財政金融委員会

2002-06-13 参議院 全136発言

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会議録情報#0
平成十四年六月十三日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山下八洲夫君
    理 事
                入澤  肇君
                林  芳正君
                若林 正俊君
                円 より子君
                山本  保君
    委 員
                上杉 光弘君
                尾辻 秀久君
                金田 勝年君
                清水 達雄君
                中島 啓雄君
                溝手 顕正君
                山下 英利君
                大塚 耕平君
                勝木 健司君
                櫻井  充君
                峰崎 直樹君
                浜田卓二郎君
                池田 幹幸君
                大門実紀史君
                平野 達男君
                大渕 絹子君
                椎名 素夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        石田 祐幸君
   参考人
       東京大学大学院
       法学政治学研究
       科教授      中里  実君
       社団法人日本経
       済団体連合会専
       務理事      中村 芳夫君
       日本労働組合総
       連合会総合政策
       局長       成川 秀明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○法人税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)

    ─────────────
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山下八洲夫#1
○委員長(山下八洲夫君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 法人税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、参考人として東京大学大学院法学政治学研究科教授中里実君、社団法人日本経済団体連合会専務理事中村芳夫君及び日本労働組合総連合会総合政策局長成川秀明君、以上三名の方々の御出席をいただいております。
 この際、参考人の皆様に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙のところ、本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 参考人の方々から忌憚のない御意見を承りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 本日の議事の進め方でございますが、まず、中里参考人、中村参考人、成川参考人の順序で、お一人十分程度でそれぞれ御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えを願いたいと存じます。
 また、御発言の際は、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきいただきたいと存じます。
 なお、参考人の意見陳述、各委員からの質疑及びこれに対する答弁とも、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず中里参考人からお願い申し上げます。中里参考人。
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中里実#2
○参考人(中里実君) 委員長の方から着席のままということでございますので、着席のまま失礼させていただきます。御紹介いただきました東京大学の法学部の中里でございます。
 昭和二十六年に、その前のシャウプ勧告を受けまして、東京大学と京都大学に租税法の講座が開かれまして、それ以来もう五十年ちょっとたったわけですけれども、この五十年ちょっとの間に日本の租税制度、非常に大きな変革の時期を迎えているということでございます。しかし、その基本を成すところの公平といった観念については、これは揺るぎもしない、揺るがせてはいけないというところがあるのだろうと思います。そういう視点から、今日は、連結納税制度につきまして幾つかの点を理屈の上から申し上げさせていただきたいと思います。
 最初に、連結納税制度の理屈の上での簡単な位置付けの話、それから二つ目に、この連結納税制度だけ取り上げて税制改革を語るわけにはいきませんから、連結納税制度とほかの制度との関係、それから、連結納税制度が導入されることによって生ずる様々な実務的な問題点、この三つに分けて申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 最初の位置付けの点でございますけれども、法人税の課税所得の計算というのは、法人格ごとに、課税年度ごとにという、この法人格の区切りと課税年度の区切り、二つの区切りによって課税所得を計算するというふうになっております。したがって、親会社が黒字百、子会社が赤字百であっても、基本的には、この場合には、黒字の方からは税金は取るけれども赤字の方はほっておかれる。あるいは、去年黒字、今年赤字であっても、本来の姿からいえば、それは黒字のときには税金取るけれども、赤字のときはそのままということになるわけです。
 ただし、これでは余りにも、企業というのは設立されてから清算されるまでずっと続くものでございますので、今のような法人格による区切りや課税年度による区切りを余り徹底的に追求しますと様々な不都合が生じてくる。そこで、法人格による区切りを多少緩めてグループ全体として見てあげようというのが連結納税制度でございますし、また、課税年度の区切りが余り厳格ですと欠損金が取り残されたままになってしまって黒赤の変動の激しい企業等は不利になりますから、この間をならすために欠損金の繰戻しあるいは繰越しの制度があるわけでございます。
 このうちの連結納税制度とそれから欠損金の利用、繰越しの制度とは、ですから、一見違うように見えて非常に密接な関連を持っておりますので、他方だけを独立させて議論するというわけには必ずしもいかないところがございます。
 連結納税制度については、諸外国の例を見ますと、アメリカあるいは一九八〇年代の終わりのころに作られましたフランスの連結納税制度等の厳密な本来の意味での連結納税制度と、ドイツやイギリスにおけるような欠損金の振替利用を認めるような比較的柔軟なといいますか、本格的でない連結納税制度と二通りあるわけですが、日本ではこのうち本格的な連結納税制度の方を採用するという方向が打ち出されて、これまでの議論がなされてきたということでございます。
 私は、個人的には欠損金の振替制度の方がフレキシビリティーが高くて運用も簡単ではないかと思っていたのですけれども、せっかく導入するのであれば本格的という気持ち、これも分からないではありませんので、このこと自体は正しい方向だったのではないかというふうに思いますが、同時に、本格的な連結納税制度を入れたおかげで、法人税法が異常な分量、異常と言ってはなんですが、大変な分量になってしまいまして、これから授業をどうやってやっていこうかとか、途方に暮れているところがございます。これは、教える方にとってみればたまらない話ですし、教わる方にとっても非常にシビアなところで、今後、税理士試験で法人税法を専攻する方がいなくなるのではないか、これが試験範囲に入りますとですね、そんな話さえつぶやかれているわけです。
 以上が位置付けの問題で、欠損金の利用と密接な関係があるという点を申し上げましたけれども、経済的効果でございますが、法人格による人為的な区切り、あるいは課税年度による人為的な区切りというのを余り極端に追求しますと、所得のないところに課税してしまうということが起こる。それは欠損金が取り残されてしまうということで、所得のないところへ課税が行われるということが起こってしまうわけですから、その意味では、連結納税制度というのは言わば当然というところがございます。そのことによって赤字がどこかに取り残されてしまってそのまま終わってしまうということを防ぐということですから、非常に中立性、課税の中立性の観点からいって望ましい制度であるということは、これは言えるのではないかと思います。
 ただ、日本のただいまの財政状況を見ますと、これはもうどう考えても、国債の格付のことはともかくといたしましても、非常に深刻な事態でございますので、このような時期に税収の減少に結び付くような制度をそう大ぶろしきで入れるわけにもいかないという財政上の考慮というのも、これも別に財政当局に悪気があるとかそういう問題ではありませんで、当然のことだろうということになります。中立性の観点からは連結納税制度をなるたけ広く取り入れた方がよろしいんでしょうけれども、今の財政状況を考えると必ずしもそう簡単にはいかないという、非常に複雑なというか、解決の困難な対立の軸の中で連結納税制度をどういう範囲でどの程度ということが決まってくるということです。
 そこで、二年間二%の付加税というものが導入されたんだろうと思います。このこと自体は、急激な制度の変更を緩和するというようなところもありますし、それから他方で、例えば老人マル優の廃止云々というようなこともありますから、大企業等だけが結果的に税収減になるとすれば、たとえそれが理屈上一〇〇%正しくてもというような気持ちの問題、気持ちと言ってはなんですが、政策と言い換えましょうか、政策の問題がございますので、正面からこれはけしからぬ、付加税けしからぬと言うことは理論上は可能ですけれども、しかし今の財政状況その他を考えますと、これはこれで仕方がないというところがございますので、理論的にはこれは何とも言えない、先生方がお決めになる事項だというふうに考えます。
 他の制度との関係について少し述べさせていただきますと、先ほど申しましたとおり、区切り、法人格による区切り、あるいは課税年度による区切りという点から見ますと、連結納税制度とそれから欠損金の繰戻し、繰越しの制度というのは非常に密接な関係をしているということでございますので、この点は無視することができないと。
 それからもう一つは、企業組織再編税制との関係が密接でございまして、企業グループを一体として見るという視点がございますので、連結の場合でも企業組織再編の場合でも、単体の企業のみに着目しないというところがございますから、両者は密接な関係にあるわけです。
 意外に我々が無視しがちなのが、これは外形標準課税との関係でございまして、連結というのは、赤字の利用が、企業グループの中での赤字の利用というのが比較的緩やかに認められるということだと思いますが、外形標準課税は赤字法人に対する課税というのを内在させておりますので、企業グループ全体として見ますと、連結の効果が一部分外形標準によって打ち消されるというところはある場合もあります。
 しかし、逆に考えますと、グループ全体が非常に黒字体質のところは、外形標準と連結が相乗効果を持って競争力を増すというところもございますので、両者は関係するんですが、それは企業グループ全体が黒字体質なのか赤字体質なのかによって影響が違ってくるというところがございます。
 赤字体質のところは、外形標準課税が連結の効果を多少打ち消すところがあるということ、これは否めない事実だろうと思いますが、黒字体質のところは、逆にこれによって競争力が増すということで、今の日本の経済状態を考えますと、競争力、国際的な競争力というのは重要ですから、その点は無視できないということだと思います。
 最後に、執行の点でございますけれども、個別法人を念頭に置きました制度が従来どおりございますので、これと連結との間でいろいろなフリクションが起こるということはあり得るわけです。
 地方税は個別の企業を前提とした制度を作っておりますので、連結の適用から除外するために様々な苦労を総務省等がなさっているというふうに聞いておりますし、また消費税の調査というのは個別的な企業を念頭に置いて行うものですから、連結納税制度導入以降、国税庁が消費税の調査等で多少の困難な局面に遭遇するということも考えられます。
 それから、更正処分をどう打つかとか、租税滞納処分、税金を払わない企業に対する租税滞納処分等の関係で、処分というのは特定の法人格に対してなすものですから、様々な難しい法律問題が起こってくるということも無視できないということでしょう。
 いずれにいたしましても、我々だれでも知っていることですけれども、打ち出の小づちとか魔法のつえというのがございません。にっちもさっちもいかない財政状況の中で、企業にも頑張っていただきたい、しかも国も一定の税収は確保したいという、解けない問題を解こうとしているわけでございますから、一面的にこれはいいとか悪いとかというのを言い切れないところに今の問題があるのじゃないかというふうに思います。
 以上でございます。
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山下八洲夫#3
○委員長(山下八洲夫君) ありがとうございました。
 次に、中村参考人にお願いします。中村参考人。
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中村芳夫#4
○参考人(中村芳夫君) 日本経済団体連合会の専務理事を務めております中村でございます。着席させていただき、失礼いたします。
 連結納税制度を導入するための法人税法等の一部を改正する法律案を支持しまして、その早期成立を期待する立場から意見を申し述べさしていただきたいと思います。
 初めに、連結納税制度の必要性につきまして、経団連の考えを御説明いたします。
 経団連では、アメリカが一九六六年に本格的な連結納税制度を導入いたしましたのをきっかけに、その制度内容を子細に分析いたしまして、我が国にとりましても連結納税制度を導入することが望ましいと考えて、一九七〇年代早々より今に至るまで、数次にわたりまして具体的な提言を繰り返してまいりました。
 しかし、我が国におきましては、グループ経営の重要性が本当に強く認識されるようになりましたのは、実はここ数年のことではないかと思います。
 その直接のきっかけは、平成九年の独占禁止法改正によりまして、それまで長らく禁止されておりました純粋持ち株会社が解禁されたことでございます。これによりまして、単なる親会社、子会社の関係ではなく、企業グループ全体を戦略単位として経営を考えることが制度的にもできるようになりまして、日本企業にとって本格的なグループ経営の時代が開かれるようになりました。
 その後、今に至るまで、株式交換・移転制度、会社分割制度の創設など相次ぐ商法の改正が実現しまして、企業会計制度におきましても、従来の単体企業中心から連結主体への転換が図られて、企業経営の在り方が、もはや個別企業によるものではなく、グループ全体としての効率性を追求する時代に入ったことが、企業規模の大小を問わず広く認識されるに至っております。
 さらに、企業は、厳しい国際競争の中で生き延びていくために、その時々の経済環境や需要構造の変化に迅速に対応して、戦略的な分社化や経営統合によりグループを再編し、グループ全体の姿を柔軟に変えてその活力を高めていくことが必要になっております。
 しかし、日本の法人税制は長らく個別企業をその課税単位とするものでありましたことが、グループを一体とした課税制度を持つ欧米企業との間で大きなハンディキャップとなっておりました。
 確かに、税制におきましても、平成十一年度改正におきます株式交換・移転制度の創設に対応しました税制の整備や、昨年、平成十三年度改正におきます新しい合併、会社分割、現物出資などの税制の整備によりまして、企業組織再編成についての環境は整えられてまいりましたが、グループを一体として課税する仕組みであります連結納税制度がなければ、本格的なグループ経営への移行はかなわないものと考えております。
 連結納税制度は、一つの企業の中で、事業部門によって事業を行う形態と分社化によって事業を進める形態との間で、税負担の中立を保つために不可欠な仕組みと考えております。
 特に、グループ経営のメリットを生かして新規事業分野への展開を行ったり、既存事業の再構築を行うに際しまして、税制を組織形態に対して中立的なものとして事業組織形態選択の自由度を広げるためにも、是非とも必要なツールと考えております。
 その意味で、連結納税制度は、単に法人税制の大改革ということのみならず、我が国の企業経営の在り方に新天地を開くものと言っても過言ではないと考えております。
 経済構造改革の必要性が言われて久しいわけでありますけれども、構造改革を進める中で、国内における雇用を維持しまして経済を着実に回復軌道に戻していくためには、活力と創造性に優れ、厳しい国際競争の中でも積極的な事業展開をできる企業の存在が欠かすことができません。
 そのためにも、連結納税制度を活用することによりまして、国際的に遜色のないグループ経営を築いていくことが期待されております。経団連がこの連結納税制度の導入を待望してやまなかった理由はここにございます。
 次に、ただいま御審議いただいております法人税法等の一部を改正する法律案につきまして、この法律案の内容を基本的に支持する立場から何点かコメントをさせていただきたいと思います。非常に膨大な内容であり、まず、この場をかりまして、法案を作成されました財務省主税局の方々の御苦労に厚く御礼を申し述べたいと思います。
 初めに、連結納税制度の導入に係る部分を全体として見れば、私どもが求めてまいりました連結納税制度の姿として支持できる内容であると思います。
 子会社の範囲につきましては、少数株主の利益との調整の問題が生じますので、導入当初は、直接、間接にも一〇〇%となるというふうに考えております。
 また、グループ内部での寄附金の扱いや中小法人の交際費の損金算入枠や同族会社の留保金課税の適用方法など、連結納税制度の採用によって不利になるとされている点につきましても、企業グループを一体とした課税の仕組みであるということから、やむを得ないものと考えております。
 ただ、幾つかの点では私どもの求めるものとは異なる内容となっておりますが、それは、先ほどお話ありましたように、主として財源措置によるものだと考えております。
 具体的には、子会社が連結納税制度に入る前に有しておりました繰越欠損金が否認されること、さらに、買収して一〇〇%子会社となる会社などにつきまして、その含み損益を時価で評価して課税した上で連結計算への加入を一年間制限することにつきましては、決して喜ばしい内容ではありません。
 続いて、今回の法案審議の中で非常に大きくお取り上げいただいております、いわゆる連結付加税を始めとする連結納税制度導入に伴います財源措置についての考えを申し述べたいと思っております。
 連結納税制度の本質は、第一に、企業グループの中で損益を通算して課税する仕組み、第二に、グループ内での取引につきましては譲渡損益を売手側で繰り延べる仕組みでございます。
 前者は、今まで法人税では、個別企業の赤字を繰越欠損金として翌期以降の黒字と通算するのと、連結納税で同じ期にグループ内の黒字企業と通算するのとでは、中長期的にはその分の税収は変わらないはずであります。
 また、後者につきましても、グループの外にその資産を売却されたり、グループの内部でも二回目の取引がなされれば最初の譲渡損益は課税されるということから、永久に課税がなされないわけではありません。
 しかし、導入当初数年間は減収になるということが明らかでありまして、厳しい財政事情の中でこれを放置できないことは理解できるということから、経団連でも、この導入当初の減収につきましては真剣に対応すべく経済界内部のコンセンサスづくりに努めてまいりました。とりわけ、連結納税制度自体が広い意味での課税ベースの適正化であることから、その導入によります減収は、やはり法人税の課税ベースの拡大で補うことが必要であると考えております。
 加えまして、連結納税制度を活用してメリットを受ける企業に対しましても、子会社の繰越欠損金を連結の中に持ち込めないようにしたり、あるいは、連結納税制度のメリットを受けんがために子会社を買収によって増やす場合につきましては、連結に入る前に含み損益の清算を求めるとの仕組みにつきましては、当面の間との限定付きのつもりではありますが、やむを得ないと考えております。
 このように、経団連といたしましても、法人税の課税ベースの拡大あるいは連結納税制度の仕組みの中での財源対策を真剣に考えまして、我々が連結納税制度導入による減収額として想定いたしました六千億円弱につきましては、協力するということで経済界のコンセンサスをほぼ得ておりました。
 しかし、財務省は、三千社余りのアンケート調査の回答から得られました数字を全法人レベルに敷衍いたしまして、さらに、今後、一〇〇%子会社の数は四割程度増えるという想定の下で減収額を八千億円程度と試算し、更なる財源策といたしまして、連結納税採用企業に対しまして法人税率を二%付加する、いわゆる付加税の導入を提案されました。
 この付加税の導入は、連結ベースでの所得が大きい優良企業であればあるほど連結納税制度を活用しにくくするものでありまして、企業のグループ経営を支え、その活力を高めていくという連結納税制度導入そのものの趣旨に反するものでございます。
 事実、大和総研が三月に公表いたしました調査では、主要企業の中で、せっかくの連結納税制度につきまして、本年度から適用を行おうとする企業、また前向きに検討するものも含めましても二割に達しておりません。また、使わないとする企業の九三%が付加税の存在を理由として挙げております。
 経団連といたしましては、付加税につきましては容認し難いものであり、是非とも速やかに撤廃をしていただきたいと考えております。
 しかしながら、付加税は、この連結納税制度導入と一体のものとしてただいま御審議中の法案になっておりますので、先ほど、今年度から連結納税制度適用を考えている企業は二割と申し上げましたけれども、逆に言えば、二割の企業が厳しい条件の中でも連結納税制度を今年度から活用できるということを求めておりますわけで、その中には日本経済や地域の雇用にとって極めて重要な企業も含まれております。したがいまして、連結納税制度を予定どおり今年度から活用できるものにしていただくことが企業活力再生のために最も大切な課題であり、是非とも、今回におきましてこの法案の成立をお願いしたいと思っております。
 以上でございます。ありがとうございました。
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山下八洲夫#5
○委員長(山下八洲夫君) ありがとうございました。
 次に、成川参考人にお願いします。成川参考人。
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成川秀明#6
○参考人(成川秀明君) 日本労働組合総連合会の総合政策局長をやっておる成川でございます。参議院財政金融委員会のこの席で私どもの意見を申し述べる機会を与えていただきましたことに感謝を申し上げたいと思います。
 私ども、労働組合としてこの連結納税制度、議論をしてきましたが、今の企業の大きな経営の在り方の流れの中で、グループ経営がやはりこれから大きな役割を担う、そういう認識に立っております。
 しかし、この連結納税につきましては、やはり租税の回避行為などをしっかり防止をして、公正で公平な当然負担の中でやるべきである、そのほか幾つかの、特に労働組合として今の中で考えなければならない点がある、こう思ってございます。
 以下、その中で主に三点につきまして、是非雇用の機会の確保を図る、そして失業を減らしていく、そういう社会を作るという労働組合の立場で意見を申し述べたいと思います。
 まず第一点は、この法律で提起されております財源措置についてでございます。
 この法人税法等の改正によれば、法人税の負担の形が変わるということになります。政府の資料で拝見させていただきますと、この連結納税制度の導入によって、連結納税会社は平年度ベースで約八千億円の法人税負担減と、こういうふうな試算が出ております。そして、今回の法律案では特に子会社への適用を厳しくするということで、二千数百億円がそれで対応措置を取るということで、実際のこの法律による減収、連結納税制度導入による減収の見込額は約五千八百億円という形になるというふうに説明を受けてございます。そして、この五千八百億円の税収減を、連結付加税の導入で約一千億円、連結子会社の欠損金持込みの制限等で五百億円、そしてまた受取配当の益金不算入制度の見直しで約八百億円、退職給与引当金制度の廃止で三千二百四十億円の増収を図り相殺するというのがこの法律案の財源措置であるということでございます。
 すなわち、連結納税制度に移行する会社は五千八百億円の税の軽減を受けられるけれども、連結付加税と子会社欠損金持込み制限等で千五百億円の新たな税負担をする。そして、残りの税軽減分四千三百億円につきましては、連結納税が適用されない企業も含めて新たに負担をする。その負担増は、退職金引当金の廃止で三千二百四十億円、また配当受取の益金不算入の限度額引下げ、現行八〇%ですが、それを五〇%に引き下げるということで八百億円余の増収を図るという案となってございます。すなわち、この負担の変更は、連結納税の会社には税を軽減し、その他の会社が増税を引き受ける、こういう考えでございます。
 企業の活性化あるいは雇用機会の確保・創出という視点から考えますと、連結会社に優位な刺激を与え、その他の会社に負担増のおもしを課す、こういう法案について我々どう判断するかということでございます。
 御承知のように、現在大変不況が長引いておりまして、特にその中で失業増が非常に高まっております。また、中小企業におきましては、収益減どころか中小企業の数も減ってきている、雇用減も大きい、こういうふうに我々受け止めてございます。今後、失業を減らしていく、あるいは雇用機会を増やしていくという点から考えますと、それぞれの企業に是非一層の発展を我々は願っておるわけでありますが、やはり日本におきましては、中小企業、中堅企業に雇用の受皿として更にしっかり頑張っていただく必要がある、こう考えてございます。
 こういう観点に立ちますと、退職引当金制度の廃止につきましては、中小企業を除外するということが必要ではないかというふうに考えます。また、配当金等の益金不算入割合の引下げが提起されているわけでありますが、これにつきましても、中小企業への引下げ、二年間程度の経過措置ということで提案されておりますが、これを更に長くする必要があるのではないかというふうに考えます。
 次に、第二点でございます。
 それは、連結納税制度によって親会社の子会社に対する支配力が強まるのではないかというふうに思われます。
 既に連結会計制度の導入によりまして親会社の子会社に対する支配力は、役員人事のみならず投資、経営計画、そして職員人事などに広範に及んでおりますし、子会社の賃金などの労働条件に対しましても親会社が指示を与える例が増えてきてございます。
 こういう動きの中で、この連結納税制度は親会社による子会社への支配力を更に強める働きがある、こういうふうに受け止めております。
 確かに、この租税回避的行為を防止するというために、子会社の寄附金及び交際費等についての損金不算入制度に対しましては厳しく対処する必要があります。グループ内においてこれを親会社基準を適用する、またグループ外にも適用するということで今回提案されているというふうに受け止めてございます。しかし、このことで子会社の独立経営体としての活動条件が制約を受け、そのことで雇用の受皿、あるいは今後の中小企業の活動に制約が出るということは好ましいとは思われません。
 子会社あるいは中小企業の子会社の経営の在り方を更に強めていくという視点に立つと、租税回避的行為の防止というのは当然でございますけれども、それに併せて、子会社、中小企業の経営のより行いやすい形での連結納税制度を工夫する必要があるのではないかというふうに思われます。例えば、子会社の寄附金あるいは交際費等についてルールを定めて租税回避行為を防ぐ条件を整えるという中で、グループ外への寄附金等の支出については損金算入を認めるなどの措置について検討が必要ではないか、こう受け止めてございます。
 第三点は、先ほども第二点でも指摘しましたが、子会社の賃金など労働条件に対しまして親会社の支配、関与が強まっているという事態でございまして、我々としては、親会社が子会社の労働組合との労使交渉を行うとの労使交渉の応諾義務を是非法律で定めていただきたいということでございます。
 当然、この親会社による子会社の賃金等の労働条件決定への支配等につきましては、判例によりまして労使交渉等を受けなければならないということが明らかになってございます。しかし、この義務が必ずしも守られていないのが現状でございます。子会社の労働組合は、親会社との労使交渉を実現するために多くの苦労を今現在受けている事態にございます。
 このような問題を解決するために、連結親会社が子会社の労働組合が申し入れた場合には労使交渉を受け入れるという、是非、労使交渉の応諾義務を定めていただきたい、こう考えているところでございます。
 以上、三点につきまして、本法律案に対する私どもの考えを申し述べさせていただきました。どうもありがとうございます。
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山下八洲夫#7
○委員長(山下八洲夫君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人の皆さんに対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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入澤肇#8
○入澤肇君 最初に、中里参考人にお尋ね申し上げます。
 預貯金を株式の投資に誘導する方法を議論していましたときに、例の株式の配当課税、二重課税の問題が議論されました。そのときに、要するに法人の性格につきまして、法人は株主とは独立した存在であるという法人実在説、それから法人は個人株主の集合体であるという法人擬制説、神学論争的なものがかなり与党の中でも議論になりました。
 今回、グループの連結納税制度というのは、こういう法人実在説とか法人擬制説、そういうふうな講学上の説に対して終止符を打つものと理解していいのか、新しい法人についての概念を確立することが行われるのかどうかについて、学問的な話を聞きたいと思います。
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中里実#9
○参考人(中里実君) 考えたこともなかった御質問でございまして、何とお答えしたらいいかもよく分からないんですけれども。
 法人実在説と擬制説の対立というのは、ミクロ経済学的に考えればやはり擬人説以外あり得ませんので、法人が実在してどこかのレストランで飯を食っていたとか、そういうことはあり得ませんから、法人というのは人の集合体で、その活動、存在によってだれかが利益を受けていると。そのだれかがよく分からない、株主じゃないかもしれないという問題があり得るということなんだろうと思います。ですから、このことを直接租税政策論に一〇〇%反映させる必要もないわけですが、かといって全く無視するわけにはいかないということなんだろうと思いますね。
 連結納税制度につきましては、これによって神学論争に終止符が打たれるというようなことでは必ずしもなくて、もうちょっと別の視点から、中立性ということなんでございましょう、法人の本質云々ということよりも、法人格の区切りによって、区切りを越えた場合と、同じグループ内に属しても法人格の区切りがあると赤字が取り残されるというようなことはやはり望ましくないだろうという、そういう話で、我々は取引費用経済学と呼んでいますけれども、そちらの産業組織論的な視点からの導入の根拠ということなんだろうというふうに思います。
 ですから、事業の内容がそれによって余り変わるということではなくて、どの範囲で企業というものをとらえるかという、もうちょっとダイナミックな話じゃないかというふうに理解しております。
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入澤肇#10
○入澤肇君 分かりました。要するに、制度論でなく、技術論としてとらえていこうというわけですね。
 もう一つ、先ほど外形標準課税についても言及されましたが、今悩ましいのは、外形標準課税の導入につきまして総理からの指示がございましたけれども、検討の指示がございましたけれども、中小企業を始めとして猛烈な反発がございます。広く薄く、しかも中小企業に悪影響を与えないような外形標準課税ということにつきまして、先生が何かお考えがありましたらお聞かせ願いたいと思います。
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中里実#11
○参考人(中里実君) それこそ魔法のつえでして、とても私の能力ではそのような制度は考え付かないんですけれども。やはり、中小企業の方々に負担を求めるといたしましても、程度の問題というのがございますから、全くゼロでいいかと言われると、なかなかこれは、都道府県の置かれている状況も厳しゅうございますので、少しはということで納得していただければ一番いいという、それこそ政治のマターなんだろうというふうに思います。
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入澤肇#12
○入澤肇君 その次に、中村参考人にちょっとお尋ね申し上げます。
 先ほど付加税の問題について言及されました。主税局のアンケートも見せてもらったんですけれども、これ日経新聞社もやっていますが、付加税がなくなったとしても適用企業が増えるというふうに必ずしもなっていないわけですね。付加税は問題だけれども、もしなくなれば、先ほど二割の企業は既に厳しい条件の中でも適用すると言っているんですけれども、もっと大幅に連結納税制度を採択する企業が増えるかどうか、その見通しについてお聞かせ願いたいと思います。
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中村芳夫#13
○参考人(中村芳夫君) 連結納税制度、今回の法案の中で確かに付加税も大きな問題だと思いますが、そのほかに、子会社の欠損金を使えないとか、あるいは導入時に時価評価をするとか、更に寄附金の否認とか、いろいろ問題があります。
 ですけれども、その中で一番大きな問題はやはり付加税ということで、その導入しない理由の中に九割以上の企業が付加税があるから導入しないということを言っております。特に、いわゆる俗に言われているエクセレントカンパニーという大きな所得の企業というのは、この付加税があるために、むしろ連結納税を採用すると税負担が増えるということで導入しないということを表明しておりますので、付加税がなくなれば二割以上の企業が連結納税を採用すると思います。
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入澤肇#14
○入澤肇君 もう一つ、この連結納税制度はグループ経営の進展とかあるいは構造改革を進めるという観点から歓迎すべきものであるという言及がありましたけれども、ただ、一〇〇%出資の子会社に一応限られていますね。これをもっと広げるというふうなことの方が、税制上の、何といいますか、収入、税収を上げるとかなんかいうことは問題にしないで、制度論として見た場合に、構造改革を促進するという観点からは、一〇〇%出資の子会社というのを広げて、五〇%あるいは五一%まで認めるとかいうふうなことを考えるべきじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
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中村芳夫#15
○参考人(中村芳夫君) 子会社の範囲につきましては、連結納税制度を導入当初はやはり一〇〇%ということではないかと考える。と申しますのは、少数株主の権利の問題等が残っております。それをどういうふうに解決するかということもありますので、当初は一〇〇%でやっていかざるを得ないんではないかと思っておりますが、アメリカでも八〇、諸外国でも必ずしも一〇〇%だけではございませんので、財源が許せばその範囲をいずれは広げていただきたいと思っております。
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入澤肇#16
○入澤肇君 そうすると、経済界として、更に構造改革を進めるという視点から、どのような連結納税制度が望ましいか、それについてはいかがでしょうか。
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中村芳夫#17
○参考人(中村芳夫君) 今回のこの法案は是非通していただきたいと申しますのは、やはり今、制度の間の競争があると思うんです。先進国、OECD諸国の中でこの連結納税制度を持っていないのは日本だけ、韓国もないと思いますが、日本だけだというふうに言えると思いますので、やはり制度間の競争で日本が負けてしまうということがないためには、やはり今年度、是非今国会でこの連結納税制度をまず導入していただきたい。
 ただ、いろいろの問題点、先ほど申し上げた子会社の欠損金を引き継げないとか、時価評価をするとか、寄附金が否認される、あるいは連結付加税があるということでございますので、財務大臣もおっしゃっていると思いますが、連結納税制度を導入した後の実態調査をしていただいて、問題点をもう少し浮き彫りにしていただきたいというふうに思っております。
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入澤肇#18
○入澤肇君 分かりました。
 その次に、成川参考人にお伺いしたいと思います。
 親会社の子会社に対する支配が高まるんじゃないかという言及がございました。今回のこの法案の中でも、親会社が申告納税をします、子会社は連帯納付をしますと、そういうふうに役割分担が、責任分担が明定されておりますね。このようなことがむしろ子会社の独立した経営とか自由度を阻害するということにつながるのかどうかについて御意見をお伺いしたいと思います。
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成川秀明#19
○参考人(成川秀明君) 連帯責任、これはグループ経営ということでやむを得ないんじゃないかと、こう思いますが、当然、現在の動きの中でも、親会社がかなり子会社に対しまして、役員人事以外の面において、いろんな面で指導を強めているという現状があります。当然、この連結の納税制度が入ってくるということになれば、親会社による、グループ全体の経営という視点に立って親会社のそういう支配力が強まる、こういうふうに我々受け止めております。
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入澤肇#20
○入澤肇君 もう一つ、最初にお話しになりました雇用機会の確保でございますけれども、この連結納税制度の採用というのは、ある意味では赤字の子会社を救済する手段でもありますから、雇用確保について相当な効果があるんじゃないかと思うんですけれども、それについてはどうお考えになりますか。
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成川秀明#21
○参考人(成川秀明君) そういう側面もないことはないと思いますが、現在におきましても、それぞれの会社経営の中で、今、日本の経営としては最大限の努力をし、それぞれ収益を上げる、あるいは雇用をなるべく維持する、我々はそう求めているわけですが、行われていると思います。
 単純に親会社が赤字の子会社に収益面で支援をする、今回の法律でも単純な支援はできないという形になっておりまして、そういう面での効果というのは、むしろグループ経営全体でどうするかという正に経営の在り方で決まってくるんじゃないかということで、この連結納税制度そのものからは、直接的には子会社に対する何らかのプラスの面が出るというふうには私としてはどうも受け取れないというふうに思っております。
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入澤肇#22
○入澤肇君 終わります。
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櫻井充#23
○櫻井充君 今日は、本当に貴重な御意見ありがとうございました。
 まず最初に、中里参考人にお伺いしたいんですけれども、付加税のことに関して、急激な変化を緩和するということでそういうこともあるんじゃないだろうかというお話がございました。しかし今、小泉さんなんかの方針は、構造改革をやっていかなきゃいけないということをあれだけおっしゃっているわけでして、むしろ急激な変化をしなければこの国は立ち直っていかないんじゃないかという意見の方が強いんだろうと思うんです。そういう意味でいうと、このようなものを導入するということはむしろ逆行するような感じがするんですが、いかがでございましょうか。
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中里実#24
○参考人(中里実君) 急激な変化が皆の賛同を得られて民主的なプロセスの中で行われ、その結果として世の中が良くなるのであれば、そのとおりだと思います。
 ただ、税収不足していますので、大盤振る舞いして、ないそでまで振ってしまう急激な変化が果たして望ましいのかどうかは、そう単純には答えは出ないんじゃないかというふうに思っておりますけれども。
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櫻井充#25
○櫻井充君 どうも、要するに構造改革とそれから今の景気というのと両方追えるのかというとなかなか難しいところがあると思っておりまして、一時的に税収が減ったとしても、企業の再編を進めて収益が上がってくれば将来的には増えてくるということを考えてくると、ここ数年間ある程度赤字は覚悟しなきゃいけないんじゃないかという考え方もあるんじゃないかと思うんですが、その点について先生はどうお考えなのか、教えていただけますか。
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中里実#26
○参考人(中里実君) 本当に一時的税収減で、その後ぱっと税収が増えるというような魔法のつえが用意されているのであれば私も飛び付くんですけれども、そうであるかどうか必ずしも分からない状況で、一定の範囲でやっておいて様子を見ながらということは決して悪いことではないと思うんですが、これは思い込みの問題なのかもしれません。
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櫻井充#27
○櫻井充君 同じ点で中村参考人にお伺いしたいんですが、今、中里参考人から、こういうことをやって果たして企業の収益が上がってくるのかどうかという話がございました。もし、付加税云々関係なしにして、こういう連結納税制度を導入することによって、企業の収益というのは今後、見通しで結構でございますが、何年か後にはかなり大幅に収入が増えていくというふうにお考えなんでしょうか。
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中村芳夫#28
○参考人(中村芳夫君) 企業の収益がどうなるかというのは、単に税制だけではない、いろんな周りの環境にもよると思いますので、何年後にどうなるかちょっとお答えはできないんですが、ただ、競争上の不利な条件というのは、この連結納税制度を導入することによってマイナス点はなくなってくるということで、対等のイコールフッティングの下で競争はできる条件は整うというふうに考えております。
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櫻井充#29
○櫻井充君 そうすると、競争はできるけれども勝ち上がれるかどうかは分からないというふうに、ちょっと意地悪な質問かもしれませんが、そういうふうに考えてよろしいんでしょうか。
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