行財政改革・税制等に関する特別委員会
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会
会議録情報#0
平成十一年七月一日(木曜日)
午前九時一分開会
─────────────
委員の異動
六月三十日
辞任 補欠選任
水島 裕君 佐藤 昭郎君
加藤 修一君 魚住裕一郎君
松 あきら君 渡辺 孝男君
七月一日
辞任 補欠選任
阿南 一成君 森山 裕君
斉藤 滋宣君 日出 英輔君
寺崎 昭久君 福山 哲郎君
小池 晃君 吉川 春子君
山本 正和君 大脇 雅子君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 吉川 芳男君
理 事
石渡 清元君
大島 慶久君
田村 公平君
吉村剛太郎君
朝日 俊弘君
伊藤 基隆君
弘友 和夫君
富樫 練三君
日下部禧代子君
委 員
海老原義彦君
太田 豊秋君
狩野 安君
久野 恒一君
佐藤 昭郎君
斉藤 滋宣君
清水嘉与子君
田浦 直君
長峯 基君
日出 英輔君
森山 裕君
脇 雅史君
江田 五月君
岡崎トミ子君
川橋 幸子君
輿石 東君
高嶋 良充君
寺崎 昭久君
藤井 俊男君
山下八洲夫君
魚住裕一郎君
益田 洋介君
渡辺 孝男君
池田 幹幸君
八田ひろ子君
吉川 春子君
大脇 雅子君
照屋 寛徳君
山本 正和君
入澤 肇君
星野 朋市君
奥村 展三君
菅川 健二君
石井 一二君
事務局側
常任委員会専門
員 志村 昌俊君
常任委員会専門
員 入内島 修君
参考人
地方分権推進委
員会委員長 諸井 虔君
東京・生活者ネ
ットワーク分権
プロジェクト座
長 池田 敦子君
関西学院大学経
済学部教授 林 宜嗣君
名古屋大学大学
院法学研究科教
授 市橋 克哉君
日本大学法学部
教授 八木 俊道君
北海道大学法学
部教授 山口 二郎君
獨協大学法学部
教授 右崎 正博君
慶應義塾大学商
学部教授 中条 潮君
─────────────
本日の会議に付した案件
〇内閣法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
議院送付)
〇内閣府設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇国家行政組織法の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
〇総務省設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇郵政事業庁設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇法務省設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇外務省設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇財務省設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇文部科学省設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇厚生労働省設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇農林水産省設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇経済産業省設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇国土交通省設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇環境省設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇中央省庁等改革のための国の行政組織関係法律
の整備等に関する法律案(内閣提出、衆議院送
付)
〇独立行政法人通則法案(内閣提出、衆議院送付
)
〇独立行政法人通則法の施行に伴う関係法律の整
備に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
〇地方分権の推進を図るための関係法律の整備等
に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────
この発言だけを見る →午前九時一分開会
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委員の異動
六月三十日
辞任 補欠選任
水島 裕君 佐藤 昭郎君
加藤 修一君 魚住裕一郎君
松 あきら君 渡辺 孝男君
七月一日
辞任 補欠選任
阿南 一成君 森山 裕君
斉藤 滋宣君 日出 英輔君
寺崎 昭久君 福山 哲郎君
小池 晃君 吉川 春子君
山本 正和君 大脇 雅子君
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出席者は左のとおり。
委員長 吉川 芳男君
理 事
石渡 清元君
大島 慶久君
田村 公平君
吉村剛太郎君
朝日 俊弘君
伊藤 基隆君
弘友 和夫君
富樫 練三君
日下部禧代子君
委 員
海老原義彦君
太田 豊秋君
狩野 安君
久野 恒一君
佐藤 昭郎君
斉藤 滋宣君
清水嘉与子君
田浦 直君
長峯 基君
日出 英輔君
森山 裕君
脇 雅史君
江田 五月君
岡崎トミ子君
川橋 幸子君
輿石 東君
高嶋 良充君
寺崎 昭久君
藤井 俊男君
山下八洲夫君
魚住裕一郎君
益田 洋介君
渡辺 孝男君
池田 幹幸君
八田ひろ子君
吉川 春子君
大脇 雅子君
照屋 寛徳君
山本 正和君
入澤 肇君
星野 朋市君
奥村 展三君
菅川 健二君
石井 一二君
事務局側
常任委員会専門
員 志村 昌俊君
常任委員会専門
員 入内島 修君
参考人
地方分権推進委
員会委員長 諸井 虔君
東京・生活者ネ
ットワーク分権
プロジェクト座
長 池田 敦子君
関西学院大学経
済学部教授 林 宜嗣君
名古屋大学大学
院法学研究科教
授 市橋 克哉君
日本大学法学部
教授 八木 俊道君
北海道大学法学
部教授 山口 二郎君
獨協大学法学部
教授 右崎 正博君
慶應義塾大学商
学部教授 中条 潮君
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本日の会議に付した案件
〇内閣法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
議院送付)
〇内閣府設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇国家行政組織法の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
〇総務省設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇郵政事業庁設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇法務省設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇外務省設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇財務省設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇文部科学省設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇厚生労働省設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇農林水産省設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇経済産業省設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇国土交通省設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇環境省設置法案(内閣提出、衆議院送付)
〇中央省庁等改革のための国の行政組織関係法律
の整備等に関する法律案(内閣提出、衆議院送
付)
〇独立行政法人通則法案(内閣提出、衆議院送付
)
〇独立行政法人通則法の施行に伴う関係法律の整
備に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
〇地方分権の推進を図るための関係法律の整備等
に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────
吉
吉川芳男#1
○委員長(吉川芳男君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を開会いたします。
内閣法の一部を改正する法律案、内閣府設置法案、国家行政組織法の一部を改正する法律案、総務省設置法案、郵政事業庁設置法案、法務省設置法案、外務省設置法案、財務省設置法案、文部科学省設置法案、厚生労働省設置法案、農林水産省設置法案、経済産業省設置法案、国土交通省設置法案、環境省設置法案、中央省庁等改革のための国の行政組織関係法律の整備等に関する法律案、独立行政法人通則法案及び独立行政法人通則法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案並びに地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律案の各案を一括して議題といたします。
本日、午前は、地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律案の審査に関し、参考人の方々から御意見を承ることといたしております。
午前中は四名の参考人の方々に御出席をいただいております。
地方分権推進委員会委員長諸井虔君、東京・生活者ネットワーク分権プロジェクト座長池田敦子君、関西学院大学経済学部教授林宜嗣君、名古屋大学大学院法学研究科教授市橋克哉君、以上四名の方々でございます。
参考人の皆様に一言ごあいさつ申し上げます。
本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございます。皆様の忌憚のない御意見を承り、法案の審査に反映させてまいりたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
本日の議事の進め方でございますが、まず参考人の皆様からそれぞれ十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
それでは、まず諸井参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣法の一部を改正する法律案、内閣府設置法案、国家行政組織法の一部を改正する法律案、総務省設置法案、郵政事業庁設置法案、法務省設置法案、外務省設置法案、財務省設置法案、文部科学省設置法案、厚生労働省設置法案、農林水産省設置法案、経済産業省設置法案、国土交通省設置法案、環境省設置法案、中央省庁等改革のための国の行政組織関係法律の整備等に関する法律案、独立行政法人通則法案及び独立行政法人通則法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案並びに地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律案の各案を一括して議題といたします。
本日、午前は、地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律案の審査に関し、参考人の方々から御意見を承ることといたしております。
午前中は四名の参考人の方々に御出席をいただいております。
地方分権推進委員会委員長諸井虔君、東京・生活者ネットワーク分権プロジェクト座長池田敦子君、関西学院大学経済学部教授林宜嗣君、名古屋大学大学院法学研究科教授市橋克哉君、以上四名の方々でございます。
参考人の皆様に一言ごあいさつ申し上げます。
本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございます。皆様の忌憚のない御意見を承り、法案の審査に反映させてまいりたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
本日の議事の進め方でございますが、まず参考人の皆様からそれぞれ十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
それでは、まず諸井参考人にお願いいたします。
諸
諸井虔#2
○参考人(諸井虔君) 地方分権推進委員長の諸井でございます。議員の皆様には常日ごろから地方分権の推進につきまして格別の御支援を賜り、まことにありがとうございます。また、本日は、地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律案、すなわち地方分権推進一括法案の国会における審議に当たりまして陳述の機会を与えていただき、まことにありがとうございます。
本日は、私の方から地方分権推進委員会のこれまでの活動及び勧告の基本的な考え方について御説明するとともに、あわせて地方分権推進一括法案についての評価を述べ、最後に若干の要望をさせていただきたいと存じます。よろしくお願いをいたします。
地方分権推進委員会は、地方分権推進法に基づき、政府による地方分権推進計画作成のための具体的な指針を内閣総理大臣に勧告する機関として、またこの地方分権推進計画に基づく施策の実施状況を監視する機関として平成七年七月三日に発足いたしました。
我々に与えられた責務を果たすべく、今日に至るまで、延べ五百回にも及ぶ委員会、部会及び検討グループの会議を開催し、地方公共団体、関係省庁、有識者などからの意見聴取も進めつつ、精力的にかつ慎重に調査審議を重ねてきたところでございます。
平成八年三月二十九日に中間報告を出した後、同年十二月二十日に第一次勧告を内閣総理大臣に提出し、また平成九年に入り、七月八日に第二次勧告を、九月二日に第三次勧告を、そして十月九日に第四次勧告を順次内閣総理大臣に提出いたしました。また、昨年十一月十九日に第五次勧告を内閣総理大臣に提出いたしました。
このうち、第一次から第四次までの勧告に対応するものとして、昨年五月二十九日に地方分権推進計画が閣議決定され、この計画の内容を踏まえ、今回御審議いただいております地方分権推進一括法案が取りまとめられたところでございます。
なお、第五次勧告につきましても、政府において最大限尊重することとされ、第二次地方分権推進計画が去る三月二十六日に閣議決定されております。
それでは、第一次から第四次までの勧告に当たっての基本的な考え方とそのアウトラインを述べさせていただきます。
地方分権推進委員会は、中間報告において、地方分権は身の回りの課題に関する地域住民の自己決定権の拡充を図り、あらゆる階層の住民の共同参画による民主主義の活性化を目指すものであること、また地方分権の推進は、明治以来続いていた中央集権型行政システムを変革しようとするものであり、行政改革の推進に当たって規制緩和と並んで車の両輪であり、この双方の推進によって初めて明治維新、戦後改革に次ぐ第三の改革が実現する旨の認識を示しました。
このような認識のもとに、我が国の地方自治の拡充にとっての最大の課題は、国と地方公共団体とを上下主従の関係に置いてきた中央集権型行政システムを是正し、国と地方公共団体とを対等、協力の新しい関係に転換させることであると判断いたしました。
そこで、まずこの明治以来の我が国の中央集権型行政システムの中核的部分をなしてきた機関委任事務制度につきましては、住民による選挙で選ばれた知事や市町村長を国の下部機関と見て国の事務を委任し執行させる仕組みであり、第一に、国と地方公共団体とを上下主従の関係に置いている、第二に、知事、市町村長に地方公共団体の代表者と国の地方行政機関としての二重の役割を負わせているため、知事、市町村長が地方公共団体の代表者としての役割に徹し切れていない、第三に、国と地方公共団体との間の行政責任の所在が不明確になり、地域の行政に住民の意向を十分反映させることができないなどの弊害が生じていることから、この機関委任事務制度を廃止することを勧告したところであり、この結果、同制度のもとでの国による包括的かつ権力的な指揮監督はなくなることとなったところでございます。
これに伴い、自治事務及び法定受託事務という新たな事務区分を設けるとともに、従前の機関委任事務について、事務自体を廃止するもの及び国の直接執行とするものを除き、原則自治事務、例外法定受託事務とする方針で整理をいたしました。
なお、機関委任事務制度を前提として成り立ってきた地方事務官制度は廃止することとし、これまで地方事務官が従事することとされていた社会保険関係事務及び職業安定関係事務は国の直接執行事務とすることとし、職員はそれぞれ厚生事務官、労働事務官とすることを勧告いたしました。
また、国と地方の新しい関係を確立するため、地方公共団体に対する国の関与について、法定主義の原則、一般法主義の原則及び公正、透明の原則の三つの一般原則を定めました。その上で、国と地方公共団体の新たな関係の具体的あり方として、第一に、自治事務と法定受託事務の区分に応じて国が行うことができる関与の基本類型とその手続等を示し、第二に、地方公共団体の意見申し出とこれに対する国の応答について所要の措置を講ずることを、第三に、国と地方公共団体との間の係争処理の仕組みを創設すべきことを勧告いたしております。
権限移譲につきましては、国から都道府県へ移譲すべきもののほか、基礎的な地方公共団体である市町村に対して、その規模などに応じて移譲すべきものを具体的に示しましたが、これとあわせて、二十万人以上など一定の人口規模を有する市を当該市の申し出に基づき指定し、権限をまとめて移譲する法制上の措置を講ずることについても勧告いたしております。
また、国が地方公共団体に対し、職員、行政機関等を設置しなければならないと義務づけている必置規制につきましては、地方公共団体の自主組織権を制約すると同時に、行政の総合化と効率化を阻害する要因となっているとの認識に立って、その見直しの考え方を整理するとともに、廃止または緩和すべきものを個別具体に示したところでございます。
こうした機関委任事務の廃止等と並んで国と地方公共団体の財政関係につきましても、地方公共団体の自主性、自立性を高める観点から基本的な見直しを行う必要があることを踏まえ、第一に国庫補助負担金の整理合理化、第二に存続する国庫補助負担金の運用や関与の改革、第三には地方税、地方交付税等の地方一般財源の充実確保の三つの視点から、財政面における自己決定、自己責任の拡充に向けた改革案を取りまとめました。
さらに、都道府県と市町村についても、国と地方の関係と同じく、対等、協力の新しい関係が築かれるよう、都道府県、市町村間の事務の配分の考え方を整理するとともに、市町村に対する都道府県及び国の関与の考え方と関与のルールを整理いたしました。
また、地方分権の担い手となる地方公共団体の行政体制の整備確立を図るため、地方公共団体における行政改革、市町村の自主的合併や広域行政の推進、地方議会の活性化、住民参加の拡大・多様化、公正の確保と透明性の向上等について具体的方策を取りまとめるとともに、この実現のための地方公共団体の自主的な努力を支援、促進するために国がとるべき措置を示したところでございます。
地方分権推進委員会としては、こうした勧告により地方分権を推進し、国と地方公共団体との間の新たな関係を確立するための確固たる道筋を示すことができたものと考えております。その道をさらに切り開き、歩みを進めていくためには、政府において地方分権の推進に関する施策をさらに総合的に実施していくとともに、また地方公共団体の関係者みずからが分権型社会の担い手として公正、透明で開かれた行政を展開し、国民の期待と信頼に一層こたえていくことが必要でございます。そして、何よりも、国民の皆様が住民自治を基礎とした活力ある創造性豊かな分権型社会の実現に向けて地域の行政に引き続き積極的に参画していかれることを心から期待するものでございます。
政府における地方分権推進計画及び地方分権推進一括法案の作成に当たっては、地方分権推進委員会として、勧告の提出と並んで重要な任務である監視活動の一環として、政府の検討状況を聴取しつつ意見交換を行ってまいりました。
政府においてはこれに誠実に対応していただいたところであり、またその計画及び法律案の内容も地方分権推進委員会の勧告の趣旨に沿ったものと評価しております。膨大な計画及び法律案の作成に当たってこられた関係者の御努力を多とするものでございます。
平成五年六月に衆参両院において、二十一世紀に向けた現代にふさわしい地方自治を確立するため、地方分権を積極的に推進し、抜本的な施策を総力を挙げて断行していくべきことを決議されて、ちょうど六年が経過いたしました。この間の地方分権推進法の制定、地方分権推進委員会の数次にわたる勧告の内閣総理大臣への提出、政府における地方分権推進計画の作成という一連の取り組みが地方分権推進一括法案という具体的な法律案として結実をし、今まさに国会の審議にゆだねられているところでございます。
地方分権推進委員会といたしましては、これまでの勧告を通じて明らかにした各般の措置が着実に実施に移されることが、将来にわたって地方分権を進めていくことの出発点となり、真の意味での分権型社会を確立していく基盤になるものと考えております。また、今回の法律案が成立した後、国及び地方公共団体において法施行に向けて関係の政省令や条例の整備などに万全を尽くされることが不可欠でございます。
これまでの勧告は、地方分権推進委員会が約四年の間心血を注いで提出いたしたものでございますので、私ども地方分権推進委員会としましては、地方分権推進一括法案に対して並々ならぬ思い入れがございます。地方分権推進一括法案が国会において地方分権推進の観点から審議を尽くされた上で、一日も早く成立させていただくようにお願いをいたしたいと存じます。そして、自己決定と自己責任の原則に基づく分権型社会の構築が速やかに図られていくように念願をしてやみません。
以上、私の陳述を終わらせていただきますが、地方分権推進委員会といたしましても、残された期間において与えられた任務の遂行に全力を傾注していく決意であります。私どもの活動に対しまして、引き続き議員各位の御理解と御支援を切にお願いする次第でございます。
どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →本日は、私の方から地方分権推進委員会のこれまでの活動及び勧告の基本的な考え方について御説明するとともに、あわせて地方分権推進一括法案についての評価を述べ、最後に若干の要望をさせていただきたいと存じます。よろしくお願いをいたします。
地方分権推進委員会は、地方分権推進法に基づき、政府による地方分権推進計画作成のための具体的な指針を内閣総理大臣に勧告する機関として、またこの地方分権推進計画に基づく施策の実施状況を監視する機関として平成七年七月三日に発足いたしました。
我々に与えられた責務を果たすべく、今日に至るまで、延べ五百回にも及ぶ委員会、部会及び検討グループの会議を開催し、地方公共団体、関係省庁、有識者などからの意見聴取も進めつつ、精力的にかつ慎重に調査審議を重ねてきたところでございます。
平成八年三月二十九日に中間報告を出した後、同年十二月二十日に第一次勧告を内閣総理大臣に提出し、また平成九年に入り、七月八日に第二次勧告を、九月二日に第三次勧告を、そして十月九日に第四次勧告を順次内閣総理大臣に提出いたしました。また、昨年十一月十九日に第五次勧告を内閣総理大臣に提出いたしました。
このうち、第一次から第四次までの勧告に対応するものとして、昨年五月二十九日に地方分権推進計画が閣議決定され、この計画の内容を踏まえ、今回御審議いただいております地方分権推進一括法案が取りまとめられたところでございます。
なお、第五次勧告につきましても、政府において最大限尊重することとされ、第二次地方分権推進計画が去る三月二十六日に閣議決定されております。
それでは、第一次から第四次までの勧告に当たっての基本的な考え方とそのアウトラインを述べさせていただきます。
地方分権推進委員会は、中間報告において、地方分権は身の回りの課題に関する地域住民の自己決定権の拡充を図り、あらゆる階層の住民の共同参画による民主主義の活性化を目指すものであること、また地方分権の推進は、明治以来続いていた中央集権型行政システムを変革しようとするものであり、行政改革の推進に当たって規制緩和と並んで車の両輪であり、この双方の推進によって初めて明治維新、戦後改革に次ぐ第三の改革が実現する旨の認識を示しました。
このような認識のもとに、我が国の地方自治の拡充にとっての最大の課題は、国と地方公共団体とを上下主従の関係に置いてきた中央集権型行政システムを是正し、国と地方公共団体とを対等、協力の新しい関係に転換させることであると判断いたしました。
そこで、まずこの明治以来の我が国の中央集権型行政システムの中核的部分をなしてきた機関委任事務制度につきましては、住民による選挙で選ばれた知事や市町村長を国の下部機関と見て国の事務を委任し執行させる仕組みであり、第一に、国と地方公共団体とを上下主従の関係に置いている、第二に、知事、市町村長に地方公共団体の代表者と国の地方行政機関としての二重の役割を負わせているため、知事、市町村長が地方公共団体の代表者としての役割に徹し切れていない、第三に、国と地方公共団体との間の行政責任の所在が不明確になり、地域の行政に住民の意向を十分反映させることができないなどの弊害が生じていることから、この機関委任事務制度を廃止することを勧告したところであり、この結果、同制度のもとでの国による包括的かつ権力的な指揮監督はなくなることとなったところでございます。
これに伴い、自治事務及び法定受託事務という新たな事務区分を設けるとともに、従前の機関委任事務について、事務自体を廃止するもの及び国の直接執行とするものを除き、原則自治事務、例外法定受託事務とする方針で整理をいたしました。
なお、機関委任事務制度を前提として成り立ってきた地方事務官制度は廃止することとし、これまで地方事務官が従事することとされていた社会保険関係事務及び職業安定関係事務は国の直接執行事務とすることとし、職員はそれぞれ厚生事務官、労働事務官とすることを勧告いたしました。
また、国と地方の新しい関係を確立するため、地方公共団体に対する国の関与について、法定主義の原則、一般法主義の原則及び公正、透明の原則の三つの一般原則を定めました。その上で、国と地方公共団体の新たな関係の具体的あり方として、第一に、自治事務と法定受託事務の区分に応じて国が行うことができる関与の基本類型とその手続等を示し、第二に、地方公共団体の意見申し出とこれに対する国の応答について所要の措置を講ずることを、第三に、国と地方公共団体との間の係争処理の仕組みを創設すべきことを勧告いたしております。
権限移譲につきましては、国から都道府県へ移譲すべきもののほか、基礎的な地方公共団体である市町村に対して、その規模などに応じて移譲すべきものを具体的に示しましたが、これとあわせて、二十万人以上など一定の人口規模を有する市を当該市の申し出に基づき指定し、権限をまとめて移譲する法制上の措置を講ずることについても勧告いたしております。
また、国が地方公共団体に対し、職員、行政機関等を設置しなければならないと義務づけている必置規制につきましては、地方公共団体の自主組織権を制約すると同時に、行政の総合化と効率化を阻害する要因となっているとの認識に立って、その見直しの考え方を整理するとともに、廃止または緩和すべきものを個別具体に示したところでございます。
こうした機関委任事務の廃止等と並んで国と地方公共団体の財政関係につきましても、地方公共団体の自主性、自立性を高める観点から基本的な見直しを行う必要があることを踏まえ、第一に国庫補助負担金の整理合理化、第二に存続する国庫補助負担金の運用や関与の改革、第三には地方税、地方交付税等の地方一般財源の充実確保の三つの視点から、財政面における自己決定、自己責任の拡充に向けた改革案を取りまとめました。
さらに、都道府県と市町村についても、国と地方の関係と同じく、対等、協力の新しい関係が築かれるよう、都道府県、市町村間の事務の配分の考え方を整理するとともに、市町村に対する都道府県及び国の関与の考え方と関与のルールを整理いたしました。
また、地方分権の担い手となる地方公共団体の行政体制の整備確立を図るため、地方公共団体における行政改革、市町村の自主的合併や広域行政の推進、地方議会の活性化、住民参加の拡大・多様化、公正の確保と透明性の向上等について具体的方策を取りまとめるとともに、この実現のための地方公共団体の自主的な努力を支援、促進するために国がとるべき措置を示したところでございます。
地方分権推進委員会としては、こうした勧告により地方分権を推進し、国と地方公共団体との間の新たな関係を確立するための確固たる道筋を示すことができたものと考えております。その道をさらに切り開き、歩みを進めていくためには、政府において地方分権の推進に関する施策をさらに総合的に実施していくとともに、また地方公共団体の関係者みずからが分権型社会の担い手として公正、透明で開かれた行政を展開し、国民の期待と信頼に一層こたえていくことが必要でございます。そして、何よりも、国民の皆様が住民自治を基礎とした活力ある創造性豊かな分権型社会の実現に向けて地域の行政に引き続き積極的に参画していかれることを心から期待するものでございます。
政府における地方分権推進計画及び地方分権推進一括法案の作成に当たっては、地方分権推進委員会として、勧告の提出と並んで重要な任務である監視活動の一環として、政府の検討状況を聴取しつつ意見交換を行ってまいりました。
政府においてはこれに誠実に対応していただいたところであり、またその計画及び法律案の内容も地方分権推進委員会の勧告の趣旨に沿ったものと評価しております。膨大な計画及び法律案の作成に当たってこられた関係者の御努力を多とするものでございます。
平成五年六月に衆参両院において、二十一世紀に向けた現代にふさわしい地方自治を確立するため、地方分権を積極的に推進し、抜本的な施策を総力を挙げて断行していくべきことを決議されて、ちょうど六年が経過いたしました。この間の地方分権推進法の制定、地方分権推進委員会の数次にわたる勧告の内閣総理大臣への提出、政府における地方分権推進計画の作成という一連の取り組みが地方分権推進一括法案という具体的な法律案として結実をし、今まさに国会の審議にゆだねられているところでございます。
地方分権推進委員会といたしましては、これまでの勧告を通じて明らかにした各般の措置が着実に実施に移されることが、将来にわたって地方分権を進めていくことの出発点となり、真の意味での分権型社会を確立していく基盤になるものと考えております。また、今回の法律案が成立した後、国及び地方公共団体において法施行に向けて関係の政省令や条例の整備などに万全を尽くされることが不可欠でございます。
これまでの勧告は、地方分権推進委員会が約四年の間心血を注いで提出いたしたものでございますので、私ども地方分権推進委員会としましては、地方分権推進一括法案に対して並々ならぬ思い入れがございます。地方分権推進一括法案が国会において地方分権推進の観点から審議を尽くされた上で、一日も早く成立させていただくようにお願いをいたしたいと存じます。そして、自己決定と自己責任の原則に基づく分権型社会の構築が速やかに図られていくように念願をしてやみません。
以上、私の陳述を終わらせていただきますが、地方分権推進委員会といたしましても、残された期間において与えられた任務の遂行に全力を傾注していく決意であります。私どもの活動に対しまして、引き続き議員各位の御理解と御支援を切にお願いする次第でございます。
どうもありがとうございました。
吉
池
池田敦子#4
○参考人(池田敦子君) 私は、東京・生活者ネットワークの池田敦子と申します。
本日は、行政改革に関する特別委員会に参考人として意見を述べる機会をいただき、ありがとうございます。
私は、生活者という立場から、分権、自治の社会が実現することを希望しております。それは、生活の現場にこそ分権がもたらす豊かな自治があらわれなければならないからです。そして、それは住民の自発的活動を促したり、市民の事業を生み出したり、生活の利便性であったりすると思いますが、今日の日本の行き詰まった社会構造を変える、そういうものにならなければいけないと思っております。
一つの例を申し上げますと、ちょうど十年前になりますが、五十五万筆の都民の署名で東京都知事あてに食品安全条例の制定を求める直接請求が提出されました。私は当時、都議会議員をしておりましたので、議案の審査をする立場にありましたが、この直接請求は分権という視点から大変印象的な問題提起がたくさんございました。
御承知のとおり、直接請求は地方自治法に位置づけられた市民の条例提案権です。しかし、提案された行政側は、食品の安全の確保は国、厚生大臣の権限にかかわることであり、食品衛生監視などは機関委任事務であるから、自治体で食品安全条例を制定することはできない。そしてまた、行政に対して直接請求で条例を突きつけるということは、生意気な市民であるというような見解が示されました。
直接請求をした市民たちは、食品衛生法では厚生大臣が食品安全のボタンを握っていることを知っております。しかしなお、食べる側に安全な食べ物を確保するためのボタン、つまり権限を握りたいと考えました。この権利は知る権利であり、選ぶ権利であり、健康を維持する権利です。これは食べ物に関する自己決定の主張であり、分権、自治の主張でありました。
また、食品行政は幾つもの縦割りの中でばらばらに行われており、行政がお互いを牽制し合い、食品に関するまとまった見解を持っていなかったことが明らかになりました。審議の過程で行政連絡会議が設置されることになりました。また、お互い突出したことをしないように行政間で抑制し合っているような状況もございました。
同時期に、この食品安全条例は、十三の区市に制定を求める請願が提出されました。区市から東京都への問い合わせが殺到し、食品安全は地方自治体の仕事ではないとの結論を出しました。しかし、この議論の中から、より安全な農産物を推奨するという動きが生まれ、現在、有機農法あるいは有機農産物の基準や流通のガイドラインなどが地方自治体から国へ問題提起をされ、それが実現されるというような事態が実際には起こっております。そして、地方から中央へという流れが生まれたわけです。
このように、生活の現場にいる市民は、生活のあらゆる場面での安全が確保されることが大切なことであり、そのことが実現される分権を望んでいるのです。生活の課題の解決は、身近な自治体で行われることが大切です。
ついでに申し上げれば、直接請求は、もっと簡便な市民の条例提案制度に変える条件整備が必要であります。
分権推進委員会の議論の経過で私が期待いたしましたのは、市民が自治体をつくる、地域が自己決定していくという原理が貫かれることでした。こうした視点での課題は、自治体と自治体、自治体と国が対等な関係に整理され、国の権限が制限されることにあります。中央集権型のシステムの根幹でありました機関委任事務制度を廃止し、その大半を自治事務とした分権推進委員会の勧告は大きく評価できるものでした。
ところが、そのような分権推進委員会の精力的な議論の結果が法案化される過程で変節し、問題点が多くなってきていると私は思います。そのうちの幾つかについてここでは取り上げさせていただきます。
最大の問題は、自治体と国は対等であるはずなのに、自治事務になぜ国が口を出していくのでしょうか。その一つが自治事務に対する各大臣の是正要求に改善義務が付されたことです。
さらに、自治事務の処理が法令に違反していると認めるとき、または著しく適正を欠きかつ明らかに公益を害していると認めるとき、各大臣は知事に対して是正を求めることができるとして、都道府県の知事を通して市町村長に是正を求めることができる規定になっております。
地域の市民による自己責任で行われる自己決定であるはずの自治事務への是正要求は、国の関与を強め、結果的に分権の理念に反する内容ではないでしょうか。是正を求めることができる大臣が総理大臣だけではなく各大臣に広がったことは、現行法より後退してしまったのではないでしょうか。
東京都では、法律の定めのないお豆腐、中華めんなどについて、消費生活条例に基づく製造年月日の併記表示を義務づけてきました。それは消費者の要望に基づく東京都独自の上乗せ・横出し表示でしたけれども、貿易の国際基準、WTOの絡みで、国の関与により、ことしの三月でその表示は断念せざるを得ない事態になりました。
このような国の関与は、この法案では分権後も容易に想像できるものであります。その上、都道府県の関与が区市町村にまで及ぶ事態が予想されるこの状況は改善されるべきであると私は考えます。
もう一つ、都議会に籍を置いた経験から、自治体議会に関する本法案の制約を緩和する必要を感じます。
自治体議会の議員定数は条例で定めることで十分だと思います。人口に応じた定数の上限を設けたり法定定数を超えた場合の減員の取り決めなどは、地域の有権者である住民が責任を持って決めていけばいいものと考えます。
自治体議会は二元代表制をとっていることから、首長の権限と議員の権限を対等にすることを法に位置づける必要があります。議長の議会招集権や議会の予算提案権、さらに議会の調査能力を高めるための仕組みなども必要です。むしろ、現行制度が国会の議院内閣制をモデルにしている矛盾を解決すべきです。
私たちが議員提案で都議会議員の資産公開条例を提案したとき、議会が自治省のモデル条例を国に求めるという事態が起こりました。議会の問題も大きいのですが、一方では、このような親切が自治決定を弱め、国の関与を強める結果になるのではないでしょうか。議会の独立性を高める制度にする必要があります。
最後に、都市計画審議会への国の関与を抑える必要があることを申し上げたいと思います。
都市計画決定の手続の中には、現行法でも住民への説明会や公聴会は位置づけられております。しかし、ほとんどの住民は測量とか工事の段階で、つまり計画が決定された後に知ることが多いわけなんです。このことから、最近では住民が計画段階から参加する制度に変えるという要望が強く出ております。都市計画法の改正により、自治体の都市マスタープラン策定におきましては市民の意見の反映を位置づける、そういったことが法的に位置づけられております。
しかし、今回のこの法案では、都市計画審議会の組織、運営に必要な事項を政令の基準に従った委任条例として規定しています。これは、各自治体が主体的に市民参加による町づくりを進める審議会にしていくことを阻害するおそれがあります。
市町村都市計画審議会が法的に位置づけられるようになったこの段階で、組織及び運営に関する政令は定める必要はないのではないでしょうか。各自治体で決めることができるのではないでしょうか。
分権は、役所同士の仕事の割り振りを変えることにとどまっては意味がありません。そういう意味では、分権の実現はスタートについたばかりです。国から都道府県へ、都道府県から区市町村への権限移譲に終わらせず、最終的には一人一人の市民が自己決定権を持ち、政策決定の場にこれまで余り登場することのなかった市民や女性や生活者の姿が見える、そういう分権が必要ではないでしょうか。
多様な人々の多様な生活の豊かさを住民の共同参画によって実現するには、今後も市民までの分権が実現するまで議論を重ね、努力を続けていただきたいと要望をいたします。
これで私の意見を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →本日は、行政改革に関する特別委員会に参考人として意見を述べる機会をいただき、ありがとうございます。
私は、生活者という立場から、分権、自治の社会が実現することを希望しております。それは、生活の現場にこそ分権がもたらす豊かな自治があらわれなければならないからです。そして、それは住民の自発的活動を促したり、市民の事業を生み出したり、生活の利便性であったりすると思いますが、今日の日本の行き詰まった社会構造を変える、そういうものにならなければいけないと思っております。
一つの例を申し上げますと、ちょうど十年前になりますが、五十五万筆の都民の署名で東京都知事あてに食品安全条例の制定を求める直接請求が提出されました。私は当時、都議会議員をしておりましたので、議案の審査をする立場にありましたが、この直接請求は分権という視点から大変印象的な問題提起がたくさんございました。
御承知のとおり、直接請求は地方自治法に位置づけられた市民の条例提案権です。しかし、提案された行政側は、食品の安全の確保は国、厚生大臣の権限にかかわることであり、食品衛生監視などは機関委任事務であるから、自治体で食品安全条例を制定することはできない。そしてまた、行政に対して直接請求で条例を突きつけるということは、生意気な市民であるというような見解が示されました。
直接請求をした市民たちは、食品衛生法では厚生大臣が食品安全のボタンを握っていることを知っております。しかしなお、食べる側に安全な食べ物を確保するためのボタン、つまり権限を握りたいと考えました。この権利は知る権利であり、選ぶ権利であり、健康を維持する権利です。これは食べ物に関する自己決定の主張であり、分権、自治の主張でありました。
また、食品行政は幾つもの縦割りの中でばらばらに行われており、行政がお互いを牽制し合い、食品に関するまとまった見解を持っていなかったことが明らかになりました。審議の過程で行政連絡会議が設置されることになりました。また、お互い突出したことをしないように行政間で抑制し合っているような状況もございました。
同時期に、この食品安全条例は、十三の区市に制定を求める請願が提出されました。区市から東京都への問い合わせが殺到し、食品安全は地方自治体の仕事ではないとの結論を出しました。しかし、この議論の中から、より安全な農産物を推奨するという動きが生まれ、現在、有機農法あるいは有機農産物の基準や流通のガイドラインなどが地方自治体から国へ問題提起をされ、それが実現されるというような事態が実際には起こっております。そして、地方から中央へという流れが生まれたわけです。
このように、生活の現場にいる市民は、生活のあらゆる場面での安全が確保されることが大切なことであり、そのことが実現される分権を望んでいるのです。生活の課題の解決は、身近な自治体で行われることが大切です。
ついでに申し上げれば、直接請求は、もっと簡便な市民の条例提案制度に変える条件整備が必要であります。
分権推進委員会の議論の経過で私が期待いたしましたのは、市民が自治体をつくる、地域が自己決定していくという原理が貫かれることでした。こうした視点での課題は、自治体と自治体、自治体と国が対等な関係に整理され、国の権限が制限されることにあります。中央集権型のシステムの根幹でありました機関委任事務制度を廃止し、その大半を自治事務とした分権推進委員会の勧告は大きく評価できるものでした。
ところが、そのような分権推進委員会の精力的な議論の結果が法案化される過程で変節し、問題点が多くなってきていると私は思います。そのうちの幾つかについてここでは取り上げさせていただきます。
最大の問題は、自治体と国は対等であるはずなのに、自治事務になぜ国が口を出していくのでしょうか。その一つが自治事務に対する各大臣の是正要求に改善義務が付されたことです。
さらに、自治事務の処理が法令に違反していると認めるとき、または著しく適正を欠きかつ明らかに公益を害していると認めるとき、各大臣は知事に対して是正を求めることができるとして、都道府県の知事を通して市町村長に是正を求めることができる規定になっております。
地域の市民による自己責任で行われる自己決定であるはずの自治事務への是正要求は、国の関与を強め、結果的に分権の理念に反する内容ではないでしょうか。是正を求めることができる大臣が総理大臣だけではなく各大臣に広がったことは、現行法より後退してしまったのではないでしょうか。
東京都では、法律の定めのないお豆腐、中華めんなどについて、消費生活条例に基づく製造年月日の併記表示を義務づけてきました。それは消費者の要望に基づく東京都独自の上乗せ・横出し表示でしたけれども、貿易の国際基準、WTOの絡みで、国の関与により、ことしの三月でその表示は断念せざるを得ない事態になりました。
このような国の関与は、この法案では分権後も容易に想像できるものであります。その上、都道府県の関与が区市町村にまで及ぶ事態が予想されるこの状況は改善されるべきであると私は考えます。
もう一つ、都議会に籍を置いた経験から、自治体議会に関する本法案の制約を緩和する必要を感じます。
自治体議会の議員定数は条例で定めることで十分だと思います。人口に応じた定数の上限を設けたり法定定数を超えた場合の減員の取り決めなどは、地域の有権者である住民が責任を持って決めていけばいいものと考えます。
自治体議会は二元代表制をとっていることから、首長の権限と議員の権限を対等にすることを法に位置づける必要があります。議長の議会招集権や議会の予算提案権、さらに議会の調査能力を高めるための仕組みなども必要です。むしろ、現行制度が国会の議院内閣制をモデルにしている矛盾を解決すべきです。
私たちが議員提案で都議会議員の資産公開条例を提案したとき、議会が自治省のモデル条例を国に求めるという事態が起こりました。議会の問題も大きいのですが、一方では、このような親切が自治決定を弱め、国の関与を強める結果になるのではないでしょうか。議会の独立性を高める制度にする必要があります。
最後に、都市計画審議会への国の関与を抑える必要があることを申し上げたいと思います。
都市計画決定の手続の中には、現行法でも住民への説明会や公聴会は位置づけられております。しかし、ほとんどの住民は測量とか工事の段階で、つまり計画が決定された後に知ることが多いわけなんです。このことから、最近では住民が計画段階から参加する制度に変えるという要望が強く出ております。都市計画法の改正により、自治体の都市マスタープラン策定におきましては市民の意見の反映を位置づける、そういったことが法的に位置づけられております。
しかし、今回のこの法案では、都市計画審議会の組織、運営に必要な事項を政令の基準に従った委任条例として規定しています。これは、各自治体が主体的に市民参加による町づくりを進める審議会にしていくことを阻害するおそれがあります。
市町村都市計画審議会が法的に位置づけられるようになったこの段階で、組織及び運営に関する政令は定める必要はないのではないでしょうか。各自治体で決めることができるのではないでしょうか。
分権は、役所同士の仕事の割り振りを変えることにとどまっては意味がありません。そういう意味では、分権の実現はスタートについたばかりです。国から都道府県へ、都道府県から区市町村への権限移譲に終わらせず、最終的には一人一人の市民が自己決定権を持ち、政策決定の場にこれまで余り登場することのなかった市民や女性や生活者の姿が見える、そういう分権が必要ではないでしょうか。
多様な人々の多様な生活の豊かさを住民の共同参画によって実現するには、今後も市民までの分権が実現するまで議論を重ね、努力を続けていただきたいと要望をいたします。
これで私の意見を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
吉
林
林宜嗣#6
○参考人(林宜嗣君) 関西学院大学の林でございます。
本日は、参考人といたしまして意見を述べさせていただく機会を与えてくださいましたことに感謝いたしております。
まず、これまで私たちが研究をしておる中で懸案だというぐあいに感じておりました機関委任事務の廃止、地方債発行の事前協議制への移行、それから標準税率未満団体の地方債発行の許可制導入、こういった点を含めまして、今回の一括法案を評価したいと思っております。
ただ、今回の法案に一定の評価を与えてはおりますけれども、まだまだ課題が残っているというぐあいに感じております。この課題につきまして私なりの考えを述べさせていただきたいと思いますが、地方分権に何を期待するかによりまして抽出される課題は異なってまいります。
地方分権というのは、言うまでもなく地域が自主的にかつ責任を持って個性豊かな地域づくりを行う環境を整えることでございます。こうした目標の中で地方分権の課題をとらえることはもちろん重要ではありますけれども、私は財政を専門にしておりますので、本日は、地方あるいは国の財政構造改革という視点から地方分権をとらえていきたいと思っております。
一言で申しますと、財政責任の強化につながる地方分権の実現と言えようかと思います。少し大きな話になることをお許しいただきたいと思います。
地方自治体の行動原理は、地方自治法に規定されておりますように、最少の経費で最大の効果を上げることであります。しかしながら、これまでの中央集権のシステムの中で実態は、最少の地元負担で最大の事業費を獲得する、こういうような実態になっているのではないかと思われるような面もございます。私は、地方分権というのは、財政システムの中に受益と負担が連動する仕組みを組み込むことでなければならない、このように考えております。
最近、アカウンタビリティーという言葉がよく使われます。説明責任あるいは会計責任あるいは財政責任というように訳されますけれども、行政が行っていることを単に説明できるだけではだめでありまして、受益と負担が連動すること、つまり、住民負担が高ければ受益が大きく、逆に受益が小さければ住民負担も小さい、こういったシステムを構築することが、私はアカウンタビリティーを強化するということではないかというぐあいに思っております。これは、今から約二十年前にイギリスで地方財政改革の折に提出されましたレイフィールド・レポートで強調されている点でございます。
こうした点から、地方のアカウンタビリティーを強化する地方分権システムを構築する上で、今後御検討いただきたい点を四点に絞ってお話を申し上げたいというぐあいに思っております。
まず、第一は地方税源の拡充でございます。
現在、税収面では国が六五、地方が三五、この比率を支出面の比率にできるだけ近づけていくべきである、このような意見が出されております。話はそれほど単純ではないと思いますけれども、しかしながら、地方税源の拡充は私はぜひとも必要だと思っております。
都道府県レベルでは東京だけが、そして市町村レベルでは三千を超える市町村のうち地方交付税の不交付団体が百五十に満たないという実態というのは、これはやはりどう考えても異常ではないかというぐあいにとらえております。地方税源を拡充して、私は不交付団体の数を減らす必要があるのではないかというぐあいに思っております。ただ問題は、ではどのレベルで財政調整を行うのかという点でございます。この点につきましてはまた後ほどお話をさせていただきたいと思います。
地方税源を拡充いたしましても、十分な税収が得られない自治体は少なくないと思われますので、私はやはり財政調整の必要性は残るだろうというぐあいに感じております。
先ほど申し上げましたように、その場合に重要なのは、どの行政水準を基準にして財政調整を行うのか、言いかえれば、どの行政水準までを国が財源保障する責任を負うのかということでございます。つまりナショナルミニマムをどのように考えるかということではないかと思っております。ナショナルミニマムの再検討、これが第二点目でございます。
一九七〇年度の人口一人当たり基準財政需要額を一といたしますと、九六年度時点で、都道府県分は基準財政需要額は約六・八倍に、市町村分は約九・七倍に伸びております。この期間中に人口一人当たりGDPは約五・五倍の伸びでございます。基準財政需要額を、標準的な行政水準を達成するのに必要な一般財源の金額である、このように理解をいたしますと、これまでは標準行政が経済の成長を上回る速度で伸びてきたことを示しております。
八〇年代に入りまして、基準財政需要額の伸びは抑えられてきてはおりますけれども、これは経済が低成長期に入って税収が抑えられたということに大きな原因があるわけでありまして、バブル期のように税収が順調に入ってまいりますと再び基準財政需要額の伸びが大きくなる、こういう実態は変わっておりません。つまり、このままでは懐さえ許せばナショナルミニマムはどんどん大きくなっていくということが予想されるわけでございます。
このような状態では、地方税源を幾ら拡充いたしましても、財政調整に必要な額はますます膨らんでまいりますし、交付団体の数は減らないだろうというぐあいに思っております。
ナショナルミニマムとしてどの水準が適正なのかということに答えを出すのは非常に難しいわけでありますけれども、現在の地方分権の動きはこのナショナルミニマムの適正化という課題をどうも避けて通っているのではないかというような気がいたしております。ナショナルミニマムについての考え方がある程度煮詰まらないことには財政調整のあり方、ナショナルミニマムを上回る部分における受益と負担の連動という地方分権時代にふさわしい財政システムを構築することはできないのではないか、このように私は思っております。
日本におきましては財政調整をめぐって、東京や大阪といった大都市は負担超過である、このように不満を持ちます。一方、地方はナショナルミニマムの達成はまだまだで財政調整は不十分である、このように不満を申します。
日本でも地方交付税の算定等につきまして地方財政審議会の議に付されることになっておりますし、今回の改正では地方団体の意見提出権が認められました。しかし、どこまでを財政調整の対象にするかという根本問題にまだ手がつけられていないのは非常に残念なことだというぐあいに私は思っております。
財政責任を伴った地方分権を実現するための第三の重要なポイントは、地方における課税自主権の強化でございます。
一括法案では、法定外普通税の事前協議制への移行、法定外目的税の創設が取り上げられ、また標準税率未満団体の地方債の許可制も図られるなど、かなり前進をしていると私は思っております。しかしながら、課税自主権の強化という点ではまだ不十分ではないかというぐあいにとらえているわけでございます。地方税はもちろん財源調達の手段ではございますけれども、地方の行財政運営のあり方あるいは実態を住民に伝える最もわかりやすい情報伝達手段の一つでございます。
御案内のように、アメリカでは地方税率は行政サービスの水準に連動する仕組みになっておりまして、サービス水準が高ければ税率が高く、サービス水準が低ければ税率が低くなります。また、行政水準がそれほど高くなくても地方行政の運営が非効率である場合には税率が高くならざるを得ません。そして、納税者の不満は高まってまいります。アメリカで起こりました納税者の反乱は、地方税がプライスとして働いていることで起こった事件でございます。
現在、地方税は地方税法で主要な課税要件が定められておりますけれども、税率の自由決定権を含めた課税自主権の強化もぜひ検討しなければならない課題ではないかと思っております。
税率を自由に決定する権限を地方に与えた場合に、住民税などの個人にかかる税の税率引き下げ競争が起こる可能性がございます。現在は一定ですからサービス水準の引き上げ競争になりますけれども、税率が自由に変えられると引き下げ競争が起こる可能性がある。自治体関係者の中には、税率が画一的であるからこそ地方税を徴収しやすいと言う方もおられます。また、税率の引き下げ競争を避けたいという思いもあるかもしれません。
しかしながら、私は税率の引き下げ競争はどんどんやるべきだ、このように考えております。余りにも税率が下がって行政サービスの水準が低下いたしますと住民生活に当然支障を来すようになりますから、その時点で住民はこれ以上の税率引き下げは行わないでほしい、このように申してくるはずでございます。それがこの地域にとっての望ましい地方税率であり、そして望ましい地方財政の規模ではないか、このように考えております。
私は、標準税率の考え方というのは地方交付税の算定等に使う程度のものにした上で、地方税法の規定からできれば外してしまってはどうかというぐあいに考えているわけでございます。しかし、課税自主権の強化が財政構造改革につながるためには、地方税が応益課税の要素を備えていなくてはなりません。これが第四点目でございます。
現在、都道府県レベルでは法人事業税、住民税の法人税割、この二つの法人所得課税で九六年度決算ベースで約四割の税収を占めております。バブル経済期の昭和六十三年度では実に五〇%がこの二つの税目で調達されているという実態でございました。
法人所得課税と申しますのは、その大部分が大企業によって納められます。また、法人所得課税は、最終的にだれがどのような形で税を負担するのかということが非常にわかりにくい税でございます。しかも、景気がよければ税収は大量に入ってくる。現在のように景気が悪くなった場合は別といたしまして、法人所得課税はこれまで国民にとりましても、また財政当局にとりましても、税収調達という点では非常に都合のよい税金でございました。
ところが、住民にとって負担感の小さな法人所得課税に余りにも多くを依存いたしますと、受益と負担の連動が断ち切られ、住民から自治体に対して過大な要求が出てくる可能性を生んでまいります。
また、現在、超過課税は、都道府県の場合に住民税の法人税割あるいは法人事業税、これに偏っておりまして、それ以外は行われておりません。市町村レベルでも住民税の法人税割が約千五百団体弱で行われ、個人住民税の所得割の超過課税を行っているところはゼロであります。また、法定外普通税も、道府県レベルでの核燃料税など、個人以外のところで行われているにすぎません。
このように、課税自主権が強化されたといたしましても、実際には法人関係税に大きく依存するような地方税体系では、受益と負担の連動を強化し、そして地方財政の構造改革にはつながらないのではないかというぐあいに思っております。また、住民税を初めといたしました個人税に関しましても、できる限り応益的な要素を取り入れていくべきではないかと思っております。
課税自主権を強化することで地方財政における受益と負担の連動を強化し、地方の財政責任を強化するためには、やはり課税自主権の強化と同時に、地方税の構造改革、つまり地方税における応益的な要素を高めていくということもこれからの検討課題ではないかというぐあいに思っております。みずからの責任と負担で地域づくりを行っていくことが地方分権の目的でございます。しかしながら、このことが同時に財政構造改革にもつながるような、そういう地方分権の実現を期待したいと思っております。
今回の地方分権一括法は、地方の自由度を大きくするという面では私は大いに評価をいたしたいというぐあいに思っておりますけれども、財政責任を強化するにはどのような地方財政システムを構築すればいいのかという面では少し物足りなかったのではないかというように思っております。
今回の一括法に続く第二弾を期待いたしまして、私の意見陳述を終わらせていただきたいと思います。
この発言だけを見る →本日は、参考人といたしまして意見を述べさせていただく機会を与えてくださいましたことに感謝いたしております。
まず、これまで私たちが研究をしておる中で懸案だというぐあいに感じておりました機関委任事務の廃止、地方債発行の事前協議制への移行、それから標準税率未満団体の地方債発行の許可制導入、こういった点を含めまして、今回の一括法案を評価したいと思っております。
ただ、今回の法案に一定の評価を与えてはおりますけれども、まだまだ課題が残っているというぐあいに感じております。この課題につきまして私なりの考えを述べさせていただきたいと思いますが、地方分権に何を期待するかによりまして抽出される課題は異なってまいります。
地方分権というのは、言うまでもなく地域が自主的にかつ責任を持って個性豊かな地域づくりを行う環境を整えることでございます。こうした目標の中で地方分権の課題をとらえることはもちろん重要ではありますけれども、私は財政を専門にしておりますので、本日は、地方あるいは国の財政構造改革という視点から地方分権をとらえていきたいと思っております。
一言で申しますと、財政責任の強化につながる地方分権の実現と言えようかと思います。少し大きな話になることをお許しいただきたいと思います。
地方自治体の行動原理は、地方自治法に規定されておりますように、最少の経費で最大の効果を上げることであります。しかしながら、これまでの中央集権のシステムの中で実態は、最少の地元負担で最大の事業費を獲得する、こういうような実態になっているのではないかと思われるような面もございます。私は、地方分権というのは、財政システムの中に受益と負担が連動する仕組みを組み込むことでなければならない、このように考えております。
最近、アカウンタビリティーという言葉がよく使われます。説明責任あるいは会計責任あるいは財政責任というように訳されますけれども、行政が行っていることを単に説明できるだけではだめでありまして、受益と負担が連動すること、つまり、住民負担が高ければ受益が大きく、逆に受益が小さければ住民負担も小さい、こういったシステムを構築することが、私はアカウンタビリティーを強化するということではないかというぐあいに思っております。これは、今から約二十年前にイギリスで地方財政改革の折に提出されましたレイフィールド・レポートで強調されている点でございます。
こうした点から、地方のアカウンタビリティーを強化する地方分権システムを構築する上で、今後御検討いただきたい点を四点に絞ってお話を申し上げたいというぐあいに思っております。
まず、第一は地方税源の拡充でございます。
現在、税収面では国が六五、地方が三五、この比率を支出面の比率にできるだけ近づけていくべきである、このような意見が出されております。話はそれほど単純ではないと思いますけれども、しかしながら、地方税源の拡充は私はぜひとも必要だと思っております。
都道府県レベルでは東京だけが、そして市町村レベルでは三千を超える市町村のうち地方交付税の不交付団体が百五十に満たないという実態というのは、これはやはりどう考えても異常ではないかというぐあいにとらえております。地方税源を拡充して、私は不交付団体の数を減らす必要があるのではないかというぐあいに思っております。ただ問題は、ではどのレベルで財政調整を行うのかという点でございます。この点につきましてはまた後ほどお話をさせていただきたいと思います。
地方税源を拡充いたしましても、十分な税収が得られない自治体は少なくないと思われますので、私はやはり財政調整の必要性は残るだろうというぐあいに感じております。
先ほど申し上げましたように、その場合に重要なのは、どの行政水準を基準にして財政調整を行うのか、言いかえれば、どの行政水準までを国が財源保障する責任を負うのかということでございます。つまりナショナルミニマムをどのように考えるかということではないかと思っております。ナショナルミニマムの再検討、これが第二点目でございます。
一九七〇年度の人口一人当たり基準財政需要額を一といたしますと、九六年度時点で、都道府県分は基準財政需要額は約六・八倍に、市町村分は約九・七倍に伸びております。この期間中に人口一人当たりGDPは約五・五倍の伸びでございます。基準財政需要額を、標準的な行政水準を達成するのに必要な一般財源の金額である、このように理解をいたしますと、これまでは標準行政が経済の成長を上回る速度で伸びてきたことを示しております。
八〇年代に入りまして、基準財政需要額の伸びは抑えられてきてはおりますけれども、これは経済が低成長期に入って税収が抑えられたということに大きな原因があるわけでありまして、バブル期のように税収が順調に入ってまいりますと再び基準財政需要額の伸びが大きくなる、こういう実態は変わっておりません。つまり、このままでは懐さえ許せばナショナルミニマムはどんどん大きくなっていくということが予想されるわけでございます。
このような状態では、地方税源を幾ら拡充いたしましても、財政調整に必要な額はますます膨らんでまいりますし、交付団体の数は減らないだろうというぐあいに思っております。
ナショナルミニマムとしてどの水準が適正なのかということに答えを出すのは非常に難しいわけでありますけれども、現在の地方分権の動きはこのナショナルミニマムの適正化という課題をどうも避けて通っているのではないかというような気がいたしております。ナショナルミニマムについての考え方がある程度煮詰まらないことには財政調整のあり方、ナショナルミニマムを上回る部分における受益と負担の連動という地方分権時代にふさわしい財政システムを構築することはできないのではないか、このように私は思っております。
日本におきましては財政調整をめぐって、東京や大阪といった大都市は負担超過である、このように不満を持ちます。一方、地方はナショナルミニマムの達成はまだまだで財政調整は不十分である、このように不満を申します。
日本でも地方交付税の算定等につきまして地方財政審議会の議に付されることになっておりますし、今回の改正では地方団体の意見提出権が認められました。しかし、どこまでを財政調整の対象にするかという根本問題にまだ手がつけられていないのは非常に残念なことだというぐあいに私は思っております。
財政責任を伴った地方分権を実現するための第三の重要なポイントは、地方における課税自主権の強化でございます。
一括法案では、法定外普通税の事前協議制への移行、法定外目的税の創設が取り上げられ、また標準税率未満団体の地方債の許可制も図られるなど、かなり前進をしていると私は思っております。しかしながら、課税自主権の強化という点ではまだ不十分ではないかというぐあいにとらえているわけでございます。地方税はもちろん財源調達の手段ではございますけれども、地方の行財政運営のあり方あるいは実態を住民に伝える最もわかりやすい情報伝達手段の一つでございます。
御案内のように、アメリカでは地方税率は行政サービスの水準に連動する仕組みになっておりまして、サービス水準が高ければ税率が高く、サービス水準が低ければ税率が低くなります。また、行政水準がそれほど高くなくても地方行政の運営が非効率である場合には税率が高くならざるを得ません。そして、納税者の不満は高まってまいります。アメリカで起こりました納税者の反乱は、地方税がプライスとして働いていることで起こった事件でございます。
現在、地方税は地方税法で主要な課税要件が定められておりますけれども、税率の自由決定権を含めた課税自主権の強化もぜひ検討しなければならない課題ではないかと思っております。
税率を自由に決定する権限を地方に与えた場合に、住民税などの個人にかかる税の税率引き下げ競争が起こる可能性がございます。現在は一定ですからサービス水準の引き上げ競争になりますけれども、税率が自由に変えられると引き下げ競争が起こる可能性がある。自治体関係者の中には、税率が画一的であるからこそ地方税を徴収しやすいと言う方もおられます。また、税率の引き下げ競争を避けたいという思いもあるかもしれません。
しかしながら、私は税率の引き下げ競争はどんどんやるべきだ、このように考えております。余りにも税率が下がって行政サービスの水準が低下いたしますと住民生活に当然支障を来すようになりますから、その時点で住民はこれ以上の税率引き下げは行わないでほしい、このように申してくるはずでございます。それがこの地域にとっての望ましい地方税率であり、そして望ましい地方財政の規模ではないか、このように考えております。
私は、標準税率の考え方というのは地方交付税の算定等に使う程度のものにした上で、地方税法の規定からできれば外してしまってはどうかというぐあいに考えているわけでございます。しかし、課税自主権の強化が財政構造改革につながるためには、地方税が応益課税の要素を備えていなくてはなりません。これが第四点目でございます。
現在、都道府県レベルでは法人事業税、住民税の法人税割、この二つの法人所得課税で九六年度決算ベースで約四割の税収を占めております。バブル経済期の昭和六十三年度では実に五〇%がこの二つの税目で調達されているという実態でございました。
法人所得課税と申しますのは、その大部分が大企業によって納められます。また、法人所得課税は、最終的にだれがどのような形で税を負担するのかということが非常にわかりにくい税でございます。しかも、景気がよければ税収は大量に入ってくる。現在のように景気が悪くなった場合は別といたしまして、法人所得課税はこれまで国民にとりましても、また財政当局にとりましても、税収調達という点では非常に都合のよい税金でございました。
ところが、住民にとって負担感の小さな法人所得課税に余りにも多くを依存いたしますと、受益と負担の連動が断ち切られ、住民から自治体に対して過大な要求が出てくる可能性を生んでまいります。
また、現在、超過課税は、都道府県の場合に住民税の法人税割あるいは法人事業税、これに偏っておりまして、それ以外は行われておりません。市町村レベルでも住民税の法人税割が約千五百団体弱で行われ、個人住民税の所得割の超過課税を行っているところはゼロであります。また、法定外普通税も、道府県レベルでの核燃料税など、個人以外のところで行われているにすぎません。
このように、課税自主権が強化されたといたしましても、実際には法人関係税に大きく依存するような地方税体系では、受益と負担の連動を強化し、そして地方財政の構造改革にはつながらないのではないかというぐあいに思っております。また、住民税を初めといたしました個人税に関しましても、できる限り応益的な要素を取り入れていくべきではないかと思っております。
課税自主権を強化することで地方財政における受益と負担の連動を強化し、地方の財政責任を強化するためには、やはり課税自主権の強化と同時に、地方税の構造改革、つまり地方税における応益的な要素を高めていくということもこれからの検討課題ではないかというぐあいに思っております。みずからの責任と負担で地域づくりを行っていくことが地方分権の目的でございます。しかしながら、このことが同時に財政構造改革にもつながるような、そういう地方分権の実現を期待したいと思っております。
今回の地方分権一括法は、地方の自由度を大きくするという面では私は大いに評価をいたしたいというぐあいに思っておりますけれども、財政責任を強化するにはどのような地方財政システムを構築すればいいのかという面では少し物足りなかったのではないかというように思っております。
今回の一括法に続く第二弾を期待いたしまして、私の意見陳述を終わらせていただきたいと思います。
吉
市
市橋克哉#8
○参考人(市橋克哉君) 名古屋大学の市橋です。よろしくお願いします。
現在、この国会に提出されております地方分権一括法案について、大学で行政法を担当している者として少しお話をさせていただきたいと思います。
まず、この地方分権一括法案の中で最も大きな改正点は、既に三人の参考人の方々からお話がありますように、機関委任事務制度が廃止されたということです。これは地方自治の発展を願う人々の長年の要求でした。私もこの点で画期的なことだと考えています。特に、ここにおられる諸井委員長を初めとする分権推進委員会の皆様の苦労のたまものだというふうに考えています。
しかし、機関委任事務の制度を廃止した後に地方分権一括法案が新しくつくろうとしている仕組みについて見ると、幾つかの点で私は危惧の念を持っています。それは、今回の地方分権の目標でありました、先ほどからも出ていますが、国と地方公共団体との関係をこれまでの上下主従の関係から対等、協力の関係へと変える、そのために従来の国による地方公共団体への関与の仕組みを改めて、これを縮減するという点でして、果たして地方分権一括法は本当にそのようなものになっているのだろうかという問題です。
ここでは、この国による関与という問題に絞りまして、少し意見を述べさせていただきます。
専門が行政法ということで、これからお話しすることは少し細かい話になるかと思いますが、お聞き願えればと思います。
第一に、地方分権一括法で掲げられた関与の法定主義に基づいて挙げられている多数のそして多様な関与の中で最も大きな問題は、先ほども池田参考人の方から指摘がありましたが、自治事務に関して行われる是正の要求だと思っています。
地方自治法改正案を見ると、国から是正の要求が来ると地方公共団体は、これは改正案の二百四十五条の五第五項ですが、「違反の是正又は改善のための必要な措置を講じなければならない。」とされておりまして、地方公共団体には違反是正と改善措置の義務が課せられることになりました。
新たに設けられた地方公共団体が国の関与を訴える紛争処理の仕組みにおいても、この是正の要求は、許可の拒否その他の処分と並んで公権力の行使に当たる関与、これは地方自治法改正案の二百五十条の十三の第一項ですが、とされまして、明確に権力的な関与の一つとなっています。
この結果、是正の要求に不服がある場合には地方公共団体は必ず紛争処理手続を使って争わなければならず、争った訴えが入れられなかった場合にはもちろん、争わない場合にも違反是正、改善措置をとらないことは違法となるため、その是正の要求には従わなければならないということになりました。
是正の要求は、現行の地方自治法二百四十六条の二第一項が定める内閣総理大臣の措置要求に倣ったものとされていますが、現在の措置要求については非権力的な関与の一態様と解されています。この点は長野士郎氏のコンメンタール等でもそのように言っています。これは、代執行のような強制措置をとることができないのはもちろんですが、是正の要求のように、違反是正、改善措置義務を課す規定や、これを公権力の行使として訴える仕組みもありません。
したがって、地方公共団体は、みずからがとった、またはとらない事務処理が正しいと考えるときは、自己の責任において措置要求に従わないという対応をとる道も確保されていたと思います。そして、そのように対応したからといって、それが直ちに違法となるものでもなかったと考えます。
地方公共団体の自治事務の処理について国が権力的な関与をなし得る場合、これは現在の法律では、いずれも個別の法律の中に命令あるいは指示などのそういう権力的関与ができる旨を定めた根拠規定が置かれているときに限られています。例えば港湾法の四十七条で、港湾管理者が差別的取り扱いをした場合、運輸大臣が命令を出せるといったような、こういうものです。
地方自治法の改正案でも、権力的関与である指示の方を見ると、「国民の生命、身体又は財産の保護のため緊急に自治事務の的確な処理を確保する必要がある場合等特に必要と認められる場合」に限って、個別の法律にその根拠規定が置かれているときになし得るものです。これは、権力的関与を用いるときには必ず個別の法律の具体的な根拠が必要であるとする法治主義の考え方からすると当然の法的な規律だと思います。
したがって、もし是正の要求を権力的関与として国が行えるようにするのであれば、やはりこれまでの命令や指示の場合と同じように、個別法に具体的な根拠規定を設けることが必要だと思います。地方自治法に是正の要求に関する一般的な根拠規定を置くだけでは足りないと考えています。また、是正の要求をなし得る場合を定める要件についても、指示の場合の要件である「国民の生命、身体又は財産の保護」といったこととのつり合いを考慮して、例えば、国民の生命、身体、財産または環境上の利益の保護といった具体的な要件を少し広げて設けて、その行使を厳しく限定することが必要だと考えます。
もし、是正の要求について、個別法に具体的な根拠規定を設けることなく、地方自治法改正案が定めた一般的根拠規定だけでその関与を許すのであれば、この場合の是正の要求は、法治主義の考え方にのっとって、実体的にはあくまで非権力的な関与であって、紛争処理の手続上、処分として扱う必要があるため権力的関与として構成したにすぎないと考えるべきだと思います。この場合、地方公共団体が負う違法是正・改善措置義務も、法的拘束力がある本来の義務ではなくて、事実上の尊重義務というふうに解すべきだと思います。
次に、地方自治法改正案に置かれた一般的根拠規定ではなく、個別法の根拠規定に基づいて行われている地方公共団体に対する権力的関与の中にも見過ごせない問題があります。それは、国の直接執行と呼ばれているものです。
地方分権推進委員会第二次勧告や地方分権推進計画を見ますと、国民の利益を保護する緊急の必要がある場合に、本来、自治事務として地方公共団体が処理する事項を国が直接執行すると述べられています。この考え方を受けて、例えば、国民の健康を守るため緊急の必要があると厚生大臣が認める場合にあっては、都道府県知事等の権限に属する事務を厚生大臣が行うといった規定が設けられています。
しかし、衆議院の審議においてたびたび問題にされていましたが、例えば建築基準法十七条一項及び七項のように、建設大臣が、国の利害に重大な関係がある建築物に関し必要があると認めるときは都道府県知事に指示をし、都道府県知事がその指示に従わないときは、審議会の確認を受けてみずから直接執行ができるといった規定が置かれています。ここでは、国民の生命、健康といった最も重要な法益に対する直接差し迫った具体的危険が存在しなくても、国が抽象的、一般的な国の利害に重大な関係があると判断すれば、広く直接執行ができる道が開かれていると思います。
国の直接執行には、この建築基準法十七条一項及び七項のように、まず指示によって地方公共団体を義務づける。それから、その義務履行がない場合にみずからかわって執行するという仕組みを持つ点で、代執行のタイプのものがあります。しかし、これは法定受託事務や現在の機関委任事務にあるような裁判を経て行われる執行ではありません。
それから、水道法の四十条一項及び三項のように、災害その他非常の場合に当たると国が判断すると、地方公共団体に対する指示等の義務づけを行うことなく、その事実だけをもって直ちに国が直接執行してしまう仕組みまであります。これは、直接的な実力行使をしていませんけれども、形の上では即時強制タイプのものではないかというふうに考えます。
こうした直接執行は、地方公共団体にとっては、単に法的拘束力を持つだけではなく強制力を持つという点で、指示等の通常の権力的関与よりさらに権力性の強いものになっていると言えます。したがって、これらのタイプの直接執行については、指示の場合の要件よりもさらに狭めて、国民の生命、健康がまさに侵されようとしているという緊急の場合にのみ厳しく限定して、先ほどから自己決定が強調されていますが、住民自身による対応では間に合わないという事態において発動すべきものと考えます。その限りで、裁判の道を排除するという、適正な手続を横に置くということも緊急避難的に許されるというふうに考えています。
しかし、もし、この種の直接執行について、個別法の幾つかの規定に見られるように、広い要件のもとで用いることを認めると、もう一つ裁判との関係で次のような問題があることも看過できないと思います。
それは地方自治法改正案の二百五十一条の五第八項を見てもらうとわかりますが、一方で行政事件訴訟法の八条二項及び二十五条から二十九条までの準用を認めていません。これは何を言っているかというと、不服申し立て前置があっても緊急の必要がある場合には不服申し立てを経ないで裁判所に行けるというのが八条二項です。それから、二十五条以下は御存じのように執行停止の仕組みです。これが準用から排除されています。それからもう一つ、四十四条に公権力の行使は仮処分ができないという規定があります。したがって、民事の争いもできません。
そうなってくると、新しい紛争処理の手続をつくっていただいたわけなんですが、この裁判は裁判をやったとしても直接執行が目前に迫っているという状況において、地方自治法改正案が認める紛争処理の仕組みを利用して争訟を提起したとしても、仮処分も執行停止の仕組みも結局使えないということになります。争訟係属中に直接執行をとめる道がありません。この間に直接執行されてしまえば訴えの利益がなくなりますから、裁判は維持できないということになります。この点で、ぜひ行政事件訴訟法の準用に関する規定に着目をしていただいて、見直しをしていただけないかというふうに思っています。執行停止の仕組みを盛り込む必要があると思います。
また、執行停止の仕組みを欠いた紛争処理の仕組みにもし手をつけないとするならば、地方公共団体は確実な救済の道として、もう一度原則に立ち返って、みずからの自治権が侵害されたというふうに主張し、みずから原告となり、今度の仕組みは機関訴訟という特別の仕組みを使っていますけれども、これでは救済の道が確保できませんから、通常の裁判、つまり通常の行政訴訟の道が開かれているということを改めて確認しておく必要があります。今度の仕組みがあるからもう普通のものは使わなくていいんだとか、そういう議論がもしあるとすれば、大変問題な状況が起こる可能性があると思います。
最後に、国による地方公共団体に対する関与の問題について、特に問題が大きいと考えています点について意見を述べさせていただきましたけれども、この間の衆議院での審議を拝見していまして、ほかの問題もそういうものが多々あるということは既に参考人の方々からも言われていますが、この関与の問題についても議論はまだまだ始まったばかりであるという印象を持っています。
したがいまして、地方自治法改正案はもちろん、四百七十五本という膨大な数の個別法の規定にも十分目を配り、さらには行政事件訴訟法等にも目を配っていただいて、きめ細かい審議をぜひお願いしたいというふうに思います。
どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →現在、この国会に提出されております地方分権一括法案について、大学で行政法を担当している者として少しお話をさせていただきたいと思います。
まず、この地方分権一括法案の中で最も大きな改正点は、既に三人の参考人の方々からお話がありますように、機関委任事務制度が廃止されたということです。これは地方自治の発展を願う人々の長年の要求でした。私もこの点で画期的なことだと考えています。特に、ここにおられる諸井委員長を初めとする分権推進委員会の皆様の苦労のたまものだというふうに考えています。
しかし、機関委任事務の制度を廃止した後に地方分権一括法案が新しくつくろうとしている仕組みについて見ると、幾つかの点で私は危惧の念を持っています。それは、今回の地方分権の目標でありました、先ほどからも出ていますが、国と地方公共団体との関係をこれまでの上下主従の関係から対等、協力の関係へと変える、そのために従来の国による地方公共団体への関与の仕組みを改めて、これを縮減するという点でして、果たして地方分権一括法は本当にそのようなものになっているのだろうかという問題です。
ここでは、この国による関与という問題に絞りまして、少し意見を述べさせていただきます。
専門が行政法ということで、これからお話しすることは少し細かい話になるかと思いますが、お聞き願えればと思います。
第一に、地方分権一括法で掲げられた関与の法定主義に基づいて挙げられている多数のそして多様な関与の中で最も大きな問題は、先ほども池田参考人の方から指摘がありましたが、自治事務に関して行われる是正の要求だと思っています。
地方自治法改正案を見ると、国から是正の要求が来ると地方公共団体は、これは改正案の二百四十五条の五第五項ですが、「違反の是正又は改善のための必要な措置を講じなければならない。」とされておりまして、地方公共団体には違反是正と改善措置の義務が課せられることになりました。
新たに設けられた地方公共団体が国の関与を訴える紛争処理の仕組みにおいても、この是正の要求は、許可の拒否その他の処分と並んで公権力の行使に当たる関与、これは地方自治法改正案の二百五十条の十三の第一項ですが、とされまして、明確に権力的な関与の一つとなっています。
この結果、是正の要求に不服がある場合には地方公共団体は必ず紛争処理手続を使って争わなければならず、争った訴えが入れられなかった場合にはもちろん、争わない場合にも違反是正、改善措置をとらないことは違法となるため、その是正の要求には従わなければならないということになりました。
是正の要求は、現行の地方自治法二百四十六条の二第一項が定める内閣総理大臣の措置要求に倣ったものとされていますが、現在の措置要求については非権力的な関与の一態様と解されています。この点は長野士郎氏のコンメンタール等でもそのように言っています。これは、代執行のような強制措置をとることができないのはもちろんですが、是正の要求のように、違反是正、改善措置義務を課す規定や、これを公権力の行使として訴える仕組みもありません。
したがって、地方公共団体は、みずからがとった、またはとらない事務処理が正しいと考えるときは、自己の責任において措置要求に従わないという対応をとる道も確保されていたと思います。そして、そのように対応したからといって、それが直ちに違法となるものでもなかったと考えます。
地方公共団体の自治事務の処理について国が権力的な関与をなし得る場合、これは現在の法律では、いずれも個別の法律の中に命令あるいは指示などのそういう権力的関与ができる旨を定めた根拠規定が置かれているときに限られています。例えば港湾法の四十七条で、港湾管理者が差別的取り扱いをした場合、運輸大臣が命令を出せるといったような、こういうものです。
地方自治法の改正案でも、権力的関与である指示の方を見ると、「国民の生命、身体又は財産の保護のため緊急に自治事務の的確な処理を確保する必要がある場合等特に必要と認められる場合」に限って、個別の法律にその根拠規定が置かれているときになし得るものです。これは、権力的関与を用いるときには必ず個別の法律の具体的な根拠が必要であるとする法治主義の考え方からすると当然の法的な規律だと思います。
したがって、もし是正の要求を権力的関与として国が行えるようにするのであれば、やはりこれまでの命令や指示の場合と同じように、個別法に具体的な根拠規定を設けることが必要だと思います。地方自治法に是正の要求に関する一般的な根拠規定を置くだけでは足りないと考えています。また、是正の要求をなし得る場合を定める要件についても、指示の場合の要件である「国民の生命、身体又は財産の保護」といったこととのつり合いを考慮して、例えば、国民の生命、身体、財産または環境上の利益の保護といった具体的な要件を少し広げて設けて、その行使を厳しく限定することが必要だと考えます。
もし、是正の要求について、個別法に具体的な根拠規定を設けることなく、地方自治法改正案が定めた一般的根拠規定だけでその関与を許すのであれば、この場合の是正の要求は、法治主義の考え方にのっとって、実体的にはあくまで非権力的な関与であって、紛争処理の手続上、処分として扱う必要があるため権力的関与として構成したにすぎないと考えるべきだと思います。この場合、地方公共団体が負う違法是正・改善措置義務も、法的拘束力がある本来の義務ではなくて、事実上の尊重義務というふうに解すべきだと思います。
次に、地方自治法改正案に置かれた一般的根拠規定ではなく、個別法の根拠規定に基づいて行われている地方公共団体に対する権力的関与の中にも見過ごせない問題があります。それは、国の直接執行と呼ばれているものです。
地方分権推進委員会第二次勧告や地方分権推進計画を見ますと、国民の利益を保護する緊急の必要がある場合に、本来、自治事務として地方公共団体が処理する事項を国が直接執行すると述べられています。この考え方を受けて、例えば、国民の健康を守るため緊急の必要があると厚生大臣が認める場合にあっては、都道府県知事等の権限に属する事務を厚生大臣が行うといった規定が設けられています。
しかし、衆議院の審議においてたびたび問題にされていましたが、例えば建築基準法十七条一項及び七項のように、建設大臣が、国の利害に重大な関係がある建築物に関し必要があると認めるときは都道府県知事に指示をし、都道府県知事がその指示に従わないときは、審議会の確認を受けてみずから直接執行ができるといった規定が置かれています。ここでは、国民の生命、健康といった最も重要な法益に対する直接差し迫った具体的危険が存在しなくても、国が抽象的、一般的な国の利害に重大な関係があると判断すれば、広く直接執行ができる道が開かれていると思います。
国の直接執行には、この建築基準法十七条一項及び七項のように、まず指示によって地方公共団体を義務づける。それから、その義務履行がない場合にみずからかわって執行するという仕組みを持つ点で、代執行のタイプのものがあります。しかし、これは法定受託事務や現在の機関委任事務にあるような裁判を経て行われる執行ではありません。
それから、水道法の四十条一項及び三項のように、災害その他非常の場合に当たると国が判断すると、地方公共団体に対する指示等の義務づけを行うことなく、その事実だけをもって直ちに国が直接執行してしまう仕組みまであります。これは、直接的な実力行使をしていませんけれども、形の上では即時強制タイプのものではないかというふうに考えます。
こうした直接執行は、地方公共団体にとっては、単に法的拘束力を持つだけではなく強制力を持つという点で、指示等の通常の権力的関与よりさらに権力性の強いものになっていると言えます。したがって、これらのタイプの直接執行については、指示の場合の要件よりもさらに狭めて、国民の生命、健康がまさに侵されようとしているという緊急の場合にのみ厳しく限定して、先ほどから自己決定が強調されていますが、住民自身による対応では間に合わないという事態において発動すべきものと考えます。その限りで、裁判の道を排除するという、適正な手続を横に置くということも緊急避難的に許されるというふうに考えています。
しかし、もし、この種の直接執行について、個別法の幾つかの規定に見られるように、広い要件のもとで用いることを認めると、もう一つ裁判との関係で次のような問題があることも看過できないと思います。
それは地方自治法改正案の二百五十一条の五第八項を見てもらうとわかりますが、一方で行政事件訴訟法の八条二項及び二十五条から二十九条までの準用を認めていません。これは何を言っているかというと、不服申し立て前置があっても緊急の必要がある場合には不服申し立てを経ないで裁判所に行けるというのが八条二項です。それから、二十五条以下は御存じのように執行停止の仕組みです。これが準用から排除されています。それからもう一つ、四十四条に公権力の行使は仮処分ができないという規定があります。したがって、民事の争いもできません。
そうなってくると、新しい紛争処理の手続をつくっていただいたわけなんですが、この裁判は裁判をやったとしても直接執行が目前に迫っているという状況において、地方自治法改正案が認める紛争処理の仕組みを利用して争訟を提起したとしても、仮処分も執行停止の仕組みも結局使えないということになります。争訟係属中に直接執行をとめる道がありません。この間に直接執行されてしまえば訴えの利益がなくなりますから、裁判は維持できないということになります。この点で、ぜひ行政事件訴訟法の準用に関する規定に着目をしていただいて、見直しをしていただけないかというふうに思っています。執行停止の仕組みを盛り込む必要があると思います。
また、執行停止の仕組みを欠いた紛争処理の仕組みにもし手をつけないとするならば、地方公共団体は確実な救済の道として、もう一度原則に立ち返って、みずからの自治権が侵害されたというふうに主張し、みずから原告となり、今度の仕組みは機関訴訟という特別の仕組みを使っていますけれども、これでは救済の道が確保できませんから、通常の裁判、つまり通常の行政訴訟の道が開かれているということを改めて確認しておく必要があります。今度の仕組みがあるからもう普通のものは使わなくていいんだとか、そういう議論がもしあるとすれば、大変問題な状況が起こる可能性があると思います。
最後に、国による地方公共団体に対する関与の問題について、特に問題が大きいと考えています点について意見を述べさせていただきましたけれども、この間の衆議院での審議を拝見していまして、ほかの問題もそういうものが多々あるということは既に参考人の方々からも言われていますが、この関与の問題についても議論はまだまだ始まったばかりであるという印象を持っています。
したがいまして、地方自治法改正案はもちろん、四百七十五本という膨大な数の個別法の規定にも十分目を配り、さらには行政事件訴訟法等にも目を配っていただいて、きめ細かい審議をぜひお願いしたいというふうに思います。
どうもありがとうございました。
吉
脇
脇雅史#10
○脇雅史君 自由民主党の脇雅史でございます。
参考人の先生方、本日は早朝からおいでいただきまして貴重な御意見を賜りまして、本当にありがとうございました。私からも御礼を申し上げます。
さて、かねてから検討されてまいりました地方分権の一括推進法案、衆議院を終わりまして、参議院も大分審議を尽くしてまいったわけでございます。ただいま四人の先生方から御指摘をいただきました件も既に両院において話題に上っているところでございます。
総括的に振り返ってみますと、今回の一連の動きは大いに評価ができるものだと。しかし、人によりまして少し物足りなさがある、疑問があるといったような意見なんですが、その中で機関委任事務廃止、これは極めて大きな出来事であるという評価があるようですが、先ほど来お話がありますように、それに伴って地方事務官の制度が廃止になりましたり、あるいは国の関与の仕方が必然的に変化をしてくる。
その変化の行方について、これは私はおもしろいなと思うんですが、まさに正反対の評価であります。賛成の方は、これまで総理大臣が関与することになっていたものを、個別に今回行くわけですから当然各担任大臣がおやりになるということで、極めて真っ当な姿だ、しかも、のべつ幕なしに国が関与するわけではもちろんなくて、違法行為等がある場合等に限定的に行われるものだということで、当然ではないかというような趣旨でございますし、反対される方の意見からすれば、もしこれが乱用されれば地方の自治権が完全に阻害されるんだということで、むしろ今より悪くなるという評価でございます。
私自身は、これは実際にやってみなければわからない部分もかなりあって実績を待つという行き方もあるのかなというふうに思っておりますが、そんなことが大きな論点であります。
そしてまた、もう一つ大きな論点が、どうせやるならお金も一緒にやらなければ意味がない、財源、税源の問題でございます。これは本日も林先生から大分お話がありましたが、それをやらなければ地方分権は意味がないと。これはかねて衆参各場面でお話がありまして、今すぐにはできないけれども遠い将来の姿としては賛成だという御意見が大勢のようであります。
そして、きょうはお話が出ませんでしたが、地方に大きな権限を持っていくに当たって、首長さんの権限が非常に大きなものになるだろう、知事さん、市町村長さんの権力が肥大化しないだろうかという心配がありまして、多選禁止ということが多くの方から言われております。そこに何らかの歯どめをつけないと、いろいろな弊害が出るのではないかといったようなことであります。
そんなさまざまな大枠の意見がございましたが、おおむねこれを契機に一生懸命頑張ろうということであります。
私、一つ気になりますことは、今あります法律、これは国が定めたものであります、当然でありますが。これはすべて国の立場、国の立場ということが必ずしも地方と相対するものではないわけであります、地方の福祉、住民の福祉向上を考慮した上での国の立場でありますが、そういう立場から制定されているものでありますから、全国一律なんですね。法律の思想はまさに全国一律。法律を国会で定めて、全国に一律に適用するという意味では、この法律が存在する以上、法律の運用に当たってその実施の部分を国、大臣から知事に移す、知事から市町村長に移すと読みかえてみたところで本質は変わらない。
結局、課税自主権のこともお話になりましたが、法律を条例化していくといいましょうか、国でやらなくてもいい法律というのが少しあるのではないか。そういう意味での法律の整備が、要らないものといいましょうか、国がやらなくてもいい、地方で独自にやってもいいというものを将来は少しふやしていかないといけないのではないかな。しかし、これは課税自主権もその一つかもしれませんが、非常に大きな問題を生じる可能性もあるわけで、まさに将来に向けてどこまで地方に任せるかという非常に大きな問題を生むのではないかなと思っております。
そんな中で、非常に大変な話ではありますが、やはり個別の課題について、例えば道路なら道路をどうするんだと。国の立場で国のネットワークということを考えますと、これは地方に任せられない部分は当然残るわけです。だからといって道路は全部国がやらなければいけないわけではなくて、市町村の立場で見た、住民の立場で見た身近な道路のネットワークというのはあるはずでございまして、それをまた全国一律にやる必要はないかもしれません。
大くくりには全国一律の規定があっても、それぞれの細かい規定については、例えば自転車道の幅員をどれだけにするかとか通学路をどうするかとか、いろいろな住民の要望にこたえたり環境に応じてさまざまな幅員構成にしてみたり、いろいろ決めようがあるわけであります。そういう個別の検討をしていかなければ、地方分権の問題は本質的な解決を見ないのではないかな。
まさに、これは今回の諸井参考人の大変な御努力によりましてここまで来たわけでありますが、この一連の推進法案も、地方分権、長い歴史ではありますが、本格的な分権時代へのまさに幕あけではないかなというふうに感じるわけであります。これは本当に大きな問題でありまして、国にとりましても地方公共団体にとりましても、とりわけ住民の皆様方の意識という意味で大事だ、大変なことだというふうに思うわけであります。
そこで、諸井参考人にお聞きをしたいわけでありますが、今までいろいろさまざまな議論がおありだったと思います。ここまでやっとたどりついたという感慨もお持ちではないかというふうに思うわけでありますが、今ここに座られて、振り返られて本当に印象的なこと、そして将来これだけは何としてもやらなければいけないこと。特にお聞きしたいことは、今後何が一番大事なのか、残されたことで政府にとって何が大事か、そして地方公共団体にとって何が大事か、住民にとって何を考えるべきかといったことでお考えをお聞かせいただければと思います。
この発言だけを見る →参考人の先生方、本日は早朝からおいでいただきまして貴重な御意見を賜りまして、本当にありがとうございました。私からも御礼を申し上げます。
さて、かねてから検討されてまいりました地方分権の一括推進法案、衆議院を終わりまして、参議院も大分審議を尽くしてまいったわけでございます。ただいま四人の先生方から御指摘をいただきました件も既に両院において話題に上っているところでございます。
総括的に振り返ってみますと、今回の一連の動きは大いに評価ができるものだと。しかし、人によりまして少し物足りなさがある、疑問があるといったような意見なんですが、その中で機関委任事務廃止、これは極めて大きな出来事であるという評価があるようですが、先ほど来お話がありますように、それに伴って地方事務官の制度が廃止になりましたり、あるいは国の関与の仕方が必然的に変化をしてくる。
その変化の行方について、これは私はおもしろいなと思うんですが、まさに正反対の評価であります。賛成の方は、これまで総理大臣が関与することになっていたものを、個別に今回行くわけですから当然各担任大臣がおやりになるということで、極めて真っ当な姿だ、しかも、のべつ幕なしに国が関与するわけではもちろんなくて、違法行為等がある場合等に限定的に行われるものだということで、当然ではないかというような趣旨でございますし、反対される方の意見からすれば、もしこれが乱用されれば地方の自治権が完全に阻害されるんだということで、むしろ今より悪くなるという評価でございます。
私自身は、これは実際にやってみなければわからない部分もかなりあって実績を待つという行き方もあるのかなというふうに思っておりますが、そんなことが大きな論点であります。
そしてまた、もう一つ大きな論点が、どうせやるならお金も一緒にやらなければ意味がない、財源、税源の問題でございます。これは本日も林先生から大分お話がありましたが、それをやらなければ地方分権は意味がないと。これはかねて衆参各場面でお話がありまして、今すぐにはできないけれども遠い将来の姿としては賛成だという御意見が大勢のようであります。
そして、きょうはお話が出ませんでしたが、地方に大きな権限を持っていくに当たって、首長さんの権限が非常に大きなものになるだろう、知事さん、市町村長さんの権力が肥大化しないだろうかという心配がありまして、多選禁止ということが多くの方から言われております。そこに何らかの歯どめをつけないと、いろいろな弊害が出るのではないかといったようなことであります。
そんなさまざまな大枠の意見がございましたが、おおむねこれを契機に一生懸命頑張ろうということであります。
私、一つ気になりますことは、今あります法律、これは国が定めたものであります、当然でありますが。これはすべて国の立場、国の立場ということが必ずしも地方と相対するものではないわけであります、地方の福祉、住民の福祉向上を考慮した上での国の立場でありますが、そういう立場から制定されているものでありますから、全国一律なんですね。法律の思想はまさに全国一律。法律を国会で定めて、全国に一律に適用するという意味では、この法律が存在する以上、法律の運用に当たってその実施の部分を国、大臣から知事に移す、知事から市町村長に移すと読みかえてみたところで本質は変わらない。
結局、課税自主権のこともお話になりましたが、法律を条例化していくといいましょうか、国でやらなくてもいい法律というのが少しあるのではないか。そういう意味での法律の整備が、要らないものといいましょうか、国がやらなくてもいい、地方で独自にやってもいいというものを将来は少しふやしていかないといけないのではないかな。しかし、これは課税自主権もその一つかもしれませんが、非常に大きな問題を生じる可能性もあるわけで、まさに将来に向けてどこまで地方に任せるかという非常に大きな問題を生むのではないかなと思っております。
そんな中で、非常に大変な話ではありますが、やはり個別の課題について、例えば道路なら道路をどうするんだと。国の立場で国のネットワークということを考えますと、これは地方に任せられない部分は当然残るわけです。だからといって道路は全部国がやらなければいけないわけではなくて、市町村の立場で見た、住民の立場で見た身近な道路のネットワークというのはあるはずでございまして、それをまた全国一律にやる必要はないかもしれません。
大くくりには全国一律の規定があっても、それぞれの細かい規定については、例えば自転車道の幅員をどれだけにするかとか通学路をどうするかとか、いろいろな住民の要望にこたえたり環境に応じてさまざまな幅員構成にしてみたり、いろいろ決めようがあるわけであります。そういう個別の検討をしていかなければ、地方分権の問題は本質的な解決を見ないのではないかな。
まさに、これは今回の諸井参考人の大変な御努力によりましてここまで来たわけでありますが、この一連の推進法案も、地方分権、長い歴史ではありますが、本格的な分権時代へのまさに幕あけではないかなというふうに感じるわけであります。これは本当に大きな問題でありまして、国にとりましても地方公共団体にとりましても、とりわけ住民の皆様方の意識という意味で大事だ、大変なことだというふうに思うわけであります。
そこで、諸井参考人にお聞きをしたいわけでありますが、今までいろいろさまざまな議論がおありだったと思います。ここまでやっとたどりついたという感慨もお持ちではないかというふうに思うわけでありますが、今ここに座られて、振り返られて本当に印象的なこと、そして将来これだけは何としてもやらなければいけないこと。特にお聞きしたいことは、今後何が一番大事なのか、残されたことで政府にとって何が大事か、そして地方公共団体にとって何が大事か、住民にとって何を考えるべきかといったことでお考えをお聞かせいただければと思います。
諸
諸井虔#11
○参考人(諸井虔君) ありがとうございました。
おっしゃるように、四年間、五百回に及ぶ会議を重ねてようやくここまでたどりついたわけでございまして、そういう意味ではまことに感無量でございます。
ただ、私どもは、この地方分権というのは、今、先生がおっしゃいましたように、やはり身の回りのこととか地域のこととか、そういう問題についてはなるべく地域の住民の方々の意向で決定できるような、いわゆる住民自治の体制に持っていくというのが最終的な目的ではないかと思っております。そういう観点からすると、私どもがこの四年間にやってまいりましたこと、そしてまたそれを法律にしていただきました今回の一括法につきましても、いわば出発点を築いた、あるいはとにかく扉を開いたというような位置づけなのではないか。これをもって到達点と言うにはまことにほど遠いわけでございまして、ただ、やはり出発点を築いて、扉を開かないことには先へ進めないわけでございます。
これから先のことというのは、やはり国民の世論がどれだけ住民自治に対して盛り上がってくるかということに結局帰するわけでございまして、それが自治体も動かすでしょうし、政治も動かすでしょうし、そして国会において必要があればやはり次々に法律、制度等を改正していかれるものではないか、こういうふうに考えております。出発点をつくっただけでございまして、まだこれからやるべきことは多々あると存じております。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →おっしゃるように、四年間、五百回に及ぶ会議を重ねてようやくここまでたどりついたわけでございまして、そういう意味ではまことに感無量でございます。
ただ、私どもは、この地方分権というのは、今、先生がおっしゃいましたように、やはり身の回りのこととか地域のこととか、そういう問題についてはなるべく地域の住民の方々の意向で決定できるような、いわゆる住民自治の体制に持っていくというのが最終的な目的ではないかと思っております。そういう観点からすると、私どもがこの四年間にやってまいりましたこと、そしてまたそれを法律にしていただきました今回の一括法につきましても、いわば出発点を築いた、あるいはとにかく扉を開いたというような位置づけなのではないか。これをもって到達点と言うにはまことにほど遠いわけでございまして、ただ、やはり出発点を築いて、扉を開かないことには先へ進めないわけでございます。
これから先のことというのは、やはり国民の世論がどれだけ住民自治に対して盛り上がってくるかということに結局帰するわけでございまして、それが自治体も動かすでしょうし、政治も動かすでしょうし、そして国会において必要があればやはり次々に法律、制度等を改正していかれるものではないか、こういうふうに考えております。出発点をつくっただけでございまして、まだこれからやるべきことは多々あると存じております。
ありがとうございました。
脇
脇雅史#12
○脇雅史君 諸井先生からそのようにお伺いをいたしまして、大変に長い間御苦労されて、さまざまな方々の御議論をお耳にされた上での結論でございますから、私の印象もあながち間違いではなかったかなということで、これから今回の国会審議が終わって無事法案が成立いたしましたら、国民全体が力を合わせてあるべき方向を見つけていかなければいけないというふうに私自身も決意を新たにする次第でございます。
次に、池田参考人にお聞きをしたいと思います。
生活者の立場ということで、さまざまな経験をお持ちでございます。食品の安全ということで、いろいろ行政の壁にぶち当たったり、さまざまな困難なことがあったというふうなお話でありましたが、その中で、政府をも少しは動かすことができたということのようでありました。
私は、住民の方々がさまざまな場面でさまざまな意見を述べる、非常に大事なことだと思うわけでありますが、住民としてやらなければいけないことというのは、必ずしも住民の関心の高いことばかりではなくて、嫌なことも取り上げていかなければいけない。いろんな人がそんなものはほっておきたいというようなことが数多くあるわけでありますから、分権をきっちり進めていくためには、やはり嫌なことも何らかの格好で議題にのせていくというような仕掛けが要るのではないか。これはむしろ、あるいは住民の問題ではなくて地方公共団体の問題かもしれませんが、その辺で何か工夫がないかということが一つ。
それから、現在でもさまざまな場所で住民投票とかいろいろ言われておりますが、住民の意見と地方政府あるいは国の政府との意見が異なる、そのときに現在の議会制民主主義の決定の仕方と住民の直接関与する、したいという方向と必ずしもうまくかみ合わないというのが現状だと思うんですけれども、その辺の意見調整のルールといいましょうか、それをうまくつくっていかなければいけないというのが現在の我が国の状況だと思うわけでありますが、その辺につきまして、池田先生のこれまでのさまざまな経験からして御意見をお伺いしたいと思うわけであります。
この発言だけを見る →次に、池田参考人にお聞きをしたいと思います。
生活者の立場ということで、さまざまな経験をお持ちでございます。食品の安全ということで、いろいろ行政の壁にぶち当たったり、さまざまな困難なことがあったというふうなお話でありましたが、その中で、政府をも少しは動かすことができたということのようでありました。
私は、住民の方々がさまざまな場面でさまざまな意見を述べる、非常に大事なことだと思うわけでありますが、住民としてやらなければいけないことというのは、必ずしも住民の関心の高いことばかりではなくて、嫌なことも取り上げていかなければいけない。いろんな人がそんなものはほっておきたいというようなことが数多くあるわけでありますから、分権をきっちり進めていくためには、やはり嫌なことも何らかの格好で議題にのせていくというような仕掛けが要るのではないか。これはむしろ、あるいは住民の問題ではなくて地方公共団体の問題かもしれませんが、その辺で何か工夫がないかということが一つ。
それから、現在でもさまざまな場所で住民投票とかいろいろ言われておりますが、住民の意見と地方政府あるいは国の政府との意見が異なる、そのときに現在の議会制民主主義の決定の仕方と住民の直接関与する、したいという方向と必ずしもうまくかみ合わないというのが現状だと思うんですけれども、その辺の意見調整のルールといいましょうか、それをうまくつくっていかなければいけないというのが現在の我が国の状況だと思うわけでありますが、その辺につきまして、池田先生のこれまでのさまざまな経験からして御意見をお伺いしたいと思うわけであります。
池
池田敦子#13
○参考人(池田敦子君) 二つ御質問をいただいたと思っておりますが、初めの、住民も余りやりたくないことなどにどのような工夫をすることができるかというような御質問だったんですけれども、私は、いろんな場面で徹底的に情報を差し上げるというか、住民自身が得ることができれば、それはこういうわけで必要なのかというふうな納得があると思うんです。先ほど林先生の方もアカウンタビリティーというようなお話をされておりましたけれども、やはり情報公開あるいは知りたいことを知らせていく、そういった努力があれば、私は、自己責任ということがみずからわかってすべてに反対というようなことはないのではないかと思っております。
それからあと、議会の決定の仕組みと住民投票の矛盾といいますか、そういうことだと思いますが、私は、議会は間接的な民主主義だと思いますけれども、住民投票は直接民主主義に属することだと思います。それは、ある場面では必ず必要なことだと思いますが、今現在はある町にある事態を忌避したいというようなことに多く使われているのがある意味では残念だと私も思っているわけなんです。
できれば欧米にもございますような、アメリカでしょうか、レファレンダムとかイニシアチブとかいう制度なんですけれども、条例を提案したり修正ですね、そういったことを一つの提案に結びつける住民投票というんでしょうか、そういったことができるようになる。それは住民の成熟、自治の成熟の度合いとかそういったものにもよるかもしれませんが、私はそういうところまで、いろんな、最初は住民投票も起こるかもしれませんけれども、そういったところまで実際やってみることによって、それこそ自分たちの投票の持つ責任といいますか、そういったことが住民に納得され、制度は成熟していくというふうに考えております。
この発言だけを見る →それからあと、議会の決定の仕組みと住民投票の矛盾といいますか、そういうことだと思いますが、私は、議会は間接的な民主主義だと思いますけれども、住民投票は直接民主主義に属することだと思います。それは、ある場面では必ず必要なことだと思いますが、今現在はある町にある事態を忌避したいというようなことに多く使われているのがある意味では残念だと私も思っているわけなんです。
できれば欧米にもございますような、アメリカでしょうか、レファレンダムとかイニシアチブとかいう制度なんですけれども、条例を提案したり修正ですね、そういったことを一つの提案に結びつける住民投票というんでしょうか、そういったことができるようになる。それは住民の成熟、自治の成熟の度合いとかそういったものにもよるかもしれませんが、私はそういうところまで、いろんな、最初は住民投票も起こるかもしれませんけれども、そういったところまで実際やってみることによって、それこそ自分たちの投票の持つ責任といいますか、そういったことが住民に納得され、制度は成熟していくというふうに考えております。
脇
脇雅史#14
○脇雅史君 私が最初に申し上げたのは、賛成であるか反対であるかということではなくて、賛成でも反対でも、一般に住民の方々の俎上にのりにくい問題だけれども本質的に大事な問題というのが世の中にはたくさんあるわけで、そういったことをいかにうまく住民の方々の意見を吸い上げていけるのかなということがちょっと気になったということでございます。
住民の方々が多く声を発するというのは、極めて行政といいましょうか地方自治体であれ国であれ大事なことですから、それをうまく取り上げていくという仕掛けが本当に必要だと思っておりますが、私は、声の大きい人だけが物を言うということではなくて、住民の間の声をうまく取り上げていくにはやはり仕掛けが要るのであって、昔の隣組ではありませんが、それなりの住民のネットワークというのをこれからつくっていかなければいけないのではないかなと思います。
そのときに、いかに多くの方に参加いただけるそういうネットワーク、これは市民の義務としてそういったものをつくっていかないと分権の受け皿として最終的に落ちついたものにならないのではないかなと。今回の分権は国と地方公共団体のやりとりでありますが、最終的には住民の参加意識というところにいかないと分権は完結しないと思うものですから、その辺が大事なのではないかなということを感じているわけであります。
それから、次に林参考人にお伺いしたいのでありますが、きょうは特に財源、税源ということでお話しになられて極めて興味深かったわけでありますが、実はきのうも宮澤大蔵大臣もこの話をされていました。国全体の所得の再配分、再分配、地域的な配分といったような観点から、国がどうしても関与しなければいけない部分があるということと、それから地方が独自に課税自主権を持って変えていく、税金を形づくっていくということになりますと、あるところでは税金があったりなかったり、あるいは税率が違ったり、そうすると一物多価、一つの物がいろいろな値段で存在するといったようなこと、サービスから物の値段までさまざまになって、そういう状態に今の日本では余りにも情報と移動が容易なものですから国民全体がなれていません。
将来そういった、ガソリンなんかは大阪と東京ではえらい違いがあって私はびっくりしたこともあるんですが、地方によって物の値段が大きく変わってくるといったようなこと、そしてサービスの水準も変わってくるといったことについて、国民の側の、住民の側の覚悟があるのかという常識論みたいな部分から始めて、そういう意識革命というか意識の改革がなければ最終的にはいかないのではないか。
これはまた非常に大きな問題ですから、全部一発で革命的にやるのではなくて、例えば何らかの税について一つ外して様子を見るといったようなやり方もあるのではないかと思うんですが、将来のことはともかくとして、現在はこれだけ地方も国もだめだから少しもやれないというような状態にあるわけですが、遠い将来を見越して何からやっていくのか、少し手順について住民の意識等の問題もひっくるめてお話を伺えればと思います。
この発言だけを見る →住民の方々が多く声を発するというのは、極めて行政といいましょうか地方自治体であれ国であれ大事なことですから、それをうまく取り上げていくという仕掛けが本当に必要だと思っておりますが、私は、声の大きい人だけが物を言うということではなくて、住民の間の声をうまく取り上げていくにはやはり仕掛けが要るのであって、昔の隣組ではありませんが、それなりの住民のネットワークというのをこれからつくっていかなければいけないのではないかなと思います。
そのときに、いかに多くの方に参加いただけるそういうネットワーク、これは市民の義務としてそういったものをつくっていかないと分権の受け皿として最終的に落ちついたものにならないのではないかなと。今回の分権は国と地方公共団体のやりとりでありますが、最終的には住民の参加意識というところにいかないと分権は完結しないと思うものですから、その辺が大事なのではないかなということを感じているわけであります。
それから、次に林参考人にお伺いしたいのでありますが、きょうは特に財源、税源ということでお話しになられて極めて興味深かったわけでありますが、実はきのうも宮澤大蔵大臣もこの話をされていました。国全体の所得の再配分、再分配、地域的な配分といったような観点から、国がどうしても関与しなければいけない部分があるということと、それから地方が独自に課税自主権を持って変えていく、税金を形づくっていくということになりますと、あるところでは税金があったりなかったり、あるいは税率が違ったり、そうすると一物多価、一つの物がいろいろな値段で存在するといったようなこと、サービスから物の値段までさまざまになって、そういう状態に今の日本では余りにも情報と移動が容易なものですから国民全体がなれていません。
将来そういった、ガソリンなんかは大阪と東京ではえらい違いがあって私はびっくりしたこともあるんですが、地方によって物の値段が大きく変わってくるといったようなこと、そしてサービスの水準も変わってくるといったことについて、国民の側の、住民の側の覚悟があるのかという常識論みたいな部分から始めて、そういう意識革命というか意識の改革がなければ最終的にはいかないのではないか。
これはまた非常に大きな問題ですから、全部一発で革命的にやるのではなくて、例えば何らかの税について一つ外して様子を見るといったようなやり方もあるのではないかと思うんですが、将来のことはともかくとして、現在はこれだけ地方も国もだめだから少しもやれないというような状態にあるわけですが、遠い将来を見越して何からやっていくのか、少し手順について住民の意識等の問題もひっくるめてお話を伺えればと思います。
林
林宜嗣#15
○参考人(林宜嗣君) どうもありがとうございました。
私がお話をさせていただきましたことは非常に長期の問題ではありますけれども、やはり今から少しずつそういう目標に向かって前進していかなければいけない。ただ、私がお話をしましたようなことが国民の議論の中に大きな課題としてこれから植わっていかなければならないのではないかというぐあいに考えております。
住民の責任かどうかというのはまた別にいたしまして、先ほど池田参考人の方からもお話がございましたように、情報の提供の仕方が非常にまずい。例えば広報なんかでも、固定資産税の納期はいつまでですという情報は出ますけれども、固定資産税という税金が一体どのように使われているか、これもいわゆるマクロで、教育費が何%といったような形でしか情報が提供されない。あなたたちが納めた税金がどのような形で使われているかということをわかりやすく情報として流そうと思いますと、行政サービスにどれだけのコストがかかっていて、その行政サービスをどの程度の人たちが利用しているのか、受益者はどの程度あるのかといったようなことまで含めて情報を流していかなければいけない。
私はその情報を流すことで住民参加というものが随分変わってくるんだろうと思います。そのことがひいては税のあり方、今はかなり地方税の部分でも法人税が多いとかあるいは住民税も応能課税的になっているとかといったようなことに対する疑問をまず感じていただくためには、そういうコスト情報あるいは受益情報、こういったようなものを明確に流していくということからまず始まっていかなければならないのではないかというぐあいに思っております。
この発言だけを見る →私がお話をさせていただきましたことは非常に長期の問題ではありますけれども、やはり今から少しずつそういう目標に向かって前進していかなければいけない。ただ、私がお話をしましたようなことが国民の議論の中に大きな課題としてこれから植わっていかなければならないのではないかというぐあいに考えております。
住民の責任かどうかというのはまた別にいたしまして、先ほど池田参考人の方からもお話がございましたように、情報の提供の仕方が非常にまずい。例えば広報なんかでも、固定資産税の納期はいつまでですという情報は出ますけれども、固定資産税という税金が一体どのように使われているか、これもいわゆるマクロで、教育費が何%といったような形でしか情報が提供されない。あなたたちが納めた税金がどのような形で使われているかということをわかりやすく情報として流そうと思いますと、行政サービスにどれだけのコストがかかっていて、その行政サービスをどの程度の人たちが利用しているのか、受益者はどの程度あるのかといったようなことまで含めて情報を流していかなければいけない。
私はその情報を流すことで住民参加というものが随分変わってくるんだろうと思います。そのことがひいては税のあり方、今はかなり地方税の部分でも法人税が多いとかあるいは住民税も応能課税的になっているとかといったようなことに対する疑問をまず感じていただくためには、そういうコスト情報あるいは受益情報、こういったようなものを明確に流していくということからまず始まっていかなければならないのではないかというぐあいに思っております。
脇
脇雅史#16
○脇雅史君 どうもありがとうございました。
林参考人の御意見は、受益と負担ということを常に念頭に置かれているようで、私はこれは極めて大事なことだというふうに申し上げたいと思うんです。
税金をどれだけ払ってどれだけの受益を得ているかというのは、一人一人そういう意識が要るだろうと思いますし、国がやれ地方がやれと言っても、だれかの税金ですから、勝手に金が降ってくるわけではなくて、だれかの懐から出たお金をそこに回すんだということですから、だれが負担しているのか、そういうことをしっかり意識していかないと、自分が何ぼ払ってどれだけ還元されているかという意識は非常に大事なことだというふうに共感した次第であります。
それから、市橋参考人は、先ほど私冒頭でも申し上げたんですが、国の関与の仕方ということで、余りいい悪いというルール上の問題にのめり込まずに、少しやってみて悪ければ変えていくという柔軟な発想が、特に今回の一連の分権の動きが、諸井参考人のお話ではございませんが、まさに幕あけということでありますから、そういう態度が必要なのではないかというふうに感じるんですが、いかがでございましょうか。
この発言だけを見る →林参考人の御意見は、受益と負担ということを常に念頭に置かれているようで、私はこれは極めて大事なことだというふうに申し上げたいと思うんです。
税金をどれだけ払ってどれだけの受益を得ているかというのは、一人一人そういう意識が要るだろうと思いますし、国がやれ地方がやれと言っても、だれかの税金ですから、勝手に金が降ってくるわけではなくて、だれかの懐から出たお金をそこに回すんだということですから、だれが負担しているのか、そういうことをしっかり意識していかないと、自分が何ぼ払ってどれだけ還元されているかという意識は非常に大事なことだというふうに共感した次第であります。
それから、市橋参考人は、先ほど私冒頭でも申し上げたんですが、国の関与の仕方ということで、余りいい悪いというルール上の問題にのめり込まずに、少しやってみて悪ければ変えていくという柔軟な発想が、特に今回の一連の分権の動きが、諸井参考人のお話ではございませんが、まさに幕あけということでありますから、そういう態度が必要なのではないかというふうに感じるんですが、いかがでございましょうか。
市
市橋克哉#17
○参考人(市橋克哉君) 御指摘のとおり、現在のこの関与の問題をめぐっては、関与に関して国が一定の状況においては当然することが責任上必要であるという意見と、それから現在の自治事務との関係で見ながら、あるいは先ほど最初に述べましたように、主従の関係から対等、協力の関係にするのだという観点から見ると、どうもそういう対等のものではないんではないか、あるいは自治体の方を信頼していないんではないかという意見と二つに割れている、客観的な状況としてはそういうことだと私も思っています。
それで、少しやってみて、それでおかしければ変えたらどうかという御意見なんですが、私の意見としましては、最初にこれは諸井委員長の方も言われましたように、原則として従来の主従の関係から対等、協力の関係に変える第一歩をつくるのだというふうに考えるとするならば、やはりそれを推し進めるような、それにブレーキをかけるようなものではなくてそれにアクセルをかけるような、そういう法律の仕組みをできる限りつくっていただきたいという気持ちでいます。
この発言だけを見る →それで、少しやってみて、それでおかしければ変えたらどうかという御意見なんですが、私の意見としましては、最初にこれは諸井委員長の方も言われましたように、原則として従来の主従の関係から対等、協力の関係に変える第一歩をつくるのだというふうに考えるとするならば、やはりそれを推し進めるような、それにブレーキをかけるようなものではなくてそれにアクセルをかけるような、そういう法律の仕組みをできる限りつくっていただきたいという気持ちでいます。
脇
脇雅史#18
○脇雅史君 私つくづく感じるのですけれども、分権を考えていくときでも何でもそうなんですが、国でさまざまな不祥事があったりいたしまして、国に対する信頼感というのが非常に今薄らいでいる。私は実質以上に虚像として語られている部分が多過ぎやしないかなというふうに懸念しているんです。
特に、マスコミを中心として悪かった人のことばかり言っていますので、全体の意識として国全員が悪いように思われがちでありますが、決してそうではなくて、大多数の国の役人、県の役人というものは本当に世のため人のためと申していいほど一生懸命働いているのが実態だと思うわけで、国に任せること、国に関与させることが悪であるという前提ではなしに、善ではあるけれども間違うことがあるという、そういう感じ方の方がよろしいのではないかというふうに思うわけです。悪かった場合、間違えた場合には徹底的にそれを裁き評価をしていくということが大事なんであって、それをすぐ全体の否定につなげるというのは、どうも国全体の進み方として非常にうまくないのではないかといったことを私自身は感じております。
さて、そろそろ時間がなくなってまいりましたので、あと二分という表示、今一分になりましたが、一人十五秒ぐらいで首長多選について簡単に、諸井先生から御意見を承れればと思います。
この発言だけを見る →特に、マスコミを中心として悪かった人のことばかり言っていますので、全体の意識として国全員が悪いように思われがちでありますが、決してそうではなくて、大多数の国の役人、県の役人というものは本当に世のため人のためと申していいほど一生懸命働いているのが実態だと思うわけで、国に任せること、国に関与させることが悪であるという前提ではなしに、善ではあるけれども間違うことがあるという、そういう感じ方の方がよろしいのではないかというふうに思うわけです。悪かった場合、間違えた場合には徹底的にそれを裁き評価をしていくということが大事なんであって、それをすぐ全体の否定につなげるというのは、どうも国全体の進み方として非常にうまくないのではないかといったことを私自身は感じております。
さて、そろそろ時間がなくなってまいりましたので、あと二分という表示、今一分になりましたが、一人十五秒ぐらいで首長多選について簡単に、諸井先生から御意見を承れればと思います。
諸
諸井虔#19
○参考人(諸井虔君) 委員会の中でも首長多選についていろいろ議論いたしました。何かやはりこれについて言うべきではないかという議論もありましたのですが、やっぱり最終的にはこれは自治体で自主的にお決めになるべきことではないかという、そういう形で結論を出しました。
この発言だけを見る →池
林
市
市橋克哉#22
○参考人(市橋克哉君) 私の意見は、多選に関しては法的に規制するということについては反対です。ただ、皆さんと同じでして、住民のやはり自己決定、自治に任せて、住民の中からそういうものに対する批判が世論になることを期待しています。
この発言だけを見る →脇
朝
朝日俊弘#24
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。
冒頭に、四人の参考人の皆さん、多分それぞれに急なお願いだったと思いますが、御出席をいただきましてありがとうございました。私からも御礼を申し上げたいと思います。
いろんなことをお尋ねしたいんですが、限られた時間ですので、幾つかの問題に絞って御意見をお聞かせいただきたいと思います。
その前に、私調べてみましたら、この法案審議にかかわっての参考人あるいは公聴会で女性の方が出席されたのは初めてなんだそうであります。こんなことではいけないなと思いつつ、そんなこともありましたので、きょうはレディーファーストで池田参考人からお話を伺いたいと思います。
実は、多くの方がおっしゃっていますように、今回の地方分権の一括法案、機関委任事務というところに着目をして扉をあけた、大きな意味ではステップを踏み出しつつある、こういう理解だと思うんです。ただ、地方分権の話は機関委任事務を廃止して自治事務と法定受託事務に新たに分けて、こういう話になるものですから、さて、そこからもうわからなくなっちゃうというか、何のことかなと。機関委任事務という言葉というのは随分専門用語ですね。それから、新たに出された法定受託事務という言葉も、お隣で諸井委員長がうなずいておられますけれども、非常に難解な言葉から始まる。せっかくの地方分権推進の第一歩というか大きなステップである地方分権推進一括法案の議論が、どうも市民というか住民の立場から見るとわかりにくいというか、取っつきにくいというか、受けとめにくい。
私もいろんな方といろいろお話しするんですが、そういう行政用語ではなくて、例えば先ほど池田参考人がお話しになりましたけれども、食品安全条例をつくろうということで動いたときに機関委任事務という問題にぶつかって、国と都がどうなのかということになってくる。つまり、具体例でもっと説明をしていかないと、あるいは訴えていかないとなかなか市民の皆さん、住民の皆さんには受けとめていただけないのではないかという心配を持っているわけです。
生活者の立場でいろいろ市民活動に携わってきておられる池田さんの方から、どうしたらこの問題をもっと市民の皆さんに受けとめていただけるのか、あるいはどんな議論の仕方を国会でしたらいいのか、政府はどうしたらいいのか、注文も含めて御意見をいただければありがたいと思います。
この発言だけを見る →冒頭に、四人の参考人の皆さん、多分それぞれに急なお願いだったと思いますが、御出席をいただきましてありがとうございました。私からも御礼を申し上げたいと思います。
いろんなことをお尋ねしたいんですが、限られた時間ですので、幾つかの問題に絞って御意見をお聞かせいただきたいと思います。
その前に、私調べてみましたら、この法案審議にかかわっての参考人あるいは公聴会で女性の方が出席されたのは初めてなんだそうであります。こんなことではいけないなと思いつつ、そんなこともありましたので、きょうはレディーファーストで池田参考人からお話を伺いたいと思います。
実は、多くの方がおっしゃっていますように、今回の地方分権の一括法案、機関委任事務というところに着目をして扉をあけた、大きな意味ではステップを踏み出しつつある、こういう理解だと思うんです。ただ、地方分権の話は機関委任事務を廃止して自治事務と法定受託事務に新たに分けて、こういう話になるものですから、さて、そこからもうわからなくなっちゃうというか、何のことかなと。機関委任事務という言葉というのは随分専門用語ですね。それから、新たに出された法定受託事務という言葉も、お隣で諸井委員長がうなずいておられますけれども、非常に難解な言葉から始まる。せっかくの地方分権推進の第一歩というか大きなステップである地方分権推進一括法案の議論が、どうも市民というか住民の立場から見るとわかりにくいというか、取っつきにくいというか、受けとめにくい。
私もいろんな方といろいろお話しするんですが、そういう行政用語ではなくて、例えば先ほど池田参考人がお話しになりましたけれども、食品安全条例をつくろうということで動いたときに機関委任事務という問題にぶつかって、国と都がどうなのかということになってくる。つまり、具体例でもっと説明をしていかないと、あるいは訴えていかないとなかなか市民の皆さん、住民の皆さんには受けとめていただけないのではないかという心配を持っているわけです。
生活者の立場でいろいろ市民活動に携わってきておられる池田さんの方から、どうしたらこの問題をもっと市民の皆さんに受けとめていただけるのか、あるいはどんな議論の仕方を国会でしたらいいのか、政府はどうしたらいいのか、注文も含めて御意見をいただければありがたいと思います。
池
池田敦子#25
○参考人(池田敦子君) 大変難しいといいますか、大きな御質問をいただいて恐縮でございます。
私がきょう意見を述べさせていただく中に幾つか具体的な例を挿入しましたのは、やはり分権が進んだらどんなことが変わり、また生活のどこの部分がよくなるのかということを実際イメージとして説明できるというふうにならなければ、この分権はお役所がやっていることじゃないかというふうになってしまうのではないかと思っているわけなんです。
ですから、そういう意味では、ある法律のこの部分の機関委任事務が外れたら、先ほどの食品の例で言えば、機関委任事務で食品の監視をするということが外れたら、もしかしたらその地域で生産される食べ物については安全ですよということを自治体がお墨つきを出せるとか、あるいはこの農法のものはどういう基準によってつくられているからより安全ではないのかということがその自治体の議論の中で位置づけられていくというような、その具体的なことを説明していく仕事が特に国会議員の皆様にはおありなのではないか、議論をされている皆様にはおありなのではないかというふうに私は感じるところです。
ですから、委員会でもさまざま、例えば機関委任事務と法定受託事務がどうとかという中にも、今のようなことを一つ例にして説明していただければ、食品の安全の基準は自治体ではつくれなくて法に基づいてつくるとか、だけれども先ほど言った地域の生産物についてはどうできるとかというような、一つのそれも例ですけれども、分権についてそんなふうな御説明をぜひしていただけたらありがたいと思います。
ちょっと十分なお答えにならないかもしれませんが、思いです。
この発言だけを見る →私がきょう意見を述べさせていただく中に幾つか具体的な例を挿入しましたのは、やはり分権が進んだらどんなことが変わり、また生活のどこの部分がよくなるのかということを実際イメージとして説明できるというふうにならなければ、この分権はお役所がやっていることじゃないかというふうになってしまうのではないかと思っているわけなんです。
ですから、そういう意味では、ある法律のこの部分の機関委任事務が外れたら、先ほどの食品の例で言えば、機関委任事務で食品の監視をするということが外れたら、もしかしたらその地域で生産される食べ物については安全ですよということを自治体がお墨つきを出せるとか、あるいはこの農法のものはどういう基準によってつくられているからより安全ではないのかということがその自治体の議論の中で位置づけられていくというような、その具体的なことを説明していく仕事が特に国会議員の皆様にはおありなのではないか、議論をされている皆様にはおありなのではないかというふうに私は感じるところです。
ですから、委員会でもさまざま、例えば機関委任事務と法定受託事務がどうとかという中にも、今のようなことを一つ例にして説明していただければ、食品の安全の基準は自治体ではつくれなくて法に基づいてつくるとか、だけれども先ほど言った地域の生産物についてはどうできるとかというような、一つのそれも例ですけれども、分権についてそんなふうな御説明をぜひしていただけたらありがたいと思います。
ちょっと十分なお答えにならないかもしれませんが、思いです。
朝
朝日俊弘#26
○朝日俊弘君 むしろ私たちが考えなきゃいけない課題なのかもしれないと思いながら、四百七十五本ありまして、一つ一つ個別法をやっていこうとすると気が遠くなるような時間が必要だ。かといって、地方自治法の中での全体的な、機関委任事務をどうする、法定受託事務をどうする、自治事務をどうするという議論だけではなかなか具体論が見えない。そういう点ではぜひこれからも可能な限り、個別にどうなっていくのか、そのことを具体的にイメージしながら、あるいは具体的に語りながら市民の皆さんに問題を提起していくことが必要だなというふうに思っています。ぜひお知恵があれば今後も引き続きいただきたいなと思っております。
そこでもう一つ、池田さんは、生活者ネットワークという活動とあわせて東京都会議員を何期かされて、自治体議員という経験をお持ちなわけですね。自治体議員の皆さんのこの法改正に関する問題意識も、相当強く持っておいでの方から意外とそうではない議員さんもおいでになって、ちょっとどうなのかなと思うときが時々あるんです。それは多分、今回の中心的なテーマは国と地方、特に都道府県と市町村という二層構造を前提として地方分権をどう進めるかというところにあるものですから、これがもっと都道府県と市町村というところに具体的な議論が進んでいくと、かなり激烈な議論が起こるのではないかと思っているわけです。
そういう意味では次の課題なのかもしれませんが、都道府県と市町村との関係について何をどう切り込んだらいいのか。東京都というのはちょっとまた全体的なところとは違うところがあるかもしれませんが、市区町村というふうに考えれば二層構造なわけですから、そこのところで課題が何かということを御意見があればお聞かせください。
この発言だけを見る →そこでもう一つ、池田さんは、生活者ネットワークという活動とあわせて東京都会議員を何期かされて、自治体議員という経験をお持ちなわけですね。自治体議員の皆さんのこの法改正に関する問題意識も、相当強く持っておいでの方から意外とそうではない議員さんもおいでになって、ちょっとどうなのかなと思うときが時々あるんです。それは多分、今回の中心的なテーマは国と地方、特に都道府県と市町村という二層構造を前提として地方分権をどう進めるかというところにあるものですから、これがもっと都道府県と市町村というところに具体的な議論が進んでいくと、かなり激烈な議論が起こるのではないかと思っているわけです。
そういう意味では次の課題なのかもしれませんが、都道府県と市町村との関係について何をどう切り込んだらいいのか。東京都というのはちょっとまた全体的なところとは違うところがあるかもしれませんが、市区町村というふうに考えれば二層構造なわけですから、そこのところで課題が何かということを御意見があればお聞かせください。
池
池田敦子#27
○参考人(池田敦子君) 今のことにお答えする前に、先ほどの分権が進んだらどうなるのかという最大のキーポイントは、私は、自己決定できる、自分で決められるということが本当に保証されることではないかというふうに端的には思うということをつけ加えさせてください。
それから、都道府県から区市町村へということはやはり住民だと私は思うんです。都にももちろん住民はいるわけですけれども、自分の所属している自治体というのは、基礎自治体、区だったり市だったり町村だったりすると思いますが、そこに住民が存在しているということだと思うんです。ですから、一番都は、都道府県事務という広域なことを調整したり、あるいはある場合には援助をしたり、そういうことになってくると思いますけれども、そういう点でいえば、分権の社会になれば都道府県は非常に力が弱まるというんでしょうか、やはり国は法律を決めますけれども、都道府県は中間の存在になって、自治体がある意味では非常に重い決定権を持った重要な行政政府になってくると思います。そのことは結果的に言えば、住民が存在して、その住民が決定権を持ちながら自治を進めていくという、そういう構造に持っていかなければならないからではないかと思っているわけです。
ですから、私は、都と市町村の関係ということを分権型に進めていくには、先ほど申し上げましたように、国の関与が都道府県を通して市町村に及ぶというようなことはやっぱりなしにしてほしい、そういう法令はつくっていただきたくない。できるだけ自分の自治体で、特に政省令に当たるような細かいことが決められるようにするという、そういう意味では自治も、基本法があったり基本条例があったりするということが必要なのではないかと思います。
この発言だけを見る →それから、都道府県から区市町村へということはやはり住民だと私は思うんです。都にももちろん住民はいるわけですけれども、自分の所属している自治体というのは、基礎自治体、区だったり市だったり町村だったりすると思いますが、そこに住民が存在しているということだと思うんです。ですから、一番都は、都道府県事務という広域なことを調整したり、あるいはある場合には援助をしたり、そういうことになってくると思いますけれども、そういう点でいえば、分権の社会になれば都道府県は非常に力が弱まるというんでしょうか、やはり国は法律を決めますけれども、都道府県は中間の存在になって、自治体がある意味では非常に重い決定権を持った重要な行政政府になってくると思います。そのことは結果的に言えば、住民が存在して、その住民が決定権を持ちながら自治を進めていくという、そういう構造に持っていかなければならないからではないかと思っているわけです。
ですから、私は、都と市町村の関係ということを分権型に進めていくには、先ほど申し上げましたように、国の関与が都道府県を通して市町村に及ぶというようなことはやっぱりなしにしてほしい、そういう法令はつくっていただきたくない。できるだけ自分の自治体で、特に政省令に当たるような細かいことが決められるようにするという、そういう意味では自治も、基本法があったり基本条例があったりするということが必要なのではないかと思います。
朝
朝日俊弘#28
○朝日俊弘君 ありがとうございました。
もうあと九分になりましたので、ぜひ諸井参考人に一、二伺っておきたい点がございます。
先ほどもちょっと触れられましたけれども、今回の法改正は第四次勧告までの分を踏まえて一括法案として法改正する、そういう意味では、第五次勧告について第二次の推進計画の中に盛り込まれて、さあ、これからどうするかということが政府に求められている。それから、先ほどの話とちょっと関係するんですが、都道府県と市町村との関係について第六次勧告でというお話もあるやに伺っているわけで、お尋ねしたい点は、一つは地方分権推進委員会の残された期間なすべき課題が何で、どんなふうにされようとしているのか、まずそこの点を。
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先ほどもちょっと触れられましたけれども、今回の法改正は第四次勧告までの分を踏まえて一括法案として法改正する、そういう意味では、第五次勧告について第二次の推進計画の中に盛り込まれて、さあ、これからどうするかということが政府に求められている。それから、先ほどの話とちょっと関係するんですが、都道府県と市町村との関係について第六次勧告でというお話もあるやに伺っているわけで、お尋ねしたい点は、一つは地方分権推進委員会の残された期間なすべき課題が何で、どんなふうにされようとしているのか、まずそこの点を。
諸
諸井虔#29
○参考人(諸井虔君) 私ども、法律でもってまず政府が地方分権推進計画をつくるための具体的な勧告を出せということと、それと並んでもう一つは、それが実際に法律になり、あるいは政省令になり、具体的に実施ができるような形になっていくことを監視するという業務を帯びているわけですね。
勧告は五次勧告まで済ましております。それでもう一つ、六次をやるかどうかという問題が残っておりますが、これは、実は私ども、まず今の一括法案の御審議が終わって、その後委員会内部でいろいろ検討したいと思っております。同時に、自治体の御意見あるいは中央省庁の御意見あるいは有識者の方の御意見等を伺った上で、委員会内部で決定したいと思っております。
それはそれとして、法律ができたとして、その後政省令とか、場合によっては条例なんかも出てくるのかもしれません。そういうものがどういうふうにでき上がっていくのかというのはしっかり監視をしていかなくちゃいけないと思いますし、それから、これから新たにできる法律がやはりこの分権の考え方に沿って整理をされていくかというような点もチェックしていかなくちゃならないというふうなことで、この法律がもし成立いたしましたら、ぜひ成立させていただきたいわけでございますが、あと一年間違いなく実施されていくような、そういうような体制をつくることをまず第一にやっていかなくちゃならないというふうに考えております。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →勧告は五次勧告まで済ましております。それでもう一つ、六次をやるかどうかという問題が残っておりますが、これは、実は私ども、まず今の一括法案の御審議が終わって、その後委員会内部でいろいろ検討したいと思っております。同時に、自治体の御意見あるいは中央省庁の御意見あるいは有識者の方の御意見等を伺った上で、委員会内部で決定したいと思っております。
それはそれとして、法律ができたとして、その後政省令とか、場合によっては条例なんかも出てくるのかもしれません。そういうものがどういうふうにでき上がっていくのかというのはしっかり監視をしていかなくちゃいけないと思いますし、それから、これから新たにできる法律がやはりこの分権の考え方に沿って整理をされていくかというような点もチェックしていかなくちゃならないというふうなことで、この法律がもし成立いたしましたら、ぜひ成立させていただきたいわけでございますが、あと一年間違いなく実施されていくような、そういうような体制をつくることをまず第一にやっていかなくちゃならないというふうに考えております。
ありがとうございました。