国民福祉委員会

2000-11-30 参議院 全143発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成十二年十一月三十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中島 眞人君
    理 事
                亀谷 博昭君
                田浦  直君
                柳田  稔君
                沢 たまき君
                小池  晃君
    委 員
                入澤  肇君
                尾辻 秀久君
                大島 慶久君
                狩野  安君
                武見 敬三君
                南野知惠子君
                今井  澄君
                小宮山洋子君
                堀  利和君
                松崎 俊久君
                山本  保君
                井上 美代君
                清水 澄子君
                堂本 暁子君
                西川きよし君
   国務大臣
       内閣総理大臣   森  喜朗君
       厚生大臣     津島 雄二君
   政務次官
       厚生政務次官   福島  豊君
       通商産業政務次
       官        伊藤 達也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大貫 延朗君
   政府参考人
       厚生大臣官房障
       害保健福祉部長  今田 寛睦君
       厚生省健康政策
       局長       伊藤 雅治君
       厚生省老人保健
       福祉局長     大塚 義治君
       厚生省保険局長  近藤純五郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○医療法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○男性助産婦導入反対に関する請願(第二号外一
 一件)
○婦人保護事業にかかわる社会福祉法改正に関す
 る請願(第一三号)
○患者負担の再引上げ反対、安心してかかりやす
 い医療に関する請願(第二一号外二六件)
○介護保険の緊急な改善に関する請願(第四四号
 外二五件)
○介護保険の緊急改善、医療費自己負担引上げ反
 対に関する請願(第六七号外二六件)
○遺族年金の併給に関する請願(第一五九号)
○国立療養所恵那病院の存続・拡充に関する請願
 (第一六二号)
○高齢者定率一割負担、医療費負担限度額の引上
 げなど患者負担増の中止に関する請願(第一九
 一号外一〇件)
○患者負担増反対及び介護保険の改善に関する請
 願(第二〇二号外五三件)
○遺伝子組換え作物・食品の安全性の審査に関す
 る請願(第二〇四号外二一件)
○介護保険の改善及び医療保険の改悪計画反対に
 関する請願(第二一一号外一三〇件)
○医療費負担の引上げ反対、患者負担の軽減に関
 する請願(第二七五号外二四件)
○ウイルス肝炎の総合的対策に関する請願(第三
 〇〇号外一七件)
○てんかんの総合対策に関する請願(第三〇二号
 外七件)
○小規模作業所等成人期障害者施策に関する請願
 (第三四五号外一九二件)
○介護保険の緊急改善に関する請願(第三七九号
 外五件)
○国立ハンセン病療養所の存続等に関する請願(
 第三九二号外三一件)
○年金・医療・福祉等の制度改革に関する請願(
 第四二二号外二件)
○国立病院及び療養所の廃止、移譲及び独立行政
 法人化反対等に関する請願(第六〇二号外四一
 件)
○医療費負担増反対、患者負担の軽減に関する請
 願(第七一六号外三件)
○国立病院及び療養所における院内保育所の改善
 等に関する請願(第七七八号外二九件)
○在宅介護利用料の引下げ等介護保険の緊急改善
 に関する請願(第八〇一号)
○ゴーシェ病における長期高額療養費の指定に関
 する請願(第九三八号)
○患者負担増反対に関する請願(第九五六号外七
 件)
○医療費負担の引上げ反対、介護保険の緊急改善
 に関する請願(第一〇〇七号外一件)
○腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(第一
 二三九号外七件)
○保険による良い歯科医療の実現に関する請願(
 第一二四七号外一件)
○介護保険及び国民健康保険の改善に関する請願
 (第一二七四号外二二件)
○保育制度の改善及び充実に関する請願(第一三
 〇六号)
○安心して暮らせる老後を保障するための年金制
 度の改善に関する請願(第一三四五号外二二件
 )
○総合的難病対策の早期確立に関する請願(第一
 三七〇号外六〇件)
○国民の暮らしを守るための社会保障の拡充に関
 する請願(第一四五九号外八件)
○患者の安全確保のための看護婦大幅増員及び介
 護保障の確立等に関する請願(第一四七六号外
 二六件)
○保育制度における緊急課題への対応及び改善に
 関する請願(第一五四一号)
○准看護婦・准看護士の養成停止及び看護婦・看
 護士への移行教育の早期実現に関する請願(第
 一五九一号)
○保育・学童保育予算の大幅増額等に関する請願
 (第一五九二号外二一件)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件

    ─────────────
この発言だけを見る →
中島眞人#1
○委員長(中島眞人君) ただいまから国民福祉委員会を開会いたします。
 まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 健康保険法等の一部を改正する法律案及び医療法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に厚生大臣官房障害保健福祉部長今田寛睦君、厚生省健康政策局長伊藤雅治君、厚生省老人保健福祉局長大塚義治君及び厚生省保険局長近藤純五郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
中島眞人#2
○委員長(中島眞人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
この発言だけを見る →
中島眞人#3
○委員長(中島眞人君) 次に、健康保険法等の一部を改正する法律案及び医療法等の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →
今井澄#4
○今井澄君 民主党・新緑風会の今井澄でございます。
 本日は森総理にお越しいただきまして、国民生活に重大な影響のある健保法等、それから医療法等の改正案に関連して質疑をさせていただきたいと思います。
 不覚にもちょっと風邪を引きまして、まだ治り切らないので、お聞き苦しい点があることをお許しいただきたいと思います。
 現在、この医療の問題、大変厳しい議論がされているわけでありますが、医療に限らず、年金、介護あるいは子育て支援の問題、また一方で雇用の問題もありますが、この社会保障全体についての国民の不安というのは非常に高まっているわけであります。
 そこで、私どももいろいろな提案をしているわけでありますが、政府の方でも総理大臣の私的諮問機関である社会保障構造の在り方について考える有識者会議というのをことし初めにつくられまして、半年余りかけて検討してこられ、そしてこの十月に報告が出されたわけであります。また、総理も厚生大臣もこの有識者会議の構成メンバーの一員でいらっしゃると思います。
 ところで、この有識者会議の十月に出された報告書というのは国民の期待に反するものだったと私は思っているわけですが、さまざまな評価がなされていると思います。プラスの面の評価も私も確かに見聞きしておりますけれども、マイナスの面の評価も大変多い。
 そこで、この有識者会議の報告について、そういったプラス面、マイナス面でのさまざまな評価を、総理としてはどのように認識し、また受けとめておられるのか。特にこれは、この経緯としては、昨年、前厚生大臣丹羽雄哉さんが厚生大臣に就任されたときに、総合的な社会保障の将来ビジョンをつくるということで、当初は厚生大臣の諮問機関としてつくろうというふうにお考えになったと思います。それが、当時の小渕総理がこれは内閣全体で取り組むことだからというので、そちらの方につくられたと思います。
 そもそもの発案者である前丹羽厚生大臣は、たしかこの有識者会議のスタートの時点で、国民に安心のメッセージを与える、そういう報告あるいはビジョンをつくってほしいと、こういうことを期待していたと思いますし、この報告を受けて前丹羽厚生大臣は、これは安心のメッセージを与えるものではないという厳しい評価をされているというふうに私は聞いておりますので、その辺も含めて総理の御認識をお聞かせいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
森喜朗#5
○国務大臣(森喜朗君) 御熱心に御議論をいただいておりますことにまずお礼を申し上げたいと思います。
 今、今井委員から御指摘をいただきました点でございますが、この有識者会議、これからたびたび御答弁申し上げますから全部読み上げますと長くなりますので有識者会議というふうにお答えをさせていただきたいと思いますが、有識者会議につきましては、これからの社会保障改革の基本的な方向を示していただくために、個別の制度のあり方ではなくて、社会保障全般にわたりまして総合的に、また給付と負担について一体的に御議論をいただくというようにお願いを申し上げてきたところでございます。
 御承知のように、先月末に有識者会議から御報告書をいただきました。まず第一に、社会保障の役割を明確にいたした上で、二十一世紀において社会保障を持続可能なものとしていくための方策が示され、給付や負担につきましては国民が選択するための判断材料が提示されており、これからの社会保障に関して有意義な提言をいただいたと、このように考えております。
 国民が社会保障に対し持っている不安を解消していくためには、報告書で示されておりますように、給付と負担のバランスを図ることによって、国民生活に不可欠なセーフティーネットとしての社会保障が将来においても持続的に維持発展できるように着実に改革を進めていくことが必要であると、このように考えております。
 政府としましては、これを受けまして、一体となって社会保障改革に取り組んでいくことといたしておりまして、先般、社会保障改革関係閣僚会議、一昨日でございますが、第一回の会合を開催したわけでございます。
 今後、与党におきます検討体制の整備を待ちまして、政府、与党連携のもとで社会保障改革の全体像を明らかにいたします大綱とも言うべきものをぜひ取りまとめていきたい、そしてこれに基づいて具体的推進方策の協議を進めてまいりたいと、このように考えております。
 丹羽前大臣の御発言については、私、詳細承知をいたしておりませんが、今御指摘ございましたように、当時、前小渕総理のお考えで総理の諮問機関として全体的な討議をしようと、先ほど申し上げましたようなことの趣旨であったかというふうに、私はお仕事を継承させていただく中でそのようなお考えを伺っております。
この発言だけを見る →
今井澄#6
○今井澄君 いや、私はそういうことをお聞きしたんではないんです。
 例えば、あの報告が出た後、新聞各社あるいはテレビ、これがすべて世論だとは申しませんけれども、やっぱり国民の意見を代表しているわけですが、私は率直に言って二分する報道がなされたと思うんです、例えば社説ははっきり二つに分かれていたと。ある一方の流れの社説は、やっぱりこういう厳しい少子高齢化の時代にお年寄りにも応分の負担をしていただかなければならないんだ、そのことをはっきり国民にメッセージを送ったという点で評価できると、こういう流れもあったわけですよ。もう一方で、そうじゃなくて、そんなことはもうわかっている。もう一歩進めて、じゃどういう安心を与えてくれるのかということが大事なので、それにこたえるものではないんだということで、これはもうがっかりだ、期待外れだという論評もあったわけです。要するに両極端に分かれていたんです。
 私は、そのことを総理がどういうふうに受けとめられているのかと。例えば、どちらも正しいとか、どちらが間違っているとか、いや、この有識者会議というのはこの程度のものでしかないんだよとか、そういうことをお聞きしたんです。
 例えば、次の質問としてあらかじめお知らせしてありますが、ある論評によれば、こんなのは去年の厚生白書の焼き直しにすぎないじゃないかと。お年寄りも平均すれば豊かになってきているんだからお年寄りにも保険料や自己負担をしていただきましょう、応分の負担をしていただきましょうというのはもう出ているわけですよ。だから、こんなのは厚生白書の焼き直しにすぎない、わざわざ総理の諮問機関と称して天下の有識者を集めておきながら、厚生白書の権威づけをするようなこんなことをやって一体何の意味があるんだという、こういう厳しい批判があったわけですよ。それをどうお考えになっているのか。
 またもう一つ、例えば介護保険制度はこの四月一日から始まっているわけです。そして、これはお年寄りからも自己負担をいただくという制度なんです。画期的な制度なんです、ある意味では。ある意味ではひどい制度なんですよね、ある意味の言い方で言われるとすると。だけれども、それが現に始まってもう半年以上たつ、しかもこの十月一日からはそのお年寄りから保険料もいただいているわけです。今さらお年寄りに応分の負担をこれからは求めるなんという時代じゃなくて、もう求めている時代なんですよ。そのときに、この有識者会議がそんな負担の問題だけを言っているのは、これは時代おくれじゃないか、期待外れじゃないかという批判があるんですよ。その点をどうお考えかなんですね。
 先ほどの総理の御答弁によれば、給付と負担を一体的に論じ明らかにしてほしいと。そういうものとして期待されたわけですね。負担の方は出ていますよ、負担をしてくださいねと、メッセージは。非常に厳しいメッセージが出ています。ところが、給付の方のメッセージが出ていないじゃないですか。そこのところを、私はそういう批判についてどう答えるのかということをお聞きしたんです。
この発言だけを見る →
森喜朗#7
○国務大臣(森喜朗君) 今井委員は一番よく御存じの方のお一人でもあるわけですが、有識者会議はそれぞれの分野の方々、給付を受ける立場の気持ちの方々、あるいは負担をどのようにしてつくり上げていくかということを考える方々、いろんな皆さんのお集まりでの議論でありますから、これをまとめた一つの考え方として、一つの結論はやっぱりなかなか出にくいだろうと思います。そのことをむしろこれからしっかり考えなさい、政府としてもしっかりそれに取り組みなさいと。また、国民の皆様には、こういう考え方もある、ぜひ一緒になって考えてください、大事なものですと。
 だから、先ほど申し上げましたように、将来においてこれが持続的にずっと発展をしていく、その可能性をみんなでひとつ考えようじゃないですかという私は国民に対する一つのメッセージでもあろうというふうに思いますし、また、我々政府にとりましても非常に大事な問題でありますから、これももう待ったなしですよ、今度はできるだけ早く真剣にこの具体的な方策を考えなさいという、そういうまた政府に対する考えを示されたと、このように私は受けとめております。
この発言だけを見る →
今井澄#8
○今井澄君 わかりました。
 そうしますと、こういうふうに受け取ってよろしいでしょうか。有識者会議の中でいろいろ御議論いただいたと。いろいろな各界のトップクラスの方ですからそれぞれの御意見もあったでしょう、そういうところでやっぱりまとまり切らない意見もあったと。
 そうすると、先ほどの給付と負担の一体的なという意味で言うと、一体的にはならなかったと。少なくとも負担の点については、制度を安定させるためにも、こういう少子高齢化という厳しい状況の中でも、財政が厳しい折からも、高齢者にも応分の負担を求めるということ、負担の面は一致した、だけれども給付の方ではこれだけは保障しますよというところまでは意見の一致ができなかった、こういうふうに総理としては受けとめておられるというふうに理解してよろしいでしょうか。
 と申しますのは、総理、確かに総理は別に社会保障の専門家でもないし、また総理がその専門家である必要はないと思うんですよ、私は。だけれども、全体として総理大臣たるものは、国民の安心というのをどうしたら担保できるのかということについてだけはやはり基本は押さえていただかなければいけない。社会保障というのは、年金にしろ医療にしろ介護にしろ、幾ら負担するとどういう見返りがあるのか、これが一体ですよ、総理が先ほど言われたように。
 そうすると、今の総理の御答弁としては、これだけ保障しますというところは一致しなかった、だけれども、これだけ負担は厳しくなりますよという点だけは一致してそういうメッセージが出せた、その厳しい認識だけは国民に持っていただけたということだったというふうに理解してよろしいですか。大臣、ちょっと待ってください。これは総理に答弁していただきたい。
この発言だけを見る →
森喜朗#9
○国務大臣(森喜朗君) 先ほども申し上げましたが、社会保障の役割を明確にして、そして社会保障というものを二十一世紀においても持続可能なものとしていくための方策は一応示されている。それに対して給付と負担というものが、当然これは明確にしていかなきゃならぬわけでありますから、この給付と負担について国民が選択するための判断材料が提示されているというふうに、私はそういう意味では大変有意義な提言をいただいたというふうに考えているわけです。
 先ほど、二回目に申し上げましたように、そのことを国民全体で考える、とりわけ政府はそのことについてやはりできるだけ前向きに、そして本当に皆さんに御納得いただけるような仕組みをしっかり考えろという、政府に対するまた強いメッセージでもあるというふうに考えております。
この発言だけを見る →
今井澄#10
○今井澄君 わかりました。
 国民に判断材料を与えた、私はそのとおりだと思います。判断材料という意味で、残念ながら負担と給付、どれだけ負担しなきゃならないかということとサービスをどれだけ受けられるかについては、負担の方についてははっきり確かに示されたと思うんです。
 そこで、私はこの間、この委員会で有識者会議のこの報告書を議論させていただきましたが、厚生大臣がこの有識者会議の報告を評価する中で、やはり国も、地方も含めてでしょうか、要するに公の負担、責任というのがかなり前面に出ているというふうに評価しておられたと思います。
 私もそれは一つの評価すべき点かなと思うんですが、例えばこの中で、四番の「社会保障の財源の調達」の中で「公費負担の在り方」という項目があるわけですね。そこにこういう表現が盛り込まれております。「今後、所得水準の上昇以上に保険料水準の上昇が避けられない」、つまり、所得は余り上がらないけれども保険料負担は上がるというふうな状況が避けられない「ならば、相対的に拠出が困難な者が増えることとなり、これらに着目した公費負担の必要性も高まる」。つまり、保険料を払うのがだんだん難しくなっていく人もふえるから公費負担を今以上にふやさなければならないかもしれないですねという、公費負担をふやす方向を示唆しているように思うんですが、総理のお考えはまさにこういうところは我が意を得たりという形でこの報告書を受け取っておられるのかどうか、御返事をお願いしたいと思います。
この発言だけを見る →
森喜朗#11
○国務大臣(森喜朗君) 有識者会議におきましては、社会保障における公費負担のあり方についても今御指摘がございましたように議論をされました。そして、報告書では、これまでの社会保険制度におきます公費負担投入の考え方を整理した上で、今後、所得水準以上に保険料水準の上昇が避けられないならば相対的に拠出が困難な者がふえることになり、これらに着目した公費負担の必要性も高まるとされているところであろうと思います。
 具体的な問題としても、基礎年金に関して、年金改正法附則では、「当面平成十六年までの間に、安定した財源を確保し、国庫負担の割合の二分の一への引上げを図るものとする」とされており、これをどのように行っていくかが課題となっているとされておりますが、この問題につきましては、安定した財源確保のための具体的方策と一体として検討する必要があると考えております。
 また、報告書では、給付の増加を抑える見直しを行ったといたしましても、なお増加する公費負担につきましては、財政全体を見直していく中で検討をする必要があるというふうに指摘されております。
 いずれにいたしましても、社会保障につきましては、報告書におきますさまざまな指摘などを踏まえて、少子高齢化の進行など経済社会の構造変化等の中で、将来にわたり安定した効率的なものとなりますように、今後、政府、与党連携のもとで持続可能な社会保障としていくための総合的、包括的な改革を進めてまいりたい、このように考えております。
この発言だけを見る →
今井澄#12
○今井澄君 わかりました。
 基礎年金の問題だけではなく、やはり公費がそれなりに負担をふやさなければならないという御認識を持たれているというふうに受け取らせていただきました。
 その際、国庫負担割合の引き上げについて、この報告書の中には、さらに「財源として国民が薄く広く負担し、経済活動に比較的中立的な消費税をどのように活用すべきか検討する必要があるとの意見がある。」としておりますけれども、安定的な財源としてこの消費税というものについて総理はどうお考えでしょうか。
この発言だけを見る →
森喜朗#13
○国務大臣(森喜朗君) 基礎年金の国庫負担割合の二分の一への引き上げにつきましては、年金改正法の附則にありますとおり、安定した財源確保のための具体的方法と一体として検討の必要があるというふうに考えております。
 なお、御指摘ございました消費税の使途を含めました将来の税制、財政のあり方につきましては、今後の少子高齢化の進展など経済社会の構造変化や財政状況等を踏まえつつ、国民的な議論によって検討されるべき課題でありますが、いずれにいたしましても国民の理解を得ることなしに増税を行うことは適切ではないと、このように考えております。
この発言だけを見る →
今井澄#14
○今井澄君 時間がなくなってきましたので、今回の健保法、医療法等の改正につきまして四問事前にお願いをしてありましたが、その第一問と第四問だけをくっつけて御質問をして、総理の御答弁をいただきたいと思います。
 まず第一には、一九九七年に患者の一部自己負担を上げる改正に際しまして、政府及び与党は二〇〇〇年度、今年度までに抜本改革を行うと約束をしたけれども、それが果たされないまま延ばされております。この責任についてはどう総理として、あるいはずっと与党の責任ある立場をやってきた森総理としてどうお考えになるか。
 そして、今度こそ抜本改革は二〇〇二年度まで、平成十四年度までに行うと厚生大臣は繰り返し答弁しておられますし、さらに具体的に来年度、二〇〇一年度、平成十三年度ということは二〇〇二年の三月三十一日までの間には必要な法改正の提案もされるということを明言されたというふうに受け取っておりますが、その点について総理からも、必ず平成十四年度まで、二〇〇二年度までに抜本改革を行うという決意、約束をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
森喜朗#15
○国務大臣(森喜朗君) 急速な高齢化の進展などに伴いまして医療費が増大する中で、制度を将来にわたりまして持続可能な安定的なものとするために、医療制度の抜本改革は避けて通れない課題、このように認識をいたしております。
 これまで薬価制度、診療報酬体系、高齢者医療制度、そして医療提供体制という四つの課題について改革に取り組んでまいりました。今年度はその一環として、薬価や診療報酬の改定に際しまして、薬価差の縮小や診療報酬の包括化などを行ったところでございます。
 今回の健康保険法や医療法の改正は、若年者と高齢者の負担のバランス等の観点から、高齢者の定率一割負担制を導入するとともに、患者の病態にふさわしい医療を提供するという観点から病床区分の見直し等を行うものでございまして、抜本改革に向けて第一歩を踏み出すというものでございます。
 高齢者医療制度の見直しにつきましては、これまで鋭意検討を進めてまいりましたが、現段階では各保険者の負担のあり方をどう見直すかなどにつきましては、考え方を一つに集約するまでには至っておりません。医療制度は国民生活に密接にかかわる問題でありまして、利害や立場を超えた国民的な合意なくしてその大きな改革は困難であろうと思います。国民的な合意が得られますように引き続き粘り強く努力する必要があると考えております。
 政府といたしましては、さきの有識者会議の御報告を受けまして、本格的に社会保障改革に取り組むための関係閣僚会議も一昨日設置したところでありまして、この中で残された高齢者医療制度の見直しにも取り組みまして、平成十四年度をめどにその実現を図ることで責めを果たしてまいりたい、こう考えております。
 また、政府といたしましては、この中で残されました高齢者医療制度の見直しにも今取り組むと申し上げましたが、平成十四年度をめどにその実現を図ること、法律的なことも提出をいたすという、そういうめどで努力していきたいと、厚生大臣もこの委員会でも御答弁を申し上げたと思いますが、そのような方向で努力してまいりたい、こう考えております。
この発言だけを見る →
今井澄#16
○今井澄君 ありがとうございました。
この発言だけを見る →
小池晃#17
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 今回の健康保険法改悪の高齢者への定率負担の導入でどういう負担増になるか。負担増の総額は千四百六十億円だと。医療を受ける人も受けない人もひっくるめて一人当たり年間一万円の負担増になるということが明らかになったわけです。これはあくまで平均でありますから、ケースによってはもっともっと負担がふえる場合もある。例えば、気管支ぜんそくと脳梗塞で月一回往診を受けている患者さんは五百三十円から二千六百三十円、五倍になるんだと。あるいは糖尿病と高血圧で月一回二百床以上の病院に通っている患者さんは五百三十円から五千円へ、九・四倍であります。入院の場合も短期間の場合は四倍、五倍という負担増がある。
 総理にお聞きしたいんですが、総理はこの健保法の参議院本会議の質疑で高齢者への定率負担導入、これらの負担はお年寄りにとって無理のない範囲のものというふうにお答えになっているんですが、今でも今回の負担増は高齢者にとって無理のないものだとお考えなのかどうか、お答えいただきたい。
この発言だけを見る →
森喜朗#18
○国務大臣(森喜朗君) 今回の定率一割負担制の導入は、高齢者の方々に医療費に対するコスト意識を持っていただくとともに、定率負担になっております若年者とのバランスを図るという観点から行うものでございます。
 導入に当たりましては、外来について比較的低い月額の上限を設けますとともに、低所得の方々の入院時の負担の限度額を引き下げるなど、高齢者の方々の状況に応じたきめ細かな配慮を行うことといたしております。
 負担の方式が変更されることによりまして、個々のケースで見れば現行制度に比べて負担が増加することもあれば軽減されることもありますが、いずれにいたしましても無理のない範囲のものでございまして、十分に国民の皆様の御理解をいただけるものではないか、このように考えております。
この発言だけを見る →
小池晃#19
○小池晃君 今のこのケースというのは上限を設定した上でのケースなんですよ。例えば五千円というのは上限なんです。それが九倍の負担になったりあるいは四倍、五倍の負担になったりするんだと。これは上限があっても負担増になるじゃないですか。この上限があっても全く負担の軽減になっていないじゃないかということははっきりしていると私は思うんです。無理のない負担だと、四倍、五倍あるいは九倍の負担が高齢者にとってなぜ無理がないと言えるのか、もう一度お答えいただきたい。
 総理、自分の答弁ですよ、これは。自分の答弁を聞いているんですよ。
この発言だけを見る →
森喜朗#20
○国務大臣(森喜朗君) 先ほど申し上げましたように、現行制度に比べて負担が増加するということもあれば軽減されるということもございます。
 いずれにいたしましても、この制度の趣旨を十分に皆さんに御理解をいただいて、そして無理のない範囲のものであるというふうに私どもも十分考えて、きめの細やかな配慮をしていくように、こういうふうに指示をしていきたい。そういう意味で十分国民の御理解をいただけるものではないか、このように考えております。
この発言だけを見る →
小池晃#21
○小池晃君 国民が理解できないからこそ二百十万人もの署名が今国会に寄せられているんですよ。
 社会保障の負担増というのは医療だけじゃないんだと。例えば先ほどお話があった介護。介護保険の保険料は来年度満額で七千七百億円になります、お年寄りの分だけで。利用料六千億円だと。年金の改悪もされた、そしてこの上に医療の負担増だと。
 総理、この間、景気が持続的な回復軌道に乗らないのはやはり個人消費の伸び悩みにあるんだというふうに何度もお答えになってきたと思うんです。年金、介護、医療、こういう負担増というのはまさに個人消費の足を引っ張る、立て続けの負担増が私は景気の回復に明らかに逆行すると思うんですが、いかがですか。
この発言だけを見る →
森喜朗#22
○国務大臣(森喜朗君) 今回の健康保険法等の改正は、医療保険制度を持続可能な安定的な制度とするための抜本改革の第一歩として行うものである、このように先ほどからも申し上げております。
 医療保険制度は国民の負担に支えられて成り立つものでございまして、改革を進めて、国民が安心して良質な医療サービスを必要なときに受けられることなどを保障することによりまして国民の不安を払拭することが、経済の安定といった観点からも私は重要であるというふうに考えております。残されました高齢者医療制度の見直しといった課題に取り組みまして、制度に対します国民の信頼の確保を図ってまいりたい、このように考えております。
 なお、今回の改正では負担額の上限を設けるなどいたしまして、先ほどから繰り返し申し上げておりますように、きめ細やかな配慮を行っておりまして国民の皆様の御理解をいただけるものである、このように考えております。
この発言だけを見る →
小池晃#23
○小池晃君 国民が将来に不安を持っているのはなぜか。これは、介護保険の今の実態を見て、そして年金がどんどん削られている実態を見て、そして医療もまた負担増が襲いかかってくるという実態を見てお年寄りは生活不安を強めているし、そういう実態を見て若者は将来への不安を高めているんですよ。
 例えば経済企画庁の調査では、老後に明るい見通しを持っていると答えた人のピークはいつかというと、これは八四年なんです。老人医療費の有料化が導入された翌年です。このときをピークとしてどんどん下がっている。そして九九年、直近では一七・四%と過去最低にまでなっているんですよ。まさにこういう社会保障の負担増というものが、社会保障に対する将来不安、これから本当に老後暮らしていけるんだろうかという不安をあおり立てているんです。
 さらにお聞きしたいんですけれども、政府は、健保財政が危機だから制度改正が必要だというふうにおっしゃってきました。ところが、国は健保財政を支える責任を果たしてきたんだろうか。医療費に対する国庫負担は八〇年の三〇・四%から九七年は二四・四%に低下しております。こうした国庫負担の削減をやめて、公共事業優先の国の財政を改めて、医療に対する国庫負担を増加させることが今必要になってきているんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →
森喜朗#24
○国務大臣(森喜朗君) 年々増大をしてまいります医療費につきましては、保険料、そして公費、患者負担、この組み合わせによって賄われてきたところでございます。
 このうち国庫負担につきましては、保険料等の拠出が困難な者にも適切な保障を及ぼすという観点などからこれまで適切に確保してきたところでございまして、二十年前と比較すると国の一般歳出の予算額は約一・五倍しか伸びていないという厳しい財政状況の中で約二倍の約七兆円、平成十二年度予算でありますが、となっているわけであります。
 今後、高齢化の急速な進展に伴いまして医療に要する費用のさらなる増大が見込まれますが、医療費の伸びができる限り経済の動向とバランスのとれたものとなるように給付の適正化等を図りながら、必要な財源につきましては今後とも保険料、公費、そして患者負担の組み合わせによって確保してまいりたい、このように考えております。
この発言だけを見る →
小池晃#25
○小池晃君 医療に対する国庫負担は一般歳出予算額に比べて伸びている、一般歳出は一・五倍だけれども医療は二倍になっているとおっしゃるけれども、これはそれぞれの額を別々に比較しているだけの話なんですよ。大事なのは、一般歳出予算の中で医療費に対する国庫負担がどうなっているのかというところ、ここを見ないといけない。
 国の一般歳出予算に占める医療費の国庫負担の比率はどうなっているか。一九八〇年には一一・七%だった。これが二〇〇〇年には一四・一%です。ほんのわずかしか伸びていない。そして、この間、高齢者は二倍にふえているんです、この二十年間で。高齢者は二倍にふえているというのに、一般歳出に占める医療費の国庫負担がほとんどふえていない。だから一人当たりの給付水準が低下する、負担増を押しつけられているんじゃないですか。これでは国庫負担をふやしたからといって責任を果たしたことにならないんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
 総理、答えてくださいよ。
この発言だけを見る →
津島雄二#26
○国務大臣(津島雄二君) まず、数字について正確に理解をしていただきたいのでありますが、二十年前の国庫負担の基礎になる制度がどうなっていたか。例えば、老人医療に対して自己負担がどうなっていたか……
この発言だけを見る →
小池晃#27
○小池晃君 そんなことはわかっています。
この発言だけを見る →
津島雄二#28
○国務大臣(津島雄二君) そういうすべてを考えた上で国庫負担のあり方を議論していただきたい。二十年前の状態をそのままにしていれば……
この発言だけを見る →
小池晃#29
○小池晃君 総理が言ったんでしょう、二十年前の比較を。いいかげんなこと言わないでくださいよ。
この発言だけを見る →
← 戻る