと解明する能力を日本の当局が持っておるということを示すということが今日国際的に大変重要な課題であろうと思っております。現在、大臣官房金融検査部と監視委員会によって実態解明に踏み出していただいております
 他方で、この問題は、そういった山一証券の開示上の問題とともに、三洋証券と異なりますのは、国際的に非常に幅広く活動した四大証券の一つでございますから債権者の中には海外の方も大勢おられる。そのことが今度は山一自身の簿外の問題とは分かれて経営の存続性の問題ということになりまして国際的な金融市場を巻き込んだ大変危機的な状況がございまして、こちらの方につきましては日本銀行におきましていわゆる二十五条に基づく資金供給というような御決断もいただきながら、顧客資産、そして取引先の安定、これが損なわれますと大変に国際的な金融マーケットそのものの根幹を揺るがしかねないという判断を私ども持っておりましたので、そちらの方につきましても万全を期しておるところでございます。
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金田勝年#10
○金田勝年君 これからしっかり検査をするというお話しのように聞こえるんですが、やはり今のこういう事件の中身というのはいろんな形で報道にも出ておった、そしてそういう風評があった、そういう中で日銀はその考査において努力された、そしてまた証券取引等監視委員会あるいは金融検査部、いろいろございますが、そういう検査担当の体制挙げてやっている中での今日の出来事であるという点は非常に重要なポイントだと思うんですね。
 そういう中で、個別にお聞きしていこうかどうか時間の関係もあるものですからあれなんですが、どうしてそのような検査で発見できなかったんだろうかという点でございます。
 例えば、相手にうそをつかれたらどうしようもないんだという検査や考査であってはならない、そういうふうに思うわけで、こういう事件が起こるたびに市場の信頼というものが奈落の底に突き落とされるような形では、もうとてもじゃないけれども金融ビッグバンなんとは言っていられない、そういう状態であるわけであります。
 私は、二十五日午後から監視委員会で調査を始めた、こういうふうに聞いておりますが、そういうふうなことに対してどのような方針で調査に臨もうとされているのか、今までの検査や調査とどこか変わってくるのか、そこのところをちょっとお教えいただきたいと思います。
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堀田隆夫#11
○政府委員(堀田隆夫君) お尋ねでございますけれども、いわゆる飛ばし取引と申しますのは、企業が含み損を抱えている有価証券を決算期の異なる企業に直取引で転売をしていく、それを証券会社が仲介をするというものでございますけれども、これは通常簿外取引で行われているということでございまして、なかなか通常の検査あるいは考査等では把握しにくい面があるということでございます。
 この飛ばしの問題については、先生お話しございましたように、いろいろな報道がございまして、ことしの六月にかなり具体的な報道がございましたものでございますから、私どもは山一証券に対しましてその過程で証券取引上の問題があったかどうか早急に社内調査を実施して報告するようにということで指示を出しまして、鋭意事実解明に努めてきたということでございます。
 そうした経緯を踏まえまして、十一月十七日に山一証券の社長から、多額の簿外債務がある、さらに十一月二十四日に二千六百四十八億円の簿外債務が存在する、またその中にはいわゆる飛ばしの疑いのある取引が行われていたという報告があったということでございます。
 二十五日から金融検査部と合同で検査に着手いたしましたけれども、これから私どもは簿外債務の発生の過程で証取関係の法令に違反する行為がないかどうかについて事実解明をしていきたいと思っております。
 もう少し具体的に申し上げますと、その仲介をする際の証券会社の行為が証取法上の禁止行為になっております特別の利益を提供することを約して勧誘する行為に該当するのかどうかという点、それからさらには、これはディスクロージャーの問題になりますけれども、簿外債務につきまして臨時報告書が提出されたわけでありますけれども、過去の有価証券報告書の提出が証取法上に違反する有価証券報告書の虚偽記載に当たるのかどうかという点についても事実関係の確認、解明を行っていきたいと思っております。厳正に検査をいたし、対応していきたいと思っているところでございます。
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金田勝年#12
○金田勝年君 簿外負債というか、今回は飛ばしと言われておりますけれども、これが表面化しますと、一般投資家はもちろん、機関投資家の方たち、それから外国の人たちからもやっぱりそういうことをやっていたのか、あるいはまだあるのではないかなとか、ほかの証券会社でもやっておるのではないかとか、いろんな思いが出てくる。そういう不信感が日本市場や大事な証券会社に出てきたのではかなわないわけでありまして、まず新聞報道に即して質問させていただくわけでございます。
 富士銀行は山一証券の簿外債務が十月時点で、十月六日という報道でございましたか、存在していたことを知っていたという報道がある。そして、大蔵省は十一月十七日時点で報告を受けたと。それまではそれぞれ知らなかったんだろうか、あるいは、十一月十七日に報告された後に二十四日に発表を行うわけでございますが、一週間もなぜかかるんだろうか、もっと早く公表すべきであったのではないかというふうに考えられるんですね。そしてまた、富士銀行につきましては十月時点で知っていたということなんですが、筆頭株主の富士銀行がこのようなことを知っていて、知った後どうしたんだろうか、非常に大きな問題がそこにあると思われるわけですね。
 こういうふうなことはないとは思いますが、仮に飛ばしという事実があるのであれば、それはある企業の粉飾決算にもつながりかねない。そしてまた、それがどういう実態であったか、いろんな問題に波及していく可能性がある。だから、そういうことも含めると、何といいますか、今回の山一関係の問題というのは非常に大事な、そして見逃すことのできない、そういう事件であると。
 そこで、大蔵省にお聞きしますが、実はきょう予算委員会の参考人質疑で富士銀行、そして山一証券の方がお見えになっておると聞きましたが、こちらは大蔵省の方がお見えになっておるので大蔵省の方にお聞きすることに限られるわけでございますが、十一月十七日時点で報告を受けておって、二十四日に発表を行った。もっと早く発表すべきではなかったか。と申しますのは、そのときの山一証券の株価を見ますとどんどん下がっていくわけです、そのプロセスの中で。詳しく株価は申し上げませんが、この市場の世界では常に信用売りで空売りをかけます。そして、空売りをかけた人間がこういうときには必ずもうかる。そういうことをどんどんやっていくプロセスの中で、なぜ一週間もかかるのかと、この点はもう本当にみんなが感ずるところだろうと思うんですね。もっと早く公表すべきではなかったかなと思いますが、いかがでございましょうか。
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長野厖士#13
○政府委員(長野厖士君) 私が山一証券よりこの簿外債務について具体的な形で十七日に報告を受けました。監視委員会にも通報するようにという指示もいたしました。具体的に二十二日、こういった事柄は本来開示会社であります山一証券自身から公表すべき事柄でありまして、私はその報告書の提出を受ける立場でございますけれども、二十二日の記者会見で私の方から発表するという異例の運びをとらせていただきました。もちろん、十七日にあらあらの報告があった後、正確な対外的に発表できる事実関係の整理ということは求めておりまして、これは不正確な段階でただ巨額の飛ばしがあるということだけが発表されて、まあオーダーは千億台とかいうのを発表するにせよ、そのことによって市場はどうなるのか、不正確なままに言ってしまえばそれで済むということではありません。
 先ほど申しましたように、この会社には多数の海外の債権者も含めて大勢の取引先がありますので、その瞬間に取りつけと申しますか、債務の履行を迫るような動きが出てきた場合に、支払い停止、債務不履行という事態が起こりましたら、一たん日本の大証券会社についてそういったことが起こりますと、それに対して何らの手だても講ぜられていないという段階での不正確な情報提供というのは世界の金融市場にとって大変危険であるという判断は私自身にございました。しかし、これはいつまでもおくらせていいものではない、それがどのくらいの許容範囲であろうかということは悩み抜きました。
 アメリカにおきましても、大和銀行の簿外債務の事件がございました。ニューヨーク連銀がその事実を把握してから大和銀行に発表させるまでに八日間という日時、それは情報の正確性とその後投資家あるいは取引先がどのように債権債務を扱われるかということの認識が持てるような状況までそのくらいの日時であるということでございます。また、ヨーロッパの例で申しますと、これも日本が関連いたしますけれども、住友商事によります巨額の事件がございました。これもイギリスの当局が把握してからこの事実を公表するまで、やはり公表内容の正確性と市場への対応というもののある程度の準備をしてやっていることは事実であります。
 そういったことを全部勘案いたしまして、早ければ早いほどよかったではないかという御指摘は私自身率直に受けとめさせていただきたいと思いますけれども、現実のすべての事柄を投資家の方々あるいは市場の混乱を防ぎながら事を取り運んでいくという中では、私はこの五日間というのは、申し上げていいのかどうかわかりませんけれども、全力を尽くしてできるだけ早くしたと申し上げさせていただきたいと思います。
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金田勝年#14
○金田勝年君 信頼される市場をつくるためには、やはりディスクローズのあり方といいますか、そういうものが非常に重要だということを感ずるわけでございまして、その点をまずきっちりと受けとめていただいて、今回の富士銀行、そして大蔵省、そしてもちろん山一証券のディスクローズのあり方というものについて、きょうは時間の関係でこのぐらいになりますが、よく検討していただいて、そしてディスクロージャーに対する認識、問題のない形にきっちりと持っていっていただかなければいけないなというふうに思う次第であります。
 そしてまた、大蔵省は山一の債務超過の可能性はないというふうに言っているんですけれども、この点についても果たしてそうなのかという疑問は、やはりしっかり検査していくプロセスの中で新たな簿外債務が見つかるという可能性が全くないのかどうか、そこら辺もしっかり検査をしていっていただいて、そしてまた見通しを持ってやっていただきたいな、こういうふうに思うわけであります。
 日銀からも副総裁がお見えですが、金融検査の中で日銀の考査というものは何なのかというのはこれまでも大蔵委員会で私は何度も質問をさせていただいてまいりました。このたびもまた問題になったわけでございますので、あえて質問を申し上げませんが、やはり日銀の考査のあり方というものもきっちりとここで考えていっていただきたい、見直していっていただきたいというふうに思うわけであります。
 そこで、山一証券の今回の問題は、今いろいろと出てまいりましたが、証券取引法上の問題、それから商法上の問題と数多くチェックしなければいけない問題があります。そういう意味で、限られた時間ではこの程度の質問になりますが、今後その検査の結果を踏まえていろいろ審議させていただきたいな、こういうふうに思っております。それだけではなくて、仮に飛ばしという実態があった場合には、それを要求したかどうか、その企業の罪というものも非常に重要なポイントだというふうに思いますし、その飛ばしに関係する企業がもしあるとすれば、その企業に対しては違法行為がなかったかどうか、きっちりとそれも調べていただかなければいけない。だから、そういうふうな意味で、今回の山一証券の問題というのは、やはりフリー、フェア、グローバルのフェアの非常に重要なかなめのポイントの話であるということを重ねて申し上げさせていただいて山一証券関係はこれで終わらせていただきたい、また次の機会にやらせていただきたいと思います。
 次に、金融システムの関係で、今、安定化が重要だということを盛んに言われておりまして毎日の新聞の一面をにぎわしておって、何といいますか、未曾有の危機だと、こういうことでございます。抜本的な対策というものがどういうふうになるのか、そこら辺は今後の課題だと思うんですけれども、まず金融システムが崩壊して日本からほかの国の市場に金融不安をまた重ねて与える、あるいは我が国経済にとってももちろん大打撃になる、そういうことのないようにしていかなければいけないんですが、その点に関して幾つか聞かせていただきたいと思うわけであります。
 北海道拓殖銀行の破綻の原因ということで個別金融機関の話になるのでございますが、リストラの徹底とか経営の健全化に向けた真剣な努力というものがなされていなかったという反省もあるようでございますが、やはりこういう徳陽シティ銀行も含めて個別の金融機関の破綻が相次ぐということは極めて深刻な事態だと思うんですね。
 そこで、きのうでございますか、都市銀行など大手十九行の中間決算が発表になったんですけれども、そういう中では不良債権償却を行う結果十九行中十三行が経常赤字を計上する、そしてこれによってバブル経済の後遺症である不良債権の処理はほぼ終了だというふうな記述も報道の中にあったのでございますね。しかし、一方では地方銀行以下の中小金融機関では不良債権の処理というものは非常におくれているところが目立っている、こういうふうな状況にある。また、大手の都市銀の十九行、拓銀は除きますと十九行ですが、この中には体力の格差が鮮明になってきておる、こういう状況なんですけれども、この不良債権の状況というものを、大蔵省は全体として改善しているとこの前お答えいただいたんですが、個別にいろいろと見ていくとむしろ不良債権の状況というのは悪化しているのではないかと思いたくなるような節もあるんですけれども、その状況については、業態についてはどのように認識されているのか、教えていただきたいと思います。
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山口公生#15
○政府委員(山口公生君) 最近、個別の銀行の破綻ということが生じておりますけれども、これはバブル経済崩壊後の不良債権の重荷ということが一つの原因であることも事実でございます。また、マーケットの厳しい選別というものの現象がインターバンク市場での資金のとり方を難しくしているという事情もございました。
 それで、全体的な不良債権の問題についての認識のお尋ねでございますけれども、統一的な基準でもって不良債権を年々トレースしております。その結果、その統計は全体として見る限りにおいては改善の方向に向かっていることは事実でございます。ただ、全体としてよくなってきているということと、個別の金融機関がバブルの後遺症に押しつぶされるといいましょうか、乗り切れないというのが出てくるということはやや別の問題としてとらえる必要があるだろうと思っております。
 したがって、ある意味では、先生の御指摘のように、業態別あるいは銀行別に少しずつ格差が出てきているということも事実でございます。しかし、破綻に至るという状況は相当な不良債権の重荷を自助努力では乗り切れなかったということでございますので、大多数の銀行におきましては今懸命なリストラと先ほど御指摘のありましたような赤字決算を組んでまで思い切って償却をしてマーケットの信用を得ようという努力をしておりますので、私どもとしては、一段のリストラの努力をして各金融機関がこの難局を乗り越え、新しい時代に備えて乗り出していってほしいというふうに思っているのでございます。
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金田勝年#16
○金田勝年君 そういう状況だということですが、要するに金融システムが影響を受けると。今の状況を見ても、株価と円相場と債券といったトリプル安というものが生じておりますし、市場参加者とか投資家あるいは預金者といった方たちの不安感、不透明感は非常に増大しておる。それから、ジャパン・プレミアムも拡大しておる。そして、景気対策上非常に気がかりなんですが、貸し渋りも生じている。いろんな状況があわせて出てきておる。
 そういう状況の中で、今後金融システムの安定性を確保するという意味でありとあらゆる選択肢を検討するというふうに言われておるんですけれども、何といいますか、対応策としてこれから不良債権の問題の解決と金融不安を取り除くという視点からは大蔵省は今後どのように対処していくつもりであるか、その点を教えていただきたい。
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山口公生#17
○政府委員(山口公生君) 個別の金融機関の破綻が生じた場合に、私どもが最も重要だと思っておりますことは、まず預金者の保護をするということが第一でございます。第二に、システムを壊さない、不安定性をもたらさないということでございます。したがって、まず預金者の保護には万全を期しております。これは金融三法によってお認めいただいた機能を使っております。システムの維持につきましては、例えばインターバンク等の取引においても毀損しないような形をとらせていただいております。したがって、その面での信用収縮が起きないようにいたしております。
 さらに、加えて申し上げますと、受け皿銀行を見出した形をつくりますと、健全な取引先がそのまま引き継ぐことができます。受け皿銀行ができませんと取引先はばらばらの状態になり、自分で銀行を新しく探さなきゃいけないという状況になります。したがって、私どもとしては、できれば受け皿銀行まで用意をして、それで健全な取引先までできる限りの保護をしたいというふうに思っているわけでございます。
 そうした形で、個々の破綻の処理としましては、確かにその銀行は消滅してしまいますのでいろいろ社会的に御懸念を生み出すことは否定しませんけれども、システム全体あるいは預金者の動揺がないように万全を期しているところでございます。
 さらに、もっと金融不安を起こさないように、あるいはもっときっちりと国民の皆様に御理解いただけるようにということで、大臣の方から改めてさらなる措置を検討しなさいと、あらゆる選択肢を念頭に点検し、検討を命じられておりますので懸命に努力してまいりたいと思っております。
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金田勝年#18
○金田勝年君 そういう努力の方向、ありとあらゆる選択肢、これを真剣に精力的に検討していただきたいと思うんですが、日銀の方の対応としても金融システムの安定性確保のためにその役割というのは非常に重要だときのうも総裁が談話を発表していますけれども、その果たす役割について日銀がどのように認識をされているか。
 それから、日銀特融の発動の条件なんですけれども、例えば資金の回収が確実な場合にのみ発動されるものなのか、あるいは債務超過のケースではどうなるんだろうかとか、あるいは債務超過となって日銀の回収ができなくなった場合はその後どういうふうになるんだろうかとか、そういったような点も含めてちょっと教えていただきたいと思います。
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福井俊彦#19
○参考人(福井俊彦君) お答え申し上げます。
 まず、信用秩序維持のための日本銀行の基本的な機能でございますが、御承知のとおり、日本銀行は日本の決済システムの中枢に位置しておりますことと、それからいわゆる最後の貸し手という機能を持っております。これらの機能を十分に発揮して信用秩序の維持に十分の効果を発揮していかなければならない、こういうふうに思っております。
 信用秩序の維持に懸念が生ずることがないよう、事前的にはマーケットのプレーヤーの健全経営の確保、それから先ほど委員がおっしゃいましたフェアプレーを確保させる、こういった点が重要でございますので、そこにしっかり視点を据えて金融機関の動きをモニターしていくということがございますが、信用秩序維持のためには、マーケットに問題が生ずるリスクが生じた場合には、最後の貸し手機能を通じて必要に応じ適切な流動性供給を行いまして市場の安定を確保するということでございます。昨今の状況のもとで日本銀行は、マーケットに対しまして十分流動性の供給を行いながら、現下の秩序の維持に努めているところでございます。
 なお、先ほど委員から御指摘いただきましたとおり、事前にプレーヤーの健全性を確保する、フェアプレーを確保するという観点からいきますと私どもの考査の機能が不十分ではないかという御指摘をいただきまして、今後とも考査の効率性向上、高度化に努力を重ねていきたいとお約束したいところでございます。
 それから、日銀特融の件でございますけれども、委員既に御承知のとおり、日本銀行は金融機関の破綻処理の際に、いわゆるマーケット全体のリスクと申しますか、システミックリスクを引き起こすおそれがある場合、それから日本銀行がお金を出さなければ他に出し手がいない、つまり日銀の資金供給が不可欠である場合、それから関係当事者の責任が明確化されるということ、そして最後に日本銀行の財務の健全性確保、それら四点をしっかり確認しながら信用秩序維持のためにお金を出していくということでございます。
 時として多額にこの融資が上ることがございますけれども、最終的に日本銀行がロスの穴埋めをすることによって日本銀行貸し出しが回収できなくなるというふうなことがないように十分フレームワークを整備しながらお金を出していくということでございます。
 先ほど御指摘のとおり、最終的に債務超過でなければ日本銀行貸し出しは必ず返ってくるということでございますし、債務超過であっても例えば預金保険機構の発動によって最終的なロスがそこに吸収されるということでございましたら、そういうフレームワークが用意されている場合には日本銀行貸し出しは最終的には返ってくるということでございます。
 そういったことも含め、いろいろな応用動作をきかせながら、基本的には今申し上げましたような考え方で今後とも対処していくということでございます。
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金田勝年#20
○金田勝年君 この問題の最後に大蔵大臣からぜひその決意をお聞かせいただきたいと思います。
 今まで見てまいりましたように、預金者保護とか金融システムの安定化とか、あるいは山一に見られるような飛ばしや総会屋事件といったような明るみに出た不透明な、非常に不安を与える経営というものに対しては改善をすべく検査、そういうものもきちっとする、早急に取り組むべき課題というものが非常に多いと思うわけでございます。
 そういう中で、やはりこういうときには私ども政治家としてのリーダーシップを持って、ぜひ決意を持って安心できる、そしてフェアな日本の金融証券市場、資本市場をつくっていくということが非常に重要だと思いますので、その決意をお聞かせいただきたいと思います。
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三塚博#21
○国務大臣(三塚博君) 今日の事態の中で一番大事なことは、主務大臣として当然のことでございますが、預金者の皆さん、そして投資者の皆さん、保険契約者の皆さん、この国民各位は信頼をして投資をし、預貯金をし、契約をいたしておるという原点を大事にしてまいりますことが金融制度の維持安定の基本であります。このことに全力を尽くして対応してまいりました。これからも日銀と協調を保ちながら、一抹の不安もありませんように万全の体制をしいてまいることといたしております。
 金融は産業の血液と言われます。同時に、コール市場、インターバンクの問題もあります。同時に、基本的にはいついかなるとき、またいかなる事態にも対処をしていかなければなりません。あらゆる手だてを講じてこれに対応することによってシステムが維持され安定されますところから、今後の展望、展開が不安感の解消、そして不透明感の是正、こういうことになり得ますので万全の注意力と万全のこれに対する枠組み、構えをしっかりとさせていかなければなりません。そういうことで安定のための、安心のための施策を、何ができるか、やらなければならないかということで点検をしっかりといたしながら、新しい枠組み、政策をここに決めていかなければならないと、こう決意をし事務方に強く指示をいたし、早急にそのことの結論を出せるようにということであります。
 私自身もこのことについて決意を強く持ちまして、国民各位の生活を守る、日本の経済国家としての最大の機能の金融システムの安定のために全力を尽くしてまいるということでありますので、参議院大蔵委員会の諸先生方におかれましては格段の御鞭撻、御支援賜りますようにお願いを申し上げる次第であります。
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金田勝年#22
○金田勝年君 時間の関係もありますので二つの法案の質問に移らせていただきたいと思います。
 国外送金等調書提出法案と民間国外債に係る本人確認制度の法案でございますが、先ほど申し上げてまいりましたように、思い起こしますと外為法の改正、先般の国会でやったわけでございまして来年の四月から施行になるわけですが、外為法の改正が日本型ビッグバンのフロントランナーだと。この改正外為法によりまして我が国の金融資本市場が一層活発化するんだと、こういうことでございますが、どの程度内外の資本の流出入が活発化するんだろうか、あるいはこれによって国民生活に具体的にどのような影響を与えるんだろうかという点について簡単で結構ですからお答え願いたいと思います。
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溝口善兵衛#23
○政府委員(溝口善兵衛君) 外為法の改正は、内外の資金の移動に際しましてのボーダーをなくすということでございまして、例といたしましてはイギリスの例があるわけでございますが、イギリスの例などを見ますと、流入、流出とも数倍に増加しております。
 日本におきましても、ビッグバンが達成されますと、外為法の改正がなされますと外から入ってくる資金も多くなりますし、日本から海外に投資、預金をする量も多くなる。定量的にはなかなか予測は難しゅうございますけれども、そういうことであろうと考えております。
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金田勝年#24
○金田勝年君 そういうことで資金移動が活発化・多様化してくる、こういうことになるわけでございます。
 これが国境を越えるということになるわけですが、市場原理が働く国際的で自由な市場にする、そしてまた、繰り返しになりますが、フリー、フェア、グローバルの中の公正な、フェアな市場づくり、これはルールにのっとった市場づくりということが非常に重要になってくるわけでございまして、これをどういうふうにかみ合わせるか、調和させるかということが非常に重要だと。利用者にとって魅力がある、あるいは自由で公正な市場であるということでございます。
 そういう中で、税制の面から考えました場合には、租税の回避行為といいますか、こういうものをきちっと把握して防止を確保していくということもまた一方で非常に重要なわけですね。しかし、その適正な課税が確保されるという担保は大事なんですけれども、逆にそれをやり過ぎてしまうとまた自由化の効果というものはどこへ行ったんだと。そしてまた、いろんな手続に係るコストというものも出てくる。したがって、せっかくのビッグバンの効果がなくなるのではないかという心配も一方ではある。ですから、税制も国際的に見て整合性がとれているかどうかという観点も必要となってくると思うわけでございます。
 そういう中で、この改正外為法を踏まえて、来年の四月から、同じ施行時期でこの国外送金等調書提出制度と民間国外債に係る本人確認制度が設けられる、これは調和という意味では非常に重要なんですけれども、これらが自由化の方向と適正課税の確保のバランスといいますか、そういう観点から、この二つの法案に共通する質問といたしまして、どのようにお考えか、そしてまたこれらの制度を導入することによって自由化を阻害するということにもならない、そして調和のとれた適正課税の確保ということもこれはできるんだよというところをきっちりお答えいただきたいなと、こういうふうに思うわけですが、いかがでございましょうか。
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薄井信明#25
○政府委員(薄井信明君) この春に外為法の御審議を本委員会でも賜りましたが、その際に附帯決議におきまして「課税回避を防止するための海外送金等の報告制度や民間国外債に係る本人確認制度の整備に努めること。」ということをいただいたわけでございます。
 私ども、春の時点で問題意識は持っておりましたが、どのような実態になっていくのか見きわめがつかない状況の中でこの夏に、附帯決議に基づきまして、今、金田委員御指摘のような両面から検討をさせていただきました。
 両面と申し上げますのは、一つは為替の自由化ということですから、これは我が国にとって進むべき方向であると。一方で、そのことは脱税の自由を保障するものではなくて、フェアな中でお金が海外との間で自由に動いていく、これを目指さなければならないということになります。そうなりますと、その両方の目的をいかに調和させるかということと、あわせて我が国の現在の税制あるいは資料情報制度というものを前提にそれを仕組まなければならないという制限の中で考えたわけでございます。
 簡単に申し上げまして、一つはお金を海外に送金する、あるいは海外からお金を受け取る、これを今後のいろいろな税務関係の調査に際しての端緒とすべく報告をしていただくということを制度として仕組みました。
 もう一つは、日本の企業が海外の資金を使うということはどうしても必要なことでございます。その場合に、海外の方々、非居住者あるいは外国法人が購入したときにその国内債の利子について課税をするということでありますと、現在の国際的なこの方面のルールからしますと買う人がいなくなってしまうということで、国際的なルールに従ってここは非課税にするということは維持しつつ、この制度を居住者とかあるいは国内法人が悪用することのないようにどうチェックするかということに腐心したわけでございます。その際も、税制の面からだけぎちぎちと制度を仕組んでしまいますと、自分の名前まで、住所までわかってしまうならもう買わないということになる、これも困るわけですので、非居住者か居住者かというところだけをチェックするシステムをどうつくるかということでこの夏にまとめ上げたものでございます。
 そういう意味で、二つの要請をどうバランスするかということでまとめたものではございますが、来年四月からこれを的確に運用していきたいと思っております。ただ、やってみないとわからないという面もあります。この点はどのようになっていくかを常に私ども注視しながらフォローしてまいりたいと思っております。
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金田勝年#26
○金田勝年君 こういう制度を入れますと、送金をしたりします国民とか金融機関とか市場関係者にとっては新たな事務負担を伴う、それはそのとおりでございます。
 まず、国外送金等調書提出制度につきまして、いわゆる資料情報制度ということなんですが、二百万円を超える顧客の海外送金等についてのみ資料を提出すればよい、こういうことになるわけです。二百万円以下であれば顧客の海外送金等については税務当局に資料を出す必要はないということになるんですが、外国の類似の制度を見た場合には、アメリカであれば一万ドル、フランスであれば五万フラン、円に換算しますとおおむね百万円程度という基準なんですが、これとの比較では二百万円というのは甘いのではないかと指摘する方がおるわけですね。
 また、かつては百万円という基準あるいは二百万円にするか、そういう議論もかなりされたと聞いておりますが、それによって、これはあってはいけないことなんですけれども、例えば二百万円ジャストの送金を何十回、何百回と行えば、それなりのコストはかかるんですけれども、税務当局に知られない形で多額の資金を海外に実際は移すことができる、こういうことになるわけでございます。
 こういう基準というものが適正な課税の確保という観点から見た場合に妥当なものと言えるかどうか、あわせて、基準を二百万円としたことによって実際にどれくらいの割合の海外送金がカバーされるんだろうか、この辺について簡単で結構ですから教えてください。
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薄井信明#27
○政府委員(薄井信明君) 委員御指摘のように、確かに送金額を分割いたしますと、ある程度の金額を分けてやられますとこちらに情報が入ってこないという事態が生じます。ただ、一方でどんな小さなものでも報告しろということは納税者、国民あるいは金融機関にとって極めて煩わしく受忍しがたいことになる、そうしますと為替の自由化ということの実を失うことにもなりかねないということでどこかで線を引かなければならないということで検討いたしました。この春御議論いただいたとき、私は百万円というのが一つの線ではないかということも申し上げましたが、金融機関ともたび重なる議論をいたしまして、両者のバランスということを考えたときに二百万円という線に到達したということでございます。
 この二百万円という金額基準によりまして件数ベースでは送金の三分の一ぐらいが多分カバーできるのではないかと思っております。件数でいいますとかなり大きな部分が少額の送金でございます。詳細は私ども承知しておりませんが、例えば息子さんが海外に留学している、そういう方々の送金というのが大多数でございまして、私ども最も関心を持っている大きな送金につきましてはこの二百万円でほとんどカバーできるのではないかと思っております。
 この点も先ほど申し上げたことと同じですが、仮にそれがうまくいかないという実態が出てくるならば、それはそのときにまた考えさせていただきたいと思っております。
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金田勝年#28
○金田勝年君 そういうことで、実際にこの制度を運用するということになりますと国税庁ということになるわけでございまして、国税庁の方にお聞きしたいんです。
 国際的な取引、資金移動というのは、抜本的に自由化されることも相まって、ボリュームが飛躍的に増大するだろう、こういうふうに想定をされますし、その取引内容も非常に複雑化・多様化していくだろう、こういうふうに思われるわけであります。税務調査がますます難しく厳しくなっていくというふうに思われますので、やはり適正で公平な課税の確保という税務当局の使命を実現するためにこの制度を活用することになりますね。
 そのときに、どのぐらいの調書の提出と、それから提出された調書を税務署、国税局の皆さんは実際に有効に活用されるものなのかどうか、その辺について簡単に教えてください。
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乾文男#29
○政府委員(乾文男君) この国外送金等の調書提出制度が創設されました場合に、提出枚数がどの程度になりますか正確な数字を見積もることは困難でございますけれども、現在の時点で数百万枚程度の枚数になるものというふうに見込んでおります。
 このように提出されてまいりました調書でございますけれども、私ども国税当局におきましてはこれを納税者別に名寄せをしました上で新たに申告が必要と見込まれる方の把握あるいは調査対象の選定、そして実際の調査において有効に活用してまいりたいというふうに考えております。
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