厚生労働委員会

2004-08-04 衆議院 全254発言

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会議録情報#0
本国会召集日(平成十六年七月三十日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。
   委員長 衛藤 晟一君
   理事 鴨下 一郎君 理事 北川 知克君
   理事 長勢 甚遠君 理事 宮澤 洋一君
   理事 城島 正光君 理事 三井 辨雄君
   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君
      井上 信治君    石崎  岳君
      加藤 勝信君    上川 陽子君
      木村  勉君    木村 義雄君
      菅原 一秀君    竹本 直一君
      棚橋 泰文君    中西 一善君
      中山 泰秀君    能勢 和子君
      原田 令嗣君    平田 耕一君
      福井  照君    三ッ林隆志君
      三原 朝彦君    吉野 正芳君
      青木  愛君    泉  房穂君
      内山  晃君    大島  敦君
      海江田万里君    小宮山泰子君
      五島 正規君    園田 康博君
      中根 康浩君    橋本 清仁君
      樋高  剛君    藤田 一枝君
      増子 輝彦君    水島 広子君
      古屋 範子君    桝屋 敬悟君
      山口 富男君    阿部 知子君
平成十六年八月四日(水曜日)
    午前九時二分開議
 出席委員
   委員長 衛藤 晟一君
   理事 鴨下 一郎君 理事 北川 知克君
   理事 長勢 甚遠君 理事 宮澤 洋一君
   理事 城島 正光君 理事 三井 辨雄君
   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君
      井上 信治君    石崎  岳君
      宇野  治君    大野 功統君
      大前 繁雄君    加藤 勝信君
      上川 陽子君    木村  勉君
      左藤  章君    菅原 一秀君
      竹下  亘君    竹本 直一君
      棚橋 泰文君    中西 一善君
      中山 泰秀君    西村 明宏君
      能勢 和子君    萩生田光一君
      原田 令嗣君    平田 耕一君
      福井  照君    松島みどり君
      三ッ林隆志君    三原 朝彦君
      森岡 正宏君    山口 泰明君
      吉野 正芳君    青木  愛君
      泉  房穂君    大島  敦君
      海江田万里君    小宮山泰子君
      五島 正規君    島田  久君
      神風 英男君    園田 康博君
      樽井 良和君    辻   惠君
      中根 康浩君    橋本 清仁君
      藤田 一枝君    馬淵 澄夫君
      増子 輝彦君    松木 謙公君
      水島 広子君    村井 宗明君
      室井 邦彦君    古屋 範子君
      桝屋 敬悟君    山口 富男君
      阿部 知子君
    …………………………………
   議員           海江田万里君
   議員           古川 元久君
   議員           枝野 幸男君
   厚生労働大臣       坂口  力君
   厚生労働大臣政務官    竹本 直一君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         福井 和夫君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           岡島 敦子君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房統計情報部長)        恒川 謙司君
   政府参考人
   (厚生労働省医政局長)  岩尾總一郎君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  水田 邦雄君
   政府参考人
   (厚生労働省年金局長)  渡辺 芳樹君
   政府参考人
   (社会保険庁長官)    村瀬 清司君
   政府参考人
   (社会保険庁運営部長)  青柳 親房君
   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君
    —————————————
委員の異動
八月四日
 辞任         補欠選任
  井上 信治君     宇野  治君
  木村 義雄君     大野 功統君
  棚橋 泰文君     山口 泰明君
  能勢 和子君     左藤  章君
  三ッ林隆志君     萩生田光一君
  吉野 正芳君     森岡 正宏君
  内山  晃君     室井 邦彦君
  樋高  剛君     松木 謙公君
  増子 輝彦君     馬淵 澄夫君
同日
 辞任         補欠選任
  宇野  治君     井上 信治君
  大野 功統君     大前 繁雄君
  左藤  章君     能勢 和子君
  萩生田光一君     西村 明宏君
  森岡 正宏君     竹下  亘君
  山口 泰明君     棚橋 泰文君
  馬淵 澄夫君     増子 輝彦君
  松木 謙公君     村井 宗明君
  室井 邦彦君     島田  久君
同日
 辞任         補欠選任
  大前 繁雄君     木村 義雄君
  竹下  亘君     吉野 正芳君
  西村 明宏君     松島みどり君
  島田  久君     樽井 良和君
  村井 宗明君     樋高  剛君
同日
 辞任         補欠選任
  松島みどり君     三ッ林隆志君
  樽井 良和君     辻   惠君
同日
 辞任         補欠選任
  辻   惠君     神風 英男君
同日
 辞任         補欠選任
  神風 英男君     内山  晃君
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七月三十日
 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の一部を改正する法律案(水島広子君外五名提出、第百五十九回国会衆法第九号)
 臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律の一部を改正する法律案(熊代昭彦君外一名提出、第百五十九回国会衆法第一六号)
 労働者の募集及び採用における年齢に係る均等な機会の確保に関する法律案(加藤公一君外二名提出、第百五十九回国会衆法第二八号)
 独立行政法人福祉医療機構法の一部を改正する法律案(小坂憲次君外四名提出、第百五十九回国会衆法第四五号)
 国民年金法の一部を改正する法律案(長勢甚遠君外三名提出、第百五十九回国会衆法第五〇号)
 無年金障害者に対する障害福祉年金の支給に関する法律案(泉房穂君外二名提出、第百五十九回国会衆法第五二号)
 特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律案(大野功統君外五名提出、第百五十九回国会衆法第五八号)
 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案(水島広子君外五名提出、第百五十九回国会衆法第五九号)
 児童福祉法の一部を改正する法律案(内閣提出、第百五十九回国会閣法第三四号)
 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、第百五十九回国会閣法第三五号)
 労働組合法の一部を改正する法律案(内閣提出、第百五十九回国会閣法第八八号)
八月二日
 国民年金法等の一部を改正する法律を廃止する等の法律案(岡田克也君外十名提出、衆法第一号)
同月四日
 年金法の実施中止に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二号)
 同(石井郁子君紹介)(第三号)
 同(穀田恵二君紹介)(第四号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第五号)
 同(志位和夫君紹介)(第六号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第七号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第八号)
 同(山口富男君紹介)(第九号)
 同(吉井英勝君紹介)(第一〇号)
 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第十九条の改正に関する請願(北村直人君紹介)(第二二号)
 同(白保台一君紹介)(第四五号)
 小規模作業所等成人期障害者施策に関する請願(江崎鐵磨君紹介)(第二三号)
 同(岩永峯一君紹介)(第四六号)
 同(白保台一君紹介)(第四七号)
 同(田嶋要君紹介)(第四八号)
 同(松野頼久君紹介)(第四九号)
 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(江崎鐵磨君紹介)(第二四号)
 同(岩永峯一君紹介)(第五〇号)
 医療費負担の軽減、改悪年金法の実施中止等に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第三九号)
 同(吉井英勝君紹介)(第四〇号)
 改悪年金法の実施を中止し、国民が安心できる年金制度をつくることに関する請願(山口富男君紹介)(第四一号)
 患者負担の軽減と社会保障充実に関する請願(石井郁子君紹介)(第四二号)
 社会保障制度の拡充等に関する請願(達増拓也君紹介)(第四三号)
 総合的難病対策の早期確立に関する請願(岩永峯一君紹介)(第四四号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 国民年金法等の一部を改正する法律を廃止する等の法律案(岡田克也君外十名提出、衆法第一号)
     ————◇—————
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衛藤晟一#1
○衛藤委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 厚生労働関係の基本施策に関する事項
 社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び人口問題に関する事項
 労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関する事項
以上の各事項について、その実情を調査し、対策を樹立するため、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。
 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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衛藤晟一#2
○衛藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ————◇—————
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衛藤晟一#3
○衛藤委員長 次に、岡田克也君外十名提出、国民年金法等の一部を改正する法律を廃止する等の法律案を議題といたします。
 提出者より趣旨説明を聴取いたします。海江田万里君。
    —————————————
 国民年金法等の一部を改正する法律を廃止する等の法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    —————————————
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海江田万里#4
○海江田議員 ただいま議題となりました民主党・無所属クラブ提出の国民年金法等の一部を改正する法律を廃止する等の法律案について、提出者を代表し、その趣旨を御説明いたします。
 さきの通常国会で政府・与党の提案した年金改正法を審議していた時点で、各種世論調査では、国民の六割から七割がこの法律を成立させるべきではないと答えていました。にもかかわらず、与党は、この民意を無視し、衆参両院で異例の強行採決を行い、数の力で強引に法律を成立させました。与党による民意を踏みにじったこうした国会運営の結果、選挙中の世論調査では、この法律を評価しないと答える人が与党支持者でも半数を超えました。
 そして、この民意は選挙結果で改めて明確に示されました。年金問題が最大の争点となったさきの参議院選挙で、与党は改選過半数を割り込み、自民党は第一党の座を滑り落ちるなど、国民は明らかに年金改正法案にノーを突きつけたのであります。
 言うまでもありませんが、我が国の主権者は国民です。国民の総意が国の方向性を定め、社会のあり方を規定するのです。とりわけ年金のように国民生活に密接に関連する問題について、選挙による投票という形で民意が明らかに示されたのですから、国会がこれに従うのは当然であります。憲法において国権の最高機関と定められた国会の権威は、民意を代表するがゆえの権威であって、国民から乖離した国会に権威はありません。我々民主党は、民意に基づいて政治を行う責任ある政党として、選挙で国民に約束したとおり、年金改正法を廃止すべくこの法案を提出したところであります。
 年金改正法が成立した後に厚生労働省が発表した二〇〇三年の合計特殊出生率は一・二九と過去最低を更新し、法律の想定を下回っています。少子化がこのまま続けば、改正法で政府が国民に約束した給付水準は守ることができません。政府・与党は、将来にわたって負担と給付をバランスさせたから抜本改革だと主張してきました。しかし、改正法は既に実現不可能であり、もはや従来の負担増、給付減の繰り返しにしかすぎません。それを抜本改革として、何の反省もなく実施に移すのは余りにも無責任ではないでしょうか。
 改正法は、形式上も法律の体をなしていません。民主党議員の指摘をきっかけに、年金改正法には四十カ所もの過誤があることが判明いたしました。法律は国民の権利や義務を規定するものであり、その主体や要件などは明確であることが求められます。一つの法案の中に四十カ所もの過誤があれば、どのような要件で年金がもらえるのか、どのような要件で罰則が科せられるのか不明確になります。これはまさしく欠陥法以外の何物でもありません。改正年金法は形式的にも破綻をしているのであります。
 法律として形式的にも実質的にも破綻している、このような法律を廃止せずして国会は立法機関とは言えません。参議院選挙で示された民意は、年金を一から議論し直すことであったのは明らかであります。これは与野党の違いを超えた受けとめ方ではないでしょうか。それならば、なぜ政府・与党はみずから改正法を撤回しないのか、なぜいともたやすく民意を踏みにじるのか、私たちには全く理解ができないところであります。
 この欠陥法をこのまま放置しておくと、あと二ヶ月後には厚生年金保険料の引き上げが始まります。来年度からは給付額の実質的な切り下げも始まります。このような欠陥法で国民の権利を奪い、負担を増加させることは認められるべきものではありません。一刻も早くこの法律を廃止し、議論を一からやり直すべきであります。
 以上の問題意識に立ち、国民の年金制度に対する信頼を一刻も早く回復するために、我々民主党はこの法律案を提出する次第であります。
 以下、この法律案の概要を申し上げます。
 第一に、先般の通常国会で成立した国民年金法等の一部を改正する法律及び年金積立金管理運用独立行政法人法を廃止いたします。また、平成十六年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律を改正し、国民年金事業における事務費の国庫負担の特例に関する措置等に係る規定を削除します。
 第二に、基礎年金に係る国庫負担率を、歳出の抜本的な見直しを通じて、平成二十年度末までにその割合を二分の一とするものといたします。
 第三に、平成十八年度末までに社会保険庁を廃止するものとし、公的年金制度における保険料及び国税の効率的な徴収を行うため、公的年金制度における保険料及び国税を徴収するための新たな行政機関を設置するものといたします。
 第四に、年金官僚のむだ遣いの温床となっている福祉施設に係る規定を削除いたします。
 第五に、改正法に盛り込まれていた事項のうち、改正が適当であり、かつ施行時期が近いものについては、改めて所要の改正を行うこととしています。三十歳未満の第一号被保険者に係る納付特例制度及び第三号被保険者の届け出の特例等に関する改正、在職老齢年金制度の改正、育児をする被保険者に対する配慮措置の拡充、企業年金等に対する改正等がこれに当たります。
 最後に、抜本改革への道筋について、附則に公的年金制度の一元化のための検討等についての条項を設けました。この法案では、三党合意に基づいて衆議院で修正可決した部分も廃止となります。しかし、我々民主党は、与野党協議を否定しているわけではなく、むしろ公的年金制度の一元化を実現するために速やかに取り組みたいと考えております。そのために、修正部分をそのまま生かした上で、その期限を平成十八年度中と明記いたしました。また、国会議員互助年金制度についても、公的年金制度の一元化が実施されるまでに廃止することとしております。
 以上が、この法律案の概要でございます。
 年金改革の最大の目的は、年金制度に対する国民の信頼を取り戻すことにあります。参議院選挙で民意が示された以上、制度そのものの抜本的な改革に取り組み、国民の失われた信頼を回復し、持続可能な新しい年金制度の創設を目指すべきであります。そのためにも、民意に従い、さきの国会で数に物を言わせて強引に成立させた年金改正法を廃止し、議論をゼロからやり直すことを内容とするこの法案に対する御理解を賜るようお願い申し上げまして、趣旨説明を終わらせていただきます。
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衛藤晟一#5
○衛藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
    —————————————
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衛藤晟一#6
○衛藤委員長 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省大臣官房総括審議官福井和夫君、大臣官房審議官岡島敦子君、大臣官房統計情報部長恒川謙司君、医政局長岩尾總一郎君、保険局長水田邦雄君、年金局長渡辺芳樹君、社会保険庁長官村瀬清司君、社会保険庁運営部長青柳親房君におのおの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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衛藤晟一#7
○衛藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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衛藤晟一#8
○衛藤委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大野功統君。
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大野功統#9
○大野(功)委員 おはようございます。自由民主党の大野功統でございます。
 民主党提案の年金改正法廃止法案、拝見いたしまして、まず、私の率直な感想を申し上げたいと思います。
 まず第一に、この廃止法は国民の皆様に何を訴えようとしているのか。
 今、海江田先生の提案理由説明の中で、民意に沿わないじゃないか、こういう話がありました。でも、日本の将来の安定のためには、政治責任というのは、あるいは民意に沿わなくてもやらなきゃいけないことは絶対やらなきゃいけない、こういう問題があると思います。
 第二に、もし廃止をするならば……ヤジ静かに聞いてください。廃止をするならば、責任ある政党の立場、態度として、やはり対案を具体的に説明しなければならないと思います。対案を示さないで、単に廃止法案というだけでは、私は余りにも無責任だと思います。
 それからもう一つ。三番目として、何といっても、せっかく廃止すると言いながら、中に何項目も生き返らせているんですね、復活させている。何だか政治の姿勢が中途半端ですね。これは中途半端法案としか言いようがありません。
 それから、一番現実的な問題として、年金というのは、やはり理念があって、それを支える財政問題があるんです。年金財政というものを余り書いていらっしゃらない、振り返っていらっしゃらない。せいぜい書いてあるのは、第二条で、歳出の抜本的見直しを通じて、別に法律で定めるところにより、基礎年金国庫負担分を二分の一に引き上げましょう、この程度であります。その財源も明確じゃない。これは本当に非現実的な廃止法案だな、こんな感想でございます。
 そこで、今、ドラマチックともいえるほどのスピードで少子高齢化が進んでおります。この少子高齢化社会の中で、やはり負担と給付をきちっと見直して、公的負担の割合も見直して、それを新しく描き直す、これが物すごく大事なことであります。そうしないと、年金というのはまず破産する。今のままほっておきますと、改正前に戻してしまいますと、年金というのは、厚生年金だけで申し上げますけれども、十七年間で破産してしまう。もし仮に給付をこのままにしておく、給付の水準を維持するとすれば、保険料は二六%に上げなきゃいけない。そして、そういう問題を含めて、一日も早く改正していかなきゃならないんです。だから、我々はこういう問題に政治の責任として真剣に真っ正面から取り組んだわけですね。そこで、一三・五八%の厚生年金保険料を一八・三%にいたしました。一八・三%というのは、申し上げますが、国際的に見て決して高い水準ではありません。
 今、海江田さんの提案理由の中で、負担が上がる給付が下がる、だから反対だ、これはそのとおりであります。これも余り民意にそぐわない点であるかもしれません。しかしながら、やらなきゃどうしようもない、これが政治の責任なんですよ。そこで……ヤジそんなことをやっていたら、改革は何のためやったか。年金制度を将来にわたって支えるために改革しているんです。それをもとへ戻すということは、改革のスタートラインへ戻ってしまう。しかも、単に改革のスタートラインに戻るのみならず、なぜ改革をしなければならないか、この原点に戻ってしまうんですよ。そういう点を含めて、私は、この廃止法案というのは、反対のための反対法案、年金破産法案、こう言わざるを得ないと思います。そういう点、いかがお考えなのか。
 まさに少子高齢化というのは、今、改革待ったなしなんですよ。一日でもこれをおくらすと、この解決はますます難しくなってくる、こういう問題をどうするんだろうか。改革の時期については、附則第二条一項で十八年と書いてあったと思いますが、十八年、それから二分の一引き上げは二十年、残念ながらこれしか書いていないんですね。全体、いつ改革をやるのか、これすら書いていない。
 そういう意味で、どうかまず改革のねらい、それから、年金改正法の対案なき廃止法案は無責任ではないか。それからもう一つは、待ったなしの年金改革、本当に一日でも待てないんですよ、きょうやらなきゃいけない、この点をどうお考えになるか、お答えください。
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海江田万里#10
○海江田議員 種々お尋ねがありましたけれども、先ほども趣旨の説明のところで申し上げましたけれども、この年金の問題につきましては、民意があっても、あるときは政治判断でそれと別のことをやらなければいけないというようなお話もありましたけれども、まさにせんだっての選挙の争点は、これはやはり年金の問題であったわけでございますし、それから、本当に国民生活に密接に関係のございます、影響の出てまいりますこの種の問題には謙虚に民意に耳を傾けるということがやはりまず政治の基本的な姿勢として私は必要なんではないだろうかというふうに考えるわけでございます。
 私どもは、参議院の選挙でも、今度この選挙で私どもが多数を占めることができましたら必ず年金の廃止法案を国会に提出するということをお約束しまして、そして、先ほどもお話をしましたけれども、参議院の選挙の結果は、昨日の参議院の答弁などを聞いておりますと、小泉総理は、勝ってはいないなどというおかしなことをおっしゃっておりますが、これはもう明らかに第一党の座は選挙で——選挙においては負けたわけでございますから、やはりそういうことを踏まえて、私どもは今まさに、年金をゼロから、もう一回改革の原点に立ち戻って議論をしてほしいという、その声にこたえてこの法案を提出したところでございます。
 それから、抜本改革案がないじゃないだろうかということをお話しいただきましたけれども、これはもう、大野委員はこの厚生労働委員の本当に重鎮でございますが、記憶にまだ新しいと思いますけれども、ついせんだっての、参議院の選挙前の通常国会で、民主党は、その抜本的な改革案であります、高齢期等において国民が安心して暮らすことのできる社会を実現するための公的年金制度の抜本的改革を推進する法律案というものを提出しております。これを私どもはこの委員会で十分な時間をかけてじっくりと議論をお願いしたいということを申し出たにもかかわらず、極めて短時間のうちに、しかも政府の与党案を強行採決するという形で、この私どもの年金の抜本的な改革案について十分に議論をする機会をお与えいただけなかったということは、むしろ皆様方の問題ではないだろうか、そのように思っているところでございます。
 それから、最後の、この待ったなしの年金改革をいつやるのかということでございますが、これは、法案の附則第二条三項に、「公的年金制度の一元化を実施できるようにするために、必要な整備を平成十八年度中に行うものとする。」としてございますので、抜本改革は十九年度よりスタートをするということでございます。
 以上でございます。
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大野功統#11
○大野(功)委員 幾つかの問題点がありますけれども、後、それぞれ触れてまいります。
 まず、十分な審議時間がない。
 これは、申し上げたいんですが、今回の衆議院の委員会での審議というのは三十六時間やっているわけでございます。それで、十一年の年金改革では二十八時間三十分ということで、多くの時間を割いておるわけでございます。ヤジそういう意味も込めて、きちっと審議はしている、私はこういうことが言えると思います。
 それから、抜本改革というのは、もう既に廃案になりましたけれども、示したことはあるじゃないか、こういうことであります。
 それではお伺いしますが、最低保障年金というのはどうなっているんでしょうか。最低保障年金という理念をお持ちでありながら、この法二条では基礎年金国庫負担について二分の一と、理念と相矛盾するようなことをおっしゃっていますけれども、そこはどういうふうに解釈したらいいんでしょうか。
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海江田万里#12
○海江田議員 委員会での審議の時間については、先ほども先生の方から三十六時間という話がありましたけれども、政府案については十七時間だというような事実もございます。
 それから、今お尋ねの二点目の最低保障年金の問題と、それからこの今回の法案に盛り込んでございます基礎年金の国庫負担の二分の一でございますが、私どもは、一元化をしまして、本当にしっかりとした、年金の本来あるべき姿の中では、最低保障年金ということを考えておりまして、この理念というのは今も捨て去っているものではありません。ますますこの最低保障年金というものをしっかりしたものにしなければいけないということで、はっきりとした民主党の中の意見の一致を見ているところでございます。そこへ移る過程で、今ございます基礎年金をとりあえず二分の一にしようということ、このことを申し上げているわけでございまして、将来的に、これはしっかりと一元化をして、その中で、最低保障年金というものをすべての国民に対して、どんな働き方をしていようがすべての国民に対して、最低これだけの年金は保障するよという制度を決めているところでございます。
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大野功統#13
○大野(功)委員 一元化の問題、後ほどまたじっくりと質問をさせていただきますけれども、一つは附則第二条でございます。附則第二条第一項、第二項。あの前国会で修正案が出されました。もちろん民主党の皆様は本体は反対でございますけれども、修正案には賛成をなさいました。この修正案と全く同じ文言が今回の附則二条一項、二項で書いてあるわけでございます。
 ところが、何に対して見直しするのかということになりますと、改正された法に対して見直しするのと、大もとの法律に対して見直しするのでは、意味合いが違ってまいります。もちろん今回の修正案というのは大もとの法律について見直しするというふうに理解いたしますけれども。そうすると、「必要な見直し」というふうな表現を使っておられるんですね。大もとの法律というのは見直しは絶対不可欠なんですよ。改革していませんからね。必ず改革していかなきゃいけない。それに対して必要な見直しというのはいかなる意味を持つんだろうか。改正した後の本文に対してはもちろん必要な見直しで結構でございますが、同じ文言を使っているというのは何となく改革の意図が出てこないな、こんな感じでございますが、そこはどういうふうに解釈したらいいんですか。
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海江田万里#14
○海江田議員 大野先生が何を本当におっしゃりたいのか、はっきりいたしませんが。
 私どもは、やはり三党合意の中でお約束をしたことはこれまでも誠実に守っているつもりでございますし、その精神を最大限生かしていこうということで、私どもが合意をした中身については、附則という形で、修正ではございませんで、附則ということで、その中に盛り込んでいるということでございますので、三党合意につきましてはいろいろな御議論もございますけれども、私どもは、私どもの方が約束をしたことは誠実に守っていこうという立場でございますので、今これがなかなか機能していないということにつきましては、むしろ与党の側に責任があるのではないだろうか。
 あそこで約束をしましたですね。まず、委員会で決議をやろうということも、私どもの方はこの委員会の決議の案文を提示したわけでございますが、それに対する答えというものは現在出ていない。答えがないということは拒否だろうということなんですが、では、それにかわるものは何なのかということも出てきていないわけでございますから、その意味において、私どもは三党合意の誠意を、私どものできる範囲で最大限誠実にということで、附則という形で、合意した点については我々の法案の中に盛り込んでいるということでございます。
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大野功統#15
○大野(功)委員 私の質問には答えてくださらなかったのでありますけれども、海江田先生の、約束したことはなるべく守っていこう、このことは大変いいお言葉だと思っております。
 いろいろな改正、廃止法案、見させていただきまして、別の角度から申し上げますと、附則二条の一項、二項を見て、本当にうれしく思いました。これは、三党で合意して修正案を出したそのとおり書いてあるんですね。だから、これまで何となく、三党合意というのは守ってくれるんだろうか、くれないんだろうか、不安に思っていましたけれども、今のお話を聞いて大変、三党合意は守ってくれるんだな、こんな喜びがわいてまいりましたけれども、海江田先生、そこはどういうふうに——三党合意、お守りくださるんですね。
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海江田万里#16
○海江田議員 先ほどもお話を申し上げましたけれども、私どもはまず、あの三党合意の中に、当委員会で決議をやろうということを書いているわけでございます、合意しているわけでございますが、その決議につきまして、私どもは、こういう形で決議をしてはどうだろうかという案をお示しいたしました。それに対して、結果的には拒否ということだろうと思いますが、その後の御返事をいただいておりませんで、そして、拒否であるのなら、では与党の側としてはこういう案がありますよというようなこともこれはお示しをいただかないまま、それこそ参議院での強行採決ということになりまして、その意味では、まず、あそこで守られたことのお互いの信頼関係というものが私どもは今崩れているというふうに思っておりますので、やはりその信頼関係を、例えば今回私どもが提案をしておりますこの廃止法案を皆さん方も御賛同いただきまして、これを通していただくことによって、その意味ではこの信頼関係が生じてまいりますので、そういうことになれば、私どもは着実に、しっかりと、この三党合意の線に沿ってお話し合いも進めていくことができる、このように考えているところでございます。
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大野功統#17
○大野(功)委員 三党合意につきましては、廃止法案を通せと言っておられるようでございますが、この廃止法案は絶対通すわけにいきません。それは今るる説明してきたとおりでございます。
 そこで、問題は、この年金問題に取り組む政治の姿勢、政治の責任、このことについてちょっと議論させていただきたいな。
 確かに、年金改革というのは、マスコミの世論調査を見て、不利な数字が出ているな、しかし、これは私はやむを得ないのかな、このように思っております。何さま少子高齢化の中でやる改革でありますから、負担は上がる、給付は下がる、世代間のバトルも起こってくる、こういう問題が生じてまいります。このことは世論調査の中でも、なぜ反対かという場合に、それぞれ一〇%ぐらいずつ、負担が上がるから反対よ、給付が下がるから反対ですよ、こういうふうに出ております。しかし、これを乗り越えていかないと、将来長続きする年金ができていかない。そういう意味で、やらなきゃいけないことはやっていく、これが先ほど申し上げたとおりの政治の責任であり、我々がやらなきゃいけないことであると思っています。そのために、十分に国会で審議をして、中身を審議してですよ、それで国民の皆様に、改正法の趣旨がどういうところにあるのか、改正法の内容がどういうところにあるのか、これを御説明申し上げなきゃいけない。
 ところが、反対理由の中で、今申し上げましたように、賛成、反対、これは五月十七日の某新聞の世論調査でありますけれども、賛成が一〇%、反対が三七%、そして、法案の中身がよくわからない、こういうお答えが四六%あるんですね。我々国会議員として、政治家として、この法案の中身をもっともっと議論していったらよかったのになと、こんな反省は残っております。ところが、問題は未納三兄弟とか未納問題ばかり、あるいは総理の答弁の答弁ぶりが悪い、人生いろいろと言ったとか、そういう問題ばかりであります。
 先ほど後出しの議論が出たと思いますが、例えば五〇%の給付。これは新規裁定の場合、標準世帯についてでありますけれども、五〇%と言っている。それが、年を経るにつれてこれが減ってくる。こういう問題は後から説明したではないかと、あのときどなたかが怒っていらっしゃったように思い出しますけれども。そういう問題も、これは平成十二年の年金改革のときに既に採用している、ビルトインされているんですよ、今の年金法案に。だから、恐らく、厚労省の肩を持つわけじゃありませんけれども、厚労省はそこは十分おわかりのこととして説明しなかったのかな、こういう問題であるかもしれません。
 いずれにしても、先ほども問題になりました、例えば法文ミスとか出生率の一・二九後出しとか、こういう問題は反省しなきゃいけない、これはそのとおりであります。問題は、きちっと国民に制度の中身を理解してもらうような議論ができたか、私はそこが大いに反省すべき点だと思っております。
 アメリカで聞いた話でありますけれども、政治家が年金問題にタッチをするということは地下鉄の第三レールにさわるようなものだと。第三レールというのは、地下鉄銀座線、丸ノ内線でいいますと、線が二本走っています。その向こう側にもう一つ、電気をとるための線路が走っているんです。そこから電気をとって地下鉄の電車が動いている。ところが、年金電車がだんだん人数が多くなって重くなって、今の銀座線でありますと六百ボルトの電流が走っていますけれども、六百ボルトの電圧ではもう年金電車が走れない。だから、政治家としては、年金電車を走らすために絶対にこの第三レールを改修していかなきゃいけない。
 そういう意味で、やらなきゃいけないことというのはそういうことなんですよ。電圧を上げる、電気の流れをよくする、これを政治家がやらなきゃいけない。しかし、アメリカで言うのは、そういうことをやると感電するおそれがある、こんなことを言って笑っておりましたけれども、国民の支持がなくてもやらなきゃいけないことはやらなきゃいけないんです。責任ある政党として年金改革は絶対やらなきゃいけない。
 参議院選挙でこの第三レールに自民党はさわりまして感電したのかもしれません。傷がついたのかもしれません。しかし、責任ある政党として、この傷は国民の将来の安心感をお届けするために光栄と勇気ある傷である、私はこのように思っているところでございます。これを小泉内閣がやったわけであります。与党がやったわけであります。このことは御理解をいただきたい。
 そして、民主党は、どうも一元化を中心として改革ということを叫んでおられますけれども、何ら負担と給付の、これまでもですよ、負担と給付の水準をきちっと示しておられません。そういうふうに負担と給付、先ほど申し上げました世論調査でも負担と給付の問題で反対しているということも出ておりました。この負担と給付をきちっと示して、痛みを伴う年金改革、なぜ痛みを伴うか、くどいようですが少子高齢化であります、そういうことをきちっと示していく勇気をお持ちになるべきではないでしょうか。
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古川元久#18
○古川(元)議員 今大野議員の方から感電したというお話がございました。勇気をというお話がございましたが、そこまで自信があるのであったら、この選挙でも国民の民意というものを理解しておられないんでしたら、これは衆議院を解散されて、そして国民に信を問われればいいと思います。そこで感電しても、国民がこれを認めたということであれば、それは今のような言い方もあるかもしれませんが、明らかに今回の参議院選挙の結果というのは、この選挙は年金選挙と言われるほど年金が争点になって、明確な意思表示がされたわけであります。
    〔委員長退席、北川委員長代理着席〕
 私ども民主党は、とりあえずこの年金改正法については一たん白紙に戻して、本当の一からの議論をしようということを選挙で訴えました。それが国民の皆さん方に理解をされたから、私どもこうした結果を得させていただいたんだというふうに思っております。
 そういう意味では、私どもが今回この法案を提案したのは、まさに民主主義の基本であります選挙に基づく民意に従って行動する、それが民主主義国家における政治家の役割ではないでしょうか。国民がわかっていなくてもやらなきゃいけないことはやらなきゃいけないんだというのは、民主主義じゃない国においてはそういうことがあるかもしれませんが、民主主義国家においては、やはりまず国民の民意に立った行動をとるというのが政治家の大原則ではないかというふうに思います。
 そういう中で、この年金問題について申し上げますと、年金制度というものは国民の信頼がなければ成り立たないものであります。委員も御承知のように、別に大野委員がすべての負担をしていただけるわけじゃありません。国民の皆さん方が、すべての義務のある人たちが保険料負担をしなければ、この制度はどんなに机の上で数字が合っても、それは信頼がされなければそんな制度には保険料を掛け込まない、だからこそ今、国民年金においては未納、未加入が四割というような状況が起きているわけであります。
 そういうところから考えますと、どうしたら年金制度に対する信頼を構築できるか、まさに今回の抜本改革の議論というものは、そういう国民の信頼が回復できるかどうかというところにポイントがあったんだと思います。そして、国民の信頼を回復するためには、そもそもの制度の問題と、そしてその制度の中での負担と給付の問題、実はこの二つの側面から考えなければいけないというふうに私たちは考えておりました。
 政府・与党の方が提案をされたあの改正法は、制度には全く手をつけておりません。現行制度、ほとんどの多くの国民が不公平感や不信感を持っています。職業によって保険料もばらばら、そして給付もばらばら、そして世代間での不公平も拡大していく、そういう制度そのものに対して不信感がある中で、その中での数字上の負担と給付のつじつま合わせをやったからといって、それは到底、制度に対する信頼が回復できるものではありません。
 まずは、制度がすべての国民にとって納得のできる、公平だと思えるような、そういう制度にするということを、そういう制度を提案することこそが抜本改革のまず第一歩であるはずであります。その点に手をつけずに、不信感を招いている現行制度をそのまま維持するためにはどうしたらいいかという形で負担と給付の関係に手をつけた、それが政府・与党案ではなかったでしょうか。それが不信感を招き、また、そこで示した数字も、私どもに具体的な数字がないというふうに御批判をされましたけれども、政府・与党から提案をされた数字は確かに具体的な数字ではありました。しかし、そもそもその数字自体が違っていたわけでありますから、数字が違っていて、違う数字を前提に、この数字で合っているのではないかと、そういうことを言って国民にごまかす、まやかしを与えたことが、まさにこういう選挙結果を生んだわけであります。
 そういう意味では、きちんとした客観的なそういう数字というものが示されなければならない。その正確な情報のもとでの負担と給付の議論が行われなければならない。私どもは、そういう数字がきちんと出てきていない、そういうまやかしの数字のもとに我が党の具体的な細かいところまで計算しようとしても、それは無理だというふうに申し上げたわけであります。
 そしてまた、私どもが計算をするには十分な資料というものが政府の方から提案をされておりませんでした。そこについては、我が党の議員が資料要求やあるいは国会の質問の中で要求をして、ようやく最近になって出てまいりましたけれども、政府から出された数字は、計算の前提になったものは、データが四千ページを超えるものがコピーで渡されました。私どもそれを計算しようとしますと、すべてその数字をインプットする作業をしなければいけません。まさにこれは嫌がらせをやっているとしか思えないんじゃないかというふうに思います。
 本当に、同じデータで負担と給付についてきちんとした計算をして議論をしようというのであれば、そういうデータを公開するのであれば、それは磁気情報という形で提供する、それが当たり前の姿ではないでしょうか。一々、わざわざ四千ページを超えるその数字をまたインプットしなければいけない、そういうことをやっている。民主主義国家においては、もちろん政策の中身も大事でありますけれども、その政策が決まるに至る政策決定のプロセスというものも極めて大事であります。
 そういう意味で、これまでの一連の政府の行ってきた年金改革の行動というものは、内容においても、そしてプロセスにおいても、到底国民の信頼を得られるものでない。だからこそ、私どもは、これは一たん白紙に戻して一から議論をやり直そう、そういうふうに主張しているわけでございます。
    〔北川委員長代理退席、委員長着席〕
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大野功統#19
○大野(功)委員 まず古川議員にお願い申し上げます。演説会を聞きに来ているわけじゃございませんので、なるべくピンポイントに、簡潔にお答えくださいますようお願い申し上げます。
 まず、民意の問題でございます。
 民意の問題といいますと、思い出してみますと、消費税のときも第三レールにさわったようなことかもしれません。しかし、その消費税が、今や年金財源としても考えなきゃいけないんじゃないか、こういうような世の中になってきております。そういうことを考えれば、我々がやらなきゃいけないことは、日本の将来を見据えて、日本の国民の皆様に、将来は安心なんだ、こういうことを確保するためにやっていかなきゃいけないな。
 さらに、御存じのとおり、先ほども申し上げましたけれども、この賛成、反対の中で、中身がよくわからない、こういう方々がかなりいらっしゃる、四六%もいらっしゃる、こういうことをどう考えるかという問題がポイントなんです。だから、もっともっとやらなきゃいけないことを説明すべき、このことをよろしく御理解いただきたいと思います。
 それから、制度なのかそれを支える財政の問題なのか、こういう問題で、制度が先だ、こういうことをおっしゃいました。しかし、制度を幾ら一元化したって、これは年金の給付が上がるわけじゃありません、年金の保険料が下がるわけじゃありません。そういう別々のことをおっしゃっているんだと思いますけれども、制度ですべて解決するような、バラ色の夢を売るようなことをおっしゃるのは、私は反対でございます。ヤジ一元化をやるべきだ、先にやるべきだとおっしゃっているから言っているんです。
 そういう意味で、古川議員のおっしゃったことは、財政といっても、まず数字が変わっていくじゃないか、こういうことをおっしゃいました。一・二九の出生率の話をおっしゃっているのかなとも思います。だけれども、年金の世界の将来の見通しというのはバーチャルな世界なんです。仮置きの世界なんです。例えば、今回の年金法につきましても、物価の上昇は例えば一%、賃金の上昇率は二・一%、運用益の利回りは三・二%、こういうふうな全く仮置きの世界でやっているわけですね。だからそれが変わってくるというのはあり得ることであります。しかしながら、それが大きく変わった場合はもちろん問題でありますけれども、一時的に一・二九という問題をどう考えるか、こういう問題がある、そうでなければ年金の将来なんか考えることできませんよ。そのことをどう考えるか、こういう問題が残るわけであります。
 次に、先ほど冒頭に申し上げましたとおり、この改正法を全部廃止しろとおっしゃっていながら、適当に何か項目を生き返らせている、このことについて御質問申し上げたいと思います。
 言ってみれば、どういう基準で復活させた、生き返らせたのかな。先ほど申し上げました、改革の姿勢としては中途半端である、そして何のためにこの項目だけとったのか。年金というのは、思想、理念があってそれをどういうふうにとらえていくかという問題であります。そういう意味で、例えば二、三例を挙げます。
 在職老齢年金につきましては、六十歳代前半の一律二割支給カット廃止、これは生き返らせております。七十歳以上の給付調整、これは廃止したままになっております。しかし、在職老齢者全体としてどう考えるか、この議論が先にあるべきじゃないですか。それから、女性と年金問題、これもきちっと議論してやらなきゃいけない。第三号被保険者の届け出の特例というのは復活させておりますけれども、離婚時の厚生年金分割の問題は廃止したままになっております。女性と年金という問題の議論もないように思われます。それから、個人年金情報の定期的な通知、こういう問題があります。この問題は、いかなる年金制度のもとでも実務上大変大事な、被保険者にとりましては本当に大事な問題であります。これは廃止したままになっている。
 一体どういう基準で民主党の皆様は、こういう何というかつまみ食いをされているのか。どうも、個人年金情報の提供につきましては、社会保険庁という悪いやつがやるから反対だ、こんなことをおっしゃりたいのかもしれませんけれども。私は、廃止とか生き返らす、そのこと自体が、根本に戻って白紙から出直すんだ、こういうこともおっしゃる、一方においてこういうこと、つまみ食いをやっておられるわけですね。そうすると、目映りのいいものだけ人気取りでおやりになるのかな、あるいは、白紙撤回といいながら、これは色つき撤回だな、こんな感じもするわけでございますが、どういう基準でこういうことをなさったのか。ちょっと、簡単で結構です、御説明ください。
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古川元久#20
○古川(元)議員 今の御質問にお答えする前に、一点だけ。
 数字が少々変わる、そのこと自体は大きな問題でないかのような御発言がございましたけれども、さきに成立した改正法の中には、給付の下限を法律で規定しているんですね。法律で規定するということの意味合い、それは当然大野議員もよくおわかりだと思います。法律で規定するその数字は、まさに出生率のほんのちょっとした変化によっても、そういう数字は守れない状況なんです。
 ですから、そうやって考えますと、そもそもそういう非常に変動性が大きい数字を前提にしながら、負担と給付、両方固定するような、それを法律の中で規定するような、そこにそもそもあの政府・与党案の問題があったんじゃないでしょうか。多分、ここにお集まりの方々もよくその部分はおわかりになっていらっしゃると思いますけれども、保険料を固定して給付の方まで固定をする、その中で変動要因が起きてくる。どうしてこのことを法律で規定できるのか。その点の問題については一番よく大野委員がおわかりだと思いますから、その点が私どもはおかしいというふうに言っているわけであります。
 今のお話でございますけれども、これも私どもは、今回すべて一たん廃止する、そういうまさにパフォーマンスのような形でやるということも可能ではありましたけれども、私どもは、責任ある政党として、問題のある部分についてはこれは廃止して議論をし直そう、しかし、年金制度の改革というものは、私どもも今回の法案で十九年度から新しい制度をスタートさせようということを申し述べておりますけれども、しかし、新しい制度がスタートするにしても、現行制度のもとで保険料を払い込んだ人については、その分については現行制度のもとでの給付を行っていく。ですから、現行制度のそれを手直ししていく部分も当然必要なわけであります。
 かつ、今回成立させられた政府の改正法の中でも、実は施行期日がかなり遅いものがあるんです。今言われたポイント制のような話は、まだかなり先の話になっています。ですからそういう、施行期日が遅いものについては、今の時点ではこれは復活をさせない。施行期日が早いものについて、そして、抜本改革の新しい制度とは別に、この段階で、現行制度がだんだんと新制度へと変わっていくその移行過程の中でも一歩でも改善していく、そういうことで、評価すべき部分について、施行期日が早いものについてはこの法律の中で復活をさせていただいた、そういうことでございます。
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大野功統#21
○大野(功)委員 まず前段の、給付の下限を決めているじゃないか、だから数字が変わると困るんだ、こういうお話でございます。
 見通しをつくる場合には、必ず仮定を、仮置きの数字を置かなきゃいけない。その問題につきましては、給付ができなくなったらどうするんだということであります。そのときこそ、下限と上限を決めているんだから、皆様議論して、例えば今、基礎年金の国庫負担は二分の一とするということでありますが、それを三分の二にする、四分の三にする。全部してしまいますと、これは税方式になってしまいます。ですから、これは、税の問題を議論していけばいい、こういう問題でありますが、今のところは、出生率を踏まえまして、これは長続きする制度として設定しているわけです。一・三九という数字が……ヤジこれは私の個人的見解でございますけれども。個人的見解ですよ。これは、そんなのはまだ議論していませんよ。だけれども、長続きさせる制度として設計するためには……ヤジよく聞いてください、設計するためには、将来の出生率の見通し、それからインフレ率、賃金の上昇率、運用益の利回り、これを仮置きしておかなければ将来の設計はできませんよ。それを、数字が変わるから——変わるって、下がる、悪い方へ行くことばかりおっしゃって、いい方へ行ったらどうするんですか。そういう可能性だってあるんですよ。
 それから、次に。
 一元化という理念をお持ちでございます。そこで、女性の問題ですが、一元化というのは、夫婦単位で考えるのと、それと個人単位で考える年金制度に区分けて言いますと、一元化というのはやはり個人単位の話になっていくんですね。それを、第三号被保険者の届け出についての特例という、夫婦単位で考えておられる、そこに理念の矛盾があるのではないでしょうか。
 もう一つの問題の、ポイント制というのは、これは政府案でも将来の問題だから、今回は廃止とか採用とか言っていないんだとおっしゃいますけれども、これもやはり理念の問題ですよ。いいことをやりましょうという問題。そういう思想とか態度の問題を放棄して、極めて実務的に、先の話だからというと、どうも、理念を優先するよりも実務を優先されているな、こんな感じでなりません。
 それでは、年金赤字の問題を質問したいんですが、一元化の問題について、トピックを変えさせていただきます。
 一元化というのは、もう言うまでもありません、実務面で極めて難しい問題があります。一元化をやっている国も世界じゅうではたくさんはありません。アメリカ、スウェーデン、カナダでございます。
 そこで、思想としては、一元化は多様化する人生あるいは公平という意味で大変わかりやすいということはあるかもしれません。だけれども、実務で非常に難しい。所得把握が難しいということはだれしもわかっていることでございます。
 そこでお伺いしますが、八百屋さんの所得をどうやって把握されますか。
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枝野幸男#22
○枝野議員 自営業者の方の所得把握の問題については、さきの通常国会の中でも何度かお尋ねありまして、何度も御説明を申し上げております。確かにサラリーマンの皆さんの方が所得把握がより容易であるという客観的な事実はあると思います。しかしながら、いろいろな収入の形態によって所得の把握の仕方、あるいはそれによって把握のやりやすさというものに差があったとしても、しかし現実問題として、より公平な制度になるような努力をしながら、実際に所得把握を皆さんの政府もしていらっしゃるわけです。
 つまり、例えば、所得税という制度は、自営業者の方にもサラリーマンの方にも同じ税率で所得税をかけていらっしゃるのは今の自民党政府です。自営業者の方の所得把握ができないというのであるならば、所得税という制度をかけていること自体が矛盾をする。そのことにどうお答えになるのかお答えいただかないと今の質問には答えようがありません。
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大野功統#23
○大野(功)委員 問題をそらされてしまっておりますが。
 要するに、自営業者の、あるいは第一号被保険者の数は全体で二千二百万人います、その中で七百万人しか国税庁で所得を把握していないんです。そういう意味で、それは調査をもっともっとやれば、あとの千五百万人の中から少し、七百万人の所得税徴収の対象になってくる人がいるかもしれません。これは所得把握が物すごく難しいからなんですよ。その所得把握をどうするんですかというのが私の質問なんです。
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枝野幸男#24
○枝野議員 我々は、より公平に所得把握をするために、納税者番号制度の導入というのを我が党の対案の中に組み込んでおります。そういうことをすることによって、現行の、今の政府が所得把握も十分にできていないのに所得税をかけているというむちゃくちゃなことを御自身でお認めになっていることよりも、ずうっと公平に、税についても年金の負担についても皆さんに負担をしていただく、政権交代をすればこういう制度になる、こういうことであります。
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大野功統#25
○大野(功)委員 納税者番号を導入いたしますと八百屋さんの収入がわかるというような趣旨に理解いたしました。
 そういたしますと、奥様方が八百屋さんへ行きまして大根を一本買います。そうすると、八百屋さんは納税者番号のついた領収書を奥さんに渡す、そしてその奥様はその領収書を税務署へ送る、こういうことができますかね。とてもじゃないけれども、できませんよ。納税者番号制度の本来の目的というのは、これは特に金融資産所得を把握していく、こういうことであります。所得の把握という意味じゃ、これは今申し上げましたように大変難しい。
 もちろん、自営業者の中でも小規模の、例えばメーカーの方、仕入れ先が限定されている、販売先が限定されている、こういう方々の場合は、その仕入れ先あるいは販売先からそういう証明書をとることができますから、これはある程度いけると思います。さらに、今もう事実やっておりますけれども、例えば顧問料を各方面から、数社からもらっている、これはもう既に今でも把握しておりますけれども、そういう場合に、納税者番号制度を導入すれば簡単にできる。しかし、自営業者の中で、八百屋さんとか小売屋さん、これは本当に所得の把握は難しいわけであります。そのことを御指摘申し上げて、次に。
 一元化の問題というのは——さまざまなライフスタイルに応じた年金をつくっていく、これは私、大賛成なんですよ。これも個人的でございます。大賛成なんです。だけれども、実務的に難しい、こういう問題がある。
 そこで、一つだけ。一元化の道のりへ到達する一里塚の問題として、例えばパートタイマーの方々について、年金保険料をどうするか、こういう問題があるんですね。我々もパートタイマーの保険料問題は随分議論いたしました。だけれども、パートタイマーで働いていらっしゃる奥様方からは、我々がパートタイムで働いているのは、疲れて帰ってくる御主人さんに夕食の食卓にビール一本つけたいんだ、育ち盛りのかわいいお子さん方にやはりおかずを一品余分につけたいんだ、こういうお話を聞くと、もうちょっとこれは議論してやらなきゃいけないな、こういうことで、パートタイムの年金保険料の問題については、将来の検討すべき課題として我々の場合は残してあるわけでございます。
 パートタイムの問題、これもさまざまなライフスタイルに応じてどういうふうに年金を処理していくか、この重要な課題であります。このパートタイマーの年金保険料の問題についてはどういうふうにお考えでございますか。
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枝野幸男#26
○枝野議員 まず、先ほどの納税者番号制度について、若干誤解をしておられるようですので申し上げておきたいと思います。
 私ども、納税者番号制度ですべての問題がクリアできて、一〇〇%、例えばサラリーマンの方と同じような所得把握ができるだなんということは申し上げておりません。ただ、例えば納税者番号制度、それをどの程度細かく適用するかという、その技術的な話は、それこそ三党協議の場で、一元化という前提で協議に入っていただけるなら、そこで詰めればいい話でありますし、それから、消費税についても、消費税をしっかりと把握するためにより制度改革が必要であると言われていますので、消費税とそれから所得把握のところを、特に売り上げの部分などについては技術的にはいろいろなやり方があるわけでありまして、そんな枝葉末節なところで一元化の話が前に進んでいけない——そもそもが、所得把握のやりやすさには差があるけれども、それでも所得税をちゃんとお願いしているじゃないかという、その根本的なところに全くお答えができていないというか主張ができていない、そのことをしっかりとお認めになるべきではないだろうか。所得把握ができないから年金の一元化ができないという御主張であるならば、所得税という制度をやめなければ自己矛盾であると繰り返し申し上げておきたいというふうに思っております。
 それから、パートタイマーの皆さんの年金の保険料の問題は、まさに政府案の欠陥のポイントであるというふうに思っています。つまり、今の制度では、パートやアルバイト、非典型雇用である場合には厚生年金に加入しなくてもいい。そして、そうした中で、保険料がどんどんどんどん毎年上がっていく。そして、特に現在のような経済状況の中ではさらにそれが加速をいたしますが、それは、雇用主、企業側からすれば、できるだけ社会保険料負担を少なくするために非典型雇用へとシフトをさせていく、こういうことがどんどん加速をしていく。
 もちろん、御本人の選択で非典型雇用を選択されている方もいらっしゃいます。ですから、非典型雇用がすべて悪くて正規雇用の方がいいと言うつもりはありません。しかしながら、余りにも雇用の形態が流動化をし過ぎて、不安定な非典型雇用に、本人の意図とは違って、そういう先しか雇用先がないというような状況が制度によって加速をされていくということは、ますます社会に対する不安、将来に対する不安というものを加速させていって、そして経済にも悪い影響を与える。
 さらに言えば、政府の計算をしている国民年金や厚生年金の将来像というのは、現状の正規雇用、非典型雇用、無業者等の割合を基本的には前提としていますが、こういう形でパート、アルバイトならば上がり続けていく保険料負担から逃れられるという制度を織り込んでしまったら、そもそもその前提になっている正規雇用者、厚生年金加入者の率がどんどん下がっていく、少子化以上のスピードで下がっていく、こういうことになって、結局計算が成り立たなくなっていく、こういう矛盾を抱えているわけであります。
 したがって、私たちは、典型雇用であるのか、パート、アルバイトなどの非典型雇用であるのかということにかかわらず、いわゆる雇用労働者であるならば一元化された同じ年金制度に入って二分の一は雇い主の方に負担をしていただく、こういう制度の中に入っていただいて、パートで雇おうが正規社員で雇おうが同じ人件費を負担しているならば同じ社会保険料負担になるという形にする、ただし、そのかわり、政府案のように、社会保険料負担をどんどん上げていくことで個人の保険料負担も大変だけれども企業の側の保険料負担も上がっていく、こういうことにはならないようにしていく、こういうことを我々は対案として示しているわけであります。
 その上でも、もちろん、いわゆる課税最低限をどの辺に置くかというような議論と同じように、そうはいっても、例えば一回限りのアルバイトに一々、今の厚生年金と同じような形で、企業、雇い主負担二分の一で全部一元化された年金制度の雇用主負担をかけるのかどうか、こういう話はもちろん出てくると思います。しかし、まさにそれこそ技術的な問題であって、そこは政治的に、まさに我々が申し上げているとおり、一元化に向けて自民党の中の議論の整理がまとまりましたら今のような技術的な話は十分協議をさせていただきたいので、一刻も早く三党協議に入れるように、自民党の中の一元化に向けた議論を整理していただきたいというふうに思っております。
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大野功統#27
○大野(功)委員 まず、パートタイマーの問題でございます。
 雇用形態、企業の雇い方の問題と関連する、それはそのとおりだと思います。しかし、私が問うているのは、そういう奥様方の声が非常に強かった、枝野さんはそういう奥様方の民意に反するようなことを直ちにやれと言うのかどうか。これから一緒になってそういう問題は検討していかなきゃいけないけれども、民意はそういうふうなことですよ、だから我々は将来の課題に残しているんですよと、こういうことを申し上げているわけであります。
 それから、一元化の問題ですが、所得把握ができないから所得税なんかやめてしまえみたいなふうに聞こえましたけれども、こんな……ヤジでは、まあいいですよ。所得税との関連では、所得税には課税最低限があるんですね。その課税最低限の下の方は、これは把握していませんというのは国税の立場です。しかし、年金の立場というのは、どんなに収入が少なくてもパートタイマーの皆さんから年金保険料をいただくという問題なんですよ。だから、その点をきちっとしなけりゃどうしようもないでしょう。背番号制度を導入したからといって、この所得把握、課税最低限以下の人の——課税最低限以上の人は、二千二百万人の一号被保険者の中で七百万人ときちっと把握していますよ。しかし、以下の人は把握できない。そこをどうするんだということを八百屋さんの例で御説明申し上げたのでありますが、まあ、そこのところはなかなか御理解いただけないようでございますが。
 背番号制度というものは、いわば総合課税のもとで課税をいかに公平にやっていくか、ここに重点があるわけであります。金融資産所得をどうしていくのか。固定資産所得というのは、アパートの家賃というのは一人一人から証拠をもらうわけにもいかないということがあってなかなか難しいのでありますけれども、私が申し上げたいのは、背番号制度を導入したら一元化問題がすべてバラ色に解決するような誤解があると困るなと、ここの問題でございます。
 それで、私は、きょうは年金の……ヤジもちろん、こういう一元化の問題については、きちっと、私の発言から私たちの一元化に対する取り組みというのはわかっていただいたと思います。ヤジ
 それでは、繰り返して申し上げます。一元化というのは、ライフスタイルに対応した年金制度として極めて大事なことだと思います。公平な年金としても大事なことと思います。しかしながら、実務面で極めて難しい問題があるということを、反対して言っているんじゃないですよ、実務面で難しい問題があるので、これを解決しなければどうしようもないじゃないですかということを申し上げているわけでございまして、それは私見で言いますと、私もいろいろな私見を持っていますが、それは今後お互いに協議していく、こういうことでいいと思います。
 それから、きょうは年金赤字のことをうんと質問したかったのでありますが、時間が来てしまいましたので、年金赤字の問題につきましては同僚議員にすべてお任せをするといたしまして、最後に申し上げたい。それは、前国会での議論は、我々は、制度面もいろいろ改善しましたけれども、給付と負担を中心に現実的な法律をつくりました。しかしながら、民主党の方は、一元化ということ、あるいは最低保障年金という税方式の話を組み入れる話をしておられました。
 その中で、民主党の方は給付と負担という姿がはっきり出てこない、こういうことだと思いますけれども、政府・与党案というのは、社会保険方式、これはもう世界的にあまねく普遍的な思想ですよ、こういう思想のもとで、一八・三という、世界の常識でいうと極めて常識的な、世界的に見れば決して高くない水準であることをもう一度繰り返して申し上げたいと思います。
 最後に、こういう一元化とかあるいは給付と負担とか、こういう問題、抜本改革と称してそれぞれが言い合っていたんですね。だけれども、私は、抜本改革というのはもっともっとお互いに話し合う、本当の抜本改革というのは、やはり家族政策とか少子化対策とか、家族愛あるいは人間愛をはぐくんでいく教育の問題とか、本当に幅広い視野から党派を超えて議論していく、これが抜本改革じゃないかな、こういうふうに思う次第でございます。
 最後に、今まで申し上げましたとおり、全体でおわかりいただけたと思いますが、廃止をすると、もう赤字が、直ちに破産するようなことになります。一元化の問題は、今の改正法の中でやっていける問題なんですね。ですから、どうぞ、この廃止法案に自民党として絶対反対、委員長にお願いしますが、廃止法案を直ちに廃止してくださいますようお願い申し上げます。
 また、三党合意に沿った協議を即刻開始してもらいたい。社会保障全体の中で一元化を含めた議論をやっていくことが重要でございます。その中で、一元化を含めた年金問題をお互いに十分協議していこうではありませんか。
 しかしながら、さらに大事なことは、年金だけではなくて、今申し上げましたような家族制度あるいは少子化対策、こういう問題を、本当に幅広い視野から、日本の将来のために、我々の、国民の皆様の将来の安心感のために、政治の役割というのは、やはり安心を皆様にお届けする出前持ちのような気持ちでやっていくべきではないか、そのためには党派を超えていろいろな議論をしていかなきゃいけないんじゃないか、このことを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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衛藤晟一#28
○衛藤委員長 次に、宮澤洋一君。
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宮澤洋一#29
○宮澤委員 宮澤洋一でございます。
 さきの国会でも、二度ほど、古川先生、枝野先生と随分討論をさせていただきましたけれども、引き続き、きょうは廃止法案について、反対の立場からいろいろ質問をさせていただきたいと思っております。
 先ほど海江田先生の提案理由を聞いておりまして、私は、実は政府案という電話帳みたいなものを前国会の途中で全部、最初から最後まで読み通したんですけれども、正直言って、間違いの箇所は一カ所も発見できませんでした。大変難しい法律だなというのが実感でありましたけれども、海江田先生、これはまさに提案理由の責任者として提案理由説明をされたわけですから、この厚いのを全部読まれてどういう印象でございましたか。読まれましたでしょう、これ。
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