経済産業委員会

2002-03-15 衆議院 全100発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成十四年三月十五日(金曜日)
    午前九時三十二分開議
 出席委員
   委員長 谷畑  孝君
   理事 伊藤 達也君 理事 栗原 博久君
   理事 竹本 直一君 理事 中山 成彬君
   理事 鈴木 康友君 理事 田中 慶秋君
   理事 河上 覃雄君 理事 達増 拓也君
      伊藤信太郎君    小此木八郎君
      大村 秀章君    梶山 弘志君
      阪上 善秀君    下地 幹郎君
      根本  匠君    林  義郎君
      平井 卓也君    増原 義剛君
      松島みどり君    茂木 敏充君
      保岡 興治君    山本 明彦君
      生方 幸夫君    川端 達夫君
      北橋 健治君    後藤 茂之君
      中山 義活君    松原  仁君
      松本  龍君    山田 敏雅君
      山村  健君    漆原 良夫君
      福島  豊君    土田 龍司君
      大森  猛君    塩川 鉄也君
      大島 令子君    西川太一郎君
      宇田川芳雄君
    …………………………………
   経済産業大臣       平沼 赳夫君
   経済産業副大臣      古屋 圭司君
   経済産業副大臣      大島 慶久君
   経済産業大臣政務官    下地 幹郎君
   経済産業大臣政務官    松 あきら君
   参考人
   (青山学院大学国際政治経
   済学部教授)
   (日本中小企業学会会長) 港  徹雄君
   参考人
   (株式会社東京都民銀行S
   B(スモールビジネス)事
   業部長)         加藤 秀夫君
   参考人
   (社団法人全国信用金庫協
   会会長)         長野 幸彦君
   参考人
   (株式会社鈴木工機製作所
   代表取締役社長)
   (東京商工会議所大田支部
   工業分科会会長)     鈴木 規方君
   経済産業委員会専門員   中谷 俊明君
    —————————————
三月十一日
 自転車競技法及び小型自動車競走法の一部を改正する法律案(内閣提出第二八号)
同月六日
 脱原発への政策転換に関する請願(北川れん子君紹介)(第五六四号)
 同(辻元清美君紹介)(第五八六号)
 中小企業対策など国民本位の景気回復に関する請願(大森猛君紹介)(第六二七号)
同月十四日
 脱原発への政策転換に関する請願(木島日出夫君紹介)(第七六〇号)
 中小企業対策など国民本位の景気回復に関する請願(木島日出夫君紹介)(第七六一号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 自転車競技法及び小型自動車競走法の一部を改正する法律案(内閣提出第二八号)
 経済産業の基本施策に関する件(中小企業問題)

     ————◇—————
この発言だけを見る →
谷畑孝#1
○谷畑委員長 これより会議を開きます。
 経済産業の基本施策に関する件、特に中小企業問題について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りをいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として青山学院大学国際政治経済学部教授・日本中小企業学会会長港徹雄君、株式会社東京都民銀行SB事業部長加藤秀夫君、社団法人全国信用金庫協会会長長野幸彦君及び株式会社鈴木工機製作所代表取締役社長・東京商工会議所大田支部工業分科会会長鈴木規方君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
谷畑孝#2
○谷畑委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
この発言だけを見る →
谷畑孝#3
○谷畑委員長 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。どうも本当にありがとうございました。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、参考人各位からお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言をいただきますようお願い申し上げます。また、参考人から委員に対して質疑することはできないことになっておりますので、これも御了承をお願い申し上げます。
 それでは、まず港参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →
港徹雄#4
○港参考人 おはようございます。港でございます。
 本日、私は、中小企業が今日直面しております困難な状況を生み出しました原因を明らかにしまして、この長期不況から脱却するための私なりの具体案を御説明させていただきたいと思います。
 中小企業が長期にわたって呻吟しております経済の混迷の原因は、根本的には、情報技術革新がもたらした産業経済システムの転換に伴う摩擦にあります。それが過去の誤った景気判断に誘導された不適切な経済政策によって増幅された結果であるというふうに考えております。
 情報技術革新は、グローバルなレベルで高密度な情報を瞬時に伝達できるようになり、取引コストを大幅に縮減させるとともに製品の標準化を進行させております。このことは、経済の効率性を飛躍的に高めるなどさまざまなポジティブな効果を持ちますが、同時に、次のような意味で日本企業にネガティブな影響を与えております。
 まず第一に、日本産業の国際競争力の源泉でありました日本型下請生産システムが持っております優位性を情報技術革新が崩しているということであります。にもかかわらず、情報革新時代に対応した競争力のある新たな日本型産業システムが確立されていないということであります。
 第二に、情報技術革新によって市場機構の有効性が増大するようになり、一部には、古典的経済学が想定したような完全競争市場というものが実現されつつあります。その結果、価格競争が支配的になり、企業のマージン率が非常に低くなっております。その結果としてデフレ圧力を強めております。
 第三に、情報技術革新によって、企業規模の拡大による規模の不経済性というものが縮小しております。そして、生産の集約化、大規模化が引き起こされているのであります。このために、中小企業はその存立基盤を脆弱化させております。
 このような産業システムの転換に伴う大きな摩擦があり、また、その転換のプロセスや新しい産業社会へのビジョンが明確にされてこなかったことが、長期にわたる経済混迷の根本的な原因であると考えられます。加えて、一九九〇年代における経済企画庁の景気判断の誤りが不適切な経済政策を誘導させ、倒産、リストラの増大によって消費マインドが冷却し、さらに不況が悪化するという悪循環に陥らせております。
 また、技術の標準化による生産の海外移転が不況を一層悪化させておりますが、製品輸入の拡大が国内の生産者に大きな打撃を与えているということは事実であります。しかし、製品輸入の増加率は、一九七〇年代あるいは八〇年代の方がはるかに高かったわけであります。
 また、最近の円安水準は、海外投資や輸入増大に一定の歯どめをかける効果をもたらしております。にもかかわらず、空洞化懸念が強いのは、これは、輸入がふえているからとか、あるいは生産が移転しているからということとともに、国内の市場が非常に縮小している。国内の市場が非常に縮小している状況で輸入が増大するということがこういう痛みを伴っているわけでありまして、この空洞化の問題も、言いかえれば国内経済の問題であるわけであります。
 以上の景気認識のもとに、経済と中小企業経営を再生させるためには、まず、企業家や消費者の冷却した心理を改善させ、将来に対する確信、コンフィデンスを強めることであると考えます。かつて、中小企業者を鼓舞した七〇年代の中小企業ビジョン、そういうビジョンが中小企業庁によって打ち出されましたが、近年では、こうした明確で説得力のあるビジョンが残念ながら見出されておりません。
 次に、消費マインドの悪化は、先行きに対する不安感と物価の先安期待によって引き起こされております。したがって、まず、先行きに対する不安感を解消する必要があります。
 現在の雇用情勢のもとでは、失業は最大の不安要因であります。しかし、もし失業者に新しいビジネスを始めるという創業の機会が大きく示されていれば、失業は新たな挑戦の機会というふうに受け取られることも可能であります。このためには、雇用政策と創業支援政策とを一体化させ、減少しつつある日本の自営業者の数を大幅にふやすことが必要であります。
 実際、日本でも、一九二〇年代の大不況の折には、造船工業等で大量の解雇が発生したわけでありますが、そうした労働者、技能者の多くは新しい家内工業的なビジネスを始めたわけでありまして、そういうものが日本の中小下請企業の原形を形づくったわけであります。しかし、今次不況を顧みますと、失業率の増大にもかかわらず創業の増加が見られないということであります。
 一方、英国では、一九八二年から、失業者が創業する場合に、失業保険給付にかわって一週間四十ポンドの手当を一年間にわたって支給するという企業開設手当、エンタープライズ・アローアンス・スキームというものを導入しました。この制度によって最盛期には年間十万以上の自営業が創業され、自営業者の総数は、一九七九年の百六十二万から八九年には三百二十一万と倍増しております。
 中小企業の新陳代謝というものは経済の活力の源泉であります。したがって、構造的にどうしても脱落する中小企業は出てくるわけでありますが、それにかわる新たな中小企業をいかに創出するかということが最大の課題であるわけです。
 ところが、今日の日本は、事業閉鎖が開業を大きく上回っているという状況があるわけでありまして、こうした状況を打破して起業が促進されなければなりません。しかし、従来の経済産業省の創業支援策は、どちらかというと、二十一世紀の日本産業の成長を担うような知識集約型のいわゆるベンチャーに偏ってまいりました。いわばタイの一本釣りというような政策であると言えると思います。しかし、大企業の従業者が離職をして創業するということには大きなリスクと決断を必要とします。したがって、なかなかベンチャーの創業というものが促進されていないのが現状であります。
 日本の自営業者は、一九八三年には六百九十一万人でありましたが、九八年には五百九十四万というふうに百万近くも減少しているわけであります。タイでなくても、たとえアジやイワシのような自営業であっても、こういう自営業を大量に創出するということが日本産業の活力維持にとって非常に必要であります。
 こういうふうな意味で、先ほどから申しておりますように、雇用政策と創業支援政策を一体化するという施策が考案される必要があるというふうに存じます。また、先ほど申しました物価の先安期待による買い控えを解消するためには、デフレスパイラルを断ち切る大胆な政策が考案される必要があると存じます。
 次に、金融の問題についてお話をさせていただきたいと思います。
 イギリスでは、新規開業企業の五年生存率が平均三〇%であるのに対して、信用保証制度を利用して開業した場合には、それが五九%、倍近くまで高まっているという研究がございます。あるいは、信金中央金庫総合研究所の調査では、最近の調査ですが、望ましい中小企業振興策の第一位に信用保証条件の緩和が挙げられております。このように、中小企業にとって重要な意義を持っております信用保証制度をさらに効率化させ、新たな枠組みが創出されなければなりません。
 こうした信用保証制度の新たな枠組みと申しますのは、その効率性、費用効果を高めるような制度、すなわち、現在一律に保たれております保証料率の多様化が検討に値すると思います。現在は一般貸し付けの保証料は一律〇・七%であると存じますが、こうした一定料率では、その保証料以上に経営内容が悪い中小企業が申し込むというようないわば逆選別が生じるわけでありまして、代位弁済率が保険料率を上回って何倍にもなってしまうというようなことが起こるわけでございます。したがって、中小企業の経営内容、倒産確率に応じたランクづけをして料率を変化させるという必要があります。
 例えば、担保力は十分ではないんだけれども、経営内容は良好で倒産確率が低い中小企業の場合には〇・二%程度まで料率を下げる、逆に、経営内容が悪い、倒産確率の高い中小企業の場合には五%程度の保証料を徴収する、こういうふうなことも考えられるのではないかと思います。たとえ五%の保証料を徴収しても、二〇%、三〇%というような高利の商工ローンで融資を受けるよりもはるかに金融費用は少なくて済むわけでございます。
 このように、非常にマクロ、ミクロの両面から中小企業政策の新たな枠組みを考えることが長期不況から脱出するための方途であると私は考えるわけであります。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →
谷畑孝#5
○谷畑委員長 どうもありがとうございました。
 次に、加藤参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →
加藤秀夫#6
○加藤参考人 東京都民銀行の加藤でございます。本日は、このような発言の機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。
 私は、現在、スモールビジネスローンという、中小・小規模企業さん向けの融資商品を取り扱っている部署、専門部署なんですが、そちらに属しておりまして今業務についているという状況でございます。ちなみに、SBとはスモールビジネスということで、中小・小規模企業さんという意味でございます。
 ここで、まず、東京都民銀行を紹介させていただきたいと思います。
 当行は、昭和二十六年設立された東京で唯一の地方銀行でございまして、設立当時は、戦後の不況期におきまして中小企業の金融難の時代であった。そういう環境の中で、都内の中小企業さんの金融難を緩和するために、東京都、また経済界、また都内の企業さんの賛同を得て設立された銀行ということです。したがって、当行の経営理念としては、中小企業と個人のためにという経営理念を挙げて現在でも営業しているということでございます。そういう経営理念を持った銀行ですので、現在でも融資先の九九%は中小・小規模企業さん及び個人の方という状況になっています。
 本日、このような機会を与えていただいたのは、多分、スモールビジネスローンという当行が取り扱っている商品が多少話題になっているからかなというふうに私は思っているんですが、この商品の開発の背景と、この商品を通じて見た中小企業さんの状況というのをちょっとお話しさせていただきたいと思います。
 この商品は、九七年、九八年当時、当時は、大手の銀行さんや大手の証券会社さんが破綻して非常に金融不安が高まった時期でありました。そういった中で、中小企業さん、当行のお客様もそうなんですが、非常に資金調達に厳しい状況にありまして、中小企業専門銀行として東京都民銀行がそういう方々のために何かできるんじゃないか、何かお役に立てることができるんじゃないかということで考えた商品なんですが、これは、銀行側からしますと、東京都民銀行の存在意義の再確認という意味もありました。
 まず、何をしたらいいかということを考えまして、都内の中小・小規模企業さんにアンケートとかインタビューとかニーズ調査をしたわけなんですが、その中で、現在の金融機関に対してどのような不満を、満たされないニーズというんですかね、お持ちですかということをお聞きしました。その結果、金融機関に対する不満というのは、大きく三つの点を挙げられました。
 一つが、まず、金融機関に対して融資を申し込んだ場合に、諾否の回答が非常に遅いという不満がございました。
 どうしても金融機関の場合、一般に審査をする場合に、お申し込みいただいてから一週間、二週間、案件によってはもっとかかる場合もあるのですが、中小企業の経営者の皆様は、そんな時間は待てないよというニーズでございました。
 そういう場合どうなさっているのですかというお話を聞きましたらば、社長さんの個人の資金を会社の方に用立てしたり、知人や親戚から借りたり、また、最悪の事態なんですが、支払いを先に延ばしてもらったりしていると。当時は騒がれたのですが、対応が早いということで、先ほどもちょっとお話が出ていましたけれども、ノンバンクから調達してその場をしのいでいる。ただ、やはり本音は、ふだんおつき合いしている金融機関から借りたい、やはりスピード感をもっとアップしてほしいという御要望がございました。
 第二点が、第二点の不満ですね、満たされないニーズですけれども、これは、金融機関に融資を申し込む際に提出する書類が非常に多い。これは我々も実感するのですが、一般に、審査するためには数期分の決算書とか試算表ですとか資金繰り表だとか、忙しい中でそういうのを一個一個つくってお持ちして時間がかかってしまう。そういうのは面倒で、面倒というのですかね、お手元にある資料ならよろしいのですが、新たにつくらなきゃいけないというのは非常に煩わしいのですという声がございました。
 三つ目が、融資の際に第三者の保証人をつけてほしいということを金融機関からよく言われると。保証というのは借り入れと同じ重さがあるのでしょうけれども、それを例えばほかの方に頼むというのは非常に精神的に負担ですよというお答えがございました。その辺が中小企業、小規模の企業の皆さんのニーズだということを我々把握しまして、結局、審査のスピードをアップして、必要書類を簡素化して、第三者の保証をなくせばお客様のニーズにこたえられるんじゃないかということでスモールビジネスローンという商品をつくったのです。
 この商品の特徴は、翌日に回答します、決算書は一期分でいいです、第三者保証は要りません、当然無担保、担保は要りませんという商品を考えたわけなんですが、ただ、これは銀行側からしますと、今までにない審査システムを確立しなきゃいけないということで、非常に当時は、業界では驚きの目で見ていただいたというような状況です。
 従来の担保主義とか書類主義から脱却して、新たな審査手法を確立しなきゃいけないという状況に我々も追い込まれまして、どうしたらいいかということでいろいろ悩みまして考えついたのが、キャッシュフローや経営者の方のビジョン、その辺をよくお聞きすれば御融資できるんじゃないかということで今スモールビジネスローンの運営をしておるわけなんですが、これは新しい審査手法を、まだ十分じゃないのですけれども確立していこうということで、今調整している状況でございます。
 実際に、ここで、スモールビジネスローンを申し込んだお客様の例を御紹介しますと、例えば広告企業の方なんですが、これは通常頻繁に起こる状況だと思うんですが、例えば、毎月売り先さんから二十日に入金があるのに、先方さんの事務処理の都合で締めが二、三日ずれてしまって翌月になってしまうという場合に、例えば二十五日には皆さんのお給料を払わなきゃいけない。そういう場合に、銀行に申し込んでもスピード差がないものでなかなか難しいということで、当行のこのスモールビジネスローンをお申し込みいただいて、お借りいただいてその場をしのいでいただいた。一カ月間だけ御融資させていただいて翌月に御返済したという状況もありました。
 また、最近、支払い条件の変更とかそういうのも影響しているのでしょうが、これは電気工事の会社だったのですが、今までは、工事を請け負って出来高払いで現金で入金されていたのですが、お取引先さんの方で結局、現金の支払いから手形の支払いに変えてくれないかという要請がありまして、長年の取引で力関係もあったのでしょうが、断り切れず手形でいただいた。
 手形でいただいても支払いに充てることはなかなか難しいわけで、金融機関に申し込みましたら、資金化するには、新規の割引手形をやるにはやはり一週間ぐらいかかりますよということを言われて、そこら辺が対応できなかったということで当行にお申し込みいただいた。当行は担保をとりませんから、その手形があるなら結構ですよということで御融資をさせていただいて、手形の期日に御返済いただいたという状況でございます。
 また、これは衣料品の小売業のお客様なんですが、よく季節物の商品というのがあると思うのですが、それを今までは手形で支払って買っていた。現金で買ってくれればもっと割り引きますよというお話があった。借り入れの金利と割引率を計算したら借り入れた方が得なんですということで、うちのスモールビジネスローンを御利用いただいて、その後順調に、当然毎年同じようなパターンらしいので売り上げは確定しているわけなんですが、売り上げにおいて三カ月後に返済していただいたという状況があります。これは前向きな資金ということで、非常に我々もお役に立ったなというふうには思っています。
 このスモールビジネスローンなんですが、そうはいっても、まだ我々も試行錯誤の状況で今運営しているのですが、取り扱いの数字を申し上げますと、九八年の十一月から始めまして約三年過ぎたのですが、申込件数は延べで二万一千社に上っております。そのうち融資できたのは、我々のスキルの問題もあるのですが、延べ七千五百社の方に融資させていただきました。
 御利用先の業種的な割合を見ますと、サービス業の方が四三%、卸、小売、飲食業の方が二七%、建設業の方が一三%、メーカーですね、製造業の方が一一%という状況になっています。サービス業の方が四割以上ということで非常に大きなウエートを占めているのですが、その中でも広告関連ですとかコンピューターソフトとか建築設計等の割合が高くなっているような状況です。
 これはどういうことかと我々も考えたのですが、これはSOHOの、本当にスモールビジネス、ホームビジネスの方が多いという東京の地区性かなというふうには我々は考えております。つまり、こういう本当に小規模の企業の皆さんというのは、例えば電話一本で契約をなさっちゃうわけですね、発注とか受注を。今までの銀行ですと、契約書はありますかとか何か見積書はありますかとか、そういうお話になってなかなか対応できなかった業種ではないかということで、そういう方々に対しては、我々はある程度役に立ったなというふうには思っています。
 次に、このスモールビジネスローンを通じて見た中小企業さん、小規模企業さんの現状について、ちょっとお話しさせていただきたいと思います。
 中小・小規模企業の皆さんに総じて言えることは、会社イコール経営者の方というのが総じて言えるのではないか。経営者の方がどのように考えていらっしゃるかとか、手腕とかその人柄とか、そこら辺が非常にウエートが大きいなというのは、我々常々話していて思います。
 ですから、担保がないからといってお断りするのではなくて、その方が二年後、三年後どういうふうにこの事業を持っていきたいのかとか、五年後にはこういう状況にしたいとかというお話をしますと、やはり夢を語られる方が結構多いのですね。そういう方々の事業に対する熱意とか頑張る姿勢というのは、やはり金融機関側もある程度積極的に工夫をしながらこたえていかなければいけないのではないかというふうに、我々の部隊はそう思っております。
 ただ、そうはいっても、中小・小規模企業さんにも問題は確かにあるわけです。
 以下、四点ほどちょっと挙げますと、経営者の方のオーナーシップの欠如というのですかね、失礼な言い方かもしれませんが、どうしても経営者の方は、小規模になりますと営業の方に重点を置かれる傾向がございます。ですから、いろいろお話しさせていただいても、決算書一期分しか我々は見ませんから、決算書を見ながらこうやってお話しするのですけれども、大ざっぱな数字だけつかんでいただければいいのですけれども、そこもわからないと。経理の方に聞いてくれとか税理士さんに聞いてくれ、自分は営業しかやらないんだよと言われちゃいますと、我々もちょっと対処のしようがなくなっちゃうので、いや、ここら辺は覚えておいてくださいということは申し上げるときがあります。
 また、本当に小規模になりますと、資金の流れが非常に不透明ということですかね。例えば、これは小売店さんが多いのですが、売り上げがあって、一回帳簿を通していただければいいのですが、帳簿を通さないでそのまま支払いに充てちゃって、その日はこれだけ残ったというようなお客さんも結構いらっしゃるのですけれども、そうすると、その日の残高しかわからなくて、どういう動きをなさっているのかというのがよくわからないもので、我々も、では今後こういうふうになさった方がよろしいんじゃないですかということでお願いをしている状況です。
 また、こういう金融難の状況ですから、自分の企業が幾ら足りないかというのがよくわからない。わかっているのでしょうけれども、なるべく多く借りたいというお客様が結構多いです。本当は、例えば今月は三百万しか要らないのに、五百万欲しいんですよと言う。よく聞くと、三百万で大丈夫じゃないですかと言うと、先がわからないからと言うわけですね。多く借りることはいいのですが、やはり返済しなきゃいけないという、そういう返済負担とか金利負担を考えますと、我々はどうしてもやはり、これだけ借りて、お返しになったらまたお借り入れすればよろしいんじゃないですかと。銀行からいうと収益性にはデメリットかもしれませんけれども、お客様からしますと、その金利負担とか、余計な資金を借りないで、また借りればいいということを我々はお願いしている状況でございます。
 また、先ほどとちょっと関連するんですが、資金管理ができていないというのが、まず四番目に挙げられると思います。
 というのは、自分の手元資金が余りないのにもかかわらず大きな契約をとろうとする傾向があるわけですね。そうすると、その前に、完成して回収する前に支払いが当然発生するわけなんですが、大きな契約になると、やはり中小企業の皆さんは、いやあ、とれたとれたというんでお見えになるんですが、ちょっと待ってください、その前に支払いどうなりますかということで、では、この支払いの資金調達はどうしましょうかという話で、結構そういうケースが多いです。その辺はいろいろお話をさせていただいて対処している次第です。
 このような状況を踏まえて、金融機関と中小・小規模企業さんの関係は今後どうあるべきかということは、個人的に思うんですが、まず、金融機関においても既存の担保主義とか書類主義の審査から脱却して、新たな評価、新たな審査基準というのをつくっていかなきゃいけないんじゃないか、これはもう時代の趨勢じゃないかと我々は思っています。そうはいっても、組織を変えるというのはなかなか難しいんですが、今やっと挑戦してから三年たったんですが、今でも徐々に変えている状況なんですが、これからも続けていきたい。
 一方、中小企業さんから小規模企業さんについては、経営者としての役割というんですか、そこら辺を果たすことが求められているんじゃないか。つまり、バランスのよい経営をしながら、金融機関とは、飾ることなく何でも相談できる、何でも報告できる一つのパートナーとしての役割、金融機関はパートナーとしての役割を果たすべきではないかというふうには思っています。
 現在、銀行に対してはいろいろ批判的な雰囲気が充満しているんですが、このような中でも新しいビジネスモデルを構築して、中小企業それから小規模企業さんと新たな連携を深めようとしている銀行もあるということもちょっと御承知おきいただきたいと思います。
 私の意見陳述はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →
谷畑孝#7
○谷畑委員長 どうもありがとうございました。
 次に、長野参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →
長野幸彦#8
○長野参考人 中小企業問題、なかんずく中小企業金融問題についてお話し申し上げる機会を与えていただきましたことを、心から感謝申し上げます。
 いろいろお話がございまして、ベンチャーの問題あるいは創造的企業の重要性、雇用対策等からございますが、私の方からは、圧倒的な多数を占める既存の企業の状況について、金融問題を中心にお話し申し上げたいというふうに思っております。
 まず、構造的、基本的な問題として、中小企業は、本来資本不足なんである、こういう御認識を賜りたいというふうに思っております。
 本来、資本が足りないんだ、それを一生懸命やっているんだ、なぜ今までそういうようなことがやってこられたのか、それは、二つの理由があるんじゃないかというふうに思います。これは、経済が右肩上がりで、つくったものはどんどん売れる、売れれば利益が上がる、こういう状況でやってきたということが一つ。いま一つは、社長を中心とした経営者一族の資産があったということであります。
 右肩上がりということと、それから社長の個人資産がたっぷりあった、この二つのことで本質的な、本来的な、構造的な資本不足をどうにかカバー、解消しながら今までやってきたんだ。これが、御案内のように、右肩上がりがストップした、そして社長個人の資産も物すごく目減りをしている、そういう状況の中で、資金不足、こういうような状況が来ている、こういうことがまず一つあるだろうというふうに思います。
 そこで、そういうような状況の中で、当面の問題と、それから多少長期的な問題、二つに分けてお話し申し上げます。
 当面の問題としては、これもいろいろお話がございました。やはり信用保証協会の問題、そういうことが一つあるだろう、構造的な問題としては、中小企業に対して長期の資本を調達するような制度というものを確立する必要があるのではなかろうか、この二点であります。
 いろいろ苦労していたわけでありますが、先月、二月の二十七日に緊急デフレ対策というものが出されまして、我々が悩んでおりましたこと等についていろいろ対応策というものが出されたわけでありますが、これはうまいぐあいに効果が出てくればいいなということを期待しているわけであります。
 そのうちの一つは、まず信用保証協会の問題であります。
 皆さん方御存じだと思いますが、例の平成十年の安定化特別保証制度、そのことについては私ども信用金庫が中心になってやったわけでありますが、そのことの高い評価をいただくということと同時に、いろいろ御批判もございました。何だ、金融機関の救済、返済に充当しているんじゃないかとか、あるいは政治家の先生方からのいろいろあっせん、紹介というようなものによってこの制度が悪用されているんじゃないか、あるいは、じゃぶじゃぶじゃぶじゃぶ要らない資金を出して、そして企業に借り入れ負担を増加させているんじゃないか、こういうことがあるわけでありますが、あれの本来の趣旨というものは、緊急避難的な措置としてやったわけでありまして、時間の余裕を与えよう、これが基本的な趣旨だというふうに思っております。
 平成十年につくった緊急避難的な措置ではあるけれども、まあ二年、場合によっては三年というような時間の猶予を与えれば、その間に企業そのものも、一生懸命やって企業の経営力をつけることができるだろう。それより以上に、二年、三年たてば景気もまあ何とか回復してくるんじゃなかろうか、二、三年の時間的な余裕を与えようということであの制度ができたというふうに思っておりますが、この時間的な余裕が十分活用できていない、御承知のとおりであります。
 したがいまして、現在一番困っていることは、まず、ああいうものを中心にして、保証つき融資、借りたもの、どうも返せない、返済条件を変更、緩和してくれ、こういう要望がある。緩和してくれということになると、緩和したことによって、いろいろあるわけでございますけれども、債務者の信用度が落ちてしまう、格付が落ちてしまう、こういうようなことになってしまわざるを得ない。そういうようなことだと、ただ緩和するというようなことだけでなくて、もう少しその返済そのものに時間的な余裕を与える、こういうようなことの対策が必要ではなかろうかという気がするわけであります。
 具体的には、例えば五千万借りていて二千万返したんだ、二千万これから返すというような場合に、やはりその二千万をただ返すということだけじゃなくて、それ相応の返済期限なり余裕期間というようなものを設けて、そして返済しやすい形に持っていく必要があるんじゃなかろうか、これがまず第一であります。
 それからいま一つは、これは構造的な問題ということになるわけでありますが、先ほど来申し上げている中小企業の資本不足、そういうようなものに対応する資本増強融資というようなものも必要だろう。大企業になりますと、エクイティーファイナンスというようなことで、大企業は自分の力で資本を調達することができるわけでありますが、中小企業はなかなかできないわけであります。それを、どうでございましょう、二十年、三十年ぐらいの期間で、超長期のローンということでそれに対する資本相当分の融資を実施する、そして、その借り入れというようなもの等については、これを負債性資本ということで一方で見ていくということによって中小企業の財務内容をしっかり見ていくというようなこと等が必要ではなかろうか、こういう気がしているわけであります。
 次に、金融行政にかかわる問題についてちょっとお話し申し上げたいというふうに思っています。
 御案内のように、従来は大蔵省というところが金融行政をつかさどっていたわけでありますが、それが財務省、金融庁ということに分かれた結果、中小企業金融ということについての政策の立案、審議するポストが実はなくなってしまったというふうに見ております。言うなれば、従来、大蔵省中小金融課というようなことでやっていたところが全くないわけでありまして、財務省は財務省としての仕事をしている。金融庁は金融庁として管理監督の仕事をしている。中小企業金融について政策的にどういうふうにしたらいいだろうということを検討する機関が行政の中でどこも出てこない、こういうような状況になっているわけであります。
 今、特に問題になっておりますのは、バーゼル委員会で新BIS基準というようなこと等が大きなテーマになっておりまして現在検討されているわけでありますが、そもそも、国際業務をやっているところに対する基準というものを我々のような国内だけでやっているところにそのまま持ってくるというようなこと等がどうなんだろうか、そのこと自体がいろいろな問題が発生することになるんじゃなかろうか。
 先般、バーゼルの方へ参りまして、そういう点について、バーゼル委員会としてのリスク試算の見方について、中小企業に対する融資というもののリスクは全く違うんだということを強く訴えてまいりました。同じ百億の融資でも、一件に百億融資するというのと、百件に、千件に百億を融資した場合のリスクはどうなんだろうか。小口分散機能というものを十分に訴えてまいりまして、そして新バーゼル基準についても十分検討していただきたいということを言ってきたわけであります。
 最後に、私ども信用金庫というようなものは、預金量からいいまして百兆円あるわけであります。貸出金も七十兆円あるわけであります。中小企業金融の重要性、そして特にその使命というようなものは非常に強いものだということを考えておるわけであります。
 昨年、信用金庫法制定五十周年記念を迎えたわけでありますが、そのときに、今申し上げた信用金庫の役割、そして信用金庫の使命というものを内外に宣揚して、私ども、これから一生懸命中小企業金融に徹していきますから、どうぞひとつそれを御理解くださいということを発表したわけであります。
 特に、私どもは、中小企業の発展なくして日本経済の発展はない、そして地域の発展なくしてこれまた日本経済の発展はない、この二つの観点から、中小企業そして地域に対して十分その機能を発揮していきたいというふうに考えております。
 特に地域につきましては、地域の中に住み、地域で仕事をし、地域でいろいろなことをやっている、そういうみんなが集まって、これはそれぞれが地域を発展させる使命があるんじゃないか、地域を発展させようという志があるんじゃないか、そういう志を持っている同志が結束をして地域の発展のために努力をしていこう。私ども信用金庫は、その中核となって、推進力となってそのお手伝いをさせていただきたい、こういうような考え方でいるわけでございます。
 とりあえずお話ししておきまして、何かまた御質問がございましたらどうぞお願いいたします。
 以上であります。拍手
この発言だけを見る →
谷畑孝#9
○谷畑委員長 どうもありがとうございました。
 次に、鈴木参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →
鈴木規方#10
○鈴木参考人 初めにちょっとお断りしておきますけれども、今ちょっと歯を抜いておりましてお聞きづらい点があるかと思いますけれども、御容赦願いたいと思います。
 今御紹介いただきました、株式会社鈴木工機製作所の鈴木でございます。
 私どもは、大田区久が原におきまして、昭和十四年、ですからもう六十二年前でございますけれども、私の父が日本光学から独立いたしまして創業をしたという会社で、現在六十二年の歴史を持っておりますけれども、私は、父が昭和五十一年に他界いたしました後を継ぎまして、二代目として現在まで社長をやっております。
 現在のこの状況は、中小企業、我々にとって、私の二十六年間の経験の中でも一番厳しいなということを実際に感じております。今までのお話と違いまして、私、二十六年もやっておりますと、地域のこともいろいろやらされまして、現在商工会議所の大田支部の工業分科会長という立場に立たされております。大田区の中小企業、大体、何かテレビ等でも話題になりますと大田区へ行けというようなことで、不況だというと大田区へ来る。やれ糀谷の方が軒並みもう中小企業はなくなっているというような話が、一番先に出るのが大田区でございまして、その中の工業分科会長という大任を私は仰せつかっているわけでございますけれども、本当に皆さんのお話が切実な問題である。
 今、金融に関しては長野さんが、非常に私どもの訴えたいことを前もっておっしゃってくださったんですけれども、ダブってしまうかもわかりませんが、一応みんなで考え、こういうことを、時間がちょっと足りなかったのでなかなか代表した意見とはならないかもわかりませんが、レジュメに沿って御説明をさせていただきたいと思っております。
 私は、この機会に、日本の中小製造業の代表的集積地である大田区の製造業の現状と問題点、それから政策課題に関しまして意見を開陳させていただきたいと思います。
 御存じのように、大田区は典型的な中小企業が集積した地区であります。現在、減ったとはいえまだ五千軒以上の事業所が操業しております。どのぐらい減ったかといいますと、ピーク時、一九八三年には一万軒近い工場がございました。それが現在、この約二十年の間に半分に減ってしまっているというのが現状でございます。
 中小企業は、常に景気の荒波をまともに受けて、大手企業の生産の動向に左右されております。特に今回の不況は中でもとりわけ厳しく、昨年六月ごろからの大手電機メーカーの不況というのがよく新聞でも言われておりますけれども、大手電機メーカー自身の生産調整が始まり、大手の下請企業は受注の急減に見舞われました。これは過去にないことだと思います。それから、昨年の十一月以降、大手企業の設備投資の減少も加わり、中小企業の景況はさらに深刻化しております。
 東京商工会議所大田支部が会員を対象に昨年の十月に行った緊急アンケートの結果では、八割の回答企業が仕事量の減少に苦しんでいるという回答でございます。金も足りないけれども仕事の方がもっと足りないというのが現状だと思います。
 先ほど五千軒ぐらいの製造業があると申しましたけれども、分析してみますと、本当に、二十人以下の零細企業といいますか小さな会社が八五%、残りの一五%が二十人以上の中堅中小企業、会社をなしているのはわずか一五%しかないわけなんです。その一五%の中身を見ますと、数社の親会社を持った下請加工業と、また独自の商品を持った製造業、本当の製造業ですね、自社ブランドで立派に売っている製造業、それで中小企業でありながら日本でナンバーワン企業、その商品に関してはナンバーワン企業だと言われるところは何社もございます。
 そういうようなところであっても、今回のIT不況のせいですか、例えばプラスチックの成形機をつくるための温度計をやっているような日本トップメーカーでも受注が半減している。要するにプラスチックの機械が売れない。そのIT不況がすべてに、意外なところにまで波及していて、それが中小企業に最大のピンチを招かしている、こういうことではないかと思っております。
 また、独自の商品をつくっているところも、海外商品との競争ということで非常に苦労しておりますし、加工業の中でも、やはり最近はグローバルになりまして、例えば私どものお客さんでも、香港にお客さんがあるんですけれども、そこから見積もり依頼が来る。歯車をこれだけ、日本から何十万個供給してくれないかという話は来るんですけれども、実際に、例えば私どものお客様で見積もっていただいて、三十万個もあるから、まあ安いとは思うけれども、一個八円ぐらいは欲しいという見積もりが出てくるわけですね。それで香港に見積もってみますと、とんでもない、高いよと、香港でやると三円だというわけです。
 香港が三円で日本が八円、香港に比べればしようがないかなと我々も思ったところが、とんでもない、ドイツの見積もりで四円だと。日本はドイツの倍だというわけですね。何十万個とやる場合にはもうほとんど無人でやるわけですよ、二十四時間フル稼働で、オートローダーつけましてね。そういうものですら日本ではもう世界の価格に合わない。
 これは何がいけないかというのが僕らもよくわからないんですよね。要するに、機械の償却、まあすべてが高いんだろうと。人件費だけじゃないんだ、電気代から土地の税金から、要は、すべてが世界のレベルに比べて高いんだということがよくわかるわけです。要するに、人間がやるから高いということじゃないんですね、もう既に。ですからそこら辺が、海外に大手企業が海外戦略を持っていく最大の原因じゃないかなという気がするわけです。ですから、根本的なことを皆さんによく考えていただいて、その対策、日本全体としてどうしたらいいのかということを本当に考えていただきたい、このように思っております。
 また、特に零細企業の置かれている環境はまことに厳しい状況にあります。それは中小企業からのまた孫請という慣行ですから、中小企業に仕事がなければ下には仕事が流れないということですので、もうきょうあすの仕事がないんだ、どうしていると聞きますと、いやあ、もう三割だという。三割落ちたのかといったら、そうじゃない、三割しか仕事がないんだと、こういうのが現状でございまして、今でもちっともそれが改善に向かう気配は全然見えておりません。
 そういうことを踏まえた上で、こうした状況を打破する政策課題を、金融と経営支援ということで、皆さんの御意見をまとめたものをレジュメにも書いてございますので、それをちょっと読ませていただきます。
 金融面では、貸し渋り、貸しはがしの影響が優良な中小企業にまで及んでおり、何とか対策を講じてほしい。また、金融機関の中小企業向け融資は、量的にも安定的に確保していただき、企業の血液である資金が円滑に流れるようにしてほしい。
 一つ、平成十年の中小企業金融安定化特別保証制度は貸し渋り倒産の危機から救ってくれたが、その後の受注の伸び悩み、売り上げ停滞で利用者の返済が苦しくなっているのが現状である。返済条件変更には柔軟に応じてもらいたい。先ほど長野さんもおっしゃったとおりでございます。
 それからもう一つ、中小企業に対して円滑に資金が回っていないのは金融検査マニュアルに問題があるからではないか。大企業も中小企業も同じマニュアルで一律に判断されるのはおかしい。中小企業は長年培った信頼の中で商売を営んでいる。大企業と同じような厳しい審査が中小企業への貸し渋りを招いており、健全な中小企業への融資が滞っている。中小企業に配慮した規定を明確にしていただくなど、マニュアルの見直しを含め検討していただきたい。
 もう一つ、個人保証は貸し手のリスクヘッジの意味からやむを得ないのかもしれないが、我が国の場合、経営者は個人保証をしており、破産したときは中小企業経営者はすべての資産を失うことになる。万一の破綻時に備え、現在進められている破産法制の見直しを可及的速やかに進めてほしい。
 昨年十二月から取り扱いが開始されている売り掛け債権担保融資保証制度については、中小企業の短期の資金繰り調達に資する制度であり、迅速に普及することが望まれる。使い勝手が悪く、出足が鈍いと聞いています。関係機関も努力しているとは思いますが、この制度が普及するよう、より一層の工夫やPRなどを進めてもらいたい。
 それから、レジュメにはこれは書いてないんですけれども、追加いたしますと、中小企業の資本充実のための特別な融資を構築してほしい。
 これは先ほど長野さんからもおっしゃられたことの繰り返しになるわけですけれども、この間、ドイツからミッションの方が大田区へお見えになりました。そのときにお聞きした話ですと、ドイツあたりですと、そういう資本充実のために、十年据え置き、後十年で返済。要するに、先ほどおっしゃったように中小企業は資本力が足りない、株を発行して市場で集めるということもできない、したがって金融に頼らざるを得ない現状でございまして、やはりそれの返済がもう翌月から来るというのは非常に、一年据え置きとかそれでやっていくような簡単な仕事じゃないわけです、製造というのは。したがいまして、今機械一台買いますとやはり何千万する。それが一千万ぐらいまでの中小企業は非常に多いわけですから、自分の資本の中で機械一台も買えないような状態で営業をやっているわけですね。
 ですから、そういうための援助ということで、ドイツでは既にもうやっているよ、十年据え置きで、十年後から元利を返して、利息だけはもちろん払うわけですけれども、元利は十年後から十年ぐらいで返済する制度がもう既にあるというようなことをおっしゃっていましたので、日本でもそういうことをぜひ検討していただければ、このように思っております。
 それから、経営支援及び物づくり支援ということで申し上げたいと思います。
 中小企業の技術開発に向けた経営支援についてはもっと拡充強化してほしい。大田区にはオンリーワン企業と呼ばれる優良企業が多いが、独自技術の開発にはもっと国や東京都、区の資金援助が必要である。我が国にとって物づくりの技術が衰退していくことは大変大きな問題である。日本の製造業の基盤である技術や技能が失われることは国家的損失と認識していただきたい。そこで、技術開発に関する予算については相当な増額をお願いしたいということでございます。
 また、物づくり能力の衰退が激しい。若者が製造現場に魅力を感じないようだが、初等中等教育から物づくりの楽しさや重要性を教えていかないと、工業立国である日本はもたなくなる。
 熟練技能者はますます高齢化している。大田の製造業がすぐれているのは、熟練のわざと製造技術が融合しているからだ。熟練技能者を社会的にもっと評価してほしい、また、評価できるようなシステムを構築してほしい、このように私は思います。
 例えばドイツなんかですとマイスター制度という制度がございまして、要するに技能者、熟練者というのは一般国民からも尊敬される地位にあるわけなんですが、したがって若い人も、おれはマイスターで何を目指すよという若い子がいると聞いております。ところが、今なかなか日本では、私はこれでこういう技術をやっていこうという若い者が非常に減っている。要するに、初等中等からの教育の間に物づくりというものの楽しさを教えるということを今怠っているんじゃないかという気がいたしますので、ぜひもう小さいときから、物づくりがやはり国をつくっていくんだという観点で教育を支えていただきたい、このように思っております。
 以上、いろいろ申し上げましたが、一日も早く安定した経済となり仕事がふえることを望んでいるのが本音でございます。
 以上をもちまして、私の意見陳述とさせていただきます。どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →
谷畑孝#11
○谷畑委員長 どうもありがとうございました。
 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。
    —————————————
この発言だけを見る →
谷畑孝#12
○谷畑委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松島みどりさん。
この発言だけを見る →
松島みどり#13
○松島委員 自由民主党の松島みどりでございます。よろしくお願いいたします。
 きょうは四人の参考人の皆様から本当に実のあるいろいろな御意見を伺いました。山ほど質問したいことがあるんですけれども、十分だけでございますので。
 今鈴木参考人の方から大田区の方の御説明がありまして、私は、東京で大田区の次に中小製造業の多い墨田区と、そして隣接する、これまた小企業の多い荒川区、この二つの区を地盤としているものですから身につまされるものがありました。とりわけ、仕事がないということ、もう月に五日ぐらいしか仕事がないとか、私もいろいろな金融政策のことを、金融、こういう制度があるからということを地元でアピールいたしましても、その前に仕事よこせよという話になる。失業率五・六%、今ちょっと下がっていますが、これがショックだといっても、これはサラリーマン、大企業型の失業率の数ですから、現実には失業状況に近い小企業の方がたくさんいらっしゃるということを本当につくづく思っております。
 そして、今のいろいろなお話の中で、伺いたいことは、非常に印象に残ったのが、まず港先生につきまして、雇用対策と創業支援の問題でございます。
 役所の方も雇用対策というと厚生労働省で、そしてこっちの方は何か中小企業庁でとか、経済産業というのはぶつ切りになっちゃっているわけですが、そういう形で、もう融資だけでなくて、イギリスみたいに年間幾ら、次を目指して頑張る場合、単に失業状態というのでなしに、それの中身によって渡すというのはいい制度だと思うんですけれども、都民銀行の加藤さんを初め、長野さんや鈴木さんからごらんになってどう思われるかというのが質問の一点です。
 もう一つ、二点目は、金融のあり方の中で、一つ、これも港先生が言われました。保証料率の話でございましたけれども、特に加藤さん、長野さんに伺いたいのは、相手によって金利そのものに差をつけるということを大幅に考えていけるかどうかということです。
 それから最後に、長野さんがおっしゃいました、資本の充実のための十年、十五年、二十年ローン、こういったものは、要請が鈴木さんからもございましたけれども、民間の金融機関でできるのか、あるいは政府がどういうバックアップをしなければできないのか、そのあたりを伺いたいと思います。
 ですから、質問は港さんを除く三人の方になります。
この発言だけを見る →
谷畑孝#14
○谷畑委員長 それでは、ちょっと挙手をお願い申し上げます。
 それでは、加藤参考人。
この発言だけを見る →
加藤秀夫#15
○加藤参考人 先ほどの、保証料率、また金利の件で、企業さんによって差をつけていいのかどうかという御質問でございましょうが、我々ふだん日常業務でお客様と接している立場なんですが、政府系の信用保証協会さんの保証料は、これはやはり国がやっているということでしょう、低く抑えられているんですが、それよりもお客様の望んでいるのは、やはり融資してほしい、多少保証料は高くてもいいからこの場をしのぎたい、この月末をしのぎたいという声が非常に多うございます。
 ですから、これもやはり柔軟に、今まではこうだからというのでなく、やはり柔軟に対応するべきではないかと私は個人的には思います。
 以上です。
この発言だけを見る →
谷畑孝#16
○谷畑委員長 次に、長野参考人か鈴木参考人さん、今の松島みどりさんの質問に対してコメントがありましたら。
 中小企業によって金利に差をつけてというのが一つの提案であったわけですけれども、そういうことについてはどう思うかということでありますので、もしもよければ。
 それでは、鈴木参考人さん。
この発言だけを見る →
鈴木規方#17
○鈴木参考人 金利に差をつけろ、逆に今つけられているという状態じゃないかと思います。
 本来は、今自由競争ですから、皆さん、各銀行でそれぞれ勝手な金利をつけておられるんだとは思うんですけれども、中小企業のいいところと悪いところと比べますと、もうそこで歴然と、〇・何%の、割引にしろ借り入れにしろ金利差がついている、私はこのように思っておりますけれども。
この発言だけを見る →
谷畑孝#18
○谷畑委員長 ありがとうございました。
 松島みどり君。
この発言だけを見る →
松島みどり#19
○松島委員 実際に金利はついているわけですけれども、それを加藤さんが言われるようにもっと大幅に、それから港先生が言われるようにもっと大幅につけてでも、商工ローンに駆け込むよりはましだというぎりぎりまで上げるかどうかという問題かなと思っております。
 さっき伺いました資本充実のための長いローン、これについて、あるいはどなたかありましたらお願いいたします。
この発言だけを見る →
長野幸彦#20
○長野参考人 松島先生から、中小企業の資本不足に対する対応策として超長期の、そういうような資金を私が供給したらどうかということについて、それは、民間の金融機関でそういうようなことができるのかということがございます。
 私の本当の発言からいうと、政府系金融機関と一緒になって民間金融機関がそういう超長期ローンというものをつくったらどうだと。意地の上からは民間でやりたい、こういうことを申し上げたいんですが。しかも、政府系金融機関が今こういう問題になっているから、必ずしもそれをバックアップしようということでは毛頭ないわけですが、その両方の意味合いを含めて、両方でひとついいものをつくり上げることができないだろうか。
 いろいろ難しい問題がございまして、住宅ローンについても同じようなことが出てくるわけでありますが、私どもはどちらかというと、やはり長期のローンということをやるについては、限度、限界、短期で割と集める、こちらで債券を発行するということは余りやっておりませんから、短期で集めて、そうすると長期で運用する場合にはおのずから限度、限界があるだろう。そうすると、政府系金融機関等と協調をして、どうでしょうか、三十年ローンぐらいのをぜひつくり上げたいというふうに思っております。よろしくどうぞ。
この発言だけを見る →
松島みどり#21
○松島委員 どうもありがとうございます。
 政府系金融機関、今いろいろな議論がされていますけれども、官業が民業を圧迫するのではなく、補完し合って、そして中小企業が実際にやっていくためには、そういう形での生き残り方を私どもも提言していきたいなと思っております。
 最初にちょっと、要領が悪かったんですが、いろいろなことをまとめて質問させていただきました。
 創業者の支援というものの中で、これはどなたでも結構ですが、今実際に創業者支援というのが、まさに港先生が言われたように、何か超優良の、何かぴかぴかの技術志向の、そういうことだけ言われているけれども、そうじゃない、もうちょっとローテクも含めて、いろいろなレベルのものを含めて商売のこと、製造業だけじゃなくて必要だと思うんですけれども、このあたりについて、政府に望むこと、あるいは政策としてございましたら御発言をお願いします。
この発言だけを見る →
港徹雄#22
○港参考人 創業支援についてでありますが、現在の失業保険の制度によりますと、創業すれば失業保険が打ち切られるわけですね。これがかなり起業を抑制的に作用していると思うんです。起業で成功しているのは、失業してかなり早い時点で創業するのが成功しているケースが多いわけでありまして、したがって、失業保険をもらえるだけもらってから起業しようというのはなかなか成功しないわけですから、起業しても失業保険給付を打ち切らないというのが一番簡単な方法である。もっと、さらに進めば、イギリス型のアローアンスを与えるという方向も考えられるのではないかというふうに思いますけれども。
この発言だけを見る →
松島みどり#23
○松島委員 今おっしゃいました、確かに、起業されましても、創業してもすぐには一家が食っていけるだけのものがない、まだ持ち出しでという形態が多いわけですから、これは失業保険の見直しとして、私は厚生労働委員会にも属しておりますので、こちらで主張してまいりたいと思います。
 四人の先生方、どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →
谷畑孝#24
○谷畑委員長 松原仁君。
この発言だけを見る →
松原仁#25
○松原委員 きょうは参考人の皆さん、本当にどうもありがとうございます。御質問をさせていただきたいと思っております。
 私も地元が大田区ということでございまして、本当に中小企業の町というか、そういったところで活動をしております。
 私自身は、中小企業問題を考える場合に、やはり中小企業の位置づけというのは、これは、国の国策というか、オピニオンリーダーである、経済における実はオピニオンをリードしていくのが中小企業の経営者の方々だろうというふうな認識を持っております。したがって、本質的な部分からいくと、日本の景気回復は中小企業経営者のメンタリティーを無視してはあり得ないだろうというふうに思っております。
 その一方において、先ほどから参考人の皆さんのいろいろなお話の中にありましたように、結果的に中小企業が、非常に恒常的金欠状況と言うと言葉は悪いですが、お金がない状況が続いている。これは、なぜそういうものが続いているかとするならば、それは、従来の日本の中小企業に対する税制にいろいろな問題点があったのではないか。法人税の高さというものが海外に比べて極めて高いわけでありまして、そういうふうなこと、また、相続税も極めて農業なんかに比べて特に製造業は高いというふうなこともある中において、結果として、中小企業にどんなに利益が上がってもなかなかお金がプールされなかったということが恒常的に中小企業の金欠という状況になってきたのではないかと思うんです。
 そういう中で、今金融の再編というものが行われておりますが、この金融の再編というのは大変にさまざまな問題をはらんでおります。例えば、その中でBIS規制の問題というものもあるわけでありますが、先ほど長野参考人がお話しになったんですかね、四%という、そういったことで、現実にそのことが、一方で公定歩合は下げても、実際には運用の部分では貸しはがしにつながるということになっていると思っております。
 そんな中で、鈴木参考人にお伺いをしたいわけでありますが、現実の地元の地域の中小企業の方々で、仕事を、現実に健全なる仕事、もちろん仕事量は減っておりますが、そうは言いながらも仕事としては回転をしていく、回っていく。しかしながら、日切れという表現を使っていいのかわかりませんが、新たにお金を借りることができないとか、借りているものを貸しはがしをされるとかいうことによって、健全な仕事をしていながらも廃業に追い込まれるというふうなケースがあるのかどうか、ちょっとお伺いいたしたいと思います。
この発言だけを見る →
鈴木規方#26
○鈴木参考人 具体的な例まではちょっと聞いておりませんけれども、現実に一番問題になっておりますのは、土地が下がっちゃった。土地の下落が要するに担保力を、借金の方が上回ってしまうというような結果を、逆転現象を起こしてしまいまして、結局、過去の、バブル時代は別といたしまして、例えば、せめて二十年前の時価ぐらいがあれば多分逆転しないで済むぐらいの借金しかなかったにもかかわらず、土地がそれのまた半分になっているというようなことで、結局、担保力不足というようなことで貸しはがしに遭って、売っても借金が返せないという、昔、二十年前でしたら十分返せたものが返せない。したがって、担保力も足りないからもっと追い担保を入れろ、また、入れない限り金を返せというようなことで、非常に苦境に立っているという方は何人かいらっしゃいます。
この発言だけを見る →
松原仁#27
○松原委員 非常に大事な部分だと思っておりまして、例えば新しく事業者が、企業が物事を行う場合に、インフレ傾向であれば、実業で若干赤字であっても、これは余り言うと邪道になりますが、赤字であっても、キャピタルゲインで赤字分は乗り越えられるという議論もある。逆に、デフレに入ってくると、実業が黒字であっても、キャピタルロスがあるから結果的に事業しづらい状況があるというふうなことも精神的にはあろうかと思っておりますが。
 鈴木参考人のお考えでは、やはり土地は今よりも少し上がらないと、上がる傾向と言った方がいいかもしれません、上がる傾向であるということは、中小企業の今の沈滞した厳しい状況に対してはプラスになるのではないかと思うんですが、率直な個人的な御印象でも結構です、おっしゃっていただきたいと思います。
この発言だけを見る →
鈴木規方#28
○鈴木参考人 私は、必ず、デフレをとめるにも、土地が多少右肩上がりになるであろうという気配、最低でももうこれ以上下がらないということがデフレをとめる一番最大の特効薬じゃないかと。自分のことを申し上げますと、私どもの工場のある敷地あたりも、バブルの最盛期は五百万と言われたわけですね。それが今、よくて百五十万以下だろうと。そうしますと、例えば担保力もそれ以下に下がってきてしまう。
 また、一番ひどいのは、路線価と逆転しちゃっている、時価の方が。そうしますと、例えば相続の場合は路線価で評価しますから、時価で売っても払えなくなっちゃうわけですね。それで、売るとまた譲渡税がかかるというようなことで、売っても地獄、そのままいても地獄というようなことで、結局物納せざるを得ないというような個人的な家庭の方も相当いらっしゃいます。
 したがいまして、もうちょっとやはり、僕は、少なくともバブルの以前ぐらいのレベルまで土地は上がるべきじゃないか、このように考えております。
この発言だけを見る →
松原仁#29
○松原委員 非常に納得のいく、そうだろうなというふうな議論でありました。
 次にお伺いしたいことは、私も地域でいろいろと話を聞いていて、先ほど金融の再編があるということを申し上げました。BIS規制があって貸しはがしをするということ。貸しはがしをするときに、特に今、鈴木参考人がおっしゃったように、土地の値段、担保が下がっているからということで貸しはがしを容赦なく行うこともあろうというふうに思っております。
 こういったものはそれ自体大変問題でありますが、同時に、金融の方の再編が行われて、信金、信組がおびただしく、今、大田区であれば、ある信金が廃業をした、そうすると、私のところにも話がいろいろとあるわけですが、結局、今までは健全なる中小企業としてその金融機関とおつき合いをしてきた、しかしながら新しいところ、具体名を挙げない方がいいと思うが、例えばAからBに移ったときに、Bに行ったらば、まま子扱いという表現を使っていいかわからぬけれども、けんもほろろだ、こういう話なんですね。
 それは、例えば、本当に命がけでもあすが厳しいというところ、これも何とかしなきゃいかぬのだけれども、そうじゃなくて、健全で、今までの金融機関とつき合っている限りにおいては、スリーAだという表現を使っていいかどうかは別にして、そういうところだったと。しかるに、現実こういうふうになるとまま子扱いだ、大変困っているんだ、こういうふうな話が寄せられることがしばしばあるわけであります。
 実際、一つのそういった金融機関が廃業になることによって健全なる中小企業が二千社ぐらいつぶれるだろうというふうな指摘もあるんですが、こういったことにつきまして、長野参考人、どんなお考えかをちょっとお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →
← 戻る