厚生委員会

2000-10-20 衆議院 全81発言

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会議録情報#0
平成十二年十月二十日(金曜日)
    午前十時五分開議
 出席委員
   委員長 遠藤 武彦君
   理事 鴨下 一郎君 理事 坂井 隆憲君
   理事 鈴木 俊一君 理事 山口 俊一君
   理事 桝屋 敬悟君
      岩崎 忠夫君    岩屋  毅君
      木村 義雄君    熊代 昭彦君
      田村 憲久君    竹下  亘君
      西川 京子君    林 省之介君
      堀之内久男君    三ッ林隆志君
      宮澤 洋一君    山本 明彦君
      吉川 貴盛君    吉田 幸弘君
      吉野 正芳君    江田 康幸君
      福島  豊君    上川 陽子君
      小池百合子君
    …………………………………
   厚生大臣         津島 雄二君
   厚生政務次官       福島  豊君
   政府参考人
   (厚生大臣官房総務審議官
   )            宮島  彰君
   政府参考人
   (厚生省健康政策局長)  伊藤 雅治君
   政府参考人
   (厚生省保健医療局国立病
   院部長)         河村 博江君
   政府参考人
   (厚生省医薬安全局長)  丸田 和夫君
   政府参考人
   (厚生省老人保健福祉局長
   )            大塚 義治君
   政府参考人
   (厚生省保険局長)    近藤純五郎君
   厚生委員会専門員     宮武 太郎君
    —————————————
委員の異動
十月二十日
 辞任         補欠選任
  西川 京子君     林 省之介君
  吉田 幸弘君     山本 明彦君
同日
 辞任         補欠選任
  林 省之介君     西川 京子君
  山本 明彦君     吉田 幸弘君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一号)
 医療法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)

    午前十時五分開議
     ————◇—————
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遠藤武彦#1
○遠藤委員長 これより会議を開きます。
 開会に先立ち、民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党及び社会民主党・市民連合所属委員に出席を要請いたしましたが、出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。
 内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案及び医療法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として厚生大臣官房総務審議官宮島彰君、厚生省健康政策局長伊藤雅治君、保健医療局国立病院部長河村博江君、医薬安全局長丸田和夫君、老人保健福祉局長大塚義治君、保険局長近藤純五郎君、以上の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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遠藤武彦#2
○遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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遠藤武彦#3
○遠藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉川貴盛君。
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吉川貴盛#4
○吉川委員 自由民主党の吉川貴盛でございます。
 このような重要な法案の審議に質問の機会をお与えいただきましたことを、厚く御礼申し上げたいと思います。
 津島厚生大臣、福島総括政務次官におかれましては、高齢化社会を迎えた中で、今、社会保障制度に関して国民の皆さんからさまざまな要望があるだろうと思います、そんな中で大変御苦労されて厚生行政を推進されておりますことに、まずもって心から敬意を表したいと思います。
 二十一世紀を目前に控えて、今国民の皆さんが何に不安を感じているのか。景気対策や教育問題もそうだと思いますが、私は、今一番国民の皆さんが求め、そして不安に思っていることは社会保障制度だと思うのです。社会保障制度に今しっかりと政治が答えを出さなければならない時代ではないかと思うのです。
 年金もしかりであります。介護保険はことしの四月からスタートいたしました。そして、今審議をしております医療法等の一部を改正する法律案や健康保険法の改正案もしかりでございます。国がどのぐらい国民の皆さんに負担ができるのか、国民の皆さんにどの程度負担をしていただけるのか。私は、医療保険や介護や年金を一つ一つとらえるのではなくて、トータルでこれをシステム化してしっかりとその答えを出していかなければ、二十一世紀においても国民の皆さんの不安は払拭できないと思っているわけであります。
 そのような意味におきましても、このたびの二つの改正案というのは、社会保障のあるべき姿の第一歩にしていかなければならないと私は思っております。委員の皆さんも先刻御承知のとおり、健保法改正案は唯一残された予算関連法案でありまして、一刻も早い成立が必要だと私は思っております。
 先日も健保連の、私は北海道でありますから、その代表の方々とお会いをいたしましたときに、全国的なお話を皆さんにしても御承知のとおりでありますから、あえてくどくど申し上げませんけれども、全国の一千七百八十健保組合の十一年度決算は、過去最大の二千三十三億円の経常赤字になりました。何と全体の七割の一千二百四十三組合が赤字になったということであります。
 ちなみに、ローカル的なことで申しわけありませんけれども、北海道内に二十一健保組合がございますが、十一年度の決算は最大の経常赤字になりました。経常収入が三百七十二億円中経常支出が約四百六十二億円、差し引き九十億円の赤字でありまして、二十一組合中十九組合といいますから、全国平均よりも率が高い九割が赤字決算ということになりました。それだけに、今度の健保法改正というのは、先ほども申し上げましたように一刻の猶予もないと私は思っているところであります。
 そこで、最初にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、健保法の改正につきましては、新たに患者負担がふえるのだと私は思うのです。出発をしてみなければわからない部分がたくさんあろうかと思いますけれども、年間医療費三十兆円と言われる中でトータルでどの程度の医療費抑制につながるのか、その点を伺いたいと思います。そしてまた、国費、いわゆる財政状況がどうなっていくんだろうか、健保組合の負担減はどの程度になっていくんだろうか、その辺をまずお伺いさせていただきます。
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近藤純五郎#5
○近藤政府参考人 今回の健保法の改正による制度改正によります給付費等の影響でございますけれども、満年度ベースで申し上げますと、給付費等で八百五十億程度の減と見込んでいるわけでございます。国庫負担につきましては二百十億円程度の減でございますし、健康保険組合の保険料負担につきましては百七十億円程度の減となっているわけでございます。
 そのほかに薬剤の一部負担の関係がございまして、これは一月当たり約二百億円の減になるものでございます。これは全額国庫負担でございます。
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吉川貴盛#6
○吉川委員 ありがとうございました。
 次にお伺いをさせていただきたいと思います。
 健保法の改正において、私は、病院あるいは診療所の窓口において多少の混乱が出るだろうと思うのです。窓口においてこのたびの改正案というものを十分に説明されると思いますし、あるいは医師の皆さんも患者さんに対して、なぜ健保法を改正するか、そして、負担の部分が定率であるとか定額であるとかということは十分に説明はしていただけるんだろうと思うのですけれども、私は、現場と言ってはおかしいのですが、医師や病院の窓口だけに任せているだけではいけないと思うのです。
 そこで、どのような広報の手段を講じるのか、お伺いをいたしたいと思うのです。
 とりわけ国、厚生省はどうかわかりませんけれども、私は、国民に周知徹底の広報の仕方が物すごい下手なような気がしてならないのです。先ほども申し上げましたように、特にこれから二十一世紀に向けて社会保障制度のあるべき姿というのをしっかりと答えを出していかなければならないときのこの法改正でございますから、なぜ今健保法改正なのかということをしっかりと国民の皆さんが理解できるような広報をきめ細かにすべきだ、私はこう思うのです。その辺の手段等々、どのような広報をして周知徹底をされていくのか、なるべく詳しくお知らせいただきたいと思います。
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近藤純五郎#7
○近藤政府参考人 今回の老人の一部負担の関係、その他高額療養費等いろいろあるわけでございまして、制度の仕組みとして複雑になっているわけでございますし、きめ細かい対応ということで、わかりにくい面もあろうかと思うわけでございます。
 したがいまして、そういった改正の趣旨といったものを十分御理解いただくと同時に、具体的な内容、どうなるのかということにつきましても、対象者の多くの方が、お年寄りが多いわけでございますので、こういう方に的確に御理解をいただくようにいろいろな手段を用いなければならぬ、こういうふうに考えているわけでございます。
 それで、今考えていることを具体的に申し上げますと、まだまだこれから詰めなければいかぬことが多いわけでございますけれども、一つは、改正の内容、考え方につきまして、国みずからがやらなければいかぬと思っております。厚生省にもインターネットのホームページもございますし、さまざまな媒体を使いまして、政府広報といったようなものも使わせていただいて広報に努めたい、こういうふうに思っておりますし、やはり地元でやっていただかなければいかぬということで、地方公共団体でございますとか各保険者にも御協力をいただきまして、地域ごとあるいは職域ごとにきめ細かな周知の方法を考えなければいかぬ、こういうふうに考えているわけでございます。
 それから、患者の方になりますと、やはり現場ということが一番大事なわけでございますので、医療現場におきます周知、広報というのもぜひともお願いをしなければいかぬというふうに思っているわけでございます。一つは、病院とか診療所の中の見やすいところに、月額の上限でございますとか定額あるいは定率負担の別など、一部負担に関します事項を明確な形で掲げていただく必要があるというふうに考えております。
 それから、現場に行かなくても、この病院とか診療所がどういう負担のやり方をとっているのかなというふうなことも市町村の広報などを通じて周知していただく必要があるわけでございまして、市町村等の窓口におきまして、必要な情報を、各病院とか診療所の一覧表みたいなものをつくっていただいて見れるような体制づくりをしたい、こういうふうにも考えているわけでございます。
 いずれにいたしましても、個々の高齢者の視点に立ちまして必要な対応を考える必要がある、こういうふうに考えているわけでございまして、私どもとして精いっぱい必要な支援を行ってまいりたいと考えております。いろいろな多面的な取り組みが必要だというふうに考えておりますので、関係団体にも十分御相談を申し上げまして、実地に即しました形で対応してまいりたい、こういうふうに考えております。
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遠藤武彦#8
○遠藤委員長 局長、端的に聞いているんですから簡潔に。
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吉川貴盛#9
○吉川委員 今、広報の手段、周知徹底の仕方を局長からお伺いさせていただきましたけれども、インターネット、ホームページでもという話をされましたが、今度の健保法改正は、特にお年寄りの方がかなり対象になるということをみずから今おっしゃいましたね。IT、ITと言っておりますけれども、ITの時代というのは本当にお年寄り向けなのかなという気が私はするんですよ。お年寄りがパソコンを使っていますか。お年寄りが何台携帯電話を持っていますか。それは、若い方々はそうかもしれませんよ。インターネット、ホームページ、もちろんお年寄りだけが対象ではありませんから、そういったことも必要だろうと思うのですね。
 例えば、私が答えてほしかったのは、もちろん市町村や都道府県あるいは医療現場の広報とかいろいろなものもそうなんですけれども、今お年寄りの方がどのぐらい老人クラブに入っていますか。この老人クラブに、地域の方々あるいは医師会等を通じてしっかりと説明をしていただくというようなことも私は周知徹底の一つではないかと思うのです。そういうように老人クラブというものがあるわけでありますから、なぜそういったところをお使いにならないのかな。その答えが出てくるのかなと私は思っておりましたけれども、残念でありました。
 そういうことをやる気持ちがありますかどうか。これは、もし事務方でお答えできなければ、政治的なことになるかもしれませんから、福島政務次官、いかがでございますか。
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福島豊#10
○福島政務次官 先生御指摘のように、老人に対してどのように情報をお伝えしていくのかという点で、先生の御提案は大変傾聴に値する御提案ではないかと思います。
 準備もございますので、検討をさせていただきまして進めさせていただきたいと思います。
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吉川貴盛#11
○吉川委員 ありがとうございました。
 特にお年寄りの方というのは、先ほども申し上げましたように、自分の生活不安も持っておられますので、健保法改正によって不安を持たれないような周知徹底を図ることが我々の責務だと思うからこそ、そういうものも、利用するといったらおかしいんですけれども、お使いになってはいかがかと御提言をさせていただきました。しっかりとお願いをいたしたいなと思います。
 それでは、続きまして、医療法等の一部改正についてお伺いをさせていただきたいと思うのであります。特に、人員配置基準についてお伺いをいたしたいと思います。
 我が党の医療基本問題調査会、社会部会の中でも、私も医療提供体制ということで人員配置についていろいろな意見を申し上げさせていただきました。その中で私が一番懸念をいたしましたのは、平成九年の保険局医療課の調べの資料をいただいておりますが、今もう三年経過をしておりますから少し数字が違っているのかもしれませんけれども、三対一未満の病院数は全国で九百八十九病院。うち僻地、離島は百七十六。ちなみに私の北海道で申し上げますと、七十五病院のうち、僻地、離島が三十九あります。
 御承知のように、特に僻地、離島は慢性的に看護職員の不足に悩んでいるわけであります。このたびの法律の中に五年の経過措置を設定されました。このことは大変よいことだと思っているわけでありますけれども、この経過措置をとるにいたしましても、慢性的に看護職員不足に悩んでいる地域に対してどのようにこれを補おうとしているんでしょうか、この辺が私は一番大切なところだと思うんです。
 そして、これはやはり僻地や離島を抱えている都道府県としっかりと連携をとっていかなければならない部分だと思うんですが、その辺の連携と申しましょうか、話し合いがもう既に進んでいるんでしょうか、お示しをいただきたいと思います。
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伊藤雅治#12
○伊藤政府参考人 まず、今回の人員配置基準を四対一から三対一に引き上げるに当たりまして、一つは、今先生お触れになりました経過措置期間を五年間とっております。さらに、この五年間の経過措置期間後の扱いにつきましては、病床区分の推移等を踏まえて見直しを行うことにさせていただいているわけでございます。
 この人員配置基準の引き上げ等に対応するため、厚生省といたしましては、十三年度の概算要求におきまして、一つは、僻地等における看護職員の確保につきまして、僻地等の看護婦等養成施設に対する支援の充実ということを一つの柱にしております。もう一つは、経営・労務管理、看護管理等に関する助言を行うための専門家チームを派遣するなどによりまして、看護職員の就労確保に向けた総合的支援の実施の予算を要求しているところでございます。
 そこで、都道府県等との協議の状況でございます。
 まず、看護職員の需給に関しましては、平成三年から始まっております看護職員の需給見通しというのがあるわけでございまして、これは今年度終わります。そこで、現在十三年度以降の新たな看護職員の需給見通しを策定するための検討を行っているところでございますが、この新しい看護職員の需給見通しの中で、今般の医療法改正を念頭に置きまして各都道府県におきまして需給見通しを検討していただいているところでございまして、地域における看護職員の確保につきまして、各都道府県と十分相談しながら対応してまいりたいと考えております。
 また、特に北海道につきましては、御指摘のように離島、僻地が多いわけでございまして、先ほど申し上げました十三年度概算要求におきます看護職員の就労確保対策につきまして、今年度、十二年度から前倒しで北海道については行っております。看護職員確保対策特別事業のモデル事業といたしまして北海道で今年度行っておりますので、それらを通じまして、必要な事項につきまして各自治体と十分協議をしてまいりたいと考えております。
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吉川貴盛#13
○吉川委員 看護職員が確保できたといたしましても、特に北海道の場合は広い地域でありますから、なかなか僻地の方に行きたがらないというようなことがあるんですね。その辺もしっかりと都道府県と連携を持ちながらやっていっていただきたいと思っております。
 次に、高齢者医療について一つ二つお伺いをさせていただきたいと思うんです。
 医療保険制度改革の必要が叫ばれる中で、老人保健制度の抜本改革が、制度審議会等で審議が始まりまして既に二年以上が経過をしていると聞いております。当初政府が予定しておりました本年の改革実施は見送られまして、その後審議も進んでいないというのが現状であろうかと思います。高齢者医療制度の方向を定めることが医療保険制度改革の推進のかなめとなると思っておりますので、早急な対応が必要だと考えるわけであります。
 既に日本医師会あるいは健保連、経団連、連合など各団体が独自の改革案を提示されているわけでありますけれども、厚生省といたしまして今日までどのような具体的な改革案を検討されてきたのか、あるいはお持ちなのか、お聞かせをいただきたいと思いますし、その内容とあわせて、いつ実施をする予定なのか、明確な答弁を求めたいと思います。
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津島雄二#14
○津島国務大臣 吉川委員御指摘のとおり、高齢者医療制度の展望を示すことが今喫緊の課題となっております。これなくして次の時代に耐え得る医療制度はできないと思っております。
 委員御指摘のとおり各方面からさまざまな考え方が出されておりますけれども、現時点では一つに集約することが極めて難しい状況でございます。医療専門の方からの御意見と、医療保険の保険者としての例えば地方団体あるいは健保組合の側から出されている意見はなかなか集約できない状況にございまして、率直に言うと、まだ構想段階にとどまっているわけでございます。
 しかし、このままにしておくわけにいきませんので、厚生省としても、省内に事務次官を本部長とする高齢者医療制度等改革推進本部を設け、いろいろな観点から精力的に検討を進めておるところでございます。
 厚生省といたしましても、高齢者医療制度をめぐる問題の所在や改革のあり方について、まず国民の皆様の御理解を得ることが大切でございますから、制度の現実の姿をしっかりとお示しした上、今後の選択肢、問題点をわかりやすく提示をし、国民的な議論をお願いしたいと思っておるところであります。
 問題は、白紙に絵をかくようにできない事情、これはもう長い間の政治経験で吉川委員おわかりのとおりでございまして、改革をする場合に、現実に今やっておるそれぞれの保険システムにどういうロードがかかっていくかということも注意深く検証しながらいかなきゃならない。しかし、このような状態を放置するわけにいきませんので、平成十四年度を目途に改革のための具体的措置はどうしても取りまとめたいということで、私ども努力をしているところでございます。
 もう十二年もだんだん終わりに近づいてまいりましたから、待ったなしの段階であるというふうに私は受けとめております。
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吉川貴盛#15
○吉川委員 平成十四年度ということでありますから、来年、平成十三年度中にはしっかりと道筋をつけなければならないんだろうと思うんです。津島大臣、大変御苦労だと思いますけれども、津島大臣のもとで高齢者のあり方というものにしっかりと道筋をおつけいただきたいなと心から御期待を申し上げる次第であります。
 さらにもう一つ、この高齢者医療について質問をさせていただきたいと思います。
 皆さんも御承知のとおりに、二〇一〇年あたりから日本の高齢化は一気に加速をするんだと思うのです。第二次大戦後に生まれました団塊の世代が続々と六十五歳以上に達するためでありまして、現在の六十五歳人口が二千二百万人に対して、二〇一五年には約三千二百万人、一千万人増となるわけでありますけれども、高齢者医療のあり方は二〇一五年を視野に入れた改革でなければならないと私は思うのであります。その辺はどのようにお考えでございますでしょうか。
 さらに驚くべきことは、六十五歳以上の人口が総人口に占める割合が七%から一四%に達するのに、フランスでは百十四年、スウェーデンは八十二年、イギリスは四十六年かかったのに対しまして、我が国は二十四年間でそれに到達をいたしました。つまり、他の先進国はゆっくりと高齢化しているのに対しまして、我が国は急スピードで高齢化していることがこの数字で御理解をいただけるのではないでしょうか。
 厚生省の試算によりますと、二〇〇〇年には、痴呆、寝たきり、虚弱などの要介護老人は約二百八十万人、二〇一〇年には三百九十万人、そして二〇二五年には五百二十万人に達すると言われております。
 そこで本年四月から介護保険が導入されたわけでありますけれども、医療保険と介護保険の中でさまざまな問題があることは、私が御指摘を申し上げるまでもなく御承知のことだろうと思います。
 私は、ある老健施設に行きました。お医者さんが、入院患者に介護保険を適用するよりも医療保険を適用した方が患者負担が少なく済むんだ、どうやってそこを我々がクリアしていけばいいのかという悩みを持っているという話も聞きました。私は政治家の一人として、制度に欠陥があると決して申し上げたくもないし、そのようなつもりもありませんけれども、その辺のことをしっかりとしていかなければならないなと強く感じたわけであります。
 この高齢者医療の抜本改革の折には、私的な考えを申し上げますと、高齢者医療に関しましては医療保険と介護保険を整理統合してセットにするのも一つの考え方ではないかというふうに私は思うのです。二〇一四年までに改革をされるということでありますから、今このことに対してお答えをいただけないかもしれませんが、もしその辺にお考えがございましたら、お披瀝をいただければというふうに思います。
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津島雄二#16
○津島国務大臣 二つの御質問をいただきましたが、二つとも高齢者医療を考える上で重要なポイントであろうと思います。
 まず最初の点、我が国の人口構成が変わっていって、世界に類を見ないスピードで高齢化していく、御指摘のとおりでございます。また、戦後の人口構成も、団塊の世代というのが二つございまして、言ってみれば、スピードが特に速い時期がある。それからもう一つは、意外に言われていないのですけれども、今まで高齢者問題は地方の問題だと言われていたのですが、大都会や首都圏がこれから高齢化の本番に入っていく、そういう地域の問題もございます。
 そういうことから申しますと、特に高齢化のスピードが上がってくるところを注目して対応しなければならないという委員の御指摘だと思います。私は同感だと思っています。
 そういう意味で、二〇一五年、また全体として見ても、二十一世紀の最初の二十五年ぐらい医療制度が全体としてきちっと機能するようにしなければならないということを検討するのが私どもの主眼でございます。そういう意味では、従来の発想方法にとらわれずに対応することも考えなきゃいかぬかな、例えば公費のあり方についてもどうなんだろうかなというようなことを私は感じておるところでございます。
 二番目の医療保険と介護保険を一本化するという御指摘でございますが、これまでの議論というのは、介護の世界は医療保険だけで対応できない、また措置でも対応できないということから、介護保険をつくったわけであります。今御提案しております法案を成立させていただければ、自己負担一割というところでようやくそこは横並びになるわけでありますが、この二つ、高齢者に対する医療保険と介護保険をこれからどうするかというのはやはり大きな問題点であろうと思います。
 そしてまた、一部の意見では、一体化を視野に入れて検討しろという御意見もございますが、私どもの姿勢は、まず介護保険がどういうふうになっていくか、それから介護保険成立後の医療保険がどうなっていくかをきちっと見きわめた上で議論していくのが筋ではないか、かように思っております。
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吉川貴盛#17
○吉川委員 もう質疑時間が終了いたしましたので終わりますが、この医療法等の一部を改正する法律案と健康保険法改正案が一日も早く成立いたしますことを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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遠藤武彦#18
○遠藤委員長 次に、岩屋毅君。
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岩屋毅#19
○岩屋委員 自由民主党の岩屋毅でございます。
 吉川委員に引き続いて、両改正案について質問をさせていただきたいと思います。
 大臣並びに政務次官におかれては、日々の御精励、まことにお疲れさまでございます。心から敬意を表する次第であります。
 先ほど吉川委員から御指摘がありましたように、これからの医療がどうなっていくのか、まさしくこの問題は国民的な最大の関心事であると私は思います。したがいまして、今改正案につきましても、本来でありますと、全国会的な討論といいますか、野党の皆さんにも出てきていただいて、しっかりと議論をすべきだというふうに思っておりましたが、今日に至ってもおそろいでないのは非常に残念に思います。ただ、来週からは一部野党の出席が見込まれるということでございまして、その点は大いに歓迎をしたいというふうに思っておりますが、一刻も早く、全国会、全党による審議を尽くして、改正案を成立させていかなければならないと思っているところであります。
 先ほどからお話がありましたように、これは成立していない唯一の予算関連法案である、国費もどんどん出ていくということで、一日も早く成立をさせなければいけないわけであります。しかし、やはり幾つかの心配な点があることも事実でございます。また、今改正の中身を国民の皆さんに正しく理解をしていただかなければならないという課題もあるわけでありまして、今日までの審議で論点はかなり絞られてきておりますが、いささか重複になることはお許しをいただいて、幾つか質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 まず、今回の改正に伴う患者の負担増が果たして許容できる範囲のものであるのかどうか、妥当なものであるのかどうか、この点についてもう一度しっかりとした説明をいただきたいというふうに思うのです。
 例えば、一割負担になっても月額上限をしっかり設けているんだよ、こういうことでもございます。その他もろもろの工夫はしていただいているわけでありますけれども、しかし、改正によって負担が多少なりともふえることは間違いがない。まさしくそのことを目途にした改正でありますから。そのことが果たして本当に妥当な範囲なのかどうかということについては、しっかりとした説明ができなければいけないというふうに思うわけであります。
 かつて医療費が上げられたときに受診率が一時期低下しましたが、しかし、必要があるからお年寄りの方も病院に行くわけでありまして、今回もそういう状況が一時期生まれるかもしれませんけれども、やがては回復をしていくだろう。月にすれば少ない負担であっても、やはり通年になっていくと決して少なくない負担になっていくというふうにも思われます。
 さらに、高額療養費です。負担ができる方には負担をしていただく。これは大いに結構なことだと思うのでありますけれども、一%の傾斜をかけている。これは果たしてどういう根拠でそういうことになったのか。野党の一部には、これで青天井になっていくんじゃないかという御指摘もあります。決してそうではないのだという試算も出されてはおりますけれども、この一%の傾斜というのは、私はいささかこそくなような気もするわけでありまして、このぐらいならよかろう、怒られないだろうというところで決められたのかなとも感じております。もう少しリーズナブルなやり方がなかったのかな、そんなふうにも思うわけであります。
 いずれにしても、今回の改正によりまして患者負担がふえていくことは事実でございまして、しかしこれはやむを得ない、最大限配慮をした負担増であるのだということについて、できるだけ簡潔に、ポイントを絞ってもう一度御説明をいただきたいと思います。
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近藤純五郎#20
○近藤政府参考人 先生御指摘の点でございますけれども、この改正法案というのは、当面の医療保険制度の安定的な運営を図るというのが一つでございます。それから、これから抜本改革をするための第一歩であるという位置づけをいたしているわけでございまして、高齢者の一部負担につきましては、若い人と高齢者の間で負担を分かち合うのだ、さらにはコスト意識も高めていただく、こういう観点から定率の一割負担というのを導入したわけでございます。
 それから、高額療養費につきましては、医療を受ける方と受けない方との負担の公平を図るというふうな観点から、所得の高い方には応分の負担をしていただく。それから、医療費に応じた負担ということで、確かに一%というのはこそくではないかという御意見はあるわけでございますが、二割とか三割というのが一般なのに一%は何なんだという議論もあるわけでございますが、やはり一%でも、高額になりますと大変な高額になるわけでございます。そういうことで、コスト意識を持ってもらうために最低限の率でお願いするというので一%を提案させていただいているわけでございます。
 それから、こうした見直しに当たりましては、高齢者にとりまして過度な負担にならないよう負担の上限を設ける、それから低所得者への配慮、こういうふうなきめ細かな配慮をいたしているわけでございまして、御理解をいただきたいというふうに思いますし、私どももそういうことで周知徹底をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
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岩屋毅#21
○岩屋委員 先ほど吉川委員からの御指摘もありましたように、対象がお年寄りでありますから、今の説明は私どもよくわかるのでありますけれども、ぜひ厚生省としてもできるだけわかりやすい説明で今回の改正の中身を周知徹底をしていただきたいというふうに思います。
 次に、医療法の改正についてお伺いをしたいと思います。
 今回の改正案は、医療審議会段階の案からは幾つかの後退あるいは変化がございます。
 例えば病床区分についてですけれども、これは余り大したことではないだろうとは思うのですが、当初は急性期、慢性期、あるいは短期、長期、こういう呼称だったわけですけれども、改正案では一般と療養というふうになりました。この点ちょっと説明をしていただきたいと思います。
 それから、人員配置基準の問題であります。吉川委員御指摘のとおり、僻地に対する配慮はしっかりやってもらわなくてはいけないとは思いますが、ただ、総論で言えば、患者さんに対する手当てというのは手厚ければ手厚いほどいいわけでありまして、これも審議会段階では二・五対一だったのが三対一ということに後退をしている。これは恐らく医師会側の事情等々いろいろあったのでしょう、急にそこまでいくのは無理だということもあったのだと思いますけれども、これらの変更の理由についてお伺いをしたいと思います。
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伊藤雅治#22
○伊藤政府参考人 お答えいたします。
 当初の医療審議会段階の案と今回御審議をいただいている案の経過でございますが、看護婦の配置基準なり病床の区分につきまして今先生御指摘の点は、医療審議会におきます中間段階におきます事務局からの議論のためのたたき台の内容でございます。
 これは平成十年の十二月に医療審議会にたたき台として出したわけでございますが、まず、看護職員の配置基準についてどのように考えていたかということでございます。二・五対一の考え方でございますが、看護職員の配置が手厚いほど平均在院日数が短くなるという相関関係が存在いたしまして、この二・五対一を境に平均在院日数が短いグループと長いグループに分かれる、そういうことがありましたので、一般病床の看護職員の配置基準を二・五対一としてはどうかという案を提案していたということでございます。
 しかしながら、医療審議会の審議におきまして、医療法におきます人員配置基準は最低基準であるということ、また、看護職員に地域的な偏在がありまして、その点に配慮する必要があるということ、また、この基準につきましては昭和二十三年以来の半世紀にわたる基準でございまして、この基準の変更に対する慎重な配慮が必要ではないかという意見がございました。さらに、複数夜勤の月八回、いわゆる二・八体制を何とか維持できる最低の基準が三対一であるということを踏まえまして、医療審議会としては、答申の中で三対一という形にまとまったわけでございます。
 次に、病床区分の見直しの点でございますが、議論のためのたたき台におきましては、急性期、慢性期という厳格な形で区分を行いまして、患者さんを峻別する案を提示したところでございます。
 しかしながら、医療審議会におきまして、このように厳密に区分した場合には患者さんの病態の変化に対応できないおそれがあるという意見があったことから、今回の改正案におきましては、提供されるサービスの形態に着目いたしまして、現行のその他の病床を、主として長期にわたり療養を必要とする患者さんを入院させるための療養病床と、主として急性期の患者さんを入院させるための一般病床に区分することにした、こういう経過でございます。
 厚生省といたしましては、今回の病床区分の見直しによりまして、個々の患者さんの病態の変化に応じて柔軟に対応しながら、患者さんにふさわしい医療を提供できる体制を整備していきたいと考えているところでございます。
    〔委員長退席、坂井委員長代理着席〕
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岩屋毅#23
○岩屋委員 二・五というのが滞在日数の分岐点になるということで、できるだけそこに近づけようとしたけれども諸般の事情を勘案して三対一にした、こういう御説明だったと思います。今後の実施状況を見ながら、引き続き検討を加えていっていただきたいと思うところであります。
 それから、今回、医療法の一部改正で広告規制が緩和されました。これは患者さんに対する情報開示の一環だと思います。大変結構なことだと思うのですが、実際には、今、若いお医者さんはほとんどホームページを自分で持っておりまして、ありとあらゆる情報がその中に詰まっている。こういう今日的な状況にあるわけでありまして、今さら屋外広告だけをちょっと規制を緩めるというのは、大して意味があるのかなというふうにも実は私は感じているところであります。
 情報開示という点からすると、一番大事な問題は、本当はカルテの開示の問題だろうというふうに思うわけであります。これについては今日までさまざまな御議論があったところだと思うのですが、現段階では医師会側の自主的な取り組みを見守っていくというところにとどまっているというふうに思うのですが、果たしてこういう消極的な姿勢でいいのかどうかというふうにも思うわけであります。
 最近も次々と医療事故が続いて発生をしております。患者サイドからの医療機関に対する不信感も、残念ながらそのたびに少しずつ増してきているような気もいたすわけであります。
 また、決してそういう側面からだけではなくて、カルテがポータブルになることによって利便性もかなり向上していくと思うし、医療のむだも省いていける、そういうプラス面も出てくるだろうと思うのですね。ICカードに全部自分のこれまでのカルテが記録されておれば、どこに行ってもすぐにむだのない医療を受けられるということもあり得るわけでありまして、将来的にはやはりカルテ開示を法制化していく、義務化していくということを前向きに検討していくべきではないかなと思っておるのですけれども、その点についての厚生省のお考えをお伺いしたいと思います。
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伊藤雅治#24
○伊藤政府参考人 カルテ開示についての御質問でございます。
 カルテ開示につきましては、医療審議会でも大きな論点になった点でございます。その結果、今後インフォームド・コンセントの理念に基づく医療を一層推進していくために診療情報の患者さんへの提供を積極的に行っていくことが必要であるという点では、コンセンサスがあったわけでございます。
 そこで、診療記録の開示の法制化についての点でございますが、早急に法制化すべきであるという意見と、一方、医療従事者の側の自主的な取り組みにゆだねるべきであり、法制化するべき性格のものではないとする意見があったことから、医療審議会におきましては、この法制化につきましては、今後の患者さん側の認識や意向の推移、医療従事者の自主的な取り組み、そして診療情報の提供及び診療記録の開示についての環境整備の状況を見つつ、さらに検討すべきとされたところでございます。
 したがいまして、厚生省といたしましては、この医療審議会の審議の結果を踏まえまして、医療従事者の自主的な取り組み及び環境整備を推進するとともに、今回の医療法改正案におきまして、診療録その他の情報を提供することができる旨を広告できる事項として追加するということにしたわけでございまして、診療情報の積極的な提供や診療記録の開示を医療の現場に普及定着させていくことが推進されるのではないかというふうに考えているところでございます。
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岩屋毅#25
○岩屋委員 カルテ開示をするとやたらめったら訴訟を起こされるとか、そういうマイナス面を指摘する方もいるのじゃないかなと私は思うのですけれども、さっき申し上げたように、カルテ開示によるプラス面にぜひ着目をしていただいて、今後とも鋭意前向きにこの問題については検討していただきたいというふうに思っております。要望しておきたいと思います。
 それから次に、今回の医療法改正によりまして、医師、歯科医師等の臨床研修が義務化される予定であります。これは大変結構なことだと思います。そして、ペナルティーとしては、この研修を終わっていないと医療機関の管理者にはなれない、こういうことになるわけであります。しかし、専念義務というからには、本当にその臨床研修がしっかりと実施をされて、結果、医師の資質が向上されるということが担保されなければいけないというふうに私は思うわけであります。
 これまでも、実際には臨床研修は義務化されてなくても、ほとんどのお医者さんはやってきた。しかし、その間どうしても、なったばかりのお医者さんというのは薄給であります、収入の不足をカバーするためにアルバイトに出かける、一泊二万から五万の相場でアルバイトしながら勉強をされるということが日常的になっているわけであります。
 しかし、研修に専念をせよという以上は、それをこれからどうやって担保していくのか。決してアルバイトが悪いと言うのではありません。それも臨床研修の一環だといえば、そのとおりでありますから。ただ、専念義務というからには、これから一体どういう施設で研修をしていただくのか、どういうプログラムをつくっていただくのか、それをどう確認し認証していくのか、そしてどういう方法でそれを周知徹底するのか、こういうスキームができませんと絵にかいたもちになるのではないかなと思います。
 医師については十六年から、歯科医師については十八年からということでありますから、改正案成立後できるだけ早くそのスキームをつくっていただきたいと思うわけでありますけれども、その点についてお伺いをしたいと思います。
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伊藤雅治#26
○伊藤政府参考人 今回、医師、歯科医師の臨床研修の必修化を御提案しているわけでございますが、診療に従事しようとするすべての医師に臨床研修を義務化することにあわせて、研修の質の向上を図っていくということが極めて重要であると考えているところでございます。
 このため、今回の改正案を成立させていただきますれば、その後直ちに大学病院、臨床研修病院等々の関係者から成る検討会を設置いたしまして、施行までの間に、第一点といたしまして、二年間に研修医が研修すべき事項、目標。これは、従来の研修では年限だけ決めておられますが、その決められた二年間で何をどれだけやるかということは必ずしも明確ではなかったという点を踏まえまして、どこまでこの二年間に到達していただくかということをはっきりさせるということが一点でございます。
 そのためにはどういう研修プログラムをつくっていかなければいけないのか、そしてそのプログラムを実施できるためには、臨床研修病院としてどのような指定基準を考えていったらいいのか。これらの具体的な検討を行いまして、臨床研修の充実に努めてまいりたいと考えております。
 また、改正法案におきましては、臨床研修を修了した際には、厚生労働大臣が本人の申請に基づき、臨床研修を修了した旨を医籍に登録するとともに、臨床研修修了登録証を交付すると規定しております。研修の効果を確保するためには、この研修修了の認定、評価を適切に行うことが重要と考えております。
 具体的には、既に平成十一年の二月に、医療関係者審議会の医師臨床研修部会の取りまとめで考え方をお示ししていただいておりまして、その中では、研修医から提出された研修医手帳及び指導医の評価に基づきまして、病院内に設けられた研修委員会による評価を踏まえまして、研修責任者たる病院長が総合的に評価を行った上で研修修了を証明するとされておりまして、私どもといたしましては、この考え方を踏まえまして今後適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
 さらに、臨床研修中の医師につきましては、その資質の向上を図るために臨床研修に専念することが重要でございまして、改正法案におきましては、新たに研修への専念義務規定を設けたところでございます。
 この規定は努力義務でございますが、その趣旨を徹底させるとともに、あわせて研修内容や研修修了の認定方法の見直しを進めていくこと、さらに、行政といたしましても、研修医が研修に専念できる体制整備を進めていくということで、この臨床研修制度全体の充実に努めてまいりたいと考えております。
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岩屋毅#27
○岩屋委員 もう時間がなくなってきましたので、とにかくしっかりしたスキームをぜひつくっていただきたいと思います。
 それから、ちょっと本論から外れるのですが、ぜひお伺いしたい問題があるので、一点、これはドクターでもある政務次官にお伺いしたいと思うのです。
 この委員会の審議が始まったときに、冒頭、我が党の竹下委員から、少子化対策の話がありました。
 年金にしても保険にしても、あるいは経済にしても教育にしても、少子化ということが日本の将来にかなり大きな影を落としているような気がしてなりません。したがって、少子化対策にはありとあらゆる施策を総動員しなくてはいけないのではないかなというふうに思うのですが、その中でぜひ検討していただきたいのが、いわゆる不妊治療に対する支援策を講じることができないかどうかということであります。
 これは、今日まで公明党さんも随分熱心に議論をしていただいているというふうに伺っておりますが、現在、二十八万五千人の方が不妊治療を受けている。けれども、排卵誘発剤についてまでは保険で見ているけれども、いわゆる人工授精以上の高度技術については全くお手伝いができていない。子供が欲しいけれどもできないという方々に対する支援はもっとしっかりやっていかなくちゃいけないのではないか。不妊治療に対する支援策をぜひ厚生省も前向きに考えていっていただきたいなと思うのです。
 そうこうしているうちに、今民間企業が精子の売買をやったり、いろいろな動きが出てきております。国として何らの規制もないという状態では、ニーズに応じてますます民間のそういう事業がはびこっていくのではないかなという心配もあるだけに、これはできるだけ早く検討して方向性を示していく必要があると思うのですが、この点についてどうお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。
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福島豊#28
○福島政務次官 ただいま先生から御指摘ございましたように、不妊治療に対してのさまざまな形での支援というものが大切であるというふうに私どもも考えております。
 排卵誘発剤などの薬物治療や卵管形成術等につきましては、保険給付の対象といたしております。これは、基本的な考え方としまして、医療保険の給付が疾病の治療に着目して行われるという観点から、母体の異常に起因する不妊につきまして保険給付の対象となっておるということでございます。
 しかしながら、それ以外のケースもたくさんあるわけでございまして、こうした不妊治療を受けられる方に対して何か支援をする必要がある。とりわけ、不妊治療というのは、精神的な負担というものもありますし、そしてまたどこで治療を受けたらいいのかという情報の不足ということも当然あるわけでございます。そういうものが適切に提供される必要があるということから、現在までも不妊専門相談センター事業というものを実施してまいりましたけれども、本年度の予算編成と関連しまして、新エンゼルプランを策定するに当たりまして、この不妊専門相談センターを各都道府県に整備する、これは平成十六年を目途にいたしておりますけれども、そういうことを盛り込ませていただきました。
 そして、後段の先生の御指摘でございますが、生殖補助医療が大変進歩いたしているわけでございます。その技術をどういうふうに適切に扱うのかというガイドラインが必要だというのは先生の御指摘のとおりだと私どもも思っておりまして、現在、厚生科学審議会先端医療技術評価部会というものがございまして、そのもとに専門委員会を設置いたしまして、さまざまな意見がございまして時間がかかっていることは事実でございますけれども、年内を一つの目標として取りまとめたいというふうに考えております。
    〔坂井委員長代理退席、委員長着席〕
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岩屋毅#29
○岩屋委員 きのうの新聞でも、これはアメリカの話ですが、アメリカというのはかなり自由にやらせるのだと思うのですけれども、遺伝病の姉を救うために体外受精で弟を出産して、弟の臍帯を使ってお姉さんを助けた、こんな治療法も出てきているわけであります。
 何事も一害あれば一利ありということだと思うので、ぜひプラス面に着目をして不妊治療に対する一つの法体系をできるだけ早くつくって、これはイギリスなどがかなり進んで参考になる例があるというふうに聞いておりますけれども、鋭意これから取り組んでいただきたいなと思います。よろしくお願いします。
 時間がなくなってきましたので、最後に大臣にお伺いをしたいと思います。
 今回の改正は、我が国の世界に冠たる保険制度を維持していくために、多少患者さんの負担増を伴うわけでありますけれども、やむを得ない措置だというふうに私は考えております。
 しかし、大臣が先ほどからお述べになっておられるように、今改正はあくまでも改善策であって、抜本改革とは言えないわけであります。今回の改正によって国民の医療に対する不安が解消されるまでには至らない、残念ながら今その一歩手前の段階にとどまっているというふうに理解をいたしております。やはり一日も早く抜本改革を断行して国民の皆さんに安心感を抱いていただく、これが最も大事なことだと思いますし、ぜひそのために最大限の努力をしていただきたいと思うのです。
 本当は、二十一世紀に入るまでにやるのですよと言ったのがここまでずれ込んでしまっている。いろいろな事情はあろうかと思いますけれども、政治の責任も極めて重たいと思います。
 また、二十一世紀は医療革命の時代だとも言われておりまして、今のお話に出た生殖補助医療技術ももっと進展をしていくと思うし、ヒトゲノムが解読できたというのは、僕ら素人にはわかりませんが、これからかなりの医療革命が実現して、保険制度を取り巻く環境も猛スピードで変わっていくことも予想されます。そういう状況をしっかりと見据えて、新しい時代に対応できる医療の抜本改革をぜひ一日も早く実現していただきたいと思いますが、大臣の御決意を最後にお伺いさせていただきたいと思います。
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