国土交通委員会

2004-04-14 衆議院 全186発言

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会議録情報#0
平成十六年四月十四日(水曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 赤羽 一嘉君
   理事 今村 雅弘君 理事 衛藤征士郎君
   理事 橘 康太郎君 理事 望月 義夫君
   理事 大谷 信盛君 理事 奥村 展三君
   理事 玉置 一弥君 理事 高木 陽介君
      石田 真敏君    岩崎 忠夫君
      江崎 鐵磨君    江藤  拓君
      大島 理森君    大前 繁雄君
      梶山 弘志君    小島 敏男君
      櫻田 義孝君    高木  毅君
      中馬 弘毅君    中野 正志君
      永岡 洋治君    二階 俊博君
      西川 京子君    葉梨 康弘君
      蓮実  進君    古屋 圭司君
      保坂  武君    増田 敏男君
      松野 博一君    森田  一君
      山下 貴史君    渡辺 博道君
      岩國 哲人君    岡本 充功君
      古賀 一成君    下条 みつ君
      田島 一成君    高井 美穂君
      中川  治君    長安  豊君
      伴野  豊君    古本伸一郎君
      松崎 哲久君    松野 信夫君
      三日月大造君    村井 宗明君
      室井 邦彦君    若井 康彦君
      太田 昭宏君    佐藤 茂樹君
      穀田 恵二君
    …………………………………
   議員           岩國 哲人君
   国土交通大臣       石原 伸晃君
   国土交通副大臣      林  幹雄君
   国土交通大臣政務官    佐藤 茂樹君
   政府参考人
   (総務省自治財政局長)  瀧野 欣彌君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房技術審議官)  門松  武君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  佐藤 信秋君
   国土交通委員会専門員   飯田 祐弘君
    —————————————
委員の異動
四月十四日
 辞任         補欠選任
  石田 真敏君     大前 繁雄君
  島村 宜伸君     山下 貴史君
  中野 正志君     蓮実  進君
  渡辺 博道君     西川 京子君
  三日月大造君     田島 一成君
  山岡 賢次君     古賀 一成君
  和田 隆志君     高井 美穂君
  佐藤 茂樹君     太田 昭宏君
同日
 辞任         補欠選任
  大前 繁雄君     石田 真敏君
  西川 京子君     渡辺 博道君
  蓮実  進君     中野 正志君
  山下 貴史君     永岡 洋治君
  古賀 一成君     山岡 賢次君
  田島 一成君     三日月大造君
  高井 美穂君     村井 宗明君
  太田 昭宏君     佐藤 茂樹君
同日
 辞任         補欠選任
  永岡 洋治君     小島 敏男君
  村井 宗明君     和田 隆志君
同日
 辞任         補欠選任
  小島 敏男君     島村 宜伸君
    —————————————
四月十四日
 高速道路事業改革基本法案(岩國哲人君外四名提出、衆法第三六号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 委員派遣承認申請に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 高速道路株式会社法案(内閣提出第一一二号)
 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案(内閣提出第一一三号)
 日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第一一四号)
 日本道路公団等民営化関係法施行法案(内閣提出第一一五号)
 高速道路事業改革基本法案(岩國哲人君外四名提出、衆法第三六号)
     ————◇—————
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赤羽一嘉#1
○赤羽委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、高速道路株式会社法案、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案、日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案及び日本道路公団等民営化関係法施行法案の各案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 各案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房技術審議官門松武君、道路局長佐藤信秋君及び総務省自治財政局長瀧野欣彌君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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赤羽一嘉#2
○赤羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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赤羽一嘉#3
○赤羽委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高木陽介君。
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高木陽介#4
○高木(陽)委員 おはようございます。公明党の高木陽介でございます。
 道路公団民営化の法案の審議も大分進んでまいりまして、基本的な哲学の問題、そういったことについてはこれまでにもいろいろと議論が深まってきたと思います。
 そういった中にありまして、やはり個別の問題も多々お伺いをしなければいけない、そういうふうにも思っておりますので、きょうは、個別の具体的な問題としてETCの問題について取り上げさせていただきたいと思います。
 ETCの問題、その前に、道路というのがそもそも利用されなければ、何らの効用、経済メリットも発生しませんし、ただのコンクリートの塊にすぎない、このようにも思います。逆に、受益に応じた料金を支払っても、そのニーズにこたえてさえいれば、有料道路であっても国民は納得している。
 昨日の参考人質疑におきましても、有料道路としての高速道路、これについて各参考人が意見を述べられておりましたけれども、野党民主党の方がいよいよこれから法案を、対案を提案してくる、こういう状況下の中にありまして、無料化の問題というのもきのう参考人質疑の中で議論となりました。
 そういった中にありまして、一番大切なのは、道路は使われてこそ道路でありますので、使われない道路というのが諸悪の根源になる。一方、車に乗らない人、高速道路を利用しない人、その人たちは、さまざまな税金を払っていただいている中で、その税金をこの有料道路の債務返済に充てる、こういった問題については、きのうの特に午後の四人の参考人の方々は一様に否定をされていた、このように認識をしております。
 そういった中で、料金をどのように徴収するか、ここら辺のところが大きな問題でありまして、先日、この委員会で不正の問題も取り上げさせていただきました。
 そういった中にありまして、私ども公明党はかねてから、高速道路問題の核心というのは料金問題にある、有料道路にあっては料金水準がその活用度を決めていくということで指摘してまいりました。
 今回の法案を提出するに当たりまして、料金の値下げというものも視野に入れた今回の民営化法案であると思いますけれども、その中でETCというものが大変重要なツールになってくる、このようにも考えております。
 今後、ETCの整備のあり方、そういった問題も、これは後ほど、大臣がおくれて参りますので、質問をさせていただきたいと思いますが、現在の全有料道路のETCレーンの整備状況、また箇所数、整備率、これは一体どこまで進んだのか。ここ数年、予算も措置をされながら、このETCについてはかなり力を入れてやってきたと思いますけれども、その現状をお伺いしたいと思います。
 また、インターでETCの専用レーンができたとしても、問題は、搭載をしていないと、車にETCがついていないとこれまた無用の長物になってしまいますので、現在のETCの車載器の装着台数また装着率の最新の状況というのはどうなっているのか。また、ETCを活用した料金割引の社会実験、これまでどれぐらい行ってきたのかということをまず最初にお伺いをしたいと思います。
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佐藤信秋#5
○佐藤政府参考人 ETC料金所の整備につきまして、まず御回答申し上げたいと思います。
 道路関係の四つの公団で料金所の数が全部で千二百九十一ございます。いずれもETCレーンを整備しよう、こういうことでやっておりまして、この三月末で千二百十七カ所、九四%の料金所にETCが設置されております。
 これは、基本的には、首都高速は全部もう終わっておりますし、本四公団も終わっております。
 あと、全料金所、こういうことでございますので、道路公団の一般有料道路関係で個別に、ネットワークものになっていないところ、あるいはまた、公社等と接続しておりまして、公社と接続協議を、それぞれがETCを使う、こういうような形で公社の方の端末の方もETCを入れていただかなければいけない、こういうことで協議中のもの、こういうのがわずかながら残っておる、こういう状態でございます。
 レーンの数で申し上げますと、六千六百四十一レーンございますが、このうちのレーン数でいえば二千五百十一レーンにETCが入っている、こういう状態でございます。
 車載器のセットアップの台数でございますが、自動車の保有車両合計約七千四百万台の中で、約二百七十万台、三・六%にETCの車載器が搭載されている、こういう状態でございます。
 ただし、ETC車載器をセットしていただいている皆様方は主として利用回数が多い、こういう点もございまして、この三月末のETCの利用率を調べてみますと、全国で一五・六%、首都高速道路では一九・五%、約二割、こういう形になって、お使いいただいているということでございます。
 次に、社会実験をどういうふうに進めてきたか、こういうお話でございました。
 まず一つは、高速自動車国道につきましては、ETCの場合には長距離割引の社会実験、こういうことでやらせていただいておりまして、昨年の七月からこの三月十八日までやらせていただいたわけでございます。これは、またさらなる新しい実験をということで現在検討している最中でございまして、またゴールデンウイーク前には何とか新しい形の実験をやってみたい、こんなふうに検討している最中でございます。
 それから、首都高速道路の夜間の割引実験もやらせていただきました。これは昨年の十一月からことしの三月三十一日まででございました。
 それから、アクアラインのETC割引、これは平成十四年の七月からでございますが、さらに十七年の三月まで続けるということにしております。
 あるいはまた、首都高速、阪神高速の環境ロードプライシング、こういう形で、ETCの場合湾岸等に誘導する、こういう意味の社会実験もやらせていただいているところでございます。
 さらに、十六年度からでございますが、この前公募させていただきまして、追加インターチェンジの整備、こういう観点からは、サービスエリア、パーキングエリア等について、ETC専用のスマートインターチェンジ、こういう形の活用を実験してみようではないか、こういうことで現在実験を公募中、こういう形でございます。
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高木陽介#6
○高木(陽)委員 社会実験の結果、さまざまな効果が出ていると思うんですね。
 ただ、利用者の側から見ますと、特に首都高に関して申し上げれば、特に羽田から都心に入るとき、大井のインターだとかは、込んできますとETC専用レーンが一般のと両方とも使えるようにする。もちろん、まだ普及率が首都高の場合には二割弱ぐらいだ、こういう話もございましたけれども、そういったことを考えますと、まだ車載器を搭載していない車から見れば、ずっと渋滞してしまう。
 ただし、このETCをつけることによるインセンティブがあるということで、逆に、その専用レーンというのを確実に確保しておくということも、その車載を、搭載をさらに進展させる大きな流れになるのではないかなとも考えるんですね。つけたはいいけれども、結局、ETCを使っていない車と同じように並んでいる、何なんだろう、こういうふうに思ってしまうということで、ここら辺のところもしっかりと御検討をいただきたいなと思います。
 さらに、ただいま佐藤局長から、社会実験の御報告をいただきましたけれども、今後もさらにこういった社会実験事業ということが必要であると思いますし、どんな方針で実施していくのか。また、民営化以降、国あるいは地方公共団体の一部負担による料金引き下げ社会実験を存続する必要性はさらに大きくなるのではないか。本当に、民営化されたことによって利用しやすくなった、こういう目に見える形というのが必要だと思うんですけれども、その点についてはどのようにお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
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佐藤信秋#7
○佐藤政府参考人 二つ御質問があったかと思います。
 一つは、専用レーンの運用をもっとやるべきではないか。まさしく、実は、首都高速の本線バリアでできるだけ専用運用しようということで、そのうちの一つが先生先ほど御指摘の大井の料金所であったりもするわけでございますが、これの専用運用の時間がようやく一日二十四時間のうちの二十三時間を専用運用できる、こういう形になってまいりました。
 それから、五つのレーンがありましたら、おおむね利用率が二割なものですから、一つは常に専用にしておいても当然といいますか、それだけの必要性があるだろう、こういうようなことも考えられます。
 そういう意味では、交通渋滞が厳しくなってきたときにというようなことで関係機関と協議しながら、できるだけ私どもは専用の運用をさせてください、こんなやりとりをしながらの議論でもあるわけでありますが、できるだけ専用運用が二十四時間ずっとやれる、こういう形に努力してまいりたいと思っております。
 それから、社会実験はこれからどのような方針で行っていくのか、実態を踏まえて、さらに民営化後もっとその必要性が大きくなるのではないか、こういう御指摘でございました。まさしくそのとおりだと思っております。
 有料道路の社会実験、先ほど申し上げましたように、ETCでもやっておりますが、さらに地方からの公募型、そういうような形で、地方都市の地方提案型社会実験、全国で二十二件、この平成十五年度にやらせていただきました。また、政策的な社会実験という意味で、ETCの長距離割引といったようなことをやっておるわけでございます。
 地方提案型の社会実験についての結果を一つ申し上げたいと思うんですが、例えばということで、朝夕の通勤時間帯に五割引きする、その分を国と地方で一緒に減収分を負担する、こんなこともやっておるわけでございます。
 例えばということで、通勤時間帯等で五割引きにしたという場合、六カ所ほどの実験例がございますが、これは平均的には、通勤時間帯で申し上げますと、一・四倍から二・六倍の交通量になる、単純平均いたしますと一・八倍ぐらいの交通量になっておる、こういう形でございますので、有効性の十分あることではないかというふうにも思っております。
 平成十六年度におきましても、有料道路の弾力的な料金設定に向けまして、できるだけ多くの社会実験を行っていこうということでございます。また、地方からの課題解決型の社会実験、全国で現在提案をいただいておるところでございますし、公団による政策的な社会実験といたしまして、先ほど申し上げましたように、高速自動車国道についてETCの長距離あるいは夜間割引、こうした検討をしておるところでございます。ゴールデンウイーク前に実験を開始したいということで、詳細を検討している最中でございます。
 民営化後においても、こうした新しい課題に対応するという面で、この料金に関する社会実験を継続する、こういうことが大事なことであろうというふうに思っております。
 特に、多様で弾力的な料金設定を行う、こういう面から申し上げますと、民営化すればそれが採算にじかに響く、こういう点もあって、なかなかかえって慎重になられても困るので、そういう意味では、社会実験を積極的にやって、評価しながら、さらなる展開を民営化された会社に自信を持ってやっていただく、こういうことが大事なことだと思っております。
 したがいまして、民営化後も、国、地方公共団体が協力して、こうした料金に関する社会実験が十分実施できるように、重点的に取り組んでまいりたいと思っております。
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高木陽介#8
○高木(陽)委員 この社会実験で割引をしていくという考え方、これをさらに進めていただきたいと思いますが、また、その一つの例としてですけれども、高速自動車国道とネットワーク型一般有料道路の乗り継ぎ。今までは乗り継ぎごとにその料金を料金所で払いながら、面倒くさいなと思った人も多いと思うんですけれども、そういった中で、このETCこそ、弾力的に料金の引き下げ、乗り継ぎ割引ですとか、そういったことを図ることによりまして、ETCの特性が最も生かされるんじゃないか。ただ単に、最初の入り口と出口だけでETCを活用する、やはりそれをコンピューターのネットワークでできるわけですから、こういった考え方があると思うんですけれども、それについてどのようにお考えか。
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佐藤信秋#9
○佐藤政府参考人 ETCの持つメリットという面で申し上げれば、まさしく乗り継ぎ等についても十分効用を発揮することが可能であろう、そんなふうに考えておるところでございます。
 そういう意味では、先生御指摘の、乗り継ぎの場合にETCを用いて、その割引等を十分考えながらやるべきではないか、まさしく私どもも、そうした点も十分検討してまいりたいと思っております。
 例えば、南阪奈道路、これが最近開通いたしました。これは日本道路公団それから大阪府の道路公社と両方で役割分担して仕事をしてまいったわけでございますが、さらにこれが阪和自動車道とつながるということで、三線を連続して利用する、こういうような形になっておるところでございまして、ETC車につきましては最大二〇%の割引を行うなど、ETCを活用した弾力的な乗り継ぎの料金設定、こういうこともやらせていただいておるところでございます。
 そういう意味では、利用者の皆様にできるだけお使いいただきやすい、そういう観点も踏まえて、乗り継ぎ等の割引等につきましても、弾力的な料金施策の大事な問題として取り組んでまいりたいと思っております。
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高木陽介#10
○高木(陽)委員 道路四公団全体でETCレーンの、先ほど整備状況をお伺いしましたけれども、整備費、車載器購入助成費など、ETC制度導入のために支出をしましたETC事業にかかわる予算、この総額というのは一体どれぐらいになっているのか。また、一方、これまでETC車載器の購入のために、個人ですとか事業者、利用者、これが支出した金額の総額を推定すると、大体どれぐらいになるんでしょうか。
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佐藤信秋#11
○佐藤政府参考人 せっかくの機会でございますので、多少宣伝させていただきますと、ETCの場合に、この利用率が大体五〇%に達しますと、全国の料金所渋滞がおおむね解消できるのではないか、こういう観点から申し上げますと、その場合、年間三千億円に上る経済効果を持つであろう、こんなふうに期待しておるところでございます。
 そういう意味では、先ほどのおおむね四公団関係九四%というETCの料金所の設置率になっておるわけでございますが、これに要した費用、こういうお問い合わせでございました。四公団合わせまして、これまで約二千二百十億円を要した、投資している、こういうことであります。
 また、ETCのモニターリースといったこともやらせていただいておるわけでございまして、これは十五年度やらせていただいたわけでございますが、国、三公団合わせまして、約三十五億円を支出したところでございます。
 そのほか、ETCの民間研究開発、これは随分とそれぞれの自動車メーカーあるいはまた機械メーカー、電機メーカーさんに取り組んでいただいたところでございますが、独自にいろいろおやりいただいておるという状態でもございますので、その研究開発費用の詳細な把握はなかなか難しいということではありますが、これは意外にあるということははっきりしているわけでございます。
 それから、ETCの利用に当たりまして、個人の負担といたしましては、当初は大分高いということもございまして、車載器の購入自体が当初は三万円から五万円ぐらい、取りつけ費がやはり二千円から一万円、セットアップ料がそのほかにかかる、こういうことではございました。現状ではかなり安い車載器も普及し始めているところでございまして、平均的に一台当たり大体二万から三万円ぐらいかかっているんじゃないかと思っております。
 そういう意味では、最近の情勢でいきますと大体二万円ぐらいでございますので、この二万円をベースにして考えますと、現在二百七十万台の普及状況、こういうことでございますので、大体五百億円以上はかかっているか、そんなふうに考えているところでございます。
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高木陽介#12
○高木(陽)委員 今、そのETCにかかわった金額、公団が二千二百十億円、また個人も五百億、こういうような数字が出てまいりましたけれども、きのうあたりからちょっと話題となりました民主党の無料化法案ですか、これ、無料化するということは、料金所がなくなるということですね。これまでETCで投入をしてきたわけですね。車にもつけてきた。ところが、これ、無料化になりますと、無用の長物になってしまう、これは大変な問題であろう。ETCによってメリット、または渋滞解消も図ろうという、これに逆行する流れとなると思うんですよ。かえってETCレーンというのは、無料化になりますと邪魔になる。
 そこら辺の、高速道路無料化に伴い混乱が予想されると思いますけれども、その点について、そのほかにもどのような混乱が予想されるか、ちょっと御指摘いただければと思います。
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佐藤信秋#13
○佐藤政府参考人 どのような形の無料化を御提示いただけるのかということによって大分状況が変わってくるところはあるんだとは思います。全体像それからその詳細まだ明らかでございませんので、厳密にいろいろ整理することは難しいという面はあろうかと思いますが、定性的あるいは考えられる問題、こういう形でちょっと考えさせていただければということでございます。
 基本的には、高速道路を無料化、こういう形で申し上げると、直ちにということであれば、債務を租税で返済する、あるいはまた、大都市部分につきましては高速道路は有料制を維持される、このように新聞報道でございますが伺っておりますので、こうした点から申し上げますと、大都市周辺と大都市間を結ぶ高速道路、これは大都市間を結ぶ高速道路を無料で走ってきて、無料で走ってくる車は大分ふえるんだと思いますが、そこでまた大都市圏に入ってくると有料、こういうことで、車がここでおりる、乗りおりが集中する。大都市周辺で乗りおりが集中する、こうした点による渋滞、こういう問題が一つ出てこようかと思います。
 それから、高速道路に乗る交通量が大幅に増加するであろう、こういう観点から申し上げれば、言ってみれば一般国道が一方であるわけでございますが、ここの速度とある程度似てくるというところまでは車が集中する、こうした問題もあろうか。そうしますと、旅行速度が低下いたしまして、高速道路本来の機能が低下するんではないか。
 さらには、高速道路を使わない方や、高速道路がない地域の人にも負担を拡大するという形にもなるんでしょうか。
 それから、有料制度を存続させる大都市の高速道路利用者、この方々は租税と料金を二重に負担する、こういう形にもなるといった面もありまして、国民から不公平な負担、こういう形の御指摘が出るようなこともあり得るかという問題があろうかと思います。
 それから、ETCの問題で申し上げますと、実はそろそろ車に組み込み型のETC、当初から車載器搭載新車、こうしたことを私どもも自動車工業会等にもお願い申し上げているところでございますので、そうした点についてどんなことになるか。
 そんなふうな幾つかの問題が考えられようかと思います。
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高木陽介#14
○高木(陽)委員 今道路局長の方からいろいろと予想される混乱を指摘していただきました。
 ただ、間もなく民主党の法案も出てくるということでございますので、並列させていただきまして、このETC問題等も民主党の提案者の方にもしっかりとお伺いをしたいな、どう考えるんだろう、こんなふうにも考えております。
 さあ、石原大臣、参議院の本会議御苦労さまでございました。
 最後の質問になりますが、大臣にお答えいただきたいと思いますけれども、今までETCについて質問させていただきました。特に、利便性を最大限に生かしつつ、また、料金収入、これも最大限にしっかりと徴収していく。そういう意味においては、ETCというのは重要なツールである、このようにも考えておりますけれども、今後、ETC整備のあり方について、どのような基本方針でどのような水準まで導入するつもりなのか、この点について最後に大臣にお伺いしたいと思います。
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石原伸晃#15
○石原国務大臣 本日、高木委員がETCを中心に御審議をいただいているということを承知しておりますが、私、ETCの普及促進というのは、ここまで来ました以上、国策として、国土交通省と公団で、全力で取り組むべき重要課題であると認識しております。
 ことしの二月には、ETCモニター・リース等支援制度について、その幅をおよそ十五万台分の対象拡大をして、車載器の購入助成を実施しました。
 この結果、二月の車載器のセットアップ数、ETC利用率の伸びが実施前のおよそ五割増しになるなど、手だてを加えますとこのETCの普及というものに弾みがつくということが改めて確認されたわけでございます。この結果、十五年度末のETC車載器のセットアップ台数はおよそ二百七十万台と、平成十五年度の目標でございます利用率に換算して一五%というものを達成したわけでございます。
 それでは、新年度を迎えてということになりますけれども、ETCを活用した高速自動車国道の社会実験、ゴールデンウイークの前に実験を開始すべく今詳細を検討中ですけれども、夜間の長距離割引を念頭に考えさせていただいているわけでございます。
 さらに、ETC専用のスマートインターチェンジの導入に向けた社会実験、この公募を先週四月五日から二十三日まで行わせていただいております。
 社会実験とあわせまして、車載器購入支援制度、これはおよそ十五万台があっという間に締め切らせていただきました観点から、二十万台等々展開して、年内にETCの利用率の三〇%達成を目指させていただきたいと思っております。
 そして、平成十九年度末までにはETCの利用率を全国でおよそ七〇%、首都高、阪高においては八五%まで引き上げることを目標にETCの普及に努めさせていただきたいと考えております。
 このため、今年度の概算要求に向けまして、ETC普及促進のための具体的な支援策の充実の検討を指示しておりますし、事あらば財務省の方に伺いまして、高木委員御指摘のこの問題について、国策としてしっかりやるようにと働きかけをさせていただきたい、こんなふうに考えております。
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高木陽介#16
○高木(陽)委員 今大臣の方から国策としてというお言葉をいただきましたので、しっかりとこのETC問題取り上げながら推進をしていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
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赤羽一嘉#17
○赤羽委員長 太田昭宏君。
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太田昭宏#18
○太田委員 公明党の太田昭宏です。
 昭和三十九年に、大学に入る年で、土木工学科を専攻しました。その年の六月十六日に新潟地震があり、そして先輩がクラス全員を、道路を見に行こうということで、いまだに覚えています、極めて印象的だったんですが、できたばかりの名神高速道路を見させていただき、この名神を見たというのは大変自分にとってはうれしい思い出であったわけです。
 日本は、対応に追われる政治というのではなくて、国土のグランドデザインというものをしっかりつくって、高速道路、そして空港、港湾、まあ、多くの議員の先生方がいらっしゃいますから、自分の県にはこだわるというふうに思うんですが、アジアあるいは世界ということからいきますと、公共事業は、必要なものは必要であるという観点から、道路ということでいうならば、空港と港湾と、ハブ空港、ハブ港湾、そして高速道路網というものをネットワークとしてつくり上げていくということが、私は、二十一世紀の国づくりで極めて重要なことだという認識をしております。
 しかし、構造改革という小泉内閣の方針の中で、何が構造改革か。政治が構造改革をなすという前に、社会が構造変化をしている。その構造変化した社会に対してどのように手を打つかということが、私は大事なことだというふうに思っております。少子高齢化という構造変化に対しての対応、あるいはグローバリゼーションというものに対しての、この構造変化というものに対しての対応ということが大事であって、道路ということからいきますと、私は、率直に言いまして、四公団を中心にしたこうしたシステムだけではもう成り立ち得ないという大きな構造変化というものが社会に起きているということだから、この今回の法案が提起されたというふうに思うんです。
 何が構造変化というふうに考えるか。私が三十九年に同じ土木を志して、そして道路関係の仕事をしている人たちにも会いますと、もうぎりぎりのところだなということを率直に話をし、よく世間では、族であるとか、あるいは関係議員ということであったり、関係者ということを言いますが、真剣に国のことを考えている人たちは決してそうではない。
 今、率直に言いまして、つくらなくてはならない道路が非常にできていない。つくりやすいという道路ができている。大都市圏を初めとして周辺に、つくらなくてはならないという道路がなかなかできない。そして、地方の、私は、いろいろな議員がいらっしゃいますから申しわけないんですが、つくりやすいという道路がどうしても先行してといいますか、後からというか、最近はそこが先につくられるというような状況がある。首都圏の私にとりましては、高い高速料金を払って、そして平均時速十八キロというようなとても高速道路と言えない道路に乗り、いらいら、大変な負担ということで仕事ができない、そこのところにもっと高速道路というものを渋滞解消も含めてやっていかなくちゃならない。
 そうすると、道路をそろそろ明確に二つに分けた方が考え方としてはいい。首都圏あるいは大都市周辺の道路は、経済戦略道路という位置づけのもとに展開をするということが大事であり、そして、地方の道路ということは、当然そこで生き抜いていく、また経済も発展させていかなくてはならないということからいきますと、生活インフラ道路という観点から、国が責任を持ってやるという必要がある。
 そうしますと、道路公団のもとで、一律にプール制というものの中でこれを展開するというよりは、経済戦略道路というもの、そして生活インフラ道路、特に生活インフラ道路は、新直轄ということが行われたわけでありますけれども、そうした観点でいうならば、やはり税金で行うべきというような観点も含めてやっていかなくてはいけない、こういうふうに思っております。
 私は、そうした私自身の考え方というものに今回の改革というものが適しているのかどうなのか、そういうことが実現できるのかという観点から質問させていただきたいと思いまして、考え方を先に述べさせていただきました。
 高速道路の必要性の徹底検証ということがそういう観点から言われるでありましょうが、そうしたことからいうと、経済戦略的色彩が強い道路というものの検証の仕方、いわゆるBバイCという問題のとらえ方と、生活インフラ道路としての位置づけをしたという上での地方のそうしたもののこのBバイCのあり方。なぜ必要か、どういう数値かという、中村先生が御提出された新しい事業評価システムというものが果たして全国一律でなされていいものであろうかどうかということもまた、私は検証していかなくてはいけないというふうに思っております。
 そうした観点から何点か質問させていただきたいというふうに思っております。
 まず、高速道路整備の必要性を検証するに当たって、採算性の側面あるいは経済的側面、生活基盤としての側面等、多様な視点があると思うわけでありますが、今回の検証ではこれらの視点というものをどのように取り扱ったのかという、どのように道路を見、そしてどういう評価システムということになるかということを後からまた詳しく聞きたいと思いますが、そうしたことも含めて、どの観点から必要性ということを実証して、立証して、あるいは説明していくのかという観点についてお聞きをしたいと思います。
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佐藤信秋#19
○佐藤政府参考人 先生御指摘のように、道路の整備の必要性あるいは緊急性、こうしたことをどうするか、長い間の懸案でございました。
 四公団の民営化推進委員会におきまして、中村委員から、こんなふうな基本的な物の考え方で整理したらどうかという御提案をいただいて、それがいわゆる中村基準と申し上げておる内容でございます。
 ここは大きな基本的な考え方をお示しいただきましたものですから、これを国土交通省におきまして、森地茂先生を委員長にして、道路事業評価手法検討委員会という場で、この具体的な内容を詰めさせていただいたところであります。
 お答えを二つ申し上げたいと思います。
 一つは、必要性そのもの、この議論で申し上げますと、BバイCが一を超えるかどうか、この観点が大事だろう。最小限といいますか一番ベーシックな必要性は、まずそこをきっちりと把握して判断すべし、こういう御提案でございました。
 次に、そのBバイCが一を超えるというグループの中で、緊急性といいますか、総合的に評価してどんなふうな評価づけをするのか。この御提案がございまして、それにつきましては、BバイC、費用対効果、それから採算性、それからそのほかの外部効果を計測する、こういう内容の御提案でございました。
 総合評価を大がかりに、これは、高速自動車国道の整備計画の未供用区間二千キロ七十区間について計算をきちっとさせていただいたわけでございますが、こうした大々的な評価をし、その基本的な数値をすべて公開して、なおかつ、この三つの項目間の重みづけも、いろいろな意見をいただきながら、言ってみれば大々的なPRを行った上で評価させていただいた、これは恐らく世界的にも初めての試みだろうというふうに考えられます。
 ここでそれぞれの内容について一言申し上げますと、費用対効果は、直接的な高速道路整備による便益のうちの貨幣換算可能となる三項目を評価しています。便益の方は、走行時間の短縮、それから走行経費の減少、それから交通事故の減少、この三項目を評価させていただいております。
 採算性につきましては、各区間ごとに有料道路として整備した場合に、料金収入によって総事業費のうち、どれだけの費用が回収できるか、こうした観点の割合を評価させていただいています。
 そのほかの外部効果、これがまた大事な問題だと思っておりまして、十六項目について指標化して評価しているわけでございますが、例えばということで申し上げますと、生産の拡大、雇用の増大など、地域経済への寄与がどうか。あるいはまた、生活環境の保全であるとか地域環境の保全など、環境への寄与はどうか。さらには、救急救命病院へのアクセス時間の短縮がどうなのか。あるいはまた、事故、災害の減少等、あるいはこれらの二次的な影響の軽減など、安全への寄与はどうか。こうした項目を十六項目にわたりまして指標化させていただいて、総合的に数値化する。
 この三つの項目をそれぞれまたどういう重みづけでそれぞれをつなぐべきか、この辺の重みづけもまた、いろいろな御意見をいただきながら、幾つかのケースを想定してやらせていただいた、このような内容でございます。
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太田昭宏#20
○太田委員 会社がぴかぴかで立派になりました、利益も上げました、しかし、道路はどんどん疲弊しました、こんなことでは何のための民営化ということになるかということが私は大事だというふうに思います。
 技術系の友達がいっぱいいるということからいきますと、これは質問通告にないので、大臣にちょっと感想だけお聞きしたいんですが、日本の技術水準というのは非常にいいし、そして、道路を同じようにつくると言って、よくほかの党なんかが、あの国ではこうだ、この国ではこうだと。
 日本でつくるということがいかに大変か。地震というものが想定される、平地は少ない、山合いは迫っている、そして、雨が降ったら急流となってすぐ海に行く、こういう中で道路というものをどうつくっていくか。あるいは、ダムを含めて国土というものをどうつくるかということについての日本の公共事業というものは、安全ということを基盤にした技術水準というものがしっかり評価されるということが私は非常に大事だと思います。
 まじめな日本の技術者は、単にもうかった、もうからないというよりは、いい仕事をしたいということで、NHKの「プロジェクトX」なんかに出ているようなすごいことをしているわけでありますが、ただ、採算性ということではなく、公共事業全般、また道路建設ということに当たっても、ある水準、それは、すばらしく景色がいいとかいろいろなことは要りません。節約できるものは当然節約するんですが、安全とか長もちするということも含めた、そうした人たちがいい仕事をした、そしてまた、日本の技術は大したものだと言われるような観点というものを常に持った民営化でなくちゃならぬというふうに思いますが、大臣、いかがでありましょうか。
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石原伸晃#21
○石原国務大臣 ただいま太田委員は、安全と耐久性、この二つの切り口から、日本の公共事業そして道路、高速道路どうあるべきかというお尋ねだったと思います。
 先日、技術に関しまして、香港の運輸庁の長官がおいでになりまして視察に行かれた。何を視察されたかというと、橋とアクアライン。自分たちのところでも、中国メーンランドあるいはマカオの方にそういうものをつくりたい。世界の各国の方が実は日本の技術については御見学に来、また、そのノウハウというものをどう自国に反映させるかということを真剣に考えられているという一つのことから見ましても、技術水準の高さというものは世界に冠たるものがあると思います。
 そしてまた、その一方、この技術力をもって、日本の高速道路は、委員が御指摘のとおり、大変厳しい自然環境、地形等々ございますので、トンネル、橋梁等々が四分の一ぐらいあるわけでございます。これもまた他の国の高速道路とは大きく違う点でございまして、そのような橋あるいはトンネルというものが災害というものに耐え得るべくつくられているということは、言うまでもないわけでございます。ここにも日本の高度な技術というものが生かされている。
 その一方で、会社自体が公団という形でございましたので、委員御指摘のとおり、コストを下げられるところは下げなきゃいけないという動機づけが会社の側に働かなかったということもまた、その一面であるのではないかと思っております。
 こういうことを考え合わせて、今回の民営化案、委員御指摘のとおり、ぴかぴかの会社をつくって、せっかく日本の最高水準の技術力でできたものが朽ちてしまうというのでは、何のための民営化かという点はまさに同感でございます。
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太田昭宏#22
○太田委員 そこで、都市周辺の道路は経済戦略的な道路であるという私の位置づけからいきますと、特に問題なのは、都市周辺の道路の渋滞という問題の解消ということが具体的に行われるということは、目に見える形での経済戦略ということになろうというふうに私は思うんです。
 どういう数字かということも含めて局長にお伺いをしたいわけですが、渋滞によって失われたGDP、富は十二兆円ということが言われたり、首都圏周辺で渋滞によってなくなった富が三・二兆とかいうふうに言われますね。
 十二兆というのは大変な数字で、これが渋滞が解消できれば、GDPをまさに二・四%ぐらい上げるということになるわけですね。大変な景気対策あるいは経済対策ということになるわけで、そうしたことからいきますと、これはどういう数字として、今回の評価基準というようなものの延長線の上に、十二兆というような渋滞ということで失われた富という形で言われているのか。今回の事業評価基準、BバイCという指標によっては、この失われた富というのは変化するのか。その辺について、都市部そして首都圏、全国、渋滞によって失われた数字というものは、現時点では正確には幾つというふうにとらえたらよろしいんでしょうか。
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佐藤信秋#23
○佐藤政府参考人 時間やエネルギーのロスというものが経済活動に重大な損失を与えている、こういう観点から渋滞の経済損失を計算させてみていただいたりしているわけでございますが、そういう意味では、先ほど申し上げましたBバイCとの関係で申し上げますと、走行時間の短縮それから走行経費の減少、これをベースにはじかせていただいておる。残念ながら、全国のマクロな計算でございますので、交通事故の損失までを入れ込んでいるわけではございませんが、そうした形での経済損失を、年々どのぐらい損失しているだろうということで計算をさせてみていただいているわけでございます。
 そういう意味では、全国、この経済損失、本来、例えば首都圏、特に東京、先ほど先生御指摘のように、実際の走行速度は十八キロから九キロ、こういう形でございますから、これが通常の姿であれば、少なくとも中心部においても三十キロぐらいでは走れなければいかぬだろう。それからまた、周辺部においては少なくとも五十キロ、都市間でいえば六十キロぐらいのスピードというものはあってしかるべきか。こうした点からの現在の実際の走行速度との差、これがベースになっておるわけでございます。
 そういう意味で計算してみますと、全国で年間約十二兆円、はじき方によりますが十一・六兆円、さらに、首都圏では年間約二・八兆円という計算をしております。これは、はじく関係機関によりまして多少の違いがございまして、東京都の試算によりますと、もう少し大きい、こういう試算もございます。いずれにしましても、全国の約四分の一ぐらいの渋滞損失が首都圏で発生している、こういうような状況でなかろうかと思っております。
 そういう意味では、先ほど申し上げましたような、例えば首都高速でいえば、少なくとも平均時速が、法定速度がおおむね六十キロの区間が大部分でございますが、場所によりましては、区間によりましては八十キロが少なくとも平均で担保し得る、こういうような状態が本来必要であろうということで、都心部への流入を抑制する環状道路の整備であるとか、あるいはまた一般道路で申し上げますと、東京の場合には踏切による渋滞等も無視できないといいますか、大変大きなものがある。こういう観点から、連続立体交差、鉄道を上げる事業であるとか、こうした物理的な施策、ハードの施策に取り組むとともに、一方で、バス専用レーン、優先レーン、あるいはまた駅前広場等の交通結節点の整備で公共交通機関をできるだけお使いいただきやすくする、そんなふうな点も含めて、ハード、ソフト両面から取り組んでいるところであります。
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太田昭宏#24
○太田委員 私が申し上げたのは、大臣、ちょっと聞いてもらいたいんですが、高速道路網を整備しました、こう言ったところで、首都圏で十八キロという平均時速、これは高速道路網を整備したとはとても言えないわけですね。三十キロならばどうか。
 今回のこういうことの中で、国民にわかりやすいのは、こういう方向に向けていって、大体、高速道路というのは何キロぐらいのスピードで走れるようになるんですよというようなことが非常に大事で、国民にとって見ると、ああ、これで幾らぐらいに、どういうふうにお金を出せば今度は首都はこういうふうになるんですねというようなことも含めて、そして、こういう節約をするんですというようなことも含めて行われなくちゃならない。
 そういいますと、私が聞いたのは、全国十二兆円だとかいう数字、これは一体何キロぐらいのことを想定して失われた富という換算をしたのかとか、そういうことも含めて、私は余りそういう話を聞いたことがないものですから、いろいろな報道でもないわけですが、今回は抜本的に変えるということであるならば、日本の高速道路というものはどのくらいのスピードで、どういうふうにして、ここまでいくと経済効果はこれだけあるんですよというようなことも含めて、それが国土のグランドデザインということになるんじゃないかと思います。
 今ここですぐ、何キロ想定でこうだというようなことがないとしたら、大臣、ぜひともそういうことも含めて検討していただいたり、あるいはよく打ち合わせをしてもらったりして、ある程度のメルクマールといいますか数字というものを出していくということ。経済効果はこれだけになる、スピードはこれだけというのが基準になるというようなことについて、今あればお答えしてもらいたいんですが、そうじゃなければ検討してもらって結構なんですが、そうした国民への説明ということもまた必要なことではないかと私は思いますが、いかがでしょうか。
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佐藤信秋#25
○佐藤政府参考人 数字の観点から申し上げますと、渋滞損失自体は、先ほど申し上げましたように、現実に走行している速度と、それから本来の規制速度または法定速度、こうした形での比較をしておりまして、そういう意味では、統一してわかりやすく、おおむねこういうことなんだということを、高速道路それから一般の道路、それぞれ典型的なものを御説明できるように整理したいと思います。
 あえて申し上げますと、東京都内で申し上げれば、実際の一般道路の平均の走行速度、確かに十八キロ前後だと思います。これは、平均でございますので、都心部においてはせめて倍近い三十キロでは走行をできるようにすべきじゃないか、こんなことも目標にしているところでございますので、それを全国的にわかりやすくという努力をさせていただきたいと思います。
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太田昭宏#26
○太田委員 三十キロぐらいだと高速道路とはとても言えないというふうに僕は思うんですが、そうしたことも含めて、ちょっと検討したり、ビジョンを改めてまたつくるとか、いろいろな作業をお願いしたいというふうに思っております。
 そこで、地方の道路というのは、私は、生活インフラという角度でまた別の評価基準ということもあっていいということで、新直轄というのはそういう方向で前進をしているというふうに思うわけです。
 そこで、今までの評価基準、必要か必要じゃないかというときに、中村先生の言う評価基準は、これはまさに道路としての新しい評価基準ということですよね。ところが、今までの、私が九七年の十二月に、公共事業における評価基準、及び撤退システムの確立についてという質問主意書を出させていただいて、そして、どういう事業評価をしていくのかというときに、ヘドニック法という方法もあるし、いわゆる土地の値段に全部換算をするというやり方の事業評価、そうしたことが指摘されたものですから、どうなんだと聞きましたら、まだこれは、現段階ではそうした指標もあるけれども、困難というような質問主意書の答えが当時は返ってきたということもあったりしました。
 私の当時からの問題意識は、道路と道路の評価基準の優先順位というものはあるけれども、道路とほかの事業との間、今度は新直轄で、例えば税金を使うという場合は、本来はどんと地元に渡した方がいい。そうした場合に、何に使うかということで、まず道路を優先しようというふうになるかならないか。そして、道路というふうになった場合は、高速道路ということでいこうか、そうではない方向で十分対応できるのかという観点もある。それを県なら県にある程度任せていけるというようなことであるならば、そうしたことをもっとおろしていって、私は、お金の使い方ということについて、同じ公共事業であるならばという使い方があるというふうに考えたわけです。
 なかなか難しいのは、道路と道路の評価基準のBバイCということについては、ある程度できるわけだ。ところが、ここには、道路と道路、河川と河川、そういうことのそれぞれの分野における優先順位はできるけれども、道路がいいか、河川の方に使うのか、こういうことの統一した評価基準というものがもっと研究をされなくてはいけないというふうに私は思うわけですが、これについては研究は進んでいるんでしょうか。
 それとも、そういう論議が今回の委員会の中で、何ゆえにここは高速道路か、何ゆえに一般道路なのか、なにゆえに道路じゃなくてほかの事業、公共事業でいいですよ、という統一した基準というものの論議が民営化委員会の中で本格的に行われたのかどうか、研究の状況やそうしたことについて教えてもらいたいと思います。
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佐藤信秋#27
○佐藤政府参考人 最初に、先生、先ほどの私が申し上げた数字は、都心部の一般道路のスピードでございまして、首都高速あるいは接続する高速国道のネットのスピードではございません。一般道路のスピードでございますので、多少というか随分低目の数字を申し上げたわけでございます。済みません。
 それから、ただいまのお話でございます。昔から、大砲かバターか、こういう選択には、あえて申し上げれば、費用便益分析というか計量経済学的に便益費用を分析して横に並べる、この点については非常に難しいというのがマクナマラの費用便益戦略以来のずっと評価ではございます。
 そういう意味で、道路の場合には、走行時間の短縮、走行経費の減少、交通事故もそうでございますが、こういう計算で申し上げると、これを一般化しようとすると非常に難しいところがあるといいますか、では、下水道はどうか、あるいはまた河川はどうか。あるいはそうした点で、歩道と高速道路、これのそれぞれの効果をどう考えるか。
 これが同じような単位として同じように並び得るかという点で申し上げると、道路で用いております、先ほどの中村基準によります費用便益分析をどこにでも使って同じように並べる、これはそのままでは難しい、こういう問題かと思います。
 何をしているか、こういう議論であるわけでございますが、実は、国土交通省の中で、官房組織の中で、それぞれ各局いろいろ勉強しております。特に下水道なんかに関して申し上げれば、下水道、公園は主にヘドニック・アプローチかと思います。そういう意味で、道路の場合にもヘドニック的なアプローチということもあり得るかと思いますし、それから、便益が最終的にどう帰着するか。帰着便益等の議論でいえば、また同じようにある程度の横並びで評価もできようか、こういうような観点から、実は、省としては、そうした点も含めていろいろ勉強させていただいておるというのが現状でございます。
 先生御指摘のように、できるだけ共通、統一的にやりたい、これは、長年の懸案ではございますし、学問的にも政治経済的にも世界的に問題であるわけでございますが、できるだけ最先端、私が先ほど申し上げました中村先生の基準による総合評価は、恐らくこれはこれで世界で初めての試みかと思います。こうしたことを、ほかの社会資本に対しても、横に並べてという研究を省としてはやっておる段階ではございますので、できるだけ進めてまいりたいと思っております。
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太田昭宏#28
○太田委員 最後に、簡単ですが、私が一番最初に申し上げた物の考え方で、道路に本質的にかなり差があるというのを全国一律プール制でやってきたというようなこと自体の変更ということが今回の中でどういうふうに展開をされていくのか、また、そうしたプール制についてどうお考えかということについて、お聞きしたいと思います。
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石原伸晃#29
○石原国務大臣 委員が、経済戦略道路と生活インフラ道路、こう道路のあるべき性格みたいなものを整理していただいたわけですけれども、これまでは、委員が意見の御開陳の中でお示しになられましたように、ネットワークを早期に整備する必要から、有料道路方式が採用され、さらに、償還主義と全国プール制で地方の道路を整備してきた、そういう現実が一方にあると思います。
 しかし、過度なプール制への依存の弊害が出てきて、建設の判断に際して、採算性や経済効果に関するチェックが働きにくくて、委員が言うように、つくりやすいところからつくってしまう、言葉をかえますと、不透明な優先順位で道路整備が行われてきた、こういう事実があると思います。
 また、新規路線というのは、必ず採算性の悪いところが後回しになっておりましたから、そういうものが入るたびに当然償還期間というものが長くなって、幹線あるいは採算性の高い道路を利用する人たちにとっては、言われていたことと現実に大きな乖離が出てきた。
 そんなことで、今回は、償還主義あるいはプール制の弊害というものを除去して、四十兆円に上る債務というものを四十五年以内で必ず返すという新しい枠組みを整備させていただいた。その中で、委員が分類をしていただいたような経済戦略道路と生活インフラ道路をどういう順番でつくっていくのかということを、生活インフラ道路をどうつくっていくかということの判断基準というものはやはり外部効果を中心に判断する、あるいは、経済戦略道路と言われるものをつくっていくのであるならばやはり採算性というものを重視するという形で、中村基準が組み立てられ、透明性を高めた、こういうふうに理解をさせていただいているところでございます。
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