外交防衛委員会

2001-06-12 参議院 全128発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成十三年六月十二日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十一日
    辞任         補欠選任   
     佐藤 道夫君     川橋 幸子君
     齋藤  勁君     長谷川 清君
 六月十二日
    辞任         補欠選任   
     高野 博師君     木庭健太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         服部三男雄君
    理 事
                佐藤 昭郎君
                鈴木 正孝君
                海野  徹君
                益田 洋介君
                小泉 親司君
    委 員
                須藤良太郎君
                月原 茂皓君
                森山  裕君
                矢野 哲朗君
                山本 一太君
                依田 智治君
                今井  澄君
                川橋 幸子君
                長谷川 清君
                広中和歌子君
                木庭健太郎君
                吉岡 吉典君
                田  英夫君
   国務大臣
       外務大臣     田中眞紀子君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  中谷  元君
   副大臣
       防衛庁副長官   萩山 教嚴君
       外務副大臣    杉浦 正健君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻川 明巧君
   政府参考人
       人事院事務総局
       総務局総括審議
       官        吉藤 正道君
       警察庁刑事局長  五十嵐忠行君
       防衛庁防衛局長  首藤 新悟君
       防衛庁運用局長  北原 巖男君
       外務大臣官房長  飯村  豊君
       外務大臣官房審
       議官       林  景一君
       外務大臣官房参
       事官       森元 誠二君
       外務大臣官房文
       化交流部長    横田  淳君
       外務省総合外交
       政策局長     谷内正太郎君
       外務省アジア大
       洋州局長     槙田 邦彦君
       外務省北米局長  藤崎 一郎君
       外務省欧州局長  小町 恭士君
       外務省経済局長  田中  均君
       外務省条約局長  海老原 紳君
       水産庁次長    川本 省自君
       海上保安庁長官  縄野 克彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
〇二千一年の国際コーヒー協定の締結について承
 認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
〇文化交流に関する日本国政府とロシア連邦政府
 との間の協定の締結について承認を求めるの件
 (内閣提出、衆議院送付)
〇税関手続の簡易化及び調和に関する国際規約の
 改正議定書の締結について承認を求めるの件(
 内閣提出、衆議院送付)
○外交、防衛等に関する調査
 (外務省改革に関する件)
 (外相の発言記録に関する件)
 (米国のミサイル防衛構想に関する件)
 (化学・生物テロに関する件)
 (台湾海峡での中国軍演習に関する件)
 (大使への民間人登用に関する件)
 (駐留米軍に対する我が国法令の適用に関する
 件)
 (PKOと集団的自衛権に関する件)
 (ブッシュ政権の対北朝鮮新政策に関する件)

    ─────────────
この発言だけを見る →
服部三男雄#1
○委員長(服部三男雄君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、佐藤道夫君及び齋藤勁君が委員を辞任され、その補欠として川橋幸子君及び長谷川清君が選任されました。
    ─────────────
この発言だけを見る →
服部三男雄#2
○委員長(服部三男雄君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 現在、本委員会に付託されている条約の審査及び外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に外務大臣官房長飯村豊君、外務大臣官房審議官林景一君、外務大臣官房参事官森元誠二君、外務大臣官房文化交流部長横田淳君、外務省総合外交政策局長谷内正太郎君、外務省アジア大洋州局長槙田邦彦君、外務省北米局長藤崎一郎君、外務省欧州局長小町恭士君、外務省経済局長田中均君、外務省条約局長海老原紳君、防衛庁防衛局長首藤新悟君、防衛庁運用局長北原巖男君、人事院事務総局総務局総括審議官吉藤正道君、警察庁刑事局長五十嵐忠行君、水産庁次長川本省自君、海上保安庁長官縄野克彦君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
服部三男雄#3
○委員長(服部三男雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
この発言だけを見る →
服部三男雄#4
○委員長(服部三男雄君) 二千一年の国際コーヒー協定の締結について承認を求めるの件、文化交流に関する日本国政府とロシア連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件及び税関手続の簡易化及び調和に関する国際規約の改正議定書の締結について承認を求めるの件、以上三件を便宜一括して議題といたします。
 三件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →
今井澄#5
○今井澄君 民主党・新緑風会の今井澄でございます。
 後ほど目下の非常に重大な案件について質疑させていただきますが、とりあえず三協定について質問させていただきます。
 外務大臣は、コーヒーはお好きですか。私もコーヒー大好きで、とにかくまず起きるとコーヒーを自分で入れるところから一日が始まるので、今度のこの三協定のうち特にコーヒー協定については関心を持って勉強させていただきました。もうこれだけでいろいろ議論をすると一時間やそこらかかりそうなぐらいおもしろい。イスラムから始まってどういうふうにしてヨーロッパに入っていったか、またヨーロッパがその植民地で栽培をさせていった歴史とか、それからヨーロッパで最初にコーヒーハウスが盛大にできたのはイギリス、ロンドンだったんですけれども、ロンドンはその後コーヒーハウスがなくなって紅茶になっちゃったんですね。逆に、パリでコーヒーハウス、カフェが盛んになっている。
 こういう歴史を見ると、男女共同参画の話まで出てくる。非常におもしろい歴史だなと思っておりますが、そういうことはきょうは時間がありませんので省略するとしまして、この三協定のうち、特に国際コーヒー協定ですけれども、最大のコーヒー消費国はアメリカですね、断トツでアメリカが最大の消費国。ところが、この協定にはアメリカは加盟していないというか脱退したわけですね。
 それで、その理由は何なのかということ。それからまた、今度の新たな協定では、民間部門の代表や非加盟国の参加者等を含めた世界コーヒー会議を開催するということになっているようですが、この非加盟国には当然アメリカも参加してもらえるのだろうかということですね。それからまた、民間部門の代表者の参加に何を期待するのかということ、このことを最初にお尋ねしたいと思います。
この発言だけを見る →
田中均#6
○政府参考人(田中均君) まず、なぜアメリカが脱退をしたかというお尋ねでございますけれども、もともとの協定につきましては、輸出割り当てという制度が含まれていた。これは市場に介入をして価格を安定させるという仕組みでございますけれども、米国はこれに対してやはり過剰な市場への介入であるということがございまして、特にその条項にかかわって反対をし、脱退をしたということでございます。
 それから二番目に、民間でございますけれども、委員御指摘のとおり、世界コーヒー会議というのが協定で新たに設けられております。実は、これは現在の加盟国の総意に基づきまして、既に国際コーヒー会議というのが現実に実現をいたしました。ここには米国も、米国の民間でございますけれども、参加をしているということでございます。
 それから三番目に、民間にどういう役割を期待するかということでございますが、この新しいコーヒー協定自身、やはり民間の役割というのを非常に大きく考えていて、まさに実際にコーヒーの栽培あるいは流通、輸出入に従事している人から意見を聞くべきではないかということが民間の役割でございます。
この発言だけを見る →
今井澄#7
○今井澄君 こういういわゆる商品に関する協定、特にこういう産地の限られている、あるいは発展途上国が物をつくる、生産地であるものについては、結局、生産国と消費国との間で価格をめぐって、あるいは安定供給をめぐっていろいろな対立がある。それを、協定を結び会議をやってうまく需給調整をしながらお互いに満足のいくところでいこうということなんだろうと思うんですね。
 ところが、アメリカが脱退した。ただ、調べてみますと、実はこのコーヒー協定というのをつくる音頭を取ったのがアメリカだったという話ですね、一九六二年。実は、国連のコーヒー会議でアメリカが積極的にやってきた。それは今から四十年前ですから、中南米の国々、ブラジルなどは最大の輸出国ですが、そういう国のコーヒーの価格を安定させることでその国の経済、政治を安定させたいという、そういうアメリカの思惑が強く働いてできたと聞いております。しかし、その後外れていったんですよね、率先してアメリカが外れていった。
 つい最近も、六月四日の読売新聞にキッシンジャーが「ブラジルが挑戦状」という題の、NAFTAとか、今度FTAAという全米の自由貿易圏をつくろうというアメリカの考えに対して、メルコスルという南米四カ国の結束を図って対抗していこうというブラジルの国なんかに対してちょっと論評を寄せています。
 そういう点でもちょっとアメリカが最近は国益、自国の国益を重視して、こういう協定やなんかからも脱退する。後で時間があったら述べたいと思うんですが、ユネスコからも脱退したり、いろいろな傾向が見えるんですが、ぜひここは民間レベルだけではなく政府レベルでもアメリカが国際コーヒー会議に参加するように、やはり日本としても働きかけるべきなんじゃないだろうかというふうに思うんですが、大臣、その辺、何かお考えありますか。
この発言だけを見る →
田中眞紀子#8
○国務大臣(田中眞紀子君) 今井委員とはいずれコーヒーの歴史についてお話をさせていただいて、うんちくを傾けていただければありがたいと思っております。
 そして、今の御質問に対するお答えですけれども、結論からいうと、直接その質問にお答えするとすれば、やっぱり情勢が、一九六二年にアメリカ主導でこういう協定ができたといっても、時代の推移の中で、アメリカの国情、国内情勢も当然変わってきておりますでしょうし、それから生産者と消費者の価格の問題というのもあるのではないかと思います。
 ですから、経済というのはやっぱり生き物だと思います。そして、以前は価格の調整というものをしていたそうですけれども、現在はしていないというふうなことを考えますと、情報をお互いに交換するというメリットはあったというふうに思いますけれども、今現在から将来を考えますと、民間と政府が意見交換をして、民間の意見を聞くことができるようになったということはプラスであるというふうに考えてよろしいのではないかと思います。
 あらゆる会議に全部の国が参加するということはなかなか難しいと思うし、アメリカにはアメリカの事情がやっぱりおありになるだろうというふうに思います。
この発言だけを見る →
今井澄#9
○今井澄君 確かに、今、大臣言われましたように、こういう商品協定、何か世界に六つあるそうで、オリーブについては日本は入っていないけれども、その他穀物とか熱帯雨林の木材とか、そういう商品協定、日本は他の五つは全部入っているようです。このコーヒー協定にかかわらず、今、大臣も言われたように、当初は経済的な目的で在庫調整なり価格調整だとか、輸出量、輸入量の調整だとか、先ほども外務省の政府参考人からもお答えがありました、そういういわゆる経済条項というものが中心になってやってきた。ところが、経済条項が外されていくというのは、自由貿易、市場原理重視という傾向からいえば、私はある意味で当然のことだと思うんですね。
 そうしますと、こういう協定というのは将来余り意味がなくなってくるのかなと。逆にまた、だから今、大臣も言われたように、情報交換あるいはそこを通じてのいい関係をつくる、そういうことが今後は経済条項より大事になるような気もするんですが、この経済条項を欠くこういった国際商品協定の将来像については、外務省としてはどうお考えでしょうか。
この発言だけを見る →
田中均#10
○政府参考人(田中均君) 委員御指摘のとおりでございまして、現在の国際商品協定の中にはいわゆる経済規制というものがない、これはまさに市場メカニズムを大事にするというのが基本でございますけれども、さはさりながら、これらの産品の輸出国のほとんどが開発途上国であるということもございまして、市場万能主義でもだめであろうと。
 そういう意味で、できるだけ市場の透明度を高めるために、いろんな統計を整備することであるとか、あるいは消費の振興プロジェクトをやるとか、あるいは先ほど大臣もお述べになりましたように民間との協力関係を進めていく、こういった形で、従来のように大規模な商品協定というのは徐々になくなっておりますし、これからもいろいろ重複する機能を持つものは統合していかなければいけないというのが基本的な考え方でございますけれども、引き続き、こういう形の商品協定というのは意義を持っているというふうに考えております。
この発言だけを見る →
今井澄#11
○今井澄君 済みません、あと一問だけ簡単に。
 もう一つ、日ロ文化協定の方に関係してなんですけれども、三条約とも私ども賛成ですし、これはこれでいいことだと思うんですが、旧ソ連邦に含まれていたCIS諸国との間はどうなるのかということですね。
 私も、特に中央アジアのCIS諸国、関心がありますし、まだ行ったことないんですが、あとベラルーシとかウクライナとか、あるいはチェルノブイリも昔行ってきたことがあるんですが、特に中央アジアの国々は日本に非常に熱い視線を向けているんですね。そろって日本にお見えになったり、もうしょっちゅうお見えになる。
 けさの朝日新聞を見ると、上海ファイブというのがあるんだそうですね、中ロと中央アジア。やっぱりここに対しても、文化交流なんかをきっかけにしてもっと日本は温かい目を向けるべきだろうと思うんですが、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →
林景一#12
○政府参考人(林景一君) ロシアと同様、これらのいわゆるCIS諸国、中央アジアの国を含めまして、基本的には旧ソ連との文化交流協定というものを承継してございます。
 政府といたしましては、旧ソ連邦との協定が承継されました国々との友好関係及び相互関係というものを一層増進させるために、文化交流が今後ますます重要となるというふうに考えておりまして、その促進に一層努力する所存でございますけれども、まずその交流の実績、そういったものをどんどん積み上げていくということが先決事項かなというふうに考えております。
この発言だけを見る →
小泉親司#13
○小泉親司君 コーヒー協定と日ロ文化交流協定及び税関手続に関する協定の三条約については賛成です。
 日ロ文化交流協定に関連しまして、領土問題と、それに関連する漁業問題について質問をさせていただきます。十分という限られた時間ですので、少しまとめて質問いたしますので、お答え願いたいというふうに思います。
 一昨日、私も根室市に参りまして、旧島民の皆さん、住民の皆さんとこの領土問題についていろいろ懇談をしてまいりました。やはり多くの皆さんが、この問題というのは、一日も早く領土問題の解決を図りたいという非常に悲願を込められた言葉が次々と寄せられてまいりまして、一体いつになったら解決するんだという本当に焦燥感も非常に漂っているという状況だというふうに思います。
 私たちは、この領土問題の解決というのは、そもそも旧ソ連のスターリンがカイロ宣言の領土不拡大の方針に反して奪い取った領土でありまして、このスターリンの大国主義的な誤りを正して、日本の歴史的な領土である歯舞、色丹及び国後、択捉を初めとする全千島の返還を求めることが大変重要だというふうに考えております。政府は四島返還という立場ですが、私たちはまず北海道の一部である歯舞、色丹の二島の返還を早期に実現すること、そして必要ならば友好協力に限った中間条約を結んで、平和条約については最終的に領土問題が解決した時点で結ぶという段階的な解決も図られる必要があるんではないかというふうに考えております。
 田中外務大臣は、所信表明で、日ソの領土問題について、イルクーツク首脳会談までに得られた成果をしっかり引き継ぐというふうにされている。そこで、私、このイルクーツク声明について幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 今回の声明では、一九五六年の日ソ共同宣言を基本的な法的文書であるということを確認したと明記しております。政府はこれが成果だというふうに大変宣伝をしておられますが、そもそも日ソ共同宣言というのは日ソ両国で批准された文書であって、政府はこのことは国会でも繰り返し表明されていることであります。じゃ、なぜ今回の首脳会談でこの日ソ共同宣言を基本的な法的文書としてわざわざ確認する必要があったのか、これが第一の質問で、欧州局長にお答え願いたいと思います。
 第二の質問は、日ソ共同宣言は九項で、ソ連は歯舞、色丹を日本国に引き渡すことに同意するとして、ただし、これらの諸島は日ソ間に平和条約が締結された後に引き渡されるというふうにしている。つまり、平和条約締結前には歯舞、色丹は返らないというようなニュアンスなんですが、私たちは、先ほど申し上げましたように、歯舞、色丹は北海道の一部と考えております。政府もそう説明してきた。そうであるなら、当然、平和条約前に歯舞、色丹の返還をするということも必要だというふうに考えますが、日本政府は平和条約の前の返還という道を閉ざしてしまうのかどうなのか、この点、外務大臣にはっきりとお答え願いたいと思います。
 第三の問題は、プーチン大統領は、日ロ首脳会談の後の記者会見で、今後の交渉について、いわゆる先ほど申し上げました九項について、統一した解釈には追加的な作業が必要だというふうに記者会見で言っておられる。となると、この日ソ共同宣言の九項の解釈を変えるということを言っておられるわけで、これをどう変えるのか。
 例えば、五六年の日ソ共同宣言では、松本全権大使は、ソ連は歯舞、色丹のみは平和条約が締結された際には返還するけれども、国後、択捉はどうしても返還できないという態度を堅持して譲らなかったんだ、こういうふうに答弁しておるわけで、一体ロシアはこの解釈においてどのようにしているのか。私たちは、歯舞、色丹の二島先行論が今まことしやかに議論されているけれども、やはりこのような歯舞、色丹の返還だけで国境を画定する平和条約締結は絶対あっちゃならないというふうに考えております。その点、外務大臣にも欧州局長にもお尋ねしたい。
 最後に、この領土問題は二〇〇〇年までに国境を画定する平和条約を結ぶというクラスノヤルスク合意での目標が設定されたわけですが、これがほごにされて新たな見通しが立っていない、大変私は厳しい局面にあるというふうに思います。イルクーツクの声明は、歯舞、色丹の早期返還に道を閉ざすと同時に、国後、択捉の施政権を事実上放棄するに等しかったいわゆる川奈会談での一方的な譲歩の提案だけ残ったという幾つかの問題点が残っているというふうに思います。
 私たちは、今後の交渉では、やはりこの立場を継承するのじゃなくて、ヤルタ秘密協定を初め、スターリンの誤りを是正するという日本の大義を示して交渉すべきだというふうに考えておりますが、田中外務大臣は、領土問題の交渉を含むいわゆる平和交渉を具体的にどのようにこれから進めようと考えておるのか、日本政府としてどのような立場を示すべきだというふうに考えておるのか。
 以上四点、お答え願いたいというふうに思います。
この発言だけを見る →
小町恭士#14
○政府参考人(小町恭士君) お答えいたします。
 まず一九五六年の日ソ共同宣言について、なぜそれを再度確認する必要があるのかという点でございますけれども、五六年共同宣言は、両国の議会の承認を受けて批准された国際約束でございまして、政府としては一貫してこの宣言は有効なものであるとの立場をとってきております。しかしながら、これまでの日本とソ連、日本とロシアの関係の歴史の中で、ソ連、ロシア側はこの共同宣言の有効性を否定していた時期があり、またその有効性につきましても対外的に明確に表明するには至っておりませんでした。したがいまして、イルクーツク声明におきまして、この宣言が本件交渉の出発点たる基本的法的文書と位置づけられたことは意味があるものと考えております。
 それから、第二点の御質問でございますけれども、五六年の日ソ共同宣言は、第九項におきまして、平和条約締結後の歯舞、色丹の日本への引き渡しとともに外交関係回復後の平和条約交渉を継続することを規定しております。
 いずれにいたしましても、政府といたしましては、これまでの日本とロシアの間の合意、交渉の成果を踏まえつつ、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの一貫した方針のもと、交渉に取り組んでいく考え方に変わりはございません。
 それから、プーチン大統領が共同宣言第九項について発言したこととの関係でございますけれども、五六年共同宣言におきましては、平和条約締結後に歯舞群島、色丹島が日本に引き渡されることが明文で規定されております。この宣言が義務的なものであることはロシア側も認めております。
 他方、ロシア側は、五六年宣言に規定されております歯舞群島、色丹島の引き渡しの条件は交渉の対象であるとしておりますけれども、この趣旨は必ずしも明確ではありません。
 いずれにいたしましても、政府といたしましては、四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの一貫した方針のもと、交渉に取り組んでいく考えでございます。
 それから、今後の進め方でございますけれども、政府といたしましては、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの一貫した方針のもとに交渉に取り組んでいく考えでございます。
この発言だけを見る →
田中眞紀子#15
○国務大臣(田中眞紀子君) 今、小町局長が言ったことですべてはもう如実にあらわれておりますけれども、あえて私の口から復唱いたしますと、これまでの日ソ、日ロ関係の歴史の中で、ソ連、ロシア側がこの共同宣言の有効性を否定していたような時期もありまして、その有効性についても対外的に明確に表明するには至っておりませんでした。ですから、イルクーツクの声明において、この宣言、五六年の宣言のことですけれども、これが本交渉の出発点たる基本的法的文書として位置づけられたことには私は意味があるというふうに思います。
 そうして、じゃ、日本のスタンスはどうかというお尋ねでございますけれども、それは北方四島の帰属の問題をまずはっきりする、帰属の問題ですね、そしてその後に平和条約を締結するということで、これは政府はずっと一貫したスタンスでおります。
この発言だけを見る →
小泉親司#16
○小泉親司君 委員長、もう一問だけ。
この発言だけを見る →
服部三男雄#17
○委員長(服部三男雄君) 時間ですから。
この発言だけを見る →
小泉親司#18
○小泉親司君 じゃ、終わります。
    ─────────────
この発言だけを見る →
服部三男雄#19
○委員長(服部三男雄君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、高野博師君が委員を辞任され、その補欠として木庭健太郎君が選任されました。
    ─────────────
この発言だけを見る →
田英夫#20
○田英夫君 三条約は賛成でありますから、今、ロシアの問題、同僚委員も取り上げられましたが、私もロシア問題を取り上げようと思います。
 その前に一つ、お知らせしてありませんでしたけれども、報道によると、きのう十一日、外務大臣はカンボジアのフン・セン首相とお会いになったということで、その内容も報道されておりますけれども、一つお願いしたいことがあります。
 日本とカンボジアのかかわりの中で非常に重要な部分で、地雷の除去について、既にODAを発動して日本の四台の地雷除去機がカンボジアで動き始めています。カンボジアの実態は、私も何度か行きましたけれども、地雷を除去しなければどのぐらいの数があるかわからないほどのことですけれども、以前は米を輸出したほどの農業国ですが、今は全くそれができない。カンボジアの復興は地雷を除去しなければ始まらないと言っていいと思うんです。日本の除去機は旧来の地雷を除去するやり方と全く違って、対人地雷に限りますけれども、道路工事用のショベルカーのような機械ですけれども、それで完全に除去できるという実験もしております。フン・セン首相もこのことを私も何度か会って話しましたからよく知っています。
 現在四台がテストのような形で行っているんで、専門家の話によると、二十台なり三十台投入すれば全カンボジアで十年後には地雷がゼロになるだろう、こういうことを言っております。戦争のときは別ですが、ああいう平和になった国を完全に復興させるためには地雷ゼロにしなければいけないということで、このODAは非常に重要な問題だと思います。経済協力局長はもう既によく御存じだろうと思いますが、この問題については答弁は要りませんから、ひとつ大臣も頭の中に入れていただきたいということをまずお願いをしておきます。
 ロシアの問題も、今既に私の申し上げたいことを同僚委員からも話が出ましたが、第一に日ソ国交回復の交渉というのは、日本側からではなくてソ連側から申し入れがあって始まったということをまず第一に思い出さなければならないと思います。本来なら、いわば日ソは、ソ連が戦勝国、余り戦争をしたとは思えませんけれども、戦勝国側から申し入れてきたわけですね。しかも、吉田内閣から鳩山内閣にかわった直後をねらって、代表部の一参事官が時の総理大臣に会談を申し入れたという非常に異例な形で始まったと思います。実は、私はそのとき霞クラブにいましたので、ソ連のドムニツキー参事官という人が私どもの同僚記者に鳩山さんに会えないものだろうかということを相談したのがそもそも始まりなんですね。時の総理大臣と国交のない国の一参事官が会談をするという非常に異例な形で始まって、その後、松本俊一さんなどが全権大使になられて五六年の共同宣言ができた。その最初の接触は五五年の十二月だと思います。
 なぜそうなったのかというと、当時保守合同でできたばかりの自民党の中で、いわゆる吉田派はソ連との国交回復に必ずしも賛成ではなかった、そういう状況。それから外務省との関係でいうと、外交問題であるにもかかわらず、重光外務大臣は蚊帳の外だったという状況がかなり続いていたと私は新聞記者として承知しております。そういう変則的な始まり方をした、それでわずかな時間に五六年共同宣言に到達しているわけで、私はしたがって、日本側のコンセンサスが、しかも政府・与党側のコンセンサスが十分でなかったのではないかということをずっと感じております。それをやはり乗り越えていかないと日ロ交渉というのは進まないんじゃないかな、こういう感じを持っています。
 特に北方四島の問題というのは、五六年には明らかに歯舞、色丹を先行させる、四島のうちの歯舞、色丹を別にするということを合意しているわけでありまして、その辺をきちんと日本側が今後も意思統一をしていかないと交渉が進まない、足元を見られるといいますか非常に難しい問題だと思います。地理的、歴史的に絡んでこの四島、歯舞、色丹と国後、択捉を区別するという考え方が一方にどうしても出てくるものですから。
 外務大臣、その問題だけで質問を終わりますが、このロシアとの交渉について、四島とのかかわりでどう思っていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →
田中眞紀子#21
○国務大臣(田中眞紀子君) その前に、触れずにいいとおっしゃいましたけれども、あえて。
 きのうカンボジアのフン・セン首相とお目にかかったんですが、私もきのうは、地雷のお話はベトナム戦争やそのほかのアフリカのケースも知っておりますので、地雷のお話が出るかと思いましたけれども、むしろもっとその後の援助の問題ももちろんございますけれども、それによってもっと活性化していくという、もっと明るい将来についての見通しとか希望をおっしゃっておられました。
 ただ、私は、世界じゅうこういう戦火の跡、最近はこの地雷の、ランドマインズの問題が大変ありますし、閣僚にしていただく前に民放のストップ・ランドマインというようなキャンペーンに参加した経験も自分でございますので、この問題は必ず日本のODAの中で生きた形としてやらなければいけないと思っておりましたので、今極めて現実の一番直近の問題を御提言いただいて、さすがと思いました。
 次に、ロシアの問題、これはもう歴史の証人として当時霞クラブにいらして、その進行状態を時系列的にしっかり教えていただいてまことにありがたいというふうに思いました。こういう機会はなかなかありませんで、外務大臣職になってつらいことはたくさんありますけれども、やはりこういう貴重な御意見をじかにアドバイス、そして事実として、ファクトとして教えていただけることは政治家として大変貴重なことだというふうに思っております。
 お答えでございますが、やはり基本はジグザグいろいろあったかもしれません。それから、ソ連になって、ロシアになってという、やっぱりこういう外交交渉というのは先方の立場というものもありますし、先ほど吉田内閣から鳩山内閣に移行する時期であるとおっしゃったわけで、こういう政権交代をするときでありますとか、あるいは国の体制が変わるとき、これは政治にとって、外交にとって極めてデリケートなときであるというふうに私は政治家の家庭に育ちながら見ておりました。それを常に見ていないと、相手があることであるし、世界が動いているんだと、生き物だということですね。
 その中で、経済はもちろんそうですが、経済とは違って、経済が理系とすれば外交は文系でありますが、そういう仕切り方がいいかどうかはまた議論があるかと思いますが、その中で外交は極めてデリケートであって、ですから何でもかんでもべらべら右から左へしゃべれないという問題もあると思います。
 しかし、私の基本認識は、日本固有の領土である四島、これの帰属の問題ですよ、これがまず一つ、これはぶれちゃいけないと思います、領土問題は決してぶれちゃいけない。いかなるときにあってもどんな体制であってもぶれないこと。そして、この帰属の問題がはっきりしてから日本は一貫して、もう耳がタコに皆様なっておられるでしょうけれども、平和交渉の締結ということに至るべきと。そのプロットは決してどんなことがあっても踏み外してはならない日本の対ロシア外交の基本であるというふうに認識いたしております。
この発言だけを見る →
田英夫#22
○田英夫君 終わります。
この発言だけを見る →
服部三男雄#23
○委員長(服部三男雄君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、二千一年の国際コーヒー協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
この発言だけを見る →
服部三男雄#24
○委員長(服部三男雄君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、文化交流に関する日本国政府とロシア連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
この発言だけを見る →
服部三男雄#25
○委員長(服部三男雄君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、税関手続の簡易化及び調和に関する国際規約の改正議定書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
この発言だけを見る →
服部三男雄#26
○委員長(服部三男雄君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、三件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
服部三男雄#27
○委員長(服部三男雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
この発言だけを見る →
服部三男雄#28
○委員長(服部三男雄君) 次に、外交、防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →
森山裕#29
○森山裕君 おはようございます。自民党の森山でございます。
 田中外務大臣、毎日本当に御苦労さまでございます。
 私は、毎週末地元の鹿児島に帰りまして、国政報告のためのミニ集会を催すことを慣例としておりますが、小泉内閣発足以来、我が鹿児島におきましても政局に関する有権者の関心というのは異常に高いなというふうに思います。私どもが催しますミニ集会にもたくさんの方々に御出席をいただきます。その中でいろんな意見があるんですけれども、一番話題が多いのはやはり田中外務大臣の話題であります。その内容を一言で言いますと、外務大臣にぜひ頑張ってほしいという一言に尽きるんだなというふうに思います。
 一方、外務省では一体何が起こっているのかという素朴な疑問が投げかけられてまいります。疑問の最たるものは、松尾事件と申しますか官房機密費横領事件に関するものであります。多くの発言において、事件の解明がおざなりであり、外務官僚はその大罪について反省が足りないのではないかという鋭い指摘があります。また、田中外務大臣と外務省幹部とのあつれきといいますか、そういうふうに受け取っている人も多いと思いますが、そのことはそもそも機密費横領事件の解明が不十分であることが原因であって、もし外務大臣が官僚の抵抗に屈服するようなことがあれば、外務省が抱えているいろんな問題というのは永久に解明されないのではないかというような意見が鹿児島の地方でもあります。
 中央行政機関の不祥事にこれほどの関心と疑問が寄せられているということはよくよくのことであり、我々はこうした国民の声を軽く扱ってはならないんだろうと私は基本的に思います。
 そこで、まず田中外務大臣にお尋ねをいたしますが、大臣は外務省を伏魔殿と表現されました。とすれば、これから展開をされる改革によってどのような外務省に生まれ変わるのでしょうか。まず、大臣のお考えをお聞かせください。
 次に、この委員会でも訪米のことについてその意向を強く示してこられましたが、これは通告をしておりませんが、昨夜からの報道によりますと、訪米がほぼ決まったかのような報道がありますが、そのことについても、現状どうなっているかについてお聞かせをいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
← 戻る