農林水産委員会

2003-06-03 参議院 全148発言

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会議録情報#0
平成十五年六月三日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月三十日
    辞任         補欠選任
 ツルネン マルテイ君     信田 邦雄君
     大沢 辰美君     市田 忠義君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     市田 忠義君     大沢 辰美君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         三浦 一水君
    理 事
                田中 直紀君
                常田 享詳君
                和田ひろ子君
                紙  智子君
    委 員
                岩永 浩美君
                太田 豊秋君
                加治屋義人君
                小斉平敏文君
                服部三男雄君
                松山 政司君
                郡司  彰君
                信田 邦雄君
                羽田雄一郎君
                本田 良一君
                日笠 勝之君
                渡辺 孝男君
                大沢 辰美君
                岩本 荘太君
                中村 敦夫君
   国務大臣
       農林水産大臣   亀井 善之君
   副大臣
       農林水産副大臣  太田 豊秋君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       渡辺 孝男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       厚生労働省医薬
       局食品保健部長  遠藤  明君
       農林水産大臣官
       房長       田原 文夫君
       農林水産大臣官
       房統計情報部長  山本  領君
       農林水産省総合
       食料局長     西藤 久三君
       農林水産省生産
       局長       須賀田菊仁君
       農林水産省農村
       振興局長     太田 信介君
       食糧庁長官    石原  葵君
       水産庁長官    木下 寛之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産省設置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき
 、地方農政事務所及び北海道農政事務所の設置
 に関し承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送
 付)
○食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措
 置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○食品の安全性の確保のための農林水産省関係法
 律の整備に関する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関
 する特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○農林水産に関する調査
 (食品の安全性の確保に係る農林水産関係法律
 の施行に関する決議の件)
    ─────────────
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三浦一水#1
○委員長(三浦一水君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る五月三十日、ツルネンマルテイ君及び大沢辰美君が委員を辞任され、その補欠として信田邦雄君及び市田忠義君が選任されました。
    ─────────────
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三浦一水#2
○委員長(三浦一水君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産省設置法の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方農政事務所及び北海道農政事務所の設置に関し承認を求めるの件の両案件の審査のために、本日の委員会に厚生労働省医薬局食品保健部長遠藤明君、農林水産大臣官房長田原文夫君、農林水産大臣官房統計情報部長山本領君、農林水産省総合食料局長西藤久三君、農林水産省生産局長須賀田菊仁君、農林水産省農村振興局長太田信介君、食糧庁長官石原葵君及び水産庁長官木下寛之君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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三浦一水#3
○委員長(三浦一水君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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三浦一水#4
○委員長(三浦一水君) 農林水産省設置法の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方農政事務所及び北海道農政事務所の設置に関し承認を求めるの件の両案件を一括して議題といたします。
 両案件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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加治屋義人#5
○加治屋義人君 自由民主党の加治屋でございます。
 大事な時期を迎えておりますWTO、FTAの交渉、現状と課題、そして閣議で了解されている日本の主張を堅持するという方針にいささかも変化あるいは障害はないのか、このことについて大臣にまず伺いたいと思います。
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亀井善之#6
○国務大臣(亀井善之君) このWTO交渉につきましては、今委員からも御指摘のとおり、我が国の基本的な考え方、それからさらには多様な農業の共存と、これを基本理念といたしまして、農業の持つ多面的機能、そして食料安全保障の確保等、非貿易的関心事項に十分配慮し、そして品目ごとの柔軟性、また改革の継続性、そして輸出入国間の権利義務のバランス、これを確保すると、この基本的な考え方、これに基づきまして全力を尽くしてこの交渉に当たってまいりたい。
 また、FTAの関係につきましても、これは、WTOを中心とする多角的貿易体制の維持、基本を、これ強化を基本とするものでありまして、これを補完する意味で経済連携やFTAを積極的にまた考えるということがあるわけであります。これらの問題につきましても、今日まで産官学含むいろいろの関係の皆さんで研究会等々をしていただいている経緯もあるわけでありまして、これら、我が国の農業、また我が国の農業構造改革に悪影響を及ぼすことのないよう努力をしてまいりたいと、こう思っております。
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加治屋義人#7
○加治屋義人君 太田副大臣、五月の二十二日にジュネーブでジラール議長と会談をされた、そういう報告も見させていただいておりますけれども、やはり厳しい環境であるということはよく私も理解をさせておりますだけに、是非特段の御努力をしていただきますようにお願い申し上げたいと思います。
 ところで、動物の群れのボスの役割というのは、えさと安全を守ることが使命だと言われております。日本国民の食を保障し、外敵の攻撃から国民を守ることが大臣の最大の使命だ、責任だと、こういうふうに思っておりますだけに、大臣の御健闘を、頑張っていただけますようにお願い申し上げておきたいと思います。
 私が見た亀井大臣あるいは太田副大臣、渡辺政務官というのは、ともに大変人柄のいい人だと、大変正直でまじめな人だとかねがねそういうふうに尊敬をさせていただいているんですけれども、ただ、人柄が良くてまじめな人というのは人様をだますことができない人だ、一般的にこう言われているんです。逆な言い方をしますと、人様にだまされやすい人だと、こういうふうに私は思っているんですけれども、ただ、これからアメリカを始め輸出大国との正に闘い、あるいは国内においては、外務省、経済産業省、我々のこの農林省との整合性との闘いだと、そういうふうに思っておりますので、大臣、この際、まじめな人柄、あるいはまじめな人柄を返上を一時していただいて、是非鬼になった気持ちで我が国の農業を是非守っていただきたいと、そう思うんですが、お気持ちをお聞かせいただきたいと思います。
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亀井善之#8
○国務大臣(亀井善之君) 今いろいろお話しいただきましたが、私も六十数年こうして人生を経てきておるわけであります。いろいろの仕事の経験もいたしておりますし、二十数年になりますか、政治家の仕事をしております。おかげさまで今日までこうして政治家の仕事のできますことも、時には私の信条を貫いてきたことは事実でありますけれども、しかし、いかにこれを維持していくかと、それはそれなりに私も人生の幾多の経験を積んできております。これ、しかるべきときにはこれはやり通さなければならない大きな信念と決意を持ってやるわけでありまして、正にこの問題、私は、今回こうして農水大臣を拝命し、正に日本の国益、そして日本一億二千六百万のこの国民をいかに守っていくかと、この使命を負っておるわけであります。
 その決意を持って全力投球で、今までの経験を生かしてそして頑張ってまいりたいと、こう思っておりますので、どうぞ皆さんの御協力をよろしくお願いを申し上げます。
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加治屋義人#9
○加治屋義人君 力強い決意をいただいて大変うれしく思います。
 食の安全関連法案について伺います。
 このたびの食品安全基本法及び関連法案が上程されて、食の安全が法律面でしっかりと確保される仕組みが整備されることになりました。災い転じて福となすとよく言いますけれども、BSEなど食の安全を脅かす一方、一連の問題に行政も国会も的確に対応する姿勢を示すことができた、このことは、いろいろいいこと悪いこと議論をされてきましたけれども、しかし、このことは高く評価できるのではないかと、私はそう思っております。
 組織改編について法案の案を自分なりに読ませていただいて、よく理解のできないところが二、三ありましたので、そのことについて教えていただきたいと思います。
 一つは、食糧事務所及び地方統計組織の統合を行うことになっておりますが、第一段階、これは平成十五年、第二段階、平成十八年となっておりますけれども、これを一挙に最終的な形としてできない理由は何なんでしょうか、お伺いいたします。
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田原文夫#10
○政府参考人(田原文夫君) お答え申し上げます。
 今回の組織改正ということでお願いしておりますのは、今先生も御指摘されましたように、平成十五年度におきましては、食糧事務所を廃止いたしまして、食品リスク管理業務と主要食糧業務を担います地方農政事務所を設置するということ。
 それから二番目は、地域におきます情報受発信所業務の強化を図るということから、現在あります統計情報事務所と出張所、これを統計・情報センターということで改組したいと、この二点でございます。
 他方、中央省庁改革基本法、これは平成十年の法律でございますが、地方支分部局の整理ですとか合理化のためには絶えず見直すということで、再配置でございますとか統合ですとか廃止、そういったことを不断にやるようにという御指摘もございますので、十八年度に地方農政事務所の下に統計・情報センターを位置付けたいと、かような中身にしているわけでございます。
 それで、これ、時期をずらして御提案申し上げているという趣旨でございますけれども、現在、食糧組織では地方には、この十四年度末でございますが、定員八千八百名おります。また、地方の統計情報組織、これは全体で五千四百人でございまして、言わばこの両組織の統合となりますと、その円滑な実施を確保していくためには、人事管理でございますとか業務運営ということで、ある程度は準備期間を設けさしていただきたいということでございまして、円滑な両組織の統合ということで間を置かさしていただきたいというものでございます。
 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、平成十八年度におきましては、現在まで食糧庁、統計ということで二本の中央組織でございましたけれども、この一本を図りながら行政組織の効率化ということに努めさしていただきたいと、かように考えている次第でございます。
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加治屋義人#11
○加治屋義人君 食糧庁の廃止と業務再編に伴って主要食糧部門の職員、現行約五千九百名、今後十年間で三分の一に縮減をする、合計三千名の削減を目指すとなっております。これは長引く不況に苦しむ民間企業のリストラの努力に配慮をして、小さな政府を目指すという趣旨、姿勢、そして意気込みは私は大変評価をできます。
 しかし、一方、大きな変革を迫られている米政策を始め食料自給率向上などの農政の重要テーマの遂行に本当に支障はないのだろうか、そのことをまず伺いたいと思います。
 また、今回の法整備に伴って、その運用によって実効を上げることが期待される食の安全行政の面は本当に大丈夫なんだろうか、このことについて伺いたいと思います。
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石原葵#12
○政府参考人(石原葵君) お答え申し上げます。
 今、二点御質問ございましたけれども、その前半部分につきまして私の方からお答え申し上げたいと思いますけれども、食糧事務所の定員、従来から業務の見直し合理化を図りまして、その削減に努めてきたところでございます。
 一方、今回の組織再編に伴いまして、昨年十二月二十二日、総務省が取りまとめました国の行政組織等の減量、効率化の推進におきまして、主要食糧部門に従事する定員五千八百九十六人につきまして、向こう十年以内に三分の一程度まで縮減を目指すこととされたことは先ほど委員がお話しになったとおりでございます。
 我々、このスリム化につきましては、一つには、平成十七年度末までに行うことにしております農産物検査の民営化、それから今回、地方食糧組織を地方農政局へ編入することに伴いまして総務部門の合理化ができます。このような農産物検査の民営化と総務部門の合理化を通じまして、全体としてスリム化に努めることとしているところでございます。
 今、委員がお話しございましたように、米政策の改革、これは何としましても実行しなければなりません。それに支障がないようにすることが大事でございますので、今回の組織改編により、主要食糧業務につきましては、本省段階では総合食料局に新たに食糧部を設置いたしまして、その食糧部におきまして、また地方段階におきましては、これまでの食糧事務所の業務を地方農政局に編入いたしまして、主要食糧業務を一般の農政との連携の下に実施する体制を整備しているところでございまして、これらによりまして米政策の見直しを始めとする各般の施策が円滑に実施されるよう万全を期してまいる所存でございます。
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西
西藤久三#13
○政府参考人(西藤久三君) お尋ねの二点目のリスク管理業務についてでございます。
 地方農政事務所では、当初、農林水産省におけるリスク管理業務のうち、これまでの国と都道府県の役割分担の考え方を踏襲しまして、一つは広域性のある事業者、二つ目は、安全性の確保を図る上で重要な事案に対する事業者等に対する指導監督を行う事務を地方農政事務所で担当することといたしております。
 具体的には、一つは、農薬等の生産資材の販売、使用等に関する調査、点検、指導、二つ目は、牛の個体識別情報の管理、伝達に関する監視指導、三つ目は、都道府県を超える広域的な事業者等を対象とした食品表示の監視指導等を行うことといたしております。
 このような地方農政事務所のリスク管理業務につきましては、現在、県も含めまして三千名体制で実施をいたしておりますが、私ども、これを約千二百名増員して四千二百名体制で実施する、こういうことでリスク管理を行う上で必要な人員は確保できているというふうに考えております。
 いずれにせよ、食の安全確保にこの体制の下で万全を期していきたいというふうに思っているところでございます。
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加治屋義人#14
○加治屋義人君 今回、法案の随所に、農水省、厚労省、環境省の連携が強調されています。従来、折に触れて指摘されてきた縦割り行政あるいは二元重複行政の弊害をカバーしようという、このことに一歩大きく前進をしたと、そういうふうに評価をさせていただいています。しかし、実行面において現実に各省庁間の意見調整が難航し、そのため適時的確な対応が遅れるおそれはないんだろうか、そのことをまず伺いたいと思います。
 また、そうした状況が発生したときに有効な決着を実現する方法、例えば総理に最終判断を仰ぐとか、こういう想定をされているのかどうか、そのことについて伺いたいと思います。
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西
西藤久三#15
○政府参考人(西藤久三君) 先生御指摘のとおり、私ども、新たな食品安全行政を言わば各省連携して的確に実施していく、そういう観点から御審議いただいております食品の安全性の確保のための農林水産省関係法律の整備に関する法律案等におきまして、一つは生産資材の使用段階における基準の設定等に当たり、厚生労働大臣の意見聴取を行い、厚生労働省の所管する食品衛生法の残留農薬等の基準との整合性を確保していくとか、あるいは動物用の医薬品の承認あるいは飼料添加物の指定等に当たり厚生労働大臣の意見聴取を行う、そういうことを対応しているところでございます。
 また、そういう中で実際の業務運営に当たりましては、関係府省の幹部クラスの連絡会議を持ちまして重要な問題について行動計画を策定するほか、個別案件で意見の、今先生御指摘のとおり、個別案件での意見の相違が生じた場合の、そういう幹部クラスの連絡会議等を通じて調整を図っていきたいというふうに思っております。
 いずれにしましても、国民の健康保護を最優先に、関係省庁が日ごろから密接に連携を取り合って行政運営に当たることにより、消費者、生産者、事業者等の意見交換も行いながら、私ども、基本は透明性を確保しながら関係省庁が連携し食品安全行政の一体的な推進を図っていくことだというふうに思っています。
 そういう点で、縦割りの弊害ということを言われないように私ども努力をしていきたいというふうに思っております。
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加治屋義人#16
○加治屋義人君 リスク管理に対応して今お話もされたんですけれども、消費・安全局、消費者情報官、食品安全危機管理官、食品安全委員会などが設置されるなど、形の上では万全の体制だと、そういうふうに思っています。しかし、いったん問題が起こったとき、どう有機的かつ有効的に機能をしていくのか、いささか懸念をされます。
 実際、対応するとなると、地方自治体あるいは生産者団体、さらには消費者まで含めた連携が求められることになります。このような私の懸念に対して、いま一度御見解を伺いたいと思います。
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西
西藤久三#17
○政府参考人(西藤久三君) 食の安全確保という観点で、内閣府に食品安全委員会設置、あるいは私どもリスク管理を担当する当省の組織改正、厚生労働省においても組織の見直しが行われていると。そういう状況の中で、私ども、今申し上げましたように、中央省庁での連絡調整、実行ということの重要性、それと先生御指摘の、言わば地方段階を含めて関係者、消費者、生産者等のリスクコミュニケーションをどうしていくかということは、おっしゃるとおり課題だというふうに思っております。
 そういう点で、例えば農薬、飼料等の生産資材の適正な使用の確保など、地方段階における監視指導を強化するということも非常に重要でございます。そのため、現在の御審議いただいています法律案におきまして、私どもの出先機関として、先ほど来御論議がありますように、都道府県単位に設置する地方農政事務所において、これまで以上に都道府県との連携協力を行い、あるいはまた広域的な事業や重要案件への機動的な対応を図っていくということが必要だと思っております。
 具体的にということで、例えば無登録農薬の流通、使用等が発覚した場合には、都道府県の、特に保健所を含むわけでございますが、都道府県の保健所等、保健衛生部局が担当して、関連食品の追跡あるいは回収をということが一つ出てきます。一方、都道府県の農林水産部局は、県内生産者や農薬販売者等の調査指導を行うと。あるいは、そういう中で、新たにできます地方農政事務所では、無登録農薬の流通ルートに対応した広域的な追跡なりあるいは要員の機動的投入によって調査指導を行うなど、主として広域事業、重要事案への対応と、それぞれが分担して対応していくということが必要なんだというふうに、かつそういうふうにできるようにしていきたいというふうに思っております。
 このように、中央段階はもちろんのこと、地方段階における密接な連絡体制を整備して、かつ常にその情報を共有しながら、分担協力して生産者、事業者等の指導監督に当たり、消費者へ情報を提供していくということが重要だと思っております。
 そういう観点で、先生の御指摘のありましたリスクコミュニケーションということで、消費者情報官の設置、あるいは地方でもそういうリスクコミュニケーション部局の充実ということを図っていきたいというふうに思っているところでございます。
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加治屋義人#18
○加治屋義人君 以上、四点について質問させていただいて、御答弁いただいてありがとうございました。
 今、四つの質問をいたしましたけれども、その質問のベースとなる私の所感を、所見を少し申し上げて、農林大臣の御見解を伺いたいと思います。
 一つは、法体系及び組織の整備には基本的に異論はありません。
 二つ、問題はその運用だと思っています。仏作って魂入れずということにならないように願っております。
 三つ目に、省間の連携は、省益の調整ではなくて相互補完でなければならないと思っています。そして、省間調整が難航した場合は、国民にとって何が利益かという物差しで考えていただきたい、そう思います。
 四つ目には、危険や被害が発生した際、その情報を保留、停滞することによって被害を拡大させてはならない。保留による被害は言わば二次災害であり、過去にいろんな経験をしてまいりました。
 五つ目には、事態の発生に際しては、事の重大さの判断が重要だと思います。判断は知識だけではなく、経験に基づいた想像力が加味されなければならない。あわせて、情報受信者が自分の手に負えるかどうかの判断もこれまた大切なことではないか、そういうふうに思っています。
 しかし、いずれにせよ、今回の法整備の究極の目的は、食の安全を実現すること、国民の安全を確保することであります。そのためには、行政の的確な運用が決定的な条件ではないかと、そういうふうに思います。
 以上、私の考え方について述べてきましたけれども、大臣のこれに対する御見解を伺いたいと思います。
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亀井善之#19
○国務大臣(亀井善之君) 今御指摘いただきましたとおり、今回のこの食の安全、安心、またいろいろの法改正、この面では、法の整備、組織等々につきましてはいろいろ御審議をいただき、また今も御指摘をいただいたようなわけであります。
 今後の食品安全行政、これは、内閣府に設置されます食品安全委員会、そしてそこからのリスク評価、これを私ども農林水産省並びに厚生労働省が受けるわけでありまして、まずこの連携が一番大切なこと、ただ言葉だけでなしに、今のお話のとおり、法整備ができ、運用の問題、これらはやはり、意識改革、こういうものが私は必要ではなかろうかと。
 今までの縦割り、どうも、いろいろの制度は作るわけでありますが、それが縦割りの弊害と、こういう問題が多分に指摘をされてきたわけでありまして、今回この食品安全行政、この食品安全委員会のスタートを契機にそのことに十分意を注がなければならないことではなかろうかと、こう思います。
 そして、私ども農林水産省といたしましては、職員の意識改革、このことに十分意を注がなければならないと。そして、食の安心、安全、この政策大綱、これを取りまとめをいたしまして、リスク管理並びにリスクコミュニケーション、これにつきましてなお一層努力をいたしたいと。
 またあわせて、先ほど来いろいろ局長から御答弁申し上げておりますとおり、地方農政事務所の活用、そして都道府県との連携強化、これはきめ細かくいろいろの段階まで進めなければならないんではなかろうかと。県単位あるいは市町村の段階あるいは地方の公民間でいろいろのことを一緒に地方と連携をして進める、こういうことも大変重要なことではなかろうかと。
 そして、特にこの問題、生産から食品の販売に至るまでの一連の行程というものを十分やらなければならないわけでありますので、今回法整備をしていただくいろいろの問題につきましても、そのような意味で、その監視指導や、あるいはまた食品表示等々につきましても不断の監視指導の努力を積み重ねなければならないと。
 そして、何としても国民の健康の保護を第一に、食に対する消費者の不安を払拭をすると。そして、食品安全行政の的確な推進、これに努力をしなければならないわけでありまして、いわゆる法整備あるいは組織ができただけでは、これ正にスタートに着いたわけでありまして、これを私どもは、リスク管理、リスクコミュニケーションを担当する農林水産省といたしましては、先ほども申し上げましたとおり、職員の意識改革、そしてその組織をフルに活用いたしまして、新しい今回、消費・安全局と、食糧庁を廃止してこのような関係でスタートをするわけでありますので、気持ちを新たにして食の安心、安全のために万全の体制を尽くしてまいりたいと、こう思っております。
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加治屋義人#20
○加治屋義人君 以上、食の安全について大臣のお気持ちをお聞かせいただきました。どうかひとつ頑張っていただきますようにお願い申し上げたいと思います。
 これは法案の外になりますけれども、お許しをいただいて、養殖漁業についてお尋ねしたいと思います。
 我が国の沿岸の漁業資源が大変厳しくなっておりますが、その中で養殖業が果たす役割、これは大変大きなものがあると思っています。しかしながら、養殖をめぐっては消費者の心配される事柄があちこちで発生しているのも事実であります。このことは先日の本田委員から厳しく指摘もあったところでありますので、このことには触れませんけれども、どのような薬が、えさが使われているのか当事者だけしか知らないよ、そういうことでは国民は大変不安であります。しっかりこのことについては対応をしていただきますようにお願いしておきたいと思います。
 私が今日お伺いしたいのは、鹿児島県の奄美大島の加計呂麻というところで、水産庁主導でクロマグロの稚魚の放流に向けた人工ふ化の取組がされております。私も何回か現地を見させていただいているんですけれども、その成果に大きな期待をしているんですね。そういうことで、これまでの成果について、また今後の取組について教えていただけば有り難いと思います。
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木下寛之#21
○政府参考人(木下寛之君) 委員御指摘のとおり、クロマグロでございますけれども、我が国の食品、消費者の中で非常に嗜好性の高い魚種であるというふうに思っております。そういう意味で、平成七年度から、国営の栽培漁業センターの奄美事業場において、クロマグロの親魚の養成あるいは種苗生産について技術開発を実施しているところでございます。
 現在までの成果でございますけれども、平成十年度には二十四ミリから四十七ミリのサイズの種苗一万七千尾の生産に成功したということがございますけれども、その後、十一年度から十四年度にかけまして一千尾ないし二千尾程度の生産にとどまっているというような状況でございます。
 私ども、このような要因といたしまして、一つが、稚魚期の共食い、あるいは非常にクロマグロ遊泳力に優れているわけでございますけれども、水槽壁への衝突死、あるいは魚病の発生等の課題があるというふうに考えております。私どもも、まずはこのように安定した種苗生産に努力をしていきたいというふうに考えている段階でございます。
 次の段階といたしましては、中間育成なり放流というふうに進んでいきたいというふうに考えているところでございますけれども、私ども、現段階でまだ確たることは申し上げられませんけれども、ここ五年程度の経過で種苗生産技術について確立をしたいというふうに考えているところでございます。
 ちなみに、本年度、十月一日でございますけれども、日本栽培漁業センター、日本栽培漁業協会と独立行政法人水産総合研究センターが統合するわけでございます。従来の栽培協会の実用技術、それから水産総合研究センターの基礎的な技術、これらが正に一つの法人の中で実施をされるということでございますので、先ほど申し上げたような実用化技術、基礎技術等々をできるだけ早く完成をし、漁業者の期待にこたえていきたいというふうに考えております。
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加治屋義人#22
○加治屋義人君 是非、研究を続けていただいて、国際的な一つの中核生けすとして貢献していただけば有り難いなと。よく人に聞きますと、こういうことを言うんです。放流すると黒潮に乗って世界を駆け巡って、どこをだれがどう捕獲するのか分からぬよねと、こういうことを聞くんですけれども、しかし大変楽しみな事業だと思っておりますだけに是非御努力いただきたい。お願いをしておきたいと思います。
 次に、太平洋底刺し網漁業の操業問題について伺いたいと思います。
 私のところにも鹿児島県の漁業関係団体からこれの操業を禁止を求める要望が届いております。当然、局長、大臣のところにも要望されているかと思いますのでその内容を詳しく説明することはいたしませんが、関係者いわく、キンメダイや底物の離島の零細な漁民にとって大切な漁場に網を入れることは、資源保護の観点からも正に脅威的、死活問題であると大変危機感を募らせておられます。大臣許可の大型漁船が地域で営む零細な漁業者と競合することは私にとってもほっておくわけにいかない、こういうことから質問をさせていただいていることを御理解いただきたいと思います。
 一つには、底刺し網漁業の南西諸島海域における最近の操業実態はどのようなものなのか、また魚種、漁獲物はどのようになっておりますか、伺いたいと思います。
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木下寛之#23
○政府参考人(木下寛之君) 南西諸島海域でございますけれども、鹿児島県の漁業者の皆さん方のお話を伺いますと、委員御指摘のとおりキンメダイあるいはその他の底魚の優良な漁場であるというふうに伺っているところでございます。
 昨年の十一月になりますけれども、青森県の底刺し網漁船が正に御指摘のような海域でキンメダイの漁場探索を行ったという事実がございます。私ども、鹿児島県から連絡を踏まえまして、当該漁船に対しまして、一つはこの周辺水域操業いたしますと鹿児島県の漁業調整規則に違反をするということを指導いたしまして、実際の操業は行っていないというふうに承知をいたしております。
 いずれにいたしましても、私ども、今後ともこの海域について十分監視をしてまいりたいというふうに考えております。
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加治屋義人#24
○加治屋義人君 今、御答弁いただいたとおり、早とちりというんでしょうか、今、答弁を聞いていますと、鹿児島のそういうことだったのかなと思いますけれども、今はやりの備えあれば憂いなしですね、いち早くこのことに対応していただいたことにお礼申し上げたいと思います。
 それから、底刺し網漁業に対して、自由操業でなくて操業禁止区域をこの際拡大すべきではないかと、こういう今、最初質問しましたそういうことを考え合わせると、この際拡大すべきではないか、そういうふうに思います。自分たちがせっかく育ててきた資源を育てるという零細漁業者の心にしっかりこたえていくべきではないかと、こういうふうに思うんですけれども、政府の見解を伺いたいと思います。
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木下寛之#25
○政府参考人(木下寛之君) 私どもも、沿岸資源の漁業資源の維持、培養というのは非常に重要な課題だというふうに考えているところでございますけれども、先ほど御説明申し上げましたように、底刺し網漁業、南西諸島周辺水域において操業実績がないというような状況でございます。また、私どもも、底刺し網漁業が南西諸島周辺水域で操業を行う意図もないというふうに現段階では承知をいたしております。したがいまして、直ちに規制を掛けるという段階にないのではないかなというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、先ほど申し上げたような操業実態でございますけれども、十分この海域における操業については監視をし、必要が生じましたら所要の措置を講じていきたいというふうに考えております。
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加治屋義人#26
○加治屋義人君 ありがとうございました。
 それぞれの地域の生産者としっかり連携取っていただきながら御努力いただければ有り難いと思います。やはり漁業以外に産業がない、外海離島、そして漁業者ですね、やはりこういう方々にとっては、それこそ資源、近海の資源というのは命だと、こういうふうに思っておりますだけに、御答弁をいただいたとおり、しっかりとこれから監視を含めて頑張っていただきますようにお願いをしておきたいと思います。
 委員長、これで終わらせていただきます。
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和田ひろ子#27
○和田ひろ子君 民主党の和田ひろ子でございます。
 今日は、農林水産省の設置法の一部を改正する法律案についての質問時間でありますけれども、まず、もう通告の時間もなかったんですが、食品安全委員会の委員のメンバーが固まるという今日の新聞の報道があります。もちろんこれは衆議院の本会議で同意を得た上でということなのでありますけれども、もう七人のメンバーは決まっていて、もう略歴から全部ここで報道をされております。そして、委員長は委員の互選ということでありますが、ほぼ決まっているというふうな情報も流れております。これはどういうことなんでしょうか。大臣にお聞きをしたいと思います。
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亀井善之#28
○国務大臣(亀井善之君) 私も新聞報道で拝見をしただけでありまして、これは内閣の方でいろいろの人選を進められておると、このように承知をしております。私ども農林水産省といたしましては、これに全く関与を私はすべきでなしに、これは内閣が決めることでありますので、そこで人選が、この七人のメンバーが、それぞれの専門家と申しますか権威者が人選をされると、このように考えておりまして、新聞の報道で名前を承知しただけであります。
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和田ひろ子#29
○和田ひろ子君 いつも国会は後追いなんですね。新聞報道より私たちが後追いだということは、私はもう本当に残念です。今日は、官房副長官が十二時半からの議運に出席をされて食品安全委員会の七名の委員の名簿を報告するということなんですけれども、その以前にもうとっくにこんなふうに出て、委員長も決まっているなんということに対して大変残念、憤りを感じますので、一言申し添えて質問に移りたいと思います。
 この設置法なんですけれども、農業基本法があって、その農業基本法をどういうふうに運用していったらいいか、業務をするかということなんだと思います。それは、今回は所掌事務の変更とか、地方の支分部局組織の整備とか、食糧庁の廃止とか、これしかないわけですが、何で食料安全基本法に位置付けられて出されたのか、これは大変疑問です。
 そんな中で、例えば答弁の中で、食品の安全性の確保に関する事務、これが我が省の所掌事務ということで明確にさせていただきたいというふうに御答弁をされておりますが、所掌事務ではなくてこれは任務に入れるべきだというふうに思います。任務の中で読めるというふうなお答えもあったようですが、読まなければやらなくていいということになるのだろうか、そういう思いをしますので、きちんと任務の中に入れてもらいたかったということと、食糧事務所が廃止して農政事務所が設置される。全国の食糧事務所の数は九つ、農政事務所の数は、後で言っていただくと思いますが、四十六になる予定でありますよね。何で行政の改革、本当にスリムになっていかなければいけないのにこういうふうになるのか、このことも疑問であります。
 そして、先ほども言っておられましたけれども、リスクの評価、リスクの管理、そういうことで、例えば地方は地方で対応するべきというふうに言われますが、農水省は国の直轄、そして厚労省は県保健所の事務となるというふうになると、同じテーブルの中で国直轄と県の保健所の皆さんとの縦割りの行政がそごが生じないのか、大変疑問でありますので、まとめてお答えをいただきたいと思います。
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