交通・情報通信委員会

1999-04-15 参議院 全182発言

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会議録情報#0
平成十一年四月十五日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小林  元君
    理 事
                加藤 紀文君
                景山俊太郎君
                寺崎 昭久君
                森本 晃司君
                渕上 貞雄君
    委 員
                岩城 光英君
                鹿熊 安正君
                田中 直紀君
                野沢 太三君
                山内 俊夫君
                山本 一太君
                若林 正俊君
                内藤 正光君
                本田 良一君
                松前 達郎君
                鶴岡  洋君
                筆坂 秀世君
                宮本 岳志君
                戸田 邦司君
                岩本 荘太君
   国務大臣
       運輸大臣     川崎 二郎君
       郵政大臣     野田 聖子君
   政府委員
       運輸省運輸政策
       局長       羽生 次郎君
       運輸省自動車交
       通局長      荒井 正吾君
       運輸省海上交通
       局長       宮崎 達彦君
       運輸省海上技術
       安全局長     谷野龍一郎君
       運輸省港湾局長  川嶋 康宏君
       郵政省通信政策
       局長       金澤  薫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        舘野 忠男君
   説明員
       運輸省自動車交
       通局技術安全部
       長        下平  隆君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○道路運送車両法の一部を改正する法律案(内閣
 提出)
○船舶法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき
 、関東運輸局栃木陸運支局の自動車検査登録事
 務所の設置に関し承認を求めるの件(内閣提出
 )
○特定公共電気通信システム開発関連技術に関す
 る研究開発の推進に関する法律の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○通信・放送機構法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
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小林元#1
○委員長(小林元君) ただいまから交通・情報通信委員会を開会いたします。
 道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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山本一太#2
○山本一太君 自由民主党の山本一太でございます。
 この道路運送車両法の一部改正の法律案をきのうの夜、一ページ目からずっと見てきたんですけれども、結論から言うと余り大きな問題があるようにも思えないので、きょうはそんな難しい質問はありませんので、大臣は御安心の顔をされていると思うんです。
 規制緩和の流れの中で今までも検査とか点検整備の制度というものは見直しを行ってきたということなので、これは規制緩和の大きな流れの中の一環だというふうに思いますし、自動車技術の進歩とかあるいは使用形態の変化とかに対応した見直しでもあるということで、その考え方も非常にクリアだという気がいたします。
 さらに、この改正が運輸技術審議会の昨年の答申に基づいているということで、その委員の名簿を集めてみたところが、関係の業界とか関係者の要望もかなり踏まえた上の改正ということで、これについても大きな問題はないのではないかというように感じております。
 あるとすれば、制度を変えるときに、あるいは今回の場合は規制緩和ですけれども、規制緩和をするに伴って生じる負の影響といいますか、この場合ですと恐らく安全性とか環境の保全とかそういうことになるんでしょうけれども、これをどうやってフォローアップしてバランスをとっていくかという、このくらいかなという感じがするんですが、私はトップバッターということですから、きょうは制度の基礎的なところからちょっと伺っていきたいと思います。
 一問目は大臣に御質問させていただきたいと思うんですけれども、今は経済の調子も悪いということで、景気回復の上でも規制緩和を進めることで経済を活性化するというのは大きな流れだと思いますし、その中で国民負担を軽減していくというのも政府の政策課題としては主要なものだというふうに思いますが、そういうことを踏まえた上で、今回の検査・点検整備制度の見直しというものがどういう背景で行われるのか。もっと言うならば、この改正に係る根本的な思想みたいなものを大臣の方から一言まず伺いたいと思います。
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川崎二郎#3
○国務大臣(川崎二郎君) 山本委員から基本的な認識をお尋ねいただきました。
 まず、十年度末で自動車の保有台数は七千四百万台でございます。この数についてはいろいろな議論のあるところでありますけれども、国民がまさに広く利用される自動車になってきておるということは間違いないだろう。したがって、政治の一番基本的な方針として、現在の日本の高コスト構造をどう下げていくか。そういった意味では、自動車に対する負担というものを下げる、これによって国民負担というものがかなり下がる、これは間違いないと思っております。規制緩和によって、自由化によって高コスト構造を変えていく、その基本の流れの中で今回見直しになった。まず第一に昭和五十八年の改正、それから平成七年の改正、二度にわたって改正をいたしてきております。今回もある意味では同じ流れの中でさせていただいております。
 それから、当然、規制緩和になって負担が少なくなる一方で、環境と安全が負になるのではないかというお話をいただきましたが、これはあってはならぬのだろうと思っております。ここは自動車技術の進歩というところで、ここまでは規制を緩めても大丈夫だなというものが担保されて初めて実は今回の踏み切りになった。
 ある意味では、マイナスになってまいりますのは整備業界ということになるのだろう。景気の厳しい中で規制緩和をする、国民負担は少なくなる、国民負担が少なくなるということは、片一方で業界としてはマイナスになる可能性があるわけでありますから、そこに対する措置をどうしていくかというところが我々の課題であろうと思っております。
 いずれにせよ、安全性と今日の課題であります環境、この二つはきちっと守りながら、国民負担を少なくしていくということで今日御提案をさせていただいております。
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山本一太#4
○山本一太君 極めて明快な御説明だと思います。
 整備事業への影響まで言われてしまうと、もう質問することがなくなってしまうので困っておるんですけれども、今おっしゃったような国民負担の軽減の中で、ユーザーサイドの負担の軽減というのも一つの大きなテーマであると思うんです。これは法律改正の内容にかかわるところだと思うんですが、今度の改正について、ユーザーにどのような負担軽減といいますかメリットがあるのかということについて、政府側からちょっと一言伺いたいと思います。
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荒井正吾#5
○政府委員(荒井正吾君) 今度の改正は、検査の期間と点検整備の簡素化が二本の柱でございます。
 検査に係るユーザー負担の軽減といたしましては、検査費用は国に納付する手数料は自家用乗用車千四百円、その他千五百円と軽微でございますので、その分わずかでも軽減されるということでございますが、より大きなユーザー負担の軽減は整備の費用でございます。
 今般の見直しにおきましては、技術の進歩を踏まえまして点検整備の簡素化を行うということでございますが、その内容といたしまして、一カ月ごとの点検整備を廃止、三カ月、十二カ月の点検項目については削減、それから走行距離を加味した弾力的な運用を図るということでございますので、その分ユーザーの負担の軽減に寄与するものと思います。
 さらに、ユーザーが走行距離、よく走られたりそうでない場合について、点検整備を弾力的に行えるように整備メニューを充実するということも、これは法律の外でございますが関係してくると思っております。
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山本一太#6
○山本一太君 今整備料というかお金の負担が軽減されるということをお話しになったんですが、具体的に言うとどのぐらい軽減されることになるわけですか。
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荒井正吾#7
○政府委員(荒井正吾君) 業界の試算でございますが、今回の措置を講じられますれば、全体として約千五百億円程度の軽減という試算が出ております。
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山本一太#8
○山本一太君 わかりました。
 さっきの大臣のお話にも、とにかく安全性がきちっと担保されないとこれは意味がないというお話がありました。御存じのとおり、交通事故の状況は残念ながらなかなか改善をされていないということで、やはり安全性というのは非常に大事なことだと思います。
 この制度改正に伴って、安全確保ということについては政府としてどういう取り組みをしていくおつもりなのか、そこら辺のことについてもお聞かせいただきたいと思います。
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荒井正吾#9
○政府委員(荒井正吾君) 交通事故は大変重大な状況でございます。死者数は減っておりますが、事故件数は減っておらない状況でございます。
 交通事故の原因でございますが、車だけじゃなしに、運転手の不注意、道路あるいは交差点等の問題があるわけでございますが、運輸省の守備範囲は、特に今回の道路運送車両法の守備範囲は車両の安全性の確保という点でございます。
 その今後の安全性の確保の状況でございますが、今回のいわゆる規制緩和におきましても、審議会での検討過程で安全性に支障がないかということを約五十万台の基礎データを収集して今後発生が予想されるふぐあいの状況を調査いたしましたし、運輸審議会におきましては、関係者から広く意見を聴取いたしまして、自動車の使用状況、技術の進歩の状況というようなことを、安全確保をするということを前提に総合的な検討を行ったところでございます。
 自動車の安全確保ということにつきましては、規制緩和をいたします反面、何よりも日ごろの保守点検が基本であろうと思います。基本的には、自己責任による自動車の保守点検が基本だと思いますが、ユーザーの方がその必要性を十分感じられ、かつ事業者にゆだねられる場合であっても、過不足のない整備であるという納得感が生じないとそのような点検整備のサイクルが健全なものに発達しないと考えておりますので、国におきましては、車両の安全を通じた自動車事故の軽減という観点からは、確実な点検整備実施のための指導、街頭検査の充実強化あるいは運送事業者の取り組みの充実、あるいはユーザーへの情報提供の充実といったような点に重点を置いて対策を講じていきたいと考えております。
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山本一太#10
○山本一太君 今点検整備を適切にユーザーにやっていただくための推進をする必要性についてお話があったんですけれども、必ずしもユーザーの方々の間の保守管理についての意識が十分でない側面もあるというふうに伺っております。
 私がちょっと調べたところでは、トラックの営業車の場合で半分ぐらいというデータがあったり、自家用車についてはもしかすると三、四割ではないか、こんなデータも一部あるわけでございますので、これはぜひ、意識の啓発というものは国が率先してしっかりと行っていただきますように、これがないとシステム全体が機能しないと思いますので、重ねて要望申し上げたいというふうに思います。
 さらに、先ほど大臣の方からも冒頭ございましたが、この改正に伴って起こると思われる負の影響といいますかマイナスの影響の一つは、やはり整備事業者に対する影響だというふうに思います。ユーザーが自動車整備を行う場合には、多くの部分は整備業者に仕事を頼むということがまずありますし、大体整備業者の方々というのは中小零細企業が多いわけなので、ここら辺について、この制度改正に伴って国側としてどのような支援策を考えているのかということを伺いたいと思うんです。
 たしか、平成七年の改正の規制緩和のときには近代化資金制度を再構築したということを伺っております。業界側が三十億で国の方が三十億円の補助金で、六十億か何かの基金で六百億規模の債務保証をしたというようなデータもあるんですけれども、この取り組みについては今国側としてどのように考えているのかお聞かせいただきたいと思います。
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荒井正吾#11
○政府委員(荒井正吾君) 今委員御指摘されましたように、自動車の点検整備を主に受け持っておりますのは整備業界でございます。全国に約七万二千企業がございますが、その四分の三、七五%以上が従業員規模十人以下のいわゆる零細企業でございます。全体としては六兆円を超える売り上げの業界でございますが、規制緩和の業界への影響、あるいは業界の健全な発達への支障ということでございます。
 今御指摘がありましたように、中小企業の支援といういろんなスキームを通じてその都度充実をしておるわけでございますが、従来は中小企業近代化促進法に基づく低利融資、あるいは課税の特例、いわゆる構造改善事業を整備事業全体として実施しております。あるいは中小企業信用保険法の保険限度額の倍増といったことも昨年実施いたしました。今御指摘のありました指定整備事業者に対する設備資金についてのいわゆる自動車整備近代化資金の制度もかつて充実されました。
 今回どうかということでございました。その充実も含めまして、検討していく必要があろうかというふうに感じております。
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山本一太#12
○山本一太君 今おっしゃった話、中小零細の整備事業者に対するサポートというのは、環境保全、安全の確保と並んで大きなポイントだと思います。この二つがしっかりとなされて初めてこの制度改正がきちっとした効果を発揮するというふうに考えますので、ぜひともきちっとした取り組みを要望したいと思います。
 次の質問に移らせていただきます。
 自動車産業というのは、これはもう国際的な産業でありまして、自動車自身が国際的な商品と言えるわけでございますけれども、今回の見直しはその国際的な水準から見るとこれにしっかりと整合したものかどうかという点について伺いたいと思います。
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荒井正吾#13
○政府委員(荒井正吾君) 自動車のいわゆる検査制度、車検制度でございますが、外国においても車検制度はむしろ充実強化の趨勢でございます。車検のやり方として、期間をとってやるということが普通でございます。その期間の程度ということにつきましては、車種ごとの期間の程度を比較いたしますと、国際的な整合性といいますか、横並びで見ますとそれぞれ似たような制度を持っておるような実情でございます。
 なお、点検整備につきましては、外国におきましては我が国よりむしろユーザー責任という意識がやや強いように考えております。今後の方向として、先ほど委員御指摘がありましたように、我が国におきましてもユーザーの自己責任による点検整備という意識の醸成というような方になるべく向かうことが望ましいというふうに考えております。
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山本一太#14
○山本一太君 今回は、審議会の答申なんかも踏まえ、あるいは関係業界のいろんな要望も踏まえ、さらには何十万台という自動車の検査なんかも踏まえていろんな角度から検討した結果、この見直しが行われたということであります。これからも自動車の技術というのはどんどん進んでいくということ、また使用形態も時代によってだんだん異なっていくということですから、当然これはさらなる見直しの状況というものが出てくると考えられるんですけれども、今後のそういった状況の変化に対応した制度の見直しについて、その考え方を最後に大臣に伺って、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
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川崎二郎#15
○国務大臣(川崎二郎君) 委員御指摘のとおり、自動車の技術の進歩というものは目覚ましいものがあります。また一方で、環境に対する規制、国民的なある意味では理解といいますかニーズといいますか、そういうものはますます進んでまいると思います。そういったものを勘案しながら、今御指摘いただいた外国の状況、これも把握しながら、常にまず私どもが情報をしっかり把握しながらやっていく必要があるだろうと思っております。
 一方で、最近少し残念なことが続きました。これはメーカーによるリコール隠しでございます。やはり個々のメーカーのマナーというものもしっかりしてもらわなきゃならない、このように考えております。お互いに自動車というものに、特に自動車の技術というものに信頼を置いておる、また信頼感というのは高まってきておる時期であるだけに、メーカーが実際に自分のところが技術的に問題があってもそれを隠して自分たちだけで直そうとする、こんなことが私が運輸大臣になりましてからも二回ほど続きました、それが発覚しましたことが。そういう意味ではやっぱりメーカー側にもきちっとした対応を求めてまいりたい。そういったものを勘案しながら、言われますとおり、常に高コスト構造を改善していくために努力をしていかなきゃならない、このように思っております。
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寺崎昭久#16
○寺崎昭久君 最初に、車検期間の設定について、その基準を明確化、客観化できないものだろうかという観点から質問をさせていただきたいと思います。
 当該車両の検査の間隔、つまり車検期間が妥当か否かを判断するには、言うまでもなく安全上のチェックであるとか経済的な側面であるとか、あるいは日常における点検整備であるとか、いろんなファクターを勘案しながら決めるわけですから、客観的に基準をつくるとか、あるいは何年にするのが妥当かということを決めるのはなかなか容易なことではないということはわかりますけれども、それだけに私は、この延長問題を考える場合には、できるだけ恣意的に決めているんではないよということを理解してもらう、その努力が必要であろうと思っております。
 では、実際にどうなっているのかということで、例えば昨年の十二月十日に運輸技術審議会から出された答申を拝見しますと、有効期間についてこのような記述になっております。
 「ダンプ車やコンクリートミキサ車については、比較的走行距離の短いものがあるものの、一般の貨物車に比べ」「不具合率が高いことから、有効期間は現行どおり一年とすることが適当である。」と。ああ、そうかと、これを読みまして、一般の貨物車が基軸になって書かれているんだなということで、例えば車両総重量トン八トン未満の貨物車の記述を見てみますと、そこには、走行距離が約一・五万キロなので、二倍すると自家用乗用車の三年分の走行距離に匹敵する。「不具合率は四七%と比較的小さい。」、よって、「初回の有効期間を一年から二年に延長することが可能である。」と。これを読みますと、自家用乗用車の使用状況やふぐあいを基準にして決めているのかと思うわけであります。
 今度は自家用乗用車の方を見ますと、「有効期間を延長した場合の不具合率の増加が大きく、また、」「保有台数が多いことから、交通事故や交通渋滞など社会的影響が極めて大きい」ので、有効期間を初回三年、以降二年とすることが適当となっていると。これでは堂々めぐりでありまして、結局何を基軸にして一年にする、二年にすると決めたのか全くわからないわけであります。
 ほかにも同様の記述がございます。例えば、「不具合率が六九%と高い」とか「五九%と高い」とか「高い安全性が求められる。」とか「不具合率も比較的小さい」とか、言ってみれば文学的、定性的な表現が多くて何を基準にして一年、二年を決めているのかというのは全く想像できないわけであります。
 そこへもってきて、例えば昨年三月十九日、運輸省主催で「フォーラム「車検」を考える」ということをやられたそうですが、その報告を拝見しますと、出席した関係者の多くは専ら負担軽減とかあるいは収益性の確保といった経済的側面に力点を置いた御発言をされている。そういったことを勘案しますと、全く事情のわからないユーザーは、やっぱり車検期間というのは声の大きさだとか天の声で決めているのかなという勘ぐりすら出てこないとも限らないわけであります。
 実態は決してそんなものではないと私は思います、またそうあってはならないと思うわけでありますけれども、もし車検期間の設定等について信頼性が損なわれれば、車検制度とかこういう有効期間を設定することに対する信頼が失われるということは、制度が崩壊するということにもなりますし、また幾ら日常の点検整備が必要だと言ったところで、もとになる考え方が理解されていないわけですから、なかなか点検整備も行われないんではないかと懸念するわけであります。
 それで、どうするかということですけれども、運技審の答申でも、車検の有効期間の見直しの考え方という中で、車検の有効期間を決めるのは、走行距離が延びればふぐあいもふえる、そして整備不良による事故もふえる、だけれども走行距離による管理は困難なので期間で定めるというようなことをおっしゃっているわけでありますから、いろいろ問題は難しさもあると思いますけれども、これまでのやり方というんでしょうか、表現の仕方というものを全く改めまして、走行距離とふぐあい率を基本にして、その他必要なオプションを加えて、大体この範囲に入っていれば有効期間は一年にします、二年にします、三年にしますというようなことを考えるべきではないかと思いますけれども、運輸省のお考えをお尋ねします。
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荒井正吾#17
○政府委員(荒井正吾君) 検査の有効期間を設定する際の基準でございますが、委員申されましたように、明確かつ客観的に決めるというのは全くそのとおりでございますが、事実上はなかなか単純には決められないという事情にあるように拝察いたします。
 今度の運輸技術審議会の答申におきましても、見直しの考え方の考慮事項として六項目挙げられておるわけでございます。ふぐあいの発生状況、それからそのふぐあいが交通事故及び環境汚染に与える影響、走行距離が長いかどうかなど自動車の使用実態、広く多くの人が利用するかなど自動車の公共性、自動車ユーザーの保守管理状況、諸外国における自動車検査の間隔というような項目が挙げられております。
 これらの項目を総合的に勘案して決めるということでございますが、運輸技術審議会の答申にあります記述はその後がよくわからないじゃないかという御指摘でもあろうかと思います。単純な結論を記述したということでございますが、審議会の審議の状況を見ておりますと、大変複雑なかつ緻密な議論が実は展開されておりました。私も傍聴あるいは参加いたしましたが、その詳細をなかなかまとめて言うことは答申の内容として記述技術としての制約があったかというように思います。
 このように、今述べられましたような要約の仕方でございますので、その要約どおりではなかなか議論の経過が説明できていないというふうには私も思いますが、今後はそのような過程をどのように説明するかという課題はあろうかと思いますが、審議会の検討の内容といたしましては相当オープンにかつ客観的な議論がなされたというふうに私自身は経験したところでございます。
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寺崎昭久#18
○寺崎昭久君 客観的な基準を設けることの難しさは私もそのとおりだと思います。しかし、今私が指摘したのは、せんじ詰めて言うと、よらしむべし知らしむべからず的な結論を持ってこられても信頼は生まれないんではないかということであります。さらに言えば、場合によっては官業癒着しているんではないかという勘ぐりも生まれかねませんよ、あるいは信頼がなければ車検制度そのものが崩壊するおそれだってないとは言えませんよ、点検整備を督励しても実施されないんではないでしょうかというようなことを考えながら、できるだけ客観的にそうかと思えるような基準をお示しいただきたいということでありますので、この問題はまた後ほど触れるかもしれませんが、ぜひ御検討いただきたいものだと思っております。
 ところで、運技審の答申にもしばしば「不具合」という言葉が出てまいります。だけれども、実際にふぐあいというのはどういうことかという説明を求められたとしても、例えば私には説明能力がありません、はっきり言って。どういう状態がふぐあいだということを説明できる人が何人いるでしょうか。まして、どの部位あるいはどの性能を検査した結果ふぐあいだと言っているのか。あるいは、そのふぐあいの点検項目というのは何項目あるのか。それが十年前と今と同じなのか違うのか。ブレーキのききが甘いというのは交通事故にもつながりやすい大変な問題ですけれども、例えばヘッドライトがちょっと上向きである下向きであるといっても直ちにそれは交通事故に結びつかないと思うんですが、そうしたウエートづけというものがあるのかないのかというようなことを尋ねられると、全く答弁は不能だと思うんです。
 日本には今七千四百万台の車が走っていますし、同数程度の免許を持っている人がいるわけであります。この人たちが理解しないことには日常の点検整備というものもなかなか進まないし、幾ら点検整備をやりなさいと言ったところで、かけ声倒れになるおそれすらあるんではないかと思うんです。
 そこで、ふぐあいの定義あるいは判定方法、検査項目、ウエートづけ、そういったものについて概括的な説明をしていただけますか。
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下平隆#19
○説明員(下平隆君) 技術的な点でございますので、私の方から説明させていただきます。
 自動車の検査の有効期間の今回の検討に当たりましては、継続検査のために全国の指定整備工場に入庫いたしました約五十万台の自動車について、点検整備をする前の状態で基準に適合しているかどうかを自動車検査員がチェックいたしまして、その結果を取りまとめた調査結果に基づいて検討いたしております。
 この調査におきますふぐあいと申しますのは、例えばブレーキパイプに損傷があるとか、あるいはトランスミッションから油が漏れるというふうに、自動車の安全基準でございます道路運送車両の保安基準に適合していない状態であると自動車検査員が認め、かつ整備が必要であると判断したものをふぐあいというふうに定義をいたしております。
 この調査項目でございますけれども、調査をいたします対象は、入庫いたしました自動車を自動車点検基準に基づきまして点検をした場合の調査結果でございますので、点検基準に基づく項目数ということになるわけでございます。これは点検基準でございますので、定期点検項目と同じ数ということになろうかと思います。
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寺崎昭久#20
○寺崎昭久君 保安基準に適合していないのをふぐあいと言うというお話でございますけれども、運技審の答申によりますと、車両総重量トン八トン以上の貨物車のふぐあい率は六九%と高い、八トン未満の貨物車は四七%と比較的小さい、タクシーのことでしょうが、事業用乗用車は五九%と高いというようなことが書いてあるわけであります。
 私は、この数字を見ますと、ふぐあい率六九%なんといったらもう三台に二台はすぐにもとまるんではないか、事故につながるんではないかというようなイメージで見るわけであります。にもかかわらず、「四七%と比較的小さい。」と。これは何をもって安全だと考えているのかという疑問になるわけであります。
 何%だったら絶対安全とは言いませんけれども、低いとか高いとかというのは何を基準にしておっしゃられているのか。それから、有効期間を決めるに当たって、どういう因果関係というんでしょうか相関関係でこのふぐあい率をとらえていらっしゃるのか、その辺についてお尋ねします。
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下平隆#21
○説明員(下平隆君) 自動車は、使用条件にもよりますけれども、走行距離が増しますとどうしても摩耗・劣化が進みましてふぐあいが増加をいたします。また、ふぐあいがふえますと、例えばふぐあいが同じであったとしても走行距離が非常に長い車の場合にはそれだけ整備不良による事故になる確率が高いということもございます。したがいまして、先ほども委員からお話がございましたけれども、有効期間を考える場合には、自動車のふぐあいというものの発生状況、それから年間の走行距離というものを基本として考えるべきであるというふうに私どもも考えております。
 しかし、走行距離あるいはふぐあいというものがどういうふうな数字であるかというふうにその数字をもって一律に決められるものではなく、この有効期間はそれ以外に、自動車のふぐあいが交通事故等に与える影響であるとか、あるいは広く多くの人が利用する自動車であるのかどうか、ユーザーの日ごろの車の管理の状況はどうなっているか、諸外国がどうなっているかというふうな観点を総合的に検討いたしまして決めるべきものというふうに考えておりますので、今のふぐあい率は大変重要な数値でございますけれども、その数字の高低をもって一概に決めるというものではないというふうに思っております。
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寺崎昭久#22
○寺崎昭久君 私に限らず、一般の人はふぐあい率六九%なんといったら、これは欠陥車六九%だという読み方をするんではないかと思うんです。今の私の質問に対して答弁とちょっとかみ合っていないように思うんですけれども、この六九%というのは、本当に放置しておいて、放置しているとは思いませんが、それでも有効期間を一年にする、二年にするなんという決めるだけの根拠になるんでしょうか。
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下平隆#23
○説明員(下平隆君) 例えば六九%ふぐあいがある車種と申しますと、調査をいたしました車の車種の中で一カ所でもふぐあいがあったものの車の割合、こういうことになるわけでございます。
 その数字が高いから非常に危険ではないかということでございますけれども、これは整備をする直前の状態でございまして、したがいまして、整備をいたしましてこれを基準に適合するように原状に復帰する直前の状態を調査いたしております。
 それから、ふぐあいの内容、先ほどウエートづけというお話がございましたけれども、確かに項目によりまして、非常に軽微な項目、それから安全上非常に重要な項目、いろいろございますけれども、これはすべて等しく同じ数字で評価をいたしておりますので、その数字の高い低いだけをもって非常に危険であるというふうなことが直接言えるということにはならないというふうに思っております。
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寺崎昭久#24
○寺崎昭久君 運技審の答申は、高いとか低いとかそういう表現で、一年に据え置くべき、二年にしてもよろしいというようなことを言っているので、要は、ユーザーとかにはわからない表現で書かれていますよ、これを改善してくださいということを申し上げているわけであります。
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荒井正吾#25
○政府委員(荒井正吾君) ちょっと素人的な感じの発言でございますが、ユーザーの方は機械の専門でない方がほとんどでございますので、間隔なり点検整備の必要性をうまく説明できればしたいと思いますし、努力をしたいと思います。
 自動車の点検整備・検査は人間ドックのような体の検査と比較すると当たっているなと思うことがよくございます。人間ドックの検査だけ、検査でございますので、人間の体のふぐあい率というのは、体ではございませんが、どこが調子が悪いというような項目はいつも出るわけでございます。そのふぐあいが致命的かどうか、事故に直結するかどうかという点が情報として欠けているというふうに私自身も思っておりました。
 したがいまして、全部のふぐあいを合計するとこういう比率になるよというだけでは、厳しさといいますかシリアスな程度というのがわからないんじゃないかというふうには思っております。事故直結のふぐあいとそうでないのとというふうに分けるとか、いろんな工夫が要ろうかと思います。
 今後、見直しを兼ねまして、そういう表現あるいは信頼をかち取るための説明の仕方ということにさらに格段の努力をしていきたいというふうに思います。
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寺崎昭久#26
○寺崎昭久君 意見だけにとどめますけれども、今回、レンタカーの延長が初回二年、以降継続については一年ということになっておるわけでありますけれども、例えばレンタカーの初回を二年にした理由を見ますと、走行距離もふぐあい率も自家用乗用車と大きな差がないと、これをもって理由にしているんですけれども、それだったら自家用乗用車と同じように初回三年、継続二年にしてもいいんじゃないかというように思うわけであります。その辺の説明が全然なされないまま結論だけ出しているというのはぐあいが悪いですよと申し上げているんです。これは意見だけにいたします。
 ところで、今回の見直しに当たっても、運技審の方は国や自動車ユーザー等に対して確実な点検整備を実施するよう要請しているわけでありますけれども、これまでも街頭検査をやったりあるいはいろんなことをやっておられると思います。とりわけ経済的なインセンティブの可能性も考えろというようなことが答申に盛られているんですけれども、そうした御検討はされる予定でしょうか、どうでしょうか。
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荒井正吾#27
○政府委員(荒井正吾君) 確実な点検整備の経済的なインセンティブというのは、すぐに思い浮かびますのは、保険の料率を点検整備の状況に応じて変える、委員御専門のところでございますが、そのようなアイデアはございます。
 今後、先ほど御指摘ありますように、ユーザーが納得して、その結果、信頼して点検整備・検査制度というものを見ていただくという、全体をどうするかというのは大きな課題でございますが、差し当たり経済的なインセンティブがあればどうしよう、それが納得感の一つの手法にもなるという面もございますので、なぜ保険が安いのか、それは点検整備をしているからだ、あるいはマニュアルに従っての点検整備後は整備されているからだというようなことも考えられますので、そのような検討は事務的に進めたいというふうに考えております。
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寺崎昭久#28
○寺崎昭久君 インセンティブを考えることも必要ですけれども、場合によっては罰則を加えるということも検討してもいいんではないかと私は思います。
 例えば、高速道路を使用していて、ガス欠で自動車がとまってしまい、それが原因で渋滞が起きた、それにより大変大きな経済的損失が出たという場合は、今の法律上は取り締まり方法はないわけであります。ガス欠の場合には道路交通法で取り締まりの対象になりますけれども、もしパンクしちゃったらこれは取り締まりの方法はないわけでありますね。だけれども、多くの人に迷惑をかけていると。今は恐らくお互いさまだということであきらめているのかもしれませんが、整備もせずにそういう故障を起こしたというのはやはり何らかの制裁を加えられてもいいんじゃないか。
 例えば、外国、これは例は違いますけれども、フランスやイギリスなどでは例の携帯電話を使用しながら運転するのは危険運転とみなされているわけであります。事故を起こすと罰金が科せられる、つまり通常の事故による損害のほかに重科されるというような仕組みをとっているわけであります。英国の場合でも、危険で不注意な運転ということで最高千ポンドの罰金が科せられることになっているというようなことがあるわけです。
 やはり、一方ではあめ、一方ではむちというようなことも考えながら、私は点検整備を励行してもらうように指導する、そういうことを考えなければいけないんじゃないかと思いますけれども、むちの方はどうですか。
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荒井正吾#29
○政府委員(荒井正吾君) 自動車は大変便利なものでございますが、使い方によっては凶器になる、事故を起こすと加害性が非常に強いということでございます。その原因の大きな一つが車両のふぐあい、故障による事故の発生ということにあるものでございます。
 ただ、技術的な難点がございます。先ほどのパンクというようなケース、高速道路のパンクあるいはブレーキのききが悪いと事故につながるわけでございますが、現実に、一つのタイヤがパンクして高速道路で蛇行して、たまたま車が滑りやすい雨の日で車がそばに走っていて大事故につながったということがございます。その事故の原因が複合的に発生するという点と、もう一つはそのパンクというふぐあいが整備の未整備により発生したものか、たまたま何かの異物に当たって発生したものかというその原因追及がある面しにくいという面がございます。罰する場合には大変客観的にしなきゃいけないというふうな面もございます。
 これは事故原因の調査の技術をさらに高度化せにゃいかぬということを促すものであろうかと思っております。それが車両のふぐあいあるいは整備の必要性ということに情報を与えてくれるものだと思っておりますので、そのような方向の努力はしていきたいと思っております。
 罰則をかけられるものかという点につきましては、今申し上げました種々の難点はあるというふうに思っておりますけれども、外国におきましては、そういうことも大変厳しい面もございまして、加害性という点により深刻に社会が世論が向かうという状況にございますので、その点も含めて今後の検討課題にさせていただきたいと思います。
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