地方行政・警察委員会

1999-11-16 参議院 全226発言

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会議録情報#0
平成十一年十一月十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月九日
    辞任         補欠選任
     西山登紀子君     市田 忠義君
 十一月十日
    辞任         補欠選任
     輿石  東君     北澤 俊美君
 十一月十一日
    辞任         補欠選任
     北澤 俊美君     輿石  東君
 十一月十六日
    辞任         補欠選任
     市田 忠義君     阿部 幸代君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         和田 洋子君
    理 事
                岡  利定君
                松村 龍二君
                朝日 俊弘君
                本田 良一君
                富樫 練三君
    委 員
                井上 吉夫君
                鎌田 要人君
                木村  仁君
                久世 公堯君
                谷川 秀善君
                野間  赳君
                輿石  東君
                山下八洲夫君
                大森 礼子君
                白浜 一良君
                阿部 幸代君
                照屋 寛徳君
                高橋 令則君
                松岡滿壽男君
   国務大臣
       自治大臣
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    保利 耕輔君
   政務次官
       運輸政務次官   中馬 弘毅君
       自治政務次官   平林 鴻三君
       自治政務次官   橘 康太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   政府参考人
       警察庁長官    関口 祐弘君
       警察庁長官官房
       長        石川 重明君
       警察庁刑事局長  林  則清君
       海上保安庁長官  荒井 正吾君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地方行財政、選挙、消防、警察、交通安全及び
 海上保安等に関する調査
 (神奈川県警等の不祥事に関する件)
 (地方分権の進ちょく状況に関する件)
 (市町村合併及び広域行政に関する件)
 (景気対策としての公共事業の進め方に関する
 件)
 (介護保険制度の導入に関する件)
 (沖縄サミットの海上警備に関する件)
 (首長の多選禁止の在り方に関する件)
 (防災計画に関する件)

    ─────────────
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和田洋子#1
○委員長(和田洋子君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る九日、西山登紀子さんが委員を辞任され、その補欠として市田忠義さんが選任されました。
 また、本日、市田忠義さんが委員を辞任され、その補欠として阿部幸代さんが選任されました。
    ─────────────
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和田洋子#2
○委員長(和田洋子君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方行財政、選挙、消防、警察、交通安全及び海上保安等に関する調査のため、本日の委員会に警察庁長官関口祐弘さん、警察庁長官官房長石川重明さん、警察庁刑事局長林則清さん及び海上保安庁長官荒井正吾さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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和田洋子#3
○委員長(和田洋子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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和田洋子#4
○委員長(和田洋子君) 地方行財政、選挙、消防、警察、交通安全及び海上保安等に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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谷川秀善#5
○谷川秀善君 自由民主党の谷川秀善でございます。
 トップを仰せつかりましたので、それぞれ御質問をさせていただきたいと思いますが、第二次小渕内閣が発足をいたしまして、自治大臣兼国家公安委員長には我が自由民主党の保利耕輔先生、総括政務次官には同じく平林鴻三先生、政務次官には同じく橘康太郎先生がそれぞれ御就任になりました。お三方、それぞれの道において大変御造詣の深い方々であり、今国会から政府委員制度が廃止され、原則として大臣、政務次官に御答弁をお願いすることになりました。我々自由民主党としては大変心強い限りであり、しっかりと堂々と自信を持って御答弁なり政治信念を御披瀝いただきたいと思うところであります。
 ところで、警察関係は政務次官がいません。事務的なことまで大臣にお伺いをするというわけにもいきませんので、政府参考人として警察庁官房長に御出席をお願いいたしておりますこと、御了承賜りたいと存じます。
 さて、このところ毎日、新聞を見るのが嫌になるぐらい、新聞をあけると警察関係の不祥事の記事がどんどんどんどんと、もうこれでもか、これでもかと出ているわけであります。ちょっと、私、九月ぐらいから切り抜きますとこれだけあるわけです。まだどんどこどんどこ出てくると。これでは、カラスの鳴かぬ日はあっても警察の不祥事の記事が出ぬ日はないと。もう非常に残念なことであります。本当にこれはとんでもない話だと私は思っております。
 例えば、最近、神奈川県警の記事だけでももう件数にすると二十三件ぐらいあるんですね。案件別に整理をしても二十三件ある。何かきのうまた出ているというふうなことでございまして、非常にこれ残念なことでありますので、警察についてお伺いをいたしたいと思います。
 まず、例えば、ことしの九月三日の記事です。「証拠品、無断持ち出し 神奈川県警相模原南署 巡査長、懲戒免に」、こういう見出しです。
 これは、いわゆる相模原南署の巡査長四十二歳が暴力団関係者宅から証拠品を押収した、それを上司の許可もとらないで外部に持ち出していたというふうなことで、昨年の十二月二十五日付で免職になっていたことが明らかになったと書かれているわけであります。それと同じ横に、神奈川県厚木署で集団警ら隊の暴行事件で七人が処分をされた、こう書かれているわけであります。
 これを調べていくと、いわゆる証拠品持ち出し、持ち出すのもいかぬけれども、今度はその証拠品をネタに脅した。これはとんでもないことです。証拠品をネタに女子大生を脅した、こういうことですね。その辺の経過はどうなっておるのか、まずそれからお伺いをいたします。
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石川重明#6
○政府参考人(石川重明君) 一連の神奈川県警察の不祥事案が発生をいたしまして、大変遺憾に存じておるわけでございますが、今お尋ねの相模原南警察署員の事案でございますが、相模原南警察署の刑事課に勤務をしておりました当時四十二歳の元巡査長が、多摩警察署という同じ神奈川県内の警察署に派遣をされまして窃盗事件の連合捜査に従事中のことでございますが、この窃盗事件の被疑者から任意提出を受けましたネガフィルムを整理していたところ、その中から本件被害女性に関する一部を抜き取りまして、平成十年十一月下旬に女性を呼び出しまして、言うことを聞かなければこのネガフィルムをマスコミに売るといったようなことを申し向けまして、当該女性に金銭や関係を強要したというものでございます。
 この事案は、被害女性から警視庁を通じて神奈川県警察に連絡をされまして、神奈川県警察において直ちに捜査を開始したわけでございますが、被害女性から捜査協力が得られないといったような事情がございまして捜査が行き詰まっていたわけでございます。捜査は行き詰まっておったわけでございますが、この刑事の行為というもの、これは、本人の供述等から非違行為は明らかであるといったことで、職にとどまらせるわけにはいかないということで懲戒免職の処分に、今委員御指摘のとおり、平成十年十二月二十五日付で付しました。
 そういうことで、捜査が行き詰まっておりましたが、本事案に関しまして、九月六日に警察庁から、捜査すべき事項があるならば捜査を尽くすようにという指導を行いまして、神奈川県警察において捜査チームをつくりまして再捜査を行いました結果、平成十一年十月一日に、この元巡査長をネガフィルム窃取の窃盗罪で逮捕して横浜地方検察庁に送検いたしまして、十月二十一日に同地方検察庁において起訴になったという事案でございます。
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谷川秀善#7
○谷川秀善君 それで、九月六日付の新聞、「神奈川県警また不祥事 二人が諭旨免職」、こうなっておるんです。これは、加賀町署の巡査部長四十七歳が痴漢行為で、また緑署の巡査部長四十九歳が万引きでそれぞれ諭旨免、こうなっておる。
 今の御答弁では、懲戒免にした、こういうことになっていますね。この諭旨免というのはどういう種類の懲戒なんですか。警察官の不祥事が起こった場合にどういう種類の段階の懲戒の仕方があるんでしょうか。それを説明していただけますか。
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石川重明#8
○政府参考人(石川重明君) 国家公務員法及び地方公務員法に懲戒処分が定められているわけでございますが、この種別といたしましては、免職、懲戒免職でございますが、免職、停職、減給、戒告といったものがございます。
 今お尋ねの諭旨免職は、これは、こうした正規の懲戒処分ではございませんが、本人に責任をとらせて辞職をさせる場合に通常の退職と区別するために使っている言葉でございます。
 警察では、規律違反の内容や平素の勤務状況といったようなことを勘案いたしまして、懲戒免職させる程度ではないけれども停職とか減給ということでそのまま警察にとどめておくことが適当でないというふうに認められる場合には、本人の責任を明らかにした上で辞職をさせておるわけでございまして、これを諭旨免職というふうに申しておるわけでございます。
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谷川秀善#9
○谷川秀善君 結局これ、諭旨免と言っていますが、任意退職でしょう。これは退職金を払うんでしょう。違いますか。その辺どうですか。
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石川重明#10
○政府参考人(石川重明君) 非違行為がなく依願退職ということもあるわけでございます。
 それで、諭旨免職というものと依願退職とで退職金に差があるかということでございますけれども、退職に伴う退職金の支払いの取り扱いについては、基本的に差異はないということでございます。
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谷川秀善#11
○谷川秀善君 結局、任意退職の場合は何らかの事情でやめる。これは半ば強制的だということですね、やめさせるんですから。そうでしょう。やめるのが嫌だと言ったらどうするんですか、辞表を書くのが嫌だと言ったらどうするんですか。そうじゃないでしょう、これは強制的に書かせるわけでしょう、辞表を。そんなものに退職金を払ってどうするんですか。
 大体、痴漢行為、万引きですよ、これ。そんなものに退職金を払ってどうするんですか。それだったら、三十年、四十年営々と何の悪いこともせずにまじめに勤めても退職金は同じ、痴漢や万引きをしても退職金は同じ。こんなの世間一般の常識で通用しますか。そう思いませんか。
 だから、その辺のところにやっぱり大きな問題があると思います。そんなの通用するはずがない。何か差をつけなきゃだめだ。せめて退職金が半分になるとか何かであれば、それもおかしいよ、おかしいけれども、まだ何か差があればある程度納得はできるかもわからぬ。同じだというんだ、退職金が。こんなのどこも通用しませんよ。どう思いますか。
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石川重明#12
○政府参考人(石川重明君) 現在の職員の退職手当に関する諸法令の仕組みがそういうふうになっておるわけでございます。ただ、強制的にやめさせるというのは若干語弊がございまして、とにかく本人が職にとどまることは適当でないという組織の判断でございます。そして、その職から辞させるということにおいてかなり厳しい内容を持っているというような位置づけで運用しておるわけでございます。
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谷川秀善#13
○谷川秀善君 それなら、諭旨免というのは戒告、訓戒よりも重いんですか、軽いんですか。それはどうですか。
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石川重明#14
○政府参考人(石川重明君) 懲戒免職とそれではない諭旨免職というものと、あるいは懲戒処分の中の停職とか減給との差ということで、必ずしも制度的なものがパラレルになっておりませんので比較することは難しいと思いますが、ただその後、職にとどまらせず職場を去らせるという意味では本人にとってきつい処分であるというような位置づけであります。
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谷川秀善#15
○谷川秀善君 そんなあほなことがありますか。
 私も長年役人をやってきました。処分もしてきました。
 諭旨免というのは、結局やめさせるわけですよ。戒告、訓告、減給、昇給停止、これは将来その人に影響があるわけです。やめてしまったら何の影響もないわけです。そうでしょう、違いますか。それなら、大手を振って、現職にとどまって戒告だとか昇給停止だとか訓告だとかを受ければ、将来にわたって大変な影響を受けるわけでしょう。将来の仕事、昇進の場合でもちゃんと点数をつけているはずですから。諭旨免じゃ解き放ってしまうわけだから、私が今申し上げたように不公平感が非常に残るんではないかと。
 だから、せめて退職金についても丸々取り上げると。懲戒処分の場合は退職金は出ませんね。それに差をつけるというのであれば、その程度によって三分の一に減らすとか二分の一に減らすと。そういうことをやらないと、減給、戒告、停職、いろいろ受けた人との不公平感が出るし、一般の国民の目から見てもおかしいというふうな、悪いことのし放題で退職金を丸々もらってやめていくということですから、その辺のところを検討していただけますか、どうですか。ちょっと教えてください。
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石川重明#16
○政府参考人(石川重明君) 諭旨免職といわゆる懲戒処分との関係について、厳正にどういう処分を下すかということについて考えてまいりたいというふうに思います。
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谷川秀善#17
○谷川秀善君 これは公務員全体の問題ですから、なかなか警察庁だけでお答えをいただけないと思いますが、その辺は十分考える余地があるということで考慮をしていただきたいというふうに思います。
 それで、今度は九月八日付です。「今度は警部補、暴行容疑 昨夏 逮捕せず、処分もまだ」、これもまたけったいな話です。これは神奈川県警川崎署の警部補五十四歳が、昨年八月に酒に酔ってJR東海道線のグリーン車にグリーン券を持たずに乗り、注意された車掌に暴行を振るい、横浜地検に書類送検された。地検では起訴猶予、県警では処分をしていないと報道されておりますが、何か処分したようですけれども、いつやられたんですか。
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石川重明#18
○政府参考人(石川重明君) 今御指摘の事案は、川崎署交通課の五十三歳の警部補が昨年の八月二十八日に電車のデッキで車掌からグリーン車の利用料金の支払いを求められたわけでございますが、すぐに現金が発見できずにいた。そこで、車掌から定期券を取り上げられたといったようなことがございまして、口論になりました。その車内及び下車した駅のホームの上で車掌の頭を平手でたたくなどの暴行を加えて傷害を与えた、こういう御指摘のとおりの経緯をたどった事案でございます。十二月四日に暴行及び傷害で横浜地方検察庁に所轄署が書類送致をいたしました。ことしの三月二十四日付で起訴猶予処分となっております。
 神奈川県警からは、相手方との示談の成立を待って処分をする、すっかり片づいてから処分をするという予定であったけれども、刑事処分も終わって事案発生から一年を経過したため、いまだ示談不成立ではあるけれども、ことしの九月八日付で戒告処分に付したという報告を受けているところでございます。
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谷川秀善#19
○谷川秀善君 これもまたおかしいわね、一年たっている。地検では起訴猶予処分になっているんですよ。それで、何かこれを見ていると、新聞に出たからすぐ処分したのかなというような感じがしますよ。しかも、これ九月八日付の新聞、今聞いたら九月八日で戒告処分と。
 だから、何かどうも内輪をかばい過ぎるというか、それは同じ組織の中ですからある程度助け合いをせないかぬと思うけれども、やっていいことと悪いことがある。そのいい例が次に申し上げる覚せい剤事件です。これはもうとんでもない。
 九月二十三日付、「神奈川県警警部補 覚せい剤捜査受ける」、これはどうも九六年の事件のようです。それがことしです、「立件なし」。これは「神奈川県警薬物対策課が一九九六年十二月、同県警外事課の警部補(三七)の覚せい剤使用について捜査していたことが二十二日、明らかになった。警部補は覚せい剤の使用を認めたが、尿検査で覚せい剤反応が出なかったため、立件は見送られたという。」、これが今度のこの覚せい剤事件の発端です。それから次から次へいろんなことがわかってまいりまして、県警ぐるみ、本部長ぐるみだということになってきたわけです。
 その辺の経過をちょっと御説明いただけますか。
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石川重明#20
○政府参考人(石川重明君) 委員御指摘のとおり、ことしの九月二十二日から二十三日にかけまして、平成八年十二月のこの元警察官による覚せい剤事案の処理にいわゆる疑惑があるという配信、報道がなされたことに端を発しておりまして、県警において調査をしたところ、この事案の処理の経緯に不明瞭な点があるということになりました。
 九月二十四日から監察官室長を長とする特別調査チームを編成いたしまして調査、捜査を開始いたしたわけでございますが、十一月三日には刑事部長を長とする特別捜査班を編成して事案を捜査部門に移譲した。十一月四日にこの元警部補と同伴をしてまいりました女性を覚せい剤使用容疑で逮捕いたしました。現在、送致をしておるわけでございます。
 それから、この捜査の結果、十一月十四日に元本部長以下九名の神奈川県警察で勤務をした幹部を犯人隠避等の容疑で横浜地方検察庁に書類送致した、こういう経緯をたどっているわけでございます。
 これまで判明しております事件の概要を御報告いたしますと、ただいま申しましたように事件は二つになっておりまして、犯人隠避事件と証拠隠滅事件でございます。
 犯人隠避事件につきましては、平成八年十二月十二日の深夜に、元神奈川県警察の外事課に勤務しておりました当時三十四歳の警部補が外事課当直に深夜電話をかけてまいりました。その後、十三日未明、女性とともに本部の外事課にあらわれました。そこで事情を聞きましたところ、この元警部補が意味不明な言動をしておるといったようなことから覚せい剤の使用が疑われたということでございます。その十三日の午後、監察官室員による事情聴取に対しまして、この元警部補は不倫関係、覚せい剤使用及び所持をうかがわせる事実を供述いたしました。この供述に基づきまして、十四日には元警部補の自宅とJRの駅の付近を検索いたしまして、覚せい剤様のものと注射器を発見いたしております。
 これらの証拠品はこの元警部補の覚せい剤取締法違反を立証するための証拠として取り扱うべきところを、この元監察官は外事課長補佐に命じてこれを保管させ、薬物対策課に引き継がなかったということが認められます。
 さらに、この警部補をホテルに宿泊させまして、十三日から二十日までの間、連日採尿をいたしまして、採取した元警部補の尿検査を行ったわけでございます。十三日から十九日の間は覚せい剤の陽性反応があったわけでございますが、二十日に陰性となったという経緯をたどっているようであります。
 ちょっと戻りますが、十六日の午前中に本部長にこの事実の概要というものが報告になりまして、元本部長から一日も早くやめさせよという趣旨の指示があったと。これは、この事件を事件化することなくこの元警部補を諭旨免職とすることだなというふうに意図することに出たものというふうに認められる状況でございます。
 なお、これは捜査中でございますので、今判明していることについてのみお話し申し上げております。
 これを受けて、元監察官室長らは元生活安全部長のところに訪れまして協議をした結果、尿検査の結果が陰性になるまで捜査を行わないというようなことを了承させたわけであります。
 さらに、元監察官室長が、生活安全部による捜査は尿検査が陰性になってから行うという方針を元本部長及び元警務部長に報告し、両名がこれを了承したと。その後、元警部補を十七日付で不倫を理由とする諭旨免職処分。そして、元警部補の検査結果が、先ほど申しました陰性になりました二十日の時点でこの事件を本来薬物事件の捜査を行います薬物対策課に引き渡すように指示をした。
 事情を知らない薬物対策課員により捜査が行われたわけでございますが、元警部補の覚せい剤使用を立証するための証拠を得ることができず事件送致ができなかった、こういう経緯をたどっておるところでございます。
 次に、証拠隠滅事件の関係でございますが、先ほど申し上げましたように、元監察官の指示によりまして、平成八年十二月十四日に、元外事課長補佐を初めとする外事課員が元警部補の自宅と駅の付近を検索いたしまして、覚せい剤様のものと注射器を発見したわけでございますが、これら証拠品に関して鑑定などの手続を全くとらないまま保管するように外事課長代理に指示をいたしまして、この指示を受けて、この課長補佐がこれら証拠品を自己の個人用ロッカーに保管をしていたというような経緯をたどっております。
 平成九年十二月下旬ごろこれらを廃棄したということで、元警部補及び不倫相手の覚せい剤取締法違反に関する証拠隠滅をしたという事実関係でございます。
 以上でございます。
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谷川秀善#21
○谷川秀善君 この事件はちょっと我々の常識では考えられない事件であります。部下をかばうというのにも、物事には限度がありまして、まるっきりぐるみ、ぐるみの典型であります。犯罪を取り締まる側がぐるみでそんなことをやっていたら本当に国民はだれを信用していいのかわからなくなります。だから、私らも大阪へ帰りましても、あれは神奈川県警だけじゃない、全国の警察皆やっているのと違うか、こう言っています。全国の警察皆やっているんじゃないか、これは氷山の一角であると。これは、もう今や国民の警察に対する不信感というのは頂点にきわまっておるというふうに私は思います。
 そこで、これまた諭旨免でしょう、その人はまた退職金出ているんでしょう。だから、諭旨免というのは非常なからくりがあるんです。これは後でまた聞きます。
 警察官が内部で不祥事を起こします。いろんな事件を起こします。そのときの処分の手続というのはどのようにやっておられるんですか。
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石川重明#22
○政府参考人(石川重明君) 一般的には、職員の非違行為の全容が判明した段階で厳正、公平な処分を行うという方針で臨んでおるわけでございまして、この場合、任命権者である本部長が警察本部内の部長等で構成される懲戒審査委員会を設置、開催する、そしてその審査委員会において事案を審査の上、その結果を本部長に報告するという仕組みになってございます。
 本部長は、非違行為事実や懲戒審査委員会の勧告結果につきまして公安委員会に報告をして、その指導を受け、懲戒処分を決定する、これが警察官が不祥事を起こした場合の処分手続の流れでございます。
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谷川秀善#23
○谷川秀善君 今、その流れをお伺いいたしましたが、まず非違、違法行為があったと認知した場合に監察官室によって調査をする、こういうことですね。この監察官室というのはどういう構成になっているんですか。構成というか、これは皆警察官ですね。内輪でしょう。外部の人は入っていませんね、監察官室の中には。当然そうだろうと思うんです。そうすると、内輪で捜査、調査するわけです。それで本部長に報告をする。
 都道府県でもそうですよ。監査委員事務局というのがあるんです。これはちょっと性格が違いますけれども。事務監査をやる、監査委員事務局が。ところが、事務局の局長以下全部二、三年したら異動して、今度監査される側に回るんです。これはもうしようがない。する方とされる方は皆同じ職員なんです。そうすると、どうしても、いつ何どき、今度される側に回る、する側に回る、皆暗黙わかっていますから、やっぱり手心を加えるんです。これはもうしようがない。だからいろいろ問題が起こって、今は監査委員の中で外部監査もできるようにしようといろんな工夫をしているわけです。
 そして、これで調査して、今度は懲戒審査委員会の設置及び審査と、こうなるんです。これは、大体は県警の部長が集まっいるのと違いますか。そうすると、これはもう内部ですわな。県警の部長さんが集まっている。それで本部長に報告をする。本部長は公安委員会へ報告をする。ここで初めて公安委員会、民間というか、そこが入ってくるわけです。
 ところが、公安委員さんというのは、御承知のとおり、民間の人だけれども大体議会の承認を得てそれぞれなっておられます。公安委員さんに聞いてみると、こういう案件だと私は何もわからぬから、もう何にも意見を言わずにすっすと皆通る、こう言うんです。それはそうでしょう。無理ですわ、そんな専門家でない人に。中には、大阪なんかの場合は高裁の長官をした人も入ったりしていますけれども、主に大体素人です。
 そうすると、チェック機能が全然働いていないということになるわけです。これはやっぱり何かお考えにならないと、内部で処理をして内部で全部済ませてしまうということになると思うんです。そうすると、国民なり市民の方々の信頼はそこで担保できない。信頼を担保できる制度になっているんですよ、一応は。国では国家公安委員会があり、地方では公安委員会がありますから。なかなかそれは難しいということになっているんです。
 それで、大阪の場合に、昔、大阪府警で交番所へ拾得物を持っていった、そうすると交番所の巡査が猫ばばしてしもうたという事件があるんです、猫ばば事件。それをきっかけに、文化人らによって「これからの府警を考える会」というのが発足をしたんです。それで、外部意見を警察活動に取り入れよう、それと同時に自助努力を当然しようという動きになってきたんです。
 これを考えても、外部監査というか、そういうときに外部でそういうことができるようなことをやっぱりお考えになった方が国民の信頼の担保、これは担保が必要だと思いますから担保しないといかぬと思うんですけれども、国家公安委員長としての保利大臣はどうお考えでございましょうか。
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保利耕輔#24
○国務大臣(保利耕輔君) ただいま委員から、いろいろな事例を引いて神奈川県警、警察内部のいろいろな問題について御指摘がございまして、私も謹んで拝聴させていただきました。
 私は、今、国家公安委員長としてこういう問題をどうしていったらいいのかということについて思い悩んでおりますが、御指摘のとおり、公安委員会の役割というものが警察内部から不祥事が起こった場合にいち早く報告を受けそれに対して指導をするという、そういう立場にございまして、いわば事後処理で、平たく言えばけしからぬということを言っているというのが公安委員会の現在の状況だと思います。
 警察内部の規律について指導していくというもう少し内部に突っ込んだ形での公安委員会のあり方、これは県警においても同じことでありまして、そういう体制を構築していく中で警察の厳正な内部規律をきちんと守るというような体制を整備していくことが公安委員会としての新しい仕事といいますか、新たな仕事といいますか、本来なくてはならない仕事といいますか、いろいろな表現があると思いますが、そういうものになるのではないか、こんなふうに思っております。
 したがいまして、私どもは、外部の方からいろいろな御意見を承りつつも、公安委員会としてきちんと警察体制について指導していくということについてどういう方法があるだろうか、どういう点を直していったらいいだろうかということを公安委員会制度を考える中で十分に検討してまいりたいと思っております。
 もちろん、外部の御意見については謹んで承るということについては変わりありませんが、私どもは公安委員会の役目の中で警察体制を立て直していくということに尽力をしてまいりたい、こんなふうに考えております。
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谷川秀善#25
○谷川秀善君 おっしゃるとおりだと思うんです。なかなか警察という仕事の性格上、外部からというのは言い得ても、言うはやすし行うはかたしです。幸い、公安委員会制度というものが発足をしてもう定着しているわけですから、私はこの公安委員会の役分というか働きが十分民意を反映でき、しかも組織を十分指揮監督できるようなものに衣がえする努力をしていただきたい、これを契機として御検討いただきたいというふうに私は思います。これは答弁は要りません。
 それで、今度は組織の内部の問題ですけれども、組織というのは肥大化すればするほど末端にまで目が行き届かないわけです。ましてや、警察なんかは、全国的には警察官だけでも二十三万ぐらいおるわけです。だから、なかなかそれを統括していくというのは大変なことだろうと私は思います。
 そこで、ちょっとお伺いしたいんですが、平成十一年度の警察官の数と、その中でいわゆるキャリアと言われている国家公務員上級試験合格者の数をちょっとお教えいただけませんでしょうか。
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石川重明#26
○政府参考人(石川重明君) 平成十一年度の全国、これは警察庁、皇宮警察、都道府県警察すべて含むわけでございますが、警察官定員は約二十二万九千人でございます。警察庁において国家公務員上級職試験あるいは国家公務員I種試験の合格者から警察官として採用された者は現在約五百二十名おる、こういう状況でございます。
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谷川秀善#27
○谷川秀善君 結局、キャリアというのは五百二十名ですか。私が調べたら百八十八名。えらい差がありますな。
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石川重明#28
○政府参考人(石川重明君) I種採用者は、今、警察庁の庁内で勤務するとともに、各管区警察局あるいは都道府県警察の地方警務官等として勤務をしている者もあるわけでございまして、I種あるいは前の制度でございますと上級職の採用者で現在警察に籍を置いている者は五百二十名でございまして、委員御指摘の百数十名というのは、都道府県警察に今勤務をしておるI種、上級職の数であろうというふうに思います。
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谷川秀善#29
○谷川秀善君 わかりました。
 それにしても、二十三万ぐらいのうち五百二十です。これは何分の一になりますか。
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