環境委員会

2002-12-03 参議院 全225発言

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会議録情報#0
平成十四年十二月三日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小宮山洋子君
    理 事
                大島 慶久君
                清水嘉与子君
                山下 英利君
                小川 勝也君
                高橋紀世子君
    委 員
                愛知 治郎君
                井上 吉夫君
                小泉 顕雄君
                山東 昭子君
                段本 幸男君
                真鍋 賢二君
                小林  元君
            ツルネン マルテイ君
                福山 哲郎君
                藁科 滿治君
                加藤 修一君
                弘友 和夫君
                福本 潤一君
                岩佐 恵美君
   衆議院議員
       発議者      谷津 義男君
       発議者      山本 公一君
       発議者      奥田  建君
       発議者      田端 正広君
       修正案提出者   奥田  建君
       修正案提出者   田端 正広君
       修正案提出者   高橋 嘉信君
   国務大臣
       環境大臣     鈴木 俊一君
   副大臣
       環境副大臣    弘友 和夫君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  望月 義夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大場 敏彦君
   政府参考人
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     石川  薫君
       文部科学大臣官
       房審議官     有本 建男君
       文部科学大臣官
       房審議官     金森 越哉君
       農林水産大臣官
       房技術総括審議
       官        大森 昭彦君
       農林水産省農村
       振興局長     太田 信介君
       林野庁次長    松本 有幸君
       国土交通省河川
       局長       鈴木藤一郎君
       環境省総合環境
       政策局長     炭谷  茂君
       環境省自然環境
       局長       岩尾總一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○自然再生推進法案(衆議院提出)

    ─────────────
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小宮山洋子#1
○委員長(小宮山洋子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 自然再生推進法案の審査のため、本日の委員会に外務省総合外交政策局国際社会協力部長石川薫さん、文部科学大臣官房審議官有本建男さん、文部科学大臣官房審議官金森越哉さん、農林水産大臣官房技術総括審議官大森昭彦さん、農林水産省農村振興局長太田信介さん、林野庁次長松本有幸さん、国土交通省河川局長鈴木藤一郎さん、環境省総合環境政策局長炭谷茂さん及び環境省自然環境局長岩尾總一郎さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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小宮山洋子#2
○委員長(小宮山洋子君) 御異議ないと認め、そのように決定いたします。
    ─────────────
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小宮山洋子#3
○委員長(小宮山洋子君) 自然再生推進法案を議題とし、午前は政府に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言ください。
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小泉顕雄#4
○小泉顕雄君 おはようございます。自民党の小泉と申します。どうぞよろしくお願いをいたします。
 与えられた時間がわずかしかありませんので、若干の事項について質問をさせていただこうというふうに思います。
 この自然再生推進法案につきましてはいろんな意見がありまして、私のところにもいろいろなファクスなどが寄せられているわけですけれども、この法案が理念としているところ、あるいは目指そうとしているところというのは、私は大変大きく評価ができるというふうに考えております。現在の我が国の自然環境の状況というものをつぶさに見たときに、この法案が持っている意義というものは非常に大きいというふうにむしろ私は喜んでおるところでございます。
 特に、環境省につきましては、この環境問題というのが新しい世紀の大変重要な課題になってくる中で、これまでも自然の保全でありますとか、あるいは生物多様性の確保、さらには自然環境の保全行政、いろいろ取組を進めてきていただいたというふうに思うわけですけれども、しかし一方で、いろいろな困難な問題が多数あったのではないかというふうに思っております。
 特に、自然の再生ということについてはとりわけ難しい問題が数多くあったのではないかというふうに思いますし、それがゆえにこの法案というものが出されてきたというふうに思っておるわけですけれども。
 そこで、まずお伺いをしたいのは、この法律が制定をされることによって、環境省自身がこれまでの環境保全行政の中で感じてこられた困難というふうなものがどのように克服をされていく、あるいはどのような新たな展望が開かれていくというふうに考えておられるのか。またさらには、そういうことによって自然保全行政というものが大きく前進することができるというふうにお考えなのかどうか、その辺りについて御答弁をお願いしたいと思います。
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岩尾總一郎#5
○政府参考人(岩尾總一郎君) 本年三月に政府の新生物多様性国家戦略が制定されましたが、この中では、自然再生というものを今後の展開すべき施策の方向性の一つとして位置付けております。
 地域に固有の生態系の再生と、NPOなど地域の多様な主体が参画した新たな仕組み作りの必要性について記述がされておりますが、こういう中で、この法案は、事業の発案や調査設計という初期の段階から地域住民、NPOなどが参加するなど、多様な主体が参加して横の連携を確保するための協議会制度、各省庁との連携を図る推進会議の設置など、自然再生事業に取り組むに当たり、公共事業などにはない自然再生に取り組むための具体的な手順や枠組みを制度的に担保するものというふうに考えております。したがいまして、自然環境行政を推進する私どもにとっても大変意義のあるものということで期待しているところでございます。
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小泉顕雄#6
○小泉顕雄君 どうもありがとうございました。
 この法律では、特に私の関心のある文言として、自然再生事業を他の公益との調整を図りながらというような記述があります。実際に、この主務大臣というのは環境大臣、農林水産大臣、国土交通大臣ということになっているようですけれども、とりわけ環境大臣の責務というのは大きいものがあるというふうに思います。
 そこで、特に環境大臣が農林水産大臣あるいは国土交通大臣、さらには都道府県の知事さんであるとかあるいはNPOの皆さんの中に入られて、調整役として大きな力を発揮をさせていただかなければいけないというふうに思いますけれども、公益との調整ということは非常に多くの利害が対立するということは容易に想定をされます。私自身も、実際自分のこれまでやってきた活動の中でそういう板挟みになって苦しんだこともあるわけですけれども、公益との調整を図りながら自然再生事業というものを進めていくということについての環境大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
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岩尾總一郎#7
○政府参考人(岩尾總一郎君) 自然再生とその他の公益というものについては、どちらかが必ず優先するというものではなくて、それぞれの地域の自然的社会的条件に応じて個々に判断されるものと認識しております。
 環境省としては、地域の自然再生協議会にも積極的に参加し、関係省間の連絡調整に努めるとともに、国が主体的に事業実施に関与する場合には、必要に応じて自然再生推進会議の場も活用して関係省庁間の連絡を図り、自然再生事業の円滑な実施に努めてまいりたいと考えております。
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小泉顕雄#8
○小泉顕雄君 大いに力を発揮をしていただきますことをお願いをしておきたいと思います。本当に公益との調整というのは多くの苦労を伴うものではないかと思いますだけに、よろしくお願いをしておきたいと思います。
 続きまして、文部科学省に若干の質問をさせていただきたいと思います。
 この法案では、自然再生事業の当該地域というものを自然環境学習の場として整備をしていくというような方針がうたわれております。私は、これは非常に大切な視点だと思いますし、この点も高く評価をさせていただきたいというふうに思っているわけですけれども、こういう方針を実効あるものにするために、次の三つの点について見解をお伺いをしたいというふうに思います。
 まず一つは、自然再生という取組を進めていくためには、その事業に携わる人、さらにはそのような事業の重要性というものを認識できる人材、そういうものの育成が極めて大切であることは言うまでもありません。したがって、これは小学校、中学校あるいは高等学校を通じて児童生徒がどのような自然観を学校教育の中によって形作るのかということが極めて大切なわけであります。
 そういう立場から、現在の学習指導要領の中で、児童生徒が九年ないしは十二年間の学校教育を終えた段階でどのような自然観を持っているということを展望しておられるのかということをまず第一点にお伺いをしたいと思います。
 それから第二点目は、自然観を形成していく上でいろいろ重要な概念があろうかと思います。せんだっての池谷参考人でしたか、再三口にしておられたわけですけれども、遺伝子というものが将来の基本財産になるんだという考え方がありました。あるいは生態系であるとか群集であるとか個体群とかいうような、どちらかといえば生態学的な多くの概念というものがあるわけですけれども、こういうような概念というものを今の学校教育の中ではどういうふうに形成をしていく、定着を図っていくというふうに考えておられるのか。あるいはそういう概念の形成の重要性というものについて指導要領はどのような見解を持っているのかということをお伺いをしたいと思います。
 さらに三点目は、この法律を受けて、先ほど言いましたように、当該する再生事業地域というものが自然環境学習の場とするということなわけですけれども、では具体的に文部科学省としては、学校教育あるいは社会教育の面においてどのような自然環境学習の体制を整えていこうとしておられるのか。
 以上、三点について見解をお伺いをしたいと思います。
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金森越哉#9
○政府参考人(金森越哉君) 初めに、御質問の初めの二点についてお答えを申し上げます。
 学校教育におきまして、自然に対する畏敬の念や自然を愛することのできる豊かな人間性を持った子供たちを育成することは極めて重要なことと考えております。
 このため、新学習指導要領におきましても、例えば小学校一、二学年の道徳では、身近な自然に親しみ、動植物に優しい心で接すること。小学校生活科では、自分と身近な動物や植物などの自然とのかかわりに関心を持ち、自然を大切にしたり、自分たちの遊びや生活を工夫したりすることができるようにすることなどを指導することといたしております。
 また、中学校理科では、自然環境を調べ、自然界における生物相互の関係や自然界の釣合いについて理解し、自然と人間のかかわり方について総合的に見たり考えたりできるようにすること。中学校道徳では、自然を愛護し、美しいものに感動する豊かな心を持ち、人間の力を超えたものに対する畏敬の念を深めることなどを指導することとしているところでございます。
 また、学校教育におきまして、子供たちに自然に対する興味、関心や探求心を高めるとともに、生物や自然現象に関する基本的な概念や原理原則を理解させ、科学的な自然観を育成することは極めて重要なことと考えております。
 このため、例えば小学校理科では、観察、実験を通して、昆虫や植物の育ち方、動物と植物の成長と季節とのかかわり、植物の発芽や動物の発生と成長、人と他の動物の体のつくりと働き、生物と環境とのかかわりなどについて学習すること。中学校理科では、小学校理科で学習したことを基礎として、観察、実験等を通して、植物や動物の体のつくりと働き及びその種類や生活、細胞のレベルで見た生物の体のつくりと生殖、親の形質が子に伝わる現象などについての理解と認識を深めることといたしております。
 また、高等学校理科では、中学校理科で学習したことから更に発展させて、観察、実験等を通して、細胞、生殖と発生、遺伝などの生命の連続性、生物体内の外部環境の変化への対応、生物の分類と進化、生物界の多様性と歴史的変遷、生物体内の化学変化やエネルギー変換、たんぱく質や核酸などの働きなど、生命を維持する共通の原理などについて理解を深め、自然や自然現象について科学的な見方や考え方ができるようにしているところでございます。
 今後とも、地域の自然などを生かした特色ある取組を推進し、子供たちに自然を愛する心が育成されるとともに、科学的な見方や考え方が身に付くよう努力してまいりたいと存じます。
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有本建男#10
○政府参考人(有本建男君) 先生御質問の三点目の点でございます。
 関係行政機関あるいは地域の公共団体、NPO等の地域の多様な主体が参画をいたしまして自然環境の保全あるいは再生、創出、こういったものを行うことは大変重要というふうに認識をしておりまして、その際に自然環境学習というものが果たす役割というのは大変大きいというふうに考えております。とりわけ、子供たち一人一人が環境についての意識を高め、責任ある行動が取れるようにするためには、学校教育における取組とともに、それと連携をしました地域における社会教育というものが非常に大切というふうに考えてございます。
 こうした取組というのは、それぞれの地域、現場におきましてそれぞれに応じて行われておるわけではございますけれども、文部科学省におきましては、地域の公民館あるいは博物館といったところでの環境学習というものを支援をいたしてございます。例えば地域の公民館におきましては、小中学校との連携で地域の自然観察や風景とか歴史あるいは文化財というものの講座を開く、あるいは博物館でその博物館の収集したものを企画展示をする、あるいは子供たちがそれを手助けをするというようなことを行ってございます。
 それから、先ほど御質問ございました体制につきましては、既に文部科学省は環境省あるいは農水省あるいは国土交通省と連携をいたしまして、子供たちができるだけ農村でありますとか山村、あるいは海とか川とか湖沼という自然環境に具体的に実際に体験をするということを、プログラムを組んでやりつつあるという状況にございます。
 以上でございます。
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小泉顕雄#11
○小泉顕雄君 ありがとうございました。
 もう時間がなくなりましたけれども、例えば医師を目指す高校生が高等学校で生物を履修していないということがあって、これが非常に大きな問題だということが最近言われるようになったように聞いています。私は、今のお話はよく分かるわけですけれども、特にこの自然再生事業とかあるいは自然と取り組む場合の重要な概念とかいうことについての生物教育というのは、私は今の日本においては必ずしも十分でないという認識を持っております。これはまた違うところでいろいろ議論をしていきたいと思いますけれども、いずれにしても小中高の生物教育の充実ということを強くお願いをしておきたいというふうに思います。
 時間が来てしまいましたけれども、最後に、私、前回質問に立ったときは大木大臣でございました。そのときに、六月五日を環境の日にして、何とか国民全体で環境問題に取り組めるようなきっかけにできないかというようなお願いをしたことがあるんですけれども、その点について御見解をいただければ有り難いと思います。
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炭谷茂#12
○政府参考人(炭谷茂君) 先生ただいま御指摘の環境の日は六月五日ということで、環境基本法などに定めているところでございます。環境省としては、この日を含めまして六月を環境月間といたしまして、積極的な環境保全活動を実施していただけるよう様々な普及啓発活動を実施いたしております。
 一方、環境の日を国民の祝日に関する法律に基づく祝日とするとして、休日とすることにつきましては、「国民こぞつて祝い、感謝し、又は記念する」という祝日法の趣旨などを考慮しながら、国民的な議論が必要というふうに考えている次第でございます。
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小泉顕雄#13
○小泉顕雄君 終わります。
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小川勝也#14
○小川勝也君 民主党・新緑風会の小川勝也でございます。
 正直申し上げまして、この法案に党として、会派としてどういう対応をするのかということで、党内あるいは中の部門会議で様々な議論が交わされました。そして、紆余曲折がございました。衆議院では我が民主党の奥田建議員が共同提案者という立場になりまして、おのずから会派としての態度も賛成というふうになってきたわけであります。
 その議論の主なものを私なりに整理してみますと、例えば自然再生事業、この言葉からは大変いい方向性の響きがあるわけですけれども、その反対にあるもの、疑念がぬぐい去れないという、疑問があるという点がまず考えられると思います。
 それは、再生ということをやるのもいいけれども、まだ日本のどこかで自然を大きく壊している事業が進んでいるのではないか、まずそういった事業を真っ先にやめていく方向性を打ち出すのが先決ではないか、こんなお話もありました。
 あるいは、自然再生事業という美名の下に、旧来型の公共事業をそのまま継続していくという懸念がぬぐい去れない。あるいはNPOの参加という、こういう崇高な内容も込められているけれども、具体的に実行、実施段階になったときにそれが本当に市民や市民活動をしておられる方にとって望ましい結果になるのかどうか、様々な疑念がありました。これは先日の参考人、弁護士会からお越しいただきました参考人の方々の意見にも厳しくそれが盛り込まれていました。
 逆に、もっと前向きに考えてみますと、自然再生法という法律ができれば、直接は関係なくてもその対極にある自然を破壊する事業をやりにくくなるのではないか。あるいは逆に、限られた予算の中で公共事業や様々な事業を行うときに、その自然再生とか自然環境に配慮した事業にその分だけ予算が付けられると、ほかの部分からスウエーするのだからいいのではないか。
 様々な考え方が錯綜して、むしろ後者の部分に期待をさせていただいて、そしてこの法案の至らない点は詰めさせていただいて、賛成に回ろうという結論に達しました。
 午後からの質疑は、福山委員がその辺を十二分に理解をして質問をさせていただくとして、私は、参議院ということでございますので、また一からという形で恐縮でございますけれども、この自然再生法、議員立法でございますけれども、この所管官庁は環境省、国土交通省、農林水産省という三省にまたがっています。それぞれの役所で、この法案の議論の中であるいはこの法案が成立した後、自然再生事業という名前の下にどういう方向性に期待を寄せられているのか、あるいはどういった事業に期待を寄せているのか、一言ずつまずお答えをいただきたいと思います。
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岩尾總一郎#15
○政府参考人(岩尾總一郎君) この自然再生法が施行されますと、私ども、これまでの公共事業などにはない自然再生に取り組むための実際の具体的な手順、枠組みなどが制度的に担保されるというように理解しております。法の施行によりまして、こうした考え方が幅広く国民の間にも定着していくものというふうに考えております。
 既に、各省連携、市民参加など積極的な取組を始めている事例もございますが、環境省といたしましては、この法案が成立した場合には、地域の自主的、主体的な取組を尊重しながら、より一層積極的に自然再生事業に取り組んでまいりたいと考えております。
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太田信介#16
○政府参考人(太田信介君) 農林水産省におきましては、平成十一年以降、食料・農業・農村基本法、森林・林業基本法及び水産基本法におきまして多面的機能の発揮ないし環境との調和を規定するとともに、平成十三年におきましては、土地改良法におきまして地域住民の意向の反映あるいは環境との調和への配慮を規定するなどを通じまして、自然との共生及び環境との調和に配慮した政策へと転換を図っておるところでございます。
 この法案につきましては、地域住民やNPOなどのボトムアップの仕組みによります地域の自主性を尊重した形での自然再生活動を進めるというものでありまして、当省におきますこうした施策との連携を進めることによりまして相乗的な効果が発揮されることを我々としても期待しておるところでございます。
 この法案の趣旨に照らしますと、行政側が事業を選定するという形にはならないということになりますが、例えば農業関係で申し上げますと、水路、ため池等におけます自然環境の維持、再生に向けての地域活動などが考えられまして、農水省といたしましても、これらの地域住民、NPO等地域が主体的に行われる自然再生の取組につきまして、本法の目的に資するよう積極的に対応してまいる考えでございます。
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鈴木藤一郎#17
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 御説明申し上げます。
 自然再生法案は、自然環境の保全、復元について行政とNPOとの連携が初めて法律で取り上げたものでございまして、これによって、現在既に市民団体などと連携をしながら進めている事業ですとか、あるいは今後行われる事業について市民団体との連携が一層推進されるものと考えております。
 私どもの省といたしましても、積極的にこの法案の趣旨に基づいて自然再生事業に取り組んでまいりたいと考えております。
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小川勝也#18
○小川勝也君 この法案の審議に際して、例えば釧路湿原とか霞ケ浦とかあるいはくぬぎ山などという固有名詞を耳にすることがありました。今、具体的な地名等はお答えいただかなかったわけでありますけれども、農林水産省、国土交通省からこういったところから声が上がってくるのではないかといった地点について、予想があればお答えをいただきたいと思います。
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鈴木藤一郎#19
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 御説明申し上げます。
 本法案は地域の自主性を尊重したボトムアップの仕組みによって自然再生の推進を期待するものと、そういう御案内のとおりでございますが、行政側がそういう意味で事業を選定するという形になってございません。そういうことで、行政当局として特定の事業を想定しているということではございませんが、例えば各省連携あるいは市民参加によって取組が既に始まっているものとして、例えば釧路湿原ですとかくぬぎ山ですとか、そういったものが挙げられると考えております。
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太田信介#20
○政府参考人(太田信介君) 私どもの方も特定の事業ということを特に想定しているわけではございませんけれども、既に各地域でそういった芽生えが始まっておりますので、これがこの法律によりまして裏付けをされ、更に進められることを強く期待しているところでございます。
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小川勝也#21
○小川勝也君 当然のことながら、今の時点で役所側がこことここに期待していますというのは多分言いにくいんだろうというふうに思います。しかしながら、市民運動とか市民活動というのは一朝一夕にできるものではありません。それなりに、やはり地域でそれなりの評価を受けたグループやあるいは個人が、あるいはしっかり活動の実績があって、それではこういう事業を今回の自然再生事業にしてもらおうじゃないかというふうに盛り上がっていくには結構時間が掛かると思います。
 そういった意味でいうと、言いにくいことかもしれませんけれども、今の時点でこういう地域からこんな声が上がっているぐらいはこの委員会でニュースとして御報告いただいてもいいんじゃないかと私思うわけでありますけれども、両省、いかがでしょうか。
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岩尾總一郎#22
○政府参考人(岩尾總一郎君) 環境省で自然再生に関して各地で既に検討会などが設置されているというところは聞いている範囲で十か所ほどございます。これが法律ができ上がった後にそっくり地域の推進再生の協議会になるかどうかは分かりませんが、私どもとして、主な構成員に専門家、NPO、関係自治体、関係省庁などが入っているような地域の検討会として十か所ほど承知しているということでございます。
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鈴木藤一郎#23
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 例えば、委員も御視察いただいたと思いますが、荒川などでも取組がなされておりますし、多摩川などではずっと以前からそういった市民団体との連携でいろんなことがなされております。霞ケ浦でもそういった事例がございますし、渡瀬遊水池でもございます。一々列挙はいたしませんが、様々なものが全国から提案されてくるだろうと、このように考えております。
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小川勝也#24
○小川勝也君 列挙してほしいと思ったんだけれども、差し支えがなければお答えください。
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岩尾總一郎#25
○政府参考人(岩尾總一郎君) 差し支えないと思いますので申し上げますが、釧路湿原の河川環境保全に関する検討委員会、くぬぎ山自然再生計画検討委員会、それからアサザプロジェクト、三ツ又沼ビオトープパートナーシップ推進会議、サロベツ再生構想策定検討会、三番瀬再生計画検討会議、大台ケ原自然再生検討会、蒲生干潟自然再生事業検討委員会、樫原湿原地区自然再生推進計画調査検討会、グランドワーク三島実行委員会などを把握しております。
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小川勝也#26
○小川勝也君 最初から言ってくれれば良かったなと思うんですけれども。
 今出た中で、荒川の三ツ又沼ビオトープとくぬぎ山については当委員会で視察をさせていただきました。大変両地域とも今後の進展が望まれている、あるいは期待感を持たされる内容だったというふうに思います。しかしながら、河川関係、ビオトープは、これはやればいいに決まっているんですけれども、あとはお金の問題だなというふうな印象がありました。
 この点は後に譲るとしまして、くぬぎ山の再生ではちょっと心配な点がありました。それは、産業廃棄物の中間処理施設がありまして、当然のことながらいわゆる環境問題、これは化学物質の問題です。それと、いわゆる建設残土がくぬぎ山に埋められているということでありますので、土壌汚染の進行が進んでいるのではないか、あるいは地下水汚染が心配されるといった点が非常に気になりました。
 その点、もし再生の方向に向かうんでしたら、そこまで配慮をしなきゃいけないんじゃないかなというふうに思うわけでありますけれども、費用等もばかにならないなというふうな感想もありました。その点どういうふうにお考えなのか、環境省からお答えをいただきたいと思います。
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岩尾總一郎#27
○政府参考人(岩尾總一郎君) 平成十四年度において、埼玉県などが事業主体となってくぬぎ山の一部につき廃棄物中間処理施設の跡地に武蔵野の雑木林を再生しようという取組が始まりました。
 それに先立ちまして、地元自治体が対象箇所について事前に土壌調査を行い、土壌汚染については問題ないことを確認済みと聞いております。
 なお、当該事業対象地以外のくぬぎ山地区内で残存する林の中に残土処分が行われているケースも見られるということで、埼玉県では、残存する良好な里山の保全方策の在り方についても、専門家、NPOの参画を得て具体的な検討が始まったと聞いております。土壌調査の必要性なども含めて関係者の中で検討されるものと承知しております。
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小川勝也#28
○小川勝也君 農業と一体になった平地林ということで、クヌギ、コナラなどの広葉樹の落葉、落ちた葉っぱをこれは堆肥化して農業に使うという循環型のモデル地域でもありました。そして、その落ち葉を集める作業というのがこれが伝統文化で、学校から帰ってきた子供たちもみんな手伝って、こういうやつでみたいので草を掃いて、昔はしょいこで背負ってみたいな形で、今トラックで運ぶらしいですけれども。
 ということで考えますと、正に理想的な、先ほど来お話がありました環境教育も中に含んでいるような行事でありますので、当然子供たちにも参加してもらいたいわけでありますので、土壌がやはり安全だという形にならないと安心してできないわけでありますので、特段の御配慮をお願いしたいというふうに思う次第であります。
 さて、冒頭申し上げましたとおり、自然再生事業それ自身は、これはすばらしい響きなわけでありますけれども、その片方で自然をどんどん壊すような作業をしているのではないかという指摘も実はあるわけであります。
 まだ壊されているわけではありませんけれども、私の方にも、その懸念として沖縄の泡瀬干潟の埋立てに関係していろんな意見が寄せられています。
 当然のことながら、湿地あるいは干潟、これはラムサール条約で地域を指定して守っていこうということに日本も仲間入りをしているわけであります。しかし、この泡瀬干潟、その地域自身はラムサール条約の指定ポイントにはなっていません。さらに、ラムサール条約の条文をいろいろ見てみますと、指定された干潟は当然あらゆる角度から最大限の配慮をして守っていかなければならないけれども、それ以外の湿地や干潟についてもなるべく守っていこうと、開発する場合にはその必要性を十二分に検討をしてやっていかなければならないというような文章もございました。
 環境省としては、この沖縄県の中城湾ですか、泡瀬干潟の埋立て計画とか開発の是非についてどんな見解をお持ちでしょうか。
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炭谷茂#29
○政府参考人(炭谷茂君) 泡瀬干潟につきましては、環境アセスメント等の手続におきましては環境省としては法的に関与する機会はございませんでした。しかし、泡瀬干潟は、クビレミドロ等の貴重な野生生物、多様な底生生物の生育、生息地、シギ、チドリ等の渡来地として重要な干潟だと認識いたしております。
 事業の実施に関しましては、基本的には内閣府及び沖縄県の事業者の責任において判断されるべきものであると考えていますが、環境省といたしましては、環境影響等において必要とされた環境保全上の措置が確実かつ適切に実施されることが重要と考えております。このような観点から、大臣からの御指示によりまして、内閣府に対し、本年十月十八日に当省の考え方を既に申し入れたところであります。
 今後とも、沖縄県の環境部局と密接な連携を図りながら、事業者において環境保全上必要な措置が確実かつ適切に実施されるよう注視するとともに、必要があれば助言する等、最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
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