法務委員会

2001-06-07 参議院 全204発言

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会議録情報#0
平成十三年六月七日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月六日
    辞任         補欠選任   
     竹村 泰子君     本岡 昭次君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         日笠 勝之君
    理 事
                久野 恒一君
                江田 五月君
                魚住裕一郎君
                福島 瑞穂君
    委 員
                青木 幹雄君
                岩崎 純三君
                尾辻 秀久君
                岡野  裕君
                佐々木知子君
                斎藤 十朗君
                竹山  裕君
                中川 義雄君
                吉川 芳男君
                小川 敏夫君
                千葉 景子君
                角田 義一君
                本岡 昭次君
                橋本  敦君
                林  紀子君
                平野 貞夫君
   衆議院議員
       発議者      山本 幸三君
       発議者      上田  勇君
   国務大臣
       法務大臣     森山 眞弓君
   副大臣
       法務副大臣    横内 正明君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  中川 義雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        加藤 一宇君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官
       兼行政改革推進
       事務局行政委託
       型公益法人等改
       革推進室長    小山  裕君
       総務大臣官房審
       議官       衞藤 英達君
       総務省行政評価
       局長       塚本 壽雄君
       法務省民事局長  山崎  潮君
       財務大臣官房審
       議官       竹内  洋君
   参考人
       東京大学大学院
       法学政治学研究
       科教授      能見 善久君
       松蔭女子大学経
       営文化学部教授  雨宮 孝子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
〇中間法人法案(内閣提出、衆議院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
〇債権管理回収業に関する特別措置法の一部を改
 正する法律案(衆議院提出)

    ─────────────
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日笠勝之#1
○委員長(日笠勝之君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨六日、竹村泰子さんが委員を辞任され、その補欠として本岡昭次君が選任されました。
    ─────────────
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日笠勝之#2
○委員長(日笠勝之君) 中間法人法案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、お手元に配付の名簿のとおり、二名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、東京大学大学院法学政治学研究科教授能見善久君及び松蔭女子大学経営文化学部教授雨宮孝子さんでございます。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。
 参考人の皆様方から忌憚のない御意見をお聞かせいただきまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 議事の進め方でございますが、まず能見参考人、次いで雨宮参考人の順に、お一人二十分程度で御意見をお述べいただきまして、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、念のため申し添えますが、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっております。また、各委員の質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いしたいと存じます。
 なお、参考人の方の意見陳述及び答弁とも、着席のままで結構でございます。
 それでは、能見参考人からお願いいたします。能見参考人。
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能見善久#3
○参考人(能見善久君) ただいま御紹介いただきました能見でございます。
 私は、東京大学の法学部及び大学院で民法を教えております。法人問題も民法とかかわりが深いということで、きょうは意見を述べる機会を与えていただきました。ありがとうございました。
 レジュメに沿って中間法人制度についての私の見解を述べていきたいと思います。
 初めに、基本的な立場ないし中間法人制度を見る視点ということから始めたいと思います。
 レジュメの1のところです。基本的な視点に関しては二つほどここで述べたいと思うわけですが、一つは、団体に法人格を付与することの意味ということから始めたいと思います。
 今回の中間法人制度は、非公益そして非営利の団体に法人格を付与するわけですが、そもそもある団体に法人格を付与するということはどういうことなのかということを確認しておく必要があります。それは、法的な意味あるいは法技術的な意味と、もうちょっと社会的な意味というのがあると思います。
 法的な意味については、これは改めて言う必要もないくらいですが、一つには、法技術的には法人固有の財産をつくり出して法人の名前で活動ができるようになると。また、多くの場合には構成員に有限責任を求めることになります。
 しかし、ある意味でもっと重要なのは、法人格付与の社会的なというんでしょうか、狭い意味での法的な意味に含まれないもうちょっと広い意味です。法人格付与をいたしますと、これによって団体は対内的にも、つまり団体内部でもあるいは対外的にも明確な存在になって、そういう意味でこの団体の活動というものが活性化されると。団体の活動が活性化されることによって、それに伴ってまた社会的な意義というものも高まるのではないかと。要するに、法人格付与の積極的な側面というものを見る必要があるということであります。
 団体に対して簡単に法人格を付与するということに対しては、違法な活動に対する隠れみのになるとか、あるいは法人が乱用されるという懸念がしばしば議論されますが、しかしそれはそれで対処する別な方法があると思われますので、それよりも法人格を付与することによって団体活動が活性化し、ひいては社会全体が活性化する、そういうことを強調したいと思います。
 第二点目、法人。ここでは非営利ないし公益的な団体を念頭に置きますが、それに対する基本的な視点というものについての確認です。
 この非営利団体あるいは公益的な団体に対してどのような政策でもって臨むのか、そういうスタンスの問題です。この点につきましては、私は、公益法人あるいは公益的な団体と中間法人とでは基本的に少し異なる政策というものがあり得るのではないかと考えております。
 公益法人については優遇税制が伴ったりいたしますので、団体組織の透明性ですとか、あるいは公益性を認定する場合にはその基準の明確性であるとか、あるいは団体の組織の信頼性といったことが重要になります。したがって、こういった原理にふさわしい法人組織というものが要求されるということになります。
 これに対して、社員の共通の利益を図ることを目的とする団体、中間法人、これはちょっと大げさかもしれませんが、憲法十三条の幸福追求権と思想的につながるものではないかというふうに私は考えております。そういう意味で、自己の発展あるいは今の幸福追求のために団体を使ってさらに一層活動を発展させる、そういうことなわけですが、そうなりますと、ここでは自由ですとかあるいは自己決定といったことが基本的な原理として重要になってまいります。したがって、中間法人の組織も、できるだけ自由度の高い、それぞれの団体のニーズを反映できるような柔軟さを備えることが必要ではないかと思います。
 次に、「2 中間法人法に対する評価」というところですが、以上のような基本的な視点から今回の中間法人の法案を見ますと、次のような評価をすることができるのではないかと考えております。
 第一に、これは民法関係者の間では恐らく異論がないことだと思いますが、今回の中間法人法案によって、今までの法人制度のもとでは法人格を取得したくてもできなかった、そういう団体が法人格を取得できるようになったということであります。
 これは、簡単にそこにレジュメに図をつけておいて、かえってわかりにくい図かもしれませんが、往々にしてよく、営利法人、それから他方の極に公益法人、真ん中に中間法人というふうに言われておりますが、実は民法三十四条の公益法人の規定から出発いたしますと、公益法人というのは公益、そこに挙げられている各種の公益事業、公益を追求することと、かつ非営利であるということで、二つの実は要素あるいは軸というものがあります。この図では、非営利、営利の軸を縦軸にとっておりまして、したがって上の方の二つは非営利の団体である。非営利というのは利益を分配しないという意味ですが、下の方は営利の団体で、これは利益を分配する、こういう軸と、それからもう一つは、その事業内容が公益であるかあるいは公益でないか、公益でないという方はちょっと言いにくいんですが、一応ここでは私的な利益を目的とするというふうに言いたいと思います。
 こういうふうに切りますと、結局四つの領域ができまして、Aと書いてあるところ、これが現在の公益法人、公益かつ非営利の活動をするというところであります。その対極にある営利法人というのは、利益を分配するし、また事業も通常は単なる公益よりはもうちょっと収益そのものを上げることを目的とする事業ということで、Aの対極にあるCが営利法人というわけですが、しかし営利法人が公益的な活動の方に手を伸ばすことは恐らく許されると思いますので、営利を一応中心に据えながらも公益的な事業、例えば鉄道事業だとかそういったことをすることはできますので、CとDのところも営利法人になる。残っているところが、この図で言うとBになるわけですが、ここが今まであいていた。ここを埋めたというのが今回の中間法人制度だということになります。これが第一点。
 それから第二に、これはある意味で今の第一点と重なる点もあるんですが、今回の中間法人制度によって非営利活動あるいは共通の利益を追求するということで共益活動と仮に呼びますが、この非営利活動が社会的に活発になされる、そういう法的な基盤を整備したということが重要ではないかと思います。
 これは、今の穴を埋めたということと同じことのようにも思えますが、しかし非営利活動が今後の成熟した社会においてますます重要になる。単なる経済的な利益の追求だけではない。また、公益活動は公益活動で重要ですが、その中間を占める私的な利益を、つまり共通の利益を追求するんだけれども単なる経済活動ではない、そういうものが今後ますます重要になってくる。こういうものの活動のための基盤、法人制度で活動するための基盤を整備したというのが今回の中間法人であると思われます。
 それから、三番目に評価の点ですが、今回の中間法人を評価する際の三点目ですが、今回の中間法人制度はそれなりに社会の多様なニーズにこたえるものとなっているということも注目する必要があります。もっとも、この非営利活動というのはなかなか範囲が広くて、いろんなものが含まれます。例えば、業界団体であるとか、あるいは同窓会、あるいは学会、私なども属しておりますが、それからさらに、もうちょっと小規模な、例えば趣味のような団体、クラブ、いろんなものがありまして、これらのすべてのニーズを酌み取ってそれにこたえるというのはなかなか簡単ではありません。
 中間法人法案は、一応いろんな多様な団体があるだろうということで、有限責任中間法人とそれから無限責任中間法人、二種類を用意することで対応しようとしております。これ自体いろいろ問題がないわけではありません。私もいろんなところで議論いたしました。特に、例えば無限責任タイプというのが果たして本当に適切かどうか、使えるかどうかといった点については問題がないわけではありませんが、しかし多様性を追求するという視点から、いろんなプログラム、いろんなタイプを用意したということは評価できるのではないかと考えております。
 さて、論点、レジュメの3、幾つかの重要な論点についての私の見解を述べたいと思いますが、第一は、この法人制度全体の中で中間法人をどう位置づけるかという問題であります。恐らくこれが理論的に一番重要かもしれません。中間法人は、先ほどの図にありますように、単純ではありませんけれども、営利法人と公益法人の間に挟まれている。中間法人というのはその両者、公益法人あるいは営利法人とどういう関係にあるかという点です。
 最初に、公益法人との関係について見ますと、二点ほど指摘したい点がございます。第一は、この中間法人は社員の共通の利益を追求するということを目的としているものですが、現実にはかなり広い範囲のものをカバーするという点であります。共通の利益が中心に据えてあれば、例えば公益的な活動をすることも可能になります。例えば、環境保護ですとか地域の美化活動だとか、こういうものは公益活動のある種の典型だと思いますが、これも団体の構成員が自分たちの共通の利益の追求としてこれを行うということであれば中間法人として設立することもできると考えられます。
 もっとも、後でもう少し詳しく触れますが、公益活動を永続的に、かつ確実に行うのに中間法人が適した組織かどうかというのは別な問題であります。公益活動を行う団体に対しては、恐らく市民全体が関心を持ち、市民は団体の中身、そういった公益的な団体の中身についても知りたいと考えるでしょうから、そういう意味ではそれに対応した規定などが今必要になります。しかし、中間法人制度が、これはさっきの共通の利益を追求するという団体ですので、そこまで徹底して市民一般に対する情報開示をするという形の団体にはなっておりません。
 第二に、この公益法人と中間法人の組織法的なレベルからの比較なんですが、端的に言いますと、中間法人と公益法人を含めて広く非営利法人制度というのを考えるべきなのか、それとも中間法人と公益法人とを一応区別するのが適当なのかという問題であります。
 今回の中間法人制度は、一応現行の公益法人制度を所与の前提として、後者の立場、つまり中間法人と公益法人というのを一応類型として二つ組織法的に分けたというものであります。個人的には前者の立場、すなわち全体として非営利法人制度というものを考えて、法人格付与は比較的簡単に準則主義ですべていく、そして公益法人についてはさらにどこかで公益性を認定する、非営利法人全体の上に部分的に公益法人制度が乗っかると、そういう制度も考えられます。現に、ドイツなどはそういう制度をとっております。
 ただ、よく考えてみますと、この方法には問題がないわけではありません。すなわち、こういうふうにして準則主義で簡単に一応非営利法人というものを設立いたしますと、後で公益性を認定する必要が出てまいります。どこがするかは一つの問題ですが、それはともかくとして、仮に課税庁などが、税務当局などが税の優遇措置を与えるというので、どういう団体ならば適しているかという判断をして、まず公益性を認定するといたします。そのときに、何を判断するかが問題なんですが、本当にその団体が公益活動を実際に行っているかどうか、つまり事業の内容について判断するならば私はあり得る制度だと思いますが、それに加えてさらに公益性が認定されるためには、この種の団体にはある種いろんな組織法的な手当てをしなくてはいけない。もうちょっとはっきり言いますと、税制適格要件というものを加重して、この団体はこういう制度を備えていなくてはいけないとか、いろいろ要件を加重することが考えられます。これを認めますと、事実上、課税庁のレベルで組織法的には非営利法人一般とは別の公益法人というものをつくり出すことになりまして、これは私は余り適当ではないのではないかと考えております。
 こういうことをするよりは、組織法一般のレベルで、公益を目的とする公益法人にふさわしいタイプと、それから私的な共通の利益を追求する中間法人とを分けた方がよろしいのではないかというふうに考える次第であります。そして、中間法人は公益法人よりはずっと緩やかな自由度の高い制度にする、それが望ましいのではないかと考えております。
 営利法人との関係については一言だけ述べておきたいと思いますが、この中間法人という制度が営利法人あるいは営利活動の目的でもって乱用されることはないだろうかという心配が時折議論されます。しかし、この中間法人制度は、営利を目的とする、あるいは利益を分配するための制度としては極めて不便なものでありまして、形式的には中間法人の社員は利益の分配請求権がありませんし、営利活動にはそれほど向いた制度ではありません。したがって、乱用の心配が全然ないわけではありませんが、そのことを余り強調して中間法人制度にきつい規制をかぶせるというのは適当ではない、現在、法案として出ている程度の規制で十分ではないかと思われます。
 あと幾つか論点がありますが、時間の関係もありますので少し省略いたしますが、「営利・非営利・公益の関係」については今まで述べてまいりましたので、これは省略いたします。
 「組織変更ないし転換」について一言だけ述べますと、これは非常に一つの論点になっておりますけれども、今までの公益法人というものが、仮に寄附であるとかあるいは税の優遇制度によって蓄積されてきた財産がそのまま中間法人に引き継がれるということになりますと、中間法人はいつでも解散することができますし、解散をいたしますと、その段階での財産がいろんな人に帰属いたします。そういうことで単純に移行させるというのはなかなか難しい。もちろん、それは政策的にはあり得る制度だと思いますけれども、この中間法人制度そのものの中でやるのがいいのかどうかということについては多少議論が必要だろうと思われます。
 あと一言だけ。「今後の課題」についてでありますが、先ほど既に触れましたが、中間法人というタイプ、自分たちの利益を追求するタイプと公益的な利益を、あるいは公益活動をしていくタイプとで法人制度として分けた方がいいのかどうかというのがまず最大の問題であります。これについては先ほど触れましたが、周辺的な関係、例えば公益をだれがどういうふうに認定するのかといった点と関係いたしますので、そういうことを見据えながら今後議論していく必要があるというのが一つです。
 それから、公益活動全体あるいは公益法人制度全体についての見直しというのが極めて重要であると。これはいろんなところで議論されておりますので、後でまた御質問があればお答えしたいと思いますが、基本的にはこの公益活動というのは、今後恐らくその公益活動に投入する財、人的なあるいは財政的な財というものは、資源というものは限られている。そうなりますと、どういうような公益活動にそれを投入するのかというのが極めて問題となってまいります。恐らくある種の競争原理、競争原理だけではだめだと思いますが、ある種の競争原理を導入することが必要ではないかと考えております。
 そういう観点からいたしますと、公益法人というものは、確かにきちっとしたものができなくてはいけないんですけれども、余り厳しく締めつけるよりは、多少は今の自由な競争を許すような枠組みを提供した方がいいのではないかという点を考えております。
 ちょっと時間を過ぎたかもしれませんが、また御質問があったらお答えしたいと思います。
 以上でございます。
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日笠勝之#4
○委員長(日笠勝之君) ありがとうございました。
 次に、雨宮参考人にお願いいたします。雨宮参考人。
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雨宮孝子#5
○参考人(雨宮孝子君) ただいま御紹介にあずかりました松蔭女子大学の雨宮でございます。
 本日は、中間法人法案に対して意見を述べさせていただく機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
 中間法人法案に対し最初に結論を述べさせていただければ、今国会に法律案として提出されている中間法人法案に対しては、反対ではありませんが、積極的には賛成できません。
 反対でないという理由は、この中間法人法案によって、これまで非営利でありますが積極的に公益も目的としない、言いかえれば共益的な団体、例えば同窓会、趣味の会などの法人化がこの法律によって可能となる点は評価できると思います。特に、同窓会会館など不動産を所有している団体は法人化して法人名義で登記するメリットはあります。
 しかしながら、この法案は、社員の共通の利益を目的とし、剰余金を社員に分配しないことを目的とする社団が対象となるもので、例えばワーカーズコレクティブのように、場合によっては剰余金を分配できる非営利団体には適用されません。ただ、分配をするということでは、これは非営利と言わないという考え方もあるかもしれませんけれども。また、財団の形をとる団体をすくい上げることはできません。そういう意味では、公益と営利のすき間をすべて埋めるということはできないと思います。
 積極的に賛成できないという理由として大きな点は、民法の法人に関する規定に問題があるからです。
 民法では、民法の規定か他の法律の規定によるものしか法人を認めていません。民法では第三十四条の公益法人、非営利で、かつ公益を目的として主務官庁の許可を得たものと、それから三十五条に営利の社団法人の規定が置いてあります。それしか置いていないとも言えます。つまり、積極的に公益も営利も目的としていない、いわゆる非営利団体の法人化についてはすべて特別法にゆだねられているというところに問題があるわけです。現状では、包括的に非営利団体を法人化する法律はありませんので、その公益と営利のすき間を埋めるために個別の特別法は既に百八十以上を超えています。つまり、すき間を埋めるために法律をつくるということに問題があると思うんです。
 また、営利法人については、一定の要件、資本金の額、公証人による定款の認証等が充足すれば当然に法人になれる準則主義をとっているのに対し、民法の公益法人は、法定要件の具備に加え、法人設立の許可をするかどうかをその団体の事業内容を所管する役所の自由裁量にゆだねる許可主義をとっており、その設立は容易ではありません。
 そこで、九八年三月には、規模の小さい市民団体でも簡易に法人化できるようにすることによって民間の非営利公益活動をやりやすくするための特定非営利活動促進法ができました。この部分は解決しましたが、非営利だけでくくる法人法がないために、営利ではないけれども積極的に公益も目的としない、いわば公益と営利の中間に位置する団体の取り扱いにつき、今回の法人法のように中間法人制度を設けるべきではないかとの検討は、古くは一九六四年の臨時行政調査会の許認可等の改革の中で指摘され、さらに七一年、法制審議会では、休眠法人の整理と中間法人が検討事項になっていました。この法制審議会では、単に中間法人を創設するというだけでなく、非営利法人の一般法にするかどうかも議論されて、結果的には法人制度の根幹にかかわる問題なので早急には結論が出なかったようです。さらに、一九八五年、また九二年、総務庁による公益法人の行政監察結果に基づく勧告では、公益に関しない非営利団体についても中間法人としての法人格を付与することが指摘されています。
 現在の中間法人法へ至る経緯をさらに見ますと、九六年、与党の行政改革プロジェクトチームのまとめました公益法人の運営等に関する提言では、民間団体にとって非営利の法人格を取得する手段が民法三十四条による以外にないために、例えば多くの業界団体などが公益法人になっていることの問題性を指摘しています。そして、中長期的には民法を見直して、準則主義による非営利法人の設立を可能にするよう検討すべきとしています。これを受けて、九六年、閣議決定で公益法人の設立許可及び指導監督基準ができ、その中で、経過措置として、既に設立している法人で、民法の規定上やむを得ず公益法人になっているものについては抜本的な法人制度の改革を待って対応するということになったのです。それで、これを実現すべく、法務省の中に法人制度研究会が発足しまして、非営利で共益的な団体に対する法人化が検討されたことは皆様も御存じのとおりです。
 続いて、法制審議会民法部会に法人制度分科会が設置され、いわゆる中間法人制度の創設が検討されることになったのです。ここでは、民法改正による非営利一般法を制定することについても一応検討されたというふうに報告はなっております。そこでは、関連法の多い民法改正は非常に時間がかかり、現実的でなく、それゆえ特別法として中間法人制度の検討を行うことにされたというふうに書いてあります。ここは実は問題だと思うんです。時間がかかるのが現実的でないならば、いつならば民法改正ができるのでしょうか。というのも、与党プロジェクトチームの提言では、中長期的には民法を見直すこと、閣議決定では抜本的な法人制度の改革を念頭に入れているにもかかわらず、そのどちらでもない特別法による中間法人制度の検討だけに終わっているからです。
 結果として、中間法人として法人格を取得できる団体は限定的で、この法律ができたとしても公益と営利の間に存在するさまざまな非営利の団体すべてを法人化できるわけではないことは前に述べたとおりです。既に百八十以上ある特別法がふえるだけということも言えるかもしれません。
 もともとこの中間法人の創設については二つの目的があったようです。一つは、公益を広く解釈して無理に公益法人に入っているいわゆる同業者団体や互助団体等を中間法人へ移行させるため、もう一つは、現行制度では法人格を持ち得ない同窓会や互助会などを法人化させることであります。どちらかといいますと、前者の目的が強いように思えました。
 ところが、中間試案に入っていた公益法人からの組織変更の規定はなくなっています。公益法人から中間法人へ組織変更する場合、中間試案では、財産をそのまま持っていって解散時には残余財産を分配できるとした点が、これは脱法的な行為になるから、入らなかったことについては私はいいと思います。その規定がなくなった今、この中間法人制度を使って法人化する団体はどれほどいるのかということについてはちょっと疑問に思います。
 また、これがさきに述べた閣議決定に言う抜本的な法人制度の改革と言えるのでしょうか。この規定がなくなったからには公益法人から中間法人への組織変更は強制されないと理解していいのでしょうか。我が国の統一のとれていない法人法にさらに特別法が加わり、その内容を複雑にするだけに終わらなければよいと私は思っております。この法律の存在で、今後、規模の小さい公益団体は特定非営利活動法人へ、非営利だけれども公益性の少ない団体は中間法人へというふうに分類され、本来の公益法人の増加を抑制、言いかえればふやさないようにすることが目的であっては私はならないというふうに思います。
 もともと公益法人になっている中間法人的な団体については、昭和四十七年の公益法人監督事務連絡協議会の申し合わせ事項に、同窓会、同好会など構成員相互の親睦、連絡、意見交換などを主たる目的とするもの、あるいは特定団体、特定職域の者のみを対象とする福利厚生、相互救済を主たる目的とするものは両方とも公益法人の許可をすることはできないというふうに規定されているんですね。申し合わせ事項ですから法律ではありませんが。
 そういう状態の中で、公益性もないのに主務官庁が許可をしたのならその判断が問題なのでありますし、当初は公益性のある事業をしていましたが、後にメンバーの利益だけを追求する事業しかしなくなったのなら、監督者としての主務官庁は行政指導で公益性のある事業をするように指導するのが必要なわけです。それでも公益性のない事業しかしないのなら、許可の取り消しを行うのが筋であります。許可の取り消しができないので、移行させるための受け皿としての中間法人制度を創設するのは問題です。
 もっとわからないのは、同業者団体はすべて共益的な団体なのでしょうか。経済団体でも公益的な活動をしているものはたくさんあります。まず、同業者団体の定義をどのように考えているかも不明であります。
 それから、中間法人制度を公益法人の制度改革と結びつけて議論されることが多いのですが、公益性の少ない団体がすべて不祥事を起こしている、あるいは起こす可能性があると考えるのは少し暴論です。
 つまり、税の優遇を受けていながら公益性のない活動をしているのは確かに問題です。不祥事を起こしている法人の多くは、監督する側の主務官庁と監督される側の法人の役員に元の上司がいるなど、監督がスムーズにいかない、あるいは理事や監事がその責任をきちんと負っていないということが理由であることが多くあります。また、最近では、官主導で設立された公益法人に、現在、財政的な問題を抱えている法人がたくさん見られます。とすると、主務官庁の監督を強化しても、これでは不祥事はなくならないと思います。また、監督を強化すると、民間の多様なニーズに即応できる自由さと柔軟さが信条の民間公益活動がゆがめられてしまいます。
 そこで、監督強化ではなく、徹底した情報公開をし、多くの市民に事業内容や財務内容を透明にすることによって支援するかどうかを判断してもらう方がいいと考えています。アメリカでは、例えば役員の報酬を持っている大きい順に五位までは全部情報公開されています。また、できれば癒着の温床になる許可監督制は廃止すべきであると私は考えております。
 民法改正の必要性は、九八年に全会一致で成立しました特定非営利活動促進法の審議過程でも何度も議論されました。たまたま特定という用語がついたのは、非営利だけでくくる特別法はできないために十二項目に限定せざるを得なかったという事情もあります。その附帯決議では、民法の公益法人制度の改革、改正にも言及しています。
 では、民法改正ではどのようにすればよいかという問いに対してはいろんな考え方があると思いますが、例えば非営利法人と営利法人に分け、非営利法人の中から公益性のあるものは公益法人として特別法で扱うか、あるいは民法の中に特別の款あるいは章を置くこともできるかもしれません。とにかく、基本法である民法に法人に関する一般規定を置きまして、特別法では、こういう言い方はいいのかわかりませんが、事業法に関する規定を整備すればよいのではないでしょうか。その際、民法には、理事の責任の明確化や情報公開の義務化、あるいは現在ない合併の規定、また社団や財団の定義などを規定すべきと考えています。
 例えば、ドイツでは、一定の要件を整えて地区裁判所に届け出る登録社団、エーファオと言っていますが、これでは当初七人の社員が必要とされていますが、その後それが五人になっても有効ですが、社団の定義では三人以上を社団といいますので、三人を欠く場合には法人格が取り消されます。このように、基本的な考え方を民法に規定することは非常に重要ではないかというふうに思います。
 なお、現在のように公益法人に許可されると自動的に法人税だけが優遇されるために、法人化を厳しくするという点が問題でありまして、法人化と税の優遇は分けて考えるべきだと思います。税制優遇の根拠をどう考えるかで多くの非営利公益法人が優遇を受けることになるのか、あるいは公益をどう考えるかということでそれが狭められるかということは議論があるところだと思います。多くの国では法人化と税制優遇は切り離されています。
 最後に、この中間法人も含め、また公益法人全般に関して、日本の民間の公益活動を促進するという意味では法改正が大変必要なんですけれども、じゃそれを悪用する者に対してどうしたらいいかということについて、アメリカのNPOに適用される税制優遇の悪用防止手段として五年前に認められた、それがまた同じような名前なんですが、中間的制裁制度というのを御紹介します。
 皆さんのお手元のレジュメの三枚目に記載されています。このインターメディエート・サンクションと言っているのは、ここで言う中間とは、許可の取り消しか、あるいは注意ぐらいで何もしないかの間の制裁という意味で中間的というふうな言葉を使っています。この規定を見ますと、現在問題になっています財団法人のKSD問題には有効な手段かと思われるから御紹介させていただきたいと思います。
 つまり、非営利で税の優遇を受けている法人の役員が法人の財産を私的に流用する、あるいは過大に報酬を受けるというような場合に、その私的流用した部分あるいは過大にもらった部分の額に二五%の課税をするとともに、私的に流用した額あるいは過大に受けた報酬を法人に全額返還する義務を課しているのです。もし一定期間に返還しない場合には二〇〇%の課税がなされるというものなのです。
 団体の許可を、法人の、これはアメリカでは法人というよりも非営利という資格の許可なんですが、それを取り消されて困るのは団体の会員たちですから、こういった非営利団体ということの資格を取り消しではなく、いわば懲罰的な措置をとるという意味になっています。これならば、役員を相手に訴訟を行わずとも損害額が法人に入ることになります。ただし、我が国では税を懲罰的に使うことは余りなされていません。今後の検討事項かと思います。
 早口でございましたが、私の意見はこれで終わらせていただきます。
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日笠勝之#6
○委員長(日笠勝之君) ありがとうございました。
 以上で参考人の意見陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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佐々木知子#7
○佐々木知子君 自由民主党の佐々木知子です。
 きょうは、両参考人の先生には、お忙しい中をお越しくださって貴重な御意見を賜り、ありがとうございました。
 能見先生に幾つか確認の意味も込めまして質問差し上げたいんですけれども、まず一点は、無限責任を負う中間法人というのがございます。社団法人で言えば合名会社みたいになるのかと思いますけれども、これはどういうような法人を頭の中に置かれてつくられたのかということが一点。実際に本当に活用されるのかどうかということも含めまして。
 それから二点目は、先生、非営利法人という形で一括してまとめて、準則主義でというのもいいんじゃないか、私もそうじゃないかというふうに思っているんですけれども、その場合にどこで公益性を認定するのがいいのかということでドイツやフランスのことを言っておられましたけれども、ドイツやフランスなどではどこで認定するという形をとっているのか。また、そこでは、中間法人の中で、今回の法制に見られますように有限責任の中間法人なり無限責任の中間法人というような形でつくられているのかという点。
 それから三点目ですけれども、団体に法人格を付与することの意味として、できるだけ自由な活動を認めさせるというか、団体に対外的にも明確な存在を与えるということはございますけれども、そうでありましたら情報開示、これは雨宮先生もおっしゃっていましたけれども、それから監査とかを充実させることによって隠れみのになるとか乱用されるということを担保しないといけないのではないかと思いますけれども、この法案においてはそれがどの程度盛り込まれたのか、また以後の検討課題とされているのかという点。
 時間がもしかしたら終わるかもしれませんので、一応この三点でお願いいたします。
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能見善久#8
○参考人(能見善久君) それでは、三点について簡単にお答えいたしますが、第一点目は、無限責任の中間法人というのはどんな場合を念頭にして、またどういうふうに実際に使われる可能性があるのだろうかということです。
 これは、有限責任の中間法人の方は基金として三百万を一応積まないとできない。これは多くの場合はそう大した大きなハードルではないと思いますが、場合によっては五人とか小さな団体で、趣味的な団体で、対外的な活動をそんなにするわけではない。しかし、若干、会員から集めた預金などを管理しなくてはいけないのでやはり法人格があった方が便利であると。今でも権利能力なき社団でももちろん預金などはできますが、ただ、だんだんと銀行の方も厳しいことを要求してまいりまして、いろいろその組織の内容ですとか、ちゃんとした団体かどうかをチェックするようになっていますね。
 そういう意味で、権利能力なき社団の場合には多少不便なので、そこで小さい団体であっても、そして基金を積めないような団体であっても法人格を取得する道を開くというのがこの制度だと思います。ただし、無限責任ですから対外的には場合によっては大きな責任を負うかもしれない。
 そこで、これをちゅうちょして、ならない団体もあると思いますけれども、これは見方だと思いますが、言ってみれば、現在でも民法上の組合をつくりますと、これは構成員は一応無限責任ですね。組合をつくるよりは、あるいは組合であっても法人格を与えるといったらいいでしょうか、そういうので構わないと考えているものも少数、そんな多くないかもしれませんが、小さいものにはあるのではないかと考えています。
 それから二点目、非営利法人制度一般というのを設けてどこかで公益性を認定して、それについてだけ公益法人という扱いをするのはどうかということですが、それはもちろんあり得る制度、先ほど意見として述べましたのは、そのような立場も私は特に反対ではありません。反対ではありませんが、どうやって公益性を認定するか。その際にいろんな加重要件を課されたりすると実質上その段階でもって別な法人制度がつくられてしまうかもしれない、これはもしかしたら余りよくないかもしれないと、そんなことを思っております。
 しかし、非営利法人制度一般というのをつくってどこかで公益性を認定して、それについてだけ公益法人の扱いをするという制度は十分あり得る。それで、例としてドイツを挙げました。ドイツは、これは雨宮参考人の中にも出てまいりましたが、一応税務署が判断いたします。ただ、税務署が判断しても、別に公益法人という新たな類型がつくられるというのとはちょっと違って、税の優遇措置を受ける団体であるという認定がされるという程度だと思います。フランスについては、ちょっと私は余り詳しく知りませんが、やはり国家のしかるべき機関が認定するというふうに存じております。
 それから、自由度を高めていろいろ活動を自由にさせる、しかし何らかのやっぱりチェックが必要なのではないかということだと思いますが、これは、現在の中間法人制度はやはり自分たちの利益を追求するという団体ですので、外部からの情報公開を含めてチェックというのは多少限定されていると思います。主としてこれはその団体と取引をして債権者になるようなものあるいは利害関係を有するもの、こういうものに対して一定の書類などを見せなくてはいけないという形になっていると思いますが、およそ市民一般が常にその団体の中身を見ることができるというのとは少し違うんだと思うんです。私はそれがむしろ中間法人にはふさわしいと、公益法人とはそこで違うのではないかと考えております。
 ちょっと長くなりましたが。
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佐々木知子#9
○佐々木知子君 ありがとうございました。
 では、雨宮先生にお伺いしたいんですけれども、雨宮先生の言われていることも私は本当に一々なるほどと思うことがございまして、もう民法も改正をしないといけない、全般的にしないといけないと。
 法人もばらばらばらばらといろんな特別法で規定されておりまして、実際におっしゃるように、この法人がどの法人になるんだというようなことも、それで全部カバーできるのかといえば、本当にそうできるのかしらというようなところがございまして、民法の改正ということを述べられておられますけれども、そこで主務官庁制、許可監督制は癒着の温床になるからこれは廃止すべきであるというふうにお考えというのは、今回のKSDの事件とかも関連しているということでございましょうか。
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雨宮孝子#10
○参考人(雨宮孝子君) お答えします。
 ちょっと品の悪い言い方をして済みませんでした。
 別にKSDの問題だけではなくて、もともと主務官庁制というのは、民間の団体が自由度の高い事業をしようと、例えばことしは福祉をやるけれども来年は国際交流をやりたいというような場合には、どちらの役所の許可も得なければいけないわけですよね。ことしは国際交流は少な目にして来年はたくさんしたいということもできないわけですね。そういう意味では非常に自由度を阻害する要因でもあります。
 また、役所からの、マスコミ的に言えば、天下りを入れてくれという要求が私も公益法人の設立のお手伝いをしているときには随分ありまして、そういうこと自体もやっぱり問題があって、民間側もそういう人たちを入れることによって役所と話がスムーズにいくならそれでいいだろうというようなこともあって、設立の段階に非常に問題が出てくるわけですよね。
 それから、役所は許可監督し、さらに取り消しの権限まで持っているわけですよね。そうすると、取り消しまでやるとすれば、監督不行き届きということを自分が認めることになるわけですから、役所は。そういう意味では、主務官庁制と許可監督制ということはやめて、例えば取り消しだけは裁判所の権限にするとか、そういう方法ができないかなというふうに思っております。
 以上です。お答えになったでしょうか。
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佐々木知子#11
○佐々木知子君 わかりました。結構です。
 ありがとうございました。
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江田五月#12
○江田五月君 両先生、きょうは本当にありがとうございます。
 能見先生の方は、どちらかというとこの中間法人法案は必要である、いいときに必要なものができつつあるというそういう御見解、対して雨宮先生の方は、どちらかというとこれで何か問題解決ということにはなかなかならなくて積極的に賛成というわけにいかないという、そういう感じのようにお伺いをしたんですが、それはそれでよろしいんですか、両先生。
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能見善久#13
○参考人(能見善久君) 御指摘のとおりであります。
 私は、この中間法人制度が、もっと理想的な形というのはもちろんあり得ると思いますけれども、こういう形で共通の利益を追求する団体にも法人格の道を開いたということは、やはり社会的な活動の活性化につながるのでよろしいのではないかと考えております。
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雨宮孝子#14
○参考人(雨宮孝子君) 江田先生の御指摘のとおりで、今、中間法人法案をつくるのであれば民法改正を早急にした方がいいというふうに、私は述べたとおりです。
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江田五月#15
○江田五月君 ということは、つまり今までの非営利法人体系というものではやっぱり現状は不十分だと、いろいろ手直しをしなきゃならぬところがあるということで、その手直しの一部分として中間法人法というものがあって、それで、ゼロじゃなくて、中間法人法をつくること自体はそれは意味があるが、しかしこれでもう万事すべて終わりではいけないということはもうお二人とも共通をしていると、これはそれでよろしいんでしょうかね、お二人。
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能見善久#16
○参考人(能見善久君) 御指摘のとおりでございます。
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江田五月#17
○江田五月君 雨宮先生、いかがでございますか。
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能見善久#18
○参考人(能見善久君) いいですか、一言だけ。
 中間法人制度といいますか、共通の利益を追求する法人についても、もっともしかしたら自由度を高めたような制度が、あるいは柔軟性の高い制度が将来あり得るのではないかということは個人的に思います。
 それから、公益法人制度、これはこれ自体で相当直す必要があると思っております。
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江田五月#19
○江田五月君 したがって、先生方も、この中間法人法ができてすべて終わりじゃなくて、公益法人の中もあるいは公益法人の外の非営利法人についてもまだまだいろんな検討がこれから必要だということは一致をしていると思うんですが、そこでさらに進んで、これは雨宮先生、百八十の特別法があるということでいいんですか。
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雨宮孝子#20
○参考人(雨宮孝子君) はい、特別法があります。法人の種類としては百三十ぐらいだというふうに思いますけれども、法律の数、まださらにふえていると思います。
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江田五月#21
○江田五月君 きのう、これは私の事務所の間違いなのか、百八と聞いたような気がして、煩悩みたいなものだなと、百八つと。ところが、それをはるかに超えて百八十というので役所に聞いてみたら、わからないんですね。幾つあるかわからないということになっていること自体が非常に不健全だという感じがしますが、これは能見先生はどう思われますか。とにかくわからないんですね、幾つあるやら。
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能見善久#22
○参考人(能見善久君) 恐らく、それぞれ特別法自体にはいろんな特別な手当てをしているためにそれなりの存在理由があると思いますが、ただ、その問題と今回の中間法人制度の問題とはやはり切り離して考えるべきではないかと思っています。
 中間法人制度は、これは余り特殊な目的追求のための制度ではなくて、例えば協同組合的なものではなくて、もっと一般的に自分たちの利益を追求する団体、そのための一般法であるというふうに考えています。
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江田五月#23
○江田五月君 中間法人法という今回の制度が一般法であるというお話ですが、雨宮先生は一般法というよりもどっちかというとこれもまた特別法の一つだということを強調されたようですが、ちょっと雨宮先生、そこのところをもう少し詳しく説明してみてください。
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雨宮孝子#24
○参考人(雨宮孝子君) 衆議院の議論の方も拝見しましたが、そこでもたしか一般法と言われていましたけれども、一応社員の共通の利益を目的として、剰余金を社員に分配しないことを目的とすると限定していますよね。そういう意味ではやっぱり一般法ではないのではないか。ここにかかわらないものもある。
 だから、非営利の一般法はそもそもつくれないわけですから、民法の規定よりも広い範囲の非営利法はつくれないという法原則からいえば、これが非営利の一般法になるのかちょっと私には疑問でした。
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江田五月#25
○江田五月君 どうも一般法か特別法かというふうに言うと何だかこれはよくわからないんです。一般法というのは広く基盤的な法整備というものが、制度整備があって、それにそれぞれ個別に特別に適用されるものがあったら一般法と特別法という関係になるかと思いますが、どうもそうじゃなくて、特別法というのでなくて個別法だとかいうような言い方もされたりする。一般法、特別法と個別法、その辺はどういうふうになるんですか。ちょっと大学の講義風に教えていただければと思うんですが。これは能見先生。
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能見善久#26
○参考人(能見善久君) いや、どうも一般法と個別法というのは余り厳密な定義もあるわけではないし、ちょっと相対的な概念だと思いますが、わかりやすい例として、私が中間法人はそれなりに一般法だと申しますのは、例えば中間法人制度を使って社会福祉のための事業をしたい、あるいは環境保護のための活動をしたいというときに、これ自体は排除されないんだと思うんです。一応共通の利益を追求するという形で今のような事業を行うのであれば公益的な活動もできる。そういう意味では、公益法人の領域もある意味でカバーするような、そういう一般法になっている。あるいは、共通の利益を追求するときに利益を分配するのはだめですけれども、利益を分配しないで、例えば同窓会館とか建物とかそういうものを利用するぐらいの利益を享受するのであれば、これは何も協同組合とかそういうのを使わないでも恐らく中間法人を使うことができる。そういう意味で一般的な広がりがあるのではないか。
 個別法は、農業協同組合法とか生活協同組合法などいろいろありますが、これは恐らく非常に範囲が限定されていて今のような中間法人のかわりをなすものでは到底ないというのが、一応お答えになるかどうかわかりませんが、私は考えております。
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江田五月#27
○江田五月君 ちょっと頭がこんがらかってしまうんですが、社会的必要という意味でいえば、ある種の一般的広がりを持ったニーズにこたえるという点で中間法人法というのが一般法的性格がある。しかし、法制度的に言うと、それぞれの個別法があって、そこを全部つなぐような、あるいはある程度共通の法制度を定めるということでいえば、別に中間法人法がそういう性格を持っているわけではないから一般法というわけにはいかないという、そんな理解かなと思いますが。
 もうちょっと先へ行って、雨宮先生の方は、今回のこれは公益法人改革というのが主たる目的だったはずだが、それに付随して一般的なこういうニーズにこたえるというものも付加されてきた、だけれども組織変更の規定が抜けてしまったからその辺があいまいだという理解をしたのですが、能見先生は今の二つの目的の点でいえば、どちらの方が今回は重要視されている、どちらの方に重点があるとお考えでしょうか。
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能見善久#28
○参考人(能見善久君) これは、恐らく中間法人制度というもの、どういうふうにそれを理解したいかというかなり主観的な問題があると思うんですけれども、私は、公益法人制度の改革自体は結構なことだと思っておりますし、そして公益法人としてはどうも適当でないというものの、受け皿として中間法人が利用されるということもそれは結構なことだと考えております。
 ただし、そこに今回の中間法人の主たる目的を持ってくるのはどうも余り適当ではないのではないか。むしろこれは、中間法人制度というのは、先ほどの繰り返しになりますが、自分たちの共通の利益を追求するための、しかし非営利の活動をするための法人として、そういうふうに積極的な位置づけをするのがいいのではないか、そんな理解をしております。
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江田五月#29
○江田五月君 時間ですね。終わります。
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